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Random Access N.Y.

Random Access N.Y.

vol.15 : CMJ 2011 (1)

沢井陽子 Oct 20,2011 UP

今年で17回目を迎えたCMJ(カッレジ・ミュージック・ジャーナル)。大学のラジオ(カレッジ・ラジオ)から発生したこの音楽見本市は、本来目的としていたインディ・バンドのショーケースするという領域を越えて、すでに有名なバンド、世界中のインディ(メジャーもあり)バンドをこれでもか、というぐらい見れる4日間という、いわば、お祭り騒ぎになっている(もちろん、名の知れないインディ・バンドがプレイするヴェニューもあるが、とって付けたような扱いとなっている)。
昼間はパネル(モデレーターとパネリストがいろんな課題、例えば、これからのカレッジ・ラジオはどうなるか、音楽イヴェントを成功させるには......などについて、5人ぐらいで白熱論議をする)&ディパーティ(ほとんどフリーショーで、さらにスポンサーがついて、ビーガンのブリトー、ビールなどがふるまわれる)、夜は公式のショーケース、夜中は朝までダンス・パーティ、さらには公式とはまったく関係ない場所で、それに乗っかったショーケース(アンオフィシャル)も加わり、まったく寝る間がない音楽漬けの4日間(火曜日から土曜日)となる。いわゆる音楽がらみの自分のビジネスを宣伝する場所ということもあり、いろんなフリーのアイテムが手に入る。スポンサーがレッドブルというのも納得だが、みんなレッドブルを飲みながらショーに参加する様子はスポンサーの効果大......というか、これこそお手本にすべき宣伝効果とも言える。
 それでは、はじまり。


CMJの本部になっているニューヨーク大学へ

■10/17(月)
Oh my rockness CMJ kick off party @ pianos
 Jonquil
 Ski Lodge
 The Hairs
 Gross Relations
 Sea Monsters

 何故かまだ月曜日なのにプレCMJキック・オフ・パーティが、オー・マイ・ロックネスというバンド・リスト・サイトがスポンサーで開催された。バンド自体は、ルタード・ゾーン(『ピッチフォーク』がスポンサーをしているエレクトロ・サイト)がらみのバンドもいて、そこそこ人も入っていてよい感じ。ただ、これからの長いイヴェントを考えると、今日はそこそこにして切り上げる。明日からの怒濤の日を祝う。

■10/18(火)
 朝いちで、CMJバッジをピックアップにニューヨーク・ユニヴァーシティ内のジャドソン・メモリアル・チャーチに出向く。ここがCMJの本部になっている。大学のイヴェントなので、講堂みたいなところでバッジをピックアップする。
 バッジを無事ピックアップしたあとはギフト・バッグをもらいに( というかそれは文句で、スポンサーのショーケースに向かわされる)、隣のキメル・センターへと急ぐ。大学の校舎の各階では、CMJのいろんなパネルがおこなわれている。
 スポンサーには、チャンピオン(洋服ブランド)、ソニック・ビッズ(インディ・ミュージックをサポートするサイト)、サウンド・エクスチェンジ(インディバンドの権利を守る機関)、フーチューン(新しい音楽のデジタル・サイト)、チャック(マーケティング・カンパニー)、ファンフリー(ペーパーレス・チケットのアンチ機関)、アスキャップ(音楽権利機関)、サウンドタップ(カレッジ・ラジオを選べるサイト)、ヴォリ(ライトヴォッカ)などから、国際的な国を代表したテーブル(彼らはそれぞれの国ごとにショーケースを持つ)、オーストラリア、ニュージーランド、ブラジル、フランス、スウェーデン、台湾、カナダ、(日本はなかった)が所狭しと並んでいた。

火曜日に行く予定だったショーは以下。

Merge records showcase @ bowery ballroom
 11:00 Wild Flag
 10:00 Eleanor Friedberger
 9:00 Hospitality

school night NY showcase with East village radio & MFG @ bowery hotel 335 bowery @ great jones
 Duke Sprit (DJ)
 11:00 Drop the Lime (DJ)
 10:30 U.S. Royalty
 9:30 The Silent comedy
 8:30 Duke Sprit

9:30 pm Zola Jesus @knitting factory

Carpark CMJ showcase @ public Assembly (front)
 1:00 Class Actress
 12:00 Dent May
 11:00 Cloud Nothing
 10:00 Young Magic
 9:00 Adventure

Mexican Summer CMJ showcase @ public Assembly (back)
 12:00 Light Asylum
 11:30 Radio people
 10:15 Date Palms
 9:30 Quilt
 8:45 Home Blitz
 8:00 Xander Duell

Afro-punk presents "Death to Hiphop" A CMJ showcase @ music hall of williamsburg
 Death
 Cerebral Ballzy
 Ninjasonik

 まずは〈バワリー・ボールルーム〉へ。最初に登場したバンド、ホスピタリティーは若い感じだったが、そんなに印象には残らなかった。早くはじまったので、そのあいだに数ブロック離れたバワリーホテルで友だちのUS ロイヤリティのショーを見に行く。
 が、......彼らはまだその後だったらしく、代わりにデューク・スピリットというロンドン出身のバンドを見た。ケイト・モスによく似た女の子がフロントにいるパワフルなサウンドで、パフォーマンス的に好きだったが、これもそこまで印象に残らず、フェアリー・ファーナシスのエレノア・フレイドバーガーを見に〈バワリー・ボールルーム〉に戻る。あわよくば少し見てUS ロイヤリティに帰って来れるかなと思いながら......。この時点で〈ミュージック・ホール〉のセレブラル・ボルジーは諦めた。
 〈バワリー・ボールルーム〉ではちょうどエレノア・フレイドバーガーが始まったばかりだった。からし色の前あきシャツをからし色のコーデュロイのパンツ(リーバイス)にタックインし、ウエスタン・ブーツを履いているのが上からでもわかる。その上に星マークの紺色のカーディガン。メンバーはギター(パンチ・パーマ、もしかして、もじゃもじゃしているだけかも)、タータン・チェックのシャツにジージャン)、ベース(天然パーマ、白の前あきシャツにジーンズ)、ドラム(彼だけサングラスにオールバックとちょっと浮いていた)......外見だけ見ると、とてもじゃないが現在のバンドと思えない、レトロ感に満ち溢れているバンドだ。が、エレノア・フレイドバーガーは予想よりも素晴らしかった。MCで「地元に帰ってきて嬉しい」と言っていたのでツアー中だったのだろう、メンバーの息はぴったりで、とても快適にプレイしている。特別なことをしていないのに良い。トイレに行きたかったのに行けなかったほどに......ショーのあとの物販は、きちんと本人たちがしていた。

素晴らしいライヴのEleanor Friedberger (photos : Brooklyn Vegan)

 今回のCMJでもっとも注目されているのがワイルド・フラッグだ。このバンドは、スリーター・キニー(キャリー、ジャネット)、ヘリウム(メアリー)、マインダーズの(レベッカ)メンバーで結成された、いわばスーパー・ガールズ・バンド。この日のメインでもある。
 実は、本来はパブリック・アセンブリーに〈メキシカン・サマー〉と〈カーパーク〉のショーケースを見に行こうと考えていてたので、ワイルド・フラッグに関してはとりあえず見てみようと思っていたのだが、まだ初日というのに、おそらく今回のショーでいちばん良いショーになった。演奏が上手いのはもちろん、音楽、パフォーマンス、メンバーの動き、衣装、タイミング、すべのバランス最高で完璧。格好いいガールズ・バンドはたくさんいるが、ここまでオーディエンスの印象に残るようなバンドはレアだ。オーディエンスがほとんど女の子というのも納得。最前列は女の子で溢れかえっていたし、黄色い声がガンガン飛んでた。私は背が小さいので、いつもなら難なく前に入れてもらえるのだが、今回ばかりはガッツり断られてしまった!
 メアリー・ティモニー(ギター)とキャリー・ブラウンスタイン(ギター)がツイン・ボーカルで、交互に歌うのだが,メアリーは女の子よりの歌い方で、スパンコールのトップにタイト・スカートにアミタイツにフラット・シューズ。キャリーは、サーモン・ピンクのリボン付きノースリーブにピタピタの黒のパンツ、ブーツ・カットの黒ハイヒールでキリッと男前でカッコ良い。ジャネット・ワイス(ドラム)はピンクのスパンコールが胸のところにあしらわれたチューブ・トップにジーンズ、レベッカ・コール(キーボード)は黒のスパンコール・タンクトップにジーンズ。みんな光りものが好きなのか......。バックコーラスも完璧で、最後のアンコールには、ビールを客席にけり上げて終了。最後にまわりの人たちと「最高だったね~」と言いながら、家路についた。パブリックアセンブリーには興奮していけなかった。あ、ゾラ・ジーザスも......。

デビュー・アルバムのリリースも控えている、Wild Flagの圧倒的なライヴ (photos : Brooklyn Vegan)

■10/19(水)
True panther & popgun presents CMJ showcase @ glasslands (9-3am)
 Trash Talk
 Tanlines
 King Krule
 Little Red
 Teengirl Fantasy
 Lemonade

noisey.com,SUPRA NYC showcase @Santos party house
 TWIN SHADOW
 MAIN ATTRAKIONZ
 BLEACHED
 CAVEMAN
 INC
 PUJOL
 FIDLAR

Jagjaguwar/secretly canadian/dead oceans CMJ showcase @ union pool
 A place to bury strangers
 Gauntlet Hair
 Parts & labour
 Porcelain Raft
 Exitmusic

The Fixed CMJ Freakout! @ public Assembly (9-4 am)
 Teengirl Fantasy
 Still Corners
 CFCF (DJ)
 Warm Ghost
 Chad Valley
 Radio people
 Lemonade (DJ)
 JDH and Dave P

 昨日行けなかったパブリック・アセンブリーに行くとまだはじまっていない。よく考えるとグラスランズとメンツが被っているので、そういうことかー、と思いグラスランズに移動。ちょうどティーンエイジ・ファンタジーの真っ最中。CMJは同じバンドが同じ日にいろんな場所でやるので時間配分がとても難しい。CMJのオフィシャル・サイトには時間まで載っていないこともあるので、ある意味賭けなのである。例えば、ブルックリンとマンハッタンをはしごする場合、もう帰って来れない、という危機感がつきまとうが、ブルックリン内、マンハッタン内では、行ったり来たりするのが、CMJの定番。実際歩いているとパスをかけた物同士が、道ばたで「~はいま行くと良いよ」、など情報交換している場面に遭遇する。実際私もパスをかけている人に「~に行くんだけどいまどんな感じ?」と聞いたり、友だちになったりもする。


CMJ #2 (10/20-10/22)に続く。

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沢井陽子沢井陽子/Yoko Sawai
ニューヨーク在住16年の音楽ライター/ コーディネーター。レコード・レーベル〈Contact Records〉経営他、音楽イヴェント等を企画。ブルックリン・ベースのロック・バンド、Hard Nips (hardnipsbrooklyn.com) でも活躍。

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