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Fit Siegel Japan Tour 2018 - ele-king

 フィット・シーゲルは、21世紀のデトロイトのアンダーグラウンドの主要人物のひとり、オマーSの〈FXHE〉から登場し、DJ Sotofettとのコラボレーション作品でいちやく脚光を浴びたDJ/プロデューサー。12月に初来日が決定した。
 we must go there!

■Fit Siegel Japan Tour 2018
12.15 (SAT) 東京 Nakameguro Solfa
- Fit Siegel Japan Tour 2018 supported by bamboo -

ROOM 1
FIT SIEGEL (FIT Sound/FXHE)
COMPUMA
KABUTO (DAZE OF PHAZE/LAIR)
U-T (bamboo)
FAT PEACE (bamboo)

ROOM 2
Wataru Sakuraba
DJ Razz
DAIZEN (LAMERACT)
kenjamode (Mo’House)
Takuya Honda
bungo

Open 21:00
Door 3000yen / With Flyer 2500yen / Entry Before 11PM 2000yen

Info: solfa https://www.nakameguro-solfa.com
東京都目黒区青葉台1-20-5 oak build.B1F TEL 03-6231-9051

自身の主宰するレーベルFit Sound、ディストリビューション会社”Fit Distribution”を運営し現在のデトロイトのミュージックシーンを根底から支えるFIT SIGELが来日。2012年にOmar Sのレーベル、FXHEからのリリースを皮切りに今年度はDJ Sotofettとのプロジェクト、S & M Trading Co.でのリリース、現在のデトロイトアンダーグラウンドの支柱となるアーティストの来日に期待が高まる。競演には、長いキャリアの中で今もなお、日々フレッシュでユニークなジャンルを横断したイマジナリーな音楽世界の探求を続けFit SiegelもNYで氏のMIX CDを購入しラブコールを送るCOMPUMA、自身の主宰するパーティーDAZE OF PHAZEでは世界各地の実力派DJを招聘しながらも、世界のアーティストを相手に全く引けを取らないプレイで日本国内のパーティークオリティを見せ続けるKABUTOを始め、各地で活躍するDJが集結。年の瀬に相応しいスペシャルな一夜となっている。

12.16 (SUN) 大阪 Compufunk Records
- Compufunk Records feat. FIT Siegel -
Guest: FIT Siegel (Fit Sound/FXHE)
MITSUKI (Mole Music)
COTA (NIAGARA)
DJ Compufunk

Open 18:00
Advance 2000yen with 1Drink
Door 2500yen with 1Drink

Info: Compufunk Records https://www.compufunk.com/?mode=f3
大阪市中央区北浜東1-29 北浜ビル2号館2F TEL 06-6314-6541


FIT Siegel (Fit Sound/FXHE)
FIT Siegel(a.k.a FIT)は、デトロイト・アンダーグラウンドの支柱となるべく、静かに立ち上がっている。Underground Resistanceの本部、Submergeの”Mad” Mike Banksから音楽制作を学び、2012年にOmar Sのレーベル、FXHEから『Tonite』でデビュー。
O.m.a.r - S & L'Renee『S.E.X.』のリミックス制作に関わったり、Gunnar WendelことKassem Mosseとのコラボレーション、FIT Featuring Gunnar Wendel『Enter The Fog』をFXHEからリリース。2015年リリース作、FIT Siegel名義でのEP『Carmine』は各方面から高く評価されることとなった。2018年にはDJ Sotofettとのプロジェクト、S & M Trading Co.『Metal Surface Repair』をリリースしている。レーベル"Fit Sound"とディストリビューション会社"Fit Distribution"を運営し、そこにはURやFXHEの持つ猛烈なDIY精神を内在している。
DJとしては、ジャンルレスなアプローチを好み、DiscoやPunk~現在デトロイトで作り出される異例なテクノやハウス・ミュージックを自由に横断する。自身のDJ活動や音楽制作と並行して、レーベルとディストリビューション運営の役目を平衡し、今後もその創造的追求を極めていくだろう。

Facebook https://www.facebook.com/fitofdetroit/
Soundcloud https://soundcloud.com/fit


Fatima - ele-king

 こうなる瞬間を待っていた。ある種の奇跡だろう。たとえばアルチュール・ランボーの有名な詩の一節。「ぼくは歩く、自然のなかを、恋人を連れ添っているみたいにウキウキしながら」。10代の思春期の真っ直中に読むとじつにうっとりする詩だ。20代になってもぼくはこの詩が好きで、しかし30代になってからはじょじょにだけれど「好き」が薄れていったので、自分はかつてこの詩がとても好きだったという事実だけは忘れないようにしようと思った。
 音楽が好きになった大きな理由のひとつも、音楽を聴いて恋する気持ちが湧き上がるからだ。やたら胸がときめき、切なくなり、うれしくなる。この無意味な一生をどうやって過ごせばいいんだよバカヤローなどと思っていた昨日までの自分は消えて、幸せな感覚が身体をかけめぐる。何十億儲けても儲け足りなかったゴーンよりも確実に幸せだと思える感覚だ。そんなときめきを素晴らしいポップ・ミュージックは何気なく誘発する。ファティマの『アンド・イェット・イッツ・オール・ラヴ(そしていまだそれはすべての愛)』をはじめて聴いた瞬間、つまり1曲目がはじまると、スローモーションになった世界では、落葉樹の黄色がほのかに輝き、心地良い風に包まれながら自分はとろとろに溶けていく。いても立ってもいられれなくなり、花屋に入って花を買ったほどだ。

 2014年のファティマの最初のアルバム『Yellow Memories』をぼくがなぜ買ったのかといえば、フローティング・ポインツとセオ・パリッシュが関わっているからで、レーベルも〈イグロ〉だし、彼女がロンドンのプラスティック・ピープルから出てきたシンガーであることも気になっていたし、いずれにせよ音楽的な理由によるものだ。そのレヴューでも書いているように、ローリン・ヒルやジル・スコットを聴いて育った彼女の『Yellow Memories』には、マッドリブの弟やコンピュータ・ジェイといった西海岸のビートメイカーも参加している。それを思えば、新作『アンド・イェット・イッツ・オール・ラヴ』がよりソウルフルなヒップホップに向かうことは自然の成り行きだったのかもしれない。ただ、それにしてもこのアルバムの恍惚感は出色なのだ。

 ぼくのお気に入りは以下の2曲。〈ストーンズ・スロー〉からの作品で知られるmndsgn(マインドデザイン)がトラックを手掛けた1曲目の“Dang”は、キラキラとした、メロウで官能的な波乗りだ。温かい音色によるグルーヴの合間をなめらかに滑るファティマの歌声。今後このアルバムを聴くことがあれば、まずは“Dang”をかける。“Attention Span Of A Cookie”は、ぶ厚いシンセ・ベースが効果的に入っているクラブ映えしそうな曲で、これも“Dang”と同じようにメロディラインが秀逸だ。
 ほかにも良い曲はあるし、全体的にメリハリの効いているアルバムだと言える。“I See Faces In Everything”も“Attention Span~”同様にキャッチーだし、ロンドンのグライム・プロデューサー、ザ・ピュアリストによるウェイトレス・トラックを擁する“Take It All”は、深夜の友として聴くには最高かもしれない。グライム系ではほかにJD Reidが参加しているが、その曲“Somebody Else”のリズムはたしかに目新しく、一風変わっていて面白い。LAのビートメイカーではSwarvy、そしてサー・ラーのTaz Arnold(ケンドリックの『トゥ・ピンプ~』にも参加している)もそれぞれ1曲ずつ提供している。
 しかしぼくがこのアルバムを聴いているのは、そうした音楽的な情報ゆえではない。恋人を連れ添っているみたいにウキウキするから、それでしかないし、ゆえにこのアルバムは素晴らしいと思う。そしていまだそれはすべての愛、おそらくこれからも。

Aphex Twin - ele-king

 先日ロンドンで話題となったエイフェックス・ツインのポップアップ・ショップが、東京は原宿にも出現します。12月1日(土)と12月2日(日)の2日間のみの限定オープンです。強烈なテディベアを筆頭に、さまざまなグッズが販売される模様。ロンドンでは即完売となった商品も多かったそうですので、このチャンスを逃すわけにはいきませんね。詳細は下記をば。

ロンドンに続き、エイフェックス・ツインのポップアップストアが東京・原宿にて2日間限定オープン!

11月22日(木)、エイフェックス・ツイン自身の公式SNSから動画がポストされ、ロンドンと東京での新たなオフィシャル・グッズの発売が発表された。その2日後にスタートしたロンドンのストア/通販では即完商品が続出。それに続き、今週12月1日(土)と12月2日(日)の2日間限定で、東京・原宿にエイフェックス・ツイン・ポップアップストアがオープンする。

今年、傑作の呼び声高い最新作「Collapse EP」をリリースし、シルバー・スリーヴ付の豪華パッケージ盤や、“T69 collapse”のMVも大きな話題となったエイフェックス・ツイン。彼の代表曲のMVから飛び出てきたようなグッズの数々やクラシックロゴTなど、レア化必至のグッズが勢揃い!

APHEX TWIN POP-UP STORE

開催日程:12/1 (土) - 12/2 (日)
12/1 (土) 12:00-20:00
12/2 (日) 12:00-18:00

場所:JOINT HARAJUKU (東京都渋谷区神宮前4-29-9 2F)
詳細・お問い合わせ:www.beatink.com

APHEX TWIN RETAIL ITEMS


『Donkey Rhubarb』テディベア
全高25cmのクマのぬいぐるみ
色:タンジェリン/ライム/レモン
オリジナルボックス入り
販売価格:¥5,000(一体)


『Windowlicker』傘
外側にエイフェックス・ツイン・ロゴ、内側に顔がプリントされたジャンプ傘。取手にはロゴが刻印され、木の柄を採用。
販売価格:¥8,000


『Come To Daddy』Tシャツ/ロンパース
サイズ展開:S、M、L、XL、キッズサイズ、ロンパース
販売価格:¥4,000


『CIRKLON3 [ Колхозная mix ]』パーカー
サイズ展開:M、L、XL
販売価格:¥6,000


『On』ビーチタオル
エイフェックス・ツインのロゴが織り込まれたビーチタオル
サイズ:70 × 140cm
販売価格:¥6,000


『Ventolin』アンチポリューションマスク
エイフェックス・ツインのロゴがプリントされたマスク。ロゴの入った黒いケース入り。 Cambridge Mask Co.製。ガス、臭気、M2.5、PM0.3、ホコリ、煙、病原体、ウイルス、バクテリアを防ぐ。
販売価格:¥9,000


『T69 Collapse』アートプリント
世界限定500枚。ポスターケース入り(額縁はつきません)。
サイズ:A2
販売価格:¥4,000


また今回のオフィシャル・グッズ発売に合わせて、公式には長らく配信されていなかった“Windowlicker” “Come To Daddy” “Donkey Rhubarb” “Ventolin” “On”のミュージック・ビデオがエイフェックス・ツインのYouTubeチャンネルにて公開されている。

Windwlicker (Director's Cut)
Directed by Chris Cunningham
https://youtu.be/5ZT3gTu4Sjw

Come To Daddy (Director's Cut)
Directed by Chris Cunningham
https://youtu.be/TZ827lkktYs

Donkey Rhubarb
Directed by David Slade
https://youtu.be/G0qV2t7JCAQ

Ventolin
Directed by Steven Doughton with Gavin Wilson
https://youtu.be/KFeUBOJgaLU

On
Directed by Jarvis Cocker
https://youtu.be/38RMZ9H7Cg8



初回限定盤CD


通常盤CD

label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: Aphex Twin
title: Collapse EP
release date: 2018.09.14 FRI ON SALE


期間限定「崩壊(Collapse)」ジャケットタイトル


label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: Aphex Twin
title: Selected Ambient Works Volume II
BRC-554 ¥2,400+税
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=2978


abel: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: Aphex Twin
title: ...I Care Because You Do
BRC-555 ¥2,000+税
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=7693


label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: Aphex Twin
title: Richard D. James Album
BRC-556 ¥2,000+税
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=8245


label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: Aphex Twin
title: Drukqs
BRC-557 ¥2,400+税
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=9088


label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: Aphex Twin
title: Syro
BRC-444 ¥2,300+税
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=2989


label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: Aphex Twin
title: Computer Controlled Acoustic Instruments Pt2 EP
BRE-50 ¥1,600+税
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=2992


label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: AFX
title: Orphaned Deejay Selek 2006-08
BRE-51 ¥2,400+税
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=2944


label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: Aphex Twin
title: Cheetah EP
BRE-52 ¥1,800+税
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=2994

vol.107:『デイドリーム・ネイション』30周年 - ele-king

 ソニック・ユースといえば『デイドリーム・ネイション』というくらい、このアルバムは彼らを代表する。5枚目のスタジオ・アルバムで、〈エニグマ・レコーズ〉から1988年にダブル・アルバムでリリースされ、彼らがメジャー・レーベルにサインする前の最後のレコードである。

 『デイドリーム・ネイション』は1988年の最高傑作として批評家から幅広い評価を得ているように、オルタナティヴ、インディ・ロックのジャンルへ多大な影響を与えた。2005年には、議会図書館(DCにある世界で一番大きい図書館)にも選ばれ、国立記録登録簿に保存されている。2002年にはピッチフォークが1980年代のベスト・アルバムとして、『デイドリーム・ネイション』をNo.1に選んでいる。代表曲は“Teen Age Riot”、“Silver Rocket”、“Candle”あたりで、ノイジーで攻撃的な音が生々しく録音されている。私は、オンタイムより遅れてこのアルバムを聴いたが、何年経っても自分のなかでのソニック・ユースはこのアルバムで、 NYに来て、リキッドスカイに行って、X-Girlで働きはじめたぐらい、彼らからの影響は多大なのである。

 その『デイドリーム・ネイション』が今年で30周年を記念し、映画上映がアメリカ中で行われている。

 10/20にポートランドでスタートし、シアトル(10/22)、LA(10/23)、 SF(10/24)と来て、オースティン(11/12)、デトロイト(11/13)、フィラデルフィア(11/18)。ブルックリンは11/19で、4:30 pmと9:30 pmの2回上映だったが、どちらもあっという間にソールドアウト。私は、4:30pmの最後のチケットを取った。その後は、ミネアポリス(11/20)、アトランタ(11/21)と続くが、12/8、9にも追加上映があるらしい。
 すべての上映には、監督のランス・バングスとソニック・ユースのドラマーのスティーヴ・シェリーがQ&Aで参加し、ブルックリンの上映では特別にソニック・ユースのギタリスト、リー・ラナルドと写真家のマイケル・ラビンが加わった。リーは、ブルックリンでのショーがその2日後(11/21)に、続き12/1、ニューイヤーズデイと発表されたので、そのプロモートもあるのだが。

 まず、『デイドリーム・ネイション』がリリースされた1988年ごろのワシントンDCの9:30でのライヴ映像が上映される。
 そして監督ランス・バングスの挨拶。続いてチャールス・アトラスの1980年代のNYダウンタウン・ミュージック・シーンに焦点を当てた、1989年の映画『Put Blood In The Music』が上映され、グレン・ブランカ、リディア・ランチ、ジョン・ケージ、クリスチャン・マークレイ、クレーマー、ジョン・ゾーン、そしてソニック・ユースなど、NYのダウンタウン・ミュージックを代表するアーティストたちのコラージュ映像が紹介され、さらに初期ソニック・ユースのレア映像、リハーサル・シーンやインタヴュー(with 歴代ドラマー)が上映される。これだけで、気分は80年代にタイムトリップである。歴代ドラマーのコメントがまた可笑しかった。「彼らはノイズを出したいだけなんだ」と。

 ランス監督とSYドラマー、スティーヴ・シェリーのトークでは、彼がどのようにSYでプレイすることになったか、曲作りについて(歌詞の内容を尋ねたことがあるか、誰がヴォーカルを取るなどはどうやって決めているのか、アルバムごとの違いなど)、突っ込んだ質問が降りかかっていたが、流れはスムーズ。途中で「遅れてごめん!」とトートバッグを持ったリー・ラナルドが登場し、さらに写真家のマイケル・ラビンが加わると、トークは右から左に炸裂しはじめた。

 マイケルのプレスフォトのシューティングの様子が、スクリーンの地図上に写し出されると(マイケルのアパート→ウォールStの近くでバンドに会い→ブルックリン・ブリッジ→キャナルSt→サンシャイン・ホテル→トゥブーツピザ)と、リー・ラナルドは、その写真を自分のiPhoneでバシバシ撮りはじめ(笑)、「サンシャイン・ホテルなんて覚えてないなー」など、写真ひとつひとつについての思い出話をはじめた。リーとマイケルのよく喋ること!
 そして話は、『デイドリーム・ネイション』の再現ショーの話になり、ソニック・ユースはいつも新しいアルバムをプレイするのが好きなので、最初は断っていたがようやくOKし、2007~2008年にいくつかの再現ショーをおこなった。野外が多かったのだが(私は2008年のバルセロナでのショーを見た)、そのなかでもレアな室内ショーのひとつ、グラスゴーでのショーをマイケルが撮影し、その模様を最後に上映。20年後の彼らを見るのはつい最近な気がしたが、これはいまから10年も前なのだ。日が流れたのを感じる。
 この日来ていたお客さんは、『デイドリーム・ネイション』をオンタイムで聞いていた層だろうし(隣の男の子は、ライヴ映像になるたびに一緒に歌っていた)、30年前にニューヨークで起こっていた映像を見るのはさすがに感慨深い。映像として残しておくものだなあ、と。映画館の外では、今回の記念レコード盤(マイケルが撮影したポスター付き)が、リーとスティーヴから(CDは売り切れ。もうレコードしか残っていなかったが)直接購入できた。日本で上映されるのも遠くないと思うが、みずみずしい80年代NYの詰まった映像と、いまでも新しい『デイドリーム・ネイション』は、こうやって引き継がれていくのだろう。

戸川純エッセー集 ピーポー&メー - ele-king

邂逅

〈追悼〉蜷川幸雄
〈追悼〉遠藤賢司
遠藤ミチロウ
町田康
三上寛
ロリータ順子
久世光彦(書き下ろし)
Phew
岡本太郎
杉浦茂
――戸川純による、まるで短編小説のような人物列伝

ele-kingに連載した「ピーポー&メー」の全原稿を改稿し、雑誌に寄稿した原稿、ライナーノーツ、あらたに書き下ろした原稿を加えた待望の最新エッセー集!

装画 鈴木聖
口絵写真 川上尚見(1984)

【著者プロフィール】
戸川純(とがわ・じゅん)
1961年、新宿生まれ。歌手・女優。

 子役経験を経て1980年にTVドラマデビュー。『刑事ヨロシク』(82)で初レギュラーを経、『あとは寝るだけ』(83)、『無邪気な関係』(84)、『花田春吉なんでもやります』(85)、『華やかな誤算』(85)、『太陽にほえろ! 第701話「ヒロイン」』(86)など。ヴァラエティ番組では『笑っていいとも!!』を始め、『HELLO! MOVIES!』や『ヒットスタジオR&N』では司会も。同じく映画では『家族ゲーム』(83)、『パラダイスビュー』(85)、『野蛮人のように』(85)、『釣りバカ日誌(1~7)』(88~94)、『男はつらいよ』(89)、『ウンタマギルー』(89)、『あふれる熱い涙』(92)、『愛について、東京』(93)、『ルビーフルーツ』(95)などに出演。またオムニバス形式の『いかしたベイビー』(91)では監督、脚本、主演をこなす。舞台にも立ち、『真夏の夜の夢』(89)、『三人姉妹』(92)、戸川純一人芝居『マリィヴォロン』(97)、『羅生門』(99)、戸川純二人芝居『ラスト・デイト』(00)、『グッド・デス・バイブレーション考』(18)など。

 ミュージシャンとしてはゲルニカの一員としてデビューし、『改造への躍動』(82)、『新世紀への運河』(88)、『電離層からの眼指し』(89)を。ソロ名義で『玉姫様』(84)、『好き好き大好き』(86)、『昭和享年』(89)。戸川純とヤプーズ名義『裏玉姫』(84)。戸川純ユニット名義『極東慰安唱歌』(85)。ヤプーズの一員として『ヤプーズ計画』(87)、『大天使のように』(88)、『ダイヤルYを廻せ!』(91)、『Dadadaism』(92)、『HYS』(95)。ほかに戸川純バンド『Togawa Fiction』(04)、非常階段×戸川純『戸川階段』『戸川階段LIVE!』(16)、戸川純 with Vampillia『わたしが鳴こうホトトギス』(16)、戸川純 avec おおくぼけい『戸川純 avec おおくぼけい』(18)をリリース。ほかにベスト盤や映像作品も多数。TOTOウォシュレットのCM出演も評判を呼んだ。

 著作類に『戸川純の気持ち』(84)、『樹液すする、私は虫の女』(84)、『戸川純のユートピア』(87)、『JUN TOGAWA AS A PIECE OF FRESH』(88)、『戸川純全歌詞解説集 疾風怒濤ときどき晴れ』(16)。

目次

ピーポー&メー
 遠藤ミチロウ
 町田康(町田町蔵)
 三上寛
 ロリータ順子
 久世光彦

追悼
 蜷川幸雄
 遠藤賢司

ライナーノーツほか
 Phew(Aunt Sally)
 岡本太郎

あとがき

特別収録
 杉浦茂

即興的最前線 - ele-king

 これはじつに興味深いイベントです。その名も「即興的最前線」。池田若菜、岡田拓郎、加藤綾子、時里充、野川菜つみ、山田光らの異才たちが「即興」をテーマに思い思いのパフォーマンスを繰り広げます。10年代の即興音楽の流れについては細田成嗣による入魂の記事「即興音楽の新しい波」を参照していただきたいですが、何を隠そう、今回のイベントはまさに彼の企画によるものなのです! 熱いステートメントも届いております。入場無料とのことなので、ぜひ会場まで足を運んで「即興」のいまを目撃しましょう。

即興的最前線
次世代の素描、あるいはイディオムの狭間に循環の機序を聴く

日時:11月24日(土)12:00~18:00
会場:EFAG East Factory Art Gallery/東葛西(東京)
住所:〒134-0084東京都江戸川区東葛西1-11-6
料金:無料(入退場自由)
出演:池田若菜、岡田拓郎、加藤綾子、時里充、野川菜つみ、山田光
企画:細田成嗣

12:00~15:00 ソロおよびデュオ
15:00~16:00 集団即興
16:00~16:30 休憩
16:30~18:00 トークセッション

出演者プロフィール:

池田若菜 / Wakana Ikeda
桐朋学園大フルート専攻卒。古楽と現代音楽について学ぶ。後にロックバンド「吉田ヨウヘイgroup」に加入/脱退。ロック、ポップスの中でフルート演奏の可能性を探る。現在は作曲作品を扱う室内楽グループ「Suidobashi Chamber Ensemble」を主宰するほか、ヨーロッパツアーなど海外でも精力的に演奏活動を行う。また、2018年3月より新たなバンド「THE RATEL」を始動。

岡田拓郎 / Takuro Okada
1991年生まれ。福生育ち。東京を拠点にギター、ペダルスティール、マンドリン、エレクトロニクスなどを扱うマルチ楽器奏者/作曲家。2012年にバンド「森は生きている」を結成。2枚のアルバムを残し15年に解散。17年にソロ・アルバム『ノスタルジア』、18年に『The Beach EP』をリリース。映画音楽、実験音楽などでも活動。

加藤綾子 / Ayako Kato
洗足学園音楽大学音楽学部弦楽器コース、および同大学院器楽研究科弦楽器コースをそれぞれ首席で卒業(修了)。同大学院グランプリ特別演奏会にてグランプリ(最優秀賞)及び審査員特別賞を受賞。市川市文化振興財団・即興オーディションにて『優秀賞』を受賞。ヴァイオリンを有馬玲子、佐近協子、瀬戸瑤子、沼田園子、安永徹、川田知子の各氏に、室内楽を沼田園子、安永徹、須田祥子の各氏に師事。

時里充 / Mitsuru Tokisato
画面やカメラに関する実験と観察を行い、認知や計量化といったデジタル性に関する作品を制作発表。展覧会に、「エマージェンシーズ!022『視点ユニット』」(東京/2014)、「見た目カウント」(東京/2016)、「見た目カウント トレーニング#2」(東京/2017)。小林椋とのバンド「正直」や、Tokisato Miztsuru(Miztとのユニット)などでライブ活動を行う。

野川菜つみ / Natsumi Nogawa
神奈川県横浜市出身。木、水、石、木の実などの自然物や様々な素材の音具、マリンバ等の音盤打楽器、エレクトロニクス、フィールドレコーディング等を主に用いた演奏・音楽制作を行う。 桐朋学園大学音楽学部打楽器専攻にてマリンバを安倍圭子、加藤訓子、中村友子、打楽器を塚田吉幸、各氏に師事。卒業後、同大学研究科を修了。現在、東京藝術大学大学院音楽研究科音楽音響創造領域に在籍中。

山田光 / Hikaru Yamada
サックスの内部/外部奏法を追求する即興演奏家にしてサンプリング・ポップ・ユニット「ライブラリアンズ」を率いるトラックメイカー。2010年から2年間ロシアのサンクトペテルブルグで活動、現地のフリー・ジャズ・シーンで多数のミュージシャンと共演を重ねる。帰国後の2012年からは都内の即興音楽シーンで活躍する傍ら、入江陽、毛玉、POWER、さとうもか、前野健太らの楽曲にも参加。

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「アポリア」の跳躍

 「即興演奏家は音楽創造における最古の方法を用いている」とデレク・ベイリーが述べたように、即興それ自体は先端的でも前衛的でもなくむしろ遥かに原初的な営みであり、だからそれをテーマに最前線を見出そうとすることは正しくないように思えるかもしれない。だが二〇世紀半ばを端緒とする即興それ自体に対する自覚——その契機には録音再生技術による記号化されざる音響の反復聴取という経験があっただろう——から紡がれてきた複数の系譜を考えるとき、そこでは「音に何ができるか」とでも言うべき問いに応えようとするいくつもの実践が歴史的に積み重ねられてきたということもたしかである。そしてまた少なくとも現在を眺めわたすならば、それらの複数の系譜が即興というテーマを介して交差し合う先端部のひとつとして、テン年代に台頭してきた東京の新しい世代の即興演奏家たちの試みを捉えることもできる。

 ここで留意しなければならないのは即興という用語がすでに辞書的な意味——現在に集中し、心に浮かぶ想いもしくは構想にそのまま従って、それを外に現実化してゆくこと——をのみ担っているわけではないということだ。そこには構想を現実化するための自由や制度的なるものに対する批判、あるいは未知なるものとの出会いといった様々な含みがまとわりついており、そしてかつては「即興すること」がそのままそれらの含みと互いに手と手を取り合いながら歩みゆくかのようにも思われていた。だがいまやこれら複数の要素を素朴に一括りにして即興に賭けることはできなくなっている。とりわけ即興の原理として抽出された「意想外であること」が、歴史的/個人的な記憶によって不可能である、すなわち「即興は原理的に非即興的たらざるを得ない」とされたテン年代以降、字義通りの即興に関わることはある種の反動であるかのようにさえ見做されてきた。あるいは「即興」を原理的に遂行するためには非即興的なものに、さらには非音楽的なものに賭けなければならないとされてきた。だが本当にそうだろうか?

 「即興」は原理的に矛盾を抱えている。しかしながらそれでもなお、いたるところで即興は実践されている。原理的矛盾など意に介することなく刺激的な演奏が繰り広げられ、ときには新鮮な響きを届けてくれる。わたしたちは思考のアポリアに突き当たるまえに、意識的にせよ無意識的にせよそれを軽々と飛び越えていく具体的な実践にまずは少なくない驚きとともに触れるべきだろう。彼ら/彼女らはどのように「アポリア」を跳躍しているのか。無論その跳躍の仕方は様々だ。「即興音楽」といえども一塊のものとしてあるのではなく、とりわけ都市部では交わることの少ない複数の流れが並走している。それぞれの文脈の最前線における個々別々のアプローチがもたらす跳躍、そしてそれらの実践が滲み交わるところにアンサンブルと言い得るものが生まれるのだとしたら、それもまた原理的不能とはまるで異なる姿をしたひとつの跳躍の実践であることだろう。わたしたちはおそらく「即興」の原理をあらためて設定し直すこと、あるいは原理には還元し得ない別の価値を聴き取ることへと、感覚と思考の配置編成を組み換えながら向かわなければならない。

細田成嗣(ライター/音楽批評)

Wen - ele-king

 ワイリーが起源だとされるウエイトレスはファティマ・アル・ケイディリシェベルなど応用編の方がどんどん突っ走っている印象が強いなか、さらにウエイトレスとニューエイジを結びつけたヤマネコ『Afterglow』やオルタナティヴ・ファンク風のスリム・ハッチンズ『C18230.5』など適用範囲がさらに裾野を広げ、原型がもはやどこかに埋もれてしまったなあと思っていたら、そうした流れに逆行するかのようにウエイトレス以外の何物でもないといえるアルバムをウェンことオーウェン・ダービーがつくってくれた(以前はもっとクワイトやダブステップに近いサウンドだった)。ファティマ・アル・ケイディリやスラック『Palm Tree Fire』からは4年が経過しているし、何をいまさらと言う人の方が多いだろうけれど、なんとなく中心が欠如したままシーンが動いているというのは気持ちが悪く感じられるもので、それこそデリック・メイが1992年あたりにデトロイト・テクノのアルバムを出してくれたような気分だといえば(ロートルなダンス・ミュージックのファンには)わかってもらえるだろうか。つまり、このアルバムが4~5年前にリリースされていれば、もっと大変なことになったかもしれないし、ボディ・ミュージックを意識したようなストリクト・フェイス『Rain Cuts』などの意図がもっとダイレクトに伝わったのではないかなどと考えてしまったのである。ウエイトレスが何をやりたい音楽なのかということを、そして『EPHEM:ERA』はあれこれと考えさせる。それはとんでもなくニュートラルなものに思えて仕方がなく、ファティマ・アル・ケイディリによるエキゾチシズムやシェベルによるアクセントの強いイタリア風味など、応用編と呼べるモード・チェンジが速やかに起きてしまった理由もそこらへんにあるような気がしてしまう。それともこれはアシッド・ハウスが大爆発した翌年にディープ・ハウスという揺り戻しが起きた時と同じ現象だったりするのだろうか。「レッツ・ゲット・スピリチュアル」という標語が掲げられたディープ・ハウス・リヴァイヴァルがとにかく猥雑さを遠ざけようとしたことと『EPHEM:ERA』が試みていることにもどこか共通の精神性は感じられる。悪くいえばそれは原理主義的であり、変化を認めないという姿勢にもつながってしまうかもしれない。いずれにしろウエイトレスが急速に変化を続けているジャンルであることはたしかで(〈ディフィレント・サークルズ〉を主宰するマムダンスは「ウエイトレスはジャンルではない。アティチュードだと発言していたけれど)、全体像を把握する上で『EPHEM:ERA』というアルバムがある種の拠り所になることは間違いない。

 思わせぶりなオープニングで『EPHEM:ERA』は始まる。そして、そのトーンは延々と続いていく。何かが始まりそうで何も始まらない。立ち止まるための音楽というのか、どっちにも踏み出せないという心情をすくい取っていくかのように曲は続く。うがっていえばいまだにブレクシット(これは反対派の表現、肯定派はブレグジット)の前で迷っているとでもいうような。“RAIN”はそうした躊躇を気象状況に投影したような曲に思えてくる。動けない。動かない。続く“BLIPS”あたりからそうした精神状態がだんだん恍惚としたものになり、停滞は美しいものに成り変わっていく。ここで“ VOID”が初期のアルカに特徴的なノイズを混入させ、美としての完成を思わせる。そこでようやく何かが動き始め、後半はウエイトレスとUKガラージが同根のサウンドだということを思い出させる展開に入っていく。それらを引っ張るのが、そして、“GRIT”である。「エフェメラ」とはフライヤーやチラシのように、役割を終えればすぐになくなってしまう小さな印刷物のことで、ポスターや手紙、パンフレットやマッチ箱などのことを言う。“GRIT”はさらにそれよりも儚いイメージを持つ「砂」のことで、『EPHEM:ERA』にはどこか「消えていくもの、失われていくもの」に対する愛着のようなものが表現されている。『EPHEM:ERA』のスペルをよく見ると、ERAの前がコロンで区切られており、「すぐになくなってしまう小さな印刷物の時代」という掛け言葉になっていることがわかる。それはまさにウエイトレス=無重力に舞うイメージであり、エフェメラに印刷されて次から次へと生み出される「情報」の多さやその運命を示唆しているのではないかという邪推も働いてしまう。膨大な量の情報が押し寄せ、誰もそのことを覚えていない時代。クロージングの美しさがまたとても際立っている。


栗原康 × 大谷能生 - ele-king

 この夏話題の対談本『文明の恐怖に直面したら読む本』を刊行した政治学者の栗原康と、同じく新刊『平岡正明論』を上梓した音楽家/批評家の大谷能生によるトーク・イベントが、11月27日、代官山 蔦屋書店にて開催されます。
 映画『菊とギロチン』のノベライズ(タバブックス)を担当したことでも注目を集めた栗原ですが、彼は熱心な平岡正明のファンでもあります。じっさい、彼が編んだアンソロジー『狂い咲け、フリーダム』(ちくま文庫)には平岡の「あらゆる犯罪は革命的である」が収録されていますが、となれば今年『平岡正明論』という快著を世に問うた大谷と語り合っていただくしかないでしょう! そんなわけで実現した今回のイベント、おそらくは平岡をめぐって熱いトークが繰り広げられるにちがいありません。予約方法などは下記をご参照ください。

代官山 蔦屋書店 イベント・ページ

[11月21日追記]
 昨日刊行されたばかりの栗原康の最新刊『アナキズム 一丸となってバラバラに生きろ』(岩波新書)付きチケットでも参加可能となりました。ふるってお申し込みください!

『文明の恐怖に直面したら読む本』(Pヴァイン)刊行記念
栗原康×大谷能生対談「文明社会と平岡正明」

混迷をきわめる政治、やりがいやコミュニケーションを押しつけられる社会、それらはすべて文明によってもたらされたものである。そのような生きづらい秩序から離脱するにはどうしたらいいのか?
ヒントは「民衆」や「遊び」、「歌」にある。
新刊『文明の恐怖に直面したら読む本』を上梓したばかりの政治学者・栗原康が、同じく初夏に『平岡正明論』を刊行した音楽家/批評家の大谷能生とともに語り合う。

2018年11月27日(火)
蔦屋書店1号館 2階 イベントスペース

【参加条件】 ※11月21日更新
代官山 蔦屋書店にて以下のいずれかをご予約、ご購入の先着70名様にイベント参加券をお渡しいたします。
1. 『文明の恐怖に直面したら読む本』(Pヴァイン/1,944円)付イベント参加券 2,500円(税込)
2. 『平岡正明論』(Pヴァイン/2,592円)付イベント参加券 3,000円(税込)
3. 『アナキズム』(岩波書店/929円)付イベント参加券 2,000円(税込)
4. イベント参加券 1,500円

会期:2018年11月27日(火)
定員:70名
時間:19:00~21:00
場所:蔦屋書店1号館 2階 イベントスペース
主催:代官山 蔦屋書店
共催・協力:Pヴァイン
問い合わせ先:03-3770-2525

【お申込み方法】
以下の方法でお申込みいただけます。
・店頭 (1号館1階 人文フロア)
・お電話 03-3770-2525 (人文フロア)
・オンラインストア

【対象商品】 ※11月21日更新
1. 『文明の恐怖に直面したら読む本』(Pヴァイン/1,944円)付イベント参加券 2,500円(税込)
2. 『平岡正明論』(Pヴァイン/2,592円)付イベント参加券 3,000円(税込)
3. 『アナキズム』(岩波書店/929円)付イベント参加券 2,000円(税込)
4. イベント参加券 1,500円

【ご注意事項】
*参加券1枚でお一人様にご参加いただけます。
*イベント会場はイベント開始の15分前から入場可能です。
*当日の座席は、先着順でお座りいただきます。
*参加券の再発行・キャンセル・払い戻しはお受けできませんのでご了承くださいませ。
*止むを得ずイベントが中止、内容変更になる場合があります。

【プロフィール】
栗原 康 (くりはら やすし)
1979年埼玉県生まれ。現在、東北芸術工科大学非常勤講師。専門はアナキズム研究。著書に、『大杉栄伝:永遠のアナキズム』(夜光社)、『はたらかないで、たらふく食べたい』(タバブックス)、『現代暴力論』(角川新書)、『村に火をつけ、白痴になれ:伊藤野枝伝』(岩波書店)、『死してなお踊れ:一遍上人伝』(河出書房新社)、『菊とギロチン:やるならいましかねぇ、いつだっていましかねぇ』(タバブックス)、『何ものにも縛られないための政治学:権力の脱構成』(KADOKAWA)などがある。ビール、ドラマ、詩吟、長渕剛が好き。

大谷 能生 (おおたに よしお)
1972年生まれ。横浜在住。
音楽(サックス・エレクトロニクス・作編曲・トラックメイキング)/批評(ジャズ史・20世紀音楽史・音楽理論)。96年~02年まで音楽批評誌「Espresso」を編集・執筆。菊地成孔との共著『憂鬱と官能を教えた学校』や、単著『貧しい音楽』『散文世界の散漫な散策 二〇世紀の批評を読む』『ジャズと自由は手をとって(地獄に)行く』など著作多数。
音楽家としてはsim、mas、JazzDommunisters、呑むズ、蓮沼執太フィルなど多くのグループやセッションに参加。ソロ・アルバム『「河岸忘日抄」より』、『舞台のための音楽2』をHEADZから、『Jazz Abstractions』をBlackSmokerからリリース。映画『乱暴と待機』の音楽および「相対性理論と大谷能生」名義で主題歌を担当。チェルフィッチュ、東京デスロック、中野茂樹+フランケンズ、岩渕貞太、鈴木ユキオ、大橋可也&ダンサーズ、室伏鴻、イデビアン・クルーなど、これまで50本以上の舞台作品に参加している。
また、吉田アミとの「吉田アミ、か、大谷能生」では、朗読/音楽/文学の越境実験を継続的に展開中。山縣太一作・演出・振付作品『海底で履く靴には紐がない』(2015)、『ドッグマンノーライフ』(2016/第61回岸田戯曲賞最終選考候補)では主演をつとめる。『ホールドミーおよしお』(2017/CoRich舞台芸術まつり!2017春演技賞受賞)。


Kankyō Ongaku - ele-king

 相変わらず再評価が活発ですね。なかでもこれは決定打になりそうな予感がひしひし。シアトルのレーベル〈Light In The Attic〉が、日本産アンビエントをテーマとしたコンピレイション『Kankyō Ongaku: Japanese Ambient, Environmental & New Age Music 1980-1990』をリリースします。編纂者は、昨今のニューエイジ・リヴァイヴァルとジャポネズリに火を点けたヴィジブル・クロークスのスペンサー・ドーラン。彼は昨年、自身のレーベル〈Empire Of Signs〉から吉村弘の代表作『Music For Nine Post Cards』をリイシューしていますが(『表徴の帝国』をレーベル名にした真意を尋ねたい)、今回のコンピにはその吉村をはじめ、久石譲や土取利行、清水靖晃、イノヤマランド、YMO、細野晴臣、さらにLP盤には高橋鮎生、坂本龍一と、錚々たる面子が居並んでおります。これを聴けば、いまあらためて日本の音楽が評価されているのはいったいどういう観点からなのか、その糸口がつかめるかもしれません(ドーランによるエッセイを含む詳細なライナーノーツも付属とのこと)。発売は来年2月15日。

Various Artists
Kankyō Ongaku: Japanese Ambient, Environmental & New Age Music 1980-1990

Light In The Attic
LITA 167
3LP / 2CD / Digital
Available February 15

https://lightintheattic.net/releases/4088-kankyo-ongaku-japanese-ambient-environmental-new-age-music-1980-1990

[Tracklist]

01. Satoshi Ashikawa / Still Space
02. Yoshio Ojima / Glass Chattering
03. Hideki Matsutake / Nemureru Yoru (Karaoke Version)
04. Joe Hisaishi / Islander
05. Yoshiaki Ochi / Ear Dreamin'
06. Masashi Kitamura + Phonogenix / Variation III
07. Interior / Park
08. Yoichiro Yoshikawa / Nube
09. Yoshio Suzuki / Meet Me In The Sheep Meadow
10. Toshi Tsuchitori / Ishiura (abridged)
11. Shiho Yabuki / Tomoshibi (abridged)
12. Toshifumi Hinata / Chaconne
13. Yasuaki Shimizu / Seiko 3
14. Inoyama Land / Apple Star
15. Hiroshi Yoshimura / Blink
16. Fumio Miyashita / See The Light (abridged)
17. Akira Ito / Praying For Mother / Earth Part 1
18. Jun Fukamachi / Breathing New Life
19. Takashi Toyoda / Snow
20. Yellow Magic Orchestra / Loom
21. Takashi Kokubo / A Dream Sails Out To Sea - Scene 3
22. Masahiro Sugaya / Umi No Sunatsubu
23. Haruomi Hosono / Original BGM
24. Ayuo Takahashi / Nagareru (LP Only)
25. Ryuichi Sakamoto / Dolphins (LP Only)

Elecktroids - ele-king

 先日素晴らしいドキュメンタリーが公開されたばかりのドレクシアですが、またもや驚きのニュースが舞い込んできました。彼らがエレクトロイズ名義で発表した唯一のアルバム『Elektroworld』が、鬼のようにドレクシア関連音源を発掘しつづけているロッテルダムの〈Clone〉傘下の〈Clone Classic Cuts〉から12月にリイシューされます。また11月には、同じく唯一のシングルである「Kilohertz EP」も再発。こちらは〈Clone Aqualung Series〉から(同レーベルはこの夏、トランスリュージョンの未発表音源集「A Moment Of Insanity」もリリースしています)。いずれも長いあいだ入手困難状態が続いていただけに、朗報です。

Elecktroids
Elektroworld

Clone Classic Cuts
C#CC035LP
December 2018

2LP: disk union
CD: disk union

Elecktroids
Kilohertz EP

Clone Aqualung Series
CAL014
November 2018

12": disk union

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462