「Re」と一致するもの

Various Artists - ele-king

 先日、チン↑ポムが監修した美術手帖の打ち上げがあり、いま、ロシアで指名手配されながら美術活動を続けるヴォイナとのコーディネイトを務めたアンドレイ・ボールト氏と話をする機会があった。ヴォイナがどれだけ危険な状況にあるかは同誌に詳しくインタヴューが載っているので、そちらを参照していただくとして、2年前までロシアに住んでいたボールトさんに、ついあれこれと話題を持ちかけるなか、アンドレイ・ネクラーソフ監督『暗殺・リトビネンコ事件』は観たかと訊いてみたところ、それは観ていないけれど、僕の友だちもプーチンに逆らったために、いまも獄中にいると声を落とし、それまでの笑顔が少し曇ってしまった。ボクシングの試合に姿を現したプーチンに観客席からいっせいにブーイングが巻き起こるなど、全盛期の強権的支配が急速に翳りを見せているとはいえ、結局はヴォイナもパキスタンに脱出せざるを得ず(そのため、3月31日からワタリウムで行われるチン↑ポムとの共同展覧会に本人たちも来られることになったとはいえ)、表現者たちにとって厳しい状況が続いていることに変わりはない(『暗殺・リトビネンコ事件』ではイギリスに亡命したリトビネンコについてロシア国内で取材を続けていたジャーナリストたちが、最初はカメラに向かって様々な取材成果を語っていたのに、ドキュメンタリーが終わる頃にはひとり残らず死んでいたりする)。

 ロシアが資本主義化していく過程で生まれた新興の金持ちはオリガルヒと呼ばれ、時代の変化に対応できたのは当然、若い世代が中心だったために、彼らが好んだもののひとつにハウス・ミュージックがあった(プーチンもオリガルヒのチョイスだとされる)。現在、ロシアのディスコ・カルチャーは空前のイタロ・ブームに沸いていて、『フロム・ロシア・ウイズ・イタロ-ディスコ』といったコンピレイションがつくられたりと、まー、とにかく資本主義が謳歌されていることは間違いない。「働かざる者、食うべからず」というのはレーニンの言葉だし、その段階ですでにカトリック的な価値観は打ち捨てられていたのだから(カトリックというのは働いても食べるものが得られなければ、それも神の思し召しだと考え、労働量とその成果に明確な関係はないとするところがある)、自分の稼いだ金で遊ぶという面白さを制限できるわけがない。そして、そのような文化的な高揚のなかから、もしも面白い音楽が生まれているのなら聴かせていただくまでのことである。

 そうした退廃的ムーヴメントというか、日本人が置かれている環境と同じモードになっている場面にあって、どちらかというと暗いムードのコンピレイション・アルバムが耳を引いた。タイトルも『悲しいパターンの騎士たち』と、どこかオリガルヒに対して距離を取っているような印象もなくはない。モスクワのアントン・クビコフ(SCSI-9)とL.A.のエド・ヴェルトフが運営にあたり、早くからドイツのコンパクトにディストリビューションを委ねてきたレーベルの集大成である(対露投資では当然、ドイツが世界一なので、この関係はむしろ、言葉的にはドイツがロシアを食い物にするパターンだといえなくもない)。SCSI-9は〈サロ〉や〈フォース・トラックス〉からもリリースがある10年選手なので、ジャーマン・テクノを追っていた人なら名前ぐらいは目にしたことがあるだろう。同編集盤には「40分からの問題」と題された彼らの曲も収録され、煩雑になるので、いちいち名前は挙げないけれど、ロシアン・アンダーグラウンドからミニマル・ハウスのフロントラインがそれぞれにボコボコと重いベースを尖らせている(ジョン・テイヤーダがカリフォルニア、スーキーことシシー・カリーナ・ローマイヤーはベルリンからのエントリーか?)。ざわざとした店のムードとともにはじまる(英語読みで)テクニーク&ヤロースラヴ"チェック・ユア・アティチュード"からいきなりズブズブでドープ極まりなく、多少はしゃきっとしたところも見せつつ、クロージング・トラックにあたるドイエク"オールモスト・グリーン"ではリバーヴがあまりにも深く響き渡り、『悲しいパターン』は不思議なほど穏やかな気分で幕を閉じていく。

『ザ・ナイツ・オブ・ザ・サッド・パターン』に収録された8曲はどれも掛け値なしにハウス・ミュージックである。だけれども、ベースがあまりにゴツゴツとしているせいか、ダブステップを通過したハウス・ミュージックとして話題のBNJMNことベンジャミン・トーマスの近作にどことなく似通った印象を抱かせるところもある。デトロイト・テクノにしか聴こえないダブステップの逆パターンというのか、ブレインフィーダーのティーブスとジャックハイの名義でリリースした「トロピックEP」がブレイクのきっかけとなったトーマスは、ソロでは昨年、『プラスティック・ワールド』と『ブラック・スクエア』を立て続けにリリースし、今年になって、その2枚のアルバムから選ばれた14曲が初めてCD化されている。後者のアナログ盤はジャケットの内袋に外袋のデザインを印刷し、外袋には内袋のデザインを施したために、一見すると単なる12インチ・シングルにしか見えないというもので、錯視を利用したラッシュ・アワーのデザインをさらに遊び倒したものといえる。サウンドの方は、しかし、作を追うごとに機能的となり、軽妙洒脱な洗練と引き替えに遊び心は減少傾向にあるようにも感じられる。それでも、ハウス・ミュージックに新風を吹き込もうとする意欲は充分に伝わってくる(タイトル・トラックにはヴェルヴェット・アンダーグラウンドのサンプルが使われているらしい)。

 また、〈ラッシュ・アワー〉からオランダの老舗である〈デルシン〉に移籍したコンフォースことボリス・ブニクによるセカンド・アルバム『エスケイピズム』もハード・ワックスから支持されるだけあって、ベイシック・チャンネルを湿地帯でぶわぶわにしたような展開が実に気持ちよく、ダブとハウスの親和性をここでも印象付けてくれる(アナログの方が例によってデザインがいい。現場で作業しているのは理研軽金属工業株式会社の斉藤さんか?)。冒頭の「シャドウズ・オブ・ザ・インヴィジブル」からあっさりと持っていかれ、エレクトロの導入もいいアクセントになっている。なるほど「現実逃避」という感じかもしれない......

Shop Chart


1

ONUR ENGIN

ONUR ENGIN MUSIC UNDER NEW YORK GLENVIEW / US / 2012/3/11 »COMMENT GET MUSIC
エディット・シーンの超新星ONUR ENGINのファースト・アルバムが緊急リリース!定番クラシックスをニュー・ディスコ/ビートダウン/ブレイクビーツ/ダウンテンポetc..とDJ ユースなフォーマットにリエディット仕上げた絶品トラックが並ぶ抜群の内容でございます◎

2

V.A.

V.A. AHYEWA SOUNDWAY / UK / 2012/3/16 »COMMENT GET MUSIC
QUANTICエディット収録!アンディスカヴァリーな上質ワールド/辺境ミュージック復刻の権威<SOUDWAY>からDJユースなアフリカ物 リエディット12"到着しました!純粋な発掘/復刻リリースも良いですがこういったエディット処理後の使える12"がDJ的には嬉しい限りです◎ 推薦盤!

3

VAKULA feat. DICES

VAKULA feat. DICES ASUWANT SHEVCHENKO / UK / 2012/3/13 »COMMENT GET MUSIC
VEDOMIR名義も絶好調、間もなくそのアルバムもリリース予定のウクライナの天才VAKULA、<FIRECRACKER>傘下の <SHEVCHANKO>よりニュー・リリース!フォロワーが溢れかえる中、今作も型にハマらないフレッシュなハウス・ミュージックを披露。圧倒 的なリリース量にこのクオリティ・・VAKULAスゴイです!ワンショット限定クリアヴァイナル!

4

KENNY DIXON JR

KENNY DIXON JR ULTRA RARE JAN REMIXES & EDITS 2 UNKNOWN / FRA / 2012/3/13 »COMMENT GET MUSIC
入手困難なMOODYMANNレア・ワークスをコンパイルしたMOODYMANN公認(?)と思われる「ULTRA RARE JAN REMIXES & EDITS」第2弾!今回も90年代のKDJ初期傑作レア・ワークスをコンパイル(ほぼ「MOODYMANN EP」のリイシュー!)した贅沢内容!第1弾同様、初回プレス・オンリーの限定盤となりますのでお見逃し無く!

5

JOAQUIN JOE CLAUSSELL

JOAQUIN JOE CLAUSSELL UNOFFICIAL EDITS AND OVERDUBS VERY LIMITED 7" PACKAGE SACRED RHYTHM MUSIC / US / 2012/3/1 »COMMENT GET MUSIC
推薦盤!「UNOFFICIAL EDITS AND OVERDUBS」シリーズからリミテッド7"!レアグルーヴ・クラシックのグレイト・リエディッツ!共に7分越えのDJユース仕様です◎

6

UCND / DJ SHINYA

UCND / DJ SHINYA MORONDAVA / SK.HIGH NNNF / JPN / 2012/2/21 »COMMENT GET MUSIC
SOFTのメンバーUCONとKNDによるライブ・セッション・ユニットUCND(ウコンドウ)待望のスタジオレコーディング音源、そしてその UCNDも幾度となくライブ・セッションを重ねてきた京都発ブラック・ミュージック・パーティー「BUTTER」主宰DJ SHINYAによるラグドなレアグルーヴ・エディットがカップリング7"リリース!

7

GENE HUNT

GENE HUNT MAY THE FUNK BE WITH YOU (THEO PARRISH REMIX) RUSH HOUR / NL / 2012/3/14 »COMMENT GET MUSIC
THEO PARRISHリミックス収録!昨年GENE HUNT所有倉庫に眠っていた80年代の鬼レア貴重未発表シカゴ・トラックスの数々をリリースにまで漕ぎ着けた<RUSH HOUR>が再び送り出すのはその重鎮GENE HUNTニュー・トラック!

8

UNKNOWN

UNKNOWN STORY #6 STORY / GER / 2012/3/14 »COMMENT GET MUSIC
COTTAMら旬の人気クリエイターが覆面で登場する<STORY>シリーズ第6弾!シンセ/キーボードを多様したグッド・メロなウォーミー・ ディープハウス/ビートダウン3トラック!

9

V.A.

V.A. LUV 005 LOVE UNLIMITED VIBES / GER / 2012/3/14 »COMMENT GET MUSIC
詳細不明"謎"の覆面リエディット・シリーズ<LOVE UNLIMITED VIBES>第5弾!例に漏れず淡いメロウ・ディープハウス/ビートダウン絶品3トラック収録!

10

VEDOMIR

VEDOMIR VEDOMIR EP SOUND OF SPEED / JPN / 2012/3/1 »COMMENT GET MUSIC
EDDIE C、KERRIER DISTRICT a.k.a. LUKE VIBERTと確かなメンツの好リリースが続いた<SOUND OF SPEED>のアナログ・シリーズに、現行ハウス・シーンの次世代最注目株VAKULAが変名VEDOMIRで登場!

Metronomy - ele-king

 ジョセフ・マウントの作る音は耳を笑わせる。それも、思わず身体の力が抜けてしまうようなささやかさで、それを聞く人間の顔を綻ばせてしまう。このアルバムなら、手っ取り早く6曲目の"ピーターズ・パン"を聴いてみるといい。オモチャのフライパンをいい大人がポコポコ叩いてるような滑稽な音の反復が、しかし妙な真面目さも伴いながら繰り広げられるものだから、ふざけているのかもよくわからなくなってくる。僕はアキ・カウリスマキの映画の、無表情の登場人物たちが醸し出す人を食ったようなユーモアを思い出す。そして、ああこれは、ほんの少しだけ笑うことがどれだけ大切なことかよくわかっているひとが作っている音だなとしみじみする。

 このアルバムは、メトロノミーがジョセフ・マウントのベッドルーム・プロジェクトだった時代の記録であり、一躍世にその名を知らしめた『ナイツ・アウト』の前史である。ゼロ年代がはじまる前後から、田舎町のいくつかのバンドでドラムを叩きながらコンピュータでひとりでヘンテコなエレクトロニック・ミュージックを作っていたマウントは、やがてそれこそが自分の音だと気づくことになるのだが......ここにはまだその確信はない。とりとめもないアイディアが散らばって、それぞれがまだ不安そうにこちらの様子を窺っている。その当時の音源を集めたデビュー作をこうして再発盤で聴いいていると、もうなんだか、愛おしく思えて仕方がない。
 おそらく〈ワープ〉のクラシック・カタログに多大な影響を受けているだろうIDMと、ディーヴォの脱臼感(諧謔)と、初期のゲーム音楽のロウビットな音質とファニーさを混ぜ合わせたようなエレクトロニカのコレクション。現在に繋がる控えめな佇まいやアンニュイなムードは共通するものの、そのサウンドはバラバラだ。
 まず特筆すべきは、音そのものの圧倒的な語彙の多さだろう。ひとつひとつのシンセ音に明確な個性を与えんとばかりに、ノイズを混ぜたり、倍音を含ませたり、あるいは潰したり歪ませたり濁らせたりしながら、徹底的にそれらをいじり倒している。メトロノミーと言えばプロダクションの斬新さが何よりの特長だというイメージがあるが、『ナイツ・アウト』のコンセプチュアルな作りや『ジ・イングリッシュ・リヴィエラ』の洗練に向けてむしろ音を絞っていったことがこのアルバムを聴けばわかる。"デンジャー・ソング"でプニプニしたグミのような感触の音を聞かせたかと思えば、"ブラック・アイ/バーント・サム"では管楽器を音を外して吹いているような不協和音に力なく歌わせ、"ザ・サード"ではひしゃげたヒューマン・ビートボックスを模してみせる。そしてそれらが、足元が覚束ないビートの上ですれ違い、あまりにもゆるいグルーヴを漂わせていく。チルアウトでもない、とにかく情けなくて頼りないダンス・ミュージック。機能的ではないかもしれないが、意識の内側にはじわじわと染みこんでくる。
 トラックによって出来のバラつきはある。だが、"ブラック・アイ/バーント・サム"で普段大人しい奴がどうにかこうにか感情を吹き出したようなエモーショナルなメロディや、周波数が安定しないラジオから聞こえてくるようなディスコ"トリック・オア・トリーツ"辺りには、マウントのポップに対する感性がすでに存分に発揮されているし、ラストの"ニュー・トイ"ではどこか厳かな響きもあり、その引き出しの多さを見せつけている。とにかく、マウントはベッドルームでひとり、膨大な音と戯れ続けたのだ。

 それにしても、こんな風にひっそりとサウンド遊びをしていたマウントは、いったい誰を笑わせようとしていたのだろう? ここで彼が面白おかしく表現しているものは、しかしよく聴けば、切なさ、物悲しさ、情けなさ、もどかしさ、あるいは期待外れ......というようなものに感じる。ありったけのウィットとペーソスでもって、自分のカッコ悪さを慈しむようでもある。本作において唯一のヴォーカル・トラック"トリック・オア・トリーツ"では、女の子の目線を借りて新たな恋への期待と不安を虚勢を張りつつ歌っている......自分のみっともなさをチャーミングなものに仕立てるかのように。ただ何となく続いていく日常の、取るに足らない自分の情けなさや些末な感情に音を与えていたジョセフ・マウントは、自分のカッコ悪さを笑ってやることで許していたのだろう。だから、その音は自分のか弱さを知っているリスナーに......ダンスフロアの隅っこで遠慮がちに踊っているような人間に支持されることになったのだ。いま、ヨーロッパでメトロノミーが大いに支持されているのは、この頃から手軽な高揚に甘えなかったマウントの思慮深さによるものである。
 ちなみに、国内盤にはボーナス・トラックが4曲収められていて、とくに"アー・マムズ・メイト"の間抜けさ、"イン・ザ・D.O.D."の妙なファンキーさ、"ヒア・トゥ・ウェア"のチープな響きには思わず笑ってしまう。"アナザー・ミー・トゥ・マザー・ユー"の軽さもいい。このささやかな笑いは、明日も繰り返される日常に向かっていくために存在する。

Chart by Underground Gallery 2012.03.15 - ele-king

Shop Chart


1

THE HOUSEFACTORS

THE HOUSEFACTORS Play It Loud (Black Market / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
ロンドンの名門[Black Market Records]が、レーベルのクラシック作品を正規再発していくシリーズ第三弾は、シカゴ・レジェンドLARRY HEARDがTHE HOUSEFACTORS名義にて88年にリリースした幻の1stシングル「Play It Loud」! このシリーズ、本当に見逃せませんよ!数あるLARRY HEARDの中でも、マッドさ、レアさ、共にトップ・クラスのカルト作品「Play It Loud」がリマスタリング復刻!ドカドカと打ち鳴らされたTR909のグルーヴに、マッドなうねるアシッディーなアルペジオ・シンセがグルグルと回り続ける、"裏"LARRY HEARDを代表するクラシック!DERRICK MAYもその昔ヘビー・プレイしていました。ちなみに、中古市場では、70ユーロなんて金額で取引されています。音質も音圧もばっちりなので、オリジナル盤を持っているって方も、これは見逃せません

2

IUEKE

IUEKE Tapes (Antinote / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
フランスはパリの新興レーベル[Antinote]の第一弾は、IUEKEなる素性不明なアーティストが、1991年~92年にかけて、ロンドンのレゲエ・スタジオで制作し、カセットテープにてリリースされていたという、超マニアックな作品が、ヴァイナルにて復刻! とにかく音がマッド!ザラザラしたアナログ感は、現在主流の作品では味わえない、独特の質感があって、とにかくヤバイ...。ノイジーなウワ音とLO-FIなグルーヴを軸に、クレイジーに暴れるアシッド・シンセがマッドに飛び交うA面「Tape 1」、ドラッギーな電子音が入り乱れたインダストリアル・トラックのB1「Tape 2」など、3トラックを収録。JAMAL MOSSにも通じるマッドさと、初期APHEX TWIN的な実験性をもった、かなり危険は一枚!

3

SEAHAWKS

SEAHAWKS After Sunrise (Ocean Moon / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
限定500枚!DR.DUNKS aka. ERIC DANCAN / GATTO FRITTO リミックス! UKの名門レーベル[Lo Recordings]のオーナーJON TYEと、ATPフェスのアートワークもを手がけるPETE FAWLERによるバレアリック・デュオSEAHAWKSが、昨年末にリリースした 2ndアルバム「Invisible Sunrise」収録作を、RUB'n TUG、STILL GOINGでも活躍する ERIC DANCANのプロジェクト DR.DUNKS、[International Feel]や DJ HARVEYのへヴィープレイでも話題を呼んだ「Invisible Collage」のヒットで知られる GATTO FRITTOがリミックス。 アルバム内でも特に人気の高かった「Catch A Star」を、ERIC DANCANがダヴィーなシンセを効かせた、メロー・バレアリックなスローモー・ディスコ・リミックスへリミックスしたA面、アルバム・タイトル作「Invisible Sunrise」を GATTO FRITTOがディープ・エレクトロ・コズミック・サウンドにリミックスしたB面と、どちらも抜かり無し!

4

NO MILK

NO MILK One Time Or One More Time Ep (Ragrange Records / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
RONDENIONが主催する[Ragrange]の新作は、[Outergaze]や[Capricious]、[Yore]、[Third Ear]などから作品をリリースしてきた、日本人プロデューサー NO MILKのNewシングル。 過去作品は、THEO PARRISHにへヴィー・プレイされるなど、数いる日本人アーティストの中でも、頭ひとつ抜けたハウス作品をリリースしてくれるNO MILK、今回はアシッド・テイストを散りばめたA1や、スピリチュアル・ジャズ的な不穏なオルガン・ループドラッギーなリズム・ベースで展開させたA2、NO MILK流のファンキー・ハウスのB1、ディスコ・クラシックのコーラス・パートをサンプリングした、アシッド・ハウスB2と、全4曲を収録。当然、大推薦な1枚です。

5

RONDENION

RONDENION Devotion (Faces Records / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
もはや説明不要のジャパニーズ・ディスコ・マスターRONDENIONが、日本人アーティストKEZ YMやMOTOR CITY DRUM ENSEMBLEなどもリリースしてきた、フランスの[Faces Records]から新作をドロップ。限定500枚! 絶妙にカット・アップされたディスコ・サンプルを、ねちっこく、エロティクに反復 させた、RONDENIONらしいブラック・ディスコ・ハウスが3トラック。US産にも通じる ザラついた荒々しい質感もグッと来ます。初期のKDJファンにもオススメです。全世界 限定500枚プレスとのアナウンスです。

6

V.A

V.A Magic Wand Vol.4 (Magic Wand / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
UKの人気バレアリックレーベル[Is It Balearic?]傘下に立ち上げられた リエディットレーベル[Magic Wand]新作。今回は 御馴染み COYOTEを筆頭に、[American Standard]からリリースを残す SAD GHOSTらが参加した 4トラックを収録。まず A1ではその SAD GHOSTが、聞き覚えのある男性ヴォーカルモノの 哀愁系アコスティック・フォークナンバーを ネタにした レイドバック・ダヴィーリミックス「Sweet Lady Magic」、A2には 詳細不明のアーティスト SWARTHY ROUGUESによる 緩やかな AOR系バレアリック・ダヴィー・ディスコ「Like Loving You」。B1には サイケデリック~アシッドフォーク系ファンの方には御馴染みの USのシンガー・ソングライター TIM BUCKLEYによる 69年作「Cafe」を、サイケ・ダヴィーなスローモー・ディスコ化にアレンジ B1、B2には エキゾチックな女性ヴォーカル・ブギーをネタにした、COYOTEがリエディットを手掛ける「I Dig Marion」を収録。

7

JOSE GONZALES

JOSE GONZALES Cycling Trivialites (SAHKO Recordings / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
5年前にリリースされた名盤「In Our Nature」に収録され、長年12インチ・カットが望まれていた名作「Cycling Trivialites」が、フィンランドの名門レーベル[Sahko]より遂に12インチ化! 幻想的な空気感を奏でる繊細なギターの音色と、心地の良い温もりを持ったヴォーカルが紡ぎだす美しい世界は、もはや圧巻の一言...。ほんとうに素晴らしすぎます。 アルバム収録曲とは別ヴァージョンでA面、B1には同作の"Radio Edit"、さらにB2には同じくアルバム「In Our Nature」から「The Nest」を収録。LPは今では入手困難な1枚となっていますので、持っていなかった方も是非この機会をお見逃しなく!間違いなく、2000年代を代表するアコースティック/チルアウト/フォークの名盤ですよ!

8

JASON GROVE

JASON GROVE 313.4 Ever (Skylax Records / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
80年代後半からDJとして活動をはじめ、"WJLB"や"WDRQ"などの地元のローカルラジオ局にて活動してきた、デトロイトの隠れたベテラン・プロデューサーJASON GROVE、待望の1stアルバムがフランスの名門[Skylax]より登場! 昨年末[Skylax]傘下の新レーベル[Wax Classics]より、15年前に制作していたというテープ音源をリマスター12インチ化させ話題を集めたJASON GROVEが、自身のキャリア初となるフルアルバムをリリース!先行リリースされたの2作のシングル作品でも見せた、オールド・スクール感満載のリアル・アンダーグラウンド・デトロイト・ハウスを全12トラック(しかも全て新作)収録!OMAR-S、THEO PARRISH辺りの、リアル・ビートダウン・ファンの方なら間違いありませんよ~絶対にチェック!

9

RICHARD SCHNEIDER JR.

RICHARD SCHNEIDER JR. Dreamlike Land (Harvest/ LP) »COMMENT GET MUSIC
限定復刻! ドイツのマルチ・コンポーザー RICHARD SCHNEIDER JR.が[Harvest]から77年にリリース発表した、エレクトロニクスとワールドミュージックを融合させた、プログレ・ロック超名盤! ブラジリアンなサンバ、ボサノバ、メキシコやペルーなど南米音楽と、当時のドイツのシーンを象徴するかのような、ドラッギーでスペーシーなエレクトリックなシンセが見事に融合した、ナカナカ他では聴けないタイプの、70's ジャーマン・エレクトロ~プログレッシブ・ロック名盤。南米系ワールド・ミュージックファンや、AOR好きの方はもちろんですが、コズミック~レフトフィールド方面の方も、是非チェックしてもらいたい、踊れる楽曲も多数収録しているので、是非、騙されたと思って試聴だけでもしてみてください。本当に、カッコイイので、オススメです。限定プレスでのリリースとなっていますので、是非お早めに!

10

ASUSU

ASUSU Sister (Livity Sound/ 12inch) »COMMENT GET MUSIC
[Punch Drunk]を主催している事でもお馴染み、Peverelistが新たにスタートさせた、超限定ホワイト・シリーズ[Livity Sound]の第二弾は、地元ブリストルのトラックメイカーASUSUのよる、ダブステップ通過後のディープ・テクノ・サウンド! デトロイティシュな空間シンセと尖ったスネアが印象的な、ディープ・ハウス・ナンバーのA面も良いですが、ここで特筆すべきはB面に収録されたヘビー・ウェイト・ダブ・テクノ!非4つ打ちな、ドープグルーヴと、スモーキーなダブ空間でハメていく、ベース・ミュージック!かなりプレス枚数も少なく、現在のところは、入手が困難なシリーズなので、気になる方はお早めに!

Inner Tube - ele-king

 ジョン・エリオットのスペクトラム・スプールズがスペインのアシュラことセンセイショナル・フィックスからフランコ・ファルシーニのソロ作『コールド・ノーズ』(アンビエント本P41)を復刻したかと思えば、同じくエメラルズのマーク・マッガイアーはスペンサー・クラークことチャールズ・ベルリッツ(スケイターズ、モノポリー・チャイルド・スター・サーチャー)と結成したイナー・チューブのデビュー作でラ・デュッセルドルフをリ-モデルと、相変わらずエメラルズ周辺は動きが衰えない。むしろ加速しているとも。

 イナー・チューブによるラ・デュッセルドルフの解釈はメトロノミック・ビートを半減させてアコースティック・サウンドを増幅させたというもので、これまでのマッガイアーの仕事を思えば、かなりリズム・コンシャスになっている(ベルリッツはヒップホップ・スクラッチ・サウンドとまで言っている)。イナー・チューブとはサーフィンの波のことで、バリ島やシシリー島、あるいはカリフォルニア・ビーチやマーク・リチャーズという有名なサーファーが曲の題材となり、サーフ・ボードに砕け散る波をジャケット・デザインにする辺り、これまでのスタティックな快楽性に加えて疾走感も表現するようになったことは、マッガイアーとは少し異なる方向性を指し示していたと思っていたジョン・エリオットのミストがジャーマン・トランスばりのスピード感に舵を切っていたことと、いつの間にか歩をそろえていたということでもある。もしも、いますぐにエメラルズが新作に取り掛かったら......それこそクラウス・ディンガーも死んでる場合ではなかったかもしれない(ちなみに大学の同級だった木村茂樹は新婚旅行の行き先がクラウス・ディンガーの自宅だった!)。

 エメラルズやマッガイアーの音楽からストレートにクラウス・ディンガーのことを思い出すようになるとはまさか予想もしていなかったけれど、昨年は『タンク』が絶賛を浴びたクライトラーからラ・ノイ!のメンバーでもあったアンドレアス・ライゼも6年ぶりとなるセカンド・ソロをリリース。『タンク』でもミニマル・サウンドはひとつのキー・サウンドとなっていたところを、さらに装飾性を削ぎ落とし、イタロとクラウトロックをミニマル化するという奇態なことをやってのけている(ミキシングはシェッド、カッティングはステファン・ベッケ、冒頭のポエトリー・リーディングにはポスト・インダストリアル・ボーイズ)。

 メトロノミック・ファンクとでも称すればいいのだろうか。これもやはりクラウス・ディンガーがもしもロック・ジェネレイションではなく、ジェフ・ミルズを意識するような世代であれば、ハード・ミニマルに対してある種の対抗軸として編み出されたサウンドにも思えなくはないし、"クリンクラン"のようなクラフトワークの初期作(それはつまりクラウス・ディンガーということだけど)をテクノ以降のフォーマットに移し変えたものといえ、天にも遊ぶ感じはそれこそハルモニアのダンス・ヴァージョンといえる。メトロノミックということは明らかにマーチのリズムを使っているということで、実際、菊地成孔のいう微分的なリズムではないと感じられるのに、ガビ・デルガドー(DAF)ばりにラテン・パーカッションを軽く入れたりと、あまりにも軽妙で浮ついた調子にはついつい腰が誘われてしまう。

 同じクライトラーでもデトレフ・ヴァインリッヒによるエレクトロ・プロジェクトはそうはいかず、3作目を数えるトゥルーズ・ロウ・トラックスはいつにも増してライゼとは対照的に地の底へと沈み込んでいく不気味な快楽性が追求されている。かつてはもう少し呪術的な側面(ファンキーといってもいい)もあったりしたものが作を追うごとに無機的になり、ある種のスタイリッシュな完成形に入ってきた段階なのだろう。この重さはまさにドイツ印であり、明日への希望がすべて閉ざされたかのようなダーク・ミニマルはヴァークブントの別名義であるメヒティルト・フォン・ローシュ(裏アンビエントP133)を部分的に再現しつつ、クラウス・ディンガーが絶対に覗き込もうとはしなかったドイツのダークサイドを執拗にさ迷い続ける。DAFの地味なナンバーかと思えばカン"ムーンシェイク"を思わせる曲など、よく聴くとヴァリエイションは豊富なのに、どこを取ってもとにかく陰々滅々とした気分が容赦なく打ち付けられていく......

Memoryhouse - ele-king

 メモリーハウスがやりたいことは、実際のところとても地味で繊細な表現である。それが欠点になるかといえばそういうわけではない。彼らには表現者というよりは、ひとりのリスナー、ひとりの芸術愛好者としての謙虚な趣味性がある。そして先行する偉大な作品やアーティストたちへの素朴なあこがれがある。エヴァン・アビールとデニス・ヌヴィオン。カナダで活動するこの男女デュオは、映画やアートを愛しながらつむぐつつましき生活の、そのかたわらに寄り添うようにして作り出した音楽に「メモリーハウス」と名づけた。命名はかのマックス・リヒターの2002年作『メモリーハウス』に因んでいる。暗鬱な詩情にあふれるあのシネマティックな作品をひとつの理想として、彼らは彼らに見える風景をゆっくりとすくいあげようとしている。
 エヴァンのほうはもともとはバロック音楽に興味があったようだ。マックス・リヒターを通してネオ・クラシカルやミニマル・ミュージックに関心を寄せるようになり、別名義でクラシカルやアンビエントの作品もあるという。メモリーハウスのイメージとはやや異なった資質だ。デニスと出会うことで、それがポップ・サイドに開花したということだろう。デニスは学校で映画を専攻し、写真にも造詣が深い。メモリーハウスのジャケット写真はすべて彼女の手になるものだ。あのやわらかくセンチメンタルな光もまたメモリーハウスのいち部である。
 このフル・レングスの前に、彼らはEPをいちど出し直している。もちろんそれは最初のEPリリース後に〈サブ・ポップ〉との契約が決まったことが理由ではあるだろうが、「僕たちの意図をよりクリアにするためのリメイク/リイシューだった」とエヴァンが述べるとおり、納得のいくものを残したいという彼らの生真面目さがそうさせたのだろうと思う。やわらかく、センチメンタルで、生真面目で......彼らの音楽は謙虚で丁寧な情感の描写がある。
 本アルバムにおいて基本的に路線変更はない。EPからアルバムへという過程で、メモリーハウスとしての個性がさらに模索され、その輪郭がくっきりとした印象がある。ビーチ・ハウスやツイン・シスターを思わせる、なだらかな起伏を持ったサイケデリック・ポップ。デニスのヴォーカルも深すぎないアルトで、木管楽器を思わせるぬくもりとやわらかさがある。耳と神経に心地よい。メロディにはあまり幅がないものの、彼女の声あってのメモリーハウスだというような存在感がある。冒頭の"リトル・エクスプレッションレス・アニマルズ"が彼女の声のオーヴァー・ダブからはじまるのは、この点で象徴的だ。"オール・アワ・ワンダー"や"カインズ・オブ・ライト"など、ゆったりとしたビートで彼女の歌自体を際立たせる曲は要所に置かれている。
 新しく加わったのはテンポ感だろうか。"ザ・キッズ・ワー・ロング"の思いきって動きのあるベース、軽快なスネアは新鮮だ。"プンクトゥム"のアコースティック・ギターの音色とフィンガー・ピッキングもよい。素朴なフォーキー・ポップをなかばから入るエレキ・ギターのドリーミーなリヴァーブがぐっと引き立てる。
 EPによってにわかに注目を浴びることとなった頃、彼らはチルウェイヴの名とともに喧伝された。内向的でドリーミー、リヴァービーな音響とコンプレッサーによって変形された音像はまさに時代の音としてのチルウェイヴを体現するものであり、またその名のために彼らの音楽はいっそう遠くまで届くことになった。しかしウォッシュト・アウトのフルレングスがそうであったように、彼らもまたそこから一歩踏み込み、「歌」に忠実に自らのオリジナリティを追求しようとした跡がはっきりうかがわれる。"カインズオブ・ライト"のピアノ、スネアのディレイとは対照的に硬質な響きを残すあの旋律を聴けば、彼らの描く「歌」の姿が見えてくる思いがする。

鴨田潤 (イルリメ) - ele-king

3月10日現在、ipodのジャパニーズ事情(順不同)


1
岡村靖幸 / 家庭教師 (エピックレコードジャパン)
再発盤を聴いてますが学生の頃の耳では見つけられなかったパッションがまだ沢山発見出来るギラついたもはや日本の財宝です。Live家庭教師のDVDも再発熱望。

2
Lantern Parade / 夏の一部始終 (ROSE RECORD)
去年の秋頃のアルバムですが最近始められたライブをこないだ(3/8)体験したのですがそれが目頭熱くなる程良かったです。なのでまた再びipodに入れて聴いています。今一番生で体験して欲しいバンドセットです。

3
スカート / ストーリー (カチュカ・サウンズ)
発売されてからずっとipodに入れているアルバムです。詞良し曲良しアレンジ良しと走攻守三拍子揃った作品です。タイトル曲、ストーリーの歌詞「ストーリー 続きがあるなら また今度っていいたい」と繰り返し歌う時間は名シーン。

4
昆虫キッズ / ASTRA クレイマー、クレイマー (TOMOE)
名前も音の方向性もネットで確認はしていたのですが、ちゃんと音源を聴かないとダメですね、反省しました。盤がこれまた格好良かったです。編曲具合がミックスの手腕と合間って、まるで映画を観ているように音を追えますね。

5
DJ VICTORIA / S.A.S +α MIX
レコード屋の店内で流れていて即購入したミックスものです。ワンアーティスト縛りのミックスは面白いですね、そのミュージシャンのドキュメントを追っているような気分になります。しかもこのバンドとくれば涙腺ものです。

6
COMPUMA / SOMETHING IN THE AIR
手に入れてから就寝前によく流しています。四部に分かれるミックスものなのですが、導入のドローンからせせらぐ電子音がとても大人びていて、心地良く微睡むことが出来ます。末長く聴けるミックスです。

7
DJ WILDPARTY , okadada / Midnight Young Songs (mixtape)
このご時世、MIXものなんて腹下す程ダウンロード出来ますがやはり日本語が流れると耳引っかかりますね。利休の朝顔の話のように和モノをかけるDJの国民性、好きです。後、midnight love callのDUB、浸れます。

8
オノマトペ大臣 / 街の踊り (Maltine Records)
こちらも発表されてからずっとipodに入れているしラップでオススメを訊ねられればこれを差し出す程好きです。話し言葉と文学性のバランスが程良く混ざり合う年頃、若葉の眩さを切りとったような作品。

9
MINT / ミンちゃん (FILE RECORDS)
フリーダウンロード作品をバシバシ発表し続け、遂に出る待望の正規盤。衰えないこの毒々しさ危なさは、純粋過ぎて美しいほど鋭利です。カリスマの誕生前夜のように引力のある盤です。

10
ECD / Don't Worry Be Daddy (FINAL JUNKY)
石田さんと坪井さんそれぞれ個人の成熟とライブでの熟練具合と時代性が濁流のようにぶつかり飛び散り混じり流れた先に勢いよくこのCDにパッケージされたような緊迫感と熱量が詰まってます。とにかく音の活きが凄い、3D。目の前に飛び込んで来る。「19の頃の歌 つぶやいた」この吐露の瞬間こそ、ECDの真髄。

DJ mew (恥骨粉砕) - ele-king

最近のHeavy Impression 10選 (2012/03/07)


1
Shabazz Palaces - The King's New Clothes Were Made By His Own Hands (Yours Truly X Gorilla vs Bear) - Sub Pop

2
Gang Colours - Fancy Restaurant - Brownswood

3
Bun+Fumitake Tamura - Kayabe (Free DL)

4
Maxmillion Dunbar - Girls Dream - Ramp

5
Falty DL - My Light, My Love - Ninja Tune

6
Aphex Twin - Actium - R&S

7
Clark - Roulette Thrift Run - Warp

8
Gerry Read - Roomland(Distal Remix) - 2nd Drop

9
Drum Island - Drum Island - Apollo

10
Weldon Irvine  - Music Is The Key - Luv N' Haight

Jeff Mills - ele-king

 本作はサイエンス・フィクションである。CDにはブックレットがあり、ジェフ・ミルズ自身による物語が記されている。以下、その要約。

 彼(スリーパー)は月へと到着する。彼は月で生命体=ムーンナイトと出会う。スリーパーは彼らの活動空間を案内される。ムーンナイトの説明によれば、彼らは地球の番人で、スリーパーのそれまでの人生は偶然ではなく、ムーンナイトが仕組んだ計画的なもので、スリーパーの脳は自分を経験をムーンナイトに報告するために設計されているという。しかも、ムーンナイトによれば、人間とは宇宙に存在するほかの生命体のために開発された製品(プロダクト)である。地球はその人間を養殖する施設だ。
 そして、宇宙においてもっとも求められている商品が「人間の夢」だった。ムーンナイトとは開発者であり農夫であり、月は司令塔だ。人間が目撃するUFOは監視船だった。気象変化は、人間のさまざまな成長パターンを計測するための操作されている。夢(ないしは悪夢など)といった商品は、ますます需要を増した。
 しかし、どんな流行も廃れるときが来るように、「人間の夢」も時代遅れとなった。ムーンナイトは新しいプロダクトを思案する。そのリセットのために地球を破壊しなければならない。
 実はこのことを地球の政府は知っていた。長いあいだ彼らとムーンナイトとは関係があった。人類は破壊される前に地球を脱出するため、政府はムーンナイトとの交渉を繰り返す。だが......(時間切れ)。

 レイ・ブラッドベリとフィリップ・K・ディックを足して2で割ったような話である。この物語のそれぞれの場面に曲がある。
 近年のアルバム作品においては、ある種の情景を描写するようなアンビエントを展開することの多かったミルズだが、『ザ・メッセンジャー』ではさらその趣向を強めている。物語に基づいた作品であるから起伏に富んだ展開だが、ダンスよりもムードを優先している。〈アクシス〉ならではの通信機のような音色とシンプルなドラム構成によるリズミックな展開は変わらずで――というか、ここまで来ると自分の芸を絶対に曲げないんだという意地すら感じる――、それでも緊張感の度合いをコントロールしながら、最後まで聴かせてしまうところはさすがという他ない。

 シナリオに関しては、彼のニヒリスティックな視点が反映されていることは言うまでもない。『X-102』をはじめ『コンタクト・スペシャル』、そして"Something In The Sky"シリーズなど、いままでは、どちらかと言えば宇宙ないしは宇宙人に期待を寄せていたミルズだが、『ザ・メッセンジャー』では情け容赦ないディ ストピック・ヴィジョン描いている。なにせ地球はムーンナイトによって破壊され、人類はいなくなるのだ。そう思えば、ほぼ同時期に出たハウラーの『アメリカ・ギヴ・アップ』とは、国家に対するやりきれなさという点ではジャンルおよび年齢ほどは離れていないのかもしれない......SF的な強引さで言えば......(まあ、つまりこれはこじつけである)。

interview with NRQ - ele-king


NRQ
のーまんずらんど

マイベスト!レコード

Amazon iTunes

 私は牧野琢磨といっしょに湯浅湾というバンドに参加しているからライヴのたびに会うが、ライヴのとき、牧野は入り時間前に会場に現れて、入念にリハーサルし、熱心に演奏し、電車に乗って帰っていく。その動作のひとつひとつの真剣さに、私はいつも感心し、かつ、叱咤されるような感じがあるが、ときにしまりのない私たちはじっさい叱られたりする。やはり音楽においては真摯なのである。それは現在のライヴハウス・シーンに共通する価値観ともいえるが、彼らはそこでもやや浮いている、というよりも、ノマドになってそこを横断していく。
 吉田悠樹(二胡、マンドリン)、牧野琢磨(ギター)、中尾勘二(ドラムス、アルト・サックス、トロンボーン、クラリネット)、服部将典(コントラバス)のNRQは前作『オールド・ゴースト・タウン』(2010年)で、21世紀のインスト音楽の可能性を、演奏の強度やムード(非強度)に必要以上に寄りかからない、事件性を回避した、むしろ歴史や体系と地続きのものとしてさしだしたことで、その展開の一例を示したと思われる。とはいっても、NRQはブルースやラグタイムやカントリーやジャズの末裔でもなければ、それらを手際よく料理して無国籍風にしあげるわけでもない。そうは問屋が卸さないのは、いまが2012年であるからだし、彼らは形式を尊重しても盲信しない、四人それぞれがきっちりと音楽の語り方をもっているミュージシャンだからだ。その姿勢はセカンド『のーまんずらんど』でも陸続としている。客演にMC.sirafuとmmm(ミーマイモー)を招き、編曲の射程は広がり、時間が過ぎた分、成熟の度合いは増したが、能書きのいらないNRQを聴く愉しみは変わらない。
 このインタヴューは、NRQから牧野琢磨と中尾勘二のおふたりお越しいただき、湯浅学と松村正人が聞き役になって行った。四時間におよぶ取材は最初NRQについて、ついで中尾勘二との対話へうつる。今回はその前半、NRQのインタヴューをお送りします。

『ノーマンズランド』って勇ましくてバカバカしい響きじゃないですか。勇ましいものってバカバカしいでしょ。それがカタカナだと本気だと思われそうだったから平仮名にしました。震災と関係なくそう考えていたんだけど、震災があって、結果的にそれと関係があるかのようになってしまいましたが。(牧野琢磨)

湯浅:牧野くんは音楽をいっぱいつくりたいんでしょ?

牧野:僕はファーストをつくった時点で2枚目までつくれればいいなと思っていました。それはストラーダ(コンポステラとして活動していた篠田昌已、中尾勘二、関島岳郎が篠田の没後、新たに桜井芳樹、久下惠生を加え結成したグループ)が2枚(『山道』『テキサス・アンダーグラウンド』)出しているから。

中尾:それとは関係ないでしょ(苦笑)。

牧野:関係なくはないです。それはほんとうの話。

中尾:ライヴ盤も出てるよ。

松村:ライヴ盤も出さないといけないですね。ライヴ盤は2枚出てるんでしたっけ?

中尾:2枚組だったけど、バラでも売ったからね(『タブレット』『スイッチバック』)。

牧野:そうでした。いつか作らないとですね。......2枚目つくって満足するかなと思ったんだけど。

中尾:じゃあ解散だ(笑)。

牧野:いやいや、それで終わってみたら満足できなかったんですね。まだまだだと。

中尾:入れたいと思った曲が2枚目にあまり入らなかったということだ。

牧野:そういうわけではないんですが......。けれど、やりたいことが、アイデアが2枚目まではあったんですけど。

中尾:もうなくなった?

牧野:なくなりました(笑)。空です。つぎは、ラテンとブルーグラスですかね(笑)。

中尾:何いってんだよ(笑)。

牧野:いや、これはほんとうに考えているんですよ。

湯浅:ラテンというのはボレロ? トリオ・ロス・パンチョスみたいなもの?

牧野:弦楽器でできるラテンと、中尾さんがいっぱいレコードをもっているブルーグラスとか、そういうのを3枚目はやりたいなというのはあります。けれどもそれは僕だけの考えかもしれないので、どうなるかはわからないです。

湯浅:1枚目と2枚目は組になっているよね?

牧野:けっこうそのまま勢いでつくったかもしれないですね。あっ、そういえばこの前、3枚目でやりたいことがあるという話になりました。全部の楽器を単音で配置していって、ギターも和音を弾いて調性を決めるのではなく、単音で弾いた音符にメンバー同士で反応し合う、つまり全部管楽器みたいな感じを3枚目にやりたいというのはあります。だから3枚目はたぶんすごく地味になります。

中尾:それは第三者に判断してもらうしかないね。われわれが豪華だと思っても、「どこが豪華なんだ」ということになるからね(笑)。地味だといわれつづけているバンドだからね。

湯浅:NRQは話し合いで進んでいくの?

牧野:合議制です。

中尾:そうなの?

牧野:だって中尾さんにも意見聞くじゃないですか。

湯浅:曲つくったひとが主導権をもつというのもない?

牧野:曲ごとに作曲者が主導権をもつのはたしかにそうですが、それはケツもちをやんわり決めておくということですよね。録音したときの楽器の配置とかミックスとか、単純にアレンジとか、そういったことは作曲したひとが担当する。だけどたとえば、曲順とか。今度のアルバムの曲順には中尾さんの意見がすごく反映されているし、曲間の秒数は服部(将典)さんの意見が反映されているし、そのつど意見のあるひとが――

湯浅:いっていいんだ。

牧野:もちろん。

湯浅:採用されるの?

牧野:採用するもなにも、僕が決めることじゃないですもん。湯浅湾とちがうんですよ(笑)。

湯浅:湯浅湾は牧野独裁体制が敷かれているからね。うちは逆下克上だから。

牧野:"お前のカタチをなくしたい"(湯浅湾『』収録)とか、僕は「湯浅さんそんなに弾かなくていいですよ」っていったけど、その通りだったでしょ!

湯浅:別に不満があるわけじゃないよ。

牧野:NRQはほんとうに合議制です。というか、アイデアがあるひとがそれを実践するということですね。

湯浅:それは湯浅湾もそうだけどね。

牧野:吉田(悠樹)さんとか服部さんにジャケットについて意見を訊いてもなかなか出てこないから、だったら意見がないのかな......いや、ないということはないにしても、とりあえず先に進んじゃいました。特に今回は進行がギリギリだったので。

湯浅:ジャケットは牧野くんが考えたんでしょ?

牧野:僕は古写真にしようと思ったんですよ。湯浅さんの『音楽が降りてくる』や『音楽を迎えにゆく』のカヴァーみたいな(佐々木)暁さんがいっぱいもっているような写真。僕もちょっともっていて、それを使いたいといったんだけど、それだと湯浅さんの本といっしょになっちゃうし。ディレクターからの反応が――

松村:むしろ顔を出した方がいいと。

湯浅:あの写真はどこで撮ったの?

牧野:スタジオの裏庭です。レーベルのディレクターからは、ザ・バンドのセカンド(『The Band』)みたいな写真がいいんじゃないかともいわれたんですが。今回録音したのは入間の元米軍ハウスを改装したスタジオだったんですが、そんなところでザ・バンドみたいな写真を撮ったら目もあてられない結果になるから、これは写真家の選定を大事にしなければと思ったんですね。それですぐに塩田(正幸)さんに連絡して、「とにかくいい感じじゃない写真を撮ってくれ」とお願いしました。淡くなくて、いい雰囲気じゃなくて、コントラストもない写真。塩田さんは被写体に思い入れをもたないように見える、早撮りのひとだし。いまインディのものってとにかくよくできているじゃないですか。紙もいいし、写真もうまいし、デザインも素敵。メジャー、インディという物いいは意味ないかも知れないけど、メジャーと比べても遜色ないというか全然面白い。けれど、今回はそれを全部避けたかったんですよ。

中尾:それは避けられたかもしれないね。手焼きのCD-Rが入っている感じだもんね。

湯浅:でもプレスしている。

牧野:印刷している紙も高いんですよ。あとオビが特色を2色使っているんですよ。蛍光イエローにメタリックグリーンという、オビだけ何だかアゲ系のディスコヒッツみたいなちょっと意味わからない豪華さがあります(笑)。とにかく手にとってよくわからないものにしたかったんですよ。いい感じのものは世にあふれているわけで。

湯浅:たしかに何だかよくわからないよね。

牧野:いい感じのものが悪いわけじゃないですけどね。

湯浅:ジャケットを見ると「これ中尾さんのリハビリ?」みたいな気がするものね。

中尾:お見舞いに来ているというかね(笑)。退院祝いみたいなね。

湯浅:「演奏できるんだから完治したんだろうな」みたいなね。

中尾:どこが悪かったんだろうって。

牧野:「戦争のお話訊かせて」みたいな(笑)。

中尾:いつの戦争だよ(笑)。

湯浅:坂上(弘)(今年90歳になるシンガー・ソングライター兼ラッパー。95年に自主カセットで出した"交通地獄"で知られ、2009年にはアルバム『千の風になる前に』を出した)さんと中尾さんは見た目そんなに差がないからね。

松村:ザ・バンドの2枚目というはわりかしストレートなイメージですよね。

牧野:元米軍ハウスでレコーディングして外見がスワンプというのはいくらでもあるかもだし。中身はスワンプじゃないし(笑)。ディレクターの意見も冗談含みですけどね。だから結果的に塩田さんにお願いしてほんとによかったです。

湯浅:坂本慎太郎のアルバムと同じだしね。タイトルは決めていたの?

牧野:タイトルもいちおう合議制です。メンバーにあげるまえに、僕は『のーまんずらんど』がいいんじゃないかと思っていたけど、それはファーストを録った直後、ここ2年くらいずっと思っていたことなんです。

湯浅:どうして?

牧野:大昔、VHSで同じ映画を何回も観ていたんですよ。売り物のVHSって本編の前に予告編が入っているじゃないですか。だから予告編も同じものを何回も観ていて、そのタイトルが『ノーマンズランド』だったんです。本編は観たことないんですが、予告編から察するにチャーリー・シーンが潜入麻薬捜査官なんです。で、『ノーマンズランド』って勇ましくてバカバカしい響きじゃないですか。勇ましいものってバカバカしいでしょ。それがカタカナだと本気だと思われそうだったから平仮名にしました。震災と関係なくそう考えていたんだけど、震災があって、結果的にそれと関係があるかのようになってしまいましたが。

松村:リーロイ・ジョーンズとか関係ないんだ?

牧野:リーロイ・ジョーンズとの関係はつねにあります(笑)。ね、中尾さん。

中尾:そういわれてもわからないよ。

牧野:それもほかのメンバーと「アルバムのタイトルどうしましょう?」と話しあっていたときに、僕が案を出して、他の方が何もなくて、吉田さんが「それでいいんじゃないですか」となって、「じゃあそれでいきましょう」と。そう流れでした。

松村:中尾さんは何の意見もなかったですか?

中尾:ないです。わからないんですよね、このひとたちが何を考えているのか。世代のせいかもせいかしれないけど。いいか悪いか、私からは判断できないので、これはもうお任せするしかない。古い人間がいろいろいっても、よくなる可能性があるとは個人的には思わないので。よほど気になったことだけしかいわない。だから今回は曲順のことだけしかいってないですよ。

牧野:けど、それがけっこう重要だったんですよ。

中尾:曲順はまったく関心のないひとが聴いて飽きないというのが昔から基本にあるので。割と私はいつも、録音やるときも思い入れのない方なので、ひとのドラマ性も平気で分割できるタイプなんです。篠田(昌已)くんの篠田ユニットの『コンポステラ』とか『1の知らせ』とかの曲順は私の意見を採用したものです。「ドラマ性がどうだから、この曲の次は――」といっていたの全部ぶった切って「そんなの知らないよ」って(笑)。「途中で寝ちゃうから」って。そこにはこだわりがあるんですね。

松村:中尾さんがたまにいうことは重要なんですね。

湯浅:裏番だね。

中尾:裏番じゃないですよ。

牧野:今回のアルバムの12曲目("春江")を僕はド頭にもってきたかったんですよ。ストラーダの『山道』を意識して。

湯浅:あれが1曲目はよくないと思うね。

牧野:だから中尾さんの意見を採用してよかったです。

湯浅:入っていきにくいかもしれないね。

牧野:考えてみたら、僕らがセカンドっていっても、誰も僕らのこと知らないですからね。

中尾:われわれの個人的な事情は誰にも通用しないよ。

牧野:おっしゃるとおりだと思います。

[[SplitPage]]

わからないんですよね、このひとたちが何を考えているのか。世代のせいかもせいかしれないけど。いいか悪いか、私からは判断できないので、これはもうお任せするしかない(中尾勘二)


NRQ
のーまんずらんど

マイベスト!レコード

Amazon iTunes

松村:中尾さんはつねにそういうやや外側の位置からでバンドに関わっているんですか?

中尾:そうじゃないけど、気になるのはそこだけ(笑)。あとはどうでもいい。

松村:演奏とかいろいろあるじゃないですか?

中尾:そのときにできることしかできないんだから、それをいろいろいってもしょうがない。けれども、できあがったものをどう並べるかはけっこう重要じゃないですか。

湯浅:CDは残るからね。

中尾:残りますし、私はレコード世代だから順番がけっこう大事なんです。

湯浅:ほんとうならA、B面にしたいところですよね。

中尾:だから中休みみたいなものをつくることもありますよ。真ん中あたりで曲間をちょっと多めにとるとかね。

牧野:今度のもいちおうA、B面で考えましたけどね。

湯浅:収録時間はどれくらいだったっけ?

牧野:47分で、単純に5曲目でA面が終わりです。"うぐいす"からB面です。

湯浅:そういう風にしてくれないと聴いていて疲れちゃうよね。

牧野:よくわからなくなりますね。

中尾:私はCDになってからとくに最後までなかなか聴けないんですよ。

湯浅:俺は『のーまんずらんど』はフルでけっこう何回も聴いているんだけど、その間にご飯食べたりおしっこしたりしているから。

牧野:47分はけっこう長いですよ。

松村:43分くらいにしたかった?

牧野:ベストは38分ですね。

湯浅:そうだね。30分台がいいね。 

牧野:片面3~4曲くらいですね。

松村:でも私はこのアルバムは聴くのはつらくないですよ。

湯浅:1枚目よりこっちの方が楽かもしれないね。

中尾:それはですね。できあがった音が、各楽器が1枚目より音像が遠いからですよ。ほんとうにソツのない音になっていて私はいいなと思いました。

牧野:それは宇波(拓)(ソロやホースでの活動をはじめ、多くのインディミュージックの録音にも携わる音楽家。〈ヒバリミュージック〉主宰)さんのおかげです。

松村:前作より低音がやや強調されていない?

牧野:それは松村さんの家のシステムがダビーだからです。

中尾:ちょっと「あれ?」ってくらい聴き取りにくい音があったりするから、その方が押しつけがましくないんですよ。

湯浅:これ小さいので聴いたときと大きい音で聴いたときと印象がちがうよ。

牧野:近頃ほんとうにたいへんなのは、その再生機器が一体いつつくられたのか、どのくらいのグレードでつくられたのか。あるいは媒体がCDかmp3かWAVか、多岐にわたりすぎていて。決定稿を出すのがたいへんだったんですよ。

湯浅:それは考えない方がいいんだよ。

牧野:そうですよね。だから最終的に宇波さんのところで聴いたものを頼るしかない。たとえば同じCDでも昔製造されたCDウォークマンで聴くのと、いまつくったもので聴くのとではぜんぜんちがう。昔のCDウォークマンはほんとうに音がいいですよ。

湯浅:CDプレイヤーもそうだよ。

松村:mp3に合わせているのかもね。

牧野:mp3で聴いた方がよかったりするんですよ。音圧が逆にでかくなったりするから。

湯浅:製品の、オーディオ機器の方針がわからなくなっているからね。だからどこに合わせるかというのももうない。とりあえず、宇波くん家と決めれば、それでいいんじゃないかな。

牧野:しかもイヤフォン、ヘッドフォンも多岐にわたるじゃないですか。楽器の音のちかい音源なんか、カナル型で聴いていられないじゃないですか。音楽はずっと耳の中で演奏されるわけじゃないですから。だからこれは、宇波さんがよくやってくれたんですよ、フラットに。

松村:レコーディングから宇波さんだったんですか?

牧野:エンジニアリングが全部宇波さんですね。スタジオで円くなって録りました。

松村:それでも低音がやや強いような――

牧野:だからそれは松村さんの家庭の事情ですって。

中尾:あと人間の問題ですよ。ベースが気になるから大きく聞こえる。私は逆にベースは小さいと思ったんですけどね。

湯浅:そうだよ。ベース耳なんだよ。俺は歌耳だからベースがよく聞こえないんだよ。

牧野:歌耳のひとってベース聞こえないですよね。

湯浅:ベース聴いて歌ってないもん。ドラムだよな、聴くのは。

牧野:湯浅湾の場合は、松村さんのベースだからというのはあるかも知れないですよ。存在感のみすごくあって、なおかつ他の楽器と溶け合ってるようなベースだから。

湯浅:ドラムがいちばん気になるんだよ。その次がベース。だから俺、山口(元輝)くんになったからうまく歌えるようになったんだよ。それはギターのひとが何聴いて弾くかっていうのと似たところがあるじゃない。

牧野:僕は完全に山口くんを聴いてますね。湯浅湾では。

湯浅:それで(バンドの中で)関係性ができていくのがあるじゃない。人間関係といっしょでさ。誰の話をいちばん最初に聞くかというのと同じでね。

松村:それは聴き方のクセなんですね。

牧野:利き目といっしょですよ。

湯浅:利き足もそうだね。どっちの足から踏むか、とかね。

湯浅:今回の最大の留意点は何だったの?

牧野:僕、前日に人のお葬式に出ていたんですよ。高校のときの友だちの旦那さんが亡くなったというので、録音の前日にたまたまお葬式があって......でもこれはいうと引かれそうだから、いわない方がいいかもしれないけど、2011年はとにかくひとがたくさん死んだな、というのはありました。でも絶対ひとにはいわないようにしているんです。引かれるかもしれないから。でも今いっちゃったんですけど。

松村:メディアに載るとね。

湯浅:「牧野くんてマジメに考えてるんだな」って。

牧野:いやいや。でもレコーディング前はなんとか2日間で無事カブセ(オーヴァーダビング)まで終わらせたいな、とだけ思っていました。それが留意点といえば留意点です。

松村:録音日時は?

牧野:11月の19と20日です。レコーディング2日でミックスとマスタリングは1日です。

松村:これはもうライヴでやっていた曲ですか?

牧野:やっていた曲です。

中尾:これは載せられないかもしれないけど、あるバイアスがかかったお陰で録音ができたっていうのはあるよね。録音のとき、スタジオ側から「音が大きい」っていわれて、ビビリながら演奏したのがよかったのかもしれない。

牧野:いざ録音はじめたらスタジオ側にとって音がでかかったらしくて、「もっとアコースティックにお願いします」っていわれたんですよ。

中尾:「この曲はスティックじゃなくてブラシの方がいいんじゃないか」っていわれて、とはいえスティックでやったんだけど、まあそういうバイアスというか戒厳令下で録音したみたいな感じでした。

松村:灯火管制が敷かれた感じですね。

牧野:2~3テイク以上は録れない情況だったんです。とくに"ボストーク"という曲は「ブラシでやってください」と示唆されました。

松村:この曲なんかガツガツやりたい曲じゃないですか。

牧野:そうですね。でもあまりできなかったんですよ。

中尾:それが録音物としてはよかったんじゃないかな、とあとで思いました(笑)。

牧野:中尾さん黙っちゃって。「ブラシどうですか?」っていわれたとき、中尾さんは僕のうしろにいたんだけど、中尾さんから--

中尾:ヘンな空気は出てなかったですよ。

牧野:そうかな!? けどともかくも、中尾さんが口開いたら終わりですから。

中尾:何もいいません。それで、吉田くんがね。

牧野:「あとで試してみます」って。

中尾:結果として功を奏したよね。宇波くんの録音スタイルだと、あれくらいの音量であれくらいの部屋っていうのがちょうどよかったと思う。

[[SplitPage]]

何かわからないものを出したい、というのはおもに外側の話であって、中身はたんに演奏しただけなんです。つねにただ演奏するだけです。まだそれに飽きてないんです(牧野琢磨)


NRQ
のーまんずらんど

マイベスト!レコード

Amazon iTunes

湯浅:NRQって誰が聴いていると思う?

牧野:わからない。誰だろう。

湯浅:実感ある?

牧野:ライヴハウスでやっているから、そこに来てくれるひとは聴いてくれていると思います。

松村:毎回くるお客さんもいるでしょ?

牧野:いたりいなかったりです。そんなに人気ないんです(笑)。でも、誰が聴いているんですかね。

中尾:知り合い(笑)。よく見かけるひとはたいがい知り合いだよね。

湯浅:知り合いになっちゃうんじゃないかな。NRQって簡単なことやっているわけじゃないけど、敷居が低い気がするんだよね。

牧野:敷居は低いですが、それは歌がないからだと思いますよ。

湯浅:そんなことないよ。

牧野:歌がないから、なおのことそういう風にみえるんですよ。

湯浅:俺さいきん、twitterをチェックしているんだけど「湯浅湾は歌詞はくだらないけど、ギターは最高だ」っていう意見あるからね。

松村:それはいまの話と対になる話じゃないですよね。

湯浅:でもそれはすごく核心を突いた反応だなと思って。どっちかといえば、湯浅湾は演奏を聴いてほしいからね。

牧野:バンドをやっているひとだとそう思うんじゃないですかね。そんなこともないかな。けど、湯浅さんは歌の歌詞とか聴きます? 

湯浅:聴くよ。俺それが気になるからイヤになっちゃうんだよ。

松村:私は聴かないな。

牧野:僕もぜんぜん聴かないんですよ。中尾さん聴きますか?

中尾:よほどのことがないと入ってこないかな。歌に力があるとイヤでも入ってくるけど。

牧野:誰ですか力のある歌って?

中尾:そんなのいちいち憶えてないよ。

牧野:ヴィクトル・ハラ(チリのシンガー・ソングライター。"耕す者への祈り"はコンポステラもとりあげ、"平和に生きる権利"は大友良英からソウル・フラワー・ユニオンまで多くのカヴァー・ヴァージョンがある)ですか?

湯浅:何いいだすんだよ。

中尾:歌に耳を引っ張られることはあるけど、基本的にはあまり興味がない。

牧野:キャンディーズの"微笑がえし"に「おかしくって なみだがでそう」って歌詞があるじゃないですか。たしかに歌詞では「可笑しくって、涙が出そう」とあるのだけど、演奏と曲の調性と歌声といっしょに聴いたらどう考えても「可笑しくって、涙が出そう」なわけじゃないんだな、とわかる。本当はいいようのない別離の哀しみがあるのだろう、と。僕は今回"ノー・マンズ・ランド/アイ・ワズ・セッド"という歌ものをつくったとき、そういう効果を期待したんです。コードとかメロディとか調性とか歌詞とか、そういう情報が一体化してはじめてわかる歌のおもしろさってあるじゃないですか?

中尾:いやー牧野くんの意見には感心しますよ。私は「不味いお菓子を食ったんだな」って思ってましたから(笑)。リアルタイムで。「お菓子食って、涙が出そう」と。

牧野:「ハバネロ」的なお菓子食べてね(笑)。......だけど普段は歌詞をあまり聴かないからよくないですよね。

湯浅:そう?

牧野:ここだけの話、演奏するときは歌詞はあまりちゃんと聴いてないんです。たとえば、歌詞に「青い花」とあっても「青い花」的な演奏することなんて絶対ないじゃないですか。ただ単にその曲がどういう曲なのか、それを自分の過去と参照して演奏するだけだから。参照しない場合もありますけど。

中尾:言葉にいちいち対応して演奏がちがっても困るからね。自分は自分でいいんじゃないかな(笑)。

牧野:歌手の方は、自分の歌声で判断される場合もあるでしょう。歌っている内容どうこうじゃなくて音像として、つまり好きな音色かどうかで良し悪しを判断される場合もあると思うんです。だから歌手のひとはたいへんだとも思います。そのような意味もあって、我々の敷居は低かろう、と。

松村:そもそも今回はなぜ歌ものをいれようと思ったの?

牧野:この曲は大友良英さんたちのやっている〈プロジェクトFUKUSHIMA!〉の支援金募集のためのサイト、〈DIY FUKUSHIMA!〉に「提供してください」といわれて提供した曲です。〈doubtmusic〉の沼田さんからオファーがありました。オファーがあって、何をしようかなと思ったときに......、この曲のサビのメロディはずっと頭の中にあったものなんですよ。でももしかしたら、自分がつくった曲じゃないのかもしれない、という気がしています。

松村:どういうことですか?

牧野:僕はFENが好きで、昔よく聴いていたんですけど、こういう曲調のカントリーがいっぱいかかるんですよ。それでもしかしたらこういう曲の記憶が残っていたのかもしれない。ともかく、頭の中にメロディがあったからあとは和音をつけて歌詞をはめて、自分で歌うのはイヤというかムリだから、誰か英詞で歌って説得力がある、しかも歌声が好きなひとと考えて、mmm(ミーマイモー)にお願いしたんですよ。

湯浅:歌詞は誰が書いたの?

牧野:自分で書きました。それで〈DIY FUKUSHIMA!〉に提供したはいいが、mmmと録音をやってくれた片岡(敬)くんに、チャリティだったからギャラを払えなかったんですね。それでお礼をしたいと思って、歌とギターのファイルにNRQでオーヴァーダブしてアルバム・ヴァージョンにしたんです。そこに組み込めば少し払えるようになると。

湯浅:還元するために再録したんだ。

牧野:そうです。

松村:曲があったから入れたということですね。

牧野:曲があって、プロトゥールスのファイルもあった!

湯浅:10曲目に(この曲が)出てくるのはいいよね。

牧野:それは中尾さんのおかげです。

中尾:放っておいたらこの曲が最後になりそうな雰囲気だったら、それを回避させようと私はがんばったんです(笑)。

牧野:曲順については、ほんとうに何も思いつかなかったんです。どうすれば耳が集中して聴き続けてくれるのかもアイデアが湧かなかった。だからメンバーのみなさんの意見は重要でした。

松村:曲名とか、言葉に関してはNRQはとくに気にしてはいないですか?

牧野:僕はその都度興味のあることをモチーフに曲名をつけますね。

松村:曲は書いたひとがタイトルをつける?

牧野:そうです。吉田さんの"ボストーク"とか"イノメ"、服部さんの"春江"はわからないですね。

中尾:"春江"は土地の名前だといっていたよ。昔バイトでいった先の土地らしいよ(笑)。

牧野:そういえば、そこで鼻歌で生まれた曲だっていってました。そのメロディにあとでコードをつけたって。

中尾:春江さんを思い浮かべてはいない(笑)。

牧野:僕はさいしょ女のひとだと思いましたけどね。

湯浅:春江なんて名前の女性はいまどきいないよ。仲居さんにいそうな名前だよな。「春江さんビール3本!」みたいなね。

松村:でもNRQには言葉が暗示するものがあるでしょ? 

湯浅:ナゾかけみたいね。

松村:それがインストバンドの利点ともいえるかもしれないけど。

牧野:そうなるしかない、のかもしれないですよ。

松村:じっさいそういう消極的な姿勢でもないでしょう。

牧野:そうなっちゃうんですよ、どうしても。

湯浅:タイトルがついていると聴く方が勝手に風情を感じるじゃない。

松村:そういう風情はファーストから変わらずありますよね。

牧野:それはファーストのころは知らなかったです。

松村:知らなかった?

牧野:言葉によって曲に風情がくっついている、ということですね。ただたんに演奏していただけだから。あとからひとに、たとえば豊橋の小川(真一)さんの書いたライヴ・レヴューを読んで、聴くひとはそういう風に感じるんだなと思ったんですよ。

松村:曲名が言葉を呼ぶきっかけにもなりますからね。

牧野:なればいいと思いますけどね。吉田さんの"ボストーク"はたぶんパンの名前ですね。

松村:「ロシアパン」みたいなものなんだろうか?

牧野:(吉田さんは)曲名にロシアのモチーフが多いですね。

松村:そういうところもバンド内で共有しているわけではないんですね。

牧野:してないです。だからたまたまパッケージングしただけともいえますね。でもこの曲はポンチャックのつもりだったらしいですよ。吉田さんはポンチャックが好きなんだって。

湯浅:変わってるね。

牧野:デモはもっとポンチャックっぽかったんですが、ほら、中尾さんにフュージョンのたしなみがあるから(笑)。

中尾:ないよ(笑)! 私はポンチャックのつもりでやってました。

牧野:中尾さんクルセイダーズのコピーバンドやってたじゃないですか! なんでウソつくの!

中尾:コピーバンドはやっていません。曲をとりあげたことがあるだけです(笑)。多重録音バンドで題材にとりあげたことがあるだけです!

牧野:以前、フュージョン・バンドで演奏していたら「そのスットコトントントンってフィルやめてくれ」っていわれたっていってませんでしたっけ?

中尾:フュージョン・バンドじゃないよ。大学の軽音サークルにいって遊びでやっていたら「そのお囃子みたいなフィルインはやめてくれ」っていわれたの(笑)。

松村:ある世代から上はフュージョンのたしなみはありますからね。

中尾:たしかに高校3年のときにカシオペアのコピーバンドはやっていました(笑)。でもそれだけです(笑)。

牧野:こう見えても中尾さんは驚くほど16分音符がはまるんですよ。

中尾:やっていたから、というより、いち時期どっぷり聴いていたからじゃないかな。

牧野:だから聴いていたんでしょ?!

中尾:高三まではフュージョン青年でした。

牧野:でしょ!

中尾:そのとき「この先には未来はない」と思ってやめました(笑)。「フュージョンは終わった!」って、それでSPに行きました(笑)。

牧野:もともと子どものときはSPだったんですよね。

中尾:小一のときに親戚からいくらかもらって聴いていたから素養はあったんですよ。全面的にそっちにしようって決めたのは高校を卒業してからですね。

牧野:フュージョンは当時みんなが聴いていたからということですよね?

中尾:70年代の終わりから80年代のはじめはいちばん盛り上がっていましたからね。

牧野:だから"ボストーク"もラリー・カールトンみたいなコード進行になる瞬間がありますよ(笑)。

中尾:わかんないよ!

牧野:それは桜井(芳樹)さんにもいわれましたよ。「あのマイナーの"ルーム335"みたいな曲いいじゃん」って(笑)。

中尾:師匠にそういわれた!

松村:お墨付きをもらってこの曲がシングル的な位置づけになった、と。

牧野:それはですね、VIDEOTAPEMUSICくんっていうPVをつくってくれた人と、この曲は親和性が高いだろうと思ったからです。映像がつけやすいリズムが(この曲には)ある。

[[SplitPage]]

高三まではフュージョン青年でした。そのとき「この先には未来はない」と思ってやめました。「フュージョンは終わった!」って、それでSPに行きました(笑)。(中尾勘二)

松村:湯浅さん、"ボストーク"はPVがあるんですよ。

湯浅:YouTubeかなんかで観られるの?

松村:観られるらしいですよ、私は拝見していませんが。 

牧野:インタヴュアーがふたりとも観てないなんて......。メールしておけばよかったですね。でもPVたって、U2みたいにメッセージは入れてないですよ(笑)。

湯浅:アムネスティとかじゃないの(笑)?

松村:戦争の映像とか入ってないの?

牧野:入ってないです(笑)。

「ボストーク」PV




NRQ
のーまんずらんど

マイベスト!レコード

Amazon iTunes

湯浅:牧野くんはつくってから何回か聴くの?

牧野:僕は死ぬほど聴きますよ。

湯浅:中尾さんは録ったら聴かないでしょ?

中尾:聴かないですね。

松村:いままでもそうだったんですか?

中尾:自分の多重録音以外は聴かないですね(笑)。

松村:自分の多重録音はどこかから出す予定はないですか?

中尾:出さないですよ。

松村:どうでしてですか?

中尾:個人的趣味だから(笑)! 誰がそんなもの聴かせますか! 自分で聴いておもしろいのはそれくらいですね。CDは聴かない、というかイヤです。とくに自分が参加した曲だと気になるところが出てくるので、落ち着かないです。

牧野:僕は何回も聴いて、気になるところをコンパウンドで磨くかのように、自分で慣れるようにします。何回も聴けば気にしなくなるじゃないですか。こういうもんだと。製品の耐久チェックみたいなものですかね。

松村:吉田くんや服部くんはどうだろうか?

牧野:どうなんだろう。吉田さんは聴いていると思いますし、服部さんも今回は聴いているんじゃないですかね。最終的にこれ、1日であげたマスタリングが決定稿になったんだけど、そのあと宇波さんが別途修正版をつくってくれたんです。でもそれを僕と服部さんは「前の方がよいので戻してください」ってお願いしました。だから服部さんもかなり聴いているのではないでしょうか。

松村:中尾さんは?

牧野:聴かせてない。

中尾:たぶんどうでもいいっていったでしょうね。でもチラッと仮のヤツを聴いたら問題なかったんので、それは大丈夫だということですよ。それから全面的にちがうことにはならないだろうと。

牧野:単純に音圧が出ていたんですね。

松村:1回目の方が?

牧野:2回目の方が。整備されてしまっていたんです。だから1回目にしたんです。

松村:それは何かわからないものを出したかったからですか?

牧野:1回目のに慣れていたからというのはあるかもしれないです。それと、音圧によって楽器の響きも変わっちゃいますからね。

湯浅:ギターだと(音圧があがると)ゲージ(弦の種類)が変わっちゃうからね。

牧野:楽器の位置、というか定位も変わっちゃうから。さっきの何かわからないものを出したい、というのはおもに外側の話であって、中身はたんに演奏しただけなんです。つねにただ演奏するだけです。まだそれに飽きてないんです。

松村:曲のつくり方はファーストとセカンドではちがわないんですか?

牧野:変わらないです、僕は。

松村:ギター周辺で何か変えたことはありますか?

牧野:前回は弦がフラットワウンド(巻き方による弦の種類。フラットワウンドとラウンドワウンドがあり、一般的にフラットワウンドは丸い温かみのある音といわれる)だけだったんですが、今回はそうじゃないんです。ラウンドワウンドが多かったです。

湯浅:ラウンドだったんだ。

牧野:はい。それはなぜかというと、いつも使っていたギルドのギターが調子が悪く、ノイズが出ていて、レコーディングで使えなかったんです。だからグレコのセミアコを主に弾きました。それはラウンド弦。一部フラットワウンドで弾いている曲もあるけど、そのギターは常さん(鈴木常吉)から借りたフルアコでした。弾き慣れてない楽器だったので大変でした。いいわけです(笑)。奏法的にはどうこういう感じじゃないですね。ただ、もうほぼエフェクターは使わなくなりました。聴けばわかると思いますけど! エフェクターを踏む前に右手と左手でもっともっとできることがある、という気がしています最近は。......というかもっと、中尾さんに聞きたいことはないんですか? 松村さん。

中尾:ないないない! 答えることないから(笑)。

牧野:いっぱいあるんじゃないですか。

中尾:NRQに関係ないから。

牧野:関係なくてもいいですよ。

中尾:そんなことないでしょ。

松村:せっかくきていただいたんだから。

牧野:ロング・インタヴュー録っておいた方がいいですよ。NRQもそこそこに(笑)。

松村:そうですね。場が温まったことだし、次は中尾さんのインタヴューへうつりましょうか。(続く)


NRQツアー情報

NRQ『のーまんずらんど』発売記念ツアー

愛知・名古屋
3/9(金) 鶴舞KDハポン 
open19:00/start19:30
前売¥2000/当日¥2300+drink
出演:NRQ、ツクモク、HADA 

愛知・一宮
3/10(土) com-cafe三八屋
open18:30/start19:00
投げ銭 +drink
出演:NRQ、カタリカタリ

兵庫・神戸
3/11(日) 塩屋旧グッゲンハイム邸
IKITSUGI / SHOS / HOP KEN 合同企画
open14:00/start14:30
予約¥2500/当日¥3000
出演:NRQ、半野田拓、ju sei+江崎將史、ett+パーパ、真夜中ミュージック、片想い、三田村管打団?、テニスコーツ......ほか多数
 
京都
3/12(月) 京都拾得
open17:30/start18:30
前売¥1800/当日¥2000
出演:NRQ、井上智恵トリオ、泊、ゆすらご(黒田誠二郎+翠娘)

東京
3/20(火・祝) 吉祥寺MANDA-LA2 
open18:00/start19:00
前売¥2500/当日¥2800+drink
出演:NRQ、片想い、mmm 
※前売券SOLD OUTです。当日券の有無は会場までお問い合わせください。
TEL:0422-42-1579

NRQインストアライブ
3/15(木)
タワーレコード新宿店
19時ごろより
出演:NRQ、mmm、トンチ

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632 633 634 635 636 637 638 639 640 641 642 643 644 645 646 647 648 649 650 651 652 653 654 655 656 657 658 659 660 661 662 663 664 665 666 667 668 669 670 671 672 673 674 675 676 677 678 679 680 681 682 683 684 685 686 687 688 689 690 691 692 693 694 695 696 697 698 699 700 701 702 703 704 705 706 707 708 709 710 711 712 713 714 715 716 717 718 719 720 721 722 723 724 725 726 727 728 729 730 731 732 733 734 735 736 737 738 739 740 741 742 743 744 745 746 747 748 749 750 751 752 753 754 755 756 757 758 759 760 761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800 801 802 803 804 805 806 807 808 809 810 811 812 813 814 815 816 817 818 819 820 821 822 823 824 825 826 827 828 829 830 831 832 833 834 835 836 837 838 839 840 841 842 843 844 845 846 847 848 849 850 851 852 853 854 855 856 857 858 859 860 861 862 863 864 865 866 867 868 869 870 871 872 873 874 875 876 877 878 879 880 881 882 883 884