「Nothing」と一致するもの

seekersinternational & juwanstockton - ele-king

彼らは暗闇に虹を残す ——マッシヴ・アタック“ブルー・ラインズ”

 ダブの面白さは、レイヴ・カルチャーと似ている。実際ぼくが行ったことのある、1993年、つまり再開発されるよりずっと以前の時代にブリクストンの倉庫でやった口コミのみのレイヴ会場のセカンド・ルームでは、中央に大きなピラミッドがあり(笑)、そしてキング・タビーやらルーツ的のダブがかかっていた(そしてピラミッドを囲んで何人かは瞑想していた)。この親和性は、ふたつの共通点からも理解できる。ひとつはこれらが基本的に都会の音楽であるということ、もうひとつは非言語的な音楽であるということ。さらにもうひとつ付け加えるなら、昔、ダディ・Gがサウンドシステム文化について語った次の言葉に集約されるだろう。「シンガーのような中心的存在は必要ないから、エゴイスティックな過剰な露出がない」
 カナダは、ブリティッシュ・コロンビア州のリッチモンドを拠点にするシーカーズインターナショナルは、この10年ものあいだコンスタントに作品を出し続けて、世界中のいたるところでファンを増やしている。いや、この言い方は正確ではない。正確には、ダブと呼ばれる音楽が世界中にそのファンを増やしているのだ。しかしなんで、なんでこの、夜とコンクリートの壁が似合う非言語的な(要するに、特別な言葉のメッセージのない)無言の音楽が人びとを誘うのか。現実逃避のためのシェルター? 
 ダブがアンビエントと決定的に違っているのは、あの大腸に響く、暴力的とも言える低音にある。体験談として言うが、ロンドンのジャー・シャカのサウンドシステムでは、そのすまさじい低音に気分が悪くなってぶっ倒れる人だっているほどで、だからダブとは無視できるような音楽ではなく、間違っても他の何かをしながら聴けるようなしろものではない。あれほど身体に響く音楽はないし、無害なイメージを絶え間なく再生産する一部のアンビエント/ニューエイジなどと違って、いくらそこから離れていたとしても、気がつけば夜の回路にアクセスし、その暗闇のなかでは何かが消失され、何かが生まれる。

 ダブは、その創始者キング・タビーの想像を遙かに超えたものとなって拡大していることが、シーカーズインターナショナルとジュワンストックトンの共作『キンツギソウルステッパーズ』を聴いているとまたしても感じられる。最新のダブをチェックしている音好きには言うまでもないことだが、ダブとは、いまや必ずしも引き算の音楽ではない。フィリピン系移民たちによるこのグループの音楽の背景には、Qバートのようなヒップホップのバトル系DJ(このシーンにもフィリピン系アメリカ人が大いに関わっていた)とベルリンのベーシック・チャンネル系のダブ・テクノがあり、この奇妙な組み合わせが彼らのユニークなサウンドの核にある。本作では、それをサウンド・コラージュの脈絡のない混乱をもって、さらにアップデートさせている。このアルバムを大きな音でかけていると、編集部小林が「ヴェイパーウェイヴですか?」と勘違いしていたが、近いのはダブルディー&スタンスキーの「レッスン1,2&3」のほうだ。80年代のサンプリング時代のヒップホップの支離滅裂だがビートに乗せてしまうあの遊び心、あのばかげた高揚感がここにはある。“Shinjuku Skanking”なる曲は、スタジオに『ファンタズマ』時代の小山田圭吾がいるのかと思わせるほど細切れのカットアップによるギザギザのグルーヴが展開されている。ラウンジーな“Mercury Rising”なんて曲もあるが、テーブルにグラスを置けないほど振動するこの音楽においてはカクテルパーティなどもってのほか。ぶっ飛びすぎているのだ。
 
 ダブは、ぼくにとっては、理論化されることを拒みながら膨張する宇宙だ。近年、ぼくが聴いたダブにおいてもっとも強烈だったのは、何度でも書くが、空しい10年代を予見したかのようなハイプ・ウィリアムスのライヴで、先日Casanova.S氏がレヴューしていたグレート・エリアの奇妙な(そして魅力的な)シンセ・ポップがそうであるように、いや、それ以上におそろしく空虚な何かだった。たいしてこちらシーカーズは、汚染された夜にさえもまだ楽しみはあると告げている。この素晴らしいダブ・アルバムは今年の春、日本の〈Riddim Chango〉からリリースされた。また、シーカーズは先日、Mars89との共作も発表しているが、そちらはより重たくダークで、テクノ寄りの音響に変換されている。機械を使って、スクラップだけで構成された音楽、言うなれば幽霊たちのコラージュが、いま東京で聴かれることを待っているこの事態に、ぼくたちは注意を払う必要があるだろう。

R.I.P. Steve Albini - ele-king

 5月7日、スティーヴ・アルビニが心臓発作で死去。享年61歳。バンド、シェラックの10年ぶりの新作『To All Trains』の発売を今月に控えたあまりにも急で早すぎる死だった。

 80年代、学生時代にシカゴでジャーナリズムを学び、ファンジンのライターと並行して最初のバンド、ビッグ・ブラックの活動を開始。リズムマシーンとギター×2、ベースという編成。ドライなマシン・サウンドと金属的でノイジーなギター・サウンドをもってアンダーグラウンド・シーンで頭角を現した。

 彼のバンドとしての活動は、ちょうどCDの登場する時期と重なっていた。ジャケットで日本の劇画『レイプマン』の引用がされていることでも知られるアルバム『Songs About Fucking』の裏ジャケットには「The future belongs to the analog loyalists. Fuck digita」(未来はアナログ支持者のもの。デジタルなんぞ糞食らえ)と書かれている。この姿勢は終生変わらなかった。

 1987年にはその『レイプマン』をバンド名に冠した新バンド、レイプマンを結成。ビッグ・ブラックではラモーンズを念頭に置いたシンプルな曲に徹したと発言しているが、レイプマンはドラムも人間になり、レッド・ツェッペリンを凶悪にアップデートしたようなスタイルへと進化したものの、やはりバンド名が問題になり非難が殺到、解散を余儀なくされ、予定されていた来日もあえなく潰えた。

 レイプマンの “”Kim Gordon's Panties ” という曲でサーストン・ムーアとキム・ゴードンを揶揄し、サーストンに殴られたという話も有名だ。アルビニの死を受けてツイートされたサーストンの一連の発言を見たかぎりでは、もう長年にわたってアルビニとサーストンは没交渉だったようだが、その背景にはソニック・ユースがメジャーと契約したことに対するインディ原理主義者アルビニの憤りがあったように思える。

 この件でもわかるようにアルビは偏屈かつ辛辣なユーモア感覚の持ち主であり、それがしばしばミソジニーだったり差別的な形を取ることがあった。これについてはのちに反省し、謝罪もしている

 1992年には新たにシェラックを結成。ギター、ベース、ドラムスという最小編成。いよいよ研ぎ澄まされたシンプルなアンサンブルを極めていった。この頃には自分のバンドの録音にとどまらず、プロデューサー/レコーディング・エンジニアとしても活躍するようになっている。ピクシーズ、スリント、ジーザス・リザード、プッシー・ガロアにジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン、フガジなどインディバンド中心に手掛けていたが、やはり彼を一躍有名にしたのはニルヴァーナの『イン・ユーテロ』だろう。

 もともとアルビニは『ネヴァーマインド』が引き起こしたオルタナ/グランジブームについてはかなり痛烈に批判もしていたのだが、自身の出自であるアンダーグラウンドへの回帰を望むバンド側からの熱望により起用が実現した。最終的にはアルビニの手が離れた後に手が加えられるなど、スムーズにはいかなかったようだが、20周年記念版にはアルビニ自身がミックス、マスタリングしたバージョンがリリースされている(これが当時のオリジナル・ミックスかどうかは不明)。この際にアルビニがバンドに送ったFAXの文面というのも後に公表されている。そこでは高額な印税支払いを断っている。自分が納得できるだけの金額をもらえればそれでいいとしており、配管工のように仕事をしたいと言っている。

 自宅をスタジオにして録音の仕事を始めたアルビニだが、その後設立したレコーディングスタジオ〈エレクトリカル・オーディオ〉でもエンジニア料金は明朗会計で、現時点でサイトに記載されている料金表によれば「$900/ day at EA、$1300/ day elsewhere」とある。頑張れば出せない金額じゃないところがいいなと思う(円安でなければ……)。

 アルビニは「プロデューサー」というクレジットを嫌い、あくまでも「レコーディング・エンジニア」という表記にこだわった。自身を「記録者」と位置づけており、マイクのセッティングにとにかく時間をかける一方で録音自体は一発録りであまりテイク数を重ねない。コンソールのフェーダーもほぼフラットだったという目撃証言もある

 アルビニはアラン・ローマックスに影響を受けたと公言している。アメリカの民俗音楽の収集家であり、全米各地で民謡を発掘・収集してウディ・ガスリーやレッドベリーといったアーティストの紹介に貢献した人物だ。フィールド・レコーディングのように音楽を録音するという意味で、その影響関係はよくわかる。

 訃報のあと、とりあえずシェラックのヴァイナルを何枚か爆音で聴き直したのだが、改めて音のよさに感嘆した。すべての楽器、とくにドラムがその場で鳴っているような生々しい録音。バンドの生の姿を捉えることに全力を注ぐその姿勢は、録音後のエフェクトや編集を重視するタイプのプロデューサーとは正反対だ。バンドの地力がもろに露呈するので、怖い面もあると思う。反時代的とも思えなくもないその姿勢は、インディ美学の掲げる理想のひとつの現れだったのだろう。

 日本でもアルビニが録音したアーティストは数多い。ゼニゲバの90年代前半の諸作品やメルト・バナナの初期作品は、アルビニの録音によって世界的な知名度につながった側面もあるだろう。当時、サーストン・ムーアやジョン・ゾーンと並んで日本のインディバンドが世界に認識されるきっかけになった人物でもあった。現在でも、いつかアルビニに録音されたいという夢を抱いていたバンドマンは数多くいただろう。

 最後に、個人的なアルビニ・ワークスのおすすめ盤を挙げておく。自身のバンドから3枚、エンジニアとしての仕事から10枚を選んでみた。なにしろ仕事量の多いひとなので筆者もその一部しか聴けていないのと、世代的にどうしても90年代のものが多いのはご容赦いただきたい。それと、お蔵入りになってしまったチープ・トリックの『蒼ざめたハイウェイ』再録盤は今からでもリリースしてもらえないだろうか。

Selected discs

Big Black / Songs About Fucking

Rapeman / Two Nuns A Pack Mule

Shellac / 100 Hurts

Jesus Lizard / Liar

Zeni Geva / DESIRE FOR AGONY (苦痛志向)

Space Streakings / 七徳

Melt Banana / scratch or stitch

Los Crudos/Spit Boy / split

PJ Harvey / Rid of Me

Tony Conrad / Slapping Pythagoras

The Ex / Starters Alternators

Neurosis / The Eye of Every Storm

SUNN O))) / Life Metal

角銅真実 - ele-king

 素敵な君はBaby、いかれた僕のBaby──。いにしえの、いかにもロック・ソングのごとき一節が繰り返されるフィッシュマンズの曲を、なぜ角銅真実はカヴァーしたのだろうか。振りかえれば前作『oar』がリリースされたとき、いくつかのインタヴューで彼女はひととひとがけしてわかりあえないこと、「この気持ち」は「わたし」にしかわからないことを繰り返していた。同作で歌われていたのは基本的には「あなた」と「わたし」の二者関係で、なるほど、「君」と「僕」だけで完結する “いかれたBaby” の世界はちょうどふさわしい題材だったのかもしれない。
 たったいま横にいる「男の人」ではなく、その場にはいない「あの人」に執心する浅川マキ “わたしの金曜日” のカヴァーもある程度はおなじ感覚を共有していたのだろう。けれどもそちらの「わたし」は「名前も知らない男の人」と「ならんで歩」いてもいた。「わたし」を理解してくれない「あの人」とはわかりあえないのだとしても、すぐ脇で鳴る音のアンサンブルが、われわれがだれかと「ともにある」存在であることを教えてくれるのだと、そういわんばかりに『oar』は多くの協力者を招いてもいた。
 そっちの部分を押し広げたのが新作『Contact』なのではないか。今回、「あなた」も「わたし」も格段に登場回数を減らしている。出てくるのはたぶん “Carta de Obon” くらいで、そんな二者だけの世界からはみ出るものをこそこのアルバムは表現しているのではないか。

 サウンド面でも角銅は次なる段階へと突入している。個性的なヴォーカルと、これまでフリー・ジャズや即興演奏が培ってきた実験との融合という彼女の音楽性は、Jポップの枠に収めるには冒険心にあふれすぎたものだけれど、かといって難解さとは無縁で、なにより上品だ。そうした特性はしっかり引き継ぎながら、他方でこの通算4枚目のアルバムは、アンデス山脈のフォルクローレを想起させる雰囲気を打ち出しているようにも聞こえる。数年前(政治的にはとんでもなく最悪な事態に陥っている)アルゼンチンに長期滞在していたことが影響しているのだろうか。わからない。
 冒頭 “i o e o” では弦楽器が独特の空気を漂わせている。アルゼンチン・フォルクローレとも呼応するような主旋律にミニマリズム。中盤に差しはさまれる電子音のような音も聴き逃せまい。バンド・メンバーの貢献も大きい。たとえば “外は小雨” の終盤でやんちゃに動きまわるドラムスなどは角銅ひとりだけでは実現できなかっただろう機微をもたらしている。本人も負けていない。“Flying Mountain” や “Kujira No Niwa” はマリンバ奏者としての彼女を再確認させてくれるインスト曲だ。
 出身地と向きあう曲が収められているのもポイントかもしれない。アルゼンチンでつくられたというお盆の曲 “Carta de Obon” にはおなじ長崎生まれのドラマー、光永渉のかけ声が挿入されている。かの地のお盆といえば「精霊(しょうろう)流し」が有名だけれど、日本語の響きの奇妙さを堪能させてくれる民謡 “長崎ぶらぶら節” も秋の名物祭事「くんち」と切り離せない。以前の角銅にとって長崎とは「早くここを出たい」場所だったそうだ。「わたしを攫って」と歌われる “人攫い” にはそんなかつての「念」がこめられているという。けれども不思議とネガティヴな印象は受けない。前作以降、さまざまな他人との出会いをとおして否定的な思いに変化が訪れた、と。

 故郷の伝統に向き合うことで見出されるのは、二者関係をはるかに超えた人間社会の営みだ。あるいは音としての日本語のおもしろさに注目することで浮かび上がってくるのは、これまでそのことばを口にしてきた無数の生身の人間たちだ。“i o e o” がほんのりアンデス山脈のフォルクローレ風のムードをまとっているゆえんもきっとそこにある。『Contact』は角銅真実という東京藝大出身の音楽家による、民衆の発見なのだ。
 もしかしたらアルゼンチン滞在中、彼女はなにかを目撃したのかもしれない。地球の裏側ではだいぶ前から想像を絶するレヴェルで人民が虐げられている。円安インフレを放置しつづける日本に暮らすわれわれとも無縁な話ではない──実験的な試みを手放さずフォルクローレ的なものや民謡にアクセスすることによって、「あなた」でも「わたし」でもない、歴史を背後で支えてきた民衆との「コンタクト」を試みるこのアルバムは、そんなふうに語りかけているようにも思えるのだ。

interview with Yui Togashi (downt) - ele-king

 ステージ上で速く複雑なピッキングでギターを弾きまくり、ときに叫びにも近い感情的な歌を聴かせるギタリスト/ヴォーカリストと、壇上から降りたあと、注意深く耳を傾けないと聞きとれないほどの小さな声で話す富樫ユイとの間には、とても不思議なギャップがある。

 2021年に結成されたdowntは、富樫と河合崇晶(ベース)、Tener Ken Robert(ドラムス)とのトリオで、富樫のソングライティングを中心に、作品をつくることに重きを置いて、東京で活動している。これまでにミニ・アルバム『downt』(2021年)、EP「SAKANA e.p.」(2022年)、シングル「III」を発表し、日本のインディ・ロックの紹介にも力を入れているUKの〈ドッグ・ナイツ・プロダクションズ〉からコンピレーション・アルバム『Anthology』(2022年)がリリースされたこともある。2022年にはFUJI ROCK FESTIVALのROOKIE A GO-GOにも出演し……と、活動歴はまだ3年だが、実績を着実に積み上げてきている。いま注目のバンド、と特に今年は何度も紹介されたことだろう。

 3人がここにきてつくりあげたファースト・アルバム『Underlight & Aftertime』が、バンドの歩みを振り返りつつ(“111511” や “mizu ni naru”、“AM4:50” と、初期の重要曲の再録が含まれている)、これまでにない新しいアプローチでバンド・アンサンブルを深化させていることは、過去の作品と聴き比べたらよくわかる。変わったこと、変わらないこと。エモやオルタナティヴ・ロックの蓄積の反響と、この国特有のロックの複雑性や質感の反映。

 ただ、そういう外在的で分析的な視点がどうでもよくなってくるほどに、このアルバムは内在的で、暗く塞がった、けれども心地よい孤独感に満たされている。それは、孤高というのとはだいぶちがう。冷めていて、刺々しさがありながらも、自問自答の精神世界に深く導かれるような、そして聴き手に直接語りかけてくるような、「氷の炎」とでも言うべき、突き放した親密さというか。どん詰まりに行きあたったものの、解決の糸口を見つけたかと思ったら、また元の場所に戻っていくような、ものさびしいストーリーテリングが、アルバムを構成している。その表現の芯に富樫の歌や詞やギターがあるのは、疑いようがない。では、そのさらに奥の背景にあるものとは?

 アルバムのリリースからしばらく経っておこなったこのインタヴューでは、過去に様々な場で語られてきたことを繋ぎあわせながら、富樫のライフ・ストーリー、downtというバンドを結成するまでのことから現在のありようまでを聞いた。音楽の話というよりも、内面を掘りさげたものになったが、それもこのバンドの音楽を知るうえでは意味のあることだと思う。

最初は「何がいいんじゃ?」って感じでまったくわからなくて、何十周も聴いたんです。期間を空けたら、なんか逆に聴きたくなってきちゃったんですよね。マイナー・スレットを、特に。

中国でのライヴが目前ですね(取材は2024年4月15日におこなった)。

富樫ユイ(以下、YT):海外に行くこと自体が初めてなのでドキドキですね。downtの企画をやると「飛行機で来ました」と伝えてくださる中国や韓国からのお客さんがいて、「はー!」ってびっくりします。bilibili(中国の動画サイト)に上げる動画も反応がよかったりします。

そういえば、3月22日のリリース・ライヴに行ったとき、中国人のファンがすぐそばで見ていました。『Underlight & Aftertime』がリリースされて1か月以上経ちましたが、反応はいかがですか?

YT:想像していた反応とはちがったかもしれないですね。制作中はオーディエンスやリスナーの反応は考えないようにしているんですけど、新しいアプローチで曲をつくったので、「私たち以外の人が聴くとどう感じるのだろう」と思ったりはしました。昔から知ってくれている人やバンドの友だちからは「ソリッドになったね」とか、そういう意見が多かったですし。実際リリースされると、嬉しい反応が多かったかもしれないです。自分が思ってたよりは……。

このアルバムからdowntを知る人のほうが多いのでは、とも思います。

YT:そうですね。初めて出した『downt』は自己紹介みたいなものだったので。今まで私たちのことを知らなかった人たちにも聴いてもらえたら、ひとつの起点やなにかのきっかけになったらうれしいです。

今回のインタヴューは富樫さんのパーソナルな話を中心に聞きたいと思います。生まれは札幌だそうですが、どんな場所でしたか? 都心部だったのか、郊外や田舎のほうだったのかなど。

YT:都心部だったと思います。夏は過ごしやすくて、冬は雪が降っても暖かったです。気温が氷点下になっても、なぜかあったかいんですよ。除雪機が雪を道路の脇にばっと積んで、その雪がかまくらみたいになって風が遮られるので。

musitのインタヴュー(https://musit.net/interview/downt-underlight-n-aftertime)では、子どもの頃は勉強が好きになれず、絵を描くのが好きだったとおっしゃっていました。富樫さんが描く、ゆるキャラっぽいグッズのイラストと関係しているのかな? と思ったのですが。

YT:グッズはメンバーの要望や意見を組み合わせて、自分なりに「こんな感じかな?」と模索しながらつくっているので、ゆるキャラっぽいのが多くなっているような……。絵を描くのは好きで、根詰めてずっと制作していて「あ~……」ってなってくると、気分転換で描いたりします。私は漫画が好きで、昔は漫画家になりたかったんです。

そうなんですか!? それは意外ですね。

YT:ちっちゃい頃の話なんですけど、『ちゃお』や『りぼん』の後ろの方に「新人漫画家募集!」というのが載っていたので、Gペンを買ってもらって自分の作品を描いて応募したりしていました。

本格的ですね。描いていたのは少女漫画ですか?

YT:そうです。でも、当時はホラーやサスペンスにハマっていて、私もそういう少しグロテスクなものを描いていたみたいで……(汗)。
 漫画を描いて、「できた!」って母親に見せたら、母の顔が真っ青になったのを覚えています。「あんた、大丈夫?」って心配されて、すごく悲しかったんですよ。そんな風に言われるなんて思っていなかったから。それで漫画を描くのをやめちゃった記憶があります。

当時憧れていた作家や好きだった作品はなんでしたか?

YT:『満月をさがして』という種村有菜さんの作品がすごく好きで、サイン会に行ってサインしてもらったこともあります。

その頃のご自身と現在の富樫さんは繋がっていると思いますか?

YT:う~ん……。ひとつのことをひとりでずっとやる、みたいなところは繋がっているかもしれないです。

家にいるのが好き、という点は今も一貫していますか?

YT:昔からですね。友だちと遊ぶのが得意じゃなかったんです。友だちはいたんですけど、ひとりで遊ぶ方が楽しくて。それはどうしてかっていうと、自由にできたから。人に合わせるのが苦手だったんでしょうね。自分でつくったルールのなかで遊ぶのが好きで。公園で好きだった遊びが、砂を研磨することだったんです。

どういうことですか(笑)?

YT:滑り台の上の方にこうやって何度も砂を投げると、砂が滑り台を転がって研磨されてめちゃくちゃ綺麗になるんです。そういう遊びをひとりでひたすらやっていました(笑)。

孤独な反復で何かを磨いていく行為は絵を描くことやギターの練習にも繋がっていそうですね。

YT:高校時代は友だちから「ユイ、このあと一緒に遊ぼうよ」って誘われても、「ごめん、家帰るわ」って断ってしまっていたことが多かったです。ひとりで音楽を聴いたり、家でギターを弾いているほうが楽しかったんですよね。そのうちに、気がついたら誘われなくなってました。

子どもの頃はピアノを習っていたんですよね?

YT:3歳から中学に上がるまでやっていました。ただ先生が厳しすぎて「行きたくない!」と親に泣きついてやめました。ピアノが楽しいというよりも、先生が怖いという印象の方が強くなってしまって。でもピアノはいまも好きで、寝る前はクラシック・ピアノを流しながら寝ることが多いです。

ところで、「春が嫌い」と以前おっしゃっていましたが、たしかにdowntの音楽に春夏感はないですよね。圧倒的に秋冬感が強い。

YT:春は嫌いなんですけど……たぶん好きなんでしょうね、きっと。嫌よ嫌よも好きのうち、みたいな。嫌いだけど春にしか感じられないことがあって、それを感じていたい。
 夏は好きです、嫌いだけど。どんな季節が好きなんだよって思われそうですけど、たぶん全部の季節が嫌いで。

あと、富樫さんがインタヴューなどでよく使う言葉に、「冷たい」というのがありますよね。「冷たいものが好き」とか。「冷たさ」は富樫さんの表現における核のひとつだと思うんです。

YT:私が言う「冷たさ」は「寒さ」とかじゃなくて、キラキラしたものにも必ずある棘や冷たい空気感みたいなもの、というか。それは人との会話に感じるときもあるし。冷たいけど嫌な感じじゃなくて、すごく悲しくて美しいもの。そういうところに身を置きたくなるというか、そういうのが心地よいですね。

「冷たいものの美しさ」というのは、downtの音楽の一側面を言い表していますね。先日、よく晴れた日曜日の昼下がりに外を歩きながら『Underlight & Aftertime』を聴いていたら、陽気や暖かい空気に全然合わなかったんです(笑)。ただ、夜の暗さやひんやりとした空気にはすごく合う。

YT:それはよく言われます。「夜っぽい」って。夜は好きですね。

夜更かしするタイプですか?

YT:しますね。私はまとまった睡眠時間はあまりとらなくて、起きたり寝たりを繰り返しているので、就寝時間も決まっていないんですね。夜になると目がすごく冴えてくるんです。幼少期は家庭が厳しかったので「早寝早起きしなさい」と言われていたんですけど、そういうのから解放されて自由になってから、こういう生活のほうが合うなって思いました。なので、子どもの頃はずっとしんどかったと思います。

ものすごい喪失感があったんです。それを埋めるために……必死で埋めたくて埋めたくて、がむしゃらに音楽をやりはじめたのかもしれません。ここにいたらダメだ、私は自分の力で自分を変えなきゃいけないって。

話は変わりますが、富樫さんが「バンド」というものを知ったのは中学時代、ELLEGARDENをすすめられたことだとおっしゃっていましたね。あと仲のよかった先輩が学園祭でバンドをやっていたとか。

YT:そうです。中学でバンドの演奏を初めて生で見て、バンドという概念を知って。スピッツの “魔法の言葉” をやっていて、「これって演奏できるんだ! バンドってすごい!」と思いました。

でも「ドラムは家で練習できない」、「ベースは力がいるから女の子には無理」と言われて、ギターを弾くことになったという。

YT:ギターは最終選択肢だったんです。初心者セットを買ってもらって弾きはじめました。

厳格なご家庭だったのにギターを買ってもらえたんですね。

YT:私も不思議でした。音楽は親が昔できなかったことだったみたいで、「私がやれないのはかわいそうだ」、「同じ気持ちにさせたくない」ってことでギターを買ってあげた、という話は親から聞いたことがあります。

ギターの練習はコピーからはじめたのでしょうか?

YT:そうです。兄がドラムをやっていたのでバンド・スコアを見せてもらって。

何のバンド・スコアでしたか?

YT:ハイスタ(Hi-STANDARD)とかマスドレ(MASS OF THE FERMENTING DREGS)とかエルレ(ELLEGARDEN)とか。すごく好きだったのは東京事変の長岡亮介さんです。でも、長岡さんのギターってめっちゃむずいじゃないですか。当然うまく弾けないんですけど、弾けないながらもひたすら練習していました。まず、コード弾きしていたところから単音弾きができるようになるには山をひとつ越えなきゃいけないので、練習しては挫折しての繰り返しでしたね。高校時代はバンドを組んでいたわけでもなく学園祭でたまにちょっと弾いてみるだけで、あとはひたすらひとりで練習して楽しんでいました。

昨年、「III」のリリース前に『ele-king vol.31』でインタヴューさせていただいたとき、先輩から「これを弾け」と言われてジェフ・ベックなどを練習した、とおっしゃっていましたよね。

YT:ジェフ・ベックじゃなくてレッド・ツェッペリンですね。高校に軽音部がなかったので、大学では絶対に音楽サークルに入りたいと思って。大学で入ったサークルに70、80年代のロックが好きな先輩が集まっていたんです。「ギターをやりたいです」って言ったら、「お前はまずこれを弾け」ってまったく聴いたことがなかったレッド・ツェッペリンとかキング・クリムゾンを耳コピさせられて。画質が酷いYouTube動画で運指を見ながら練習していたんですけど、挫折しました……。キング・クリムゾンの音楽は大好きなんですけど、自分では弾けないし別に弾きたくないなって。

当時、富樫さんが好きだったギタリストはどなたですか?

YT:大学時代は赤い公園の津野米咲さんが大好きでした。長岡亮介さんっぽさを感じたんですけど、米咲さんのインタヴューを読んだら「長岡さんが好き」と書いてあって、「やっぱり」って。それでもっと好きになりました。ふたりに共通しているのは、ギターをピアノみたいに弾くじゃないですか。そこがすごく好きで。自分がやりたいことのひとつですね。downtではあまりできていませんが、そういうギターを弾けたらいいなと思っています。

『Underlight & Aftertime』では、複雑なフレーズを速いパッセージで弾くプレイが以前よりも減っていて、コード・ストロークやシンプルなリフ、ゆっくりとしたアルペジオなどが中心ですよね。

YT:今回はバンド・サウンドを目指したんです。「自分はなんでバンドをやっているんだろう? バンドで何がしたいんだろう?」ってすごく考えて。いままでは自分が弾きたいフレーズとかを優先していたんですけど、今回はアンサンブルにより重点を置きました。ノリや曲の山場、各楽器の絡み方、曲の全体像をより高い場所から見るように考えてつくったので、余計なことはしないようにしました。

トリオならではの演奏を活かして、アンサンブルを塊にした?

YT:まさにそうです。音が重なってできる塊。ひとりで音楽をしていない意味はそこにあると思っていて。バンドでやれること、バンドをやる意味ってなんだろう? と考えて、そういう方向へシフトしていきました。

その一方で、「こういうかっこいいフレーズを弾きまくりたい!」というもうひとりの富樫さんもいたのでは?

YT:たしかに、曲のオケやデモをつくっていると、無意味なギターを弾きだす自分もたくさんいましたね。でも今回の制作では以前よりもさらに、この曲においてこのギターは、この音は本当にいるのか? ということをずっと考えていたので。ただ、これを弾きたいんだっていう気持ちというかマインド的なものは、なくしちゃいけないと思ってます。

「聴く音楽が変わった」ともおっしゃっていましたよね。

YT:聴く音楽というか、音楽の聴き方が変わったかなと思います。きっかけはD.C.ハードコアで、それは「好き」とかとはまたちがった感覚で。個人的には初めてこんな気持ちになったかな。

ベーシストの河合さんが好きなジャンルですよね。

YT:そのあたりは、河合さんがすごく好きで。制作をするにあたってまずコミュニケーションができないと、鳴らした音に対しての会話もできないと思って。最初は「何がいいんじゃ?」って感じでまったくわからなくて、何十周も聴いたんです。その後また、自分の好きな曲を聴いたりして期間を空けたら、なんか逆に聴きたくなってきちゃったんですよね。マイナー・スレットを、特に。「この気持ち、何だろう? これってバンド・サウンド? もしかしてアンサンブル?」みたいな感じで未だに解明できていないんですけど、それから音楽の聴き方が変わった感じがします。視野を広げて曲の全体像をひとまとまりとして上から見下ろせるようになったかもしれません。

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あんまり家庭環境がよくなかったんですよね。たぶんずっとさみしかったんだと思います。そこがはじまりで。その頃から他人に対する違和感とか、どこまでいってもわかりあえないとか、自分は何もできないんだって無力感が。友だちを失ったことをきっかけに、もうこれは自分を一回死なせるしかない、と思って。

話は戻りますが、札幌から京都に移られたのはいつ頃でしたか?

YT:高校卒業後です。札幌にいた頃の私は、ロボットみたいだった。京都に来てからは、肌馴染みがすごくよかったです。何もしなくてもスッと浸透してきて。とても心地よい場所です。

大学卒業後は就職して働いていらっしゃって、ご自身でバンドをやらずに友人の演奏を見たり聴いたりしていたそうですね。

YT:そうです。オリジナル曲をやるってすごい、ハードルが高いな、自分なんか……ってずーっと思っていました。恥ずかしい、自分の曲なんて他人に聴かせられないって。自信がなかったんですね。なので、オリジナルをやっている人たちが羨ましかったです。それとは裏腹に、(小声で)「私、たぶんもっといい曲が書けるんじゃかな~……」って思ったりもしていました(笑)。ただそう考えるだけで、「形にすること自体がすごいんだ」とか、自分のなかでいろんな思いが対立していて。

ただ、表現欲求のようなものが溜まっていたということですよね。

YT:たぶんそうですね。昔からそうで。中学の同級生がみんなすごく勉強していて、自分も勉強させられていたけど、一番になるのは絶対に無理だったんです。それでいつも劣等感を覚えていて、「何だったら勝てるんだろう? 勝ちたい」とずっと思っていて。負けず嫌いなのかも。なので、自分は表現……かっこよく言っちゃえば「芸術」みたいなののほうが得意かもしれない、とは思ってました。

苦しかったですか?

YT:いや、苦しさはなかったですね。もやもやはしていました。芸術をうんとやれる環境に身を置いてみたかった自分もいたけれど、どうしてもそれを口に出せなかったです。もやもやがずっとあって、あることをきっかけに「もういいや。誰に何を思われてもいい」と自分で決めたときの決意はすごかったです。

『MUSICA』2024年4月号でのインタヴューでそのあたりのことを深いところまでお話しされていましたが、人間関係のトラブルで友人を失って苦しみから抜けだせなくなった、とおっしゃっていましたね。それも同じ頃ですか?

YT:まさにそのタイミングでした。ものすごい喪失感があったんです。それを埋めるために……必死で埋めたくて埋めたくて、がむしゃらに音楽をやりはじめたのかもしれません。ここにいたらダメだ、私は自分の力で自分を変えなきゃいけないってそのときに強く思って。誰も私のことを知らない場所と状態ではじめてみようって。

自作曲のデモ作りもそのタイミングではじめたんですか?

YT:急にやりはじめました。“111511” が初めてつくった曲で、そこからすべてがはじまりました。打ち込みもやったことなかったけど、なんとなく感覚でやってみて。すごい意味のわからないフィルとか、めっちゃ入ってましたし(笑)。

『Underlight & Aftertime』はその “111511” や “mizu ni naru” のような初期の曲が中盤から後半にかけて置かれていて、構成にストーリーが感じられました。

YT:そうですね。アルバムという作品をつくるなかで、流れは大事かなと思っています。意味は後づけかもしれないけど、直感的にこの流れがいいなと。

富樫さんがメンバーを募集してバンドを組んだ際の動機に、「作品づくりをしたい」というのがあったそうですね。その起点が、downtの作品にはよく表れていると思います。インタールードを複数入れることで、構成されたひとまとまりの作品をつくろうという意志が強く感じられるんです。

YT:私――私だけじゃなくメンバーもそうかもですけど、シングルってあんまり聴かないかもしれないです。
 一曲を聴いただけじゃ感じられないもの、アルバムを通して聴いたときにだけ感じられるものが絶対にあると思うので。「SAKANA e.p.」もですけど、聴いてそういうものを感じられるところまで作品を持っていきたいと思っています。

「ライヴで大きな音を出したい」ではなく「作品をつくりたい」という気持ちが根っこにあることが、富樫さんとdowntの魅力に繋がっていると思うんです。

YT:人前に立つのが得意ではないかな……。
 バンドをはじめる前は特にそうで、いまだにライヴがそんなに好きじゃなくて慣れないんですけど。根本的につねに不安と手を繋いでいてしまっているんですよね。だからこそなのか、作品として形になったものを残してみたいという思い入れが強かったんじゃないかなと思います。ライヴはやらなくていいかなっていう気持ちもあったし。
 でも、最近はライヴをするのも楽しくなってきたかもしれない。気のせいかもしれない。

また話を戻しますが、富樫さんが決意をして京都から東京に出てきたことは、人生をリセットしたことに近いと思うんです。その決断はご自身にとってよかったと思いますか?

YT:すごくよかったと思います。私たぶん、あのときに一回死んでるんですよね。いまもう一度生き直そうとしているので、生き直せてよかったと思います。こうなるって未来はまったく予測していなかったし、「大丈夫かな? 急に死ぬかな?」って思っています。

結成からまだ3年なので、バンドの成長や拡大がハイ・ペースではありますよね。

YT:なので、つねにギリギリで生きています。踏み出してよかったです。ずっと踏み出せなかったので、怖くて怖くて。あのとき、踏み出した自分を「よくやりました」ってほめてあげたいです。まあ、あのときの自分はもう死んでるんですけど。

過去の富樫さんを葬る以前、いちばん嫌だったことって何でしたか?

YT:……幼少期まで戻ってしまうと、あんまり家庭環境がよくなかったんですよね。父と母の関係とか、母がずっと働きづめだったとか。それで、たぶんずっとさみしかったんだと思います。でもそれを母にも言えない、兄もいたけど言えなかった。恥ずかしかったんです。そこがはじまりで。その頃から他人に対する違和感とか、どこまでいってもわかりあえないとか、そういう思いがありました。自分は何もできないんだって無力感がすごくあったんです。友だちを失ったことをきっかけに、もうこれは自分を一回死なせるしかない、と思って。あんな行動力は、たぶんもう出せないと思います。っていうぐらい、そのときのエネルギーはすごかったです。「生前」はそんな感じでした。

音楽をやることでその違和感、無力感、喪失感に抗っている?

YT:きっと元に戻らないことには気づいて。それが音楽をやることによってちょっと楽になれた部分はありました。空いた穴のなかには黒くて重たい錘があって。その重さと等しいくらい外に向かおうとするエネルギーは持っているんですけど、そこからはみ出ることはなくて、円の縁をずっとぐるぐる回っているような感じ。どこに行きつくわけでもないから、抗っているのとはちがうかもしれない。エネルギーを保持してバランスを取り続けるものが音楽なのかもしれないです。

前に何かがあってそれを掴もうとしているんじゃなくて、後ろにある美しさみたいなのを引っ張り出そうとしている気がします。アルバムのタイトルもそうで、日が昇って沈んでを繰り返しているような。

「リスナーやオーディエンスの反応は気にしないで制作している」とおっしゃっていましたが、今回これまででいちばん大きな規模で作品をリリースして、ご自身の作品が他人に聴かれていることについてはどう感じていますか?

YT:「誰かのために」を目的にしているわけではないけれど、作品を聴いてもらえるのは、もちろん嬉しいです。一方で恥ずかしかったり、そこに踏みこむのがまだ怖い自分もいると思います。自分が納得できる音源をつくりたいと思っていますが、制約があったり、リミッターがかかっちゃったり、100%のものが出せているかというとちがうかもしれない。自分がそれに納得できていない部分もあるけど、誰かが聴いてくれて「よかった」って言ってくれたり、いろんな意見を聞いたりすると、「これはこれでよかったのかな」、「やってよかったのかな」と思えたりもします。自分のなかに閉じ込め続けていると息ができなくなってしまいそうになるから。少し換気できるかな。

先日のライヴで共演された穂ノ佳さんも、downtのファンなんですよね。

YT:穂ノ佳が「好きです」って話しかけてくれて、そこからの縁です。私も穂ノ佳の音源を聴いて「好き!」ってすぐに感じました。トキメキを覚えています。だから、そういうアーティストと一緒にライヴができて嬉しかったし、とてもしあわせでした。やっている音楽は全然ちがうかもしれないですけど、第六感的なものが動いていたような気はしました……。

過去の富樫さんを葬って東京でゼロからリスタートし、バンドをはじめて、その穂ノ佳さんや、くだらない1日のような仲間も増えたと思います。ご自身にとって急激な変化だったのではないでしょうか?

YT:ライヴハウスに行けば知っている人がいっぱいいるし、「これってどこまでが友だちなの?」って最初は思っちゃいました。人との関わりがものすごい勢いで増えていくことを一度に処理しきれない自分がいて――昔の性格を引きずっているんだと思うんですけど。急激な変化に追いつけなかった自分がいて、いまも追いつけているわけじゃないし、不器用な部分がいっぱいあるんです。変化が激しくなって、それに追いつこうとすればするほど、より家にひきこもりたがる自分がいて。でも最近はそんなこともなく、人ともっと話そうと思ったりしています。それこそ、昔はほぼありえなかったけど自分から誘ってみる、とか。

ただ、このアルバムを聴いていても思うのですが、孤独感や閉塞感は富樫さんやdowntの表現に通底してあると思うんですよ。それこそが作家性や個性でもあるのですが。

YT:ちっちゃいときからそうなんだと思います。怖いものを排除したがるというか、シャッターを下ろしちゃう性格なので。好奇心はあるけど傷つきたくないから触れられなくて、「傷つくぐらいだったら」とシャッターを下ろしてしまう。そういう性格を形成してきちゃったので、たぶんそれは変わらない。自分はそこで止まっちゃってるんです。ずっとさみしいですし。ずっとさみしいのに、そこに帰っていく自分がいる。

その部分が創作のモチベーションやベースになっていると思いますか?

YT:ベースにはなっていますね、確実に。埋まらないものをずっと埋めようとしているというか。モチベーションは季節を感じつづけることです。

アルバムの構成の話を先ほどしましたが、“mizu ni naru” や “111511” のような初期の曲が中盤から後半にかけて配置されている流れは、バンドのスタート地点に戻っていくように感じられるんです。新しい曲が前半にあるのですが、そこから富樫さんが生き直しをはじめた古い曲がある場所にだんだん戻っていく構成というか。

YT:たぶん、前に何かがあってそれを掴もうとしているんじゃなくて、後ろにある美しさみたいなのを引っ張り出そうとしている気がします。アルバムのタイトルもそうで、日が昇って沈んでを繰り返しているような。
 私はずっとそこにいたいんでしょうね。“13月” という曲もそうで、ずっと居心地のよい場所にいたい、それが続けばいいなって思ってる。身体で感じる時間軸のなかでは不可能なものでも、空想をできるだけ輪郭のあるものに再現することによって可能になるというか。たぶん、そういう居場所を自分でつくりあげようとしているのかもしれないです。そこからちょっとはみ出るとき、前に進もうとするときもあるけど、結局元に戻っていくんだなって。

まさにループしている作品だと思いました。前半の方が暗くて後半の方が明るく感じられるので、夜明けに向かっていくんだけど、冒頭の暗闇にまた戻っていくループ感があります。

YT:ちょっと明るくなりかけるんだけど、やっぱり暗いとこが好きなんじゃない? みたいな。元いた場所に引っ張られていく感じですね。

そういえば、「笑うのが苦手だったけど、バンドを始めてから笑うようになった」ともおっしゃっていましたよね。

YT:昔はほんとに笑えませんでした。誰かを見て、「何が面白くてこの人は笑っているんだろう?」とか考えたり――以前の自分が本当に怖いんですけど(笑)。いまはみんなに笑っていてほしいし、自分も笑いたいし、みんなが笑顔になる話を聞くのが好きです。以前と比べてすごく明るくなったと思います。「大丈夫?」って心配されるぐらい暗かったし、子どもの頃は変な漫画を描いていたし……。音楽をはじめて、ほんとに変わりました。いまは楽しいです。

ギアがローに突然変わってめちゃくちゃ暗い方にいく、そういう表現に向かう可能性もありますか?

YT:全然あります。つねにそうやってもがきながら生きているので。

闇落ちしたdowntの音楽も聴いてみたいですね(笑)。本日はありがとうございました。

 

interview with Keiji Haino - ele-king

 灰野敬二さん(以下、敬称略)の伝記本執筆のためにおこなってきたインタヴューの中から、編集前の素の対話を公開するシリーズの3回目。今回は、灰野の初の電子音楽作品『天乃川』についての回想。『天乃川』は宇川直宏が主宰するインディ・レーベル〈Mom'n'DaD〉から93年にリリースされたソロ・アルバムだが、実際に録音されたのは73年だった。流行とは無関係のあの特異な作品がどのようにして作られたのか、そして制作から20年の時を経て世に出るまでの経緯について、語ってもらった。

宇川くんの〈Mom'n'DaD〉から出た『天乃川』は73年のライヴ音源ですよね。


『天乃川』

灰野敬二(以下、灰野):ロスト・アラーフがまだぎりぎり続いていた頃、京都でやったソロ・ライヴの記録だね。機材を全部一人で持って行って大変だった。昔は両方の手でそれぞれ20キロずつの荷物を現場まで持っていってたからね。ある時なんか、右の肩にサックスをかけ、背中にチェロを背負い、旧式の重いテープ・エコーなどエフェクター類とギターを手に持って移動したこともあった。

京都でやった経緯は?

灰野:確か、ダムハウス(本シリーズ第1回で紹介)で知り合った後、何度か連絡を取り合っていた人からのお誘いだったと思う。当時はジャズやブルースにどっぷりだっけど、エレクトロニクスに対する興味も強まっており、どうせだったらそれでやってみようと思ったんだ。

音を聴いただけではわからないんですが、どういう機材を使ったんですか?

灰野:実は、メインの楽器は生のアップライトピアノなの。ものすごく速い演奏をしているし、しかもディレイをかなり深くかけているから、ちょっと聴いただけではわからないと思うけど、よーく聴くと、ちゃんとピアノの音が聴こえるはずだよ。で、そのピアノの音を電子的に変調させている。ピアノの中に仕込んだ1本のマイクでは、ファズ、ファズワウ、エコー・チェンバーをかけて音をループ状にして出し、もう1本のマイクではエレクトリック・ハーモニック社のシーケンサー・アナライザーを使ってピッチを変化させた。あと、電子オルガンの基盤部分を発信機として使っているし、ヴォイスとコブラの笛(プーンギ)とリズム・マシーンの音も重ねている。
 コブラの笛からはダブル・リード付きの管が2本出ているんだけど、その1本のリードは自分でリードを削って音色を変えていた。リズム・マシーンは、昔のすごくシンプルというかチープなやつね。それのシンバルのボタンをガムテープで固定して、ずっと高速でオンにしたままでテープ・エコーをかけている。
 エレクトリック・ハーモニック社のシーケンサー・アナライザーは当時、ロスト・アラーフにちょっとだけ在籍していたベイシストに教えてもらったもので、画期的な機材だった。今中古で買うと、かなりするんじゃないかな。コントロールするのが難しいから、使っている人は当時もほとんどいなかったけど、ゴングの初期のアルバムなどでは使われてるよ。


『天乃川』

かなり手のこんだパフォーマンスだったんですね。

灰野:うん、自宅でかなり時間をかけて準備して、ライヴに臨んだからね。だんだん思い出してきた……マイクは少なくとも3本あったはず。歌っている時、なぜか足も使っていた。身体全部でやった記憶がある。もしかしたら、リズム・マシーンのガムテープがはがれないように、ずっと足で押さえつけていたのかもしれない。だから、すごくカッコ悪い体勢で演奏していたと思う。あの頃、エレクトロニクスにもっと本格的に取り組んでいたらミキサーを買ってたと思うけど、まだそこまでは行ってなかったし、なにしろ高価で、個人で宅録に使えるような手頃なものはまだなかった。だから今でも残念なんだけど、エコーのかかっていない楽器もあったんだ。もしミキサーを使って、エフェクターを全部かませていたら、音色も統一できただろうに。でも反対に、音色がばらついていたから、妙に生々しい音になったんだとも思うけどね。

非常に独創的なサウンドですよね。これが73年のソロ・ライヴの音だとは思えない。今聴いても、刺激的です。

灰野:オーレン・アンバーチも、「一体どうやってあのサウンドは作ったんだ。うちで出したい」と言って、2016年にはLPで再発してくれた。

その時のお客はどれくらいいたんですか?

灰野:10人もいなかったと思う。その企画した友達が集客してくれたから、きっと大半が彼の知り合いだったんじゃないかな。


『天乃川』で使用した電子オルガンの基盤部分

そもそもなぜ、エレクトロニクスへの興味が強まったんでしょう。何かきっかけがあったんですか? 

灰野:それはよく憶えていないんだけど…たぶん楽器屋のセールで安い機材を買ったことだったんじゃないかな。リズム・ボックスとか。

レコードは? タンジェリン・ドリームなどジャーマン・ロックとか。

灰野:その可能性もあるね。3作目の『Zeit』(72年)とか4作目『Atem』(73年) あたりは聴いていたし。あるいはシュトックハウゼンなどの現代音楽系の電子音楽とか。当時からロックだろうが現代音楽だろうが、自分の知らないものは区別なく関心を持って聴いていたからね。キーボードを入手したのは、テリー・ライリーがきっかけだった気もするな。BYG盤のGerm, Terry Riley, Pierre Mariétan『Keyboard Study 2 / Initiative 1 (+ Systèmes)』(70年) ね。当時、テリー・ライリーのアルバムで日本で手軽に入手できるのはあれしかなかった。もっとも、あのアルバムからは特に影響は受けなかったし、あまり興味もなかったけどね。

未発表音源をまとめた4枚組ボックス『魂の純愛』(95年)にも、70年代の宅録エレクトロニクス作品が収録されてましたよね。

灰野:そう、あの音源の方が『天乃川』よりも半年ぐらい前なんだ。だから、あれが俺の電子音楽の原点だね。『魂の純愛』に入っているエレクトロニクス作品を作った時は、入力レヴェルが大きすぎた上に、エフェクター類をむちゃくちゃぶち込んじゃったのでテープ・レコーダーが壊れたんだった。当時はレッド・ゾーンなんて知ったこっちゃなかったし。自宅で多重録音をやり始めたのは、そのちょっと前だったから、72年頃かな。『魂の純愛』には、クラリネットとヴァイオリンの多重録音曲も入っているし。あの頃は、発信機やテレコでどういうことができるのか、いろいろ実験していた。


『魂の純愛』

そのテープ・レコーダーというのは、カセット?

灰野:いや、もちろん家庭用のオープン・リール・レコーダーだよ。録音した音をスピーカーから流しながら、演奏を重ねていく。途中でテープ走行がおかしくなったりテープがよじれたりすると止めて、ピンチローラーを洗浄したりと、かなり大変な作業だった。だから逆に、今のエレクトロニクス機材は嫌いなんだよ。苦労しないで、簡単に音を作れるから。とは言っても、テープの切り貼りまではやらなかったけどね。あの頃もし、ロック・バンドはやーめた、となってたら本格的にエレクトロニクス音楽やっていたかもしれないね。

カセット・テープのマルチ・トラック・レコーダーを手軽に買えるようになったのは70年代末期でしたよね。

灰野:そうだね。その頃、俺も買って1年ぐらい使ってたけど、レヴェル調整とかがすごくストレスなので、すぐに使うのを止めた。ああいう作業は、俺にとってはロックじゃないし、何よりも、あの安易さが嫌だった。

『天乃川』のソロ・ライヴも、オープン・リール・レコーダーで録音したんですか?

灰野:いや、カセットだよ。70年代の半ばに一度、そのカセットを間章さんに預けたことがあった。彼がヨーロッパに行くので、何かチャンスがあるかもしれないと思って。で、彼がロンドンのヴァージン・レコード本社に行った時、たまたまクラウス・シュルツェに会ったので、そのカセットを彼に聴かせたら、ものすごく関心を持ったそうだ。彼曰く「青ざめていた」と(笑)。でも間さんはなにしろ話を盛る人だったし、ヨーロッパ滞在中にそのカセットを紛失しちゃったんだ。だから、俺の怒りをなだめるためにそんなお世辞を言ったのかもしれない。

当時は間章さんとかなり親密なつきあいだったんですよね。

灰野:そうだね。73~74年は俺はヨガに熱心で、人と会うことはほとんどなかった。それこそ、よく会っていたのは間さんぐらいだった。彼との会話は面白かったからね。月に1~2回は会っていたんじゃないかな。いつも渋谷の名曲喫茶「らんぶる」で。そういう時に、これを誰かに聴いてほしいと言って『天乃川』のカセットを渡したんだったと思う。

では、結局93年に〈Mom'n'DaD〉から『天乃川』を出す時は、音源はどこから調達したんですか?

灰野:紆余曲折あってね……間さんが無くしたと思っていたカセットは、ちょっと後に、カバンの底にあったと言って返してくれたんだけど、その後、今度は俺がフランスで盗まれたんだ。92年5月末から7月頭にかけてヨーロッパでライヴ・ツアーをやり、フランスではクリストフ・シャルルが仕切ってくれた。ヨーロッパでも関係者に聴かせたいと思って、俺はそのカセットを持って行ってたんだけど、それが入った荷物をニースで盗まれたの。8個あった荷物を全部。警察にも届けたけど、窃盗集団の仕業なので、もう出てこないと言われた。現金とパスポートだけは身につけていたから帰国できたんだけど。
 だから、その時点でマスター音源のカセットは永遠に消えたわけ。でも、その10年ほど前に、ピナコテカで1stソロ・アルバム『わたしだけ?』を作る時、ピナコテカの佐藤隆史くんが『天乃川』のカセット音源をオープン・リールにダビングしてくれたんだよ。ピナコテカから出すアルバムの候補として、最初に俺が『天乃川』を提案していたから。そのテープを佐藤くんがちゃんと保管してくれていたから、〈Mom'n'DaD〉で出せたの。

〈Mom'n'DaD〉の宇川くんには、灰野さんからアプロウチしたんですか?

灰野:いや、〈Mom'n'DaD〉からハナタラシ(92年) やマジカル・パワー・マコ(93年) が出た少し後、突然彼が「ファンです」と会いに来た。そして「灰野さん、何か出しましょうよ」と。始めは、ロスト・アラーフの〈幻野祭〉での完全版を出そうと思ったんだけど、当時俺の手元にあった〈幻野祭〉のライヴ音源は状態がイマイチで、迫力に欠けた。で、この音源のことを思い出して彼に聴かせたら「これです!」と一発で気に入った。

『天乃川』というタイトルは宇川くんがつけたんですか?

灰野:あれは作った当時から俺がつけていたものだよ。真っ暗な中にキラキラしたものが流れている感じがするから。面白いことに天の川って宇宙の川で、宇川も宇宙の川なんだよね。偶然だけど。そういう意味でも〈Mom'n'DaD〉にふさわしい。

間さんに渡し、ピナコテカの佐藤さんにも提案し、宇川くんにも聴かせたということは、灰野さん自身、この音源には20年間ずっと強い愛着があったわけですよね?

灰野:もちろん。自信作だったし、思い入れも強かった。俺は元々、レコードを作ることは好きじゃなかった。音楽は一瞬で消えるものだと言いながらもレコードを作るってのは矛盾していると思っていたから。でも、あれ(『天乃川』)だったらいいんじゃないかという気持ちが最初からあった。あと、『天乃川』があったからこそ最初の『わたしだけ?』も納得いくまで時間をかけて完成させられたのかもしれない。実際、『わたしだけ?』はジャケット写真の件で写真家の佐藤ジンさんと揉めにもめて、リリースも1年近く延び、もうやめようかなという状況にもなったしね。そういう時にも、『天乃川』が心の支えになっていたんだよ。

そういう自信作だったにもかかわらず、エレクトロニクスでの作業は、その後長いこと途絶えましたね。

灰野:ある意味、『天乃川』はフィニッシュだったんだよ。自分の中でのエレクトロニク・ミュージックとしては。近年、俺はエア・シンセを使っているけど、あれは形態の違うデジタル・サウンドだしね。センサーを使って音を出すなんて70年代当時は考えもしなかった。テルミンもオンド・マルトノも、ものすごく高価だったし。当時もしそういう楽器が手軽に入手できていたら、真っ先にやっていたかもしれないね。
 あと、『天乃川』の後エレクトロニクスを使わなくなった背景には、ヤニス・クセナキスの存在があるの。70年代に彼の電子音楽作品をいろいろ聴いて、電子音楽はもうこれでいいんじゃない? という思いが強まった。特に『ペルセポリス』は圧巻だよね。ついでに言うと、72年にEL&Pの初来日公演を観てがっかりしたこともちょっと関係あるかな。その時、キース・エマーソンはすごく高価で巨大なシンセサイザーを使っていたんだけど、そのシンセから出てくるのはピョ~ンピョ~ンみたいな、俺にとってはつまらない音ばかりで、あきれちゃったんだよね。


『わたしだけ?』
米Black Editions からの2017年再発LP

Adrian Sherwood presents Dub Sessions 2024 - ele-king

   ダブはいまや、立派にひとつのジャンルであり、それ自体が膨張する宇宙だ。近々、エレキングからはダブの創始者キング・タビーのミステリアスな人生に迫った世界初の評伝(鈴木孝弥訳)、そして、われらテクノ世代以降の、もっと広い意味でのダブのガイド本(河村祐介監修)の2冊を出すということで、ダブね、素晴らしい、大好き、いつ聴いてもほんとに最高。いや、ほんとに、これほどどんな時代に聴いてもナイスな音楽はない。家のなかでダブに浸っていたいときもあるしさ……そういうわけで、ここへ来て朗報です。最強のメンツを揃えて、シャーウッド主催のダブ・ナイト「DUB SESSIONS」が2024年も開かれる。今年は名古屋も加わり、9/12(木)梅田CLUB QUATTRO、9/13(金)名古屋ReNY limited、9/14(土)渋谷O-EASTの3公演が開催。マッシヴ・アタックの諸作でお馴染みの、エレキング的には王様のレゲエ・シンガー、ホレス・アンディと、そしてポスト・パンク時代にもっとも重要な影響を残した、これまた先駆的なダブ・バンド、クリエイション・レベルのライヴ、こんな豪華なメンツ、この先いつ見られるかわかりません。さらにシャーウッドによるDJセットも堪能できると。「あのね、お父さん/お母さんはね、あの夜、ホレス・アンディとクリエイション・レベルのライヴに行ってストーンしたんだよ」と、将来こどもに自慢できます。行詳細は下記より。

濃厚ダブセッションを再び!
ホレス・アンディ、クリエイション・レベルを擁し、
ON-U Sound DUB SESSIONS 2024開催決定!

ADRIAN SHERWOOD PRESENTS
DUB SESSIONS 2024

featuring
HORACE ANDY - live mixed by ADRIAN SHERWOOD
CREATION REBEL - live dub mixed by ADRIAN SHERWOOD
ADRIAN SHERWOOD (DJ SET)
and more

OSAKA - 09.12(THU) Umeda CLUB QUATTRO
NAGOYA - 09.13(FRI) ReNY limited
TOKYO - 09.14(SAT) O-EAST

OPEN/START 18:00 前売:8,500円(税込 / 別途1ドリンク代 / オールスタンディング) ※未就学児童入場不可

UKダブの総帥エイドリアン・シャーウッドが今年も帰って来る! 昨年アフリカン・ヘッド・チャージと共に来日し、GEZANを迎え、東京~大阪でDUB SESSION2023を開催、その直後にはDJとして札幌、岡山、新宿を回り、日本各地でDUB旋風を巻き起こしたのも記憶に新しい。しかも今回は、伝説的レゲエシンガー、ホレス・アンディと、そして更に自身のレーベル〈ON-U Sound〉の出発点とも言える伝説的バンド、クリエイション・レベルと共に日本にやって来るのだ!!

ジャマイカン・シンガーの至宝として燦然とその歴史にその名を残すホレス・アンディ。90年代以降のマッシブ・アタックにおけるボーカリストとしての特筆すべき活動も経て、レゲエ・クラシックのみならず数多くの名曲を生み出してきた伝説そのものといっていい存在だ。2022年には〈ON-U Sound〉から『Midnight Rocker』とそのダブ・アルバム『Midnight Scorchers』をリリースし、レゲエ・アルバムとしては近年まれにみる高評価を得た。

そして、クルーシャル・トニー(G)、エスキモー・フォックス(Ds)、ランキン・マグー(Perc)の3名の初期メンバーを含むクリエーション・レベル。昨年40年振りに届けられたアルバム『Hostile Environment』は、DJ Mag、The Quietus、The Wire、その他多くのメディアによって、2023年を代表する一枚として賞賛された。今年に入ると〈On-U〉の前身となるレーベル〈Hitrun〉や〈4D Rhythms〉からリリースされたアルバムを含む計5アルバムがCDとヴァイナルで再発。マニアックなファンのみならず若い音楽ファンにも70年代後期~80年代初頭の斬新なDUBの衝撃波を伝えた。

今回のジャパンツアーでは、クリエイション・レベルはバンド5人に加え3人のホーン隊の編成でライブを行い、更にはホレス・アンディがクリエイション・レベル+ホーン隊をバックに自身のセットを行いミラクル・ヴォイスを披露する。そしてライブDUBミックスは、もちろんエイドリアン・シャーウッド。更に更にエイドリアンが自身のDJセットも行いDUBを炸裂させることも忘れてはいけない。何たる奇跡の夜!こんな体験、見逃す手はない!
【TICKETS チケット詳細】
前売¥8,500(税込/別途1ドリンク代 /オールスタンディング) ※整理番号付 ※未就学児童入場不可

先行発売:
★BEATINK主催者WEB先行:5/10(fri)10:00 → [https://beatink.zaiko.io/e/dubsessions2024]

★イープラス・プレイガイド最速先行受付:5/11(sat)10:00~5/15(wed)23:59
 → [https://eplus.jp/dubsessions2024/]

[東京] イープラス・プレオーダー、LAWSONプレリクエスト:5/16~5/19
[大阪] イープラス・プレオーダー、ぴあプレリザーブ 、LAWSONプレリクエスト:5/16(木)10:00-5/20(月)23:59
QUATTRO web先行:5/18(土)12:00-5/20(月)23:59
[名古屋] イープラス・プレオーダー、ぴあプレリザーブ、LAWSONプレリクエスト:5/16(木)12:00-5/20(月)23:59

一般発売:5月25日(土)10:00~

[東京]
イープラス [https://eplus.jp/dubsessions2024/]
LAWSON TICKET (L:72365) [https://l-tike.com/dubsessions2024/]
BEATINK [https://beatink.zaiko.io/e/dubsessions2024]
INFO: BEATINK www.beatink.com

[大阪]
イープラス [https://eplus.jp/dubsessions2024/]
チケットぴあ (P:270-870) [https://w.pia.jp/t/dubsessions2024/]、LAWSON TICKET (L:53380) [https://l-tike.com/dubsessions2024/]
BEATINK [https://beatink.zaiko.io/e/dubsessions2024]
INFO: SMASH WEST 06-6535-5569 [https://smash-jpn.com/]

[名古屋]
イープラス [https://eplus.jp/dubsessions2024/]
チケットぴあ (P:270-951) [https://w.pia.jp/t/dubsessions2024/]、LAWSON TICKET (L:43138) [https://l-tike.com/dubsessions2024/]
BEATINK [https://beatink.zaiko.io/e/dubsessions2024]
INFO: JAILHOUSE 052-936-6041 www.jailhouse.jp
------------------------------------------
INFO: WWW.BEATINK.COM

label: On-U Sound / Beat Records
artist: Horace Andy
title: Midnight Rocker

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12365

TRACKLISTING:
01. This Must Be Hell
02. Easy Money
03. Safe From Harm
04. Watch Over Them
05. Materialist
06. Today Is Right Here
07. Try Love
08. Rock To Sleep
09. Careful
10. Mr Bassie
11. My Guiding Star (Bonus Track)

label: On-U Sound / Beat Records
artist: Horace Andy
title: Midnight Scorchers

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12905

TRACKLISTING
01. Come After Midnight
02. Midnight Scorcher
03. Away With The Gun And Knife
04. Dirty Money Business
05. Sleepy’s Night Cap
06. Feverish
07. Ain’t No Love In The Heart Of The City
08. Dub Guidance
09. More Bassy
10. Hell And Back
11. Carefully (Bonus Track)

label: On-U Sound
artist: Creation Rebel
title: Hostile Environment

BEATINK>COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13571

TRACKLISTING
01. Swiftly (The Right One)
02. Stonebridge Warrior
03. Under Pressure
04. That’s More Like It
05. Jubilee Clock
06. This Thinking Feeling
07. Whatever It Takes
08. Salutation Gardens
09. Crown Hill Road
10. The Peoples’ Sound (Tribute To Daddy Vego)
11. Off The Spectrum *CD Bonus Track

interview with Sofia Kourtesis - ele-king

 パンデミックを乗り越えて Outlier(アウトライアー)がようやく日本にやってくる。2020年4月に日本での初開催が予定されていたものの入国制限により中止となってしまったため、今回が本邦初である。ボノボ自身は、2022年フジロック、2023年東京大阪 2 days で来日しているが、通常の予測範囲からずれた測定値を示す「外れ値」をタイトルにいただくパーティでの登場に期待せずにはいられない。日本初の Outlier に登場するのはボノボに加えて、初来日となるケリー・リー・オーウェンス、そして今回インタヴューをする機会を得られたソフィア・コルテシス。
 各メディアから絶賛されたアルバム『Madres』が素晴らしい作品であったことに異論はないだろうが、かくいう筆者も紙版『ele-king』2023年間ベスト企画のハウス編でセレクトした。DJコーツェやアクセル・ボーマンといったプロデューサーたちがおこなってきたメランコリックでサイケデリックなハウスやテクノを受け取りながら、独自のエッセンスで捉え直したハウス・アルバムだと思う(インタヴュー中でも触れられているが、DJコーツェが彼女のヒーローだそう)。
 自身のルーツである南米ペルーの民族音楽や大衆音楽からの影響、政治的なスタンスを音楽に持ち込む姿勢、そして、彼女の家族に起きたとても困難な状況とそこからの回復といった様々な要素が『Madres』のなかに収められていることも重要なポイントだ。
 父との死別と母の罹患、絶望的な大病と奇跡のような名医との出会い、手術の成功という喜び。『Madres』がダンス・ミュージックの機能性を高いレヴェルで保ちながら、刹那的エモーショナルとは異なる、複雑で豊かな感情が音色やメロディから伝わってくるのはそういった幾層ものレイヤーが彼女自身に備わっているからかもしれない。
 このインタヴューでは、ボノボやケリー・リー・オーウェンス、Outlier をどのように捉えているか、また DJやパーティについての考え方、そしてアルバムの成功とそれに伴った環境の変化などについて質問をおこなった。

ボノボは私のヒーロー! Outlier では彼のキュレーターのスキルがすごくユニークで、ラインナップには私が大好きなアーティスト勢がいつも揃っている。

アルバム『Madres』が成功を収めたことでDJスケジュールが忙しくなったりなど、環境の変化はありますか?

ソフィア・コルテシス(Sofia Kourtesis、以下SK):ええ。ライヴ本数が増えて、世界中を旅するようになり、ライヴ会場が以前より大きくなった。いちばん嬉しいのは、アーティスト活動と並行してやっていた仕事を辞めたこと! いまはラッキーなことに、私の音楽パートナーでもあるボーイフレンドと音楽制作に専念することができて嬉しい。家族との時間を持てるようにもなって、本当に良かった。

辞めた仕事はクラブ・ブッキングの仕事ですか?

SK:うん。ドイツにあるクラブでブッキング担当をしていた。自分が好きなバンドをブッキングできて楽しかったけど、深い時間までの仕事だから、かなりハードな仕事でね。だから、デビュー後は徐々にそのブッキング仕事は減らしていって。

これまであなたがパフォーマンスをおこなった国や都市、パーティやフェスなど印象に残っているものがあれば教えて下さい。

SK:グラストンベリー・フェスティヴァルでのライヴ・セットは、いつも最高ね。私はギリシャ人とペルー人のハーフなんだけど、グラストンベリーに出演した初のペルー人だった! バルセロナで開催されたプリマヴェーラ(Primavera)では皆がシンガロングしてくれて、ホント楽しかった! それから、ベルリンのクラブ、ベルクハイン(Berghain)でのパーティは、これまでプレイしたなかでベスト・ショウのひとつだった。

ボノボのDJや彼がキュレートする Outlier、ケリー・リー・オーウェンスなど出演者についてどのようなイメージを持っていますか?

SK:ボノボは私のヒーロー! 初めて会ったのはオーストラリアで開催されたフェスだったかな。音楽スタイルが似ていることもあり、それ以降何度か同じステージでプレイすることが増えた。人間的にも素晴らしいし、彼のライヴ・セットに参加することもあって。逆に、ボノボが私のステージに参加することもある。
 Outlier では彼のキュレーターのスキルがすごくユニークで、ラインナップには私が大好きなアーティスト勢がいつも揃っている。前回の Outlier では、DJコーツェが参加していて、彼も私にとってはヒーロー的存在! ケリー・リー・オーウェンスも大好きなDJだから、間違いなく楽しい夜になるはず!

インターネット上で確認できるあなたのプレイを聴きました。新しくなるにつれて、スタイルが変化していっていると感じました。また、ミックスのなかでフックが毎回仕込まれているのも印象的です。野暮な質問なのですが、今回の Outlier ではどのようなパフォーマンスをおこなうか考えがあったりしますか?

SK:日本は勤勉な人が多くて、街のペースが速いから……ベース音を効かせた、テンポの速い、エネルギッシュなセットになる予定。それから、私の新曲を披露するから楽しみにしててね!

辞めてしまったとはいえ、ブッカーの経験も豊かだと思いますが、自身でイベントやパーティをはじめることに興味はありますか? また、共演してみたいアーティストがいれば教えて下さい。

SK:ぜひやってみたいけど、いまのところ企画する予定はナシ。というのも、今夏に新作を発表予定で、現在は自分の作品制作の方に専念しているから。でも、今年の年末にロンドンのフォノックス(Phonox)で初のレジデンシーが決定していて。共演してみたいのは、エルッカ(Elkka)。彼女のDJスタイルは私と似ているから、またぜひバック・トゥ・バックで組んでみたい。

ベース音を効かせた、テンポの速い、エネルギッシュなセットになる予定。それから、私の新曲を披露するから楽しみにしててね!

アルバム『Madres』について質問をさせてください。タイトル曲である “Madres” をはじめ、全体にポジティヴさや優しさのようなものを感じました。本作をつくることで、セルフケアをおこなう意図もあったのでしょうか?

SK:そうね。いつもメンタル面には気を使っている。『Madres』の曲作りで自分の気持ちを表現する上でときどき迷うことがあったから、精神的に不安になったときはセラピストの所に通っていた。自分のメンタル・ヘルス面に気を配ることはとても大切。

あなたの曲はどれもメロディが印象的ですが、ビートについても興味深く感じました。楽曲を作る際のドラムやベースラインに対する考え方があれば教えていただけますか?

SK:それは、曲の雰囲気による。たとえば、メロウな曲のときはあえてベルリン・テクノやハウス寄りにしないこともある。 曲の雰囲気によって、はじまりから終わりまでの楽曲展開を決めていくから。

アルバム制作時にカリブーフォー・テットに相談したそうですが、彼らはどのようなアドヴァイスをしたのでしょうか?

SK:いいバラードを50%、エネルギッシュなクラブ・バンガーを50%制作することを教えてくれた。私もそのとおりだと思うし、重要な点ね。

そのアドヴァイスは、カリブーとフォー・テットふたりとも?

SK:うん。ふたりともとても協力的で、アーティストが自分の能力を信じるようにモチヴェーションを上げてくれる。前進できるように、いつも励ましてくれるよ。

ホモフォビアに対しての抗議活動のフィールド・レコーディング、マヌ・チャオをフィーチャーした “Estación Esperanza” など、アクティヴィストとしてのあなたも作品で表現されています。戦争や紛争など、現在の世界における困難な問題について、あなたの意見はどのようなものでしょうか?

SK:活動を通して学んだ最も重要なことのひとつは、独りよがりの人が多いこと。だから、教育が非常に重要ね。特に、私たちより前の世代は、心を開いて、自分とは異なる考え方を学ぶべきだと思う。恐怖心や宗教は、ときとして最悪の敵のようになり得るから。きちんと学び、恐れを捨てて、よりオープンで、他者を理解する優しさを持つべきだと思う。いま、紛争の酷い状況を見ても、考え方が昔に逆戻りしていて、恐ろしい。正しいことを見つけ、すべてを止めようとするために、もっとオープンに話し合い、各自が学んでいく「変化」が必要ね。いま起きていることは、一歩前進するどころか後退していて……、クレイジーだと思う。

最後の質問です。今後のリリース作品や予定など教えていただけますか?

SK:2週間後に(今夏リリースの)新作が完成予定。タイトルはまだ決まっていないけど、ほぼ完成した。コミュニティへの恩返しのようなもので、音楽を中心に私たちを結びつける愛が題材。懸命に戦っている若い世代……各自が置かれたコミュニティで勇敢に立ち向かうヒーローたちに贈るアルバム。いいアルバムになると自負しているよ。

音楽的にはバラードが50%、クラブ・バンガーが50%という割合ですか? その他、今後の予定は?

SK:うん、そのとおり。今後の予定としては、日本での Outlier 出演後にグラストンベリー、プリマヴェーラやロスキレ(Roskilde)などのフェスが予定されている。

今日は、ありがとうございました。新作を聴くこと、あなたのプレイで踊ることを楽しみにしています。

SK:こちらこそ、どうもありがとう! 初来日は2009年か2010年あたりだったと思うけど、それ以降2013年までは毎年日本へ行ってて。大好きな国だから、久しぶりに日本の皆に会えるのが待ちきれない!

BONOBO主催のクラブイベント
『OUTLIER (アウトライアー)』
いよいよ来週に迫る

●気になるタイムテーブルを発表!
●当日券情報発表!
●会場限定グッズのデザイン公開!
本日よりオンライン受注受付もスタート!

アーティスト/プロデューサーとしてグラミー賞に7度ノミネートされるなど、絶大なる人気を獲得しているボノボが主宰する世界的クラブイベント、OUTLIER(アウトライアー)。主宰BONOBO(ボノボ)に加え、海外からはいずれも初来日となるKELLY LEE OWENS(ケリー・リー・オーウェンス)、SOFIA KOURTESIS(ソフィア・コルテシス)が参戦。さらに真鍋大度、食品まつり a.k.a foodman、TRAKS BOYS、SEIHO、KATIMI AI、FRANKIE $など、エキサイティングなラインナップが集結。さらにはグラフィックデザイナー/アートディレクター、YOSHIROTTENが本公演の為に特別な映像作品を制作し参加することも決定している。

会場はO-EAST~DUO~東間屋とエリアを拡張し、豪華ラインナップを配し複数ステージ同時進行で開催される他、ナチュラルワインをメインに取り扱うNEWVALLEYが厳選したナチュラルワインとおつまみを、季節の野菜を使ったフードケータリングで人気のTORATOMICANが提供するヘルシーで美味しいバインミーサンドなどを、東間屋では気の利いたお酒も味わえる。またNEWVALLEYは朝方に人気の自家焙煎コーヒーとモーニングメニューも提供する。音楽、アート、フード&ドリンクまで、とにかく朝まで楽しめるオールナイト・パーティーとなる。

イベント開催がいよいよ来週に迫り、気になるタイムテーブルとフロアマップ、会場限定Tシャツ、当日券情報を発表! Tシャツは日本限定のデザインとなり2色展開となる。本日よりBEATINKオフィシャルサイトにて、オンライン受注受付もスタート(締切は5月26日)。


https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=14085


https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=14086

BONOBO PRESENTS
OUTLIER

FEATURING:
BONOBO (DJ SET)
KELLY LEE OWENS (DJ SET)
SOFIA KOURTESIS (DJ SET)
DAITO MANABE
食品まつり a.k.a FOODMAN
FRANKIE $
KATIMI AI
SEIHO
TRAKS BOYS
YOSHIROTTEN (Video Art)

VJs (at DUO):
Kazufumi Shibuya, Sogen Handa,
Yuma Matsuoka, Yuta Okuyama, 91u5

FOOD&DRINK:
NEWVALLEY (Natural wine & Food)
TORATOMICAN (Food)

公演日:2024年5月18日(土)
会場:O-EAST + DUO + AZUMAYA
OPEN/START:21:00 (オールナイト公演)
前売:¥7,200(税込)
当日券:¥8,000 (21:00より販売)
※整理番号無し
※入場時に別途1ドリンク代 ¥700
※20歳未満入場不可。入場時にIDチェック有り。必ず写真付き身分証をご持参ください。

INFO: BEATINK [ www.beatink.com] / info@beatink.com
主催・企画制作:BEATINK / SHIBUYA TELEVISION

[TICKETS]
●イープラス [ https://eplus.jp/outlier/]
●ローソンチケット[ https://l-tike.com/outlier/]
●BEATINK [ https://beatink.zaiko.io/e/outliertokyo/]

店頭販売:
●HMV record shop 渋谷
●Lighthouse Records
●ディスクユニオン渋谷クラブミュージックショップ
●ディスクユニオン下北沢クラブミュージックショップ
●ディスクユニオン新宿ソウル・ダンスミュージックショップ

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OUTLIERキャンペーン
OUTLIERの日本初上陸を記念して、4月26日より出演者の人気タイトルを対象にしたキャンペーンの開催中! 期間中にキャンペーン開催店舗にて対象商品を購入すると先着特典として『OUTLIER』ステッカーをプレゼント! ロンドンの大型会場Drumshedsにて開催された『OUTLIER』ロンドン公演にて販売されたOUTLIER Tシャツが発売が購入できる。


【Tシャツ取扱い店舗】
タワーレコード渋谷店 / HMV record shop渋谷店 / ディスクユニオン渋谷クラブミュージックショップ
上記店補ではOUTLIERトートやポスターなどが当たる店頭抽選も実施中!

【キャンペーン詳細】
キャンぺーン開催店舗にて対象商品をご購入いただくと先着で特典ステッカーをプレゼント!
キャンペーン詳細はこちら↓
BEATINK.COM / BONOBO PRESENTS OUTLIER TOKYO
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13934

 レコード店〈LOS APSON?〉の開店30周年記念イベントが開催されることになった。その第一弾はラテン・シンガー、YOSHIRO広石と、横浜のプロデューサー LUVRAW(鶴岡龍)によるスプリット7インチのリリース・パーティで、7月3日、渋谷WWWにて開催。双方のライヴに加え、DJには画家の五木田智央、COMPUMA、店主ヤマベケイジ、そして思い出野郎Aチームのサモハンキンポーを、PAには内田直之を迎える。夏本番の直前、濃い時間を楽しみましょう。

イマジネーション武闘派なセレクトレコードショップ〈ロスアプソン〉の開店30周年記念イベント第一弾!
YOSHIRO広石と鶴岡龍 a.k.a. LUVRAWの競演ライブに、五木田智央×COMPUMA×ヤマベケイジの闘魂DJパーティー「GOLD DAMAGE」をフィーチャーして、遂にゴング鳴る!!!

2022年の秋にLOS APSON?とMAD LOVE RecordsのWネームでマジカル瞬間的に世に送り出した、YOSHIRO広石『それぞれの存在~Minority Pride』とLUVRAW『ANATATO』のスプリット7インチEPのリリースパーティーを、LOS APSON?の開店30周年記念イベントのひとつとして、渋谷WWWにて開催いたします!!!

御年84歳になられる、世界を驚かせた伝説の日本人ラテン歌手YOSHIRO広石と、当店の2018年間ベストでも第1位に選出済みのLOVEヴァイブ策士LUVRAWこと鶴岡龍の、それぞれのスペシャルバンドライブをメインに、画家である五木田智央、DJや音楽制作等で精力的に活動を続けるCOMPUMA、そしてLOS APSON?店主・ヤマベケイジの三人のゴルダメコアメンバーに、思い出野郎Aチームのメンバーであり、MAD LOVE Recordsの運営と、YOSHIRO広石の自伝本を刊行した焚書舎も主宰するサモハンキンポーをゲストDJとして投入して、久しぶりの復活となる「GOLD DAMAGE」をフィーチャーし、更にPA担当に内田直之を迎えて心地良い音場を作って頂き、LOVE♥桃源郷を目指します!?

どなた様もお誘い合わせの上、このレアな機会をお楽しみ下さいませ。
(山辺圭司/LOS APSON?)

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公演タイトル:
LOS APSON? 30TH ANNIVERSARY Presents YOSHIROとLUVRAW with GOLD DAMAGE
出演:
〈LIVE〉YOSHIRO広石/鶴岡龍
〈DJ〉五木田智央/COMPUMA/ヤマベケイジ/サモハンキンポー
〈PA〉内田直之
日時:2024年7月3日(水曜日)開場/開演 18:00
会場:WWW
前売券(2024年5月8日(水曜日)18:00発売):3,300円(税込・ドリンク代別)
前売券取扱箇所:イープラス< https://eplus.jp/losapson?/ >、LOS APSON?店頭
問い合わせ先:WWW 03-5458-7685

great area - ele-king

 類は友を呼び、謎が謎を引き寄せる。いくつかのヒントが表にあって、それが時に重なり時に離れて間にあるものを浮かび上がらせる。アウトプットに絡まる気配、そんな謎のフレーバーが音楽を面白くするのだ。我々はそれを求め、追いかけ常に未知なる何かに心を奪われている。そんなことをずっと繰り返している。
 かつてそんな存在の象徴であって今なおミステリアスな香りをふりまいている女性、ディーン・ブラント・アンド・インガ・コープランドのインガ・コープランド、現在ロリーナという名義で活動している彼女のレーベル〈Relaxin Records〉に所属するグレート・エリアもまさしくそんな存在だ。ディーン・ブラント周辺の音楽がリリースされる度に、もしやこれはディーン・ブラントの別名義なのではと疑ってかかってしまうように、最初にグレート・エリアの音楽を聞いた時にロリーナが始めた新しいプロジェクトなのではという考えが頭によぎった。打ち込まれた小さく広がる空間にメランコリックなシンセサイザーの音が鳴り、それを背にして生のベースが弾かれる。所在なくつぶやかれるヴォーカルはロリーナの鼻にかかったクセのある声とは少し違っていたが、そこに漂う空気は同じように素晴らしく、ひんやりとした生々しさが心をつかんで離さなかった。2022年の年末にリリースされたEP「Follow Your Nature」にどの程度ロリーナが関わっているのかはわからないが、彼女のレーベルからリリースされたそれは新たな謎と始まりを感じさせるものだった。

 その後グレート・エリアは23年にコンピレーションに収められた“Find Out Who Is Winning And Why” をリリースする。虚無感とやるせなさを表現したようなこの曲もまた素晴らしく次の展開が今か今かと待たれた。
 そうしてついに今年24年にデビューアルバム RR7『Light Decline』がリリースされたのだ(最初のアナウンスから1ヶ月も経たないうちのリリース、このスピード感もいかにもな感じだ)。アートワークはグレート・エリア、ミックスはローリナ・リラキシンというEPと同じ体制で作られたこのアルバムを聞いて感じるのはやはりその余白の素晴らしさだ。サンプリングで作られた土台と、弾かれるベースの間に広がる時間と空間、その重なりの中に生まれた隙間に打ちひしがれたちいさな虚無とかすかな希望が宿る。それは情報過多の現代から距離をとるようなものにも感じられるが、しかし同時に俗っぽさも併せ持っている。手の届かない高みにあるものではなく、手のひらからこぼれ落ちるような日常の、心の中の空白地帯、その小さな隙間をグレート・エリアは浮かび上がらせるのだ。
 タイトル・トラック “light decline"で始まるこのアルバムはサンプルに彩られミニマムにまとめられている。全ての曲は3分に満たず、2分台の曲が6つとそこに加わるには10秒ほど足らない曲が一つ、計7曲16分のアルバムはだが決して物足りなさを感じさせことはない。ここにはせき立てられるよなビートもなければ頭を殴りつけられるような刺激もない。存在するのは空気の色を映すようなサンプリングにシンセ、ゆるやかに進むベース、ドラムマシン、そして虚無と希望の間で揺れるロウソクのような彼女の声だ。淡々とそれでいてメロディアスで、その組み合わせが心を静かに揺らしていく。気にかけて手を伸ばした瞬間に消えていくような、暗い色をまとった鮮やかな魔法、儚さや美しさ、同じトーンで進んでいく曲たちはまるでどこか遠い場所で撮られた短編映画のシーンのように機能する。虚無感に包まれたブロードキャストのような “fun”、インガ・コープランドの気配を色濃く感じる ”the laws of physics” が重なり合うように繋がって一つのイメージが描き出されていく。シンセとベースで不安に揺れる”hazards”が頭の中に引きずり続けるような気配を残し、発掘された90年代のバンドのラフなデモ・テープのような”if you stop moving you don't exist, if you fall behind you're dead” がそこにまた違ったタッチを加えていく。そんな風にして狭い部屋に響くこの小さな音楽はしんみりと深い余韻を残すのだ。

 余談になるがこのアルバムのリリースがアナウンスされた時期にグレート・エリアはバー・イタリアのサポートで北米ツアーを一緒に回っていた。ディーン・ブラントの気配をまとったミステリアスなバー・イタリアとインガ・コープランドの雰囲気を感じさせる謎の存在グレート・エリアの組み合わせはいま、考えうる最高の組み合わせではないだろうか。それが実現されたツアーにおいてグレート・エリアはロンドンのヴィジュアル・アーティスト、ジョージー・ネッテルのプロジェクトではないかとまことしやかにささやかれ、僕らはそうして2010年の〈Upset The Rhythm〉、プラグというユニットに辿り着くのだ。そうやって謎が謎を呼び、少しずつ解き明かされ過去と未来が繋がっていく(もしかしたら文脈というのはこのようにでき上がっていくものなのかもしれない)。

 虚無と希望が同時に存在するグレート・エリアの音楽は結局、その余白に何を見出すかなのだろう。受け取り、考えることを委ねられた感覚こそがポップ・ミュージックとその周辺の文化の素晴らしさだと自分は思う(そうやって受け継がれ、数年経って答えが出る)。とにもかくにももの悲しく心を揺らす、グレート・エリアは最高だ。

Kavain Wayne Space & XT - ele-king

 ジャズが、ことにビバップと呼ばれる音楽が小綺麗な室内の舞台ではなく、ときには俗悪なナイトクラブの夜の営みにおいて、酔っぱらった客を満足させ、あるいは自らの欲望を満たすことで研磨されていったというなら、それがやがて即興へと、そしてたとえば欧州に渡りインプロヴィゼーションとして発展していったとき、ある種性的な衝動や名状しがたい欲望が隠蔽され、何か高尚なものの下位へとすり替えられていったというのは、いくらなんでも言い過ぎだ。むしろ率先して、ジャズの背後にあった猥雑さや悪徳から離れていったことで生まれた遺産の多くをすでに我々は知っている。

 しかしながらシカゴのフットワークの、その原点にある衝動、その爆発力に関してはどうだろうか。まずないことだが、進歩人諸氏は、90年代半ばの〈ダンス・マニア〉というレーベルから出ている12インチを気紛れで買ったりしないことだ。ゲットー・ハウス、その数年後にはジュークとも呼ばれるシカゴのアンダーグラウンド・ダンス・ミュージックは、不適切極まりのないエネルギーが充満している。「ち●●」や「●●こ」のオンパレードなのだから、これはもうけしからんです。とはいえ、もういちど考えるのもいいかもしれない。2010年代において、ローカルは消滅し、文化が減速したと言われながら、ほとんど唯一といってくらいに革新的と言われた音楽スタイルがどれほど猥雑なところから生まれたのかを。

 RPブーという、House-O-Maticsなるシカゴの伝説的ダンサー・チームの元メンバーにして、90年代末にはフットワークの青写真を作ったDJ/プロデューサーが、英国人ふたりのインプロヴァイザー、サックス奏者のシーモア・ライトとドラマーのポール・アボットと共演したライヴ音源(しかも最初のセッションは2018年だった)があると聞いて、警戒をもって接している人間がここにいることは、もう充分にご理解いただけたことだろう。もちろん嬉しさもある。それは、フットワークの可能性が広がっているかもしれないという期待、もうひとつは、たとえばハウス・ミュージックが発展していったうえで、AOR的な展開をしたときのつまらなさを知っている人間からすると、この組み合わせに興味をそそられるのもたしかだ。また、こんにちではインプロヴィゼーションと括られる音楽が、ともすれば鼻につくような、お高くとまった世界で完結しているとしたなら、これは良い薬だ。ぼくも一緒に恍惚となれるかもしれない。

 言うまでもないことだが、この演奏でキーになるのはRPブーだ。シカゴのフットワークのあのビートは音符だけで表現できるものではない。EQを深くかけた裏拍子のクラップ、スネア、ハーフタイムのリズム、そしてサンプリングの容赦ない反復——、あまりにも特徴的なこのダンス・ミュージックの魅力をシーモア・ライトとポール・アボットはある程度は尊重しながらも逸脱させ、その混沌を抽出し、破壊的な音楽へと舵を取ろうとしている。2曲目、とくにその後半からがまったく素晴らしい。もしこのメンバーのなかに政治的なアジテイターがいようものなら、ザ・ポップ・グループもしくはザ・マフィアのパンク・ファンク・ダブの更新版と呼びたいところだ。最近では、ジャズとエレクトロニック・ダンス・ミュージックとの共演に関してはコメット・イズ・カミングが評判だが、自分の好みで言えば、まったくもってRPブーたちのこれだ。作品化されたことに感謝したい。

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