「IR」と一致するもの

Leonard Cohen - ele-king

クリスマス・シーズンに英国で流れる曲は、毎年決まっている。
 ザ・ポーグス&カースティ・マッコールの"Fairytale of New York"、スレイドの"Merry Christmas Everybody"、ボブ・ゲルドフ&仲間たちの"Do They Know It's Christmas"などである。が、数年前から上記曲群の仲間入りをしているのが"Hallelujah"だ。といっても、街中でかかっているのはレナード・コーエンのオリジナルではなく、数年前にオーディション番組で優勝してクリスマス・チャート1位になった女性歌手のカヴァー・ヴァージョンや、『シュレック』で使われたジョン・ケイルのヴァージョンもある。ジェフ・バックリーのカヴァーもかかるし、ルーファス・ウェインライトのヴァージョンも耳にする。
 「秘密のコードがあると聞いた。ダビデが弾いて、神がそれに喜んだという」
 という歌詞で始まるこの歌は、アーティストならつい歌いたくなるアンセムだろう。
 既成の曲を切り貼りしてコラージュすることが創造作業になる時代の遥か前、詩人や音楽家はこうしたアンセムを創出したのである。

 この曲を書いたレナード・コーエンの新譜が今年の初めにリリースされた。御年77歳。あと3年で80代だ。
 ロックを聴いているのは中高年。という現象は万国共通で、『UNCUT』や『Q』は、本国では「おっさん雑誌」としてカテゴライズされている。しかし、70代というのは、もはや「おっさん」ですらない。ミック・ジャガーとキース・リチャーズも来年は70歳になる。ポール・マッカートニーやルー・リードも70歳だし、ボブ・ディランも71歳だ。もはや、時代は「おっさんロック」から「爺さんロック」へとシフトしている。
 ロックと老い。それは一見すると相容れないもののようであるが、レナード・コーエンの新譜を聴いたときに、実はかなり相容れるものではないかと思った。もともと、わたしは「怒れる爺さん」というのが結構好きなのだが、他者に向けてのアンガーは結局すべて自分に跳ね返ってくるということを知り尽くし、本当はそれに対して一番怒っている老年の怒りは、どこか孤高だ。深遠に、そして静かに怒れる爺さんの、死への恐れや希望や後悔や欲望が渦巻く『Old Ideas』を聴いていると、ロックと相容れないのは、老いではなく、アンチ・エイジングという名のリアリティーの否定なのだとつくづく思う。

 個人的には一番好きな"Hallelujah"のカヴァーを歌ったジョン・ケイルも70歳だ。
 ケイルは、新譜について「宝石のコレクション」と『ガーディアン』紙のインタヴューで語っている。「宝石を見るとき、この心惹かれるものは、いったい何なんだろうと人は理解しようとする。新譜のすべての曲に何か魅惑的なものがある。僕にとっては、それはリズムだし、他の人びとにとってはテクスチャーかもしれない」と言うが、現在の彼の音楽が、例えばAlt-Jのような多様なテクスチャーを見せてくれることはない。「古臭い。80年代から90年代前半みたいな曲ばかりで『いま』を感じない」と書いた評論家もいる。

 ケイルの新譜を買う気になったのは、BBC2の「Later...With Jools Holland」のせいだった。この番組では、Joolsを円の中心として、ブレイク寸前バンドからレジェンドまで、の広範なアーティスト&バンドが円の弧を描くように配置されており、出演者たちは常に所定の位置に立っている。よって、他人が演奏している時のアーティストたちの様子がカメラの隅に映ることがあり、これが演奏そのものよりも面白かったりする(最近では、ビーチ・ボーイズで陽気に腰を振っているジョン・ライドンが良かった)。
 ケイルが出演した回には、ジェシー・ウェアとザ・ヴァクシーンズが出ていたのだが、ケイルはこの両者の曲でさかんに頭を振っていた。その振り方というか上半身の動きが激烈にクールだったので、わたしはついアルバムまで買ってしまったのだ。ケイルは、参考のため研究しているとかではなく、本当に若い人びとの音楽が好きなんだろうと思う。

 「いま」という観点でいえば、80年代から90年代前半というのはトレンドである。
 ケイルの新譜も、5曲目まではまさにあの時代を髣髴とさせる。さすがにこなれているので、オーセンティックになり過ぎるのだが、新し物好きの彼は、もしかすると若い人々に触発されて、リヴァイヴァルをやってみたのだろうか。
 となると、「彼はもはやカッティング・エッジではない」とか言っているメディアのほうが、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドや前衛音楽のケイルを忘れることができない老人なのである。
 ジョン・ケイルはそんなことには目もくれず、ウェールズの谷間を吹く風のように飄々と、「いま」を楽しんでいる。

DJ Kamikaz (Clockwise.Recordings) - ele-king

レーベル再始動から、まだ少しの時間しか経っておりませんが、沢山の素っ裸で、飾りっけの無い実直な海外~国内の表現者の方々、音楽以外の表現方法で深い所から人を感動させる人物とお話する機会を沢山頂きました。。皆様から感じ取れたものは、まさしく「愛」の一言です。一見、陳腐に感じる言葉ですが、薄っぺらさの無い、本当に深い意味での「前向きな」愛です。(それ以上はご想像にお任せいたします。。)音楽が絡んではいますが、映像もあり、本もありですが、音楽を通して音楽に関係したものからも愛を頂けたものを取り上げさせて頂きました。表現する人の作り出すものこそ、その人そのもの。human is musicとはまさしく言い得て妙だと感じました。今回のチャートにのせてあるリンク先へは、ちょいとお時間使ってチェックしてみてください!生活に愛を取り入れたい人にはもってこいですよ~。

Chart


1
Kenji Hirata - 2 makes 1
https://www.youtube.com/watch?v=ZuFVoRJWjns
https://www.jkdcollective.jp/index.html#Kenji_Hirata
嘘も駆け引きも飾りっ気も全くない真っ白な世界。素敵です。

2
Think Twice About This World - 普天間のスケートショップ
https://thinkworld.ocnk.net
お店の名前のまんまのお店。オーナー缶氏のつけた店名で気付かれた方は曲も聴いてみてください。是非ホームページを見てみてください。

3
olive oil - Far From Yesterday
鬼才olive君からレーベルに届いたサンプルのアルバム、聴かせて頂きました!とても暖かいバイブスと愛に溢れた作品です。
最近毒を持って毒を制す?アーティストが多い中、愛をもって全てを制す類希な作品だったと思います。フワフワです。

4
君にお届け - ミスター・マイク
https://www.youtube.com/user/szparasite?feature=watch
スケーター兼、映像クリエイター。能無しフィルム主宰。マイク君の作品は万物への愛に溢れたフラットな感じ。

5
三田格/野田努 - Techno Definitive 1963-2013
私も色々意見しながらこねくり回して作り上げたdj klockの「sensation」を取り上げて頂いております。
音楽とそれを作った人達への純粋な愛の本。

6
dj klock - sensation
制作した当時、私は電話一本で呼ばれました。「カミカズ、常磐線乗れる?何分で着く?手伝ってほしいんだけど。」ここからが始まりでした。世の中の全ての物事が僕らにとって「先生tion」だった、という作品です。

7
KARAFUTO - ENJOY SUPER LIGHTS
まさしく音楽へのまっすぐな愛です。

8
DJ KATO - If you want to listen to more my productions...
clockwise recordingsからの新人による新作音源です。1990年代のアブストラクトミュージックへの深い愛を素直に表現しているトラック。レーベルのサウンドクラウドにて、音源の公表をいたしますので乞うご期待!

9
moodymann - Forevernevermore
愛の一言。古いですが色あせない。

10
dj kamikaze - abstractions of sounds
皆を愛し、愛された作品。ありがとうございます。

https://www.facebook.com/clockwise.recordings
https://twitter.com/dj_kamikaz
https://soundcloud.com/clockwise-recordings
https://soundcloud.com/kazakami

ダブステップ人生(DUBSTEP FOR LIFE) - ele-king


VARIOUS ARTISTS
1ST ASCENSION

GURUZ

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 こんにちは。
 レーベルGURUZ主宰のDJ Doppelgengerです。

 僕がDUBSTEPのDJをやりはじめたのが約5年前。それからいまを比べれば、随分と認知は広がったように思えます。当初はBack To ChillとDrum&Bass sessionsぐらいしかDUBSTEPのパーティがなかったですし、DJの数もまだ少なかったのを思い出します。僕は幸いなことにそのなかでプレイをすることができ、多くの国内、そして海外アーティストとも共演することができました。

 そのなかで記憶に新しいのがDJ PINCH。Techtonicといういまや有名なUK DUBSTEPレーベルを主宰する彼との交流は、すごく貴重な時間でしたね。彼は僕と同じ境遇、クリエイターでもありDJでもありレーベルマネージメントもおこなっており、れでいて、あれだけ多くの作品を輩出し世界で認知させてきた経緯など、いろいろ聞かせてもらいました。

 一緒に居て思い浮かんだ言葉は「情熱」。
 例えば、1枚のレコードやCDを出すことにも、実に多くの労力と時間、そして覚悟が必要です。ひとつひとつ、その思いが詰まったレコードたち。PINCHのレコードバッグはすべてDubplate(テストプレスの白盤。なかにはアンリリースも多々!)だったのが衝撃でした。
 それと針がSHUREの44Gを使ってたんですよね。何でこんな針圧も弱く、ハウリングしやすい針を使うのか? Dubplateは通常のレコードよりも溝が浅いので、ortofon等の針圧の強いものだと溝がえぐれてすぐに盤がダメになってしまうからなんです。なもんで、リハも相当入念に行ってましたね。これだけ自分の曲からリリース、そしてDJセットまで、すべて究極を追求し、それをスピーカーを通じて聞き手に届けている......本場のDUBSTEP、そのひとりの姿勢を魅せて貰いました。

 これは例として、海外DUBSTEPアーティスト全般、皆オリジナル思考がすごく強くあって。それって音楽云々以前のとても大切な部分であり、人と違う自分だけのものを追求するっていう大切な行為だと思います。

 DUBSTEPが海外でこれだけ大きくなった背景には、このオリジナル思考を随所に感じます。まだそれほど歴史は短いにしても、この枝分かれ具合にしろ、スタイルにしろ、細分化の早さがそう物語ってますね。

 聞いたことあるかもしれませんが、Digital Mystiksが主宰するパーティDMZはあまりに尋常じゃないBASSを出すので、入口で耳栓を配るそうです。イカレてますよね(笑)。けど、そこでのサウンドは相当やばいらしく、平気で数千人のクラウドが集まるとか。やっぱヨーロッパのクラブシーンの個性、そしてレヴェルの高さは凄いですね。
 やってる人は解ると思いますが、オリジナル志向って度胸や覚悟も必要なんですよね。自分や仲間の、それも未マスタリングのアンリリースの曲って音質もバラバラだし、鳴りも同じくマチマチですし。スタイルも何処にも属さない、誰も知っちゃいないような曲ですし。けど、それをプレイすることってすごく大事なんですよね。

 たとえ未完なものでもいいんです。いまを全力で追及した結果を1曲に封入し、それを現場でかけるって行為が大切なんじゃないかと。

 最初の頃は、なかなか良い結果は出ないでしょう。それだけ、自分の曲でフロアを納得させる事って簡単じゃないですから。けど、作り続け、かけては直し入れてを繰り返し、そしてプレイし続ければやがて「この曲好きです!」っていうのが出てきます。そこでようやく長年かけ続けてきた意味が出てくるわけであって。そして、「自分の音」ってものが確立され、DJとしても一脱出来るんじゃないかと。全体がそうなっていけば、それぞれの個性がもっと出て、パーティの盛り上がり方も変わってくると思うんです。自分らの曲でアンセムが出来たりして、やがて独自の文化が生まれると思うんですよね。

 日本のDUBSTEPは、徐々にそれが浸透していっているように感じられます。今年僕は1st Album『Paradigm Shift』をリリースして、国内ツアーで全19カ所を回ってきたんですが、随所でそういったアーティストと会うことが出来て。人数は少ないながらも、オリジナル曲で勝負してるDJもいました。
 そして、そんな仲間に声をかけて集まった曲をすべてリリースしようと思い、年末の12/22にコンピレーションアルバム『1st Ascension』をリリースすることになりました。

 今回最年少だと17歳と20歳の兄弟デュオSeimei&Taimei。僕が知り合った頃、兄のSeimei君は19歳だったんで、クラブに入れないっていう話で(笑)。そして弟のTaimei君はまだクラブ行けないそうです......。
 しかし、曲聴いてびっくりですよ。若い柔軟な脳みそってここまで吸収しちゃうんだなーと。DUBSTEPが好きだという気持ちが全面に出ていて、それが随所で感じられて、見ててこっちも刺激になりますね。深夜クラブには行けないけど、彼らなりにやれる場を探して、早い時間帯のU20のパーティに出演したり、自分でUstream配信したり。この情熱は見習うべきですね。是非彼らの曲、聴いてみると良いですよ。そして彼らを例に、若いクラブミュージック好きな人、いますぐ曲作りにチャレンジしてみるといいでしょう。着手は早いに越したことが無いし、若い方が覚えるもの速いです。時間も余裕あるだろうし。

 話戻しますね。

 あと、栃木にB Lines DelightというDUBSTEPクルーがいます。
 彼らも凄いですね。何が凄いって、メンバーほぼ全員が曲作ってて、それを現場でしっかりかけてるんですよね。東京以外でここまで成熟したクルーは彼らぐらいしか現状居ないと思います。それぞれやばい曲作りますし、なかには海外ラジオや有名DJがかけている曲も保有してます。

 コンピにも彼らのなかからSivariderとRyoichi Ueno、Negatinが参加してます。とくにRyoichi Uenoの曲「Brain」はラッパーの志人君の声がサンプリングされてて彼の諭すような声と重厚なビートが合わさって、いままでに無いDUBSTEPサウンドが出来たと思います。志人君に聞かせたところ、快くOKしてくれて。嬉しかったです。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとう!

 それに加え、今回は沖縄出身のアーティストが3組います。DUBGYMNER、Helktram、CITY1。それぞれ別々に知り合ったんですけどね。昔から何故か、沖縄の人とは縁が深いです。それってやっぱ土地柄というか、沖縄って全般的に個性が強い場所だと思うんですよね。
それが音楽にもやはり反映されてて、3人とも全然違った個性ながらも、かっこいい曲作ってきますよ。DUBGYMNERのMONDOってやつはDJもやってて、BUD RYUKYUっていうDUBSTEPパーティも主宰してます。僕もツアーで足を運ばせて貰ったんですが、凄く良いパーティでしたよ。沖縄DUBSTEPシーンの先駆け的なパーティでしたね。

 あと、これはBack To Chillを通じて知り合った100mado、DEAPA、DUBTRO。とくに100mado「Indian Zombie」はかれこれ2年前ぐらいからプレイしており、それを自分のレーベルからリリース出来て、すごくうれしいですね。僕のDJを何回か聴いた事のある人は、絶対に耳にされてる曲だと思います。DUBTROもじわじわと頭角を現してきてますしね。

 これは制作秘話? ってほどでも無いんですが、マスタリングはこれまたBack To ChillクルーのENA君にやってもらいました。やはり同じジャンルに精通しているだけあって、実に理想的な音に仕上げてくれました。
 彼と作業した1日も、いろんな意味で面白かったですね。エンジニアワーク見てるって面白いですよ。制作とはまた違う視点で。使ってるケーブルやら機材、電源やら、スピーカーとか吸音材とかの話もして。かなりマニアックな話でした。ついでにですが、ENA君のアルバムが来年7even Recordingsからリリースされます。これもかなり凄い内容で、国内外で話題になる事でしょう。

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VARIOUS ARTISTS
1ST ASCENSION

GURUZ

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 こんな感じで、自分を取り巻くDUBSTEPアーティストの皆さんと協力して、今回こういったリリースが出来る訳でありまして、なんとも感慨深い気持ちですね。しかも「国内初の日本人DUBSTEPコンピレーション」という名目まで! ありそうで無かったんですよね。これが。そして12月22日。マヤ暦が終焉を迎えるこの日を敢えてリリース日とさせて頂きました。タイトルも『1st Ascension』。これは、JAPANESE DUBSTEP新時代の幕開けという裏テーマが隠されています。

 これを皮切りにレーベルGURUZからどんどん日本人DUBSTEPをリリースしていく予定です。何故か? DUBSTEPが好きだからですよ。
 これ、PINCHにも同じ質問してこう返ってきたんですよね。シンプルかつ響いた言葉、僕も使わせてもらいます。

 もっといろいろなスタイルがあって良いと思うし、さまざまな解釈があってこそ、DUBSTEPだと思います。それこそ、いま大きく言えば二極化してるブロステップとディープ系ダブステップ、それぞれが盛り上がるって大事なことですよ。
 いまのシーンを見てると、ブロステップの流行が目に入りますね。こないだのスクリレックス公演なんか3000人SOLD OUTらしいですね。僕は正直、ブロステップに関しては好きではないです。聴く努力はしましたけど、サウンド然り、どうも馴染めないです。けど、それはそれでそういったシーンが出来たという現実は受け止めてますし、彼らの功績もまた凄いですね。ただ、いまそれがアメリカで流行ってる、だから正しい、というわけではないと思います。日本人はとくにメディア操作に操られ過ぎです。
 シーンが虚空の肥大をして過度のビジネス傾向に陥り、魂の無い音楽が蔓延して、結果、何も残らないっていうね。それではならんのです。
 僕はDUBSTEPを大事にしたいんですよね。だからこそ、そこに魂、そしてメッセージが宿っているかどうか? ってことにはサウンドクオリティと同等に気持ちの比重を置いてますね。

 これは自分に対する課題でもあると思ってます。いまの僕視点でのDUBSTEPが果たして正しい道なのかどうか、これは時間が経たないと解らないじゃないですか。それだし、僕が提唱しているDUBSTEPでもきちんとビジネス出来る環境を作らなきゃいけないって思うんです。
 これはUK DUBSTEPシーンを見ていてもそう。例えば先に言ったPINCHやMALAみたいなアーティストが、 いまの日本のシーンで成功出来るとは到底思えない。しかし、彼らは向こうじゃトップアーティストであって、音楽で生活を賄っているわけで。

 これを日本でやろうって「無理だ」って言葉が大多数ですけど、そう言って動かないでいては何も変わらない。畑は耕さないと、芽はいつまでも出てきませんから。僕はDUBSTEPとこれからも長く付き合っていきたいです。そのためには少しずつ、ひとりずつ納得、共感してもらって土壌を作って行く事が今の自分がすべき事だと思ってます。サウンドクオリティの向上は当然ながら、それとともにリスナーの聴くレヴェルも向上させていく必要性は感じてますね。

 だから、僕はレーベルを立ち上げたというのもありますし。GURUZからもっといろいろな日本で暮らしているDUBSTEPのクリエイターを世に知らせていきたいなと。そして、もっとこの国で起こっているドープなDUBSTEPのシーンの実情を国内外共に伝えていきたいんですよね。これだけ世界で大きな波となってるDUBSTEP、だけどそれって日本の場合、大衆には僕らがやってるDUBSTEPというのが現状あまり見えてないと思うんですよ。先に言ったブロステップ然り、表面的なものでストップしちゃってる。

 これを広めるって容易では無いですよ。一人対全国ですから。しかし、不毛だからこそチャレンジしたいっていうね。あきらめたらそれまで。前進すれば道は拓ける。これは音楽云々以前の、人としての生きる姿勢の選択であって。地道に時間かけてでも、道を拓く覚悟ですよ。

 パーティにおいては、東京だとDrum&Bass sessionsやBack To Chillなんか、音響も素晴らしいですし、日本最高峰のDUBSTEPが聴ける現場と言えるでしょう。最新の国内外のDubplateもガンガンかかってるし、DUBSTEPのいまを知るにはうってつけのパーティと言えますね。まだ行ったことの無い方、そして若いDUBSTEP好きな方は是非、足を運んでみるといいでしょう。大箱でしか体感出来ない極太BASSを体全身で感じれば、DUBSTEP本来の素晴らしさを知ることでしょう。

 最後に、12月22日のリリース日に、僕の地元大宮でリリースパーティも開催します。僕がいま思う新鋭アーティストを揃えた奇跡の一晩となることでしょう。サポートは地元のDUBSTEPクルーMAMMOTH DUBがしてくれてて。彼らとは共に3年、地元でパーティを開催してきて。大宮は年々DUBSTEPが育っていってる感をビシビシ感じますね。オリジナル曲もどんどん増えてるし、この日はかなりの数のオリジナル曲がスピンされるでしょう。都内からも近いですし、是非皆さん遊びに来て下さい。
JAPANESE DUBSTEPの新たな一面をここで垣間見ることでしょう。

 東京でのリリパは2月を予定。詳細をお楽しみに! ほか、地方公演もいろいろ入ってきてます。スケジュールは以下の通り。各地の皆さん、またお会いしましょう!

 それでは、DUBSTEP FOR LIFEでした。
 PEACE.

DJ Doppelgenger - DJ SCHEDULE
12/1 Version @ CACTUS (乃木坂)
12/8 Drum&Bass Sessions @ UNIT (代官山)
12/22 [ 1st Ascension ] Release Party @ 444quad (大宮)
12/31 Countdown Party @ 444quad (大宮)
1/13 TBA @ Circus (大阪)
1/20 Dubstep Area @ The Dark Room (福岡)
1/25 TBA @ TBA (長野)
2/1 TBA @ TBA (東京)
2/23 TBA @ Bangkok (タイ)
3/2 TBA @ Rajishan (静岡)

■2012 DUBSTEP sellection 10
MALA / MALA in Cuba (Album)

今年一番好きなアルバム。
これだけポップに、かつ相当凶悪なベースを鳴らしたアルバムってこれぐらいなのでは? ダブステップとキューバ音楽とのコラボ、これは楽しい1枚でした。

Review Amazon iTunes

GOTH TRAD / NEW EPOCH (Album)

言わずもがな、GOTH TRADのニューアルバム。
前作MAD RAVER'S DANCE FLOORから世界へと進出し、研ぎすまされた次のビジョンを見させてもらいました。
RESPECT。

Interview Amazon

Swindle / Do The Jazz (12inch)

DEEP MEDIからの新たな刺客Swindle。
彼の持ち味のJAZZがふんだんに盛り込まれた、新しいスタイル。
これは斬新だった。

Amazon iTunes

ENA / Analysis Code (12inch)

これまた、何処にも属さない全くオリジナルスタイルを提唱した問題作。
来年出るアルバムも、かなり物議を醸し出しそうな予感。
これからの進化がどうなるのか、予測不能で楽しみです。

Amazon iTunes

Shackleton / Fablic 55 (MIX)

ミックスながらも全曲オリジナルでの編成。
これは凄い。呪いステップですね。世界観の統一具合、クオリティ、完璧でした。

Review Amazon

KRYPTIC MINDS / THE DIVIDE (12inch)

ミニマルテクノ+ダブステップ。
凄くシンプルながらもフロアライクなテッキースタイル。
こういうダブステップもどんどん出てほしい。

Amazon iTunes

DUBTRO / MIND HUMAN (Compilation)

Back To ChillクルーDUBTROのニューチューン。
これはUK ダブステップレーベル [ MIND STEP ]コンピレーションからの1曲。
これまでのDUBTROを越えた感がありました。

KILLAWATT & THELEM / kaba (12inch)

KILLAWATT好きですね。他もだいたい好きです。
ダンジョン系ダブステップ最高峰。

iTunes

V.A / 1st Ascension (Compilation)

僕が見てきた日本のダブステップが此処に。
今、日本のアンダーグラウンドダブステップの実情を知りたいのならば、これを聴いてほしい。

Amazon

DJ Doppelgenger / Paradigm Shift (Album)

今年リリースした僕の1stアルバム。
僕のアーティスト人生も大きく変わった、2012年、一番心に残る一枚となりました。

Review Amazon iTunes


DJ Doppelgenger ( GURUZ )

15歳からDJキャリアをスタート、そして2008年よりDJ Doppelgenger名義でDubstep DJとしての活動を開始する。世界各国を放浪した経験を基に、ワールド感漂う独自の音楽観をDubstepというフィールドで表現している。東京を代表するBass Music Party『Drum&Bass Sessions』@代官山UNITのレジデンツとして出演。そして、2009年より地元埼玉でMAMMOTH DUBを開催し、多くのアーティストを招聘している。これまでにrudiments、subenoana等のレーベルよりmix、trackをリリース。

NEON INDIAN - ele-king

 ネオン・インディアン......チルウェイヴから登場した人気者です。彼がDJとして来日します!!! SK8THINGたちと一緒にDJパーティです。インディ・キッズからクラバーまで、幅広く楽しめるでしょう。
 とくにファッション(服)やデザインが好きな人、お洒落が好きな人、快楽主義者のあなたは注目してください。夢見る80sのシンセ・ポップやイタロ・ディスコなんかで踊りましょう。自分を着飾ることはまったく正しいことです。ちょっとここ数年の東京にはなかった夜になりそうですね。

PROM launching party "PROMNITE"

DJ:
NEON INDIAN <https://neonindian.com/>
SK8THING (C.E)
KIRI (YES/REVOLVER)
AVERY ALAN + SEM KAI (PROM)
TETSUYA SUZUKI (honeyee.com)
MR.TIKINI

日時:12月15日(土)
開場:9PM
場所:Le Baron de Paris (南青山) https://www.lebaron.jp/map/

Supported by PHENOMENON, Mr.GENTLEMAN, Revolver

Door Price:¥3.000 w/ 1Drink
RSVP Price:¥1.500 w/ 1Drink

www.tokyoprom.com>にてRSVPフォームを通してお名前とメールアドレスを登録していただければ半額の1,500円にて入場案内させていただいております。

Chart JET SET 2012.12.03 - ele-king

Chart


1

Slow Motion Replay Presents Dunk Shot Brothers - Love Me Tender Ep (Smr)
早くも、HikaruやMr.Melody、やけのはら等がプレイするなど、前作同様のヒットを予感させるエディット集が到着しました。様々なシチューエーションでばっちりハマるレコード・バック内のスタメン確定な1枚です。

2

Maxmillion Dunbar - Woo (Rvng Intl.)
Beautiful Swimmersの片割れにして、Future Times主宰者のAndrew Field

3

Greg Foat Group - Girl And Robot With Flowers (Jazzman)
これまでの作品は全て即完売で先行シングルも大ヒット。エレガントでサイケデリックでグルーヴィーな独自の世界を進化させた、待望のニュー・アルバムが遂にリリース!!

4

七尾旅人 - サーカスナイト (felicity)
2012年リリースの最新作『リトルメロディ』より名曲「サーカスナイト」がアナログ盤で登場!!名曲オリジナルVerに加えて、向井秀徳、Mabanua、Luvraw&btb、Grooveman Spotによるリミックスも収録!!

5

Will sessions - Xmas Break (Funk Night)
素晴らしく骨太な楽曲に加え、今回は赤と緑のラベルで完全クリスマス仕様です!!

6

Lusty Zanzibar - Empress Wu Hu Remixes (Glenview)
100枚限定で先行リリースされたVakula & Oeによるリミックスに加え、気鋭Volta Cabによるリミックス+オリジナル・トラックを追加収録した話題の一枚が到着。

7

Pepe California - Yureru - Dj Nozaki's Pure Pleasure Control Mix (10 Inches Of Pleasure)
Mick「Macho Brother」のカルト・ヒットも記憶に新しい"10 Inches Of Pleasure"から話題沸騰の新作第二弾が無事到着。2010年に自主レーベルからリリースされたPepe California最新アルバム『White Flag』収録曲をレーベル首謀Dj Nozakiがリミックス!!

8

Star Slinger - Ladies In The Back Feat Teki Latex (Pias)
フィジカル12"第1弾『Dumbin'』のメガヒットも記憶に新しいマンチェスターのStar Slinger待望のソロ第2弾には、シカゴのベース人気者Chrissy Murderbotによるジューク・リミックスも搭載です!!

9

Dntel / Herbert - My Orphaned Son - Die Vogel Remix (Pampa)
音響ハウス帝王Lawrenceのリリースでもお馴染み、天才Dj Koze率いる越境ミニマル・ハウス名門Pampaから、看板デュオDie Vogelと主宰による極上リミックスを搭載した特大傑作が登場です!!

10

Echocentrics Feat. Grant Phabao - Echocentrics Remixes (Ubiquity)
名門Ubiquityお抱えの人気バンドEchocentricsの1st.アルバム収録曲をGrant Phabaoがジャマイカン・リミックス!!

ROOM FULL OF RECORDS主宰のパーティ@吉祥寺 - ele-king

 先日DOMMUNEでも訴えさせてもらったヴァイナルの新しい流れ。今年になってその流れを牽引するROOM FULL OF RECORDSがいよいよレーベルとしては初のコンセプト・パーティーを開催。世界流通の道もはじまり、いよいよ今後の活動が楽しみになった同レーベルの最初のパーティの開催場所がこれまた東京ローカルとして近年良質なトラックメーカーを多数排出している吉祥寺。以下レーベルより頂いた熱いメッセージをどうぞ!! (五十嵐慎太郎)


 データ音源が主流になった現在だからこそ、実際に手に取れるアナログ・レコードの魅力に取り付かれた亜流な連中が世界にはわんさかいます。"ライブ・パフォーマンスが出来るアーティストのオリジナル曲とそのダンスリミックスというカップリングにてアナログ・レコードをリリースする。そして、その全てを日本人アーティストで行う。"こんなコンセプトを引っ提げて誕生した「ROOM FULL OF RECORDS」はリリース3枚目にして世界への流通を開始。日本人の作品が世界への足掛かりを掴みました。

 中央線沿線に脈々と流れるバンド熱、渋谷、青山といったクラブ発ダンスミュージック。レーベルコンセプトとしてのこれらの融合を、井の頭線、渋谷からの帰着駅"吉祥寺"にて、おこないます。ジャーマン・ロックを語る上で外すことのできない最重要バンドのひとつ、CANのボーカルダモ鈴木との共演は勿論、先日のDOMMUNE出演でも"マニュエル・ゲッチング再来?!"とのつぶやき多数だった今まさに世界へ向けて発信すべきイツザイMandog !!!

 アウトドアブランド"コロンビア"のイメージソング提供から、ロサンゼルスのネットラジオ局"dublab"とアメリカの"Creative Commons"によるプロジェクト、"Into Infinity"への参加と実力のほどは間違いのないスリリングで荒削りなサウンドと、繊細なメロディーメイクに定評のある札幌発スリーピースバンド、The Olololop。

 そして地元吉祥寺の夜を牽引する弁天通り発、dextraxのryo of dextraxとAutoPilotのUZNKによるThe Dubless。キャリア満点、引っ張りダコの人気DJであるYOGURT氏の胸を借りて、上記3バンドとともにおこなうレーベル初のショーケース・パーティ。

 普段はあまり吉祥寺に足の向かない、遊び場が渋谷周辺の方、ダンスミュージックはちょっと......という中央線沿線の方、このパーティーで、そんな皆さんもレーベルコンセプト同様に融合出来たら最高です。

Manhattan Records Presents
「ROOM FULL OF RECORDS Show Case 2012」
2012.12.08 SAT @ STAR PINES CAFE
23:30~5:00

LIVE : MANDOG, Olololop, The Dubless
DJ : Yogurt, DJ hiroki onodera - lil - Olololop
VJ : Tajif (FORTE / VIDEO ORCHESTRA), Satoshi (BLIND ORCHESTRA)
FEE : 2500yen (1D) / with Flyer 2000yen (1D)

URL : https://www.roomfullofrecords.com/


CAMPANELLA & TOSHI MAMUSHI - ele-king

 福岡天神は親不孝通りを代表したILL SLANG BLOW'KER、その唯一となるセイム・タイトルは、マニア界隈において周知の名盤である。。元々は別個に活動するメンバーが集い、ワンボックス・カーで全国行脚を行うも、あるものはその土地に住み着くなどして、グループは離散。そうした逸話もまた、彼らの奔放さを表していていい話だし、この盤からもそんな人となりがなんとなく想像できる。生活臭のなかに入り混じった生のブルーズとでも言おうか。そんなものがパッケージされているからか、たまに聴き返したくなるときがある。CAMPANELLAとTOSHI MAMUSHIがタッグを組んで作った『キャンピー&ヘンピー』にはその作品を想起させるわずかな片鱗があった。振れ幅の広い、ひと癖あるトラックが並ぶなか、異なる話法を持つ語り手がひとつの世界観を作品に落とし込んでいること。高い熱量とクールな空気感が同居し、たえず常温を保つような、ほどよいドープさとチル加減。もちろん、ハイライトとなるいくつかのヴァースはスリリングだし、何より終盤を飾るCAMPANELLAのソロ曲"ナイト&ナイト"こそが、くだんの作品をもっとも強く思い出させる。煙の立ちこめる夜の音楽である。

 フリーのミックス・テープ『デトックス』をはじめ、ネット上で旺盛な音源リリース――MINTとJinmenusagi、daokoとの"ヒート・オーヴァー・ヒア"(リミックス)は必聴――を行い、粘着質のある独特のフロウが持ち味のCAMPANELLAと、抜けのいい声と小気味よいライミングでさすがは名フリースタイラーといったラップを披露するTOSHI MAMUSHIからなるこのコンビは、HIRAGEN、YUKSTA-ILLらを擁するTYRANT、MIKUMARI、ICHIBA SICKNESSが参加するグループ、HVSTKINGSとともに実体のつかめないTOKAI DOPENESS/NEO TOKAIという独自のコミュニティに属している。
 TOKAI DOPENESS/NEO TOKAIという言葉でまず思い出されるのは、かつて名古屋で絶大な人気を誇ったラッパー、TOKONA-Xの最初にして最後のアルバム『トーカイ×テイオー』。2004年、彼の早すぎる逝去以来、いまなお名古屋のヒップホップ・シーンには彼の存在が影を落としていて、そんなシーンの滞りに対するジレンマは確実に溜まりつつあった。そんな現状を打破するために新たに立ち上げた呼称がTOKAI DOPENESSであり、NEO TOKAIなのである。
 彼らの徹底した上昇志向とスキル絶対主義の姿勢は、もはや聴き手に共感とは別種のものを抱かせる。地域性に根差したコミュニティではない彼らが、口ぐちにレップしているのは架空の都市RACOON CITY。これが何のことかと言うと、(たしか)四日市辺りにある工業コンビナートのことで、遊び場にしているこの地域一帯が、夜間はイルミネーションに煌々と照らされる都市のように見えることから取ったそうだ(偶然ではあるが、親不孝通りもまた、実在しない名称である)。
 この集合体は、同じ地元を持つ絆の強い同胞......というより、純粋にスキルの高い個々の才能がひとつの呼称と指標を合言葉に集まったようで興味深い。やや話が脱線するが、2005年あたりからはじまったUMBのような、いわゆるフリースタイルの巧さを競ったMCバトルの開催は、ラッパー全体のスキルの向上・底上げだけでなく、点在するシーンを繋げ、活性化を促したという部分において、何よりもその後のシーンへの恩恵を感じさせる。

 『キャンピー&ヘンピー』の聴きどころはやはり、まったくスタイルの異なる両者のラップ。展開やトリッキーな韻の置き方や、オフビートにも動じない安定感。トラックの中核を成すのはどこか異国的な音像と繊細なエディット感覚が耳を惹くRAMZA、そしてCAMPANELLAとは共作のあるC.O.S.A。バウンシーだが揺れのある、変則的なリズムを刻む。ソウルフルな"ストリート・リンク"はTONOSAPIENSプロデュースで、他にも"チェス・ボクシング"など、完成度の高い曲が並ぶ。
 しかし、昨年リリースされたYUKSTA-ILLの『クエスチョナブル・ソウト』を聴いたときにも思ったことなのだけれど、現場感を作品にパッケージングすることはつくづく難しい。ライヴでは質の高い見応えのあるパフォーマンスも、作品としてのアルバムにうまく作用するとは限らないということだ。ことにラップ表現においては、言葉が直接的すぎるため、聴き手に息苦しい印象を与えてしまうきらいがある。『キャンピー&ヘンピー』というアルバムは、TOSHI MAMUSHIが淡々とラップを繰り広げる反面、醒めた酩酊感を伴ったようなCAMPANELLAがヨレや破綻を生むことで成立しているアルバムだと感じた。思えば、ILL SLANG BLOW'KERのあの作品が素晴らしいのは、ユルさやミスや悪ノリが閉塞感を脱するメソッドとして、明確に提示されていたからだった。TOKAI DOPENESSの今後がシーンの現状にどう影響してくるのか、ひとまず12/8に渋谷FICTIONで行われるリリース・パーティ(https://www.residentadvisor.net/event.aspx?427129)に足を運んで思いを巡らせてみたい。

「REPUBLIC」 - ele-king

 2012年12月1日。日本のオーディオ・ヴィジュアル・イヴェントのパイオニア「REPUBLIC」が遂に終焉を迎える。書籍「映像作家100人」とのコラボレーションなどでも多くの話題を呼んだ本イヴェントが初回開催された2007年5月から5年の月日を経て、多くの映像作家や、ミュージシャン、DJ、VJといったアーテイストに「音と映像」の新しい関係を提示してきた。そんな「REPUBLIC」も10回目で遂に最終回となりフィナーレを迎える。

 そんな、最終回となる今回は、もっともフラットで自由な表現に溢れており、ホームグランドである「WOMB」のDAY TIMEでの開催となる。

 出演陣も豪華で、「bonobos」や「OGRE YOU ASSHOLE」、「ハイスノナサ」、「ATATA」などのバンド勢に、今年最も話題を呼んだMCでもある「田我流」、ネクストブレイクを期待される「転校生」、巷で話題のガールズラッパーのニューカマー「泉まくら」などのフレッシュな面々も揃える。
 さらに、sasakure.UK、TeddyLoid、okadada、DJ WILDPARTYなどネットから新しい音楽カルチャーを発信する面々に、骨太のビートを生み出すトラックメーカーの「Fragment」、「Himuro Yoshiteru」、「SUNNOVA」に、「dot i/o (a.k.a. mito from clammbon)」、「aus」といったジャパニーズ・エレクトロニカの雄と「DUB-Russell」、「metome」、「Avec Avec」、「Seiho」などの新世代のエレクトロニカ・シーン牽引するアーテイストが一挙に渋谷に集結する。

 また、映像面も「伊藤ガビン」や「原田大三郎」などのレジェンドとともにVimeoでの映像が海外でも高い評価を受ける「yusukeshibata + daiheishibata」、「吉田恭之」、「Kezzardrix」。そして、日本を代表するメデイア・アーテイストの「exonemo」と「FREEDOM」で一躍世にその名を知らしめた「神風動画」に気鋭のデザイン・チームの「TYMOTE」、「FREEDOMMUNE」や「TOWER RECORDOMMUNE」のヴィジュアルを手がけた「yasudatakahiro」など新旧のTOPヴィジュアル・クリエイターが最後の宴に映像で花を添える。

 そして、その豪華面々がこの日にしか見れない極上のオーディオヴィジュアル・ショーケースを準備。また、前回好評を博した各フロアの映像演出もさらにスケールアップ。プロジェクターと液晶モニターを大量に特設で用意し、「WOMB」の全フロアを余すところなく映像で包み込む。もちろん長時間にわたる開催にあたってのホスピタリティとしてFOODもご用意。


2012年12/01(Sat)
REPUBLIC VOL.10~THE FINAL~
@WOMB
13:30-21:30(予定)
当日¥4,500 / 前売り¥3,500 ※ドリンク代別途

【SOUND ACT× VJ】
bonobos × TYMOTE
OGRE YOU ASSHOLE × TBA
okadada × exonemo with 渋家 (VideoBomber set)
ジェイムス下地 × 神風動画
dot i/o (a.k.a. mito from clammbon) × Kezzardrix
Daizaburo Harada -Audio Visual Set-
田我流 × スタジオ石×SNEEK PIXX
sasakure.UK × まさたかP
ATATA ×伊藤ガビン+hysysk+matt fargo
aus × TAKCOM
ハイスイノナサ × 大西景太
DUB-Russell×(yusukeshibata+daiheishibata)
転校生 × 大橋史(metromoon)
TeddyLoid × COTOBUKI
Avec Avec × 超常現象 [水野健一郎. 水野貴信 (神風動画). 安達亨 (AC部). 板倉俊介 (AC部)]
DJ WILDPARTY × SUPERPOSITION
Fragment × ogaooooo
shhhhh × 最後の手段
泉まくら × 大島智子
Inner Science × Takuma Nakata
Yaporigami × yasudatakahiro
Hiroaki OBA - Machine Live - × らくださん
metome × 吉田恭之
Himuro Yoshiteru × maxilla
Seiho (Day Tripeer Records, +MUS, Sugar's Campaign)× 子犬+UKYO Inaba
munnrai(TYMOTE/ALT) × leno
hiroyuki arakawa × Shinji Inamoto
Free Babyronia × NOISE ELEMENT
Licaxxx × DEJAMAIS

【SOUND ACT】
SECRET GUEST LIVE!!!
SUNNOVA
MASTERLINK
i-sakurai with passione Team B
specialswitch
Narifumi Ueno ( Ourhouse / Arabesque )
neonao(futago traxx)
M'OSAWA
SHIGAMIKI
MAYU
motoki
iYAMA(konnekt, MESS)

【VJ】
BENZNE by VMTT
VideoNiks
blok m
アサヒ
VJ PLUM

【映像装飾】
S.E.E.D

【プロジェクション コーディネート】
岸本智也

【FOOD】
浅草橋天才算数塾
錦糸町izakaya渦

【ORGANAIZED BY】
ishizawa(sonicjam Inc.)

2012/12/01(SAT)渋谷WOMBにて終焉を迎える「映像と音の共和国」を見逃すな!!

https://republic.jpn.org/

Chart JET SET 2012.11.27 - ele-king

Chart


1

三田格 / 野田努 - Techno Definitive 1963-2013 (P-vine)
およそ全250 ページ・カラー、テクノの名盤600枚以上のアートワークを掲載。各年代毎、最重要アルバムと最重要シングルを選びながら、エレクトロニック・ミュージックの歴史も読み取れます。

2

Atoms For Peace - Default (Xl)
Modeselektor率いる50weaponsからのデビュー12"は数分で完売。1st.アルバム『Amok』から、最前線Ukベースを消化した話題沸騰トラックが先行カットされました!!

3

Ame - Erkki (Rush Hour)
Kristian Beyer & Frank Wiedemannからなる"Innervisions"お馴染みの才人デュオAmeによる新作12"。"Running Back"主宰のGerd Jansonが監修したコンピ・アルバム『Music For Autobahns』の冒頭を飾る話題作が先行12"カットにて限定リリース!!

4

Juk Juk - When I Feel / Wars (Nommos)
Four Tetに見出され、主宰レーベルTextからデビューを飾った謎の新鋭Juk Juk。過去2作も爆裂ヒットした自主レーベルNommosからの第3弾12"が遂に登場しました!!

5

Poolside - Harvest Moon / When Am I Going To Make A Living (Poolside Music)
A面は『Pacific Standard Time』収録のNeil Young大傑作カヴァー。そしてB面はネット上で大人気を博していたSade名曲のメロウ・ディスコ・リエディット!!

6

Letherette - Featurette (Ninja Tune)
ご存じFloating Points率いるEgloのオフシュートHo_tepからデビューを飾ったUkベース・ディスコ人気デュオLetheretteが名門Ninja Tuneへと電撃移籍して放つハウスDjも直撃の1枚です!!

7

Slugabed - Wake Up (Ninja Tune)
お馴染みNinjaの天才Slugabed。名曲"Sex"を収めたアルバム『Time Team』に続いて、淡雪の如く舞う美麗シンセをまとったフィメール・ヴォーカル・ベース・ポップ歴史的傑作を完成です!!

8

Auntie Flo - Rituals (Mule Musiq)
チリアン・ミニマル新鋭Alejandro Pazのリリースでも注目を集めるHuntleys & Palmersの代表格Auntie Flo。傑作1st.『Future Rhythm Machine』に続く新作がなんとMule Musiqから登場です!!

9

Luciano - Rise Of Angels (Cadenza)
Mirko Loko Remixを収録、世界各地のフロアを盛り上げた"Rise Of Angels"が遂にシングル化!!

10

Miracles Club - U & Me / Ocean Song (Cutters)
エクスペリメンタル通過後のインディ・シンセ・ハウスの先駆者、Miracles Club。通算4枚目、Cut Copy主宰Cuttersからは2枚目となる12インチ!!

Cero - ele-king

 街中がひっくり返ったような、東北地方の変わり果てた港町。その破壊のイメージが未だに私を離さない。比喩でもなんでもない、街は失われてしまった......と同時に、その街の記憶を持つ人びともまた、あるいは失われてしまったのだと思うと、奇妙な戦慄があった。完結してしまった喪失というものは、語り手を持たないものなのだと。
 私たちが放り込まれた「以後」の世界は、完結していない喪失が進行と回復を繰り返しているようなややこしい場所だ。もちろん、死や別れは最初から私たちの人生のオプションだし、その意味では何も変わっていないという言い方もできるだろう。だが、やはり、多くの人が見る世界の在り方が大きく書き換えられたのは間違いないと思う。
 その点、セロもたしかに、変わった。少なくとも、この新作『My Lost City』は、東京をもう以前とは違う(あるいは失われた)街と呼ぶことで生まれている。だが、ここには喪失を直視したことによって生じ得る重苦しさの類は、いっさいない。彼らは祝祭を継続する道を選んだのだ。いわば、現実に対する非服従としてのポップ・ミュージックを奏でている。喪失と、祝祭を、同時に引き受けることによって、それは高らかに鳴っている。
 
 "大停電の夜に"が持った奇妙な予見性、そして、『WORLD RECORD』(2011)がそれと同時に持った同時代的な切迫感との乖離。そのギャップが彼らを苦しめていたことを、私は知らなかった。「でも、その時、村上春樹が『海辺のカフカ』で「想像の世界においても、人は責任を負わなければならない」というようなことを書いていたなって、頭をよぎったんです。(https://www.kakubarhythm.com/special/mylostcity/)」――そう、セロは、より強力な物語を立ち上げることで、虚構の作り手としての責任を引き受けたのだろう。
 より大きな現実には、より大きな虚構を。"水平線のバラード"のア・カペラで導入され、以降、賑やかに、カラフルに、48分が目まぐるしく展開していく。何かヘヴィなものを振り切るように、ある種の切実さを持って、『My Lost City』は明確に祝祭性を志向する。現実からもっともっと遠く離れて。悲観や感傷ではなく、さらに大きな、情熱的なファンファーレで、「以後」の世界に生きる人びとを迎え入れている。

 音楽としてのスケールも遥かに大きくなっているように思う。はっぴいえんど、鈴木恵一、ジャズ、ファンク、合唱、テクノ、キューバ音楽......打楽器にしても、金管にしても、鍵盤打楽器にしても、1曲のなかでも目まぐるしくシャッフルされ、特に演劇仕立てのプログレッシブ・ポップな展開を見せる"船上パーティー"は中盤のハイライトとなる。
 また、セロ a.k.a. Contemporary Exotica Rock Orchestraというネーミングは実に的確で、チェンバー・フォーク的な緻密さと、ストリート・バンド的な豪快さを兼ね備えたムードがあり、何より、『My Lost City』からはたくさんの人の気配がする。スティールパンやトランペットで参加しているMC.sirafu、ドラムス、サックスで参加しているあだち麗三郎らは事実上のバンド・メンバーのようで、演奏のクレジットは賑やかなことになっている。
 そう、音楽を作ることがあまりにも簡単になったこの時代に、数分のポップ・ソングのために数十人が集まっている。その光景を想像するだけでも感動的である。ルー・リードのクラシック"A Walk on the Wild Side"(1972)をトロピカル・サイケ・ポップにリアレンジしたような"cloud nine"、合唱に包まれながら、幽霊船に乗って暗闇の中を突き進む"Contemporary Tokyo Cruise"、そしてアルバム本編の実質的なエンディングを飾る"さん!"の底なしの多幸感には、私は小沢健二を感じた。

 しかし『My Lost City』は、そこで終わらない(終わっていれば、いわゆる出来過ぎた「名盤」である)。"わたしのすがた"で、物語の主人公は現実の東京に戻っている。虚構の旅を終え、CDと文庫本でぐちゃぐちゃになった狭い部屋で、現実に思いを馳せる彼は、『My Lost City』を聴き終えたあなたそのものだ。そこで何を思う? 音楽で盛り上がったところで、「この街」は変わらない。そうした無力感とも取れる感情を吐き出し、『My Lost City』は、エレクトロニックな閉塞感とともに、ある意味では汚い終わり方をする。
 ポップ・ミュージックが多くの人を熱狂的にアップリフトさせる時代は終わったし、その不可能性に逆に陶酔するというシニシズムの時代も終わったのだと思うが、それを自覚した上で、個人以上/社会未満としての都市(シティー)の気分や気配を、そのまま音楽にしてしまうことを、セロは諦めていない。それでも、"わたしのすがた"が生まれなくてはならなかった(あるいは録音されなければならなかった)理由を考えると、なんともアンビヴァレントな気持ちになる、、、。

 少し話を変えよう。『My Lost City』が持つ意味について。筆者は昨年、「スモール・ミュージック」という言葉でこの国のあまり売れていない(だが素晴らしいと思える)音楽を形容したけれども、これは、かつて本誌編集長がロバート・クリストガウを引用する形で紹介した「セミ・ポップ」という概念とは少し違う。細分化に対して下位層に潜るのではなく、そこがどれほど狭い場所であれ、堂々とポップの可能性にベットする音楽――『ピッチフォーク』の表記に倣えばスモール・ポップ――の時代は、欧米ではアーケード・ファイアの『Funeral』(2004)で始まっているが、『My Lost City』はつまり、この国のインディ・ポップにおける始まりのはじまりである。
 また、地球儀を軽くスピンするようなその豊かな音楽性を踏まえれば、『Illinois』(2005)前後のスフィアン・スティーヴンスに対する「風街」からの回答とも言えるし、あるいは、90年代に『LIFE』があったのなら、私たちの時代にはこれがある、『My Lost City』はそういう作品だ。奇跡のようなポップの現象はもう、このさき生まれ得ないのだろう。だが、奇跡をともに願える仲間を、セロは見つけたようだ。それもまた、小さな奇跡なのではないだろうか。「いかないで、光よ/わたしたちはここにいます」("Contemporary Tokyo Cruise")――この祝祭は、きっと徒花ではないし、ひとりの天才が作り上げた孤城でもない。枯死していく風景の中に浮かび上がる、輝かしい宴の虚像。この時代を笑顔で生きようとする人びとに捧げられた、巨大な祈りとしての音楽が、ここにある。

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