「AY」と一致するもの

威力 - ele-king

a history

フットワークを愛するひとたちへ - ele-king

 いやー、去年末の〈Hyperdub〉ショウ・ケースはすごかった。メインフロアはもちろんですが、セカンドフロアで行われていたWeezyたちによるKata Footwork Clubのダンス・バトルがハンパではなかった。D.J.FulltonoやTrekkie TraxのDJプレイに合わせて、ダンサーたちが激烈フットワークをかましているのを見ていた僕は楽し過ぎて思わず足を踏み出してしまい、危うくバトルがはじまりそうに……。

 そんなスリルを味わったことがある方とフッットワークを心から愛する方へ。今週金曜と来週月曜は彼らのホームであるLIQUIDROOMの2階へ集合しませんか? ダンサーであると同時に優れたプロデューサーでもあるWeezyあらためWeezyTheEra。15日の金曜日は彼のファースト・アルバム『THE FLOOR IS YOURS』のリリース・パーティが開催されます。EXS、sauce81、D.J.Aprilといった彼に馴染み深いDJたちも駆けつけます。もちろんフッチワークをしてもいい……、ハズ。

 そして週明け18日月曜日には、フットワーク・シーンのパイオニアTraxman主催の〈Tekk DJ'z〉に所属すDJ Innesがメルボルンから、Violet Systemsがシカゴから来日します。金曜と同様にD.J.AprilとWeezyTheEraやFruityたちも参加決定。もちろんKata Footwork Clubも集合! 今回もお馴染みのフットワークのレッスンがあるので、これでいきなりバトルに突入してしまっても大丈夫ですね。入場料も金曜日が1000円、月曜日が1500円ととてもお得なので、Let me see your footwork!

2015.5.15 friday
SHINKARON presents WeezyTheEra "THE FLOOR IS YOURS" Release Party!!!

Time Out Cafe & Diner[LIQUIDROOM 2F]
19:00-23:00
door only 1,000yen(with WeezyTheEra's Mix CD)

DJs:
WeezyTheEra(SHINKARON/TH王RA/Kata Footwork Club)
EXS(NTB)
sauce81(disques corde)
D.J.April(Booty Tune)
TEDDMAN(Booty Tune)
Deemc


2015.5.18 monday evening
Battle Train Tokyo feat. Tekk DJ'z

KATA[LIQUIDROOM 2F]
open/start 19:00-23:00
door only 1,500yen

Special Guest DJs:
DJ Innes(Tekk DJ'z from Melbourne)
Violet Systems(Tekk DJ'z from Chicago)
DJs:D.J.April(Booty Tune)
Fruity(SHINKARON)
Kent Alexander(PPP/Paisley Parks/NDG)
TEDDMAN(Booty Tune)
Dance/Footwork:Kata Footwork Club[Murahkey, Re:9, Takuya, Yamato, WeezyTheEra]


▼ DJ Innes(Tekk DJ'z from Melbourne)
Traxman主宰のJuke/Footworkクルー、Tekk DJ'zに所属するオーストラリア在住のDJ。オーストラリアではGaming Cult Podcastという番組を仲間のBoomaらと配信しており、Gaming CultというレーベルとしてもDJ Deeon、DJ Clent、DJ Earl、D.J.Fulltonoらが参加したコンピレーション"Gaming Cult Trax vol.1"やBags & Works参加アーティストDJ TroubleのEP"Eye of the Circle"を発表している。また彼自身も曲を作り、その作品は前述した"Gaming Cult Trax Vol.1"やTekk DJ'zのコンピ"The Tekk DJ'z Compilation Volume 1 Part 2"で聞く事が可能。上記した作品はいずれもBandcampで購入できる。
https://soundcloud.com/djinnes
https://culttrax.bandcamp.com/album/gaming-cult-trax-vol-1

▼Violet Systems(Tekk DJ'z from Chicago)
Traxman主宰のJuke/Footworkクルー、Tekk DJ'zに所属するシカゴ在住のDJ。過去には韓国に住んでいた事もあり日本にも何度か訪れている親アジアな側面もある事から日本のJuke/Footwork愛好家達にも名が知られている。Tekk DJ'zのコンピ"The Tekk DJ'z Compilation Volume 1 Part 1"への参加の他、九州は小倉のJuke/Footwork DJ、naaaaaooooo氏監修のEP"KOKLIFE Vol.1"に参加。またSoundcloud上でも精力的に作品を発表。Bandcampにてこの夏新作EPの発表を予定している。
https://soundcloud.com/entroemcee
https://violetsystems.bandcamp.com

▽ WeezyTheEra(SHINKARON/TH王RA/Kata Footwork Club)
国内ジューク/フットワーク・シーン最初期から活動するオリジナル・ジャパニーズ・フットワーカー。その活動はアグレッシブな高速フットワーク/ダンスだけに留まらず、トラックメイク、DJもこなすオールラウンダーとして国内シーンを支え続けて来た。2014年初夏には日本トップレベルの足技を武器にフットワーク総本山シカゴやニューヨークへ渡り、現地アーティストやダンサーと交流を深め、世界最高峰のフットワーク・クルーTH王RAに電撃加入。日本のキャプテンに指名される。これまでに所属レーベルSHINKARONより「ON NUKES EP」、「ON NUKES LP」をリリースしているほか、外部レーベルのコンピレーションにトラックを複数提供。また、自身のSoundCloudでも定期的に作品を発表している。2015年4月26日に待望のデビュー・アルバム『THE FLOOR IS YOURS』をリリース。今、活躍が最も期待されるアーティスト。BTTではフットワーク・レッスンの講師も務める。
https://weezytheera.wix.com/teklife
https://soundcloud.com/rioqmt
https://weezymarket.bandcamp.com
https://instagram.com/weezytheeralife

▼ D.J.April(Booty Tune)
Hardfloorでシカゴハウスに目覚め、そんなサウンドをのらりくらりと追いかけつつ、Jukeレーベル「Booty Tune」のPR&ARをしております。
https://twitter.com/deejayapril
https://bootytune.com

▼Fruity(SHINKARON)
ジューク/フットワークDJ、トラックメイカー。SHINKARON主宰。2009年パーティー"SHINKARON"を始める。2012年より同名をレーベルとしても始動させ、自身のの他、Weezy、Boogie Mann、吉村元年やDJ Rocなど国内外様々なアーティストの作品をリリースし続けている。2014年3月に1stアルバム"LET DA MUZIK TALK"を発表した。
https://shinkaron.tokyo

JAGATARA - ele-king

 じゃがたらの名曲の数々が、バンドのメンバーだった南流石、EBBY、エマーソン北村らによって演奏される。こだま和文も出演する──となればもう行くしかないですね。
 じゃがたら──永遠に語り継がれるバンド、永遠に演奏される音楽。新世界のホームページに今回のライヴに関する興味深いインタヴューが掲載されているので、どうぞご覧下さい。こだま和文さんのインタヴューには少なからず驚きました。今回は、こだまさんにとって手術後初のステージになるそうです。

※南流石、エマーソン北村・インタヴュー
https://shinsekai9.jp/yorimichi/archives/324
※こだま和文・インタヴュー
https://shinsekai9.jp/yorimichi/archives/332

 昨年は、ele-king booksはOTOさんの『つながった世界──僕のじゃがたら物語』を刊行しました。やはり、いまこんな時代だからこそますます「じゃがたら」っていうのもあると思います。西麻布「新世界」での2days、楽しみです!

じゃがたら新世界2015~Reborn of a ravel song.~

2015年5月22日(金)/5月23日(土)

会場:西麻布「新世界」https://shinsekai9.jp/2015/05/22/jagatarashinsekai1/

出演:南流石(ヴォーカル、ダンス)× EBBY(ヴォーカル、ギター)×エマーソン北村(キーボード)× 西内徹(サックス、フルート)× 服部将典(ベース)× スティーブ エトウ(パーカッション)× 関根真理(パーカッション) 
○ゲストヴォーカル:こだま和文/桑原延享(Deep Count)

料金:予約 4860円(税込)

チケット購入
ピーテックスのみの発売となります。
○5/22→https://peatix.com/event/84881
○5/23→https://peatix.com/event/84886


Blur - ele-king

 最近、英国のショービズ界の上流階級化が盛んにメディアで問題視されているが、その中で時折見かける表現が、「むかしはブラーとオアシスが、ミドルクラス VS ワーキングクラスのバトルを繰り広げたこともあったが、今考えるとブラーなんてのは全然ワーキングクラスだったように思える」というものである。ポップ界があまりにポッシュで線が細くなったため、今振り返ればブラーとオアシスは同じ階級のように思えるのだろう。
 で、それとは全然関係ないのだけれども、本作を聞きながら、あと5年ぐらい経ったらブラーとレディオヘッドは全く同じようなアルバムを作っているんじゃないかと思った。レディオヘッドがだんだんメロウでジャミーなサウンドになり、エレクトロから離れて行く一方で、ブラーはだんだん籠った情報量の多いサウンドになり、ファンキーになっていく。過去四半世紀のUKミュージックの「考えるロックバンド」のツートップである彼らは、クールなUK中年ロックというサウンドにうまく着地している点でイコールだ。結局はそこにあるサウンドが同じものだということなのかもしれないが。
 いずれにせよ、ブラーを中央にすればオアシスとレディオヘッドも繋がっていると思えば、ブラーというのはUKロックの根幹なのかもしれない。政治的に言えば「分厚い中間層」というやつだ。90年代とは違い、今のUKですっかり痩せてしまった層である。

            *****

 『Magic Whip』は随所でむかしのブラーも髣髴とさせる。冒頭の“Lonesome Street”のギター・リフや野太いグルーヴは『Parklife』に入っててもおかしくないし、“Go Out”のユーロ・ディスコ調のノリも“Girls and Boys”や『The Great Escape』の“Entertain Me”を思い出させる。酔った若い兄ちゃんたちがパブで歌ってそうな“Ong Ong“は『The Sunday Sunday Popular Community Song CD』 の“Daisy Bell”と“Let’s All Go Down The Strand”の延長上にある。

 が、こうした懐かしさを随所に残しながらも、『Magic Whip』はちゃんと先に進んでいる。シアトル・グランジの『Blur』、宇宙的な『13』、マラケシュで録音した『Think Tank』に続き、今回は香港だ。ツアーの合間に九龍のスタジオで5日間で録った音源をもとに作ったアルバムだからチャイナがテーマなのだろうが、12年ぶりの最新作のジャケットにこういう絵柄を用い、前作からシームレスに旅を続けている感じになっているのがいかにもブラーらしい。デーモンのソングライティング的に言えば、モダン・カルチャーに対する違和感というテーマはソロ作『Everyday Robots』と同じだが、スローな曲もここではおセンチになり過ぎない(あのソロのメランコリアは個人的にはパロディーかと思ったほどだ)。“Thought I Was a Spaceman”のような陰気なバラードでさえ、アレックス・ジェームズの弾けるベースのリズムとグレアム・コクソンのギターのハミングが入るとメランコリーは希薄になり、そこはかとなく明るく、諧謔的にさえ感じられる。難解さと暗さが中和されてポップに、つまり民衆の音楽になるということだろう。やはりブラーは分厚いミドル層のサウンドなのだ。

           *****

 本作はインスタント・ヒットになるような楽曲が突出している系のアルバムではない。
しかし全体としての曲のつながりというかフロウがとてもナチュラルに流れていて何度聴いても飽きない。こんなアルバムはブラーにはなかったのではないか。
 中でも個人的に素晴らしいと思うのは“Ghost Ship”から“Mirror Ball”までの4曲の流れだ。まったく趣の違う4曲がミドル・テンポという唯一の共通点で違和感なく見事に繋がっていて、さすがはUKの偉大なる「考えるロックバンド」の面目躍如といったところだろう。「考える」の知性派概念に対峙する「感じる」派ヤンキー・バンド、オアシスのほうは再結成するだのしないだのタブロイドを騒がせているが、まったく対照的に、ツアーがキャンセルになって空いた時間にスタジオに入り、ほんの数日でこういう音源をつるっと録音して新作としてあっさり発売してしまうところがブラーのスマートさだ。

 UK総選挙の結果が出た朝にこれを書いているのでわたしの心も原稿も千々に乱れているが、そういえばキャメロン首相がサッチャーよりひどいと言われる理由の一つに、「サッチャー時代は下層からミドルクラスに上って行った人間が多かったが、キャメロンの時代はミドルクラスの下のほうがどんどん下層に落ちてフードバンクに並んでる」というのがある。
 ブレア時代までは存在したUKの分厚い中間層は、遠い過去のブリリアントな幻影になったのである。
 その大いなる損失がUKロック衰退の原因の一つであるということが、ブラーを聴いているとしみじみと濃厚に感じられ、今後5年間のことを思うとわたしの涙はいよいよ止まらなくなる。I’m gutted.

Cankun - ele-king

 カンクン(CANKUN)のヴィンセントとはかつてローブドア(Robedoor)のサポート・メンバーとしてヨーロッパを周遊した際に旅をともにした。〈ノット・ノット・ファン〉からのデビューに裏打ちされるように、彼も当初はまたサン・アロー(Sun Araw)に多大な影響を受けたワンマン・バンドであった……脱力系ギター・ループを主として構築される、いい加減なポスト・コロニアル的世界観、という意味では同じくフランスで活動するハイ・ウルフにかなり近いスタイルからキャリアをスタートさせている。

 しかしたとえばハイ・ウルフことマックスが鋭敏に現在のシーンの動向をうかがっているのに対して、ヴィンセントはどちらかといえばそういったことに無頓着なように思える。イタロ・ディスコやハウスへの造詣の深さとクラウト・ロックへの傾倒、自身は訪れたことがないというメキシコ南東部の土地への朧げなイメージから触発されるトロピカル感覚などをベースとして、シーンとは無関係に、当初からブレることのない要素を彼なりのプログレッシヴ・ロックとして紡ぎ上げてきた。

 前作、『カルチャー・オブ・ピンク(Culture of Pink)』以来2年ぶり、同じくフランスの〈ハンズ・イン・ザ・ダーク〉よりリリースされた新作、『オンリー・ザ・サン・イズ・フル・オブ・ゴールド(Only the Sun Is Full of Gold)』は、サン・アロー以降のあらゆるローファイ・エキゾチカの最終形態、そのもっとも洗練された形と言っていい。前作でのギターによるファンキーな展開は控えめに、70~80年代のカルト・サーフ・ヴィデオのサウンドトラックのように緩やかに進行してゆく厭味のないサイケデリア、過度に極彩色に彩られることのないそれはまさしくVHS越しに観える色褪せた桃源郷の海辺のようでもある。ヴィンセントの別プロジェクトであるアーチャーズ・バイ・ザ・シー(Archers By The Sea)で長年にわたり追求してきたローファイ・エレクトロニクス・サウンドによって投影される仮想の海辺、その舞台が本作ではもっともいかされていると言えよう。

梅雨入りする前にこれを聴きながら海へドライヴに行きたいなぁ……とかたまには僕だって思うんですよ。


Mark Fell / NHK yx Koyxen - Potato tour 2015 - ele-king

 ナイン・インチ・ネイルズからトム・ヨークまでもが「ファン」を表明、先日はパウウェルのレーベル〈Diagonal〉からの新作リリースと、国際舞台での人気もますます上昇、みんな大好きNHK yx コーヘイが凱旋公演!
 今回はいつものパートナー、マーク・フェル(snd)も同行するのだが、もうひとり、な、なんとラッセル・ハズウェル──〈Mego〉系のアーティストで、メルツバウとの共作をワープから出したり、最近はパウウェルのレーベルからもアルバムやら12インチを出しているIDM界の裏巨匠的な変人──も来日する。
 これは、そうとうラジカルな電子音楽の一夜になるだろう。
 この興味深いラインアップに、DJではNOBUが加わる。
 東京公演は、5月22日の代官山ユニット。



(ちなみに、この日からおよそ3週後の6月13日には、NHK作品のリリース元である〈PAN〉のショーケースもあるんだよな。こっちはこっちで、すごいメンツです。テクノ・ファンは、両方行くしかないか)

■NHKコーヘイ・ツアー・スケジュール

5月 . MAY
20日 NHK Special,9 at DOMMUNE
22日 東京 . Tokyo at UNIT
Phantasmagoria - tba
23日 岐阜 . Gifu at EMERALDA
Taxis - with Dj Conqus, Miyata
24日 大阪 . Osaka at NEW OSAKA HOTEL
-:Consep:- - with Microdiet, Metome, Yaporigami, Yuki Aoe, DJ Mayumi☆Killer

30日 大分 . Hita at CMVC
with Microdiet
31日 香川 . Takamatsu at RIZIN

with SIX (Dj Zen x vj ツジタナオト), Dj Takimoto Hideaki, REM PLANET
6月 . JUNE
6日 台北 . Taipei at Korner
7日 香港 . Hong Kong at The Empty Gallery
with Lee Gamble

https://nhkweb.info/potato_tour.htm


 3月29日の晩、代官山ユニットは超満員。オウガ・ユー・アスホールマーク・マグワイヤは初めて対バンした。この鼎談は、ライヴの翌日に収録したもの。
 ミュージシャン同士、それも国が違う者同士が話し合いあうと、面白い発見がある。たとえば、マーク・マッガイアの、オウガの音楽に「ソウル」、つまり、ブラック・ミュージックからの影響を感じたという感想は、いままで日本の音楽メディアで見られなかった。「ノイ!だ」と言うと思っていたのだが、マーク・マグワイヤは「シュギー・オーティスだ」と言った。
 それでは、前口上はこのぐらいにして、どうぞ楽しみを。ちなみに、彼らから最高のプレゼントもある。ライヴのアンコールでの、オウガの「ロープ」にマーク・マグワイヤがギターで参加した当日の動画だ。正直、この演奏を聴いたとき、ele-kingからまた12インチで出したいと思ったほどだったが、彼らは無料で公開しようと言った。なので、いま、みなさんは、この鼎談の最後に、そのブリリアントな演奏を聴くことができます。

オウガ・ユー・アスホール(出戸学、清水隆史、馬渕啓)×マーク・マグワイヤ
司会:野田努=■
通訳:高橋勇人=△


マーク:まだ知ったばかりのバンドだったけれど、一緒にやっても絶対にうまくいくなという確信もりました。一緒にやった曲の音階も好みでしたね。メジャーがきてマイナーがきて……、何という音階かはわからないんですけどね。

出戸:僕たちもわからないです(笑)。

まずは、なぜ今回オウガ・ユー・アスホールの方からマークさんと一緒にやりたいと思ったのかという話しを聞きましょうか。

出戸学(以下、出戸):ホットスタッフの松永くんという僕たちの都内でのライヴの制作をやってくれているひとと、代官山ユニットとの共同で今回の〈””DELAY 2015””〉をやったんです。対バンのツーマンで〈””DELAY””〉という企画をやっていこうと思っていて、それで誰がいいか相談したんですよ。みんなで会議をしていろんな候補が出たときに、「マーク・マグワイヤがいいんじゃないか?」「何とか日本に呼べるかも」ということになったんです。

マーク・マグワイヤ(Mark Mcguire以下、MM):実現してくれて本当に嬉しいです。

清水隆史(以下、清水):音もすごいディレイだし。

MM:ハハハハ。いつもですよね(笑)。

出戸:実際にやってみてどうでしたか?

MM:音も空間もいい会場でしたし、素晴らしいバンドとプレイできて光栄でした。実ははじまるまで少し緊張していたんですよ。ひともたくさん入っていましたからね。アンコールで一緒にオウガ・ユー・アスホールのみなさんとステージに立ったときは、自分の音が大きくなり過ぎないよう、バランスに常に気を使いました。自分ひとりでステージにたつときは、音が全部ミックスされてモニターから聴こえるから音の調性が容易にできます。でも、バンドとなるとその聴こえ方も全然違いますよね。

一緒に“ロープ”をやることはいつ決まったの?

出戸:前日くらいですね。

清水:前々日くらいから一緒にやる?って話がきて、ずっと迷っていたんだよね。

馬渕啓(以下、馬渕):どの曲でやるかということも話してましたね。

俺はたぶん共演するんじゃないかと思っていたけどね。 “ロープ”しかないだろうって。

マークさんはいつ曲を最初に聴いたんですか?

MM:どの今日をやるかはほんの数日前に聞ききました。そのとき僕は大阪のホテルにいて、ギターを弾きながらアイディアを練りました。

マークさんはライヴをやる前にオウガの音楽を聴いたことがあったんですか?

MM:新しいアルバムはまだ聴いていなかったんです。でも最近出た曲を聴かせてもらいましたよ。とても滑らかでサイケデリックなサウンドがとても好きです。まだ知ったばかりのバンドだったけれど、一緒にやっても絶対にうまくいくなという確信もりました。一緒にやった曲の音階も好みでしたね。メジャーがきてマイナーがきて……、何という音階かはわからないんですけどね。

出戸:僕たちもわからないです(笑)。

オウガは自分たちの大きなインスピレーションのひとつにクラウトロックがあって、そこがマークさんと共通するところなのかなと思います。

MM:そうなんですね。たしかに僕にとってもクラウトロックが重要な要素です。とても形式的で衝動的な部分もあり、それなりに技術も必要ですよね。

清水:クラウトロックはずっと聴いていたんですか?

MM:最初にクラウトロックを発見したときはとにかくたくさん聴きました。19歳のときだったと思います。当時に比べたらいまはそこまで聴いてはいませんが、自分自身の重要な核になっています。
きのうオウガのみなさんと話していたんですが、最近はシュギー・オーティスのようなソウルやファンクからもインスピレーションを感じます。

清水:きのうの夜にソウルの話をしたんですよね。

出戸:僕らも黒いのにハマってますからね。

MM:僕がはじめてオウガ・ユー・アスホールを聞いたときにブラックミュージックの要素を感じたんですよ。もちろん、それはひとつの要素に過ぎず、いろんな影響が交ざり合っていて、それらがクリエイティヴなサウンドを織り成しているんだと思います。一緒に“ロープ”を演奏したときには曲や歌から、様々な影響が生み出すダイナミズムを感じましたね。
 きのうも僕がシュギー・オーティスを感じた曲を演奏していたんですが名前が思い出せない……。ギターが印象的でテンポは遅い曲なんですけどね。

清水:なんだろうな“ムダが無いって素晴らしい””かな。

出戸:最近、僕も清水さんからシュギー・オーティスを教えてもらって聴いているんです。

清水:定番というか、再発見系ですよね。

90年代にデヴィッド・バーン発掘したんだよね。オウガはマークさんと一緒にやってみてどうでした?

清水:演奏がすごく丁寧ですよね。

出戸:ギターがすごく上手いと思いました。アンプを使わないでラインで音を出していることにもびっくりしました。そのギターの音色がやっぱり独特なんです。僕らもレコーディングでラインはかなり使いましたけど。

馬渕:ライヴだとやっぱりラインの音は異質感があって面白かったです。

出戸:ラインだけでギターを弾いているひとのライヴって初めてみたかも。

MM:実験的な音楽を演奏するようになってからはずっとラインで弾いていますね。自分はトーンに拘るタイプだったんですが、ラインのトーンに慣れてしまったのでアンプに戻ることはありませんでしたね。それでできたのがいまのスタイルです。

出戸:なるほど(笑)。とても綺麗な音でしたね。

僕もあなたのギターの音が好きです。とくにロングトーンがシンセサイザーみたいに聴こえるんですよね。

MM:ギターと他の音をミックスして出したりもしています。でも基本的にはギターだけでギターだとは思えないような音を作っていますね。よく僕のアルバムを聴いたひとが「あの部分はシンセを使っているんだよね?」って聴いてくるんですが、だいたいはギターだけで作った音なんですよ(笑)。

出戸:映像も自分で作っているんですか?

MM:そうですよ。自分で作った映像と見つけてきた映像を組み合わせて編集しています。映像と音楽を一緒に作るのは映画を作るみたいな感覚です。その異なるふたつの要素がうまく組合わせるのが楽しいんですよ。

出戸:じゃあ映像もバラバラではなくて同期させてセットで流しているんですか?

MM:はい。なので映像の長さに合わせて自分の曲の長さも調性することもあります。きのうもギターを弾きながら後ろをちょくちょく振り返って映像を確認していたんですが、そのためです(笑)。

では映像をコントロールしているひとがいたわけではないんですね?

MM:いません(笑)。映像が決まったときに再生されるようプログラミングをしているので、ちゃんと映像がはじまるのか気を使いますね。

最後の映像がすごかったよね(注:水爆実験や第二次世界大戦の映像、政府を批判するスピーチなどが引用されていた)。オウガは観てたの?

出戸:最後、見てました。

清水:激しい終り方でしたね。

MM:あの映像と曲を作っているとき、歴史的な出来事の裏で政治や宗教がどのように動いていたのかに関心がありました。たくさんのひとびとが様々な形でひとつの瞬間に関わっていたわけですからね。そして、そのなかで多くの考えや憶測が生まれました。あの映像のなかでは9.11は裏で大きな工作があったんじゃないかというスピーチも引用しています。
 ひとびとに学ばれる歴史は戦勝国などの大きな権力をもった者が作り出したものです。僕はアメリカ人でアメリカの教育を受けてきました。だからこそ、アメリカが他の国々にどんな影響を及ぼしたのかとても興味があるんです。2013年に広島の原爆ドームに行って深く感銘を受けました。過去を振り返ることによって明らかに間違いだと思うこともたくさんあり、そういうものを自分で学んでいきたいんです。(日本語で)コノオンガクヲヘイワノタメニ。

一同:おー!

[[SplitPage]]

マーク:僕がはじめてオウガ・ユー・アスホールを聞いたときにブラック・ミュージックの要素を感じたんですよ。もちろん、それはひとつの要素に過ぎず、いろんな影響が交ざり合っていて、それらがクリエイティヴなサウンドを織り成しているんだと思います。

出戸:ギターがすごく上手いと思いました。アンプを使わないでラインで音を出していることにもびっくりしました。そのギターの音色がやっぱり独特なんです。僕らもレコーディングでラインはかなり使いました。

マークさんがはじめて来日したときのライヴはもっとアンビエント・フィーリングが強くて、きのうのライヴとは違う感じだったんだよね。もっとマニュエル・ゴッチング的だったというか。

MM:そのときに比べると、使っている機材にも変化があったので当然サウンドも変わっているでしょうね。サンプラーやドラムマシンなどを使かうようにもなりました。でも、「単に成長しているだけ」という風には捉えられたくはなかったので、またギターだけのスタイルに戻って新しいアイディアを試しつつアンビエント・テイストの曲を作ることはいまでもしますよ。そうやって違ったことにチャレンジしていきたいんです。

清水:マークさんはライヴとアルバムでアレンジを変えていますよね? きのうのライヴでやっていた曲と新しいアルバムに入っていた曲を比べてみても、どの曲が一致しているのかわからなかったりしました。

MM:レコーディングとライヴは別物ですからね。レコーディングは音のパーツのたくさんの層のように積み重ねていますが、ライヴをその単なる再現にはしたくないんです。それに再現してみても決して同じものにはならないでしょう。だから意識的にライヴをレコーディングとは違うものにしようと思っています。

エメラルズもそうだったけどマークさんの以前の作品はわりと自然がテーマだったりしたんだよね。リリースの形体自体も、アナログ盤とカセットテープしかないものもすごく多くて。たとえば『ギター・メディテーションズ』(2008年、〈Wagon〉)というアルバムはカセットでしか出ていないんですよ。それがすごくいい作品なんですけど、いまだにカセットでしか手に入らない。

MM:現代社会の毎日の多忙な生活から抜け出すためにアンビエントや自然は役割を果たしていると思います。たとえばヨガの瞑想にしてみても、現在ではなくて過去の意識を呼び起こすような効果がるので同じことが言えるでしょう。音楽にも自己の存在が消えてしまうような感覚をもたらすことがありますよね。

きのうのライヴは過去のものと比べたら、すごく抽象的な言葉で言うと力強いものを感じたというか。

MM:アグレッシヴな曲も最近は作っているんですが、さっきも言ったようにアンビエントな要素とのバランスも考えたうえで実験的な試みをやっています。ライヴに来てくれたお客さんにとってもそっちの方が変化があって面白いでしょうからね。

きのうみたいにライヴを一緒にやって、最後にギターを一緒に弾くことはアメリカではよくあるんですか?

MM:そんなに頻繁にあることじゃないですね。僕は基本的にいつもひとりでライヴをやるので、自分が演奏しているときに誰かがステージに入ってくるのは嫌なときもあります(笑)。

下村A&R: マークはアフガン・ウィッグスと共演しましたよね。

MM:そうですね。彼らのアルバムに参加していくつかライヴもやりました。フル・バンドで演奏したことはかなりためになりましたね。昨晩、オウガのステージに立てたことも同じです。素晴らしいエネルギーを感じることができました。曲を聴いているときの感覚と、実際に演奏してみる感覚とではやはり大きく異なるんですね。

清水:オウガもライヴで誰かと一緒に演奏するのは初めてだったんじゃないかな。メルツバウとやらせて頂きましたが、楽器を使ったセッションとは少し違ったし。

マークさんはメルツバウを知ってますか? オウガはいままでメルツバウとしか共演したことがないんですよ。

MM:はい、もちろん! ハハハハ。それはすごいですね。きのうは彼と同じくらいラウドにはプレイできませんでした(笑)。

清水:マークさんは共演することにむしろ慣れていると思っていました。

出戸:リハーサルのときの方がもっとアグレッシヴに弾いていたんですよ。本番のときは抑えていたんじゃないかな。

MM:本番は緊張しちゃったんです。リハーサル、すごく楽しかったですよね(笑)。リハーサルをするまでは、プレイヤーで曲を聴きながらしか練習をしていなかったので、僕のプレイを評価してくれたのはすごく嬉しいです。

音源を出してほしいですね。オウガは日本のなかですごく特殊というか、ある意味では孤立しているというか。

清水:そうですか(笑)。

アメリカのインディ・シーンにはエクスペリメンタルな音楽をやるひとやレーベルもたくさんあります。

MM:アメリカのシーンでも僕はある意味ではオウガと同じ状況にいますよ。僕のサウンドはエクスペリメンタル・シーンに完全に合うものでもないし、インディ・ロックに当てはまるものでもありません。どこに自分はいるべきなんだろうと居場所を探している感じがするんです。オウガの音はとてもユニークで様々な音楽の影響を隠さずに表現しているので、僕と同じようにどこにもフィットしないんでしょうね。
 アメリカのリスナーには自分が聴いている音楽をカテゴライズしたがる傾向が少なからずあって、未知なる音楽に出会ったときに「これは面白い曲だ!」ではなく「これは何ていう音楽なんだろう?」と反応するひとが多いんです。ジャンルが交ざり合うことを嫌うひともいますからね。それに対して日本のリスナーは音に対して心が広くて、「ジャンルで分ける」聴き方をしないひとが多いような気がしました。

清水:なるほど。ジャンルにこだわってはいないよね?

馬渕:わかりやすくジャンルが別れているロックって日本にあるのかな?

出戸:ヴィジュアル系くらいじゃないかな。

ガレージ・ロックとかポスト・ロックとかね。

MM:アシッド・マザーズ・テンプルを聴いてみても、やっぱりジャンル分けするのは不可能ですもんね。でもそれがいいところだと思うんです。

出戸:そうかもしれないけど、日本では逆にシーンが見えにくいということがありますよね。

清水:世界的な目で見たら、日本自体が全体的にサブカルチャーっぽいもんね。

MM:少し前のバンドですが、ファー・イースト・ファミリー・バンドは「ジャパニーズ・サイケデリック」というシーンを象徴するような存在です。そういうひとたちもいるにはいるんですけどね。

柴崎A&R:アメリカではジュリアン・コープが書いた『ジャップロックサンプラー』がすごく影響力が強いんですよ。

MM:僕も読みましたよ。

日本のなかで有名な日本のバンドと、海外で有名な日本のバンドって違うんだよね。

柴崎A&R:いわゆる、はっぴいえんど史観がないですからね。

もっと言うと、はっぴいえんどは海外ではあまり知られていないからね。

MM:細野晴臣はYMOのメンバーなので聴きましたが、はっぴいえんどのことはあまり知りません。日本の音楽の独自性みたいなものはYMOにも表れていると思いますね。海外の音楽を単なるコピーではなく、自分たちのオリジナリティを持ったミュージシャンもしっかりといるということです。そういうひとは海外で影響力をいまでも持っているんですよ。YMOもそうですがアメリカのシーンにはボアダムスみたいになりたいひとも多いです。多過ぎるくらいですね(笑)。

出戸:逆にいまの日本ではYMOのフォロワーはそんなにいないですよね。

清水:たしかに。はっぴいえんどは多いけどね。

今度はマークさんを長野に呼んだ方がいいんじゃない? 東京から車で2時間くらいかかるけど、自然がすごく綺麗な場所らしいですよ。

清水:出戸くんなんか標高1300メートルのところに住んでるんですよ。

出戸:家の前で鹿が寝てますからね。

すごいね(笑)。彼らはそこにスタジオを持っているんですよ。

MM:素晴らしいところですね! 是非行ってみたいです。

ジム・オルークさんも彼のスタジオによく行くみたいですよ。マークさんはジムさんと仲がいいんですよね。

MM:初めて日本に来たときにジムさんとは知り合ったんですよ。

出戸:ジムさんは新宿の飲み屋で会ったって言ってましたね。

MM:そうなんですよ。ピス・アレイ(ションベン横町)で会いました(笑)。

清水:英語でピス・アレイって言うんですね(笑)。汚くて治安が悪そうな名前ですね(笑)。

出戸:マークさんとジムさんが出会った飲み屋には僕らもたまに行きます。

MM:そうなんですか! 食べ物も美味しくて素晴らしいお店ですよね。

絶対に長野に呼んだ方がいいよ。

出戸:じゃあ次は呼びますね。

そこでセッションして曲をつくるとかね。

MM:実現したら最高ですね。(日本語で)ソンケイシマス。

今回、マークさんは大阪と新潟までギターを持ってひとりで行って、新潟から東京に戻って来たんですよね。

MM:はい。

清水:すごいな。よくわかりましたね。

MM:日本語が読めるわけではないんです。初めて来日したときにひとりで地下鉄に乗ったんですが、パソコンで事前に調べたり標識に書いてある言葉を携帯で調べたりして頑張りましたね(笑)。日本は標識がたくさんあるから比較的親切ですよ。

日本に住んでいてもたまに標識に迷うことがあるけどな(笑)。

清水:すごくマジメですね。

オウガにピッタリなアメリカのレーベルって何だと思いますか?

MM:良いレーベルはたくさんありますからね。うーん。自分は多くのレーベルに関わっているわけではないですが、〈ドラッグ・シティ〉なんかはやっぱり合っているんじゃないでしょうか? あのレーベルにはかなり幅広いスタイルのミュージシャンが所属していて、しっかりとサポートもしてくれます。ミュージシャンがどのような路線に進んだとしてもそれをしっかりと受け入れてくれるのは素晴らしいですよね。ジム・オルークも〈ドラッグ・シティ〉のことを評価していましたね。ジムさんはいろんな経験をしているから、やっぱり彼の意見は参考になりますね。僕も大きいレーベルと仕事をしたことがありますが、やっぱり小さいインディペンデント・レーベルの方が柔軟に対応してくれるんです。

清水:しかし……そもそもオウガ・ユー・アスホールって名前ですからね(笑)。

MM:名前の由来がすごく気になっていたところです(笑)。

それってUSのインディバンドからきてるんだよね?

出戸:前のドラマーが高校生のときに来日したモデスト・マウスのライヴに行ったんですよ。そのときに腕に「オウガ・ユー・アスホール」ってサインをもらって、それがバンド名の由来なんですよ。ちょうどそのときが自分たちのライヴの直前だったんですけど、名前を付けてなくて「あのサインでいいんじゃない?」ってなってから10年以上ずっと同じ名前です(笑)。

MM:すごいエピソードですね。とても目立つ名前だなと思っていました(笑)。初めて名前を見たときには「一体どんなサウンドなんだろう?」と想像力をかき立てられたのを覚えています。「オウガ」(「鬼」の意味)という言葉からラウドな演奏をするバンドなのかなとか思っていました(笑)。

清水:よく「パンク・バンドなの?」とか言われるんですよね。

今回の来日でレコードは買いましたか? 普段からよくレコードを買うそうですね。

MM:今回はレコード屋さんに行けていないんですよ。僕のレコードコレクションはいまのところ2、3000枚くらいですかね。初めて日本に来たときはJポップをとてもたくさん買いました。1枚200円くらいで買えるのに驚きましたね。一緒に行ったひとからは「そんなのお金のムダだよ!」って言われましたが(笑)。YMOや各メンバーの作品もけっこう買いました。日本以外のものでも安く売っているのは助かります。アメリカでは西海岸に住んでいたころはいつもレコードを買っていました。ですが引越をしたときにあまりにも荷物が多くなることに気付いて、最近は前に比べたらあまり買っていないんですよ(笑)。いまは故郷のクリーヴランドに住んでいます。

クリーヴランドは北東部なので西海岸とは全然違いますよね?

MM:大違いですね。かなり冬は寒いです。あとパンクの精神を持って、髭を生やしてに革ジャンを着たひとが多いと思います。ノイズ・ミュージックのシーンもあったりするんですよ。湖に面した地方都市で物価が安いのも特徴です。そして何より自分が生まれ育った場所なのでとても落ち着きます。あまりこういう街はアメリカにないので、この街の人間であることを誇りに思っているひとは多いですね。

出戸:長野も似たところがありますね。冬も寒いし、デカい湖もあるし(笑)。でもパンクとノイズのシーンはないですね(笑)。ヒッピーとかもいるんですけど、あんまり接触はしないです。

MM:西海岸に居た頃はポートランドやロサンゼルスによく行ってたくさんのヒッピーに会いましたけど、クリーヴランドにはそんなにいませんね。

そういえば最近マークさんには赤ちゃんができたんですよね?

MM:そうなんですよ。だからクリーヴランドに戻ったんですよね。この子です(携帯の写真を見せる)。

かわいいですね! いま何歳なんですか?

MM:いま生後6週間なんですよ。だから早く帰ってあげないといけませんね(笑)。

馬渕:昨日もその写真見せてもらったんですよ。でも生後6ヶ月だと思っていました。

MM:ブランニュー(超新しい)ですよ(笑)。面倒を見なきゃいけないので、ツアーの期間もいつもより短いんです。このツアーの間に奥さんから子供の動画が送られてきたんですが、離れてまだ5日しか経っていないのにすごく成長しているように感じました。

[[SplitPage]]

マーク:とても目立つ名前だなと思っていました(笑)。初めて名前を見たときには「一体どんなサウンドなんだろう?」と想像力をかき立てられたのを覚えています。「オウガ」(「鬼」の意味)という言葉からラウドな演奏をするバンドなのかなとか思っていました(笑)。

清水:よく「パンク・バンドなの?」とか言われるんですよね。

エメラルズは解散してしまいましたが、マークさんはまたバンドをやらないんですか?

MM:ご存知かもしれませんが、エメラルズは昔からの友だちと自然な流れで結成したバンドでした。だからバンドが終ってしまったのも自然なことだったのかもしれません。もうエメラルズとして演奏することはないと思うと残念な気持ちにもなることもありました。バンドでも活動はやはりソロとは全く違うものなので、再びバンドをはじめてみたい気持ちもあります。バンドが解散してからいろいろと試してはいるんですが、まだまだバンドの「ケミストリー」を探している途中ですね。ちなみに、オウガのみなさんはバンドをはじめる前から知り合いだったんですか?

清水:馬渕くんと出戸くんが高校の同級生で、勝浦くんと自分が大学の先輩・後輩って感じですね。

そこはエメラルズみたいだね。

MM:音楽をはじめる前の関係ってやっぱり大事なんですね。エメラルズが解散した理由のひとつには、メンバーと友だちのままでいたいっていうのがあったんです。バンドを組んでいると、どうしても関係がぎくしゃくしてしまうこともありますからね。いまはそれで良かったと思います。仲の良い友だちと音楽や音楽ビジネスについて話せるんですからね。オウガはもう10年以上バンドを続けてきたわけですが、バンドを存続させるためのアドバイスみたいなものはありますか?

出戸:うーん、なんだろうな。あんまり会いすぎないとかかな。

ハハハハ。

出戸:バンドでたくさん会っていますからね。

清水:そうかな(笑)? 割と一緒にいる方だと思うけどね。みんなで暮らしてはいないけどね(笑)。

MM:わかります。ツアーとかではいつも同じ場所にいることになりますから、一緒に住む必要はないし、「どっかいけよ!」って言いたくなるときもありますよね(笑)。

出戸:あとバンドってマンネリ化してくるとダメになる感じもするから、メンバー間で刺激を与え合うような関係を心がけていますね。

MM:なおかつインスピレーションやアイディアを共有できる関係ですよね。

出戸:マークさんはいまもひとりでレコーディングをしているんですか?

MM:そうですね。毎日自宅で録音していますよ。楽器も全部自分で演奏しますね。

出戸:バンドだと刺激し合えて自分が考えてもないことができるわけじゃないですか?  でもひとりでやっているとそこには限界があるというか、自分から出てきたものしかないですよね。

MM:たしかにそうですよね。ギター以外の楽器を弾いてもそこから生まれてくるメロディーやリズムが自分っぽいなと思うことがあります。でも他人と演奏すると想像もつかないような展開を見せることがあります。

その「制限」はあなたにとってネガティヴなものなのでしょうか?

MM:必ずしもそうであるとは限りません。バンドでしかできないことがあるということは、ひとりでしかできないことも同時にあるということですよね? バンドとソロって全く違うフォーマットのものです。エメラルズのメンバーたちはバンド以外のところで次の段階に進みたいと思っていました。いまの僕がやりたいのはソロの可能性をとことん追求することなんです。

出戸:ひとりでやっているとどこがOKなのかわからなくなりそうだけど、自分の作っている曲が完成したとどのように確信が持てるんですか?

MM:自分がやっていることを客観的に見るのってひとりではすごく難しいです。だからアドバイスをくれるひとが近くにいることってすごく重要ですよね。
 僕の場合はひとりで曲を作っていると、そこから次の曲のアイディアが生まれてきたりするんですが、それを繰り返している気がします。(アイフォンの作曲中リストを見せながら)いまも何十曲を同時並行で作っている状態なんですよね(笑)。うーん、曲を完成したと判断するのは難しいです。とにかくできることをやりつくすのみですね。

そこはオウガと反対だね。オウガの場合は終わりはどうやって決めるの?

出戸:レコーディングの期間がだいたいきまっているから、そのなかで出たアイディアを使うんですよ。

馬渕:時間があったらあったでいっぱい作り過ぎちゃうんですよ。

MM:ちゃんと締切を作ると目の前のことに集中できますもんね。締切がなかったらなかったで、ガンズの『チャイニーズ・デモクラシー』みたいに自由になりすぎてヒドい作品ができることだってありますからね(笑)(このアルバムは制作に約14年をかけている)。

清水:また来日する予定はあるんですか?

MM:戻って来たいです。山田さん(プロモーター氏)のような日本での父親もいますからね(笑)。考えてみればこれで4回目の来日になるんですね。日本はもうすっかり僕のお気に入りの場所です。

次はオウガが長野に呼んでください。

山田:初来日のときに野田さんがオウガを勧めてくださったんですよね。

誰もが思うことだろうけど、オウガとマークさんは絶対に合うと思っていたんですよ。

清水:今回の対バンにはそんなに長く時間がかかっていたんですか(笑)。

本当に実現するとは思わなかったよ。

出戸:本当に一緒にできてよかったです。

マークさんから最後に何かありますか?

MM:昨日は同じステージに立てたし、こうして対談もすることができてとても嬉しいです。貴重な体験ができてリフレッシュすることができました。ソンケイシテイマス。





マーク・マグワイア、最新作情報。

Mark McGuire
Noctilucence

Dead Oceans/インパートメント

Amazon

 そう、そういう言葉があるのだ、“オンライン・アンダーグラウンド”……の、オフライン祭が23日に開催される。フレッシュなメンツをメインに、Seihoや食品まつりa.k.a foodmanなど八面六臂の活躍をみせる先輩的プロデューサーたちが脇をかため、VJには§✝§の名も。連休明けにオチないために!

 テクノ専門学校、ドローン大学、スパイス部にレコ部――世に学府、部活はあまたあれど、『映像夜間中学』ほど、習熟度のいかんを問わず、あまねくひとびとに門戸の開かれた学舎はふたつとございません。特殊漫画家であるとともに学長である根本敬秘蔵の映像とディープなトピックでつづる語りの場はマンガ以上にマンガな不条理あふれるこの世の仕組みをあらわに。観るだけではなく、聞くだけともちがうこの至高のイヴェントが、15年め突入を記念し、ふだん根城にする渋谷〈UPLINK〉を飛び出し、この黄金週間、あなたの街にやって来る!
 五月病はおろか中2病にも効果覿面! 映像夜間中学、今晩より開校です!!

■学長の言葉
 “この世”の存在は根本(こんぽん)的に下らなくてフザケたものだ。そこを大大大前提とし、その認識から出発した上で人は真面目に生きるべきだろう。ようするにマジメな事を只、無自覚にマジメなままやってマヌケの魔力に足下掬われるのではなく、フザケた事を真面目にやり通す者たれという事。その辺の事を一見バカバカしく思える映像を見ながら体験して頂ければ幸、ってな『場』でありたや。

■DAY1:京都“メトロ大學”校
5月1日(金)18:30開場 / 19:00開演
会場:クラブメトロ|CLUB METRO
Tel. 075-752-4765 / https://www.metro.ne.jp/
料金:¥2,500(+1ドリンク¥500別途)

■DAY2:福岡校
5月2日(土)18:30開場 / 19:00開演
会場:アートスペース・テトラ|art space tetra
Tel. 092-262-6560 / https://www.as-tetra.info/
料金:¥2,500(+1ドリンク¥500別途)
※翌日の5月3日(日)にはDJ根本敬出演のライヴ・イヴェントあり。

■DAY3:広島校
5月4日(月祝)
会場:音楽喫茶 ヲルガン座
Tel. 082-295-1553 / https://www.organ-za.com/
【夜の部】19:00開場 / 19:30開演
料金:¥2,500(+1ドリンク¥500別途)
【昼の部】14:30開場 / 15:00開演
※夜の部にご参加の方のみお申し込み頂ける“根本敬入門編” です

■DAY4:大阪校
5月5日(火祝)20:00開場 / 20:20開演
会場:シネ・ヌーヴォ|Ciné Nouveau
Tel. 06-6582-1416 / https://www.cinenouveau.com/
料金:¥2,500(+1ドリンク¥500別途)

■DAY5:名古屋校
5月6日(水祝)18:30開場 / 19:00開演
会場:パルル|parlwr
Tel. 052-262-3629(当日のみ対応)/ https://www.parlwr.net/
料金:¥2,500(+1ドリンク¥500別途)

詳細は以下よりご確認ください
https://www.uplink.co.jp/news/2015/36798


PortaL (Soundgram / PLLEX) - ele-king

最近良かったなぁと思った曲を並べました。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377