「Low」と一致するもの

第7回:忘却の手ざわり - ele-king

 先日、ニューヨークの恩田晃さんから新作の案内をもらった。といっても、恩田さんは音(楽)を探しながら、つくりながら世界中をめぐっているので家を空けることも多いが、そのときはニューヨークにいたようだった。メールといっしょに、ごていねいに試聴音源もいただいたのだが、メールを送られたのが昨年の暮れだから、2ヶ月以上も経ってからのご紹介になってしまい、もうしわけない。文面には「数週間前に Important Records から久々のソロ・アルバムをリリースしました」とあったから、作品自体はさらにその前に出ていたことになる。


Aki Onda / South Of The Border

Amazon

 恩田晃(ここからは本題に入るので敬称を略します)の新作は『South Of The Border』と題し、副題に「Cassette Memories Vol.3」とある。これは恩田晃のライフワークともいえるポータブル・プレイヤーによるフィールド・レコーディング音源を元にした連作の3作目であり、最初のアルバムはDJオリーヴとカジワラ・トシオが2000年代なかばまで運営していた〈Phonomena Audio Arts & Multiples〉から、2003年に『Ancient & Modern』と題して、そして同年には、早くも、日本の即興音楽、それも既存の即興の流れにおさまりきらない即興音楽を数多く発表してきた〈Improvised Music From Japan〉から第2弾『Bon Voyage!』を出している。『Ancient & Modern』のジャケットに「(詳しくは憶えていないが)私はたぶん、5~6年前からポータブル・カセット・プレイヤーを音の日記のように、あるいはインスピレーションの源として使いはじめた」とあるから、はじめたのは90年代末ということになる。彼が使うのは基本的に民生品のカセット・プレイヤー、俗に「テレコ」と呼ばれるもので、ちょうど今年の1月をもって、ソニーもその生産から完全に撤退したというから、電器屋でもあまりみかけなくなったシロモノである。恩田晃はそれを携え、訪れたあらゆる場所の情景を音に切り取る。日記代わりだが、多くの場合、ふきこんだカセットに日時や場所の情報は記さない(と彼は以前私にそういった)。無造作に段ボールに投げ込んだカセットを、いざ何かする段になって、あたりをつけて取り出す。意図的に(?)場所と時間から切り離れた吹きこまれた音はそのとき、恩田晃の記憶の所有となることで記憶と素材の中間にとどまり、そこに何かしらの操作を加えることは具体と抽象との両方に接する領域をつくることになるが、これは誰もやっていないことではない。フィールド・レコーディングはもちろん、ミュージック・コンクレートといったクラシカル(赤字に傍点)な分野にいくつもの先例と名作がある。がしかし、既存の手法を援用していても、そことの関係にわずかに差異をつくれば方法論は確実に斬新になる。いや、方法論以前に位相が違うといってもいいのだ。フィールド・レコーディングは空間の、環境の記録である。ミュージック・コンクレートは具体音をもちいた音楽であり、個別の抽象としての音が問題になる。副題に掲げた通り、恩田晃はそこに「メモリー」を対置する。私はこのメモリーは多義的で、主体の記憶であるとともに、その反対概念として場所性としてのトポスであり、外部メモリーとしての、ほとんど擬人化されたモノとしてのテレコの記憶としての記録である、と思う。だから恩田の「Cassette Memories」はソロだけれども重奏的であり、かつ、複雑さはあえて目指していないかにみえるけれども、きわめて重層的である。というのは恣意的な解釈ではない。ロウファイであつかいづらいいくつかのカセット・レコーダーだけが頼りの手法上の制約。その逆説だけであれば2000年代の即興~実験音楽の問題の圏域であり、あえて(赤字に傍点)カセットを使うインディ・ミュージックのトレンドとも似ているが、恩田の音楽は多様な問題をはらむとしても、つねにある種の質感を忘れない。

 ここで急に余談になるが、さっき読んでいた都築響一の『ヒップホップの詩人たち ROADSIDE POETS』(新潮社)のTwiGyの章で、都築氏は1992年、日本のヒップホップ界隈のスチャダラパーやEAST END×YURIの「DA. YO. NE」の大ヒット前夜の話と前置きして以下のように書いていたので紹介したい。
「ここで個人的な体験を言わせてもらうと、その当時、雑誌の取材でアメリカに頻繁に通っていた僕(都築氏のこと/引用者注)は、一歩間違えば漫才に行きかねない、そんな風潮にどうしてもなじむことができず、日本語ラップを積極的に聴こうとはまったくしていない。そんななかでほとんど1枚だけ、聴いた瞬間にその音の重さとクールさにビクッとしたアルバムがあった。竹村延和(スクラッチ)、恩田晃(プログラミング)、そしてMCにボアダムスの山塚EYEを擁した京都のバンド「Audio Sports」である」
 都築氏が続けて書いている通り、オーディオ・スポーツの1992年のファースト『Era Of Glittering Gas』はいま聴くことのできるTwiGyの最初の音源である。恩田さん(ここではなぜか敬称付き)は苦笑するかもしれないが、メンバーの異様な豪華さ以前に、国内の流れと無縁に、音楽(トラック)の成熟度を深めつつあったヒップホップをこの時点で早くも相対化している。私もいまだに棚から引っ張り出して聴くこともあります(これこそほんとうの余談である)。それはともかく、同書にはTwiGyによる「これはバンドをやっていた恩田君から、ラッパーを入れたいって電話があって。それでEYEちゃんに『TwiGy君はリリックどうやって書くの?』って聞かれて、『いや、自分で考えて書きますけど』って言ったら、『僕はバロウズとかから引用すんねん』って言われて。えー、そういうことっていいの?と思ったのを覚えています(笑)」という興味深い発言もあるが、ここを深追いするとどんどん長くなりそうなので別項に譲って、私は何がいいたいのかというと、スタイルを確立する途上の「日本(語)のラップ/ヒップホップ」における「ハードコアかそうでないか」を、オーディオ・スポーツはもう一段階相対化する狙いをもっていた。担っていたのは恩田晃だった。彼らがおもしろかったのは、それなのに実験的になりすぎないことだった。TwiGyのいうEYEのやり方がそうであるように、あるいは、ボアダムスが代表する90年代の日本(と、あえていうが)がそうであったように、フォーマットをデフォルメする外部因子よりも、オーディオ・スポーツはあくまでジャジーでアブストラクトなヒップホップにこだわりつづけた。というより、恩田はそこから「重さとクールさ」ハウトゥや記譜法ではいかんともしがたい質感を導き出すことに力を傾けていた。いや、むしろ情感こそ形式に依存しているから恩田はそうしていたのだし、ジャジー・ヒップホップがやがてラヴァーズ・ロックと同じような雰囲気ものの音楽に先細っていった90年代後半を期に、バンドが解体したのはやむを得なかった。
 そのころにはオーディオ・スポーツは恩田晃だけになっていたからグループである必要もなかった。最初のソロ、98年の『Beautiful Contradiction』(All Access)では、たとえばブリクサ・バーゲルトとの共作“In Windungen”などにはヒップホップの影響ははっきり残っているが、即興を内在させ作曲を解体するベクトルのなかで、サンプリングの手法そのもののもヒップホップのそれというよりも記憶装置に、あまたある楽器のひとつに、最終的にはケージ的な意味でいう「サイレンス」を含むものに遡行していく。しかしこれは後退ではない。

 前述の通り、この時期から恩田はカセット・レコーダーを積極的に使いはじめた。『Beautiful Contradiction』での恩田の担当楽器は「サンプラー/プログラミング/カセット・レコーダー」とクレジットされている。それが2001年の『Precious Moments』(Softlmusic)では「テープ(カセット・レコーダー)」が先頭にきた。重箱の隅をつつくような話でもうしわけないが、私はこの間に恩田に確信がめばえたと思う(ちょうどこの時期にニューヨークに移住したのもそのことと無縁ではない)。2年後の『Don't Say Anything』(EWE)から間を置かず、翌年には『Ancient & Modern』、つまり私たちがいま語っている〈Cassette Memories〉の第1弾を発表している。この2作にはつながりがある。表題曲のほかは“Cosmos”“Mellow”“Dance”“Naked”“Ballad”といった曲名からして『Don't Say Anything』は言葉による意味づけを拒む抽象への意思をもっているが、それ以上に、聴き直してみると、恩田のソロ曲はすでにあきらかに〈Cassette Memories〉なのである。つまり恩田晃は本作で、スティーヴン・バーンスタインやデヴィッド・フュジンスキーなどの客演を迎え、ミュージシャンを組織するプロデューサーであるだけでなく、(音楽上の)コスモポリタンであるとともにテレコをもったノマドであることも選択肢に加えている。
 いや、この場合は、ノマドではなくベドウィンといったほうがしっくりくる。恩田晃は『South Of The Border』で砂漠に赴いているから。サボテンが点在するメキシコの砂だらけの大地に。死の世界としてのそこに。
「すべてのフィールド・レコーディングはメキシコで録音されています。わたしは幼少の頃から彼の国と何かしら縁がありました。物心ついてから始めて見た写真や8ミリの映像は父がメキシコ・オリンピックに運動選手として出場した際に撮られたものでした。おそらく4歳か5歳ぐらいでしたが、日本とはまったく違う別の世界がこの世には存在するのだと意識した記憶があります」
 恩田晃はそうメールに書き添えている。『South Of The Border』とはいうまでもなくアメリカの国境の南であるメキシコである。シナトラ、ジーン・オートリーなど、古くから無数に歌われてきた曲名でもあり、ここではない場所、異境の暗喩である「南」である。
 恩田晃が最初にメキシコを訪れたのは2005年だった。彼はそこで、昔観た『エル・トポ』、70年代を代表するカルト・ムーヴィの古典であり、アレハンドロ・ホドロフスキーのあの映画でメキシコに抱いたイメージを追認した。『エル・トポ』をご覧になっていない方は、DVDも出ているはずなので、お手にとっていただきたいが、この前の紙『ele-king』の年末座談会で、シャックルトンのアルバムを指して、野田努が「めちゃくちゃバッドだよ。『エル・トポ』だから」というような映画ではある。
 ちなみに、昨年末に出たホドロフスキーの『リアリティのダンス』(青木健史訳/文遊社)によれば、ロシア系ユダヤ人移民の三代目としてチリに生まれたホドロフスキーの幼年期は穏やかなものではなかった。挫折したマルクス主義者の父はことのほか息子に厳しく、母親にもらったゴム底の短靴をあげてやった靴磨きの少年が海辺の岩場から滑り落ちて死んだ。隣の家には象皮病の母の元で全身カサブタに覆われた息子が苦しんでいて、アルコールと熱湯で二ヶ月かけてカサブタをはがしてあげた等々、そこではマルケスなんかよりずっと人間臭いマジック・リアリズムがくりひろげられる。それらがホドロフスキーのシュールレアリスムの導線となり、南米のユダヤ人の原風景からめばえた詩は演劇へ、さらに行為芸術へ姿をかえ、ヨーロッパを経由しメキシコの砂漠で映像に実を結ぶことになる。そして恩田晃は現代と古代、生と死、聖と俗、富と貧しさ、知性と迷信が共存、というより、噴出する『エル・トポ』の乱調の美に「自由」を見いだしたという。
 私たちは『South Of The Border』への入り口となる“A Day Of Pilgrimage”で鳴り物を打ち鳴らす巡礼者たちの群に鉢合わせる。マーチングバンドみたいに陽気だが、酔っぱらっているかのようにリズムは粘っている。テレコの音質のせいか、雑音まじりの音は霞がかったように遠い。音質にこだわったハイスペックのフィールド・レコーディングのように恩田晃は音を再現していはいない。だから私たちはその場に居合わせたような気持ちにならないし彼の道ゆきを追体験できず、夢のなかのように、もうひとつの現実が抽象化された目と耳の前でくりひろげられるのにつきあわざるを得ない、と思う間もなく、群衆はちりぢりなり、曲が“Dust”になったころには、人気はまるでなく、砂嵐のような音が周期的に明滅するところに別の音源を音が重なってくる。“Dust”のテーマが音響なら、穀物を挽くような音の規則性が基調の“Bruise And Bite”の主題はリズムである。といえる側面はあるにはあるが、『South Of The Border』の曲はこのような言葉の貧しさにつきあうような主題をもっているわけではない。一曲のなかでも焦点はどんどんかわる。“A Day Of Pilgrimage” の巡礼者のスネア・ドラムの音が、“Bruise And Bite”の臼を挽く音が “The Sun Clings To The Earth And There Is No Darkness”に回帰し、“Bruise And Bite”にあらわれた『エル・トポ』で主人公のガンマンに扮したホドロフスキーが吹く笛の音を思わせる、単純な、しかし忘れがたい呪術的なメロディをアルバム最後の“I Tell A Story Of Bodies That Change”でもくりかえす。マテリアルはむしろ、ごく限られていて、恩田晃はそれを拡張し再編することで、いくつかの場面を描きながら、音にギリギリ意味を与え、生まれるそばからそれを脱臼させていく。その方法論はミュージック・コンクレートのそれであり、ダンスミュージックの系譜へ現代音楽の接続点でもある(『テクノ・ディフィニティヴ』前半をご参照ください)、というか、恩田晃はヒップホップへ外から接近し、その原理へ探る課程で、音素にまで細分化していったサンプリング・ミュージックの傾向に逆行しながら、コラージュないしはモンタージュの大らかさ、いいかえれば、大雑把さに可能性を見いだしたのではないか。もちろんそれは万能ではない。万能ではないが自由ではある。カセットに吹きこんだ音はたしかに自分が録ったものだが、あらためて聴き直してみたり、一部をとりだしてみたりすると印象がまるっきり違う。『South Of The Border』は、いや、〈Cassette Memories〉はそのときの発見を元になっている。読者諸兄よ、思いだしていただきたい。恩田晃は2005年にはじめてメキシコを訪れた。このアルバムの音源がすべてそのときのものかどうか私は知らないが、いつのものであっても、それが記憶の領域にあれば発見の対象となる。つまるところ、忘却がなければ発見はない。忘却とは記憶の深さであり、記憶の不在の発見であるから、日付や場所を特定してしまっては発見する自由をかえって殺ぐ。恩田晃はかつて「カセットは日記代わりだった」といったが日記そのものではない。ようはアリバイではない。それよりも、何気なくきった日付の打たれていない旅先のスナップに近くはないか(恩田晃はもともと写真家でもある)。たいしたものは写っていないが空気をとらえている。私は写真が好きだから、写真集なぞもよく目にするのですが、写真は撮影者の技量とか手法とかによらず、写す場所の空気がつねに写っている。海外の写真と国内の写真はまちがえようがない。これは海外に行ったとき、風景以前に空気がちがいに驚くのと同じだ。過去の写真が記憶をくすぐるのは写っている対象のせいばかりではない。重要なのは記録ではなく風化であり、欠落した部分を休符のようにあつかいながら、忘却と現在の耳とが語らい、音楽ができていく。にもかかわらず/だかこそ、それが官能的な質感をもつのが恩田晃の音楽家としての資質である。

 ここからは付記になります。ついでといってはなんだが、恩田晃の近況もお知らせしたい。彼は去年の9月、鈴木昭男、吉増剛造と大友良英のデュオを招聘し北米をツアーしてまわったという。そのときのルポが『現代詩手帖』の2013年1月号に載っているので興味のある方は手にとってみてください(ele-kingの読者にはシブすぎるかもしれぬが)。鈴木昭男は「アナラポス」というリヴァービー(というかリヴァーブそのもの)な創作楽器をはじめ、「日向ぼっこの空間」(1988年)などのサイトスペシフィックな作品でも知られる丹後の湖のほとりに住むサウンド・アーティスト。詩人・吉増剛増が詩と朗読とともに、それらと内奥で結びついた多重露光写真や映像をもちいたパフォーマンスを行うのはよく知られている、かもしれないし、大友良英については多言を要しまい。この三者を結びつけることで、恩田晃が何を見せ聴かせ感じさせたかったのか、ここまでおつきあいいただいた読者にはおわかりのことと思う。

SónarSound Tokyo 2013、出演情報第3弾が発表 - ele-king

 エイドリアン・シャーウッドとピンチという大御所から、ロンドン・オリンピック開会式においてもあらためて大きな存在感を見せつけたカール・ハイド、そしてアクトレスやニコラスジャー、ダークスターといった俊英までをきっちり押さえるソナー・サウンド・トーキョー2013。第3弾となる今回の出演者発表ではLFOやジョン・タラボットに加え、日本勢においてもトーフビーツやサファイア・スロウズらが名前を連ね、じつにかゆいところに手の届いたラインナップを見せつけてくれている。今後も映像上映や展示、トークショーなど続報が段階的に発表されるとのことだ。目が離せない!

SónarSound Tokyo 2013 :: 4/6 & 4/7 ::
at ageHa | Studio Coast

ミュージック+アート+テクノロジーの祭典、
SónarSound Tokyo 2013 第3弾出演者発表!

LFO、Shiro Takatani、John Talabot、Toe... 一挙16組の追加アーティストを発表!
そしてRed Bull Music Academyがキュレーションする"SonarDôme"の出演者も明らかに!
そして大阪公演『A Taste of Sonar』開催決定!

一昨年、昨年と二年連続で入場制限までかかるほどの大人気を博した" SonarDôme "今年もRed Bull Music Academyがキュレーションを務めることが決定!

今回もRed Bull Music Academyの卒業後も確実に実力と可能性を拡げながら、精力的に世界中で活躍しているアーティストたちをラインアップ。

日本からは、アキコ・キヤマ、ダイスケ・タナベ、ヒロアキ・オオバ、sauce81、ヨシ・ホリカワが出演。さらに、現在ベルリンを拠点に活動し、サイケでムーディでベースへヴィーなビートミュージックで知られ、昨年<Ninja Tune>との契約が話題となったテクノ・プロデューサー、イルム・スフィア、ロンドンで活動するエレクトロニック・ミュージックのプロデューサー/DJ、OM Unit、UKよりエレクトロニック・ミュージックのプロデューサーxxxy、そしてアカデミーが縁で生まれたダイスケ・タナベとのユニット、キッドスケより、UKのキッドカネヴィルが来日。世界で4,000通を超える応募者の中から狭き門をくぐりアカデミーへと選ばれた才能が、SonarDômeで炸裂します。Red Bull Music Academyが誇る、最先端の音楽を堪能してください。また、追加ラインナップ等も近日発表しますので、ご期待ください。

*Red Bull Music Academyより特典として、SonarDômeに出演するキッドスケのエクスクルーシブ・トラック「Mighty」が以下URLよりフリーダウンロード!
【2月22日(金) 日本時間 19時より】
https://www.redbullmusicacademy.com/magazine/kidsuke-mighty-premiere


今後も驚くべきハイクオリティなラインナップを続々発表予定。
また映像上映や、メディア・アート作品の展示、トーク・セッションなどなど、今後の発表にも注目!

SónarSound Tokyo 2012 の初日はソールドアウトし、残念ながら会場に行けなかった方もおりますので、お早めにチケットをお買い求め下さい!

■日時
4/6 sat
Open/Start 21:00
LFO NEW
Sherwood & Pinch
Boys Noize DJ Set
Actress
John Talabot NEW
Submerse NEW
Sapphire Slows NEW
and much more...
4/7 sun
Open/Start 14:00
Karl Hyde
Nicolas Jaar
Darkstar
Shiro Takatani:CHROMA NEW
Toe NEW
Green Butter NEW
Tofubeats NEW
and much more...
Red Bull Music Academy presents SonarDôme NEW
Akiko Kiyama, Hiroaki OBA, ILLUM SPHERE, Kidsuke, Om Unit, sauce81, xxxy, Yosi Horikawa and more...

Produced by: Advanced Music / Beatink


■チケット詳細

[前売チケット]
1Day チケット: ¥7,750
2Day チケット: ¥14,500

[当日チケット]
1 Day チケット: ¥8,500

*2DAY チケットは、BEATINKオフィシャルショップとe+、チケットぴあのみでの販売。
*4月6日(土)の1DAYチケット及び2DAYチケットは、20歳以上の方のみ購入可

■前売チケット取扱い
BEATINK On-line Shop “beatkart” (shop.beatink.com)
チケットぴあ(P:189-692) t.pia.jp, ローソンチケット(L:74641) l-tike.com, e+ (eplus.jp),
イベントアテンド (atnd.org) *Eチケット

■注意事項
4月6日(土)は、20歳未満入場不可となり、入場時に年齢確認のためのIDチェックを行います。運転免許証・パスポート・顔写真付き住基カード・外国人登録証のいずれか(全てコピー不可)を ご持参ください。
You Must Be Over 20 Years Old With Photo ID To Enter for 6 Apr (sat) show!

■MoreInformation
BEATINK www.beatink.com 03-5768-1277
www.sonarsound.jp www.sonar.es


■大阪公演決定!!!
バルセロナ発、今や世界的に高い評価を集める最先端のフェスが遂に大阪に上陸!そして2日間のイベントとして開催が決定!日本初となる今回のA Taste of Sónarは、SónarSound Tokyo 2013の出演アーティストの中から特に強力なラインナップを選出し、二つの異なる会場で行われる。
1日目はニコラス・ジャー、シャーウッド&ピンチ、アクトレスはじめ、過去ソナーに出演経験のある日本人アーティスト達が出演。
2日目は、ソロ・アルバムをリリースすることで話題のアンダーワールドのカール・ハイドがバンドと共に出演する他、ダークスター、日本からはアルツが出演。

A Taste of Sónar in Osaka
Day1 4/5 Fri

Universe
open/start 18:00 ticket: tbc
Nicolas Jaar
Sherwood & Pinch
Actress
and more...
Day2 4/8 Mon
Umeda Club Quattro
open/start 18:00 ticket: ¥5,800 Adv.
Karl Hyde
Darkstar
ALTZ

A Taste of Sónar
ソナーのサテライト・イベントとして、これまでロンドンなどでも開催されてきたA Taste of Sónar(テイスト・オブ・ソナー)。本家ソナーのDNAを受け継ぐイベントは、今回の大阪開催が日本初となる。



ホロノミックディスプレイが作動した - ele-king



 年明けから間もない2013年1月4日のことだ。日本時間の午後1時すぎに目が覚めて、僕はいつもどおりリヴィングへふらふらと歩き、ノートPCを立ち上げた。ヴェイパーウェイヴ周辺の連中がなにやら興奮してツイートをしているのを見て、貼ってあったURL(https://jp.tinychat.com/spf420)をクリックすると、ヴィデオ・チャットの画面へ飛んだ。ディスプレイに映されたのは日本企業のCM映像。高速で流れていく英文の会話。毒にも薬にもならない浮ついたスローな音楽。僕はおもわず誰もいないリヴィングで声をあげた。なんてこったい! そこは、ヴェイパーウェイヴの連中のフェスティヴァル会場だった。そのときはインフィニティー・フリークェンシーズ(Infinity Frequencies)がプレイをしているらしかった。

 〈#SPF420〉とタグで銘打たれたフェスティヴァルの形式はこうだ。ストレス(STRESS)と名乗る女性が司会として、次の出演者を生の音声会話で紹介する。あらかじめ『YouTube』にアップ済みの出演者紹介の映像を流す。それから出演者が演奏を開始する。プレイ中のVJは出演者みずからがチョイスしているときもあれば、ブラックサンセッツなるアカウントがVJをしていた。演奏が終わると、画面が真っ暗になり、観客はチャットに拍手の意(「CLAP」など)をみんないっせいに打ち込む。そして、ストレスがふたたび司会をはじめ、次の出演者紹介をする。最後までこれの繰り返し。

 集まったチャットの参加者(観客)はこのフェスティヴァルに興奮していたようだ。「ラグジュリー・エリート(Luxury Elite)がいるの? まじ?」などと言っている者もいた。現住国を発表する流れでは、アメリカはもちろん、ヨーロッパやアジアからの者も多かったが、日本と答えたのは僕のみ。しかしまあ、チャットの内容はだいたいがなんの意味も生産性もないやりとりだ。「Lana Del Gay」や「James Vaporro」などと、ミュージシャンの名前を(特に「Gay」で)もじった言葉遊びが多くを占めた。それが高速で行われる。ヴェイパーウェイヴとそこからの波を追いかけつづけている日本のブロガー・ポッセ『Hi-Hi-Whoopee』のアカウントも日本語でチャットに入ってきたが、「会話についていけない」とぼやいて消えてしまった。チャットでやりとりをするには一瞬にして文脈を読んでいかなければならなかった。僕も慣れるには時間を要した。このイヴェントは以前にも行われており、日ごろからチャットに手馴れているユーザーが多かったようだ。司会のストレスは、来場したユーザーのみんなに丁寧な挨拶をしていた。このフェスを開催できたことが心から嬉しかったのだろう。見ていて気分がよくなる雰囲気があった。

 出演者も興味深い。音楽評論家アダム・ハーパーによって「#Vaporwave」というタグが生まれる前から、それにあたる作品を発表していたプリズム・コープ(Prism Corp)ことヴェクトロイド(Vektroid / New Dreams Ltd.など名義多数)やインフィニティ―・フリークェンシーズのほかに、彼らに触発された、いわば第2波といえるアカウントのラグジュリー・エリートや福岡在住を自称するクールメモリーズ(coolmemoryz)(おそらく元「t r a n s m a t 思 い 出」名義)が混合している。そこに、〈アギーレ〉(Aguirre)からのリリースをひかえていたアンビエントやノイズのトランスミュート(Transmuteo)や、〈アムディスクス〉(Amdiscs)からのヴェラコム(VΞRACOM)などニューエイジな装いのメンツも合流している。そして、どうやらこのカオスに貢献していたのは、チャズ・アレンを名乗るビートメイカーであるメタリック・ゴースツ(Metallic Ghosts)のようだ。先のYouTubeのアカウント然り、フェスのアートワークも彼が担当していたと思われる。

 トランスミュートの瞑想的なノイズはすばらしく、熱狂的な歓迎を受けていた。しかし、この日もっともおおきな拍手喝采の言葉で迎えられた大本命は、やはり、ヴェイパーウェイヴで最も有名になってしまったプリズムコープ:ヴェクトロイドだ。ウェブカムの前に彼女/彼ははっきりとその姿を現した。ときどきFBIのマークをVJに出現させハプニングの音を混ぜる茶目っ気をみせながら、まさにホテルのラウンジやプラザのBGMに最適なミューザックのループを延々と披露した。それはつまり、市場において消費者である僕たちが知るかぎりこの世でもっとも退屈で決して家に持ち帰ることのない音楽=ミューザックだが、いまや世界各国の物好きが、それらをインターネットの画面の奥に集積したゴミのような情報のなかから拾い上げ、面白がっている。挙句の果てには、それをグチャグチャに歪め、ズタズタに切り刻み、垂れ流したそのクソに浸りながら深夜にPCの前でハッパをキメるわけだ。現にヴェクトロイドは、ボングを用いてウィードに火をつけて吸引する自らの姿を何回もウェブカムで生中継した。『facebook』では彼女の姉妹ということになっている司会のストレスも別枠で吸引の様子を一瞬だけ映す。情報デスクVIRTUALの曲名にあったとおり、彼女たちはミューザックをウィードブレイク(#WEEDBREAK)のBGMに活用している。自室でひとりPC画面の前でにやつきながらウィードを吸引するヴェクトロイドの姿は、まるで部屋の外のなにかから逃げようとしているようだった。

 この日、ヴェクトロイドは2回出演し、アンカーの際には衣装をレトロなスタイルに変えていた。彼女はなぜか全角英字でチャットに参加する。繰り返されるウィードブレイク。観客にもウィードや酒の摂取を呼びかける。僕は、ログインしたときに「Daniel Lopatin」なるアカウントが参加者のなかにいたことをチャットに書いた。彼らは知っているのだと思ったが「まじ?」「どうせ誰かの偽アカウントだろ」という反応がかえってきた。事実、僕はたしかに見た。ダニエルとヴェクトロイドのあいだには交流があった(註2)ようだし、彼が見ていても不自然な話ではないと思った。やがて観客たちは口々に「ありがとうダニエル」とつぶやきはじめる。ヴェイパーウェイヴがダニエルの「斜陽会社」=〈サンセットコープ〉からはじまったことを誰もが自明に感じていると言えるだろう。

 フェスティヴァルも終幕に近づき、ストレスがアフターパーティーの会場『Turntable.fm』のURLを告げる。同サイトは閲覧を米国ユーザーのみに限っているため、米国外の観客はここでお開きとなった。ストレスは米国外のユーザーへ丁寧に謝罪しつつ、来場者への感謝の意をなんども書き込んだ。やがてジオデジックとして知られる下城貴博がヴェクトロイドへのラヴコールを書き込んだ。ヴェクトロイドは握りこぶしに親指を立て、ニヤリとした笑みで応える。やがて、音楽は止んだ。時計を見ると午後4時をまわっていた。

 正直に言えば、このフェスティヴァルが終わった瞬間、僕はおおきな虚無感と倦怠感が心の奥底からこみ上げてきた。なにせ、結局のところただのチャットにすぎない。音楽なぞ、ほとんどミューザックの垂れ流しである(註3)。ただただ退屈を空回りするだけであった。部屋を1歩でも出れば、現実がしっかりと待っている。窓の外はいつのまにか夕方だった。日本ならまだ日中だが、米国時間では深夜に、こんなくだらないことを「世界中の孤独なティーンがベッドルームで行っている」(Tomad)(註4)のだ。しかも、ウィードと酒をあおりながら。
 後日、ダラー・ジェネラル=司会のストレスは、ヴェクトロイドの言葉を最後に引用しながら、こんな挨拶を『facebook』に残している。

 とにかく、本当にありがとうと、今夜のイヴェントに来てくれた美しい人々に言いたいです。きみらみんな本気で超最高だよ。タイニーチャットにに来てくれた一人ひとりの力添えなしにSPF420が成功することはなかったでしょう。(出演者への挨拶。斎藤により中略)
 我々は100を突破しました! 134人の参加者が集まったよ、みんな! (135のときにキャプチャーできればよかったけど、ああもう)

 またすぐにみなさんとインターネットで会えることを願っています、
 SPF420: SPF420: Welcome To The Workplace.™
(日本語訳:斎藤)
#SPF420FEST 2.0: WELCOME TO THE NEW ERA:
https://www.facebook.com/events/...


 おおきな喜びが伝わってくる文面だが、彼らにはディスプレイの外へ出てくるつもりがないようにも読める(註5)。はたして、彼らの指す「The Workplace.™」とは、ベッドルーマーにとって逃げ場となる仮想空間なのだろう。無職であることがうかがわれるようなツイートを何度もしているヴェクトロイドが自らへの最大の皮肉として言っているようにも思える。
 だが一方で、ヴェクトロイドはときおり現実空間のパーティーに出演しており、2月に入ってからもマジック・フェイズ(Magic Fades)とともにギャラリーでパフォーマンスをしている。さらに、〈トライアングル〉の主宰バラム・アキャブがヴェクトロイドとのスプリットで7インチをリリースする旨を発表したばかりだ。

 はたして、ヴェイパーウェイヴァーは現実において「仕事場™」を拡張することができるだろうか。
 日本ではプラモミリオンセラーズで知られる鈴木周二がventla名義でヴェイパーウェイヴに触発された作品を発表しつづけており、§✝§(サス)やジオデジックはライヴ(註6)でその地平を切り開こうとしている。それはまた、べつの機会に......。

今日、我々とともに新たな世界へ加わりましょう......よりよい明日のために。

Prism Corp. International
We Know Who You're Working For.™
(日本語訳:斎藤)
札幌コンテンポラリー | BEER ON THE RUG:
https://beerontherug.bandcamp.com/album/-

空はあなたに従います。。。
安全に走行
悔なし

Farewell,
New Dreams Ltd.

(原文ママ)
PrismCorp™ Virtual Enterprises | New Dreams Ltd.:
https://newdreamsltd.tumblr.com/post/38483741858

 2012年、ヴェクトロイドはウェイパーウェイヴのベッドルーマーを引き連れ、「よりよい明日」のための「新たな世界」を目指して飛行した。それが情報デスクVIRTUALであり、セイクリッド・タペストリーではついに空を(下に)従えることに成功したのだ。

 そして2013年、ホロノミックディスプレイが作動した


(註1)
特別編集号 2012 ソーシャルカルチャーネ申1oo The Bible』より。アルバート・レッドワインは『ザ・ニューヨーク・タイムズ』からもインタヴューを受けている

(註2)
昨年の11月末にはヴェクトロイドがOPN(=ダニエル・ロパーティン)に謝罪のメールを送ったとツイートし、同日にOPNも「ヴェイパーされた」とツイートしている

(註3)
なお、このフェスティヴァルの音源や映像の一部が『facebook』のイヴェントページからチェックできる

(註4)
紙『ele-king vol.8』の「キャッチ&リリース」より。ちなみに、トマドが主宰する〈マルチネ〉はシーパンクのイメージを模したダウンロード・ページや、限定Tシャツをリリースしたtofubeatsも情報デスクVIRTUALをお気に入りにあげている

(註5)
対照的に、アダム・ハーパーによってヴェイパーウェイヴの文脈でも語られてしまったファティマ・アル・カディリは、積極的にイヴェントへ出演している。その様子は工藤キキが本サイトでも伝えている

(註6)
サスは音楽的にはウィッチハウスやシンセウェイヴに近いがウェイパーウェイヴの意匠をまとったライヴを行っており、ジオデジックはヴェイパーウェイヴのイヴェントを開催したいとツイートしている

以上-----------------------------------------------

interview with DIVORCE Music (Darcy Spidle) - ele-king

「モントリオールは不正な行政の不正な都市であり、多くの狂った計画と同時に、しかし、多くのマイナーな奇跡がある美しく腐った町だ」と、GY!BEは語っているが、その「多くのマイナーな奇跡」は、モントリオールからずっと東の小さな小さな町、日本人のほとんどが記憶にないであろう、ハリファックスでも起きている。その小さな小さな町からさら東に離れた、北大西洋沿いの小さな小さな小さな村のシェゼットコックには、20年以上も続いているレーベルがある。名前は〈ダイヴァース〉、昨年末リリースされたユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・へヴンのデビュー・アルバムが都内のレコード店で話題となったことで、ささやかながら注目を集めている。

 〈ダイヴァース〉のレコードを手にして、鼻を近づければ、潮のにおいがするかもしれない。いや、気のせいだろう。だが、レーベルを主宰するダーシー・スパイドルが、近場の海でサーフィンをやりながら、作品を出していることは本当だ。その合間に彼は、地元のライヴやフェスティヴァルに協力している。
 それにしても、ウェットスーツを着たごつい男が、ティム・ヘッカーやグルーパーを愛聴するというライフスタイルは、趣味の良い日本人からすると奇妙に見えるかもしれない。波に乗ったあと部屋に戻って、マイ・キャット・イズ・アン・エイリアンを聴くなんて。
 しかし、波の音とドローンはミックスされ、北海道よりも緯度が高い場所で暮らしながら、サーフボードはエレクトロニック・ミュージックの海を浮かび、レイドバック音楽を背後に、ピエール・バスタインやエイメン・デューンズを聴いている。それは、インターネットが普及したとんに、わざわざ限定のアナログ盤やカセットのリリースが拡大したこととも関連しているだろう。つまり、「多くのマイナーな奇跡」が起きたことで切り崩され、創出された。それがいま我々が接しているDIY文化、いわゆるアンダーグラウンド(インディではない)・シーンなのだ。

多くの、そして小さなレーベルがカナダにはある。それらレーベルはこの国に、強いシーンを育てようとしている。君が知っているようなカナダのアーティストは、最初はみんなカナダの小さなレーベルからデビューしている。この数年で、カナダの音楽シーンはとんでもない成長を遂げている。

あなたのバックボーンについて教えてください。

D:もともとは、自分の音楽を発表するために〈ダイヴァース〉をはじめた。僕はまだ若く、地元の音楽産業をちょっと経験したぐらいだった。でも、産業は僕のものではなかった。僕の求めているものではなかったんだ。そのとき、僕は、音楽ビジネスの怖さを覚えたと言っていい。
 僕は自分の作品を出して、それをひとりでやりたかった。最初はCDRのリリースからはじめた。初期のリリースは、まったくの手作りだった。リリースのスケジュールを守るために、ずいぶんと労力を要したものさ。
 やがて、僕はディストリビューターや製造業者と付き合うようになった。そして、自分以外のアーティストの作品のリリースもはじめる。だけど、基本は変わっていない。僕は、ブラック・フラッグの〈SST〉から大きな影響を受けている。80年代前半、アメリカのパンク・ロックは、北米におけるインディペンデント・レーベル文化の基礎を築いた。その流れで生まれたモンリオールの〈エイリアン8〉というレーベルからもインスピレーションを受けた。日本のメルツバウ、マゾンナ、中嶋昭文など、素晴らしい実験的な音楽をたくさん出していたからね。

レーベルは何故〈ダイヴァース〉(別離/離婚)と名付けられたのでしょう?

D:僕がメインストリームの音楽産業から離れたかったからだ。僕は、本当に産業を嫌悪した。〈ダイヴァース〉は、絶対的な「別離」の試みだった。レーベルをはじめたばかりの週末のことだった。僕は自分の住んでいる町のポストにこんなフライヤーを投函してまわった。「音楽はゴミだ。音楽と絶縁せよ(Music is Garbage.DIVORCE Music)」。ずいぶん愚だったけれど、それがそのときの僕だった。


シェゼットコックにあるこの家で暮らしながら、レーベルを続けている

この10年、カナダのアンダーグラウンド・シーンは他国との交流も盛んで、とてもたくさんの成果を生んでいると思います。

D:まさにその通り。この10年はカナダの音楽にとってとても重要な時期だった。大きな都市のシーンはそれぞれ特徴を持って発展している。また、インターネットによって、アンダーグラウンドの音楽家たちは10年前より自由な活動をなしえるようになった。また、ここカナダには、若干とはいえ、適切なアート資金提供プログラムがある。カナダの才能ある人がアーティストでいられることは現実的なオプションのひとつなんだ。
 といっても、それは簡単なことではない。ライヴ・シーンは、アンダーグラウンド・ミュージックをサポートするにはまだ小さい。本当に成功するためには、アメリカとヨーロッパに進出しなければならない。いくつかの実務業務と財政のため、それは多くのカナダのアーティストにとって大きなタスクとなっている。

あなたは、レーベル活動のため、音楽が盛んなモントリオールに引っ越しませんでしたよね?

D:モントリオールはたしかにカナダでもっとも栄えた音楽都市だ。多くの友人、バンド仲間もモントリオールに移住している。しかし、僕はモントリオールに行かなかった。ノヴァスコシアに留まって、ここを離れるつもりはない。

ハリファックスがもっとも近い地方都市ですが、そこには音楽シーンがありますか?

D:ハリファックスには、強い音楽シーンがつねにある。ホントに小さな町だけれど、そこには、何百ものバンドとアーティストがいる。アンビエント、エレクトロニック、それからハードコア・パンクまで、あらゆるジャンルがある。
 レーベルもいくつもある。たとえば〈Electric Voice〉〈Snapped in Half〉なんか。しかも、たくさんの国際的なフェスティヴァルもある。「Halifax Pop Explosion」、我々が関わっている「OBEY Convention」。いろいろある。
 僕たちの町は小さいから、カナダの大都市からもアメリカからも孤立しがちになる。そこからバンドを連れてくるのも難しい。だからこそ逆に、地元のオーディエンスとバンドは互いに深くインスピレーションを与え、支え合っていると言える。それが音楽コミュニティの形成に役立っているんだ。


USのフリー・ジャズ・ドラマー、Jerry Granelliも〈ダイヴァース〉から作品を出している。
ハリファックスでの演奏 (photo by Pierre Richardson)


アルバムを控えているJfm@OBEY Convention 5 in Halifax (photo by Pierre Richardson)


Darcy and Courtney@Electric Voice in Halifax

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大量生産の果てに生まれたCDは、いまや無限に複製されるデジタル音楽となっている。ゆえに、アナログ盤とカセットが限定盤(有限)としてリリースされることには意義がある。リスナーにとっても、100個しか作られないカセットのひとつを買うことは、急進的で、冒険的な行為なんだ。

グルーパー、USガールズ、ゲイリー・ウォーなどといった僕らの大好きな実験的なアーティストと〈ダイヴァース〉はとても友好的な関係にあるようですね。

D:僕はハリファックスでその人たちがやるときはいつもサポートしている。その人たちの演奏を聴いたときは、本当にぶっ飛ばされた。彼らはすでに世界的クラスのアーティストだった。
 僕が彼らの音楽を好きな理由は、音楽のなかで自分の本当の感情を伝えるために実験的な手法を取っているというところにある。進歩的な考えと感情との組み合わせが、僕は彼らの音楽のなかでもっとも惹きつけられる点だ。

いままでどのくらいリリースしているんですか?

D:正確な数はもう憶えていない。カタログ上では、いま52枚リリースしたことになっている。そこには、2~3のデジタル・リリース、アナログ盤、カセット、それからジンも含まれる。あともうすぐ発表される『Lowlife』という映画との関連作品もある。


映画『Lowlife』から

インターネットの普及がいろいろなものを破壊的なまでに変えてしまいました。カナダはいかがでしょうか?

D:カナダも日本と同じだと思う。ほとんどの音楽はネット上にある。音楽リスナーにとっては良い時代だと言えるだろう。アーティストにとっても自分の露出が増えたわけだから、ポジティヴな効果もあると言えばある。だが、供給は増え、需要は減少している。しかも、多くのリスナーは、アルバムが商品だった時代にくらべて、音楽にありがたみを感じていないかもしれない。
 とはいえ、こうしたなかで前向きな活路を見いだしているアーティストもいる。たとえばティム・ヘッカー。ツアーをして、限定盤を発表する。グルーパーもそういうタイプだ。彼らは実験的なやり方で生計を立てている。10年前、彼らのような規格外のアーティストが世界的な支持を得ていたとは思えない。これは、自分たちが本当に尊重したいアーティストとレーベルを自分たち自身でサポートするという、リスナーの純粋な気持ちがもたらしている事態だ。実際、多くのリスナーはその選択を選んでいるし、ますますそのようになると僕は思っている。

オンライン・マガジンの『Weird Canada』を見ると、多くのレーベルやアーティスト、たくさんのカセットのリリースも見つけることができます。カナダのアンダーグラウンド・シーンは健康な状態だと言えますか?

D:そう思う。多くの、そして小さなレーベルがカナダにはある。それらレーベルはこの国に、強いシーンを育てようとしている。君が知っているようなカナダのアーティストは、最初はみんなカナダの小さなレーベルからデビューしている。『Weird Canada』は、アンダーグラウンド・コミュニティを育て、そして繋ぐ役割をしている。この数年で、カナダの音楽シーンはとんでもない成長を遂げている。

今日、アンダーグラウンド・シーンでは、アナログ盤とカセットでのリリースが主流になっています。こうした傾向に対するあなたの意見を聞かせてください。

D:デジタルの飽和状態が続くなか、アナログ盤のリリースは有益だと思う。単純な話、音楽リスナーにとって本当に好きな盤であるなら、手元に置きたいと思うだろう。そして、アナログ盤があって欲しいと願うと思う。大量生産の果てに生まれたCDは、いまやデジタル音楽として無限に複製されている。ゆえに、アナログ盤とカセットが限定盤(有限)としてリリースされることには意義がある。リスナーにとっても、100個しか作られないカセットのひとつを買うことは、急進的で、冒険的な行為なんだ。
 作品とリスナーとの関与の仕方についても、こうしたリリースには考えさせられるものがあるんじゃないかな。デジタルに複製され、ばらまかれたものを「黙って買え」と言われるより、よほど身体的な関係性が生まれるわけだから。

あなたが昨年出したYou'll Never Get To Heavenのデビュー・アルバムがとても気に入りました。あなたは彼らのどこが好きなんですか?

D:YNGTHは、その実験性と感情へのアクセスがスムーズなところが良いと思う。実に珍しい混合の仕方をしている。初めて聴いたとき、瞬く間にその世界にハマってしまった。従来のポップス構造の範囲内で、彼らのような合成の仕方でアンビエントの組成物を利用することは、珍しいと思っているんだ。彼らは大きなバンドだと思っている。この先、将来、彼らといっしょに何かできると良いと思っている。

この先の予定について教えてください。

D:4月は、トロント電子音楽とヴィジュアル・アーティスト、JfmのためのLPを控えている。そして我々は、ベルリン/トロント作曲家エイダン・ベーカーによるとびきり重たいドローンのLPも出すよ。



最後に、あなたのオールタイム・トップ10を教えてください。

D:それはタフな質問だ。以下、大きな影響をもらった作品を挙げておく。これらの作品はつねに聴いている音楽ではない。しかし、明らかに自分が取り憑かれたように聴いた作品だ。僕に新しい世界の扉を開けてくれた作品なんだ。

Alice Coltrane - Journey in Satchidananda
Kraftwerk - Radio Activity
Ornette Coleman - The Shape of Jazz to Come
John Fahey - Days Have Gone By Vol. 6
Black Flag - In My Head
Pharoah Sanders - Karma
The Boredoms - Vision Creation Newsun
Merzbow - Pulse Demon
Discharge - Hear Nothing See Nothing Say Nothing
Peter Brötzmann - Machine Gun


ダーシー・スパイドル

ムーンライズ・キングダム - ele-king

 ウェス・アンダーソンの新作『ムーンライズ・キングダム』の舞台の島を襲うハリケーンにはメイベリーンと名前がつけられていて、それはチャック・ベリーの"メイベリーン"であろうと、そのことに日本でもっとも反応していたのは僕の知る限り樋口泰人氏だが、とにかく、ウェスのほうのアンダーソン監督はつねにポップ・クラシックスへの憧憬を隠そうとしない。ザ・ビートルズやザ・ローリング・ストーンズ、ビーチ・ボーイズ、それにキャット・スティーヴンスやザ・フェイシズ、ザ・フー......がスクリーンを満たすとき、物語もエモーションもそれらの曲と不可分となってしまう。『ダージリン急行』などはスローモーションでカメラがパンするなかザ・キンクスを流すためだけの映画だと言ってよく、彼らの"ディス・タイム・トゥモロウ"を語る旅が3兄弟の未熟なインド旅行そのものであった。「明日のこの時間、僕らはどこにいるんだろう」......そんな少年性を、ウェスは彼が愛する黄金期のポップ・ミュージックに託してきた。
 ロアルド・ダールへの幼少期からの愛と再会した前作『ファンタスティックMr.FOX』が結局のところ、隅から隅までウェス・アンダーソン映画でしかなかったことからも証明されているように、彼は同じ主題を反復させながら子ども還りしているように見える。「厄介な息子」と「出来損ないの父親」の和解。それはアメリカ映画のクラシックからの反復でもあるだろう。

 『ムーンライズ・キングダム』では初めて年齢的な意味での「子ども」を主役に置きながら、しかし実際のところ少年サムの初恋と冒険はこれまでのウェスの映画で主人公たちが繰り広げてきたそれとまったく同質のものであろう。けれども、時代を65年と明示して政治の季節直前の「思春期」としているように、これまででもっとも子どもであることを真っ直ぐに謳歌している作品ではある。なんてことのない、かつてのポップ・ミュージックに登場する少年少女のラヴ・ソングのように、甘くてノスタルジックな逃避行。ウェス映画の様式がここでは完成を遂げている。少年少女が森を分け入るときにはハンク・ウィリアムスが歌い、ふたりがビーチでダンスするときにはフランソワーズ・アルディが彼らをキスへと誘う。そのスウィートな感覚を、身体的に味わうための映画である。
 僕が本作で惹かれたのは父親の描き方であった。『ファンタスティックMr.FOX』のダメな父親ギツネをジョージ・クルーニーが演じたときの「おや」という感覚を、この映画のブルース・ウィリスにも感じたのだ。これまでジーン・ハックマンやビル・マーレイが演じてきた父親から、少し世代が降りたこととも関係しているかもしれない。ここでのブルース・ウィリスは最近『ダイハード』などでタフガイとして復活を遂げている彼ではなくて、ただの「悲しい(sad)」中年男である。しかしながら映画はウィリスのアクション・スターとしてのキャリアも踏まえながら、彼をヒーローへと変貌させ、そしてたとえ出来損ないであろうとも、たしかに少年のたったひとりの父親へとしていく。『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』や『ライフ・アクアティック』のように、身勝手な父親をいくらかの諦念でもって赦すというものでもなく、『ダージリン急行』のように父親を喪うわけでもない。『ファンタスティック~』の父親ギツネがか弱いコミュニティをそれでもどうにか統べたように、頼りないヒーローであることをささやかながらも祝福するような。

 ウェス・アンダーソンにとって父親でありヒーローであるのは、チャック・ベリーでありハンク・ウィリアムスでありザ・キンクスでありザ・ビートルズでありザ・フーでありビーチ・ボーイズであり、彼らのポップ・ソング・コレクションそのものなのだろう。本作で言えば、フランソワーズ・アルディのナンバーだってそうだ。ウェスは自らの「子ども」の部分へとさらに立ち返っていくことで、自分を育てた父親たちへの愛を包み隠さなくなっているように思える。だから、フィルモグラフィを「チャーミング」「キュート」「スウィート」という形容で彩ってきたウェス・アンダーソンの作品群のなかでも『ムーンライズ・キングダム』がその度合いをもっとも高めているのだとすれば、それはわたしたちが音楽を聴いて心躍るあの感覚を「ポップ」としか名づけようのない不思議に、少年ウェスがまた近づいているということだ。

予告編


Circuit Des Yeux - ele-king

 揚げ足を取るようで後ろめたいが、許せ。編集部にはつねに火花が必要なのだ。橋元優歩の「月刊ウォンブ!」のライヴ評におけるfailureは、現場レポートなるドキュメントで、「城戸さん」というフィクションを挟み込んだことではない。仮に松村正人がオオルタイチのライブ評で宇宙人ポールとの対話を用いたとしても、それは文章表現のひとつのレトリックである。ひとつ、あの文章にfailureがあるとしたら、せっかく彼女はひとりで行ったのに、ひとりで行ったという事実を濁したことだ。
 僕の女友だちのベテラン・クラバーによれば、最近は、ヒップホップのクラブにはひとりで遊び来る女の子が増えているそうである。これは、なかなかの変化だ。10年前は、ヒップホップのクラブに来る女といえば、いかつい(いかのも腕力の強そうな)男と一緒にいる、やけに綺麗な女と相場は決まっていた。が、いまでも毎週のようにナイトアウトしている僕の友だちの報告によれば、若い女の子ほどひとりで行く率は高く、しかも、行く手を阻むかのように待っているナンパ攻撃をかわすように、ひとりで来ている女の子同士が仲良くなってしまうらしい。むしろ、いまでは群れていないと行動できないのは男に多いそうで、たしかに僕も、「月刊ウォンプ!」には小原君、ワラ君という、いかつい男ふたりと一緒に行っている。いつの間にか遊び方のジェンダーは逆転しているのだ。

 ヘイリー・フォールは、ひとりで行き先を選び、ひとりで行動を決めて、ひとりでことを成し遂げる、現代っ子的な女性である。
 なにせ彼女はまだ23歳なのだ。しかも借金は5万ドル。彼女が18歳のとき、ハイプ・ウィリアムスの初期のリリースで知られる〈De Stijl〉からサーキット・デス・ヤックス名義で3枚のアルバムを出している。借金取りから逃げるように彼女は音楽家になった。インスピレーションは「恐怖」と「絶望」だ、とヘイリーは話している。


 大学を出て間もない。ベーグル屋で週に50時間バイトしている。ヘイリーの回想によれば、インディアナ州にある実家は彼女の進学に経済的な援助をしなかった。知識を得る機関(大学)の価格の格差に彼女は腹を立てている。彼女は、アメリカの平等と自由が欺瞞であることを知っている。卒業後の人生は「ストラッグル(戦い)」だ、と彼女は言う。つまりヘイリーにはスプリングスティーン的な資質もある。
 だから彼女は、エリザヴェス・フレイザーやグルーパーのように囁き声を使わない。ニコのような低めの声で、時折『ムーン・ピックス』の頃のキャット・パワーのような(つまり思春期的な)メランコリーと、時折USガールズのようなノイズを注いでいる。

 『CDY3』は、サーキット・デス・ヤックス名義の最新10インチで、3曲入り。彼女も参加しているコズミック・サイケデリック・ロック・バンド、スリー・オープン・セックスのアルバムとも共鳴しているようだ。つまり、松村正人が、いや、倉本諒が宇宙人ポールと一緒にアモン・デュールIIのライヴに行ったとしよう。「どうだい、ポール、これは?」「うん、まあまあだね」「こないだのよりも良いだろう?」「まあ、悪くはないね」「おいおい贅沢言うなよ」......これはまだコンサート会場に到着する前段階である。
 「女性である前に人間であればよかった」と、ヘイリー・フォールは話している。ひとりでクラブに行く女の子も、「女性である前に人間」として、「女性である前にひとりの音楽ファン」として、そこに出かけているわけだが、どうやらジェンダーに振り回されているのは男のほうなのかもしれない。
 そして、インドの修道院で暮らすことなくコズミックでいられることは、音楽のひとつの可能性である。B面の"Helen You Bitch"は、彼女のわめき散らすようなフィードバック・ノイズがひたすら続くサイケデリック・ロックだ。フォーク・ロックの心地よさから逃げるように、彼女はひとりで飛んでいく。レコード針からはものすごいエネルギーがカートリッジを伝わり、トーンアームへと、そしてケーブルを伝わってアンプへと、さらにまたスピーカー・ケーブルへと伝わって、コーンから、飛び出てくる。猫は髪を逆立て、犬が吠える。また新しい女、いや、人間の音楽家が出てきた。


Thee Oh Sees - ele-king

 ジ・オー・シーズは、USのライヴハウス・シーンではもっぱら愛され続けているバンドで、どのくらい愛されているかというのは、沢井陽子さんのレポートを読んでください
 ポジティヴな意味で、アメリカらしい足を使って、汗を流しているバンドである。東京公演には、ゲラーズ、そしてザ・ノーヴェンバーズも出るし、来週の月曜は渋谷〈O-nest〉、火曜日は名古屋〈KD JAPON 〉、そして、水曜日は大阪〈Conpass 〉で騒ごう。



[いいにおいのするThee Oh Sees JAPAN TOUR2013]

サンフランシスコ発世界中で大ブレイク中のアヴァンギャルドでpopなガレージ・サイケ・バンド、 Thee Oh Sees 、遂に日本に降臨!
なんと、大阪公演には、西宮の狂犬・KING BROTHERS(キングブラザーズ)が、東京公演には、トクマルシューゴ含むGellers、いまをときめくTHE NOVEMBERSが出演!

東京編 2/18@O-nest
Open/18:00 Start/19:00
adv/3.000 door/3,500
■Pコード:【191-065】,
■Lコード:【76462】,
e+
【出演】
Thee Oh Sees
Gellers
THE NOVEMBERS
Vampillia

名古屋編 2/19@KD JAPON
Open/18:00 Start/19:00
adv/2.500 door/3.000(+1drink )
■Pコード:【191-065】 ,
■Lコード:【46947】,
e+
【出演】
Thee Oh Sees
MILK
Nicfit
Vampillia

大阪編 2/20@Conpass
Open/18:00 Start/19:00
adv/3.000 door/3.500(+1drink )
■Pコード:191-314 ,
■Lコード:54081 ,
■e+
【出演】
Thee Oh Sees
KING BROTHERS
Vampillia


■Thee Oh Sees
Thee Oh Sees は、John Dwyer (Coachwhips, Pink and Brown, Landed, Yikes, Burmese, The Hospitals, Zeigenbock Kopf) の、インスト・エクスペリンタルな宅録作品をリリースするためのプロジェクトとして開始された。
その後、いくつかの作品を経て、フルバンドへと進化を遂げたのである。彼らのサイケデリックな作風は、一見するとレトロなものとして、とらえられるかもしれない。
だが、彼らは、数々の最先端のアレンジを細部に施すことで、サイケデリックでありながらもしつこさを感じさせない、スタイリッシュでキレの良い全く新しい音楽として、リスナーに強く印象づけているのである。
その作品群はPithforkをはじめとする数々のレビューサイト、音楽雑誌で軒並み高評価を獲得している。
だが、数々のメンバーたちと共に録音されたこれら作品群だけでなく、常軌を逸したエネルギッシュなライブパフォーマンスこそが、ライトニングボルトと同じベクトルにある彼らの本質ともいえる。

ツアー詳細:https://iinioi.com/news.html



The Buddha Machine - ele-king

 前作がスケルトンだったが、今回は蛍光色。黄色、赤、オレンジ、緑の4色。だいたい蛍光色というのは、なぜか人を虜にする。しかもブッダ・マシーンのオモチャ感がまた所有欲を掻き立てるのだ。手の中にすっぽりおさまるほど小さいのに、これは、北京在住の電子音楽アーティスト、「FM3」ことクリスチャーン・ヴィラントとザン・ジアンによるアンビエント作品でもある。
 ブッダ・マシーンに単三電池2個を入れて、スイッチを入れる。音量を上げると電子音の反復が聴こえる。9つのループを楽しめる。しかも、ピッチも変えられるし、ヘッドフォン(イヤフォン)の端子もあるので、外でも聴ける。イーノが大量に買って、デヴィッド・バーンも音楽の未来の兆しとして絶賛だとか。たしかに、これは、色違いを集めたくなるような、そしてコンセプチュアルな、そしてかわいい音楽作品。2台揃えてミキシングするのがマニアの聴き方だが、複数台を部屋のいろんな場所においてなりっぱなしにしておくのも気持ちいいそうだ。
 重要なことを言い忘れた。新しい9つのループも良いです。

My Bloody Fuckin' Valentine Mixtape - ele-king

 1937年にリチャード・ロジャース&ロレンツ・ハートが作曲した"マイ・ファニー・ヴァレンタイン"は、チェット・ベイカーやフランク・シナトラからエルヴィス・コステロにいたるまで、幅広く歌われています。また、ザ・ビートルズは「僕が64歳になってもヴァレンタインにチョコをくれる?」と歌いました。
 というわけで、ヴァレンタインに乗りましょう。好きな人に捧げたい、ヴァレンタイン用DJミックステープ! 読んでくださっているみなさんも、どうぞリストをお送りください!


■木津 毅

1 尾崎紀世彦 - ラブ・ミー・トゥナイト
2 Rhye - The Fall
3 Antony and the Johnsons - Crazy in Love
4 Kylie Minogue - The One
5 Pet Shop Boys - Love Comes Quickly
6 Matmos - Semen Song For James Bidgood
7 Gayngs - Cry
8 Perfume Genius - Hood
9 The National - Slow Show
10 Wilco - On and On and On

■斎藤辰也(パブリック娘。)

1 Taken By Trees - My Boy
2 トクマルシューゴ - Decorate
3 Emitt Rhodes - Fresh As A Daisy
4 Knock Note Alien - 雪をとかして
5 Hot Chip - We're Looking For A Lot Of Love
6 AJICO - メリーゴーランド
7 Enon - Kanon
8 About Group - Plastic Man
9 About Group - Married To The Sea (b)
10 Syreeta - Cause We've Ended As Lovers

シークレット
11 The Beach Boys - Time To Get Alone (Acapella)

■中里 友

1 Outkast - Happy Valentine's Day
2 R.Kelly - Step In The Name Of Love(Remix)
3 D'Angelo - Lady (Remix) feat. AZ
4 Drake - Best I Ever Had
5 Breakbot - Baby I'm Yours
6 Best Coast & Wavves - Got Something For You
7 clammbon - sweet swinging
8 s.l.a.c.k. - I Can Take It (Bitchになった気分だぜ)
9 前野健太 - 病 (Yah! My Blues)
10 奇妙礼太郎 - オー・シャンゼリゼ

■野田 努

1 Carl Craig - Goodbye World
2 Chet Baker - My Funny Valentine
3 Beach House - Zebra
4 Ramones - Needles And Pins
5 The Velvet Underground and Nico - I'll Be Your Mirror
6 Scritti Politti - The Sweetest Girl
7 Massive Attack - Protection
8 Marcia Griffiths - The First Time I Saw Your Love
9 The Simths - I Want The One I Can't Have
10 RCサクセション - よごれた顔でこんにちわ
11 The Stylistics - You Make Me Feel Brand New
12 Nina Simone - My Baby Just Cares For Me
13 The Beatles - Here There and Everywhere
14 The Righteous Brothers ? You've Lost That Lovin' Feelin'
15 The Slits- Love and Romance

■橋元優歩

1 Baths - Apologetic Shoulder Blades
2 Airiel - Sugar Crystals
3 Clap Your Hands Say Yeah ? Let the Cool Goddess Rust Away
4 Atlas Sound - Shelia
5 Daedelus - LA Nocturn
6 Grouper - Heavy Water / I'd Rather Be Sleeping
7 Evangelicals - Midnight Vignette
8 Cloud Nothings - Strummin Whadya Wanna Know
9 Me Succeeds - The Screws Holding It Together
10 Our Brother The Native - Well Bred
11 How To Dress Well - Date of Birth
12 Twinsistermoon - Ghost That Was Your Life
13 Rehanna - S & M
14 Sleep ∞ Over - Romantic Streams
15 Jesse Harris - Pixote
16 Candy Claws - In The Deep Time

■DJ MAAR

1 The xx - Sun set
2 Herbert - I miss you
3 Francis Harris - Plays I play
4 Jesse Ware - Swan song
5 Frank Ocean - Thinking about you
6 Lil' Louis - Do you love me
7 Stevie Wonder - As
8 Grace Jones - La vie en rose
9 Edith Piaf - Hymne a l'mour
10 Louis Armstrong - What a wonderful world

■松村正人

A面

1 Barry White's Love Unlimited Orchestra - Love's Theme
2 Dan Penn - The Dark End Of The Street
3 Kevin Ayers - When Your Parents Go To Sleep
4 Red Crayola With Art & Language - If She Loves You
5 Frank Zappa - Harder Than Your Husband
6 Mayo Thompson - Fortune
7 Frank Zappa - Keep It Greasy
8 ゆらゆら帝国 - 貫通

B面

1 The Bryan Ferry Orchestra - Slave To Love
2 林直人 & MA-BOU - Can't Help Falling In Love
3 ZZ Top - Over You
4 Aaron Neville - My True Story
5 勝新太郎 - ヒゲ
6 Serge Gainsbourg - 手切れ(Je suis venu te dire que je m'en vais)
7 割礼 - こめんね女の子
8 Leonard Cohen - Hallelujah
9 Prince - I Wish U Heaven

Sports-Koide - ele-king

2/13(wed) @CAVE246
2/22(fri) @SOUL玉TOKYO 【B.A.D.Psychedelic】
3/16(sat) @GALAXY 【SLOWMOTION】
3/19(tue/祝前日) @EN-SOF TOKYO【Just Do It !】
6/22(sat) @旧グッゲンハイム邸 【SLOWMOTION】

インディポップチャート


1
cero / わたしのすがた (カクバリズム)

2
片想い / 踊る理由 (カクバリズム)
https://www.youtube.com/watch?v=y5LFv5-xWtU

3
藤井洋平&The VERY Sensitive Citizens of TOKYO / ママのおっぱいちゅーちゅーすって、パパのすねをかじっていたい (FUSHA RECORDS)
https://www.youtube.com/watch?v=E81MpqInSxI

4
あだち麗三郎 / ベルリンブルー
https://www.youtube.com/watch?v=f3O9f95SDc4

5
VIDEOTAPEMUSIC / Slumber Party Girl's Diary (ROSE RECORDS)
https://www.youtube.com/watch?v=5xhDysPUVyo

6
伴瀬朝彦 / 田園都市ソウル (MICROPHONE RECORD)
https://www.youtube.com/watch?v=uu3sBbcfUrE

7
倉林哲也 / kit
https://www.youtube.com/watch?v=A_HZ4XzePKM

8
mmm / 無題 (kiti)
https://www.youtube.com/watch?v=Se5WsIt7wzo

9
NRQ / The Indestructible Beat of NRQ (MY BEST! RECORDS)
https://www.youtube.com/watch?v=2ZBR0ssQ334

10
HESSLE AUDIO / 116 & RISING (hessle audio)
https://www.youtube.com/watch?v=7EcTFcr7Ygg
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