「IO」と一致するもの

Vic Mensa - ele-king

 セイヴマネー・クルー――シカゴのクリエイティヴで騒々しい若者たちのコレクティヴだ。ラッパーに限らずトラックメイカー、ミュージシャン、ヴィデオ・ディレクター等々、様々な才能を持った連中がたむろしているらしい(https://cokeandfrozenpizza.blogspot.jp/2013/07/whats-save-money-crew.html)。セイヴマネーという集団の雰囲気を存分に伝えているこちらのヴィデオで、構成員のひとりであるチャンス・ザ・ラッパーはこんなことを語っている。「セイヴマネーにリーダーはいないんだ」(セイヴマネーの音楽については『ザ・ベスト・オブ・セイヴマネー』というミックステープをぜひ聴いてほしい)。

 高校時代からのチャンス・ザ・ラッパーの良き友人(先のヴィデオでも終始仲よさそうにしている)、ヴィック・メンサことヴィクター・メンサーももちろんセイヴマネー・クルーの一員だ。今作、ヴィックの新しいミックステープ『INNANETAPE』(ダウンロード・イット!)のジャケットにはしっかりと"SAVEMONEY"の文字が刻まれている。
 もともとヴィック・メンサはキッズ・ディーズ・デイズというラップ・ロック・バンドのラッパーだった。ウィルコのジェフ・トゥイーディーとの共同プロデュースによる傑作フリー・アルバム『トラップハウス・ロック』(ダウンロード・イット!)をリリースした後、レーベルとの契約を済ましていたにも関わらず今年に入って方向性の違いから解散、ヴィックは新曲"DID IT B4"のリリースとともにソロ・キャリアに注力することとなる。

 誰もが聴き紛うほど、ヴィック・メンサの音楽はチャンス・ザ・ラッパーのそれと多くのものを共有している。兄弟なんじゃないか? と疑う者もいるほどだ。ソウルフルで、ファンキーで、メロウで――それに、2人の声はよく似ている(チャンスの方がアクが強いが)。チャンスとヴィックの音楽とは逃れがたい結び付きがあって、比較は避けがたいものがある。
 しかし、チャンスの泥臭い『アシッド・ラップ』よりも『INNANETAPE』は爽やかで温かい開放感を携えており、より軽やかな陽性のグルーヴがみなぎっている。それが端的に現れているのが冒頭の2曲、ジャジーなフィーリングを携えたオーセンティックなブレイクビーツの“オレンジ・ソーダ”と、軽やかなジャングル風ビートとソウルフルなコーラスやトランペットに彩られた“ラヴリー・デイ”だ。ヴィックのベスト・トラックとも言えるこの2曲がアルバムのカラーを決定づけている。この爽やかなメロウネス、リラックスしたチルアウトな感覚は、まるでザ・ファーサイドの素晴らしき最初の2枚が表現していた幸福感をスマートにアップデートしたかのように響く(余計なことを言えば、“ウェルカム・トゥ・INNANET”におけるウータン・クランの引用や、“YNSP”の最後にチラッと聴こえるア・トライブ・コールド・クエストの“アワード・ツアー”、チャンス・ザ・ラッパーをフィーチャーした“トゥウィーキン”においてヴィックがノトーリアス・B.I.G.の声を真似ている点など、黄金の90年代の影がそこかしこに見え隠れしている。プロ・エラのジョーイ・バッドアスにしろ、90'sヒップホップは現在のモードのひとつなのかもしれない)。

 “オレンジ・ソーダ”でヴィックは視界を曇らせる「デーモン」を排し、「俺の音楽への傾倒はビジネスよりもずっと深い」「俺は俺の『イルマティック』を書こうとしているんだ」と素朴だがシンプルで逞しいメッセージをラップしている。「重要に思えることが常に(自分を)ミスリードしているようなのはなぜだ?/未来を見ることができればとただ望んでいる」と逡巡しながらも。
 他方、アルバムの後半ではシリアスな顔も見せている。メイバック・ミュージックからロッキー・フレッシュが客演した“タイム・イズ・マネー”ではシカゴの格差や暗い現実を映しだし、「金は稼げ、だが稼いだ金がお前を決めるわけじゃない」と父の言葉を反芻している。“フィア&ダウト”やブラック・ヒッピー(ケンドリック・ラマーらが所属するクルーだ)のアブ・ソウルをフィーチャーした”ホーリー・ホーリー”といった曲では内省に沈んでもいる。
 それでも、〈ブレインフィーダー〉からサンダーキャットを迎えた“ラン!”ではワードプレイを排除した簡素でシンプルな言葉遣いでもって「君がどこへ行こうとするのかを知りたかった/だから俺は光を捨てて、一人暗闇を行く/君の反射光が見えるさ」と自らを鼓舞し、クロージング・トラックの“ザット・ニガー”ではアトランティックとの契約を蹴ってシカゴのステージに立ち戻り、「セイヴマネー・スティル・アライヴ!」と宣言する(チャンス・ザ・ラッパーがTDEからのオファーを蹴ったことも話題となったが、セイヴマネーはインディペンデントであり続けることに矜持を持っているようだ)。

 『INNANETAPE』は『アシッド・ラップ』ほどのバズを引き起こすことはなかったし、完成度も及んではいない。それでもなお、軽やかにビートを乗りこなし、ユーモラスな所作を交えながらラップするヴィック・メンサの姿には唯一無二の魅力がある。『INNANETAPE』はヴィックにとっての『10デイ』になるだろう。次作はもっとブリリアントだ。そう思わせるポテンシャルがたしかに感じられる。すでにJ・コールとのツアーを終え、来年にはディスクロージャーとのジョイント・ツアーも控えている。前途は洋々だ。

RP BOO JAPAN TOUR 2013 - ele-king

 今週末、東京大阪、やばいっす。ジューク人気が急上昇するなか、シカゴからそのシーンの重鎮、RP ブー(今年、 名作『Legacy』を出している)が来日するの知ってる? 楽しいから、絶対に行ったほうが良いよ。

RP Boo - Legacy JP (Planet Mu)


 来日のサポートにはシーンを牽引してきた〈Booty Tune〉、CRZKNY (Dubliminal Bounce)、Satanicpornocultshop (Negi)、〈SHINKARON〉、Keita Kawakami (Dress Down)をはじめ、ジュークと共鳴するゴルジェ、テクノ、ベース、ヒップホップ / ラップなどの周辺ジャンルと華麗にクロスオーバー、そしてフットワークのバトル・トーナメントで優勝したTa9yaや準優勝の女性ダンサーHarukoなど多くのダンサーもジャンルを超えて結集した、若手を中心にベテランや中堅も織り交ぜ、もはやこれがジュークであるとは言えないほど多様化するハイブリットな国内シーンとそのカルチャーを堪能出来るキレキレのラインナップをお見逃しなく!

≈ RP BOO JAPAN TOUR 2013 ≈

〈東京公演〉

11.23 (SAT) @ Shinjuku LOFT Tokyo
OPEN/START 23:30 ADV 3,000 yen | Door 3,500 yen

shinjuku LOFT Presents
SHIN-JUKE vol.5

RP Boo (Planet Mu from Chicago)
D.J.Fulltono (Booty Tune)
Satanicpornocultshop (negi)
hanali (Gorge In, Terminal Explosion!!)
HABANERO POSSE
ALchinBond
Booty Tune crew
SHINKARON crew

More Info:
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft/18988


〈大阪公演〉

11.22 (FRI) @ Club Circus Osaka
OPEN/START 21:00 ADV 2,500 yen | Door 3,000 yen

Booty Tune & Dress Down Presents
SOMETHINN3

RP Boo (Planet Mu from Chicago)
D.J.Fulltono (Booty Tune)
Keita Kawakami (Dress Down)
DJ TUTTLE (Marginal Records)
Quarta330 (Hyperdub)
terror fingers (okadada + Keita Kawakami)
CRZKNY (Dubliminal Bounce)
DjKaoru Nakano
Paperkraft (Alt)
AZUpubschool (doopiio)

More Info:
https://circus-osaka.com/events/booty-tunedress-down-presents-something3


7e (Romanescos) - ele-king

https://7ehome.tumblr.com/
https://soundcloud.com/7e_romanescos

最近DJでかけたお気に入り音源


1
Matmos - Rag For William S. Burroughs - P-VINE

2
PSILOSAMPLES - Sonhos no quintal - Octave / Desmonta

3
Los Sanpler's - Mambo Brillante (HD Mambo) - Audio View

4
Jun Miyake - Cream - Agentcon-Sipio

5
Jichael Mackson - Flatscreen_Original Mix - Stock5

6
Figura - Ze Bula (Chancha Via Circuito Remix) - ZZKrecords

7
Animation - Sanctuary - Sacred Rhythmic Music

8
Coppe' with Nikakoi - Forbidden (Remix) - Mango+Sweet Rice Records

9
Axel Krygier - Serpentea el tren - LOS ANOS LUZ DISCOS

10
Groupshow - anyone care for a drink? - Scape Germany

 アイスランドは、ビョークやシガー・ロスの出身地というぼんやりしたイメージしかなかったのだが、行った人誰に聞いても「最高!」と言われる。毎年10月末から11月にかけて首都レイキャヴィックでおこなわれる、新しい音楽の祭典、アイスランド・エアウェイヴスに初参加した。
 今年は10/31~11/3。過去には、シンズ、ラプチャー、TV・オン・ザ・レィディオ、ファットボーイ・スリム、クラクソンズなど、ヨーロッパやアメリカからバンドが参加している。
 NYからは約6時間。時差も5時間なので、西海岸に行くのと変わらない。15年前に初めてSXSWに行ったときと同じような新鮮な感情が生また。

 エアウェイヴスは、著者が知っているCMJやSXSWなどのアメリカのフェスティヴァルと違い、質が格段に良い。家族経営な感じが好印象で、まだ世の中に知られていない新しいバンドをいろんな所で発見できる。
 飛行機はアイスランド・エアを利用したのだが、音楽プレイリストに「エアウェイヴス」があり、スケジュールのフライヤーがもれなく乗客に配られる。パーティへのお誘いも、「どう、エアウェイヴス楽しんでる?」などの10年来の友達相手のような気さくな招待状。現地の人に聞くと、この期間は特別で、これでもか、というぐらいショーを見て、浴びるほどお酒を飲むらしい。
 空港に朝の6時に着き、水が飲みたいと思ったら、水の隣に普通にビールが売られ、周りを見ると、待っている人もビールを飲んでいる。エアウェイヴスが終わった次の日、レコード店に人を訪ねて行くと、「彼は今日飲み過ぎでお休み」と言われた。エアウェイヴス休暇は公認なのか?

 「朝の4時、5つのクラブに行き、10の良いバンドを見て、15人の新しい友だちを作り、20回恋に落ちた。自分は疲れ、おかしくなってる。家に帰るつもりが、アフターパーティを探してる。ここにいることが信じられないし、すでに来年また来る計画をしている。今日はまだフェスの一日目だというのに」(https://icelandairwaves.is/about/
 というエアウェイヴスの文句がそのまま当てはまる。マジックとしか思いようがない。
 レイキャビックという町は、NYのウィリアムスバーグぐらいの大きさしかなく、どこでも徒歩30分以内で歩け、フェスティヴァルにはもってこいの町である。イギリスの標準時を使い、人口は約32万人でその1/3がレイキャヴィックに住んでいるという。自然がとても美しく、着いた日に、山がピンク色に染まっていたり、寒そうな山肌を見たとき、新しい土地を意識した。

 まずはハーパというハブになっている会場でリストバンドをピックアップ。リストバンドと一緒にもらえるギフトバッグのなかには、ブルーラグーンのスキンケアグッズ、66northのニットキャップ、gullビール、reykaウォッカ、アイスランディック・チョコレート、オパル・キャンディなどのアイスランドの代表グッズが入っている。これだけでも十分アイスランド気分。

 エアウェイヴスは、公式のショーでなく「オフヴェニュー」と呼ばれる場所でのショーが昼間からあり(これだけでも十分好きなバンドが見れる)、この5日間は朝から晩まで、バンドは5~10のショーをし、DJともなると1時間おきに違う会場でプレイする強者もいた。
 シアトルのカレッジラジオKEXPはCMJやSXSW、スペインのプリマベラなどで、いつも良いメンツを集めてパーティをするので、今回もたくさん行ったが、ラインナップは地元アイスランド・バンドも含め極上だった。まったく違う会場で偶然発見したバンド、Kithkin(シアトル出身)も、後からKEXP関連だったこともわかる。

 エアウエイヴスは、時間厳守だ。時間になると、きっちり次のアクトがはじまるし、演奏時間も大体20~30分ぐらい。次のバンドまでも余裕があるので、セットチェンジの間にもうひとつ別のショー行って帰って来れる。会場がそれぞれ近いのもよい。

 以下ずらーっとレポート。カタカナ表記に直せない会場はそのままアルファベットで残し、バンドの後に表記のない物は地元のアイスランド・バンド。

11/1(fri)
5:30 pm
サマリス(Samaris)
@アイスランドエア@スリップバリン(icelandair at slippbarinn)

 最初に行った会場はスリップバリン。夕方5時だというのに外にラインが出来、ようやく入るも身動きが取れない。入口でウエルカムシャンパンを頂きステージ前へ。
 サマリスは、クラリネット(女)、ヴォーカル(女)、エレクトロニクス(男)という変わった編成。ダウンテンポ・エレクトロニカと大胆なパーカッションビートを取り入れ、ビョークのような深く唸るようなヴォーカルが乗る。その結果、古代的で現代的、非現実なサウンドにダークでエイリアンな雰囲気を醸し出す。時差ぼけも吹き飛び、ステージ前でかぶり付きで見た。ヴォーカルのJófríðurは、パスカル・ピモンというバンドを双子の妹と組んでいて、こちらはアイスランドのオルヴォワール・シモーヌという感じ。
https://icelandairwaves.is/artists/samaris/

6:00 pm
ハーミゲルヴィル(Hermigervill)
@アイスランドエア@スリップバリン(icelandair at slippbarinn)

 一緒に行った友だちが「この次のアクトもいいよ」というので残ることにする。アイスランド・エアの機内で配られたスケジュールのカヴァー/エアーウェイヴのWEB表紙の男の子、ハーミゲルヴィル。
 「ハイ、マイフレンド!」とテルミンを演奏しはじめ、そのままユニークなライブ・エレクトロサウンドへ。彼の前にずらーっと並んだ、エレクトロニカ機材を器用に操り、会場で一番楽しそうに踊っているのが彼。最高のダンスフロア! まだ6時! 聞くと彼もバーンドセンレトロ・ステフソンなどのアイスランドの著名バンドにも参加している。アイスランド、すでにヤバい。
https://icelandairwaves.is/artists/hermigervill/

8:00 pm
ムーム(Múm)
@Fríkirkjan

 教会でムームのショーがあると聞いて、行ってみると人数制限で入れない。教会の前には人だかり。周りをうろうろしてみると、ガラス張りの窓から少し中が見える。同じことをしている人と「見たいよね~」と話しながら、ステージのすぐ横の窓から覗くと、グランドピアノやアップタイトベースが見え、音も聞こえるので、ナイス! と思ったが、寒すぎて10分で退散。アイスランドでビョークと同じぐらい名前が知られている彼らは、エレクトロニック・グリッチ・ビートとエフェクト、伝統的、非伝統的な楽器を特徴とし、厳かな場所でのショーが似合うバンドだ。
https://icelandairwaves.is/artists/mum/

8:50 pm
ロウ・ロアー(Low roar, アイスランド/アメリカ)
@イドノ(Iðnó)

 ブルックリンの知り合いミュージシャンから紹介してもらったバンド。かなり大きな会場で、前に行くのに苦労するが、3人のミュージシャンが誰も手を付けないジャンルを開拓する。エレクトロポップ、美しいフォークソングのシンプルな定番アレンジに、ミニマルトーンやドローンにポストパンク要素を混ぜ合わせた、新古が出会うアイディア。
https://icelandairwaves.is/artists/low-roar-isus/

11:00 pm
オマー・ソウレイマン (Omar Souleyman, シリア)
@ハーパ・シルファバーグ(Harpa Silfurberg)

 シリアの伝説、オマーさん。CMJでも見逃したので、今回は是非見たかった。1994年にデビューし、最近まで海外では知られていなかった彼だが、すでに500以上のスタジオ・レコーディングとライヴ・カセット・アルバムがあリ、いまではボナルー、サマーステージ、グラストンベリー、ATPなどのフェスティヴァルの常連。定番のアラビック・ヴォーカル・スタイルとエレクトロをミックスし、世界中の人たちを踊らせている。ハーパ(会場)で一番列が出来ていたのも彼。アイスランドでタンクトップになれたのも、ここの観客のノリの良さが桁違いだからか。
https://icelandairwaves.is/artists/omar-souleyman-sy/

11:30 pm
ゴート(Goat, スウェーデン)
@ハーパ・ノルデュロス(Harpa Norðurljós)

 ハーパの隣の部屋へ移動し、スウェーデンの覆面バンドを見る。これも今年5月にプリマベラに行った友達から絶対見たほうが良い、とお墨付きを頂いていた。スウェーデンのコーポロンボロと言われる村出身で住民がブーズー教信者である。全員覆面で、クリスチャン服装で、目に痛いほどカラフルで、ステージプレゼンス、すべてすごいが、演奏のうまさと、フロントの女の子2人の、何か(ブーズー教呪い?)に取り付かれたようなダンスで、崇拝精神さえ芽生える。
https://icelandairwaves.is/artists/goat-se/


11/2 (sat)

4:00 pm
キスィキン (Kithkin, アメリカ)
@ヘルマー・スクエア(Hlemmur Square)

 たまたま、通りかかった会場で発見したバンドはシアトル出身。ハイパーなリズミック・シンセとトライバル・ドラム、カオティック・ギターに、前に前に出るシャウト・ヴォーカル。ベースとドラマーが一緒にスティックを持って、叩き合うパフォーマンスは、インテンスでエネルギッシュ。ベーシストはスピーカーの上に乗って飛び降りたりした。
https://icelandairwaves.is/artists/kithkin-us/

4:00 pm
シーシーアイ(Sisy ey)
@ ジョア(jor)
 と呼ばれる、3人女子はアン・ヴォーグのようなディスコ・エレクトロ・ヴォーカル・グループ。通りかかった洋服屋で、ウィスキーショットが振る舞われ、子供も一緒に踊っている。女性3人女子とDJ。彼女たちの美しい声と新しいジャンルをミックスし、世界でひとつしかない面白い才能を開拓している。アイスランドの女の子は、みんな声が深くて芯がしっかりしている。ビョークみたいなユニークな歌手は、ここには多数いるのだろう。
https://icelandairwaves.is/artists/sisy-ey/

5:00 pm
サミュエル・ジョン・サミェルソン・ビッグバンド(Samúel jón Samúelsson Big Band)
@ラッキーレコーズ(Lucky Records)

 KEXにムームを見に行ったのだが、多すぎて入れず。そのまま待つのもなんなので、近所のラッキー・レコーズに行くと、ちょうど彼らがプレイしていた。レイキャヴィックのアフロファンク・バンド、14人は、みんな思い思いの派手衣装(メインガイは、黄色と緑と青の幾何学模様)で、狭いレコード屋を占領(何せ大人14人!)。トニー・アレン、ジミ・テナーなど、国際的アーティストとコラボレートしている彼らのショーは、ホーンがメインでおもちゃ箱をひっくり返したような楽しさ。子供が一番喜んでたかな?
https://icelandairwaves.is/artists/samuel-jon-samuelsson-big-band/

6:30 pm
ロックロ(Rökkurró)
@KEX

 ムームは見れずだったが、1時間後に戻ってくると、KEXPがロックロを紹介しているところ。5年間このエアウェイヴスを中継し、たくさんの素晴らしいバンドに出演してもらえて嬉しいと。ヴォーカルのクリスティンはティアラをつけ、キーボードの女の子はガイコツの手を自分の手に付けちょっとハロウィン気分。メランコリックなセレナーデは、自国の寒く荒廃した景観を奮起させるが、壊れやすく滑らかなヴォーカルでユニークな暖かみも浸透させる。ムームやオラファー・アーナルド(見逃した!)ともツアーをともにし、2枚目のアルバムは日本盤もリリースされている。
https://icelandairwaves.is/artists/rokkurro/

7:10pm
キラ・キラ(Kira Kira)
@ハーパ・カルダロン(Harpa Kaldalón)

 おさげの女の子クリスティンがキラキラ。遊び心あるビーツやエクスペリメンタル・ポップが、ダーティ・メロディや、雷のようなベースラインを作る。彼女は、エレクトロ音楽やアートのエクスペリメンタル集団/レーベル、キッチン・モータースの設立メンバーでもある。今回のライヴは彼女と3人の男の子編成。トランペッター2人とトロンボーン。ドローンなエレクトロニックスとホーン隊の音は、サウンドトラックのようで、心地の良い映画館のようなソファーと会場の暖かさで夢の中へ。
https://icelandairwaves.is/artists/kira-kira/

8:00 pm
ユリア(Ylja)
@ハーパ・カルダロン(Harpa Kaldalón)

 アイスランドのジプシー・バンド? 女の子2人がアコースティックギターとヴォーカル。つま弾きギターにハーモニーの綺麗な子守唄が合わさり心地よすぎ。この会場は眠りたい人にもってこい。ギターの男の子は、英語が出来なくてごめんと謝り倒してたが、飛行機の中でも聞いたのを覚えていた。耳に優しいバンドで、エアウエイヴスは、良い物はどんなジャンルでもカヴァーしている、とまたひとつ勉強。
https://icelandairwaves.is/artists/ylja/

9:00 pm
マック・デマルコ (Mac Damrco, カナダ)
@ハーパ・シルフバーグ(Harpa Silfurberg)

 最近のキャプチャード・トラックスの5イヤーズ・フェスティヴァルにも出演していた、すきっ歯がかわいいカナダ出身の22歳。個人的には、エアウエイヴスで見たかったバンドの上位。彼のキャラが最高で、ヴィデオもCDもすぐに虜になる。ユリアが終わって会場がすぐ上なので移動が便利。歌いすぎて、声がガラガラしていたが、最上のロックンロールで、客とのコール・アンド・レスポンスも最高!最後には「サーフィンしていい?」と丁寧に断った上、ガツンと客にダイブ。ベースとギタリストのコミカルなぼけ突っ込みも受ける。
https://icelandairwaves.is/artists/mac-demarco-ca/

11:00 pm
ゴールドパンダ(Gold Panda,UK)
@レイキャヴィック・アート・ミュージアム(Reykjavik art museum)

 ゴールド・パンダ、たったひとりの男の子がこんなにも多くの人を踊らせるのは凄い。宇宙、サイケデリック、インド・テイストな映像も合わさり、ステージに彼がいるだけで、何か惹きつけるものがたしかにある。ブロック・パーティ、サミアン・モービル・ディスコなどからリミックスのリクエストが来るなど、国際的に活躍するエレクトロ・アーティスト。オマーさんの次に、一番長く列に並んだ(外だったので寒かった!)アーティスト。この時に、ビョークが後ろを歩いていくのを見る。地元なのだなと。
https://icelandairwaves.is/artists/gold-panda-uk/

0:10 am
サヴェージズ (savages, UK)
@レイキャヴィック・アート・ミュージアム(Reykjavik art museum)

 ここに入る時に、かなり列に並んだが、実はゴールド・パンダでなく、サヴェージズ狙いだったのかな。いままでで最前列に一番カメラマンが多く、後ろの人が見えないので、3~4曲後カメラ規制が入ったぐらい。CMJでも何でも彼女たちのハイプは凄い。エモーショナルなトラッシュ・ロックで、最後には客の上にダイブしたり、一番前の客の波にもまれながらそこに立って歌ってた。ワイルドで生々しく、顔をパンチされたような臨場感がある。
https://icelandairwaves.is/artists/savages-uk/

1:00 am
ゾラ・ジーザス(Zola Jesus,アメリカ)
@Gamla Bíó

 ドアの規制がとても厳しい会場で、水も持ち込めなかった。彼女もキャプチャード・トラックスからのお勧め。ファッション雑誌から出て来たような格好の彼女と、ヴァイオリン、ギター、ベース、ドラム。ロシアン・アメリカンシンガーのゾラ・ジーザスは声がとても深く地底の底まで響きそう(そして何かを呼びそう)。フィーバー・レイやエックス・エックスなどとツアーを共にしていると聞いて納得。ここも映画館のように椅子がありシート制。最後を締めるには、もってこいのパフォーマンスだった。
https://icelandairwaves.is/artists/zola-jesus-us/


11/3(sun)

4:00 pm
シャイニー・ダークリー(Shiny darkly, デンマーク)
@ラッキー・レコーズ (lucky records)

 またお気に入りのレコード屋に戻ってきた。デンマーク出身の22歳の男の子の4ピース。ニックケイヴやイアン・カーティスに影響を受けたダーク・ナルコティック・ロック。しかもルックスも良い。シアトルのKEXPやLAのKCRWなどが取り上げているのも納得。
https://icelandairwaves.is/artists/shiny-darkly-dk/

5:00 pm
キスィキン (Kithkin, アメリカ)
@ラッキー・レコーズ (lucky records)

 昨日偶然に見たシアトルのバンドが次だったので、そのまま居残る。昨日の方が印象は強かったが、すべてのセットが見れ、今回エアウエィブスで一番の収穫かもとニヤニヤする。ベースとドラム(立ちドラム)がヴォーカルで、このエネルギーはただ者ではない。

6:30 pm
ハーミゲルヴィル (Hermigervill)
@KEX

 一番最初に見たお気に入りDJをリピート。エアウエイヴスの顔だけあり、これぞアイスランドのDJ。「みんな、エアウエイヴス楽しんでる?僕はこれが最後のショーだよ」と客とのコミュニケートも最高。ラップトップでビートを作りながら、テルミンを操り、キーボードを弾き、一番忙しく、一番楽しそう。

11:00 pm
ティルバリー(Tilbury)
@ガンミリ・ガウクリン(Gamli Gaukurinn)

 一瞬ダウンしたが、またショーに戻ってくる。ドラマティックでダークでビタースイート、という文句のバンドなのだが、ラフなTシャツ、ボタンダウン姿、どこにでもいそうなお兄ちゃん5人組。60年代ギターと80年代のダークシンセと新しいエレクトロを足し、ディビット・リンチの映画に出てきそうな、と形容されるが、誇張しすぎかな。ショーの後、気さくにしゃべってくれた。
https://icelandairwaves.is/artists/tilbury/

0:00 am
モーセズ・ハイタワー(Moses hightower)
@ガンミリ・ガウクリン(Gamli Gaukurinn)

 エアウェイブス最後のバンドは地元のモーゼス・ハイタワー。大人な雰囲気を醸し出す70年代のブルー・アイド・ソウル。2008年に「レッツ・メイク・ベイビーズ」というシングルでアイスランド・リスナーの注意を引いたらしいが「みんなが親戚」というアイスランドなので、今回のフィナーレに相応しい。メンバー(ホーン隊)キャラかぶり過ぎで、ダン・ディーコンがメンバーに4人いるかと思った。
ショーが終わっても、もちろん誰も帰らない。そのままバー/DJパーティへと変わる。
https://icelandairwaves.is/artists/moses-hightower/

 他にもマムットマックなど、見たいバンドはたくさんあったがすべて見切れず、体がもう一体欲しかった。エアウェイヴスは、バンドを発見するだけでなく、レイキャビック、アイスランドの素晴らしさの発見でもあった。人が親切で、エアウェイヴスが終わった後にもうひとつライヴに行ったのだが、そこではシガーロスのメンバーが普通に飲んでいて(しかも著者は見れなかったクラフトワークのショーの帰り!)、一緒に朝まで遊んだりした。その後レイキャヴィックを出て地方に行く機会もあったが、広大な自然、アメリカでも日本でも見たことのない空の色は言葉で言い表せないほどだった。
 最後に、レコード店で発見したアイスランドのダブ・エレクトロバンドのオイバ・ラスタは、CDを聞いたらはまり、最近毎日聞いている。この寒いアイスランドで、なぜラスタ・バンドなのか。9人という大所帯のバンドは今回見れなくて残念だが大丈夫、すでに来年来る準備をしているから。

 すべてのラインナップはこちら。
https://icelandairwaves.is/line-up/

 こちらはキスィキンと一緒に旅をしたKEXPのレポート。良い写真がある。
https://www.cityartsonline.com/articles/iceland-airwaves-festival-frozen-fairytale-island

 ここからは七尾旅人NYショー

 七尾旅人さんの初のNYショーが10月29日~30日に行われた。 こちらがスケジュール
 10/29 (tue) at Pianos 7pm $8
 w/ Diane Coffee (Foxgen) and Deradoorian (ex Dirty Projectors)
 158 ludlow street
 New York, NY 10012
 212-505-3733
 https://www.ticketweb.com/

 10/30 (wed) @ Cake shop 8 pm $10
 w/ Greg Barris and The Forgiveness, Eartheater, Bodega Bay
 152 ludlow street
 New York, NY 10012
 212-253-0036
 https://facebook.com/events/401758796619436

 公式2日はどちらもローワーイースト・サイドの会場。クラブとインディ・ロックな別々の顔を持つ会場のピアノスケーキショップ。それぞれ違うセットと対バンで、2日連続で見る価値は十分。ショーの後、ブルックリンでのオファーを2つ頂いたので、結果的に良かったし、違うタイプの観客にもアピールできたと思う。

10/29 (火) @ ピアノス

 NYではかなり早い7時にはじまる。
 共演バンドは、フォクシジェンのドラマーのディアン・コーヒー、元ダーティ・プロジェクターズのメンバーだったエンジェルのデラドーリアン。
 https://www.pianosnyc.com/showroom/diane-coffee-10292013

 この日は旅人さんが希望していたドラマーのライアン・ソウヤーとの共演。

 ライアンはボアドラムでも日本に行ったり、リィス・チャザムの200ギターの唯一のドラマーとして参加したりしている。
 https://www.villagevoice.com/2009-08-04/voice-choices/rhys-chatham/
 前日に彼が参加する新しいバンド、ヒッギンス・ウォーター・プルーフ・ブラック・マジック・バンドを押し掛け、ぎりぎりで出演許可を頂いた。

 7時過ぎに登場し、英語の音声で本人の紹介。衣装は羽織に下駄。“星に願いを”、“オーモスト・ブルー”など2~3曲弾き語りの後は、ライアン・ソウヤーが登場。後は、めくるめく宇宙戦のようなインプロの嵐。旅人さんはエフェクトを駆使し、歌い、動き回りながら、ライアンとのプレイを心から楽しんでいるように見える。それに煽られ、オーディエンスの熱気も上昇し、演奏が終わった後は、拍手が鳴り止まなかった。リハーサルもないのに、この絡みは、はじめて会ったとは思えない。ライアンも終わった後は珍しく上機嫌で、「次もプレイする事があれば誘ってね、いやプレイできなくても見に行くよ。」と。次のデラドーリアンもディアン・コーヒーも、「今日は旅人とプレイできて嬉しい」とステージで賞賛していた。

10/30 (水) @ケーキショップ

 ハロウィンが次の日ということもあり、コスチュームな人もいる。出演は旅人さんを入れて4バンド。
 ボデガ・ベイはまだ結成して4ヶ月という新しいアート・ロック・バンド。ベースとドラマーの女の子が(ハーフ)日本人、ギター&ヴォーカルが白人、ギターがラテン系という、いかにもブルックリンなバンド。
 アース・イーターはガーディアン・エイリアンのアレックスのソロで、ガーディアン・エイリアンのファンである著者は楽しみだった。ロシア~東欧な雰囲気のコスチュームにゴス系メイク、黒リップ、バンジョー弾き語り。彼女自身がアート作品である。このショーの後、旅人さんは、3日後のガーディアン・エイリアンのショーに参加しないか、というオファーを頂く。
 https://eartheater.org

 グレッグ・バリスは、NYのコメディアンで、普段はハート・オブ・ダークネスというバンドを率いるが、今回はフォーギヴネス名義で登場。「ハローレディス・アンド・ジェントルマン、グレッグ・バリーーーース!!!」の声を合図に大暴走が続く。メンバー全員が一曲ずつヴォーカルを取り、コメディあり、客とのコール・アンド・レスポンスありで会場を盛り上げる。
 gregbarris.com

 11時に七尾旅人さんの登場。今日は完全にソロ。昨日来たお客さんもちらほら見えた。何日間か前に亡くなったNYの偉大なミュージシャン、ルーリードの「ウォーク・オン・ザ・ワイルド・サイド」の日本語カバーも披露し、1曲1曲拍手喝采を誘った。英語がしゃべれなくてごめん、と日本語でMCをしたり、予定時間をオーバーしても演奏が続き、旅人さんがNYで表現したかった物、思い、などが痛いほどオーディエンスに伝わってきた。
 ふたつのオフィシャル・ショーの後、会場とバンドからふたつのオファーがあり、ひとつはライアンと三味線奏者(!)のトリオ、ひとつはガーディアン・エイリアンのショーにヴォーカル参加した。
著者は残念ながら、参加できなかったので(アイスランドにいた)、本人の感想がその都度、ツイッターでつぶやかれているのでご参考に。
 https://twitter.com/tavito_net

 フライヤーをたくさん撒いたり、共演バンドとも、たくさん話をしたが、みんな旅人さんとプレイできたのは素晴らしい経験だったとのこと。何でも自分で行うDIYなアメリカなので、実際来てプレイしてみないとはじまらない。今回はよい例だと思う。ライアンやその他のミュージシャンと旅人さんのショーの前の告知
 https://www.brooklynvegan.com/archives/2013/10/japanese_artist.html

interview with Dorian - ele-king

E王
Dorian - midori
felicity

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 シャーマンはDMTで神様と交信するが、ドリアンはお茶をすすって野山を見る。彼の通算3枚目のアルバム『ミドリ』は、フライング・ロータスの前作をお茶の間ラウンジとして再現したような作品である。おびただしいカットアップによるポップアート、ダウンテンポのサイケデリック・サウンドなのだが、彼は宇宙を見ることもなければ、精神世界に向かうこともない。では、ただのイージー・リスニングかといえば、全然そうではなく、ほどよく甘美で、少しばかりドラッギーな音響がスムーズに駆け抜けていく。しかも『ミドリ』は、たんなる心地良い音響という感じでもない。エモーショナルだし、ユーモアもある。リズムは温かく、リスナーをさまざまなヴァリエーションで楽しませる。音は優しく、そして、リスナーにとっての心地良い場所を喚起する。個人的にドリーミーな音からはこのところ離れたんですけれど、はっきり言って、『ミドリ』はオススメです。
 本当は、言いたいことがたくさんあって、もう喉元まで出かかっているのだけれど、僕の質問が悪く、うまく言葉を引きだせなかった……以下のインタヴューを読んでいただいて、本人の控え目な言葉の背後に、何か他とは違うものを作ってやろうという、けっこうなアンビシャス、パッションがあったことを察してていただければ幸いである。 

子どものころ行ったことあるけれどもそれ以降行ってないなってところとか、こういうところが近所にあるのは知っているけれども行ったことなかったなとか、そういうところに行ってみたいなという。

じつはドリアンくんと会うのってすごく久しぶりだよね。初めて会ったのって……覚えてます?

ドリアン:リキッドルームの……。

いや、違う違う(笑)。

ドリアン:あ、違います?

あれでしょ、もう4年以上前? 七尾旅人のライヴを観に行ったとき、やけのはらが紹介してくれたんだよ。「彼はドリアンくんっていって、今度いっしょにやる」って。六本木の〈スーパー・デラックス〉の階段のところで。

ドリアン:ああー、そんなに前ですか!?

だから僕がまだ『remix』やってたころですね。

ドリアン:そうですよね。

あのころドリアンくん、まだハタチとかそれくらいじゃない?

ドリアン:そんな前じゃないですよ(笑)! 25、6とかそれぐらいだったと思いますね。

20歳ぐらいかと思っていた。とにかく、今日、お久しぶりに会えるのが楽しみだったんですよ。ていうかドリアンくん、生まれ、静岡のどこなんですか?

ドリアン:島田市です。

あ、島田なんだ。いいところじゃないですか。

ドリアン:何にもないんですけれども。山と川と……以上、みたいな(笑)。

はははは、あとちょっと、若干商店街って感じでしょう?

ドリアン:そうですね。島田市って言うとそうですね。僕はいわゆる島田市とはちょっと離れたところで。平地なんですけど藤枝寄りで。六合駅の近くですね。

僕は静岡市なんですけど、安倍川越えて用宗よりも西側ってよくわかってないんですよ。

ドリアン:そうですよね。

ただ、今回個人的に放っておけなかった理由のひとつは、やはりその静岡を訪れて作ったっていうところですよ。同じ静岡人として、その話をまずはお伺いしたいなと思ったんですけれども。

ドリアン:はい。静岡……これ、ちょっとわかりやすく書いてあるんで語弊がある部分もあるんですけど……。

今回のリリースの資料を書いた小野田雄も静岡ですからね。

ドリアン:作るために訪れたと言うよりは、子どものころ行ったことあるけれどもそれ以降行ってないなってところとか、こういうところが近所にあるのは知っているけれども行ったことなかったなとか、そういうところに行ってみたいなというのも含めつつ──まあ誰と行ったとかは書かなくてもいいんですけども(笑)──ちょっと彼女と旅行に行こうと思って。じゃあ、自分がよくわかるところで、いいところで、っていうことを考えて寸又峡なんかに行ったりしたんですけれども。

寸又峡って金谷からの電車で行くところだっけ?

ドリアン:そうですね。けっこう川根のほうで。

川根のほうだよね。いいところですよね。秘境な感じ。あの二両しかない電車も好きだな。

ドリアン:そうですね、かなり山奥で。その頃ちょっと作りはじめていて、断片なんかはチラホラ出はじめていた頃で、それが。そのときは、ただただ作るっていう感じだったんで。落としどころとか、そういうところがあまり明確ではなかったんですけれども。その旅行が1泊2日だったんで、いろんなところをレンタカーで周ったりしてるなかで、ちょっとピンと来たというか。

インスピレーションが沸いてきた?

ドリアン:はい。僕だと静岡の風景は具体的に浮かぶんですけど、聴いたひとにとっても、ある、そういう場所が浮かぶように、そういうものに沿って曲を置いていくというか。そういうものがしっくり来るんじゃないかな、とそのときピンと来たというか。

自分の故郷だけれども、遠かった場所みたいな。

ドリアン:それはあると思いますね。離れることで故郷がかなり美化された部分ってあると思うんですけど、自分で。

でも具体的に実際に行ったわけですからね。

ドリアン:はい。

静岡って中途半端に東京と離れていて、中途半端に近くて、とにかくいろんなものが中途半端じゃないですか。

ドリアン:そうですね、中途半端ですね(笑)。

都会じゃないし、ド田舎でもないから、あんま故郷って感じもなくて、東京出てきちゃうひとは、静岡に戻らないひとが多いでしょ? 「ま、いっか。いつでも帰れるし」と思いながらズルズル帰らないから。僕なんかもそうで、高校3年生まで静岡になんてべつに何の思い入れもなかったんだけど、久々に帰ってみると「あれ、こんなにいいところだっけかな」っていうぐらいの(笑)。

ドリアン:そうなんですよね。まさにそうなんですけれども、僕も。

そういう感覚ってきっと誰にでもあるんでしょうね。10代って人生で一番生意気な時代だから、自分の故郷なんかたやすく愛すことなんかできないじゃない(笑)。

ドリアン:そうですね。

若さゆえに心も広くないし。でもさ、島田って、こんなにお茶畑だらけだっけ?

ドリアン:島田はけっこうそうですね。県内でも一番生産量が多い、イコール全国で一番多い、となると思うんですけど。

そうか、牧ノ原台地か。とにかく、お茶畑の風景がドリアンくんの原風景じゃないけど、なんか見直してみたらこんなに良かったんだ、みたいな。

ドリアン:そうです、そうです。

あそこから富士山って見える?

ドリアン:見えます。これはちょっとデフォルメされすぎですけど、この半分ぐらいには見えますね。

富士山、でかいからね、当たり前だけど(笑)。で、さっき言ってたみたいに、ドライヴしながらインスピレーションを受けて、これをひとつテーマにしようと思ったんだろうけど、今回の音楽をそこからどういう風に具現化していった、曲として落とし込んでいったんでしょう? 小野田雄はドリアンが「自宅で好んで聴いていたというマーティン・デニーとかレス・バクスター云々」とかってことを書いてますけど、それはあったの?

ドリアン:ええ。そうですね……。

小野田雄、テキトーなことを書いてるわけではない(笑)?

ドリアン:いや、すごくわかりやすく言うと、そういうことだと思うんですよね。

はははは。じゃあ、いいんだ。ただ、今回のアルバムは、いろいろ言えちゃうよね。ラウンジ・ミュージックとかね。ダウンテンポとか、カットアップとか。でも、たしかに小野田雄が言う通り、景色が浮かぶ音楽ですよね。

ドリアン:ああ、そう言ってもらえると。

1曲目に使ってるのは(映画の)『男と女』のフレーズ? 「ダバダバダ~」ってやつ。(註:フランシス・レイ作曲)

ドリアン:ああー、そういうことですよね。でも、全然それではないですけど。

ただ似てるっていうだけか。

ドリアン:そう言われてみれば似てますね。でもそれとは全然関係ない、100円ぐらいで売ってるようないわゆる「ムード大全集」みたいな、そういうタイプのレコードには同じような曲しか入ってないっていう。そういうなかにあった音色というか、それを使ったというか。曲のなかでこのフレーズが良かったからこれ使おう、って感じではやってないんで。いったん全体像みたいなものとか構成とかを頭のなかでまずイメージして作って、紙か何かに書いて、で、曲のキーやテンポやコード進行なんかも決めて、こういう音色でこういうコードがいいってことを決めてからサンプル回すってことをやってたんで。

なるほど、では制作する上で今回すごくキーになったことって何かある? ひとつはサンプリングのやり方みたいなもの?

ドリアン:やり方もそうですし、サンプリングそのものですね。僕いままで、サンプリングを主体にした作り方っていうのをほとんどしてこなかったので。ファーストとか、それより前もそういうことはしてこなかった、っていうのはあったので。

ドリアンくんのイメージってディスコとか、ダンス・ミュージックって強かったから。今回はガラリと方向性を変えましたよね。言うなれば、ドリアンくん流のイージー・リスニングだよね。小野田雄は「エキゾチカ」とか「チルアウト」とか、いろいろと書いてますけどね。イージー・リスニングみたいなものは自分のリスニング経験としてはあったの? 

ドリアン:ほんとここ1年、2年の話ですね。

たとえばボサノヴァのギターも入ってたりするじゃない。ああいったブラジル音楽的なものとかさ。

ドリアン:ボサノヴァに関しては、10年ぐらい前に少し興味を持ったことがあって。そんな詳しい話ではないんですけど、少しなぞった程度に名盤みたいなものを買っていろいろ聴いてた時期があって。「いつかこういうのがやれたらいいな」ってことは頭の片隅にはあったんですね。だから音楽の、なんていうか楽典的な部分というか、そういったものはかなり高度な音楽だとは思うんですよね。そういうものもその当時は追いついてなかったっていうのもあって、やろうにもできない部分もあったりとか。今回こういうものを作るにあたっていろいろとピンと来たものがあったので。そのなかで思い出して、「あ、いまだったら、あれができるかもしれない」みたいなことも思って。

ちょっとネオアコっぽいところも好きだな。

ドリアン:あ、ほんとですか。

意識した?

ドリアン:ああー、ネオアコとかそういったものに関しては、僕はかなり通ってないですね。たしかに、そういったことを言われるんですけど、いままでも。たとえば一番近くのやけさんなんかにも、「そういう感じあるよ」っていうことを言われて。だけど本人はとくに通っていないという。

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ダンス・ミュージックだろうがJ-POPだろうが、けっこう共通して同じような質感になってきてるなって。それでいいのかな、みたいなことは思ってましたけど。いいならいいんですけど、僕は「それはちょっとな」って思ったりとか。

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ドリアンくんは最初からダンス・ミュージック?

ドリアン:本っ当に一番最初を言うと、小室哲哉とかTMネットワークとか……。中学生で、小室哲哉ぐらいしか指標がなかったんですけど、そのころ。知識もないし田舎ですし、やっていることを聞いているとtrfをやってたりして。そういうののリミックス盤が出てたりして。要はレイヴみたいなものをそこから知っていった、みたいなことがあったりして。基本的にはそこからジュリアナのコンピとかを借りたりして……。

それはすごい(笑)。

ドリアン:で、そのなかでカッコいいものを吸収して、「ああー、これか」みたいな。ハウスみたいなものとか、ジャングルであったりとか。そういう風になっていったんですけど。

なるほど。直球でダンス・ミュージックだったんだね、ほんとに。では、こういったエキゾチック・ミュージックっていうかさ、イージー・リスニング的なものっていうのは、ほんとにごく最近のドリアンくんのモードなんだ?

ドリアン:そうですね。でも、そのきっかけみたいなものをほんとに掘り下げていくと、中学校のときに隣の席の女の子が好きだったんですけど。僕そのころ打ち込みをはじめてて、たぶん優越感を感じてたんだと思うんですけど、ほかのひとがやってないから。

はいはいはい。

ドリアン:で、僕は音楽を詳しいはずだと思い込んでて。その子に「どういう音楽聴くの?」ってそういう話をしたら、「私テイ・トウワ好きなんだよね」ということを言われて。「ヤバい、何にも知らないぞ」みたいなことを思って。

シャレてるねー。

ドリアン:「新しいの全然聴いてないから、貸してもらえる?」みたいなことを言われて、知ってる体で。「これは……」みたいなことを思って。もしかしたら、そこが最初かもしれないですね。もし、これと共通するものがあるとしたら。

なるほど、なるほど。たしかにテイさんの音楽にはそういう要素もあるもんね。それはテイ・トウワのどのアルバムだったの?

ドリアン:借りたのは、『Sound Museum』だったんですけれど、帯の裏にはファーストも出てるよ、みたいなこともあったと思うんですけど。「そうか、これを知らないとほんとに知らないことになるからマズいな」と借りに行ったりしたんですけど。『Future Listening!』とか。

へえー。やっぱりそれは、打ち込みをはじめたばかりの少年の耳でテイさんなんかを聴くとショッキングなものなの?

ドリアン:そうですね。

どの辺りが? やっぱりサンプリング?

ドリアン:サンプリングもそうですし……サンプリングはサンプリングでも、あのジリッとした質感とか、ビットの低いものであったりとか。サンプリングっていうとヒップホップの要素があると思うんですけど、ヒップホップのイメージしかなかったので、たとえばファンクだとかソウルだとかジャズだとか、そういうものをサンプリングするものなんだっていう固定観念はあったので。「あ、べつに何でもいいんだ」ってことを思ったりはありましたね。

ああー、なるほど。

ドリアン:あと楽典的な知識もかなり少なかったので。ドミソとかそういうものぐらいしかわからなかったんですけど、4つとか5つの和音が普通に入ってて、「この響きは何だ」とかそういうものはありましたけれども。

とにかく、ずっとダンス・ミュージックで来て、ここ1年ぐらいでこういったイージー・リスニングというかね、今回のアルバムみたいなモードのきっかけはあったんですか?

ドリアン:まずは、いままでみたいな感じのものに対する疑問は、2枚目(『studio vacation』)ができた辺りからちょっと感じてたんですよね。もうちょっと違うラインを模索したいなっていう気持ちはけっこう大きくなっていて。そのおかげでいろいろとお話をもらったりとかはあって、それはありがたいことなんですけど。

まあ仕事として。

ドリアン:そうですね。だからそういうものも作っていたんですけど。

それは何? ダンスに疲れたっていう感覚なの?

ドリアン:ダンスに疲れた……? もちろんクラブに行って、遊んで踊ってっていうのは変わらず好きなことではありますし、これからも自分のなかでは続いていくことだとは思うんですけれども。やっぱり家でそういうものに向き合うのは正直ちょっとしんどくなってきた。

(笑)あ、でも逆に年取ると、家でしかそういうものと向き合いたくなくなってくるよ。俺ぐらいにまでなってくると(笑)。

ドリアン:(笑)行きたくなくなってくるってことですか?

気持ちにカラダが付いていかないんだとね。夜の2時まで起きてられるのがやっとというか。悲しいことに……いや、悲しくはないんだけど、全然。

ドリアン:あとは、やけさんのライヴは僕もいなければできないみたいな形になってるんで、やけさんのライヴでいろんなところへ行っていろんな方面でやるようになったりすると、それで忙しくなったりもして。やっぱ、クラブの比率っていうのがけっこう少なくなっていたっていうのもあって。バンドでやったりとか、まあバンドに限らずダンス・ミュージック以外のいろんなところでやることも増えて。やっぱり、自然と聴き方とか受け取り方とかもどんどん変わっていったと思いますね。

なるほど、幅が広がったということですね。作り手としてそこは意識しました?

ドリアン:それももちろんしましたね、はい。

アゲる音じゃなくて、落ち着かせる音じゃないですか、今回は。

ドリアン:そうですね。

で、そういう平穏さっていうのはドリアンくん自身のなかでも求めてたようなところはあるのかな?

ドリアン:そうですね、はい。基本的にもう……疲れてるから。

ははははは!

ドリアン:そういうところはありましたね。

自分自身がそういうものを求めているからっていう。

ドリアン:そうですね。あと、これがすごく独特で、個性的で、他にはないものっていう風には思わないですけど。こういうタイプの音楽っていうのは、世のなかには他にも全然あると思うんですけど。それにしたって全部同じような曲ばっかりだよな、みたいなことは思っていて。世のなかが。そういうことも思ってましたね。曲のタイプっていうことに限らず、なんかもう質感そのものが全部同じに聞こえるなっていうのは思ったんですよね。

なるほどね。

ドリアン:ダンス・ミュージックだろうがJ-POPだろうが、けっこう共通して同じような質感になってきてるなって。それでいいのかな、みたいなことは思ってましたけど。いいならいいんですけど、僕は「それはちょっとな」って思ったりとか。

僕は静岡という中途半端な街とはいえ、飲み屋とかパチンコ屋とか映画館が並んでいる歓楽街で育ったので。街って全然嫌いじゃないんですけども。でも渋谷とか、東京の街が最近すごくうるさくなったじゃないですか。宣伝カーとか、電子広告とかね。ほんとにやかましいな、っていうのがあって。若いひとたちが最近、自分たちの感覚でこういう「反やかましくない音楽」をやりはじめてるのが僕は興味深いなとずっと思ってたんですよね。

ドリアン:渋谷歩いていて入ってくる音に関しても、全部お金が絡んでいるように思えて。

まあ実際そうだしね(笑)。

ドリアン:すごいなあ、って。

街宣車と同じぐらいうるさいよね、音楽がんがん鳴らしてる宣伝のトラック。

ドリアン:ほんとにそうなんですよね。もう、すでに音楽でもないっていうか。そう思っちゃいますよね。こんなエラそうなこと言っていいかわかんないですけど。

ガンガン言いましょうよ。

ドリアン:(笑)

『midori』っていうこのタイトルは、たぶんだけど茶畑の緑から来てるの?

ドリアン:いやこれは、個人的には意味があるようなないような、なんですけど。ほんとはもっと他のタイトルも考えてたんですけど。いままでのように、「なんとか・なんとか」みたいな。ちょっと説明的な。そういう感じで考えてたんですけど、かなり迷路に入ってしまって。それでどうしようかって考えると、曲を作っていたときに頭にぼんやり浮かんでいたイメージが大体緑色のものだったんですよ。なんか音楽やってるひとっぽい言い方でヤですけど。

ははははは!

ドリアン:(笑)共通してそういうイメージがあったんで、じゃあこれは「緑」だろう、と。そんなにイチイチ説明する、これは具体的に○○ですとか、いうようなものじゃなくてもいいと思って。なんかもう、ありとあらゆるものが、「これは●●です」、「これは△△です」ってわからないとダメみたいな。

わからないって良いよね。徹底してわからないってことは重要だよね。

ドリアン:「だからもうちょっと、自分で考えろ」みたいなことは思うんですよね。

小野田雄が書いてるように、現代のマーティン・デニーって言い方もあるのかもね。でもさ、イージー・リスニングは当時はバチェラー・パッド・ミュージック──「独身者の音楽」って言って、50年代から60年代にかけて、小金があってまだ結婚していない独身の男が家に帰って酒を飲みながらリラックスして楽しむみたいなものだったから、セクシーな女がジャケットに載ってたりするでしょ。でも、この『midori』は、そういう独身者の音楽でもなければニューエイジでもなければ美化された日本でもなく、新幹線から見えるすごく平凡な日本の「緑」って感じがして、それがいいなって。

ドリアン:ツツジなんかも植え込みとかに普通に生えてますもんね。

そういうことも考えてやられたのかなって。

ドリアン:いま言われると思いますけど、そこまで考えてなかったかもしれない。なんかでも、ジャケットのイメージとしては実際にとある場所があるんですけど。そこをモチーフに手を加えてって感じになりましたね。

これは大井川鉄道でしょ?

ドリアン:これ大井川鉄道ですね。ほんとならこの辺に走ってるはずなんですけど。

ははははは。

ドリアン:そういう位置関係ですけど。

とにかく、マーティン・デニー風なセクシーな女性があってもおかしくはない音なわけじゃない。商品としてはそれでも成り立つと思うし。でも、『midori』の新しさって、この絵が象徴してるかなって。

ドリアン:たしかにそれぞれの曲の風景のなかで、ひとが出てくることはないですよね。詞があるわけじゃないから一概にそういうことは言えないし、そういうことを言ってしまうことで聴くひとに固定観念を与えてしまうのもちょっと怖いんですけれども、個人的には主人公から見た景色でしかないので。ひとが登場することはない。

このサイケ感ってけして60年代的なサイケ感ではないし、ああいうイージー・リスニング的なスタイリッシュなものも拒否してるし、もうちょっとリアルな感じが……リアルと言ったらサイケな感じとまったく矛盾してるけど(笑)。

ドリアン:わかりますけどね(笑)

日常と地続きなサイケ感がよく出てると思ったんですよね。そこが僕は好きです。

ドリアン:ありがとうございます。

そこは狙ったんでしょ?

ドリアン:はい、そうですね。サイケ感……それはまあ、結果的にそういう風に見えるっていうところがあるんですけれども。何て言ったらいいんですかねえ……狙ったような……。

じゃあ意図せずに、気がついてみたらこうなってたって感じなんだ?

ドリアン:イメージとしてはこういうジャケットがいい、っていうのが漠然とあった。以上。みたいなところがあるんですけれども。

直感的だったんだ。

ドリアン:はい、そうですね。女のひと的なことを言ったらこっちのなかに入ってますけど。

何が?

ドリアン:いや女のひとが。

(笑)あ、アー写にね。このアー写いいよね。

ドリアン:そうですね。静岡だし、お茶だし、ということですね。構図とか設定だとかは、写真を撮ってくれている寺沢美遊ちゃんが考えてくれて。

へえー、なるほどね。なんか、お茶割を飲みたくなりますよね(笑)

ドリアン:あ、ほんとですか(笑)。それは飲んでください。

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すべて均一化してきてる気がするんですよね。服装だってそうだと思いますし、食べるものだってそうだと思いますし。生活する行動のラインもそうだと思いますし。でも音楽もさっき言ったようにそうだと思うし。

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Dorian - midori
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またしても小野田雄が資料に、これは「ネイチャー・トリップだ」なんて適当なことを書いてますけど、そうなんですか?

ドリアン:うーーーーん。

「気の遠くなるようなパズルに興じながら、彼が描こうと試みたのは架空のネイチャー・トリップだ。」と(笑)。

ドリアン:まあ、「気が遠くなるようなパズルには興じ」ましたけど。

おおーー(笑)

ドリアン:まあそう捉えてくれても……。

90年代にもこういうラウンジ風の音がクラブで流行ったことがあって、僕は好きだったんですけど、その時代のラウンジ・ミュージックってドラッギーだったんですよね。

ドリアン:あ、なるほど。

いわゆるハマり系な音が入っていて。ジェントル・ピープルみたいなものとか。それに比べるとすごく、小野田雄が言ってるネイチャー・トリップっていう意味もわからなくはない。さすが小野田雄だ。

ドリアン:べつにそれでもいいと思うんですけど。べつにそうじゃないとも言おうとも思わないんで。

でもほんといいアルバムだよ、これ。これたぶん、好きなひと多いと思いますよ。

ドリアン:ほんとですか。それだといいんですけどねえ。いままでのものは拒否感を持つひとはだいぶ拒否感持つタイプの音楽だったとは思います。

アッパーなダンスのドリアンを期待してるひとからすると裏切られた蟹になるかもだけど、そこを裏切りたかったわけでしょう?

ドリアン:そうですね。それこそ何て言うか……。

小野田雄は何でもかんでもバレアリックにするからね。ほら、これも「バレアリックだ」って書いているよ。(地中海じゃなくて)駿河湾だっていうのにね。

ドリアン:はははははは。

でも、たしかにこれはバレアリックですよ。

ドリアン:でもほんと、何でもいいとは思っていて。どういう風に受け取ってくれても。

まあそうだけどさ。でもどういう風に受け取ってもらってもいいけど、俺はこれを作りたかったんだってことだよね。

ドリアン:そうですね。

でもほんとすごくいい作品ですよ。

ドリアン:ほんとですか(笑)。

いや、マジマジ。聴いた瞬間、すげーいいじゃんと思って。

ドリアン:ありがとうございます。

ドリアンくんってこんな音楽作ってたんだと思って、昔の聴き直したらやっぱ違ってた(笑)。

ドリアン:そうなんですよね。

面白いよね。

ドリアン:何て言うか、すべて均一化してきてる気がするんですよね。服装だってそうだと思いますし、食べるものだってそうだと思いますし。生活する行動のラインもそうだと思いますし。でも音楽もさっき言ったようにそうだと思うし。

とくにネットって、ひとと違うことを言ったりすると叩くじゃない。

ドリアン:そうでしょうねえ。

音楽やってるひとは元々変わり者っていうか、ひとの目を気にせず生きていくようなね。

ドリアン:そう思うんですけど、それなのに音楽まで同じように聞こえるようになってる。それは僕がだんだん年を取っているっていうこともひとつの原因だと思うんですけども。それにしても、っていう風に。

そういう意味では今回のアルバムは逆に、メッセージになってますよ。

ドリアン:エラそうかもしれませんが(笑)

もっとエラそうなこと言おうよ(笑)。

ドリアン:ありがとうございます。

ところでなんでドリアンって名前にしたの?

ドリアン:ああー。これは僕がつけたわけではないんですけれども。DJとかをはじめたときに、友だちが「フライヤー作るけど、名前何にする?」って聞かれて、「あ、そうか」って。べつに本名でも良かったんですけど、「じゃあせっかくだから考えるよ」って言って。で、そのときいっしょに住んでるひとがいたんですけど、隣の部屋に行って、「いまこういう電話が来たんだけど、何がいいと思うかな?」って言ったら1秒ぐらいで「ドリアン」って言われて。「じゃあそれで!」って。なんか、覚えやすいしいいかな、って。

はははは。

ドリアン:しかもそんなに長く続けるつもりもなかった。

DJをはじめたころは、どんなスタイルだったんですか?

ドリアン:僕、ありがちなんですけど、普通に〈RAW LIFE〉にやられた世代なんですよ。

なるほど。それで小野田雄なんだね。

ドリアン:はい。だからその当時のきてた感じというか、コズミック的なものだったり、ディスコ・ダブと言われるものであったりとか。そういうところから入って。

へー、そうだったんだね。今日はどうもありがとうございました。

ドリアン:ありがとうございました!

 ドリアンは、文中に出てくる優しい男=小野田雄、そしてエレキングでDJチャートをかき集めてくれる暑苦しい男=五十嵐慎太郎と同じ静岡人である。ドリアン君、もっともっとCDを売って、いつか僕たちを見下してください。黒はんぺんを食べながら、お互いがんばりましょう。

Mark E - ele-king

 マーク・Eとか、モーター・シティ・ドラム・アンサンブルとか、スルーしてきたんだけど、五十嵐慎太郎が口うるさく推薦するものだから聴いています。UKの若い連中のお陰で、ディープ・ハウスが時代のムードに合ってきたというのもあるけれど、デトロイト系ビートダウン──せかさず、ゆったりとしたグルーヴ、エモーショナルでソウルフルなテイスト──の人気はハウス冬の時代においても衰えずにいたし、メロウなハーモニーとオードルスクールなフィーリングを持っているマーク・Eの今回の来日、ハウス時代のいま、実に良いタイミングじゃないでしょうか。
 2004年にジャネット・ジャクソンが「R&Bジャンキー」を出して、その3年後にUKはバーミンガムのマーク・Eは「R&Bドランキー」を出しているけれど、彼のR&B使いのうまさはつねに賞賛されています。既存の曲をダンス仕様に編集し直すことをハウスの世界はエディット(リエディット)と言いますが、五十嵐は彼をエディットの「職人」と呼んでいます。職人とは、わけもわからずサンプリングするのではなく、元ネタについてもよくわかっている人です。今月のオススメのディープ・ハウス、ディスクロージャーやザ・XXで踊って楽しかった人には大推薦。

以下、五十嵐から来たメールのコピペ。

 職人プロデューサー「Mark E」のJAPANツアーが久々に開催される。
JISCOレーベルではその類い稀なEDITワークで人気を獲得し、その後自身で立ち上げた「MERC」レーベルもコンスタントにリリースを重ね、地味で地道なスタンスとそんな性格を表してるかの様なそのサウンドが、本国イギリスはもちろん日本でも着実にコアなファンを獲得し、昨今のUKハウス再注目の波を牽引しているひとりと言っても過言ではないだろう。2011年の3.11の混乱のなか、いち早く来日してその親日ぶりも評判な彼なので今回のツアーを相当楽しみにしているようだ。
 名古屋では地元の信頼も厚い老舗のCLUB JB'sでの開催が決定した。
また代官山AIRのPARTYでは共演予定のDJ陣がDJ AGEISHI、DJ SHIBATA、GONNOと、これまた日本が誇る職人気質な最高なDJ陣。そしてラウンジでは新進気鋭の要注目若手DJ陣に交じって先日20周年を迎えたIDJUT BOYSのConradが参加すると言う豪華な顔ぶれで開催される!

Mark E (Merc, Spectral Sound/from UK)
 英国ウエスト・ミッドランズ州ウォルヴァーハンプトンにて生まれ、その後家具デザインを学ぶためにバーミンガムに移り住む。当時バーミンガムではちょうどクラブシーンが盛り上がっていた時期で、大学卒業後もそのままバーミンガムに住むことになる。Jisco Musicからリリースされた”Scared”をきっかけに、一躍Mark Eの名は広まり、ディスコ エディットやビートダウンという言葉に収まりきらないMark Eマジックは〈Endless Flight〉、〈Running Back〉、〈Golf Channel〉、〈Internasjonal〉、〈Sonar Kollektiv〉などからリリースされた。また、ここ数年で数多くのリミックスも続々と手がけており、remixerとしてのMark Eも勢いがとまらない。2009年には自主のレーベルMERCを始動し、アナログレコードとコンピレーションCD『Mark E Works 2005-2009』Vol.1と2をリリースしている。
 「本当の音楽は消耗品じゃないと思うんだよね。僕も音楽制作と向き合ってる時は、時間がたっても聴けるモノを常に意識してる。僕が古いディスコに惚れてるように、20年たってもみんなが楽しめるような音楽を創りたい。」 (Vendor Mag vol.5 Mark E Interviewより)
 2011年にファースト オリジナル アルバム『STONE BREAKER』を〈Spectral Sound〉より発表、プロデューサーMark Eの音世界が濃縮された作品となっている。
 〈Running Back〉から" THE BLACK COUNTRY ROOTS EP”を近々リリース予定であり、また現在セカンド・アルバムを制作中とのことである。

Merk Music:
https://mercmusic.net
https://twitter.com/mark_e_merc
https://www.facebook.com/pages/MERC/124366710936688


11.22(金) 名古屋 @ Club JB’S
Guest DJ: Mark E
DJ: Shou Ino (Buddy/indicate), Beepay (body to body/Mooving), Uchida (izumi), Hose (Mooving)

open 22:00
Advanced 2500yen
Door 3000yen

Info: Club JB’S https://www.club-jbs.jp
名古屋市中区栄4-3-15 丸美観光ビルB1F TEL 052-241-2234

NU-DISCOの旗手MARK Eが今年もAIRのフロアを魅了

 ビートダウン的感覚とソウル/ディスコ・エディット感覚を昇華させた独創的 なダンストラックでテクノ~ハウスシーンからも大きな注目を集め、リミキ サーとしての手腕も絶賛されるMARK Eが、約1年3カ月ぶりにAIR再登場を果た す。前回はNU-DISCOの旗手らしい変幻自在のプレイでフロアを見事に魅了して くれただけに、まさに待望の夜といえるだろう。国内からは、世界へ活躍の幅 を拡大中の次世代シーンの雄GONNOが昨年に続き連続参戦。そして今回は、東 京のダンスミュージック・ヒストリーを見つめ続けてきた大ベテランDJ AGEISHIも参加する。国境や世代の壁を超えて構築される、素晴らしい音空間 へ。

11.23(土/祝) 東京 @ AIR
COMMUNION
"Mark E JAPAN TOUR"

MAIN:
Mark E, DJ AGEISHI (AHB pro.), GONNO (WC/Merkur/International Feel), DJ SHIBATA (探心音/the oath)

B1F LOUNGE:
FUSHIMING & YO.AN (HOLE AND HOLLAND), COZU (COGEE & MAMAZU), HOBOBRAZIL, KILLY & 7e (Romanescos), Asyl Cahier, Conrad McDonnell(Idjut Boys)

Nomad: Vendor Crew

open 22:00
AIR Member 2500yen with 1Drink
With Flyer 3000yen with 1Drink
Door 3500yen with 1Drink

Info: AIR https://www.air-tokyo.com
東京都渋谷区猿楽町2-11 氷川ビルBF TEL 03-5784-3386

TOTAL TOUR INFO: AHB Production www.ahbproduction.com


electraglide 2013 - ele-king

 11月29日金曜日、幕張メッセ国際展示場にて開催される「エレクトラグライド2013」、当日のタイムテーブルが発表された。はい、ご覧の通りである。


 空間を2フロアに仕切った前年と違って、今年は巨大空間にふたつのステージを設置、交互にパフォーマンスをする。つまり、「カブリなしで全てのショウを観ることが可能。次から次へとノンストップで繋がって行くパフォーマンスが、濃密なヴァイブを生み出し、フロアをそしてひと夜のパーティを最高の一体感に包み込む」と、主催するビートインクは鼻息荒いメールを昨晩、関係者にいっせいに送った。
 そして、「さらにタイムテーブルに注目せよ! まさに息つく暇もない疾風怒濤のランニング・オーダー!」だと豪語。メールのなかでは、下記のような当日のシミュレーションまでする。ビートインクもそれほど気合いが入っているのだ。
 私などはのんびり派なので、グラストンベリーでもブライトンのフェスティヴァルでも、メタモルフォーゼでも、非合法レイヴでも、いっつも、適当に遊んで適当に飲んで、座って誰かと話しているほうなので、みなさんも「~を見なきゃいけない」なんてプレッシャーを自分にかけずに、楽しみましょう。酒飲みは配分を間違わないこと。(レイヴでもフェスでも、音楽なんてなにひとつ覚えていないけど、久しぶりに話した友人との会話だけはよく覚えているなんてザラ。そう、主役は君たちなのだ!)
 セオ・パリッシュのときまでに生存者がどれほどいるのか、注目したい。

NOSAJ THING × 真鍋大度 × 堀井哲史 × 比嘉了
フライング・ロータスやケンドリック・ラマーも認めるL.A.ビートの逸材ノサッジ・シングと、パフュームの演出をはじめ世界的認知度を飛躍的に上げ続ける真鍋大度率いるライゾマティクスの面々が世界初公開となるオーディオ・ヴィジュアル・セットで登場。electraglide 2013のイノヴェイティヴな幕開けを告げる。

FACTORY FLOOR
アシッド、パンク、ディスコ、インダストリアルを3ピースで配置しながら、破壊力抜群のライヴ・パフォーマンスに中毒者続出!! ポストパンク、クラウトロックのDNAを現代のミニマリズムでモダナイズした緊張感溢れるグルーヴが暴力的な興奮へと昇華していく様は必見(失禁)!!

MACHINEDRUM
IDM~エレクトロニカ、ヒップホップ、ポスト・ダブステップ、ジュークとビート・ミュージックの潮流を掴みながら、そのドープネスをポップに錬金してきた奇才が最新作にして傑作『VaporCity』リリース後の初舞台をエレグラで披露!ディープでヴェイパーな街のサウンドトラックが幕張メッセを覆い尽くす!!

SHERWOOD & PINCH
全てのベース・ミュージック・フリークが狂喜した最強のドリーム・タッグが再びここ日本を襲撃!! ダブ・サウンドのルーツと未来が邂逅した“今”を鳴らす、陶酔と覚醒のレベル・ミュージックが来場者の足腰、そして魂を直撃!! 衝撃のヘヴィウェイト・ダブに応答せよ!!

JAMES BLAKE
先日マーキュリー賞を受賞し、名実ともにUKを代表するアーティストとなったジェイムス・ブレイクが2013年のワールド・ツアーのファイナル公演としてelectraglide初登場!視覚も魅了する大がかりな舞台演出の機材を持ち込みフル・セット(日本初上陸!)で行われるショウ! さらにヴァージョンアップした唯一無二のJBワールドは、再び伝説の一夜を更新するだろう。

2manydjs LIVE
EDM前夜からロックとダンスの垣根をブチ壊し、キラー・チューンとキラー・チューンを掛け合わせた“マッシュ・アップ”の洪水でフロアを掌握するパーティ奉行がなんと10年ぶりにエレグラに降臨!かかっている曲のアートワークがリアルタイムでシンクロしていく最強のパーティ・エンターテインメントを投下!


!!! (chk chk chk)
即完! 大合唱!! 汗まみれの肉弾戦!!! となったプレミア来日公演も記憶に新しい、最狂のモンスター・グルーヴ・バンドが帰還! ロック・フリーク、パンクス、テクノ・ヘッズをまとめて飲込む狂乱のグルーヴで幕張メッセのフロアがダンサーの洪水で溢れかえること必至!!!

MODESELEKTOR [DJ SET + 909] with Pfadfinderei
貪欲なまでに雑食なサウンドで世界中のダンスフロアを狂喜乱舞させてきたデュオが遂にエレグラ初参戦! 今回は新機材とTR-909を組み込んだDJセットに盟友であるマルチ・メディア・アーティストPfadfindereiがVJとして帯同した圧巻のオーディオ・ヴィジュアル・セットを本邦初公開!!

THEO PARRISH
デトロイトのブラックネスを体現し続けるこの男がまさかのelectraglide 2013出演!百花繚乱のパフォーマンスを抜けた後に、ソウル、ジャズ、ファンク、ディスコ、テクノ、ハウス……すべてのミュージック・ラバーを祝福する至高のDJプレイが今年のエレグラを大団円へと誘う!!

まだ間に合う!前売TICKET!
前売 ¥8,800 / 当日 ¥9,800
※18歳未満の入場は不可、入場の際写真 付きIDの提示をお願い致します。
※お買い求めいただいたチケットは返品できません。

詳細はこちらから>>> www.electraglide.info

Beatkart ( https://shop.beatink.com ) 限定、チケット購入特典決定!
Beatkartでチケットをご購入いただいたお客様に先着でバッジ型オーディオ・プレイヤーelectraglide 2013限定PLAYBUTTONをプレゼント!

electraglide2013 限定PLAYBUTTON
SHERWOOD & PINCH「MUSIC KILLER (EXTENDED VERSION)」
(限定数:500個 / 収録:CDEP未収録Version / 収録分数:4分14秒)
※無くなり次第終了となります。

PLAYBUTTONとは >>>
https://www.memory-tech.co.jp/new/product/package/playbutton.html


国内最大級のエレクトロニック~ダンス・ミュージック・フェス『エレクトラグライド』開催!
electraglide2013

FEATURING:
JAMES BLAKE
2manydjs LIVE
!!!
MODESELEKTOR [DJ SET+909] with Pfadfinderei
THEO PARRISH
SHERWOOD & PINCH
FACTORY FLOOR
MACHINEDRUM
NOSAJ THING x 真鍋大度 x 堀井哲史 x 比嘉了

2013/11/29 (FRI)
幕張メッセ国際展示場
OPEN/START 20:00

TICKET:
前売 ¥8,800/ 当日 ¥9,800
※18歳未満の入場は不可、入場の際写真 付きIDの提示をお願い致します。
※お買い求めいただいたチケットは返品できません。

前売TICKET販売詳細:
チケットぴあ 0570-02-9999 [ https://t.pia.jp/ ] (Pコード:209-961)
ローソンチケット 0570-084-003 [ https://l-tike.com ] (Lコード:72626)
イープラス [ https://eplus.jp ]
tixee(スマートフォン用eチ ケット)[ https://tixee.tv/event/detail/eventId/1829 ]
Confetti [ https://confetti-web.com ]
ビートインク [ https://shop.beatink.com ]

店頭販売(ABC順)
BEAMS RECORDS [ https://www.beams.co.jp/shops/detail/beams-records ]
ディスクユニオン [ https://diskunion.net ] (渋谷Club Music Shop / 新宿Club Music Shop / 下北沢Club Music Shop / お茶の水駅前店 / 池袋店 / 吉祥寺店 / 町田店 / 横浜西口店 / 津田沼店 / 千葉店 / 柏店 / 北浦和店 / 立川店 / 高田馬場店 / 中野店 / web shop)
GANBAN [ https://ganban.net ]
HMV [ https://www.hmv.co.jp ](ルミネ池袋店 / ららぽーと横浜店 / ららぽーと柏の葉店 / イオンモール船橋店)
JET SET TOKYO [ https://www.jetsetrecords.net ]
more records(大宮) [ https://more-records.shop-pro.jp ]
大麻堂東京店 [ https://www.taimado.com/blogtokyo ]
TECHNIQUE[ https://www.technique.co.jp ]
TOWER RECORDS [ https://www.tower.jp ](新宿店 / 秋葉原店 / 池袋店 / 吉祥寺店 / 川崎店 / 町田店 / 柏店 / 津田沼店)
TSUTAYA TOKYO ROPPONGI / TSUTAYA三軒茶屋 / SHIBUYA TSUTAYA / 代官山蔦屋書店 / TSUTAYA横浜みなとみらい店 [ https://www.tsutaya.co.jp ]

他一部CDショップにて

INFO:
BEATINK 03-5768-1277 beatink.com
SMASH 03-3444-6751 smash-jpn.com smash-mobile.com
HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999 doobie-web.com

企画制作:BEATINK / SMASH / DOOBIE
後援:SHIBUYA TELEVISION
協賛:CA4LA / PLAYBUTTON

www.electraglide.info


ジェイムス・ブレイク、アンダーワールド、フライング・ロータスらの楽曲を収録したスペシャル・コンピレーションがiTunes Japan限定で発売決定!

electraglide 2013の開催を記念して、出演者のジェイムス・ブレイク、チック・チック・チック、シャーウッド&ピンチ、マシーンドラム、ノサッジ・シングの楽曲はもちろん、2000年の初開催以降に出演したアンダーワールド、オービタル、フライング・ロータス、スクエアプッシャー、LFO、DJケンタロウなど、これまでにエレグラのラインナップを彩ってきたアーティストの代表曲が収録されたコンピレーション『electraglide 2000-2013』がiTunes Japan限定でリリースされる。

15曲が収録された本コンピレーションは、11/20 (水)にリリースされ、12/10(火)までは期間限定価格1200円で配信される。いよいよタイムテーブルや会場のレイアウトまで発表され、開催まで17日と迫ったelectraglide 2013の予習はもちろん、エレグラの歴史を振り返ることができるコンピレーションとなっている。

V.A
『electraglide 2000-2013』

Beat Records
11月20日発売
価格:¥1,200 (期間限定価格)

■ iTunes ■
https://itunes.apple.com/jp/album/electraglide-2000-2013/id739026681

●トラックリスト
01. !!!(chk chk chk) - Slyd (Patrick Ford Extended Mix)
02. Orbital - Wonky
03. Tim Deluxe - It Just Won t Do (feat. Sam Obernik)
04. Hudson Mohawke - Joy Fantastic (feat. Olivier Daysoul)
05. Nosaj Thing - Eclipse/Blue
06. Clark - The Pining pt2
07. Machinedrum - Eyesdontlie
08. James Blake - CMYK
09. Sherwood & Pinch - Music Killer
10. Flying Lotus - See Thru To U (feat. Erykah Badu)
11. DJ KENTARO - Kikkake (feat. DJ KRUSH)
12. Squarepusher - Energy Wizard
13. Amon Tobin - Journeyman
14. Underworld - Two Months Off
15. LFO - Freak

『 Songdrop 』予習に便利な出演アーティスト音源まとめ特設サイト登場!

イギリスの音楽キューレーションサービス「Songdrop」がelectraglide 2013特設サイトをオープン。Songdropは、YouTube、bandcamp、Soundcloud、Vevo等、様々なソースからの音楽をプレイリスト化して聴けるサービス。
出演アーティストのオリジナル音源だけでなく、アーティストによるDJセット、リミックス、ライブ音源も聞くことができ、electraglide 2013の予習に大変便利。
https://songdrop.com/electraglide/line-up-2013

■マシーンドラム大阪公演!
featuring:
MACHINEDRUM, and more

数々のプロジェクトやプロデュースでいまや引く手あまたの奇才マシーンドラム。傑作と呼び声も高いニューアルバム『ヴェイパー・シティー』を何とニンジャチューンからリリースし、ヘッドライン公演で大阪を襲来!

11/30 (SAT) CIRCUS
OPEN/START 21:00前売 3,000 YEN / 当日 3,500 YEN ※入場時にドリンク代別途500円必要
INFO: 06-6241-3822

今週末11/15(金)に行なわれるNeuture01@ageHa にエレグラブースが出店!
現地にて前売りチケット発売!
https://www.neutralnation.net/


interview with Richard H. Kirk (Cabaret Voltaire) - ele-king

 1970年代末、スロッビン・グリッスルとともにノイズ・インダストリアルの代表とされていたのがキャバレー・ヴォルテールだった。僕は、しかし、SPKと出会うまでノイズ・ミュージックに価値を見出せることはなかった。キャバレー・ヴォルテールも初期はどこがいいのかさっぱりわからなかった。『レッド・メッカ』(81)や「スリー・マントラス」(80)が面白くないとはとても言い出せない空気のなか、そのようなものがやたらと持ち上げられていた1981年がしぼみはじめ、やがてブリティッシュ・ファンク・ブームがやってくる。それを逸早く察知したかのように〈ヴァージン〉がディーヴォやDAFをフィーチャーした『メソッド・オブ・ダンス』というコンピレイション・シリーズをリリースしはじめ、「踊るニューウェイヴ」の時代がやってくる。ノイズ・グループだと思われていたキャバレー・ヴォルテールが『2×45』(82)をリリースしたのは、そのようなタイミングだった。それはニュー・ロマンティクス(それはそれでよかったけど)とはまったく違う雰囲気で、ノイズ・インダストリアルに分類されていたミュージシャ……いや、ノイジシャンたちが『ファンキー・オルタナティヴ』というコンピレイション・シリーズをリリースしはじめる5年も前のことだった。『2×45』に続いて80年代中期に〈ヴァージン〉からリリースされた『ザ・クラックダウン』(83)、『マイクロフォニーズ』(84)、『カヴァナント、スウォード・アンド・ジ・アーム・オブ・ザ・ロード』(85)の再発を機にリチャード・H・カークに話を訊いた。

E王
Cabaret Voltaire
The Crackdown

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Cabaret Voltaire
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シェフィールドはおどろおどろしく淀んだ感じでたくさんのビルがあった。世界大戦のダメージも残ってた。しかし、都市部を抜けて10分もすると美しい田園風景がひろがっている。そして、君はそこでたくさんのマジック・マッシュルームを見つけられると思う。

ちょうど40年前(73年)にシェフィールドで結成したそうですが、最初からキャバレー・ヴォルテールを名乗ってたんですか? また、3人はどうやって知り合ったんですか?

リチャード・H・カーク(以下、RHK):1973年あたりに活動を始めたんだけど、キャバレー・ヴォルテールを名乗ったのは75年からなんだ。というのはそのとき初ライヴがあって、そのために呼び名が何かしら必要だったからね。
 もっと熱心なヤツもいたんだけど、まわりの友だちの何人かがクリスを学校の頃から知ってたから、僕らは当時の夏、一緒にインターレイルでヨーロッパに行ったりしたんだ。クリスはいくつかベーシックな録音機材を、僕が4トラックのテープレコーダーを持ってて、それからエレキ用のピックアップ付きクラリネットも手に入れた。僕らは実験的にクリスの家のロフトで音楽を作りはじめた。それから何人かがやってきたりしたんだけど、数年前からちょっと知ってた(ステフェン・)マリンダーに一緒にやらないかと誘ったんだよね。そのときが、キャバレー・ヴォルテールとして後に知られる、きちんとしたユニットが出来た瞬間だった。

ダダ運動に興味を持ったきっかけを教えて下さい。ステフェン・マリンダーによればウィリアム・S・バロウズとブライオン・ガイシンの影響でカット・アップやテープ・ループをはじめたそうですが、ということは『レッド・メッカ』(81)までの作品にはブライアン・ジョーンズの『ジャジューカ』(71)が多少なりとも陰を落としていたのかなと思えてしまいます。

RHK:ダダ運動に魅かれたのはそのコンセプトがアートと戦争にあったから。そこではそれまでにあったアートをいったん解体し、何か新しいものに置き換えようとしていて、僕らはサウンドや音楽に対してそれと同じことをやろうとした。
 ステフェンがバロウズやガイシンに関して言ってるのもすべて正しいというわけではない。キャバレー・ヴォルテールは、彼らのことを知る前にすでにカットアップやテープ・ループを取り入れている。もちろんこのようなことを誰かがすでにやってたというのを聞いて鼓舞されたところがあった。多くの部分を学ばせてもらったから、彼らのことを知れたのは実に嬉しかった。
 キャバレー・ヴォルテールのなかで最初にバロウズの本を買ったのは、僕だ。シェフィールドにある本屋で『裸のランチ』を注文したのさ。それはもう驚愕だったよ、まったくパワフルな本だった。それに当時、僕は画像や文章を使ってカット・アップやコラージュをやってて、それが最終的にいくつか初期キャバレー・ヴォルテールのジャケットになったりもした。ダダイズムの創始者トリスタン・ツァラも紙袋に書いてある文字をランダムにピックアップして、それを詩にしたりしてたし、それは1915年あたりかな? たぶんガイシンがカット・アップをやりはじめる50年くらい前だ。
 『ジャジューカ』のことは知ってたし、ちらっと聞いたこともあるけど、アルバムをちゃんと手にしたのは1982年になってからなんだ。つまり『レッド・メッカ』のあと。しかし東洋の音楽にはつねに興味を持ってたね、トランスチックなエフェクトの感じが好きだったから。

時期的に見てグラム・ロックにもパンク・ロックにも影響されなかった音楽性のままラフ・トレードからデビューしたということになります。実際にそうなんでしょうか? 70年代に、同時代的に気になっていたミュージシャンがいたら教えて下さい。「ウエイト・アンド・シャッフル」などはザ・ポップ・グループを思わせます。

RHK:僕はデヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージックのファンでもあったし、いくつかのパンク、ポストパンクも、そのなかにはザ・ポップ・グループも含まれてるけど、たしかに気に入って聴いていたね。だけど「ウエイト・アンド・シャッフル」が彼らみたいに聴こえるんだったら、たぶんそれは彼らもマイルス・デイヴィスやダブ、フリー・ジャズといった僕らと同じ音楽に影響されたからだろう。僕らは通常のアーティストの真似はしない。影響ということで言うと、いつも過去や未来のものに目を向けてる。

なぜ、スタジオに「ウエスタン・ワークス」と名付けたんですか? また、シェフィールドのいい点と悪い点をひとつずつ上げて下さい。

RHK:スタジオのあったビルが古い工業用ビルで、そこが「ウエスタン・ワークス」という名前だった。それをそのままスタジオの名前にした。シェフィールドに関して言えば、当時が、ちょっとおどろおどろしく淀んだ感じでたくさんのビルがあったし、まだ第二次世界大戦のダメージも残ってた。しかし、都市部を抜けて10分もすると美しい田園風景がひろがっている。そして、君はそこでたくさんのマジック・マッシュルームを見つけられると思う。

ははは。『ザ・ヴォイス・オブ・アメリカ』(80)の裏ジャケットに機動隊の写真が2点も使われているのはなぜですか?

RHK:僕が。『ザ・ヴォイス・オブ・アメリカ』のアートワークを作った。当時(それにいまも)僕らが生きている世のなかにある権威主義的な感じがうまく出てる、この種の写真を使うのがふさわしいと思った。

『レッド・メッカ』はさまざまな意味で転機となった作品だと思いますが、タイトルはイランで起きたホメイニ革命と関係があるんですか? 『スリー・マントラ』から『2x45』にかけてアラビア風の旋律が頻出するのは誰かの影響ですか?

RHK:先ほども言った通り、僕は東洋の音楽、また東洋社会と西洋社会の違いにはつねに気を払っていて、だから“ウエスタン・マントラ”や“イースタン・マントラ”(*この2曲で『スリー・マントラ』は構成されている)のような曲に行き着いたわけさ。このふたつのカルチャーがじきにぶつかるだろうという予想が実際に現実になったのが1979年だった。ホメイニ革命が、のちに911/2001年のニューヨークのツインタワー爆破まで続くイスラム原理主義のスタート地点だった。それからアメリカで右派キリスト教原理主義者の存在がより浮き彫りになった。実際、このふたつのカルチャーは極めて似通ったもので、アメリカ政府が当時のソビエトと戦うために、アフガニスタンでビン・ラディンのムジャヒディーン/アルカイーダの訓練、資金援助、武装化を行ったんだから、当然といえばそうなんだけど。

『2x45』は明らかにダンス・レコードを意図した最初の試みですが、何がきっかけであそこまで振り切れたんでしょう。当時は本当にショックで、立体ジャケットが破けるまで何度も何度も聴いてしまいました。

RHK:『2x45』はよりダンサブルなレコード作りへシフトした最初の作品だった。大きな方向転換でもなく、単に進化していっただけだね。君がいま僕らの初期の作品を聴いてくれたらきっとダンス出来ると思うし、それらでもたいていループを使ってるからね。

〈ファクトリー〉からリリースされた「ヤッシャー」(83)はオリジナルのほうがぜんぜんよくて、ジョン・ロビーのリミックスはあまりいいとは思いませんでしたが、「ドント・アーギュー」(87)でまた顔合わせしているということは、ニューヨーク・スタイルからもそれなりに得るものがあったからですか? ニュー・オーダーの「ブルー・マンデー」がやはり同じ年にアーサー・ベイカーの方法論を取り入れていたわけですけど。

RHK:僕らはニューヨークのエレクトロには大きな影響を受けている。ジョン・ロビーは、アーサー・ベイカーとともに、その中心人物だった。彼が“ヤッシャー”をリミックスさせてくれないかと尋ねてきたとき、それはすごいアイデアだと思ったものだよ。たしかに君の言うように、オリジナルよりよかったというわけじゃないけど(リミックスっていうのは往々にしてそうなんだけど)、しかし、まったくの別もので、僕らが現状から一歩前に踏み出せたということ、おかげであらためて自分たちのミックスや音楽の聞かせ方と向き合うことが出来たわけだから。

『ザ・クラックダウン(=弾圧)』に「The」が付いているということは、何か特定の事件があったということですか? また、ダンス・レコードであるにもかかわらず、このような不穏なタイトルをつけたのはぜですか? まるでレイヴ・カルチャーを先取りしたようにさえ思えてしまいますが。

RHK:この当時の政治をとりまく情勢は抑圧的なものだった。イギリスのサッチャー、アメリカのレーガン、右翼勢力が僕たちを弾圧していたようなものだった。

『ザ・クラックダウン』以降、観念的な音楽性がすべて消え去って、官能的なダンス・ミュージックに純化されていくということは、クリス・ワトソンがひとりで観念的な部分を担っていたように見えますが、そのような理解でいいでしょうか。あなたとマリンダーはフィジカルな音楽がやりたかったと?

RHK:その見解は正しくはない。キャバレー・ヴォルテールには“担当”はないし、僕たちは何かにおいてリーダーというものを置かなかった。バンド自体は僕とクリスではじめて、あとからマリンダーが加わったものだけど……。この3人のグループはともにダンス・ミュージックをエンジョイしていた。けれど、当時は真剣にそれに打ち込んでたわけではなかったね。クリスが1981年に去ってからは、僕たちは自分らの音楽をもっとダンスフロア仕様にしようと決めた。彼と一緒にやっていた頃のようなモノをまた繰り返すことはしたくなかった。あらたに考えながら一歩前に進み出した瞬間だった。

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僕は本当に、イラク戦争や大切な古代遺跡の破壊には反対していた。目的もなしに、それも誤った情報のもとに行われたんだよね。結局大量破壊兵器なんて見つからなかったし、イラクはいまや以前よりもっと危険なところになってしまった。

『コード』(87)で初めて外部からプロデューサーを入れたのはなぜですか? あまり必要だったとは思えないのですが。『マイクロフォニーズ』(84)から『コード』まではファンクとインダストリアルのどちらに比重を置くかで延々と葛藤が続いていたようにも思えたので、その結論をエイドリアン・シャーウッドに委ねたとか、そういうことでしょうか。

RHK:『コード』に関しては、実はエイドリアンが参加する前にほとんどの形は出来上がってたいた。EMI/パーロフォンとの契約後、自分らのスタジオを24ch仕様にアップグレードし、そして、プロデューサーの起用も決めた。ポップスのフィールドではない人間を起用したかった。
 エイドリアンは一緒にやるにはとてもよいプロデューサーだった。ダブやレゲエにも相当詳しかったから、参加すると面白くなるかなと思ったんだ。彼はシェフィールドに来てくれて、僕らと一緒に作業をしたあと、ロンドンのスタジオでミックスした。すごくいいサウンドのアルバムに仕上がっているよ。僕らのアルバムではいちばん売れたんじゃないかな。ちなみに僕らがEMIと契約した当時、EMIは世界で10番目に大きな武器製造会社でもあった。冷戦が解けて黙示録を迎えたら、我々は兵器類を安く買えるかもなどと言い合ったものだよ。

シェフィールドから出てきたフラ(Hula)やチャック(Chakk)はキャバレー・ヴォルテールが育てた後輩ということになるんでしょうか。レコード制作ではマーク・ブライドンやマーク・ギャンブルがイギリスではハウス・ムーヴメントを先導したように見えるので、どういう関係だったのか気になります。

RHK:キャバレー・ヴォルテールは本当にたくさんのフォロワーを生んだよね、シェフィールドのなかだけじゃなく。チャックは僕らのスタジオで「アウト・オブ・ザ・フレッシュ」を録音し、それを僕らのレーベル、〈ダブルヴィジョン〉からりリースした。この作品がチャックをMCAのレーベル契約へと導いたんだ。それにフォン・スタジオ(Fon Studios)も誕生し、そこからいくつかの初期UKハウスが生まれた場所として知られることになった。その後、マーク・ブライドンやロブ・ゴードン(Fon Force)と『グルーヴィー、レイドバック・アンド・ナスティ』(90)で何曲かトラックを一緒にやったし、ロブ・ゴードンともゼノン名義で一緒にレコードを作った。

サンプリング・ミュージックは現代のダダイズムだと思いますか? それともまったく別物?

RHK:サンプリング・ミュージックは、とくにヒップホップはカットアップ・テクニックのほうに繋がってると思うよ。ダダイズムというよりはむしろね。

『グルーヴィー、レイドバック・アンド・ナスティ』で決定的に変わったのはベース・サウンドでしたが、それがハウス・ミュージックから学んだいちばん大きな影響ということになりますか? 曲によってはかなりファンキーで、テン・シティまで参加しているし、キャブスだと思えなかった人も多かったと思います。『ボディ・アンド・ソウル』(91)や『カラーズ』(91)では同じハウスでもストイックな曲調に戻っているので、あれはやはり一時の気の迷いということなのか。

RHK:『グルーヴィー、レイドバック・アンド・ナスティ』は、僕にとってキャバレー・ヴォルテールのアルバムのなかではお気に入りにはならなかったね。ホントに多くが外部からの影響でキャブスのサウンドが薄まってしまった。しかしながらマーシャル・ジェファーソンや当時のシカゴのハウス・ミュージックのパイオニアたちと一緒に出来たのは素晴らしい経験だった。アルバムと一緒に出した5曲入りのいい感じのアナログEPもあったよね。それらはウエスタン・ワークスでミックスされたから、キャバレー・ヴォルテールらしさが出てると思う(*アナログ初回のみに入っていた『グルーヴィー、レイドバック・アンド・ナスティEP』のこと)。

ちなみにレイヴ・カルチャーのことはどのように受け止めていたのでしょう。

RHK:レイヴ・カルチャーはその初期は面白かったけど、すぐに商業的になってしまったよね。

また、『グルーヴィー、レイドバック・アンド・ナスティ』(90)までキャブスがフォン・スタジオを使わなかったことや、〈ワープ〉から別名義でのリリースはあってもキャブス名義のアルバムをリリースしていないことも不思議に思います。『プラスティシティ』(92)や『インターナショナル・ランゲージ』(93)は〈ワープ〉のカラーにもピッタリ合っていたと思うのですが。

RHK:実はちょっとだけ『グルーヴィー、レイドバック・アンド・ナスティ』のときにフォン・スタジオを使ってるんだよね。「ザ・カラーEP」は当初〈ワープ〉からリリースの予定だったんだけど、結局自分らのレーベルからリリースすることになって、『プラスティシティ』や『インターナショナル・ランゲージ』も同様だった。これらのアルバムは当時からホントすごいアルバムだったし、その時代にたくさん出てた〈ワープ〉の作品とも相性が良かったと思うよ。

DJパロットとのスウィート・エクスソシストはどのようないきさつではじめたのですか?

RHK:パロットのことは、80年代半ばのシェフィールドのクラブシーンで知ったんだ。ウエスタン・ワークスに彼を誘って、僕がやっていた初期ハウス・ミュージックのトラックをいくつか手伝ってもらってたんだよね。そのちょっと後、彼がファンキー・ワームをはじめて、そのプロジェクトを終えてから、僕に「テストーン」を一緒に作らないかと誘ってきたんだ。その前、1986年に僕がキャバレー・ヴォルテールのライヴで彼にDJをやってくれるように頼んでたりもしたし。

「ヤッシャー」(83)や「ジャスト・ファッシネイション」を20年後にリミックスしているのは、やはり愛着がある曲だったからですか? リミックスがジ・オール・シーイング・アイ(=DJパロット)というのはわかりますけど、オルター・イーゴにリミックスさせるというアイディアはどこから? ジョン・ロビー同様、オルター・イーゴもあまりいいリミックスには思えませんでしたが……

RHK:オルター・イーゴのリミックスは〈ノヴァミュート〉からの提案だったんだ。僕はいいと思うけどね、(オリジナルとは)全く違うものだし。

同じく自分でリミックスを手掛けていた「Man From Basra Rmx」というのはイラク戦争と何か関係があるんですか? 

RHK:それはその通り。それにこの曲はプリンス・アラーとタッパ・ズッキー(*ともにルーツ・レゲエのアーティスト)による「Man From Bosrah」にも掛けてたんだ。僕は本当に、イラク戦争や大切な古代遺跡の破壊には反対していた。目的もなしに、それも誤った情報のもとに行われたんだよね。結局大量破壊兵器なんて見つからなかったし、イラクはいまや以前よりもっと危険なところになってしまった。

キャブスのスリーヴのデザイナーは、ネヴィル・ブロディ、ポール・ホワイト、デザイナー・リパブリックと一流どころが揃っていますけど、個人的にいちばん好きなデザイン・ワークはどれですか?

RHK:とくに好きなものはないね。しかし『#8385』(*今回、再発された3枚のアルバムを収録したボックス・セット)の新しいデザインはなかなかいいんじゃないかな。

いま、現在、ライヴァルだと思うミュージシャンは誰ですか?

RHK:ライヴァルはいないよ。

キャブスの活動停止後、30以上の名義を使って活動されていますが、その理由について教えて下さい。

RHK:過去にとらわれることなくオリジナルな音楽を作って行くためにやったことさ。

最後に、キャブスの再活動についてお話いただけますか?

RHK:キャバレー・ヴォルテールは“再活動”はできない。何故なら、いままでいちども活動をやめたわけではないからだ。つまり、メンバーが去って行っただけさ。クリス・ワトソンが1981年に脱退し、ステフェン・マリンダーが1993に脱退した。いまでは僕がただひとりのメンバーで、もっと多くのライヴやレコーディングもこれからやっていくと思うけど、懐かしい曲はやらないつもり。すべては新しいものになると思う。
 是非日本でもまたライヴしたいね。1982年の東京、大阪、京都でのキャバレー・ヴォルテールのライヴはすごくいい想い出でいっぱいで、それにライヴ音源を収録したんだ。結局そのライヴ・アルバムのミックスでその後3週間も東京にいることになったけど(笑)。

*日本でのライヴを収録した『ハ!』はマスター紛失のため、91年にミュートから再発されたものは、いわゆるアナログ起こしだったりする。ちなみにツバキハウスでライヴを終えたキャブスはその後、六本木のクライマックスに現れ、ナンパしまくりだったと(その時、DJをやっていた)メジャー・フォースの工藤さんが教えてくれた。そりゃあ、いい想い出でいっぱ……(後略)

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COGEE (BLACK SHEEP / SMASH YOUR FACE) - ele-king

BLACK SHEEP主宰。SMASH YOUR FACEのギタリスト。
https://blacksheepxxx.com/

【DJスケジュール】
11/9(fri)@吉祥寺CHEEKY
11/23(sat)@代官山AIR「MARK.E JAPAN TOUR」
11/30(sat)@半蔵門ANAGURA「BLACK SHEEP vol58」
12/7(sat)@新潟ARK
12/22(sun)@名古屋decibel&KALAKUTA DISCO
「BLACK SHEEP 名古屋出張編」

【LIVEスケジュール】
11/17(sat)@下北沢THREE「LESS THAN TV presents METEO WINTER」
11/30(sat)@三軒茶屋HEAVEN'S DOOR「三茶HxC vol.111」

お金では買えない価値のある音源10選


1
切腹ピストルズ - 流出音源その一
https://seppukupistols.soregashi.com/01_lostvirgin.html

2
切腹ピストルズ - 流出音源その二
https://seppukupistols.soregashi.com/02_lostvirgin.html

3
RISE FROM THE DEAD feat UG KAWANAMI
https://soundcloud.com/ug-kawanami/rise-from-the-dead-feat-ug

4
RISE FROM THE DEAD feat UG KAWANAMI - Black Funk Ill Kill(Original Version)
https://soundcloud.com/ug-kawanami/r

5
TELEPATHY(EYE&UG KAWANAMI) - Secret(Inst.)
https://soundcloud.com/ug-kawanami/telepathy-secret-inst

6
CMT - EYESCREAM MIX
https://soundcloud.com/sbmrecordings/eyescream-mix-mixed-by-cmt

7
DJ HIKARU - Beats in Space MIX
https://www.beatsinspace.net/playlists/439

8
MOODMAN - DJ Mix Show“MOODMANOW ”0912 from VINCENT RADIO
https://soundcloud.com/vincent_archives/moodmanow_0912

9
DETOXX - DOMINGO from himcast
https://www.himcast.com/2013/06/15-domingo-detoxx-blacksheep-629.html

10
LIL'MO FO / SEP 5TH 2013 AT GARAM BAR TIME
https://soundcloud.com/lil-mofo-business-4/sep-5th-2013-lil-mofo-at-garam

Soundcloud : https://soundcloud.com/mamazu
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SCHEDULE
11/8 (FRI) @ 吉祥寺 CHEEKY
11/17 (SUN) @ 青山 蜂 
11/23 (SAT) @ 代官山 AIR
11/26 (TUE) @ 神宮前 BONOBO
11/30 (SAT) @ 半蔵門 ANAGLA 
12/8  (SUN) @ 代官山 SALOON
12/14  (SAT)@ 西新宿 LOUVER
12/23 (MON) @ 代官山 SALOON
12/25 (WED) @ 神宮前 BONOBO
12/28 (SAT) @ 静岡 EIGHT&TEN
12/29 (SUN) @ 代官山 UNIT&SALOON
12/30 (MON) @ 中野 HAEVYSICKZERO
1/25 (SAT) @ 代官山 UNIT&SALOON


1
SIGNUS - BLACK HOLE - Promo

2
SOFT CELL - MEMORABILIA - NOT ON LABEL

3
Bottin - Plastic (incl. In Flagranti Remix) - Tin

4
POCKETKNIFE - CANYON DANCING 2 - WILDE CALM

5
DONDOLO - Dragon - TINY STICKS

6
MZKBX - DOMM BEAT - Macadam Mambo Trax

7
AFELAN - MDOU MOCTAR - SAHELSOUND

8
WARREN SUICIDE - WORLD WARREN REMIXES - Shitkatapult

9
HOLDEN - THE ILLUMINATIONS - Border Community

10
DANIEL STEINBERG - BAILANDO - Front Room
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