「ZE」と一致するもの

Jamire Williams - ele-king

 新世代のジャズ・ドラマーとして頭角を現し、ジェフ・パーカーやヴルフペックの作品に参加、プロデューサーとしてもソランジュなど、多くの作品に関わってきたジャマイア・ウィリアムス。彼の5年ぶりとなるソロ・アルバム『But Only After You Have Suffered』が11月24日にリリースされる。ここ5年の彼の試みを凝縮した、集大成に仕上がっているようだ。カルロス・ニーニョやサム・ゲンデルらも参加。チェックしておきましょう。

JAMIRE WILLIAMS『But Only After You Have Suffered』

ソランジュ、モーゼス・サムニー、ブラッド・オレンジ等の作品にも名を連ね、パット・メセニ ーからロバート・グラスパー・トリオまで、数々のライヴで圧巻のプレイを見せてきた現在のジャズ・シーンでも圧倒的な存在感を誇るジャマイア・ウィリアムス。自身のサウンドの頂点を目指した、音楽の旅の集大成となる5年振りのアルバムが、日本限定盤ハイレゾMQA対応仕様のCDでリリース!!

Brandon Owens – bass guitar / Carlos Niño – percussion / Chassol – keyboards, synthesizer, programming / Corey King – vocals / Jason Moran – piano / Josh Johnson – mellotron, synthesizer, programming / Matthew Stevens – lead guitar / Sam Gendel – guitar synthesizer, alto saxophone / etc.......

ジャズ・ドラマーとしてNYで活躍していた頃から、ジャマイア・ウィリアムスは自身の表現領域を拡張し、深化させてきた。このアルバムには、作曲家/プロデューサーとしての彼が到達した、複合的で美しいアートが刻まれている。ジェイソン・モランやコーリー・キングからサム・ゲンデルやシャソルまで、彼が歩んできた音楽の旅で出会った才能が、このアルバムを更に輝かせている。(原雅明ringsプロデューサー)

アーティスト : JAMIRE WILLIAMS(ジャマイア・ウィリアムス)
タイトル : But Only After You Have Suffered(バット・オンリー ・アフター・ユー・ハヴ・サファード)
発売日 : 2021/11/24
価格 : 2,800円 + 税
レーベル/品番 : rings (RINC81)
フォーマット : MQA-CD
バーコード : 4988044070271

*MQA-CDとは?
通常のプレーヤーで再生できるCDでありながら、MQAフォーマット対応機器で再生することにより、元となっているマスター・クオリティのハイレゾ音源をお楽しみいただけるCDです。

Official HP : https://www.ringstokyo.com/jamirewilliams

ISSUGI & DJ SHOE - ele-king

 さまざまなタイプの楽曲を収録したミックス・アルバム『Both Banks』が話題の ISSUGI & DJ SHOE。同作収録曲の、DJミックスされていないヴァージョンを集めたEP「Both Banks EP」が、本日配信にてリリースされた。タイトル曲や MONJU 名義の曲、PUNPEE のリミックスなど、『Both Banks』のなかでもとくに要注目の曲たちがコンパイルされている。
 またこのタイミングで、新たなパフォーマンス映像も公開となった。仙人掌と Mr.PUG も登場するところは胸が熱くなります。合わせてチェックを。

[2022年1月6日追記]
 配信でリリースされていた上述「Both Banks EP」が、なんとアナログでも発売されます。2022年1月26日リリース、完全限定生産。ジャケも変わっています。
 また、 ISSUGI & DJ SHOE『Both Banks』と、MONJU『Proof Of Magnetic Field』、MASS-HOLE『ze belle』のトリプル(!)・リリース・パーティが1/22(土)福岡にて開催されます。詳しくは下記より。

ISSUGIとDJ SHOEによるミックスアルバム『Both Banks』からprod.Gwop Sullivanによるタイトル曲やMONJU名義の楽曲、PUNPEE"Pride" feat.ISSUGIの16FLIPリミックスなどの新録曲をコンパイルしたアナログ盤が完全限定プレスでリリース!

 DOGEAR RECORDSの中心的存在MONJUやSICK TEAMのメンバーであり、BES & ISSUGIを始めとする様々な名義でも楽曲をリリースし続ける東京のラッパー、ISSUGIと福岡~九州を拠点に活動し、ISSUGI作品にも度々参加してきたDJ SHOEとのジョイントで昨年リリースされたミックスアルバム『Both Banks』。同作に収録されているGwop SullivanやCRAM、EL moncherie(弗猫建物)のプロデュースによるISSUGIとしての新曲やMONJU名義の楽曲(MONJUの新作EP『Proof Of Magnetic Field』には未収録)、さらにはPUNPEE名義で2017年に発表された"Pride" feat. ISSUGI(Prod by Nottz)の16FLIP Remixの新録5曲をコンパイルしたアナログ盤『Both Banks EP』が完全限定プレスでリリース! アートワークをSPECDEE(SOUL NEWS PAPERZ)が担当し『Both Banks』とは違うデザインに仕上がっており、こちらもファン必携のプロダクトとなるはずだ。
 またISSUGI & DJ SHOE『Both Banks』とMONJU『Proof Of Magnetic Field』、MASS-HOLE『ze belle』のTRIPLE RELEASE PARTYが1/22(土)に福岡The Voodoo Loungeにて開催! 会場にてこのアナログ盤『Both Banks EP』を数量限定で先行販売する予定です。

[作品情報]
アーティスト: ISSUGI & DJ SHOE
タイトル:  Both Banks EP
レーベル: P-VINE, Inc. / Dogear Records
発売日: 2022年1月26日(水)
仕様: EP(完全限定生産)
品番: P12-7177
定価: 3.300円(税抜 3.000円)

Stream/Download/Purchase:
https://p-vine.lnk.to/6grb2z

*ISSUGI & DJ SHOE / Both Banks
https://youtu.be/DLGHcDnuF-A

[トラックリスト]
Side A
1. Both Banks - ISSUGI & DJ SHOE
 Prod by GWOP SULLIVAN
2. Woowee ft Vany, MASS-HOLE - ISSUGI & DJ SHOE
 Prod by EL moncherie
3. D.OGs - ISSUGI & DJ SHOE
 Prod by CRAM
Side B
1. Pride (16flip Remix) ft ISSUGI – PUNPEE
 Remix by 16FLIP
2. In The City – MONJU
 Prod by 16FLIP

MONJU「Proof Of Magnetic Field」
ISSUGI & DJ SHOE「Both Banks」
MASS-HOLE「ze belle」
TRIPLE RELEASE PARTY in FUKUOKA

presented by DARAHA beats & G.E.R.U

2022.01.22 (SAT)
at The Voodoo Lounge
OPEN 21:00 CLOSE 5:00
ADV: 3,500yen (1D ORDER) *LIMITED
来場先着100名限定プレゼント: DJ GQ & DJ SHOE MIX CD

■RELEASE LIVE:
MONJU
ISSUGI & DJ SHOE
MASS-HOLE

■SPECIAL GUEST:
EL moncherie
DJ I.D.E
FREEZ
DJ GQ

■DJ:
GERMM
KAYO
DBK
YMG
QICKDUMP & KRZT

■LIVE:
LAF feat. PMF
REIDAM
EVIL ZUUM

[TICKET SHOP]
DARAHA beats 福岡市中央区今泉1-23-4 remix天神 406 / 092-287-5880
2DC BASE 筑紫野市二日市中央6-2-18 浪花通り2F 121-2F号室
ALCO/HOLIC 福岡市中央区大名1-15-15 092-751-4040
APPLE BUTTER STORE 福岡市中央区薬院2-4-13 / 092-791-8837
FAT POCKETS 福岡市中央区大名1-11-25 駒屋ビル 1F / 092-791-3949
FRESH&HAPPINESS 福岡市中央区今泉2-3-19 トキワビル501
LATITUDE 福岡市中央区赤坂1-10-16 ソピア赤坂ビル 5F / 092-406-4997
SEXTANS 福岡市中央区舞鶴1-3-11リフレ庵2F
SQUASH DAIMYO 福岡市中央区大名1-12-36 ニューアイランド大名 206 / 092-724-9552
SQUASH IMAIZUMI 福岡市中央区今泉1-2-8 ANDON 1E / 092-734-3037
Stockroom 福岡市中央区大名1-8-42-412 / 080-8359-3051
TICRO MARKET 福岡市中央区大名1-15-30 天神ミーズビル203 / 092-725-5424
& 出演者, 会場

*会場の感染症対策にご協力をお願い致します。

[the Voodoo Lounge]
福岡市中央区舞鶴1-8-38第19ラインビル4F
092-732-4662 // thevoodoolounge.fukuoka@gmail.com
https://voodoolounge.jp

 以下は、2021年9月1日時点での情報です。

ISSUGIとDJ SHOEによる最新ミックスアルバム『Both Banks』からMONJU名義の新曲やPUNPEE "Pride" feat. ISSUGIの16FLIPリミックスなどの新録曲のNo DJヴァージョンをコンパイルしたEPが本日より配信開始! また両者をフィーチャーしたニューコンテンツ「SKILLS」でのパフォーマンス映像も公開!

DOGEAR RECORDSの中心的存在MONJUやSICK TEAMのメンバーであり、BES & ISSUGIを始めとする様々な名義でも楽曲をリリースし続ける東京のラッパー、ISSUGIと福岡~九州を拠点に活動し、ISSUGI作品にも度々参加してきたDJ SHOEとのジョイントでリリースされた最新のミックスアルバム『Both Banks』。同作に収録されているGWOP SULLIVANやCRAM、EL moncherie(弗猫建物)のプロデュースによるISSUGIとしての新曲やMONJU名義の新曲、さらにはPUNPEE名義で2017年に発表された "Pride" feat. ISSUGI(Prod by Nottz)の16FLIP Remixといった新録5曲のNo DJヴァージョン(DJミックスされていないヴァージョン)をコンパイルしたデジタルEP『Both Banks EP』が本日より配信開始!

そのISSUGIとDJ SHOEをフィーチャーしたニューコンテンツ「SKILLS」でのパフォーマンス映像も公開! こちらは気鋭のビデオプロダクションユニット「Kook Film」が新たにスタートさせたコンテンツで、MONJUのメンバーである仙人掌とMr.PUGも登場し、同作に収録されているBoth Banks、In The City、Now o r Neverを披露しています。

また『Both Banks』のタイトル曲である "Both Banks" を始めとするISSUGI関連のミュージックビデオが本日よりApple Musicにて解禁になりました。こちらも合わせてチェックしてみてください。

"SKILLS" Vol.1 ISSUGI & DJ SHOE | Show Case
https://www.youtube.com/watch?v=g4MjqSVOQj0

[EP 作品情報]

アーティスト: ISSUGI & DJ SHOE
タイトル:  Both Banks EP
レーベル: P-VINE, Inc. / Dogear Records
発売日: 2021年8月31日(火)
仕様: デジタル
Stream/Download/Purchase:
https://p-vine.lnk.to/6grb2z

[トラックリスト]
1. Both Banks - ISSUGI & DJ SHOE
 Prod by GWOP SULLIVAN
2. Woowee ft Vany, MASS-HOLE - ISSUGI & DJ SHOE
 Prod by EL moncherie
3. D.OGs - ISSUGI & DJ SHOE
 Prod by CRAM
4. Pride (16flip Remix) ft ISSUGI – PUNPEE
 Remix by 16FLIP
5. In The City – MONJU
 Prod by 16FLIP

[アルバム 作品情報]
アーティスト: ISSUGI & DJ SHOE
タイトル:  Both Banks
レーベル: P-VINE, Inc. / Dogear Records
発売日: 2021年7月28日(水)
仕様: CD/デジタル
CD品番: PCD-94042
CD定価: 2.640円(税抜2.400円)
Stream/Download/Purchase:
https://p-vine.lnk.to/wYKZsER6

8月の終わりのサウンドパトロール - ele-king

 齋藤飛鳥と山下美月の会話をぼんやり聞いていたら、そういえば、ここ数年、誰かが自分を見ているときに「(自分が)見られている」とは言わずに「(相手が)見てくる、見てくる」という言い方をするなーと。行動の主体が相手にあることは同じなのだけれど、「見られている」という言い方をすると自意識も一緒に発動してしまうので、相手の行為を自分がどう受け止めているかはわからなくするために「見てくる」という言い方になっているのかなーと。自意識を隠すということは「自分がどう見られているかは気にしていない人に見られたい」という自意識が複雑に折りたたまれているということだから、結局は「見てくる、見てくる」と嬉しそうに騒ぐ時点で、「(自分は)観られてる~」と喜んでいるのと同じだと思うんだけど、それでもやはり相手が見ているのは相手の問題意識のなかで完結していることだとアピールしておかないと自意識を発動させざるを得なくなってしまい、そのような事態はどうしても避けたいということなんでしょう。マウントを取りたがる人が嫌がられることの裏返しかなとも思いますが、孤独に音楽を聴いている人には関係ない話でしたね。


01 | Bendik Giske - Cruising (Laurel Halo Remixes) Smalltown Supersound Norway

この春、バッテクノことパヴェル・ミリヤコフと不気味なジョイント・アルバムをリリースしたばかりのベンディク・ギスケ(いま流行りの遠心顔)が8月27日にリリース予定のセカンド・アルバム『Cracks』から “Cruising” を先行カット。両サイドと共にローレル・ヘイローのリミックスをフィーチャーし、これが『Pavel Milyakov & Bendik Giske』の、とくに “Untitled 4” を複雑にしたような素晴らしいダブ・テクノに。クラフトワークをスクリュードさせたようなビート・ダウンにプロセッシングされた管楽器が幻のように咲き乱れる。たったの6分で終わりかと思っていると、Bサイドでは左右でエフェクトの種類が分けられた、さらに桃源郷のようなビートレス・ヴァージョンが長尺で控えている。サイケデリック・サマーはこれで決まり。


02 | Quixosis - Micropótamo Eck Echo Records

エクアドルのベース・ミュージックからダニエル・ロフレード・ロータによるデビュー・アルバム『Rocafuerte』の2曲目。オープニングからハープなどの幻想的なメロディが重層的に響き渡り、一気に未知なるトロピカルへと連れ去られる。ハットやタムがしっかりとしたビートを刻んでいるものの、リズムはなぜか途切れがちで、それが妙に良かったり。タイトルは「小川」の意。アンディ・ウェザオールのリミックスを聴いてみたかった感じでしょうか。アルバム・タイトルのロカフェルテというのはエクアドルの都市キトの中心部にある通りの名だそうで、ラテン・アメリカとヨーロッパの音楽を古いも新しいもごった煮にした音楽性と関連づけたものらしい(キトは玉井雪雄『オメガトライブ』でイブ・L・ホークスが幼児期に虐待されていた街というイメージしかないんだけど……)


03 | Faye Webster - I Know I'm Funny Haha Secretly Canadian

2年前に『Atlanta Millionaires Club』(メッシー・テイストのジャケはかなり苦手)で頭角を現したシンガーソング・ライターによる4作目『I Know I'm Funny Haha(=私がヘンなのは知っているわよ草)』のタイトル曲。全体に前作とは異なったサウンド・メイキングで、カーペンターズみたいだったりもしつつ、いくつかの曲でコード進行などがけっこうフィッシュマンズを思わせる。佐藤伸治が生きていたら “A Dream With A Baseball Player” とかつくりそうじゃないですか。あー、ダラダラする。実に夏向き。10曲目の “Overslept(寝坊)” には〈カクバリズム〉からメイ・エハラが参加。今年、フィッシュマンズTを売り出したジャーナル・スタンダードが早くからコラボ・アイエムを手掛けていたり。


04 | Ground - Ozunu Chill Mountain

セカンド・アルバム『Ozunu』からタイトル曲。一時期のデリック・カーターを思わせるファニーなアシッド・ハウス。アルバム前半の8曲は荒廃したレイヴからクラウドをクラブへ呼び戻したイギリス産のアシッド・ハウス・リヴァイヴァル(=アンダーワールドの原液)を現代に着地させたような曲が並び、“追湯” 以降の4曲はその限りではない広がりを感じさせる。前作『Sunizm』(https://www.ele-king.net/review/album/006580/)と比較して明らかにスキルが上昇しまくりで、軽妙洒脱な展開にどんどん引き込まれる。聴けば聴くほど……的な良さが全開。南大阪の言い伝えや伝承にインスパイされたアルバムらしいけれど、それは一体どんな内容なのだろう。役小角とは何か関係があるのだろうか。


05 | Advanced Audio Research - Klɪŋ(ɡ)ɒn Not On Label

ミラノのブレイクコア、ジョルジオ・ディ・サルヴォによるニューEP「High Resolution Music」から2曲目。アシッドでドロドロに溶けてしまった陽気なダブ・テクノ。昨年のセカンド・アルバム『Top Secret』もブレイクコアからはかなり逸脱していたけれど、もはやその残響すら散見できず、後半でビートを刻んでいることさえ奇跡に思えてくる。“Ghost In The Shelter” とかタイトルもすでに溶け始め、バカなものの向こうにホーリーなものが立ち上がってくる境地はなんとも赤塚不二夫っぽい。


06 | Haile - Stay High With You Not On Label

オレゴンのインディー・フォークからセカンド・アルバム『The Bedroom Album』の5曲目。インスタグラムには雪景色の投稿が多く、ダークで閉鎖的な曲調がそれにぴったりマッチしているなか、これはさらにじっくりと陰キャを満喫したアシッド・フォーク。完全にトリップしていて、どうやって録音しているのかナゾだけど、プロセッシングは一切おこなっていないというのが信じられないほどエフェクティヴなオーガニック・サウンドに仕上がっている。グルーパー “Soul eraser” が極悪ノイズに思えてくる柔らかさ(それは言い過ぎ)。


07 | Mori-Ra - Lyon Forest Jams

大阪からマサキ・モリタによるリエディットもののデビュー・アルバム『Japanese Breeze』から12曲目(タイトル通りアルバム全体はシティ・ポップをダンス化したニューディスコがメイン)。Dサイドの3曲は少しコンテンポラリーな感触が強いなか、エンディングにあたる “Lyon” は爽快なトロピカル・ムードがなんとも感動的。ツルンとしてシャキッとしながらメロウにまみれた質感がなかなかです。サンプリング元はすべて日本のもののようで……(なので資料ナシ)。


08 | Fausto Mercier - Overcorp Infinite Machine

ハンガリーのオウテカによるニューEP「I’m Too Sentient」から1曲目。昨年、リリースしたフル・アルバム『FULLSCREEN』とはまったく別次元の内容に驚きつつ、オウテカやエイフェックス・ツインがかつて発揮していた幼児性を存分に楽しませてくれる。ドリルンベースというよりマーチのリズムをとにかく細かく刻んだというか(フィボナッチ数列を応用したとか)。なんでこういうのって飽きないんだろう。メキシコのレーベルから。


extra | 山口百恵 - 夜へ… Sony

なんか、この夏はサイプレス・ヒルと山口百恵ばかり聴いてしまう。山口百恵が77年にレゲエをやっていたり、矢沢に負けじとバリー・ホワイトを取り入れてたのねといったことを再発見しつつバック・カタログをすべて聴いていて、ジャズ・ベースが印象的な “夜へ” が頭から離れなくなってしまった。当時は “夢の恋人” のような甘酸っぱいポップスの方が好みだったのに、いつのまにか趣味は変わっているもんだなと。

メシアTHEフライ - ele-king

 2006年、I-DeA や MSC 作品などへの客演を経て初のEP「湾岸 SEAWEED」を〈Libra〉から発表、2009年にファースト・アルバム『BLACK BOX』をリリースしたヒップホップ・ユニット、JUSWANNA(ちなみに「湾岸 SEAWEED」には、ISSUGI が 16FLIP として最初に世に発表したトラックが2曲含まれている)。
 その JUSWANNA のMCのひとり、メッセージ性の強いリリックで知られるメシアTHEフライが JUSWANNA 活動休止後にリリースしたソロ・アルバム『MESS - KING OF DOPE-』が、10年以上のときを経てついにアナログ化される。嬉しいことに、CDも同時にリイシューされるとのこと。LPのほうは完全限定生産なので、早めに予約しておこう。

JUSWANNAのブッ飛んだ救世主ことMESS a.k.a. メシアTHEフライが2010年にリリースした傑作ファースト・ソロ『MESS -KING OF DOPE-』が帯付き2枚組/完全限定プレスで待望のアナログ化! 同時に入手困難だったCDもリイシュー!

メッセージ性の強いパンチラインを最大の武器に独自のスタンスで常に斜め45度から世間を騒がす反逆者であり、MEGA-G、DJ MUTAとのユニット、JUSWANNAのブッ飛んだ救世主ことMESS a.k.a. メシアTHEフライ。そのJUSWANNAとして2006年に1st EP『湾岸 SEAWEED』、09年に1st Album『BLACK BOX』をリリースした後の10年5月にグループとしての活動を休止し、同年12月にファースト・ソロ『MESS -KING OF DOPE-』をリリース。サグライフでも、ハスリングライフでもない、実は一番ぶっ飛んだ「日常」の疑問をもう一度エグり返して出てきた問題作であり、メシアTHEフライが現実を色濃く模写した全13曲を収録した傑作中の傑作としてリリースから10年以上の時を経てもまったく色褪せることのないその『MESS -KING OF DOPE-』が帯付き2枚組/完全限定プレスで待望のアナログ化! 同時に入手困難だったCDもリイシュー!

[LP情報]
アーティスト: メシアTHEフライ
タイトル: MESS -KING OF DOPE-
レーベル: Libra Records / P-VINE, Inc.
発売日: 2021年12月2日(木)
仕様: 帯付き2枚組LP(完全限定生産)
品番: LIBPLP-001/2
定価: 4.950円(税抜4.500円)

[CD情報]
アーティスト: メシアTHEフライ
タイトル: MESS -KING OF DOPE-
レーベル: Libra Records / P-VINE, Inc.
発売日: 2021年9月15日(水)
仕様: CD
品番: LIBPCD-013
定価: 2.640円(税抜2.400円)

[LP:トラックリスト]
SIDE A
1. Intro
 Produced by DADDY VEDA a.k.a REBEL BEATZ
2. MESS
 Produced by DADDY VEDA a.k.a REBEL BEATZ
3. 東京 Discovery 3 feat. PRIMAL (MSC)
 Produced by HardTackle_66
SIDE B
1. 鉞-マサカリ-
 Produced by KAMIKAZE ATTACK
2. ビルヂング
 Produced by T.TANAKA
3. MONKEY BUSINESS feat. TAKUTO (JPC band)
 Produced by T.TANAKA
SIDE C
1. マンダラ
 Produced by I-DeA
2. POPS feat. 仙人掌 (MONJU)
 Produced by 16FLIP
3. 東口のロータリー
 Produced by DJ OLD FASHION
SIDE D
1. Skit
 Produced by KAMIKAZE ATTACK
2. No More Comics feat. BES (SWANKY SWIPE)
 Produced by DADDY VEDA a.k.a REBEL BEATZ
3. Wonderful World
 Produced by The Anticipation Illicit Tsuboi
4. Outro
 Produced by MUTA (JUSWANNA)

Prettybwoy - ele-king

 2013年に〈Big Dada〉のコンピ『Grime 2.0』に参加、グライム/UKガラージの文脈から出発し、2017年には上海のレーベル〈SVBKVLT〉からEP「Genetics」を送り出している東京のプロデューサー、Prettybwoy が英ファクトの名物シリーズ「Fact Mix」に登場している。
 冒頭からびっくりするような展開で、『エヴァ』で耳にしたような声がするなと思ったら、90年代のアニメ『KEY THE METAL IDOL』がフィーチャーされている(主題歌も)。これがずっとつづくのかと思いきや、じょじょにノイズなどが侵入をはじめ、つぎつぎと尖ったダンス・ミュージックが繰り出されていく。
 なお Prettybwoy は9月17日に〈SVBKVLT〉からデビュー・アルバム『揺蕩う』をリリースすることになっている。そちらも楽しみ。

Daichi Yamamoto - ele-king

 『Andless』は Daichi Yamamoto が表現者として、自身の殻を破るための作品だった。タイトルは「undress(服を脱ぐ)」をパラフレーズしたもの。生々しい内面の告白を、アブストラクト・ヒップホップやグライムなどUKのダンス・ミュージックをアップデートしたサウンドに乗せて、ラップ、レゲエ、ソウルなど多様な歌唱法を複雑に使い分けて楽曲に昇華していった。個人的にはリリックもトラックも “How”(Produced by Kojoe!)が特に好きだ。

 2nd アルバムとなる『WHITECUBE』は前作をさらに一歩前に進めた作品だ。Apple Music のレヴューによると本作は「白い立方体のアートスペースをイメージ」したという。ならば、そこで展示されている作品のテーマは「混乱」「愛」だろう。収録された13曲は、すべてベクトルが異なる愛を多角的に表現している。

 展示会場の入り口にあたる1曲目の “Greetings” の冒頭でシャウアウトしてるのはなんと Daichi の実父であるニック山本。嫌が応にも親子の愛を感じた。続く “Love+” では古橋悌二のインタヴューがサンプリングされる。古橋は、京都出身の芸術家で、アーティストグループ・ダムタイプの中心メンバーだった。HIV感染が明らかになり、1995年に35歳で敗血症で亡くなるまで、愛、性、差別、資本主義、搾取、矛盾、混乱をテーマに、繊細で、複雑で、洗練されていて、同時に猥雑でもある作品を発表していた。不勉強ながら “Love+” で古橋を知った。

 一夜漬けの私が古橋の多くを語るのは失礼だ。だがダムタイプの「S/N」を見て、“Love+” を聴くと、Daichi は古橋の芸術観に共感し、加えて、サンプリングやローカリズムというヒップホップのルールを用いて、26年前から変わらぬ問題に改めて一石を投じる意図があるように感じた。

 そして興味深いことに、続く “Simple” で客演の釈迦坊主はクラブで見つけた女の子を「お持ち帰り」しつつ、最近会えてない友達に「死んだりしてなきゃいいな」と思いを巡らせる。大上段の「愛」においては矛盾しているかもしれないが、それも確かに愛なのだ。

 『WHITECUBE』ではこういった矛盾が続く。それを否定も肯定もしない。あるがままを受け入れる。以降アルバム中盤は音楽についてのトピック。4曲目 “Cage Birds feat. STUTS” は音楽がもたらす解放性をバレアリックな音で肯定的に表現するが、次の5曲目 “Ego feat. JJJ” では一転して攻撃的なドリルでエゴイズムの暗黒に浸る快楽を歌う。ちなみにこの2曲だけでも1本原稿が書けるくらい素晴らしい。特に感動したのは、“Ego” で Daichi が「投げる爆弾は檸檬/飛ばす果汁まるでVenom」と文学とポップ・カルチャーをごちゃ混ぜにした猥雑なラップをすれば、JJJ はスペイン語の「Dinero, dinero, dinero」(金、金、金)と「消えろ消えろ消えろ」で踏んで応える。フレッシュを連べ打ち。かっこいいを畳み掛ける。

 そしてここから構成はさらに複雑になる。grooveman spot と Kzyboost による陽気なウェッサイチューン “Wanna Ride (The Breeze)” では「憧れていたThug」と歌う。この曲と対になっているのは9曲目 “Pray feat. 吉田沙良(モノンクル)”。幼い頃にジャマイカで経験した Thug の行き着く先の究極が描かれる。間に挟まれる “People” “Kill Me” は制作で向き合う自身の矛盾が対になっている。

 本作の愛と矛盾の複雑な構図は、10曲目 “Chaos” のフック「今日君は間違いまた強くなる/それだけの事/もがいていこう/このChaosの中で/後は振り向かずに/Going far far away」に集約されていく。

 また私は “Chaos” の「エンゼルフレンチみたく白黒じゃない/問題がC.R.E.A.Mを挟んでるみたい」というラインにも膝を打った。「C.R.E.A.M」とは言わずもがな「Cash Rules Everything Around Me」。つまり現金。おそらく地球を破壊するレベルまで膨張を続ける資本主義社会への考察だ。偶然だろうが、「Love+」でサンプリングした古橋もダムタイプの公演「S/N」で、HIVに感染した自身が(製薬会社が喧伝する)高価な “エイズ特効薬” を飲み続けることを、「サイエンスの始めた新しいビッグビジネス」と皮肉るシーンがある。

 生死すらビジネスにする現実。そんな Chaos を、あえて複雑な構造のアルバムにすることで、表現したように思えた。そんな世界を生きる私たちに「Paradise Remix Feat. mabanua, ISSUGI」で ISSUGI は言う。「外面より内面の居心地優先して作り出すParadise/お前だけが知るエントラスはお前の為だけにある、他じゃない」と。

 もしかしたら楽園の入り口は人と違うかもしれないし、昨日まで自分が思っていた答えとも違うかもしれない。だが、他ならぬあなただけのもの。こじつけかもしれないが、同じく “Paradise” の「見えないpressureにがんじがらめじゃもったいない/楽しめ誰のLife?」というラインもそんな思いで聴いた。

 “Paradise” を踏まえると “maybe” のフック「足りないもの探し疲れたら/足りてるもの数えてみたら/答えは手のひらの中/でもわからず頭Boom Shakalaka」も肯定的に響く。またさまざまインタヴューを読むと、本作の制作は「頭抱えて立ち止まるlegs」(“maybe”)で、なかなか進まなかったという。散々立ち止まってようやくたどり着いたのが、“Paradise” であり、“maybe” であり、“Love+” の「(芸術は)自分をもっと心の底から動かす原動力として捉えたい」という古橋の言葉だった。

 創作の苦しみ、自身と向き合う困難を、この混沌を極める現代社会になぞらえて表現した。それが『WHITECUBE』。ラストの “Testin’” はストレートなラヴ・ソングだ。Daichi Yamamoto にとって創作とは広義の愛と同義。親子、恋人、友人、動物、音楽、映画、読書……。自分を突き動かすピュアなパワー。当然そこに大小はない。主義主張とも違うもので、消費の対象にもなりなえない、神聖なもの。それはつねに自分のなかにあるものなのだ。

Nala Sinephro - ele-king

 ロンドンで活動する注目の若手ジャズ・ミュージシャン/作曲家のナラ・シネフロが、なんと、まさかの〈Warp〉からデビュー・アルバムをリリースする。
 同作には、サンズ・オブ・ケメットのドラマー、エディ・ヒックをはじめ、マイシャのジェイク・ロング、ヌバイア・ガルシア、シャーリー・テテーといった今日のUKジャズ・シーンを支える強力な面々が参加。現在、収録曲 “Space 3” が先行公開されている。フィジカル盤はLPのみのようなので、なくなる前にチェックしておきたい。

NALA SINEPHRO
UKジャズ・シーン期待の新鋭、ナラ・シネフロが〈WARP〉と契約!
レア化必至のデビュー・アルバム『Space 1.8』を9月3日にリリース!

カリブ系ベルギー人の作曲家でミュージシャンのナラ・シネフロが〈Warp〉と契約を果たし、デビュー・アルバム『Space 1.8』を9月3日にリリースすることを発表! 合わせてアルバムからリード曲 “Space 3” を解禁した。

Nala Sinephro - Space 3
https://nalasinephro.ffm.to/space-3

“Space 3” は、サンズ・オブ・ケメットのドラマー、エディ・ヒックと、スチーム・ダウンのメンバーで、ウォンキー・ロジックとしても活躍するプロデューサー/マルチインストゥルメンタリストのドウェイン・キルヴィングトンとの3時間に及ぶ即興セッションの一部を切り取ったもので、シンセサイザーの粒子が飛び散るような歓喜に満ちたサウンドとなっている。

瞑想的なサウンド、ジャズの感性、フォーク音楽やフィールドレコーディングを融合させ、独特の世界観を築き上げたナラ・シネフロ。デビュー・アルバム『Space 1.8』は、シネフロが22歳のときに作曲、制作、演奏、エンジニアリング、録音、ミキシングを行い完成させている。本作ではモジュラーシンセやペダルハープを演奏し、友人のジェイムス・モリソン、シャーリー・テテー、ヌバイア・ガルシア、エディ・ヒック、ドウェイン・キルヴィングトン、ジェイク・ロング、ライル・バートン、ルディ・クレスウィックらが参加している。

ロンドンでの精力的なライブ活動を経て、UKジャズ・シーンにその名を轟かせてきたナラ・シネフロは、ガーディアン紙が選ぶ「2020年に注目すべきアーティスト」の一人に選ばれ、ジャイルス・ピーターソンからも熱烈な支持を受けている。

ナラ・シネフロのデビュー・アルバム『Space 1.8』は9月3日に数量限定のLPとストリーミング/デジタル配信で世界同時リリース。NTSのレジデントDJとしても人気を集めている彼女が、革新的レーベル〈Warp〉に加わり、ここからさらなる飛躍に期待が集まっている。

label: WARP RECORDS
artist: NALA SINEPHRO
title: Space 1.8
release date: 2021.09.03 fri

WARPLP324 / 輸入盤1LP

商品情報はこちら:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12050

Tracklisting
A1. Space 1
A2. Space 2
A3. Space 3
A4. Space 4
A5. Space 5
B1. Space 6
B2. Space 7
B3. Space 8

Junes K - ele-king

 OLIVE OIL と Popy Oil が主宰する〈OILWORKS〉から、福岡のビートメイカー Junes K の新作『DEPAYSEMANN』がリリースされる。「ビートグランプリ CLASH 2019」の優勝者である彼は、エレクトロニカの要素も取り入れた独特のサウンドが魅力だ。ちなみにタイトルの「デペイズマン」とは、「異なるもの同士、意外なもの同士を組み合わせる」というシュルレアリスムの用語「Dépaysement」と似ているが、関係あるのだろうか? いや、コラージュやサンプリングを駆使する彼のことだ、きっと関係あるにちがいない。発売は8月25日。

artist:JUNES K(ジュネス・ケー)
title:DEPAYSEMANN(デペイズマン)
label : OILWORKS Rec.
cat : OILRECCD028
price : 2,100円(税抜) 2,310円(税込)
release : 2021年08月25日
バーコード:4988044867680

[Track List]
1.Air
2.Vibes
3.Fog
4.Surra II
5.Babymann
6.Al Mind
7.Ruby
8.YOOO
9.Olhos
10.Overmind
11.Searching
12.Alice
13.BARRON
14.Primary
15.Art Of Conversation
16.A.I.P
17.Jardin
18.$pirit
19.Blu
20.New York
21.Lightning Bug
22.Morgan
23.Souls
24.Hold On
25.Unreal
26.Clouds
27.Ras
28.Sun

All Tracks Produced by JUNES K
Mastered by Arμ-2
Artwork by JUNES K
Designed by JUNES K

昨年リリースされた“SILENT RUNNING”も各方面から称賛を受け、そのビートの実力を高く評価を集めているJUNES Kが、新たに解き放つ作品“DEPAYSEMANN”をOILWORKS Rec.からリリース!

ビートグランプリCLASH 2019の優勝から、グラフィックデザイナーとしての才能も開花させアートフルな活躍を行うJUNES K。本作では、そのアートの手法でもあるコラージュや、サンプリングなどで異質な構築を繰り広げ、異質な音の輪郭や、ビートの疾走感なども感じさせ全曲インストゥルメンタルの全28曲を収録!さらにマスタリングはArμ-2が担当し、音とビート、さらにはアート的な融合も感じさせる仕上がりに!

■Junes K プロフィール
ビートメイカー/グラフィック・デザイナー。福岡県在住。OTAIRECORDが開催する"ビートメイカーのグランプリ"である「ビートグランプリCLASH2019」の優勝者。ビートメイカー達の中ではその制作スピードとクオリティ、類似しない彼独特の世界観が高く評価されている。ヒップホップをベースに、エレクトロニカ的な空気感も含んだその作風は、ともすると退屈に聞こえてしまうヒップホップのインストゥルメンタル作品においてカラフルなサウンドと展開でリスナーを自身の世界に引きずり込む。

Appleblim - ele-king

 シャクルトンとともに〈スカル・ディスコ〉を運営していたローレンス・オズボーンによるソロ3作目。この10年にわたってポスト・ダブステップを模索しつつ、DJにデトロイト・テクノを取り入れてきた成果が全面的に開花したようで、良くも悪くもタンジェリン・ドリームのようになってきたシャクルトンとは対照的に重心を低く設定したリズム重視のビート・アルバムを完成させた。〈スカル・ディスコ〉を閉鎖してから10年後のリリースとなったデビュー・アルバム『Life In A Laser』(18)では何をやりたいのかよくわからなかったものが、ここへきて一気に独自のセンスを開拓したというか。『Life In A Laser』と新作の間に『Ungoverned & Ungovernable(=統治不能)』という実験的なアルバムを挟んだことも功を奏したのだろう。動機はよくわからないけれど、イアン・アービナ著『アウトロー・オーシャン』(白水社)で報告されていた「海=無法地帯」の現状を音に置き換えるという試みがダブステップやデトロイト・テクノに固執していた作曲スタイルを解体し、自由なコンポジションを促すきっかけになったのかもしれない(魔術師のジョン・ディーによって排他的経済水域が提唱されるなどイギリスがパイレーツの国であることは近代国家の成り立ちを考える上でけっこう重要で、海洋覇権の移行=ニシン漁からタラ漁に切り替わる拠点となったブリストルに住んでいたオズボーンがアービナの著作に目をつけるのはなるほど納得がいくし、藤田敏八監督『海燕ジョーの奇跡』を観ると日本にも似たような精神性が宿っている気がしてしまう)。

 ジャングルやエレクトロなど多彩なリズムを取り入れた『Infinite Hieroglyphics(=無限の象形文字)』で最も目覚ましい変化を遂げているのがベース。ジュークやジャズ・ベースを予想外に変形させるなどいままで経験したことのないようなベース・ラインがとにかく腰に絡みつき、細かいパーカッション・ワークと組み合わせた“A Madman's Nod”やマッシヴ・アタックがジュークをやっているような“Zephyr”など、ウガンダやエクアドルのクラブ・シーンには期待できないベース・サウンドの醍醐味をこれでもかとぶつけてくる。『Life In A Laser』に収録されていた“Flows From Within”を順当に発展させた路線にはマッド・マイクによる「Red Plane」シリーズを4ヒーローがリミックスしたようなスリルが横溢し、明らかに“Sex In Zero Gravity”を意識した“Shimmered”など「20年後のデトロイト・テクノ」ここにありという感じも(オズボーンは時々URのTシャツを着てDJをしている)。

 テッセラやジョイ・オービソンなど多くのプロデューサーと同じくスペシャル・リクエスト『Soul Music』(13)に影響されてジャングルを再発見し、ハーフタイムかと思えばジャングル以前のブレイクビートをソフィスティケイトさせて応用する感覚もポール・ウールフォード以降の流れを引き継いだものとなるらしい(イギリス人のジャングルに対するこだわりは、ここ数年、80年代のレア・グルーヴ運動に匹敵するものを見せている)。一方で、ベルリンへの移住が影響したのか、ベーシック・チャンネルとスピーカー・ミュージックをカチ合わせたような“Beelike”も素晴らしく(サブ・ベースがぶんぶん唸っていて、確かに“蜂みたい”かも)、まだまだ化学反応が長引く気配を見せている。タイトル曲などともにこの辺りが次の流れになっていくのかもしれず、ジ・オーブ“Little Fluffy Clouds”をサム・ビンガがリミックスしたような“Stand Firm”が個人的にはベストか。最後だけがなんとなく唐突で、マッド・マイク全開になってしまうというか……レイヴに対する強い思いがそうさせるようで、ロックダウンによって、かえってレイヴに対する思いが吹き出し、丸川珠代ほどではないものの、あっという間に異次元に連れ去られる。ロウ・エンド・アクティヴィストことパトリック・コンウェイと組んだトリニティ・カーボン名義のアルバムも前後してリリースされているが、こちらは大して面白くない。

Sam Gendel - ele-king

 LAを拠点に活動するサキソフォニスト、サム・ゲンデル。カルロス・ニーニョとの交流やヴァンパイア・ウィークエンド作品への参加などでも知られ、昨年は〈Nonesuch〉に移籍したことも話題となった。そんな彼がかつて組んでいたバンド、インガの音源がリイシューされる。幻のデビュー・アルバムに未発表曲を追加した、日本独自のCD盤とのこと。ローランド・カーク “Volunteered Slavery” のカヴァーも収録されているそうです。注目。

SAM GENDEL
inga 2016

“現代のアウトサイダー・ジャズ”(Pitchfork)と評され、米名門レーベル・ノンサッチからのリリースで更に注目を集める、新進気鋭のサックス奏者 Sam Gendel (サム・ゲンデル)が結成していた INGA 初のフィジカルリリースが日本企画で実現!!

サム・ゲンデルによるジャズ・グループ、インガ(Inga)の音源が遂にリイシュー! 封印された幻のデビュー・アルバム『en』とローランド・カークの “Volunteered Slavery” を収録したEP、そして未発表曲から、サム・ゲンデル自身が厳選した、日本限定のスペシャル盤がマスタリングされCDで発売! 今最もクリエイティブな音楽を奏でているといっても過言ではない作曲家サム・ゲンデル。アートワークも自身のデザインによるもの。

サム・ゲンデルが、ドラマーのケヴィン・ヨコタ、ギタリストのアダム・ラトナーと組んでいたのが、インガだ。封印されてしまった幻のファースト・アルバムとEPには、ラサーン・ローランド・カークのカヴァーをはじめ、実に魅力的な音楽が収められていた。プロデューサーとしてというより一リスナーとして、サムにリリースの提案をし、彼自らの選曲でその封印が解かれることとなった。この音楽を再び聴けることが何より嬉しいし、いまサムの音楽に惹かれている人にも必ずや響く音楽だと思う。(原 雅明 rings プロデューサー)

アーティスト : Sam Gendel (サム・ゲンデル)
タイトル : inga 2016 (インガ2016)
発売日 : 2021/10/6
価格 : 2,727円+税
レーベル/品番 : rings (RINC80)
フォーマット : CD (日本企画限定盤)
BARCODE : 4988044068803

Official HP : https://www.ringstokyo.com/samgendelinga2016

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