「Not Waving」と一致するもの

Powell - ele-king

 パウウェル(ゴシップ誌風にいえば“テクの界次世代のスター候補”)の待望のデビュー・アルバムのタイトルは『スポート』で、死ぬほど単調な電子音、PCやiPhoneを叩きつけて破壊するかのようなインダストリアルなグルーヴ、アンダーグラウンド・ロックンロールと名付けられた瓦礫の音響、フランケンシュタインのためのDJミキシング……つまりここには、まったくスポーツらしさはない。
 先にリリースされた「フランキー&ジョニーEP」の“ジョニー”のPVはみんなでスイカを頭で割って喜んでいる。当方、先日頭の怪我で手術したばかりの身なので、あまり笑えないのだが、本当にアホだな~と思う。

 ちなみに「ジョニー」に参加しているジョニーは、ヘイトロック(HTRK)のジョニー・スタンディッシュである(あの身も凍えるようなダーク・サウンドのロック・バンドの女性ヴォーカリストだ)。
 パウウェルは、型にはまることがお嫌いなようだ。1994年の「Club Music EP 」で、これはちょとクラブ・ミュージックとは括られないのでは……という電子ノイズと疾走感を打ち出したかと思えば、そしてスティーヴ・アルビニの声をサンプリングし、アルビニから直に「私は地球上でもっともクラブ・ミュージックを憎んでいる。クラブ人間が大嫌いだし、連中の服装もやってるドラッグもみんな嫌いだ、私は君たちの敵だ」とメールされて話題になった「インソムニアック」は、しかし、実際のところパウウェルは、アルビニがいみじくもそのメールで記した「私が好きなエレクトロニック・ミュージックとは、クラフトワークやクセナキス、初期のキャバレ・ヴォルテールやSPKやDAFのようなサウンド」のほうに近いのである。(この件はファンの間で、アルビニはパウウェルを暗に評価しているからこういう表現をしたのではという議論にもなった)

 〈Modern Love〉や〈Blackest Ever Black〉、〈PAN〉や〈Mego〉などと音楽的にリンクしながら、パウウェルにはユーモアがあり、遊び心があり、ふざけているんだよな~。そのプリティ・ヴェイカントな感じがじつに良い。
 何はともあれ、わずか4枚のEPで注目され、〈XL〉と契約することになった大型新人のデビュー・アルバム『スポート』は、本国では10月14日発売。日本盤はボーナストラック(例の「インソムニアック」)付きで、11月16日に発売。確実に、今年のベスト・アルバムの1枚です。硬直したシーンにはこれぐらいふざけた音楽が必要でしょう!
 

The Pop Group - ele-king

 ザ・ポップ・グループが、35年振りのスタジオ・アルバムとなった『CITIZEN ZOMBIE』に続く、通算4作目のスタジオ・アルバム『HONEYMOON ON MARS』をドロップする。注目すべきは、1979年に発表され、いまなおポストパンクの名盤として語られる彼らのデビュー作「Y(邦題:最後の警告)」以来、37年振りにデニス・ボーヴェル(UKレゲエの最重要人物)とタッグを組んだことである。
 さらに、PUBLIC ENEMYの初期3作品のプロデュースを務めたプロダクション・チーム、ボム・スクワッドの一員であったハンク・ショックリーも3曲のプロデュースに関わっている。
 ボーヴェル曰く「再び彼らと仕事ができて、とても光栄だった。彼らは真に善悪を超越しているんだ」、とのこと。
 また本作のレコーディングとミックスは、2016年の初夏に、いくつかのスタジオに分かれて行なわれた。メンバーのマーク・スチュワートはこう語る。「これは造られた憎悪への反抗であり、異質なる遭遇とSF的子守唄で満たされた暗黒の未来への超音速の旅だ」

 『ハネムーン・オン・マーズ』は2016.10.28世界同時発売 / 日本盤ボーナス・トラック収録。日本盤ボーナス・トラックの“Stor Mo Chroi”は、アイルランドの伝統的な楽曲。バンドのメンバー全員でアレンジを施し、カヴァー曲として収録している。

HONEYMOON ON MARS / ハネムーン・オン・マーズ
1. Instant Halo / インスタント・ヘイロー
2. City Of Eyes / シティ・オブ・アイズ
3. Michael 13 / マイケル13
4. War Inc. / ウォー・インク
5. Pure Ones / ピュア・ワンズ
6. Little Town / リトル・タウン
7. Days Like These / デイズ・ライク・ジーズ
8. Zipperface / ジッパーフェイス (※1stシングル)
9. Heaven? / ヘヴン?
10. Burn Your Flag / バーン・ユア・フラッグ
11. Stor Mo Chroi / ストール・モア・クリー

Tr.11: 日本盤ボーナス・トラック

半野喜弘 - ele-king

 RADIQ名義(ベーシック・チャンネルのファンならPaul St. Hilaireとのコラボはいまでも記憶に焼き付いているでしょう!)や田中フミヤとのユニットDartriixなど、クラブ・ミュージックの領域においてはもちろんのこと、映画音楽の分野でも活躍してきたエレクトロニック・ミュージックの鬼才・半野喜弘。
 このたび、彼にとって初となる映画監督作品『雨にゆれる女』が、11月19日(土)よりテアトル新宿にて公開されることとなった。それに先がけ、11月5日(土)にCIRCUS TOKYOにて公開記念パーティ〈A WOMAN WAVERING IN THE RAIN〉が開催されることも決定している。映画と音楽というふたつの領域を横断する半野喜弘の現在を、目と耳の両方で体験してみてはいかが?

映画音楽の鬼才・半野喜弘 初監督作品
主演 青木崇高 × ヒロイン 大野いと

映画『雨にゆれる女』

RADIQ aka Yoshihiro HANNO 4年ぶりの主催!
映画『雨にゆれる女』公開記念クラブ・パーティ
“A WOMAN WAVERING IN THE RAIN”
開催決定!!

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パリを拠点に、映画音楽からエレクトロ・ミュージックまで幅広く世界で活躍し、ホウ・シャオシェン、ジャ・ジャンクーなど世界の名匠たちを魅了してきた音楽家・半野喜弘の監督デビュー作『雨にゆれる女』が11月19日(土)にテアトル新宿にてレイトロードショー
本作は、濃厚な色彩、優美な旋律、登場人物の息づかい……現代の日本映画には稀な質感の映像で紡ぐサスペンスフルな愛の物語。14年前のパリで、まだ俳優になる前の青木崇高と半野喜弘が出会い、いつか一緒に作品を作ろうと誓い合った。そして10年後の東京で2人は再会し、『雨にゆれる女』は生まれた。本作は今月末に行われる東京国際映画祭「アジアの未来」部門の日本代表に選出されている。

監督の半野は、ジャスやヒップ・ホップの音楽活動を経て、ヨーロッパで発表されたエレクトロニック・ミュージック作品で注目を集めたことを皮切りに、それらの活動が目に留まり台湾の巨匠・ホウ・シャオシェン監督『フラワーズ・オブ・シャンハイ』の音楽を手掛ける。その後ジャ・ジャンクー監督やユー・リクワイ監督、行定勲監督などとのコラボレーションを経て、ついに自らも映画製作に真っ向から携わることを決意。そんな半野の処女作とあって、その独自の映像表現に、坂本龍一、田中フミヤ、吉本ばなな、斎藤工、ジャ・ジャンクーからの絶賛コメントが届くなど、各界の注目をさらっている。

『雨にゆれる女』の公開を記念して、「I WANT YOU」から4年ぶりに半野喜弘主催のパーティー“A WOMAN WAVERING IN THE RAIN”の開催が決定! 音楽仲間が集結して、映画監督としての才能を開花させた半野を盛大に祝う!

“A WOMAN WAVERING IN THE RAIN”@CIRCUS TOKYO
■日時:11月5日(土)OPEN 23:00~
■場所:CIRCUS TOKYO(〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-26-16 第5叶ビル1F, B1F)
■出演者:RADIQ aka Yoshihiro HANNO
Neutral - AOKI takamasa + Fumitake Tamura (Bun)
Dsaigo Sakuragi (D.A.N.)
Taro
■料金:Door \2,000

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――出演者Profile
■Neutral
AOKI takamasa + Fumitake Tamura (Bun)、ふたりのアーティストによる不定形ビーツ・プロジェクト。両者の作家性の根底にあるミニマリズムを共有しながら、宇宙に揺らぐ波のように透明なサウンドの現象をキャプチャーする。
2015年1月、Liquidroom/KATAで行われたライヴ・セッションにて本格的に始動。
■Dsaigo Sakuragi
1/3 of D.A.N.
■Taro
90年代中盤に大阪でDJを開始。“TOREMA RECORDS”、“op.disc”などを手伝いながら現在にいたる。
■RADIQ aka Yoshihiro HANNO
パリ在住の音楽家/映画監督、半野喜弘によるエレクトロニック・ミュージック・プロジェクト。
ブラックミュージックを軸に多種多様なエッセンスが混ざりあい、野生と洗練が交錯する未来型ルーツ・ミュージック。

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【ストーリー】
本当の名を隠し、“飯田健次”という別人としてひっそりと暮らす男。人との関わりを拒む彼の過去を知る者は、誰もいない。ある夜、突然同僚が家にやってきて、無理やり健次に女を預ける。謎の女の登場で、健次の生活が狂いはじめる。なぜ、女は健次の前に現れたのか。そしてなぜ、健次は別人を演じているのか。お互いに本当の姿を明かさないまま、次第に惹かれ合っていくふたり。しかし、隠された過去が明らかになるとき、哀しい運命の皮肉がふたりを待ち受けていた――。

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★こちらのサイトor QRコードから映画『雨にゆれる女』ディスカウント・チケットをGET!
https://www.bitters.co.jp/ameyure/discount.html

劇場窓口にて割引画像を提示すると、300円引き!
(当日一般料金1800円→1500円、大学・専門1500円→1200円)
*1枚につき2名様まで *『雨にゆれる女』の上映期間中有効です。
*サービスデイ、会員など、ほかの割引との併用はできません。 *一部の劇場をのぞく。

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監督・脚本・編集・音楽:半野喜弘
出演:青木崇高 大野いと 岡山天音 / 水澤紳吾 伊藤佳範 中野順二 杉田吉平 吉本想一郎 森岡龍 地曵豪 / 十貫寺梅軒
企画・製作プロダクション:オフィス・シロウズ
配給:ビターズ・エンド
2016年 / 日本 / カラー / 1:1.85 / 5.1ch / 83分
©「雨にゆれる女」members
https://bitters.co.jp/ameyure/

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11月19日(土)より、テアトル新宿にてレイトロードショー!

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お問合せ:
パーティーについて:taro@opdisc.com
映画について:info@bittersc.co.jp

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 アルメニア。かの国は、西暦301年にキリスト教を国教に定めた国家であった。これはローマ帝国以前のことで、世界最古のキリスト教国といわれている。そのアルメニアの教会音楽は、西欧的な合唱やオルガンなどを用いつつも、どこか東洋的な響きをもっている。まさに歴史と音楽の交錯地点。
 アルメニア出身のティグラン・ハマシアンは、アルメニアの宗教音楽を現代的なアプローチで演奏しているピアニスト/音楽家である。アルバムは〈ノンサッチ〉などからリリースされ、世界的に高い評価を獲得している。その音楽性には魅力的な「複雑さ」があるように思える。ハマシアンの音楽はジャンル的にはジャズに分類されるだろうが、しかし、その音楽の射程は宗教音楽、古楽、クラシック、現代音楽からポップスに至るまで非常に広い。そこに彼の越境的な(アルメニア的な?)音楽観が色濃く反映されているのは間違いないだろうが、もちろん、それは(浮ついた?)消費社会上の「越境」などではなく、音楽への深い信仰心のようなものであろう。それは音楽への強い探究心と同義でもあるはずだ。そう、「歴史」と「音楽」が交錯する地点に自分自身を置くこと……。

 2015年に〈ECM〉からリリースされた『ルイス・イ・ルソ』は、アルメニアの宗教音楽を、合唱団と共に録音したアルバムだった。5世紀から20世紀までの宗教音楽や賛美歌を、ティグラン・ハマシアンが編曲している。アルバム名「光から光へ」が意味するように、まるで霧の中に輝く光のように、もしくは光を希求するかのような清冽な演奏/録音がとにかく美しく、一聴後、耳と心が洗われる思いがしたものだ。いわゆる〈ECM〉的な静謐な質感とあいまって、モノクロームの光景の中に、不意に光が溢れ出てくるような感覚を与えてくれた。
 本作『アトモスフィアズ』は、『ルイス・イ・ルソ』から続く〈ECM〉作品である。前作とは対照的に、アルヴ・アンリクセン、アイヴァン・オールセット、ヤン・バングら、現代有数の演奏家/音楽家たちが、アルメニアの正教音楽を中心に演奏している。録音は2014年の6月におこなわれた。
 それにしても、さすが、この4人の饗宴である。アルメニアの正教音楽から2016年的なアンビエンスを抽出・生成変化することに成功している。むろん「原典」の響きを、「残像」のように響かせつつ。
 そう、まるで「残像」のような音楽なのである。すでに消え去ってしまった音の痕跡を耳が追い求めてしまうような。アルバムは“トレイシイズ“という連作を中心に構成されているのだが、この「形跡」を意味するこの言葉を曲名に用いている点も、本作の「残像」的なるものを象徴しているように思える。
 私は、本作特有の残像的サウンド生成において、ギターのアイヴァン・オールセットとターンテーブル/サンプリングのヤン・バングの功績が大きいのではないかと考えている。むろん、4人によるセッションだから素晴らしいというのは前提だが、しかし、アイヴァンのギターはときにドローンのような音響効果を生み、音響空間をかたち作る重要な役割を果たしているし、バングの見事なリアルタイム・サンプリングは、このアルバム特有の残像的な音響空間を生み出している。彼らの紡ぎだす音の「テクスチャー」こそ、「アルメニア」と並んで、本作のもうひとつのキーに思えてならない。ジャズ的な演奏を音響化=アンビエント化するうえで重要な役割を果たしているのだ。1曲め“トレイシイズ I”冒頭の密やかな持続音・ドローンのアンビエンスにまずは耳を澄ましてほしい。
 ちなみに、ヤン・バングは、ディヴィッド・シルヴィアンとのコラボレーション作『アンコモン・ディアティーズ』(2012)も素晴らしい作品だ(このアルバムにはアルヴ・アンリクセンも参加している)。また、〈ECM〉からリリースされたアイヴァン・オールセットのソロ・アルバムにも、バングはコラボレーターとして全面協力している。そして2013年にリリースされたバングのソロ・アルバム『ナラティヴ・フロム・ザ・サブトロピクス』も傑作であった。このアルバムはバングのサンプリングの音響美学の粋とでもいうべきアルバムなのだが、ティグラン・ハマシアン、アルヴ・アンリクセン、アイヴァン・オールセットらも一同に参加しており、『アトモスフィアズ』の音響構築・交錯を考察する上で重要なアルバムといえよう。
 じじつ、本作『アトモスフィアズ』において、バングやオールセットによる残像的サウンドに呼応するように、ハマシアンのピアノは、アルメニアの宗教音楽から現代音楽(アルバム名からしてリゲティを意識しているはず)を遡行しつつ、ピアノの「一音」の響きから「現代のアンビエンス」を鳴らしているように聴こえるし、 アンリクセンはまるで雅楽のようなトランペットを演奏し、聴き手の国境・歴史・時間感覚を超えさせてしまう。じっさいはバングがリアルタイム・サンプリングなどをしているので、僅かに「後」の現象なのだが、しかし聴覚上は残像の感覚が逆転するように「前」に聴こえてしまうのである。

 なぜだろうか。本作における4人の演奏は、「歴史」と「時間」という消え去った残像を、丹念に、音のタペストリーで追い求めているからかもしれない。しかし、残像であっても、彼らの息が聴こえてくる生々しい音楽でもある。自然ではあっても呼吸はしている。それは作為の最小限度化だ。本作の演奏は、とてもヴァリエーションに富んでいるが、しかし、どれも自然であり、不要な作為は感じられない。本作に瞑想的なアンビエント/アンビエンスを感じてしまう理由は、そこにあるのだろう。このアルバムは、アルメニアの歴史、宗教、音楽、響き、光、残像、息、音響、空間、歴史、個人、環境を、音楽の霧と光の中に美しく溶かしていく。光から残像へ。霧から空気へ。淡い時間の色彩が変化するようなアンビエント/アンビエンス。
 終曲である3分35秒ほどの“Angel of Girona / Qeler tsoler”における静寂な空気のごときサウンドスケープ/レイヤーの美しさは筆舌に尽くしがたい。私は、この2枚組の美しいCDを聴き終えたとき、あの武満徹ならば、このアルバムを、どう評したのだろうかと考えてしまった。かつてキース・ジャレットやディヴィッド・シルヴィアンの音楽を絶賛した武満ならは、この音楽の本質を美しい言葉で、しかし的確に評したのではないか……、と(奇しくも、本年2016年は武満徹没後20周年であり、去る10月8日は彼の誕生日なのであった)。

R.I.P. Prince Buster - ele-king

 今年2016年は、紫のプリンスに続いて、ブルーのプリンスまで逝ってしまった。“キング・オヴ・ブルー・ビート”に即位するも、最後まで鯔背な若大将の風情で肩で風切り、(眉唾ものを含む)数々の伝説と武勇伝に彩られながら飄々と人生を闊歩した味のあるスーパー・スター、プリンス・バスターのことだ。
 “ブルー・ビート”は60年代にジャマイカ音楽をUKに紹介したレーベル名であり、そこからスカ、ロック・ステディの異名となったわけだが、そもそも今もってスカ自体が懐古趣味とは馴染まない現代的な音楽であり続けている以上、その筋の偉人の客観評価が常にコンテンポラリーな感覚で為されるのは当然である。しかし、それにも増してプリンス・バスターには、その音楽ジャンルの花形である以上の規格外の魅力があったのだ、人間的にも、音楽的にも。

 〈芸術的センス〉、〈ビジネスの才覚〉、〈肉体的な闘争力〉。人間の持ち得る特性として考えると、これらは往々にして相反しがちな要素だが、プリンス・バスターは、幼少期に音楽に魅入られてダンスや歌やパーカッションを始め、一方でボクサーとなり(確かそこで“プリンス”と呼ばれるようになったはずだ)、その後、商売敵からの物理的な攻撃を防ぐためのこわもての用心棒(&セレクター)としてサウンドシステムに雇われた。独り立ちして自身のサウンドシステムを経営し、シンガー、エンターテイナーとなり、他アーティストもプロデュースし、レーベル・オウナー、音源のセールスマン、レコード・シャックの経営者にもなった。こうした音楽的独創性、ビジネス・センス、腕っ節の強さ(実力行使)、ある種の覇権主義、マチズムがジャマイカの大衆音楽の、そしてその土台、サウンドシステムの文化において意味深い要素であることを思えば、プリンス・バスターこそその道の典型的なジャマイカン・ダンディーである。ましてや、そのまるでアカデミック的でない歌唱法、ときにスポークン・ワード的だったり、曲にスキットを演じ込んだりしながら歌唱とサウンドシステム由来のディージェイ芸が同居したパフォーマンスに着眼すれば、彼の中に現代的なダンスホール・ディージェイ文化の、ひいてはギャングスタ・ラップの源流のひとつさえ見て取れる。もちろんプリンスとギャングスターを一緒くた(笑)にしてはならないが、バスター自身、名曲“Al Capone”で「オレをスカーフェイス(“古臭いギャング”の隠喩だろう)と呼ぶな。オレの名前はカポーンだ」と歌った(語った)ように、要は見得と矜恃の漢伊達の美意識なのであり、その種のこだわり、自己主張自体が、人間の“ひとつの類型”を形成している。彼がのちの80年代末にUKのトロージャンズを従え、伝説の反逆の黒人アウトローを歌ったスタンダード・ナンバー“Stack O' Lee (a.k.a. Stagger Lee)”を吹き込んでいることを思い出す人もいるだろう。あの曲が見事に似合ってしまうこと、まさにそれが、彼が誰なのかを実に雄弁に物語るのだ。
 同時に、列強にしてやられた“弱小国”ジャマイカの、特に男性市民がギャングスター映画や勧善懲悪のスパゲティ・ウェスタンを熱烈に愛した事実があるが、その、漢気溢れるタフな強者に対する彼らの抱く信仰めいた憧れ、プリンスはその姿を地で行ったという見方もできるだろう。彼が歌った“Hard Man Fe Dead !/タフマンは死なねえ!”というヤツだ(ジャメイカンがウェスタンに熱狂する様子が映画『ザ・ハーダー・ゼイ・カム』のいちシーンで描かれていたし、ちなみに同映画にはバスターも印象的な出演をしていた)。
 ついでに言えば、とりわけ前掲の“Al Capone”で炸裂するバスターお得意のパーカッション的スキャット、いわゆる“口チュク”をヒューマン・ビート・ボックスの一種の原始形と見たってあながち暴論ではないだろう。素直に戦後ポピュラー音楽史を俯瞰するとき、この輝けるスターが身に受けるべきものが、〈スカの偉人であり創始者のひとり〉という“偉大なるレッテル”1枚では明らかに不充分なのだ。ぼくの目には、現代的なストリート・ミュージックのひとつの潮流の最上位の一角に、この青のプリンスが屹立している。
 そもそもプリンス・バスターという名前からしてすこぶるチャーミングではないか。本名セシル・バスタマンテ・キャンベル。親が労働組合叩き上げの名政治家バスタマンテ(Bustamente)の名前をミドル・ネイムとして与え、〈Buster〉はその省略形と解することもできる一方で、“プリンス”の気品と、それと相反する“バスター(破壊者)”の粗暴性とが同居した名前でもあるわけだ。この“気高さ”と“粗暴さ”のコントラストこそが彼だ。それを許容するだけの懐の深さ、伝統的な音楽の美点を受け止めながら因習を破壊した革新性。
 この勇ましい“バスター”キャラは、数々のナンバーで率直に見て取れる。友人コクソン・ドッドのサウンドシステムの用心棒に雇われたくせに、それでも自分が独立して競争関係になると“Downbeat Burial(コクソン・ドッドのサウンド〈ダウンビート〉を埋葬してやる)”というようなマカロニ・ウェスタンのタイトルさながらの曲を出し(いわゆる“サウンド・クラッシュ”のはしりだ)、あるいは華僑プロデューサーのレスリー・コングを標的に“Blackhead Chineman”を書くなど、ライヴァルをキツくやりこめた。そもそも自身のサウンドシステム名に〈Voice of the People〉と名付けたり、レコードのジャケットに踊る〈Jamaica’s Pride〉とか〈National Ska〉といった文句もいちいち言葉が大きい。
 こうしたオレ様気質のビッグ・マウスは、現在まで続くある種の型のマイク芸のプロトタイプであり、それは“Judge Dread”で自身が悪を断罪する裁判官に扮するまでに至るのだが、その背景には、彼流の一貫した正義感を感じ取ることができる。モハメド・アリとの親交も知られるバスターだが、バプティストの家庭に生まれるも、アフリカ黒人の矜恃、その文化の独創性を主張するスタンスからネイション・オヴ・イスラム~ブラック・ムスリム・ムーヴメントに同調してイスラムに改宗し、セシル・キャンベルから〈モハメド・ユセフ・アリ〉となった。これはジャマイカにおける、アフリカンとしての尊厳を第一義に掲げるネグリチュード運動の流れとしては、音楽がラスタファリアニズムと緊密に結びついてゆく時代に一歩先んじていた(それに、クリスチャンのジミー・クリフがイスラムに改宗する10年以上も前の話である)。いくつか存在したバスターの運営レーベルの中には、少しあとにスバリ〈Islam〉という名のレーベルも登場するし同名の曲もあったが、少なくとも60年代前半から、単なるサウンド・クラッシュやヒット・チューン競争、あるいは62年の独立を経て沸き立つナショナリズムとは次元の違う思想、世界観を自身の音楽活動に投影していたわけである。しかしラスタがそうであったように、ブラック・モスレムとしてのバスターもジャマイカ政府から危険人物視され、何度も家宅捜索を受けてはイスラムの文献を没収されるという厳しい迫害に遭ったというが、それで信仰を捨てることはなく、権力の不当に屈しなかった。世界には、その彼のモスレム・ミュージシャンとしての生き様をリスペクトしているフォロワーも多いことだろう。
 しかしながら、その一方で、あからさまな下ネタでも人気を取ろうという芸人根性も隠さなかったのがバスターの一層味わい深いところだ。けしからん箇所に“ピー”音をかぶせないとレコードを発売できないような類いの露骨にナスティーな、いわゆるスラックネス・チューンの歴史にもプリンスはその名を残している。とにかく、あらゆる点で先駆的な人だったのだ。

 1989年は、日本のスカ・ファンにとって約30年分の盆と正月が一気に訪れたような大事件が起きた年だ。ぼくはちょうどその年、ひょんなことからタワー渋谷店に入社し、5年半ほどお世話になることになった(タワーレコード株式会社のことだ。まだ誰ひとり“タワレコ”などと略したりしなかった四半世紀以上前、渋谷店は井の頭通り沿い、東急ハンズの少し先の左手にあった)。ひょんなこと、というのも、アルバイト希望で応募したのに、面接に行ってみると、「嫌だったらいつでもバイトにしてあげるから社員にならない? 福利厚生もしっかりしてるよ」と説得され、つい出来心で入社してしまったのだ(バブル時代とはそういうものだった)。
 それで大事件の話だが、同社に対して、それじゃ社員になります、という返事をしたのとほぼ同時期に、スカタライツの初来日公演、フィーチャリング:プリンス・バスターというとんでもない興行が発表されていたのだ。日程は同年の4月29、30日の土日、会場は汐留PIT2(新橋駅から海側へ当時の殺伐たる空間をしばらく歩いた先、旧国鉄汐留駅跡地に期間限定で作られた大きなテント型のライヴ会場。現汐留シオサイトの一角)だった。
 しかし痛恨の極み。入社したばかりで土日に休みなど取れず、さらに両日遅番だったせいで、ぼくはその大事件を東京にいながらただの一瞬も目撃できなかった。社員なんかになったことを早々に後悔したものだ。その6月に発売された『レゲエ・マガジン』11号グラビアの菊地昇さんによる同公演の写真とか、同号の、気に障る質問でもして怒らせたら大変だということで荏開津広さんが来日時のプリンス・バスターにおそるおそる丁寧な質問を重ねていく素晴らしいインタヴュー記事なんかも、ショウをミスしたのがとにかく悔しくて、しばらくの間は直視できなかった。
 しかしながら、人生、ひどく残念なことが起きたあとには、そのうち、それを埋め合わせて余りあるうれしいことが必ず起きるものだ。
 同じ年の12月、早番で出勤し、開店した朝10時過ぎから、入荷した商品を良く晴れた朝日が差し込む3階の売場に並べていたときのことだ。「ヘイ! ちょっとこっちへ来てくれ」と言いながら目の前に突然現れた全身黒づくめの男、それはプリンス・バスター、その人だった。4月に見逃して悔やんでも悔やみ切れなかったその人が、向こうからやって来て、ぼくの目を見て話しかけているのである。彼は窓際のコーナーにぼくを連れていき、ある場所で立ち止まった。黒いベレー帽、プラチナか金色だったかのフレイムの眼鏡をかけ、黒の革ブルゾン、革パンツ、磨かれたサイドゴア・ブーツ。こんな恰好が似合うのはその世界ではトゥーツ・ヒバートとプリンス・バスターだけだが、プリンスのほうが着こなしの品格は上だ。陽射しを反射する眼鏡の奥の眼差しが鋭い。顔の下半分を覆う、丁寧に整えられた黒々としたヒゲ。唇を動かすと、前歯のメタルの縁取り、いわゆる〈開面金冠〉が光り、それだけで凄い迫力だ。向き合っていると、その只者ではないオーラが熱い。実際只者ではないのだから、本当は驚くにはあたらないはずなのだが。
 どうしてプリンスが日本にいたのかといえば、4月のスカタライツ公演のフロント・アクトを務めたスカ・フレイムスを絶賛したプリンスが、今度は彼らをバックにして日本で歌いたいと希望し、それがスピーディーに実現したのだった。その再来日公演の様子を交え、前掲の荏開津さんのインタヴューを踏まえながら、プリンス・バスターの功績と人となりをおそらく日本で最初にまとめた名テクストが、山名昇さんの(初版は91年『レゲエ・マガジン』別冊として刊行された)『Blue Beat Bop !』にスカ・フレイムスの宮崎研二さんが寄稿した「Prince Buster Is Staggerlee(バスター親分、登場だ)」だった。しかし、そのバスターの思慮深い、優れた人格者たる人柄が伝わる宮崎さんのテクストは当然ながらその時点でまだ書かれておらず、ぼくはとにかく恐くて凄い人、という単純なイメージしか持ち合わせないまま、ビビりながら親分の出現を受け止めるほかなかったのである。
 井の頭通りに面した北側の窓際にぼくを誘導した彼は、1枚のリーダーカードを指で弾いて言った――「Mongo Santamaria のCDはないのか?」。そのコーナーはその日、見事に空っぽで、プリンスは明らかに不満げな面持ちだった。ぼくは、少々お待ち下さい、と言い、足下のストックもゼロなのを認め、最新の入荷品の中にあるかどうかをバック・ルームに確認に行った。実際入荷していないだろうという予測は付いていたのだが、お客さまの名前を呼びかけて丁重に詫びるにせよ、そもそも“Prince”の前に、“Sir”はやり過ぎとしても、“Mr.”という敬称が必要なのかどうかから考える時間が必要だったのだ。想像して欲しい、“Prince”を名乗る人から、心の準備もないまま突然声をかけられる機会が、一般日本人の一生で、普通一度でもあるだろうか。落とすよりも付いている方が少なくともリスクは少ないだろうと考え、すみません、ミスター・プリンス・バスター、あいにくモンゴ・サンタマリアは現在1枚も在庫がなく、バック・オーダーも本日は入荷していないのです、と謝った(タワーの従業員は、その程度の英語での接客ができなければ仕事にならなかった)。
 するとプリンスは、「オレのことを知ってるのか?」と言い、予想外の、写真で見たこともない人懐こい表情で破顔した。そして、「今、モンゴ・サンタマリア(というのが素敵ではないか!)をCDで集めてるから探しに来てみたんだが」と言った。あとで思えば、きっと宮崎さんか、スカ・フレイムスの他の誰かが彼にタワーレコードの場所を教えたのだろう。ラテンのすぐ向かい側がスカ/レゲエ・コーナーだったが、幸いプリンスのアルバムは全く淋しくない程度に在庫があった。そこで調子に乗ったぼくは、「あなたの昔のアルバム、最近UKでリイシューが進んでますね」というようなレコード屋トークで水を向けると、快くいろいろな話を聞かせてくれたのだった。
 なんだかんだ15分くらいは話をしただろうか。結局、わざわざ向こうから来てくれたプリンスは、レコード屋の小汚い“なり”をした若造に貴重な話を聞かせてやり、サインもせがまれた上に、そいつと固く握手をし、所望のCDを買えなかったのに「サンキュー!」を言って帰っていった。あれ以降、モンゴ・サンタマリアを聴くたびに、「この曲の入ってるCD、どっかで買えたかな」と、プリンスを必ず思い浮かべる習慣になった。そしてそれはいまだに続いている。
 ぼくは、今よりずっとロマンティストだった若い時分、しばらくこの出来事を、まだ有給休暇がなかった悲しき正社員のもとに、その年の12月にサンタクロースが届けてくれたプレゼントのように考えては、その解釈を気に入ってひとり悦に入っていた。が、あるとき自分の不見識に愕然とするのだ――敬虔なイスラム教徒をサンタクロースになぞらえていたとは! と。でも、またしてもすぐに調子よく思い直したのだった――“サンタマリア(聖母マリア)”の愛好家の寛大なるプリンスは、そんなことで気を悪くしたりしないだろうと。
 それがぼくの、この宝物の話のオチなのだが、こんな悪くない自慢話を書く機会がこれまで一度もなかった。これがプリンスの追悼文でなかったら、書いていてもっと心楽しいのだが。

2016年10月 鈴木孝弥

Equiknoxx - ele-king

 〈ソウル・ジャズ・レコ-ズ〉が5年前にコンパイルした『インヴェイジョン・オブ・ザ・ミステロン・キラー・サウンズ(Invasion of the Mysteron Killer Sounds)』はザ・バグことケヴィン・マーティンとレーベル・ボスのスチュワート・ベイカーが当時のシーンからディジタル・ダンスホールと呼べる曲を掻き集めてきたコンピレイションで、伝統にも鑑みつつ、意外性にも富んだ内容となっていた。世の中があまりにも真面目すぎて気が狂いそうになる時はこれを聴くしかないというか。マンガちっくなアートワークも素晴らしく、いまだに文句のつけようがない。ただ、何がきっかけでこの企画が成立したのか、それだけはよくわからない。ディジタル・ダンスホールのピークはメタルとダンスホールが交錯した2001年を最後にリリース量は減るばかり。2011年に『インヴェイジョン~』がリリースされた後も、回復の兆しはどこにも見えず、カーン&ニークやゾンビーの試みも散発的な印象にとどまった。あるいはEDMと結びついたムーンバートン(というジャンル)が少しは目新しかったというか。すでにそれなりの知名度は得ていたディプロやウォード21をフィーチャーしていた『インヴェイジョン~』から、ほかに誰かルーキーが飛び出し、少しでもシーンを活性化させたかというと、そういうこともなく、そういう意味ではノジンジャ(Nozinja)しかアルバムを出さなかったシャンガーン・エレクトロや、実態はファベーラ・ファンクのミュージシャンが名前を変えて作品を提供していただけのバイレ・ファンキのコンピレイションと同じくで、「コンピレイションが出た時点で終わり」みたいなものではあった。それで内容はいいんだから大した編集力だとは言えるけれど(同作にこだわらなければもちろん一定の存在感を示したプロデューサーやMCはいる。MCスームT(MC Soom-T)やトドラ・T(Toddla T)、ミスター・ウイリアムズやスパイス、テリー・リン(Terry Lynn)、エンドゲーム(EndgamE)……ケロ・ケロ・ボニートやビヨンセ、サム・ビンガやジェイミー・XXもアルバムには取り入れていた)。

 要するにダンスホールというジャンルにはもう発展性は望めないのかなと思っていたのである。しかも、ギャビン・ブレア(Gavin Blair)とタイム・カウ(Time Cow)によるイキノックスは、最初はダンスホールを下敷きにしているとは思えないほどトランスフォーメイションが進行し、ダンスホールといえば陽気でハイテンションという枠組みからも逸脱していたために何が起きているのか僕にはわかっていなかった。ワールド・ミュージックは表現する感情が変わってきていると、それは自分でも書いてきたことになのに、先入観というのは恐ろしいもので、そのことに気づくまでに2カ月もかかってしまった。確か最初に「ア・ラビット・スポーク・トゥ・ミー・ウェン・アイ・ウォーク・アップ(A Rabbit Spoke To Me When I Woke Up)」を聴いた時はDブリッジ&スケプティカル「ムーヴ・ウェイ」のパクリかなと思ってしまったほど彼らの音楽はダンスホールと結びつかなかったのである(「ムーヴ・ウェイ」がダンスホールを取り入れてただけなんですけどね)。

「ああ、そうか」と思うと後はなんでもない。ダンスホールである。確かにダンスホールの要素がここかしこに見つかる。つーか、ダンスホールにしか聴こえない。それもそのはず、ギャビン・ブレアはビーニーマンを始め、スパイスやT.O.K.、あるいはダニエル“チーノ”マクレガーやティファなどジャイマイカのシーンに長いことかかわってきたプロデューサーで、いままでそれしかやってこなかった人物なのである。タイム・カウはケミカル(Kemikal)の名義で比較的最近デビューしたMCらしく、もしかして若いのかなと思って写真を眺めてみるけれど、とくに歳の差があるようには見えない。ふたりの役割分担もよくわからないし、レコード盤(限定でゴールド盤もあるらしい)には作曲のクレジットもない。録音は、古くは2009年に遡るそうで、ミスター・スクラフのジャケットなどを手掛けてきたグラフィック・デザイナーのジョン・クラウスがコンパイルしたものをデムダイク・ステアのレーベルが世に出している(ショーン・キャンティとマイルズ・ウィットテイカーもコンパイル作業にはかかわっていると記してある)。そして、それだけのことはあるというのか、やはり異質であることには変わりなく、「ポーリッジ・シュッド・ビー・ブラウン・ノット・グリーン(Porridge Should Be Brown Not Green)」になると何を聴いていたのか途中でわからなくなり、スネアの連打から始まる「サムワン・フラッグド・イット・アップ!(Someone Flagged It Up!!)」に至っては背景にダブ・テクノがそれとなく織り込まれ、ベーシック・チャンネルへのジャマイカからのアンサーといえるような面も出てくる(マーク・エルネスタスも気に入っているらしい)。

 アルバム・タイトルにも入っている「Bird」というのは、実際に鳥の声を模したような音作りにも反映はされているだけでなく、どうも彼らの音楽はダンスホールだけではなく、ソカにも大きく影響されているということを表しているようで、実際にアフリカン・ドラムとレイヴ・シンセイザーが絡む「リザード・オブ・オズ(Lizaed of OZ)」も耳慣れないサウンド・センスに仕上がっている。

 ここからまたダンスホールが……なんて。

行松陽介 - ele-king

 今年7月に脳腫瘍が発見され入院。2度に渡る摘出手術を行い、今後も治療を行いながら医師の許可のもとDJ活動も再開している行松陽介氏を応援すべく“ゆきまつり”を開催! 本人はもちろん彼と繋がりのある豪華共演者による宴、百戦錬磨の間違いないプレイヤが居ればそこではパーティがはじまる! SALOONは幡ケ谷にある魔境、ForestLimitがプロデュース。こちらもとてつもない予感がプンプンだっ!  10/14 金曜、代官山にてグルーヴィンにエキサイッしてくれ!

YUKIMATSURI 95
2016/10/14(FRI)
@DAIKANYAMA UNIT/SALOON

OPEN/START 23:00
DOOR 2000yen

UNIT :
行松陽介
DJ NOBU
KILLER-BONG
COMPUMA
1-DRINK
CARRE

FORESTLIMIT Presents SALOON FLOOR :
Orhythmo(from OSAKA)
Zodiak(from OSAKA)
OQ(from OSAKA)
SUNGA (COREHEAD/BLACKSHEEP)
テンテンコ
黒電話666
アート倉持
shirakosound
DJSOYBEANS
Color Me Blood Black (CML.tokyo)
AKIRAM EN (FORESTLIMIT)
and more

VJ:浮舌大輔

Deep Medi 10 - ele-king

  去る10月1日、プロデューサーのマーラが2006年にスタートさせたダブステップ・レーベル〈Deep Medi Musik〉 のアニバーサリー・イベントが、彼のホームであるロンドンで開催された。
 多種多様なプレイヤーたちを紹介することにレーベルの目標は置かれ、その範囲はイギリスや同ジャンルのプロデューサーたちに収まるものではない。日本のエレクトロニック・ミュージックを代表するゴス・トラッドは、同レーベルからの諸作品で多くの注目を集め、〈Warp〉の看板ともいえるマーク・プリチャードやドラムンベースの鬼才、カリバーといった面々も、自身の顔のイラストがあしらわれた分厚い12インチをカタログに残している。そのサウンドをアップデートしているのは、若手のスウィンドルやカーン、グライム・シーンを支えるDJ、サー・スパイロらによるリリースだ。
 その飽くなき探究心を鑑みるに、先日、ジャイルス・ピーターソンの〈Brownswood Recordings〉からリリースした『Mirrors』において、ペルーで録音されたサウンド・マテリアルから幻想的な物語を作り上げたマーラ自身の魂は、レーベルに集うエネルギーと共にあると言っていいだろう。
 この夜のために総勢30名に登るDJやMCたちがひとつのステージに集結し、約1700人が入る会場のチケットも当然のごとくソールド・アウトだった。

Sir Spyro - Topper Top ft. Teddy Bruckshot, Lady Chann and Killa P - 2016

 オープン時刻の9時になると会場のエントランスには長蛇の列ができていた。ネットで買ったチケットの購入画面をスキャンし、厳重な荷物&ボディチェックをすませ、開始30分後に会場へ飛び込む。徐々に聴こえてくるのは、A/T/O/Sがシンガーを引き連れて放つ、悲哀に満ちたビートだ。サウンドシステムはヴォイドのインキュバスが設置され、重低音がまだ人がまばらなフロアに地鳴りを起こしていた。
 最初のDJであるサイラスと共に、リュックを背負ったドレッドヘアーのMCサージェント・ポークスもステージに登り、10年以上に渡ってロンドンのダブステップを支え続けてきた声を張り上げる。炎のような男だ。続くKマンがDJデックに立つ頃には、フロアは多くの人々で埋まり、〈Deep Medi〉のイラストを描き続けてきたタンニッジのプレイでこの日最初のリワインド(注:オーディエンスの反応が大きい曲を、DJが巻き戻して最初からプレイし直すこと)が巻き起こった。次の曲のメイン・シーケンスが流れた瞬間に上がる歓声とたくさんの拳。その曲がクラシックではなく今年リリースのこの曲であったことから、ベテランの彼もフロアとともに成長していることがうかがえる。

Dstrict - Drowsy - 2016

 日付が変わる頃には移動するのも困難なほどの数の人々で会場が溢れかえっていた。往年のファンから20代前半の若者まで、多くの世代が入り混じっている。
 ブリストル新世代を代表するカーン&ニーク、リーズ在住のコモドによるバック・トゥ・バックによって、会場はさらなる熱量で包まれた。ニークのシンプルでソリッドな選曲と、カーンのキラー・チューンとが相乗効果を生む。2012年の彼のレーベル・デビュー作である“Dread”がプレイされたとき、フロアは揺れに揺れた。コモドもそこに彼独自の変則的なトライバル・チューンを加えてうねりを生み出し、オーディエンスをロックし続ける。
 カーン&ニークと同じくブリストル出身のライダー・シャフィークが、ここではマイクを握った。ポークスの情熱的なパフォーマンスとは対照的に、彼はクールな立ち振る舞いで呪文を唱えるかのように淡々と言葉を紡ぎ、時に歪んだ声で低音を華麗に乗りこなす。クラブに舞い降りたダブポエットさながらのその姿は、奇しくもその日が命日だったMCスペースエイプに重なっても見えた。豊穣な才能とともに世代は確実に引き継がれているのだろう。続いてステージに上がった、ダブステップにファンクやジャズを持ち込んだ功績を持つシルキーとクエストのセットで、スウィンドルが流れた時も同じことを思った。

Kahn - Dread - 2012

 ゴス・トラッドとトゥルース、そこにマーラが加わって始まった2時15分からの怒涛の1時間、これは間違いなくこの日のピークだろう。マーラは自身のアンセム曲“Changes”でセットをスタートさせ、トゥルースが スクリームの“Midnight Request Line”をかけた時、フロアには狂気が渦巻いていた。僕の記憶が正しければ 、セット前半のゴス・トラッドの選曲はほぼ全てリワインドされていたように思う。“Babylon Fall”がかかったときの会場の一体感も素晴らしかった。
 ダブステップの定義が定まっていない頃に登場したゴス・トラッドのプロダクションは、計り知れない影響をUKのシーンに与え、マーラと初めて顔を合わせたときに彼が口にした「お前を日本に連れて行くから」のひと言は、日本でのダブステップのさらなる拡散に貢献した。人や情報の流れがトランスナショナルになった現在において、住んでいる場所や地域が個人の活動を遮るものではない。それを体現する一例がダブステップというムーヴメントであり、ゴス・トラッドのようなミュージシャンなのだろう。

Goth-Trad - Babylon Fall feat. Max Romeo - 2011

 これ以降も重低音は消えない。スプーキーとサー・スパイロによるMCにレディ・チャンとキラPを向かえたグライム・セット、レーベルの記念すべき第1作目である“Kalawanji” がリワインドされまくったクロームスターとジェイ・ファイヴのバック・トゥ・バック。ハイジャックとベニー・イルが“Cay’s Cray (Digital Mystikz Remix)”をプレイしたとき、終演間際であるにも関わらずフロアには多くの小さな火が灯っていた。

Fat Freddys Drop - Cay’s Crays (Digital Mystikz Remix) - 2006

 〈Deep Medi〉が作品をリリースし続けたこの10年の間に、ロンドンの音楽シーンには実に多くの変化が起きた。オリンピックの再開発などにより高騰した家賃のため、レコード店やクラブが閉鎖し、多くのプロデューサーたちがロンドンを離れている。最近では、ドラッグによる死亡事故が相次いだとはいえ、行政や警察の過剰に見える対応のもと、ロンドンの看板クラブであるファブリックの営業ライセンスが剥奪されてしまった。気のめいる出来事はこれからも続くのかもしれない。
 じゃあ、ここにはどんな希望がるのだろう。プレイの途中で、マーラはこんなことを言っていた。「〈Deep Medi〉は俺のものじゃない。いままで参加したプロデューサー全員のレーベルだ」。これは仲間に向けられた感謝の言葉であり、特定の中心を持たずに拡散していこうとする、ひとつの意思表示でもある。実際のところ、マーラは彼自身がレーベルに関わっていることを、2009年頃まで明らかにはしていなかった。この日のタイムテーブには彼の名前がなかったのだけれども、おそらくそれはそういう意図によるものだ。
 ここで先ほどのゴス・トラッドの例に視点を戻す。東京で実験を繰り広げていた彼がロンドンの地下室で産声を上げたばかりの音楽の一部になったように、世界のどこかで起きていることに関わることができるのは現在を生きる僕たちの権利だ。なんとかファブリックを救おうという活動もネットを介し世界規模で広がり、現在多くの支援金が集まっている。そして何より、10年前にロンドンで生まれたダブステップが今日も健在で、それを支えているのが、世界中でそこに耳を傾けている人々だということも忘れてはいけない。分断の風潮も至るところにある一方、確実に広がるこの水平の繋がりは、自分たちの人生を傾けることができる何かを守る大きな力なのだ。
 これからもダブステップと〈Deep Medi〉には夢を見させてもらおう。終演後、ゴミだらけになった会場でそう思ったのは僕だけだろうか。


Supersize me - ele-king

 4月末にリリースされたブライアン・イーノのアルバムは、単にポリティカルなだけではなく、ドローンという手法あるいは分野の可能性を拡張させようとする意欲作でもあった。ここに紹介するSupersize meもまた、そのようにドローンという枠組みを果敢に押し広げようと試みているバンドである。

 Supersize me は京都を拠点に活動しているバンドである。いまだ謎に包まれている部分も多いが、UKの名門レーベル〈FatCat〉がデモ音源を紹介する企画「FatCat Records Demo」にトラックが選出されたり、world's end girlfriend主宰の〈Virgin Babylon Records〉が展開する新人発掘シリーズ「Virgin Babylon Selected Works」からEPがリリースされたりと、すでに玄人筋からの信頼は厚い。
 このたびリリースされたセカンド・アルバム『Slouching Towards Bethlehem』は、その宗教的なタイトルやアートワークからもうかがえるように、内容の方も厳かなムードを醸し出している。
 ドローンとは、さしあたり現代音楽あるいはミニマル・ミュージックの文脈のなかで発展してきた音楽だと言うことができるだろう。しかし本作で聴くことのできるドローンは、どちらかといえばマイ・ブラッディ・ヴァレンタインに代表されるシューゲイズ的サイケデリアとの親和性が高いように思われる。ウィリアム・バシンスキーやフィリップ・グラス、スターズ・オブ・ザ・リッドやグラハム・ラムキン、はたまたエレクトリック・プルーンズやカレント93(デヴィッド・ティベット)といったアーティストの作品から影響を受けているというかれらだが、本作で鳴らされているのは、そのどれとも異なる、決してモノマネではないサウンドである。

 ほとんどの曲では、持続する低音や高音のなかに、あまり自己主張しないヴォーカルが紛れ込んでいる。それはきっちり歌として機能するような、わかりやすい類の「ヴォーカル」ではない。とはいえもちろんそれは、単なる効果音としての「ヴォイス」でもない。興味深いのは、このささやかなヴォーカルがたとえばラ・モンテ・ヤングやホーミーの低音のような持続を追求しているわけではない、というところである。その控えめなヴォーカルは、永遠に生き延びようと奮闘する他の様々な音のなかに静かに侵入し、それら周囲の音と共存しようともがきながら、最終的にはそれら他の音たちの運動についていくことができず、はかなく消え去ってゆく。永遠性のなかを通り過ぎていく一時性。このつつましやかなヴォーカルは、ドローンという持続を志向するはずの運動のなかで、消えていくというまさにそのことによって、「声」が占めている特権的な地位に異議を申し立てようとしているかのようだ。
 本作はネオプラトニズムから影響を受けているそうで、たしかにそのサウンドは、言語には決して還元することのできない超越的な何かを崇拝しているようにも聞こえる。しかし、優艷なドローンのなかに迷い込むヴォーカル、周囲との融合に失敗するヴォーカル、持続という運動に失敗するヴォーカルが、そのような崇拝への意志を見事に裏切っている。

 エクスペリメンタリズムやいわゆるインプロヴィゼイションではなく、シューゲイズ的なサイケデリアをもって宗教的荘厳さやメランコリアを演出しながら、そのなかにはかなく消えていくヴォーカルを滑り込ませてみせるところにこそ、このアルバムの面白さがあるのではないだろうか。
 本作で鳴らされる優美なドローンはたしかに、決して万人から歓迎される類の音楽ではない。Supersize meというバンドはおそらく、媚びるということを知らない。さすが、あの過激でドMなドキュメンタリー映画と同じ名前を持つバンドだけのことはある。Supersize me はドMなのだろうか? そうかもしれないし、そうではないかもしれない。いずれにせよ、この閉鎖的で保守的な日本という国で、あえてバンドという形態で、このように特異なドローンを追求していこうというアティテュードは、素直にかっこいいと思う。この国に Supersize me というバンドがいることを、われわれは誇ろうではないか。

カフカ鼾 - ele-king

 本日、初となるスタジオ・アルバム『nemutte』をリリースしたカフカ鼾。ジム・オルーク、石橋英子、山本達久からなるこのトリオが、アルバムの発売を記念して12月1日にワンマン・ライヴを開催します!
 3人による圧倒的な演奏と、それを元に編集・構築された緻密なプロダクションが、ライヴでは一体どのような形へと昇華されるのか? ぜひ、あなた自身の耳でたしかめてみてください!

ジム・オルーク、石橋英子、山本達久。世界でも注目される3人によるスペシャル・バンド、カフカ鼾(いびき)。
いよいよ発売となる初のスタジオ・アルバム『nemutte』のリリースを記念したレコ発ライブが六本木スーパーデラックスで開催決定。
ワンマン・ライブでたっぷりと、この3人しか描けない世界を見に来てください。

[イベント詳細]
カフカ鼾(ジム・オルーク、石橋英子、山本達久) "nemutte" release live

2016.12.1(木) OPEN / START 19:00 / 19:30
VENUE 六本木SuperDeluxe

ADV/DOOR ¥3,000/¥3,500(+1D)

TICKET WEB予約 https://www.super-deluxe.com/
※スケジュールの12/1イベント詳細ページからご予約いただけます。

INFO https://www.super-deluxe.com/

名作を作り続ける彼ら諸作の中でも革新的な作品。より良いスピーカー、音楽環境で聴いた時に、驚きの世界を体感するでしょう。CDと高音質配信、2つのフォーマットでの発売となります。

カフカ鼾(Jim O'Rourke、石橋英子、山本達久)
『nemutte』
カフカイビキ / ネムッテ

2016.10.05 release
PECF-1141 felicity cap-258

定価:2,400円+税 (CD)
※高音質配信もございます。

1. nemutte

ジム・オルーク、石橋英子、山本達久。世界でも注目される3人によるスペシャル・バンド、カフカ鼾(いびき)、初のスタジオ・アルバムが完成。三位一体のトリオによる最高の演奏を、ジム・オルークが愛情と時間をかけて再構築した、極上の一品!

世界を股にかけて活躍する3人がメイン・プロジェクトとしているのがこの、「カフカ鼾(いびき)」。ジム・オルーク(JimO'Rourke)は、昨年、じつに13年半ぶりとなるヴォーカル・アルバム『Simple Songs』をリリースし、海外のメディアでも年間ベストに選ばれるなど、日本を拠点として世界中に衝撃を与えました。石橋英子は、Merzbowとのユニット「公園兄弟」で世界有数の電子音楽レーベル〈Editions Mego〉デビューを果たし、さらには星野源、坂本慎太郎の作品・ライブ参加や、映画音楽を手掛けるなど活動の幅を広げています。そして山本達久は、各国のアーティストたちとの即興演奏を始め、劇団マームとジプシーの音楽担当やUAの作品・ライブ参加など、多岐に渡って活躍する日本を代表するドラマーとして、重要な役割を担っています。

1曲39分。まるで映画のように紡ぎだされる音のストーリー。3人は、彫刻を掘りつづけるようにゆっくりと、1つの作品を極めて美しいフォルムに仕上げました。多彩な音が、ときには〈ECM〉諸作の凛としたミニマリズムと強く共鳴し、ときにはダンス・ミュージックのように素早いリズムを刻み、テンポやジャンルにとらわれず自由に形を変えていきます。ひとたび耳にすれば、決して難解ではない、気持ちの良い音楽の渦に取り込まれるのです。変幻自在のトリオだからこそできる生演奏ならではの魅力が、ダンス・ミュージック・ファンをはじめ、様々な音楽ファンを虜にすることでしょう。

初のスタジオ・アルバムとなる本作は、3人の即興演奏の空気をエンジニアのジム・オルークが新鮮なまま封じ込め、その最高の素材を料理家のように切り刻み、テクニックを駆使して再構築。最初の録音からは約3年、トリオ演奏と、ジム・オルークによるレコーディング~ポスト・プロダクション~ミックスが究極の音楽作品へと昇華したのです。ステレオ・ミックスながらまるで映画館で体験するドルビー・サラウンドのような音の奥行と広がり。より良いスピーカー、音楽環境で聴いた時に、驚きの世界を体感するでしょう。CDと高音質配信、2つのフォーマットでの発売となります。これまで彼らの音楽を未体験のリスナーにこそ聴かせたい、名作を作り続けるジム・オルーク諸作の中でも革新的な作品が誕生しました。

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