「New Gen」と一致するもの

Yanis Varoufakis × Brian Eno - ele-king

 バイクで通勤し、皮ジャンで演説する大臣──そんな政治家が他にどれくらいいるだろう? 見た目も主張もユニークなギリシャの元財務大臣ヤニス・ヴァルファキスは、今年になって一気に邦訳が刊行されはじめたので、その存在が気になっている方も多いだろう。ダイヤモンド社の『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』と明石書店の『黒い匣 密室の権力者たちが狂わせる世界の運命』はしょっちゅう本屋で見かけるし、何を隠そう、最近 ele-king books も彼の主著『わたしたちを救う経済学』(原題『And the Weak Suffer What They Must? (弱者は耐えるのみ?)』)を発売したばかりだ。ちょっとだけ宣伝しておくと、第二次世界大戦後の世界経済の流れを、物語を読むように俯瞰できる1冊で、なぜいまヨーロッパが大変なことになっているのか、その原因がわかりやすく記述されている。
 で、本題。そのヴァルファキスと、ご存じアンビエントのゴッドファーザー=ブライアン・イーノが、11月4日にロンドンで開催されるトーク・イヴェントに出演、互いに意見を交わすことになった。一見まったくちがう世界に属しているように見えるふたりだけれど、じつは彼らは「本当に民主的なEU」の創出を目指す運動「DiEM25(Democracy in Europe Movement 2025)」で共闘する仲で(イーノは DiEM25 のテーマ曲も担当)、すでに4年前に『ガーディアン』紙でも対談している。今回の議題は「カネと、権力と、ラディカルな変革への呼びかけ」だそうで、ごく僅かな人びとのみ豊かにし、残りの大多数を貧困に陥れるグローバルな金融システムが、いかにわたしたちの社会の首を絞めているかについて語られる模様。
 主催はロンドンのインテリジェンス・スクウェアードという、世界各地でトーク・イヴェントを展開している企業で、当日の司会はBBCのジャーナリスト、リテュラ・シャーが務める。会場はチェルシーのカドガン・ホール。現地在住の方、または渡英予定のある方はぜひご参加を。

https://www.intelligencesquared.com/events/yanis-varoufakis-and-brian-eno-on-money-power-and-the-need-for-radical-change/

Local X5 World - ele-king

 先日アナウンスのあった WWW と WWW X のアニヴァーサリー企画《WWW & WWW X Anniversaries》。そのうちのひとつとして開催される《Local X5 World》の詳細が発表された。すでに告知済みのツーシン(Tzusing)およびキシ(Nkisi)の初来日公演に加えて、2年前の CIRCUS でもその存在感を見せつけてくれたガイカ(Gaika)と、日本の現代美術家にしてホーメイ歌手の山川冬樹がライヴを披露する。また、《Local World》のコア・メンバーである行松陽介、Mars89、Mari Sakurai、speedy lee genesis らも勢ぞろい。9月20日は WWW X に集合だ。

WWW & WWW X Anniversaries Local X5 World - Third Force -

未来へ向かう熱狂のアジア&アフロ・フューチャリズム! ハードに燃え盛る中国地下の先鋭 Tzusing とコンゴ生まれ、ベルギー・ハードコア/ガバ育ちのアフリカン・レイヴなロンドンの新鋭 Nkisi (UIQ)、同じくロンドンのゴス・ダンスホール等で話題となったディストピアン・ラッパー/シンガー GAIKA (WARP)、日本のアヴァンギャルドから己の身体をテクノロジーによって音や光に拡張する現代美術家/ホーメイ歌手 Fuyuki Yamakawa をゲストに迎え、ローカルから WWWβ のコア・メンバー Yousuke Yukimatsu、Mars89、Mari Sakurai、speedy lee genesis が一同に揃い、世界各地で沸き起こる “第3の力” をテーマとした WWW のシリーズ・パーティ《Local World》のアニヴァーサリーとして開催。

WWW & WWW X Anniversaries
Local X5 World - Third Force -
2019/09/20 fri at WWW X

OPEN / START 24:00
Early Bird ¥1,800 / ADV ¥2,300@RA | DOOR ¥3,000 | U23 ¥2,000

Tzusing [Shanghai / Taipei]
Nkisi [UIQ / Arcola / London] - LIVE
GAIKA [WARP / London] - LIVE
Fuyuki Yamakawa - LIVE
Yousuke Yukimatsu [TRNS-]
Mars89 [南蛮渡来]
Mari Sakurai [KRUE]
speedy lee genesis [Neoplasia]

※ You must be 20 or over with Photo ID to enter.

Local 1 World EQUIKNOXX
Local 2 World Chino Amobi
Local 3 World RP Boo
Local 4 World Elysia Crampton
Local 5 World 南蛮渡来 w/ DJ Nigga Fox
Local 6 World Klein
Local 7 World Radd Lounge w/ M.E.S.H.
Local 8 World Pan Daijing
Local 9 World TRAXMAN
Local X World ERRORSMITH & Total Freedom
Local DX World Nídia & Howie Lee
Local X1 World DJ Marfox
Local X2 World 南蛮渡来 w/ coucou chloe & shygirl
Local X3 World Lee Gamble
Local X4 World 南蛮渡来 - 外伝 -

Haruomi Hosono - ele-king

 いやはや、半世紀である。細野晴臣がエイプリル・フールとしてデビューを果たしてから50年──はっぴいえんどやYMOはもちろん、ソロとしてもじつに多くの遺産を音楽史にもたらしてきた彼のアニヴァーサリーを祝し、その足跡を追ったドキュメンタリー映画が公開される。タイトルは『NO SMOKING』。近年の活動にも密着し、昨年のワールド・ツアー(高橋幸宏、小山田圭吾、坂本龍一が参加したロンドン公演も含まれる)やヴァン・ダイク・パークス、マック・デマルコらとの交流の様子も映し出されているそうで、音楽とタバコとコーヒーと散歩を愛する細野晴臣の人間性がぎゅっと凝縮された作品になっているとのこと。11月、シネスイッチ銀座、ユーロスペース他にて全国順次公開です。

細野晴臣デビュー50周年記念ドキュメンタリー映画
『NO SMOKING』
公開決定&特報解禁&場面写真解禁!

水原希子、小山田圭吾など著名人も愛してやまない「“細野さん”に会いにいこう。」
音楽家・細野晴臣のこれまでの歴史と知られざる創作活動を収めた特報映像が解禁!

タイトル『NO SMOKING』とは? by細野晴臣

世界中を旅して最も感じたことは、当然のことながらどこもNO SMOKINGだったということです。しかしそれは屋内のこと。外ではほぼ喫煙OK。意外と寛容なところがありました。紐育、倫敦では路上ポイ捨てが常識で、それに馴染めずに自分は携帯灰皿を持ち歩いたのです。それを見た土地の人から「礼儀正しいね、でも吸い殻を清掃する業者の仕事を奪う」ってなことを言われました。なるほどそういうこともあるのか。その携帯灰皿を紐育で紛失し、買い求めようとしたらどこにも売ってません。あれは日本独自のものらしい。仕方なく紙コップを持ち歩きました。日本の路上禁煙は珍しい例だそうです。香港はブロック毎に大きな灰皿が設置してあり、喫煙率が高そう。長旅でホテルに泊まれば、ぼくは1時間毎に外の喫煙所へ出ることになり、それはかなり苦痛なことです。部屋で吸えば高額な罰金を取られますから。世界が歩調を揃えているこの禁煙法には違和感を持ちつつも、逆らうことはできません。ですから人に迷惑がかからないことを念頭に、周囲を見渡しながら喫煙を心がけているわけです。喫煙所さえあれば一安心。こうしてNO SMOKINGの世界でSMOKERを自認するのは、ひょっとするとタバコをやめるよりも意志の強さが必要となります。煙を吐くだけで差別され、否応なく少数派の立場に立たされるのですから。「詭弁を言わずにやめたら?」と言われます。いやいや、20世紀の文化を支援してきた紫煙に、突然愛想をつかすわけにはいかないのです。(細野晴臣)

《細野晴臣 コメント》
自分の映画が出来上がって上映されるとは夢のようですが、同時に悪夢だとも思えます。何故生きている間にこんなことになったのかといえば、今年になって50年も音楽生活を続けてきたせいでしょうか。このような映画を自分で作ることはできません。製作陣の熱意があってこそ実現したものであり、自分も観客のひとりとして見ることになります。しかし到底客観的な評価などできるはずもありません。どうか見た人が少しでも得ることがあるように、と祈るばかりです。

《佐渡岳利監督 コメント》
YMOに衝撃を受けた少年時代から仕事をご一緒させていただく今に至るまで、細野さんを「スゴい!」と思い続けてきました。私と同じ思いの方には、その再確認ができて、初めて細野さんに出会った方には我々と同じ思いになれる映画にしたいなと思います。カッコ良くて、カワいくて、音楽を心から大好きな細野さんに、是非会いにきてください。

〈細野晴臣 ホソノハルオミ〉 プロフィール
1947年東京生まれ。音楽家。1969年「エイプリル・フール」でデビュー。1970年「はっぴいえんど」結成。73年ソロ活動を開始、同時に「ティン・パン・アレー」としても活動。78年「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」を結成、歌謡界での楽曲提供を手掛けプロデューサー、レーベル主宰者としても活動。YMO散開後は、ワールドミュージック、アンビエント・ミュージックを探求、作曲・プロデュース、映画音楽など多岐にわたり活動。2019年デビュー50周年を迎え、3月ファーストソロアルバム「HOSONO HOUSE」を新構築した「HOCHONO HOUSE」をリリース し、6月アメリカ公演、10月4日から東京・六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー・スカイギャラリーにて展覧会「細野観光1969-2019」開催。
https://hosonoharuomi.jp

〈監督:佐渡岳利 サドタケトシ〉 プロフィール
1990年NHK入局。現在はNHKエンタープライズ・エグゼクティブプロデューサー。音楽を中心にエンターテインメント番組を手掛ける。これまでの主な担当番組は「紅白歌合戦」、「MUSIC JAPAN」、「スコラ坂本龍一 音楽の学校」「岩井俊二のMOVIEラボ」「Eダンスアカデミー」など。Perfume初の映画『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』も監督。

【細野晴臣デビュー50周年 〈細野さんに会いに行く〉】
〈NEW ALUBM〉「HOCHONO HOUSE」発売中
〈展覧会〉「細野観光1969-2019」10/4(金)-11/4(月・休)@六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー・スカイ
ギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52F)
〈コンサート〉特別記念公演 11/30(土)、12/1(日)
〈COMPILETED CD〉「HOSONO HARUOMI compiled by HOSHINO GEN」(8月28日(水)発売)
「HOSONO HARUOMI compiled by OYAMADA KEIGO」(9月25日(水)発売)連続リリース!
詳細は⇒hosonoharuomi.jp

出演:細野晴臣
ヴァン・ダイク・パークス 小山田圭吾 坂本龍一 高橋幸宏 マック・デマルコ
水原希子 水原佑果(五十音順)

音楽:細野晴臣
監督:佐渡岳利 プロデューサー:飯田雅裕
製作幹事:朝日新聞社 配給:日活 制作プロダクション:NHKエンタープライズ
(C)2019「NO SMOKING」FILM PARTNERS
HP:hosono-50thmovie.jp
twitter:@hosono_movie50

11月、シネスイッチ銀座、ユーロスペース他全国順次公開

WWW & WWW X Anniversaries - ele-king

 渋谷を代表するヴェニューであり、精力的に尖ったイベントを開催し続けている WWW と WWW X が、今年もアニヴァーサリー企画《WWW & WWW X Anniversaries》を大展開。WWW はオープン9周年、WWW X のほうは3周年とのことで、相変わらず興味をひく公演ばかりです。
 9/20は《Local X5 World》としてツーシン(Tzusing)とキシ(Nkisi)待望の初来日公演が開催。9/23は D.A.N. の主催する《Timeless》にデンマークから Erika de Casier が参加。10/5は幾何学模様のライヴ、10/12はシカゴからジャミーラ・ウッズの来日公演。10/18は《Emotions》に KID FRESINO と釈迦坊主、そして先ほどミックステープのリリースがアナウンスされたばかりの Tohji が出演する。今年の秋も WWW と WWW X はすごい!

[8月29日追記]
 本日、情報公開第二弾として、新規公演と追加ラインナップが発表された。詳細は下記を。

「WWW & WWW X Anniversaries」追加ラインナップ
※太字が第二弾発表分

●9/20(金・深)「Local X5 World」@ WWW X
 出演:Tzusing / Nkisi / GAIKA / Fuyuki Yamakawa / Yousuke Yukimatsu / Mars89 / Mari Sakurai / speedy lee genesis
●9/23(月・祝)「Timeless #5」@ WWW X
 出演:D.A.N. / Guest Act: Erika de Casier (from Denmark)
●10/5(土)「Kikagaku Moyo JAPAN TOUR 2019」@ WWW X
 出演:幾何学模様 / Kikagaku Moyo / SPECIAL GUEST: OGRE YOU ASSHOLE
●10/12(土)「Jamila Woods」@ WWW X
 出演:Jamila Woods
10/14(月・祝)「In&Out」@ WWW
 出演:Deca Joins (from Taipei) and more
●10/18(金)「Emotions」@ WWW / WWW X / WWWβ
 出演:dodo / KID FRESINO / LEX / 釈迦坊主 / Tasho Ishi / Tohji / SPARTA / YamieZimmer & Friends / DJ: speedy lee genesis and more (A to Z)

 以下は、第一弾発表分です。

WWW & WWW X Anniversaries ページ
https://www-shibuya.jp/news/011281.php

熱狂のアジア&アフロ・ディアスポラ! ハードに燃え盛る中国地下の先鋭 Tzusing とコンゴ生まれ、ベルギー育ちのアフリカン・レイヴ/IDMなロンドンの新鋭 Nkisi (UIQ) を初来日で迎え、世界各地で沸き起こる“第3の力”をテーマとした WWW のシリーズ・パーティ〈Local World〉がアニバーサリーとして開催。圧倒的な“強さ”を誇る全8組のフル・ラインナップにも乞うご期待!

WWW & WWW X Anniversaries "Local X5 World - Third Force - "
日程:2019/9/20(金・深)
会場:WWW X
出演:Tzusing [Shanghai / Taipei] / Nkisi [UIQ / Arcola / London] / and more
時間:OPEN 24:00 / START 24:00
料金:Early Bird ¥1,800@RA *枚数限定 / limited | ADV ¥2,300@RA | DOOR ¥3,000 | U23 ¥2,000
チケット:https://www.residentadvisor.net/events/1298708

公演詳細:https://www-shibuya.jp/schedule/011423.php
https://localworld.tokyo


毎回国内外の多彩なゲストを呼んで開催される、D.A.N. によるレギュラーイベント "TIMELESS"、#5 の開催が決定! 今回のゲストは、デンマークから初来日となる新星アーティスト・Erika de Casier。コペンハーゲンのハウス・シーンと密接に繋がる彼女のアディクティブなトラックと繊細でセンチメンタルなヴォーカルはコアな音楽ファンの間で大きな話題に。作品毎にチャレンジを続け進化するD.A.N. による、まさにダークホースなゲストを迎えた Timeless をお見逃しなく。

WWW & WWW X Anniversaries "Timeless #5"
日程:2019/9/23(月・祝)
会場:WWW X
出演:D.A.N. / Guest Act: Erika de Casier
時間:OPEN 17:00 / START 18:00
料金:ADV ¥3,800(税込 / ドリンク代別 / オールスタンディング)
チケット:
■先行予約:受付期間:8/3(土)12:00~8/18(日)23:59 ※先着
https://eplus.jp/wwwx-timeless5/
■一般発売:8/24(土)10:00~
e+ / ローソンチケット / チケットぴあ / LINE Ticket / iFlyer

公演詳細: https://www-shibuya.jp/schedule/011417.php

世界各国でソールドアウト公演を連発する幾何学模様/Kikagaku Moyo の2年ぶりとなる日本ツアーが決定! 最新作『マサナ寺院群』は「Discogs で最も集められた日本産レコード 2018/2019前半」の首位を獲得し、今年はアメリカ最大級の音楽フェスティバル「Bonnaroo」、ヨーロッパ3大フェスの1つ「Roskilde」などへの出演に加え、King Gizzard & The Lizard Wizard や Khruanbin といった現在の欧米インディーシーンをけん引するアーティストたちとの交流も深く、まさに日本のサイケデリアを代表する存在となりつつある幾何学模様/Kikagaku Moyo。後日発表となるスペシャルゲストにもご期待ください!

WWW & WWW X Anniversaries "Kikagaku Moyo JAPAN TOUR 2019"
日程:2019/10/5(土)
会場:WWW X
出演:幾何学模様/Kikagaku Moyo + Special Guest: TBA
時間:OPEN 17:00 / START 18:00
料金:ADV¥4,000(税込 / ドリンク代別 / オールスタンディング)
チケット:発売中
e+ / ローソンチケット[L:76545] / チケットぴあ [P:159-853] / iFLYER / WWW店頭

公演詳細:https://www-shibuya.jp/schedule/011360.php

シカゴの知性“Jamila Woods”来日公演決定!
今年5月に絶大な評価を獲得した前作『Heavn』から約3年振りとなる待望の2ndアルバム『LEGACY! LEGACY!』をリリースし、自らのルーツやアイデンティティを深く掘り下げ、詩的に表現して、その評価を決定づけたシカゴのシンガー・詩人“Jamila Woods”の来日公演をお見逃しなく!

WWW & WWW X Anniversaries "Jamila Woods"
日程:2019/10/12(土)
会場:WWW X
出演:Jamila Woods
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
料金:ADV ¥6,000 / DOOR ¥6,500 (税込 / ドリンク代別 / オールスタンディング)
チケット:
■先行予約:8/3(土)10:00~8/18(日)23:59 ※先着
https://eplus.jp/wwwx-jamilawoods/
■一般発売:8/24(土)10:00
e+ / ローソンチケット[L:72345] / チケットぴあ[P:161-087] / WWW店頭 / iFLYER

公演詳細: https://www-shibuya.jp/schedule/011424.php



WWW・WWW X・WWWβを舞台に様々な感情や価値観が集い、多様性豊かに彩るフライデーナイトパーティーシリースズ 「Emotions」。出演者第一弾はフリーフォームかつジャンルにとらわれない柔軟な活動が注目を集め、先日の FUJI ROCK FES でもヒップホップの可能性を拡張させるような圧倒的パフォーマンスを披露した“KID FRESINO”、耽美でサイケデリックな世界観を最新型のトラップミュージックとして表現し、自身が主催するイベント「TOKIO SHAMAN」は毎回超満員で狂信的人気を博す“釈迦坊主”、既成概念を軽々と更新し続ける圧倒的な存在感でユースを中心に熱狂的な支持を集め、本日同時に待望の1st Mixtape『angel』の8/7リリースが発表された“Tohji”がラインナップ!
後日発表となるジャンルレスな追加出演者にも乞うご期待!

WWW & WWW X Anniversaries "Emotions"
日程:2019/10/18(金)
会場:WWW / WWW X / WWWβ
出演:KID FRESINO / 釈迦坊主 / Tohji / and more (A to Z)

詳細後日発表

公演詳細:https://www-shibuya.jp/schedule/011425.php

FESTIVAL de FRUE 2019 - ele-king

 先日まさかの初来日公演がアナウンスされ、多くの音楽ファンを歓喜させたトン・ゼーですが、すでに発表されている東京公演に続き、静岡の掛川で催される《FESTIVAL de FRUE 2019》の詳細が公開されました。トン・ゼーを核としつつ、テクノやジャズやロックなど、じつに多様かつ趣のある面子がずらり。豊かな自然のなか、素敵な音楽たちに囲まれて、秋から冬への転換を楽しみましょう。

第7回 ゆるい合意で、がんがん拡大 - ele-king

「愛はあ、地球をォ、救わねえんだよ!」
 何の脈絡もなかった。小学五年生の真夏である。外気温に比すれば信じられないほど快適な温度の部屋で、私は「関東地方で最も恐ろしい塾講師」とすら噂されていた先生に算数を習っていた。先生が冒頭のセリフを言った時、普段一切の許可なき発声を許されなかった私を含む子どもたちが、いっせいに声をあげて笑ったことをよく覚えている。我らの笑いについて、先生は何も咎めなかった。
 私はなぜ笑ったのだろう? 単純にその言葉の唐突さに勢いだけで笑ったのか、恐怖政治の最中に作られた「笑いを許す瞬間」を素直に察知したのか、あるいは「愛は地球を救う」をあっさりと否定する大胆さが小気味よかったのかもしれない。YouTubeの見方を知っているだけでクラスメイトから一目置かれるような時代である。24時間テレビはまだ活気があって、「みんなが見ている番組」だった。「愛は地球を救う」の否定は、「勉強しないで24時間テレビを見るあいつら」を「勉強をするので24時間テレビを見ないわれら」が嘲笑する響きを間違いなく持っていたのだ。
 24時間テレビがいかに陳腐でマジョリティの欺瞞を含んでいるのかは、これまでさんざん批判されてきた。それでもまだあの番組は存続している。まだ続いているということはまだどこかで求められていると捉えるべきなのだろう。公式サイト(参照:https://www.24hourtv.or.jp/total/ 最終アクセス2019年7月15日午後6時)によれば、2018年の寄付総額は8億9376万7362円だったそうだ。寄付金は年々減っているのかと思いきや、推移を見渡してみても如実に下がっている感じはしない。この寄付金で誰かが救われることもあるのだろうし、全否定するのもよくないとわかっているが、どうしても晩秋のゴキブリのようなしぶとさにはぞっとしてしまう。
 考えるほどわからないのだ。「愛は地球を救う」は全てが曖昧だ。愛とは何なのか? 半泣きで100キロ走りきることが愛なのか、障碍のある人にチャレンジをさせて「勇気をもらった」などと述べるのが愛なのか、同じTシャツを着た大量の人間が「サライ」を合唱することが愛なのか。毎年毎年同じことが繰り返されてきたが、いまだに地球は救われていない……というより、どういう状態になれば「地球が救われました!」と言えるのかがわからない。何一つ具体性がない。何を指すのか一切わからない目標は便利だ。「達成しました」も「達成できませんでした」も全部思うがままにできる。もっと言えば、裏に何がうずまいていようが、表向きの目標が「愛は地球を救う」であるなら、多くの人はそれを否定しないだろう。「愛は地球を救う」という字面には、「漠然としたfeeling good」が漂っている。「ねこはかわいい」とか、「お菓子はうまい」とかと同じレベルの解像度であるがゆえに、「愛は地球を救う」なる言葉は広く受け入れられる。

 最近話題になったキム・カーダシアンの「kimono」騒動――キムが自らプロデュースしたブランドの下着に「kimono」と名付け、文化の盗用であると批判され、最終的に名称変更が発表された事件――に際して、私はすさまじい違和感を覚えていた。違和感の対象はキムの決定ではなく、批判者たちのやり方だ(これはキムのやったことには問題がないという意味ではない)。
 例えば京都市が発表した抗議文には、以下のように書かれている。

 「きもの」は、日本の豊かな自然と歴史的風土の中で、先人たちのたゆまぬ努力と研鑽によって育まれてきた日本の伝統的な民族衣装であり、暮らしの中で大切に受け継がれ、発展してきた文化です。また、職人の匠の技の結晶であり、日本人の美意識や精神性、価値観の象徴でもあります。
(出典:https://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000254139.html 最終アクセス2019年7月15日午後6時)

 この文章、本当に何も言っていないに等しい。「きもの」を「(任意の民族衣装)」に、「日本」を「(任意の国・地域)」に変更すれば、あらゆる地域に対して通用する内容だ。着物を「日本人の美意識や精神性、価値観の象徴」とまで言うのならもっと具体的な歴史について語ってもよさそうなものだが、そういう話は何も出てこない。
 そもそもここで「伝統的な民族衣装」と目されている「きもの」とは、何を指しているのだろうか。BBCの記事には、以下のような「one Japanese women」のコメントが紹介されている。

“We wear kimonos to celebrate health, growth of children, engagements, marriages, graduations, at funerals,”
“It's celebratory wear and passed on in families through the generations.”
「私たちは健康、子どもの成長、婚約、結婚、卒業を祝うため、また葬式の場において着物を着用します」
「それはお祝いの服であり、世代を超えて家族に伝えられました」
(出典:https://www.bbc.com/news/48798575 最終アクセス2019年7月15日午後6時、訳は筆者)

 「祝いの服」としての「着物」……この時点でもう怪しい。「民族衣装」と正装がイコールで結ばれる状況は、ものすごく近代的だ。少なくとも芝草山で刈敷にするための芝を刈る江戸時代の百姓が着ていた「着物」や、中世の被差別民が着ていた柿色の「着物」は、ここでは完全に切り捨てられている。
 前近代において、衣服は身分表象であった。多様な形と機能があることはもちろん、着る人間の置かれた立場を示す意味が付随していた。すなわち「着物」を列島の衣服の中で通時代的に位置付けるとき、ある特定の形の衣服に「着物」を代表させることは、大部分の人間を列島の歴史から捨象する行為と同義なのである。数え切れないかつての生者たちの汗や涙を吸っていた衣服の大部分は、名もない人が必要に迫られて仕立てた普段着であって、職人が気合いを入れて作った高級な晴れ着に「着物」全てを代表させるのは、あまりに偏っている。
 兒島峰「「日本」の身体化」(方法論懇話会編『日本史の脱領域』森話社、2003年)によると、現代における「着物」のイメージは、「身分による着衣規制が解かれた明治期になって確立したもの」(前掲書、235ページ)なのだという。明治初期から半ばにかけて帯の重要性が高まり、昨今イメージされるような大きく立派な帯を締める形に変化していくのだ。兒島氏はこの「着物」イメージの成立時期を、洋服の受容とほとんど同時であると指摘している。「着物」のアイコン化は、明らかにナショナリズムの波の中で起きた現象であった……というより、今われわれが当たり前のように用いている「着物」というカテゴリ自体、この時期に「外部」の目を気にしながら設定し直されたものだと言えるのかもしれない。
「着物」を「日本人の美意識や精神性、価値観の象徴」とすることのグロテスクさは、改めて批判するときりがない。繰り返しになるが、今「着物」として想像されるスタイルは日本列島の衣服の歴史を代表させられるものではない。かつての首都である京都市が自らを「きもの」文化の発信者であり擁護者であると自負している状況自体、セントリズムであると言ってよい。また現在日本国籍を所持している人の中には、当然「着物」に連なる文化圏以外にルーツを持つ人が数え切れないほどいる。「着物」という曖昧な言葉で示されたカテゴリ内部の変化、揺らぎ、多様性を無視しながら「文化」の守護者であるかのように振る舞うのは、実に奇妙だ。
 兒島氏の「着物文化」批判をさらに引用しておこう。

 着物を文化とみなすことは、自己肯定感を満足させる。本来、流動的で、固定した枠組みを持たない着物は、やはり曖昧な概念である「民族」とか「人種」と結びついて、個人の感情に働きかける。(前掲書、237ページ)

「着物は昔からあるよね」「伝統は守ったほうがいいよね」……抽象的であるからこそ、そして「日本人」を漠然と肯定するからこそ、これらの問いは人の首を縦に振らせる力を持つ。あやふやな概念であるからこそ、ゆるやかかつ広範に合意を回収するのだ。

 今一番警戒すべきなのは、この「ゆるい合意でがんがん拡大するあやふやな概念」なのではないかと感じている。先に挙げた「愛」や「文化」の他はその筆頭であろう。これらの響きは、よい。「漠然としたfeeling good」がある。さらになんとなく重厚な雰囲気と、いかようにも解釈できる曖昧さを持っている。どんな人間でも何がしかの形で自分の気持ちや営みを委ねることができてしまうのである。
 何が問題なのだと思われるかもしれないが、社会が一人一人が違う気持ちでいること以上に、たくさんの人間が抽象的で大きな気持ちをひとつ共有していることを優先するのだとしたら、大量の人間を思うがままに支配したい人間にとって、こんなに都合のいいものはないだろう。その共有されたひとつの気分を口にしてやれば、それだけで大量の人間の感情が喜んで動くのだから。
 洋画が日本で公開されるとき、他にもっと力を入れた部分があるにもかかわらず「愛と感動の物語」文脈に寄せて宣伝を打たれる様子をよく見かけるが、あれもまた「漠然としたfeeling good」によってより広い人びとにリーチすることを狙ったものだろう。「これは愛なんですよ」「こういう文化なんですよ」でなんだってすてきに説明できてしまうなら、一人の人間が自分の抱いた感情がどのようなものであったか、自分の実践がどのような背景でいかに遂行されたかを、細かく言葉にする必要はなくなってしまう。これが恐ろしい。自分の考えや行動を自分の手から離して大きなものに委ねるやり方を繰り返していれば、個人など消えてしまう。そうなれば行き着く先は(もうすでに到達しているのかもしれないが)、他者のいない世界だ。批判も自浄能力もない、ただ全てがなんとなく同じ形であると信じられているぼやけた人混みと、その人混みの一部になるよう強制する静かな圧力だけが残る。

 やっぱり気持ち悪いのだ。私は特に「愛」の語りに鳥肌を立てている。「漠然としたfeeling good」の全てを否定するわけではないが、世間でここまで「愛」が尊いものとして重んじられているのを見ると、なんとグロテスクな仕組みなのだろうと思わずにいられない。批判しないとまずい気がする。くどいようだが、みんな「愛」に具体的なものを委ねすぎなのだ。解像度を下げて大きい括りに回収させる、この繰り返しで「愛」はすっかり幅を利かせているではないか。「愛」の専制は「愛」をそもそも理解できない、必要としていない人たちをシャットアウトするセントリズムであるし、「愛」概念をよくないものの隠れ蓑として機能させてしまう危うさでもある(「これは愛だ」と銘打って振るわれた暴力の事例は枚挙に暇がない)。

 話題にするにはだいぶ遅い話だが、しばらく前に友人が米津玄師の“Lemon”について「あれは抽象的だから売れたのだ」と言っていた。なるほど、あの曲はドラマ『アンナチュラル』の主題歌だったが、死や離別を扱う話であれば大抵マッチするため、どのエピソードで流れても大概泣けるようにできている。多くのおたくがこの曲に心を委ねていたのは印象的な光景であった。好きなキャラクターが死を迎えたり誰かと死に別れたりするシーンになんらかの形で思いを馳せながら、“Lemon”を聴いていたのである。“Lemon”はあらゆる物語が代入可能な感情装置であった。おそらく全て戦略的に設計されているのだろう。“Lemon”に限らず、「市場」全体が抽象的な方向に流れているような気がする。

 今や複雑な合意形成を広範に取り結ぶこと自体、ほとんど不可能になりつつあるのかもしれない。自分が何に対して何を感じているのかを緻密に言語化する作業、自分の宇宙を個別具体的な存在として捉え直す営みを、当たり前のこととして怠けずにやっていく必要がある。このとりとめもなく我ながら説教くさい文章も、「個人」を消さないための実践の一部だ。その時々で一番不安に思っていることを書き起こすと、胸のつかえが少し降りる。今夜は昨夜より少しだけいい。

Stereolab - ele-king

 去る2月に再始動がアナウンスされ、大きな話題を呼んだステレオラブ。5月にはセカンド・アルバムおよびサード・アルバムがリイシューされているが、それに続いてこの9月、彼らの代表作である4枚目から6枚目まで、すなわち『Emperor Tomato Ketchup』『Dots and Loops』『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』も一挙に復刻される運びとなった。追加収録されるボーナス・トラックにも注目だけれど、この3作ではジョン・マッケンタイアがプロデューサーを務めていて(6枚目にはジム・オルークも)、当時のいわゆるポスト・ロックの流れを知るうえでも超重要なアルバムたちである。発売は9月13日。現在、トレーラー映像とともに、ボーナス・トラック“Freestyle Dumpling”が先行公開中。

[8月17日追記]
 いよいよ一ヶ月後に迫った上記3作のリイシューに先がけ、去る8月13日、『Dots and Loops』収録曲“The Flower Called Nowhere”の未発表ヴァージョンが公開されている。この曲についてメンバーのティム・ゲインは、以下のように語っている。

この曲はマウス・オン・マーズのヤン・ヴェルナーとアンディー・トマと一緒にレコーディングしたんだ。ステレオラブの中で、ずっとお気に入りの曲だよ。ポーランドのジャズ・ミュージシャンやクシシュトフ・コメダの音楽から抱く感覚を想起するようなコード進行に興味があったんだ。たしか偶然だったんだけど、ようやく自分の好きなコードを見つけることができて、そこからこの曲を書き上げたんだ。あと60年代中期〜後期のヨーロッパ映画音楽の雰囲気を取り入れようとして、ハープシコードや優美なヴォーカル、カラフルなサウンドと使ってる。 ──Tim Gane

 試聴・購入はこちらから。

STEREOLAB

90年代オルタナ・シーンでも異彩の輝きを放ったステレオラブ
10年ぶりに再始動をした彼らの再発キャンペーン第二弾が発表!
名盤『EMPEROR TOMATO KETCHUP』を含め一挙に3作がリリース!

90年代に結成され、クラウト・ロック、ポスト・パンク、ポップ・ミュージック、ラウンジ、ポスト・ロックなど、様々な音楽を網羅した幅広い音楽性で、オルタナティヴ・ミュージックを語る上で欠かせないバンドであるステレオラブ。その唯一無二のサウンドには、音楽ファンのみならず、多くのアーティストがリスペクトを送っている。10年ぶりに再始動を果たし、今年のプリマヴェーラ・サウンドではジェームス・ブレイクらと並びヘッドライナーとして出演。5月には、再発キャンペーン第一弾として『Transient Random-Noise Bursts With Announcements [Expanded Edition]』(1993年)、『Mars Audiac Quintet [Expanded Edition]』(1994年)の2タイトルが、アナログ、CD、デジタルでリリースされている。

今回の発表に合わせトレーラー映像と、『Emperor Tomato Ketchup』にボーナス・トラックとして収録される“Freestyle Dumpling”が先行公開されている。

Expanded Album Reissues Part 2
https://youtu.be/i3FyBhrOuso

Freestyle Dumpling
https://stereolab.ffm.to/freestyle-dumpling

今回リイシューが発表されたのは、1996年にリリースされた代表作『Emperor Tomato Ketchup』、1997年の『Dots and Loops』、1999年の『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』の3作が、全曲リマスター+ボーナス音源を追加収録した “エクスパンデッド・エディション” で、前回同様アナログ、CD、デジタルでリリースされている。

今回の再発キャンペーンでは、メンバーのティム・ゲインが監修し、世界中のアーティストが信頼を置くカリックス・マスタリング(Calyx Mastering)のエンジニア、ボー・コンドレン(Bo Kondren)によって、オリジナルテープから再マスタリングされた音源が収録されており、ボーナス・トラックとして、別ヴァージョンやデモ音源、未発表ミックスなどが追加収録される。

国内流通盤CDには、解説書とオリジナル・ステッカーが封入され、初回生産限定アナログ盤は3枚組のクリア・ヴァイナル仕様となり、ポスターとティム・ゲイン本人によるライナーノートが封入される。また、スクラッチカードも同封されており、当選者には限定12インチがプレゼントされる。されに対象店舗でCDおよびLPを購入すると、先着でジャケットのデザインを起用した缶バッヂがもらえる。

なお11月には、『Sound-Dust』 『Margerine Eclipse』がリリースされる予定となっている。

label: Duophonic / Warp Records / Beat Records
artist: Stereolab
title: EMPEROR TOMATO KETCHUP [Expanded Edition]
release date: 2019/09/13 FRI ON SALE

3LP CLEAR VINYL / D-UHF-D11RC
3LP BLACK VINYL / D-UHF-D11R
2CD / D-UHF-CD11R

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10376

[TRACKLISTING]
CD / Digital

Disk 1
01. Metronomic Underground
02. Cybele’s Reverie
03. Percolator
04. Les Yper Sound
05. Spark Plug
06. OLV 26
07. The Noise Of Carpet
08. Tomorrow Is Already Here
09. Emperor Tomato Ketchup
10. Monstre Sacre
11. Motoroller Scalatron
12. Slow Fast Hazel
13. Anonymous Collective

Disk 2
01. Freestyle Dumpling
02. Noise Of Carpet (Original Mix)
03. Old Lungs
04. Percolator (Original Mix)
05. Cybele's Reverie (Demo)
06. Spark Plug (Demo)
07. Spinal Column (Demo)
08. Emperor Tomato Ketchup (Demo)
09. Les Yper Sound (Demo)
10. Metronomic Underground (Demo)
11. Percolator (Demo)
12. Tomorrow Is Already Here (Demo)
13. Brigitte (Demo)
14. Motoroller Scalatron (Demo)
15. Anonymous Collective (Demo)

label: Duophonic / Warp Records / Beat Records
artist: Stereolab
title: DOTS AND LOOPS [Expanded Edition]
release date: 2019/09/13 FRI ON SALE

3LP CLEAR VINYL / D-UHF-D17RC
3LP BLACK VINYL / D-UHF-D17R
2CD / D-UHF-CD17R

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10377

[TRACKLISTING]

Disk 1
01. Brakhage
02. Miss Modular
03. The Flower Called Nowhere
04. Diagonals
05. Prisoner of Mars
06. Rainbo Conversation
07. Refractions in the Plastic Pulse
08. Parsec
09. Ticker-tape of the Unconscious
10. Contronatura

Disk 2
01. Diagonals (Bode Drums)
02. Contranatura Pt. 2 (Instrumental)
03. Brakhage (Instrumental)
04. The Flower Called Nowhere (Instrumental)
05. Bonus Beats
06. Diagonals (Instrumental)
07. Contranatura (Demo)
08. Allures (Demo)
09. Refractions in the Plastic Pulse (Demo)
10. I Feel The Air (Demo)
11. Off On (Demo)
12. Incredible He Woman (Demo)
13. Miss Modular (Demo)
14. Untitled in Dusseldorf (Demo)

label: Duophonic / Warp Records / Beat Records
artist: Stereolab
title: COBRA AND PHASES GROUP PLAY VOLTAGE IN THE MILKY NIGHT [Expanded Edition]
release date: 2019/09/13 FRI ON SALE

3LP CLEAR VINYL / D-UHF-D23RC
3LP BLACK VINYL / D-UHF-D23R
2CD / D-UHF-CD23R

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10378

[TRACKLISTING]

Disk 1
01. Fuses
02. People Do It All The Time
03. The Free Design
04. Blips Drips And Strips
05. Italian Shoes Continuum
06. Infinity Girl
07. The Spiracles
08. Op Hop Detonation
09. Puncture In The Radax Permutation
10. Velvet Water
11. Blue Milk

Disk 2
01. Caleidoscopic Gaze
02. Strobo Acceleration
03. The Emergency Kisses
04. Come And Play In The Milky Night

BONUS TRACKS
05. Galaxidion
06. With Friends Like These Pt. 2
07. Backwards Shug
08. Continuum (Unreleased Original Version)
09. Continuum Vocodered (Unreleased)
10. People Do It All The Time (Demo)
11. Op Hop Detonation (Demo)
12. The Spiracles (Demo)
13. Latin Cobra Coda (Demo)
14. Infinity Girl (Demo)
15. Blips, Drips & Strips (Demo)
16. Blue Milk (Demo)
17. Italian Shoes Continuum (Demo)
18. Come And Play In The Milky Night (Demo)
19. Strobo Acceleration (Demo)
20. Caleidoscopic Gaze (Demo)
21. Galaxidion (Demo)

interview with Black Midi - ele-king

 ロンドン南部のブリクストンにあるインディペンデントなスペース「ザ・ウィンドミル 」における、ダモ鈴木と「彼ら」のセッションを収録した音源が素晴らしかった。以下のインタヴューにあるように、ほとんど何も取り決めのないなかでおこなわれたようだが、延々と続くビートとともにミニマルなフレーズが繰り返され、繰り返されていくなかで徐々に変化し、ときには意表をつくようなサウンドが飛び出してくることもある。ジャム・セッション、つまりインプロヴィゼーションは「彼ら」にとって創造の母体ともいうべき沃野であり、手探りだが自由におこなわれる演奏からは、設計図を描いていては出会うことのない音楽に巡り合うことになるのだろう。「彼ら」はジャム・セッションを長時間おこなうことで「最高な音楽ができる」とさえ述べるほどに、それを重要視している。

 だがそれだけではない。シングル「Crow's Perch」がリリースされたあと、「彼ら」はその素材となった音源集を公開している。そこでは楽曲に使用されているベース、ドラムス、ギターおよびシンセのフレーズ・パターンを聴くことができ、「彼ら」は自分たちの演奏の断片をリミックスであれ何であれ望むように用いてよいと言っているのである。それはしかしコピーレフトの思想というよりも、むしろインプロヴィゼーションのなかで生み出された素材がいかに「最高の音楽」であっても、それを楽曲としてまとめあげることは、それも「彼ら」のようにまとめ上げることは誰にもできない、つまり、「彼ら」のコンポジションのなかにある創造性には誰も追いつけないということの矜持にちがいない。インプロヴィゼーションは欠かせないがそれらをまとめあげるコンポジションもまた欠かせない。この両輪があってはじめて「彼ら」の音楽は成り立つのだ。

 そんな大胆かつ挑戦的な「彼ら」、つまり英国ロンドンを拠点に活動するブラック・ミディのファースト・アルバムが〈ラフ・トレード・レコード〉からリリースされる運びとなった。二十歳前後の四人組によるバンドだが、その音楽性は幅広い。いや、インターネットを介して様々な音楽の音源に気軽に触れることができるようになったからこそ、ひとつのジャンルに押し込めることのできない音楽になっているのだとも言える。あるいは、完全に独学だけで音楽を続けてきたミュージシャンというわけではなく、「ブリットスクール」で学び、メンバーと出会い、活動を始めたというその経歴もまた、時流に合ったものであるように思う。まだ結成してから2年も経っていないというブラック・ミディはどのようなメンバーによって構成され、どのように出会い、そしてどのような音楽を奏でていくのだろうか。来日公演を控えたメンバーのうち、ヴォーカル&ギターを務めるジョーディ・グリープとドラムスのモーガン・シンプソンに話を聞いた。

ユーチューブで「Black MIDI」の映像を見つけたんだ。ピアノの音を使って、宇宙船のような破壊的な音に変換できるってことがすごいと思った。コンピューターが音を破壊し始めてしまうところが、面白いと思った。まるで自身を解体してしまうアート作品みたいでさ。

ブラック・ミディはイギリスの芸術学校「ブリットスクール」で出会ったメンバーで結成されたと聞きました。どのような経緯でバンド結成に至ったのでしょうか。

ジョーディ・グリープ(Geordie Greep、以下GG): 俺と、ギター担当のマット・ケルヴィンはブリットスクールに4年間通い、他の2人は2年間通っていたのさ。最初はただの友達だったから、お互いの興味のあることを、教え合ったりしていたよ。自分の好きな音楽とかをね。それからみんな、ドローンっぽくて、催眠効果のありそうな、耳障りでうるさい音楽にはまっていった。ボアダムズやスワンズデス・グリップスのようなバンドの音楽。俺とマットは学校にあったリハーサル室を放課後に使って、1時間から2時間のジャム・セッションをやっていた。マットがオルガンを弾いて、俺がギターを弾いて、長いドローン音楽を鳴らしていた。ライヴ中でも感じられるような、ある一定の精神状態、フィーリングを感じるためにそれをやっていた。別に曲を作っていたわけじゃなくて、その感覚を楽しんでしばらくジャムを続けていた。その後、モーガンが入学してきて、彼とは友達だったから、バンドを結成するという考えはなしに、モーガンともジャムしてみようぜということになった。それでドラムも入れてジャムをしはじめたら、マイルス・デイヴィスみたいな、もう少しファンキーな感じになった。それから徐々に各自のスタイルを合わせていって、曲を作っていった。ピンと来た瞬間だったのは、「bmbmbm」ができ上がったとき。その音楽を聴いて、「これはたしかにちゃんとした曲だ!」と思ったから、そこに到達したときは、解放感を感じたよ。そうやってブリットスクールで毎日か1日おきに一緒にジャムしていた。俺たちが学校を卒業したときは、曲がいくつかでき上がっていたよ。でも当時、ロンドンのクラブで俺たちの音楽に反応してくれたのは、ザ・ウィンドミルだけで、そこだけがギグのオファーをしてくれた。ギグの数週間前に、ベース担当のキャメロンに、ベースを弾いてくれないかと頼んだ。それまではベース・プレイヤーがいなかったからね。ギグの当日に彼に曲を教えて、彼はギグで演奏した。それは、みんなの想像以上に上手くいって、それ以来、俺たちは毎月ギグのオファーが来るようになった。初めてのギグをやるときは、これは1回で終わる遊びのようなものかと思っていたけれど、ギグへの需要がどんどん高まっていったからバンドとして続けることにしたんだ。

ブラック・ミディ結成前はそれぞれどのような音楽活動をしていましたか。

モーガン・シンプソン(Morgan Simpson、以下MS):ジョーディが話していたように、俺たちはジャムをやっていたし、音楽学校に通っていて学校のコースの一部に、ライヴをやるというのがあったから、一緒にライヴをやったこともあった。そういうライヴでは主に西洋のポップ・ミュージックを演奏するんだけどね。あとは、セッション・ミュージシャンとして、俺は、ロンドンのアーティストたちのバンドでドラムを弾いていたし、ジョーディはギターを弾いていた。

GG:俺たちはみんな幼い頃から音楽に携わってきた。モーガンなんて教会にいたから、赤ちゃんの頃からドラムを触っていたんだぜ。他のみんなは7歳とか8歳くらいから音楽に関わってきた。俺は、音楽に興味を持ちはじめてからは、どんな音楽でも聴いてみようと思った。俺の父親が多様な音楽を聴く人で、彼は「音楽に種類はない。音楽は全て音楽だ」と言って、いろいろな音楽を聴かせてくれた。父親のCDをたくさん借りて聴いていたから、8歳~10歳になると俺は音楽に没頭していたよ。

「ブリットスクール」ではどのようなことを学んでいたのでしょうか。

MS:学校のコースはBTECレベル3と言うんだけど、何よりも重要だったのは、そこで、自分と同じような、音楽に対する情熱を持つ人たちと出会えたということだと思う。俺が入学した当初も、ジョーディとマハヴィシュヌ・オーケストラの話をしたり、ジョーディは俺にボアダムズの音楽を教えたりしてくれた。俺たちはしょっちゅう、お互いにメールして、音楽を紹介しあっていた。マットとキャメロンともそうしていたよ。バンドのみんなと一緒に、学校でジャムをするようになって、お互いが似たような状況にいるのだという実感があった。記憶に残っているのは、ブリットスクールで発表会があったときにやったライヴで、そのときがおそらく俺たちがこのメンバーで初めて一緒に演奏したときだったんじゃないかな。俺たちの他にもうひとりベース・プレイヤーがいたけれど。ノイ!の“Hero”を演奏したんだ。発表会自体が、トータルで30分くらいだったのに、俺たちは11分間くらい演奏していた(笑)。でも先生も俺たちの演奏を奨励してくれたし、聴いていた人たちも楽しんでいた。あれはすごくクールな体験だった。ジョーディとキャメロンがギターを弾いて、ギタリストのマットはクラッシュシンバルを叩いて、俺がドラム、そしてもうひとりの奴がベースを弾いていた。あれはブリットでのクールな瞬間だった。

GG:ブリットの良いところは、音楽業界について、幅広い知識を教えてくれるところだと思う。パフォーマンスについても学ぶし、フリーランスのミュージシャンについても学ぶし、音楽の歴史や理論、民族音楽学や世界中の音楽などについても学ぶ。だから、自分が音楽で何を追求すれば良いのかという扉がたくさん開けるんだ。何が自分に合っていて、学校を卒業したら何を追求したいのかがわかる。

MS:俺も全く同感だ。音楽学校の多くは、例えば、セッション・ミュージシャンになるための具体的なコースが中心となって生徒を教えている。だが、ジョーディが言ったように、ブリットスクールでは、生徒が自由に使える様々なツールを用意してくれて、音楽業界の様々な面について教えてくれる。その中で、生徒は自由にその後の進路を決めて良い、というように生徒にその決断を任せている。それがクールだと思う。

最近はコンピューターの方が、大部分の人間よりも感情を持っているようで面白い。

ブラック・ミディというバンド名は、MIDIファイルを用いた電子音楽ジャンルの「Black MIDI」から来ているのでしょうか。

GG:そう! それだよ。俺とモーガンが友達になりたての頃、いろいろな音楽を紹介し合っていたんだけど、それよりもずっと前にユーチューブで「Black MIDI」の映像を見つけたんだ。すごくクールなコンセプトだと思った。ピアノの音を使って、宇宙船のような破壊的な音に変換できるってことがすごいと思った。音符をものすごくたくさん使うからコンピューターが音を破壊し始めてしまうところが、面白いと思った。まるで自身を解体してしまうアート作品みたいでさ。ただ、「Black MIDI」は、ジョークのような遊び半分のものとして捉えられていた。ユーモアのある、インターネットの遊び、みたいな感じだった。でもそうやって音楽を作ることに俺は可能性を感じる。とにかく、「Black MIDI」を見つけたときは、バンド名としていいなと思っていたんだ。それで、マットと俺がジャムをしていたときに、とりあえずはバンド名をブラック・ミディにしよう、と話していて、もっと良い名前を後で考えようと話していたんだけど、結局しなかった(笑)。

電子音楽のジャンルの「Black MIDI」は日本のニコニコ動画から始まったと言われています。ニコニコ動画はよく見ますか? 

GG&MS:それは知らなかったな。それって何?

通訳:ユーチューブと似たような動画サイトで、日本でよく使われているサイトです。

好きな動画などがあれば教えてください。

GG:事故とかでバイクから人が落ちる映像をまとめたやつが好き。

電子音楽では人間には演奏不可能な音を作り出すことができます。それに対してあなた方ブラック・ミディはあくまでも人間によるバンドです。電子音楽にはないバンドの魅力は、どのようなところにあると思いますか。

GG:人間にはフィジカルな触感があるから、ニュアンスを即座に表現できる能力が断然高いと思う。人間の感覚の範囲内で、即座にすごく静かに演奏したり、すごくうるさく演奏したりすることができる。それから人間にしかない属性と言えば、ヒューマンエラー。本物のヒューマンエラーを機械で再現することは不可能だ。

MS:例えばヒップホップというジャンルの話では、ヒューマンエラーと、エレクトロニックのシステムを融合させて音楽が作られている。J・ディラは、エレクトロニックの機材に、ヒューマンエラーや、その他の人間味の要素を合わせて音楽を作るという才能があった。最近ではそれを再現しようとしている人たちがたくさんいるが、それは彼にしかできないことだったから、それを機械にインプットして再現することはできない。

GG:機械と人間は全く別のもので、どちらにも良い点と悪い点があるよね。最近はコンピューターの方が、大部分の人間よりも感情を持っているようで面白いけど。でも、人間によるライヴ演奏に対する需要は今後も永遠にあると思う。それを求める感覚から人間は逃れられないんだ。

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全てのジャンルの音楽において、そのほとんどが駄作だ。各ジャンルに、良いアーティストが数名、存在している。そういうアーティストは、どんな音楽を作ったって、良い音楽になる。

バンドのブラック・ミディからはマスロック、ポストロック、ポストパンク、サイケデリック、ノイズ、クラウトロックなど様々な音楽性が伺えます。メンバー全員が様々な音楽をたくさん聴いてきたのだと思いました。どのようなメディアで音楽を聴くことが多かったのでしょうか。

MS:俺は、違法なダウンロードをたくさんして(笑)、アルバム名を検索してジップファイルをいろいろなウェブサイトからダウンロードしていたよ。いろいろ試しているうちに、信頼できるサイトで、音の質も良いサイトがわかるようになって、そういうサイトを使うようになった。最初はストリーミング・サービスがあまり好きじゃなかったんだけど、徐々にストリーミング・サービスの餌食になっていった(笑)。別にいいんだけどね。俺の両親はたくさんの音楽をフィジカルで持っていたけれど、俺はそこには興味を持たずに、自分のパソコンから音楽を探してダウンロードしていたね。でも最近になってフィジカルな形の音楽にはまっているよ。

GG:俺はさっきも話したけど、父親が2000枚くらいの膨大なCDのライブラリーを所持していたから、俺が子供の頃は父親のコレクションから自由に音楽を選んで貸してもらっていた。俺はいまでもCDを買うよ。ストリーミング・サービスにはない音源がCDに収録されていることもあるし、ダウンロードでは見つけにくい音源もあるからね。

メンバー全員が共通して好きな音楽ジャンルはありますか。

GG:このジャンルだからという理由で、ある特定のジャンルに忠実だという人はバンド・メンバーにはいないと思う。俺たちは、全てのジャンルの音楽で、好きなものがあると思う。だけど盲目的に好きなジャンルというのはない。良いジャンルなんてものは存在しないと思うんだ。全てのジャンルの音楽において、そのほとんどが駄作だ。各ジャンルに、良いアーティストが数名、存在している。そういうアーティストは、どんな音楽を作ったって、良い音楽になる。俺たちが好きなアーティストというのはいるよ。

MS:俺たちが一緒にバンドをやっているのは、たしかに似たような好みがあるからだけれどね。

反対に、「他のメンバーはそうでもないが自分は好きだ」という音楽はありますか。

GG:誰かの方が、あるスタイルの音楽についてより詳しく知っていたり、経験があったり、というのはあるよ。でもそういう「他のメンバーはそうでもないが自分は好きだ」という白黒はっきりしたものはないな。モーガンはファンクが好きだけど、他の人は好きじゃない、ってわけじゃないから。

今年リリースされた12インチ・シングルには“Talking Heads”という曲がありますが、アメリカのバンドのトーキング・ヘッズに特別な思い入れがあるのでしょうか。

MS:もちろんだよ。この曲をそういうタイトルにしたのは、それがトーキング・ヘッズの音楽みたいに聴こえたからなんだ。曲ができてから、この曲はそういう風に呼んでいて、1年くらいが経った。その後に他の名前を考えようとしたんだけど、思い付かなかったから、この名前が定着したのさ。

何を弾けば良いのかを考えたりしていると、最悪な、ゴミのようなものが出てくる。けど、純粋な潜在意識に身を任せれば、空を飛びはじめるんだよ。

カンのヴォーカルとして活躍したことでも知られるダモ鈴木と共演した音源もリリースされています。ミニマル・ミュージックのようにフレーズを反復していくセッションはどこかカンのようにも聴こえます。あまり決め事を設けずにその場で即興的に演奏したのでしょうか。

MS:そうだね。彼とは45分のセットを2回やったんだけど、両方とも全てが即興だった。ダモ鈴木は、俺たちが最初のセットでステージに上がる5分くらい前に指示を出してくれたけど、それはただ「お前たちが先にステージに上がれ。俺はその後にステージに上がって、ジャンプしたりステージに寝っ転がったりするからお前たちはうるさい音をたくさん出してくれ」ということだった。あれはすごい経験だった。俺たちはそのギグの前の週に、ギグに向けて準備しようとしていたんだけど、結局、ダモ鈴木がやるように、その瞬間を大事にして演奏してみようということになった。

GG:とても実りのあるセッションだった。俺たちにとっては全てが即興だったけど、潜在意識で演奏している最中から生まれたリフにはかなり良いものがあった。後で、そのリフを使って、自分たちの曲へと発展させていった。あのセッションの音源は、セッションのしばらく後に公開されたから、あれを聴いて、「この部分はあの曲に似ているな。ブラック・ミディは自分たちの曲をダモ鈴木と一緒に演奏したのか」と思う人もいたけれど、実はその逆なんだよ。即興セッションで誕生したパーツを再構築して新しい音楽にしたんだ。

MS:WIN-WINなセッションだったよ!

デビュー・アルバム『Schlagenheim』では、5時間のジャム・セッションの中から作られた曲もあると聞きました。ジャム・セッションはブラック・ミディの音楽制作においてやはり重要なものなのでしょうか。

MS:ときが経つに連れて、ジャム・セッションから作曲するというやり方になっていったと思う。試行錯誤してそうなったという感じ。バンドの初期の頃の曲や、アルバムの曲の大部分は、ジョーディとマットが作曲したもので、俺たちはリハーサル室に集まって、その曲を学んで練習していた。そしてときが経つに連れて、ジャム・セッションがバンドの重要な部分になっていった。新しい音楽を作るときは、ジャムをやることが俺たちにとって効果的というか、実りのある作曲方法だということがわかってきたんだ。

GG:ジャムを長い間やっていると、それについて考えなくなる。そのときに、最高な音楽ができるんだ。そういうときは、潜在意識から直接的に音楽が生まれてくる。そこにはフィジカルな行為しかない。ジャムについて考えすぎていると、全くダメになってしまう。何を弾けば良いのかを考えたりしていると、最悪な、ゴミのようなものが出てくる。けど、純粋な潜在意識に身を任せれば、空を飛びはじめるんだよ。

MS:俺たちがジャムをするときは1時間から1時間半くらいなんだけど、その時間の前半はまだ、潜在意識に身を任せるという精神状態に自分を持っていくための時間。何を演奏するべきかとか、何を演奏しているのかとか、そういうことを考えていない精神状態になるための時間。そのときはまだ自分の演奏したものでひとつくらいしか「まあ良いな」と思えるものがない。だが、ある一定の境界線を越えると、その良いと思えるものが全体の3分の1くらいになる。それは自分の潜在意識から来ているからなんだ。だからジャムをやるときは、比較的長い間、続けていないとその精神状態になれないということがわかった。

『Schlagenheim』に収録されている中で、完成させるのが一番大変だった曲を教えてください。

GG:完成させるというのは作曲? レコーディング? レコーディングでは大変な曲はなかったよ。とてもスムーズにいった。

MS:それはプロデューサーのダン(・ケアリー)のおかげでもある。彼とは本当に仕事がしやすくて、全てを円滑に進めてくれた。彼は自分のスタジオのことを隅々まで理解しているから、例えばオーバーダブをするというときに、他のプロデューサーがどうしようかと数分間考えてから行動する所を、ダンはもうマイクを手に持って録音する準備ができていたりする。

GG:彼は「鉄は熱いうちに打て」という精神をよく理解しているのさ! アルバムで最高なパフォーマンスが聴けるのは、有能なミュージシャンたちが初めてスタジオで曲を演奏したときだ。それを正しく弾いているか弾いていないかを考えているときは緊張してしまうからね。初めて演奏するときは、多少のミスがあっても、集中できているし、曲の感覚もつかんでいるから、良いものが生まれる。そういう意味でダンは良いプロデューサーだった。

今年の秋には日本ツアーが控えています。日本にいらっしゃるのは初めてですか?

MS&GG:みんな初めてだと思う。すごく興奮してる!

通訳:私たちもブラック・ミディの来日を楽しみにしています!

日本の音楽で好きなものを教えてください。

GG:うるさいバンドが好き。ボアダムズ、メルト・バナナ、あと大友良英のグラウンド・ゼロも良いね。そういうのが好き。あと日本には良い作曲家もいる。武満徹は良いよね。いまい出すのに苦労しているけど、日本からは良い音楽がたくさん出ているよね。

どういったところが好きなのかもお聞きしたいです。

GG:昔、ボアダムズにはまったときは、スワンズやマイルス・デイヴィスのように、エネルギーを合わせて音楽を作るバンドだと思って衝撃を受けた。だがボアダムズはエディットの仕方がデジタルでプツプツとしていてその組み合わせが面白いと思った。それから、ボアダムズに関連するOOIOOの音楽などをどんどん聴いていった。そうしていろいろな日本の音楽を聴くようになった。

ダモ鈴木とのセッションのようにコラボレーションしたいと思う日本のミュージシャンやグループがいれば教えてください。

MS:俺たちは全ての可能性に対してオープンだ。

GG:俺たちとセッションしたい奴なら誰でも良いよ!

MS:俺たちは誰でもウェルカムだよ!

GG:ボアダムズのヨシミとか、グラウンド・ゼロの大友良英とか、セッションしたい人なら誰でも良いよ。


black midi live in japan 2019

ロンドン発、今最もアツい新生バンドと噂のブラック・ミディが
6月にデビュー・アルバム『Schlagenheim』をリリース!
そして初来日JAPANツアー決定! 超レアなライブになること間違いなし!

9/5 (木) 東京:Unit
9/6 (金) 大阪:Conpass
9/7 (土) 京都:Metro

ロンドンを拠点に活動を開始し、みるみる大注目バンドとなったブラック・ミディが、遂にデビュー・アルバム『Schlagenheim』を6月21日にリリースすることを発表した。
ブラック・ミディは、ジョーディ・グリープ(vo、g)、キャメロン・ピクトン(b、vo)、マット・ケルヴィン(vo、g)とモーガン・シンプソン(ds)の4人で構成され、メンバー全員が19歳か20歳で、アデルやエイミー・ワインハウス、キング・クルールらを輩出した英名門校ブリット・スクールで出会ったという。ゲリラ・ライブを敢行するなど精力的にライブ活動を行い、常に変化するセットリストやその演奏力とオリジナリティ溢れる楽曲から、噂が噂を呼び早くも完売ライブを連発。結成からわずか1年であることから未だに謎が多いが、今最もアツい新生バンドという評判を早々に確立した。
海外のバズを受け、ここ日本でもコアな音楽ファン達の注目を集める中、デビュー作を引っさげた初来日ツアーが決定し、明日よりチケット先行販売がスタート!

9/5 (THU) 東京:UNIT
OPEN 18:00 START 19:00 前売¥5,500(税込)
※別途1ドリンク代 / オールスタンディング ※未就学児童入場不可
INFO: BEATINK 03 5768 1277 [www.beatink.com]

9/6 (FRI) 大阪:CONPASS
OPEN 19:00 START 19:30 前売¥5,500(税込)
※別途1ドリンク代 / オールスタンディング ※未就学児童入場不可
INFO: CONPASS 06 6243 1666 [https://www.conpass.jp]

9/7 (SAT) 京都:METRO
OPEN 17:30 START 18:00 前売¥5,500(税込)
※別途1ドリンク代 / オールスタンディング ※未就学児童入場不可
INFO: METRO 075-752-2787 [info@metro.ne.jp]

label: ROUGH TRADE RECORDS / BEAT RECORDS
artist: black midi
title: Schlagenheim
release date: 2019/6/21 (金) ON SALE

国内盤CD RT0073CDJP ¥2,400(+税)
ボーナストラック2曲追加収録 / 解説・歌詞対訳冊子封入

interview with Midori Aoyama, Masaki Tamura, Souta Raw - ele-king

 デトロイト・スウィンドルやレイ・ファーなど、数々のアーティストの来日を手がけるイベント〈Eureka!〉の主宰として、ハウス・ミュージック・シーンに確かな実績を残してきたMidori Aoyama。〈Eureka!〉がレーベルとしても好調ななか、Midoriが次に仕掛けたプロジェクトが、インターネットラジオ「TSUBAKI FM」だ。
 昨年の立ち上げ以降、毎週日曜にライヴ配信を行っている「TSUBAKI FM」だが、その特徴は〈Eureka!〉とは一線を画すラインナップにある。ロック・ステディ・クルーのスキーム・リチャーズからCMYKといった国内の若手クルーまで、ジャンルもキャリアも異なる様々なDJがこのネットラジオでプレイしてきた。とりわけ「TSUBAKI FM」が力を入れてピックアップしたのが、Masaki TamuraとSouta Rawだった。

 京都在住のMasaki Tamuraは、国内でも屈指のジャズイベント〈DoitJAZZ!〉を主宰し、ジャズDJの枠を広げるような活動を行なっている。近年では、ジャイルス・ピーターソンによる「Worldwide FM」の京都サテライトとしてスタートした「WWKYOTO」のDJにも抜擢された。Souta Rawは、サダー・バハーの国内ツアーなどでも知られる茶澤音學館に所属し、アンダーグラウンドなディスコを中心に、幅広いジャンルをかけるDJだ。Aoyama TUNNELで毎週火曜のレギュラーを務めている。

 Midori Aoyama、Masaki Tamura、Souta Raw。同世代ながら背景の異なる3人だが、今年2月には「TSUBAKI FM」として、東京、京都、広島、福岡の4箇所でツアーを行なった。各地を回ったあとで、彼らがDJとして見据えるものはなんだろうか。ネットラジオで日本全国を巡るというかつてないツアーを経験した3人に話を聞いた。

5年前にマッツにインタヴューしたときに、「自分がキャリアを続けられるのは、ハウス以外の音楽もやってて飽きないから」って言ってて。それ聞いたときは「何言ってるんだこのおっさん」くらいに思ったけど、だんだんわかってきた(笑)。──ミドリ

まず、「TSUBAKI FM」の設立経緯を教えてください。クラブ・シーンでは、Midoriくんといえば〈Eureka!〉の主宰者、という印象が強いと思います。パーティやレーベルとして〈Eureka!〉の運営も好調のように見えますが、なぜ新たにネットラジオを立ち上げたのでしょうか?

Midori Aoyama(以下、ミドリ):元々、曲を探すときにジャイルス・ピーターソンの番組とか聴いてたし、自分でもいつかラジオをやりたかったんだよ。それにいま、ネットラジオは戦国時代に突入してるよね。ヨーロッパでは「NTS Radio」や「Red Light Radio」、アメリカなら「The Lot Radio」とかがあるから。日本でも最近はいろんなネットラジオが出てきた。でも、自分たち好みな、4つ打ちから生音まで扱うネットラジオってあまりなかったからさ。日本にないんだったら作ろうってことで始めた。

〈Eureka!〉と「TSUBAKI FM」ではどのような違いを感じてますか?

ミドリ:ネットラジオの方がライフスタイルに近いかな。〈Eureka!〉は日常とかけ離れた空間を創造していくんだけど、「TSUBAKI FM」は普段の生活に音楽を持ち込むってところを意識してる。そこは大きな違いだと思う。やっぱり30代になるとクラブから卒業する人が多いんだよね。クラブに行けない人とか東京以外に住んでる人でも僕らのやってる音楽を聴きたい人がいるから、ラジオがあったほうがいいなって。あとはかける音楽が違うかな。〈Eureka!〉はハウスだし、「TSUBAKI FM」はもっと広いジャンルを扱ってる。自分も数年前までハウスしかかけてなかったけど、他のジャンルのDJにもネットラジオに出てもらって、いろんなものを吸収することができた。

ラジオではほぼ毎回、ミドリくんも新譜のジャズやソウルをかけてますよね。

ミドリ:自分でもずっとハウスをやっていきたいと思っていたけど、続けていくうちに変わってきた。その点、〈Eureka!〉にも出演したマッド・マッツの存在が大きいんだよね。5年前にマッツにインタヴューしたときに、「自分がキャリアを続けられるのは、ハウス以外の音楽もやってて飽きないから」って言ってて。それ聞いたときは「何言ってるんだこのおっさん」くらいに思ったけど、だんだんわかってきた(笑)。それに、他の音楽を吸収することによって、ハウスの新しい面白さも見えて来るんだよね。サンプリングのネタがわかるようになるし。

「TSUBAKI FM」ではこれまでにいろんなDJが出演してますが、とくにピックアップしてるのが、MasakiくんとSouta Rawくんですよね。この2人を選んだ理由やきっかけはありますか?

ミドリ:僕が探してないのもよくないんだけど、同世代で面白いDJってあんまり知らなかったんだよね。だから、「TSUBAKI FM」を立ち上げる前に新しいDJを見つけようと思って、ハウス以外の音楽がかかるクラブとかバーに積極的に遊びに行って探しはじめた。それで、ラジオをやって全国に発信するならまずは地方のDJがいいなって思って、沖野修也さんとかJazzy SportのMasaya Fantasistaさんとかに聞いたら、「京都にTamuraくんっていうジャズのDJがいるよ」って話になった。

Masaki Tamura(以下、マサキ):そうそう。それも最初のきっかけはマッド・マッツかな。ミドリくんがマッツのツアーをやるにあたってメールでやりとりした。僕は当日に別のイベントがあって結局出れなかったけど、ミドリくんが京都に来たときに喋って。それがラジオを立ち上げる1年前ぐらい。

Souta Rawくんについては?

ミドリ:カンマ&マサローのツアーをやってたときに、2人と一緒にAoyama TUNNELに遊びに行ったら、Souta Rawが回してた。2人が「このDJすごくいいから聴いた方がいいよ」って言ってて。それで、別の日にNTSレギュラーのナビア・イクバルと一緒にTUNNEL行ったときも、「このDJ本当にいいから、絶対「TSUBAKI FM」のラジオでやった方がいいわ」って言われた。外タレ2組に言われてたんだよ。それ絶対ヤバいでしょ。それで声かけたんだっけ?

Souta Raw(以下、ソウタロウ):そうだね。ミドリくんから話しかけられたんだと思う。

そうすると、3人ともお互いを知らなかったんですね。それは意外でした。

マサキ:だからまだ出会って1年ちょっとくらい。去年の2月に「TSUBAKI FM」のローンチ・パーティをThe Roomでやったときに、ソウタロウくんと初めて話した。

ソウタロウ:そうそう。「こういう人たちがいるんだ。面白いな」って思った。

ソウタロウくんは茶澤音學館に所属していて、ディスコのシーンに近いですよね。あと、昔から7インチでDJしてる印象があります。

ソウタロウ:島くんと出会ったときは、ちょうどケニー・ドープやDJスピナが、ヒップホップやハウス、ディスコとかファンクとかレゲエなんかのジャンルを、7インチ・オンリーで跨ぎながらやっていたんだよね。彼らに影響を受けて、7インチのパーティを毎週やっていたからそういう印象があるのかも。そのときに7インチでジャンルを跨ぐのって珍しかったし、今だと当たり前のように置いてあるハウスやヒップホップの7インチコーナーもあまりなかったから、集めるのに苦労したね。

なるほど。そうやってジャンルを横断するDJをやる前は、ディスコやハウスをかけてたんですか?

ソウタロウ:いまはAoyama TUNNELで毎週やらせてもらっているからディスコ・ハウスのイメージを持ってる人もいると思うけど、最初はレゲエばかりかけてたね。昔、六本木にRoots Nっていう小箱があって、そこでヴィンテージのジャマイカ音楽をかけるパーティをはじめた。そのお店のスタッフに「〈Coffe & Cigarettes〉ってパーティが面白いから」って誘われたら、そこでDJ Kenseiさんがやってたんだ。いろんなジャンルの音楽がかかっているし、そのかけ方と鳴りが最高で、いろんな音をかけたいと思うようになった。その後しばらくして、サダー・バハーのDJを聴く機会があって、そのグルーヴ感とみんなを笑顔にするあまりのハッピー感に感動して、ディスコやジャズ・ファンク、シカゴ・ハウスを集めはじめたんだよ。自分は生音から入ってハウスをかけるようになったけど、ミドリくんはハウスから入って生音をかけはじめた。逆なんだけどそれが面白かったね。

マサキくんは京都で〈DoitJAZZ!〉ってパーティをやっていて、ジャズDJのシーンにいますよね。

マサキ:そう、基本的には生音でやってて。でも、どっちかっていうと最近はハウスに寄っていってる。さっきも話に出たけど、ミドリくんがハウスから他のジャンルに近づいてるとしたら、僕らはもうずっとジャズをやってたのが、ハウス界隈とかディスコ界隈の方に行ってる感じがある。

ちょっと意地悪な質問をすると、変わっていったのは、やっぱりジャズを集めるのが大変というのもありますか?

マサキ:きましたね(笑)。最初ジャズをやろうと思ったときは、スタンダードにレア盤を買ってたけど、途中で絶対無理やって気づくじゃないですか。すごいコレクションの人も身近にいるけど、自分が同じようにはできない。だから、「ジャズDJが必ずしもジャズのレア盤をかけなあかんわけでもない。別の新しいものを提示していくのもジャズじゃないか」って勝手に解釈した。例えば、500円の日本人のフュージョンとか、そういう方向性でいったら結構楽になってきたかな。その延長で、フュージョンのアルバムとかやったらディスコっぽいのもあるし、「これは4つ打ちで混ぜれるやん」って。ジャズをやってるつもりがいつの間にかディスコになっていき、それがまたハウスにもつながる。そういうスタンスでやってます。もちろん勝ち負けじゃないけど、上の世代の人と同じことをやってると勝てない。

お互いの興味が徐々に近づいて行ったときに、3人でやり始めたのがいいですね。

ミドリ:近づいてはいるけど、お互いこれまでにこだわってきた自信のある部分と足りない部分があるんだよね。自分だったらハウスでは負けないし、新しい音楽をいち早く届けるってところに長けてるけど、ジャズとか7インチは2人に教えてもらうことが多い。ラジオだとそういう不得意なところを自分で補うんじゃなくて、誰かにやってもらえるのがいい。2人とはそういう価値観を共有できるし、「TSUBAKI FM」の可能性を広げてくれる存在だと思う。

マサキくんとソウタロウくんは、実際にネットラジオでDJしてみてどう感じましたか?

マサキ:クラブと選曲の仕方とかかけ方が少し変わるかな。あと、普段クラブに来ない人から反応があるのは嬉しい。

ソウタロウ:やっぱり知らない人から反応があるっていうのは一番面白いかな。TUNNELにたまたま来る海外の人でなぜか「TSUBAKI FM」でのDJをチェックしてて、「聴いてるから来たよ」って言われたり。それってびっくりするじゃん。とくに俺は、マイクで紹介してレコードをかけるっていうジャマイカのスタイルが好きだから、ラジオでDJする機会をミドリくんにもらってよかった。

海外の人がチェックしてる点も含めて、手応えは感じてますか?

ミドリ:それはもう超感じてる。世界中からメッセージが来るし、「自分もラジオでやりたい」って言ってくれる。

そうしたなかで、今回ツアーをやった理由はなんですか?

ミドリ:単純にラジオを東京でやってるだけじゃ、広がらないなっていうのがひとつ。やっぱり現場で人と出会って伝えるのが一番大事かなと。もうひとつは、僕らがやってることを日本中の人にちゃんと見てほしかった。「TSUBAKI FM」を紹介するときに、自分が面白いと思ってる2人を全国の人に紹介しなくちゃいけないっていう気持ちがあった。実際、ツアーをやってみると、「2人はすごい」ってみんな言うんだよ。そこはマジでやってよかった。

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最初ジャズをやろうと思ったときは、スタンダードにレア盤を買ってたけど、途中で絶対無理やって気づくじゃないですか。すごいコレクションの人も身近にいるけど、自分が同じようにはできない。だから、「ジャズDJが必ずしもジャズのレア盤をかけなあかんわけでもない。別の新しいものを提示していくのもジャズじゃないか」って勝手に解釈した。──マサキ

ちょっと話を戻すと、ラジオをやって海外の人から連絡来たりといった反応はあるけど、国内的にはそこまで手応えを感じなかったんですか?

ミドリ:どっちかって言うと、広がってるのをもうちょっと肌で感じたかった。昔のラジオだったらラジオステーションがあって、そこに人が集まらないと放送できなかったけど、ネットラジオはネットと電源があればどこに行ってもできるから。全国津々浦々、場所を変えてやるのはすごい価値あるなと思ったし、「TSUBAKI FM」で1年間やってきたことを大きいパッケージにしたいなって思ったのが今回のツアーだね。

ツアーをして、「マサキくんとソウタロウくんがすごい」っていう反応があったという話でしたが、一方で、3人の目から見て地方のDJはどのように映りましたか?

マサキ:地方は地方で独自に発達してるというか。どのジャンルをかけてるっていうわけじゃないんだけど、自分の色をださはる人が多いというか。自分のスタイル、世界観でやってるなみたいな。

ソウタロウ:全然違うんだよね。「いまこれかけるんだ」みたいな、独特ですごい面白いし、向こうも同じように感じてるんじゃないかな。言い方悪いけど、東京の人だと似てくるじゃん。このシーンの人はこの感じって。だからツアーで回ってみて、みんな個性的だなって思ったし、それにすごく影響を受けた。

ミドリ:広島で24、5歳くらいの若いDJがいて、みんなよかった。しかもレコードでかけてるし。

ソウタロウ:まだ1年ぐらいとか言ってた人もいたもんね。俺は1年でこんなにできなかった(笑)。

ミドリ:HitomiちゃんっていうDJ。すごいセンスあったな。広島では7時半くらいまでやってたんだけど、その子は最後まで残ってて(笑)。僕らがツアーしたことで彼女に出会えたし、彼女にとってもいい経験になるといいな。5年後とか10年後、そういうDJが面白いことやってくれるんだったら、それだけでもやってる意味があると思う。

マサキくんは京都だけど、ジャズでDJやってると、京都が地方っていう感じはあまりないですよね。沖野修也さんと沖野好洋さんがよくイベントやってるし。

マサキ:たぶん、京都は東京の情報が結構入ってくるからそこまで変わりはない。でも、福岡とか広島とか、京都より西に行くと全然雰囲気が変わりますね。京都はちょっと中途半端かな(笑)。自分が京都だから分からへんけど。

ミドリ:それが今後効いてくると思うんだよね。だって、マサキくんは京都をベースにしてるわけだから、東京以外からも情報発信できる可能性があるわけじゃん。だから西で何かをやろうとしたときに、僕じゃなくて、彼を中心に西日本で面白いコンテンツをやるのはかなり大きいと思う。今回のツアーで、関西のDJと一緒に全国を回ったのはすごく大きい。

そういう役割は自覚してますか?

マサキ:フットワークが軽いのが自分のいいところ。東京は東京の人だけ、関西は関西の人だけでやっちゃうことが多いから、みんながもうちょっと自由に適当に動けるぐらいの方がいいのかなとは思う。もちろん他の人でもいると思うけど、僕みたいにリリースをしてないDJも、いろんな場所にいけるやんっていうのがあった方がええかなと。

やっぱり知らない人から反応があるっていうのは一番面白いかな。TUNNELにたまたま来る海外の人でなぜか「TSUBAKI FM」でのDJをチェックしてて、「聴いてるから来たよ」って言われたり。それってびっくりするじゃん。──ソウタロウ

では、これからいろんな場所で情報を発信するなかで、「TSUBAKI FM」ないし3人がとくに推したいものはありますか? ジャンルや曲だけでなく、DJでもいいのですが。

ミドリ:僕はまず、「TSUBAKI FM」でもDJしてもらったMayu Amanoを推したいね。彼女みたいな20代前半の若いDJって本当に育ってきてるけど、僕らの世代や上の世代はそれがあんまり見えてないよね。これから若いアーティストやDJがすごい勢いで出てきて、すごいスピードで追い抜いていくから。それは今回広島とか福岡に行ってみて感じた。そういう新しい世代を紹介したいし、一緒にやりたい。

ソウタロウ:ブラジルの〈ゴマ・グリンガ〉っていう、リイシューとブラジルの最新の音楽、どちらもピックアップしてるレーベルかな。ジャズとかファンクとかロックとか、いろんな要素が混ざってるバンドをリリースしてるんだけど、そのなかでもメタ・メタっていうバンドがかなり面白い。トニー・アレンも参加してるし、ノイズみたいな瞬間もあったり、でもブラジルっぽい美しさもあったり。普段かけるのとは違うけど、ラジオでかけれそうだし、尖った音楽を聴きたい人にはそのレーベルは面白いんじゃないかな。

マサキ:最近、日本人の80年代のニューエイジとかアンビエントにはまってますね。例えば、旧譜のアニメのサントラとかも、レアグルーヴ的な聴き方じゃなくて、ニューエイジ的な聞き方で聞いてみたい。シティポップとかも流行ってるけど、僕にはこっちの方が面白いな。安いし。

日本のアンビエントなジャズだと、濱瀬元彦さんの作品とかも最近リイシューされてますしね。

マサキ:ラジオをやってからその辺の聴き方を勉強して、「いけるやん」ってなって買ってる。あと、そういうビートないものとかかけてパーティ感が薄くなっても、逆に面白いかなっていうね。

ジャズといえば、「TSUBAKI FM」では最新のUKジャズも積極的に紹介していますよね。メディアを見るとUKジャズがかなり盛り上がってるように思えますが、ラジオではなくクラブのフロアではどうですか?

マサキ:いいんだけど、DJとしては何かが足りひんよね。

ミドリ:それディーゴも同じこと言ってた。

UKジャズの新譜はたくさん出てるのに、そこまで現場でかかってない気がします。次々と登場する新しいミュージシャンの名前は覚えるけど、曲の印象が薄いというか、DJ的にどれがいい曲かというのがあまり定まってない。フロアでクラシック化した曲って全然ないですよね。

ミドリ:わかる。リスナーに強く訴えるだけのエンジンが足りないのかも。この曲がアツいっていうのを刺しにいくようなパーティやラジオもそんなにないしさ。あと、日本のクラブに関して言えば、日本のアーティストだったりDJがそのシーンに行かないといけないんじゃないかな。やっぱり海外のものを単純に扱ってるだけだと刺さんないよね。例えば、Ryuhei The Manさんのレーベルから出たNAYUTAH「Girl」のMUROさんのエディットとかはすごくかかってるじゃん。ああいうのが今後大事だよね。純国産っていうところはキーワードだなって思う。将来、「TSUBAKI FM」でもレーベルをやりたいって思ってるし、日本人のコンピレーションもやりたい。ジャイルスがやったUKジャズコンピ『We Out Here』の日本人版みたいな。

国産音源だっていうのもわかりますが、メディアとは別の回路で、USジャズなりUKジャズなりの海外の作品を、クラブから独自にクラシック化させないとマズいと思ってます。自分もDJなので、クラシックをどう作るかってところは意識したいです。

ミドリ:逆だと思うんだよね。UKジャズがサウスロンドンから出たことで、今度はディーゴとか、ウエストロンドンのブロークンビーツがクラシックになったじゃん。新しいシーンができることによって、いままでやってたのがクラシック化されるっていうのもあるはずなんだよね。その流れの中で、ウエストロンドンのマーク・ド・クライヴ・ロウがジャズのアルバムを作るとか、さらに新しい動きがあるのも面白い。

そういった動きの紹介も含めて、新譜や旧譜に限らず、新しいクラブクラシックが3人の周りから出てくることを期待しています。では最後に、3人の今後について、展望や目標を教えてください。

ソウタロウ:毎週火曜日にAoyama TUNNELでやっている〈Tunnel Tuesday〉をもっと盛り上げたい。単純にもっと深く深くプレイを出来るようになりたくて、その為に毎週トライ&エラーを繰り返すのみだね。あと、なんとか時間を作って、今年こそはEDITモノなんかを作りたい。

マサキ:僕は地元が京都なので、もっと京都を面白くしたいというのが根底にあって。「TSUBAKI FM」含めていろんなことをやって地元に還元したいし、プラスにしていきたい。できれば、東京の人とかが「京都は東京よりも面白いことやってんな」って思ってもらいたい。最終的には、音楽だけじゃなくて街としてもっと面白くなったら、逆に音楽ももっとよくなるかなって。

ミドリ:やりたいことがめっちゃあるんだよね。全部やったら5年はかかるくらいあるんだけど、もちろん「TSUBAKI FM」は大きくしていきたい。違うな。もっと濃くして価値のあるものにしていきたい。結局さ、大きくしたいってなったら、数字とかSNSのフォロワーとかになっちゃうじゃん。「TSUBAKI FM」はそれだけを指標にしたくない。数字で見えないものにも価値をつけたいから。

数字で見えないものというのは?

ミドリ:具体的には2つあって。まずは日本をどうやって面白くしていくか。もっともっと東京以外にいるDJを探したいし、「TSUBAKI FM」でもプレイしてほしい。あとは若いアーティストだけじゃなく、ベテランでも、まだみんなに知られてないDJは紹介したい。もう1つは、今日本でやってることを海外に発信していくこと。自分も海外でツアーやってみて思ったけど、結局1人で頑張っても無理なんだよね。でも、「TSUBAKI FM」っていう器があることによって、新しいアーティストやDJを海外に紹介できると思った。2人にもガンガン海外でやってもらいたいし、やれるようにみんなで頑張りたい。ちゃんと海外のアーティストを日本に紹介していく作業と、日本のアーティストを海外に紹介していくって作業がうまいことできてくると、日本のシーンとカルチャーがもっと面白くなるんじゃないかな。

■Current Top 5

//Masaki Tamura//
Joe Cleen - Care While It Lasts
St Germain - Real Blues (Terry Laird & The Run Island mix Band Jazz mix)
Emma-Jean Thackray - Ley Lines
Jazzanova - Dance the Dance (Atjazz Remix)
Studio R - A+R feat.Capitol A (Llorca Remix)

//Souta Raw//
Frank Pisani - Please Don't Make It Funky
Special Touch - This Party Is Just For You
Joe Coleman - Get It Off The Ground
Kindred Spirit & Corina Flamma Sherman - Inner Languages
Manfredo Fest - Jungle Kitten

//Midori Aoyama//
14KT Presents IAMABEENIE - The Power Of Same ft Muhsinah
KOKOKO! - Malembe
Harvey Sutherland - Something In The Water ft. Jace XL
Wipe The Needle feat. Alex Lattimore - Enchanted (Original Mix)
Jaxx Madicine - Astral Changes


TSUBAKI FM

ABOUT

Tsubaki FM is a brand new platform for independent music, straight from the heart of Tokyo. We aim to bring new life to the underground music scene in Japan while also helping better connect artists and listeners worldwide. Get fresh tracks from diverse genres, music culture information, live broadcasts, and more.

東京発、インディペンデントミュージックを発信する新しい音楽プラットフォーム 『TSUBAKI FM』世界中から集まるクオリティの高いアーティストやリスナーをキュレーションしながら日本のシーンに対して新しい風を送ります。 様々なカルチャーや多彩な音楽そしてライブブロードキャストを中心に毎週日曜日 18:00~21:00 にしぶや道玄坂のウォーム・アップバー「しぶや花魁」から配信中

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空間現代 - ele-king

 昨秋坂本龍一とのコラボLPが話題になった空間現代ですが、そのときから噂になっていたリリースがついに実現! 来る4月26日、〈Editions Mego〉傘下のレーベルで Sunn O))) のスティーヴン・オマリーの主宰する〈Ideologic Organ〉から、じつに7年ぶりとなる空間現代のオリジナル・アルバム、その名も『Palm』が発売されます。同バンドにとっては初の海外リリースです。録音とミックスは goat やテニスコーツなども手がける西川文章、マスタリング&カッティングはラシャド・ベッカー。現在、〈Editions Mego〉の SoundCloud にて新曲“Singou”が公開されています。出だしからもうかっこいい……。

 なお、空間現代はこの3月からアメリカ・ツアーも開催中で、アルヴィン・ルシエやアート・アンサンブル・オブ・シカゴも出演する《Big Ears Festival》への出演も決定しています。詳細は下記よりご確認を。

[Album Information]

空間現代(Kukangendai)
『Palm』

Format: LP / Digital
Label: Ideologic Organ / Editions Mego
Cat no: SOMA032
発売日: 2019年4月26日

1. Singou
2. Mure
3. Menomae
4. Hi-Vision
5. Sougei
6. Chigaukoto wo Kangaeyo

Recorded and mixed by Bunsho Nisikawa
Recorded at Soto, Kyoto JP
Mastered and cut by Rashad Becker at Dubplates & Mastering Berlin
Photographs by Mayumi Hosokura
Graphic design by Shun Ishizuka

https://editionsmego.com/release/SOMA032

[Tour Information]

March 10 Pioneer Works, Brooklyn // SECOND SUNDAYS 4-9PM // Kukangendai 7-8PM
https://pioneerworks.org/programs/second-sundays-march-2019/
https://www.facebook.com/events/413208172757505/

March 17 The Half Moon, Hudson
https://thehalfmoonhudson.com/

March 21 Big Ears Festival, Knoxville
https://bigearsfestival.org/

March 23 The Lab, San Francisco
https://www.thelab.org/projects/2019/3/23/kukangendai
https://www.facebook.com/events/584462182027642/

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