「AY」と一致するもの

cyclo. - ele-king

 2001年に〈ラスターノートン〉からリリースされた、池田亮司とカールステン・ニコライによるユニット cyclo. のファースト・アルバム『. (ドット)』。ソフトウェアの計算ミスなどの「エラー」をテーマとした同作は、パルス音を駆使したグリッチ~ミニマルの名作だが、長らく廃盤となっていたため探し回っていた方も多いだろう。そんな同作が7月30日、装いも新たにリイシューされる。未聴の方はこの機会にぜひ。

世界のエレクトロニック・ミュージック~現代アート・シーンをリードする2人の天才アーティスト、池田亮司とカールステン・ニコライによるユニット cyclo. の原点となる 1st アルバムがパッケージも新たに奇跡のリイシュー! ソフトウェアの“エラー”から生まれた純粋なデジタル・サウンドのリズミカルなビートが構築していく小宇宙。

品番: PDIP-6564
発売日: 2017/07/30 (日)
タイトル: . (ドット)
アーティスト: cyclo. (サイクロ)
本体価格: 2,300円+税
フォーマット: 国内盤CD
JANコード: 4532813535647
レーベル: p*dis / Inpartmaint Inc.

※再発盤/紙ジャケット仕様
※ライナーノーツ付
解説: 國崎晋 (サウンド&レコーディング・マガジン編集人)

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https://www.inpartmaint.com/site/20358/

ATOLS - ele-king

 最近日本の音楽の話題はコーネリアスで持ちきりだけれど、先日リリースされたばかりの『Mellow Waves』を買ったあなたは、このATOLSのこともチェックしておかなければならない。いやもちろん、知っている人はずっと知っていたと思うが、彼は90年代のIDMに影響を受けたプロデューサー兼ヒューマンビートボクサーで、かつて『サンレコ』誌にて実施されたコーネリアスのリミックス・コンテストでは優秀賞を授かっており、すでに多くのアルバムをリリースしている。
 そんな彼がここ数ヶ月、立て続けに興味深いリリースを続けている。まずは3月に発表された“常世”を聴いてほしい。

 よく知られているように、日本はとうの昔に高齢化社会を迎え、その後高齢社会も通り越して、いまや超高齢社会となっているわけだけれど、ではそんな社会における音楽やサブカルチャーっていったい何なのだろうか? そんな疑問を投げかけているのがこの“常世”である。「Tokyo」と「Tokoyo」がかかっているのもおもしろい。
 その後、5月初頭に壮大なエレクトロニック・チューン“Future Weapon”をリリースしたATOLSは、続けざまに新たなシングル曲“リアリティーのダンス”を発表している。

 ダンスホールである。この曲は昨年のリアーナやドレイクの文脈へと接続することができるし、さらにエクスペリメンタルな要素が加わればイキノックスまで橋を架けることも可能だろう。“常世”にせよ“リアリティーのダンス”にせよ、ATOLSはたしかに「いま」を見つめている。今後の彼の動向から目が離せない。

Félicia Atkinson - ele-king

 フランスの電子音楽家フェリシア・アトキンソンの新作が〈シェルター・プレス〉からリリースされた。活動初期には〈ホーム・ノーマル〉や〈スペック〉などからアンビエントな作品をリリースしていた彼女だが、2015年に同〈シェルター・プレス〉から発表した『ア・レディメイド・セレモニー』あたりから作風がよりエクスペリメンタルな音響作品へと変化。2016年に〈ルーツ・フェスタ〉の主宰としても知られるアンビエント/サウンド・アーティスト、ジェフリー・キャントゥ=レデスマとのコラボレーション作品『コム・アン・スル・ナルシス』をリリースしたことで、「2010年代的エクスペリメンタル・ミュージック・アーティスト」としての存在感が再浮上してきた(その意味で、フェリシア・アトキンソンの創作活動には2015年前後を境に大きな変化と断絶を聴き取ることは可能のはず)。

 本作『ハンド・イン・ハンド』は、フェリシア・アトキンソンの新たな代表作としてカウントすべき傑作である。少なくとも今年前半にリリースされたエクスペリメンタル・ミュージック/電子音楽の中でも格別の出来栄えを示している。昨年あたりからやや飽和気味ともいえるこの種の音楽にあって個性と洗練が絶妙なバランスで同居している稀なアルバムに仕上がっているのだ。

 ロバート・アシュリーやジョアン・ラ・バーバラなど電子音楽史にその名を残す巨匠たちからインスパイアを受けたとされる本作は、電子音楽/ミュジーク・コンクレートの系譜にあるともいえるが(じっさい、GRMのフェスで演奏されるという)、同時に〈ポッシュ・アイソレーション〉からリリースされるノイズ作品のような衝動と色気が同居するような現代性も強く刻印している。この境界や流域の越境性において、2017年現在のエクスペリメンタル・ミュージック/ノイズ・サウンドとして格別な存在を刻み込んでいるアルバムとなっている。

 楽曲の構造も独特だ。即興と構築の「あいだ」を融解させ、連続と非連続の「はざま」に乾いた電子音や環境音の交錯/構造/結晶体が生成し、消えていき、そしてまた生成する。そこには明確な構造の意志と構造を超えたところに表出する感覚的なモノへの感性がある(彼女自身の「声」が、アルバム全編に渡って、モノローグのように、ポエトリー・リーディングのように挿入/レイヤーされていることも重要だ)。

 アルバムには全10曲(ヴァイナルは2枚組)が収録され、フェリシア・アトキンソンは、コンポジション/ミックスのみならずアートワークまでも手掛けている。
 電子音、環境音、声。そしてアートワーク。それらが「意味」を超えて、質感の官能を露わにしていくことで生まれる新世代の実験性と先進性。そう、本作に蠢く音響は、2017年的な新しいエクスペリメンタル・ミュージックの姿を見事に象徴しているように思えてならないのだ。先端的エクスペリメンタル・ミュージック/電子音楽/実験音楽における最良の作品が、いま、ここに生まれた。2017年前半における最良のエクスペリメンタル・ミュージックである。

Akuphone - ele-king

 ワールド系のぶりぶりのハイブリッド・ミュージックをリリースする超注目のパリの〈アクフォン〉(2015年にスタート、台湾の歌手から江利チエミも発表。パリのサブライム・フリーケンシーですねぇ……)から、2枚の強力盤が出ました。
 まずはコゥ・シン・ムーン(Ko Shin Moon)のアルバム『Ko Shin Moon』。これは、ここ数年のハイブリッドなワールド系エレクトロニック・ミュージックを追っている方にはバッチリです。たとえば、〈Keysound〉からのDusk + Blackdown、あるいは〈Soundway〉からのDébruit & Alsarah……そしてもちろんオマール・スレイマンとか、ワールド系と言えばアフロや中南米(あるいはインドとか)が真っ先に浮かぶと思いますが、しかしそうじゃない、中近東の旋律に目をつけているエレクトロニック・ミュージックの最新強力盤です。
 もう1枚は、ジャケからして何か圧倒的なものを感じるのですが、チベット密教のミステリアスなマントラを実況録音盤です。キンク・ゴングによる『チベタン・ブディズム・トリップ』。ブライアン・ジョーンズの『ジャジューカ』を彷彿させる、未知の体験です。
 完璧に別宇宙に飛びたい方は、ぜひ、チェックしてみてください。


KO SHIN MOON
Ko Shin Moon

Akuphone/カレンテート


KINK GONG
KINK GONG: Tibetan Buddhism Trip

Akuphone/カレンテート


Colin Stetson - ele-king

 人間の吐く息がダイレクトに空気の振動となり、音となる――という、管楽器の身体性が、昨年のボン・イヴェールの傑作『22、ア・ミリオン』に必要であったことは象徴的なことに思える。同作はテーマの抽象性や内省にも関わらずそこに多くの人間がいることが重要であったが――ある種の音楽的コミュニティがそこでは築かれている――、サウンド面ではとりわけ管楽器が多彩な表情をつけることに一役買っていた。そこからは様々な人間の吐く息が聞こえる。そしてそれは、ときに歪められたり加工されたりすることによって、まったく個性的な「声」としてそこで共存している……。

 ボン・イヴェールやアーケイド・ファイア、アニマル・コレクティヴら北米インディ・バンドへの参加で知られるサックス奏者、コリン・ステットソンのソロ作『オール・ディス・アイ・ドゥ・フォー・グローリー』は、一言でいえばバリトン・サックスによるIDMということになるだろう。ステットソンはEX EYEというポスト・メタル、ジャズ・メタル(と、とりあえずはいまのところ呼ばれている。カテゴライズが難しい非常に実験的なメタルということ)・ユニットでも現在活動しているが、いまや北米のエクスペリメンタル・シーンをつなぐ重要人物のひとりである。これまでのソロ作や、同じくアーケイド・ファイアのライヴ・メンバーであったヴァイオリニストであるサラ・ニューフェルドとの共作『ネヴァー・ワー・ザ・ウェイ・シー・ワズ』ではそのミニマルな作風からスティーヴ・ライヒやマイケル・ナイマンと比較されることが多かったが、『オール・ディス~』では本人が明言しているとおり方法論的に雛型となっているのはエイフェックス・ツインであり、IDMである。つまり、複雑に変幻していくリズム感覚と緻密なエディットが大きな聴きどころとなっている。サックスの演奏を多重録音し、そこに少しばかりのリズム、声を加えていく作風はこれまでと同様だ。ただ、ヘンリク・グレツキの交響曲第3番を独自に解釈し、オーケストラと声楽を大きく導入した前作『ソロウ』がある種の過剰さに貫かれていたのとは対照的に、本作では音のレイヤーをぐっと減らし、少ない音を的確に配置していくことによってストイックに耳を興奮させる。
 単一の楽器によるループとその多重録音を骨格とするという点では、たとえばマーク・マクガイアの手法と近いと言えるかもしれないが、マクガイアのギターが醸すリリカルさやスピリチュアリティに比べると、サックスという楽器の特性ゆえかステットソンの吐き出す音はもっと粗暴で生々しく、フィジカルだ。“Like Wolves On The Fold”や“In The Clinches”ではキーをカチャカチャと素早く押さえる音がそのままリズムとなり、ミストーンのノイズや音の乱れもそのまま録音されている。何よりもバリトン・サックスの低音の迫力――ゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーのような重々しさを内包したまま、速弾きの躍動感でドライヴする離れ業がステットソンの魅力だ。本作のオフィシャル・ヴィデオではサックスを狂おしく吹き続けるステットソンの姿とサックスのアップばかりが映されるが、人間の身体からいまその瞬間に放たれる息が音に変換しているというダイナミズムがそこでは運動する。とりわけ、終曲“The Lure Of The Mine”において、13分にわたってウネウネと姿を変えていくサックスの旋律はほとんど官能的ですらある。ミニマルなのに自在に上下するメロディと、荒々しいグルーヴ、聴き手を陶酔と覚醒で翻弄するかのような不敵な構成――スリリング極まりない。

 もうひとり、ボン・イヴェールに参加したプレイヤーのソロ作を紹介したい。ジャスティン・ヴァーノンと同郷のウィスコンシンはオークレアのトランペット奏者、トレヴァー・ハーゲンによるノイズ・アルバム『ワンダータウン』は日本のカセットテープ・レーベルである〈kolo〉からリリースされているが、これがトランペットという楽器の知らなかったポテンシャルを発見するような驚きに満ちている。プリペアド・トランペットによる乾いた高音は悲鳴のように轟き、それは切り刻まれのたうち回る。まるで音それ自体がひとつの生き物のようなのだ。けっして耳触りのいいものではないが、管楽器が呼吸器と繋がっていることを如実に感じさせるような熱がこもっている。そしてそれは、静謐なドローンへとやがて姿を変えていくが、緊迫感に満ちた音楽体験がここにはある。

 ステットソンにしてもハーゲンにしても、2000年代後半からのノイズ/ドローンと地続きのものではあるのだろう。昨年のボニー“プリンス”ビリーとビッチン・バハスのジョイント・ライヴを観たときにも感じたが、USインディ・シーンにおいてアメリカーナやフォーク・シーンとノイズやエクスペリメンタルがシームレスに繋がっていることは、そのサウンドの拡がりにおいて大きな強みとなっている。そこでは雑多な人間の実存を主張するかのように、多様な「声」が複雑にポリフォニックに折り重なっているのである。

Kuniyuki - ele-king

 去るGW中にRDCのために来日したフローティング・ポインツことサム・シェパード、来日中の彼が別の日に、敬意を表しながら札幌プレシャス・ホールでKuniyukiとともにDJしたことは、現在進行形のディープ・ハウス・シーンのなんともじつに“いい話”である。
 シェパードも関わる〈Eglo〉レーベルは、今年に入ってもHenry Wuの12インチを出しているが、そのHenry Wu周辺のロンドンはペックハムのジャズ/アフロ/ハウス/ブロークンビーツのシーン、あるいはフローティング・ポインツの影響を受けているメルボルンやシドニーのハウス・シーン──このあたりはいまもっとも面白い動きを見せている。そして、このアンダーグラウンド・ミュージックのシーンの広がりを証明するかのように、今年、札幌のベテラン・ハウス・プロデューサーのKuniyukiは、DJ Nature、Vakula、Jimpsterらとのコラボレーション音源を集めたCDアルバム、『Mixed Out』を〈Soundofspeed〉からリリースしている。
 で、サム・シェパードはもちろん、Kuniyukiが2002年に発表した「Precious Hall」によって、札幌の伝説的クラブを知っている。(このあたりの流れについては、7月14日発売の紙エレvol.20をご覧いただきたい)
 この度、CDアルバム『Mixed Out』にも収録されていたDJ Sprinkles RemixおよびK15とのコラボレーション音源が12インチ・カットされる。A面はJIMPSTERとの共作をDJ SPRINKLES(鬼才TERRE THAEMLITZ)がリミックス。B面は、いまでは各方面から注目の、Henry Wu周辺のK15(先日カイル・ホールのレーベルからもEPを出したばかり)とのコラボレーション作品。フローティング・ポインツ以降の素晴らしいモダン・フュージョン・ハウスが2ヴァージョン聴ける。CDともどもぜひチェックして欲しい。


Kuniyuki & Friends
A Mix Out Session
Soundofspeed


Kuniyuki & Friends a Mix Out Session
Mixed Out
Soundofspeed

special talk : ISSUGI × CRAM - ele-king


ISSUGI & GRADIS NICE
THE REMIX ALBUM "DAY and NITE"

Pヴァイン

Hip Hop

Amazon Tower HMV iTunes


CRAM & ILL SUGI
Below The Radar

Moevius

Hip Hop

Amazon Tower

 ISSUGIとCRAMの対談をお送りする。CRAMとは、ISSUGIがビートメイカー/DJのGRADIS NICEと共作した『DAY and NITE』のリミックス盤『THE REMIX ALBUM "DAY and NITE"』にリミキサーとして参加したビートメイカーである。ISSUGIとKID FRESINOと5LACKの3人がマイクリレーする“TIME”という哀愁漂う曲を、80年代の“ソーラー・サウンド”を彷彿させるファンク・フレイヴァーと強烈なアタックのビートで構成されたダンサンブルなリミックス・ヴァージョンに生まれ変わらせている。が、これはあくまでもCRAMのひとつの表情であり、彼のサンプリングを主体としたビートはより多彩な表情とウネリを持っている。

 この若き才能、CRAMについてもう少し説明しておこう。彼は1991年生まれ、福岡出身のビートメイカーで自主制作で数多くの作品を発表、bandcampではこれまで創作してきたビートが大量に聴ける。ISSUGIが毎月発表した7インチをコンパイルした『7INC TREE』にもビートを提供、昨年末にはラッパー/ビートメイカー、ILLSUGIとの共作ビート集『BELOW THE RADAR』をリリースしている。手前味噌だが、後者の作品は、僕が運営に関わる『WORDS & SOUNDS』というレヴュー・サイトでも取り上げさせてもらった。また、CRAMは6月末に、すでにbandcampとカセットテープで世に出した『THE DEVIL IN ME』という作品をCD-Rという形で発表する。このスピード感も彼の武器だ。

 例えばトラップだけが新しいラップ・ミュージックであり、ブーム・バップは90s懐古趣味のヒップホップであるという認識を持っている方がいるとすれば、それは安直である、とだけ指摘しておこう。そのように、新旧のスタイルを二項対立で理解できるほどこの音楽文化は単純ではない。ISSUGIを聴いてみるといい。彼は、黒い円盤がターンテーブルの上をグルグル回りながら新しい音を鳴らしていくように、自分のスタイルを堅持しながらラップとサウンドを更新し続けている。CRAMは、サウンド、リリース形態、そのスピード感も含め現在の世界的なビート・ミュージックの盛り上がりに共鳴している。そんな2人によるラップとビートと創作を巡る対話である。まず2人はいつ、どこで出会ったのだろうか。

冗談じゃなく、CRAMは天才だと思ってます。これだけは書いといてください。俺こういうことあんまり言わないんで(笑)。 (ISSUGI)

トロントはそれぞれのシーンが小さいからひとつのパーティにヒップホップのビートメイカーだけじゃなくて、エレクトロとかダブステップの人たちもみんな集まるんです。そこでヒップホップだけじゃないノリも吸収できたかなと思います。 (CRAM)

ISSUGI:たしか福岡の〈CLUB BASE〉で会ってCD-RをもらったときにCRAMとはじめて会いましたね。レーベル面の赤い、黒のレコードの形のCD-Rだったと思う。

CRAM:僕は高校のときにMONJUの3人で出場しているMCバトルの映像を観てはじめて知りました。司会がDARTHREIDERさんでした。

ISSUGI:〈3 ON 3 MC BATTLE〉(〈Da.Me.Records〉と池袋のクラブ〈bed〉が主催していたMCバトル)だ。

CRAM:それからMONJUの『Black.de ep』を聴きました。

『Black.de ep』を最初に聴いたときのインパクトはどんなものでしたか?

CRAM:スネアの音がめっちゃ小さいのにグルーヴがあるのがかっこよかった。90sのヒップホップってドラムの音にインパクトがあって大きいじゃないですか。ドンッドンッダッーン!って。そういうビートとは違うかっこよさがあって16FLIPが好きになりました。

ISSUGI:うれしいですね(笑)。

CRAMくんが2016年にリリースした『Call me 3324"CD-R"』の紹介にBOSSのSP-303、SP-404といったサンプラーを使っていると書かれていますよね。最初からSPで作り始めた感じなんですか?

CRAM:いちばん最初はMacのGarageBandです。それからマッドリブやMFドゥームを知って、SP404の存在も知ったんです。それで当時は安かったのもあって買いました。その後、マッドリブが使っているのが広く知られるようになって、いまはめっちゃ値段が上がってますね。

SPの好きな点、SPでビートを作る理由は何ですか?

CRAM:MPCだと音があたたかくてディラっぽい音になってそれはそれでかっこいいんですけど、SPはデジタルっぽい音、冷たい感じになるのが好きなんです。みんなと違う音を出せるのもいいなって思ったのもありますね。

ISSUGI:俺はCRAMのビートを聴いて、まず音の鳴りがヤバいって感じましたね。それからグルーヴをナチュラルに理解してるなって感じさせるところと、メロディのかっこよさの3つですね。全部のパーツが生き生きしていて意味のある動きをしているんです。しかもデモ音源で聴いてもありえないぐらい音がデカい。マスタリングをしていないのにバッチリ音が出せているのは耳が良い証拠だと思いますね。いまSoundCloudで公開されてる“Ride Or Die”っていうビートもヤバいっすね。

CRAMくんは独自に、ナズやジェイ・ZやレイクウォンといったUSのラッパーのリミックスもかなりやっていますよね。

CRAM:「俺のビートでジェイ・Zが歌っとうや! バリかっけぇ!」っていう感じで始めたのがきっかけでしたね。

ははは。今回、『THE REMIX ALBUM "DAY and NITE"』では、 ISSUGI、KID FRESINO、5LACKがラップする“TIME”をリミックスしています。ISSUGIくんからのディレクションはあったんですか?

ISSUGI:CRAMにはアカペラを全部送ったんですけど、“TIME”は絶対やってほしいと伝えましたね。CRAMにはリミックスを作るセンスがあると思ってるんで、メロディの入ってくる“TIME”をリミックスしてほしかったんです。

CRAM:日本語のラッパーのリミックスは初めてだったんですよ。ISSUGIさんから依頼されたのもあって、最初は意識しすぎて16FLIPに寄せた音になっちゃったりもしたんです。自分の色を出すために何度も作り直しましたね。時間はかかりました。

ISSUGI:でも俺はCRAMに関しては、マジで100%言うことないと思ってる。冗談じゃなく、CRAMは天才だと思ってます。これだけは書いといてください。俺こういうことあんまり言わないんで(笑)。

CRAM:ありがとうございます。

ISSUGI: REMIXって場合によってはビートよりラップの方が前に“走っちゃう”こともあるんです。俺は自分で作った曲のBPMやピッチを数字でおぼえてないけど、俺がラップしている曲だから、ラップが走ってるって俺が感じたらそれは走ってるんですよ。CRAMはその点でバッチリだった。ラップのタイミングをわかってる。CRAMのオリジナルの曲を聴いていてもそこが絶対間違いないとわかってましたね。

CRAM:MASS-HOLEさんとISSUGIさんで対談してる記事があるじゃないですか。

ISSUGI:『1982S THE REMIX ALBUM』をリリースしたときの対談だ。

CRAM:そこでISSUGIさんが自分のラップの乗せるタイミングについてMASS-HOLEさんにけっこう指摘したというのを読んだから、「うわ、これ、バチッとせなイカンやん」って。

ISSUGI:「こいつ、厳しいぞ」って(笑)。

ははは。CRAMくんはビートメイカーとしての基礎というか、リズム感やビート・メイキングする際の感覚をどのように手に入れていきましたか。

CRAM:ひとつはトロントですかね。カナダのトロントに一時期住んでいて、そこで感じた海外のノリがめちゃくちゃ新鮮でした。トロントはそれぞれのシーンが小さいからひとつのパーティにヒップホップのビートメイカーだけじゃなくて、エレクトロとかダブステップの人たちもみんな集まるんです。そこでヒップホップだけじゃないノリも吸収できたかなと思います。SoundCloudを通じて知り合った友だちのビートメイカー、CYがたまたまトロントに住んでたんです。一緒にパーティに遊びに行ったんですけど、そこで「『SP持ってきて!』って言えばよかったねー!」って言われて、「いや、実は……」ってバッグに忍ばせていたSPを取り出してライヴしたんですよ。そしたら、「お前、ヤバいから次もライヴして!」ってなって、トロントのシーンに乗り込んでったっすね(笑)。

ISSUGI:いいね、いいね。

ところで、ISSUGIくんは『THE REMIX ALBUM "DAY and NITE"』をどのように作っていったんですか?

ISSUGI:リミックス・アルバムを作ること自体、超久々だったので楽しんで作りましたね。『Thursday』のときに5曲のリミックスを入れた作品(『THURSDAY INSTRUMENTAL & REMIXES』)を出したり、それ以降、曲単位でのリミックスはありましたけど。今回はメロウな感覚がいつもより2割増しぐらいで出ましたね(笑)。それと新曲が何曲かあると聴く人も楽しいと思って新曲も入れてます。

“SPITTA feat. FEBB (Prod. by MASS-HOLE)”と“RHYZMIK & POET (Prod. by FEBB)”の2曲が新曲ですよね。“D N N”はNYのブロンクスのGWOP SULLIVANっていうビートメイカーが作ってますね。

ISSUGI:そうですね。“D N N”は新曲ではなくて、ある曲のタイトルを変えてみましたね。GWOP SULLIVANはO.C.のアルバム(『SAME MOON SAME SUN』)の“Serious”っていうビートを聴いて超ヤバいなと思ったのがきっかけですね。

仙人掌をフィーチャーした“MID NITE MOVE”はGRADIS NICEと16FLIPの2曲のリミックスがありますね。

ISSUGI:同じ曲のリミックスが2曲入っているのがリミックス・アルバムっぽいなって思って入れましたね。だから、自分がリミックス・アルバムと思う要素を詰め込んで作りましたね。このGRADIS(NICE)のリミックスは、俺が(ラップを)乗せたいと思うビートを選んで作ったんですよね。

ISSUGIくんとCRAMくんにはビートの共作のやり方や考え方についても聞きたいですね。ISSUGIくんがいまFRESH!でやっているレギュラー番組の「7INC TREE -TREE & CHAMBR-」ではBUDAMUNKと共作する様子を放送したりしてますし、本作の冒頭曲“BLAZE UP”は JJJがドラムで、プロデュースは16FLIPとクレジットされてますよね。一方、CRAMくんもこれまでAru-2との『MOVIUS ROOPS EP』、ILLSUGIとの『BELOW THE RADAR』といった作品もあります。

CRAM:『BELOW THE RADAR』に入っている曲は、ILLSUGIが「これ、良くね?」とか言ってネタを選んで、僕は「うーん、どうだろう、でもやってみるか!」と思いながらSP404を駆使してかっこよくしていきました。

ISSUGI:はははは。CRAMが組み立てていったの?

CRAM:あの曲に関してはそうですね。ILLSUGIが上ネタのシーケンスを組んで、僕がドラムを打ちました。それでかっこよかったらアルバムに入れようって感じでした。『MOVIUS ROOPS EP』の場合は、まずAru-2がピロ~ッてシンセを弾いただけの、ビートもない、BPMもあってないような音を送ってきたんです。そういう、「これをどう使うの?」みたいな素材をチョップしたりフリップしたりして組み立てていきました。そうやって頭を捻って考えて作るのが好きなんですよね。

ISSUGI:俺は人が打ったドラムに自分がネタを入れるのが好きですね。“BLAZE UP”も最初にJ(JJJ)がドラム・ループだけ送ってきたんですよ。「何かを入れて返してください」という感じで。元々は今回のリミックス・アルバム用ではなかったんですけど、そのドラムが気に入ったから上ネタだけ入れて返すタイミングで、「リミックス・アルバムで使わせてもらえないか?」と頼んでOKしてもらいました。そこからベースとかを足してビートとして完成させましたね。すごく気に入っています。

RAPも含めてドラムからどのパートも前に行っちゃダメだっていうのはありますね。 (ISSUGI)

鼻唄で「フンフン~♪」って歌えるのが僕は良い曲だと思います。音楽やっていない人もつかめるのも大事だと思いますし、そこは意識していますね。 (CRAM)

「7INC TREE -TREE & CHAMBR-」の第2回目の放送でBUDAMUNKのビートにISSUGIくんが上ネタを足していくシーンがあるじゃないですか。ビートをループさせて、あるフレーズをいろんなタイミングで鍵盤で弾いて被せたりしていましたよね。

ISSUGI:これまでに曲を作りまくってきてるんで、ここで終わりだっていうタイミングが自分のなかにあってそこに入れていくんです。そこに入れられたら完成でストップしますね。

CRAM:僕もそこを見つけたらそれ以上は深く考えないで終わりにしますね。それ以上やるとドツボにハマっちゃうんで。ピッて止めますね。

ISSUGIくんはラップのレコーディングにもそんなに時間をかけない印象があるんですけど、ラップに関してはどうですか? 一発OKが多いですか?

ISSUGI:1回で録れるときもあるけど、ハマるときはもちろんありますよ。10回とか15回とか録り直すときもある。

CRAM:ハマったときはどうするんですか?

ISSUGI:くり返し録り直しているときは、リリックやフロウというよりも、ビートにラップを乗せるタイミングを調整しているね。速過ぎてもダメだし、遅過ぎてもダメだから。1小節めから16小節めまですべてが自分の頭のなかにあるリズムで置けたときにひとつのヴァースが完成じゃないですか。それと気持ちですね。その2つです。

さきほどISSUGIくんが、ラップがビートよりも先に“走っちゃう”とダメだという話をしていましたよね。その感覚はとても面白いと思いました。

ISSUGI:いまの時代はいろんな音のバランスでグルーヴを作ることができるので、グルーヴに関してもいろんな考え方があると思うんです。記憶が曖昧なので違ってたら申し訳ないんですけど確かマイルス・デイヴィスがどの楽器の演奏もドラムより絶対先に走っちゃいけないと語っていたんです。それを知ったとき、間違いないなと思いました。自分のなかの基本もそれなんですよね。RAPも含めてドラムからどのパートも前に行っちゃダメだっていうのはありますね。

なるほど。

ISSUGI:俺が好きで聴いているUSのラッパーとかミュージシャンの多くが当たり前に持っている感覚だと思うんです。黒人のラッパーでラップが走ってるヤツとか余り聴いた事ないので。多分HIPHOPの前にJAZZとかSOULとかがあったからだと思うんですけど、日本の音楽は走ってるなと思うときもありますね。ちょっと前にJJJが面白いことを言ってたんです。Jが福岡のクラブのイベントに行った時、フロアでずーっとビートを裏でノッてるヤツがいたらしいんですけど、Jは「こいつだけ裏でノッテルな」と思ってたらしくて、その日ビートのショウケースを観たらそいつが出てきてそれがCRAMだったんですよね。ビートを聴いたら「やっぱりヤバかった」って言ってて。CRAMはリズムキープの感じもやばいと思いますね。とぎれず円を描くようなループの感じ。

CRAMくんは、創作における鉄則というか、曲作りやビート・メイキングに関して意識していることはありますか?

CRAM:鼻唄で「フンフン~♪」って歌えるのが僕は良い曲だと思います。音楽やっていない人もつかめるのも大事だと思いますし、そこは意識していますね。だから、メロディアスなビートが僕は好きですね。

あと、「7INC TREE -TREE & CHAMBR-」でISSUGIくんがBUDAMUNKに「ファンクとは何か?」と訊くシーンがあって、これまでISSUGIくんがファンクという言葉を使っているのをあまり聞いたことがなかったのもあって興味深かったです。

ISSUGI:そうなんすよ。俺、最近ファンクが超気になっちゃってるんです。fitz(fitz ambro$e/ビートメイカー)っていうヤツが、〈Weeken'〉で俺がDJ終わったあとに、「超DJヤバかったよ。ファンクを感じたね」って言ってくれたことがあったんです。TRASMUNDOのハマさんにも「ISSUGIくんはファンキーだよね」って言われて、「俺ってファンキーなのかな?」ってここ最近考えることがあって。

CRAM:はははは。

ISSUGI:俺はBUDAくんからファンクを感じてきたんです。それは、ジェームズ・ブラウンのファンクというよりも、例えばエリック・サーモンやDJクイックに感じるファンクのことなんです。それでBUDAくんにああいう質問をしたんです。

そのときにBUDAMUNKが「動きが滑らかで流れてる感じ」というような表現をしていましたね。

ISSUGI:そうですね。言葉で説明するのは難しいけどノれる感じとかも言ってくれたときがあった気がしますね。それが動きがあるって事なのかなと思って。クールな感じのベースラインにも感じるし両方ありますよね。
 話変わるんですけどCRAMとILLSUGIのビートライヴ見た事ない人は出てるパーティに遊びにいってみて欲しいですね。ノリ方を目撃すると、「こいつらマジで音にノってんな」って伝わってくる。ビートライヴをやり出したらハンパじゃないなと思わせるものがあるんですよね。それがやっぱり音楽じゃないですか。CRAMがクラブでよくかける自分で作ったジェイ・Zのブレンドとかもハンパないです。

CRAM:あと、僕はいまのリル・ヨッティとかも好きなんですよ。それはチャラくてもノれるし、ラップが120点で上手いと思う。ジェイ・Zにもチャラい曲があったりするけど、確実にノリがあるんですよ。僕もそういう音楽が好きですね。

ISSUGIくんはリミックス・アルバムを出したばかりで、「7INC TREE -TREE & CHAMBR-」も進行中ですけど、2人は近い未来はどんな風に活動していく感じですか?

ISSUGI:〈Dogear〉からCRAMの作品を今年出したいと思ってます。CRAMは自分的に絶対にヤバいですから。「7INC TREE -TREE & CHAMBR-」では7インチをリリースする以外にもCRAMもそうだし、自分の周りのかっこいいやつを紹介できればと思ってます。あと例えばレコードをプレスしたり、スニーカーを探しに行くとか、あとはTOURの映像とかヒップホップが好きなヤツだったら楽しめる番組にしていければと思ってますね。

CRAMくんのアルバム、楽しみにしてます!

CRAM:ありがとうございます!

You me - ele-king

FORESTLIMITで聴いて良いと思った曲

RAMZA × TAKCOM - ele-king


Pessim (short film) from takcom™ on Vimeo.


「郊外」という場所が浮かび上がるのは時間の問題だったのかもしれない。

 この20年あまりのあいだにJポップのフィールドが空洞化していくのに並行して、日本各地で勃興したインディペンデントな音楽たち。その背景にはいうまでもなく、郊外のベッド・ルームから直接に作品を発表できるインターネットの普及があった。それはいままでの一極集中だった日本の音楽産業の脱中心化とも呼べる状況を引き起こしたのだけれど、神戸のニュータウン出身のインターネット世代のアーティストの代表格、TOFUBEATSがその素晴らしい最新アルバムでするどく問題提起したように、そうしたゲームのルールの変化を無邪気に祝福する事態でもなくなっているようだ。

 現在インターネットについてゆるやかに共有される「すべてあるようでなにもない」といった感覚は実は、濃密な歴史をもたない郊外やニュータウンについてよく口にされてきた常套句でもある。あらゆるものにイージーにアクセス可能なのに、なにか決定的なものが奪われてしまっている感覚。考えてみれば、インターネットという「場所」は、中心を持たないフラットな空間性、歴史を欠いたデータのカタログ化、フェイクとリアルがごちゃ混ぜになった噂話のエコー・チェンバー……といったいくつかの意味で、郊外という場所をつよく思わせる。郊外のニュータウンもインターネットも、すくなくともその誕生時には未来への夢を仮託されて創りだされたものなのだけれど、どうやらその夢の中身は必ずしも輝かしいものとは限らない、ということらしい。

 映像作家のTAKCOMが監督した『PESSIM』というショート・フィルムは、つまりはそんな郊外をめぐる磁場をすくなからず無意識に共有し、また別の角度から照射しているように思える。知っての通りこの映像作品は、東海地方のアンダーグラウンドなラップ・ミュージックの屋台骨をつくってきたビート・メイカー、RAMZAの同タイトルのファースト・アルバムから生み出された。RAMZAの作品には、エディットされたATOSONEのラップの断片が登場するだけで、アレサ・フランクリンを始めとするソウル・ミュージックのサンプルはあくまで音の断片としてその意味を剝ぎとられている。光根恭平と宮本彩菜をキャスティングし、VFXを抑制的に駆使したTAKCOMのフィルムにも、セリフらしいセリフはなく、ただ「郊外の悪夢」という短いシノプシスが添えられているだけ。両者ともにとても寡黙だ。

 しかし、郊外生まれのふたりの作家が創りだしたふたつの『PESSIM』には、20世紀に形成された日本の郊外という場所に由来する、強烈なイメージがそれぞれ棲みついている。郊外というのは不思議な場所で、各地のそれぞれの違う文脈の中で造形されながら、ひとめで「郊外的」としか言いようのない、なにか共通の感覚を思い起こさせる。その感覚はグローバルなものだ。郊外の風景は世界中どこでもよく似ているから、郊外生まれの人間はまるで移住性の鳥のように、遠く見知らぬ場所にさえデジャヴにも似た郷愁を抱く。都市の構造的にいって、いわばこの世界の人口の大半は郊外をその故郷にしているのだ。

 それにしても「郊外の悪夢」というイメージは示唆的だ。今年のはじめに大きな波紋を呼んだWIRED JAPANの記事「ニーズに死を」のきっかけは、去年の大統領選以降のアメリカの混乱にあるのだけれど、そのディストピアSFよろしくの状況の中心にいるドナルド・トランプは、ニューヨークやカリフォルニアといったリベラルな都市部とは真逆の、ラスト・ベルトと呼ばれる打ち棄てられた中西部の郊外の絶望をその源泉のひとつにしている。イギリスのEU離脱を決めたブレクジットへの賛否のマップにおいても、フランス大統領選で決選投票まで進んだ極右候補マリーヌ・ル・ペンの支持率を表すマップにおいても、各地の郊外はグローバルなリベラル都市への反発の色に染まっていた。現在の世界の反動を突き動かしているのは、リベラルな未来の夢を見続ける先進的な都市群への、置き去りにされた郊外からの復讐に見えなくもない。ここ日本に目をむけるなら、スーパー・パワーとして急成長する中国のそばで、あらゆる客観的な統計がかつてのアジアの経済大国の悲観的な未来を描いている現在、もしかすると「日本の郊外」というよりも「郊外としての日本」というイメージのほうが、これから重要になってくるのかもしれない。

 ゴタクはこれくらいにして、最新の情報をアップデートしておく。7月8日にはいよいよ渋谷WWW LOUNGEに凄腕の面子を集めて東京でのリリース・パーティも発表されたRAMZAの『PESSIM』は、盟友FREE BABYRONIA 主宰のインディペンデント・レーベルAUN MUTEからリリースされ、TOFU BEATSやCE$、FUMITAKE TAMURA(BUN)、ATOSONEなどが惜しみない賛辞を捧げている。コラージュ作家も名乗るRAMZAのアートワークが素晴らしいのでぜひフィジカル盤を手に取ってほしいけれど、反響にこたえてデジタルでの配信も始まった。
 TAKCOMのほうの『PESSIM』は、カルチャー・メディア『HIGHSNOBIETY』でプレミア上映され、最近ではTAKCOMの単独インタヴューも公開されるなど、海外メディアからもじわじわと注目を集めているようだ。プレミアに前後してひっそりとオープンされた公式サイトには、「ビート・サイエンス・フィクショニストは郊外の悪夢を見るか?  Does the Beat Science Fictionist Dream of Suburban Nightmare? 」と題した文章も寄稿させてもらった。モティーフは夢と、サイエンス・フィクションと、そして象徴としての郊外だ。重要なインスピレーションを与えてくれたふたりの作家に感謝する。(泉智)


■ PESSIM SHORTFILM オフィシャル・サイト(JAPANESE & ENGLISH)

https://www.pessim-shortfilm.com/

■ RAMZA 『PESSIM』 RELEASE PARTY 7/8(Sat)渋谷WWW LOUNGE

https://www-shibuya.jp/schedule/007855.php


OPEN/START
24:00 / 24:00
ADV./DOOR
¥1,500 / ¥2,000 (税込 / オールスタンディング)
LINE UP
[Beat live] Ramza / Free Babyronia
[Live] Campanella / Nero Imai / DUO TOKYO
[DJ] 行松陽介 / BUSHMIND / DJ HIGH SCHOOL
TICKET
一般発売日:6/3(土)
e+ / RA / WWW店頭
INFORMATION
WWW 03-5458-7685

寺尾紗穂×マヒトゥ・ザ・ピーポー - ele-king

 寺尾紗穂×マヒトゥ・ザ・ピーポー、さらに前野健太。なにが起こるんでしょうか。
先日、マヒトゥ・ザ・ピーポーがギターで参加した、寺尾紗穂の“たよりないもののために”がYoutubeで公開されましたが、みなさんもう聴きました? その言葉と音響に浸ることができたひとたちに、以下のイベントを紹介します。まだ聴いていないひとたちは、ヴィデオを観てみてください。

 寺尾紗穂は6/21に最新アルバム『たよりないもののために』を、そして6/28にはマヒトゥが2ndアルバム『w/ave』をリリースします。6月27日はなにが起こるんでしょうか。詳細は以下にまとめたので、お見逃しなく。

■にじのほし9『月の秘密Prime』

出演:寺尾紗穂×マヒトゥ・ザ・ピーポー/前野健太
日程:2017年6月27日(火)
会場:渋谷WWW(東京都渋谷区宇田川町13-17ライズビル地下/TEL:03-5458-7685)
時間:19:00開場/19:30開演
料金:前売券¥3500+1d/当日券¥4000+1d
※ 一部座席有り/整理番号順入場


■寺尾紗穂
1981年11月7日東京生まれ。
2007年ピアノ弾き語りによるアルバム「御身」が各方面で話題になり,坂本龍一や大貫妙子らから賛辞が寄せられる。大林宣彦監督作品「転校生 さよならあなた」、安藤桃子監督作品「0.5ミリ」、中村真夕監督作品「ナオトひとりっきり」など主題歌の提供も多い。2015年アルバム「楕円の夢」を発表。路上生活経験者による舞踏グループ、ソケリッサとの全国13箇所をまわる「楕円の夢ツアー」を行う他、2010年より毎年青山梅窓院にてビッグイシューを応援する音楽イベント「りんりんふぇす」を主催。昨年リリースの最新アルバム「私の好きなわらべうた」では、日本各地で消えつつあるわらべうたの名曲を発掘、独自のアレンジを試みて、「ミュージックマガジン」誌の「ニッポンの新しいローカル・ミュージック」に選出されるなど注目された。
みちのおくの芸術祭「山形ビエンナーレ」での絵本作家荒井良二とのコラボ、金沢21世紀美術館企画「AIR21:カナザワ・フリンジ」でのソケリッサとの共演など、演奏の場もライブハウスを超えて広がりつつある。
活動はCM音楽制作(ドコモ、無印良品など多数)やナレーション、書評、エッセイやルポなど多岐にわたり、著書に「評伝 川島芳子」(文春新書)、「原発労働者」(講談社現代新書)、戦前のサイパンに暮らした人々に取材した「南洋と私」(リトルモア)。8月に集英社より「あのころのパラオをさがして」を発売予定。平凡社ウェブにて「山姥のいるところ」、本の雑誌ウェブで「私の好きなわらべうた」を連載中。その他資生堂の広報誌「花椿」、高知新聞、北海道新聞でも連載を持つ。6月21日最新アルバム「たよりないもののために」と伊賀航、あだち麗三郎と結成したバンド「冬にわかれて」の7インチを同時発売。
https://www.sahoterao.com/


■マヒトゥ・ザ・ピーポー
2009年 バンドGEZANを大阪にて結成。作詞作曲をおこないボーカルとして音楽活動開始。
2011年沈黙の次に美しい日々をリリース。HEADSの佐々木敦の年間ベスト10のデイスクに選出され、全国流通前にして「ele-king」誌などをはじめ各所でソロアーティストとしてインタビューが掲載されるなど注目が集まる。
2014年、kitiより2ndアルバムPOPCOCOON発売。
2014年には青葉市子とのユニットNUUAMMを結成し、アルバムを発売する。
2015年にはpeepowという別名義でラップアルバム Delete CIPYをK-BOMBらと共に制
作、BLACK SMOKER recordsにてリリース。
2016年には今泉力弥監督の映画の劇伴やCMの音楽などを手がける。
また音楽以外の分野では中国の写真家REN HANGのモデルや国内外のアーティストを自
身の主催レーベル、十三月の甲虫でリリース、
野外フェスである全感覚祭を主催したり、近年は仲間とweb magazine PYOUTHを始
動。ボーダーをまたいだ自由なスタンスで活動している。
2017年 6/28にNUUAMMの2nd album「w/ave」を十三月の甲虫より発売。
https://mahitothepeople.com/


■前野健太
シンガーソングライター。俳優。
1979年埼玉県生まれ。
2007年、自ら立ち上げたレーベル"romance records"より『ロマンスカー』をリリースしデビュー。
2009年、全パートをひとりで演奏、多重録音したアルバム『さみしいだけ』をリリース。2009年元日に東京・吉祥寺の街中で74分1シーン1カットでゲリラ撮影された、ライブドキュメント映画『ライブテープ』(松江哲明監督)に主演。同作は、第22回東京国際映画祭「日本映画・ある視点部門」で作品賞を受賞。
2010年、『新・人間万葉歌~阿久悠作詞』へ参加。桂銀淑(ケイ・ウンスク)「花のように鳥のように」のカバー音源を発表。
2011年、サードアルバム『ファックミー』をリリース。映画『トーキョードリフター』(松江哲明監督)に主演。同年、第14回みうらじゅん賞受賞。
2013年、ジム・オルークをプロデューサーに迎え『オレらは肉の歩く朝』、『ハッピーランチ』2枚のアルバムを発表。
2014年、ライブアルバム『LIVE with SOAPLANDERS 2013-2014』をリリース。文芸誌『すばる』にてエッセイの連載を開始。
2015年、雑誌『Number Do』に初の小説を発表。CDブック『今の時代がいちばんいいよ』をリリース。
2016年、『変態だ』(みうらじゅん原作/安齋肇監督)で初の劇映画主演。ラジオのレギュラー番組『前野健太のラジオ100年後』をスタート。
2017年、『コドモ発射プロジェクト「なむはむだはむ」』(共演:岩井秀人、森山未來)で初の舞台出演。初の単行本となる『百年後』を出版。
https://maenokenta.com/

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