「IR」と一致するもの

Mumdance - ele-king

 インスト・グライムの奇才、マムダンス――彼は本当にこの国で過小評価されている。2015年に〈Tectonic〉から放たれたロゴスとの共作『Proto』、その衝撃はどれくらい多くの人びとに伝わっているだろうか。ほかにも〈Tectonic〉や自身のレーベル〈Different Circles〉からコンスタントにEPを発表し続け、来る9月8日にはピンチとの共作EP 「Control / Strobe Light」のリリースも控えているマムダンスが、ついに単独での来日を果たす。9月17日(日)、会場はCONTACT。当日は2時間のロング・セットとなる模様。この日はとにかくCONTACTまで足を運んで、UKベース・ミュージックの尖鋭に触れておこう。

ハードコア・スピリッツを根底に置く才人の登場

これまでにコラボレーションしたアーティストを数えれば切りがないといえるほど、多種多様なアーティストと共同作業をこなしてきたMumdanceがContact初登壇。その記念すべき夜には、ドメスティックな出演者たちからジャンル特定不能といえようアーティストも集結し、バラエティ豊かなビート、空間に広がるアンビエンスと様々な音が散りばめられた空間を演出してくれるだろう。
デビュー当初Mumdanceがセルフリリースしていた『DIFFERENT CIRCLES THE MIXTAPE』を聴いたときのような斬新さ、特異さを十二分に感じられる夜となるはずだ。

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9/17(日・祝前)
Mumdance
Open 10PM
Before 11PM ¥1000, Under 23 ¥2000,
GH S members ¥2500, w/f ¥3000, Door ¥3500
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Studio:
Mumdance (Different Circles | Tectonic | XL Recordings | Rinse FM | UK)
DJ Fulltono
100mado (Back To Chill | Lo Dubs | Murder Channel)
Albino Sound -Live
DAIGO (D.A.N.)

VJ: SO IN THE HOUSE

Contact:
asyl cahier (LSI Dream)
Prettybwoy (POLAAR | SVBKVLT)
Nao (rural | addictedloop)
Sunda
Romy Mats (解体新書 | procope)
K_yam (Remedy)


■Mumdance
ブライトン出身のMumdanceはハードコア、ジャングルの影響下、15才頃から〈S.O.U.R〉レーベルが運営するレコード店で働き始め、2階のスタジオでプロダクションの知識を得る。やがてD&Bのパーティ運営、『Vice』誌のイベント担当を経てグライムMCのJammerと知り合い、制作を開始。ブートレグがDiploの耳に止まり、彼のレーベル、〈Mad Decent〉と契約、数曲のリミックスを手掛け、10年に「The Mum Decent EP」を発表。また実質的1stアルバムとなる『DIFFERENT CIRCLES THE MIXTAPE』で《Kerplunk! 》と称される特異な音楽性を明示する。その後Rinse FMで聴いたトラックを契機にLogosと知り合い、コラボレーションを始め、13年に〈Keysound〉から「Genesis EP」、〈Tectonic〉から「Legion / Proto」をリリース、そして2ndアルバム『TWISTS & TURNS』を自主発表、新機軸を打ち出す。14年には〈Tectonic〉からPinchとの共作「Turbo Mitzi / Whiplash」、ミックスCD『PINCH B2B MUMDANCE』、グライムMC、Novelistをフィーチャーした「Take Time」〈Rinse〉でダブステップ/グライム~ベース・シーンに台頭、またRBMAに選出され、同年東京でのアカデミーに参加したほか、Logosとのレーベル、〈Different Circles〉を立ち上げ、ミュジーク・コンクレート、ニューエイジなどの影響を反映した「ウェイトレス」と自称する無重力感覚のサウンドを創造する。15年には名門〈XL〉からNovelistとの共作「1 Sec EP」、自身の3rdアルバムとなるMumdance & Logos名義の『PROTO』、Pinchとの共作「Big Slug / Lucid Dreaming」のリリースを始め、ミックスCD『FABRICLIVE 80』を手掛け、Rinse FMのレギュラーを務める。その後もLogosと精力的な活動を続け、17年に入り『WEIGHTLESS VOL,2』、「Perc & Truss Remixes」、「FFS / BMT」といった注目作を連発している。90’sハードコア・スピリッツを根底にグライム、ドローン、エクスペリメンタル等を自在に遊泳するMumdanceは現在最も注目すべきアーティストのひとりである。

《Mumdance レギュラーラジオ最新アーカイヴ》
https://soundcloud.com/rinsefm/mumdance290817

Throbbing Gristle - ele-king

 問答無用のインダストリアル帝王、コンセプチュアルなエクスペリメンタル集団……そうか、もうそんなに経つんですね。スロッビング・グリッスルがファースト・アルバム『The Second Annual Report』をリリースしてから40年。それを記念し、〈Mute〉からかれらの全カタログがリイシューされることが発表されました。まずは11月3日にそのファースト・アルバムと、かれらの代表作である『20 Jazz Funk Greats』(“Hot on the Heels of Love”は必聴です)、そしてベスト盤の『The Taste of TG』の3タイトルが発売されます。ボーナス・ディスクには当時の貴重なライヴ音源が付属、さらに日本盤はHQCD仕様となっております。これを機にスロッビング・グリッスルの偉大なる遺産に触れておきましょう。


スロッビング・グリッスル、デビュー作発売40周年を記念し全カタログをリリース!
リイシュー・シリーズ第1弾として、デビュー作と、歴史に燦然と輝く金字塔
『20 ジャズ・ファンク・グレーツ』、そしてベスト盤の計3作を11/3にリリース!
日本盤はHQCD(高音質CD)仕様。収録曲音源公開。

インダストリアル・ミュージックのオリジネーターであり、今なお現在の音楽シーンのみならず、カルチャー /アート・シーンにまで絶大な影響を与え続けているスロッビング・グリッスル。彼らのデビュー・アルバム『ザ・セカンド・アニュアル・レポート』の発売40周年を記念して、〈MUTE〉より全カタログがリリースされることとなった。

そのリイシュー・シリーズ第1弾として、新たなる音楽の可能性を切り開いた衝撃のデビュー・アルバム『ザ・セカンド・アニュアル・レポート』、彼らの代表作としてだけでなく『ピッチフォーク』で10点満点を獲得するなど歴史的名盤『20 ジャズ・ファンク・グレーツ』、そしてベスト盤『ザ・テイスト・オヴ・TG』の計3タイトルが11月3日(金)にリリースされる。なお日本盤のみHQCD(高音質CD)仕様でのリリースとなる。また、彼らの代表曲“United”が公開された。この曲は1978年に7インチ・シングルとしてリリースされ、今回リイシューされる『20 ジャズ・ファンク・グレーツ』と『ザ・テイスト・オヴ・TG』に収録される。


■“United”試聴リンク
https://youtu.be/5XpqCxJZdGs

全カタログは以下のスケジュールでリリースされ、また未発表曲などが収録されるボックス・セットも来年中にはリリースの予定となっている。

[2018年1月26日]
『D.o.A. The Third And Final Report』
『Heathen Earth』
『Part Two: Endless Not』

[2018年4月27日]
『Mission Of Dead Souls』
『Greatest Hits』
『Journey Through A Body』
『In The Shadow Of The Sun』


■商品概要(11月3日発売/3タイトル)

『ザ・セカンド・アニュアル・レポート』(2CD)

「産業社会に生きる人々の為の産業音楽」という風刺を効かせたキャッチコピーと共に、インダストリアル・ミュージックというジャンルを作り出し、新たなる音楽の可能性を切り開いた衝撃のデビュー・アルバム。1977年11月発売。アルバム発売40周年。
CD-1は、スタジオ&ライヴ音源、そして前身のパフォーマンス・アート集団クーム・トランスミッション時代の映像作品のサウンドトラックの全9曲を収録。
CD-2は、当時のライヴ音源6曲、シングル「United」とそのカップリング曲の全8曲を収録。

・アーティスト:スロッビング・グリッスル / Throbbing Gristle
・タイトル: ザ・セカンド・アニュアル・レポート / The Second Annual Report (2CD)
・発売日:2017年11月3日(金) *オリジナル発売:1977年
・価格:2,650円(税抜)
・品番:TRCP-218~219
・JAN:4571260587199
・紙ジャケット仕様
・HQCD(高音質CD)仕様(日本盤のみ)
・解説付
・Tracklist:https://bit.ly/2wJhDfO
[amazon] https://amzn.asia/1jXuNhD
[Spotify] https://spoti.fi/2vnmZZH


『20 ジャズ・ファンク・グレーツ』(2CD)

1979年発売の3rdアルバム。燦然と輝く歴史的名盤。
インダストリアルの代表作としてのみならず、その後のエレクトロニック・ミュージックへ与えた影響は計り知れない。ジャケット写真の撮影場所は、自殺名所で有名なイギリスのビーチー・ヘッド。
CD-1は全曲スタジオ録音。CD-2は当時の貴重なライヴ音源9曲を収録。

・アーティスト:スロッビング・グリッスル / Throbbing Gristle
・タイトル: 20 ジャズ・ファンク・グレーツ / 20 Jazz Funk Greats (2CD)
・発売日:2017年11月3日(金) *オリジナル発売:1979年
・価格: 2,650円(税抜)
・品番:TRCP-220~221
・JAN:4571260587205
・紙ジャケット仕様
・HQCD(高音質CD)仕様(日本盤のみ)
・解説付
・Tracklist:https://bit.ly/2x5qw38
[amazon] https://amzn.asia/1A1zYlw
[Spotify] https://spoti.fi/2vnmZZH


『ザ・テイスト・オヴ・TG』(1CD)

ビギナーからマニアまで納得のベスト盤。全15曲収録。2004年作品。
リイシューにあたり、“Almost Kiss”(アルバム『Part Two: Endless Not』収録曲/2007年)を追加収録。

・アーティスト:スロッビング・グリッスル / Throbbing Gristle
・タイトル:ザ・テイスト・オヴ・TG / The Taste of TG: A Beginner's Guide To The Music Of Throbbing Gristle (1CD)
・発売日:2017年11月3日(金) *オリジナル発売:2004年
・価格:2,300円(税抜)
・品番:TRCP-222
・JAN:4571260587212
・紙ジャケット仕様
・HQCD(高音質CD)仕様(日本盤のみ)
・解説付
・Tracklist:https://bit.ly/2vrXQSd
[amazon] https://amzn.asia/2uwdQZH
[Apple Music / iTunes] https://apple.co/2g3paPU
[Spotify] https://spoti.fi/2vnmZZH


■スロッビング・グリッスル(Throbbing Gristle)

クリス・カーター(Chris Carter)
ピーター・クリストファーソン(Peter 'Sleazy' Christopherson / 2010年11月逝去)
コージー・ファニ・トゥッティ(Cosey Fanni Tutti)
ジェネシス・P・オリッジ(Genesis Breyer P-Orridge)

インダストリアル・ミュージックのオリジネーターであり、今なお現在の音楽シーンに絶大な影響を与え続けている伝説のバンド。バンド名は直訳すると「脈打つ軟骨」、男性器の隠語。1969年から1970年代のロンドンのアンダーグラウンドにおいて伝説となったパフォーミング・アート集団、クーム・トランスミッション(Coum Transmission)を母体とし、1975年にバンドを結成。彼らのライヴは、クーム・トランスミッションから発展したパフォーミング・アートが特徴で、イギリスのタブロイド紙でも取り上げられるほど過激なパフォーマンスを繰り広げた。1977年、衝撃のデビュー作『ザ・セカンド・アニュアル・レポート』を発売。その後彼らの代表作『20 ジャズ・ファンク・グレーツ』(3rdアルバム/1979年)を発売するなど精力的に活動をしていたが1981年に一度解散。その後、各メンバーはサイキックTVやクリス&コージーとして活動するも、2004年に再結成し2010年10月まで活動を続けた。同年11月、ピーター・クリストファーソン逝去。彼はアート集団ヒプノシスのデザイナーとしても活動し、ピンク・フロイド『炎~あなたがここにいてほしい』、ピーター・ガブリエルの初期3作など歴史に残る作品を手がけた。またセックス・ピストルズ初の宣伝用アーティスト写真の撮影、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンなど数多くのプロモーション・ビデオを制作し、自身の音楽制作のみならず革新的な作品を数多く生み出した。

www.throbbing-gristle.com
www.mute.com

Xth Réflexion - ele-king

 本作はシカゴを拠点とするレーベル〈chained library〉からリリースされたXth Réflexionのファースト・アルバムである。〈chained library〉は、カセット・レーベル〈Aught〉のヴァイナル専門のサブ・レーベルで、このアルバムは〈Aught〉から2015年に発表されたXth Réflexionの「/\\05」と「/\\06」をコンパイルしたものだ。

 〈Aught〉は2014年あたりから作品のリリース/発表を始めた超少部数プレスのマニアックなカセット・レーベルであり、Xth Réflexionに加えて、Elizabethan Collar、Topdown Dialectic、De Leon、ACI_EDITSなど謎度の高いウルトラ・マニアックなアーティストたちのスーパー・ミニマルなカセット/音源を送り出してきた。その成果を受けて〈chained library〉は2017年初頭から運営を開始し、Agnes『012016002001』とXth Réflexion 『/\\05-06』の2作をリリースする。両レーベルともにサウンド、アートワークなどが徹底的にミニマルな美意識で統一されており、00年代的な電子音響以降の新ミニマリズムを追及しようとする意志を感じる(アナログ盤はクリア・ヴァイナル仕様)。

 じじつ、彼らは完全に匿名のプロジェクトなのである。情報による先入観を可能な限りなくすことで、完全なミニマリズムの実現を遂行しているかのようだ。それは彼らの上の世代、つまり〈raster-noton〉や〈Editions Mego〉などの電子音響/グリッチ・レーベルが既に失ってしまった要素ともいえよう(むろん仕方がないわけだが)。つまり〈Aught〉/〈chained library〉は、意図的に、歴史も相互影響も情報によって作用しない環境・空間・状況を生みだそうとしているわけだ。リリースにあたっての情報がほとんどない点などからもそれは分かってくる。いわばレーベルの活動・運営自体が一種のアノニマス的なメディア論思想に貫かれているのだろうか。じっさい〈Aught〉はアルバム名がすべてナンバーで統一されていたし、〈chained library〉のアルバム名が数字であることからも、記号性/匿名性へのこだわりが理解できる。

 さて、Xth Réflexion『/\\05-06』は、1トラックめから4とラックめまでが「/\\05」(レコードだとA面・B面)、6トラックめから10トラックめ「/\\06」(レコードだとC面・D面)という構成となっている。ミニマル・マシン・アンビエント的な「/\\05」と、よりリズミックな要素が全面化している「/\\06」という流れになっており、対比的な構成ともいえる。さらに深いダブのかかったミニマリズムはどこか蒸気機関車の音のようでもあり、21世紀以降のポスト・ヒューマン的な響きのようである。つまり、このユニットのトラックは聴き飽きたグリッチでもなく、ありきたりなミニマル・テクノでもない。このダブとミニマリズムの交錯は20世紀と21世紀の歴史性を消失させてしまうだろう。この歴史の「消失」感覚にこそ、2017年以降の「新しいミニマリズム」を感じる。レーベル特有の匿名性や記号性を抜きにすれば、同時代的なサウンドとして、N1L、ZULI、DJ Sinclair、Assel、Dale Cornish、Mumdance & Logos、Machine Woman、Yann Leguayなどの分断的エクスペリメンタル・ミニマル・テクノ・トラックへと繋げてみることも可能である。つまり2017年以降の先端的な「新しさ」の系譜だ。これらのアーティストのトラックを聴くと、今という時代のサウンドには、どこか「壊れたミニマリズム」が炸裂しているように思えてならない。ポスト・ミニマルでもアフター・ミニマルでもない。いわばブロークン・ミニマルの時代を感じてしまう。破壊されたミニマリズムの破片が高密度かつ高速に再生/生成している。新しい音の快楽原則が生まれているように思えてならない。

 本作は、リマスタリングをベルリンのRashad Becker(Dubplates & Mastering)が行っており、サウンドの質感・クオリティが一段と向上している点にも注目したい。

[編集部註:タイトルおよび文中に登場する「​\​」は、正しくは反対向きのスラッシュ(「\」の半角)です]

MOTHERF**KER - ele-king

 1992年にスタートしたレーベル〈Less Than TV〉は、日本屈指のレーベルで、これまでU.G MAN、bloodthirsty butchers、ギターウルフ、DMBQ、BREAKfAST、ロマンポルシェ……2MUCH CREW……などなど、ひと癖もふた癖もあるようなハードコアなバンドを輩出してきたことで知られる、まだ活動中だというのに、あまりの個性の強さゆえか、最近ではなかば伝説となっているが、この度、レーベルの栄光の25年が映画となって公開されるぞ! すごい、とにかく、観てくれ!

『MOTHER FUCKER』
出演:谷ぐち順、YUKARI、谷口共鳴ともなり他バンド大量
監督・撮影・編集:大石規湖|企画:大石規湖、谷ぐち順、飯田仁一郎|制作:大石規湖+Less Than TV
製作:キングレコード+日本出版販売|プロデューサー:長谷川英行、近藤順也
1:1.78|カラー|ステレオ|98分|2017年|日本|配給:日本出版販売|©2017 MFP All Rights Reserved.

公式HP:mf-p.net
@MFP0826 / facebook.com/MFP0826

■出演バンド
idea of a joke (コピー)、VOGOS、TIALA、NICE VIEW、U.G MAN、PUNKUBOI、2MUCH CREW、MILK、ジョンのサン、SOCIAL PORKS、THE ACT WE ACT、HARD CORE DUDE、碧衣スイミング、Dancebeach、トゥラリカ、ColorMeBloodRed、ECD+ILLICIT TSUBOI、脳性麻痺号、THE人生ズ、森本雑感+FUCKER、ゲバルト、泯比沙子+岡崎康洋(蝉)+Nasca Car、その他の短編ズ、V/ACATION、CUBEc.u.g.p、オオクボ-T+GENTAROW、オクムラユウスケ、デラシネ、GOD'S GUTS、idea of a joke、BREAKfAST、bloodthirsty butchers、Suspiria、ANGEL O.D.、BAND OF ACCUSE、Rebel One Excalibur、ENERGISH GOLF、ジャンプス、SiNE、Gofish、Ohayo Mountain Road、トンカツ、FAAFAAZ、odd eyes、Test Pattern、DODDODO BAND、MASTERPEACE、黄倉未来、WARHEAD、DEATHRO、ロンリーFUCKER、ニーハオ!、Limited Express (has gone?)、チーターズマニア

8/26(土)〜9/8(金)|渋谷HUMAXシネマ
9/9(土)〜9/15(金)|シネマート心斎橋
9/16(土)〜9/22(金)|シネマート新宿
9/23(土)〜9/29(金)|名古屋シネマテーク
9/30(土)〜10/6(金)|広島・横川シネマ
10/21(土)〜10/27(金)|桜井薬局セントラルホール
10/28(土)〜11/3(金)|京都みなみ会館
以降神戸・元町映画館他全国順次公開!
限定ステッカー付き特別鑑賞券1,300円絶賛発売中!
上映劇場窓口、ディスクユニオン13店舗、Less Than TVライブ会場にて限定ステッカー付き特別鑑賞券1,300円発売決定!

<ディスクユニオン取扱店舗〉
オンラインショップ、新宿パンクマーケット、新宿日本のロック・インディーズ館、渋谷パンク/ヘヴィメタル館、お茶の水駅前店、下北沢店、吉祥寺店、町田店、横浜西口店、千葉店、柏店、北浦和店、大阪店

※以下、資料より抜粋
Less Than TVって何なんだよっ!?

〈最低〉だから〈最高〉すぎる! 面白い事だけを追求して25年。

 あなたはご存じだろうか? 知ってる人は知っている。知らない人はもちろん知らない。名前は知っているけど何をやっているのか良く分からない、そして、虜になった人もその魅力を説明できない…。25年の間、ある意味で正体不明、謎の音楽レーベルであり続ける集団がいる。1992年、とにかく面白い事を探していた北海道出身でGOD'S GUTSの“谷ぐち順”を代表にU.G MANのUG KAWANAMI、DMBQの増子真二を中心とした仲間たちがノリと勢いと情熱でアメリカのBLACK FLAGのレーベルSSTやShimmy Discなどに憧れ立ち上げた世界的にみても奇妙奇天烈な音楽レーベル、それが“Less Than TV”だ。パンク、ハードコアを基本としつつも彼らの感性の下、あらゆるタイプのアーティストが紹介されてきた。bloodthirsty butchers、ギターウルフ、DMBQ、BEYONDS、ロマンポルシェ。……等。“Less Than TV”が音源をリリースしてきた一癖も二癖もあるバンドたちは異彩を放ち、その後メジャーデビューしたものも少なくない。しかしレーベル自体は今もなおアンダーグラウンドを暴走し続けている。
 気をぬいたら負け、ぶちかませ!!!
 なぜ集うのか? 彼らはそこを選び、今夜も地下で激しく音と笑顔をぶつけ合う。
 Less Than TVには誰でも参加することが出来る。ジャンルの縛りや年齢制限、上下関係、酒の強要、打ち上げの参加義務と言った古き良きロックにありがちなしがらみは一切ない。そして、ステージ上のミュージシャンは極めて偉大では無い。そのかわり、ステージの上で遠慮は無いし、一切の妥協も許されない、〈気をぬいたら負け、ぶちかませ!!!〉才能が無くても、技術が無くても本気で面白いことを追及してさえいれば誰だって主役になれる。だからこそ、そこに集い“Less Than TV”の空間を作るオーディエンスこそが偉大な表現者なのかもしれない。そんなイベントはいつでも花見や夏祭りの様に笑顔で溢れている。一体どうしてこの様な集団が生まれたのか?その答えを探ろうにも、あろう事か商売っ気すらも持ち合わせていない代表である谷ぐち順がもっともその祭りを謳歌しているのであった……。
 カメラは“Less Than TV”と共鳴してドキュメンタリー映画を崩壊させる。
 魅了されてしまった映像作家、大石規湖映画監督デビュー!
 そして、8歳の少年もハードコア・デビュー!

Oneohtrix Point Never『Good Time』を聴く - ele-king


Oneohtrix Point Never
Good Time Original Motion Picture Soundtrack

Warp / ビート

Soundtrack

Amazon Tower iTunes

 いま、「マックvsマクド」というキャンペーンをやっている。日本各地で「マック」と略されるマクドナルドのことを関西圏だけは「マクド」と呼ぶことから対立の図式を喚起し、購買意欲を煽っている。どうやら味も違うらしい。
 日本に初めてマクドナルドが出店される時、ネガティヴ・キャンペーンというものが盛んに行われていた。ウィキペディアを読んでみると、オープンした日時も場所も僕の記憶とは違っているのだけれど、マクドナルドが銀座三越の(店内ではなく)外壁部分にオープンした当日、僕はクラスメート7~8人と横一列に並んで、せーので「猫肉バーガー、下さい」と注文した。マクドナルドは猫の肉を使っているというネガティヴ・キャンペーンが浸透していたからである。窓口の店員さんはそのような嫌がらせは想定済みといった様子で「当店は100%ビーフを使用しております」と即答、僕らは「じゃー、それを下さい」と声が小さくなってしまった。これに対して、関西では「あんなものを食べるとマクどうかなるド」というネガキャンが行われていたと聞いた。深夜ラジオで誰かがそう言ったことを覚えている。「マクド」という略称はもしかするとそれが起源ではないだろうか。ネガキャンのかけらが定着してしまったのではないかと。少なくとも東京では「マクドウカナルド」という言い方は広まっていなかった。

 マクドナルドがオープンしたり、オイルショックが起きたりした頃、僕は洋楽といえばラロ・シフリンに夢中だった。「燃えよドラゴン」を入り口に、しかし、ブルース・リーにはまったく心動かず、テーマ曲を作ったラロ・シフリンに興味が向いた。そして、そのうちに〈CTI〉というレーベルに辿り着いた。初めて興味を持ったレコード・レーベルで、中学生が聴くようなものではなかったと思うものの、アニメ・ソングにも多用されていたからか、ジャズ・ファンク・フュージョンはやはり馴染みやすく、華やかなホーン・セクションとタイトなリズムを求めてデオダートやアイアート・モレイラといった南米音楽にもするするとアクセスすることができた。カタログを見ながらどんな音楽か想像している時間の方が長かったような気もするけれど。
 ジャズ・ファンク・フュージョンはそして、いつしかフュージョンと省略される頃になるとダイナミックさを欠き、トレード・マークだと思っていたホーン・セクションをカットするものまで現れた。ニューエイジの始まりだった。

 OPN のリリースには、ごく初期からニューエイジというタグが付けられていた。ヤソスやエリアル・カルマを追ってエメラルド・ウェブやエドワード・ラリー・ゴードン(ララージ)といったニューエイジの再発も同時並行的に増えつつづけ、そういう人になるのかなという側面もあったけれど、『リターナル』の冒頭に収められていた“Nil Admirari”などOPN自体はどんどんと変化していき、知名度が上がってからは『レプリカ』でそうした側面に少し揺り戻す程度だったと言える。その後の『ガーデン・オブ・ディリート』フォード&ロパティン名義やを聞いた人には彼がニューエイジとタグ付けされていたことさえ不思議なことに思えるかもしれない。現在は閉じてしまったものの、彼が運営していた〈ソフトウェア〉というレーベルも彼の興味がどこかに定まっているようには思えず、なんというか、フットワークが軽すぎて基本的な姿勢さえよくわからないところがこの人のいいところだと思えるほどである。そして、ソフィア・コッポラ『ブリング・リング』への起用をきっかけにOPNことダニエル・ロパティンは映画音楽にも活動のフィールドを広げ、早くもジョシュア&ベニー・サフディ『グッド・タイム』でカンヌ映画祭のサウンドトラック賞を受賞してしまった。日本人のカンヌに対する見方にはかなり疑問があるけれど、まあ、とにかくOPNはそういった賞を受賞した。おー。

 どんな映画なのか、作品を見てないので映画音楽としてどうなのかと言うことはわからない。最近だとダニー・エルフマンが音楽を担当した『ガール・オン・ザ・トレイン』はあんまり内容と合ってないじゃないかと僕は感じながら観ていた。日常のささいな変化からストーリーが大きく展開していく同作にエルフマンの曲はあまりに大袈裟だと思えたからである。反対にミカチューを起用した『ジャッキー』は音楽によって映像の中に連れ去られる感覚が素晴らしく、サブリミナル効果も含めて相乗効果は抜群だった。自分が想定していた使われ方とは違うものだったとトレント・レズナーが語る『パトリオット・デイ』も作品を何割り増しかよく見せていた。音楽に関してはあまり褒められない邦画でも『彼女がその名を知らない鳥たち』(10月公開)では、こんな使い方をするのかとかなり驚かされた。やはり映画とワンセットで聞かなければ映画音楽の良し悪しは判断できない。しかし、ここには『グッド・タイム』のサウンドトラック盤しかない。音楽だけを聞くしかない。

 なんだか知らないけれど、とにかく切迫している。虚無感を煽りつつ、まだ希望は捨てきれない~みたいな展開である。映画っぽい(映画だし)。パニック映画だろうか。それともギャング映画? 今年はクリフ・マルティネスが『ネオン・デーモン』で80年代初頭のダサいシンセ・ポップを退廃したイメージの中に上手く落とし込んでいたけれど、それと被る印象もある。ジャズ・ファンク・フュージョンがフュージョンへとパワーダウンしていく際にディスコを取り入れることでダイナミックさを失わなかった方法論。ダサくても生き延びることを優先するというB級感覚に裏打ちされ、ゴミ溜めの中からホーリーなものを立ち上げるという美学とも言える。『ネオン・デーモン』はピークを過ぎ、虚栄の都市と化している現在のロサンゼルスをスタイリッシュに描くという嫌味なアプローチがどこか子どもっぽくもあったけれど、そのような韜晦さからは距離を取っているという印象だろうか。『グッド・タイム』の方がもっとリアリティを重視しているのかもしれない。それこそホーン・セクションは一切使わず、シンセサイザーだけで押し通すために最後まで虚無感は消え去らない。そして、最後にイギー・ポップが歌い出し、ロック的な皮肉が充満する。そう、猫肉バーガーでも食わされたような気分である。

Kelela - ele-king

 ずっと待っていた。彼女の存在が知られるようになってから、いったい何年のときが流れただろう。ミックステープ『Cut 4 Me』(2013年)やボク・ボクとの“Melba's Call”(2014年)、アルカの参加も話題となったEP「Hallucinogen」(2015年)、あるいは様々なアーティストの作品への客演(ここ1年ではクラムス・カシーノソランジュダニー・ブラウン、ゴリラズなど)でその実力を見せつけてきたケレラがようやく、本当にようやくファースト・アルバムをリリースする。この混沌とした時代に彼女はいったいどんなR&Bを鳴らすのだろうか。タイトルは『Take Me Apart』。10月6日発売。

[10/4追記:まもなく発売されるアルバムから、収録曲“Waitin”が先行配信されました。試聴・購入はこちらから。ちなみに『FADER』最新号ではケレラが表紙を飾っています]

K E L E L A
ゴリラズ、ビョーク、ソランジュらも絶賛!
新進気鋭プロデューサーから大物アーティストまでもが待ち望んだ
新世代R&Bシンガー、ケレラ
デビュー・アルバム『TAKE ME APART』のリリースを発表&
新曲“LMK”をミュージック・ビデオとともに公開!

2013年に発表されたミックステープ『Cut 4 Me』が話題を呼び、世界中のメディアで「ポスト・アリーヤ」として一躍大きな注目を集めたケレラ(Kelela)が、ついに待望のデビュー・アルバム『Take Me Apart』のリリースを発表! 先週Beat 1の看板DJ、ゼーン・ロウの番組で解禁された新曲“LMK”のミュージック・ビデオを公開した。監督を務めたのは、ビョークの長年のコラボレーターとしても知られるアンドリュー・トーマス・ホワン。

Kelela - LMK (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=ePi5BLJogyA

『Cut 4 Me』リリース後、誰もがアルバムを待ち望む中、オリジナル作品としてはシングルとEP作品「Hallucinogen」をリリースしただけだったが、「Hallucinogen」に収録された“Rewind”が、『ニューヨーク・タイムズ』紙の「これからの音楽の方向性を感じさせる25曲」に選出されるなど、再び話題に火がつき、ザ・エックス・エックスとのワールド・ツアー、ソランジュ『A Seat At The Table』や、ダニー・ブラウン『Atrocity Exhibition』、そしてゴリラズ『Humanz』への客演などつねに注目を集めてきたケレラ。さらにかねてよりビョークがその才能に惚れ込んでいることも知られており、自身のSNSで度々ケレラを賞賛している。

なお、国内盤CDには、賞賛を集めた「Hallucinogen」から、先日のフジロックでジェシー・カンダを従えた自身のオーディオ・ヴィジュアル・セットのみならず、ビョークのステージにも登場したアルカがプロデュースした「A Message」と、キングダム、ガール・ユニット、オベイ・シティら新鋭プロデューサーがプロデュースした「Rewind」がボーナス・トラックとして追加収録される。これら2曲がCDに収録されるのは初となる。

このアルバムは個人的な記録だけど、わたしのアイデンティティの政治的な背景が、どんな音にするとか、わたしの脆さや強さをどう表現するのかということを特徴づけているの。わたしは黒人女性で、エチオピア系アメリカ人の移民2世で、R&Bやジャズやビョークを聴いて郊外で育った。そういったすべてが、いろいろなところに表れているわ。
- Kelela

全世界待望のデビュー・アルバム『Take Me Apart』は10月6日(金)に世界同時リリース! 国内盤には、ボーナス・トラックが追加収録され、解説書と歌詞対訳が封入される。またiTunesでアルバムを予約すると、公開された新曲“LMK”がいちはやくダウンロードできる。


label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: KELELA
title: Take Me Apart

release date: 2017/10/06 FRI ON SALE

国内盤特典
ボーナス・トラック2曲収録
歌詞対訳/解説書封入
BRC-560 ¥2,200+税

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Tracklisting
01. Frontline
02. Waitin
03. Take Me Apart
04. Enough
05. Jupiter
06. Better
07. LMK
08. Truth Or Dare
09. S.O.S.
10. Blue Light
11. Onanon
12. Turn To Dust
13. Bluff
14. Altadena
15. A Message (Bonus Track for Japan)
16. Rewind (Bonus Track for Japan)


Molecule Plane - ele-king

 電子音楽はどこにいくのか。そして、どこにあるのか。「ここ」なのか。それとも「未来」なのか。たしに「電子音楽」という言葉の響きには不思議なテクノロジーへのロマンティシズムを感じるものだし、それは21世紀の現在でも変わらない。未来の音楽。未来への音楽。未来と音楽。未来/音楽。だがしかし未来とは論理的帰結であり、それゆえ抽象的存在でもある。そして未来とは「テクノロジー」の連鎖でもあり、それゆえ音楽とテクノロジー=技術工学は極めて密接な関係にある。楽器。録音技術。ステージング。そもそも、「音楽」自体は数学的な構造によって成立しているものだし、テクノロジカルな構造によって生成する現象でもある。となればいわゆる「電子音楽」は、構造/抽象の極限性ゆえ、つねに「音楽」の最先端=未来に位置する音楽といえる。アブストラクト(抽象性)に対する近似性の高さが原因であろう。同時に電子音楽には未知・未来への希求というロマンティシズムも横たわってもいる(シュトックハウゼンもクセナキスも私には途轍もないほどのロマンティシズムを感じる。むろん19世紀的なロマンティシズムを解体・炸裂させる戦争の世紀たる20世紀後半的な「光のロマンティシズム」だが)。ゆえに電子音楽は「工学」ではなく「芸術」なのだ。アブストラクトの余白にロマンティシズムがある。ロマンティシズムの向こうに厳密なテクノロジカルな論理と構造がある。そのテクノロジカルな論理構造の向こうに美がある。音階や旋律のむこうにある真のロマンティシズムへの希求は、ある地点においてはクールになり、その向こうで超越的な/逸脱的な美を希求する。電子音楽が永遠に先端である理由は、音楽の構成要素を一度、極限まで抽象化するからであり、「だからこそ」古くならない。すきまのようなものを生んでしまうから聴取が永遠に完結しないのだ。むろんテクノロジーと直結しているゆえ、音質の変化(新しさ・古さ)が表面化しやすいものだが、「完結しないという永遠」は、無限のロマンティシズムを生む。電子音楽の普遍性はそこにあるのではないか。それを強い「意志」として音響に定着したとき、人は真の電子音楽家に「なる」。そういえる音楽家/アーティストの数は決して多くはない。しかし、京都府出身の大塚勇樹は、数少ないそのひとりではないか。

 大塚勇樹(Yuki Ohtsuka)のソロ・プロジェクト、モレキュル・プレーンは、音色の生成と変化に焦点を当てたプロジェクトである。大塚のプロフィールに関してはリリース・レーベルのインフォメーションに詳しいのでそちらを読んでほしいのだが、一読してもわかるように大阪芸術大学で学んだ現代/電子音楽家である。彼は多層化空間音響システム「アクースモニウム」を研究・実践する電子音楽家であり(CCMC2012でMOTUS賞を受賞)、日本の電子音楽(ミュジーク・コンクレート)を牽引する人物だ(hirvi、synkメンバー。日本電子音楽協会会員)。しかし彼は自らの出自を踏まえたうえで、大きく跳躍・逸脱するアーティストでもある。Route09名義ではテクノ、エレクトロニカ、ノイズを越境し、2013年には京都の老舗電子音響レーベル〈シュラインドットジェイピー〉 から2013年に、imaとのユニットA.N.R.i.名義のアルバム『All Noises Regenerates Interaction』をリリースした(傑作!)。そのほかネットレーベルでのリリース、マスタリング・エンジニアとしての活動などその創作領域は多岐に渡る。大塚勇樹は、shotahiramaや松本昭彦などと並ぶ並び、現代日本の最先端(最前衛)に位置する新しい世代の電子音楽家といえる。

 2016年にリリースしたファースト・アルバム『アコースティコフィリア』は、音響に対して「そこにあるモノとしての圧倒的な存在」を与えようとしていた。つまり「そこに存在するマシン」のような電子音楽/音響作品であった。そして本年、〈きょうRECORDS〉から発表したセカンド・アルバム『SCHEMATIC』において、大塚はモレキュル・プレーンのさらなるアップデートを試みている。彼は、電子音楽の抽象性に、まず「モノ性」を与え、その向こうに未知の音響世界を見出した(『アコースティコフィリア』)。次は、その地点からあえてもう一度反転し、「時間」という抽象性=問題に立ち返る。オルタナティブな方法論で電子音響を構築・生成することで、「時間」も「空間」も「制圧」しようとしているように思える。聴き手の聴取上の距離感、空間意識、遠近法すら変えてしまうために。ファーストとセカンドで共通している点は、電子音楽の録音作品において「状況」を生みだそうとしている点であろう。そこに彼の本質的研究「アクースモニウム」の真髄があるのだろう(「状況」を生成するという意味において)。その意味で彼はミュジーク・コンクレートの(正当な)後継者であり、ピエール・アンリやリュック・フェラーリの系譜を継ぐ音楽家でもある。じじつ『SCHEMATIC』においても、さまざまなサウンド・マテリアルが圧倒的な高密度なコンポジションで持続・接続・生成している。その音響工作の手腕はため息が出るほど見事で、まさに若手随一の電子音楽家である。しかし同時に本作は最先端モードの電子音響作品でもある。〈ラスター〉や〈アントラクト〉の作品群と匹敵するほどに。

 1分47秒ほどの1曲め“ENFOLD”をオープニングとするように本作『SCHEMATIC』ははじまる。細やかな粒子の電子音が持続し、生成し、変化し、消えていく。大塚の鋭敏な耳の感覚をスキャンしたような緻密な細やかな音響は、本作全編に通じる質感である。続く2曲め“FILAMENT”は、“ENFOLD”のトーンを持続させながらも7分に及ぶ音響空間を一部の隙も構成によって聴き手の耳を「ハック/制圧」するように展開する。そして、この曲にも随所だが、本作のモレキュル・プレーンの電子音響はどこか神経的なのだ。聴き手の神経にアディクションするという意味だけではなく、音響それ自体が、どこか神経的なのだ。音と音、響きと響き、モノとモノが、複雑な(無数の)線(ネットワーク)でつながれ、音響・楽曲自体が自律している……、そんな聴取感があった。これは『アコースティコフィリア』でも感じた質感だが、『SCHEMATIC』の音響(の層)は、より神経化が促進/進化しているように思えた(「神経」とは「回路」か)。

 3曲め“SHELTER (Version)”において、その神経的な音響工作=交錯は、サウンド・エレメントの「時間」すら変形させてしまう。この曲には、本作特有の音響による持続=時間=空間の制圧行為がある。変化する持続音と乾いた物音は変形させられ、不規則の連続性の中で未知の電子音響を生成する。そして高音域の音が刺激的な4曲め“SCREAMER”では70年代的電子音楽を現代の音響的な精度で再(=差異)生成を行い、スタティック/ダイナミックな電子音響による聴覚の拡張を試みる。インタールード的な5曲め“UNFOLD”は刺激的な電子音響が耳に圧倒的な快楽を与える。短いトラックだがサウンド・マテリアルの生成、時間軸の操作、音響の接続と融解など極めて精度の高い曲だ。そして6曲め“DESTINY”と、13分に及ぶラスト曲“TIAMAT”において、『SCHEMATIC』の音響=時間=制圧/生成はクライマックスを迎える。アルバム全曲の技法を総括するような“DESTINY”と、それらの方法論をゼロ地点で一気に消失させた先に生まれたスタティック/マニシックな音響ドローン“TIAMATの実に鮮やかな対比=終焉!『SCHEMATIC』が提示する神経、状況、制圧の音響空間は一気に総括されていく感覚を覚えた。

 『SCHEMATIC』の自律的な神経/制圧感覚は、いわゆる「聴くこと」に依存しがちなこの種の音響作品において稀な感覚・体験であった。モレキュル・プレーンが真に重要な存在であるのは、電子音楽史に連なる「現代音楽」だからではなく、むしろ現代において、ありきたりな行為になってしまった音響聴取状況(通俗化したジョン・ケージの亜流のような?)に対する強烈な反抗心・抵抗心が、その端正な音響交錯のなかに息づいている点ではないか(事実、大塚はモレキュル・プレーンの活動を「ドローン・パンク」(!)と名付けている)。そして本作『SCHEMATIC』は、『アコースティコフィリア』と比べて(わずか1年ほどという制作期間の短さもあるだろうが)、その電子音響の生成/運動/質感がさらに強い吸引力を持っているように聴こえたのだ(むろん前作と新作、どちらが良いという話ではなない)。音響と聴き手の距離がより「近い」とでもいうべきか。サウンドへのアディクション力が強烈なのである。長尺の曲が多く占めるアルバムだが、長い曲(音響)を聴いたという感覚はない。まるで瞬間と持続が常に刷新されるような感覚を得た。これはどういうことか。

 あえて簡略化してみよう。前作『アコースティコフィリア』は「意志と存在の電子音楽作品」であった。対して、新作『SCHEMATIC』は「無意識と時間を制圧する電子音楽作品」である、と。徹底的に作り込まれた音響的精度がもたらすドローンと速度感覚、生成する音の快楽、イマジネーション喚起力の強さなどによって、本作のサウンドは聴き手の意識(ある意味、作り手ですら)の領域を超え、どこか「無=意識」の根底にアジャスト/アディクションする力をサウンドが持っている。無=意識へのハックは記憶と時間も制圧する。これは極めて興味深い現象である。なぜなら21世紀の現在、音楽はジャンルや形式を問わず、意識と無意識の領域を融解してしまう傾向が強いからだ。『SCHEMATIC』は、そんな音楽世界の感覚変容の問題に正統的ともいえる電子音楽によってアクセス/アジャストしていく。時間が、瞬間が、空間が、音響の中で、複座な回路/神経のように複雑に、緻密に、粒子のように、繊細に溶け合う。聴取の足場が揺らぐ。音響が記憶を制圧する。記憶が消失し、再生する。本作の聴取体験は強烈であり、美的であり、刺激的である。いまいちど、問い直そう。電子音楽はどこにいくのか。どこにあるのか。そのヒントは、この『SCHEMATIC』にある。

interview with Jeff Paker - ele-king

傑作アルバム『The New Breed』のリリースで、トータスのメンバーやジャズ・ギタリストとしてだけでなく、ソロ・アーティストとして大きな飛躍を見せたジェフ・パーカー。そのジェフが『The New Breed』のレコーディング・メンバーを率いて、初のリーダー・バンドでの来日を果たす。この来日を記念して、5月にタワーレコード渋谷店で行われた公開インタビューの模様をお送りする。インタヴュアーは、Jazz the new Chapterの柳樂光隆。

 2017年の5月、スコット・アメンドラ・バンド/トータスの一員として来日したジェフ・パーカーがタワーレコード渋谷店でトークショー&ライブを行った。世界中で高い評価を受けた2016年リリースの『The New Breed』はジェフが持っていたヒップホップやソウルやファンクへの愛情を惜しみなくさらけ出していただけでなく、これまではなかなかその本音を見せてくれなかったジャズ・ギタリストとしての自分を素直に表現しているアルバムでもあった。そんな作品のリリースに際しての公開インタヴューということで、ヒップホップとジャズ・ギターのふたつのトピックを中心にジェフ・パーカーとはどういうミュージシャンなのかを探るような話を振ってみた。東京でのオフにはレコードショップを回っていたというレコードショップ好きのジェフはたくさんのレコードやCDに囲まれたなかで、様々なアーティストの名前を出しながら、実に饒舌に自身に影響を与えた音楽について語ってくれた。

僕はものすごいヒップホップのファンなんだ。このアルバムではヒップホップとジャズの関係性を探りたかった。僕はジャズのフィーリングを持ったヒップホップのレコードだったり、ヒップホップのフィーリングを持ったレコードを作りたいとずっと思っていたしね。ヒップホップはプロデューサーの音楽で、もっと言えばプロダクションの音楽だ。ヒップホップっていうのは、音楽を再構築していくような音楽なんだ。それをジャズと一緒に表現したかったんだ。


Jeff Paker
The New Breed

International Anthem Recording Company / HEADZ

JazzExperimentalPost Rock

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Isotope 217°
The Unstable Molecule

Thrill Jockey / HEADZ

JazzExperimentalPost Rock

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東京ではレコードショップを回ってアナログを買ったそうですね

JP(ジェフ・パーカー):そうだね。普段はジャズのレコードをよく買うんだけど、たまにアフリカ音楽のレコードも買ったりするよ。

今回買ったもので特に気になったものは

JP:ドラマーのポール・ハンフリーのレコードを買ったね。あとはあまり名前は憶えていないんだ。前はすごくたくさん買っていて、しばらく落ち着いていた期間が続いていたんだけど、最近、また買うようになったんだよね。

あなたのアルバム『The New Breed』の話を聞いてもいいですか? どういうコンセプトでどういうきっかけで作りはじめたんですか?

JP:僕はものすごいヒップホップのファンなんだ。このアルバムではヒップホップとジャズの関係性を探りたかった。僕はジャズのフィーリングを持ったヒップホップのレコードだったり、ヒップホップのフィーリングを持ったレコードを作りたいとずっと思っていたしね。ヒップホップはプロデューサーの音楽で、もっと言えばプロダクションの音楽だ。ヒップホップっていうのは、音楽を再構築していくような音楽なんだ。それをジャズと一緒に表現したかったんだ。音楽のローエンドや、ファンクのドラムサウンドとか、そういうところに意識を持っていくような音楽にしたいと思って作ったよ。このアイデア自体は10年間くらい持ちづけていたもので、ようやく実現できたのがこのアルバムなんだ。

ヒップホップだとどういうものがお好きですか。

JP:プロデューサーだと、DJプレミア、Jディラ、Qティップ、NY、イーストコースト・サウンドのクラシックスが好きなんだ。あまり追えてないんだけど、いまのヒップホップでも好きなものはあって、ケンドリック・ラマ―の『DAMN』は素晴らしいしね、前作の『To Pimp A Butterfly』も最高だったよ

『The New Breed』ではJディラの『Donuts』にも参加したエンジニアのデイブ・クーリーを起用してますよね

JP:そうだね、マスタリング・エンジニアは同じ人だね。僕はマッドリブの大ファンでもあるから、彼が〈ストーンズ・スロウ〉のレコードをいくつも手掛けていたことは大きいね。マドリビアンの『Madvillainy』とかね。僕はいま、LAに住んでいて、彼もLAに住んでいるから、マスタリングってなったときに彼のことしか思い浮かばなかったんだよね。彼もそのオファーを喜んでくれたしね、彼は僕が関わってきたシカゴ・アンダーグラウンドのことも好きだったみたいなんだ。あと彼はミッドウエストの出身でね、僕らには共通点が多かったし、シェアできることも多かった。だから、マスタリングの作業はすごくうまくいったよ。

以前、トータスのアルバムでもJディラ的なビートを取り入れていたと思うんですけど、『The New Breed』はそのころとはまた違ったヒップホップのフィーリングがあったような気がしますね。

JP:トータスはバンドなので、メンバー全員が持っているさまざまな音楽からの影響が反映されるからね。それをまとめてひとつにまとめることでトータスのサウンドが出来上がるんだ。もちろん、そのなかにJディラの影響も含まれているよ。前作『Beacons of Ancestorship』のころには、みんながJディラにはまっていたから、そのなかにはディラの影響がものすごく強い曲も収録されているよ。ディラはパワフルで、彼にしかできない音楽を作っていた。その彼の音楽が持っていたフィーリングを自分の音楽に取り入れようとしていた音楽家は世界中にものすごくたくさんいた。トータスのその一つと言えるよね。僕もディラの音楽の大ファンだから、僕の作品にはその要素は当然入ってくる。でも、それと同時に他のヒップホップのフィーリングが入っていることを感じ取ってもらえたらすごくうれしいね。

僕はジャズ・ギターに関してはトラディショナルなプレイヤーを聴いたり研究していたし、もっと現代的なプレイヤーもたくさん聴いたりしていたから、そういうスタイルのプレイをしていたんだ。例えば、ジョン・スコフィールドやパット・メセニーやビル・フリゼールのようなね。でも、オルガン奏者と仕事をするようになってから、ケニー・バレルやグラント・グリーンも聴くようになったんだ。

『The New Breed』ではドラマーがジャマイア・ウィリアムスだったと思うんですけど、彼と一緒にやるようになったきっかけは?

JP:彼と一緒にやるようになったきっかけはヴィオラ奏者でアレンジャーのミゲル・アトウッド・ファーガソンなんだ。それから仲良くなって、いろんなことを話すようになったよ。彼と演奏した時にすごく自然に演奏できたように感じたんだ。ベーシストのボール・ブライアン、サックス奏者のジョシュ・ジョンソンとジャマイア・ウィリアムスとの僕のバンドは、最初はからすごくいいケミストリーを感じていたから、彼らのことを想定しながら曲を書くこともできた。ちなみにジャマイアのバンドに僕が入ったこともあって、そのときはシンセを弾いたんだけど、そのコラボレーションでも愛称は抜群だったね。

『The New Breed』はプロダクションの部分はすごく大きいと思うんですけど、ライヴではどういう風になりますか?

JP:そんなに難しくないんだよ、ただレイヤーを変えればいいだけなんだ。レコーディングではふたつのシークエンスを流して、その周りに音を加えるように演奏していったんだけど、ライヴでもサンプラーを使って、それに合わせて、バンドが即興演奏のように音を加えていく、そんな形になると思う。ある意味で、トータスに近いやり方ともいえるかもね。最近はテクノロジーもどんどん発達して、いい機材もどんどん出てきているから、そういうものを駆使してやろうと思っているよ。

あと、今日はギタリストのお客さんも多いと思うので、ギターの話も聞かせてもらってもいいですか?海外のインタヴューで高柳昌行の話をされていましたよね。彼のどんなところがお好きですか?

JP:ギターの演奏に限らず、音楽に対してすごく幅広いコンセプトを持っているところが好きなんだ。ノイズギター、フィードバックも素晴らしいし、ジャズからきているラインを弾くこともあるし、スタンダードだって素晴らしい。プロダクションに関しても、いろんな実験をしていた人で、その幅広さが好きなんだ。そういうところは自分のギターとも似ているかもしれないね。

『Like-coping』などのあなたの初期のソロアルバムを聴くと、高柳昌行がレニー・トリスターノの音楽=クールジャズに取り組んでいたころと共通するものを感じるのですが、いかがですか?

JP:いまもトリスターノの音楽は好きだし、彼の音楽がものすごく好きだった時期があって、そのころは研究もしていたんだ。だから、それが反映されているかもしれないね。

ってことは、トリスターノのバンドで演奏していたギタリストのビリー・バウアーもお好きですか?

JP:彼はそんなに好きじゃないね。まあまあいいミュージシャンだけど、ギターに関してはベストじゃないね笑。僕が好きだったのは、リー・コニッツやトリスターノ、ウォーン・マーシュだね。彼らのコンポジション(作曲)が好きだったんだ。ギタリストとしてってことじゃないね。

以前に読んだあなたのインタヴューにグラント・グリーンのことがお好きだって書いてあって、『The New Breed』にはそういうテイストもあるなと納得したんですけど、彼のどういうところがお好きですか?

JP:サウンドだね。ソウルフルなミュージシャンだし。サウンドも美しいよね、とても美しいラインを奏でる。実は以前はそんなにたくさん彼の音楽を聴いていたわけじゃないんだ。でも、ある時、誰かに「君のサウンドはグラント・グリーンに似てるね」って言われたんだよね。それから聴くようになって、すごく好きになったんだ。もともと僕はトラディショナルなギターが好きで、チャーリー・パーカーのフレーズをギターで演奏したりして、そのジャズの共通言語を学んだりしていたんだけど、僕はシカゴに移住してからオルガン奏者のグループで演奏していたことがあった。チャールス・アーランドとかね。僕はジャズ・ギターに関してはトラディショナルなプレイヤーを聴いたり研究していたし、もっと現代的なプレイヤーもたくさん聴いたりしていたから、そういうスタイルのプレイをしていたんだ。例えば、ジョン・スコフィールドやパット・メセニーやビル・フリゼールのようなね。でも、オルガン奏者と仕事をするようになってから、ケニー・バレルやグラント・グリーンも聴くようになったんだ。

他に好きなギタリストがいたら教えてください

JP:まずはジム・ホールだね。すべてが素晴らしいよ。

ジム・ホールはどういうところが特に好きですか?

JP:彼は自分のサウンドを周りのサウンドにフィットさせることがすごくうまいんだ。彼は60年代にアート・ファーマーと一緒に活動していたんだけど、その時に録音された『To Sweden With Love』は僕のフェイバリット・ギター・アルバムだよ。
 さっき名前をあげたアーティストは自分の中の影響の一部なんだ。他に好きなギタリストはたくさんいて、マーク・リボーも好きだし、ジミ・ヘンドリックスも好きだし、ソニー・シャーロックも好き。デレク・ベイリーは僕もフェイバリット・ギタリストだし、ニール・ヤングも好きだね。ブルースのギタリストも好きなんだ、B.B.キングも好きだし、チャーリー・クリスチャンも大好きだよ。きりがないね、学ぼうと思えば素晴らしいギタリストはいくらでもいるんだ、今日来ている皆さんもたくさん聴いて、ギターを研究してもらえたら嬉しいね。

 そのあとのライヴでは、ジェフはソロギターで『Slight Freedom』に収録された楽曲(フランク・オーシャン「Super Rich Kids」カヴァーなど)や即興を演奏してイベントを終え、夜にはこの日、六本木でライブを行っていたヤコブ・ブロのライブに行って、ワンカップの日本酒を片手にヤコブのソロギターのパフォーマンスを興味深そうに見つめていた。ジェフは今でもギターを研究し続けているんだなと思った光景だった。
(了)

■ジェフ・パーカー、『The New Breed』メンバーとの来日公演

 今年5月、コットンクラブでのスコット・アメンドラ・バンドの公演(5/11〜13)に始まり、タワーレコード渋谷店でのソロのインストア(5/14)、トータスのビルボードライブ東京(5/15、5/17)と大阪(5/19)での単独公演、更にはGREENROOM FESTIVAL ‘17の2日目(5/21)の〈GOOD WAVE〉ステージでトリを務めたトータスのメンバーとして、11日間に14公演を行ったジェフ・パーカー。
 
 すでにライヴ会場等では、仮フライヤーで告知されていましたが、ジェフ・パーカーの傑作アルバム『The New Breed』のレコーディング・メンバーを従えての初の単独来日公演が、正式に決定致しました。
日程は、8月14日(月)、15日(火)、16日(水)の三日間で、会場はコットンクラブになります。
 ジェフの他、ベースにポール・ブライアン、サックスにジョシュ・ジョンソン、ドラマーにジャマイア・ウィリアムスを迎えての4人編成での公演となります。

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JEFF PARKER & THE NEW BREED
ジェフ・パーカー & ザ・ニュー・ブリード

2017. 8.14.mon - 8.16.wed
[1st.show] open 5:00pm / start 6:30pm
[2nd.show] open 8:00pm / start 9:00pm

MEMBER
Jeff Parker (g,sampler)
Josh Johnson (sax,key)
Paul Bryan (b,key)
Jamire Williams (ds,sampler)

https://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/jeff-parker/

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 ポール・ブライアンは、『The New Breed』にはジェフとともにプロデュースを担当し、録音・ミックスも手掛けています。
ポールはジャズ畑というよりもロック、ポップス系の作品で有名で、エイミー・マンのプロデュース(最新作『Mental Illness』も含め、2006年の『One More Drifter in the Snow,』以来の全アルバムを担当)やミシェル・ンデゲオチェロのツアー・メンバー、アラン・トゥーサンやノラ・ジョーンズの作品にもレコーディング・メンバーとして参加しています。
 ジョシュ・ジョンソンは、エスペランサ・スポルディングやミゲル・アトウッド・ファーガソンとも共演してきており、今回の来日ではサックス以外、キーボードでも参加予定。
ジャマイア・ウィリアムスは、ロバート・グラスパーの高校の後輩でロバート・グラスパー・トリオのメンバーでもあり、先鋭的ジャズ・コレクティヴ、エリマージも率いる新世代ドラマー。
カルロス・ニーニョのプロデュースのソロ・アルバム『///// EFFECTUAL』をLeaving Recordsから(日本盤もP-VINEより)リリースしたばかりで、日本でも注目度は高まっています。

 3月にはNY、4月にはヨーロッパで開催され、絶賛されたこの『The New Breed』のレコーディング・メンバーとのスペシャル・ライヴ「JEFF PARKER & THE NEW BREED」が日本でも開催されます。この貴重なチャンスを是非お見逃しなく。

Minimalista - ele-king

 個人的な話ですが、最近Gracyというメーカーのドラムセットを買った。60年代のジャパニーズ・ヴィンテージで、推測するにラディックやグレッチがまだ日本において高価で貴重だった時代に作られたコピーモデルである。悪い言い方をしたらパチモンだけど、やはり楽器が50年も経っていると何とも言えない音がする。ホンマモンヴィンテージのように、叩いた瞬間「これこれ」とか「レコードで聴いたことある音だ」という感じは薄いけど、「なんかいいね」といった感じ。当時の職人の顔が浮かぶような。
 ドラムセットとアルバムを比較するのもどうかと思うが、ミニマリスタことタレス・シルヴァのセカンド・アルバム『Banzo』には、何か過ぎない魅力がある。

 「that was the ideia, to mix old and new sounds」
 インタヴューとまでは言えないが、今作のプロデュースを手掛けているレオナルド・マルケスに下手な英語で「よかったよ」とメールをしてみたらこんな返事がきた。
 今作が録音されたベロオリゾンテから少し離れたところにあるらしいマルケス所有のスタジオ(www.ilhadocorvo.com)の写真を見ると、オープンリールやヴィンテージ楽器、マイクなどが目を引く。そして、もちろんDAWも写りこんでいる。サウンドを聴きながら、写真を眺めていると、ヴィンテージの質感だけに拘っているわけでもなく、音をいじりとおしているわけでもなく、マルケスの言葉通りの質感を得ていることが伝わってくる。なんていうか、素直。インディのよさが詰まっている。ルサンチマン以上に、僕たちから素直さを取ったら困るのは僕たち自身だろう。
 #1“O Peso (feat. Gui Amabis)”は、ブラジリアン・サイケらしいファズのリフから幕を開ける。うるさくないのは、ムタンチスやオス・ブラゾンェスの反省を内包していると言ったら言い過ぎだろうか(どちらも好きです……)。歌、ギター、チェロ、ドラムという編成は名前通りか。曲構成に合わせて最小限でのビルドアップもいいが、1:55で、すっと抑えるところが気持ちいい。#2“Fogo no Rabo”は、勝手な印象だが、パルチード・アルトぽいリズムを、インディ・フォーク風に、という趣がいい。リズムギターは、ドラムと呼応するようで、ドラマーは不必要にはハットを刻まなくてよくなる。#3“Grito Rouco (feat. Teago Oliveira)”は、アルバム中最高のアンサンブル。隙間を抜き合う楽器の上を、ドライでもなく熱くもない歌がいく。
 ここまで聴いただけでも、ブラジルらしさと、マルケス・プロデュースらしいインディ・フォークの潮流のミックスがいいのだが、そこには、よく知っているものはさりげなく、新しいものを取り入れるというよりはいいものはミックスする、というようなライトな奥ゆかしさみたいなものが通底していることに気付く。音にも、歌にも、リズムにも、効果音にも、編集にも。地味と言えばそうかもしれないが、そこがよくて、かっこいいとか、おしゃれとか、すごいとかいうことを、全然浮かばせないところにこの作品の魅力がある気がする。……「気持ちいい」はいいじゃないですか、ブラジルだし。

 余談になるが、今作のドラムの音もラディックとも少し違う味わいがあったので、聞いてみたら、Pinguimというブラジリアン・ヴィンテージのセットを使ったらしく、やはりそれもラディックのコピーモデルらしい(スネアはラディックを使用とのこと)。Gracyとまったく同じで少し嬉しくなった。購入した時、舞い上がってSNSに写真を載せたところ真っ先にコメントをくれたのは、マルケスだった。
 CDの作りが凝っているのもいいのだが、願わくはいつかアナログで聴きたい。そして、『クルビ・ダ・エスキーナ』を聴きたくなった。

Gladdy Unlimited - ele-king

 2015年に他界した、ジャマイカのレゲエ黄金時代を60年代から支えてきた天才ピアニスト/プロデューサーのグラッドストーン・アンダーソンを讃えるイベント「Gladdy Unlimited」が、10月6日渋谷クアトロにて開催される。出演は、KODAMA AND THE DUB STATION BANDとMatt Sounds。
 グラッドストーン・アンダーソンといえば、ハリー・ムンディの〈Moodisc〉からリリースしたちょっとメロウなインスト作品もいまだクラシックとして人気で、日本の先駆的レゲエ・レーベル〈Overheat〉からも素晴らしいオリジナル盤を何枚も残しています。同レーベルから出ている、1987年のミュート・ビートとのライヴを収録した『Gladdy meets Mute Beat 1987 February. 14』もその当時の熱気を伝える貴重な作品です。そこには、当時のミュート・ビートのすごさも記録されているわけですが、今回の「Gladdy Unlimited」では、バンド演奏でのこだま和文が見れるのも楽しみのひとつです。数々のレゲエ・リジェンドたちのバック演奏を務めてきたMatt Soundsの演奏にも期待しましょう。
 10月6日とまだまだ先の話ですが、いまのうちから予定を空けておきます。
 

 

OVERHEAT MUSIC Presents Gladdy Unlimited

出演:KODAMA AND THE DUB STATION BAND、Matt Sounds
Selector:Tommy Far East

会場:渋谷クラブクアトロ
公演日:2017年10月6日(金)
19:00 開場 20:00 開演
前売り 4,500円(ドリンク代別)
当日 5,000円(ドリンク代別)
チケット発売日:2017年8月19日(土)
主催:株式会社OVERHEAT MUSIC
問い合わせ::OVERHEAT MUSIC(03-­‐3406-­‐8970)
発売所:ぴあ、ローソン、e+

https://www.overheat.com/g_unlimited/


●Gladdy Unlimitedとは?
 50年代末にジャマイカで産まれた音楽が地球の裏側のここ日本でも幅広く認知されるようになり、ジャマイカン・テイストの音楽がポピュラリティを得た。それは多くの日本のセレクター、シンガー、バンドがその魅力に気づき、ジャマイカのクオリティを手に入れてパフォーマンスすることができたからだ。
 世界的に見てもこのジャマイカ音楽が持っているオリジナリティとクリエイティブなアイディアは偉大だ。
 この独自のジャマイカ音楽を創り上げてきた草創期(1960年代〜)に大きく貢献したのがピアニスト、シンガー、プロデューサーであったGladstone ”Gladdy” Andersonである。彼は2015年に他界したが、彼の功績を讃えようと16年からスタートしたイベントが「Gladdy Unlimited」。同年5月には、彼の残した曲を愛する人たちによって「Tribute to Gladdy」と言うイベントが代官山UNITで開催され大盛況であった。

 現在の東京でおそらく最も熱望されている2つのバンドが、この「Gladdy Unlimited」でGladdyへの想いをひとつに初共演。こだま和文(THE DUB STATION BAND)は過去にGladdyと共演、レコーディングの経験もあり、Matt SoundsはGladdyのデモ曲をライヴで演奏しレコーディングもした。

-Gladstone Anderson (1934〜2015)-
 ジャマイカのセント・アンドリューで生まれトレンチ・タウンに移り、50年代末期から伯父のオウブレイ・アダムスの手ほどきでピアノを習得しカリプソ、メント、R&R、R&Bなどをプレイし、愛称はGladdyと呼ばれた。彼の才能を見抜いたデューク・リードが主宰したトレジャー・アイル・レーベルを始めとして、コクソン・ドッドのスタジオ・ワン、レスリー・コングのビバリーズ、ソニア・ポテンジャーのゲイ・フィートなどで数えきれないほどのセッションをしたピアニスト、シンガー、プロデューサーである。盟友ストレンジャー・コールは「60年代のレコーディングの80%はグラディが参加していた」と言う。スカタライツやドラゴニアーズがツアーなどを始める前のオリジナル・メンバーでもあり、ドン・ドラモンド、トミー・マクック、ジャッキー・ミットゥ、ローランド・アルフォンソ、リン・テイト、ボブ・マーリィ、ジミー・クリフ達ともレコーディング、さらに70年代後期から80年代にレゲエの時代を作ったレボリューショナリーズ、ルーツ・ラディックスなどでも活躍。
文字通り″ジャマイカン・ミュージックの父″であり、ジャマイカ音楽の黎明期に絶大な貢献を果たした伝説のキーボーディスト。
 彼をメインにしたドキュメント映画『ラフン・タフ』(監督:石井志津男 1987年制作)がある。Mute Beatとはジョイント・ライヴ(DVD『Gladdy meets Mute Beat』)とレコーディング曲「Something Special」もある。来日は4回。
OVERHEAT Records発売アルバム:『Don’t Look Back』(1985),『Caribbean Sunset』(1987),『Caribbean Breeze』(1989),『Piano In Harmony』(1994),『Gladdy’s Double Score』(2010)

■出演アーティスト

KODAMA AND THE DUB STATION BAND
こだま和文は、80年代を駆け抜けたジャパニーズ・DUBバンド、MUTE BEATのリーダーとして活躍。その後ソロ・トランぺッターとしてアルバムをリリース、現在は精鋭THE DUB STATION BANDを率いて、唯一無二のライヴを行っている。最新12インチ・シングルは「ひまわり」。メンバーはHAKASE-SUN(Key)、森俊也(Dr)、コウチ(B)、AKIHIRO(G) 。

MATT SOUNDS

2014年のキース&テックスのバックから始まり、カールトン&ザ・シューズ、リロイ・シブルス、ストレンジャー・コール、クリストファー・エリス、BBシートンらのバックを努め、彼らから「こんないいバンドがあったのか?」と驚嘆されてきた。60年代ジャマイカ音楽の黄金期を再現できる世界でも稀なバンドがMatt Sounds。16年4月、故“Gladdy”Andersonのデモ曲「How Good And How Pleasant」をレコーディングし7インチ・デビュー。2017年4月待望のファースト・アルバム『Matt Sounds』をリリース。レコーディング、ミックス、マスタリング、プレスにまで拘ったアルバムは、多方面から高い評価を受けている。 アルバムに収録された黒澤明監督の映画「七人の侍」のテーマ曲のSKAカバーは、シングル・カットされ話題。森俊也、外池満広、小粥鐵人、秋廣真一郎を中心に小西英理、大和田BAKUに加えライヴではホーンセクション(西内徹、黄啓傑、永田直、大沢広一郎)も加わり10人になる。

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