「S」と一致するもの

Interview with Stuart Braithwaite (Mogwai) - ele-king

 2011年の9月、グラスゴーの小さなフェスでモグワイのライヴを見る機会があった。デリック・メイからジ・オーブ、ワイルド・ビースツなどのジャンル、新旧織り混ざったラインナップ、さらにザ・フォールの次という出番のなか、堂々とメイン・ステージの大トリを務めていた。ステージ上にはファンには馴染み深いセルティックのタオル、エフェクター、そしてスコットランドの国旗のシールが貼られたギター。客席にはスコティッシュ・アクセントで騒ぐ、スコティッシュ・ピープルたち。「荘厳」や「轟音」といったモグワイにかぶさる常套句ももちろん当てはまるライヴだったが、サウスロンドンのグライムMCが畳み掛けるような息づかいで自分の団地についてラップするのを聴いたときのような、圧倒的なローカリティに打ちのめされた夜として記憶に残っている。

 その年に出たアルバムは『ハードコアは死ぬことはないが、お前はちがう(Hardcore Will Never Die, But You Will)』だったが、彼らはそこにシリアスな意味を込めたわけではない。モグワイは2015年に結成20周年を迎えた平均年齢40歳のレペゼン・グラスゴーの「ヤング・チーム」だが、その20年という短くない期間において、彼らはこれまで音楽について、またそれ以外の事柄についても、あまり深くは語ってこなかったし、言葉を使うときは、シンプルなイメージ表現かジョークかのどちらかだったように思う。モグワイを取材した経験のある先輩ライターが「モグワイって音を聴くと思慮深そうだけど、メンバーはそこまで考えているわけでもない」なんて言っているのを聞いたこともある。音楽がすべてを語っていると言えば、それまでなのだが。

 だが近年のモグワイの活動を見ればわかるように、彼らの音や行動の裏には確固たるステートメントが存在しているようだ。2014年にスコットランドのUKからの独立を問う国民投票が行われ、独立派のカルチャー・アイコンとしてキャンペーンの先陣を切っていたのは、何を隠そうこのヤング・チームである。投票が近づくなか、彼らはインタヴューに応え、同郷のミュージシャンたちとライヴまでも行った。投票の結果、反対票が過半数を上回りスコットランドは独立することができなかったのだが、ギター上のナショナル・フラッグが一度もなびかなかったわけではない。彼らのホームであり、スコットランド一の人口を持つグラスゴーでは独立賛成票が過半数を超えていた。あの日、彼らの音楽は人々の声になっていた。


Mogwai - Atomic
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 10年代も折り返した2016年、モグワイから強烈な1枚『アトミック』が届いた。ドキュメンタリー作家マーク・カズンズがイギリスの公共放送BBCのために作成した、広島の原爆投下以降の原子力と人間の関係を描いた作品『アトミック・リヴィング・イン・ドレッド・アンド・プロミス(Atomic Living in Dread and Promise)』のサウンドトラックをモグワイが担当し、その楽曲を発展させアルバムに仕上げた作品というだけあって、楽曲の内容もタイトルも、いままで以上にヘヴィーだ。ドキュメンタリーにはヒロシマだけではなく、フクシマも出てくる。つまり、モグワイの音はスコットランドから遠くに住むわれわれにとっても無関係ではないのだ。何度も繰り返し聴くのには適さないかもしれないが、聴かないでいることはためらわれるアルバムである。

 偶然にも米国オバマ大統領が広島を訪問した翌週、モグワイは『アトミック』を携え、広島を終着点とした日本ツアーを行った。取材に応じてくれたのは、チームのキーマンであるギターのスチュアート・ブレイスウェイトだ。彼らが考えてないって? まったくそんなことはなかった。原子力の特別な知識をいっさい使わず、「なんかおかしいよな」という素朴な疑問から編み出された彼のシンプルな言葉にはちゃんと切れ味がある。わからないことであっても閉口しないこと。2011年のあの日以来、列島の人々が学んだ教訓を彼の言葉から思い出す。六本木EXシアターの楽屋裏、スチュアートが口を開けば、そこはグラスゴーだった。

■MOGWAI / モグワイ
1995年にスチュアート(G)、ドミニク(B)、マーティン(Dr)、バリー(Vo,G, Key)によって結成されたグラスゴーの重鎮バンド。翌年、自身のレーベル〈ロック・アクション・レコード 〉 よりシングル「Tuner/Lower」でデビュー。数枚のシングルなどを経て、グラスゴーを代表するレーベル〈ケミカルアンダーグラウンド〉と契約、97年にデビュー・アルバム『モグワイ・ヤング・チーム』を発表する。以来、現在までに7枚のスタジオ・アルバムをリリース。フジロック'06でのトリや、メタモルフォーゼ'10の圧巻のステージその他、来日公演も語り草となっている。2015年10月、ベスト・アルバム『セントラル・ベルターズ』を発表。この4月には、広島への原爆投下70年にあわせて昨年放送されたBBCのドキュメンタリー番組『Atomic: Living In Dread and Promise』のサントラのリワーク集『アトミック』もリリースされた。5月には3都市をまわるジャパン・ツアーを開催し成功を収めている。

去年はまるまる『アトミック』の制作をしていたってことになる。

とうとう東京、大阪、そして広島を回る日本ツアーの開始ですね。けっこうスケジュールは詰まっているんですか?

スチュアート・ブレイスウェイト:いや、そうでもないな。今日は金曜日に日本に着いてから、伊豆に住んでいる友だちの家でゆっくりしていたよ。

すごく良いところじゃないですか(笑)。スチュアートさんはまだグラスゴーに住んでいるんですよね? バリー(・バーンズ)さんはドイツに住んでいるようですが、他のメンバーの方もグラスゴー在住ですか?

スチュアート:俺の住んでいる場所はあいかわらずグラスゴーのウエストエンドだよ(笑)。バリー以外はグラスゴー近郊に住んでいるけど、彼もグラスゴーに家を持っている、集まろうと思えば簡単に会える。

あなたが運営しているレーベル〈ロック・アクション(Rock Action)〉の調子はいかがですか? 

スチュアート:おかげさまで忙しくしているよ。2016年に入ってからもマグスター(Mugstar)とデ・ローザ(De Rosa)のアルバムを出したばかりだし、2015年もセイクレッド・ポーズ(Sacred Paws)やエラーズ(Erros)のアルバムを出せたしね。おっと、それから俺たちモグワイの新作も〈ロック・アクション〉からのリリースだ(笑)。グラスゴーのバンドが多い。リメンバー・リメンバー(Remember Remember)のグレアム(・ロナルド)は最近アメリカへ引っ越しちゃったんだけどな。

ではモグワイの新作『アトミック(Atomic)』について訊いていこうと思います。今作は2015年に放映されたBBCのドキュメンタリー番組(『Atomic Living in Dread and Promise』)のサウンドトラックのために作られたアルバムだとのことですが、制作にはどのくらいの時間がかかったのでしょうか?

スチュアート:最初にできた曲は“ファット・マン(Fat Man)”で最後にできたのは“イーサー(Ether)”だ。制作は2015年の春からはじまって、夏にサントラのためにレコーディングをして、秋にはアルバム用に作業をしていたね。だから去年はまるまる『アトミック』の制作をしていたってことになる。

たしかに、いままでの俺たちのやり方とはぜんぜん違うよな。ジョークを言う余地はなかった。

Mogwai / Ether

これまでのモグワイのインタヴューを読み返してみると、曲名やコンセプトにそこまでこだわっていないという趣旨の発言もされています。ですが、今回は「原子力」というとても明確なテーマがあり、曲名も“リトル・ボーイ(Little Boy)”や“ファット・マン(Fat Man)”といった、その黒い歴史を象徴するワードが多く、いままでのモグワイとはかなり対照的な作品だとも言えるでしょう。今回は制作にあたって、テーマに合わせて一から曲を作っていったのでしょうか?

スチュアート:まず「原子力」というテーマがあって、それに合わせて曲を作っていった感じだ。核技術、核爆弾、原発事故といったトピックがドキュメンタリーには登場するんだけど、それらに準じた事柄から名前がとられている。曲ができてから曲名をつけたんだけどね。たしかに、いままでの俺たちのやり方とはぜんぜん違うよな。ジョークを言う余地はなかった(笑)!

曲を作る段階でBBC側からあらかじめ映像や脚本を渡されていたのでしょうか? 

スチュアート:曲を作りはじめた初期段階から、監督のマーク・カズンズ(Mark Cousins)とは打ち合わせをしていて、そのときに映像に使用する予定の映像を見せてくれた。戦争や科学など、いろんな側面から核を捉えた映像だったね。ドキュメンタリーが完成する前だったから、そのときに見た映像の時系列はバラバラだったんだけど、着想を得るには十分だった。

映像制作陣から具体的な曲のディレクションはありましたか?

スチュアート:マークからディレクションがあったわけじゃなくて、基本的にバンドで自由に曲を作っているよ。もちろん映像に曲をフィットさせた部分もある。良いコラボレーションができたと思う。

広島を訪れる前から核兵器に反対していたけど、実際に平和記念公園へ行ってみたら自分は原爆についてほとんど何にも考えていなかったんだなって思わされたよ。

このアルバムの曲名には、一般的な日本人にはあまり馴染みのないものがあります。たとえば“U-235”は広島に投下された原爆に使用されたウランの同位体のことですが、恥ずかしながら僕はいままで知りませんでした。このサウンドトラックを作っている間、ご自分で原子力の歴史についてお調べになったのでしょうか?

スチュアート:ラッキーなことに、俺たちには化学者の友だちがいてさ。彼にも監督との打ち合わせに参加してもらって、そこで具体的な技術や核の歴史についても話してもらった。じつはその友だちに曲のタイトルをつけるのを手伝ってもらったんだよね(笑)。監督のマークにもテーマに関する助言をしていたよ。名前はアンディ・ブルー(Andy Blue)っていうんだけど、重要人物なのにアルバムにクレジットするのを忘れていたぜ(笑)! ははは!

アンディさんはモグワイのブレーンですね(笑)。一応事実確認なんですが、スチュアートさんはCND(注1)のメンバーなんですよね?

スチュアート:そうだよ。ドラムのマーティン(・ブロック)もメンバーだ。

メンバーになったきっかけを教えていただけますか?

スチュアート:俺はずっと核兵器には反対の立場をとってきた。10年くらい前にギグで広島へ行ったんだけど、そのときに平和記念公園にも行ってね。あれはでっかい体験で、その後にCNDのメンバーになることを決心した。  広島を訪れる前から核兵器に反対していたけど、実際に平和記念公園へ行ってみたら自分は原爆についてほとんど何にも考えていなかったんだなって思わされたよ。

スコットランドでは一般の人々は核兵器や原子力についてどのようなイメージを抱いているのでしょうか?

スチュアート:核は悪いものだって思っている人は多いと思うよ。とくにグラスゴーは近くに原子力施設があるから、核エネルギーに関して危機感を持っている人は一定数いる。それなのに政府は、「原発は雇用をつくっています」的ないい加減な情報を流しているんだよね。数千人規模の雇用を生み出しているって言っているくせに、実際に働いているのは数百人ってところだ。

原発の問題は原子力そのものだけではなくて、かなり複合的な問題だ。

日本でも同じようなことが起きていました。原発の安全神話が広告やメディアを通して世間に流布して、真実が見えにくくなっていった。原発産業の構造もいびつで、原発周辺住民にはお金を払っていたりしますね。住む場所によっても問題に対する意識が違ったりもします。

スチュアート:うんうん、そうだよな。原発の問題は原子力そのものだけではなくて、かなり複合的な問題だ。スコットランドには人口の少ない北部にも原子力施設があるんだけど、その地域の人々は違った考え方をしているかもしれない。

2011年の6月に、大量発生したクラゲが冷却装置に侵入したことが原因で、スコットランドのトーネス原発が停止しました。福島の原発事故の後だったので、日本でも反応している人が多かったですね。ちょうどその出来事の後、僕はグラスゴーにいて、それについて現地の人と話してみたんですけど、原発の停止を知らなかったり、「まぁ、事故が起きたわけじゃないだし」と言う人もいたりしました。原子力関連のニュースはあまり話題にならないんですか?

スチュアート:あの事件はよく覚えているよ。スコットランドのメディアはたいしたことないからなぁ(笑)。情報をかなり絞っているから、詳細がなかなか一般層に伝わっていないんだ。

まずはサン・ラーだろ。それからウィリアム・オニーバー(William Onyeabor)の“アトミック・ボム”。あとボブ・ディランの“戦争の親玉”だな。こういった曲を聴ききながら、原子力について考えるようになったのかもしれない。

スコットランドに限ったことじゃないですよ。ところで、日本には『ゴジラ』や『鉄腕アトム』など、原子力を背景に生まれた文化のアイコンがありますが、そういったものには馴染みはありますか?

スチュアート:『ゴジラ』は大好きだよ! あの作品に原子力と関連した背景があるとは考えて観ていたわけじゃないけど、たしかにその繋がりはかなり説得力があるね。

原子力について歌った曲で、何が真っ先に思い浮かびますか?

スチュアート:何曲か思い浮かぶな。まずはサン・ラーだろ。それからウィリアム・オニーバー(William Onyeabor)の“アトミック・ボム”。あとボブ・ディランの“戦争の親玉”だな。こういった曲を聴ききながら、原子力について考えるようになったのかもしれない。
 自分たちが曲を書いているときも、もちろん同じようなことを考えていた。でも同時期に作っていたすべての曲が、原子力に関する曲だったわけじゃない。自分がやっているもうひとつのグループのマイナー・ヴィクトリーズの曲を作っていたんだけど、その時は気持ちを切り替えて作っていた。自分が作る曲は、その時々でその裏にある伝えたいものは変わってくる。

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人間なんだからそれぞれの自分の考えを持っていて当然だし、俺たちがやることに対して反対意見があって当然だと思う。それでも俺は自分の意見を持つことが大事だと思うし、自分とは違った意見を持つ人々に対しても耳を傾けるべきだと思うし、そうすることに間違いなく価値があるんじゃないかな。

2011年の福島での原発事故のあと、日本では多くのミュージシャンたちが反原発を表明しました。彼らは賛同得た一方で、もちろんさまざまな批判にもあいました。今回、モグワイも原子力への考えを明確にしたわけですが、異なる立場の人々から自分たちが批判を受けるであろうことは予測していたと思います。なぜあなたたちは、そのようなリスキーな選択をする決心をしたのでしょうか?

スチュアート:人間なんだからそれぞれの自分の考えを持っていて当然だし、俺たちがやることに対して反対意見があって当然だと思う。それでも俺は自分の意見を持つことが大事だと思うし、自分とは違った意見を持つ人々に対しても耳を傾けるべきだと思うし、そうすることに間違いなく価値があるんじゃないかな。
 多少はリスキーなことかもしれないけど、今回のプロジェクトは素晴らしいものだってわかったから、自分たちの主張を前に出す決断をすることができた。原子力に関するステートメントだけではなく、俺たちのアティチュードや信条とも共鳴する部分がこのプロジェクトにはあったしね。
 もし自分たちが特定の意見??今回は原子力に関するもの??がなかったとしても、このプロジェクトを進めることができたかもしれない。俺たちの役割は曲を作ることだったからさ。このレコードにある政治的なテキストは監督のマークが考えたもので、俺たちはその考えを広める役割を担っただけだしな(笑)。でも音楽にだけではなく、さらには俺たちの考えにも耳を傾けてくれた人たちもいて嬉しかったよ。

原子力に関するバンドのなかでの意見はみんな一致しているのでしょうか?

スチュアート:もちろん。メンバー全員が同じ意見を100パーセント共有している。

偶然ですが、あなたたちが広島公演を行うのとほぼ同タイミングで、アメリカのオバマ大統領も広島を訪問するんですよね。

スチュアート:彼が訪問するなんて思いもよらなかったよな。日本の人たちがどの程度、普段から広島について考えているかわからないから、今回のオバマ大統領の訪問がどんな意味を持つのか、俺にはよくわからないんだけどね。モグワイがほぼ同じ時期に広島に来ることになるなんて、すごい偶然だよな。

本当に核兵器が必要なのかどうか疑問だし、核兵器を管理するお金を貧困層にまわせばいいのにと思う。なんかおかしいよな。

核軍縮を訴えたプラハ宣言が大きなきっかけとなり、2009年にオバマ大統領はノーベル平和賞を受賞しました。しかし、現段階でアメリカは核軍縮に向け具体的な努力をしているとは言えません。オバマ大統領に対して何か意見はありますか?

スチュアート:彼が核軍縮を訴える姿はかっこいいけどね(笑)。本当に核兵器が必要なのかどうか疑問だし、核兵器を管理するお金を貧困層にまわせばいいのにと思う。なんかおかしいよな。

このアルバムやドキュメンタリーのプロジェクトを通して、あなたたちが成し遂げたいこととは何でしょうか?

スチュアート:このアルバムやプロジェクトがどのような効果を及ぼすまでは俺にはわからない。でも、歴史を振り返ってみて、過去に起きたことを知るきっかけになればいいと思う。具体的に何が変わるかはわからないけど、多くの人々が、この原子力について考えるようになればそれでいいんだ。

スコットランドの独立を支持する意見のなかには、UK全体の政治のなかで、スコットランド票がまったく機能していないというものがある。つまりUKの政治にはスコットランドの声が届いていないということだ。


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それではスコットランドに関連する質問をさせてください。モグワイは2014年のスコットランド独立を問う国民投票に合わせて、独立賛成派として同じくスコットランド出身のフランツ・フェルディナンドらとともに、独立派を支援するキャンペーンを行っていましたが、投票の結果、賛成票が過半数に届かずスコットランドは独立することはできませんでした。現時点から振り返ってみて、あなたはスコットランドの独立をどのように捉えていますか?

スチュアート:いまだって俺はスコットランドの独立を支持しているし、そうするべきだと思っているよ。たしかに俺たちは国民投票前に独立派のキャンペーンにも関わっていたから、票を得られなかったのはけっこう辛い経験だったことは事実だ(笑)。でも機会があればまた俺たちは関わるだろう。

スコットランド人の学生やミュージシャンに独立について意見を聞いてみたのですが、リベラルな意見を持った人々も独立を支持していますよね。またイングランドの労働党のサポーターにも、スコットランドの独立を肯定的に捉えている人々がいます。ですが、周辺国や日本には、保守派や「クレイジーな右派」が独立支持の多くを占めていると思っている人が多い印象があるんですよ。

スチュアート:実際にはぜんぜん違うのにね。スコットランドの独立を支持する意見のなかには、UK全体の政治のなかで、スコットランド票がまったく機能していないというものがある。つまりUKの政治にはスコットランドの声が届いていないということだ。なぜスコットランドも構成国のひとつなのに、イングランド側が決めた方針で核兵器やイラク戦争に国の金が使われなきゃいけないんだ? 難民問題に対するUKの対応だってひどいよな。独立派のなかには、スコットランドが政治的に自由になって、よりリベラルで社会主義的な姿勢を国政に反映させることを望む声だってあったんだよ。クレイジーな戦争なんてうんざりだって意見もあった。いまは少し変わってしまった部分もあるけどね。そういった人々にとって、当時のSNP(注2)は良いオルタナティヴに見えた。

セルティックは60年代にヨーロピアン・カップで優勝したことがあるんだけど、そのセルティックとレスターが重なって見えてさ。

残念ながら、日本にはユナイテッド・キングダムがどういう仕組みになっているのか、スコットランドがどういう立場にいるのかを理解している人が多いとは言えません。モグワイがもし次に大きなプロジェクトに取り掛かるとしたら、スコットランドへの理解を深めるようなものがいいかもしれませんね。現に僕はあなたのギターに貼ってある、スコットランドの国旗のシールがきっかけになって、スコットランド人のアイデンティティについて考えるようになりましたから。

スチュアート:日本はスコットランドから遠いからなぁ(笑)。それはやってみる価値があるかも。国際的なサポートを集めるのは大事だよな(笑)。

最後に政治とはまったく関係のない、フットボールのトピックへ移りましょう。リーグは違いますが、今年イングランドのプレミアム・リーグでは地方の弱小チームだったレスターが優勝しました。あなたはグラスゴーのセルティックの熱心なファンだと知られています。レスターの優勝はあなたのセルティック愛へ何か影響を及ぼしましたか?

スチュアート:隣の国のことだけど、めちゃくちゃ良い話だと思ったよ。とてもインスパイアされた。セルティックは60年代にヨーロピアン・カップで優勝したことがあるんだけど、そのセルティックとレスターが重なって見えてさ。当時のセルティックはいまよりももっと規模が小さなチームだったんだけど、さらに大きなイタリアやスペイン、そしてイングランドのチームに勝利したわけだから。

去年、清水エスパルスという日本のJリーグのチームが下部のリーグへ降格してしまったんですが、エスパルス・ファンにもレスターは大きな希望を与えたみたいです。国際的にものすごく勇気を与える存在ってなかなかいないですよね。

スチュアート:うわぁー、それは残念だったね。いまもセルティックはヨーロッパのなかでは小さなチームだから、レスターの優勝にはすごく大きな希望をもらったよ(笑)。こんなに広い範囲でインスピレーションを与えるってすごいことだよな。

(注1)
CND(Campaign for Nuclear Disarmament)、核軍縮キャンペーン。1957年に設立された反核運動団体。

(注2)
SNP(Scottish National Party)、スコットランド国民党。スコットランドの地域政党で、UKからの分離・独立、親EUを主張する。2015年5月のUK総選挙で、 SNPは56議席を獲得し、保守党と労働等につぐ第三党になった。

 つい先日、yahooニュースでの原稿をまとめた『ヨーロッパ・コーリング』を岩波書店から発表したばかりのブレイディみかこだが、ブレグジットのインパクトがネットでニュースで騒がれている今日、彼女に休む時間はないだろう……なにしろ時間が進む速度は、あまりにも速すぎる。サッカーと同じだ。昔はブラジル型の遅攻が格好良かったが、いまでは速さがないと試合に勝てない。疲れるのは無理もない。
 そんな疲れる時代において、ブレイディみかこのコラムがその痛快さ、切実さをもっていまや多くの人に読まれていることは、同じ言葉を扱っている人間にとって実に勇気づけられることである。
 コラムニストは社会学者ではない、主語が「私」だ。ミュージシャンにも似て、「私」の目で世界を見る。その昔セックス・ピストルズに触発された彼女は、英国ブライトンで暮らしながら、きっといまでもセックス・ピストルズに触発され、彼女が好きな日本の文化(伊藤野枝、坂口安吾、えー、ほかにもいろいろ)を忘れることなく、同時にまた英国に同化することなく(イギリス在住日本人には、自分をイギリス白人だと勘違いしているが多い、アメリカにも)、しかし、日本ではあまり見ない、あまりに描かれてはいない、ある種の人たちに強い共感を寄せる。
 小さな政府が現れ、所得による階層分化がはじまったのは80年代だが、90年代にその流れは加速し、2000年代になってからはさらに深刻さを増している。いや、もうダムは決壊しているのだろう。我々の目の前で。ブレイディみかこは、まさにそのあり様=時代を捉えているわけだが、彼女が共感し、言葉にしているのことの多くは、新自由主義にひどい目にあっている人たち/抗っている人たちについてである。たとえるなら、ケン・ローチのようなアプローチでコラムを書いていると言えるだろう。
 
 さて、最高に格好いい装丁の『ヨーロッパ・コーリング』刊行に乗って、『アナキズム・イン・ザ・UK』も重版した。いま読み返しても、今回のブレグジット前夜の英国が描かれているし、彼女の洞察力やユーモアもさることながら、生きていくことの彼女の力強さには心が打たれる。音楽で言えばこちらはソウル・ミュージック。未読の方はこの機会にぜひ手にとって欲しい。


アナキズム・イン・ザ・UK
──壊れた英国とパンク保育士奮闘記──
ブレイディみかこ(著)

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Bim One Productions - ele-king

日本にいながらにして世界で活動することは、今日においてはさほど難しいことではなくなった。東京のビム・ワン・プロダクションズがそのなかで埋もれずに個性を発揮しているのは、楽曲制作の実力だけではなく、足を動かして海外に出向く行動力、そして誰と何をどうやるかを見極める鑑識眼も彼らに備わっているからだろう。ふたりの軌跡をたどってみれば、そこにはザ・バグことケヴィン・マーティンや彼が見出したイスラエル出身の新世代シンガーのミス・レッド、そしてグラスゴーのダブ帝国、マンゴズ・ハイファイなど優れたミュージシャンたちの姿がある。
国境を越えた相互のコミュニケーションから生み出された楽曲はレゲエ/ダブ、ひいてはベース・ミュージック全体で着実にサポーターを獲得してきた。今回リリースされるアルバムでは、独自の音楽ネットワークを通して、ビム・ワンのふたりが作ってきたリミックスや新曲が収録される。共同体とは何かが問われている現在、こうして移動と交流から作り出された音楽を聴くことができるのは嬉しいことだ。
発売は7月20日を予定。今回も数々のミュージシャンの名前がクレジットされ、解説はディスク・ショップ・ゼロの飯島直樹氏が担当している。

Easy Skanking ft. Sr.Wilson | Forthcoming Album - Crucial Works

Bim One Productionは東京をベースに活動するレゲエのリズムの進化を促すエレクトロニック・レゲエ・リズム・プロダクション。メンバーに東京オリジナル・ラガマフィン・グループRub-A- Dub Marketのサウンドの要であるe-muraと、DJ兼トラックメーカーである1TA a.k.a. DJ 1TA-RAWが在籍。「世界基準のサウンドシステム・ミュージック」をコンセプトにドスの効いたサウンドプロダクションを提供、国内のみならず海外のアーティストとのコラボレーション、Remixなど様々な形で作品を生産。2014年結成にて同年3月にはフランスのレゲエMC、Shanti Dとのコラボレーション曲が収録された「Gun Shot E.P.」を世界リリース。2015年行われたDry & Heavy Dubコンテストにて見事優勝、UKのBBC Radioでもデヴィット・ロディガンやトドラ・ティーなどがへヴィー・プレイし海を越えてスマッシュ・ヒットした「Don't Stop The Sound」など、勢いを増す新星レゲエ・クリエーター・チーム待望の作品集が『Crucial Works』だ。

(リリース情報)
アーティスト: Bim One Productions
アルバムタイトル: Crucial Works
レーベル: Bim One Productions / Riddim Chango
品番: BIMPCD-001
発売日: 7/20 (水)
定価: 2340yen(税抜)
解説:飯島直樹(Disc Shop Zero)
Track List:
1. Bim One Productions feat. Shanti D - Dubshot
2. Bim One Productions feat. Pablo Gad - Hard Times VIP
3. Natty King - System (Bim One Mix)
4. Bim One Productions feat.Junior Dread - No Cocaine
5. Bim One Productions feat.Macka B - Don't Stop The Sound
6. Pupa Jim - UFO (Bim One RMX)
7. Mungo's Hi-Fi feat. Mr.Williamz - Thousand Style (Bim One RMX)
8. Danny-T feat.Parly B - Dreader Than Dread (Bim One RMX)
9. Original One feat.Parly B - Mi Bredren (Bim One Mix)
10. Bim One Productions feat. Sr.Wilson - Easy Skanking
11. Mr.Williamz - Pull Over (Bim One RMX) - Pure Niceness
12. Bim One vs Dry & Heavy - Jam Rock (Respect Remix)
13. Bim One Productions feat. Sr.Willson - New Life
14. Mungo's Hi-Fi feat. Cornel Campbell - Jah Say Love (Bim One RMX)

Various Artists - ele-king

 アイスランドがイングランドに勝ったよ。ウェールズ(良いチーム!)の躍進も驚きだったが、これこそ大番狂わせだった。練習そのものが困難な雪と氷の国だ。そしてチャンネルを変えると、いかにも人の良さそうなオバマ大統領が、離脱に関してヒステリックになりすぎていると語っている。オバマ、広島まで来たもんな……。つーか、やっぱ温度差あるな。そこでぼくは思い出した。92年? 93年だったか、ジョン・メイジャー首相時代だったと思う。年は忘れた。が、その発言は忘れない。アレックス・パターソンに取材したときのこと、いまUK音楽は危機に瀕している……みたいなことを彼はいきなり言いだした。それはどういうことかと訊ねると、福祉予算がカットされ、これからミュージシャンは失業保険で生活できなくなる。これまでUK音楽が素晴らしい成果を残してきた背景には、バンドやってるフリーターも失業保険をもらえたからだと、そんな旨を彼は話しはじめたのだった。
 パンクに夢中だった70年代末、音楽誌でUKのパンク・ロッカーのインタヴューを読むと「失業保険」という単語がやたら出てくる。働いていない若者が金もらえるのか、日本でカッティングエッジなバンドをやって国から金もらっているなんて聞いたことがない、イギリスはやっぱ日本と違って福祉国家なんだなと、つくづくそう思った。そして、いくら「福祉予算がカットされる」と嘆かれても日本人には共感しようがなかった。そんな豊かな過去など聞いたことがないから。
 あくまでも個人的な経験に過ぎないが、もうひとつ思い出した言葉がある。イギリス人と結婚してロンドンに10年近くも住み続け、離婚して日本に帰ってきた友人の言葉だった。結局彼らはイギリス好きだしさーと彼女は言った。なるほど、とぼくは思った。バイクにスポーツ、音楽、ファッション、魅力的な文化をたくさん生んできた国、多少気候と景気が悪くても、そうそう嫌いにはなれないだろう。しかも福祉国家。右派リベラルと呼ばれうる人たち、気の良いイギリス好きのイギリス人、そのように括られる感情があるのもぜんぜんよくわかる。イギリス人であるピーター・バラカンさんの記事にもあったけど、昔のように……と思う高齢者が多いのは考えてみれば当然の話だ。

夜が永遠と等しく、朝は思い出しかないところに、いっしょに行こうという者はいないのか? サミュエル・R・ディレイニー『ノヴァ』(伊藤典男訳)

 アフロ・フューチャリズムと呼ばれるコンセプトがアメリカで生まれたのは必然である。アフロ・アメリカには心から寄り添うべき過去、懐かしむべき過去がないからだ。エイミー・ワインハウスとビヨンセとの決定的な違いはそのなかに横たわっている。1950年代の自分たちの祖先の暮らしを享楽的に振り返ることなどできない。テクノもジュークもドリルも、トラップもそうだ。日本の現代のヒップホップを聴けばわかるが、前を見るしかない。エレクトロニック・ミュージックがドイツやアメリカのアフロ・コミュニティでこそ拡大した理由もそこだ。EU離脱の日にリリースされたエイドリアン・シャーウッドの編集した〈ON-U〉のベスト盤は、アメリカに触発された時期の曲を集めたものである。
 疲れたときにはご機嫌なレゲエを聴くのがいちばんだが、このCDにあるのは緊張感だ。NYでシュガーヒルと出会い、エレクトロを吸収し、そしてインダストリアルと接触した時期のシャーウッドの手がけた音源が収録されている。リー・スクラッチ・ペリー、マーク・スチュワート、ミニストリー、KMFDM、アフリカン・ヘッド・チャージ、ダブ・シンジケート……、メタリックなダブ・ファンクで、好みが分かれるところだろうけれど、いまこの瞬間にはぴったりだ。まあ、楽してまとめれば新自由主義真っ直中で、ほかの文化と混合することを望んだ音楽の記録と言えよう。UKダブの果敢な冒険録である。
 トム・ヨークが再投票を呼びかけていると知って、最初はエリートっぽい上から態度だなーと思ったが、ひと晩寝て考えてみると、しかしそれはそれで捨て身の呼びかけにも思えてくる。新自由主義に対してのあれだけの批判者が、新自由主義にとって好都合な残留ということに躊躇無く必死になるということは、報道されている以上に複雑で深刻な状況があるのだろう。人は物事を単純化し、簡単に理解したがる。敵の敵は味方になり,事態は最悪になる。労働者階級の怒りが沸点に達したという報道もあった。しかしそれなら、あれだけ残留を主張していたUK音楽シーン(一部除く)をどう評価すればいいのかということだ。アレックス・パターソンが案じたように、福祉予算カットとともにクオリティも落ちたのか? 格差が生まれ,分断化されたことは事実だろう。24日、グラストンベリーのニュースを見ながら、若かったとはいえよくも行ったもんだよな、と思った。
 26日、スペイン総選挙では、ポデモス率いる左派連合が投票で敗れた。そのニュースとまるで交互に、英労働党ジェレミー・コービンの進退に関するニュースが流れている。そして27日、『ヨーロッパ・コーリング』を読んだ。いやー、なんというか、これではブレイディみかこさんも忙しいわけだよ。彼女はホント、タフな人だ。つーか、学者さんたち、がんばってください。オバマが言うように、インターネットはヒステリックなメディアだ。気をつけよう。足の引っ張り合いはよくない。ただ、知りたいことはたくさんある。アイスランドやウェールズが勝っているのは、技術ではなくチーム力ゆえだ。しかし、フランスとベルギーに勝つのは難しいだろうな。

R.I.P. Bernie Worrell - ele-king

 イギリスのEU離脱のニュースのかたわらで、アメリカでは、バーニー・ウォーレルが6月24日、72歳で永眠した。偉大なるキーボーディスト、ファンカデリック/パーラメントの主要メンバー、ファンクに華麗な光沢を与えたひとり、ホアン・アトキンスをして「真のゴッドファーザー・オブ・テクノ」と言わしめた人物である。
 デトロイトが他の街と違っているのは、Pファンク臭の強さだ。それはすなわち、政治性、社会性、ある種の知性だが、Pファンクの偉大さは、もちろんファンクであることで、庶民をバカにはしなかったこと、こいつら、バカ正直者で品性も欠いているんだけど悪いヤツらじゃないから……などという上から目線ではなく、むしろそんなヤツらの輪の中に入って、そして一緒に楽しみ、政治性、社会性、ある種の知性をばらまいたことだった。教会の神父がジョージ・クリントなら、横で鍵盤を弾いていたのがバーニー・ウォーレルだった。そして、彼はもっとも初期にMoogシンセサイザーを手にしたミュージシャンのひとりだった。Pファンクの宇宙船がスラム街に着陸したように、ウォーレルのシンセサイザーは、しかし、ヨーロッパの進んだ音楽とは少々無縁の、いなたい連中のために鳴ったのである。
 80年代、Pファンクでの活動に終止符が打たれると、彼はトーキング・ヘッズやPiLにも参加した。90年の『Funk Of Ages』をはじめ、多くのソロ・アルバムも発表している。フェラ・クティやモス・デフなど様々なアーティストの作品で演奏し、精力的な活動を続けていた。今年の1月に肺がんと診断され、静養中だったという。ご冥福を祈ります。

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『ele-king』のバックナンバーはもちろん(vol.5〜vol.18)、『テクノ・ディフィニティヴ』『ハウス・ディフィニティヴ』など人気のディスクガイド“definitive”シリーズ、「ジム・オルーク」号や「読書夜話」号も好評の『別冊ele-king』、まだまだ売れ続ける萩原健太さんの『70年代シティ・ポップ・クロニクル』やブレイディみかこさんの『アナキズム・イン・ザ・UK——壊れた英国とパンク保育士奮闘記』といったロングセラー名著、そして『赤塚不二夫 実験マンガ集』『きのこ漫画名作選』といった漫画作品に、TwiGyさんの自伝『十六小節』など話題の新刊書籍まで、ele-king booksも気づけば60冊超のカタログ数。

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 イーストヴィレッジにあるアザー・ミュージックは、私がNYで一番通ったレコード屋である。NYに引っ越す前から、NYに来たらまず最初に行く場所だったし、イースト・ヴィレッジに引っ越してきてからは毎日通った。ウィリアムスバーグに引っ越してからも、週に3日は通ったし、自分のレーベルや友だちのレコードなどを置かせてもらった。インディ・シーンにいる人たちにフレンドリーなレコード屋さんだった。スタッフもアニマル・コレクティブ、ジャー・ディヴィジョン、ヌード・ビーチなどのメンバーで、みんなバンドをやっている。
 

 2016年5月、アザー・ミュージック(https://www.othermusic.com)が6月に閉店するというニュースが流れた。アザー・ミュージックは、1995年にタワーレコードの向かいに、タワーにない「他の=other」ミュージックを扱うという名目でオープンした。
 2006年にタワーレコードがクローズした後も、アザー・ミュージックは、独自のインディ・セレクションで、世界中の音楽ファンに支えられていたのである。行くたびに、たくさんお客さんが居た。スタッフと長々雑談し、CDを片手に抱えきれないほど持っている人も珍しくなく、インストア・イヴェントとなるとじつにたくさん人が入った。いわば私たちの拠点だった。

 アザー・ミュージックの閉店日と同じ日6月25に、これまた老舗のNYのレコード屋、ウエスト・ヴィレッジのレベル・レベルも閉店した。レベル・レベルはUKの輸入盤が多いレコード屋で、ディヴィッド・ボウイの曲から店名をとっている。28年の歴史に幕を下ろす原因は、NYのとんでもない家賃の値上がりである。

 2016年という年は、もう何が起こってもおかしくない気もするが、このニュースは、音楽業界の変化、個人店経営、消費者のお金の使い方を、現実的に受け止める良い機会となった。コアなファンの貢献だけでは、個人経営店のNYの家賃は賄えないのだろう。
 同じことがNYのDIY音楽会場にも言える。シークレット・プロジェクト・ロボット、アクロン、グランド・ヴィクトリー、そしてパリセイドまでが閉店、もしくは引っ越しを迫られている。もちろん、何処かでパーティは引き継がれるのだけど。

 自分のレーベル、コンタクト・レコーズの一番最初のコンピレーションにアザー・ミュージックのミラーをジャケットに使わせて貰ったなー(1998年)、と思いを馳せながら、かくいう本人も、15年住んでいるウィリアムスバーグのアパートメントを今月末に追い出される。気がつけば周りはコンド(※新築マンション)だらけ、ヒップな近所になったが、もうここは、アーティストや個人店には厳しい。リーズナブルな家賃を求めて、もっと東、北、南へ動くしかないのだ。ああ、NY。

https://www.othermusic.com

https://www.recordstoreday.com/Venue/5664

https://www.brooklynvegan.com/other-music-closed-for-good-rebel-rebel-too

interview with Tim Hecker - ele-king


Tim Hecker
Love Streams

4AD / ホステス

ElectronicaAmbient

Tower HMV Amazon

なんとジョン・カサヴェテスだという。そう、アルバム・タイトルのことである。詳しくは本インタビューを読んでいただきたいが、いわれてみれば『ラブ・ストリームス』だから、そのままである。しかし私は迂闊にも〈4AD〉からリリースされたばかりのティム・ヘッカー最新作のアルバム・タイトルと、ジョン・カサヴェテス、晩年の傑作がまったく結びつかなかった。本当に迂闊であった。いや、しかし、どう聴いても、どう考えても、いっけん関係がないではないか(言い訳)。

 だが、ある。この異質にして、まったく関係のないもの、それらが、ごく曖昧に、しかし奇妙な必然性を伴いつつ融解するように共存していくさまは、まさにティム・ヘッカーのアンビエント/ドローンそのものともいえる。むろん、私が愚かも指摘してしまったように、「ジョン・コルトレーンの『ア・ラブ・シュプリーム』(『至上の愛』)と「ジョン」繋がりの洒落かもしれないが、いずれにせよ一筋縄ではない。
もしかすると、ティム・ヘッカーの音楽にはシュールレアリスム的な壮大な「無意味さ」が横たわっているのではないか、そう感じてしまうほどに彼の回答は魅力的なはぐらかしやユーモアに満ちていた。同時に「声」と「ハーモニー」の存在の重要さについて語る彼は、やはり「全身音楽家」でもあった。この魅力的な二面性こそが、「ティム・ヘッカー」そのものなのだろう。

 ともあれ、はぐらかしと誠実さが入り混じった彼の言葉は、シンプルな返答ながら滅法おもしろいのだ。「ホワイトネオン」「麻、白い馬のサウンド」「殺風景な崖の端っこ」などと、この最高傑作をサラリと魅力的に表現するかと思えば、一方では自身を「教会音楽が滅びるのを阻止しようとしている寄生性のエイリアンみたいな存在」とまで語るティム・ヘッカー。なんとも魅力的な人物ではないか。

 本インタビューの奇妙にしてイマジネティブな言葉たちから、あなたは何をイメージするだろうか? 私にとっても、そしてたぶん、あなたにとっても待望のティム・ヘッカー・インタビュー、ついに公開。アンビエント・ファンならずとも熟読してほしい。

■Tim Hecker / ティム・ヘッカー
カナダ、バンクーバー出身。1998年にモントリオールのコンコルディア大学に入学。卒業後は音楽業界から離れ、カナダ政府で政治アナリストとして就職。2006年にマギル大学で都市騒音のリサーチをはじめ、同大学において「音の文化」に関しての専門家として講義を行った。 テクノに興味を持ちはじめたものの、趣味の範囲に収まっていた音楽活動を本格化させ、2001年にデビュー作『ハウント・ミー、ハウント・ミー、ドゥ・イット・アゲイン』を発表。2011年にワンオートリックス・ポイント・ネヴァーことダニエル・ロパティンとともに『インストゥルメンタル・ツアリスト』を発表。2013年に9作め『ヴァージンズ』を発表。本年2016年、10作めとなるアルバム『ラヴ・ストリームズ』をUKの〈4AD〉からリリースする。

今回のアルバムをつくったときのクエスチョンは“ホワイトネオン、麻、白い馬のサウンドにアプローチした、穏やかではない仰々しいアルバムをどうやったら作ることができるか”だった。

前作『ヴァージンズ』から3年を経ての待望の新作ですが、この3年のあいだに、あなたの音楽やサウンドに対する意識の変化はありましたか?

TH:アルバムごとにアプローチは変化していると思う。前回のアルバムでは、“初期のスティーヴ・ライヒの作品が流れているスピーカーをワイルドな犬の集団が襲ったらどうなるか”というアイディアからスタートしたんだ。そして今回のアルバムをつくったときのクエスチョンは“ホワイトネオン、麻、白い馬のサウンドにアプローチした、穏やかではない仰々しいアルバムをどうやったら作ることができるか”だった。……つまり、ぜんぜん違うサウンド、テクニック、そして楽器を使うということさ。おもに声だね。

今回は『ハーモニー・イン・ウルトラヴァイオレット』(2006)以来、アルバムをリリースされてきた〈クランキー〉から離れ、〈4AD〉からの最初のリリースになったわけですが、ヘッカーさんにとって〈4AD〉というレーベルは、どのような意味を持つレーベルなのでしょうか?

TH:〈クランキー〉と同じくらい、すごく大きな存在だよ。深い歴史のあるレーベルだし、リリース作品の内容も経営法もいまだに素晴らしいと思う。

本作はモントリオールやロスアンゼルスでレコーディングされたとのことですが、レコーディングには、どれくらいの時間がかかりましたか?

TH:いろいろな場所でバラバラにレコーディングしたから、だいたい1年半くらいかかった。もちろん、1年半ずっとレコーディングしていたわけではないよ!

僕は“アンビエント/ドローン”といったものに楯つく音楽を作ろうとしているし、もしそういった典型的なスタイルに近づいてきてしまったとしたら、それは失敗を意味するのかもしれない。

素晴らしく美しい“ミュージック・オブ・ジ・エア”、曲名からして象徴的な“ヴォイス・クラック(Voice Crack)”、さらには“ヴァイオレット・モニュメンタル・Ⅰ”などに代表されるように、今回のアルバムには「声」の要素が大胆に、かつ分断的に導入されており驚きました。アンビエント/ドローンな音楽性(もちろん、それだけに留まらない音楽性であるのは十分に承知していますが)であるあなたの作風に、「声」を導入した意味について教えてください。

TH:そう。僕は“アンビエント/ドローン”といったものに楯つく音楽を作ろうとしているし、もしそういった典型的なスタイルに近づいてきてしまったとしたら、それは失敗を意味するのかもしれない。声を取り入れたかったのは、チャレンジでもあったし、趣があって、満たされていて、かつ美学的にも魅力的だと思ったからさ。

さらに、アルバム全体においてハーモニーやメロディがより明確になり、同時にさらにエモーショナルになっているように聴こえました。あなたにとってメロディやハーモニーとは、音楽にどのようなものをもたらすものですか?

TH:なんだろう。自分の作品は、基本的にハーモニーやメロディがけっこうモチーフになっていると思う。少なくとも、僕自身はそう思うね。作品の碇のような存在で、それを中心に自分の作品が出来上がっていると思う。でももちろん、今回の作品ではそれがもっと明白だし、率直だと思うね。それは、自分が意識したことでもあるんだ。

そのような「声」と「ハーモニー」の大胆にして繊細なコンポジションによって、本作におけるどの楽曲も、まるで21世紀の教会音楽、賛美歌のような崇高さを感じました。あなたにとって教会音楽は、どのような意味を持つのでしょうか? また、ご自身が西洋音楽の末裔にいるという意識はありますか?

TH:そういった音楽の末裔だという意識はないね。僕は、宗教音楽を提供する現代人というよりは、教会音楽が滅びるのを阻止しようとしている寄生性のエイリアンみたいな存在なんだ。崇高なものにはもちろん心を奪われるときもあるけど、それよりも「画家が絵を分析、検査するようなアプローチVSそういった絵画の内容を実際に信じてプロモーションすること」という面が強いと思う。それが意味をなせばの話しだけどね。

僕は、宗教音楽を提供する現代人というよりは、教会音楽が滅びるのを阻止しようとしている寄生性のエイリアンみたいな存在なんだ。

同時に、たとえば1曲め“オブシディアン・カウンターポイント(Obsidian Counterpoint)”の冒頭のシンセのミニマルなシーケンス・フレーズなどに、どこかテリー・ライリーなど60年代のミニマル・ミュージック的なものも感じました。本作に60年代のミニマル・ミュージックの影響はありますか?

TH:過去の作品に比べると、この作品ではそういった音楽の影響は少ないと思う。でも、そういった作品からの愛はつねに持っているし、これからも持ち続けると思うよ。

どこかジョン・コルトレーンのアルバムを思わせる印象的なアルバム・タイトルですが、このタイトルを付けた意味を教えてください。

TH:おもしろいことに、このアルバム・タイトルは、もう一人のジョン・C、ジョン・カサヴェテスの1980年代初期の映画(『ラヴ・ストリームス』1984年)を参照しているんだ。

前作に続き、カラ・リズ・カバーデール(Kara-Lis Coverdale)がキーボードで参加されていますが、本作における彼女の貢献度を教えてください。

TH:彼女は、制作のはじめの段階のセッションで何度かパフォーマンスしてくれたんだ。

同じく、ベン・フロストも参加されていますね。彼はあなたのサウンドに、どのような変化をもたらすアーティスト/エンジニアなのでしょうか?

TH:彼は僕の友人。しっかりとした強い意見を持っていながらも繊細な人間で、すごく深い技術の知識を持っている。彼はコラボレーターというよりも、相談役のような存在なんだよ。

ヨハン・ヨハンソンがコーラル・アレンジメントで参加されています。彼に何か具体的なディレクションを出しましたか?

TH:最初の頃にできたものを彼にいくつか送って、それに合唱のアレンジを書いてくれと頼んだ。それから8人のアンサンブルといっしょにアイスランドでそのセッションをレコーディングしたんだ。

現代社会を称賛しながら、殺風景な崖の端っこや隙間でダンスしているような作品だと思う。

曲名に、ヴァイオレットやブルー、ブラックなどの色彩をイメージさせる言葉が入っており、アルバムのアートワークも色彩豊かで、前作のモノクロームな色合いとは対照的でした。サウンドにもどこか「色」を感じるような気がしました。本作に(もしくは、あなたの音楽に)おける「色彩」とは、どのような意味を持つものでしょうか?

TH:たしかにそうだね。僕自身は、ヴィヴィッドでありながらも地味なものを求めていた。グレースケールVSハイパーカラーで作業することが多いけど、その2つのアプローチを対比するおもしろいものを発見しつつあるんだ。僕にとっての音楽制作において、色というものは、アイディアを考えるという段階ですごく大切な役割を果たすものだね。

“ブラック・フェイズ”のMVなどをみると、現代社会に警告的な作品なのでは? とも思いました。本作は、現在世界の不穏さを反映しているのでしょうか?

TH:現代社会を称賛しながら、殺風景な崖の端っこや隙間でダンスしているような作品だと思う。

音楽にかぎらず、本作を制作するに当たって影響を受けたものを教えてください。

TH:本当にさまざまなものから影響を受けていて、それが一つにまとまっているんだ。布だったり、音楽の論題だったり、ネオン、友人、コラボレーターたち……いろいろだよ。

最後に現在進行形のプロジェクトなど、差し支えつかえない範囲で教えていただけますか?

TH:いまはアルバム制作からは離れて休みをとっているところなんだ。でも、日本の雅楽の同調システムに関して調べていて、たったいまも、このインタヴューに答えながらそれをやっているところだよ!

 ──『ガーディアン』のライター/『The Wire』誌エディターの著者が膨大な資料と取材のすえに書き下ろしたクラウトロック評伝の最高作、ついに翻訳刊行!

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 第二次世界大戦後、西ドイツはショック状態にあった。直近の歴史から遠ざかり、他のヨーロッパ諸国から取り残されていたからだ。しかしこの孤立した風景は、60年代にクラウトロックとして知られることになる、実験的でさまざまなサウンドを育んだミュージシャンたちの世代にとって、肥沃な大地であることが判明した。

 東洋の神秘主義、シュトックハウゼンの破砕した古典主義、工業の空圧反復やラインラントの深い森、終わりの見えないアウトバーン。アングロアメリカン的なジャズ/ブルースの伝統を避けつつ、ドイツは他の場所にインスピレーションを見出した。

 ファウスト、ノイ!、クラスター、アシュ・ラ・テンペル、アモン・デュールⅡ、カン、クラフトワーク──これらのグループが持つ瞑想的かつ膨張的な作曲法が、西洋のポピュラー音楽にもたらした影響は計り知れない。彼らが重要視されたのは、ポストパンクからエレクトロニカ、アンビエントに至るムーヴメントの発展においてだけではない。デヴィッド・ボウイ、トーキング・ヘッズやプライマル・スクリームなど多様なアーティストたちとって、それらのグループは直接的なインスピレーションを与えてきた。

 『フューチャー・デイズ』は黙想にふけり、ときに抽象的、そして、しばしとても美しくもある音楽と、それを成し遂げたグループについての仔細な研究であり、彼らを形作った社会と政治の文脈にも光を当てている。今日の音楽のどれだけ多くの部分がここで誕生したのかを理解し、大きな影響力を持つ先駆的なアーティストの財産を発見したい者にとっての必読書である。

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 デヴィッド・スタッブスはカン、ファウスト、ノイ!やクラフトワークといったレジェンドたちを、第二次世界大戦後のドイツにおける政治と文化という、その歴史歴的文脈へとたくみに位置づける。しかしより重要なことに、彼の散文における陽気さや、その想像力の及ぶ輝かしい壮大さは、時代と場所を超越する音楽をあますところなく伝える。心眼にうったえる比類なきくらくらするような驚きの連続、絶対的な自由と規律が共存したサウンド、パンクの大襲撃に対する歓喜に満ちた大いなる「イエス(賛同)」。これらを何世代にもわたるファンたちがクラウトロックのうちに発見するのだ ──サイモン・レイノルズ

 世のなかにはいろんなタイプのダンスミュージックが存在するが、ハウスとテクノの区別が難しく感じられることはないだろうか。その主な理由は楽曲の構造とBPMが近い関係にあるからだろう。とりわけ、素材を削ぎ落としたミニマルなトラックになってくると、表面的な違いが少なくなり、トラックの芯となるグルーヴの違いが楽曲の印象を大きく左右することになる。さらに言えば、ひとつのジャンル内にも多様なグルーヴが存在する。
 そうした違いごとに名前をつけてカテゴリー化する行為に意味があるかどうかは、ここでは置いておくとして、グルーヴの違いを意識し、その違いが何なのかについて考えてみることは、DJセットのような、ある程度の時間にわたってダンス・ミュージックを紡いでいく作業において、その指針となる有意義な視点を与えることにつながると思う。そうした視点がなければ、変化に乏しい、平坦なパフォーマンスに陥ってしまう可能性があるからだ。
 そしてDJというのは面白いもので、単体で聞くと全く異なるグルーヴの楽曲同士でも、そこへミックスという人為的要素が加わることで、まったく違う印象のグルーヴへと変化させて混ぜ合わせることができる。今回ここに挙げた5曲も、どこかのカテゴリーへ綺麗に収まる類のトラックではないが、ミックス次第で様々なセットの一部として組み込むことが可能だ。


Bruce - Summers Gotta End Sometime | Idle Hands

吹き抜けるような爽やかなパッドときらびやかな電子音が漂う中、低音の塊が鼓動するキックレス・トラック。ウワモノが折り重ねられることで陶酔感が増していく。キックが使われていないので、様々なビートの楽曲と組み合わせが可能。

Burnt Friedman - Masque | Risque

素材を削ぎ落として楽曲のムードを浮き彫りにしたものがダブだとするならば、必要最小限の素材だけを残してグルーヴを浮き彫りにしたのがこのトラックだ。変拍子のためロングミックスには向かないが、ミックス心をくすぐられる。

Leif - Moment Beat | Galdoors

ハーフのキックとベースラインによるタメの効いたリズムはハウスと相性がいい。マリンバ系のサウンドと低域のコントラストが心地いい。中盤になると『ワイルド・スタイル』でおなじみの(https://www.youtube.com/watch?v=l0ZAnUN9U_A)ヒップホップ・クラシックを思わせるビートが挿入される。

J.A.K.A.M. - Guidance | Malka Tuti

トライバルなビートにバグパイプ(?)とヴォイス・サンプルが投入されるJ.A.K.A.M.らしさ溢れるトライバル・トラック。底部で起伏するシンセベースにより、独特の印象を持つグルーヴが生まれている。

Tom Ellis - Tarantism (In Modo Di)

リード・シンセの奏でる泣きのメロディラインが気だるくエレガントな魅力を放つ極上チューン。少し枯れたムードはダンスフロアに至福の酩酊をもたらしてくれそう。こちらもハウスとの相性が◎。

https://www.juno.co.uk/products/tom-ellis-modo-01/603608-01/
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