Home > Regulars > Random Access N.Y. > vol. 68:変わりゆくウィリアムスバーグ
年の終わりは、何かとバタバタする。たくさんのホリディ・パーティが催され、大量のギフトを交換し、飲んで食べて、この1年はどうだった? などと1年を振り返る。ランダムなパーティに行くと、最近会っていない知り合いに会ったり、ホリディだからとNYに遊びに来ている友だちがいたり、たくさんのサプライズがあるのも、NYと感じる。
著者は、バンド活動他、アーティストの取材やアテンド、NYのガイドブックを作ったり、地道な執筆作業を続けた1年だった。そして、毎週欠かさず行っていたのがブルックリン•ナイト•バザー。今年から年中オープンしていたので、ショーもたくさん見た。ハイライトは、マック•デマルコ、メン、ザ•メン、ハニー、サイキックTV辺りだろうか。毎週行っているので、ヴェンダーにも知り合いがたくさんできた。先週見に行ったRatkingでは久しぶりに列に並んだ! Run The Jewels(El-P & Killer Mike)とツアーをした、いまブルックリンで大人気のヒップホップ集団である。
著者は、ヒップホップには詳しくないので、大きなことは言えないが、Todd Pがサマー・スクリーンでブックしていたのを見たとき、これぞ新世代バンド! と目をつけていた。
この日はヴェンダーもぎゅうぎゅうで、ホリディギフトショッピングが飛び交うなか、誘惑を潜り抜け、ステージ横へ。すごい人である。メンバー3人だったのが、サックスプレイヤーが入ったり、トータル5人ぐらいがステージをウロウロしていた。相変わらずカジュアルで、客からのサーフィンが起こっていた。面白かったのが客層。2/3は褐色男20代前半。外で並んでいるとき、隣にいた人たちと喋っていたら、ニュージャージーから来たやら、ブロンクスから来たなど、「ブルックリンに来たの初めて!」という感じの人たちばかり。「ウィリアムスバーグに15年住んでる」と言ったら、途端に尊敬の眼差しで見られ「ブルックリンはどんなところ?」とガンガン質問されてしまった。
そうなのである。著者が遊んでいた層や世代は、いまはウィリアムスバーグにはほとんど残っていないのである。いるのは、最近コンドに引っ越してきたリッチキッズやヤッピー。まわりのレストランもハイエンドで、最近行った日本食レストランSalt + Charcoalやゼブロンの跡地に出来たThe Heywardはいまのウィリアムスバーグを象徴している。今年は1月から285 Kentがクローズする〜と大騒ぎし、デス・バイ・オーディオ、グラスランズ、スパイク・ヒルのクローズで閉められた、ウィリアムスバーガーにとっては辛い1年だった。
著者のまわりは、すでに西海岸やクイーンズに引っ越し、新たなコミュニティと共存しはじめている。とは言っても、NY、ブルックリンは広い。人も多いし、若い世代が、いまも違う形で新しい物を作り出しているのだ。
実は、住んでいる場所について考えることがある。こんなに劇的に変わってしまった近所だが、いまでも大好きである。マンハッタンに行くことを考えたら、ウィリアムスバーグというアクセスの良さに勝るものはない。が、地価の高騰ぶりは半端ないのが現実である。
さて、ホリディは、ウィリアムスバーグに、一体どんな層が出歩いているのか。新しい発見があることを願って。
最後に、2014年もお世話になりました。