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お待たせしました! 『ザ・レフト──UK左翼列伝』刊行記念の筆談。衆議院選挙をはさんでの後編です。それではみなさん、よきクリスマスを。

→前編はこちら

『ガーディアン』電子版の読者コメント欄に「私が会った多くの日本人が、この選挙では意志的に投票したい党がなかったと言っていた。『既存の党以外』という選択があれば投票したと言った人がたくさんいた。自民党は日本で起きている不快な現象を利用して勝った。それは日本の人々はアンガーを感じるのではなく、撤退してしまっているということだ」という意見があって、うーむ。となりました。──ブレイディみかこ


ブレイディみかこ
ザ・レフト─UK左翼セレブ列伝

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水越 総選挙が終わり、テレビは与党大勝とか言ってますが、自民党の議席は減りました。とは言え絶対数で話にならないので、国会はあまり変わらず、ただ安倍政権の任期が延びただけ。「だけ」ではあるけれど、これこそが安倍首相が求めていたことですからね、満足過ぎる結果ということでしょう。「史上最低の投票率」については、政権側のあまりにも強引で用意周到なシナリオを前に結果が見えすぎていましたから、それこそよく5割を維持したといってもいいくらいかもしれません。選挙日程にしても運動のやり方にしても、第二次安倍政権は徹底して戦略好きというか長けていることを何より思い知らされたと言うか……。結果としては大筋予想どおりではあったものの、次世代の党がほとんど壊滅して、組織票とは言え公明、共産、さらに最低に不甲斐ない民主党という比較的リベラル寄り勢力が増えたことから、全体としては極右・タカ派路線は拒否されたということにはなるんでしょうか。給料を上げてくれるなら多少のタカには目を瞑るけど、それが欲しいわけではないって感じかな。かと言って、現実的には「自民より右」の次世代の党が一掃されたことが今後の安倍政権のタカ派っぷりを抑制するとも思えない。極右がおとなしくなることで、経済政策も安保法制化もかえって伸び伸びできるってことになるかもしれません。
 この選挙は『ガーディアン』なんかでもけっこう報道されていたようですが、どんな論調になっていましたか?

ブレイディ  英メディアも「大勝」ってのと「微妙な勝ち方」の両方があり、『ガーディアン』はやはり左寄りなので、「勝った途端に憲法改正のことを言いだした」、「ウーマノミクス(何が舐めてるってこのPR用語の激烈なひどさが一番国民を舐めてる気もしますが)はどうなった」みたいな記事も出てきて。ズバッとは書いてませんけど、憲法改正以外はどれもあんまり本気でやる気がないんじゃないか(経済も含めて)。矛盾だらけだし。みたいな感じが行間から零れています。あとBBCの東京駐在記者が「ブロークン・ジャパン」という表現を使っててちょっと動揺しました。
 『ガーディアン』電子版の読者コメント欄に「私が会った多くの日本人が、この選挙では意志的に投票したい党がなかったと言っていた。『既存の党以外』という選択があれば投票したと言った人がたくさんいた。自民党は日本で起きている不快な現象を利用して勝った。それは日本の人びとはアンガーを感じるのではなく、撤退してしまっているということだ」という意見があって、ちょうど「私たちは『怒れない』から選挙にいけないのかもしれない」という若いお嬢さんの文章をポリタスで読んだばかりだったんで、うーむ。となりました。
 『ザ・レフト』を書いてた間は本を読む暇がなかったので、ようやく今年出たジョン・ライドンの自伝を読んでるんですが、それは「Anger Is An Energy(怒りはエネルギーだ)」というPiLのファンならよく知っている言葉がタイトルなんです。ライドンは冒頭で、「アンガーは必ずしも暴力的でネガティヴなものではない。非常に前向きな力になり得る」と書いていて、たしかにアンガー問題はあるよなあと思って。
 「なんでアタシらだけこんなに貧乏なのよ、おかしいだろ」とか「なにが戦争だ。俺は死にたくねえ」とかいちいち怒る人は、やっぱ強力な指導者とか「この道しかない」とかいう方向には行けませんよね。『ザ・レフト』とは、アンガーの人なのかも。あーこれ、本が出る前に考えときゃよかった。この線で書けた人もいる(笑)。

水越 米大手紙の結果分析では軒並み、安倍晋三の歴史修正主義的思想が推進しやすくなったのではないかと危惧されていたようですね。私もめんどくさい人と話してるときに使っちゃうし、おおかた日本の左派はこんなとき、外国、とくに欧米からのガイアツをもち出す癖があります。でも「外国はこう言ってるぞ」って、最低ですよね。ある時期までの日本人には説得力を持っていた方便だけど、怠惰で不真面目な上に安直なこの癖が、稚拙なナショナリズムをますます燃え上がらせてしまったという意味で自分のクビを締めてる。でも「ブロークン・ジャパン」とはっきり言われると、逆に気が強くなる気がします。最近、大日本帝国とかフランコ政権下とかピノチェト政権下とかで生きた人たちは何を考え、どんな生活をしてたんだろうとか考えることがあります。私ならそういう時代をどう生きられるだろうなんて。そんなときには「怒り」は縮んでいますが………。たとえば「ウーマノミクス」には「怒り」を感じますが、でも「怒り」より無力感の方がもっと強い。国民国家の“庶民”はしょせんは国民国家運営のための駒とか道具であって、人権なんて取り繕いでしかないんだという宣言みたいだもの。
 でも、ポリタスのその記事を読んで、若い世代の多くが言ってる「投票しても自分たちには見返りがない、自分のために政治は何もしてくれない」とは、私は若い頃に思ったことなかったなあ。もちろん私の1票が何かの力になるとも思ってなかったし、まして「政治家が自分たちの世代のために何かしてくれる」なんてことは頭をよぎったことすらなかったのはいつの時代も変わらないとは思うけど。まあ、いまのように若年層が絶滅危惧種ではなかったし、金権政治が大問題だった当時、野党もマスメディアもいまとは比べ物にならない「怒り」を表現していたようには思います。若い私はそういう社会全体にあった「怒り」のエネルギーを、さらにはサブカルチャーが素朴な形で表出していた「怒り」のスタイルを自然に吸収して、「政権交代はあり得ない選挙」にも諦めないことを自分に言い聞かせながら投票していました。だから、いまの若い人たちが自分の生活や将来と政治を結びつけて考えた上で、無力感を抱いているのだとすると、私が若い頃よりも政治は若い人たちにとって身近なものになっているということではないでしょうか? だた、身近なだけに、その記事にあるように、「社会に貢献する」とかってことにやたら生真面目になっていて、短絡的な怒りに到達しないのかもしれない。「怒り」にもロールモデルが必要なんでしょう。いまのように、大学受験や就職活動でボランティア経験が評価の対象になったり、それこそ子どもを生んでいないことに自責を感じさせるようなキャンペーンがあったりするうちに、「怒り」は仕舞い込まれてしまうのかも。解消され得ない世代間闘争を考えると、「若者よ、投票所へ」運動より先に、「年寄りよ、社会へ」運動が必要ですよ。
 ところで「怒りの人」ってたとえばどんな人ですか? そういえば、ジュリー・バーチルと対立したこともあるというジョン・ライドンは『ザ・レフト』では取り上げられてませんね。ブレイディさんならまずはジョン・ライドンだろうなんて思っていたんですが……(笑)。あと、自由民主党党首ニック・クレッグのアドバイザーになっていたブライアン・イーノのことも気になります。イーノのイスラエル支持のアメリカ人に対する手紙には怒りを感じました。

ブレイディ ガイアツに関しては、日本人って異様なほど海外からの目線を気にしますからねー。大きなニュースがある度に第二報はもう「海外の反応」だし。だから海外から物を書くにしても、「海外では日本はこう見られてるぞ」「海外から見たらそんなの変だぞ」というのをやった方が、本当は楽に話題になれるしPV稼げる。でも、わたしは「人の目なんか気にすんな」というのがどうしてもこう、染みついていて、やっぱ思春期に聴いた音楽が良くなかったと思うんですけど(笑)、それはしたくないんです。英国で何が起きているかを書きたいし、この国には日本の人たちが考えるネタになることが転がっているような気がする。それは単に「俺らもそうなんきゃ」とスタンダード視する材料ではなくて。スタンダードなどどこにもないですから。
 「アンガーの人」は、『ザ・レフト』で書いた人みんなそうだと思います。各章の最後の囲みのなかの名言(ファシャヌだけ違うんですが)だけ読み返したら、みんな怒ってますよね。静かにストイックに怒ってる人もいるし、もはやアートと言えるような熟練の怒り技を見せている人もいるし、アンガーを前向きな力に変えてマラカスふってる人もいる。わたしは外国人だから多種多様な考えの人たちを「レフト」として見れると仰ってましたよね。あれから考えてたんですけど、それはたぶん、底辺生活者をサポートする施設でヴォランティアした経験が大きいと思います。あそここそ、もうアナーコなんちゃらとか組合系レフトとかいろんな考えを持つ人たちが毎日派手に口論になったりややこしいことになったりしながら、それでもなぜかコミュニティを形成していた。最終的にはなんか「でも俺らはここに集まる人」みたいな共有する 認識がありました。みんな「これじゃいかん」というアンガーがあって。かなり心の許容範囲を拡大しなければ受け入れられないような人々もいましたし、けっしてラヴリーな場所ではなかったですけどね。
 ライドンについては、わたしが書く本は陰の主役は彼だと前に指摘されたことがあるんですが、今回は、カレーで言えば福神漬け、うどんでいえば七味のような役で出てもらいました。日本も、世界の真ん中で咲き誇りたがらずに、この本のライドンのような脇役になれたらクールじゃないかと思います。ブライアン・イーノはちょっと考えました。ガザ問題ではたしかにアンガーがありましたし。でも、わたしはニック・クレッグがダメなんです。チャールズ・ケネディ党首が好きでした。スコットランド人らしいレフト性が根底にある人で。アルコール問題で破滅しましたけど(ここら辺も他人事じゃないし)。

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20世紀の「勝ち取る」左翼ではなく、「取り戻す」左翼の時代なんだなあということです。前衛ではなく、最後衛で振り落とされる者たちを守ることを考えなきゃならない左翼。咲き誇る革命ではなく、地味で辛気くさい「地べた」で……。そういうことを思うとき、それでも笑っちゃうドタバタに励まされたりもする。そして考えてみると、ああ、いまの日本にもこういう人はけっこういる、あの人やあの人も、似てるじゃんと思えて来ます。日本版でもこれ、できそうかもしれません。 ──水越真紀

水越 外国で暮らしている日本人が日本語で書くものには、その外国と日本を比較して日本をやたら褒めるものと、逆に「だから日本はダメだ」というものの二種類が多くて、時流でどっちかが流行りますね。いまは「日本を褒めるもの」が受ける。どっちにしてもたぶんそういう話って頭のなかで発展していかない。瞬間的な癒しで終わって「考えるネタ」になっていかないんですね。この「ザ・レフト」に限らず、ブレイディさんのお書きになるものは、直接的な比較という視線はありませんが、日本で起きていることを意識されてるということがすごく伝わってくる。日本でこれを読む読者の思考は単純な彼我の比較でなく、文化の違いや歴史などを総動員して複雑に展開していく。知識を得るだけの読書じゃなくて、頭のなかで本が膨らんでいくんです。
 ブレイディさんのヴォランティア時代の話は、前作『アナキズム・イン・ザ・UK』でたっぷり読めますね。まさにカオスでアナキーな体験ですが、『ザ・レフト』にあるブレイディさんの視線は変わっていません。80年代初頭に、宮迫千鶴さんが「イエロー感覚」で、輸入文化で育って、日本の伝統文化を“外国人の視点”で見てしまうが、どっか心身に染み込んでるところもある、といったような文化的国籍不明の「在日イエロー」という立場を標榜しました。当時、コスモポリタンとか流行りはじめていたんですが、そういうかっこいいものでもなくて……。生まれた国に住み続けながら、国民ではなく「在日者」として生きるというアイディアに私は非常に共感しましたが、ブレイディさんの視線にはそれに通じる ものを感じます。ところで私はブレイディさんのブログのかなり前からの読者だったんです。ソーシャルワーカーに子どもをとられそうになっている母親とのやり取りがアップされていた頃で、最初に見つけたときには朝まで夢中で読んでました。で、もったいなくて誰にも秘密で読んでたんですが、ロンドン五輪開会式の話でついに我慢しきれず「これこれ!」と吹聴するに至った。そのブログをはじめたきっかけやその頃の日本との精神的距離感などについて教えていただけますか?

ブレイディ 実は、はじまりは「John Lydon Update」というサイトでした。ライドンが2004年に「I’m A Celebrity Get Me Out Of Here」というB級セレブを集めたリアリティー番組に出たんです。日本の人たちはこれを知ってるんだろうか?とネット検索してみたら、日本では「そんな番組に出るなんて彼も終わった」とか「パンクの生き恥」という意見が多かったので、「何言うとんじゃ、見てもおらんくせに。これこそパンクじゃろうがー(って急に菅原文太になる必要もないですが)」と思い、毎日、情熱的に彼のアナキーな言動を文章で中継してました。
 で、そうなってくるとライドンのファンサイトの様相を呈して来て(掲示板もありました。すぐやめたけど)、そういうのはあんまりやりたくないと思い、サイトのタグ打ちも面倒だったんで、個人的な日記ブログに切り替えました。でも、その頃はただダラダラ書いてただけで、底辺生活者サポート施設の託児所で働くようになってから書く内容が変わったと思います。あの頃は、もうただ自分のために書いてました。夜中に酒飲みながら。いつも酔ってたので翌日読んでみるとたいてい最後のほうの文章は書いた覚えがない。貧困層の子供たちとか、多種多様なアナーコ族やアンダークラス民の喧嘩とか、書いたものを読むと笑えますが、実際にそのなかに身を置くのは精神的にきつかったんだと思いま す。やっぱああいう場所にいると気持ちが落ち込みますし。ひどいアンガーも感じました。その頃の文章は前作の後半に入っていますが、正直、いまでも書いた覚えのないものがあります(笑)。
 あの頃はあまり日本のことは意識してなかったです。日本との精神的距離というのは考えたことなかったですけど、でも日本もいろんな人がいて、それこそ様々な階級とか(昔はないことになってましたが)あるので、どこのどの辺との距離なのかってのもあると思いますが、わたしは一億ファッキン総中流時代に大変居心地の悪い思いをした家庭の娘だったので、英国の労働者階級のほうが、違和感なくスッと入っていけました。わたしは福岡出身ですが、昔はよく某党の関係者が選挙前に現金を封筒に入れて持って来てて、うちの親父は中卒の肉体労働者ですが、「選挙というのはそげなもんやなか」とすごく怒って封筒を突き返してました。土建屋のくせに自民党嫌いで(だから貧乏なのかも)。昔は本なんか読んでる姿も見たことなくて、ディスレクシアっぽいのかと思ってましたが、最近やたら本や新聞を読んでて、政治を語ってます(笑)。そういう貧乏な老人も日本にはいるようです。
 そういえば、わたしのブログは3.11以降にPVが増えました。日本の人たちとわたしの書くものにあまり距離がなくなったのかもしれないと思います。

水越 ああ、たぶんそれも読んでました。ジョン・ライドンがリアリティー番組に出たということだけは伝わって来たけど、中身が分からなくて、ちょっと遅れて探した記憶があります。あれ、ブレイディさんが書いてらしたんですねー。
 前作にもたくさん出てくるサポート施設の託児所の子供たちの描写には、共感とか親愛の底にやりきれない無力感のようなものが貼り付いていて、でもだからこそ、そこは明るくて逞しい場所のように思えて来ます。ドライでやけっぱちなのに情緒を呼び起こされてしまう、そういうところに、私はジョン・ライドンを感じます(笑)。
 『ザ・レフト』を読んで、とくに印象に残ったのは、ケン・ローチ、J・K・ローリング、ジュリー・バーチルが、自身の“いま”があるのは、英国社会が整備して来た教育や福祉制度や緩和しつつあった階級流動性のおかげであるということを踏まえた発言をしていることでした。私の祖父は病弱なのに山っ気のある人で、子どもを10人も産まされた祖母は一時期、生活保護で子供たちを育てました。つまり私が生まれてこられたのもこの国の福祉のおかげとも言えるわけなんです。小泉政権以降、社会の高齢化現象のひとつでもあるのかもしれませんが、「恵まれなかった私は努力して成功したのだから、君たちも努力すれば出来る」と考える大人が目立っていました。ローチらが危機感を抱くように、そうした社会は過去のものになっているという意味で、20世紀の「勝ち取る」左翼ではなく、「取り戻す」左翼の時代なんだなあということです。前衛ではなく、最後衛で振り落とされる者たちを守ることを考えなきゃならない左翼。咲き誇る革命ではなく、地味で辛気くさい「地べた」で……。そういうことを思うとき、それでも笑っちゃうドタバタに励まされたりもする。そして考えてみると、ああ、いまの日本にもこういう人はけっこういる、あの人やあの人も、似てるじゃんと思えて来ます。日本版でもこれ、できそうかもしれません。ブレイディさんの人を見る視線に、私はいちばん刺激を受けました。
 最後に、ちょっとプライヴェートなことにずかずか踏み込んでみたいのですが、パートナーとの出会いはどういうものだったんですか? とか、やはりパンクのつながりで? とか、お酒は実際どのくらい飲んでるんですか? なんてことを……。

ブレイディ えっ。いきなりそう来たかとちょっと動揺しましたが、連合いとは飲み屋で会いました。何も面白くないです(笑)。彼は76年と77年はイスラエルのキブツでバナナを作っていたらしいので、パンクつながりとは言えないかもしれません。彼はたぶんThe Whoが一番好きなんじゃないかな。近年だとマニック・ストリート・プリーチャーズのPVを見てこっそり泣いているのを目撃しました(笑)。
 わたしの酒量は、休肝日を作りなさいと医師に数回言われた程度です。はっ。いま気づいたのですが、わたしがいろんな考え方の人を「まあよかたーい(博多弁)」と大雑把にレフトと呼んでしまうのは、もしかしたらわたしが酒飲みだからなのかも……。
 『ザ・レフト』なんて本を書いておいて何ですが、わたしは保守派の言い分もわからないこともないし、ライドンも実はけっこう保守っぽいことを言う(でも最近、『保守党に投票することがあると思いますか?』と質問されたら、『ははははは。そら絶対ない』とあの鼻声で笑ってましたけど)。保守党って英語ではConservativeで、それはConserve(保守する、保全する)人の党の意ですから、二大政党制でそれにカウンターをかける政党だったらInnovator(革新する人の党)でも良さそうだし、リベラル党でも良さそうですが、英国の場合はLabour(労働党)なんですよね。伝統や現状のなかに含まれる自分の権益を保守・保全しようとするエスタブリッシュメントに、地べたで働く人間(+地べた民の側につこうとする上層民。これとても大事)がカウンターをかけるという構図がいままで続いてきた。でも、ここんとこ労働党がそれをちゃんとやってないから、ケン・ローチやベズのような人たちがそれにカウンターをかけようとしている。
 日本版『ザ・レフト』といえば、スコットランド独立投票のときに井上ひさしの『吉里吉里人』を思い出していたのですが(正確には作者と題名が思い出せなくて、筒井康隆だったっけーとか思ってたんですが)、菅原文太があれを映画化しようとしていたと知って、ほーと思いました。『ザ・レフト』は無名の人編だってアリですよね。いまの日本は海外在住のばばあが書店の中和化を図りたくなるぐらい世のなかが一方的になっているようですが、高齢化を極めるにつれ、女性を活かすとか移民を受け入れるとかしないと現実に回って行かなくなる国には、仰るとおり「最後衛の左派」が育つことはクルーシャルと思います。ブロークンというのは、最後尾に立つカウンターがいない状態かもしれませんしね。でも、逞しいカウンター勢力が育つには時間が必要ですから、ひどい時代というのは、じっくり考えたり何かをオーガナイズしたりする時間を与えてくれているのかもしれない。
 わたしも貧乏な老人をふたり残して来ているので、他人事ではありません。失望とアンガーと、そしてある種の期待をもってブライトンから祖国を見ています。
 

vol. 68:変わりゆくウィリアムスバーグ - ele-king

 年の終わりは、何かとバタバタする。たくさんのホリディ・パーティが催され、大量のギフトを交換し、飲んで食べて、この1年はどうだった? などと1年を振り返る。ランダムなパーティに行くと、最近会っていない知り合いに会ったり、ホリディだからとNYに遊びに来ている友だちがいたり、たくさんのサプライズがあるのも、NYと感じる。

 著者は、バンド活動他、アーティストの取材やアテンド、NYのガイドブックを作ったり、地道な執筆作業を続けた1年だった。そして、毎週欠かさず行っていたのがブルックリン•ナイト•バザー。今年から年中オープンしていたので、ショーもたくさん見た。ハイライトは、マック•デマルコ、メン、ザ•メン、ハニー、サイキックTV辺りだろうか。毎週行っているので、ヴェンダーにも知り合いがたくさんできた。先週見に行ったRatkingでは久しぶりに列に並んだ! Run The Jewels(El-P & Killer Mike)とツアーをした、いまブルックリンで大人気のヒップホップ集団である。
 著者は、ヒップホップには詳しくないので、大きなことは言えないが、Todd Pがサマー・スクリーンでブックしていたのを見たとき、これぞ新世代バンド! と目をつけていた。
 この日はヴェンダーもぎゅうぎゅうで、ホリディギフトショッピングが飛び交うなか、誘惑を潜り抜け、ステージ横へ。すごい人である。メンバー3人だったのが、サックスプレイヤーが入ったり、トータル5人ぐらいがステージをウロウロしていた。相変わらずカジュアルで、客からのサーフィンが起こっていた。面白かったのが客層。2/3は褐色男20代前半。外で並んでいるとき、隣にいた人たちと喋っていたら、ニュージャージーから来たやら、ブロンクスから来たなど、「ブルックリンに来たの初めて!」という感じの人たちばかり。「ウィリアムスバーグに15年住んでる」と言ったら、途端に尊敬の眼差しで見られ「ブルックリンはどんなところ?」とガンガン質問されてしまった。

 そうなのである。著者が遊んでいた層や世代は、いまはウィリアムスバーグにはほとんど残っていないのである。いるのは、最近コンドに引っ越してきたリッチキッズやヤッピー。まわりのレストランもハイエンドで、最近行った日本食レストランSalt + Charcoalやゼブロンの跡地に出来たThe Heywardはいまのウィリアムスバーグを象徴している。今年は1月から285 Kentがクローズする〜と大騒ぎし、デス・バイ・オーディオ、グラスランズ、スパイク・ヒルのクローズで閉められた、ウィリアムスバーガーにとっては辛い1年だった。

 著者のまわりは、すでに西海岸やクイーンズに引っ越し、新たなコミュニティと共存しはじめている。とは言っても、NY、ブルックリンは広い。人も多いし、若い世代が、いまも違う形で新しい物を作り出しているのだ。

 実は、住んでいる場所について考えることがある。こんなに劇的に変わってしまった近所だが、いまでも大好きである。マンハッタンに行くことを考えたら、ウィリアムスバーグというアクセスの良さに勝るものはない。が、地価の高騰ぶりは半端ないのが現実である。

 さて、ホリディは、ウィリアムスバーグに、一体どんな層が出歩いているのか。新しい発見があることを願って。

 最後に、2014年もお世話になりました。


ラリ・プナだって! - ele-king

 〈Morr Music〉を筆頭に、「あの頃のエレクトロニカ」にもふたたび光が当たりつつあるのかもしれない。ラリ・プナの再来日が10年ぶりというのは、その背後にさらにいろいろなものの“10年ぶり”をしたがえているように思えてならない。あのあたたかくつめたい音を、ある人々はなつかしく、ある人々は新鮮に聴くことになるだろう。
 来年2月の来日は一夜限り。逃すのはもったいない機会だ。

■LALI PUNA Live in Tokyo 2015
with special guest TRAMPAULINE

 ドイツのMorr Musicの看板アーティストとして、2000年代初頭のエレクトロニカ・ブームの寵児とも言える存在だったラリ・プナだが、その後も寡作でマイペースな活動ぶりながら一作ごとに新たな顔を見せ、ヴァレリー嬢の唯一無二のヴォーカルも相俟って、その作品群はいま聴いても全く色褪せていない。日本初となる単独公演では、新旧の楽曲を織り交ぜたロングセットで、定評があるライブ・バンドとしての魅力も余すところなく伝えてくれるだろう。そして、2015年1月にラリ・プナのドイツ・ツアーでサポート・アクトをつとめることになった韓国のエレクトロ・ポップ・バンド、トランポリンが東京公演にも特別出演決定! 2012年の初来日公演でも絶賛を浴びたクールで熱い彼女たちのパフォーマンスも見逃せない。

■公演詳細
2015 年 2 月 11 日(水・祝)
代官山 UNIT
開場 18:00 /開演 19:00
前売 4,800 円/当日 5,300 円
チケット取扱: e+, ローソンチケット
お問い合わせ:
代官山 UNIT TEL:03-3464-1012 https://www.unit-tokyo.com/
DUM-DUM LLP 03-6304-9255
https://dum-dum.tv
チケット一般発売: 12/ 28( 日 ) 10:00 ~
◎先行予約 ; 12 月 20 日(土)18:00~ 12 月 23 日(火)23:00

■ヴォーカル、ヴァレリー・トレベルヤーからのメッセージ
「久しぶりに東京に行って演奏できることをとても楽しみにしています。前回東京に行ったのは4年前、高橋幸宏さんが私をゲストシンガーとして招いてくださった時でしたが、2005年に初めて東京と大阪、それに京都を訪れた時、私たちはすっかり日本の虜になりました。ラリ・プナの一員として再び日本で演奏できることを嬉しく思います。そして、トランポリンとのコラボレーションもとても楽しみです。彼女たちのヴィデオをYouTubeで観て、私は即座に彼女たちの演奏に魅了され、ラリ・プナとの相性もいいだろうと確信しました。そして、実際にそうだと分かりました。私たちは2曲を一緒に作ることにした
のですが、とてもうまく行ったんです。」──ヴァレリー・トレベルヤー(ラリ・プナ)

■ラリ・プナ(Lali Puna)
1998年初頭、ドイツ・ミュンヘンにて、ヴァレリー・トレベルヤーのソロ・プロジェクトとして始動。間もなく、ザ・ノーツイスト(The Notwist)やタイド&ティクルド・トリオ(Tied & Tickled Trio)のメンバーとしても知られるマルクス・アッハーが加入。同年8月にHausmusikより7インチ・シングルをリリースした後、レコーディングのみならずライブ演奏も志向していく過程で、ドラムのクリストフ・ブランドナーとキーボードのフロリアン・ツィマーも加わり、4人組のバンド編成となる。1999年9月、まだ設立後間もないベルリンのレーベル、Morr Musicよりデビュー・アルバム『Tridecoder』をリリース。2001年9月に発表したセカンド・アルバム『Scary World Theory』は、歌ものエレクトロニカの可能性を押し広げた作品として絶賛を浴び、ラリ・プナのみならず、Morr Musicの人気とレーベル・カラーを決定づける作品にもなった。2002年秋には初のUSツアーを敢行するが、その数ヶ月後に、フロリアンが、自身のプロジェクト、Iso68に専念するためバンドを脱退、後任としてクリスチャン・ハイスが加入。2004年4月には、ギターを多用し、ロック色を強めたサード・アルバム『Faking the Books』をリリース。2005年5月には、ドイツのエレクトロ/インディーポップ寄りのアーティストが多数集結して東京と大阪で行われたイベント「Soundz from Germany 2005」で初来日。2010年4月、長いブランクを経て、6年ぶりの新作『Our Inventions』を発表し、これまで以上に精緻で研ぎ澄まされたエレクトロ・ポップを聴かせた。バンド名の「ラリ」はヴァレリーの幼少時のあだ名、「プナ」は彼女の出生地である韓国のプサンのことを指している。

■トランポリン(Trampauline)
韓国・ソウルにて、チャ・ヒョソンのソロ・プロジェクトとして始動。2008年にフォーキーなエレクトロニカを換骨奪胎したような清新なサウンドが光るデビュー・アルバムを発表。2011年には、ギタリストのキム・ナウンをメンバーに迎え、ヒョソンの独特な英語詞の歌い回しとクセのあるエレクトロ・ポップが見事に融合したセカンド・アルバム『This Is Why We Are Falling For Each Other』を発表。同年の韓国大衆音楽賞で2部門にノミネートされる。2012年6月には、IRMA Records Japanよりセカンド・アルバムの日本盤がリリースされ、同年9月には初来日、VOGUE JAPAN誌主催のファッションイベントの一環としてagnes bの表参道店にてライヴを行い、渋谷O-nestでも公演した。2015年1月には、ドイツでラリ・プナと3公演を行う他、2月には韓国のソウルとプサンでの共演も決定している。ヴォーカル/シンセサイザーを担当するヒョソンを軸としたバンド編成は流動的だが、現在はキム・ナウンとベースのチョン・ダヨンを加えた3人を正式メンバーとして活動している。


時代はジェフ・ミルズです。 - ele-king

 時代はジェフ・ミルズです。たとえば、〈PAN〉から出ているリー・ギャンブル、ピンチのコールドのコンピレーションを聴いてみてください。サージョン・リヴァイヴァルとも言えるかもしれないけど、シーンは、確実にジェフ・ミルズとリンクしているじゃありませんか。アントールドもカレント・ベストにジェフのアルバムを挙げていたし、素晴らしいことに、ジェフ・ミルズは新しい世代に受け継がれています。
 そんな折りに、フランスで作られた、ジェフ・ミルズ主演のドキュメンタリー映画がDVDとなってリリースされます。「テクノとは何のために存在するのか」、この大きなテーマと向き合っている映画です。ぜひ、ご覧下さい。

 2014年2月、パリのルーブル美術館オーディトリアムでのワールド・プレミアを皮切りに、日本を含む各国で上映され話題を集めた、ジャクリーヌ・コー監督、ジェフ・ミルズ主演のアート・ドキュメンタリー・フィルム『MAN FROM TOMORROW』。ジェフ・ミルズ書下ろしのサウンド・トラック収録CD+DVDで発売となった。

 通常のドキュメンタリーとは一線を画したノン・ナラティブな手法、アーティスティックでエクスペリメンタルな映像と音楽で構成された本作品は、ジェフの初主演作品。彼の考えるテクノのあり方や音楽制作の過程、彼の想像する未来などが凝縮して織り込まれ、テクノ・ミュージックの醍醐味をDJイベントとは異なった形で表現する試みでもあるという、ジェフの創造性・実験的精神をあますところなく体現する作品となっている。

 「なぜ彼が音楽を作るのか、テクノとは何のために存在するのか、という疑問の答えを解き明かす映像による旅路」(コー監督)というこの作品。スタイリッシュな映像と音楽を通じてジェフの宇宙が凝縮されたこの作品をぜひ体験して欲しい。

 また、12/20 (土)には、これまで国内テクノ・シーンの歴史の一端を担ってきたageHa随一の人気テクノ・パーティー“CLASH”のファイナル・パーティに、DERRICK MAY、KEN ISHIIらと共に出演することも決定している。

 ジェフ初主演映像作品とともにこちらも見逃せないラインナップとなっているのでぜひチェックを。

 ジェフ・ミルズ初主演映画作品『MAN FROM TOMORROW』は、U/M/A/Aより本日発売される。


JEFF MILLS『MAN FROM TOMORROW』
生産枚数限定日本仕様

XECD-1132(CD+DVD)
価格:\3,900(+税)
発売日:2014年12月17日
【限定特典のJEFF MILLSサイン入りポスター付き!】

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[CD]
1. The Occurrence
2. Multi-Dimensional Freedom *
3. The Event Horizon *
4. Gravity Drive *
5. Star Marked *
6. Us And Them *
7. Sirius *
8. The Man Who Wanted Stars *
9. The Source Directive
10. Actual
11. The Watchers Of People *
12. Searching *
13. The Warning *
14. Light-like Illusions *
15. Star People *
16. Utopia
(合計:71分)
* 未発表曲
All music are written and produced by Jeff Mills

[DVD]
ドキュメンタリー映画・本編 40分(オーディオ:英語/字幕:日本語、フランス語)
ブックレット解説: 門井隆盛/ジャックリーヌ・コー(英文+和訳)


ele-king vol.15 - ele-king

表紙&ロングインタビューは「坂本慎太郎」
第1特集:坂本慎太郎と邦楽の詩人たち
第2特集:2014年、エレキングが選ぶ年間ベスト・アルバム30枚     他
電子書籍版へのアクセスキーがついています

お隣の県のOGRE YOU ASSHOLE - ele-king

 山梨のラッパー、田我流が、国道20号線をたどって「お隣の県にお住まいの」オウガ・ユー・アスホールを訪ねるロード・ムーヴィ……ではなくインタヴュー・ヴィデオが届けられた。これは12月20日(土)に甲府Convictionにて開催される〈国道20号線〉第4弾を記念しての特別企画だ。取り合わせとして意外な印象もある2組(田我流×出戸学)が、田我流を訊き手としながらもくだけた雰囲気で語りあう12分の動画は、ドキュメンタリー・フィルムのような編集が施され、ここに映し出されているような心地のよい音楽の場所がおそらくイヴェントにおいても生まれるのだろうということを予感させる。
 どちらかのファンの方も、どちらのファンでもない方も、この清々しくぬくもりあるコラボレーションに、思わず興味をかきたてられるだろう。
 イヴェントにはゲストとして「東京の」KILLER BONGも登場する!



■田我流 presents 「国道20号線 Vol.4 」
& OGRE YOU ASSHOLE 「ニューアルバム・リリースツアー "ペーパー・クラフト"」

出演:
田我流 (Band Set)
OGRE YOU ASSHOLE
KILLER BONG

日時:
2014/12/20(土)
OPEN/START 18:00/19:00

会場:
甲府Conviction 山梨県甲府市朝気2丁目4-1

前売:
3,000円/当日3,500円(税込み/ドリンク代別)

チケット発売日:
2014年10月18日一般発売開始

チケット取り扱い:
ローソンチケット [73742] / ぴあ[243-380] / e+ / 甲府CONVICTION / 桃源響RECORDS

お問い合わせ:
甲府Conviction 電話055-236-0661
info@officeconviction.com

https://event.maryjoy.net/article/105457152.html


Michael Pisaro, Matthew Sullivan - ele-king

 今日発売の『ele-king vol.15』に向けてD/P/Iのインタヴューをおこなったわけであるが、かつての同居人に対しての真面目な質疑応答を経てアレックス・グレーのアーティストとしての核心に近づけた気がする。当時LAのあの家で暮らしていた時間が僕にとって最高にバカバカしく、そして最高にクリエイティヴであったのは、アレックス・グレー、ショーン・マッカン、マシュー・サリヴァンという異なるミュージック・バッググラウンドを持つ3人が、相乗効果によって確実に互いを向上させるという環境があったからだ。

 アメリカが失ったポップ・アイコンへの鎮魂歌としてのアンビエント・ユニット1958 - 2009のマシュー・サリヴァンとアレックス・トゥミー(ミラー・トゥ・ミラー/Mirror to Mirror)やジェフ・ウィッチャー(レネ・ヘル/Rene Hell)等の連中はゼロ年代初頭、「ニューウェーヴ・オブ・LAノイズ」と言われたようなシーンを形成するほど精力的に極端なパフォーマンスを展開させていた。彼らはほぼ同時期にノイズからアンビエントへ移行していった。
 同居していた当時、何度かマシュー・サリヴァンにそういった話を振ってみたが、彼いわくそれは意図的な移行ではなく、そもそもアメリカン・ノイズ・(ノット・)ミュージック・シーンに属したこともないし、アンビエント・ミュージックを志したつもりもないという。じゃあ君は君の音源やライヴをまだ体験したことのない人間からどんなサウンドなのか訊ねられたらなんと答えるんだ? という僕の質問を受けた彼は開け放たれた部屋の窓を指差しながら、こんな音だって言うさ、と笑いながら答えた。朝日が差し込む窓からは風が外の木立を揺らしながら吹き込んでいた。

 彼のギター・ミュージックとしてのプロジェクトであるアーン(Earn)のヘル・オン・アース(Hell on Earth)は個人的に昨年のベスト・アンビエント・レコードである。ある種の達成感を得たと語る彼はアーンとしての活動を停止し、また主宰していたDIYカセットレーベル、〈エクヘイン(Ekhein)〉も停止する。彼がミュージック・コンクレートに没頭するきっかけとしては、アカデミックに現代音楽を追求する自分とは異なるバッググラウンドを持つショーン・マッカンとの共同制作が大きいのはもちろんであるが、なにより彼自身の生活の変化にもよるだろう。それまでのレーベル・ワークスを打ち切り、〈プーバー・レコーズ〉での勤務をはじめた彼は、日々の通勤中に膨大なサンプリングと着想を得ているように思われる。一般論において車移動が当たり前であるLAでの生活において、この家の住民たちのように公共交通機関を主として移動する連中も珍しい。いつだったか、いわゆる通勤ラッシュ時に電車に乗っていた日本人の僕は、ガラガラの車内から見えるフリーウェイの猛烈な渋滞が奇妙でならなかった。妙な話であるが、僕はこのときマシュー・サリヴァンの、日常のありふれた情景とグロテスクさを切り取り、それ自体の意味を曖昧にしながら美しい音楽を編む行為に共感した。

 このレコードはマシュー・サリヴァンとアメリカの現代音楽におけるベテラン・コンポーザー/ギタリストであるマイケル・ピサロによるスプリットである。大げさな言い方かもしれないが、これは異なる世代によるアメリカの現代音楽のいまだ。軽薄な快楽主義者である僕が真面目な批評家がごったがえす領域に対してそんな台詞を放っていいものだろうか、はなはだ疑問ではあるが、このレコードの素晴らしさは無視できない。堅苦しいことは何も言えなくてもうしわけないが、少なくとも僕にはアクティヴィティが下がりがちな寒い日々の隙間にこのレコードが新たな意味をもたらしてくれている気がする。

 90年代のドラムンベース・シーンが生んだスター、ゴールディー。彼のレーベル〈メタルヘッズ〉は今年で20年を迎える(1994年は、ドラムンベースが最初に爆発した年でもあった)。ワックス・ドクター、ディリンジャ、ドック・スコット、アレックス・リース、フォーテックなどなど、ハードコア〜ドラムンベース〜ダークコア/アートコア……、レイヴ・ミュージックをより音楽的に洗練させたこのレーベル(そして4ヒーローの〈リーンフォースト〉)があればこそ、今日のUKベース・ミュージックがあると言っても過言ではない。マーラ、アントールド、アコードなども〈メタルヘッズ〉からの影響を認めている。
 今週末、ゴールディーは盟友ドック・スコットと共に東京でプレイ。彼らがどのようなプレイをするのか是非体感してほしい。日本からはマコトやDX、テツジ・タナカなど、国内のドラムンベース・シーンの第一線で活躍するDJたちも出演。

DBS 18th Anniversary
"METALHEADZ HISTORY SESSIONS"

2014年12月20日
@代官山ユニット

OPEN/START 23:30
CHARGE:ADV 3,300YEN  DOOR 3,800YEN

feat.
GOLDIE x DOC SCOTT

with.
MAKOTO
TENDAI
MC CARDZ
MC LUCID

vj/laser: SO IN THE HOUSE
live painting: The Spilt Ink

SALOON:
DX x JUN
TETSUJI TANAKA x DJ MIYU
STITCH x PRETTY BWOY
DJ DON x JUNGLE ROCK
DUBTRO x HELKTRAM

info. 03.5459.8630 UNIT
www.unit-tokyo.com
https://www.dbs-tokyo.com

<UNIT>
Za HOUSE BLD. 1-34-17 EBISU-NISHI, SHIBUYA-KU, TOKYO
tel.03-5459-8630
www.unit-tokyo.com

Ticket outlets:NOW ON SALE!
PIA (0570-02-9999/P-code: 246-233)、 LAWSON (L-code: 78221)、
e+ (UNIT携帯サイトから購入できます)
clubberia/https://www.clubberia.com/store/

渋谷/disk union CLUB MUSIC SHOP (3476-2627)、TECHNIQUE(5458-4143)、GANBAN(3477-5701)
代官山/UNIT (5459-8630)、Bonjour Records (5458-6020)
原宿/GLOCAL RECORDS (090-3807-2073)
下北沢/DISC SHOP ZERO (5432-6129)、JET SET TOKYO (5452-2262)、
disk union CLUB MUSIC SHOP (5738-2971)
新宿/disk union CLUB MUSIC SHOP (5919-2422)、Dub Store Record Mart (3364-5251)
吉祥寺/Jar-Beat Record (0422-42-4877)、disk union (0422-20-8062)
町田/disk union (042-720-7240)
千葉/disk union (043-224-6372)

GOLDIE (aka RUFIGE KRU, Metalheadz, UK)
"KING OF DRUM & BASS"、ゴールディー。80年代にUK屈指のグラフィティ・アーティストとして名を馳せ、92年に4ヒーローのReinforcedからRUFIGE KRU名義でリリースを開始、ダークコアと呼ばれたハードコア・ブレイクビーツの新潮流を築く。94年にはレーベル、Metalheadzを始動。自身は95年にFFRRから1st.アルバム『TIMELESS』を発表、ドラム&ベースの金字塔となる。98年の『SATURNZ RETURN』はKRSワン、ノエル・ギャラガーらをゲストに迎え、ヒップホップ、ロックとのクロスオーヴァーを示す。その後はレーベル運営、DJ活動、俳優業に多忙を極めるが07年、RUFIGE KRU名義で『MALICE IN WONDERLAND』をMetalheadzから発表、08年に自伝的映画のサウンドトラックとなるアルバム『SINE TEMPUS』を配信で発表。09年にはRUFIGE KRU名義の『MEMOIRS OF AN AFTERLIFE』をリリース、またアートの分野でも個展を開催する等、英国が生んだ現代希有のアーティストとして精力的な活動を続けている。12年、Metalheadzの通算100リリースに渾身のシングル"Freedom"を発表。13年には新曲を含む初のコンピレーション『THE ALCHEMIST: THE BEST OF 1992-2012』をCD3枚組でリリース。そして今年7月、ロンドンの名門クラブ、Ministry of SoundからのヴィンテージMIXシリーズ『MASTERPIECE』の3枚組CDを発表している。
https://www.goldie.co.uk/
https://www.metalheadz.co.uk/
https://www.facebook.com/Goldie
https://twitter.com/MRGOLDIE

DOC SCOTT (aka NASTY HABITS, 31/Metalheadz, UK)
"King of the Rollers"と称される至高のDJ、ドック・スコットはダークコア、テックステップ、リキッドファンク等の潮流を生む革命的トラックの数々でドラム&ベース・シーンの頂点に君臨する最重要アーティストの一人である。14歳よりヒップホップDJを開始。その後、デトロイト・テクノ/シカゴ・アシッドハウスに触発され'91年から制作を始め、第1作"Surgery"がグルーヴライダーの支持で大ヒット、ハードコア・テクノ/レイヴ・シーンに頭角を現わす。華やかなレイヴ時代の終焉と暗い現代社会を反映したダークかつハードなサウンド、ダークコアを先駆けた彼は、ドック・スコット及びナスティ・ハビッツの名義で"Drumz"、"Dark Angel"、"Last Action Hero"等の傑作をReinforced、Metalheadzから送り出し、ドラム&ベースの革新に貢献する。'95年には自己のレーベル、31を設立し、"Shadow Boxing"に代表されるテックステップと呼ばれるサイバー・サウンドの急先鋒となり、オプティカル、ペンデュラムらの才能を逸早く見いだした。DJとしては伝説のMetalheadz Sunday Sessionsのレジデントをつとめ、シャープなミキシングと独自のプログラミング・スキルでクラウドを絶頂へ誘う、シーンの至宝である。実に7年ぶり、待望のDBS帰還!
https://www.facebook.com/DOCSCOTTOFFICIAL
https://twitter.com/docscott31
https://soundcloud.com/docscott31


Sound Patrol - ele-king

 萩原健太さんはオソロしい。何日も何日もぶっ続けで『ボブ・ディランは何を歌ってきたのか』を書きつづけ、ということは、その間も繰り返しボブ・ディランを聴きつづけ、ほぼ400ページを書き終えたと思ったら、「じゃー、ボブ・ディランでも聴くかな」と、実際に聴いたそうなのである。信じられない。僕はといえば、今年は1月2日から『ハウス・ディフィニティヴ』のために何万曲というハウス・ミュージックを聴きつづけ、2ヵ月を過ぎた頃にはハウスが嫌いになってきて、3月もなかばになると、憎しみさえ芽生えつつあったというのに。時間に追われながら、来る日も来る日もトントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントンヘイヘイホートントントントントントントントントントントントントントントン……(足立正生『幽閉者 テロリスト』参照)。もう、とにかくほかのリズムが聴きたかった。ハウスというより、4つ打ちのリズムが拷問だった。そのときは何を聴いたのか忘れてしまったけれど、ようやく『ele-king Vol.15』の編集作業から解放され、特集と関係ないものが聴けるようになったら……以下のようなものに埋没しているわけですね。細かく調べるのは面倒くさいので、正確なことが知りたい人は竹内正太郎のツイッターをフォローしてくださいね(間違っていたら、きっと彼が調べてくれる……)。校了してから聴きはじめたので、ここに挙げたものは年末号には載っていません!


felicita / Mmmhm


 フェリチータ。イタリア語で「幸せ」。思わずミニ・アルバムを買ってしまいましたが、「幸せ」というのにはあまりにアヴァンギャルド。ロンドンに住むアジア系の女性だそうです。ケロ・ケロ・ボニトに対するマウス・オン・マースからのアンサーか。

Night & Tickets / August Morning In My City

 フィッシュマンズをドローン化させたような1曲。これも思わずカセットを買ってしまいましたが、こういうのはコレだけでした。アルバム・タイトルは『本当に夏が嫌いなんだよ(actually i really hate summer)で、どうやらロシアの人らしい。

Rabit / Sun Dragon


 何が起きているのか考えたくないグライムの新星。ロティック(Lotic)とかテキ・ラテックス(TTC)とかロクな人がミックスに使ってません。スラック(Slackk)といい、2015年はグライムですね(希望的観測)。

Raaskalbomfukkerz


 アムステルダムでスクォッテイングをしている人たちだそうです。ノイエ・ドイッチェ・ヴェレをちょっとヒネッた感じ。手術前の患者の体を使って演奏するとか、スウェーデンの『サウンド・オブ・ノイズ』という映画と発想が似てるのかな。

Vince Staples / Blue Suede


 これはもうあちこちで騒がれてます。西海岸のラッパーです。ジェイ・ミルズ“フー”を悲しいモードに切り替えた感じ?

Gypsy Mamba / BLESS THA RATCHET


 西海岸からまた変り種。ルーマニア系だそうです。あったようななかったような。EPには入ってなかった。

Nederlandse Maatschappij Ontwikkeling / Full Spectrum Intercourse


 アムステルダムの2人組。ひとりはジャズ系のようで、タイコたたきまくりのちょっと変わったミニマル。

Russo / Purple Earth


 トーン・ホークのレーベルからデビューしたアリ・ルッソのデビュー・シングル。この人もニューヨークの映像作家だそうです。

NxxxxxS / Vaporlove


 デビュー・アルバムも出ましたが、これはそれ以前の曲。渋谷のスクラッブル交差点を映せば、なんでもヴェイパーウェイヴになると思ってるだろー。「エヌ・ファイヴ・エックシーズ」と読むみたい。パリから。

One Circle / Transparency


 コード9が持ち上げていたイタリアのダブステップ、ヴァーゲ・ステーレことダニエル・マナがセーラーかんな子のDJチャートでもおなじみスターゲイトことロレンツォ・センニらと組んだグライムの変り種。

(おまけ)

Dinner Music / Blood Quantum 2013


保坂和志 - ele-king

 「たびたびあなたに話してきたことだが僕は鎌倉が好きだ」この書き出しはヴィクトル・ユーゴーの『ライン河幻想紀行』から借用した、とそれこそ保坂さんはたびたび語っておられる。先日の『朝露通信』の刊行記念のトークでもいっていた。そうやってはじまる『朝露通信』は読売新聞夕刊紙連載の新聞小説で、単行本化にあたり、連載1回分をひと見開きに、2013年11月から今年6月までの185回をおさめたこの本は、『未明の闘争』以後であらたな領域にはいった保坂和志の『未明の闘争』以後の、こういってよければ、いくらか凪いだてざわりの中編である。

 物語は冒頭のとおり鎌倉と、3歳まで暮らした山梨の情景と記憶が錯綜するというより、入れ子状になったというより、まるでパズルのピースがちりぢりになりながら、関係するその全体が動いていくたたずまいをみせる。保坂和志は同じくトークで、2枚強(800字とちょっと)の文字数のなかで、右から左へ読みすすめるうちに右に書いてあったことを忘れる書き方をこころみたといっている。それは小説の制度と形式にたいする保坂和志のデビューから一貫する違和というより恒常的な思考の再帰であり、『未明の闘争』という大仕事を終えたあとであっても、その問題意識にはいささかのゆらぎもない。いやゆらぎはなくはない、水面は凪いでいても明鏡止水の状態などではなく、三千世界を映しだす朝露は静的なようでいながらふるふるふるえ、次の瞬間には蓮の葉から流れ落ちる、そのようなゆらぎ方で『朝露通信』はせわしなく過去をゆききする。

 幼稚園に小学校、そのころ流行った遊びにテレビに音楽にマンガ、1956年生まれの作者にとっての子ども時代だから1960年代を中心とした記憶のピースが散りばめられる。奈緒子姉に英樹と清人の兄、過去作品にも登場した人物がここにもひょっこり顔を出し、『カンバセイション・ピース』の舞台となった山梨の実家を鎌倉に移った高志は休みのたびに何度もおとずれる。私は発売中の『音楽談義』の取材で今年8月21日そこをおとずれた。甲州街道は調布をすぎ相模湖をかすめるあたりからどんどん山深くなり、トンネルを抜け甲府盆地にはいり、笛吹川と釜無川の合流する富士川にかかった橋をこえたとき、『朝露通信』にあるようにたしかにのぼり勾配になっている感触を車内でも感じた。保坂さんの母方のご実家におじゃますると、『カンバセイション・ピース』で描写されたとおりの間取りがそこにほんとうにあっていたく感激した。東西に縦に長い建物で、玄関からの二間つづく部屋の縁側がL字型にとりまき、階段は吹き抜けになって東の窓から陽がさしている、そこからの写真は『音楽談義』の187ページに載っているのでぜひ手にとってみてください。

 とはいえ『朝露通信』は『カンバセイション・ピース』のように稠密な細部を読み風景をたちあげるのではなく、家から外へ、ひととひとのかかわりが育む生活のなかへ思いを遊ばせていく。そのうち、冒頭の二人称であったはずの「あなた」は作中に回収され、現在時の作者とともに東北を旅することになるだろう。すると北上川(またしても川だ)をわたる前の平坦なまっすぐな道を郵便配達のオートバイが猛スピードで走っていく。この場面(28回)はとても印象深い。そのすこし前にはこうある。「郵便配達夫というとどうしてもシュヴァルのことを書かなくてはいられない」
 ここでいうシュヴァルとは「シュヴァルの理想宮」のシュヴァルである。
 保坂和志はおりにふれシュヴァルのことを書いてきたが、私は1990年の夏、壁がなくなった後のベルリンを見たいと、ドイツ在住の叔母を頼って渡独したついでに理想宮にもいったのは叔母の夫であるドイツ人のピーター(ドイツ語では「ペーター」)に、マサト(ドイツ語では「マザトゥ」)、おまえのオヤジは郵便屋らしいなと訊かれ、私は「ヤー」といった。
 「祖父も曾祖父もポストオフィサーだった」私の答えにピーターは「?」といったふうに首を傾げながらも「だったらなおさらだ。シュヴァルの理想宮にいったらどうだ。パリで美術館をめぐりするより価値がある、なにせ郵便屋がひとりでつくったものだからな」とつづけた。
 叔母は大学だか短大だか、それとも学校とは関係なく当時奄美のひとたちにとっての東京である大阪(横浜にあたるのが尼崎)に出てきて、どういうめぐりあわせか知らないがジャズ喫茶をはじめたのはいいがある日突然店をたたみ、メールスのジャズ祭にいくといったきり日本に戻らず、向こうで所帯をかまえた、その連れ合いがピーターなのだが、彼は船の設計の仕事をしていたものの、そのときは勤め先を告発したかどでクビになりかつての雇い主と係争中の変わり者だと私の母はいっていた。私はシュヴァルなんて聞いたこともなかったが、そういったピーターの窄まった真剣な目つきはよく憶えていて、数ヶ月欧州大陸をうろついたあげく、イギリスからフランスに戻り、パリから電車とバスの本数がすくなかったのでヒッチハイクで私は理想宮にたどりついた。その偉容は思ったより小ぶりなせいでかえって異様さを増し、浜際の隆起珊瑚がなにかを象っているように見えるのに似ているものの、自然の造形よりはあたりまえだが人工的――なのに構造物が自己増殖するようないまだ途上の不安定さと、なにかが発生することが根源的にもつ構築への意思のようなものを同時に、というより一挙に感じさせた。あらゆる様式の元がある建築の「胚」みたいだった。私はそのときはバルセロナにはいかなかったので、ガウディ建築は目にしなかったのだけど、サグラダ・ファミリアを見てもきっと理想宮に含まれていると思ったにちがいない。

 といったとりとめのないことを『朝露通信』は思い起こさせる。しかしそれだけではない。

 たとえば95回はこんな一文ではじまる。
「僕はもしあと十年遅く生まれていたら小説を書いてないで音楽をやっていたと自分で確信する、僕は音感は楽譜的に悪いというか学校で習う音楽的に悪いというか、とにかくろくなもんじゃないから音楽をやっていたとしてもきっと成功しなかっただろう、でもそんなこと関係ない、「そんなこと関係ない」という生き方の証明と実践こそが僕にとっての音楽だ、」
 私はこれを読んで胸が熱くなった。これこそロックの原点だ。私はあと10年遅く生まれたなら音楽にかかわっていただろうか。その仮定は検証できないから意味はない、と看破することはしかし悪い大人のいい方でしかない。ましてやノスタルジーなどでもない。そしてこの一文は『朝露通信』のまさに10年後の世界である70年代を(おもに)語った『音楽談義』ともたぶんに響きあっている。『朝露通信』と『音楽談義』との関係は、保坂さんは前者を書いていた裏で湯浅さんと後者をしゃべっていたからだけではない。音楽から、虚構や批評、もっといえば歴史と私たちひとりひとりの記憶にいたるまで、放っておけば奥行きを失いがちなものへ、同学年のふたりが記憶をもちよることで光をあてなおす作業だったかもしれない、余白を埋めながらあたらしい余白をつくりだしたのかもしれない、というようなことをあさってのトークではお話しするかもしれませんし、あさっての方向にいくかもしれませんが、ともあれ、みなさん、12月14日は万障お繰り合わせのうえ、青山ブックセンター本店へぜひおこしください!

■『音楽談義 Music Conversations』(Pヴァイン)刊行記念
保坂和志×湯浅学 トークイベント

 それぞれ小説家と音楽評論家として活躍する同学年のふたりが、おもに70~80年代のロック、ポップス、歌謡曲までを語り明かす、紙『ele-king』の同名人気連載が『音楽談義 Music Conversations』としてついに単行本化! 音楽論にして文学論であるばかりか、時代論で人生論。他の記事とは圧倒的に流れる時間の異なるこのゆったり対談は、このスピードでしか拾えない宝物のような言葉と発見とにあふれています。今回はその番外出張版トークイヴェント! 雑誌のほうでは毎度紙幅の都合で泣く泣くカットする部分もありますが、
イヴェントとこの新刊(保坂氏ゆかりの山梨での出張対談を含め、8時間におよぶ追加対談を含めた充実の内容!)はそんな部分もばっちり収録のディレクターズカット版。
このふたりにしか出せないグルーヴを堪能してください!

■概要
日時 2014年 12月 14日 (日)
開場 14:30~
開始 15:00~
料金 1,080円(税込)
定員 110名様
会場 本店 大教室
お問合せ先 青山ブックセンター 本店
03-5485-5511 (10:00~22:00)
ウェブサイト https://www.aoyamabc.jp/event/hosaka-yuasa/

■著者紹介
保坂和志(ほさか・かずし)
1956年山梨県生まれ。90年『プレーンソング』でデビュー。93年『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、95年『この人の閾(いき)』で芥川賞、97年『季節の記憶』で谷崎潤一郎賞、平林たい子文学賞を受賞。著書に『カンバセーション・ピース』『小説修業』(小島信夫との共著)『書きあぐねている人のための小説入門』『小説の自由』『小説の誕生』『小説、世界の奏でる音楽』『カフカ式練習帳』『考える練習』など。2013年『未明の闘争』で野間文芸賞受賞。近刊に『朝露通信』。
湯浅学(ゆあさ・まなぶ)
1957年神奈川県生まれ。著書に『音海』『音山』『人情山脈の逆襲』『嗚呼、名盤』『あなのかなたに』『音楽が降りてくる』『音楽を迎えにゆく』『アナログ・ミステリー・ツアー 世界のビートルズ1962-1966』『~1967-1970』『ボブ・ディラン ロックの精霊』(岩波新書)など。「幻の名盤解放同盟」常務。バンド「湯浅湾」リーダーとして『港』『砂潮』など。近刊に『ミュージック・マガジン』誌の連載をまとめた『てなもんやSUN RA伝 音盤でたどる土星から来たジャズ偉人の歩み』(ele-king books)がある。

■書籍情報

Amazon

『音楽談義 Music Conversations』
70年代、僕たちは何を聴いていただろう。
ボブ・ディラン、レッド・ツェッペリンから、歌謡曲、フォーク、ジャズまで! 保坂和志と湯浅学が語りつくす。
レコードへの偏愛を語り、風景が立ち上がる。
小説家、保坂和志。音楽評論家、湯浅学。同学年のふたりが語るフォーク、ロック、ジャズ。音楽メディアでも文芸誌でも絶対に読めない、自由奔放な音楽談義。
著:保坂和志・湯浅学
発売日:2014年11月28日
四六判、ソフトカバー、全256頁
定価:本体1,800円(税別)


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