このアルバムがリリースされた2000年は、エレクトロニカ/IDMと呼ばれる電子音楽が最初にもっとも幅を利かせていた時代だった。その年にリリースされたレディオヘッドの『キッドA』がまさにそのスタイルを取り入れたアルバムとして騒がれ、それまでもっともコアなテクノ・リスナーが何のサポートもなしに熱心に支持していたオウテカはいきなりポップのメインストリームへと接近した。エレクトロニカ/IDMのひとつの発信源となったのはフランクフルトの〈ミル・プラトー〉というレーベルで、いまではアルヴァ・ノトを見出したレーベルと言ったほうが通じるのだろうか、まあとにかく踊れないエレクトロニック・ミュージックを出しまくっていた。
現代の大衆文化においてエレクトロニック・ミュージックの発展、とくに大衆化をうながしたのはダンス・ミュージックだった。踊っている連中にしてみれば、エレクトロニカ/IDMと呼ばれる電子音楽は、頭でっかちなスノッブ極まりない音楽に見えることもあったが、しかしそれは、時代の流れに即して言えば、現場で踊っているヤツこそ偉いという体育会系的な専制主義の罠にはまることなく、むしろ踊らないことの自由によって新たな第一歩を踏むことができた試みの系譜とも言える。エイフェックス・ツインやビョークといった連中は、へたすれば遊びも知らない大学院生御用達の音楽に聴こえかねないそれをポップのメインストリームで通用させ、コーネリアスはロック・サウンドにおいてもそれが応用できることを発見し、実践した。ワールズ・エンド・ガールフレンド(WEG)はこうした時代のなかで日本から登場した最初の大物だった。本作『エンディング・ストーリー』は2000年10月にリリースされた彼のデビュー・アルバムだが、長いあいだ廃盤だったそうで、今月の上旬にWEGが主宰する〈ヴァージン・バビロン〉レーベルから晴れて再発された。
「なんか、ついに出てきちゃったという感じでしょうか」と、2000年11月に刊行された『ele-king』の最終号のレヴューのなかで三田格は書いている。「キッチュかつスピーディー、もしくはメランコリックかと思えばスラップスティックと、きわめてスキゾフレニックな音の配置や日本人離れしたメリハリの効かせ方(中略)。なんか、ついに出てきちゃったという感じでしょうか」
......と、こういう風に彼の文章を引用すると「自分の言葉で書けよ」と怒られるので、みなさんも気をつけたほうがいい。WEGはこのアルバムにおける自分の影響を、エイフェックス・ツイン、コーネリアス、フィッシュマンズの3つにあったとその当時に明かしているが、ポストモダンとしての『エンディング・ストーリー』にはもっと多くのテクスチャーがブレンドされている。小学生の頃はベートーヴェンが好きだったという彼のクラシック趣味はハーモニーやメロディに活かされ、アンビエント・ミュージックの温もりもダンスフロアの生き生きとした躍動感もある。ゴージャスなラウンジ・ミュージックめいた洒落気も、ドタバタ喜劇めいた演出も、こと細かでリズミカルなエディットも、どれもがいま聴いても心地よく、鼓膜を飽きさせることはない。コーネリアスが音世界を無邪気に楽しむように、『エンディング・ストーリー』にも無心に音に遊ぶことの面白さがたっぷりとある。
しかし、『エンディング・ストーリー』、ひいてはWEGの音楽を特徴づけるのは、そうしたドライで緻密な展開の背後からときに噴出するエモーションにある。手品師がさんざん芸で沸かせておいた挙げ句に、ある瞬間にだけ人格が変わって、まるでハードコア・バンドが客席にツバを飛ばすような勢いで自らの感情を露わにする。まあ、しかしそれもほんのわずかな時間で、たいていの場合WEGは気品を失うことなく、優しく語りかけるような音楽を続ける。とくに『エンディング・ストーリー』は、その題名とは裏腹に、多くの場面でファンタジーを演じている。そして、そのなかには彼の豊かな感情表現が注がれている。それは、ワールズ・エンド・ガールフレンドや『エンディング・ストーリー』といった言葉に希望的観測への抵抗があるように、シンプルなレイヤーで解けるようなものではない。『エンディング・ストーリー』は確実に酔わせてくれるが、悪酔いするかもしれないアルバムでもある。
「IRã€ã¨ä¸€è‡´ã™ã‚‹ã‚‚ã®
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LITTLE DRAGON / WILDBIRDS & PIACEDRUMS
Thunder Love/Fight For Me(Mario & Vidis Redo/Manuel Tur Remix,Dixon Edit)
PHILOMENA / GER
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ANYTHING & SARCASTIC PRESENT....RUB N' TUG
La From New York
ANYTHING & SARCASTIC / US
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![]() Friendly Fires Pala XL Recordings/ホステス |
オルダス・ハックスリーといえば、自ら幻覚剤の実験台となって著述活動を続けたイギリスの作家で、ザ・ドアーズがバンド名に引用した『知覚の扉』が有名であるように、サイケデリックな60年代のサブカルにおいて広く読まれたひとりだ。
UKのインディ・ロック・バンド、フレンドリー・ファイアーズのセカンド・アルバム『パラ』は、ハクスリーのユートピア小説『島』の舞台となる島の名前から引用されている。そればかりか、このアルバムのオープニング・トラック"リヴ・ゾーズ・デイズ・トゥナイト"にいたっては、どう考えてもセカンド・サマー・オブ・ラヴへの記述がある。
かつて、フランキー・ナックルズとジェイミー・プリンシプルのシカゴ・ハウスのクラシック"ユア・ラヴ"をカヴァーしたこの若いバンドは、これだけまわりの同世代の誰もがディストピアを描いている現代において、ほんとんど浮いているんじゃないかと思えるほど理想主義を強調する。いったいこの20代は何を想っているのだろう......僕は訊かなければならなかった。
ヴォーカルとベースのエド・マクファーレン、ギターのエド・ギブソン、ドラムのジャック・サヴィッジ(彼はDJ活動もしている)が3人はワインを飲みながら話してくれた。
最近のインディ・ミュージックは、まるで『ピッチフォーク』に好かれるためにやってんじゃないかってくらい、知的で、ウィットに富んで、いろいろ複雑にしようとしているでしょ。そういう状況に対する僕なりのリアクションでもあるんだよね。
■ダブステップ全盛の2006年に、よくシカゴ・ハウスのクラシック"ユア・ラヴ"をカヴァーしたなと思ったんですよね。ダブステップに支配されたUKでハウス......っていうのが驚きだったんですよ。
エド・マクファーレン:ハハハハ。
■まわりから「何コレ?」って感じだったでしょ?
エド・マクファーレン:いや、わからないけど......あ、でも、直接ジェイミー・プリンシプルからメールもらったんだよ。
■良い電話だった?
エド・マクファーレン:うん、とても。もう、それで気持ちが解き放たれたね。
■あの曲を選んだ理由は?
エド・マクファーレン:歌詞が素晴らしいと思ったんだ。歌も良いし......、誠実で、直接的で、「僕には君の愛が必要」だなんて、そんなストレートなメッセージを歌う歌詞なんていまどきないだろ? しかも音的にも美しいし、切ないし、あれをダンス・ミュージックだと意識して聴いたわけじゃなかったんだ。だけど、あれをクラブで聴いたらきっとすごいんだろーなと思ってインスパイアされてカヴァーしたんだ。
■へー、歌詞なんだね。
エド・マクファーレン:そうだね。あと、最近のインディ・ミュージックは、まるで『ピッチフォーク』に好かれるためにやってんじゃないかってくらい、知的で、ウィットに富んで、いろいろ複雑にしようとしているでしょ。そういう状況に対する僕なりのリアクションでもあるんだよね。僕はもっと......なんていうか、クラシカルなサウンドでも良いと思っているし、昔のメッセージはまだ生きていると思っているんだよね。
■ダンス・ミュージックにどうして興味を持ったんですか? たとえば、アンディ・ウェザオールにリミックスを頼んだんでしょ?
エド・マクファーレン:いや、アンドリュー・ウェザオールにお願いしたのはリミックスだけじゃないよ。実はいま共同で制作しているぐらいなんだよ。
ジャック・サヴィッジ:まだ完成してないけど、いっしょにスタジオに入ったんだよ。
■アンディ・ウェザオールなんて僕らの世代のヒーローだけど、あなたがた若い世代なんかにしたら、もう忘れられた存在じゃないかとも思ってたんで。
エド・マクファーレン:アンドリュー・ウェザオールは僕らの世代(現在27歳)にとってもヒーローだよ! 実は何回もリミックスをお願いしているんだ。それで、ようやくそれが実現した!
ジャック・サヴィッジ:彼のDJセットも大好きだしね!
エド・マクファーレン:僕はもともとエイフェックス・ツインやスクエアプッシャーみたいなエレクトロニック・ミュージックを聴いていたんだよね。ポスト・ロックとかさ、ああいう複雑な音楽とか、あと、クリス・クラークがベッドルームで音楽を作ってそれで生計を立てているとか、そういったことにすごくインスピレーションを得ていたんだ。10代の頃はそうした、いわゆる〈ワープ〉サウンドを聴いていたんだけど、やがてそうしたものにも飽きてきて、そのときにハウス・ミュージックに興味を持つようになったんだ。
■そうだったんですね。
エド・マクファーレン:僕ら、みんな最初はインディ・ミュージックばっか聴いていたんだ。それでクラブに行くようになって、音楽に関して新しい体験をした。自分もそこに参加して聴くっていうか、ステージやミュージシャンを眺めるんじゃなくて、音楽だけを聴くっていう。それで音楽をインディ・ロックとは別の観点から見るようになった。ちょうどそういったきっかけのひとつが、アンドリュー・ウェザオールのロンドンのパーティだったんだよね。彼のイヴェントにはホントによく通ったな。
■なるほどね。今回の『パラ』は、タイトル自体はハクスリーのユートピア小説からの引用ですが、アルバムのコンセプトには20年前のUKにあったレイヴ・カルチャー、セカンド・サマー・オブ・ラヴといったものに対するあたがた若い世代の複雑な感情が込められたものとして捉えていいですよね?
エド・マクファーレン:そうだね、僕はその時代のことを知らない。僕が重要だと思っているのは「いまを生きる」ってことなんだよ。僕がいま生きていて、そして僕のまわりで、人びとが微笑んで踊ってくれて、それでしかも一体感を感じてくれたら、それがひょっとして20年前のレイヴ・カルチャーだったんじゃないのかなと思う。
■2011年から見て、あの時代の音楽文化のなかにはいまも有効だと思える事柄があると考えるんですね?
エド・マクファーレン:スピリット、とくにダンスさせるっていうところには共感があるし、そもそも僕らの音楽ってなんかの祝祭っていうか、お祭みたいな音楽なんだよ。
エド・ギブソン:あの時代のピアノ・コードなんかもすごく良いよね。ああいうのは自分たちと似ているなーと思う。
エド・マクファーレン:でも、僕らは、いろんな時代の音楽に影響されているんだ。どれか特定の時代の音楽に影響されているってわけじゃないんだよ。たとえば"ユア・ラヴ"は、いまダンスフロアでDJがかけたとしても絶対に良い曲だ。時代は関係ないと思っているんだ。
■そうは言っても、"リヴ・ゾーズ・デイズ・トゥナイト(あの日々をいま生きろ)"の"ゾーズ・デイズ(あの日々)"は20年前のことでしょ?
エド・マクファーレン:過去への敬意をもっていまを生きようって意味でそういう言葉にした。あの曲の歌詞は、すごく複雑な意味をはらんでいるんだ。僕たちはもう、どんなことがあっても、ダンスの黄金時代に戻ることはできないっていう認識と、そして、いまはそれなりに喜ぶべきことだってある。あの時代に戻ることはできないけど、あの時代のアティチュードはいまも取り入れることができる。だから、「昔には戻れっこない」という一般論を実はディスってもいるんだ。いまを生きようっていうメッセージそれ自体が、あの時代のアティチュードとも重なるんじゃないのかな。そういうことを言いたいんだよ。
ジャック・サヴィッジ:たまに勘違いされるんだけど、あの曲はノスタルジーじゃないんだ。
エド・マクファーレン:そう......ホント、あの曲の歌詞はすごく考え抜いたんだ。さっき「昔には戻れっこない」という一般論をディスったと言ったけど、ホントは誰にも攻撃していないんだ。そういう、誰かを批判するような歌詞にはしたくなかった。過去への大きな思いもあるけど、でも、最終的には現在というものについての思いを伝えたかったんだよ。だから、ものすごく慎重に言葉を選んだつもりなんだけどね。
■へー、そうだったんですね。言葉の選び方まではわからなかったけど、あなたがたの深いエモーションはしっかり伝わる曲だと思いますよ。
エド・マクファーレン:それは良かったよ。
[[SplitPage]]僕はマイ・ブラッディ・ヴァレンタインとムーディーマンを同じように好きで、同じように聴いている。インディ・ミュージックがダンスを受け入れたときの音楽も大好きだし、そういうときのギター・サウンドにも影響を受けている。
![]() Friendly Fires Pala XL Recordings/ホステス |
■実際、現在のUKはダンス・ミュージックの勢いがすごいですよね。ただ、あなたがたのようにピースなフィーリングを打ち出すようなものはそうないでしょ。
エド・マクファーレン:ピースって?
■ダブステップ以降ってこともあるんでしょうけど、音的にはダークでディストピックなものが多いでしょう。20年前はバカみたいにスマイリーな感じが多過ぎたとも言えるけど(笑)。
エド・マクファーレン:そうだね。ホントにその通りだと思う。僕も20年前のあの感覚が大好きなんだ。人びとがいっしょに踊って、そして心から楽しんでっていう。すべてを忘れてダンスしているようなあの感覚がね。ダブステップも大好きだよ。いまはロック・バンドにしても、UKではダークな感覚がトレンドなんだ。スペイシーで、ソンバー(憂鬱)で、そういうのがいまはある種の流行なんだと思う。
ジャック・サヴィッジ:ポスト・ダブステップでも良いのがたくさんあるけど、じゃあ、実際にクラブに行ったときに、あれがダンスしやすいと思うかな。それが良い悪いってことじゃなく、総じて言えば、あんまダンスしやすいものだとは思えないし、それがいまのポスト・ダブステップでは顕著なような気がする。
■なるほど。フレンドリー・ファイアーズはハウス・ミュージックのほうが踊りやすいと。そういえば、この取材の前まで、アラン・マッギーの取材をしていたんですよ。UKには〈クリエイション〉だとか〈ファクトリー〉だとか、インディ・ロックからはじまって、やがてアシッド・ハウスに影響を受けるインディ・ミュージックのレーベルがありましたよね。
一同:(何故か)ハハハハ。
エド・マクファーレン:ロック・バンドがエレクトロニクスを取り入れるってことが、ちょっと前にもあったよね。バンドによっては無理矢理やっている連中もいた。僕はマイ・ブラッディ・ヴァレンタインとムーディーマンを同じように好きで、同じように聴いている。インディ・ミュージックがダンスを受け入れたときの音楽も大好きだし、そういうときのギター・サウンドにも影響を受けている。
ジャック・サヴィッジ:アラン・マッギーやトニー・ウィルソンの時代は、インターネットもないし、選択肢が限られていた。ハウスが来たら、もうそれを強烈に真正面から受けるしかなかったんじゃないのかな。無視することなんかできない。絶対にそれを取り入れざるえなかったんだよ。ハウス・ミュージックの存在が大きすぎたんだ。いまは良くも悪くもインターネットの影響で、何かひとつだけに大きな影響を受けることはないでしょ。
■まあね。過去のロック・バンドで共感できるバンドって何がありますか?
エド・マクファーレン:うーん、わからない......(笑)。要素要素で共感してて、ひとつだけ挙げることはできないし、たとえばポスト・パンクのバンドでもサウンド的には自分らと違っても好きなところがあるし、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのギター・サウンドからも影響を受けているけど、ぜんぜんうちらとは音が違うし......だからそれを言うのは難しいなー。
■バンドで最初にコピーしたのって何?
エド・マクファーレン:いや、それはもう、くだらないポップ・バンド、グリーン・デイとかデフトーンズ(笑)。ホント、子供の頃、13歳だったから許してね(笑)。17歳のときには自分らでクラブに通うようになって、で、いまの原型が生まれた。ダンス・ミュージックをやろうとしてたよね。
■フレンドリー・ファイアーズってすごく良い名前ですけど、どうして付けたんですか?
エド・マクファーレン:あんま面白い話じゃないんだけど、昔、〈ファクトリー〉にセクション25ってバンドがいたんだけど。
■あー、知ってる。もろ〈ファクトリー〉系の暗いバンドだったような。
エド・マクファーレン:彼らのアルバムに入っていた曲名から取ったんだよ。
■そうだったんだ(1981年の『オールウェイズ・ナウ』の1曲目)。
エド・マクファーレン:で、そのアルバムの2曲目に"ダーティ・ディスコ"って曲があって、同じ頃、その名前のバンドがデビューして、「ヤバイ!」って思ったんだけど、たぶん、いまはもういないと思う(笑)。
■ハハハハ。それは笑えるね。そういえば、アラン・マッギーの時代はすごくドラッグにハマっていた時代でもあったんですが、彼はさっき「2011年で最高にロックンロールであるためには、なんもやらないでストレートな状態でいることだ」って言ってましたね。
エド・マクファーレン:えー、ホント! リバティーンズやベイビーシャンブルズを手掛けていたような人が(苦笑)......。
■いやー、半分ジョークだとは思うんですけどね。
ジャック・サヴィッジ:リバティーンズやベイビーシャンブルズみたいなドラッグが肩書きになっているようなバンドもそうだけど、ドラッグ・カルチャーの影響を受けたバンドって、〈クリエイション〉だけじゃなくて〈ファクトリー〉にも多いよね。エイミー・ワインハウスにもそういうところがあった。そういう人たちって、輝いているときはすごいけど、その期間がすごく短いんだ。
エド・マクファーレン:でも、僕ら、アラン・マッギーから「君たちはア・サーティン・レイシオみたいだ」って言われたんだよね。自分としてはまったく似てないと思うんだけど(笑)。
■たしかに、まったく似てないですね(笑)。どうも今日はありがとうございました!
※年内にはまた来日公演があるらしいです。楽しみです!
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JERRY WILLIAMS
Ease On Yourself
(ghost town)
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TRY TO FIND ME
I'm Dancer / Needs Ending
(Golf Channel)
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VLADISLAV DELAY QUARTET
Vladislav Delay Quartet
(Honest Jon's)
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JAMES BLAKE
Order / Pan
(Hemlock Recordings)
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HEROES OF THE GALLEON TRADE
Neptunes Last Stance
(Golf Channel)
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PARRIS MITCHELL
Juke Joints Vol.1
(Deep Moves)
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2000 AND ONE
Kreamm
(Bang Bang!)
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REWARDS
Equal Dreams
(Dfa)
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![]() SBTRKT SBTRKT Young Turk/ホステス |
サブトラクト(SBTRKT)=「引き算」という名義の意味は、以下のインタヴューを読んでいただければわかるように、匿名性にある。作者のキャラや自意識の物語としての作品ではなく、ただそこに鳴っている、聴かれることによって成立する音楽そのものが大切なのだ......という、まさに20年前のDJカルチャーの理念を彼は再度提唱しているわけだ。「素顔」を出さないこと、匿名性にこだわることは、20年前はすごく重要だった。それは「顔」で音楽を売ろうとするロック文化へのDJカルチャーからの批判だった。しかしそうした態度も、いつしか形骸化したのも事実だ。
が、ダブステップの時代では、その匿名の美徳がふたたび持ち上がっている。ブリアルはマーキュリー・プライズの候補になるまで素顔を明かさなかったし、コード9やゾンビーはいまでも顔を見せない。ジェームス・ブレイクでさえも、ジャケでは微妙に素顔をボカしている。そしてサブトラクトは、素顔を隠すためにアフリカの部族のマスクを被っている......まあ、かえって目立つようにも思うのだが......。
サブトラクトはつい先日、待望のファースト・アルバム『サブトラクト』を発表したばかりだ。彼の音楽は、2ステップ、ハウス、テクノ、ジャングルなどが折衷されたモダンなダンス・ビートとソウル・ヴォーカルに特徴づけられる。実にセンスがある人で、ベース・ミュージックの格好いいフックを巧妙に取り入れながら、ブリブリのベースを好む低音愛好家でなくてもアプローチしやすい流暢なダンス・ミュージックを作っている。本サイトでも長らく注目していたひとりだが、そのグルーヴィーな音楽は、先日のフジロックでもずいぶんと好評だったようだ。
なぜアーティストが自分の人生や生い立ちを語るのか、いつも不思議に思っていた。できあがる音楽にそれは関係ない。個人的には、自分のビートで作り出そうとしてる想像の世界の話のほうが年齢や出身地を話すより面白い。
■あなたの音楽からは、ソウルやジャズ、アフロ、ヒップホップ、デトロイト・テクノ、ドラムンベース、あるいはディープ・ハウスなど多くの影響を感じるのですが、プロダクションはどうやって学んだのですか?
サブトラクト:オタク的な答えがいいかなー。それとも......(笑)。僕の場合はただ多くのレコードを聴いたり、DJすることからきてるね。10か11歳くらいのころからいろんなジャンルのレコードを集めだして、だんだんUKハウス、ヒップホップ、R&B、UKガラージのように広がっていったんだ。初めのうちはただ好きなアーティストをコピーすることから始めた。ゴールディーとか尊敬するアーティストの技術をだんだん学んでいくうちに、そのなかでも好きな部分のエッセンスを捉えて音を再現できるようになって、それに自分のオリジナリティを組み合わせて自分流の曲を作ったんだ。
■ジャズやソウルといった音楽を背景に持つあなたが、どうしてダブステップやポスト・ダブステップのシーンと繋がったのか興味があるんですけど。どうしてですか?
サブトラクト:もともとエレクトロは自分のなかでもっとも重要な音楽のひとつなんだ。実際は昔からエレクトロの曲を作ってはいたんだけど、リリースしていなかっただけだよ。自分でも楽器を演奏するから、そういうことをやりたかった時期だったってだけで、いままたエレクトロに戻りたくなったんだ。
僕にとってダブステップは最小限の要素を含んだダンス/クラブ・ミュージックで、そこに音を足すことで方向を決めていけるものなんだ。自由が利くスペースがいっぱいあって、いろんなコンテキストも試せるしね、例えばUKガラージのように変貌することもあれば、テクノの要素を加えるだけでまったく別物にもなる。新しい音楽を作る上でアプローチが豊富に試せるのがダブステップなんだ。
■SBTRKTを名乗った理由を教えてください。
サブトラクト:SBTRKTって名前は、もともと自分で音楽を説明しなくても良いようにっていうアイデアのもとにつけたんだ。音楽が良ければ人はそれを聴いてくれる。なぜアーティストが自分の人生や生い立ちを語るのか、いつも不思議に思っていた。できあがる音楽にそれは関係ない。個人的には、自分のビートで作り出そうとしてる想像の世界の話のほうが年齢や出身地を話すより面白い。要するに自分の作り出す音楽から人としての自分の取り除くという意味でサブトラクト(引き算)なんだ。それは僕がマスクを付けることにも繋がってくるし。新しいアーティストとしてのアイデンティティなんだよね。
■それでは、あなたがマスクをする理由は......?
サブトラクト:SBTRKTの名前の由来の質問の延長線上なんだけど、ただ自分の正体を明かさずに音楽を作りたかっただけだよ。SBTRKTという存在にアイデンティティを与えることもできるし、新しいリリースやDJをするたびに違ったマスクを使ったり、プロジェクトによって変化も与えられるからね。
[[SplitPage]]このアルバムを買う理由が昔の曲だったりするのはちょっとね。過去に作った曲に頼ってることになるし。それに僕には新しいアイデアがつねにあるんだから、誰も聴いたことのないようなアルバムを作って独特なものにしたかった。
![]() SBTRKT SBTRKT Young Turk/ホステス |
■サブトラクトはじめてから、あなたは実に精力的に作品を発表しています。2009年から2010年のあいだに実に8枚のシングルを出しているんですよね。リミックスもかなりの数手掛けてます。また、2011年に入ってからはすでに4枚も出している。この勢いはどこから出てきたんですか?
サブトラクト:わお。数えたのかい? すごいね(笑)。音楽を作るのが好きなんだよ。ライヴやDJより好きなんだ。毎日作曲するし、いろいろなアイディアが沸くからまったく飽きない。インストだったりテクノ調にしたりだとか、ヴォーカルを混ぜたりとかね、いろいろやりたくなるんだ。アルバムはただそのアイデアのうちのひとつで、これがサブトラクトって感じのものができたよ。
■アルバムには"Wildfire"、"Sanctuary"、"Pharaohs"など、スピリチュアリティをにおわせるような曲名がありますが、これらはアルバムのテーマと関係があるのでしょう?
サブトラクト:わからないな。曲ができる前にタイトルが決まってるやつもあるしまたその逆もある。ヴォーカリストが歌詞を書くんだけど、ヴォーカリストと一緒に確立していく感じかな。"Pharaohs"はちょっと説明できないな、基本的には曲を書くときに得るインスピレーションがすべてのように感じるけどね。
■歌詞について訊きたいのですが、たとえば"Trials Of The Past(過去の試練)"や"Right Thing To Do(ただしい行い)"のような曲では何を言いたいのでしょう?
サブトラクト:(きょろきょろしながら)歌詞を書いた奴がいるんだけど見当たらないなー(注:取材場所の近くにそれらの曲のフィーチャリング・ヴォーカル、サンファがいました)。
歌詞はヴォーカリストが書くんだ、彼に訊いたほうがいいね、僕が話すべきではないかも。曲を作るときはセッションを組んで、僕が楽器を弾きながらアイデアを出してヴォーカリストが歌詞を作るんだけど、作詞はいろいろなところから降って来るような感覚で書いてると思うよ。"Wildfire"のヴィデオは曲のイメージとは違ってみんな変わってるというんだよ、ただもともとこの曲は自分にとってメランコリックな印象だからそうなったんだけど、結局サブトラクトの音楽は作曲課程のインスピレーションが主体だと感じるよ。
■アルバムの題名も『SBTRKT』にした理由を教えてください。
サブトラクト:よくわかんないよ。どういう意味にも取れるし、シンプルだからかな。1曲1曲のテーマはしっかり考えてて、とくにアルバムとしてのコンセプトであったり、タイトルはそんな重要じゃないと考えているんだ。リスナーがどう解釈するかっていうところのほうが重要だと思っている。
■リトル・ドラゴンが参加した経緯を教えてください。
サブトラクト:ファンなんだ。ファースト・アルバムから彼らのオリジナリティに惹かれたし。ライヴもすごいし。本当にオリジナリティに溢れてるバンドなんだ。去年、彼らの"Never Never"のリミックスもしたし、ロンドンでライブにも参加してるから、コネクションができたっていうのもあるね。彼らとやってることは違うから面白いんだよね。ファンも好きなようだしね。
■"Look At Stars"が収録された「Step In Shadows EP」が出たあたりから日本でもあなたの新譜は入手が難しくなるほど人気が出ていました。それで「Step In Shadows EP」や「Living Like I Do」、「Soundboy Shift 」といった既発盤の収録曲をアルバムに入れなかった理由を知りたいんですが......(注:日本盤にはボーナス・トラックとして"Look At Stars"と"Living Like I Do"を収録)。
サブトラクト:さっき話したこととも似てるんだけど、僕はたくさん曲を作るから自分にとって古い曲をアルバムに入れるのは、新しいアイデアやクリエイティヴィティが失われるようで.......。それにみんながこのアルバムを買う理由が昔の曲だったりするのはちょっとね。過去に作った曲に頼ってることになるし。それに僕には新しいアイデアがつねにあるんだから、誰も聴いたことのないようなアルバムを作って独特なものにしたかったしね。これはすべてのプロジェクトに関して言えることだけど、リピートはあまりしたくないんだ。正直、人気が出ることについて考えるよりも、アーティストとしてチャレンジすることのほうが僕にとっては重要なことなんだ。
■「Laika」のような変則ビートや「2020」のようなミニマル x ガラージのようなビートもかなり好きだったので、あの路線もまたやって欲しいなと思ってるんですけど、もうああいうダンス・トラックは興味ないですか?
サブトラクト:そんなこともないよ。DJはEPやシングルを買うから、彼らが使いやすいにインストの曲をリリースするのは理にかなってると思う。ヴォーカル入りの曲をミックスするのは手間がかかるしね。アルバムではどちらかと言うと、いくつかの曲を通じてストーリー性を持たせることを重視してて、その利点としては、制限なく自分のやりたいことができるって部分だけど、EPとかだと使い手を意識して作らなきゃだめだからね。
今後もインストのダンス・トラックは作る予定だよ。ダンス音楽を作るのは好きだし、自分にとってはこれだけしか作らないとか、そういうことではないんだよね。ライヴを意識したものを作ったり、エレクトロニックやったり、レディオヘッドやビョークみたいにつねに変化してるバンドからはインスピレーションを得るよ。
■あなたが目指しているのは、モダンなフレイヴァーを持ったソウル・アルバムといったところでしようか?
サブトラクト:いや、こちらからとくにこんな風にアルバムを作ろうということは考えなかった。自分の好きなことを共有したり、新しい音を提供してリスナーに独自の解釈してもらうっていうことが重要だね。さまざまなジャンルの垣根を越えてサブトラクトの音はサブトラクトにしかだせない。言ってみればそれがテーマかな。いろんなところから影響を受けてそれをつなげていくことで、独自のアイデンティティを作り出すっていうことがメインだね。ソウルは重要な要素としてはあるけど、それが主体であることはないかな。
■最後に、あなた自身、いまのUKのベース・ミュージック・シーンをどう見ているのか教えてください。
サブトラクト:すべてのエレクトロニック・ミュージックからつねに良い曲は出てきてるね。いまはいろんな音楽が各ジャンルから派生してて多様性もあるし、誰もついていけないような、ものすごいスピードで変化してるから、とても面白い。たくさんの要素やプロダクションスタイルもある。こういったことは世界中でも起こってるんだよ。この前キャンプビスコってフェスに参加したんだけど、araabmuzikってアーティストがmp3を使ってヒップホップ・ベースの音楽をやるんだけど、ビートをライヴで再現してて、ダブステップだってテクノだってやるし、本当に素晴らしかった。そんな風に世界中のいろんなアーティストが、違ったフォーマットを使って音楽をやってることにはつねに感銘を受けるよ。プロデューサーやDJの垣根を越えてパフォーマンスの舞台に立つことは重要だと感じるね。
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GROOVEBOY
GROOVEBOY EP3
UNKNOWN / US / 2011/7/21
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IFEEL STUDIO
MORGENGRUSS III
INTERNATIONAL FEEL / URY / 2011/7/22
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