「S」と一致するもの

ENSEMBLE AL-SALAAM - ele-king

Larry Nozero & Dennis Tin - ele-king

Sun Ra - ele-king

PHAROAH SANDERS - ele-king

DOROTHY ASHBY - ele-king

SUN RA - ele-king

Shades Of Brown - ele-king

 去る9月29日、3年ぶりのニュー・アルバム『Again』を発表したワンオートリックス・ポイント・ネヴァー。大胆なストリングスの導入、リー・ラナルドやジム・オルークの参加、生成AIの使用、「思弁的自伝」のテーマなどなど注目ポイント盛りだくさんの新作のリリースを祝し、今月はOPNにまつわるさまざまな記事をお送りしていきます。まずは第1弾、4人のOPNファンが綴るOPNコラムを掲載。第2弾以降もお楽しみに。

[10/13追記]第2弾、OPNの足跡をたどるディスクガイドを公開しました。

[10/20追記]第3弾、「ゲーム音楽研究の第一人者が語る〈Warp〉とOPN」を公開しました。

第1回 columns [4人のOPNファンが綴るOPNコラム]


4人のOPNファンが綴るOPNコラム

第2回 disk guide [ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー・ディスクガイド]


ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー・ディスクガイド

第3回 [ゲーム音楽研究の第一人者が語る〈Warp〉とワンオートリックス・ポイント・ネヴァー]


〈Warp〉とワンオートリックス・ポイント・ネヴァー

Sprain - ele-king

 世の中には聞いた瞬間に意識が持っていかれてしまうような音楽と、その良さに気がつくのに時間がかかる音楽がある。そして、スプレインの音楽はその両方を兼ね備えた音楽なのではないかと自分は思う。ロサンゼルスのスローコア・バンド(そうだと思っていた)スプレインの2ndアルバムからの先行トラック “Man Prpposes, God Disposes” がスピーカーからふいに流れた瞬間にあっというまに意識が持っていかれてしまった。やっていた作業が手につかなくなり、手を止め、手持ちぶさたになって、そして意味もなく鼻を触ったり顎を触ったりする。とにかく落ち着かない気分になってスプレインの名前を確認し、白黒の奇妙なポーズをとったアートワークについて思いを巡らせる。そうして頭に出てくるのは白黒のディス・ヒートの写真だ。ぶれた被写体と奇妙なポーズのディス・ヒートよりも鮮明ではっきりしていて、そこに時代の隔たりを感じもする。あぁしかしここにはストリングスのイントロダクションからポスト・パンクのサウンドの上で唾を飛ばすように喋り歌う現代的なシュプレヒゲザング、ノイズと共に訪れる小さなカオス、それを抜けた先に訪れる静寂がある。何が起こっているのかはっきり理解することはできないが、何かが起きているということは容易にわかるエネルギーが渦巻いている。

 同時代的な感覚で言うとスプレインは初期のブラック・ミディのポスト・パンクの性急さ、あるいはカナダ出身のデライラ(Deliluh)の持つ儀式めいた恐ろしさをもっているのかもしれない。アルバム全体を通して自己と対峙する世界に触れるような描き方から HMLTD が今年、2023年に出した素晴らしい2ndアルバム『The Whorm』のことも頭によぎったが、しかしアプローチがまったく違う。HMLTD がインタールードを挟み演劇的に強調しスポットライトを当てるかのごとく次々に場面を展開し物語を形作っていたのに対して、スプレインは重苦しい白黒の映像、長回しで表現するタル・ベーラの映画のようなやり方を試みている(それよりもずっと過激であるのかもしれないが)。アルバムの収録時間が1時間36分、全8曲のうち20分を超える曲が2曲、10分超えの曲が2曲、それらをつなぐカットも主人公が活躍するような物語もそこに存在しない。白黒のロングショットの時間と暴力的である種グロテスクなエネルギーのひずみの中にぼんやりと浮かんでくるものを意味だと聞き手が受け取るような、このアルバムはそんなアルバムのように感じられる。
 上に名前を挙げたようなバンドの40分前後のアルバムに慣れ親しんだ身としては、長すぎると二の足を踏んでしまいそうな収録時間だが、しかしこの音楽は聞きはじめるとダレることなく非常に魅力的に進んでいく。たとえば24分あまりの “The Commercial Nude” はひっかくようなノイズにはじまり、コラージュのカオスから、アコースティク・ギターで小さな諦めを吐露するような厳かな展開に入り、そうして気がつけば壮大な感情の波に飲み込まれ、突き抜けた先の虚無にたどり着く。わかりやすい静と動も境界線が消え滑らかに溶け合うような美麗さもなく、それぞれの要素が形を残したまま何事もなかったかのように現れる。どこかにたどり着くための過程ではなくて、その場に存在することが重要だというように、目の前の出来事について思いを巡らせているうちに気がつけば時間が流れていく。

 あるいはそれはスプレインがこのアルバムで楽曲ではなくて音楽が流れる空間を作り出しているからなのかもしれない。浸るでも聞くでもない、そこに存在する音楽を半自覚的な状態で眺めるような感覚。それは心地の良いものではなく小さな緊張感と不安を伴ってのもので、レイランド・カービーのアルバム、たとえば『Sadly, The Future Is No Longer What It Was』、で聞かれるような美しいものが壊れ失われていくピアノの音が鳴るなかで、スローコア由来の轟音ギターのが重ねられる “The Reclining Nude” のハッとさせられるような瞬間や、ブラック・ミディの1stアルバムに HMLTD のヘンリー・スピチャルスキーが参加したかのような “God, or Whatever You Call It” の曲中に何度も訪れる余韻と解放が生み出す感情を作り出し、そうしてそれらが頭の中にはっきりとしないイメージとして残り続ける。

 おそらくこのアルバムはひとつのジャンルに寄ったものでも、ジャンルがきれいに混ぜ合わされたものでもダメだったのだろう。40分のコンパクトにまとめられた収録時間でもきっとうまくはいかなかった。必要だったのはある種の異物感と、それが同じ場所でおこなわれているということだったのだ。ひとつの部屋で同じ人間に別の出来事が起きているような不条理さ、何かを切り取ったものではなく垂れ流しにも思えるような時間のなかで生成される薄ぼんやりとした感情こそが大事なのではと考えるが、しかしそれもはっきりとはわからない。スプレインの音楽は刺激的で即効性のあるサウンドであるのと同時に得体のしれない音楽でもある。わからないものをわからない状態のまま受け入れることを求めるような、このアルバムはおそらくそんなアルバムで、いまはそれがことさら新鮮に感じられる。

interview with Shuta Hasunuma - ele-king

 非常に微細な音にたいして、異様に感度の高いひとがいる。日本でいえば坂本龍一が筆頭だろう。けして強くは自己主張することなく、ただ静かに聴かれることを待つ『async』のさまざまな音の断片たちは、卓出した感受性(と理論)によってこそ鳴らされることのできたある種の奇跡だったのかもしれない。その坂本の〈commmons〉に作品を残す蓮沼執太もまた、そうしたタイプの音楽家だと思う。
 これまで蓮沼執太フィル、タブラ奏者 U-zhaan との度重なるコラボ、歌モノにサウンドトラックに数えきれないほどの個展にインスタレーションにと、2006年のデビュー以来八面六臂の活躍をつづけてきた彼。本日10月6日にリリースされる新作『unpeople』は、15年ぶりのソロ・インスト・アルバムとあいなった。
 エレクトロニカの隆盛が過ぎ去った2006年、まだブレイク前のダーティ・プロジェクターズをリリースしていた米オースティン〈Western Vinyl〉から蓮沼はデビューを飾っている。爾来、飽くことなく生楽器と電子音とフィールド・レコーディングの融和を探求しつづけてきた冒険者。そんな彼がもっとも羽を伸ばして制作に打ち込める形式がソロのインスト・アルバムといえるだろう。

 といっても、新作には多彩なゲストが参加している。ジャズとポスト・ロックを横断するシカゴのギタリスト、ジェフ・パーカー。今年みごとな復帰作を発表したコーネリアス灰野敬二。〈Rvng Intl.〉からも作品を発表するNYの前衛派ドラマー、グレッグ・フォックス。さらにはコムアイから沖縄の伝統音楽をアップデイトする新垣睦美まで、まるで異なる個性の持ち主たちが勢ぞろいしている。
 おもしろいのは、曲単位だと各人の特性が存在感を放っているにもかかわらず、アルバム全体としてはしっかり統一がとれているところだ。具体音から電子音、ギター、ドラムに三線、人声までが並列かつ高レヴェルに組みあわされる新作は、蓮沼の持つ鋭い感受性と長年の経験で培われたにちがいない編集力とがともに大いに発揮された魅力的な1枚に仕上がっている。

 彼はそして、たんに感覚のひとであることに満足しない。読書家でもある蓮沼は、今回のアルバムを「unpeople」と題している。人民(people)ではない(un-)もの。振りかえれば2018年、蓮沼執太フィルのアルバム・タイトルは『アントロポセン』だった。日本語では人新世──ようするに、産業革命以降の人間の活動が大きく地球を変えてしまっているのではないか、そんなふうに人間中心的でいいのか、という問いだ。
 当時は──魚の骨や鳥や虫を歌った cero に代表されるように──人間を中心に置かない発想がポピュラー・ミュージックにも浸透しはじめてきたタイミングだった。蓮沼もまたしっかり時代の気運に反応していたわけだけれど、彼は読書が音楽体験をさらに豊かにしてくれるかもしれないことを教えてくれる稀有な音楽家でもあるのだ。その点も坂本龍一とよく似ている。
 なにより大事なのは、そういった難しいテーマや実験的なサウンドに挑みながらも、彼の音楽がある種の聴き心地のよさ、上品さを具えている点だろう。マスに開かれながら、しかし媚びることなく冒険をつづけること。そんなことを実現できる音楽家は、そうそういない。

録ることよりも聴くことがたいせつだと思っています。録ったものからなにを聴きとるか、なにを発見できるか。フィールド・レコーディングっておなじ音は絶対に録ることができない。そこは魅力だと思います。

ソロのインスト・アルバムとしては15年ぶりということですが、なぜこのタイミングでふたたびソロのインスト・アルバムをつくろうと思ったのですか?

蓮沼:じつはソロのインストのアルバムをつくろうと思って重い腰を上げたわけではないんです。音楽活動自体は休むことなくずっと続けているのですが、展覧会やアート・プロジェクト、サウンドトラックなど、自分ではないだれかのためにつくることが多くて。もちろんそれらも自分のためのものではあるんですけれど、録音された音源としてはそうではないことが多い。そういった、いろんなひとのためのプロジェクトとプロジェクトの合間合間に、少しずつ自分の音をつくっていくことをはじめたのがそもそものきっかけですね。なので「インストのアルバムをつくるぞ!」と意気込んだわけではまったくないんです。徐々に未完成の音源がたくさんできていって、「これをどうにかして世に出したい」という気持ちから動き出したのが今回のプロジェクトです。とはいえやはり、外から見たら15年も空いていることになりますよね。

蓮沼執太フィルもご自身がメインのプロジェクトですよね?

蓮沼:そうですね。ただ、メンバーが決まっていて、楽器の編成も決まっていますから、彼らが演奏するための旋律やフレーズを作曲していくことは、はたして自由といえるのかなと思うこともあって。ぼくがヘッドではあるのですが、活動を長くつづけていくためにみんなで決めて進めることにしているんですよ。喧嘩になることはないんですが、とはいえやはり制限はあります。それを自分の音楽といっていいかは……少なくとも今回の新作とはやはりちがいますね。

インストという点を除けば、ソロの前作にあたるのはヴォーカル入りの『メロディーズ|MELODIES』(2016年)ですよね?

蓮沼:歌っているんですが、もともとは声をつくるところからはじめたコンセプチュアルなアルバムですね。途中から歌モノに舵を切りました。ぼくはフィルでも歌っていますので、歌があることが蓮沼執太のイメージになっている方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的につくっているのはインストなんです。

今回、15年ぶりというよりは『メロディーズ』から地続きの感覚でしょうか?

蓮沼:いろんな活動が地続きだと思います。フィルの活動も、それ以外のプロジェクトで音楽をつくる経験も。今回アルバムのかたちに至るまでにいろいろなことがありましたので、それらが大きな川のように流れているイメージです。

今回の取材にあたり00年代の初期のソロ作品も聴いたのですが、グリッチ感が強く、アルヴァ・ノトの影響を感じました。当時のエレクトロニカはきれいな音を目指すものが目立ち、そんななかでパルス音やノイズを入れることは、時代にたいするひとつのアンサーだったのかなと思ったのですが、いかがでしょう。

蓮沼:ぼくはエレクトロニカの時代よりちょっとだけ遅いんですよね。カールステン・ニコライも池田亮司さんも好きなのですが、彼らが活動されはじめたのはぼくが音楽をやりはじめる10年以上前ですので、直接的な影響というわけではないですね。学生時代、プログラミングで音を生成するのが趣味だったんです。MAXやSuperColliderでいっぱいノイズをつくって、ばんばんレコーディングして自分の音色を入れていったり。同時に環境音にも関心がありましたし、そういうものが合わさって「音楽をつくってみよう」となりました。

アカデミックな音楽教育を受けたわけではないんですね。

蓮沼:まったく受けていないですね。ワークショップでプログラミングの講習を受けたりはしましたけれど、完全に趣味でやっていました。最初は、就職したくないと思ってアルバムをつくる方向に行った感じです。電子音も好きでしたけど、サウンド・アートとしてのフィールド・レコーディングも好きで聴いていましたし、そういったものが音楽の世界にあるんだ、と少しずつわかっていった感じです。

理工系だったんでしょうか?

蓮沼:いえ、専攻は経済でしたね。数学が得意だったので経済学を選んだんです。もともとはマルクスから入っていったんですけど、違和感もあって、その後環境経済学というものがあることを知りました。文化人類学やフィールドワーク、エコロジーなどにも関心がありましたので、その勉強をしているときにフィールド・レコーディングもはじめましたね。

フィールド・レコーディングは蓮沼さんの音楽の大きな特徴のひとつです。フィールド・レコーディングのどこに惹きつけられますか?

蓮沼:最近フィールド・レコーディング流行していますよね。ぼくは、録ることよりも聴くことがたいせつだと思っています。録ったものからなにを聴きとるか、なにを発見できるか。フィールド・レコーディングっておなじ音は絶対に録ることができない。そこは魅力だと思います。

たとえば鳥の声のように、ピンポイントで「この音が欲しい」というような場合、ほかの音も入ってきちゃうと思うんですが、そういうときはどうされていますか?

蓮沼:ある特定のものだけを狙うようなことはしないんです。もう少しコンセプチュアルで。たとえば森にも道路にも、ただ生活を送っているだけでは気づかないリズムやハーモニー、周期性があって、記録された音源を聴くとそれに気づけたりするんですよ。そういった大きいリズムや小さいリズムの発見は、既成の音楽からは得られづらい。そういうものをたいせつにしたい思いがぼく自身の根本にあるような気がしていますね。
ただ、たとえば、オリヴィエ・メシアンとかオノ・ヨーコさんみたいに鳥の声を記譜したりして音楽にするアプローチがある一方で、「音符に記譜しなくても、音として録らなくてもいいじゃないか、そのまま聴けばいいじゃないか」という思いもあるんです。マイクで録った音をヘッドフォンを介して聴くことと、じっさいに鳴っている音をそのまま聴くこと、どちらも音楽的に面白いです。

普段から持ち運べる録音機材を携帯していて、あとで聴き返して使いどころを見つけるというようなやり方なのでしょうか?

蓮沼:音楽をつくる素材としてフィールド・レコーディングをするという考え方がありますが、ぼくはそれはいっさいないんです。よく誤解されるんですが。もちろん録った音を使っているんですが、曲のためだけに録っているわけではなくて。観察する行為それ自体が目的だったり……アーカイヴとして録音している場合がほとんどですね。「いい音だったから使う」というようなことはまったくないです。「よし、今日はいい音を録りにいくぞ」ってマイクとレコーダーを持って出かける、ということはしないです。
 それに、「いまの、いい音だったな」と思って録ろうとしても、いい音ってまず録れないんですよ。ぼくたちは音を耳だけで聴いているわけではないんです。いろんなシチュエーションがあって「あ、いい音だ」って思うんですね。いい音だと思って録っても、たいていいい音にならない(笑)。なのでぼくの場合は、あらかじめコンセプトやテーマがあってレコーダーをまわすことが多いですね。

そういった音への関心は、幼いころから?

蓮沼:そうですね。そもそも音が好きなんだと思います。音楽よりも音が好きというタイプなのではないでしょうか。完成されたもの、上手なものもいいですが、未完成だったり、そのまま存在しているだけのような芸術も好きですので。

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ぼくたちは音を耳だけで聴いているわけではないんです。いろんなシチュエーションがあって「あ、いい音だ」って思うんですね。いい音だと思って録っても、たいていいい音にならない(笑)。

蓮沼さんの音楽のもうひとつ大きな特徴として、電子ノイズがありますよね。アンダーグラウンドでは珍しくない試みですが、蓮沼さんはより広い層に、クリーンなものだけではない音の魅力を伝えようとしているように感じました。

蓮沼:どんな音楽にもノイズは存在します。オーケストラにもノイズはありますし、極論をいえば生きているだけで社会にはノイズはある。それが音楽作品にも入ってくるんじゃないかな……。それと、エラーや失敗、ミスは通常ネガティヴなこととしてとらえられますが、ぼくはそういう偶然起きたことを面白く思うタイプなんです。グリッチももともとはエラーからはじまっていますよね。30代に入ってからアナログ・シンセサイザーを使うようになったんですが、サイン波をいじるだけでグリッチが発生するんですよ。それを変調させることでいわゆるシンセの音になっていく。そのアナログのアルゴリズムが身体的にわかってきて、その観点から見てもやはりどんな音にもノイズは含まれている。100%ピュアなものってないのではないかと思いますね。
電子音のいいところは、基本的に出しっぱなしなところです(笑)。音楽の世界でそんなものってほかにないですよね。とくに初期のシンセサイザーは電源につないだら、オシレーターはずっと鳴らしっぱなしで、それをどう制御していくかみたいなところがある。ふつう、音はポンとアタックがあって、徐々に消えていくものですが、電子音はずっとブーンと鳴りつづける。大げさにいえばそこに永遠性があります。そこにも惹かれますね。

蓮沼さんの音楽では、そうした電子音ときれいなピアノの旋律が一緒になっていたりします。それらは蓮沼さんのなかで同列ですか?

蓮沼:空間性のない電子音と空間性を含む生楽器の響きは音として同列ですね。もしかしたらぼくの場合はもう少しサウンド寄りに捉えているかもしれません。

サウンド寄りというのは?

蓮沼:音楽になっていないというか(笑)。いや、音楽として成立してはいるんですけれど、いわば「弱い音楽」で、非音楽的な要素が多い状態がいいな、と。

「弱い音楽」って素敵なことばですね。

蓮沼:最近ほんとうにそう思っていて。音楽が溶けていく状態というか。

どんな音楽にもノイズは存在します。オーケストラにもノイズはありますし、極論をいえば生きているだけで社会にはノイズはある。それが音楽作品にも入ってくるんじゃないかな……。

新作はソロ・アルバムですが、多くのゲストが参加してもいます。各々の個性がけっこう出ているように感じたんですが、それぞれどういう流れでオファーしていくことになったのでしょうか。

蓮沼:今回の曲は2018年ころからつくりはじめているんですが、当時はブルックリンに住んでいました。日本にいたころよりは仕事をおさえていましたので、わりと自分の音楽をつくる時間がとれて、未完のものがたくさん溜まっていったんです。そこで、「この音だったらジェフ・パーカーに弾いてもらったほうがいいかもしれない」のようにアイディアが浮かんで、オファーしていった流れです。

なるほど、では以前セッションした録音が残っていて、それを流用したのではなく、新作のためにオファーしていったのですね。

蓮沼:灰野敬二さんとの曲(“Wirkraum”)はセッションから生まれていて、そういう経緯でした。灰野さんとはコロナ禍に何度か一緒にライヴをしたことがあって、そのときのリハーサルですね。灰野さんは歌うのみでギターは弾かないというルールがあって、このリハをやったときは笛を吹いたりしていらっしゃったんですが、こんな機会はなかなかないですからずっとレコーダーをまわしていました。3時間くらいのセッションでしたが、それをチョップして、さらにぼくが音を重ねて完成させましたね。

それは日本で?

蓮沼:日本ですね。

ジェフ・パーカーとは以前から面識があったんでしょうか? 4曲目でジャズ的なムードが来たなと思ったら彼が参加していたので驚きました。

蓮沼:共通の知人がいました。連絡先を教えてもらって、「聴いてみてほしい」とデモを渡したんです。そうしたら「いいよ」という反応で嬉しかったですね。ジェフ・パーカーの大ファンなんです。

“Selves” では、小山田さんがけっこうロッキンなギタープレイをされていますよね。小山田さんとはどういう経緯で?

蓮沼:小山田さんとは2020年に渋谷で即興演奏をやったことがあって、互いに「いいね」「またやろう」という話になっていたんです。今回の制作中にそのときのレコーディングを聴いて、「この部分いいな」と思うものがあって。それで、「この感じで一緒にできませんか?」とお尋ねしたらOKしてくださったんです。ある程度 “Selves” の骨格をつくって小山田さんにお渡ししたら、ギターを入れて返してくださいました。

それはいつごろですか?

蓮沼:去年の末くらいだったと思います。

そうすると、おそらく新作『夢中夢』をつくっているのと近いタイミングですよね。

蓮沼:そうそう、ちょうど新作をつくっているというお話も聞きました。

“Sando” にはコムアイさんと、雅楽演奏者の音無史哉さんが笙で参加されています。

蓮沼:じつはこの曲はもともと、表参道のクリスマス・イルミネーションのためにつくった曲だったんですよ。完全にコミッションで。コムアイさんにはそのとき声を入れてもらって、異なるアレンジでじっさいに街で流れていたんですよね。コロナ中でしたが。でもそれだけでは終わらせたくないなという思いがあって、しっかりアレンジしなおしました。
音無さんはフィルにも参加してもらっているんですが、このときはまだ加入前ですね。ティム・ヘッカーが雅楽をやったことがありましたよね。そのとき音無さんもレコーディングに参加していたんです。今回の曲と合いそうだと思ってお声がけしました。

音無さんは最後の曲にも参加していますね。この2曲と、新垣睦美さんが三線、三板(さんば)などで参加されたエレクトロニカの “Fairlight Bright”。この3曲がアルバムに独特の質感をもたらしていると思いました。

蓮沼:九州大学の城一裕さんという方がいて。The SINE WAVE ORCHESTRA というプロジェクトなどをやられているんですが、九大のスタジオにフェアライトCMIがあると伺って、かなり触らせてもらいました。その音でつくったのが “Fairlight Bright” です。ただ、そのままだとたんにフェアライトなだけだなと思って、新垣さんに参加していただきました。新垣さんも以前、『メロディーズ』を出したときのツアーの沖縄公演で参加していただいていたんですね。それで相談して快諾いただいて。

“Vanish, Memoria” ではグレッグ・フォックスが、なんともいえないドラムを叩いていますね。彼もおそらくニューヨーク在住ですよね。

蓮沼:ほんとうになんともいえないドラムですよね(笑)。ぼくがブルックリンにいるときに知り合って、友人のひとりです。今回の曲は、もともとは蓮沼執太フィルのために書いてもらった曲なんです。でもタイミングが合わなくてレコーディングができていなかった。お気に入りの曲でしたので、なんとかしたいと思い、ドラムは残しつつ、管楽器や弦楽器のパートをすべてシンセに変換して、石塚周太くんにギターをお願いして、という流れで完成させました。この曲のグレッグと石塚くんにかんしては、最初にひとが決まっているかたちでしたね。

多くの方とコラボされているアルバムですが、いちばん大変だったのはどの曲でしょう?

蓮沼:コラボレーションの曲ではないですが、2曲目の “Emergence” かなあ。ビート主体の曲なんですが、これは苦労しました。通常の曲であれば、ふだんから素材をたくさんつくっていますので、その素材さえよければわりとすぐ完成させられるんですよ。でもこの曲は、なかなか完成に向かわない素材ばかりで。5つのセッション・ファイルを組み替えて無理やり1曲にしたのが “Emergence” なんです。それぞれ完成を夢見ていた5つの素材が一緒になった曲ですね。「emergence」ということばには「創発」という意味があって、異なるものが合わさることでそれぞれちがう要素が独自の働きをするというような考え方があるんです。セッション自体は5つともそれぞれ生きていたんですが、それを一気にまとめたほうがよさが際立つというか、足し合わせることでコントラストや不思議な展開が生まれました。これまで曲づくりでそういうことはあまりしたことがなかったので、大変でしたね。

基本的には音楽は人間ありきですよね。そこで、人間中心的すぎることをいい加減そろそろ見なおしたほうがいいのではないかと考えるようになりました。コロナも大きかったですね。アテンション・エコノミーというか、行きすぎた資本主義はどうにかならないか、みたいなこともコロナ中には考えていました。

アルバム・タイトルについてもお伺いしたいのですが、ひとを意味するピープルに否定の「un-」がついています。直訳すると「非‐人びと」といいますか、これにはどのような意図が?

蓮沼:人間を否定したいわけではないんです。「人間よ、いなくなれ」ということではない。ただ、「人間はいなくなるのか?」というひとつの問いの、トリガーのようなものになればいなと思ってつけました。2018年に出した蓮沼執太フィルのセカンド・アルバムのタイトルが『アントロポセン』だったんですが、それ以前からパウル・クルッツェンが提唱している人新世という言葉含めて、人類の活動が地球に及ぼす影響だったり、エコロジーに関心がありました。同時期に資生堂ギャラリーで「 ~  ing」という個展もやっているんですが、そのときも本格的に「人間とモノ」とか「人間と社会」の関係性を見直さなければいけない時期に来ているんじゃないか、という思いがありました。当時、それこそ学生のころに読んでいたエコロジーの思想だったり、現代的な資本主義にかんする本をたくさん読み直しました。その後、コロナ禍になってしまいましたけれど、それらの影響がかなり色濃く出たタイトルになっているんじゃないかなと思います。

読み直していたのは、どういう本でしたか?

蓮沼:12曲目の “Wirkraum”。タイトルは、ユクスキュル&クリサートの『生物から見た社会』(岩波文庫)という本からとりました。「Wirkraum」は、環世界の諸空間のひとつで、作用空間と呼ばれています。目を閉じて手足を自由に動かすとき、われわれは方向と広がりを認識できます。この空間のことを指します。前述のセッションのときに、灰野さんが目を閉じて、両手を回したんです。このとき、ぼくのなかで空間の認識を考える瞬間があって、最終的にこのタイトルになりました。古い本ですので鵜呑みにしているわけではないんですが、ものごとを考えるうえで現代でもヒントになると思います。ほかには、エマヌエーレ・コッチャというひとの『植物の生の哲学』という本だったり。ジル・クレマン、ティム・インゴルド、ティモシー・モートン、竹村真一さんなど。コッチャもそのあたりの思想家たちと同様に語られるような方で、「植物には哲学や思想がある」というようなことをいっています。逆に、フロランス・ビュルガ『そもそも植物とは何か』という著書は、植物には感覚も知性もない、といい切った、鋭い角度の論考でとても興味深い本です。社会学分野だと、京都賞を受賞したブルーノ・ラトゥール『地球に降り立つ』という本もよく読みました。

とても興味深いです。そういった背景を踏まえてアルバムを聴くと、またちがった音の世界が広がるように思います。

蓮沼:そうした背景はデザイナーの田中せりさんにもお伝えしていて、アートワークにもあらわれていると思います。まずはひとが映らない窓を撮影して。窓って人間がつくったものですよね。その窓からのぞく環境が、時間とともに変化していくものはどうでしょうとご提案いただいて、配信のシングルはそういうふうにしています。
音楽って結局は、人間の可聴範囲で聴ける音でつくられるものですよね。どう考えても人間以外のものに音楽は無理だと思うんです。もちろん植物とか、あるいは酵母に音を聴かせるみたいな実験もあるんですけど、基本的には音楽は人間ありきですよね。そこで、人間中心的すぎることをいい加減そろそろ見なおしたほうがいいのではないかと考えるようになりました。コロナも大きかったですね。アテンション・エコノミーというか、行きすぎた資本主義はどうにかならないか、みたいなこともコロナ中には考えていました。

そこまでいろいろと深く考えて音楽をつくっている方って、日本ではなかなかいないと思うんですよ。それこそ坂本さん亡きあと、蓮沼さんがそれを担っていくことになるのではないかと、期待をこめて思っています。

蓮沼:いやいや。みんなでやっていきましょう、という感じです(笑)。

坂本さんの思い出や印象深かった出来事があれば教えてください。

蓮沼:ぼくは坂本さんの息子・娘の世代にあたりますので、坂本さんもおそらくそういう年代の子、という感じで接してくれていたのではないかなと思います。ぼくがニューヨークに引っ越したときもたくさんお世話になりました。ぼくも映画や文学やアートが好きですが、坂本さんにはいつも「どうして、そこまで知っているんですか!?」と驚かされました。そうやってさまざまな分野のお話ができる音楽家はほかにいないですね。たとえば映画監督と映画の話をして共感したりすることはありますが、音楽家と「夏目漱石の……」と明治文学の話にはなかなかならない。

坂本作品でいちばんお好きなのは?

蓮沼:デイヴィッド・トゥープと即興演奏されたレコーディング作『Garden of Shadows & Light』。かっこいいですよね。

おお、そこでトゥープとの作品があがるのはなかなかないですね。

蓮沼:すごくいい即興だなと思います。ああいうふうにご自身がやってきた音楽を解体できること、解体して即興でみせることはふつうのひとには絶対にできない。技術をこえたところで、ものすごいことをされています。坂本さんの音楽の展覧会のようなことを考える思考や方向性って、ぼくがサウンド・インスタレーションでやろうとしていること、いわゆる音楽とは異なる美術の手法を導入してどう時空間をつくりあげるかということと、近しいと思うんですね。空間の話もよくしてくださいました。そんな話ができるミュージシャンはほんとうに少ないです。

蓮沼さんはソロからインスタレーション、フィルまで非常に多くのプロジェクトを抱えておられますが、ご自身の音楽活動の核になるもの、ホームはどこにあると思いますか?

蓮沼:うーん、難しいですね……悩みます。もちろん中心には核がありますが、それらがすごく大きな円を描いて、その円周がホームになっている感じですかね。中心ではなく。つねに自分が動きまわっていて、いつの間にかこことあそこがつながっているというようなことが多くて。移動するホームですよね。

遊牧民のような。

蓮沼:それも、地図を見て「次は右に行くぞ!」というように動いているのではないというか。問題意識をもってつくることもあれば、たまたま行きつく場合もある。かならずしもレコーディング作品をつくることがホームでもないですし。もちろんレコードをつくることも自分にとってすごくたいせつなことなんですが、ホームではないですね。いろんなところを移動していくホームですね。

今後のご予定をお聞かせください。

蓮沼:新作が出るころには終わっていますが、恵比寿のPOSTというギャラリーでリリース記念の展示をやります。写真がメインの展覧会で、その写真が撮影された場所でフィールド・レコーディングした音と、『unpeople』の各曲で使ったトラックからひとつの音を選んだものと、片方ずつ鳴っている展示です。そのあとは、『unpeople』のパフォーマンス&インスタレーションをやる予定で、準備をしているところです。

『unpeople』特設サイト
https://un-people.com/

蓮沼執太
1983年東京都生まれ。蓮沼執太フィルを組織して、国内外での音楽公演をはじめ、映画、演劇、ダンスなど、多数の音楽制作を行う。最新のリリースに蓮沼執太&U-zhaan『Good News』(日本 / 2021)。また「作曲」という手法を応用し物質的な表現を用いて、彫刻、映像、インスタレーション、パフォーマンス、ワークショップ、プロジェクトなどを制作する。2013年にアジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)のグランティ、2017年に文化庁・東アジア文化交流史に任命されるなど、国外での活動も多い。主な個展に「compositions : rhythm」(Spiral、東京 / 2016) 、「作曲的|compositions」(Beijing Culture and Art Center、北京 / 2017)、「Compositions」(Pioneer Works 、ニューヨーク/ 2018)、「 〜 ing」(資生堂ギャラリー、東京 / 2018) 「OTHER “Someone’s public and private / Something’s public and private」(void+、東京 / 2020) などがある。また、近年のパブリック・プロジェクトやグループ展に「Someone’s public and private / Something’s public and private」(Tompkins Square Park 、ニューヨーク/ 2019)、「太田の美術vol.3「2020年のさざえ堂—現代の螺旋と100枚の絵」(太田市美術館、群馬 / 2020)など。
第69回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。
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