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Random Access N.Y.

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vol.74:アメリカの法律が変わった日

Jun 30,2015 UP

Pride week 2015 NYC-celebrate Brooklyn -Paris is burning
プライド・ウィーク2015ーセレブレイト・ブルックリンーパリは燃えている

 毎年この時期になると、訪れるプロスペクト・パーク。NYは夏になるとたくさんの野外コンサートが行われるが、ブルックリンを代表するプロスペクト・パークは、音も良いし、行くまでの道のりが全面緑(公園)で、それだけでも気分が高揚する。バンドのラインナップが豪華で、過去には、ベル・アンド・セバスチャン、ワイルド・フラッグ、ミッション・オブ・バーマ、テッド・レオ、チボ・マット、セイント・ヴィンセントなどのバンドを見た。

 バンドを見たければ一番前まで行けるし、ピクニック気分でレジャーシートをひいて寛げるし、家族やカップル、グループで楽しめる場なのである。

photos: Via celebrate Brooklyn Facebook

 今年初めてのプロスペクト・パークのイベント(著者にとって)は、映画『Paris is burning (パリは燃えている)』。70~80年代のニューヨークにおけるゲイ・ピープルのダンス・カルチャーを描いたドキュメンタリーで、ドラッグ・クイーンたちが様々なダンス・スタイルを生み出し、黄金時代を築いていた当時のニューヨークのクラブ・シーンが描かれている。公開されたのは1990年で、今年2015年は25周年にあたる。

 偶然にも、この日6/27は、全米で同性婚が合法化した歴史的な日で、監督や関係者は、「今日、アメリカの何処でも結婚できるようになった。我々は、大きな一歩を踏み出した。これからも性、人種差別など、様々な社会問題をなくしていけるように、そして今日25周年を迎えたこの映画を、素晴らしい公園で上映する機会に恵まれた事に感謝する」と挨拶すると、会場からは割れんばかりの拍手。たくさんの人びと、老若男女が笑顔でひとつになった瞬間だった。

 この週は、プライド・ウィークで、ただでさえ人びとは、1年でもっとも華やかな週を過ごしているのに、同性婚の合法化で、お祭りムードにはさらに磨きがかかった。

 上映前は、映画のシーンと同じように、映画のキャスト・メンバーたちが美しい衣装を着て、ダイナミックなダンスを披露した。圧倒的なファンもたくさんいて、名前を叫んだり、歓声が絶えない。最後にはステージからフロアに降りて、一般客も交えてダンス・パーティ状態になった。こうして見ると、ドラッグ・クイーン文化は25年前と変わっていない。みんなの目は輝いていて、個性的な衣装ダンスで、自分を最大に表現している。

 映画上映がはじまると、知ってるキャスト・メンバーたちが映るたびに歓声が上がり、ダンスが披露されるたびにまた歓声。なかにはセリフを覚えていて、一緒にセリフを叫ぶ人までいた。映画だが、ライヴを見ているような生々しいショーで、人びとがシーン毎に反応する。25年経った今も同感覚で鑑賞できるのは、ゲイ・カルチャーにやっと時代が追いついた証かもしれない。アメリカの重要な法律が変わった日に、歴史的なイベントに参加できたことを誇りに思う。

photos: Via celebrate Brooklyn Facebook

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Profile

沢井陽子沢井陽子/Yoko Sawai
ニューヨーク在住20年の音楽ライター/ コーディネーター。レコード・レーベル〈Contact Records〉経営他、音楽イヴェント等を企画。ブルックリン・ベースのロック・バンド、Hard Nips (hardnipsbrooklyn.com) でも活躍。

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