現在のポップにダウナー・モードを決定づけたのはザ・XXだという説が有力らしく、アンダーグラウンドではブリアル、そしてポップ・フィールドではザ・XXと、その両方にまたがっているのがジェームス・ブレイクであると、大雑把に説明できるだろう。基本的に僕はダウナー人間なので、当たり前だが、ダウナー音楽が肌に合う。低血圧だし、酒が好きだし、レゲエやダブが好きなのも、スラックの音楽が好きなのも、自分のダウナー気質が大いに関わっているかもしれない。
ブルックリンのシンガー・ソングライター、リア・アイシスの音楽は、昨年ずいぶんと評判になった宅録女のグラッサーのエレクトロニック・サウンド、あるいはジョアンナ・ニューサムのフォーク・サウンドとは交わらない。趣の点で言えば、ザ・XXのほうがまだ近いと言える。要するに彼女の音楽はメランコリックで気怠い......上品で、礼儀正しく、そしてダウナーで、リラックスしている。そしてそこにクラブ・ミュージックの要素はない。音楽のスタイルはジョニ・ミチェルに近い。グラッサーやジョアンナ・ニューサムと違って、昔ながらのSSWスタイルである。
評判となった2年前のデビュー・アルバムを経て、本作は日本でも人気のある〈ジャグジャグウォー〉からリリースされるセカンド・アルバムで、レーベルを代表するジャスティン・ヴァーノン(ボン・イヴェール)が1曲参加している。歌とピアノとベースとドラムという音数の少ないジョン・レノン・スタイル、アコースティック・ギターのアルペジオ、ピアノの弾き語り......といった具合に、前述した通りアルバムはオーソドックスなSSWスタイルによるものだが、アニマル・コレクティヴやディアハンターのプロデューサーとして知られるニコラ・ヴァーンズの手が加わっているだけあって、いわばコクトー・ツインズやマジー・スターら欧米で言うところのイーサー(エーテル)系、あるいは昨年話題になったウォーペイントの物憂げなアトモスフィアとも接続する。要するにいま風の音響になっている。
とはいえ、本作の魅力を最終的に決定づけているのは、彼女の歌とその声(ウィスパー・ヴォイス)だ。とくに曲のメロディラインには多くの人を惹きつける力があって(それでもすべての曲において)、そしてアルバムはある種恍惚としたダウナーなムードを最初から最後まで保っている。それが僕にとって嬉しい。たとえば週の水曜日から木曜日かけて仕事や人間関係のストレスがピークに達したときに、『グロウン・アンノウン』は待っているだろう。そして節度を持ったこの音楽は、人を寝不足にするかもしれないが、決して二日酔いにはしない。

























ハウス、ブレイクビーツの影響を受け、89年からDJ活動を開始。海賊放送やレイヴで活躍しつつハードコア~ジャングル/ドラム&ベースの制作を始める。95年にGanjaから"Super Sharp Shooter"、Frontlineから"6 Million Ways"の大ヒットを放ち、96年にはDJ HYPE、PASCALと共にレーベル、True Playazを設立、ファンキー・ビーツとバウンシーかつディープなベースラインで独自のスタイルを築く。00年の"138 Trek"は自己のレーベル、Bingo Beatsに発展、ブレイク・ステップの新領域を開き、2ステップ~グライムやブレイクス・シーンに多大な影響を与える。03年にはPolydor UKからブレイクビーツを自在に遊泳する1st.アルバム『FASTER』を発表し、絶賛を浴びる。Bingo
BeatsからはDYNAMITE MCをフィーチャーした"Creeper"を含む『DROP BEATS NOT BOMBS EP』を始め、数々のマッシヴ・チューンで衝撃を与え続け、07年には『IN BASS WE TRUST EP』、MIX CD『WATCH THE RIDE』(Harmless)を発表。ここ最近は"Crack House"と銘打ったZINC自身が提唱する新型サウンドを布教。"Crack House"はBasslineサウンドを主体として、エレクトロ、ダブステップ、フィジェットハウス、ブレイクス、ジャングル等をミクスチャーした最新鋭のエレクトロ・ダンスミュージック。まさにその集大成ともいえるオリジナルアルバム『Crack House E.P.』、『Crack House Vol.2』をこれまでに発表。またMS
DYNAMITEをフィーチャーしたシングル、"Wile Out"はUK TOP40にチャートインする等、UKのベースミュージックの最前線を驀進中!
ダブステップ/グライム・シーンのトップ・プロデューサー/DJの一人、PLASTICiAN。かつてDJ DARKSTARの名前でガラージをスピンしていた彼は、03年にDJ SLIMZEEのレーベル、SlimzosからPLASTICMAN名義で"Venom/Shock Wave"をリリース以来、"Pump Up The Jam" (Soulja)、"Hard Graft"(Contagious)等がアンダーグラウンドでヒット、またRINSE FMでレギュラーを務め、初期ダブステップの礎となる。04年には"Pump up the jam"を含む4曲がRephlexにライセンスされ、コンピレーション『GRIME』でセンセーションを巻き起こす。また自己のレーベル、Terrorhythmを立ち上げ、"Cha"、"Value
Beats EP"を発表、またLUKE VIBERTの"Moog Acid"、M.I.A.の"U.R.A.Q.T"等のリミックスを手掛ける。その後、PLASTICIANと改名し、08年には1st.アルバム『BEG TO DIFFER』をリリース、SKEPTAをフィーチャーした"Intensive Snare"はSoul Jazzにライセンスされる。またMIX CD『Rinse:06』(Rinse)のリリースでDJとしても世界的な人気を集める。









