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vol.48:いまオススメのインディ・ロック

Ed Schrader's music beat, Jamaican queens, free blood @ Shea stadium 3/30/2013

沢井陽子 Apr 01,2013 UP

 先週土曜は、ブシュウィックの会場シェ・スタジア(liveatsheastadium.com)で、インディ・ロックDIYのショーケースを見た。エド・シュレイダーを見に行ったのだが、結果見たすべてのバンドが面白かったのでひとつずつレポートします。日本のレコード店で見つけたらチェックしてみて!

■フリー・ブラッド:freeblood.bandcamp.com

 !!!のメンバーでもあったジョンがはじめたバンドで、昔、著者が働いていたカフェにメンバー、ふたりでよく来ていたので、ライヴを見にいっていたのだが、最近はご無沙汰していた。メンバーが、ふたりから4人になり、黒髪の女性から、金髪で赤い口紅、レザージャケットのLAっぽい女の子に変わっていた。サウンドは前と大きな変わりはなく、男女ツイン・ヴォーカルにギターとビートが乗ったエクスペリメンタル・ポップ・ソウル。ジョンはドラムを叩きながら歌い(片手にマイク、片手にスティック)、たまに鐘も鳴らす。前の女子メンバーが、お酒をステージに持ってきたりしていたので、関係は良好であるらしい。
 ショーの後に話したら、バンドは10年ぐらいやってるとか、日本ツアーも経験済み。

■ジャマイカン・クイーンズ:http://jamaicanqueens.com/

 今日の大発見! 男の子3ピースで、インディ・ポップと呼ぶには新しいので、サザン・ラップを取り入れたトラップ・ポップと呼んでみる。スタイルは、ウエィブスに近いかな?
 メンバーは、メインの男の子が、ギター、シンセを弾き、歌を歌い、ベースガイは、弾きながら、スティックを持ってエレキドラムを叩いたり、シンセを操作したり、ふたりともマルチ・プレイヤー。
 中盤で、メガネ、三つ編み、金髪、赤ニット、タイト黒パンツの可愛い女子が、1曲ゲストヴォーカルで登場する。ふわふわした高い声が裏返るところが、少しグライムスを思い起こさせる。2012年に結成されて、すでに全米ツアーも敢行する、2013年注目バンド。『Lマガジン』でも、このバンドを、なぜもっとみんなが注目しないのかと熱い思いが書かれている。
 
http://www.thelmagazine.com/...

■エド・シュレイダーズ・ミュージック・ビート:http://edschradersmusicbeat.blogspot.com

 何年か前にp.s1(クイーンズにある現代美術館)で彼らのプレイを偶然見て以来、もう1回見たいと思っていた。M.I.Aか本の展覧会を見に行って、帰ろうと、館内から外に出るときに、階段の踊り場でセットアップしていたのが彼らだった。ライトニングボルトに、ポップ・ソングを乗せた(+叫び系)と言ったらわかりやすいかな。

 2ピースで、ベースとフロア・タムそして歌、というシンプルなセット。ヴォーカル(エド)はフロア・タムを叩きながら、ライトのスイッチ(タムのなかから照らしている)を足でオン・オフしたり、Tシャツでタムを覆って音を調節したり(タムに直接ペンで演目が書いてある)、自分の家の鍵の束をタムに載せてジャラジャラ音を出しながらそのまま叩いたりの新世代感覚。普通、家の鍵をドラムに載せて音を出そうなんて発想は古典的なバンドには起こらないだろう。
 上半身裸で、タムにライトをチカチカさせ(下から照らすのでゴースト見たいに見える)、あまりに近くで見るので(ステージでなくフロア)、例えば、'I can't stop eating sugar'を言い続けているだけの歌なのに、訴えかけ方がハンパなく、がんがん心動かされる。
 すべての歌が短く、いきなり終わるし、後奏がないし、アカペラがあるし、ところどころで今日のバンドや会場、お客さんに感謝の念を忘れないし、とっちらかっているパワフルさがこのバンドの魅力。

 会場の都合で、共演バンドがバラバラなことが多く、目当てのバンドが終わるとさっさと帰ってしまうことも多いなか、今回は、最初から最後までいたお客さんが多かったように思う。共演バンドが、お互いを尊敬し合い、今日を「いままででいちばんのショー」、と思ってプレイするバンドの姿勢と気合が見えた。
 仲が良いので、一緒にツアーしているのかと思ったが、実際はバラバラで、フリー・ブラッドはプロヴィデンス、ジャマイカン・クイーンズはフィラデルフィア、エド・シュライダーは、フィラデルフィア(ジャマイカン・クイーンズとは違うショー)から別々に来たらしい。
 こんな貴重な瞬間に立ち会え、こんなバンドたちがいる限り、ショーに行くのはやめられない。オーガナイズをしたシェ・スタジアムに感謝しつつ、来週は誰が来るか、チェックしたら、ミネアポリスからハーマー・スーパースターの友だちの日本人男の子ふたり組が来るみたい。

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Profile

沢井陽子沢井陽子/Yoko Sawai
ニューヨーク在住20年の音楽ライター/ コーディネーター。レコード・レーベル〈Contact Records〉経営他、音楽イヴェント等を企画。ブルックリン・ベースのロック・バンド、Hard Nips (hardnipsbrooklyn.com) でも活躍。

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