ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. IR::Indigenous Resistance Sankara Future Dub Resurgence - Anarchist Africa::When Visions Fall From Sky / IR::Indigenous Resistance Sankara Future Dub Resurgence - IR 58 Rising Up For The Dub World Within (review)
  2. R.I.P. Bunny Wailer 追悼:バニー・ウェイラー (news)
  3. Abul Mogard - In Immobile Air (review)
  4. Columns J・ディラの名作『Welcome 2 Detroit』が7インチ12枚組ボックスセットとしてリイシュー、未発表音源やDJ MUROによるリミックスも (columns)
  5. Apifera - Overstand (review)
  6. GoGo Penguin ──ゴーゴー・ペンギンが初のリミックス盤をリリース、コーネリアスやスクエアプッシャー、808ステイトらが参加 (news)
  7. Heisei No Oto ──CD時代における日本のレフトフィールド・ポップスのコンピが登場 (news)
  8. Emeka Ogboh - Beyond The Yellow Haze (review)
  9. Mia Doi Todd ──LAのシンガーソングライター、ミア・ドイ・トッドの新作 (news)
  10. LITTLE CREATURES - 30 (review)
  11. interview with Smerz ミステリアスかつクール、彼女たちの北欧エレクトロニカ・ポップ (interviews)
  12. R.I.P. Chick Corea 追悼 チック・コリア (news)
  13. こんにちでもなお ガイガーカウンターを手にすれば「ラジウム・ガールズ」たちの音を 聞くことができる - ──映画『ラジウム・シティ~文字盤と放射線・知らされなかった少女たち~』、アルバム『Radium Girls 2011』 (review)
  14. What's in My Playlist 2 僕の中のAriel Pink (columns)
  15. interview with KANDYTOWN (Neetz & KEIJU) こんな時期だからこそ音楽を聴いてもらいたい (interviews)
  16. R.I.P. BIG-O / OSUMI 追悼 オオスミタケシ(BIG-O/OSUMI) (news)
  17. Fishmans ──フィッシュマンズの映画、夏公開決定! (news)
  18. Sun Ra ──地球よ、さらば。映画『Space Is The Place』日本初公開 (news)
  19. Telex ──先行シングル第二弾は未発表だったザ・ビートルズのカヴァー (news)
  20. Brother Nebula - The Physical World (review)

Home >  Regulars >  Random Access N.Y. > vol.74:アメリカの法律が変わった日

Random Access N.Y.

Random Access N.Y.

vol.74:アメリカの法律が変わった日

Jun 30,2015 UP

Pride week 2015 NYC-celebrate Brooklyn -Paris is burning
プライド・ウィーク2015ーセレブレイト・ブルックリンーパリは燃えている

 毎年この時期になると、訪れるプロスペクト・パーク。NYは夏になるとたくさんの野外コンサートが行われるが、ブルックリンを代表するプロスペクト・パークは、音も良いし、行くまでの道のりが全面緑(公園)で、それだけでも気分が高揚する。バンドのラインナップが豪華で、過去には、ベル・アンド・セバスチャン、ワイルド・フラッグ、ミッション・オブ・バーマ、テッド・レオ、チボ・マットセイント・ヴィンセントなどのバンドを見た。

 バンドを見たければ一番前まで行けるし、ピクニック気分でレジャーシートをひいて寛げるし、家族やカップル、グループで楽しめる場なのである。

photos: Via celebrate Brooklyn Facebook

 今年初めてのプロスペクト・パークのイベント(著者にとって)は、映画『Paris is burning (パリは燃えている)』。70~80年代のニューヨークにおけるゲイ・ピープルのダンス・カルチャーを描いたドキュメンタリーで、ドラッグ・クイーンたちが様々なダンス・スタイルを生み出し、黄金時代を築いていた当時のニューヨークのクラブ・シーンが描かれている。公開されたのは1990年で、今年2015年は25周年にあたる。

 偶然にも、この日6/27は、全米で同性婚が合法化した歴史的な日で、監督や関係者は、「今日、アメリカの何処でも結婚できるようになった。我々は、大きな一歩を踏み出した。これからも性、人種差別など、様々な社会問題をなくしていけるように、そして今日25周年を迎えたこの映画を、素晴らしい公園で上映する機会に恵まれた事に感謝する」と挨拶すると、会場からは割れんばかりの拍手。たくさんの人びと、老若男女が笑顔でひとつになった瞬間だった。

 この週は、プライド・ウィークで、ただでさえ人びとは、1年でもっとも華やかな週を過ごしているのに、同性婚の合法化で、お祭りムードにはさらに磨きがかかった。

 上映前は、映画のシーンと同じように、映画のキャスト・メンバーたちが美しい衣装を着て、ダイナミックなダンスを披露した。圧倒的なファンもたくさんいて、名前を叫んだり、歓声が絶えない。最後にはステージからフロアに降りて、一般客も交えてダンス・パーティ状態になった。こうして見ると、ドラッグ・クイーン文化は25年前と変わっていない。みんなの目は輝いていて、個性的な衣装ダンスで、自分を最大に表現している。

 映画上映がはじまると、知ってるキャスト・メンバーたちが映るたびに歓声が上がり、ダンスが披露されるたびにまた歓声。なかにはセリフを覚えていて、一緒にセリフを叫ぶ人までいた。映画だが、ライヴを見ているような生々しいショーで、人びとがシーン毎に反応する。25年経った今も同感覚で鑑賞できるのは、ゲイ・カルチャーにやっと時代が追いついた証かもしれない。アメリカの重要な法律が変わった日に、歴史的なイベントに参加できたことを誇りに思う。

photos: Via celebrate Brooklyn Facebook

Random Access N.Y. - Back Number

Profile

沢井陽子沢井陽子/Yoko Sawai
ニューヨーク在住20年の音楽ライター/ コーディネーター。レコード・レーベル〈Contact Records〉経営他、音楽イヴェント等を企画。ブルックリン・ベースのロック・バンド、Hard Nips (hardnipsbrooklyn.com) でも活躍。

COLUMNS