「Lea Lea」と一致するもの

satohyoh - ele-king

 ちょっとせつなくて、でもやさしくて、あたたかい音楽……。サンクラで展開中の「音メモ」シリーズで話題を集めた秋田の音楽家、サトウヨウが3月11日にセカンド・アルバムをリリースする。2017年に〈PROGRESSIVE FOrM〉から発表されたファースト『inacagraphy+』に続くフルレングスで、ピアノをはじめとするアコースティック楽器とサンプルを組み合わせた、イメージ喚起力の高い情緒的なトラックが並んでいる。なお明日3月4日から OTOTOY にてハイレゾ(24khz/48bit)での先行配信がスタート。もうすぐ春、ですね。

発売日: 2020年3月11日(水曜日)
アーティスト: satohyoh (サトウヨウ)
タイトル: feel like, feel right (フィールライクフィールライト)
発売元: PROGRESSIVE FOrM
販売元: ULTRA-VYBE, INC.
規格番号: PFCD96
価格(CD): 税抜本体価格¥2,200
収録曲数: 15曲
JAN: 4526180513858

◆Tracklisting

01. same old tomorrow's glow
02. 天気雨
03. toro
04. astraea
05. rain is always looking for clouds
06. bange feat. kota okuyama
07. alphabetagammadelta
08. ongoing
09. rufous scene
10. ランプを灯せば
11. little sense monologue
12. break in the parking
13. reprize
14. ただ広い暗闇、欠伸をした信号機
15. the hot-air balloon floating in the chilly sky

M2/4/10/14 vocal by airi hashimoto

◆【feel like, feel right】紹介文

時に優しく、時にせつなく、美しい調べがこだまする。
秋田県在住、風景の音にアコースティックな音を添えサンプリング等の手法を交えて公開する「音メモ」シリーズで SoundCloud を通じて海外でも多くのファンを獲得してきた satohyoh、2017年4月にリリースした初流通作品となる 1st アルバム『inacagraphy+』より約2年、音楽的な成熟度もぐっと増した satohyoh 待望の2ndアルバムが完成!

《好きと感じること、正しいと感じること。角度が変われば「正しさ」は変わる。誰かに教えたり、誰かを支えるとき、「正しさ」に迷う。「好きと感じること」を教える、「好きという気持ち」で支える。自ずと「正しさ」に繋がる。》として名付けられた『feel like, feel right』では、ピアノ、ギターやアコースティック楽器の音を中心に、味わい深いサンプルや豊かな景色の音を混ぜ合わせることで、田舎の景色や情緒溢れる日本の原風景に寄り添ったかのようなオリジナリティー溢れるサウンドが展開されている。

叙情的なピアノが導くM1 “same old tomorrow's glow” M15 “the hot-air balloon floating in the chilly sky”、リラックスさが心地良いM3 “toro” M8 “ongoing”、音楽制作仲間である kota okuyama がギターとコーラスで参加したM6 “bange”、ジャジーなアプローチが気持ち良いM7 “alphabetagammadelta”、鍵盤と弦により奏でられるどこまでも美しいM9 “rufous scene” とハーモニカがノスタルジーを広げるM12 “break in the parking” をはじめ聴き所が詰まったアルバムだが特筆すべきは 1st 同様に参加している橋本愛里のボーカル曲であろう。

2010年にデビュー~HMVのキャンペーン「NEXT ROCK ON」で最優秀ルーキーに選出~ガールズバンド「スパンクル」のボーカルであった、わらべ歌と考古学を学んだボーカリスト橋本愛里が歌うM2/4/10/14の4曲では、彼女の透明感ある声を生かした satohyoh のソングライターとしての才能を感じる事が出来、本作の魅力をより一層高みへと導いている。

◆プロフィール satohyoh

秋田出身、在住、ピアノやアコースティック楽器などを中心に風景に根ざしたサウンドを奏でるアーティスト。
2010年、ロックバンド「サキノハカ」とスプリットシングルを制作。
同年、「ukishizumi」名義で OMAGATOKI 制作のジョン・レノン・トリビュートアルバム『#9 DREAM』に参加。
2011年、インディーズレーベル〈clear〉の東日本大震災チャリティー配信アルバム『one for all, all for one』に参加。
2013年、インディーズレーベル〈T RUST OVER 30 recordigs〉の『Free Compilation Vol.1』に参加。
その後故郷秋田へ戻り、satohyoh 名義にて風景の音にアコースティックな楽器を添えた「音メモ」シリーズを公開、soundcloud を通じて海外でもファンを獲得する。
2015年、エフエム秋田30周年コンピレーションに参加。
2017年1月、初の iTunes 配信限定版「inacagraphy2」を発表、まったくの無名、ノープロモーションながら、iTunes インストゥルメンタル部門で最高位4位となる。
2017年4月、初の全国流通版となるデビュー・アルバム『inacagraphy+』を〈PROGRESSIVE FOrM〉よりリリースする。
2017年、秋田県潟上市で開催されたアート展「オジフェス2017 つきぬける」に楽曲提供。
ウェブマガジン「なんも大学」の映像企画「Discover Akita」(石孫本店、永楽食堂、五城目朝市、鳥海山日立舞、じゅんさい)に楽曲提供。
2018年、秋田県鹿角市、社会福祉法人 愛生会の事業紹介映像、並びに制作ラジオ番組に楽曲提供。
秋田県仙北市で開催されたグループ展「ひらふくひらく」内、高橋希・写真展に楽曲提供。
そして2020年3月、約3年振りとなる 2nd フルアルバム『feel like, feel right』をリリースする。

Squarepusher 9 Essential Albums - ele-king

 もう25年ものキャリアがあって、メイン名義の〈Squarepusher〉のスタジオ作だけでも15枚というアルバムをリリースしているトム・ジェンキンソン。初来日した頃はまだ22歳とかだったので、よくぞここまでいろんな挑戦をしながら自分をアップデートし続けてきたものだと感心する。段々と自分ならではの表現を確立していったミュージシャンならともかく、彼の場合は特に最初のインパクトがものすごかったわけで、正直こんなに長い間最前線で活躍しつづけるとは、当時は予測できなかった。改めて古いものから彼の作品を並べ、順番に聴いてみると、想像以上にあっちゃこっちゃ行きまくって、それでも芯はぶれない彼のアーティストとしての強靱さ、発想のコアみたいなものが見えてくるようだ。
 ここでは、今年1月にリリースされた最新アルバム『Be Up A Hello』に到るまでの重要作9枚を振り返りつつ、スクエアプッシャーという稀代のアーティストのユニークさをいま一度噛みしめてみたい。


Feed Me Weird Things
Rephlex (1996)

 いまでも、〈Warp〉からの「Port Rhombus EP」がどかんと東京の街に紫の爆弾を落とした日のことはよく覚えている。CISCO とか WAVE の棚は全部それに占拠され、“Problem Child” の殺人的にファンキーな高速ブレークビーツと、うねりまくるフレットレス・ベースの奏でる自由奔放なベース・ラインがあまりに新鮮でずっと繰り返し店でも流されていた。そして、実は〈Rephlex〉からコイツのアルバムが出てるぞっていうことで皆がこのデビュー作に飛びついたのだった。当時はそんなに意識しなかったが、本作は〈Rephlex〉にしては随分とアダルトな雰囲気がある。冒頭の “Squarepusher Theme” にしても方法論としてはその後一気に知れ渡る彼の十八番ではあるものの、ギターのカッティングから始まり、ジャジーでどちらかというと生っぽくレイドバックした響きをもったこの曲は、既にトム・ジェンキンソンの幅広い趣味を示唆している。次に非常にメランコリックで、時折打ち鳴らされるブレークビーツ以外はチルウェイヴかというような “Tundra”、さらにレゲエ/ダブに倍速のブレークビーツを合体させたレイヴ・スタイルをジャズ的なリズム解釈で徹底的にこじらせたような “The Swifty” が続くという冒頭の展開がダントツにおもしろいが、内省的で墓場から響いてくるような “Goodnight Jade” “UFO's Over Leytonstone” といった後半の曲も魅力的。


Hard Normal Daddy
Warp (1997)

 そして〈Warp〉から満を持してリリースされたのが、この2作目。ダークな装いだった前作に比べると随分とメロディックになって、明るく飄々とした印象で、トム・ジェンキンソン自身のキャラクターがよりサウンドに解放されたのかなとも思う。勝手な印象論だけど、こういうジョーク混じりみたいなノリは〈Rephlex〉が得意で、むしろデビュー作のような叙情性と実験性をうまい具合に配合したようなのは〈Warp〉かなというイメージがあって、当時はちょっと意外に感じた。ただ、カマシ・ワシントンがこれだけ持て囃されるような現代ならともかく、90年代後半にファーストの路線をさらに深化させていくのは得策じゃなかったろう。で、これを出した直後くらいに来日も果たし、ステージでひとりベース弾きまくる、作品よりさらにはっちゃけた印象のトムは、より大きな人気を獲得していくのであった。


Big Loada
Warp (1997)

 レイヴにもよく遊びに行っていたし、〈Warp〉に所属することになったきっかけは(初期) LFO だというトムの享楽的側面やシンプルなダンス・ミュージックの悦びが溢れた初期の重要なミニ・アルバム。クリス・カニンガムが監督した近未来ホラー的なMVが有名なリード・トラック “Come On My Selector” が、チョップと変調を施しまくったサイバー・ジャングルちっくでいま聴いても奔放なかっこよさを誇るのはもちろん、ペリー&キングスレイ的なお花畑エレクトリカル・アンサンブル+ドリルン・ベースな “A Journey to Reedham” も素晴らしい。余談だが、トレント・レズナーの〈Nothing〉からリリースされたアメリカ盤では、「Port Rhombus EP」や「Vic Acid」から選ばれた曲も追加収録されているので、かなりお得な入門盤だった。


Music Is Rotted One Note
Warp (1998)

 そして意表を突くように生演奏をベースにした、ほぼフリー・ジャズなアルバムをリリースしたスクエアプッシャー。どうも初期のトレードマーク的スタイルは『Big Loada』でやり尽くしてしまったから、まったく違うことに挑戦したくなったという経緯らしい。それにしても、全楽器を自分で演奏し、しかもあらかじめ曲を作らずドラムから順に即興演奏して録音していくなんて、アイデアを思いついても実際にやろうとするだろうか。まぁそれを実現できる演奏力や曲のイメージが勝手に湧くという自信があったんだろうけど。デビュー作でちらちらと見せていたアダルトでエクスペリメンタルな側面が一気に爆発したこのアルバム、近寄りがたいところもあり、一番好きな作品だというスクエアプッシャー・ファンはほぼいないだろうが、本作があったからこそ、その後の彼の活動もさらに広がりや説得力を持ちえたのだ。ちなみに、ジャケを飾る妙なオブジェはトム手作りのリヴァーヴ・マシンで、ジャケのデザインも自分で発案したそう。


Selection Sixteen
Warp (1999)

 トムには Ceephax Acid Crew として活躍する弟アンディーがいる(本作にもボーナス曲のリミキサーとして参加)。その弟からの影響、もしくは彼らがレイヴァーだった時代から強く持っているアシッドへの憧憬をさまざまなカタチでアウトプットした意欲的な盤。前作からの流れを引きずっているようなジャズ風味の強いトラックや、“Mind Rubbers” のようにドリルン・ベースが復活したような曲もあるが、全体的にはビキビキと鳴るアナログ・シンセのベース音が主役を張っている。これ以前にも酸味を出したトラックはときたま作っていたものの、ジャコ・パストリアスばりの超技巧ベース奏者という売り文句で世に出たアーティストが、わざわざそれをかき消すようなアシッド・ベースだらけの作品を作ってしまうとは……。テクノのBPMでめっちゃファンキーなブレークビーツ・アシッドを響かせる “Dedicated Loop” が、Da Damn Phreak Noize Phunk 名義の Hardfloor を彷彿させるドープさ。


Go Plastic
Warp (2001)

 全編生演奏だった『Music Is Rotted One Note』に “Don’t Go Plastic” という曲があって、日本語でも「プラスチッキー」と言うと安物、(金属に見せかけたような)粗悪品的なものを指すが、この場合は作り物(シンセ音楽)からの離脱を意図していたと思う。それがここに来て宗旨変え、「作り物がいいじゃん!」という宣言だ。時は2001年、エレクトロニカが大きな潮流となっていく少し前。スタジオの機材を一新したスクエアプッシャーは、コンピュータで細かくエディットしてトラックを弄っていくDAW的な手法ではなく、データを緻密にシーケンサーに打ち込むことでこのマッドな高速ブレークビーツを生み出した。ジャズ/フュージョンやエレクトロニック・ミュージックに惹かれたのは、サウンドに存在する暴力性だと語っていたトムが、その本性を露わにしたアルバムだ。全体を貫くダークで偏執的なまでのミュータントDnBは踊ることはもちろん、アタマで考えることや感じることも拒否するような局面があり、激しい電気ショックを浴びる感覚に近いかも。ただ、最初と最後にレゲエ~ダブを解体した比較的とっつきやすい曲をもってくる辺りに、トムの優しさも垣間見える。


Ultravisitor
Warp (2003)

 Joy Division の “Love Will Tear Us Apart” のカヴァーと、フジロックでのライヴ(海賊盤かというくらい音が悪いのが残念)を収録したボーナス・ディスクが話題になった『Do You Know Squarepusher』を経て、03年にリリースされた傑作との呼び声高い心機一転作。極端に言うと、これまでのスクエアプッシャーが試みてきた様々な要素/手法をすべて注ぎ込んだような混沌としたアルバム。どういうわけか、歓声やMCまで入ったライヴ録音の曲も結構多い。アルバム後半を支配する激しくノイジーなエクスペリメンタル・ブレイクコアと対照的なインタールード的な小曲は、ほぼすべてアコースティックな楽器の演奏でまとめられていて、それもトム得意のフリー・ジャズ的なものではなく、むしろクラシックやクラウトロック等を感じさせる(特にラストの2曲が美しい)。さらに本作の間違いないハイライトである、ゆったりとしたテンポと生ドラムの生み出す心地よいグルーヴに被さる、メランコリックな重層的メロディーが印象的な “Iambic 9 Poetry”。これを中心とした冒頭5曲の完璧な構成と展開は、スクエアプッシャーの才がついに二度目の大輪を咲かせたと感じられた。


Ufabulum
Warp (2012)

 手練れのミュージシャンを従えたセルフ・カヴァーをするバンド、Shobaleader One としての活動を挟みつつ、スクエアプッシャーが新たな次元に突入したことを知らせてくれたアルバム。CDではなく YouTube で音楽を聴き、盤を買うよりライヴやフェスに繰り出す、という近年のリスナーの傾向を写したように全曲にトム自身が作成したLEDの明滅による演出が施された映像が存在する。Shobaleader One ではフランスの〈Ed Banger〉から(Mr. Oizo のリミックス入りで!)リリースするなど抜け目のないところを見せ、今作ではその影響もあってか、エレクトロ・ハウスやEDMに通じるような迫力満点の(だが、彼の前衛性やエクスペリメンタルな面を好むファンからしたら大仰な展開や音色はコマーシャルに感じられてがっかりと受け取られるかもしれない)トラック群を仕上げている。混沌度を増すアルバム後半、電子回路が暴走したように予想のつかない展開でリスナーに襲いかかる “Drax 2” や、ヴェイパーウェイヴ的な美学も感じるラストの “Ecstatic Shock” が白眉。


Be Up A Hello
Warp (2020)

 そして、5年ぶりにリリースされた、スクエアプッシャーの原点回帰とも言える最新アルバム。『Ufabulum』や続く『Damogen Furies』では自作のソフトウェアやテクノロジーを駆使して、いわゆるヴィジュアル・アートや最新の IoT にまで斬り込んでいくのではないかという意欲的な姿勢を見せていたトム・ジェンキンソンが、旧友の突然の死去をきっかけに、デビュー前に使っていたような古いアナログ機材や、コモドールの古い 8bit コンピュータまで動員してメモリアル的に作り上げた。近しいひとの死がテーマになっているアルバムだから当然かもしれないが、かつてのはっちゃけまくったスクエアプッシャーを想起させる音色や曲の構成は随所に感じられるものの、どこか悲しげで暗いトーンに覆われている。そして、常に以前の自分に一度ダメ出しして新たなことに挑戦してきた彼が、敢えて彼の音楽性や名声を確立するに到った初期の手法に立ち返ったのには、やはり大きな意義を感じる。特にUKでここ数年盛り上がっているレイヴやハードコア(初期ジャングル)を復興させようという試みは、おもしろいけれど懐古を完全に超越した新しいムーヴメントを生み出しているかというとそうでもなくて、では90年代初頭にそういう現場の雰囲気やサウンドに囲まれて、そこで多くを吸収してプロになったトムのようなひとが改めて当時と同じ道具を手にしたとき、何を表現するのかというのはとても示唆的だと思うからだ。

 4月に行われることになったこちらも5年ぶりの単独ライヴは、『Be Up A Hello』の内容を考えると、ここしばらく注力してきたような、大型スクリーンと派手に明滅する映像をメインの要素に据えた未来的なプレゼンテーションとは違ったものになるのだろうか。ロンドンで行われたアルバムの発売記念ギグを映像で確認すると、機材の音が剥き出しでそれこそドラムマシンやシーケンサーが奏でるループがどこまでも続けばそれだけで幸せなんだ、というかつてDJ以外の演者が “ライヴPA” などと呼ばれた時代にあった雰囲気を感じるシンプルなものだった。もうほとんどレコードでDJをすることはないし、その感覚を思い出すのに少し時間がかかったとすら言っていたジェフ・ミルズの本当に久々のアナログと909でのセットを昨年11月に聴きにいった。ただの懐古に陥らないための演出や伝説の確認ではなくフレッシュな体験としてそれを受け止める若い聴衆とアーティストのインタラクトがおもしろく、今回も新たな発見がありそうだと期待している。
 かつて一世を風靡した “Come On My Selector” のMVは、日本を舞台にしてる風の配役や設定だったが、その実 “Superdry 極度乾燥しなさい” 的な細かな違和感がありまくりだった。最新のビデオ “Terminal Slam” ではやはり渋谷を中心にした東京の街を舞台にし、「また日本贔屓の海外のアーティストに東京を超COOLに描かれてしまった!」というのが大半の日本人の最初の反応で、実は監督したのが真鍋大度だったので、なるほど、さすが〈Warp〉とスクエアプッシャー、よくわかってる!と思ったものだ。今回の来日ステージでも、もしかしたら日本ならではのなにかを反映した演出を用意してくれるかもね。

5年ぶりとなる超待望の単独来日公演が大決定!!

2020年4月1日(水) 名古屋 CLUB QUATTRO
2020年4月2日(木) 梅田 CLUB QUATTRO
2020年4月3日(金) 新木場 STUDIO COAST

TICKETS : ADV. ¥7,000+1D
OPEN 18:00 / START 19:00
※未就学児童入場不可

MORE INFO: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10760

チケット情報
2月1日(土)より一般発売開始!

Dirty Projectors - ele-king

 一昨年『Lamp Lit Prose』で高らかに生を謳歌したNYインディ・シーンの希望の星、ダーティ・プロジェクターズが1年半ぶりとなる新曲 “Overlord” をリリースしている。耳に残る主旋律とDPらしいコーラスが印象的な1曲だけど、はてさて、これは次なるアルバムへの布石なのかしらん? なお、ヴィデオはデイヴ・ロングストレスみずからが監督を務めているとのこと。

[3月26日追記]
 新情報! 先日公開された新曲は、EPへの布石だったようです。明日3月27日、ダーティ・プロジェクターズの最新EP「Windows Open」がリリースされます。新たに “Search For Life” も公開。楽しみだー。

Dirty Projectors
デイヴ・ロングストレス率いるダーティー・プロジェクターズが
最新EP「Windows Open」を3月27日にリリース!
新曲 “Search For Life” のリリックビデオを公開!

デイヴ・ロングストレス率いるブルックリン出身のバンド、ダーティー・プロジェクターズ。先月1年半ぶりの新曲 “Overlord” を、デイヴ自身が監督として手掛けたミュージック・ビデオと共にリリースし、シーンに戻ってきた彼らが、3月27日に最新EP「Windows Open」をリリースすることを発表! 新章のスタートとなる本作には、『Lamp Lit Prose』ツアーで参加したメンバーが参加し、レイドバックで詩的な魅力に溢れる4曲を収録。その中から新たに “Search For Life” が解禁され、リリック・ビデオが公開された。オリヴァー・ヒルによるストリングスのアレンジが見事なバラードとなっており、今世界を巻き込んでいる危機的な状況の中、本楽曲はより深い響きを放っている。

Search For Life (Official Lyric Video)
https://youtu.be/Oi-iUpec_6M

「Windows Open」ではマイア・フリードマンが全曲でリード・ヴォーカルを務め、作曲、プロデュース、ミックスのすべてをデイヴ・ロングストレスが担当。歌詞はデイヴとマイアが共同で担当し、レコーディングはロサンゼルスで行われた。

label: DOMINO
artist: Dirty Projectors
title: Windows Open
release date: 2020/03/27 FRI ON SALE

TRACKLITSING
01. On The Breeze
02. Overlord
03. Search For Life
04. Guarding The Baby

Dirty Projectors
ブルックリン出身、独創的かつハート・ウォーミングなサウンドで
人気を集めるバンド、ダーティー・プロジェクターズが1年半ぶりとなる
新曲 “Overlord” をMVと共にリリース!

デイヴ・ロングストレス率いるブルックリン出身のバンド、ダーティー・プロジェクターズ。〈Domino〉移籍後、初めて発表した2009年の5作目『Bitte Orca』が、その年の年間チャートを総なめにし、本格的にブレイク。その後もビョークとのチャリティー・コラボ作品のリリース、朝霧ジャムのヘッドライナーとしての出演、そして前作『Lamp Lit Prose』を提げてフジロック・フェスティバルへの出演も果たすなど着実にステップアップを遂げてきた彼らが、前作より1年半ぶりの新曲 “Overlord” をリリース! 同時にデイヴ自身が監督として手掛けたミュージックビデオを公開!

Dirty Projectors - Overlord (Official Music Video)
https://youtu.be/LzHGYtIqLig

監視資本主義への皮肉? 混乱ばかりを生む世界のリーダーたちへの批判? テクノロジーへの盲目的な過信への警告? アンチ・ファシズムのマニフェスト? そんなことは誰も知る由もないが、“Overlord” はジョニ・ミッチェル “Both Sides Now” の現代版と言っても過言ではない。アコースティックギター、コントラバス、コンガ、ドラム、3部合唱によって紡ぎ出されるリラックスした暖かいサウンドは紛れもなく、アルバム『Swing Lo Magellan』以降のダーティー・プロジェクターズのサウンドとなっている。楽曲中、ギタリストのマイア・フリードマンがリードボーカルを担当し、プロデューサーであるデイヴと共に作詞を行った。他にもフェリシア・ダグラスとクリスティン・スリップがコーラス、ナット・ボールドウィンがコントラバス、マウロ・レフォスコがコンゴとして参加している。

label: BEAT RECORDS / DOMINO
artist: Dirty Projectors
title: Overlord
release date: NOW ON SALE

Jaga Jazzist - ele-king

 こいつは電撃的なニュースだ。これまで〈Smalltown Supersound〉や〈Ninja Tune〉からリリースを重ねてきたジャズもロックも呑みこむノルウェーの野心的音楽集団=ジャガ・ジャジストが、なんと〈Brainfeeder〉に移籍! そして、じつに5年ぶりの新作を4月24日にリリースする!! トンスベリの異能とLAの異端との邂逅……これはバンドとレーベル、双方にとって転機になる出来事だろう。なお、きたるニュー・アルバムには冨田勲やフェラ・クティへのトリビュートも含まれているらしい。昨年のアムガラ・テンプルの来日公演も良かったし、今回はいったいどんな演奏を聞かせてくれるのか。アルバムめっちゃ楽しみや~。


ノルウェーを代表する異能音楽集団、ジャガ・ジャジストが
フライング・ロータス率いる〈Brainfeeder〉に電撃移籍!
冨田勲に敬意を表し、フェラ・クティに想いを馳せた
初のセルフプロデュース・アルバム『Pyramid』が4月24日にリリース決定!
新曲 “Spiral Era” 本日公開!

1994年に結成され、現代音楽からプログレッシヴ・ロック、ジャズ、エレクトロニカまで様々なスタイルを取り入れながら活動をしているノルウェーが誇る異能音楽集団、ジャガ・ジャジストが、2015年の前作『Starfire』以来となる最新アルバム『Pyramid』を、フライング・ロータス主宰レーベル〈Brainfeeder〉より4月24日(金)にリリース決定! 同時に新曲 “Spiral Era” を公開した。

Jaga Jazzist - Spiral Era
https://www.youtube.com/watch?v=HnLUe4MMraY


バンドの核であり、すべての作曲を手がけるラーシュ・ホーントヴェット率いるジャガ・ジャジストは、本作『Pyramid』で、また新しいコズミック・サウンドを手に入れた。電子音を駆使した80年代のジャズ・バンドや、ノルウェーにおけるシンセ・ミュージックの第一人者ストーレ・ストールロッケンから、現代のテーム・インパラ、トッド・テリエ、ジョン・ホプキンスといったアーティストに敬意を表している。アルバムは4曲の長尺トラックで構成されており、丁寧に練られた楽章に沿って進行し、鮮やかな色彩の糸を紡ぎ出している。

ジャガ・ジャジストにとって初めてのセルフプロデュース・アルバムとなる『Pyramid』。彼らの制作工程は、これまでの環境から大きく変化した。多くのアイデアを自由に出すことができた一方で、どのアイデアを採用するかを、自分たち自身で決断することが必要だった。ドラマーのマーティン・ホーントヴェットは「大変だったけれど、自分たちで作業するのが自然だと感じた。メンバーのうち5人はプロデューサーだし、生業としてレコードを作っているわけだから」と語る。その結果、今までにないほどメンバーの団結力を感じられる作品が誕生した。

彼らは『Pyramid』をコンセプト・アルバムとは形容しないが、各楽曲のタイトルをコンセプチュアルなスタート地点と位置付けており、聴き手は楽曲からどんな物語も描きだすことができる。“Tomita” は、日本人の作曲家でシンセ奏者の冨田勲に捧げられており、“The Shrine” は、フェラ・クティが活動拠点としたライヴ・ハウスに由来する。

このアルバムは、これ自体が一つの交響曲だと思っていて、それぞれのパートに余白を持たせ、自由に広がっていくようにしているんだ。 - Lars Horntveth

ジャガ・ジャジスト待望の最新作は4月24日(金)にリリース! 国内盤CDにはボーナストラックが収録され、解説が封入される。また、輸入盤LPはクリスタル・クリア・ヴァイナル仕様となっている。

label: BRAINFEEDER/BEAT RECORDS
artist: JAGA JAZZIST
title: Pyramid
release date: 2020/04/24 FRI ON SALE

国内盤CD BRC-636 ¥2,200+税
国内盤特典:ボーナストラック追加収録/解説書封入

BEATINK: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10879
Apple Music: https://apple.co/380lgwr
iTunes Store: https://apple.co/2VooeIu

Trinitron - ele-king

 東京にこんな音楽があったなんて! トリニトロンは2010年から2012年にかけて活動していた〈Call And Response〉の4人組バンドである。今回リマスターされた限定CD-Rには、高円寺のベッドルームでつくられたというニューウェイヴ、ポストパンク、シンセポップの数々がめいっぱい詰め込まれている。ブラック・サバスやキャンディーズ、パフュームなどのカヴァーも収録されているが、“Liquidi Liquids” や “One Great Year in Tsukuba” あたりはテクノ耳で聴いてもかっこいいし、“My Boring Feelings” のドキッとさせられるリリックは音楽好きなら必聴かも。レーベルによればブライアン・イーノやDAF、デペッシュ・モードやトーキング・ヘッズ、ステレオラブが好きなひとはぜひ、とのこと。チェック。

artisit: Trinitron
title: make.believe - All of Trinitron
label: Call And Response
catalog #: CAR-51
release date: February 25th, 2020

tracklist:

01. Music to Watch Boys By
02. Heart no Ace ga Detekonai (Candies cover)
03. 10,000 Euros
04. Monday Club
05. Comment is Free
06. Democracy
07. Paranoid (Black Sabbath cover)
08. Liquidi Liquids
09. My Boring Feelings
10. Edge (Perfume cover)
11. The Pure Light of True Love
12. Match no Hono (Mir cover)
13. Namida wo Misenaide (Moulin Rouge/Wink cover)
14. One Great Year in Tsukuba
15. Killer Wave
16. Aus with the Ausgang
17. Polo Shirts Girl
18. Sweet Blue Flowers
19. Kids and Girls

https://callandresponse.jimdofree.com/releases/trinitron-make-believe-all-of-trinitron/

Darkstar - ele-king

 去る2月19日、ダークスターが新曲 “Wolf” をデジタル・オンリーでリリースしている。細やかな音響、相変わらず哀愁を帯びた旋律……いやおうなく感情が揺さぶられます。「不吉なものの接近」がテーマになっているらしいので、なるほど最近のホラー映画あたりが念頭に置かれているのかな、なんて想像をめぐらせてみたけれど、彼ら自身が例としてあげているのはなんと、請求書! た、たしかにそれは不吉だわ。

Darkstar
UKアンダーグラウンド・シーンが産んだ唯一無二のエレクトロニック・ポップ・ミュージックを作り出すユニット、ダークスターが新曲 “Wolf” をリリース!

2010年のデビュー以来、唯一無二な音楽性を有したエレクトロニック・ポップ・ミュージックを作り上げてきたダークスター。アクトレス、ワイルド・ビースツ、ゾンビーらとのコラボレーションを行い、ジョン・ホプキンスやフォー・テットとも交友のある彼らが、新曲 “Wolf” をリリース!

Darkstar – Wolf (Official Audio)
https://youtu.be/V0kzgU0eQTk

“Wolf” は何か不吉なものが迫ってくることに関する曲なんだ。請求書だったり、悪者だったりするね。図々しい感じのリリックとソウルフルなトラックの対比で遊びたかったんだ。 ──Darkstar

UKのトレンドとプログレ、アンビエント、テクノ、ヒップホップ、グライムといったUK音楽史の普遍的なコンテンツを融合することで新しい音楽を提案してきたダークスターは2015年にリリースしたアルバム『Foam Island』以来、スクエアプッシャーことトム・ジェンキンソンとの共作でも話題となった世界屈指のオルガン奏者ジェイムズ・マクヴィニーやエンプレス・オブ、そしてガイカといった面々とのコラボレーションを行い、常にフレッシュな環境で音楽を作り出してきた。また、セントポール室内管弦楽団との共演や移民のコミュニティと一緒にインスタレーションやパフォーマンスを行い、アート寄りな活動も行うなど幅広い活躍を見せている。

label: Warp Records / Beat Records
artist: Darkstar
title: Wolf
release: NOW ON SALE

Ratgrave - ele-king

 UKジャズ・シーンにおける重要人物、年末にはルイ・ヴェガとのコラボも控えるヘンリー・ウーことカマール・ウィリアムス主宰の〈Black Focus〉から、新たにアツいタレントの登場だ。彼らの名はラットグレイヴ。〈Ninja Tune〉からもリリースのあるマックス・グレーフと、ベーシストのユリウス・コンラッドから成る2人組である。先行公開された2曲を聴くかぎり、いろんな要素の折衷されたファンクネスあふれる作品に仕上がっている模様。
 ちなみに〈Black Focus〉は2018年にマンスール・ブラウンのアルバムをリリース、つい最近ではヴェテラン、スティーヴ・スペイセックの新作も送り出している。

Ratgrave
モダン・エレクトロニック・フュージョン!
カマール・ウィリアムスことヘンリー・ウー率いる〈Black Focus〉より、マックス・グレーフとベーシストのユリウス・コンラッドによるデュオ、
ラットグレイヴの最新作『Rock』が3月20日(金)リリース決定!
収録曲 “Instant Toothpaste” “Theme From Metronome” を公開!

グレン・アストロとのコラボレーションで名門〈Ninja Tune〉からアルバム・リリースをしているマックス・グレーフとベーシストのユリウス・コンラッドによるデュオ、ラットグレイヴの最新作『Rock』が、サウス・ロンドンのジャズとハウスが疾走する猥雑な交差点にしてすでに高いプロップスを獲得している、カマール・ウィリアムスことヘンリー・ウー率いるロンドンの重要レーベル〈Black Focus〉より3月20日(金)リリース決定! 収録曲 “Instant Toothpaste” “Theme From Metronome” を公開!

Ratgrave - Instant Toothpaste (Official Audio)
https://youtu.be/gUtwFgfwcXI

Ratgrave - Theme From Metronome (Official Audio)
https://youtu.be/01X2uSKhAts

フローティング・ポインツが見出した鬼才、ファンキンイーブン率いる〈Apron Records〉からリリースし、高評価を得たデビューアルバム『Ratgrave』に続く今作は、2人のマルチプレイヤーが80年代のファンク、ソウル、ロック、そしてエレクトロニック・ミュージックからの影響を現代の感覚をもって昇華したサウンドとなっている。時にまだ見ぬマップ・オブ・アフリカの新譜を聴いているような、時にスライ&ロビーとパット・メセニーが人力ハウスを披露したら? など音楽好きにはたまらない甘い妄想へと誘う快作!

『Rock』は異なる音楽のジャンルから感じ取ったエネルギーやヴァイブスの本質を捉えて表現したものだ。好きなものを全て繋げて出来たものっていう感じだね。アルバムをレコーディングしているときは常にその事を意識していたよ。生々しくて荒々しいジャズ・ロックのエネルギーも入っているし、たくさんのビデオゲームの要素も入ってる、ギターポップやサイケデリックな音楽の影響もある。レコーディングの時は Blue Cheer、Black Sabbath、Frank Zappa、Jimi Hendrix といったヘビーな音楽も聴いていた。そして、作曲をしている時に静かな曲の中でもそういったヘビーな音楽の影響がいかに大きかということに気付かされた。だから、P-Funk やスピリチュアル・ジャズ、そして色んなポップ・ミュージックなどが入ったアルバムだけど『Rock』というタイトルが相応しいと思ったんだ。 ──Ratgrave

待望の最新作『Rock』は3月20日に国内流通仕様盤、輸入盤CD/LP、デジタルでリリース! 国内流通仕様盤には解説が封入される。

label: Black Focus / Beat Records
artist: Ratgrave
title: Rock
release: 2020.3.20

CD / Digital tracklisting:
01. Escobar
02. Theme From Metronome
03. World Aid
04. Instant Toothpaste
05. Eternal Breeze
06. Yurok
07. 4 Benz
08. Dibidai
09. Rock
10. Bleeding To Death
11. Sturf
12. Alright
13. Mutti Hat Gekocht

Vinyl tracklisting:
Side A
A1. Escobar
A2. Theme From Metronome
A3. World Aid
A4. Instant Toothpaste
A5. Eternal Breeze
A6. Yurok
A7. 4 Benz
Side B
B1. Dibidai
B2. Rock
B3. Bleeding To Death
B4. Sturf
B5. Alright
B6. Mutti Hat Gekocht

Ulla - ele-king

 ウラ・ストラウスは、フィラデルフィアを拠点とするアンビエント・アーティティストである。
 ウラは2017年にシカゴのアンビエント/エクスペリメンタル・カセット・レーベル〈Lillerne Tapes〉から『Floor』と、シカゴのCD/DVDを専門とする〈Sequel〉からCD-R作品『Append』をリリースした。『Floor』は煌めくような質感のアンビエント・ドローン、『Append』は高質な音の芯がうねるようなラーガ的なトーンのドローンやリズミックな要素も導入されたインド音楽的なサウンドだった。
 しかしウラの注目度が上昇したのは、なんといっても2019年にフエアコ・エス(Huerco S)主宰の〈West Mineral〉からリリースされたポンティアック・ストリーター(Pontiac Streator)とのコラボレーション作品『11 Items』からだろう。細やかなリズムを持ったサウンド・マテリアルが交錯するトラックが聴き手の意識を飛ばすようなサイケデリックなサウンドスケープを形成していた。サウンドの独自性に加えてレーベルの信用度・知名度も相まってマニアたちから高い評価を獲得する。さらに2019年はレゴウェルトのリリースでも知られるシティル・シリアス・Nic(Still Serious Nic)とハンサム・トーマス(Handsome Thomas)らのレーベル〈BAKK〉からオーシアニック(Oceanic)とのスプリットLP『Plafond 4』、ニューヨーク拠点のアンビエント/ニューエイジ/エクスペリメンタル・レーベル〈Quiet Time〉からアンビエント作品『Big Room』も送り出した。この3作でウラ・ストラウスは新世代のアンビエント・アーティストとして、その名を知らしめることになったといえよう(『Big Room』は、私が執筆した『ele-king vol.25』の特集「ジャンル別2019年ベスト10」における「アンビエント/ドローン」の項目で2019年の重要作に紛れ込ませた)。

 そして2020年早々、はやくも決定的なアルバムが生まれた。新作『Tumbling Towards a Wall』である。本作はフエアコ・エス=ブライアン・リーズ(Brian Leeds)と Exael とのユニット、ゴーストライド・ザ・ドリフト(Ghostride The Drift)での活動や〈West Mineral〉からの作品も知られるウオン(uon)=スペシャル・ゲスト・ディージェー(Special Guest DJ)による新レーベル〈Experiences Ltd〉からリリースされたアルバムだ。ウラ・ストラウスではなく、ウラ名義でのリリースで、マスタリングはダブプレート&マスタリング(Dubplates & Mastering)が手掛けている。
 この『Tumbling Towards a Wall』にはテクノやミニマル・ダブなど、さまざまなエレクトロニック・ミュージックの要素が散りばめられているが、アンビエント的な落ち着いたトーンやムードも崩されることはない。ループを効果的に用いながらも騒がしくないサウンドメイキングは実に見事である。
 アルバムは穏やかなパルスと不規則な電子音が交錯し、水槽の中の魚のようにサウンドが浮遊しているような1曲め “New Poem” から幕を開ける。この曲からリズムの反復がテーマとして提示される。
 2曲め “Leaves And Wish” ではリズム=ループの構造がより明確になる。耳に心地よい乾いたノイズとの相性も抜群だ。霧の中に融解したミニマル・ダブがアンビエント化したようなサウンドスケープによって、ダビーな残響も本作の重要な要素であることも分かってくる。

 リズムとダブとアンビエント・ノイズ、これらの要素は3曲め “Something I Can't Show” でより深化した形で示される。鳥の鳴き声を思わせるサウンドに非連続的な電子音が、どこか天国からのサウンドように鳴り響く。
 4曲め “Soak” ではリズムの反復がさらに明確になる。まるで〈Modern Love〉が2007年にリリースした傑作 DeepChord Presents Echospace 『The Coldest Season』のように降り積もる粉雪のような冷たい質感のミニマル・ダブを展開する。アルバム中、もっともテクノ的なトラックといえる。
 ここまではアナログ盤ではA面で、続く6曲め “Stunned Suddenly” からB面になる。この曲ではリズム的要素が控えめになり、声のようなシンセ・サウンドが透明なアンビエンスを生み出す。7曲め “Smile” と8曲め “Feeling Remembering” では余白の多い静謐な音響空間を生成する。
 本アルバムでもっとも大切な曲が最後に収録された “I Think My Tears Have Become Good” であろう。ピアノ曲と電子音のフラグメンツとでもいうべき楽曲で、その無重力的な美しさは筆舌に尽くしがたい。

 この作品には、ミニマル、ニューエイジ、タブ、エレクトロニカなどの技法を援用しながらも、アンビエント・ミュージックの新しいモードがあった。端的にいえばアンビエント・ミュージックのドローンを基調とする構造からの脱却だ。もしかすると『Tumbling Towards a Wall』には「2020年代のアンビエント・ミュージック」のヒントが息づいているのかもしれない。

Yves Tumor - ele-king

 前作『Safe In The Hands Of Love』で大きく方向転換し、次の時代を切り拓く新世代アーティストとしての地位をたしかなものにしたイヴ・トゥモアが、通算4枚目となるスタジオ・アルバム『Heaven To A Tortured Mind』を4月3日にリリースする。最近ではキム・ゴードンの新作を手がけていたジャスティン・ライセンが、前作に引き続き共同プロデュースを担当。現在、昨秋の “Applaud” 以来となる新曲 “Gospel For A New Century” がMVとともに公開されている。はたして「新世紀のゴスペル」とはいったいなんなのか? イヴ・トゥモアのつぎなる野望とは? 楽しみに待っていよう。

[3月6日追記]
 待望の新作のリリースがアナウンスされたばかりではあるが、このタイミングでイヴ・トゥモアの主演するショート・フィルム『SILENT MADNESS』がユーチューブにて公開されている。ブランド MOWALOLA の主導によるもので、監督は写真家のジョーダン・ヘミングウェイが担当。とても印象的なヴィデオに仕上がっているのでチェックしておこう。

[3月10日追記]
 先日公開された “Gospel For A New Century” が話題沸騰中、じっさいすばらしい1曲でイヴのパッションがひしひしと伝わってくるけれど、それにつづいて昨日、アルバムより “Kerosene!” が公開されている。聴こう。

YVES TUMOR
2020年代オルタナ・シーンの主役、イヴ・トゥモアが最新アルバム『Heaven To A Tortured Mind』より新曲 “Kerosene!” をリリース!

“Gospel for a New Century” は直球のロック・アンセムに聴こえるかもしれないが、謎めいたタイトルと先鋭的なプロダクションは、より壮大なモノの先駆けになっているのかもしれない ──Pitchfork, Best New Track

先日、最新作『Heaven To A Tortured Mind』のアナウンスをすると同時に “Gospel For A New Century” のミュージック・ビデオを公開し、Pitchfork、Stereogum、NPR、New York Times、HypeBeast、Dazed、FACT といったメディアから、今年最もエキサイティングなリリースとして取り上げられるなど、各方面からの期待が高まるイヴ・トゥモアが新曲 “Kerosene!” をリリース!

Yves Tumor - Kerosene! (Official Audio)
https://youtu.be/N0c7lVHMyaY

“Kerosene!” で表現されている型に収まることのない創造性は、まさに新たなポップ・アンセムの誕生を感じさせる。ファジーなギターリフ、ビヨンセとのコラボでも話題となったダイアナ・ゴードンの美しい歌声、そしてイヴ・トゥモアの唯一無二な歌声は、90年代のオルタナティヴ・ミュージックが持っていた力強さを思い起こさせると同時に、2020年代でしか存在し得ない多様性を含んでいる。

また、現在イヴ・トゥモアはUKでのムラマサのサポートを終え、YVES TUMOR & ITS BAND としてのヘッドライン・ツアーを開始しており、今までのマイク一本で行ってきたスタイルから更にスケールアップしたパフォーマンスを世界中で披露する予定となっている。

待望の新作『Heaven To A Tortured Mind』 (4月3日発売) のリリースを発表し、メイクアップ・アーティストでビョークやリアーナらとも仕事をしているクリエイター、イサマヤ・フレンチ (Isamaya Ffrench) が手がけた新曲 “Gospel For A New Century” のミュージックビデオも話題沸騰中のイヴ・トゥモアが、主演を務めるショートフィルム『SILENT MADNESS』が公開された。本ショートフィルムは、ナイジェリア出身の気鋭デザイナー、モワローラ・オグンレシによる人気急上昇中のブランド MOWALOLA が公開したもの。監督は写真家のジョーダン・ヘミングウェイが務めている。トップクリエーターたちが集結した映像世界は必見。

SILENT MADNESS
https://youtu.be/zCXbEzVScIE

YVES TUMOR

奇才イヴ・トゥモアが最新アルバム
『HEAVEN TO A TORTURED MIND』を4月3日にリリース!
新曲 “GOSPEL FOR A NEW CENTURY” をミュージックビデオと共に解禁!

世界的評価を獲得した前作『Safe In The Hands Of Love』で、退屈なメインストリームに一撃を与え、独特の世界観で存在感を放っている奇才イヴ・トゥモアが、新章の幕開けを告げる新作『Heaven To A Tortured Mind』を、4月3日(金)に世界同時でリリース決定! 新曲 “Gospel For A New Century” をミュージックビデオとともに解禁した。特殊メイクやレーザーが生み出す強烈なヴィジュアルが印象的なビデオは、ロンドンを拠点に活躍するトップメイクアップアーティストで、ビョークやリアーナらとも仕事をしているクリエイター、イサマヤ・フレンチ(Isamaya Ffrench)が手がけている。

Yves Tumor - Gospel For A New Century (Official Video)
https://youtu.be/G-9QCsH3OQM

その評価を決定づける鋭利な実験性はそのままに、サイケロックとモダンポップの絶妙なバランスをさらに追い求めた本作では、共同プロデューサーにスカイ・フェレイラやアリエル・ピンク、チャーリーXCXらを手がけるジャスティン・ライセンを迎えている。2018年の最高点となる9.1点で Pitchfork【BEST NEW MUSIC】を獲得したのを筆頭に、New York Times、Rolling Stone、FADER、NPR などの主要メディアがこぞって絶賛するなど、その年を代表するアルバムとして最高級の評価を得た前作『Safe In The Hands Of Love』。その音楽性について The Wire は「ここには、Frank Ocean と James Blake が探ってきたものの手がかりが確かに存在するが、何よりも Yves Tumor は黒人の Radiohead という装いが、自分に合うかどうかってことを試して遊んでいるのかもしれない」と解説している。昨年は、Coachella、Primavera などの大型フェスにも出演を果たし、多くのファンを獲得しているイヴ・トゥモア。抽象に意味を与え、不協和音すら調和させ、現実の定義を壊す。哲学めいた制作アプローチを経ても、聴くだけで思わず惹きつけられるずば抜けた表現力と音楽性の高さは、「新世紀のゴスペル」と題された新曲がまさに証明している。

奇才イヴ・トゥモアの最新作『Heaven To A Tortured Mind』は、4月3日(金)に世界同時でリリース。国内盤CDには、ボーナストラック “Folie Simultanée” が追加収録され、歌詞対訳と解説書が封入される。アナログ盤は、シルバー盤仕様と通常のブラック盤仕様の2種類が発売される。

label: BEAT RECORDS / WARP RECORDS
artist: Yves Tumor / イヴ・トゥモア
title: Heaven To A Tortured Mind / ヘヴン・トゥ・ア・トーチャード・マインド
release date: 2020.4.3 FRI ON SALE

国内盤CD BRC-635 ¥2,200+税
国内盤特典:ボーナストラック追加収録/解説書・歌詞対訳封入

TRACKLISTING
01. Gospel For A New Century
02. Medicine Burn
03. Identity Trade
04. Kerosene!
05. Hasdallen Lights
06. Romanticist
07. Dream Palette
08. Super Stars
09. Folie Imposée
10. Strawberry Privilege
11. Asteroid Blues
12. A Greater Love
13. Folie Simultanée (Bonus Track for Japan)

商品情報
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10860

食品まつり a.k.a foodman - ele-king

 みなさんお待ちかね、名古屋が世界に誇る鬼才、食品まつりことフードマンが新作EPを3月6日に上梓する。タイトルは「Dokutsu」で、これは洞窟だろうか。今回は新たにロンドンに起ち上げられたレーベル〈Highball〉からのリリースとなっており……こちらはカクテルのハイボールだろうか。現在、先行シングル曲 “Kazunoko” のMVが公開中。なんだか無性にお酒が飲みたくなってきます。

artist: Foodman
title: Dokutsu
label: Highball
catalog #: HB001
release date: March 6th, 2020

tracklist:

A1. Kazunoko
A2. Hirake Tobira
A3. Imo Hori
B1. Oshiro
B2. Konomi
B3. Kachikachi

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