「AY」と一致するもの

DJ KAMATAN (PANGAEA) - ele-king

DJ schedule
4/6(土) @名古屋KalakutaDisco
4/13(土) @神戸 Bapple
5/3(祝) @仙台PANGAEA with Universal Indiann
5/25(土) @仙台PANGAEA with 山仁
6/5(水) @仙台 ADD
6/6(木) @江ノ島OPPA-LA with ラビラビ
6/8(土) @仙台 ADD
6/14(金) @仙台PANGAEA with DJ 光
6/29(土) @仙台PANGAEA with ラビラビ&ALTZ

仙台PANGAEA
https://pangaea-sendai.com
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https://www.facebook.com/KAMATAN

本日のレコードバッグ(順不同)


 
Seekers International - The Call From Below - Digitalis

 
Ivano Tetelepta & Roger Gerressen - Floating Ep - Fasten Musique

 
Abdulla Rashim - Semien Terara - Abdulla Rashim Records

 
The Soft Walls - The Soft Walls - Tough Love

 
Lando Kal - Let You In The Sky - Icee Hot

 
Paul Woolford - Can't Do Without - Phonica

 
To Rococo Rot - He Loves Me(Four Tet Remix) - City Slang

 
Beat Conductor - I Can't Go For That - Spicy

 
Behling & Simpson - Where The Oh's - Apple Pips

 
Hollie Cook - Prince Fatty Presents Hollie Cook In Dub - Mr Bongo

Major Lazer - ele-king

 メジャー・レイザーが帰ってきた! 別にどこかに行っていたわけじゃないんだけど。
 僕は、メジャー・レイザーの『ガンズ・ドント・キル・ピープル・レイザーズ・ドゥ(銃は人を殺さない......レイザーはやる)』(2009年)が好きだ。レゲエが、冗談が、ポップが、軽薄さが好きだ。ジャマイカのゆるさが、リディムとベースが、いい加減さが......
 こう言ってはナンだが、この音楽は政治的だ。なにせ、同性愛嫌悪でリベラル派から非難を浴びていたダンスホールのMCを引っ張ってきて、一緒に踊らせている。説教くさい連中とはやり方がひと味違っている。

 メジャー・レイザーには、ディプロ、そしてスイッチのふたりがいるから良いという意見がある。その観点で言えば、4年ぶりの『フリー・ザ・ユニヴァース』には一抹の不安があるかもしれない。スイッチはプロジェクトを去った。新生メジャー・レイザーといっても、スイッチが抜けただけではないのか......と思っても無理はない。
 しかし、僕は、昨年リリースされた7インチ、「ゲット・フリー」、ダーティー・プロジェクターズのアンバー・コフマンがロックステディ風にレゲエを歌うこの曲を聴いたとき、心配が無用だとわかった。新作『フリー・ザ・ユニヴァース』を聴いたいま、自分がこの音楽のファンであることを再認識している。
 周知のように、メジャー・レイザーはディプロのレゲエ・プロジェクトだが、新作には、ジューク(ニューオーリンズ・バウンス)風のビート、ジャングル、レイヴ、ダブステップ、トライバルなど多彩なビートがミックスされている。MCやシンガーのメンツは、信じられないほど豪華だ。ダンスホールの大物、シャギーやエレファント・マン、ヴァイブス・カーテル、、ヴァンパイア・ウィークエンドのエズラ・クーニグ、ダーティー・プロジェクターズのアンバー・コフマン、ピーチーズ、サンティゴールド、オランダのベテラン・テクノDJ、レイドバック・ルーク、UKのベテラン女性MC、ミス・ダイナマイト......そしてワイクリフ・ジョン等々。『フリー・ザ・ユニヴァース』は、4月10日に発売。


Watch Out For This(Bummaye Lyric Video)

Get Free (feat. Amber of Dirty Projectors) 

Jah No Partial (feat. Flux Pavilion)

Various Artists - ele-king

 チャージしなければと思って券売機の前に並んでいたら、前のやつがあまりに遅い。なにをどうすればそんなに時間がかかるのかと思うほど、券売機の前から動かない。社会を混乱させるために左翼が考え出した新手のひとりデモかと思いはじめたあたりで、やっとそいつがどいた。その間に隣の列は3人ぐらい進んでいた。僕の後ろには誰もいない。ここで「前のやつ」に過剰な憎しみを覚えるのがレイシストというやつに繋がるのではないかと思うけれど、世のなかには切符を買おうがチャージしようが、このような制度に慣れていない人はまだけっこういることもたしかである。それなのにディジタル化された券売機は以前より数が減り、たまに切符を買ったり、チャージしようと思うと、以前と同じことをやっていても、よりストレスは高負荷になっている。悪いのは券売機の数が減ったことや、新しい制度に慣れさせようとしていることだと思うのに、それにまだ順応できない人たちがイラダチの対象になってしまう。少し前、友人たち何人かと電車に乗るとき、僕はわざとひとりだけ切符を買うようにしてみた。僕ひとりが切符を買うために全体の動きが遅れる。これに文句を言う人はけっこういた。面と向かって文句は言わないものの、「なんでSUICAを使わないの?」と聞いてくる人はかなり多く、文句を言う人と同じことを感じているのはありありとわかった。「持っているよ」といってSUICAを見せると、それ以上、文句を言う人はいなかった。

 個人に文句を言うことはたやすい。「お前さえいなければ、すぐにチャージができるんだ」と。システムに疑問をぶつけても、返事が返ってくることはまずない。社会や鉄道制度を変えることは、ほとんどの場合、個人の手には余る。僕も自動改札をやめたらいいと思うわけではない。それを制度として理解し、従順に利用するだけである。それはその制度が追求してきた効率性という価値観を共有し、券売機の列に並ぶことを「待たされる快楽」として認識できなかったからである。インド人は待たされることが最高の楽しみだという記述をどこかで読んだことがあるけれど、そのような世界観を共有できれば、「前のやつ」も「制度」もすべては疑問の対象外となり、楽しく暮らせるのかもしれないけれど......

 「スロウフット=足が遅い」と名乗るダンス・レーベルがようやくまとめた『ジェットの軌跡を残す』というコンピレイションがとてもよかった......ので、以上のようなことを思わず考えた。なるほど2001年からスタートして、いまだに21作しかリリースされていないとは奄美出身の松村正人も驚きだろう。松村くんといえば(......ま、いいか)。しかも、僕がこのレーベルの存在に気づいたのは、2年前、ハーバートの「ワン」シリーズに参加してい(て、来日メンバーでもあっ)たクルードスンがデビュー・アルバムとなる『グラヴィティ』をリリースしたからで、ほかに名の通ったミュージシャンもプロデューサーも誰もいない。当然のことながら『ジェットの軌跡......』もクルードスンだけが目当てで聴いてみた。そして、その無名の嵐どもがやろうとしてきたことにあっさりと持っていかれてしまったのである。ひと言で言おう。このレーベルがやろうとしてきたことは、(次号のエレキングで特集した)元ヴェクスドやアンディ・ストットとは対照的にダブステップをインダストリアルの文脈で理解するのではなく、アシッド・ジャズやブロークン・ビーツの延長にあるものとして捉え、そこにポテンシャリティのありったけを注いだものなのである。生楽器を持ち出す人もいるし、スウィング感を出すだけで終わっている人もいる。もちろんダブステップでもなんでもない人も混ざっている。アフロ・ビート、UKガラージ、クラウトロック、ミュージック・コンクレートも召喚されている。寄り道もたいがいにしろと思うような折衷ぶりで、なるほど、「足が遅い」からできたことだという気はする。

 ひとりひとりが......というよりは全体で面白い内容になっていると思うんだけど、そのなかにはディス・ヒートのチャールズ・ヘイワードによるモンキー・パズル・トリオも含まれている。流れで聴いていると、これはさすがにダブステップには聴こえないものの、大して違和感がなく収まっているのはやはりレーベル・マジックとしか思えない。3年前にリリースされたイタリアの新鋭、ゴルとのジョイント・アルバムがあまりに旧態としていてアヴァンギャルド・ミュージックに限界を感じるようになったきっかけでもあったので、このようなリクルートは素直に嬉しいものがある。あるいは編集の手腕というのかな(ちなみに同じくディス・ヒートのチャールズ・バレンはサーカディアン・リズムの名義で98年にデトロイト・テクノのアルバム『インターナル・クロック』をリリースしている)。

 対照的にサラブレッド的な存在感を放っていたマシュウデイヴィッドのリーヴィングは金でモメたか何かしたみたいで、初のレーベル・コンピレイションをブレインフィーダーではなく〈ストーンズ・スロウ〉からリリースすることになった(正確には昨年、カセットでリリースしていたものからマシュウデイヴィッドによるスキットを除いた構成に)。これも同じようにオープニングはジャズ・ドラム。続いてサイクリストによるテクノもどきからマシュウデイヴィッドとセレンゲティことデヴィッド・コーンによるデイヴィスのクラウド・ラップ(?)へと続き、なんとなくグダグダに曲がつながっていく。並べ方の問題なのか、僕の心が捻じ曲がっているのか、ダク(=屋根)やヤック(=不潔なもの)など、面白い曲はけっこうあるのにどれも引き立っていないように聴こえてしまい、全体としては満足感が低い。サン・アローやアンチコンのオッド・ノズダムなどリーヴィングに縁のあったミュージシャンは総出でフィーチャーされ、ジュリア・ホルターに至ってはアーサー・ラッセルへのトリビュート・ソングがそれなりにいい感じにもかかわらず、客席が騒々しくて誰も聴いてないライヴ・ヴァージョンが収録されていたり(なんで?)。

 もっとも聴きたかったのはデム・ハンガー。これは、どんよりとしたスペイシー・ブレイクビーツで......曲がちょっと短かいせいもあって、もっと聴きたくなった。あんまり聴きたくなかったのに入っていたのがランDMT。しかも、これは......サン・アローのパクリだろうか?(エンディングのセーミアも同一人物) カップ・ケイヴとキングフィッシャーグによるセアリヴァや優雅な作風を聴かせるディンテルなど、不思議なコネクションのものもあれば、トランス・ファーマーズやラプチィなどなんだかわからないものが上手く混ざり合ってはいるので、一応は成功なのだろう。〈リーヴィング〉が目をつけているところもありきたりなものではないし、この先、なにが起きるかわからないと思わせるだけのものはある。最初のリリースから(まだ? もう?)5年。マシュウデイヴィッドは、しかし、何かを少し急ぎすぎてしまった気がしないでもない......

4月に行きたい10の場所、その1 - ele-king

 2005年にデビュー作をリリースして以来、スペイン民謡集のカヴァーやシューマンやブラームスへの参照を通して独特のフォーク・スタイルを確立してきた異才、ジョセフィン・フォスターが来日する。フリー・フォーク・ムーヴメントへの関心が高まっていた当時は、そうしたムードのなかでさらにその名が知られるようになった。じっと動向を追ってきたファンの方もいらっしゃるだろう。最新作『Blood Rushing』は「WIRE」の2012年ベスト・アルバムにも選ばれ、じっくりとした活動の積み重ねの上に、いままさに彼女の時代が花開こうとしている。
 今回のツアーには先に挙げたスペイン民謡カヴァー作品『Anda Jaleo』でもお馴染みのギタリスト、ヴィクトール・エレーロが同行。4月23日(火)のWWW公演では彼女との親交も深いというドラマー、田中徳崇が加わる。また同日は灰野敬二もソロで登場。フォスター本人も興奮する豪華な組み合わせが実現した。全国10ヶ所で行われる公演のうちには、ボアダムスのYOSHIMIなどの参加も伝えられている。見逃せない機会だ。

Josephine Foster、待望の初来日。
WWW公演の共演には灰野敬二が決定。

 最新作『Blood Rushing』がイギリスの雑誌「WIRE」の2012年ベスト・アルバムの一枚として選ばれ、発売時には表紙も飾ったJosephine Foster。デビュー以来、最も来日が待望されていたアーティストの一人である彼女の初来日が決定しました。近年の彼女の作品・ライブには欠かせない、スペイン人ギタリスト・VICTOR HERREROも共に来日。WWW公演ではJosephineがシカゴで活動していた時期に親交の深かったドラマー田中徳崇を迎えます。共演には灰野敬二がソロで登場。Josephine自身も「とても名誉なこと」と云うこの組み合わせが実現するのはもちろん今回が初めてです。じつに幅広い音楽に造詣が深く、数々のジャンルのミュージシャンと多彩な共演を行ってきた灰野敬二とJosephine Fosterの一夜限りの邂逅。お見逃し無く。

■2013年4月23日(火)渋谷WWW
JOSEPHINE FOSTER & VICTOR HERRERO JAPAN TOUR APRIL 2013
出演:
JOSEPHINE FOSTER & VICTOR HERRERO with 田中徳崇(Noritaka Tanaka)
灰野敬二 Keiji Haino
open 18:30 / start 19:30
前売 ¥3,500 / 当日 ¥4,000(共にドリンク代別)
<TICKET>
▶メール予約
www.info@www-shibuya.jp
contactwindbell@gmail.com
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
予約ご希望の方は各公演・予約受付EMAIL address宛に
公演日時・出演者名を件名とし、
・お名前(カタカナフルネームでお願いします)
・予約枚数
・連絡先(メールアドレス、電話番号)
を明記の上、メールを送信してください。
ご入場は受付時にお伝えする整理番号順となります。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
▶WWW・シネマライズ店頭販売
▶ローソンチケット[L:72848]
問い合わせ:WWW 03-5458-7685
主催:WWW
企画制作:WWW / windbell
イベント詳細URL → https://www-shibuya.jp/schedule/1304/003630.html

《出演者プロフィール》
■Josephine Foster
ジョセフィン・フォスター

アメリカ・コロラド州出身。
15歳で歌い始め、ロッキー山脈のログキャビン教会、葬儀や結婚式でも歌っていたという。
オペラ歌手になることを夢見てクラシックを学んだがシカゴ移住後自ら曲を書くようになる。
数年の間歌を教える教師として働くかたわら、Born Heller、The Children's Hour などシカゴの様々なバンドのライヴやレコーディングに参加。
自主制作でいくつかの作品をリリース後、2005年に1stアルバム"Hazel eyes I will lead you"をリリース。
2ndアルバム"A wolf in sheep's clothing"ではシューマン、ブラームス、シューベルトの歌曲を披露。
2009年リリースの4枚目のアルバム"Graphic as a star"は19世紀のアメリカの詩人・エミリー・ディッキンソンの詩に曲をつけた意欲作。
スペインの詩人・劇作家 フェデリコ・ガルシア・ロルカが採譜・編曲による
スペイン民謡集"Colleccion De Canciones Populares Españolas"に取り組んだ2010年リリースのアルバム"Anda Jaleo"、
スペイン各地に伝わる様々なトラディショナル、ソングブックの数々からの楽曲をとりあげた2011年リリースのアルバム"Perlas" の二作を
「Anda Jaleo/Perlas deluxe edtion」二枚組(WINDBELL four 112-113)としてリリースしたのが初の日本盤発売となった。
半年開けずにリリースされた最新作「Blood Rushing」(WINDBELL four 115)は
イギリスの雑誌「WIRE」の2012年のベスト・アルバムの一枚として選ばれ(発売時には表紙にもなっている。)、
ここ日本でも主にミュージシャン、DJたちが2012年のベストの一枚に選んだ。
ブリジット・フォンテーヌ、カレン・ダルトン、アネット・ピーコック、ニコ、バルバラ、ロッテ・レーニャ、ウム・クルスーム...など真のレジェンドたちに連なり、
まもなく名門NONESUCHから新作をリリースするデヴェンドラ・バンハートと同様に未来の子供たちが発見することになる現代を代表するアーティストの一人。
デビュー以来、最も来日が待望されていたアーティストの一人である彼女が遂に初来日する。

■灰野敬二
1952年、千葉県生まれ。非常に厳格な「音」へのこだわりをもとに、現在でも実験的な前進を続ける野心的な音楽家であり、ロック、サイケデリック、ノイズ、フリー・ジャズ、フ リー・ミュージックなど、扱う音楽のジャンルは非常に多岐に亘る。いかなるジャンルに着手するときにも極めてプリミティヴな即興性が大きな意味を持つ。
1970年代より活動を続け、常に新たなスタイルを探し続ける野心的な音楽家である。挑戦的で実験的な作品群は、日本のみならず海外での評価も高い。リリースしたレコードやCDは優に100を超える。ソニック・ユースのサーストン・ムーアをはじめ、彼を信奉するミュージシャンは世界的にも数多い。
一般的なイメージとしては、幾重にもエフェクトがかかったギターによる轟音とやや上ずったトーンでの絶叫や激しいヴォイスパフォーマンスをからめた、ノイズ的でもあるサイケデリック・ロックとガレージ・ロックの過激な折衷で知られている。しかし演奏する音楽のフォーマットはじつに幅広く、トラディショナルなブルースやジャズ、ハードコアにも意識を持つほか、哀秘謡において歌謡曲やフォーク、童謡、オールディーズなロックンロールをカヴァーしたり、雅楽や民族音楽(多くの民族楽器を我流でマスターする)、現代音楽、ノイズといったポピュラー音楽の埒外へのアプローチも行う。数々のジャンルのミュージシャンと多彩な共演を行う懐の深さを持ち、 演劇・舞踏・絵画といった他分野の芸術からの影響も大きい。
特筆すべき点はその音量に関してであり、尋常ではない大音量から微かに聴きとれるかどうかの繊細な音まで使いこなす。かつて「ライバルは雅楽」と述べたことから、轟音から静寂までといった極端なレンジ差をもった音楽は、「間」の感覚に関する延長線上のアプローチであるとされる。聴き取りにくいながらレパートリーの中には歌詞があるものも多く、音楽性の苛烈さと相反する内省的で柔らかなリリシズムを持ち味とする。
自らの作るべき気配を佇ませる場所を「黒」という色に求めており、身につける服や作品のジャケット等はほぼ黒一色に統一されてい る。また、黒という色は白を含め全ての色が混ざっており、黒という色のように全て(の音楽のジャンル)を内包したいと語っている。このことからも分かるように、彼は黒という色に対して並々ならぬ思い・考えを持っている。
2012年5月に還暦を迎え、7月には初のドキュメンタリー映画『ドキュメント灰野敬二』が公開された。

JOSEPHINE FOSTER & VICTOR HERRERO

■4月11日(木)神戸 bar Gospel
開場 19:00 開演 20:00
料金¥4000(1 drink + 1 plate Korean Tapas 付/限定 50 set)
予約受付 contactwindbell●gmail.com

■4月12日(金)岡山 城下公会堂
https://www.saudade-ent.com/index.php
開場19:00 開演20:00
料金 ¥3500(+1 drink)
予約受付 info●saudade-ent.com

■4月14日(日)金沢 shirasagi / 白鷺美術
https://www.shirasagi-art.net/
開場 19時 開演 20時
料金 ¥3500(前売)¥4000(当日)
予約受付 info●shirasagi-art.net
with 垣田 堂
https://do-kakita.cu-tablet.com/

■4月15日(月)大阪 Grotta dell Amore
(グロッタ・デ・アモーレ - ニューオーサカホテル心斎橋B1F)
https://www.newtone-records.com/
開場 19:30
料金 前売 3300円 当日 3800円
予約受付 info●newtone-records.com
with YOSHIMIOLAYABI (YOSHIMI with AYA+AI from OOIOO)
https://ooioo.jp/

■4月17日(水)京都 Urbanguild
https://www.urbanguild.net/
開場18:30 開演19:30
料金¥3500(+1 drink)
with 林拓
https://hayactaku.ciao.jp/

■4月18日(木)岐阜 nakaniwa
https://www.pand-web.com/
開場 19:00 開演 20:00
料金 前売¥3500 当日¥4000(+1 drink)
予約受付 info●pand-web.com

■4月19日(金)名古屋 KD ハポン
https://www2.odn.ne.jp/kdjapon/
開場18:30 開演 19:30
料金¥3500(+1 drink)
予約受付 kdjapon●gmail.com
with Gofish
https://www.sweetdreamspress.com/search/label/Gofish
https://dopplernahibi.jugem.jp/

■4月20日(土)立川 gallery SEPTIMA
https://galleryseptimablog.blogspot.jp/
開場19:00 開演19:30
料金¥3500(1drink付)
予約受付 galleryseptima●gmail.com
     contactwindbell●gmail.com

■4月21日(日)代官山 MAMA TARTE
開場20:00 開演20:30
料金¥4000(1drink付)
予約受付 contactwindbell●gmail.com

■4月23日(火)渋谷 WWW
https://www-shibuya.jp/index.html
開場18:30 開演19:30
料金 前売:¥3500 /当日:¥4000(共にドリンク代別)
予約受付
www.info●www-shibuya.jp
contactwindbell●gmail.com
WWW・シネマライズ店頭販売
ローソンチケット
出演:JOSEPHINE FOSTER&VICTOR HERRERO with 田中徳崇(Noritaka Tanaka)
灰野敬二 Keiji Haino
https://www.fushitsusha.com/
https://www.doc-haino.com/

予約ご希望の方は各公演・予約受付EMAIL address宛に
公演日時・出演者名を件名とし、
・お名前(カタカナフルネームでお願いします)
・予約枚数
・連絡先(メールアドレス、電話番号)
を明記の上、メールを送信してください。
ご入場は受付時にお伝えする整理番号順となります。

*上記予約受付Email address の●部分を@に差し替えてください。
予約受付 Email addressが明記されていない公演は
各会場HPからお申込ください。

ツアー全体詳細ページ
https://windbelljournal.blogspot.jp/2013/02/por-fin.html



Horace Andy - ele-king

 レゲエを聴かないリスナーが、マッシヴ・アタックの衝撃的デビュー作『Blue Lines』(1991)でホレス・アンディの存在を知ってから、もう20年以上経った。その後も彼の声はマッシヴ・アタックのブリストル・サウンドにとって透徹したフェティシズムの対象であり続け、今日まで彼らの作品に欠かせない要素になっている。そして、レゲエ歌手がモダンなダブ/エレクトロ・サウンドの"ヴォーカル・パート"に用いられるトレンドの嚆矢ともなった。
 もちろん、当初"トリップ・ホップ"と形容されたマッシヴ・アタックのサウンドはレゲエ、ヒップホップ、ダブ、ダウンビート、アンビエント等々のファクターを縫うものだったわけで、レゲエ自体とは薄からぬ血縁があった。しかし彼らの音のなかにレゲエから引かれていたものは、レゲエの軽快で陽性の側面よりもむしろ、鋭利な重量感に雄弁な精神性が宿るダブの前衛と、同時にそこからにじみ広がるアンビエントなサウンドスケイプであり、そこにメタリックな光沢さえ感じさせるアンディのハイ・トーン&ヴィブラート唱法が強烈なマッチングを見せたのだった。

 そうしたアンディの特質と合致した彼の代表作として、とくにマッシヴ・アタック以降のファンが愛聴するのが、NYの〈ワッキーズ〉レーベルに残された名盤『Dance Hall Style』だ。ここで聴かれる80年代初頭のワッキーズ・サウンドの、音が地面に重くめり込んで歪んでしまったかのようなドラム&ベイスの暴力的なブースト、それから硬く無機質なダブの質感は、それまでのジャマイカ産の音とは明らかに異なっている。そしてルーツ・レゲエの陰影から冷たい闇のエッセンスだけを抽出、培養したようなそのサウンドが、90年代以降のブリストル・サウンドや欧州のダブ・クリエイションの新潮流にとって、ひとつのプロトタイプとなったことは間違いない。マッシヴ・アタックが『Blue Lines』収録の"Five Man Army"でアンディに『Dance Hall Style』の収録曲"Cuss Cuss"や"Money Money"のリフレインを歌わせたり、続く2作目『Protection』では同じく『Dance Hall Style』収録の"Spying Glass"を丸々アンディ本人を迎えてカヴァーしたのは、自分たちのサウンドの指向性(ルーツ)のひとつを示した、リスナーに対する種明かし的啓蒙だと言えるだろう。

 2000年代に入って、その〈ワッキーズ〉レーベルのカタログがベルリンのテクノ・プロダクション/レーベル:ベイシック・チャンネルによってリイシュー配給されたことも象徴的な出来事だったが、その後もレゲエとディジタル・ダブとエレクトロニカの分野の相互干渉と拡張はヨーロッパ全体で実に自然な成り行きのなかで進行し、折りに触れてジャマイカの源流を仰ぎ見ながらも、独特の、低温度でダークでヘヴィーなサウンドを醸成してきた。

 本作はその"支流"の最先端から、またも欧州型ダブ・エレクトロ・クリエイションとホレス・アンディとの相性のよさを再発見しよう、という企画である。とはいえアンディは近年も(彼らもブリストル・サウンドの代表的ユニット)アルファとのコラボでアルバムを発表したり(『Two Phazed People』)、UKハウス界のレゲエ通アシュリー・ビードルとも、〈ストラット〉レーベルの人気の異種ジャンル交配シリーズ〈Inspiration Information〉の一環でアルバムを作ったり、クラブ・ミュージック・クリエイターからの引きが切れなかったゆえに、いまとなってはこの種の作品に新鮮味を感じない人も多いだろう。

 ただ、本作の出口はハンブルクのダブ・レーベルの名門〈エコー・ビーチ〉だけに、その支持者がヌルい音で満足しないことはプロダクション側が一番よくわかっている。参加したクリエイターはレーベルに縁の深い名だたる面々で、ブリストルの顔役ロブ・スミス(RSD)、ベルリン・レゲエ・シーンの重鎮フロスト&ヴァグナーのオリヴァー・フロスト、ベルリンのダブ・テクノ・クリエイターのラーズ・フェニン、オーストリア/ウィーンから世界的名声を獲得したダブ・バンド:ダブルスタンダート、スイスのダブ・ユニット:デア・トランスフォーマーetc.......。

 肝心の収録曲は、前掲"Cuss Cuss"や"Money Money"、さらには"Skylarking"など、アンディのクラシック・チューンの焼き直し。〈エコー・ビーチ〉は、UKの名レゲエ再発レーベル〈ブラッド&ファイアー〉の古典ダブ音源を新世代のテクノ・クリエイターにリミックスさせた刺激的な〈Select Cuts〉シリーズの発売元でもあるから、昔の曲を聴かせるならこれもリミックス企画でよかった、という声も上がりそうだ。あるいは、この面々の作る音で新たに吹き込むなら、新曲のオリジナル・アルバムが聴きたかった、という意見も出るに違いない。しかしながら、ミニマル・ダブもダブステップもブレイクビーツもクラシカルなダブのセオリーもすべてが手段として前提化している上に、楽曲自体にも目新しさがない、というところまで自らハードルを上げておいて、この面々でアンディ・クラシックスの2013年版を提示しようとするわけで、つまりはそのレーベルの野心とクリエイターそれぞれの手腕とイマジネイションこそがまさに聴きどころだと捉える人なら、多くの曲でかなりスリリングな体験ができるはずだ。

 7楽曲で15トラック。つまりダブ・ミックスへの展開まで収録した曲があれば、同一曲を複数のクリエイターがそれぞれのヴァージョンにいちから作り変えた曲もあって、豊かなヴァージョニング・アートの妙が展開される。といっても、奇矯なトラックやミックスで驚かせるわけではない。還暦越えにしてなおもみずみずしいアンディの声は、その美点を削がぬようにとても丁重に扱われている。そしてカネに狂わされる人間の性(Money Money)、仕事、階級社会、若者の退廃(Skylarking)、善悪観念(Bad Man)、争いごと(Cuss Cuss)といった普遍的な曲のテーマ、直截的でシンプルな歌詞のリフレインも入念に強調されながら、サウンドとヴォーカルの調和はどれも見事に保たれている。これエイドリアン・シャーウッドがアレで使った技じゃん、というようなツッコミが免れないパーツもあったり、全トラック同じように感心できるわけでもないが、1曲1曲が濃密な仕事の集積であることはたしか。12インチ・シングル4枚とかにバラして出してもらうとよろこぶ人も多いんじゃないか。

 微妙にムッシュ・アンドレやバンクシーもどきなグラフィティ仕立てのジャケットはぞっとしないが、中身はきちんとヨーロッパのストリートの音がする。さすがに20年前のインパクトは望むべくもないにせよ、この我らがレゲエ・レジェンドは、変わらず新しい音に興味と理解を示し、そしていまもその上で自分の特性をきちんとアピールできている。

KEIHIN(ALMADELLA/Maktub) - ele-king

過日、紙のele-kingの企画で三田格さんと倉本諒さんとINDUSTRIAL対談しました。
ダンスミュージック限定の私的INDUSTRIAL10選です。
意外に最近の盤が多くなりました。
どれも思い入れのあるレコードなんで、興味のある方は是非チェックしてみてください。

3月29日(金)ニューパーティー"Maktub"をAIRにて始動致します。
https://www.air-tokyo.com/schedule/1334.html

私的INDUSTRIAL10選


1
Ken Bennet / David J. Wire - An Introduction To The Workplace - Downwards

2
Outline Meets Surgeon - Blueprint 7 - Blueprint Records

3
Deuce - Deuce EP - Ostgut Ton

4
Surgeon - Whose Bad Hands Are These? (Disinvectant Dislocated Finger Mix) - Dynamic Tension

5
The Weakener - What Do You Know About It - Wordsound Records

6
O/V/R - Post-Traumatic Son (Marcel Dettmann Mixes) - Blueprint

7
Ugandan Methods - Beneath The Black Arch - Ancient Methods

8
Aphex Twin - Ventolin - Sire

9
Vex'd - Degenerate - Planet Mu

10
Karenn - Sheworks 001 - Works The Long Nights

Chikashi Ishizuka(Nice&Slow) - ele-king

今春からアナログレコードレーベル(NICE&SLOW)始動します
chikashi.ishizuka@facebook.com

手前味噌


1
ColorsSoundSystem - AR - Lovemonk

2
Ajello - KalinbaTune - Retrospective

3
Cottam - Irework - SoundOfSPeed

4
ChristianBurkhardt&SashaDive - Bogota - raummusik

5
Disco_Cuatro - MojoWorking - CVLT_Edits

6
Bunny_Mack - LetMeLoveYou - SUPAFRICO

7
Crowd_leaser - Nenekri(dub) - Turbo

8
Asid_Monday - El_Recorrido - DeepVibes

9
Chikashi_Ishizuka - Step_forward - Nice&Slow

10
Chikashi_Ishizuka - Boogi_man - Nice&Slow

Dazzle Drums - ele-king

NagiとKei Suganoの男女2人組ユニットで、それぞれDJは90年代から、楽曲制作は05年から活動しています。LOOPの閉店に伴い、毎月日曜日に開催していたBlock Partyを一時期休止しておりますが、その時間の空きを制作やその準備につぎ込んでいる日々です。昨年夏から各方面にお問い合わせ頂いたOnce In A Lifetimeのオーヴァーダブが、ようやく3月中にはアナログリリースされるとのこと。チャートは素直に自分達がいまプレイして楽しいものを新旧選ばせていただきました。
https://www.dazzledrums.com

Dazzle Drums Chart March 2013


1
DJ Greg, Hozay, Lisa Moore - Give Me (DJ Spen & Thommy Davis Mix) - Quantize Recordings

2
Angela Johnson - Love (Souldynamic Zanz Deep Mix) - Tony Records

3
Daniel J, DJ Jaz, Dahrio Wonder - I Can't Get Enough (Harlum Remix) - Moulton

4
Lil Soul - New Day (Abicahs Reloaded Vocal Mix) - Abicah Soul

5
Dino Lenny - West End Girls (Original Mix) - Strictly Rhythm

6
Intruder - U Got Me - Murk

7
Romanthony - The Wanderer (Dixon Edit) - Glasgow Underground

8
Can - Vitamin C (Joe Claussell Edit) - Sacred Rhythm Music

9
Sister Sledge - Lost In Music (DK Edit) - CDR

10
10. Talking Heads - Once In A Lifetime (NK Overdub Of Moplen RMX) - NKRMX004

interview with RITTO - ele-king

 沖縄に移り住んで2年になる。本島を南北に貫く主幹道路、国道58号線。観光地をつなぐ格好のドライヴルートは「わ」ナンバーで渋滞し、米軍占領時に整備された元軍道は、那覇軍港や普天間飛行場、嘉手納基地を結び、軍用車両と「Y」ナンバーが行き交う。沖縄県の面積の約10パーセントを占める米軍関連施設。道沿いに延々と続く米軍基地フェンス。柵に取り囲まれたかのような町並みや、その上空ぎりぎりを爆音で飛び去る軍用機に、いまだ慣れないでいる。
 たしかに沖縄は「リゾート」だ。カラッと晴れた日は本当に気持ちがいいし、その心地よさを楽しむ余裕だってある。でも、それだけじゃない。普天間基地移設問題が全国的に報じられるようになって以降は、どんなに沖縄に疎い人でも知るところだろう。
 かつての琉球王国はいま、日本という島国のなかの島でありながら、すぐ近くに米国があり、お隣中国からにらまれている。戦争と侵略......、多難の道を歩み続けてきた。過去を背負い続ける人の悲しみを、移住して初めて、肌で感じている。"すべての武器を楽器に"沖縄県の音楽家、喜名昌吉の歌詞だ。プリントされたステッカーが、県内のレコ屋や服屋に並べられていた。そして、地元の人はきっとこう言う。「沖縄に来て良かったね。最高でしょう?」と。ここには、決して絶望で終わらせない、底抜けのタフネスがあるように思えてならない。

 沖縄のラップ・シーンが盛り上がっている。牽引するのが、リット(RITTO)。石垣生まれ、那覇育ち、生粋の琉球人MCだ。2月に、ファースト・アルバムとなる『AKEBONO』を赤土レックよりリリース。発売からおよそ2週間で、初回プレス分が完売した。昨年のUMBで沖縄代表に選ばれ、3回戦で優勝者・R指定と対戦、惜しくも敗れたが、同大会のベスト・バトルとも称された。そんな経緯もあって、コアなヒップホップ・リスナーからは、すでに一目置かれていた。

ゆるさの中にあふれる闘志 具志堅用高 カンムリワシ 
適当なようで適当じゃない 目を見りゃわかる いかれたヴァイヴ
"ボツ空身"


RITTO
AKEBONO

AKAZUCHI REC.

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 バトルあがりのすきのない緊張感、研ぎ澄まされたリリシズムに、『イルマティック』の頃のナズを思わせると言った人がいた。矢継ぎ早に繰り出される言葉、強いパンチラインに、ウータン・クランのゴーストフェイス・キラーを思わせると言った人がいた。その一方で、レイドバックした中にある凄み、自由度の高いフロウと間に、MFドゥームを重ねる人もいた。あ、「南のボス・ザ・MC」と評する人もいたな。本人は恐縮していたけれど。ストイシズムを貫いてはいるが、安易にダークネスには陥らない。「極東」の「南」の情熱とソウルを注入する。「今日はほんとにいい天気っすね。気持ちいいな」チルした普段の姿は、とても穏やかだ。「ちゃす!」ライヴの合間にみせる別の顔は、ユーモラスで、お茶目でさえある。

 「お前の目、何でそんなにピュアなんだよ」MSCのMC漢が言ったそうだ。「俺らは毎日、東京で戦ってるのに......」。沖縄の人と音楽に魅せられ、ここを何度も尋ね、滞在するMCがいることを知っている。あるMCは「自分は沖縄に住むべきだ」とさえ言っていた。ビッグ・ジョーは今年、沖縄でのレギュラーイヴェントをスタートさせた。ここはいま、本当にアツい。まさに、沖縄で言うところの「ヤッケー」だ。まだ知らない人は是非、リアルな沖縄を体感してほしい。リットと、赤土レックの代表・トオルに話を訊いた。 

参加者:リット(赤土レック)、トオル(赤土レック)、DJカミカズ(クロックワイズ・レコーディングス)

リット:本土の人は、沖縄をリゾートだと思ってるから。
トオル:俺たちは真逆だもんね。
リット:そこに疑問を感じないかな? 沖縄の問題っていろいろあるじゃないですか。本土には、「沖縄は国からお金をいっぱいもらってるんだから」っていう考えもあると思うんですよ。

ラップをはじめた経緯は?

リット:「ヒップホップは、簡単にやったら殺される」って思ったんすよ。それはよく覚えてる。

なぜですか?

リット:わからん。インスピレーション受けましたね。これは危ない音楽だって。人も死ぬし。冷静に見てました。格好もすぐには入れなかったですね。歴史とか、色々勉強しました。それから、じょじょに入っていった感じですね。

きっかけは何だったんですか?

リット:高校時代に、カルチャーとして、自然と入ってくる感じでした。

高校はどちらだったんですか?

リット:宜野湾高校ですね。

トオル:俺らサッカーしてたんですよ。サッカーが強くて、誰でも入れるバカな学校でした(笑)。クラスの半分以上が他の高校を一次で落ちて、二次で受かって来たみたいな奴らで、不良が多かったですね(笑)。

 沖縄県宜野湾市は、沖縄本島の中南部に位置する地域。普天間飛行場やキャンプ瑞慶覧があり、基地の街でもある。

最初は、どんなヒップホップを聴いていたんですか?

リット:一番初めに聴いたのは、小学校の頃でしたね。アメリカに行く機会があって、そこで会った白人がクーリオを歌ってたんですよ。「何だろう?」ってずっと気になってて。日本に帰ってきて、じょじょに聴くようになりましたね。

何でアメリカに行ったんですか?

リット:家族旅行ですね。1ヶ月くらい行ってたんですけど。

そこからなんですね。

リット:MTVで、何気に聴いてはいましたね。

トオル:リットのお母さんがイケてるんですよ。

リット:「あんた、ラップしなさい!」みたいな。オカー(お母さん)が先に言いましたね。リットって本名なんですけど、ギタリストのリー・リトナーから来てるんですよ。おやじが元々ギター弾きで。クレイジーなんですけど(笑)、音楽のエンジニアやったり、現場に入ったりしてて。もう長いこと一緒には生活してないんですけど、影響は大きいですね。ロックは日頃から聴いてました。音楽はずっと生活の中にありましたね。

ご両親ともに石垣出身なんですか?

リット:そうですね。俺も石垣で生まれて、小学2年の頃に(沖縄本島に)移住して。

ご兄弟は?

リット:すげぇ姉ちゃんがいる。パンチがものすごい(笑)。姉ちゃんは流行りの音楽聴いてたよな。

トオル:リットのネエネエ(お姉さん)がリットに流行りの音楽を教えて、リットが同級生に教えて。

リット:モンパチ(MONGOL800)とか、インディーズが流行ってたな。

トオル:俺ら中学生の時、ちょうどピークで。

リット:中学までは、がっつりバンドだったな。ラップもちょくちょくやってましたよ。でも、「ああなりたい」みたいな人がいなかったですね。特に思い入れはなかった。

音源はどうやって手に入れてたんですか?

トオル:洋服屋ですね。DJが作ってるミックスCDとか。あとはクラブで。まだ高校生がクラブに入れる時代だったんで、高2くらいから行き始めて。

リット:毎週行ってたな。

那覇ですか?

トオル:沖縄市のコザが多かったっすね。もう今はそのクラブはないんですけど。

 沖縄県沖縄市に属し、通称「コザ」と呼ばれる地域。嘉手納基地に隣接している。かつては、米兵相手のサービスを提供する施設が立ち並ぶ歓楽街だった。今も当時の面影を色濃く残し、米兵が多く遊ぶエリアだ。

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フリースタイルを一緒にやってて、「何が?」って聞いたら、「ニガー」って聞こえたみたいで。あいつら、めっちゃデカいけど、俺らも、全然引く気がないから(笑)。バカだったな? 「なにー(怒)」みたいな感じでやってましたね。で、その後、友だちになって。

米軍基地で働く外国人もたくさん出入りしてたんですか?

リット:そうそう。

トオル:那覇のクラブも多かったですね。ギャングの兄ちゃんたちがいて、怖かったです。恐る恐る行ったっすね。

リット:体がデカかったよな。服もダボダボだろ。

地元でヒップホップをやっている人はいたんですか?

リット:DJターシーさんとか、DJの影響を受けて育ったっすね。MCだったら、ページ・ワン。

かかる音楽はヒップホップ?

リット:ばっかりですね。外国人も多かったし。

トオル:四つ打ちとか、聴いたことなかったよな? 

リット:イヴェントでマイク取りに行ったりもしました。県外のアーティストが来たら、フリースタイルしかけて、怒られて(笑)。やんちゃしてました。

洗礼受けました?

リット:かなり受けました。当時、俺らが一番年下だったから。今の奴らは、みんな礼儀正しくやるんですけど、あの時の俺らはもう「絶対、負けん」みたいな。

MCバトル系の大会は?

リット:初めて見たのは、米軍基地の外国人と沖縄のMCのローカルなバトル。外国人のバトルを生で見れて、面白かったですね。

DJカミカズ:サイファーとかも?

リット:ガンガンやってましたね。外国人の若い奴らが、ストリートでやってましたね。米軍基地の外国人のMCクルーがバトルで「レペゼン沖縄」って言っちゃったんですよ。そしたら、相当ブーイングくらって。「何で、こいつが"沖縄"って言ったら、ディスられるんだろ」って思ったのを覚えてますね。

トオル:危なかったな。

リット:外国人が多い分、沖縄は流行りの音楽が入ってくるのが早かったって聞いたこともありますね。

音楽的な土壌には恵まれてたとも言えるんですかね?

リット:10代の頃は、本土(本州)に行ったことがないから分からないですけど、先輩の話を聞くと、そうだったみたいで。知らない曲は、知り合いの外国人に聞くと教えてくれるし。

外国人とのトラブルはなかったんですか?

リット:フリースタイルを一緒にやってて、「何が?」って聞いたら、「ニガー」って聞こえたみたいで。あいつら、めっちゃデカいけど、俺らも、全然引く気がないから(笑)。バカだったな? 「なにー(怒)」みたいな感じでやってましたね。で、その後、友だちになって。

外国人MCとのバトルは日本語なんですか?

リット:そうですね。

トオル:ベース(基地)の人たちは、またすぐどこかに行っちゃうから、わざわざ日本語を覚えようとしないじゃないですか? かといって、俺らも英語を覚えるわけでもない。

リット:だから、身振り手振りで。

去年のUMBはどうでした?

リット:ベスト8だったんですけど、ひとりだけ超リラックスしてましたね。アルバムのことばっかり考えてて、バトル・モードになってなかったんですよ。

トオル:2006年のUMBにリットが沖縄代表で出場した時、初めてリットを知った人がいると思うんですよ。その後ずっと作品を出さないでいたから、周りはみんなまだバトルMCだって思ってたと思うんです。でも、リットの中では、バトルはもうだいぶ前から一線ひいてるところがあって。ただ、去年は沖縄予選の会場が〈ラヴ・ボール〉(トオルが運営する那覇のクラブ)だったんで、「だったら、俺らがとりにいこう!」って。で、出場したら、優勝して、全国大会行ったんですけど。

リット:全然ダメでした。でも、勝負事は好きなんで。1回戦の相手は山口代表の奴で、アツいんですよ。ヴァイヴスがヤバいって聞いてたから、俺もヴァイヴスで返して。楽しかったですね。2回戦の相手は長野代表の奴で、ソウルフルな人だったんですけど、だったら俺も絶対負けんし。3回戦の相手が大阪代表のR指定で、優勝した奴なんですけど。大阪はフリースタイルが上手な人が多いし、上手いし、実力もあって、俺より優れてるのはわかってるけど、負けるわけにはいかないんで。前は、沖縄代表っていうとオプション的な存在っていう感じだったんですけど、本気モードでぶつかってきてくれて。

2006年のUMBは?

リット:もうお祭りですね(笑)。「あんなヘコんでたのに、何で(沖縄予選で)優勝したば?」って。家のトラブルで借金があって、それを返さないといけないっていう使命があったんですよ。「俺、どうすればいいんだろう?」って、ラップもなよなよしてて。外をふらふら歩いてたときに「バトルあるよ」って言われて。髪の処理も何もしてなかったんで、頭ボーボーなんですよ(笑)。で、全国大会で初めて2、3千人の前でラップしたんですよ。東京に行ったのも、その時が初めてで。みんなでピクニック行くような気分でしたね。しかも、1回戦勝ってしまったんですよ。2回戦は記憶ないっすね。映像も見てない。恥ずかし過ぎて。「シーサー」とか言ってた(笑)。

フリースタイルする時と、作品作るときは、やっぱり違うんですよね?

リット:いまのフリースタイルはスポーツみたいですよね。だから、俺らのスタイルではなくなってきてる。ずっとバトルMCでいっちゃうと、ラッパーとしての作品が目立たなくなってしまうというか。高校生の頃、地元の同級生でガンガン面白いフリースタイルをやってる奴らがいて、俺も一緒にマイクジャックしてましたね。すごく楽しかったです。ステージに立てなくて、むしゃくしゃしてた頃、発散してました。そういう流れでフリースタイルを始めましたね。バトルとはまた違うんですけど。いまは、フリースタイルで曲作るみたいな。この間のカミカズさんとのセッションもそうですけど、フィーリング・フリースタイルっていうか。家でもそういう遊びをしてますね。

外国人を含むバトルやフリースタイルの経験が、ある種、日本人離れした独特のヴァイヴスにつながってるんですかね?

リット:初めて言われましたね。

DJカミカズ:内に向かうような「北」の感じとも違いますよね? 

内省的な感じ?

DJカミカズ:ジメッとしてないというか。

トオル:真逆ですよね(笑)。

カラっとしてるし、外に開いてる感じの部分もあるという。ライヴなんかもそうですよね。

DJカミカズ:オープンなだけかというと、そういうわけでもない。

リット:あ、それ最近思ってた。ストイックになった方がいいのかなって。アルバムを出して、自分を見つめ直さないとって。考えることは考えるんですけど、寝て、起きて、動くと、結局、いつもの調子なんですよね(笑)。

トオル:アルバム出した後に、「俺、ストイックにならんでもいい?」って。むしろ、ならんでって(笑)。

リット:普通に生活してます(笑)。もちろん、いろいろ考えてはいるんですけどね。

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家のトラブルで借金があって、それを返さないといけないっていう使命があったんですよ。「俺、どうすればいいんだろう?」って、ラップもなよなよしてて。外をふらふら歩いてたときに「バトルあるよ」って言われて。髪の処理も何もしてなかったんで、頭ボーボーなんですよ(笑)。


RITTO
AKEBONO

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アルバムはどうやって作られたんですか?

リット:最初は、トラック集めでしたね。

トオル:俺らの環境にトラックメーカーがいなかったからな。ゼロに近い。

時間がかかった?

リット:かかったっすね。スティルイチミヤと仲が良くて、田我流に「アルバム出したい」って言ったら、ヤングGがすぐに作ってくれて。「疾走感のある曲にしよう」って"風音"ができて。それが『AKEBONO』のはじまりですね。

トオル:田我流との出会いがキーポイントになってますね。山梨にいながらこれだけ作品出してる。東京に染まってないし、むしろ、俺らより田舎モンだし。実際に行ってみても、相当田舎だった。それでもできるんだっていう自信になりましたね。

田我流と知り合ったのはいつですか?

リット:5年前くらい。ポポ・ジョニーっていう大好きなレゲエ・アーティストが「山梨のラッパーがいるよ」って紹介してくれて。沖縄に自分探しの旅に来てたみたいで。そのとき、俺はイケイケだったんで、「何だ?」ってフリースタイルしかけたら、田我流もガンガン詰めてきて、ケンカになりそうなくらいアツくなっちゃって。それから友だちになりましたね。
 でも、最近まで田(でん)ちゃんとは連絡とってなくて。で、〈ラヴ・ボール〉にたまたま田我流のCDがあって、聴いたら「こいつ面白いね。呼ぼうぜ」ってなって。ポポ・ジョニーに「田我流ってわかるか?」って聞いたら、「お前、友だちよ。田ちゃんだよ」「え! 田ちゃんって田我流なの?」って。すぐに電話して(笑)。
 「覚えてる?」「覚えてるよ。どうしたの?」「お前のCD聴いた。良かったよ。沖縄来るか?」って言ったら、飛んで来てくれて。〈ドンタコス〉っていう自分のイヴェントに出てもらった。それが一昨年の7月。それ以来、本土との架け橋になってくれてる。勇気もらいましたね。

トオル:地元のこと歌ったり、YouTubeで山梨の案内したり、山梨のNHKに出たり、地元密着のあったかいアーティストだなと思って。それで、俺らも「自分たちでやろう」みたいな。

アルバムのタイトルにもなってる那覇市曙は、リットさんの地元の地名ですよね。港があって、倉庫が立ち並ぶような。 

リット:工業地帯。元々、石垣島とか宮古島とか、離島の人たちが多く住んでる場所で。ヤクザ屋さんの事務所も結構あって。変な人が多かったですね。

トオル:怪しいよな(笑)。ゲットーだよな? 潮風で車がすぐダメになるし、家賃も安いし。

リット:昼と夜でまったく違いますからね。車も道知ってる人しか通らないっすよ。

『AKEBONO』には日の出のような意味合いもあるんですか?

リット:ちっとあるっす。でも、盤面の太陽は夕日なんですよ(笑)。好きなんですよ。(沖縄本島の)西側に住んでるから。

イエスノー言える 玉を込める 引き金ひいて 腰動かして イク瞬間 呼吸合わせて イったらなぜか涙流れて やーのソウル わーに吸い込まれ わーのソウル やーに吸い込まれ ......
"ボツ空身"

"ボツ空身"は血生臭く、ハードボイルドですよね。冒頭、「2011年、波乱の年、人生かけて挑んだ年、あらかじめ言い訳なし、われ貫く意地、ここにあり」というリリックがあります。何があったんですか?

トオル:激動だったよな。みんなが腹決めた年ですね。リットは仕事しながら、音楽と両立させてたんですけど、「もう辞めよう」って。音楽を仕事にしないとスピード上がらんし、やりたいこともできん。俺も、この頃から本気でクラブをやって、クラブをライフスタイルにしようって思いましたね。

リット:「ラッパーにならんといけん」って決断した年でした(笑)。

「空身」って「身ひとつ」みたいなことですか?

リット:そうっす。適当っすよ(笑)。

でも、あの曲からは並々ならぬ緊張感が伝わってきますよね。トラックを手がけるDJコージョーはどんな人なんですか?

リット:北海道の人ですね。いまは、沖縄の伊是名島に住んで、さとうきびを作る仕事をしてます。ああいうトラックを作る人とは思えない感じで、のほほんとしてる。

9曲目"ボツ空身"から12曲目"女 -HITO-"への流れは凄まじいですよね? 身震いしました。

リット:アルバムができる過程で、やってて楽って思えたスタイルが、9曲目からラストなんですよね。そのなかに、オリーヴさん(オリーヴ・オイル)との出会いがあったりして。

オリーヴ・オイルとは、どういう出会いだったんですか?

トオル:自分たちがやってるイヴェントにエル・ニーニョで来たときですね。ヒカルさん(DJヒカル)に紹介してもらったっす。2011年ですね。このイヴェントから、オリーヴさんがめっちゃ沖縄に来るようになって、遊ぶようになって、音も制作するようになって。

リット:実は、だいぶ前に、オリーヴさんが沖縄でライヴやってるのを見たことがあって、その時からハマってました。「あのちっちゃい人、何?」って。

トオル:感覚も"島んちゅ(島人)"だし。

 〈オイルワークス〉のオリーヴ・オイルは、沖縄でじつによく見かけるアーティストのひとりだ。それはもちろん、赤土クルーをはじめ、彼の音を愛する人たちがイヴェントに招待しているからなのだけど、オリーヴ・オイルもまた、この地を気に入っているように思えてならない。
 現在、福岡を拠点に活動を続けるオリーヴ・オイルは、奄美諸島・徳之島出身だ。ちなみに、現在、沖縄在住で、赤土クルーの「パイセン」ことDJヒカルと同郷だ。思えば琉球王国は、奄美群島までもを統治していた時代があった。歴史的には複雑な背景もあるようだけど、文化や思想など、近しいところがあるのも事実。これは勝手な想像だけど、南国の楽園の設計を夢見る彼が、沖縄に親しみを覚えると同時に、何かしらの可能性を見ているのかもしれない。

ライヴでもオリーヴ・オイルのトラックをよく使ってますよね? 

リット:イメージが一番湧きやすい。言葉がフワッと出てくるんですよ。

DJカミカズ:優しさなんじゃないですか?

リット:そうそう、人的な。あの人、不思議だよな。

"NINGEN State Of Mind"の曲作りはどうやって進めたんですか?

リット:スタジオで、オリーヴさんのトラックのストックを聴いて、曲を選んで。でも結局、一番手こずりましたね。言葉がどんどん出てくるんですけど、最終的にそれをまとめる必要ないかもしれんって思っちゃう。初めての感覚でしたね。「曲に溺れる」って思いました。何回も録り直しました。オリーヴさんはデカかったな。有名人だと思ってましたけど、すんなり入り込めた。自分にとってプラスになる表現が見つかった感じでしたね。

年を重ねて今のストーリー居心地いい 大事な力抜きスッピンでハプニング (中略) 気持ちは走りドンピシャ 浮かび弾けたソウルはドープ閃きの和 揺れるマイフロウ
"NINGEN State Of Mind"

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田我流との出会いがキーポイントになってますね。山梨にいながらこれだけ作品出してる。東京に染まってないし、むしろ、俺らより田舎モンだし。実際に行ってみても、相当田舎だった。それでもできるんだっていう自信になりましたね。


RITTO
AKEBONO

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"女 -HITO-"は、どうやって作られたんですか?

リット:先にリリックがあって、オリーヴさんにプロデュースをお願いしたら、ああなって帰って来た。1回目聴いたときは「何じゃこりゃー」で、2回目で「あー」ってなった。「何この感じ? 初めて聴いた」って。

沖縄の人からすると特別な思い入れが?

リット:びっくりしました。

トオル:しかも、リットの曲を作るから、沖縄の音楽をディグったわけじゃないんですよ。奄美にいた頃から、聴いてたらしくて。

〈ラヴ・ボール〉のフロアで、オリーヴ・オイルがお酒を飲みながらずっと踊ってる姿が印象的ですよね。

トオル:愛されてますよね。毎回、延泊するし(笑)。

リット:オリーヴさんとは、いままた新しい作品を作ってます。何が起こるのかな?

ゆらゆら揺れる 情熱とフロウ ゆらゆら揺れる 景色とフロウ きらきら 音 お前とフロウ 抱き寄せた唇 お前のフロウ (中略) 吐き出すフロウ お前の色  
"女 -HITO-"

リットさん、女性好きですよね?

リット:好きですね(笑)。沖縄の女性も好きです。力強くて。黒髪も好きですね。

ラストの曲、印象的ですよね。これまでの世界の先にたどり着いた感があります。

トオル:このアルバムの罠だよね。1曲目から聴いていって、最後にあんな世界を見せられて、「こいつ、どうなってくんだろう?」って思ってほしいという思いを込めて、曲順を考えました。

リット:型にはまることなく、自由にやってますね。その分、「生きてきたのかな」って思います。日頃、見たり、考えたりしてることがオリーヴさんとの曲に写せたのかな。でも、「ふと」ですよね、ほんとに。流れっていうか。"G.O.D"は、トラックを作ってるアーロンさんがぶっ飛んでる人で。面識なかったんですけど、「ラップやってるんでしょう? ビート聴きに来ない?」って言うから「何だ?」って思いながら(笑)。人とのつながりでそのまま作っちゃったんですよね。

フィーチャーされているサイファーは誰ですか?

リット:俺の女です。ポエトリーやってるんですよ。

トオル:リットの3倍くらいぶっとんでるから(笑)。突然、〈ラヴ・ボール〉に来たんっすよ。いきなりマイク持ち出してしゃべりはじめて。「何してんの? あの人」って。この時期、いろいろな人に出会って、いろいろな音楽に出合って、そういうことが多かったですね。アルバム制作を通して、いい意味で、ヒップホップってこんなんだったなっていうのを確認できましたね。いる人でやって、ある物で作るっていう。

アルバム前半の多くのトラックを手がけるネクストはどういう方なんですか?

リット:沖縄の先輩ですね。沖縄には、トラックメーカーの歴史があまりないというか。若い連中は、何かあったらネクストみたいな。ネクストのところに行って、「ちゃす! 何かありますか?」(笑)。そんな感じですね。アルバム前半の作品は、けっこう早い段階でできてましたね。

そうなのかなって思いました。

トオル:聴いててわかるっすよね。(アルバム後半にいくにしたがって)オリジナリティが増してく。

"女 -HITO-"はボーナストラック的な意味合いがあるから別として、"ボツ空身"のリリックだけ歌詞カードに載せていないのは、意味があるんですか?

リット:30分くらいでできたんですよ。わりとすぐできちゃったんで、「別に」と思ってたんですよ。だけど、歌っていけばいくほど味があるなって。後から聴いたら、けっこう、自分の心理を歌ってるのかなと思って、好きになりましたね。アルバムに入る予定もなかったんです。

そうなんですか? 

リット:何気に書いたものだから。ちょうど、彼女と出会ったくらいの頃かな。あいつと出会って、いろいろ変わりましたね。面白いもんな(笑)。

いつの時代も困難 王朝からゲットー、今はリゾート 噛めば噛むほど味が消えるの...... 隠し味政府のスパイス オーマイゴッド オジーオバーの姿受け継ぐ気持ち崩さんさ オトーオカーの姿でかい気持ちをありがとな 
"ミライニナイ"

"ミライニナイ"は、「ニライカナイ」に由来するんですか?

リット:初めて気付いてくれた(笑)。

ほんとに?

トオル:逆に、うちなーんちゅ(沖縄県出身の人)は気付かないんだよな。

 "ミライニナイ"は「ニライカナイ」をもじったタイトルだ。「ニライカナイ」とは、沖縄県などに伝わる他界の概念で、いわゆる理想郷のこと。このままいけば「理想郷は未来にない」とうたっている。

リット:本土の人は、沖縄をリゾートだと思ってるから。

トオル:俺たちは真逆だもんね。

リット:そこに疑問を感じないかな? 沖縄の問題っていろいろあるじゃないですか。本土には、「沖縄は国からお金をいっぱいもらってるんだから」っていう考えもあると思うんですよ。それも分かった上で、もう1回確認ですね。沖縄のラッパーは、1曲は必ず沖縄について書くんですよ。何となくそういう流れがあって。沖縄の問題は、俺らにとって生まれつきみたいなもんですからね。

生まれる前からずっと続いてますよね。とくに沖縄は、先祖崇拝だし、代々伝わる思いや考えなど、本土の人間とは違うものがあると思います。

リット:島の文化とか歴史とかありますよね。これからが大事になってくると思うんですよ。基地問題もあるけど、10年後の沖縄はリトル・トーキョーになってるかもしれんし、もっと危ない状況になってるかもしれない。観光地化もさらに進んで、外国人がもっと増えてるかもしれないし。

トオル:いまもうすでにチャイニーズが増えてる。

リット:だから、ナイスなタイミングじゃないですか? この土地はこれからどうなるのかなって。

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実際、国のばらまきの金でみんな暮らしてきてるから、もし、基地がなくなったら食えん人もいっぱいいるし。掘り起こせば、戦争に負けて、アメリカがここに基地を作った時点で、アメリカに依存しようっていうのは、戦後からはじまってることで。いまさらどうしようと思っても、矛盾だらけで、もう回らないわけじゃないですか? 

普天間基地問題について、鳩山が首相としては初めて県外移転を取り上げた時、どう思いました?

トオル:絶対無理だと思ってましたよ。

リット:反対してもどうせダメだって。

トオル:反対派と賛成派が意見を交わせればいいですけど、賛成派は現れないから、結局、時間稼がれてるだけ。それに、「反対」って言ってない人は全員「賛成」だっていう無条件の票みたいなものがあって、それはおかしいだろって思うんです。原発問題もそうだと思うんですよ。「デモに何万人集まりました。すごいね」。でも、「東京都に何十万人もいる中の、デモに何万人って言われても別にたいしたことない」っていう感じじゃないですか? 基地問題も同じで。実際、国のばらまきの金でみんな暮らしてきてるから、もし、基地がなくなったら食えん人もいっぱいいるし。掘り起こせば、戦争に負けて、アメリカがここに基地を作った時点で、アメリカに依存しようっていうのは、戦後からはじまってることで。いまさらどうしようと思っても、矛盾だらけで、もう回らないわけじゃないですか? 

リット:最近思うのが、人種問題になってるってこと。基地のなかにいるアメリカ人が悪いわけじゃないし、中国人は「(尖閣諸島は)俺たちの土地だぞ」ってこっちをにらんでる。この島で人種がぶつかり合うようになったら、それこそ本当に良くないなって思って。だから、開き直るわけじゃないけど、沖縄には本当の平和があるからこそ、基地があるし、中国にもにらまれる。それを受け入れてあげようっていう、ピースな島なんだって考えることもありますね。薩摩に侵略された時も、武器を取り上げられて何もないなかで、空手だけで戦ったっていう歴史もある。この土地がそういう場所なのかな。平和について考えさせられる島っていうか。
 広島や長崎もあるのに、沖縄だけが「俺ら、かわいそうだろ?」っていうのも違うと思うし。だから、沖縄だけどうこうっていうのはもうやめようぜって思いますね。でも、この土地に生まれて良かったと思ってます。俺は誇りに思ってます。本土から来た人も沖縄に興味を持ってくれてるし、その分、胸張っていられるところもある。「俺らの島ってめっちゃいいよ」って言うんです。

世代によって、考え方は違いますか?

リット:かなり違いますね。本土でいじめられてた人たちもいるんで。

トオル:不動産屋で家借りられないとか。本土の人からすると、沖縄がまだ外国みたいな頃で、沖縄の人には家貸さないっていう時代があった。沖縄の出入りにはパスポートが必要だったし。本土に対する思いは、いまの若い人たちはだいぶくだけてきてると思うんですけど、俺らの親世代は、相当警戒してるっすね。

リット:何で「ナイチャー(本州の人)、ナイチャー」って言うのかも、俺たちにはわからないし。

トオル:いろいろあったんだろうなって。

リット:侵略されたり、裏切られたり。去年のオスプレイ(強行配備)のときに痛感しましたね。この歳になって、初めて実感でわかりました。(これまでデモが少なかった)那覇でもガンガンやって、あれだけ沖縄の人が頑張ったのに、「あー、本当に来ちゃうんだ」って。

 インタヴューは赤土レックのスタジオでおこなわれた。なかに入ると、壁に貼られた地元新聞の記事が目に入った。オスプレイ強行配備のニュースが、一面で大きく報じられていた。
 昨年10月、普天間飛行場に計12機のオスプレイが到着した。前月に、約10万3千人が参加した「オスプレイの配備に反対する県民大会」が行われるなど、地元の反発が強まる中でのできごとだった。

トオル:若者たちがネットを通じてデモの情報を知って、いままでよりたくさん集まるようになったと思うんですよ。それでも、全然無理だった。「もう決まってるから」っていう感じだったじゃないですか?

リット:2日間くらい立ち直れなかったですよ。オジー(おじいさん)たちが言ってたのは、こういうことだったのかって。小学生の頃に(米兵による少女)レイプ事件が起きて、いけないことが起きてることはわかったけど「どういうことなんだろう?」って思ってた。だから、オスプレイが目の当たりにした瞬間でしたね。

トオル:今後の沖縄について考えましたね。いまも、本当にそればっかり考えてる。現に、ずっと(オスプレイが)飛んでるじゃないですか?

リット:飛行禁止区域も飛んでますから。

トオル:県内には、オスプレイをプッシュしてる奴らもいるし、ファンクラブもある。逆に安全なんだよって。でも、どこの統計だよって思いますね。

おふたりとも本土での生活の経験がありますよね。沖縄に関するニュースの報道のされ方に温度差を感じませんでした?

トオル:向こうのテレビで(ニュースが)やってないことに驚きました。

沖縄の新聞やテレビでは、毎日、基地問題がピックアップされてますもんね。

リット:去年の12月に、オスプレイのサウンド・パレードに参加したんですよ。

トオル:10台くらい装甲車が走って。ヒカルさんも一緒で。

リット:俺らの目線で参加できて、意味があったと思いましたね。いままでと違う見方もできたし、考えることもできた。「デモ」ってやったら、響きが悪かったんじゃない?

トオル:俺の親は、こんなの嫌がるんですよね。どうせ無理だって。戦争に負けた俺らの親より上の世代は、死ぬつもりで戦ったのに、国が負けたって言っただけで、いきなり「負け」になったわけじゃないですか? 死んでもないのに。だからたぶん、(基地問題など国の政策に)反対し続けて、でも、勝てなくて。俺らの親は、そういう姿をずっと見てきたから、諦めてる世代なんですよね。今年の正月、親父に初めて「世界平和ってあるのかな?」って聞いたら、「お前が戦争して勝つしかないよ」って言われたんですよ。たぶん、その考えは間違ってるって思ってるんですけど、でも、それしかない。何してもかなわんから、本当にかなえたいんだったら、戦争して勝て。たとえ、殺し合いの戦争じゃなくても。

DJカミカズ:いまの話、そのまま"G.O.D"を聴いてるような感じがした。

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コージョーっていうラッパーからニューヨークの事情を聞いたら、基地のなかにいる奴らの多くはゲットー出身者で、若くて、まだ何もわからないときに、「金欲しいでしょう? だったら、軍に入りなよ」って言われて。奴らも国にハメられてるんだよって。

生まれたときから、代々引き継いでいる思いの深さや厚みのようなものがあって、それは他の土地の同世代の人間には、なかなかない感覚というか。

トオル:良くも悪くも、特別ですよね。

リット:いまはもう「戦争ってこうだったんだよ」っていうより、命の尊さが受け継がれてるように思うっすね。

いまの若い世代は、カルチャー的には米軍基地で働く外国人から影響を受けたりもしてますよね。友人もいるし。でも、基地問題は、政治絡みの問題だから、一概にいいとか悪いとか言えない、複雑な立場なのかなと思いますよね。

リット:最近も読谷で、米兵が中学生を暴行して逃げた事件があったけど、だからって「外国人は(みんな)ダメ」って言うのは、決して良くないこと。コージョーっていうラッパーからニューヨークの事情を聞いたら、基地のなかにいる奴らの多くはゲットー出身者で、若くて、まだ何もわからないときに、「金欲しいでしょう? だったら、軍に入りなよ」って言われて。奴らも国にハメられてるんだよって。

トオル:軍事に目を向けさせるために、貧困差を付ける。仕方ないよな。米兵が悪いわけじゃないし。

リット:ここ数年、見方が変わってきたよな? 昔の沖縄に黒人はいたのかと思って、タクシーの運転手に聞いたら、「いたよ」って。「黒人ってどうだったの?」「仲間だろ。あいつらは何もしないよ」って。俺らはブラック・ミュージックが大好きだから、黒人に親しみを感じるけど、当時からそういう目線で見てる人もいたんだと思って。

普天間基地移設問題については、移設先の辺野古の環境的な問題も指摘されてますよね?

リット:ジュゴンとか、珊瑚礁とか?

沖縄の人から見て、そういう視点からの問題はどう考えてますか?

リット:本土の人の方が熱心ですよね。旅行で沖縄に来て、見て、くらって、そのままずっと居続けるとか。科学者とか医者の人も多くて、沖縄の人はそういう人たちに助けられてますよ。いろいろな知識を分け与えてもらって。

トオル:最近よく昔の沖縄に関する本を読むんだけど、あの時代の本って内地(本州)の人が書いてるものばっかりな気がするんですよ。その世代の沖縄の人は、そういうことを表現したがらないんだと思うんですよ。

オリーヴ・オイル、イル・ボスティーノ、ビッグ・ジョーの"MISSION POSSIBLE"はどう思いましたか?

リット:聴いてなかったんですよ。

そうなんですか? 先日、〈ラヴ・ボール〉でおこなわれたビッグ・ジョー主催のイヴェント〈ユナイオン〉で一緒にやってましたよね?

リット:(笑)ジョージさんがライヴでやるってなったから、パンチラインだけでも覚えようと思って(笑)。でも、できないから、横でとんでるふり(笑)。あまりにも失礼だ。歌えんかったらヤッケーだし。でーじ(めっちゃ)緊張したんっすよ。フワフワしながらやってました。ジョージさんに「サビわかる?」って聞かれて、「はいはい。携帯でリリック見てます!」って(笑)。俺の友だちは聴いてましたよ。

沖縄では、賛否両論あったとも聞きました。

リット:それはあるだろうなと思ってやったんじゃないですかね。

ライヴでビッグ・ジョーは「沖縄のどのくらいの人がこの曲知ってるかな?」って言ってから、はじめましたよね?

リット:沖縄を訪れて、状況を見て、ヤバいことになってるって感じたことを書いてくれたと思うんですよ。他の奴がやってたら「バカヤロー」ってなると思うんですけど(笑)、嫌な気持ちにはならなかったですね。ビートもかっこいいしな?

〈ユナイオン〉は、レギュラーイヴェントになるんですか?

トオル:最低でも、年に1回はやりたいって言ってましたね。

ライヴ後に友人から聞いた話ですが、北海道だと、ビッグ・ジョーにフリースタイル挑んでくる人はもうあまりいないらしいのですが、沖縄はまったく違ったと。フロアで地元の若い子たちとやってましたよね。

トオル:(笑)楽しそうだったな。ずっとやってたよな? 

リット:フリースタイル・セッションみたいな。

北海道のフィーメールMCオナツも、沖縄のラップ・シーンがヤバすぎて帰れないでいるっていう話を友人から聞きました。

トオル:そうそう。

リット:あいつは〈ラヴ・ボール〉で、ほぼ毎週、くたばるまで飲んでます。

トオル:もう仲間っすね。

先日、リットさんが共演したオムスビはどうでした?

トオル:相当くらってたな。俺らがゲストを呼ぶ時はいつも、「絶対負けん」っていう気持ちで呼んでます。

リット:電話が来たっすね。「あ、『AKEBONO』聴きました」「何でかしこまってる?」って(笑)。

同じMCから見て、沖縄のラップ・シーンはヤッケーんだと思います。

リット:周りの反応にビックリしてます。欲が出て来ましたよね。次はどんなことやろう、みたいな。

"血と骨 生身の歴史が飾りない時空生み出した 吸い込む悲劇上の空 俺たちの気 囲む強さ"("NINGEN State Of Mind"より)

 沖縄の土は赤い。赤土だ。青い空の下、青い海を望み、地に足をつけ、踏みしめるのは、たくさんの悲しみが詰まった赤い土だ。服につくと、繊維の奥まで染み込み、酸化して、洗濯してもおちない。赤土クルーが放つヴァイヴスもまた、聴く者の魂に深く入り込み、じわじわと化学反応を起こして、心をつかんでくる。
 沖縄の地元MCが集う〈ラヴ・ボール〉。若いラッパーが次から次へと登場する。ハーコーな連中もわんさかいる。そして、ほとんどの人が叫ぶ。「ピース」と。彼らの体から沸き起こるこの言葉が、自然と胸に響く。熱く、厚い思いが、今夜も、「愛と平和がけんかする」この島のあちこちに、あたたかな輪を作っている。

輪になる笑い声をひとつに
癖になる笑い声に幸と価値
"風音"

 ひと息入れて、酒を浴び、うたい、踊る。何があっても「踊るときは笑顔だね」。ここの人たちは、楽しむ才能に長けている。

 まずは、リットの『AKEBONO』を聴いてほしい。願わくば、沖縄まで来て、〈ラヴ・ボール〉でライヴを体験してほしい。それがかなわないなら、せめて、近くの人はツアーに足を運んでほしい。

3/31 @ 沖縄県沖縄市 OTO-LAB https://otolabkoza.ti-da.net/
4/6 @ 沖縄県那覇市 Cyber-Box
4/7 @ 沖縄県沖縄市 喫茶カラーズ
4/12 @ 沖縄県那覇市 LOVEBALL https://loveball.ti-da.net/
4/13 @ 渋谷 LOUNGE NEO https://loungeneo.iflyer.jp/venue/
4/20 @ 町田 The Play House https://www.theplayhouse.jp/
4/26 @ 京都 BLACK BOXXX https://www.kyoto-blackboxxx.com/
4/27 @ 大阪 CONPASS https://conpass.jp/
5/3 @ 町田 flava https://www.machida-shi.com/S112523.html
5/5 @ 渋谷 NO STYLE https://dp43053767.lolipop.jp/
5/10 @ 池袋 bed https://www.ikebukurobed.com/
5/11 @ 吉祥寺 warp https://warp.rinky.info/

 毎年3月中旬になるとメディア関係のニューヨーカーは、暖かいテキサス州オースティンへと向かう。音楽見本市として知られるSXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)は毎年ハイプになっていき、本来の意味(未開発インディ・バンドのショーケース)は、すっかり忘れ去られている。ハイテクや映画の見本市でもあるが(マイスペース、ツイッター、フォースクエアなどの電子ツールはここから注目を浴びた)、単にパーティを求めている人たちが集まる場でもある。
 今年は、スピンナショナル・パブリック・ラジオなどが、ショーケースのライヴ・ストリーミングをしたり、『ピッチフォーク』や『BKヴィーガン』などのメディアが、時間刻みで自分が推したいショーをウェブにアップデートする。フェイスブック、ツイッターなどにもあげてくれるので、媒体の好みに偏るが、まるで行ったような感覚に陥る。インターネットは便利だが人びとを動かなくする。

 ラジオ局NPRのショーケースでは、ニック・ケイヴ&バッド・シーズ、ヤーヤーヤーズ、イギー・アンド・ザ・ストゥージーズ、ジャスティン・ティンバーレイク、プリンスなどの大物、クラウド・ナッシング、ヴァンパイア・ウイークエンド、ブレイズ、キャサリン・ハンナ、フレーミングリップスなどのインディ・フレンドリーまで、たくさんのバンドが集まった。目的がはっきりしているならSXSWは価値がある。ただ、バンドが1日3回ショーをすることも珍しくなく、DIIVもいうようにセットアップ5分、プレイ15分、サウンドシステムと、質は求められない。人気のあるショーは、長いラインに並ぶか、入れないことも多いし、フリードリンク、フリーフード、たくさんのバンドや新しいテックの誘惑で、週明け、パーティ疲れでげっそりした人たちがNYに戻ってきている。
 その週の土曜に、ブルックリンのカフェで食事していたら、その日の朝にSXSWから帰ってきたばかりマシュー・ディアのメンバーにばったり出会った。SXSWの感想を聞くと「すごく疲れた」とひと言。

 SXSW期間でも、NYではたんさんのショーが開催されている。そのときに見たひとつのバンドのヌード・ビーチを紹介。アザー・ミュージック(other music.com)から音源をリリースし、革ジャンにタイトパンツ、アフロヘア、ストロークスっぽくもあるが、サウンドはトム・ペティ、リプレイスメンツ風のハートランド・クラシック・ロック。スタイルは、ギターウルフ的であるが、あそこまで攻撃的ではない。何回かショーを見たが、1:人に媚びない。2:難しい事をしない。3:共演バンドが毎回違うジャンル......が彼らの特徴で、誰もがスンナリ入っていける許容範囲がある。見ていてスカッと気持ちが良い。いろんなミックス・ジャンルの音楽がはびこるなか、懐かしのストレート・クラシック・ロックが、戻って来ているのは何かの兆しなのか。
 今週はSXSW上がりの話題のバンドがNYを通過する。Savages、Sky Ferriera、Chvrches、Disclosure、Fear of Men......1週間遅れのSXSWがはじまる。


ヌード・ビーチ

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