ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. KMRU - Peel (review)
  2. Katalyst ──LA拠点の精鋭ジャズ・コレクティヴが初のアルバムをリリース (news)
  3. Tricky - Fall to Pieces (review)
  4. BLYY - Between man and time crYstaL poetrY is in motion. (review)
  5. interview with A Certain Ratio/Jez Kerr マンチェスター、ポストパンク・ファンクの伝説 (interviews)
  6. Global Communication - Transmissions (review)
  7. Oneohtrix Point Never ──OPNがニュー・アルバムをリリース (news)
  8. YPY - Compact Disc (review)
  9. interview with Saito テクノ夫婦 (interviews)
  10. ralph ──気鋭の若手ラッパーがファーストEPをリリース、プロデュースは Double Clapperz (news)
  11. Boris ──初期作品2作がジャック・ホワイトのレーベルよりリイシュー (news)
  12. interview with Diggs Duke 偽りなきソウルを追い求めて (interviews)
  13. interview with Phew いまは本当に、日常を繰り返すこと。それを自分に決めています (interviews)
  14. interview with Trickfinger (John Frusciante) ジョン・フルシアンテ、テクノを語りまくる (interviews)
  15. Run The Jewels ラン・ザ・ジュエルズは何がすごいのか (interviews)
  16. special talk “和レアリック”対談 (interviews)
  17. Boldy James / Sterling Toles - Manger on McNichols (review)
  18. Bruce Springsteen ──ブルース・スプリングスティーンが急遽新作をリリース、発売日は大統領選直前 (news)
  19. Special Interest - The Passion Of (review)
  20. interview with Wool & The Pants 東京の底から (interviews)

Home >  Regulars >  Random Access N.Y. > vol.69:NYの別の顔──ミランダ・ジュライ「ザ・ファースト・バッド・マン」&ショップ・リフター「チェンジリング」- Miranda July "the first bad man"~ Changelings an exhibition by Hrafnhildur Arnardottir AKA shoplifter

Random Access N.Y.

Random Access N.Y.

vol.69:NYの別の顔──ミランダ・ジュライ「ザ・ファースト・バッド・マン」&ショップ・リフター「チェンジリング」

Miranda July "the first bad man"~ Changelings an exhibition by Hrafnhildur Arnardottir AKA shoplifter

沢井陽子 Jan 22,2015 UP

 先週バーンズ・アンド・ノーブルズ(本屋)に行ったら、今晩7時からミランダ・ジュライのリーディングがあると知った。映画監督、女優、音楽家、小説家、アーティスト、などマルチに活躍する彼女。最近では、ポートランドつながりか、スリーター・キニーの新しいアルバム(!)の「ノー・シティズ・トゥ・ラブ」のパロディ・ヴィデオにも出演していた。
 彼女の最新映画『The Future』を観たときは、ヘンテコだが、愛らしい作品を創る彼女が気になった。ウィリアムスバーグには「miranda」というイタリアン・レストランもある。彼女は、映画監督の前に、The Needというバンドと音楽をリリースし、〈キル・ロック・スターズ〉、〈Kレコーズ〉など、オリンピア、シアトル、ポートランドのバンドとも繋がりが深く、2000年にはthe Needも含む、周辺のバンドのコンピレーションを〈コンタクト・レコーズ〉からリリースしている。15年経っても、収録されているアーティストたちの活動には驚かされるし、これからも期待している。
 7時にバーンズ・アンド・ノーブルズに着いたときには、すでにに立ち見席も一杯。前回、ジョン・ウォーターズの「カー・シック」のリーディングに来たときもそうだったが、一番前(立ち見)に行くのはそれほど困難ではない。
 オーディエンスは、若い人から年配まで。後ろの方は、見るのを諦め、床に座り目を閉じてリーディングを楽しんでいる人もいた。ミランダは、パラグラフを飛ばし飛ばしで、途中で咳き込んだり、重要なシーンの前で「次のパートはお家で読んでね」など笑いも取りつつ、30分ぐらい朗読した。その後、オーディエンスとの質疑応答があった。彼女は、物語に順じ、子供に対しての質問や、小説を書いた理由など、ひとつひとつ丁寧に答えていた。朗読が終わっても帰らず、サイン会を眺めるファンがたくさん。こういう会に参加できることに喜びを感じる。

 別の日に、元ウィリアムスバーグ、現ローワー・イースト・サイドのギャラリー、カプリシャス88にアイスランドのアーティスト、ショップ・リフターのショーを見に行った。個人的にいま一番興味のあるアイスランドと繋がったので、タイミングもぴったり。
 ローワー・イースト・サイドとチャイナ・タウンがミックスする、このエリアは、ウィリアムスバーグで大人気のフライドチキン・レストラン、パイ・アンド・サイの2号店が出来たり、アイスランドがテーマのレストラン「スカール」があったり(バーテンダーはフランス人だったが)、何気に洗練され面白い文化を形成している。いまとなっては、ウィリアムスバーグより家賃も安いのだろう。チャイナ・タウンのごった煮な雰囲気のなか、このビルだけはソーホーのようなおしゃれな雰囲気。来ている人は、アーティスト、モデル、クリエイターなど。ファー、木、ビニールバッグ、旗、ヘア・エクステンションなどを使ったインスタレーションが展示され、個人的には、ヴィヴィッド・カラーのヘア・エクステンションを沢山使った作品が好きだった。色使いが、昔のマイティ・ロボット(現シークレット・プロジェクト・ロボット)やペーパーラッド()などを思い起こさせ、間近で見ると、そのテクスチャーが浮き出て、とても美しい。
 というか、これだけ作るの大変だっただろうな。ニューヨーカーがいつも黒ばかり着ているなかで、鮮やかなブルーの洋服を着た彼女は、チャーミングで、たくさんのゲストに囲まれていた。

 著者は最近、アイスランドの文化、音楽にハマっていて、アイスランドに引っ越したい衝動にもかられるが、NYにいると向こうからやって来てくれることが多々ある。以前、ポートランド、アセンス、オースティンなど小さな大学街のアーティストが好きで、引っ越したいと思ったが、NYにいると、彼らにも会えてしまった。マジカルな都市だ。

 ローワー・イースト・サイドから、ウィリアムスバーグ・ブリッジを渡り、近所に戻ると、知り合いが今日ユニオンプールでライヴをやるとのこと。ウィリアムバーグは終わった、と言ったが、今日も夜な夜なショーは開催されている。去る者は去る、残るものは残る。起きていることに、すぐにアクセス出来る環境にいれるのは、なんとも有難い。

http://mirandajuly.com

http://www.capricious88.com
http://shoplifter.us

Union-pool.com

Yoko Sawai
1/16/2015

RELATED

ST.Vincent- Strange Mercy 4AD/ホステス

Reviews Amazon iTunes

Random Access N.Y. - Back Number

Profile

沢井陽子沢井陽子/Yoko Sawai
ニューヨーク在住20年の音楽ライター/ コーディネーター。レコード・レーベル〈Contact Records〉経営他、音楽イヴェント等を企画。ブルックリン・ベースのロック・バンド、Hard Nips (hardnipsbrooklyn.com) でも活躍。

COLUMNS