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Home >  News > Powell - ──スポーツの秋だ、パウウェルを聴こう。

Powell

Powell

──スポーツの秋だ、パウウェルを聴こう。

Oct 13,2016 UP

 パウウェル(ゴシップ誌風にいえば“テクの界次世代のスター候補”)の待望のデビュー・アルバムのタイトルは『スポート』で、死ぬほど単調な電子音、PCやiPhoneを叩きつけて破壊するかのようなインダストリアルなグルーヴ、アンダーグラウンド・ロックンロールと名付けられた瓦礫の音響、フランケンシュタインのためのDJミキシング……つまりここには、まったくスポーツらしさはない。
 先にリリースされた「フランキー&ジョニーEP」の“ジョニー”のPVはみんなでスイカを頭で割って喜んでいる。当方、先日頭の怪我で手術したばかりの身なので、あまり笑えないのだが、本当にアホだな~と思う。

 ちなみに「ジョニー」に参加しているジョニーは、ヘイトロック(HTRK)のジョニー・スタンディッシュである(あの身も凍えるようなダーク・サウンドのロック・バンドの女性ヴォーカリストだ)。
 パウウェルは、型にはまることがお嫌いなようだ。1994年の「Club Music EP 」で、これはちょとクラブ・ミュージックとは括られないのでは……という電子ノイズと疾走感を打ち出したかと思えば、そしてスティーヴ・アルビニの声をサンプリングし、アルビニから直に「私は地球上でもっともクラブ・ミュージックを憎んでいる。クラブ人間が大嫌いだし、連中の服装もやってるドラッグもみんな嫌いだ、私は君たちの敵だ」とメールされて話題になった「インソムニアック」は、しかし、実際のところパウウェルは、アルビニがいみじくもそのメールで記した「私が好きなエレクトロニック・ミュージックとは、クラフトワークやクセナキス、初期のキャバレ・ヴォルテールやSPKやDAFのようなサウンド」のほうに近いのである。(この件はファンの間で、アルビニはパウウェルを暗に評価しているからこういう表現をしたのではという議論にもなった)

 〈Modern Love〉や〈Blackest Ever Black〉、〈PAN〉や〈Mego〉などと音楽的にリンクしながら、パウウェルにはユーモアがあり、遊び心があり、ふざけているんだよな~。そのプリティ・ヴェイカントな感じがじつに良い。
 何はともあれ、わずか4枚のEPで注目され、〈XL〉と契約することになった大型新人のデビュー・アルバム『スポート』は、本国では10月14日発売。日本盤はボーナストラック(例の「インソムニアック」)付きで、11月16日に発売。確実に、今年のベスト・アルバムの1枚です。硬直したシーンにはこれぐらいふざけた音楽が必要でしょう!
 

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