「MAN ON MAN」と一致するもの

interview with !!! (Nic Offer) - ele-king

もし世界中の人が己の恐怖にチャレンジして、立ち向かっていたら、この世界はより良い世界になる。


!!! (Chk Chk Chk)
Shake The Shudder

Warp / ビート

Indie RockFunkDisco

Amazon Tower HMV iTunes

 なぜいまディスコなのか。
 いやもちろん、!!!(チック・チック・チック)はその活動の初期からディスコやハウスに触発されてきたし、というか、それらアンダーグラウンドなダンス・ミュージックとパンクとの結合こそがかれらの音楽のシンギュラリティだったわけだけれど、7枚目のアルバムとなる新作『Shake The Shudder』は、チック史上かつてないほどにディスコ色が強まっている。ディスコ、と言ってもかれらが取り入れているのは快楽至上主義の薄っぺらいそれではない。本作にはムーディマンからインスパイアされたトラックが収録されているが、チックが参照しているのは、そういう黒いグルーヴに支えられたディスコやハウスである。かつて『リミックス』誌で、チックのようなサウンドを鳴らすアーティストは一見ほかにもたくさんいるように見えるが、いざ探してみるとぜんぜん見当たらない、強いて近いものを挙げるなら、スコット・グルーヴスがジョージ・クリントンほかPファンクの面々をフィーチャーしてリメイクした“Mothership Connection”の、さらにそのダフト・パンクによるリミックスだろうか、というようなことを三田さんが書いていて、言い得て妙だと思った覚えがあるけれど、そういうデトロイトなどのファンク~ハウスとパンクとの特異な合成こそがチックの音楽のエスプリなのである。
 でも、じゃあなぜ「いま」かれらはこれほどディスコに接近しているのか。あれこれその理由を考えてはみたけれど、やっぱり昨年の政治的・社会的な出来事がきっかけになっているとしか思えない。アルバム・タイトルに込められた「恐れを振り払え」というメッセージもそうだ。チックはもともとポリティカルな事柄に意識的なバンドだったから(そもそもかれらが大きな注目を集めるきっかけとなったのは、ジュリアーニを批判する“Me And Giuliani Down By The School Yard (A True Story)”だった)、そういう捉え方をしてもまったく不適切ではないし、じっさい本作には“Five Companies”や“Things Get Hard”といった曲も収められている。けれどもチックは、けっしてシュプレヒコールをあげたりはしない。かれらは音楽が政治の道具なんかじゃないことをよくわかっている。だからチックはスローガンを叫ぶかわりに、最高にホットなグルーヴを編み出して僕たちを踊らせる。ダンスこそがこの暗澹たる時代に対する最高のリヴェンジなんだぜ、とでも言わんばかりに。
 そしてそのグルーヴの上を駈け抜けるのは、これまた最高にロマンティックなリリシズムだ。「空の上には成層圏がある/そこに君を連れて行きたいんだ」(“Throw Yourself In The River”)。この小っ恥ずかしいまでに素直な願望こそがこのアルバムの動機であり、チック・チック・チックというバンドの本懐でもある。

そしていつか全ては過去になる
だから忘れずに彼らを笑わせておこう
(“Dancing Is The Best Revenge”)

 最高のグルーヴは、そして、最高の感傷を引き連れる。いつかすべては過去になる。だからこそ僕たちは「いま」踊ることをやめられないのだ。

俺が「ファックだ!」と言ってもそれは答えにはならない。解決策ではない。まだ議論は続いていて、戦いは続いている。本当は、俺はそんなことはしたくない。人に反論したり反対したりするようなことはしたくない。だからこそ、やはり答えはエンターテインメントにあると思う。

アルバム・タイトル『Shake The Shudder』についてですが、資料によると「身震いを振り払え」ということで、ミュージシャンとしての経験を踏まえてのことのようですが、もっと広い意味でも捉えられるのではないかと思いました。昨年、アメリカでは大きな社会的出来事がありましたが、そんな時代だからこそ「恐れるな」、というニュアンスも含められているのでしょうか?

ニック・オファー(Nic Offer、以下NC):アーティストは、課題に立ち向かわないといけないから、ある意味、恵まれていると思う。俺の友人(でアーティストでない人)たちは、50%くらいのチャレンジしかしていない。チャレンジする必要がないから無難なところに収まりやすい。でも、アーティストはチャレンジするのが仕事みたいなところがある。もし世界中の人が己の恐怖にチャレンジして、立ち向かっていたら、この世界はより良い世界になる。そういう意味では、このタイトルは、幅広い人たちへのメッセージとして捉えられると思う。

ツイッターで拝見したのですが、当初は『Save The Bongos For Later』というタイトルの予定だったのですよね? 変更した理由をお聞かせください。

NC:あれは、ただの冗談だよ(笑)。俺たちは、いつもアルバムの偽タイトルを考えついて、ツイートしたりして遊んでるんだ。

3曲目の“Dancing Is The Best Revenge”は、昨年ライヴで先行公開された曲ですね。このタイトルもとても興味深く、アルバム・タイトルと同じように、こんな時代だからこそあえて「踊ろうぜ」と言っているように感じられました。チック・チック・チックというバンドのアティテュードが示された曲だと考えて良いのでしょうか?

NC:そうだね。バンドと俺たちのアティテュードをまとめてくれる曲になったと思う。また、なぜ俺たちがバンド活動を長く続けられているかという理由もこの曲に表れていると思う。俺たちは、ずっと踊り続け、前進し続けてきたからこそ、まだいまでも存続している。ダンス・ミュージック、エレクトロニック・ミュージック全般は、つねに進化していると思う。つねに新しく、新鮮なものでなければいけない。だから進化を繰り返している。その反面、ロック・ミュージックはあまり変わらずにいる。だから俺たちも前進し続けないといけない。この曲は、そういうアティテュードの表れだと思う。

チック・チック・チックというバンドがこのタイミングでアルバムを出すのは非常に興味深いことだと思います。あなたたちが最初に注目を浴びたのは、2003年の「Me And Giuliani Down By The School Yard (A True Story)」というシングルでした。トランプを支持していたジュリアーニは最終的には政権入りを辞退しましたが、当初は閣僚に就任するのではないかと見られていました。昨年の大統領選挙では、いろいろなミュージシャンが反トランプを掲げていましたが、かれらが声を上げれば上げるほど、貧しい人たちは反感を増幅させて、トランプ支持にまわったという話を聞いたことがあります。それについてはどう思いますか?

NC:質問の最後の部分は本当じゃないと思う。どんなセレブレティの声がトランプ支持に影響したのか、教えてくれ。

僕も聞いた話なので、パッと名前が出てこないのですが、えーっと……

通訳:かなりの大御所が出ていましたよね。例えばビヨンセとかJ-Loとかも出ていましたし。

ああ、そうですね。インディ・ロック系の人たちも各地でやっていて、そういう全体的な風潮が、いわゆる「優等生」的というか、そういうふうに捉えられて、本当に貧しい人たちは、「そんなこと言っても彼らはアーティストたちじゃないか」と。そういう話を聞いたことがあります。

NC:なるほど。だが、ドナルド・トランプだって貧しい人たちのことなんか何もわかっていないぜ。彼は黄金の便器でクソをするやつだ。ヴァンパイア・ウィークエンドの言うことには反論するが、黄金の便器でクソをするやつに投票する人なんて馬鹿げている。ヴァンパイア・ウィークエンドを聴くレッドネック(田舎者)なんていない。ヴァンパイア・ウィークエンドはバーニー・サンダースの支持を主張したバンドだ。つまり、ヴァンパイア・ウィークエンドを聴く人たちとレッドネックたちとの間には何の関連性も最初からなかった。ヴァンパイア・ウィークエンドが、あのような活動をしたのは重要だったと思う。ヒラリーとバーニーの間では、支持者が分かれていたから。似たような論議がハリウッドについてもあって興味深い。ハリウッドはリベラルとして有名だが、実際に映画というものはレッドネックに消費されている。ハリウッド・エリートたちがレッドネックたちを排除している、という意見もあるが、俺から言わせれば、ハリウッドがリベラルで偉大という意見は短絡的に考え過ぎている。俺が飛行機で、最新のハリウッド映画を見ると、いつもくだらないアクション映画ばかりやっている。銃でぶっぱなせ!みたいな感じ。それって、アメリカのカウボーイ的美意識が進歩しただけのことじゃないか。主人公は無茶なやつで、ルールを守らない、暴れん坊。これは、まさにドナルド・トランプだ。彼がハリウッド映画の主人公の典型的なステレオタイプだ。だから、ハリウッドは、保守派や共和党と戦えるような、素晴らしい映画をじゅうぶんに作っていないと思う。ハリウッドはもっと頑張らないといけないと思う。それから、「エンターテインメントに関わる人は政治に口を出すべきじゃない」と言っているやつらがいるが、リアリティ番組の司会を大統領に選んだのはどこのどいつだ? トランプだってエンターテイナーだ。そんなこと言うやつは、大バカの能無しだ。そんなやつらはファックだ!
 だが、俺が「ファックだ!」と言ってもそれは答えにはならない。解決策ではない。まだ議論は続いていて、戦いは続いている。本当は、俺はそんなことはしたくない。人に反論したり反対したりするようなことはしたくない。だからこそ、やはり答えはエンターテインメントにあると思う。良いエンターテインメントに接すると、人は自分の考えとは違ったものに触れ、驚きがある。そして考え方が変わったりする。自由で創造的な場所で、そういう方法で、 政治的概念を変えていくことができると思う。また、共通した感情が基盤となって、人が団結したりする。プリンスやデヴィッド・ボウイが死んだとき、人びとは一体となり、彼らの死を悲しんだ。プリンスやボウイは比較的リベラルなアーティストかもしれないけれど、たとえば、ポール・マッカートニーが死んだら、すべての人が悲しみ、みんなで悲しみという感情を共有することになる。そういう形でエンターテインメントが政治への手助けになるという可能性はあると思う。だが、エンターテイナーが感情を露わにしたことについて怒る人はどうかしている。それこそがエンターテイナーの仕事であり、エンターテイナーはそれをやって金をもらっているのだから。政治的なことや、そうでなくてもエンターテイナーには考えがあり、その考えを持つのは彼らの自由だ。そして、彼らの考えに耳を貸さないのも自由だ。

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エンターテイナーが感情を露わにしたことについて怒る人はどうかしている。それこそがエンターテイナーの仕事であり、エンターテイナーはそれをやって金をもらっているのだから。


!!! (Chk Chk Chk)
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アルバムの話に入ります。これまでのチック・チック・チックにももちろんその要素はありましたが、今作はとりわけディスコ色が濃く出ていると思います。そのような雰囲気は意図的に作られたものなのでしょうか? それともジャムをしている間に自然とそうなっていったのでしょうか?

NC:自然にこうなっていった。俺たちがつねにアルバムを通して達成したいことというのがある。ディスコは俺たちが大好きなサウンドだから、そこにいろいろな方法を通して回帰することも多いし、そういうサウンドがバンドのベースとなっている。俺たちのアルバムは毎回違った作品で、毎回成長や学びがあり、新しいサウンドを発見している過程を表現するものであってほしい。だが、過去にタイムスリップして、昔の俺に、今回のアルバムを聴かせたら、「すげー! これ俺たちが作ったの?」と思ってもらえるような作品でもあってほしい。それが俺の願いだ。

7曲目の“Five Companies”は、「緊張した状況から生まれた政治的作品」とのことですが、「5社」というのは何を指しているのでしょうか?

NC:よく言われる「1%の~(上位1%の富裕層が世界の富の半分を握っている)」という話で、「この会社の親会社がこの会社で、その会社の親会社が……」というふうに、結局すべてはワーナー・ブラザーズが所有している、というような話。すべては5つの大企業が実権を握っているという意味。自分は自由を与えられていると思っていても、実際のところは、この金儲けをしている5社の傘下にいるということ。アメリカの政治的状況だってそうだ。ヒラリーも、結局のところワシントンの資産家たちから支持を得ていて、同じ大企業に操られていると非難されていた。下層階級の人びとはそういう文句を言っていた。そこには反論できない。でも、ドナルド・トランプが、大企業とは真逆の立場にいるという主張は、トランプ側のマーケティング作戦がうまかったとしか言いようがない。

9曲目の“Imaginary Interviews”や10曲目の“Our Love (Give It To Me)”はムーディマンを参考にされたそうで、たしかにその影響は感じられました。とはいえ、全体としてはしっかりチック・チック・チックの音楽になっていて、咀嚼のしかたが巧みだなと思いました。2013年のリミックス・アルバム『R!M!X!S』では、ロメアーが1曲リミックスを手がけていましたが、その彼もムーディマンが好きで、そういうアルバムを出しています。ムーディマンのすごいところはどこだと思いますか?

NC:チック・チック・チックが最初に出てきたとき、俺たちはパンクだったからエレクトロニック・ミュージックやドラムマシーンを使った音楽はあんまり聴いていなかった。ハウス・ミュージックを俺たちが知ったのは、ファンクとディスコの後だった。俺たちはずっとバンド活動をしていて、いまではけっこう上手なディスコ・バンドになったと思う。ムーディマンが作り出すハウスは俺たちが共感できるものだった。彼のハウスは、ファンクとディスコがベースになっていて、その時代のロマンスやグルーヴが感じられる。そこにハウス特有の恍惚感が加わっている。そういう点が俺たちにしっくりときて、特に彼の最新アルバムを聴いたときは「これだよ。俺たちがずっと出したいと思ってきたサウンドはこれなんだよ!」と思った。自分が音楽をやっていて、自分がやろうとしていたことを、他の誰かが達成したというのは、とてもエキサイティングだ。自分が音楽を作っているときは、世界でいちばん最高な音楽を作ろうとしている。そこに、他の人が同じ解釈で、自分がやろうとしているのと同じことをやってのけたときは「このアルバムだよ! こういうのが作りたかったんだよ!」って思うんだ。

彼(=ムーディマン)の最新アルバムを聴いたときは「これだよ。俺たちがずっと出したいと思ってきたサウンドはこれなんだよ!」と思った。自分が音楽をやっていて、自分がやろうとしていたことを、他の誰かが達成したというのは、とてもエキサイティングだ。

昨年はフランク・オーシャンやソランジュのアルバムがすごく話題になりました。Pファンク好きのニックさんとしては、最近のR&Bやソウル・ミュージックをどのように捉えていますか?

NC:ファンク音楽の要素などが最近の音楽に取り入れられているのはおもしろいと思う。俺たちが最初チックを始めたとき、ロック音楽の基盤が、まだブルーズ音楽で、それは興味深く感じられた。ブルーズ音楽ってすごく古くさい感じがしたから。「なぜ新しいロック音楽の基盤は、ファンクやディスコではないんだろう?」と思った。最近はその考えが普及してきたみたいで、インディ・ロックのベースとなっているのはフランク・オーシャンやソランジュのようなアーティストだ。それはエキサイティングな変化だと思うし、インディ・ロックの新章となると思う。

チック・チック・チック以外で、いまもっともファンキーな気持ちにさせてくれる音楽は何でしょう?

NC:アンダーソン・パークの新しいアルバムは良かった。ダーティ・プロジェクターズの新しいアルバムも良かった。彼はR&Bとヒップホップをインディ・ロック的にうまく融合させたと思う。(携帯に入っている、2016年ベストのプレイリストを確認中)バンドだけじゃなかったら、たくさんいるよ。フューチャー(Future)、ミゴス(Migos)、DVSN。

通訳:それらはダンス・ミュージックのアーティストですか?

NC:DVSNは90年代っぽいR&Bを作るアーティストで、ドレイクのプロデューサーをやったこともある。彼らが作る音楽は90年代のスロウジャムのようで、彼らのアルバムは良かった。マックスウェルの最近のアルバムも素晴らしいR&Bのアルバムで、最高な曲がいくつもあった。たくさんあるよ。携帯のプレイリストを見てくれよ。本当にたくさんある。良い音楽はたくさんあるよ!

(スマホを渡され、リストを確認中)すごい、いっぱい入ってる……

NC:俺は、年末にいろいろなメディアが出す音楽チャートをすべてチェックするんだ。その中から、俺が好きだったものを、このプレイリストに加えていく。すべて去年のリリースで、その中でも俺が知らなかった音楽。だからメジャーなやつは入っていないよ。

(リストを確認中)

NC:Spotifyがあるなら、リストを送れるけど?

Spotifyは無料のやつしか使ってないんですよ。

NC:まじかよ!? 1ヶ月10ドルだぜ?

最近、入ろうと思っています(笑)。

NC:一度入会したら、絶対手放せなくなるよ!

アーティストの政治的主張が何であれ、俺はそのアーティストが好きだったらその人の音楽を聴き続ける。それができないやつは、そいつの問題だ。そいつはかわいそうなやつだ。自分が好きな音楽を聴くことができないのだから。

今年1月にヤキ・リーベツァイトが亡くなりましたが、チック・チック・チックは2004年に“Dear Can”という曲を出しています。彼の功績や、彼に対してどのような考えをお持ちですか?

NC:ヤキ・リーベツァイトは、彼の音楽を聴くよりも先に、彼の存在について知る、というような人物だった。非常に伝説的なドラマーで、当時のロック・ドラマーよりも、ずっとファンキーなドラマーだったと思う。カンというバンドに非常にユニークなサウンドをもたらしてくれた。カンはドラマーに引率されたバンドだったということがわかる。ドラマーというのは多くの場合、バンドというマシーンを運転する役で、創造的力というリムジンの運転手的な存在だ。だが、ヤキ・リーベツァイトは絵描きのような存在だった。バンドは彼を中心として成り立っていた。ダンス・ミュージックはリズムが基盤となっている。彼は、他のロック・ミュージシャンよりも先にそのことを理解していたのだと思う。本当に偉大な力を持つ人だった。

以上です。

NC:もう一点、政治の話で、ヴァンパイア・ウェークエンドについて言及したい。ヴァンパイア・ウェークエンドが政治的な主張をしたのはすごく良いことだったと思う。当時、バーニーの考えは過激的で途方もないと考えられていた。民主党支持者たちは、ヒラリーとバーニーとの間で選択を迫られていた。だが、ヴァンパイア・ウェークエンドがバーニー支持を表明したことによって、バーニーの考えはクレイジーでもなく、普通だと気付いた人がたくさんいた。バーニーが求めているものは、過激でもなんでもなく、正当なことであり、自分たちはそういうことを求めるべきなんだ、と気付いた人がたくさんいたんだ。だから、あれはとてもパワフルな瞬間だったと思う。彼らがそういう主張をしてくれて俺は嬉しい。俺はずっとヒラリー支持者だったけれど、ヒラリーがルール内でしか動けなかったり、ワシントンの資本家としてしか活動できなかったことが、ヒラリーの敗因となってしまった。だからヴァンパイア・ウェークエンドがそういう活動をしたのはすごく良かったと思う。もし、そういう活動が、誰かの反感を買ったとしても、それがまた別の人のインスピレイションにつながるから良いと思う。いつだって、文句を言いたがるやつはいる。それはしかたがないことだ。でも、もともとヴァンパイア・ウェークエンドのファンだった人が、ヴァンパイア・ウェークエンドの活動を見て、がっかりしてしまったというのは信じがたい。でもそんな人たちは放っておけばいい。俺も、こないだガールフレンドと派手に喧嘩したことがあって、カニエ・ウェストがドナルド・トランプのもとを訪れたとき、彼女は俺にこう訊いた。「あなた、カニエの音楽を聴くのやめるの?」俺は「FUCK NO! (やめるわけねーだろ)」と答えたよ。俺はカニエのファンだし、彼の音楽が大好きだ。トランプに会いに行ったのは得策とは思えないし、後でカニエも後悔すると思う。けど、俺はカニエを聴き続けるぜ。彼が良い曲を作り続ける限り。そんなの関係ない! 逆に、ヴァンパイア・ウェークエンドが過激だと思われていた派を支持して、バーニーを正常化してくれたときは、俺でさえ「そうだ、バーニーの考えは実行可能だし、おかしくもなんともない」と思った。だから、俺は両方の観点から答えられる。アーティストの政治的主張が何であれ、俺はそのアーティストが好きだったらその人の音楽を聴き続ける。それができないやつは、そいつの問題だ。そいつはかわいそうなやつだ。自分が好きな音楽を聴くことができないのだから。それはやつの問題で俺の問題じゃない。俺はとにかくジャムをかけ続けるぜ(笑)!

SONIC MANIA 2017 出演決定!
2017.8.18(金)
OPEN 8:00PM / START 10:00PM
チケット情報
前売り¥11,500(税込)別途1ドリンク代¥500
https://www.sonicmania.jp/2017/

YPY - ele-king

 YPY とはバンド goat の頭脳である日野浩志郎のソロ名義である。さらに彼は室内楽アンサンブル・プロジェクト Virginal Variations を始動。その創作意欲は止まる所を知らない。先日の CONPASS でおこなわれた Stephen O'Malley ソロ公演では、YPY 名義でありながら Virginal Variations の多大なインスピレーション源となった『Gruidés』(DDS013)の作曲者 Stephen 当人の前でその成果を披露したかったのであろう、室内楽編成でのLIVEを敢行。見事なアンサンブルを披露してみせた。

 私はカセットテープの再生装置を持っていない。昔はかっこいいデザインのラジカセがあったと記憶しているのだが、今の家電量販店に行ってみても丸っこくて安っぽいダサいデザインのものしか見当たらない。なので日野浩志郎が運営するカセットテープ・レーベル〈birdFriend〉の作品はひとつも聴いていない。もちろん本気で聴こうと思えば bandcamp でデータを買えばいいわけだが、37歳でパソコン・デビューしたてのおっさんにはまだデータを買う習慣が根付いていないし、レコードを聴くだけでも手一杯なのだ。

 よって私が所有している YPY 作品というと、「Visions」〈Nous〉、『Zurhyrethm』〈EM〉、「Different Waves」〈birdFriend〉(Don't DJ との日本横断ツアー時に制作された、彼とのsplit 7"。私はこのツアーの九州方面へ同行する予定でしたが、ちょうど1週間前に脳腫瘍で倒れてしまい、行けませんでした。しかし逝かなくて良かった、ホントに)、そして本作『2020』〈Where To Now?〉。

 “Zurhyrethm”はrhythmの間にZUREが挟み込まれた造語ですが、goat の楽曲に顕著に表れているように、彼は常にrhythmに対して何らかの変容を加えることに意欲的であり続けていることが、この初期から近作までの楽曲を編纂して収録している『Zurhyrethm』を聴くことで体感できます。まだ Don't DJ の音楽と出会う以前から彼の曲と共振するような楽曲を制作していたのが興味深い。私の2016年の正月はこのアルバムに収録する楽曲を選ぶためにCD 6枚?分フル収録の YPY を聴き続けるというYPY地獄でしたが、無事に日の目を見て良かった。Ryo Murakami 『Esto』〈Bedouin〉(BDNLP 002)に収録されている“Sun”に今作の“RIP 505”をここでMIXしています。

 3年ほど前にオファーがあり、音源も送ったものの一向に話が進まず、最近になってようやくリリースされた『2020』。最初に送ったものは古くなってしまったので、新たに制作した楽曲が収録されている今作にはシンコペーションを強く意識した楽曲が多く収録されている様に感じます。〈Nous〉からの「Visions」ではレーベルカラーを意識してか、比較的RAW HOUSE・TECHNOという括りにすんなり収まりそうな楽曲が多かった印象ですが、今作にはより形容しがたい曲が収録されています。

 “2020”。ダラダラとダラしなく繰り返されるベースラインの上をヒョウキンな音が差し挟まれながら生演奏っぽいドラムやピアノなどのサンプリング音もぶち込まれるものの、やはり印象としてはダラしないままそれなりの長尺を貫く Wolf Eyes 臭漂うタイトル作。こいつは一筋縄では行かないぜ、と宣言しているかのようである。

 “Manse”。一転、BPM130でブリブリした音のベースラインがうねり続ける中、シンコペートするrhythmが疾走感を増強、音色的にはRAW HOUSEに近いものの、これはテクノなのかハウスなのか判然としないが、踊る者の心を掻き立てる楽曲であり、早くDJでプレイしたい。

 “Mass”。不穏なムードがrhythmパートの音色が加わるごとに疾走感とともに増強し、人の心を昂揚させていく。ここでもシンコペートするrhythmが効いている。タムの音が重くて気持ち良い。繰り返されるダーティーなサウンドのベースラインが緩やかに人を催眠と覚醒という相反する状態へと同時に誘い、裏打ちの金属音が入ってくる事でその感覚は頂点に達する。

 “Soup”。日野君が何度かプレイしている音が良いと噂のVenue 落合SOUP の事を念頭に置いて制作されたのかどうかは知りませんが、YPY 初のアンセミックな曲だと思います。美しい。彼が敬愛する Atobe Shinichi からの影響がここでは感じられます。

 B sideへ移りましょう。

 “Ant”。どうしてアリなのかよく分かりませんが、曲名とはそういうものかなどと考えながらシンコペートするGONGの音が繰り返されるのに耳をすませていると、いつの間にかアリの生活に思いを馳せていましたが、知っているのは自分の身体よりも大きなものを時に協力しあって地中の巣に運ぼうとする姿くらいのもので、何も知らない事がよく分かりました。ミニマルに推移するロング・トラック。

 “KND”。“Manse”と似たブリブリベースラインに導かれてドラム・トラックもフィルイン、BPM125で疾走しながら奥の方では何やら奇妙なノイズがずっと左右にPANしている上を次第にACIDが絡み付き、高まり、次第に全ての音が順に収束していき、エンジンが止まる様に終わる。ターンテーブルが止まる時の様に。

 “Ash”。ターンテーブルはもう止まったのだから後は人力だと言わんばかりに Wolf Eyes 臭漂うバンドが演奏を再開する。ドラムはBPM90でバスドラムをやる気なさげにキープし、適当にオカズも放り込んでくる。ギターも間延びしたディストーション・コードをやる気なさげに爪弾いている。くぐもった、得体の知れない何かが衝突し続けている様な音が何やら鬼気迫る迫力で近づいてくるのにつられるように、バンドの演奏にもやや力が入るが、それでもやはりダラダラとした印象を強く残して演奏は終了する。もちろんこれはフィクションであり、実際には YPY 個人のトラックだ。けれども本作には生演奏(のサンプリング?)を使用している部分が見受けられ、その事が楽曲たちをある種の定型にすんなりとは収まらせないでいる一要素となっているように思う。この曲を45回転で再生するとBPM120のインダストリアル・シューゲイズ・ハウスになって、多少はシャキッとするのでお試しあれ。

 全体を通じて感じるのは以前よりもRAWな音色が多用されている事や、より効果的にシンコペーションを組み込めている事など。音の感触が近いと思う〈L.I.E.S.〉から日野君がリリースする事になれば面白い。goat もメンバーが大幅に変わり、新しいフェイズに入ろうとしている。一方では Virginal Variations もある。そしてこの YPY。日野浩志郎の探究は続く。

 私はと言うと、早く落合SOUP で“SOUP”をかけたい!

Jesse Kanda - ele-king

 アルカといえばジェシー・カンダ、ジェシー・カンダといえばアルカです。その強烈な映像表現でアルカの音楽をより高い領域へと押し上げ、さらにはビョークまでをも虜にしてきた彼は、現代最高のヴィジュアル・アーティストと言っても過言ではないでしょう。そんなジェシー・カンダのインスタレーションが東京と京都にて開催されます。なんでも「クラブを寺院に見立てる」というのがコンセプトだそうで、もうそれだけで興味をかき立てられます。しかもジェシー・カンダ自身によるDJセットも披露されるとのこと。これは楽しみです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 緊急来日! そこに現れるは強烈なるイメージの寺院。 ビョーク、アルカのコラボレーターとして世界のトップを走るヴィジュアル・アーティスト ジェシー神田のサウンド&アート・インスタレーションが東京と京都で開催!!! チケット発売開始! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

世界のトップを走るヴィジュアル・アーティスト ジェシー神田のサウンド&アート・インスタレーションが東京と京都で開催されることとなった。東京は5月29日(月)にリキッドルームで、京都は6月1日(木)に京都 METROでおこなわれる。チケットは発表と同時に発売が開始された。

「クラブを寺院に見立てる」というコンセプチャルなサウンド&アート・インスタレーションは、このために制作されたヴィジュアル作品などの披露、ミュージシャン名義のdoon KandaでのDJ Set、またゲストとして日本の伝統音楽演奏者も参加、京都公演では鳳笙奏者の井原季子が出演する。

ジェシー神田、彼のその名前を知らしめたのは、デジタルのフレームに生み出したイメージ──グロテスクでありながら、エロティックであり、抗えぬ淫靡な魅力が共存した異形のクリーチャー(?)たち。ヒトなのか動物なのか、欠損と過剰さが支配する強烈なインパクト。実はひっそりとこの世と現実に存在しているようなリアリティをもって迫ってくる。ともかく、彼が作り出した視覚イメージは、ひとつポスト・インターネット/SNS時代で増殖し、広がる視覚イメージのなかでもひときわインパクトを持ち、それに触れるものたちを魅了してきた。まさにそこへと接続したものたちの“感覚”をひとつ変えてしまったといったも過言ではないだろう。さらに最近では彼は、そのイマジネーションの発露を電子音楽制作へも投下し、doon Kandaとしてサウンド・メイキングもおこない、つい先ごろ、そのシングルは名門〈hyperdub〉からのリリースがなされた。5月29日(月)にLIQUIDROOM、6月1日(木)に京都 METROでスペシャルなイベントを開催する。「クラブを寺院に見立てる」という、コンセプチャルなものとなるもようだ。現実とイメージの境界線を危うくさせる、肉体的なリアリティを持った強烈なイメージの過剰がもたらす、幻の神々たちとの邂逅となりそうだ。アート展示のみならず、doon kandaとしてのDJプレイも披露される模様で、さらにいくつかのヤバい体験もある模様だ(きてからのお楽しみ)。アルカやFKAツイッグス、さらにはビョークの楽曲も、彼のインパクト溢れるイメージによって、インターネットでさらなる拡散がされたことというのはひとつ間違いない事実だろう。海外では、NYのMoMAでのマルチメディア・アートのインスタレーションをおこなうなど、はっきりいってこの規模で彼のアート/音楽を直に感じることができるのは非常に貴重なチャンスとなるだろう。っていうか、ここにきたら、末代まで自慢ができるぞ!

■公演詳細
東京 5月29日(月) LIQUIDROOM
LIQUIDROOM presents
doon kanda DJ SET + Jesse Kanda ART SHOW

OPEN / START: 19:30
TICKET: 5月13日(土)発売開始。
前売¥3,000 ドリンク代別途 / 当日¥3,500 ドリンク代別途
[一般PG前売り]
チケットぴあ (Pコード:333-290)
ローソンチケット(Lコード:73482)
*e+ (https://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002225168P0030001)

[問] LIQUIDROOM 03-5464-0800 https://www.liquidroom.net

京都 6月1日(木) 京都 METRO
(( ECHO KYOTO )) presents
doon kanda DJ SET + Jesse Kanda ART SHOW

OPEN 19:00 / START 19:30 / CLOSE 23:00
ゲスト出演:井原季子(鳳笙)、慧(読経)
TICKET: 5月13日(土)発売開始。
前売¥3,000 ドリンク代別途 / 当日¥3,500 ドリンク代別途
[一般PG前売り]
チケットぴあ (Pコード:333-053)
ローソンチケット(Lコード:53155)
e+ (https://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002225607P0030001)

※前売りメール予約:にて、前売のご予約を受付けています。
前日までに、公演日、お名前と枚数を明記してメールして下さい。前売料金で入場頂けます。

[問] 京都 METRO : https://www.metro.ne.jp / TEL 075-752-4765

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(( ECHO KYOTO ))
世界有数の文化都市 京都、その豊かな文化土壌において、真のアーティストによる比類なき地域密着文化フェスティヴァルを開催し、日本国内、そして世界へ発信する。
ECHO / 廻向(えこう):参加アーティストと地域が作り出す卓越した表現がこだまし、広く人々に廻らし向けられる。
*本京都公演はシリーズ第1弾となる。
https://www.facebook.com/ECHOKYOTOECHO/
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■出演アーティスト

ジェシー神田 (Jesse Kanda)

1987年、神奈川県逗子市生まれ。 独学ヴィジュアル・アーティスト/ミュージシャン/ヴィーガン/漫画好き。ヴィジュアル・アーティストとしては、ビョークのミュージック・ヴィデオ「Mouth Mantra」、エレクトロニック・ミュージック界の奇才アルカやFKAツイッグスのヴィジュアル作品など、アーティストと一体となって作り出される独創的な作品は、若手ヴィジュアル・アーティストとして世界最高峰の評価を得ている。特にアルカとはデビュー以来現在までほぼすべての作品でヴィジュアル・コラボレーターとして参加、MoMA近代美術館での作品発表など、エイフェックス・ツインとクリス・カニンガムの再来と絶賛を浴びている。またdoon Kanda名義でミュージシャンとしても活動し、2017年1月にEP「Heart」をリリースしている。
www.jessekanda.com


井原季子 (Tokiko Ihara/ 鳳笙奏者) *京都公演出演。

和歌山高野山の守護である丹生都比売神社にて巫女舞の修練中、笙と出会う。豊英秋氏、東康弘氏に師事。日本の伝統文化と精神性、そして世界に根ざした普遍性を探求しながら宇宙の根源となる音の表現を目指すべく日々研鑽を重ねつつ、国内外・寺社仏閣での奉納演奏をは じめ、様々なアーティストとの合奏をおこなう。
https://www.tokikoihara.com/

NEO TOKAI ON THE LINE - ele-king

 YUKSTA-ILLというMCはいつも驚きと感動をくれる。YUKSTA-ILLを知る15年以上も前に、先輩がL.L.COOL Jが、「OLD SCHOOLっていうのは敬意を込めて人が言う事なんだ。HIP HOPは常にNEW SCHOOLであり続ける事なんだ」ってインタビューで言っていた。そう教えてくれた。この発言は何に載ってたかも分からないし、確認もできてないから、本当にそんな事言ってるのか分かんないんだけど、凄く感銘を受けた。進化していくものがHIP HOPだと思う。もうOLD SCHOOLとかNEW SCHOOLなんて言葉もあまり使わないし。YUKSTA-ILLが敬愛するPAPOOSEの“ALPHABETICAL SLAUGHTER”は1より2の方が圧倒的に凄まじい。ALPHABETの頭文字でA to Zで順番にライムする1と2があるその曲は、YUKSTA-ILLの作るHIP HOPを理解するのに重要だと思う。是非聴いて欲しい。2が出た時、ちょうどYUKSTA-ILLと一緒にいたことはYUKSTA-ILLの作るHIP HOPに自分をよりのめり込ませてくれたものだ。


YUKSTA-ILL
NEO TOKAI ON THE LINE

Pヴァイン

Hip Hop

Amazon Tower HMV iTunes

 コアなヘッズと変わることなく、YUKSTA-ILLという名前を聞いたのはUMBに出ている頃だった。今作品でも重要なSKITとして収録されているFACECARZという三重のHARD CORE BANDを介してその名前を聞いたと記憶してる。決勝でバトルに出ている数回のタイミングはいつも予定があって見に行けてないのだけれど。映像になっている、ERONEとのUMB決勝大会でのバトルはお互いのラップが進化していく瞬間と歴史が収められている。勝ち負け以上の側面を当事者以外が感じることができる数少ない貴重な資料だと言い切れる。バトルへの肯定も否定も超えたものがそこに存在してる。2ndアルバムになる『NEO TOKAI ON THE LINE』に収録されているMCバトルに関して言及した、“GIFT & CURSE”では今のバトル・ブームへの辛辣な意見をラップしている。それは一般的に軽くなった「DIS」って言葉への「DIS」。美学のない消費をHIP HOPは否定する。KRS-ONEの『SCIENCE OF RAP』にある「朝起きたら鏡を見て俺はラッパーだって言う」。ラッパー十ヶ条のようなものを信じること。飲み会でのバトルの真似事を同列にする事は違うと、改めて公言する。その意味を『NEO TOKAI ON THE LINE』は教えてくれる。

 また、自分が敬愛するラッパーの言葉を引用させてもらう。RAKIMは「自分の友達の話を、有名でもない自分の友達の話をRAPをして曲を作れば、まるで近くにある話のように聴いてる人が思うことができる。それがHIP HOPだ」というようなことを言っていた。これは、出典は忘れたけど、自分が2016年に読んだRAKIMのインタビューか何かで言っていた事だ。凄く分かりやすく言えば、有名なラッパーだけれど、BIG Lを誰もが知ったのはGANG STARRの“FULL CLIP”だ。名もなき黒人の声を今もラッパーは歌っている。#BLACKLIVESMATTER という問題をHIP HOPを通して聞く。TOKAIの話を、HIRAGENというラッパーの事をYUKSTA-ILLを通して知る。パーソナルなストーリーに落とし込めば“RIPJOB”というこのアルバムに入ってる曲でYUKSTA-ILLがどんな仕事をしていて、どんな事をして、今、何をして何を考えてるかを知れる。自分はその話を前から知っていたんだけど、この曲の方が、情報量は多い。

 最初に名前を挙げた三重、鈴鹿のHARD CORE BAND 「FACECARZ」。アルバムの中の地元のことを歌った“STILL T”、“HOOD BOND”。その間にFACECARZのライヴ中のMCを収録したSKITが入る。自分は、東京や名古屋や彼らの地元である鈴鹿でもなく、関東の郊外にあるライヴハウスでFACECARZのライヴを見たことがある。その話をする前に言うけど、FACECRAZは日本を代表するHARD CORE BANDで地元の三重県鈴鹿でも、東海地方の中心地である名古屋でも、日本の首都である東京でも、日本でも、NYでも世界を相手にしてもトップのHARD CORE BANDだ。そのFACECARZが関東郊外の国道沿いのライヴハウスでMCで鈴鹿の事を、誇ってライヴ中に話していた。それは地元とHARD COREそのもので、それが繋がる話。このアルバムのその部分や、全体に流れるYUKSTA-ILLのラップは、その土地にいないものに対して、その土地への興味と強さを感じさせてくれる。DETROITにCOLD AS LIFEってHARD CORE BANDがいるんだけど、その1stアルバムのTHANKS LISTが頭に浮かぶ。まだかっこよかった頃のURのMAD MIKE、そして、J DILLAやSLUM VILLAGEが載っていたTHANKS LIST。

 音楽は音楽そのもの。HIP HOPはHIP HOPそのもの。それだけの強さと魅力が全て。それは勿論だと思う。でも、それ以上のものを感じられたら、それを否定するより肯定した方が最高だって言った方が楽しめるし、いい事あるに決まってる。このアルバムの“LET'S GET DIRTY”はPUNPEEのトラックに、featで参加するSOCKSの炸裂するパンチラインは「KEITH MURRAYみたいにセットアップジャージ」だって。最高にHIP HOPで楽しんだもん勝ちだと思う。今まで書いてきたこの文章放棄できそうだもん。でも、YUKSTA-ILLのラップなYUKSTA-ILLは何も変わってない。

 DIVERSITYって2016年からよく聞く。実際、多様性なんて無かったりするものがあふれてる。ただ肯定しても、ただ否定しても単一性も多様性のどちらも感じられない。ラッパーとしてステージに立つ生活、仕事や家庭の生活。ラージとスモール。派手と堅実。矛盾してるものが普通に存在するのが現実。それをYUKSTA-ILLは、YUKSTA-ILLとして、本名のONE OF THEMではなく、このアルバムでRAPする。『NEO TOKAI ON THE LINE』というタイトルの2枚目のアルバムは、だからこそ独立することができる。YUKSTA-ILLというラッパーがここで語るストーリーは、過去、未来、現在を鈴鹿という場所を純然たるファクトとして存在させる。

 「最初にYUKSTA-ILLは感動と驚きをくれる」と書いた。YUKSTA-ILLが作ってきた音楽、地元のグループであるB-ZIK、TOKAIを席巻したTYRANT、ソロとしてのファースト・アルバム、『QUESTIONABLE THOUGHT』、その中で産まれた「TOKYO ILL METHOD」、多くのフィーチャリング・ワークス、2016年末にリリースされた『NEO TOKAI ON THE LINE』。それらはどれもが繋がっていて、どの方向にも辿ることができる、「点が線になる」を綺麗に感じることができると思う。でも、そう思った瞬間に、YUKSTA-ILLの新たな側面があらわれる。このアルバムの最後に唐突に始まる“CLOSED DEAL”のように。掻き乱される。

 NETFLIXで、MARVERLの『LUKE CAGE』でMETHOD MANがラップしてる事って街の事で、それって世論とは相反するし、細かい事は矛盾してるけど、強くて最強で感動したんだけど。そこに出てくる看護婦がいて。RZAが監修してる『IRON FIST』に看護婦として出てきて、「この人、看護婦役で流行ってるのかな?」って思ったら、話が繋がってるっぽくて。そういう、そこまで細かくないけど、説明ないのがエンターテイメントでいいなって、うなづくような納得が最高だなって思った。WU-TANGとMARVERLとNETFLIXが繋がってる事には感動しないし、いまだにKUNG FUUとHIP HOPの関連性とか分かりたいとも思わないんだけど。特に『IRON FIST』で、唐突にHIP HOPかけながら修行してるのとか、理解を超えてるって思うけど。「うわっ」って思いながらも、手を引けないような。受け取る側の許容量を超えた感動って確実に存在すると思う。その許容量を超えたっていう時の一線って意識してない一線だから、定義しようとしたらできないものだけど、確実にある存在を感じることのできる一線だと根拠なく言えるものだって、俺は人に言える。

 YUKSTA-ILLの『NEO TOKAI ON THE LINE』は、そういう一線を超えた作品。最初に、何曲かを聴いた時に、漠然とした感動と、凄まじい衝動を覚えた。けれどもすごく普遍的で。でも、その普遍的な一線はどこにあるのか分からないとも思う。だから、聴くたびに、新たな何かを感じるんだけど、アルバムが幕を閉じた時に、それをいつまでたってもつかめない。聴いてる時はすごくその輪郭を感じられる。このアルバムを作るトラックもゲストも自由にその色を描いてるんだけれど、合わせることも打ち消すこともなくYUKSTA-ILLが存在している現実的だけれど、何か違う世界なのか、次元なのか?気になるんだけど、自然すぎて、再生されている時にその場所にいる。聴き終わって帰ってきた時に、頭に何かが残る。

 今日出たアルバムを、確信して「クラッシック」と言い切る。3本マイクだったアルバムが「クラッシック」として今、存在している。中古盤の棚に¥100で売ってる「クラッシック」がある。買うことのできないクラッシックがある。誰かだけのプライベートな「クラッシック」の存在を知ってる。YUKSTA-ILLの『NEO TOKAI ON THE LINE』は今出ているものが廃盤になっても、REMASTERING盤や廉価版が出る「クラッシック」になるだろう。新たな価値が発見される日が来る日をYUKSTA-ILLは何度迎えるだろうか? YUKSTA-ILLはその日が来る事を知っている。

Jeff Parker - ele-king

 去る4月に最新ソロ作『The New Breed』の日本盤がリリースされたジャズ・ギタリスト、ジェフ・パーカー。彼はトータスのメンバーとして有名ですが、ソロとしても魅力的な活動を継続しています。その彼の来日公演が来週から始まります。スコット・アメンドラ・バンドやトータスのステージも含めると、なんと14公演もプレイする予定です。詳細を以下にまとめましたので、ぜひチェックしてください!



■SCOTT AMENDOLA BAND featuring
 NELS CLINE, JEFF PARKER, JENNY SCHEINMAN & CHRIS LIGHTCAP

会場:COTTON CLUB
日程:2017年5月11日(木)~5月13日(土)
時刻:
●5.11 (thu) & 5.12 (fri)
[1st. show] open 5:00pm / start 6:30pm
[2nd. show] open 8:00pm / start 9:00pm
●5.13 (sat)
[1st. show] open 4:00pm / start 5:00pm
[2nd. show] open 6:30pm / start 8:00pm
出演:Scott Amendola (ds), Nels Cline (g), Jeff Parker (g), Jenny Scheinman (vln), Chris Lightcap (b)

* ウィルコのネルス・クラインとともにスコット・アメンドラ・バンドの公演に出演。

https://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/scott-amendola/


■Jeff Parker『The New Breed』発売記念ミニ・ライヴ、トーク&サイン会

会場:タワーレコード 渋谷店 6F
日時:2017年5月14日(日) 16:00 start
出演:Jeff Parker (Jeff Parker & The New Breed, TORTOISE), 柳樂光隆 (Jazz The New Chapter) ※インタヴュアー

* 〈HEADZ〉主催のインストア・イベントに出演。今回の来日公演のなかでは唯一のソロ・ライヴ。

https://towershibuya.jp/2017/05/01/95261


■TORTOISE

会場:Billboard LIVE TOKYO
日程:2017年5月15日(月) & 2017年5月17日(水)
時刻:[1st] 開場 17:30 開演 19:00 / [2nd] 開場 20:45 開演 21:30

会場:Billboard LIVE OSAKA
日程:2017年5月19日(金)
時刻:[1st] 開場 17:30 開演 18:30 / [2nd] 開場 20:30 開演 21:30

* ビルボードライブ東京およびビルボードライブ大阪にてトータスの単独公演が開催。

PC: www.billboard-live.com
Mobile: www.billboard-live.com/m/


■GREENROOM FESTIVAL ‘17

会場:横浜赤レンガ地区野外特設会場
日程:2017年5月21日(日)

* GREENROOM FESTIVAL ‘17の2日目、〈GOOD WAVE〉ステージにトータスとして出演。

https://greenroom.jp

【リリース情報】

アーティスト: Jeff Parker / ジェフ・パーカー
タイトル: The New Breed / ザ・ニュー・ブリード
レーベル: International Anthem Recording Company / HEADZ
品番: IARCJ009 / HEADZ 218
発売日: 2017.4.12
価格: 2,000円+税
日本盤ライナーノーツ: 柳樂光隆(Jazz The New Chapter)
※日本盤のみのボーナス・トラック Makaya McCraven Remix 収録

[Tracklist]
01. Executive Life
02. Para Ha Tay
03. Here Comes Ezra
04. Visions
05. Jrifted
06. How Fun It Is To Year Whip
07. Get Dressed
08. Cliche
09. Logan Hardware Remix (produced by Makaya McCraven)

https://www.faderbyheadz.com/release/headz218.html


【関連盤ご紹介】

アーティスト: Jamire Williams / ジャマイア・ウィリアムス
タイトル: Effectual / エフェクチュアル
レーベル: Leaving Records / Pヴァイン
品番: PCD-24617
発売日: 2017.4.19
価格: 2,400円+税
解説: 柳楽光隆(Jazz The New Chapter)
※日本盤限定ボーナス・トラック2曲収録

[Tracklist]
01. Who Will Stand?
02. The Fire Next Time
03. Selectric
04. Truth Remains Constant
05. Dos Au Soleil
06. Chase The Ghost
07. Wash Me Over (Pollock's Pulse)
08. In Retrospect
09. Futurism
10. [ Selah ]
11. Children Of The Supernatural
12. Illuminations
13. The Art Of Losing Yourself
14. Collaborate With God
15. Collaborate With God (Drums and Strings Mix)
16. Triumphant's Return

* ジェフ・パーカー『The New Breed』にも参加するドラマー、ジャマイア・ウィリアムスによるデビュー・アルバム。

https://p-vine.jp/music/pcd-24617

interview with YungGucciMane - ele-king


YungGucciMane
JADE [Explicit]

Hip HopTrapPshychedelic Rap

Amazon iTunes

 YungGucciManeの音楽、そして発言はまた極めて感覚的だ。このインタヴューを読んで興味が湧いたなら、まずはYouTubeにアップされている新作アルバム『JADE』の楽曲をぜひ聴いて頂きたい。KOHHの『YELLOW TAPE3』、そして『Concrete Green13』にその名を見れば、YungGucciManeが一部好事家の支持を集めるのも頷けるのではないか。YungGucciManeが鳴らすのは新しいヒップホップだ。ほとんどYungGucciManeというジャンル、そう言ってもいいほどに日本には類を見ない音楽である。初めてのインタヴューの日(今回は3度目だった)、YungGucciManeに影響を受けた音楽について聞くと、彼はチーフ・キーフとビートルズ、そして久石譲と即答した。これらの音楽の影響が渾然一体となり、YungGucciManeというアウトプットで鳴らされたものが『JADE』だ(『NO PAPERS』『Static』といったこれまでの作品は、主にTRAPのみを取り込んでアウトプットした楽曲だ)。これについては1曲目の“I CAN’T WAIT”、2曲目“Across The Universe”と聴いて、なるほどと頷けるものがあると期待したい。
 初めてのインタヴュー時と同じく、この日も彼のクルーHASA MONEY(ハザ・マネー)のラッパーJUICY Bと一緒に話を聞いた。

僕に対する僕自身のイメージなんですけど、リンだったり……トラップの、なんていうか…ドラッグネタというか、そういう音楽を作るイメージが強いと思ったんですよね。そういうのを作るのもいいんですけど、まぁそれだけじゃないというか。『JADE』に関しては、そういうものを廃除していきたかったんですよ。

アルバム『JADE(ジェイド)』には「JADE」という楽曲が収録されているわけではありません。このタイトルは何を意味しているのですか?

YungGucciMane:JADE(翡翠)という緑色の石があるんですけど、『NO PAPERS』(YungGucciManeの第1作目収録)の「Emerald Splash」から連想していって、このタイトルになりました。

ああ、エメラルドも緑の宝石ですね。では、これもまた曖昧な質問なのですが、そもそも発端となった「エメラルド」はどこから出てきた言葉なんですか? 

YungGucciMane:一番最初に『NO PAPERS』を従兄弟の宮下慎二と一緒に制作している時に、こう…なんですかね……「エメラルドスプラッシュ!」っていう言葉が出てきたんですよ。

JUICY B:ハッハッハ(笑)。

YungGucciMane:そのときの感覚のイメージですね。ああ、エメラルドスプラッシュだわ、いまヤバいわっていう……感じの言葉から生まれてきました。そこからまだ使っているという感じです。

なるほど……。でも『JADE』全体の印象は『NO PAPERS』とはまったく違いますね。

YungGucciMane:これまでの僕のイメージだと……それは僕に対する僕自身のイメージなんですけど、リンだったり……トラップの、なんていうか…ドラッグネタというか、そういう音楽を作るイメージが強いと思ったんですよね。そういうのを作るのもいいんですけど、まぁそれだけじゃないというか。『JADE』に関しては、そういうものを廃除していきたかったんですよ。絵を勉強したりしたこともありますし、もっと自分の内面を出したいと思って作ったアルバムで、だから結構幻想的なアルバムになったのかなとは思います。

『JADE』の制作期間は絵を描いたり、生活そのものがクリエイティブなモードだった感じなんですね。

YungGucciMane:できあがったのは多分、リリース前の3、4か月くらいで、その前は私生活ですごいゴタゴタしたりしていたんですよ。トラブルに巻き込まれたりしたこともあって。それが済んで、芸術と音楽の世界に浸れる期間になって一気に作っていった感じですかね。

いろいろトラブルみたいなことがあった分、かえって高まったんですかね。

YungGucciMane:完全にそうですね。そういうことを全部処理して自由になった後に……

JUICY B:気分的には最高の状態でやっていた感じ?

YungGucciMane:そうそう。でも、そういう期間でも曲はずっと録り続けてましたけどね。ゴタゴタを片付けながら、でも音楽はずっと作っていた。それが完璧になる状態を待って、なった状態でそれまで作っていた曲を完璧に仕上げていった感じですね。

評判や反響はどうですか?

YungGucciMane:iTunesStoreのデータは見てないので詳しいことはわからないんですけど、ただ聴いたと言ってくれる人は結構いて、その人たちの評判はすごい良かったですね。Twitterとかインスタの感触も結構いいですね。いろんな人がいるので全部に対応はできないんですけど、気になった人とはそれで繋がったりもしています。

僕もこのアルバム、すごい好きです。ちなみにどの曲からできたんですか?

YungGucciMane:“Across The Universe”です。それが去年(2016年)の冬ぐらいですね。この曲から発想が広がっていった感じです。

 Across The Universe これは歌い出す壁画
 頭の中に洗濯機 グルグル飾り付ける石器
 “Across The Universe”

『JADE』を出した後に、また『NO PAPERS』みたいなふざけてる、そのまんまの俺を次は出そうかなと思っています。『JADE』で一度内面的なものを出して、次はもろトラップで遊んでいるアルバムを出してやろうかなと。

先ほど内面を出したかったという話や幻想的なアルバムになったという話が出ましたが、こういうリリックは象徴的ですね。

YungGucciMane:ちょっと宇宙の感じというか、瞑想じゃないですけど、サイケデリックに近い感じはしますけどね。音楽を創るときにすごい集中すれば、そういう世界に行けちゃうタイプなんで、そういう感じで作りました。

“アンレムスイミング”もまさにそういう世界観を連想させる曲です。どこかサイケデリックな感覚ですね。

YungGucciMane:これは後半にできた曲です。この曲はダジャレなんですよ。ノンレム睡眠てあるじゃないですか。それだとつまらないので、そこからアンレム睡眠という言葉が思いついて、睡眠をスイミングにしたらどうなのかなと。そのイメージで作った感じですね。ちょっと「エメラルドスプラッシュ」っぽい……自分のなかの言葉が生まれた感じだったんですよね。

造語というんですかね。それをパッと出して使えるというのは、僕が自分の感覚に置き換えて考えるとすごい難しい行為です。でもたしかに“エメラルドスプラッシュ”も“アンレムスイミング”も独特のきらめきや浮遊感を持った言葉で、何か伝わるんですよね。そもそもYungGucciManeさんは人に何かを伝えたいという思いはあるんですか?

YungGucciMane:ありますよ。言葉でというよりは、音楽でという感じですが。

ああ……今回“グリーンエメラルド”という曲もありますが、これにしても言葉というよりは、音楽でエメラルド感は伝わります。

YungGucciMane:そうですね。それに尽きます。エメラルド感ですね。それを出したかった。このアルバムは“Across The Universe”の世界観に始まり“グリーンエメラルド”まで繋がっていった感じです。

アルバムを通して伝えたかったことみたいなのはあるんですか?

YungGucciMane:『NO PAPERS』の時は絶対これがあったほうがいいって感じで出して、『JADE』はこういうのがあってもいいんじゃないかっていう感覚ですかね。

それはあえて言えば、“どこ”に“それ”があったほうがいい、あってもいいということなんですか?

YungGucciMane:それはもう全体ですね。

全体というのは世界の音楽シーンにということですか?

YungGucciMane:そうですね……って感じで思ってました。世界的に見てもこういうヒップホップがあってもいいんじゃないかっていうことですね。『NO PAPERS』みたいな世界観を壊したかったというのもありますね。さっきも話しましたけど『JADE』の制作は絵やアートに目覚めていた時期でもあったので、そういう世界観のなかで録った。これはコンセプトを作ったタイプのアルバムだったと思います。

ここまでお話を伺うと「内面的」「瞑想」みたいな単語からシリアスな作品と誤解されそうですが、そういうわけではないですよね。本当に、もっといままでどこにもなかった音楽という強さがあるというか。とくに“ナッシング”という曲がそれを象徴していると思っているのですが、この曲の客演のフィーメルラッパー、ド着☆幽霊テレサのバースがまた凄まじくて。この名前も凄まじいのですが(笑)。

YungGucciMane:(ド着☆幽霊テレサの客演は)単純にあのラップはかっこいいから入れたんですけど、ちょうどいいバランスで入れられたかなとは思ってるんですよね。超イケてるんですよ。ラップがいかれてるんで。いきなり「やる」と言いはじめて、「いいよ、やりなよ」と言って。最初は俺にかぶせてくるのかなと思ったんですよ。フロウだったり。そうしたら全然関係ないことをラップしはじめて、そこがめっちゃ面白くて。なんだこいつ、クソ関係ねぇこと歌いはじめたと思って(笑)。そこが最高でしたね。あれはマジで最高だった。ぶっ潰されたなぁみたいな。

JUICY B:(笑)。

(笑)。YungGucciManeさんからのディレクションは一切なかったんですか?

YungGucciMane:いきなりっすよ。ハンパないですよね。

ハンパないですね。ハンパないといえば、このアルバムのジャケットがまた……イケていて……。超かっこいいですね。

YungGucciMane:あれはすごい気に入ったアーティストの人がいて、その人の作品を使わせてもらったんですよ。ツイッターで知り合ったんですけど、美大生の女の人の作品なんです。僕の音楽を聴いてくれていて、仲良くなって使わせて欲しいとお願いしたらぜひ使ってくれと言ってくれて。あの作品に惚れちゃったんですよね。この作品は実物があるんですけど、それを撮った写真がこれなんです。

JUICY B:マジで? なるほどね。加工しているのかと思ってたわ。マジでヤバイね。

そのアーティストのお名前を伺ってもいいですか?

YungGucciMane:マザーファッ子さんですね。ツイッターでもマザーファッ子で出てます。

JUICY B:名前がウケるね。ははは(笑)。

こちらもすごい名前ですね(笑)。これはマスターピースだと思いました。もうひとつ、『JADE』の制作中にCherry Brownさんとのシングル『新世界』をリリースしています。こちらの動きはどうなっているんですか?

YungGucciMane:チェリー君とはまだアルバムの制作が続いてます。そっちは作りたいように作って、かっこいい曲を入れてこうって感じです。最近、新しいのを送ってくれて、それでデモで乗っけたりしたのが何曲かありますね。もう結構できてます。

JUICY B:(できてるのは)全部かっこいいよね。

そういった楽曲を作りつつ『JADE』を作っていたということですよね。ふたつの作品に相互の影響や関係はありますか?

YungGucciMane:チェリー君とやるときも、普通に俺の世界は俺の世界、チェリー君にはチェリー君の世界があるので、それを合わせればいい。だからあんまり切り替えはしないですね。俺が中心になってチェリー君がそれに付け足してくれるパターンとチェリー君が中心になって俺がそれに付け足すパターンがあって、お互いの世界を侵し合わない。そういう感覚のノリを保って作り続けている感じです。

『新世界』も広く聴いて欲しい曲ですし、こちらのアルバム完成も楽しみです。では、最後にYungGucciManeさんの今後の動きや展開があれば教えて下さい。

YungGucciMane:『JADE』を出した後に、また『NO PAPERS』みたいなふざけてる、そのまんまの俺を次は出そうかなと思っています。『JADE』で一度内面的なものを出して、次はもろトラップで遊んでいるアルバムを出してやろうかなと。いまドープ目なトラップを録りためているので、そこら辺を次は出そうかなと思っています。

ありがとうございました!

 インタヴュー中にはCHIEF KEEF、YOUNG THUG、Migos、J $tashの曲が鳴り響き、筆者が訊くとYungGucciManeがそれぞれの音楽が持つ魅力についてレクチャーしてくれる(大抵、それは「ノリ」という言葉で説明される。例えば「YOUNG THUGはクソオリジナルなノリが好きなんです。Lil’ Wayneからつながっているけど、完全にオリジナルなノリにしてる」「Migosはノリが好きですね。合いの手的な感じの独特なノリが……」など)。その合間合間に、ロヒプノールは、ベンザリンは、ザナックス(ソラナックス)は、ドグマチールは……というレクチャーまで挟み込まれ……。
 やがて最近外国から送ってきたというビートを鳴らしながらYungGucciManeとJUICY Bはレコーディングを始める。ふたりとも相変わらずリリックは一切書かない。

『NO PAPERS』 

「Across The Universe」

「ナッシング」

CLAP! CLAP! - ele-king

 クラップ!クラップ!といえばリズム、リズムといえばクラップ!クラップ!です。これまでリリースされた2枚のアルバムは、いずれも魅惑的なリズムを聴かせる伝統的かつコンテンポラリなダンス・ミュージックでした。そりゃあポール・サイモンも魅了されるわけです。そんなクラップ!クラップ!が5月20日に来日公演を開催します。しかも今回のライヴは、ドラム2台を従えてのバンド・セットになるそうです。あの個性的なサウンドがいったいどう再現されるのやら、いまから気になってしかたがありません。きっと深夜帰りの病んだ気持ちに優しく作用することでしょう!

[5/19追記]最終ラインナップが決定しました。食品まつり a.k.a foodman、JUN KAMODA、1-DRINK、RLPが参加します!

祝! CLAP! CLAP! バンド・セットによる来日公演決定!

ビート・ミュージック~ベース・ミュージック・リスナーから辺境~民族音楽ファンやサイケ系インディ・ロック・ファンまで巻き込んで話題騒然となった大ヒット・ファースト・アルバム『TAYI BEBBA』に続く全世界待望のアルバム『A THOUSAND SKIES』を携えて CLAP! CLAP! の再来日公演が決定! しかも、今回はツイン・ドラムを配したバンド・セットでのライヴを本邦初披露! CLAP! CLAP! 衝撃のサウンドをライヴでご堪能あれ! さらに一筋縄ではいかぬメンツのブッキングが進行中、さらなる詳細は近日発表! 密林のごとき熱量マックス、そしてその物語は宇宙へと飛躍する前代未聞のパーティになること必至、乞うご期待!

*既に発表されております同日(5.20 sat)THE STAR FESTIVAL @スチールの森・京都はソロ・セットでの出演となります。バンド・セットは東京公演のみとなります。

[5/19追記]追加ライヴ・アクトとして、USツアーを目前に控えたジューク/フットワーク・プロデューサー、食品まつり a.k.a Foodman が決定。パーティを司るDJ陣は、CLAP! CLAP! のシングル「Hope feaat. OY」のリミックスを手掛けた ILLREME こと JUN KAMODA、テクノからビート~ベース・ミュージックまでボーダーレスな現場最前線でのパーティー・メイキングに絶対的信頼の 1-DRINK、海外ビート・シーンからも厚い信頼を得ている次世代ビート・サエンティスト RLP の参戦が決定!
過去2回の来日公演を確実に凌駕するであろう熱量マックスの密林グルーヴでオーディエンスを宇宙まで昇天させてくれることでしょう!

UBIK version
5.20 sat @東京 代官山 UNIT
Live: CLAP! CLAP! (Band Set), 食品まつり a.k.a foodman [5/19追記]
DJ: JUN KAMODA, 1-DRINK, RLP [5/19追記]

Open/ Start 24:00-
¥3,000 (Advance), ¥3,500 (w/ Flyer, Under 25), ¥4,000 (Door)
Information 03-5459-8630 (UNIT)
www.unit-tokyo.com

Ticket Outlets: PIA (330-316), LAWSON (72575), e+ (eplus.jp), diskunion CLUB MUSIC SHOP (渋谷, 新宿, 下北沢), diskunion 吉祥寺, TECHNIQUE, JET SET TOKYO, clubberia, RA Japan, UNIT

CLAP! CLAP! (Black Acre, IT)
CLAP! CLAP! は、ディジ・ガレッシオや L/S/D など多数の名義で活躍するイタリア人プロデューサー、クリスティアーノ・クリッシがアフリカ大陸の民族音楽への探究とサンプリングに主眼を置いてスタートさせたプロジェクトである。様々な古いサンプリング・ソースを自在に融合して、それらを極めてパーカッシヴに鳴らすことによって実に個性的なサウンドを確立している。彼は伝統的なアフリカのリズムをドラムマシーンやシンセといった現代の手法を通じて再生することにおいて類稀なる才能を持っており、その音楽体験におけるキーワードは「フューチャー・ルーツ/フューチャー・リズム」。CLAP! CLAP! の使命は、トライバルな熱気と躍動感に満ちていながらも、伝統的サウンドの優美さと本質を決して失わないダンス・ミュージックを提示することである。2014年にリリースされ翌年CD化されたファースト・アルバム『TAYI BEBBA』は、ビート・ミュージック~ベース・ミュージック・リスナーから辺境~民族音楽ファンやサイケ系インディ・ロック・ファンまで巻き込んで大ヒットを記録中、その勢いをさらに加速させる日本独自企画アルバム『TALES FROM THE RAINSTICK』を2016年5月にリリースした。さらにはポール・サイモンの最新アルバム『ストレンジャー・トゥ・ストレンジャー』にも参加、注目を集めてきた。そして、CLAP! CLAP! 全世界待望の新作『A THOUSAND SKIES』は、2017年2月にリリースされたばかりである。

[リリース情報]

CLAP! CLAP! "A Thousand Skies"
クラップ!クラップ!『ア・サウザンド・スカイズ』
in stores now
PCD-93997
★日本独自CD化
★アーティスト本人によるストーリー仕立ての全曲解説&対訳を封入
https://p-vine.jp/music/pcd-93997


Ikonika - ele-king

 いや、まず名前がステキなんですよ、アイコニカ。響きが最高に心地よい。アイコニカ。シンプルだし、日本語とも妙にマッチしているし、何度も呟きたくなる名前です。アイコニカことサラ・アブデル=ハミドは〈ハイパーダブ〉に所属するプロデューサーで、ダブステップ~それ以降のサウンドを果敢に追求し続けているチャレンジャーです。その名前の由来については『Contact, Love, Want, Have』のレヴューを参照していただくとして、彼女が6月2日に新作をリリースします。ゲストにも興味深い名前が並んでいます。楽しみです。因習打破! 因習打破!

I K O N I K A

UKクラブ・カルチャーの真価を体現し続ける
型破りの天才女性プロデューサー、アイコニカ
待望の最新アルバム『Distractions』のリリースを発表!

コード9率いる〈Hyperdub〉の中核メンバーであり、UKクラブ・カルチャーの真価を体現し続ける才媛、アイコニカが4年ぶり3作目となる最新アルバム『Distractions』のリリースを発表! 先行シングル「Manual Decapitation」を公開!

Ikonika - Manual Decapitation
https://soundcloud.com/hyperdub/manual-decapitation?in=ikonika/sets/distractions-2017

2013年の前作『Aerotropolis』発表以降、ドーン・リチャードからチャーチズまで幾多の傑作リミックスを手掛け、世界中をDJツアーで回りながら制作されたという本作は、UKガラージ~ファンキーやハウスから彼女のヒップホップ~R&Bの骨格や構造美に対するフォーカスへとシフトした作品に仕上がっている。サイボトロンがグライムをカマしたかのようなミニマル・エレクトロが炸裂する先行シングル“Manual Decapitation”、アンドレア・ギャラクシーとの〈Night Slugs〉~〈Fade To Mind〉直系R&B“Noblest”やダブステップにヒップ・ハウスのドラムを配合したスロウジャム“Sacrifice”では爆発的な盛り上がりを見せるグライム新世代を担うMCジャムズを迎えるなどこれまで以上にコラボレーションにも意欲的なトラックが顔を揃えている。〈Night Slugs〉の新鋭スウェインJとの官能的なウェイトレスR&Bに同僚ジェシー・ランザのヴォーカルが悶えるエモーショナルな終曲“Hazefield”で幕を降ろすまで、金属のクランク・サウンドと鎮静ファンクのハイテクでミニマルなブレンドが絶妙すぎる2017年にしか生まれえないUKクラブ・カルチャーの真価を体現する傑作!

label: HYPERDUB
artist: IKONIKA ― アイコニカ
title: Distractions ― ディストラクションズ

release date: 2017.06.02 FRI ON SALE

輸入盤CD: HDBCD035 定価: OPEN
輸入盤2LP+DLコード: HDBLP035 定価: OPEN

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[TRACKLISTING]
01. Girlfriend
02. Noblest ft Andrea Galaxy
03. Manual Decapitation
04. Lear
05. BGM
06. 435
07. Do I Watch It Like A Cricket Match?
08. Sacrifice ft Jammz
09. Love Games
10. Lossy
11. Not Actual Gameplay
12. Not
13. Hazefield ft Sweyn J & Jessy Lanza

R.I.P. Mika Vainio - ele-king

 どう受け止めればいいのか分からない。あの不世出の電子音響作家であり、パンソニックのメンバーでもあったミカ・ヴァイニオが亡くなった。事故といわれている。詳しいことは分からない。突然といっていい。1963年生まれだから53歳だ。まだ若い。訃報を耳にしたとき、電子音楽の、実験音楽の聴き手として、大切な指標を失ってしまったと思った。パンソニックからソロまで彼の電子音楽は重要な指標だった。あのノイズが、あの音が、あの光のように瞬くサウンドが、いま、失われてしまった。悲しい。遠い国の、まったく会ったこともないアーティストなのに、どうしてこれほど呆然としてしまうのか。

 よく言われていることだが、ミカ・ヴァイニオとイルポ・ヴァイサネンによるパンソニックの功績はクラブ・フロアにノイズを持ち込んだことである。「テクノイズ」、その言葉のとおりの完全実現はパンソニックの『ヴァキオ』(1995)だった。それはノイズの新しい用法の発見でもあった。90年代中期、カールステン・ニコライや池田亮司などのサイン派による純電子音楽の登場と同時多発的に重なっていたことも重要で、これは後の世代に大きな影響を与える電子音響ムーヴメントになった。グリッチ、音響派などいろいろな呼び方があるだろうが、電子・電気ノイズの新しい使い方という意味では共通していた(当時、批評家の佐々木敦氏は「接触不良音楽」などと語っていた。まさに言いえて妙)。
 なかでもスーサイドを電気ノイズで蘇生させたかのようなパンソニック(当初は3人メンバーでパナソニックと名乗っていた。しかし某電気メーカーからのクレーム?で名前の変更を余儀なくされたという)は、その破壊的ミニマルな音響/ビートで、多くの音響ファンを魅了した(スーサイドといえば、イルポ・ヴァイサネンとスーサイドのアラン・ヴェガと組んだユニット Vainio / Väisänen / Vega も素晴らしかった。とくに〈ブラスト・ファースト〉からリリースされた『Endless』(1998)は最高のインダストリアル・音響ロックである)。いずれにせよ、その音にはノイズの快楽があるいっぽう、安易な快楽を拒否するストイシズムと暴発性もあった。ロックである。ゆえに後年、彼らが灰野敬二とコラボレーションをおこなったのは必然といえる。
 また、ミカはソロとしても英〈タッチ〉から『Onko』(1997)、『Kajo』(2000)などの静謐かつ非連続的な(日本の能のような?)傑作をリリースし音響ファンを魅了した。加えてフェネスやケヴィン・ドラム、ルシオ・カペーセ、コーヘイ・マツナガなどと競演を繰り広げ、その存在をシーンに刻印していく。さらにはレーベル〈Sähkö Recordings〉を主宰し、Ø名義で『Olento』(1996)、『Kantamoinen』(2005)、『Oleva』(2008)などの美しいエレクトロニック・ミュージック作品を送り出していく。

 これらの活動が2010年代以降のインダストリアル/テクノやエクスペリメンタル・ミュージックに影響を与えたことはいうまでもない。それらはノイズとテクノの融合なのだから。彼の死の報を受けて、カールステン・ニコライ、リチャー・シャルティエ、テイラー・デュプリー、池田亮司、渋谷慶一郎など、ミカと競演・交流があったオリジンだけなく、〈パン〉や〈シェルター・プレス〉、セコンド・ウーマン、イマジナリー・フォーシズ、デール・コーニッシュ、キョーカなどの最先端のレーベルやアーティストが深い悲しみと愛情を表明したのは、その影響の大きさを自覚していたからではないかと思う。
 そう、2010年代のインダストリアル/テクノやエクスペリメンタル・ミュージックは、パンソニックとミカ・ヴァイニオから(直接/間接的な)影響を受けている。なぜか。繰り返そう。パンソニックはクラブ・ミュージックとノイズを合体させた。そして、ミカ・ヴァイニオはノイズの新しい使用法を生みだした。これは発明であり、革命であったのだ。先に挙げたいまの電子音響作家や音楽家は、その「革命」の影響を強く自覚しているはず。僭越ながら、ただの聴き手である私も同様である。だからこそミカ・ヴァイニオの死の報に触れて私は途方にくれてしまったのである。

 ミカ・ヴァイニオの電子音/ノイズはまるで星の光のようだった。そこに彼の故郷であるフィンランドの夜空や空気や星空のムードが色濃く反映しているのは想像がつく。パンソニック時代の炸裂するインダスリーなビートとは異なり、ソロ作品では持続と切断が非反復的に生成し、その電子音は光の瞬きのようであった。特にØ『Kantamoinen』(2005)、『Oleva』(2008)、『Konstellaatio』(2013)などの電子音響作品を思い出してほしい。

 いま、追悼の意を込めて聴き直したいアルバムは、パンソニックであれば、インダストリアルからノイズ、ドローンから現代音楽まで、つまりはブルース・ギルバート、灰野敬二、スーサイド、スロッビング・グリッスル、シャルルマーニュ・パレスタイン、アルヴィン・ルシエなどに捧げられ、20世紀の実験音楽のエレメントを4枚のディスクの結晶させた電子音楽の墓標のような、もしくはモノリスのような『Kesto』(2004)、彼の少年時代の記憶を結晶させたフィランドの星空のごときØ名義の『Konstellaatio』(2013)、固有の音楽時間軸を結晶させたミカ・ヴァイニオ名義で発表された『STATION 15, ROOM 3.064 Parts 1-5』(2010)だろうか。これらの音には、どこか時間を超越するような永遠性が宿っているように思える。
 むろん、これ以外のアルバムや音源も、自分は折にふれて聴き込むだろう。ミカの作品を、電子音楽を、実験音楽を愛するひとりの聴き手として、何度でも繰り返し聴く。彼はこの世から旅立ってしまったが、彼の音楽は色褪せることなく、いま、ここで光輝いているのだから。

 最後に生前のミカ・ヴァイニオがレコード・ショップで自らのルーツとなるCDを選んだ動画を紹介しよう。2014年のものだから、3年前だ。

 ここで彼が紹介したアーティストは次のとおりである。「John Lee Hooker、Junior Kimbrough、Basil Kirchin、Charles Manson、Whitehouse、Loren Mazzacane Connors、Barn Owl & The Infinite Strings Ensemble、Morton Feldman、Toru Takemitsu」。ブルース、ノイズ、そして現代音楽まで、なんと素晴らしい選盤だろうか。彼がどれほど深く音楽を愛していたかが伝わってくる。なにより彼が最後に紹介したのは、あの武満徹なのだ。この事実に、われわれはもっと、もっと、感動する必要があるように思う。


DJ DIE - ele-king

 いや、ジャングル来てますな。先日のパウウェルのライヴもジャングル、昨年末のベリアルの12インチもジャングル、ゴールディーの「インナー・シティ・ライフ」がベリアルにリミックスされる、ロンドンでは地下鉄占拠で一区間のジャングル・パーティ──ジャングルですよ、レイヴですよ、ハードコアですよ、「もうやってられっか!」ということでしょうか、そして彼の地ででは、レイヴを知らない世代がいよいよレイヴをはじめているこのとき、ブリストル・ジャングルの先人、ダイが来日します。
 絶対に行ったほうがいいです。

■東京
2017/04/28 (FRI)
at 東京渋谷回遊

BS04GF -DJ DIE Japan Tour in Tokyo-

Venue 1 at Star lounge:
open: 24:30-5:00

DJ DIE from Bristol / UK (Gutterfunk / Digital Soundboy / XL Recordings)
L?K?O
Maidable
Soi Productions
Bim One Productions

P.A.:
eastaudio SOUNDSYSTEM

Shop:
Disc Shop Zero

Venue 2 at 虎子食堂:
open: 21:00~2:00

BS04GF - Tropical Disco Lounge

Selector:
G.RINA
1-DRINK
e-mura (Bim One Productions)
1TA (Bim One Productions)

入場料:
通常前売: 3000円+1D (500円)
特別前売: 3000円+1D (500円)
当日券: 4000/1D (500円)
当日虎子のみの入場: 2000円
当日虎子からスターラウンジ : +2500円w/1Dチケット(スターラウンジ)

Webサイト
https://www.bs0.club/

前売り
特別仕様前売り券 - https://www.bs0.club/#159223881093
e+ (イープラス) - https://bit.ly/2ousjKu
Livepocket - https://t.livepocket.jp/e/n8y_g
取り扱い店舗更新中! - https://www.facebook.com/events/172307596609899

*全公演日程

■4/28(Fri) 東京 at Star Lounge / 虎子食堂〈BS0〉
■4/29(Sat) 高知 at music cafe BEAT〈RESOUND ZERO〉
■5/2(Tue) 名古屋 at CLUB MAGO / Live & Lounge Vio〈PURE______ (pure blank)〉
■5/3(Wed) 高崎 at club WOAL Takasaki〈"re"place〉
■5/5(Fri) 大阪 at Compufunk Records〈DIRT〉
■5/6(Sat) 静岡 at Rajishan〈hypnotize〉


DJ DIE
DJ DIEは、ハードコア~ジャングル~ドラム&ベース・シーンのパイオニアであり、XL Recordings、Talkin' Loud、そしてもちろんFull Cycleといった影響力のあるレーベルからリリースをしてきたブリストルのアーティスト。
彼は革新者であり続け、彼が受けてきた広範な影響と未来への確固としたヴィジョンを通じ、ルールや伝統を無視した新たな錬金術を創造してきた。
DIEの情熱は、境界の無い新しい音楽を発見し創造することに向けられており、その情熱は、彼が運営するプロデューサー/DJ/アーティストが集まるレコード・レーベルであり創造的ハブでもあるGutterfunkに集中している。
彼の最近のコラボレーションやプロジェクトには、進行中のDismantleとのDieMantleや、Addison Grooveとの共同作業、そして現時点では秘密のプロジェクトがある。
2017はDJ DIEにとってエキサイティングな1年になるに違いない。

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