「K Á R Y Y N」と一致するもの

interview with Phil Parnell - ele-king


Phil Parnell Trio(pp3)
Blue

Pヴァイン E王

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Phil Parnell
Ambient Jazz Electronic -Romance & Ruse-

Pヴァイン

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 フィル・パーネルがどれだけ型破りなジャズ・ピアニストであるのかは、彼のバイオグラフィーを見れば一目瞭然だ。20代からジャズの故郷ニューオリンズのホテルやジャズ・クラブで演奏を続け、アストラッド・ジルベルトやボ・ディトリーなど著名な音楽家のバックのために世界をまわっていかたと思えば、マシュー・ハーバートの重要なパートナーとして数々の作品や舞台でピアノを弾き、そして〈パーロン〉〈アクシデンタル〉〈マンティス〉といったテクノ/ハウスのレーベルからもソロ作品を発表している......彼はいわゆるクラブ系の"jazzy"な人ではなく真っ当な"jazz"の演奏家だが、懐古的なスタイルでは飽きたらず、ジャズにおけるポストモダンを探索するひとりでもある。
 この度〈Pヴァイン〉からフィル・パーネルの2枚のアルバムがリリースされる。1枚は、フィル・パーネル・トリオ(pp3)名義による『ブルー』。ハーバートのカヴァー曲にはじまり、彼らの8曲のオリジナル曲を経て、セロニアス・モンクのカヴァーで幕を閉じるこのアルバムは、いま現在彼が拠点としているデンマークで録音されている。pp3は、ふたりのデンマークのジャズ・ミュージシャン(ベースのトーベン・ビョーンスコウとドラムのエスペン・ラウブ)とのプロジェクトで、ジャズの伝統的な構成だが、ライナーに記されているように「しかしながら絶妙なバランスでエレクトロニクスを操る彼の音楽は、一般的なジャズ・トリオとは一線を画す。ビョークがポップ・ミュージックと戯れるような方法で、彼はジャズと戯れる」のである。『ブルー』は昨年、ヨーロッパでリリースされている。
 もう1枚は、フィル・パーネル名義による『アンビエント・ジャズ・エレクトロニック――ロマンス&ルース』、彼のエレクトロニクスが『ブルー』よりも前面に出ている作品で、"アンビエント・ジャズ"という言葉が相応しい音楽が展開されている。実はこのアルバムは今年の春にUKの会社の配信のみのリリースだったので、今回が初めてのCDリリースになる。アートワークに使われているイラストは、ロンドン時代にフィル・パーネルと個人的に親交のあった赤塚りえ子さんが手掛けている。また、UKのベテランのハウスDJ、チャールズ・ウェブスターが2曲のリミックスを提供している。
 『ブルー』も『アンビエント・ジャズ・エレクトロニック』もどちらも豊かなアルバムだ。さまざまな試みが曲ごとにはっきりとある。と同時に、このメロウでドリーミーで、そして優しくエレガントな響きの背後からは、上昇と下降、予感、喜び、悲嘆、怒り、愛の絶望、そして愛の損失......が聴こえるだろう。ライナーノートに記されているように「そこでわたしたちは美に触れ、静けさを味わい、胸をかき乱され、魅了される」のである。

どんな音楽スタイルのなかにも良いものそして悪いものがあります。創造的なものがあり、物真似もあります。ハイエナジーで静かなものもあれば、空っぽでラウドなものあります。きれいな音楽が人を嫌な気持ちにさせることもあります。ラウドで怒ったような音楽が希望を感じさせることもあります。

『ブルー』も『アンビエント・ジャズ・エレクトロニカ』もそれぞれスタイルは違いますが、ともに感動的なアルバムだと思いました。美しくメロウなだけではなく、心が揺さぶられるような音楽です。ようやくこの2枚が日本でもリリースされて嬉しく思います。最近はどんな活動をされているのですか?

パーネル:最近は新しいピアノ・スタイルのCDに取り掛かっています。頭のなかには聴こえているけれど、まだ実際にプレイできないんです。なので、うまく弾けるように新しい練習をしているところです。そうしたら自分の聴こえた音が弾けますからね。新しい曲のアイディアがこうしているあいだにどんどん湧いてきて、練習しているときにハマっているアイディアを試しながら録音しているんです。いま入れ込んでるアイディアがたくさんあって、どのように発展させ、そして切っていくか決めています。ここ何年かはブラジルの音楽とリズムにはまっていて、ピアノをドラムセットや鉄琴のように使っていこうとしています。

日本に関する思い出はありますか?

パーネル:いままで3回日本に行ったのですが、とても良い思い出があります。いちばん最初の来日は、1990年か1989年だったと思います。ニューオリンズ・バンドのメンバーとして釧路に1週間ぐらい滞在しました。そのなかの1日は街のお祭りのパレードで、大きなトラックに乗って演奏し、私たちは日本のコスチュームを着ました。最初の曲が終わったあと電子ピアノが壊れたので、演奏をストップして音がなくなりました。私は「ああ、ギグは終わってしまったんだな」と思って、ビールを開けました。10分後、電子ピアノを頭の上に乗せたふたりの男の人が、オーディエンスのなかに見え、自分たちのトラックに近づいてきました。世界中でこんなことが起こる場所は多くはありません。日本人は最優先すべきことに最善を尽くしています。だって考えて下さい、楽器屋はその時間には閉まっていただろうし、どうしたら彼らはこんなにもすぐにピアノが用意できたのでしょう。それはそれは深く感動しました。

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10代の頃はよく車でドライヴをしていました。ミシシッピ河川堤防や湖に行ったり、カフェや映画やパーティに行ったり......その頃は、実際のところ私は車に住んでいました。夜に何度か空港にいったとき、元滑走路があった場所をバックで運転し、その滑走路の最後まで行って、そこに寝転んで、飛行機が降りて来るのを見上げていたりしました。

まずはあなたのバイオ的なことを訊かせてください。

パーネル:いいですよ。

日本のリスナーは、フィル・パーネルといえばまずはマシュー・ハーバートの諸作品(『ボディリー・ファンクションズ』(2001)、ビッグバンドでの『グッドバイ・スウィングタイム』(2003)、『スケール』(2006)などなど)でピアノを弾いていたり、作曲にも関わっているジャズ・ピアニストという認識で、ひょっとしたらテクノのリスナーにとっては〈パーロン〉や〈アクシデンタル〉からもソロ作品を出している人、ハウスのリスナーには〈マンティス〉からアルバムを出している人という認識かもしれません。しかし、あなた自身の最初のキャリアは伝統的なジャズにあります。ニューオリンズで思春期を過ごしたあなたの最初のジャズ体験から教えてください。どうしてあなたはそんなにジャズの虜になったのでしょう?

パーネル:1971年頃、私は友だちといっしょに中古車を見に行きました。古い黄色のvw bugです。友だちと家の戸口に立ってクルマについて話していると、別の部屋から、サックスの音が聴こえてきました。ぼくはクルマを売っていた人に「このレコードは誰のですか?」と訊ました。それはジョン・コルトレーンだったのですが、これで私は最初のコルトレーンのレコードを買いました。コンピレーションでした。それは私の人生を変え、ジャズへの情熱とインスピレーションの出発点になりました。

とくに影響を受けたジャズ・ピアニストは誰で、どのような影響を受けましたか?

パーネル:それは難しい質問です。ひとつに絞り込むことはできません。私はピアニストだけでなくギタリスト、ヴォーカリスト、ドラマーにも影響力を受けています。私のプレイを分析すると、ひとつはオスカー・ピーターソン、ひとつはアマッド・ジャマル、ひとつはチック・コリア、さらにファッツ・ウォラー、ジェイムス・ブッカーから基本的なアイデアを得ていますが、リストにするのは長すぎます。影響をうけたのも同じで、ある部分は、エロール・ガナーから、他はハービー・ハンコック、さらにマッコイ・タイナー、アート・タットム、フィニース・ニューボン、プロフェッサー・ロングヘア、ジェリー・ロール・モートン......などです。

10代で、エリス・マルサリス(ブランフォード・マルサリスとウィントン・マルサリスの父)のもとで学んだそうですが、その経緯を教えてください。

パーネル:私はエリスと勉強をはじめた、ピアノの先生について勉強していましたので、私自身もエリスに教えてもらえないかという考えが浮かびました。そのときはブギー・ブルース・パターンを勉強していて、ジャズはプレイできなかったので怖かったのですが......。きっと彼は「あー、またブルースをプレイしたい田舎の白人キッズが来たのか」と思ったことでしょう。
 ある日私は『ジャイアント・ステップ』のジョン・コルトレーンのソロをコピーしようと決めました。コーラス部分はいくつか習得し、その週にエリスのレッスンを受けました。彼は私の努力に大変感心してくれました。彼にとってそれは、私ができると思った範囲以上のことだったようです。彼はこのあと私にもっと興味を持つようになりました。
 彼から学んだのは彼が喋った言葉ではありません。最初の頃のレッスンで、彼のためにプレイしていたところ、曲が終わる前にいびきが聞こえました。私は彼を眠らせてしまったのです。これはとても大切なレッスンでした。彼には5人の子供がいてふたつの仕事をしているので、ただたんに疲れていたのかもしれません。でもこれのおかげで、僕はもっと良い、面白い演奏をしなければならないと思うようになりました。
 エリスは私を助けてくれ、バークリーに行くことを提案してくれました。去年、ニューオリンズにいるときに彼に会いました。喜ばしいことに彼は私を座らせると曲を演奏するよう僕に言ってくれましたよ。

バークレーに進学して本格的にジャズを学びますが、どのような生徒でしたか?

パーネル:私が通ったのはボストンのバークリー音楽大学です。バークリーは良かったです。ミュージシャンになりたいなら、もっと努力しないとダメだと、 私を目覚めさせてくれました。そこはたくさんの若い良いプレイヤーがいて、そのレヴェルの高さに恐れを抱いていました。
 私は良い生徒でした。上手くなりたかったのでいつも練習していました。2年しかいなかったのですが、あとから考えると良かったと思います。ひとつ悪いところを言いましょうか。ちょっと工場みたいに、バークリーの卒業生は教育された音ばかりをプレイしがちだということです。即興演奏を習っているにかかわらず、学んだパターンから自由になれず、理論から離れられないのです。私も自身の演奏から身につけた悪いくせを直すのにずいぶん苦労しましたよ。"バークリー・サウンド"を打破するのに数年かかかりました。
 それと自分が音楽都市、ニューオリンズ出身であることをあらためてたいへん幸運に思えるようになりました。ボストンの音楽シーンはとても小さくて、ラフなニューオリンズの観客に比べると、リスナーのほうでもわりと「これはやっていけない」という禁止ごとが多かったですからね。

卒業してニューオリンズに戻り、そこでプロのジャズ・ピアニストとしての活動をはじめますよね。ニューオリンズはそれこそ優秀なジャズ・プレイヤーが数多くいるように思いますが、最初、あなたはどんな風な活動をしいていたのですか?

パーネル:ラッキーなことに、その頃のニューオリンズにはたくさんの仕事があったのです。「スウェット・ショップ・バンド」というバーボン・ストリートの観光客向けの場所で、すぐに仕事をするようになりました。1日に5時間、45分セット、15分休憩で、"セインツ・ゴー・マーチング"をいつもセットの終わりにプレイしました。ときどき1日に2セットすることもありました。かなり自分の耳を使い、古い曲を何曲も学ばなければなりませんでした。
 はじめたときは、どの曲も知らなかったので難しかったですが、いったん習得するとプロのプレイヤーたちから他に良い支払いのギグを紹介してもらえるようになりました。そしてそこでプレイするように呼ばれるようになりました。ニューオリンズは小さな町ですが、大きな音楽シーンがあります。演奏が良かったり、良くなかったりすると、すぐに噂は広まります。もしあなたが良い演奏者ならたくさん仕事がきますよ。

ニューオリンズ時代の良い思い出を教えてください。

パーネル:たくさんあり過ぎます。多くのバンドや素晴らしいミュージシャンとのギグ、マルディ・グラス、フェスティヴァル、パーティ、クラブ、レストラン......どこからスタートしたら良いかな。
 10代の頃はよく車でドライヴをしていました。ミシシッピ河川堤防や湖に行ったり、カフェや映画やパーティに行ったり......その頃は、実際のところ私は車に住んでいました。夜に何度か空港にいったとき、元滑走路があった場所をバックで運転し、その滑走路の最後まで行って、そこに寝転んで、飛行機が降りて来るのを見上げていたりしました。いま考えるとおかしいですよね。大きなジェット機が私たちの数メーター先にあったのですから。

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マシューは、私のことをニューオリンズのピアニストから聞いて、レッスンを受けれないかと電話をかけてきたんです。私は彼とエレクトロニック・ミュージックの作曲とサンプリングのレッスンを交換すること承諾しました。彼に出会えて、新しい音楽のアイディアと音が見つけることができてとても嬉しかったし、マシューは私の生活を音楽的にも政治的にもいろんな方向で変えてくれました。

すでにジャズ・ピアニストとして著名なアーティストのバックを務めていたあなたが90年代末にロンドンに渡った理由を教えてください。

パーネル:長い話なのですが、手短に話しますね。私はロンドンの人と結婚したので、そこに引っ越す機会がありました。ニューオリンズは素晴らしい町ですが、小さな町です。私は何年ものあいだ、たくさんのミュージシャンと仕事をしてきて、新しい音楽体験や新しい生活など、もっといろんな物を探していました。
 ヨーロッパにはツアーで何度か行ったことがあって、私はとても好きでした。もし縁があったら日本やオーストラリアにも簡単に引っ越していたことでしょう。私は自分が音楽を演奏できるのならどこでもいいんです。あるとき私はニューオリンズはもうどこにも進まないんだと悟りました。そこは帰ってくるといつも同じなのです。もっとも最近では、天気やハリケーン、汚職政治家と軍などの影響で、仮にあのときロンドンに行ってなかったとしても私がニューオリンズにいたかどうか疑わしいですけどね。

マシュー・ハーバートとの出会いはどんなでしたか?

パーネル:彼は私の友だちが働いていたスタジオで音のカットをしていました。当時のマシューは、エンジニアのひとりにジャズ・ピアノを習いたいと言っていていました。そして私のことをニューオリンズのピアニストから聞いて、レッスンを受けれないかと電話をかけてきたんです(笑)。私は彼とエレクトロニック・ミュージックの作曲とサンプリングのレッスンを交換すること承諾しました。彼に出会えて、新しい音楽のアイディアと音が見つけることができてとても嬉しかったし、マシューは私の生活を音楽的にも政治的にも、いろんな方向で変えてくれました。
 1996年に、私はすでにいろんなことに気付いていました。たとえばTVを観ない、ファストフードは食べない、コカ・コーラは飲まない。他に方法が無い限りクレジットカードも使いませんでした。余裕があれば、できる限りオーガニック・フードを買うようにして、つねに食事をゼロから料理していました。
 そしてマシューに会って、私たちがいま生きているこのシステムというものは、たんに社会や政治をメチャクチャにするだけだとさらに思い知りました。私はいまでもたくさんのショッキングや信じられないことを発見しています。人びとは何が起こっているのか知るには生活が忙しすぎます。マシューは、私たちがミュージシャンであるからこその使える機会の大切さを教えてくれました。音楽家は旅をして、人に会って、巨大な企業犯罪、奴隷制度、汚染、世界中の不正や腐敗についての注意を喚起することができるのです。

あなたのような正統的なジャズ・アーティストが、ハーバートのようなサンプリング・ミュージックに惹かれることは稀だと思うのですが、あなたはハーバートのどんなところが気に入りましたか?

パーネル:マシューの音楽は新鮮で、神秘的、危険で、ときどき度を超えていました。新しい境界線を探し、他の何よりも違う音で、それが私にとって彼の好きなところでした。さらに彼は、音楽によって政治問題に取り組もうとし、怒りという感情の重要性と壊れたシステムに服従しないことを気づかせようとしました。

教育を受けた多くのジャズ・プレイヤーは、昔ながらのモダン・ジャズの痕跡をなぞりたがるものですが、あなたはどうしてエレクトロニック・ミュージックのほうに積極的になれたのでしょうか?

パーネル:子供のときのいちばんの友だちのお兄さんがすごい数のレコードコレクションをもっていたのです。彼はすべてを買って聴いていて、変なモノでも良いモノでも、すべての音楽を私に教えてくれました。絶頂期のフランク・ザッパ、ブライアン・イーノ、プロコル・ハルム、ジョン・ケージ、ブラック・サバス、ジミ・ヘンドリックス......その他、名前はすべて覚えていませんが、60年代後期から70年代初期の不明瞭な音楽をたくさん聴かせてくれました。また私はチック・コリアやハービー・ハンコック、ジョー・ザウィヌルにはまっていたので、エクスペリメンタルやエレクトリック・ミュージックは、まったく知らないというわけではありませんでした。ストレンジ・ミュージックも、音楽への違うアプローチも好きなのです。

〈パーロン〉や〈アクシデンタル〉からのソロ作品は、あなたにとってどんな意味がありましたか?

パーネル:家具職人が見たら木工学校の学生が作ったイスに見えるでしょうかね(笑)。端のまわりが少し荒く、少し不安定、カットは完璧で無いですね。音楽は学習過程で、私がいままでのレコーディングはほとんど音は良いのですが、私はさらに成長して、時間が経っても良いミュージシャンでありたいと思っています。なので過去のレコーディングに対してはどうしても批判的な傾向があります。

あなたはクラブ・ミュージックを楽しんでいましいたよね?

パーネル:私はすべての音楽が好きですが、どんな音楽スタイルのなかにも良いものそして悪いものがあります。創造的なものがあり、物真似もあります。ハイエナジーで静かなものもあれば、空っぽでラウドなものあります。きれいな音楽が人を嫌な気持ちにさせることもあります。ラウドで怒ったような音楽が希望を感じさせることもあります。しかし、よい瞬間が起こる前には退屈な長い待ち時間がある人生のように、音楽はみんなに違うように語りかけます。

pp3を結成した経緯を教えてください。

パーネル:私たちは7年前のリリアン・ブッティのデンマーク・ツアーで一緒に演奏をはじめました(いまでも1年ごとにやっています)。私たちは互いにプレイヤーとして、リズム・セクションとして、楽しく演奏することができました。すぐにいっしょにレコーディングして、そしてバンドになりました。『ブルー』はpp3にとってセカンド・アルバムなのですが、私たちはパート・タイム・バンドです。メンバーはそれぞれ他にもいろいろすることがありますからね。もちろん、もっともっとpp3をする時間が増えたら良いと思っています。私たちは良いコミュニケーションを持っているし、演奏中に魔法の瞬間がありますから。

このバンドのコンセプトは何でしょうか?

パーネル:集合的な即興をブレンドし、私たちが"瞬間"を感じるところに音楽を持っていくものです。私たちは演奏しているときに互いのアイディアを出し合って、音楽の行き先を発展させ、変えていきます。予測不能な演奏です。
 これが起こるとき、私たちはまるでリハーサルをしたかのように(実際はしていないのですが)、互いの音が最高にあっているのです。また、色とテクスチャーとして電子音を加えるのも好きです。トーベンとエスペンといっしょに仕事ができるのは光栄です。彼らは演奏者としてもかなりのハイ・レヴェルで、すべての音をいろんなスタイルで良くすることができます。

長いロンドン生活を経て、最近あなたがデンマークに移住した理由を教えてください。

パーネル:デンマークは人口550万人の小さい国です。ロンドンは1500万人います。社会主義的な裕福な国で、ほとんどの人が余裕のある生活を送っています。ゆえに犯罪はほとんどないのです。無料の教育システム、健康保険、高額の労働最低賃金などがあり、人びとはより教育され、アメリカやイギリスなどに比べて絶望感は少ないと感じています。
 ここに初めて来たとき、デンマークの人が窓のブラインドを開けて家を出ることに私はショックを受けました。家のなかが丸見えになるのですから、これをニューオリンズやロンドンでするとすぐに泥棒にやられます。これだけが理由では無いのですが......。私は美しく誠実で、正直で、非物質主義的で、地に足のついた素敵な女性に出会いました。彼女には5人の美しい子供と2匹のネコと1匹の犬がいるのですが、彼女は私を上品に招いてくれました。デンマークで、彼女と生活を共有することができました。私は幸運な男です。

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音は、言葉では表せないところで、精神的に語りかけます。それは野生の動物を和らげるばかりか、水でさえ音楽の影響をうけ、凍って氷晶になって、写真を撮られるようになります。私たちは嬉しいときに歌うし、すべての希望を失ったときにも歌います。


Phil Parnell Trio(pp3)
Blue

Pヴァイン E王

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Phil Parnell
Ambient Jazz Electronic -Romance & Ruse-

Pヴァイン

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『ブルー』はとても美しいアルバムですね。このアルバムにおける重要なテーマについて教えてください。

パーネル:新しい道を選択や成長の過程に関する苦しみと喜び、再生成と変化に関する作品です。

あなたがこのアルバムのために書いたカラー・チャートは何を意味しているのでしょうか?

パーネル:それは一般的な、人生の変化のさまざまな様相を示しています。たくさんの色の陰は人生に関連しています。私は物に関して知識を得ることが好きなのです。もし私が自分のアルバムを「blue」=青と付けたら、「青」に関して知りたくなります。青に関する引用、 青の色合い、象徴するもの、本、ペインティング......青の色合いや、色合いの名前を示すことができるたら楽しいでしょう。

pp3のみんなはマシュー・ハーバート・ビッグ・バンドのセカンド・アルバム『There's Me And There's You』(2008)にも参加していますよね。

パーネル:はい、私たち3人がアルバムとそのツアーをいっしょにできたことはとても光栄で、私たち全員にとって夢みたいな経験でした。

『アンビエント・ジャズ・エレクトロニカ』には「Romance & Ruse」というサブタイトルがありますが、この言葉の意味するところを答えてもらえますか?

パーネル:ロマンス=愛に関する興奮と神秘的な感情。刺激的で愉快な情事。感傷的か理想化された、愛との取り引きの本や映画。そのような方法での愛との取引のフィクションのジャンル。日常生活から逃避、神秘的、興奮の感覚や質。野生の誇張、絵のような虚偽、実生活から離れて出来事とディールするフィクションの仕事。ロマンス諸語中の親切な、 騎士道のヒーローとディールする中世の物語。そのような作品の文学ジャンル。音楽の短い非公式の1片。ルース=誰かを偽る行為。起源は、古いフランス語からの後期の中期英語の「ruser」「罠を仕掛ける」、初期の「車をバックする」から。もしくはラテン語の「rursus」 「後方へ」に基づいたもの。

"アンビエント・ジャズ"というコンセプトをあなたはどのように考えていますか?

パーネル:私が何年ものあいだ貯めていたスケッチとアイディアのコレクションです。取りかかって最近まで終わらなかったモノもあれば、私の家にレコーディングに来た友だちの録音の使えなかったもの、コンピュータで作った新しい歌などがあります。最初は、この年の最初にロンドンのバックス・ミュージックの映画とテレビ使用のライブラリーCDとして集められた物でしたが、幸運なことに〈Pヴァイン〉が日本でCDをリリースしてくれました。

あなたはとても思慮深い音楽家ですが、音楽についていったいどんな哲学を持っているのか教えてもらえませんか?

パーネル:音を聴くことは原始時代のアトラクションがあります。炎を凝視したり、岩にあたる川のしぶきを見たり、光り輝く日没をみたり......。それは、言葉では表せないところで、精神的に語りかけます。それは野生の動物を和らげるばかりか、水でさえ音楽の影響をうけ、凍って氷晶になって、写真を撮られるようになります。私たちは嬉しいときに歌うし、すべての希望を失ったときにも歌います。音楽は私たちのまわりの空気分子が動く、見えるエネルギーです。我々の意識的/無意識の記憶の感情を引き起こし、電球からの光のように外に放射し、範囲内の問題すべてに触れることなのです。
 それから、これは私の自己中心的なことなのですが、自分が関わったコンサートやギグで人びとが感動したり、単純に楽しんでいるのを知ることで私はとても気分が良いのです。それは、物事への連続性の感覚と愛の相互交換を与えてくれるのです。
 また、音楽を演奏する他の人と演奏するというこの上ない大きな喜びを与えてくれます。ときどき私は特別な機会を与えられ、この喜びを広げなければという義務感にさえかられるのです。私はしなければと思います。私には選択さえないし、ここにとにかく私が愛する何かがあるのです。実際、誰が音楽ビジネスという不安定なキャリアを選ぶのかということは、私にとっては当惑するのですが、子供は彼らのよく意図された両親の何千倍もの狼狽によって誘惑されるのです。しかし、混乱とは「好きな仕事を見つけなさい。 人生で1日も働かない生活を」と言うものです。

あなたにとって最高のジャズ・アルバムは何ですか?

パーネル:これもまた難しい質問ですね。この答えは2年前に尋ねられたときと違っているし、2年後に尋ねられたらまた違っているでしょう。では、ベスト4でいいでしょうか。マイルス・ディヴィス『カインド・オブ・ブルー』、エラ・アンド・ルイ・ウィズ・オスカー・ピーターソン・トリオ『エラ・アンド・ルイ』、エロル・ガーナー『コンサート・バイ・ザ・シー』、アート・タトム『アート・オブ・ザ・ピアノ』。

あなたの演奏が日本でも聴ける日を楽しみにしています。最後に日本のリスナーにメッセージをお願いします。

パーネル:私もとても楽しみにしています。また日本で演奏したいですし、日本を見て美味しいものを食べて、大好きな熱燗を飲みたいです。津波と福島の原子力発電所のメルトダウンのあとのすべての日本の人に向けて、前向きな姿勢を送りたいと思います。そして私がみなさんに言いたいのはこういうことです。マスメディアが報道しない福島に関する情報を探しましょう。公的な話しを懐疑的に思いましょう。そして私たちの情報を共有しましょう!

Stephen Malkmus & The Jicks - ele-king

 一秒聴いて思ったのは、音がいいな、ということだ。「ペイヴメント」と「音がいい」とはほとんど形容矛盾であったはずだが、というか、「ペイヴメント」と「ローファイ」という言葉があまりにアイコニックな結びつけられ方をして語られてきたわけだが、時代が変わった。現在の音の主流/トレンドはもっとはるかに低音質だ。しかし「ローファイ」とはただ音が悪いという意味ではないということ、それは選好され意図されるスタイルの名であるということが、よりはっきりしたと言ってもいいかもしれない。ウォッシュト・アウトやトロ・イ・モワやアリエル・ピンクを聴き慣れた我々の耳にはそれが明白であるはずだ。あるいはブランク・ドッグスでもダム・ダム・ガールズでもクラウド・ナッシングスでもいい。彼らのただただほんとうに低い音質が、いったい何の過剰であるのか――それはあらゆる音楽が出尽くし、あらゆる意匠に倦み、おびただしい情報に取り巻かれ、音楽がそうした情報の中のひとつに回収される、もしくはロックや音楽からあらゆる物語性がはぎ取られる時代の、リアリズムでありファンタジーである――第二のローファイの季節をくぐり抜けることで、ローファイというものがそもそも生き方や感じ方のエキスプレッションだったということが、あらためて突きつけられたのだ。だから本作『ミラー・トラフィック』が相変わらず優れたローファイ・ミュージックだということを、我々は即座に理解できる。

 15曲50分という長さから、ペイヴメントの95年作品『ワーウィ・ゾーウィ』と比較されているようだが、『ミラー・トラフィック』は音としては『テラー・トワイライト』の感触がある。ナイジェル・ゴドリッチが手掛けたあの「音のいい」ラスト・アルバムを駄作とするような向きもあるが、筆者はとても好きな作品だ。今回はベックがプロデュースしているということも話題のひとつで、ベック/ナイジェルというクリアさの系譜を本作に見るのも誤りではないだろう。少し意外な組み合わせであり、実際プライヴェートでそう親しいわけでもないようだが、2000年前後の音をまざまざと思い出させる本作が、かつての同志たちのひとりによって世に送り出されたというのは胸の熱くなる話だ。非常にリラックスした作品で、生き生きとしたマルクマス節がある。バンドともよく心が通った演奏だ。15曲あるからといってコンセプチュアルな大作だったりすることはもちろんない。15曲がそれぞれに充実していて、過去の自分に足を取られるというようなこともないし、焦りや迷いもない。なんというか、力の循環がうまくいっている。いろんな要素要因がじつに気持ちよく噛み合っている。そんなアルバムだ。「アイス・スケートで喩えれば、ロシアの審査員で10.0、10.0、10.0だ」とマルクマス自身は評価しているが、的確な比喩である。(ただその後に「アメリカ人は8.0しかくれなかったけどね」と続く。ピッチフォークの7.7を皮肉ったのだろうか、破顔のヒューモアだ。)

 とはいえ、マルクマスが過去の自分に足を取られたことなど一度もないのかもしれない。マルクマスはつねに率直なるマルクマスであったし、我々はそのためにいっそう彼の音楽が好きなのだ。「ベックを迎えて少し違った環境を用意し、自分自身はあまり考え過ぎずにつくった」。べつに彼にアニマル・コレクティヴやチルウェイヴを超えるあたらしいヴィジョンを期待しているわけではない。彼が彼自身に恥じないものをつくってほしい、そしてマルクマス自身のいまを聴かせてほしい。そういう気持ちに彼の作品は応えつづけてきた。
 もちろんそのなかでも優劣はある。ジックスとなって5作めであるが、本作は屈指だ。ジャミーな前作に比べ、ベック・プロデュースの効果ということもあるだろうか、1曲1曲ソングとしての粒が立っている。そしてマルクマスの音楽性やこれまでのキャリアが、まさにミラーの前でさまざまな交通を見せている。ペイヴメント、ソロ全期を通じてのベスト・アルバムを編むかのようだ。まずは"タイガーズ"や"セネター"などパワフルでドライヴ感あるリード・トラック。『クルーキッド・レイン』のようなポップさが際立つ。"セネター"などほんとうにみずみずしく生き生きとした演奏と表情を持っていて、たしかに彼が45歳なのか、あの頃から時が経っていないのかと疑ってしまう。軽快なドラミングと締まったプロダクションが何ともいえずクールで心愉しい"スティック・フィギュアズ・イン・ラヴ"、完璧なマスタリングと言えるだろう、筆舌に尽くしがたい温もりとまろやかさと苦みを持ったファズ・ポップ"フォーエヴァー28"なども、過去のディスコグラフィの良質で幸福なアップデートとして忘れがたい。"オール・オーヴァー・ジェントリー"、"フォール・アウェイ"、"スパッツ"なども同様にペイヴメントの初期が参照されている。1分程度のインタールードだが、"ジャンブルグロス"などは『テラー・トワイライト』と『ミューティションズ』の共演といったシークエンスで作品を立体化している。続くミドル・テンポの佳曲"アスキング・プライス"や"ロング・ハード・ブック"なども『テラー・トワイライト』期のゆったりとしてスペーシーな雰囲気とベック的なカントリー・スタイルが溶けあって、とろりと極上のテクスチャー。好きな曲のひとつだ。いちばん好きな曲はどれだろうか......選べるわけもないのだが、"シェア・ザ・レッド"を挙げたい。ファンの方ならば理由を挙げるのも野暮だと思われるかもしれない。8分の6拍子がルーズに紡ぐ千鳥足のストレンジ・ブルース。"ストップ・ブリージン"や"キャロット・ロープ"の面影にぐっときてしまった。

 これはノスタルジーだろうか? 「90年代はグレイトだったよね。」などと言いながら、ダイナソー・ジュニア『グリーン・マインド』のTシャツを着たり、ゲームボーイの復刻版に飛びついたり、缶コーヒーを一本買って『幽☆遊☆白書』を読んだりしたくないのだ。いや、それらは間違いなく偉大な作品なのだが、それらを見るようにはスティーヴン・マルクマスを見ることはできない。昔の名曲に似ていようと、彼がずっと現役で、いまだ「あがって」いないということが、この作品にはよくみてとれるからだ。

DJ TUTTLE - ele-king


1
DOM THOMAS - dreams of san antonio - BRUTAL MUSIC

2
DREADNOUGHT - Caroline EP - DREADNOUGHT

3
INSTRA:MENTAL・TREVINO - Pyramid /Chip - B3024

4
NORM TALLEY - Tracks From The Asylum - MIX MODE

5
STARKEY - PC - NO HATS NO HOODS

6
COSMONAUTIX - Energija - PIRANHA

7
D'EXPLICIT --Pull Up (vocal) -pull Up (instrumental)- LAUNCHPAD

8
KROMESTAR・GENETIX - Straight Error -DUBSTEP ONSLAUGHT

9
DEBO BAND +KIDDID - ADDERECH - ELECTRIC COWBELL

10
根本敬 - 愛駅-BLACK SMOKER RECORDS

alva noto & blixa bargeld - ele-king

 もうありきたりの音楽では飽き足らないという人、ANBB名義でアルバムも出したアルヴァ・ノト(カールステン・ニコライ)&ブリクサ・バーゲルト(アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン)が来日しますよ! 
 昨年、〈ラスターノートン〉からリリースされた『Mimikry』が話題の......というか、久しぶりにブリクサ・バーゲルトのライヴ・パフォーマンスが見れるし、いまもっとも旬なひとりだと言えるカールステン・ニコライのグリッチ&ノイズといえば、IDMファンでなくてもかなりそそられるでしょう!
 東京公演には〈スカム〉からのリリースで知られるベルリン在住の日本人、NHKyx、そして名門〈ブラックスモーカー〉からのリリースが噂されるatsuhiro itoによるULTRA FUNCTORも出演!

 

9/30(金) liquidroom ebisu
guest: ULTRA FUNCTOR (atsuhiro ito + microdiet)、NHKyx (Skam/Raster Noton) 
前売¥6,500(ドリンク代別途)
OPEN18:00/START1900
info.03-3444-6751 (SMASH)

10/1(土) Fanj Twice
guest: NHKyx (Skam/Raster Noton) 
前売¥6,500(ドリンク代別途)
OPEN18:00/START1900
Info.06-6535-5569(SMASH WEST)

TICKET
東京7/16(土)ぴあ(P:144-360 )、ローソン(L:74371)eプラス(プレ:7/5-10)、岩盤
大阪7/16(土)ぴあ(P:144-300)、ローソン(L:56543)eプラス(プレ:7/5-10)

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Chart by JET SET 2011.09.19 - ele-king

Shop Chart


1

PACIFIC HORIZONS

PACIFIC HORIZONS BEACHES OF THE BLACK SEA »COMMENT GET MUSIC
David Mancuso, DJ Harvey, Francois K.らが絶賛した過去2作のカルト・ヒットも記憶に新しい、LA発のバレアリック・トリオによる主宰レーベル"Pacific Wizard Foundation"からの3rd.シングル。

2

SHHHHH

SHHHHH SOL DE MEDIANOCHE »COMMENT GET MUSIC
『Strictly Rockers』以来となる待望のミックスは、これぞShhhhhの真骨頂と言うべき辺境の楽園へと誘うかのような極上の1枚!

3

MR RAOUL K

MR RAOUL K LE KARANTKATRIEME PEUL REMIXES »COMMENT GET MUSIC
自身が主宰する"Baobab Music"のシークレット・ライン最新作3番は、09年に本家"Baobab Music"からリリースした"Le Karantkatrieme Peul"のグレイテスト・リミックス3楽曲。自身による未発リミックスB-1が圧巻。

4

JAMES PANTS & TOM NOBLE

JAMES PANTS & TOM NOBLE SELECTED SOUND REMIXES PT.1 »COMMENT GET MUSIC
Inverse CinematicsやMotor City Drum Ensemble、Simbadらの作品を輩出してきたフランスのインディペンデント・レーベル"Faces Records"が立ち上げた新シリーズ"Selected Sound Remixes"のファースト・リリース。

5

DJ DYE

DJ DYE ELEKT »COMMENT GET MUSIC
Tha Blue HerbのDJとしてお馴染みのDJ DYE待望のオフィシャル・ミックス。ダンス・フロアの熱狂がひしひしと伝わる4つ打ちを中心としたミックス!

6

AXEL BOMAN

AXEL BOMAN LUCKY TIGER EP »COMMENT GET MUSIC
Jimmy Edgar、Clap II Dogz(Catz N' Dogz & Soul Clap)と傑作連発のGlasstable Music第3弾はがぜん注目の集まるスウェディッシュ・プロデューサー、Axel Boman。間違い無し!!

7

MATTHEW STYLES

MATTHEW STYLES SAMPLE & HOLD EP »COMMENT GET MUSIC
Jamie Jonesとタッグを組んだ"BPitch Control"からのスプリットEPにてデビューし、最近ではUK"Fear Of Flying"発の人気作"BLM / Garage Is Back"のリミックスを手掛け人気を博した、気鋭Matthew Stylesによるソロ・シングルが新着。

8

TRIDACT

TRIDACT OVER THE CLOUDS »COMMENT GET MUSIC
Windsurf "Coastlines"に続くアルバム作品リリースの第二弾として今年8月に登場した北米西海岸からの新鋭、Tridactによるファースト・アルバム(CD)から、アナログ・カットが2作同時入荷!!

9

TRIDACT

TRIDACT ONE WHEEL RACE »COMMENT GET MUSIC
Windsurf "Coastlines"に続くアルバム作品リリースの第二弾として今年8月に登場した北米西海岸からの新鋭、Tridactによるファースト・アルバム(CD)から、アナログ・カットが2作同時入荷!!

10

BEAUTY

BEAUTY TRIBUTE TO THE HORROR EP »COMMENT GET MUSIC
国内チル・ウェイヴの最深ヤング・コミニティCuz Me PainのThe Beauty、なんとCrue-Lからの12"リリース。瀧見憲司によるLuger E-Go Experienceリミックスは人気決定的ですが、オリジナルも最高に眩しい大傑作盤です!

Chart by JAPONICA 2011.09.17 - ele-king

Shop Chart


1

JAMES PANTS & TOM NOBLE

JAMES PANTS & TOM NOBLE SELECTED SOUND REMIXES PT. 1 FACES / LES DISQUES SUPERFRIENDS / FRA / 2011/9/11 »COMMENT GET MUSIC
抜けの良いパーカッシヴ・ドラムブレイクがリズミックに進行するロービート・ファンク・ナンバー"DRUM AROUND"をドラムブレイクそのままにいかにもJAMES PANTS"らしい"ニュー・ウェイブ/エレクトロ・ライクなシンセ・フレーズを交えつつ長尺リミックスしたA面。そしてブギー感のあるキーボード・プレイが印象的なエレクトロ・ジャズ・ファンク"DRUMCRAZY"をパーカッションの効いたディスコ・ビートにスペース・シンセ煌くダンス・ト ラックへとアップデートしたTOM NOBLEリミックスのB面。

2

WILLIE COLON & RUBEN BLADES

WILLIE COLON & RUBEN BLADES SIEMBRA (SACRED RHYTHM VERSION) SACRED RHYTHM MUSIC / US / 2011/9/14 »COMMENT GET MUSIC
先頃リリースされたMONGO SANTAMARIA"FUNK TOWN"リミックスの続編的一枚が到着しました。こちらは世界の名盤100選にNYサルサ・アルバムとして唯一選ばれた名盤「SIEMBRA」音源をリ ミックスしたもの。原曲の質感はそのままにインスト・パートを長尺化し、よりDJユースに、そしてダンス・トラックとして成熟させた極上ラテン・ ジャズ・ハウス!中でもイチオシはさらにフロア仕様に仕立てられたB-1"DANCE DUB"ヴァージョン。

3

K'BONUS & NEGGHEAD

K'BONUS & NEGGHEAD COMPOST BLACK LABEL 81 COMPOST / GER / 2011/9/11 »COMMENT GET MUSIC
メロウネスなフュージョン感覚が隅々にまで行き届いたブラック・ディスコ・ハウスA-1"HARMONIZING (PART 1)"、そして同路線でよりパーカス・ビート/エフェクティヴなアレンジが効いたB-1"HARMONIZING (PART 2)"のオリジナル2トラックが抜群に最高!ニュー・ジャズ/クロスオーヴァー・サイドで鉄板リリースを続ける当タッグとストイックにブラック・ハウスを 推し進める<COMPOST BLACK LABEL>の奇跡のマッチアップ。

4

DJ DUCT

DJ DUCT ONE TURNTABLE LIVE MIX "TODAY : TOMORROW" THINKREC. / JPN / 2011/9/14 »COMMENT GET MUSIC
ルーツでもあるファンク/レアグルーヴに「BACKYARD EDIT」収録ナンバーを織り交ぜ小気味良く展開していく"TODAY (FUNK SET)"サイド。そしてシーンを代表する大御所JEFF MILLSもDOMMUNE競演時に驚嘆の声をあげ、初見の数多くのオーディエンスを虜にさせた話題のダンスミュージック・セットとな る"TOMORROW (TECHNO SET)"の2テイクを収録。

5

BEING BORINGS

BEING BORINGS LOVE HOUSE OF LOVE CRUE-L / JPN / 2011/9/13 »COMMENT GET MUSIC
骨太タイトな四つ打ちミッド・グルーヴで多幸感あるコーラス・ワーク/シンセが温かく包みこむ長編バレアリック"LOVE HOUSE OF LOVE"、C/Wにはこちらも肉厚なブレイク・グルーヴで重心低目に進行し、サイケ〜ダビーな幽玄ギター・リフが揺らめく上質フォーキー・バレアリッ ク・ブギー"SOME ARE HERE AND SOME ARE MISSING"を収録。

6

KINGDOM☆AFROCKS

KINGDOM☆AFROCKS ANTI VIOLENCE / WILL TO LIVE PLANET GROOVE / JPN / 2011/9/14 »COMMENT GET MUSIC
<JAPONICA>より放ったファースト・シングル"イチカバチカーノ"の特大ヒットからずっと待ちわびていたAFROCKS新作12"、遂に 到着!やっぱアナログが最高です。先頃リリースされたファースト・スタジオレーコーディング・アルバム「FANFARE」からのアナログ・カット 第1弾。往年のナイジェリアン・レジェンド達を彷彿とさせる純国産アフロ・グルーヴ傑作。

7

V.A. [FRED P / PJOTR / VAKULA / BENEDIKT FREY]

V.A. [FRED P / PJOTR / VAKULA / BENEDIKT FREY] EP ETHEREAL / RUS / 2011/9/11 »COMMENT GET MUSIC
ブラック・ルーツに根ざした良質ハウスのリリースで注目度をあげるANTON ZAP主宰<ETHEREAL>第17弾。USブラック・ハウスの気鋭BLACK JAZZ CONSORTIUMことFRED P、ここ<ETHEREAL>にも作品を残すスウェーディッシュ・ハウサーPJTOR、最早説明不要VAKULA、そしてニュー・カマーBENEDIKT FREYの4組による一枚。

8

GECKO TURNER

GECKO TURNER GONE DOWN SOUTH REMIXES PT.1 LOVE MONK / SPA / 2011/9/11 »COMMENT GET MUSIC
先にリリースされたリミックス・カット第2弾も好評の中、遅れていた第1弾がようやく到着。注目はやはり<HEAVENLY SWEETNESS>からの一連のリリースでシーンを賑わしたBLUNDETTOリミックスのA面。持ち前のレゲエ・テイストを忍ばせたリフにカリブ/ア フロ的アレンジも取り込んだ塩梅なプリミティブ・リミックスに仕上げてきました◎

9

GONNO

GONNO ACDISE #2 INTERNATIONAL FEEL / URY / 2011/9/11 »COMMENT GET MUSIC
ここ数年で一気にシーンの最前列に並ぶ人気レーベルとなった<INTERNATIONAL FEEL>に、邦人クリエイターGONNOが参戦!野外や大箱でも聴きたい色鮮やかな電子音がレイヤーされ厚みを持って靡いていくバレアリック感兼ね備え た爽快アシッド・ダンス"ACDISE #2"、そして煌びやかでレイドバック感あるギター・リフが幽玄に黄昏れるチル・トラック"TURN THE LIGHT"のオリジナルが最高!

10

AFROBUDDHA MEETS KAKATSITSI DRUMMERS

AFROBUDDHA MEETS KAKATSITSI DRUMMERS OBAME ROUND IN MOTION / UK / 2011/9/11 »COMMENT GET MUSIC
ロンドンを拠点にワールドワイドな展開を推し進める邦人クリエイターKAY SUZUKIと盟友KOICHI SAKAIによるユニットプロジェクト=AFROBUDDHAファースト・リリース作。ガーナのトラディショナルな音楽団KAKATSITSIを全面的にフィーチャーした躍動感溢れるアフロ・パーカッシヴ・ダンス・トラック。

Plaid - ele-king

1989年にはいつでも僕を幸せな気分にしてくれるものがあった
ナイフを投げ捨てまだ見ぬ世界へと出かけていくことができた
想像もつかないだろう、ずっと笑っているだけの生活なんて
だらしないニートになるのが望みだった
麻薬を楽しむことをとやかく言われるのもごめんだった
想像もつかないだろう、ずっと笑っているだけの生活なんてメイジズ"Summer Hits/J&J Don't Like"(2011)

僕は部屋に佇んで、未来を空想しているザ・ブラック・ドッグ"ヴァーチュアル"(1989)

 ハウス・ミュージックという際限なき性愛(エロス)の暴風がダンスフロアを席捲してから数年後、悦びの心地よい風が部屋のなかにも入ってきた。彼の薄暗い部屋で『アーティフィシャル・インテリジェンス』(1992)が流れていたとき、わけもわからず気持ちが高揚したことをよく覚えている。のちにプラッドとして名前が知られることになるエドとアンディによる音楽----その構成要素はアンビエント+ブレイクビート+デトロイト・テクノ----は、さらなる刺激を求め、そして麻痺した頃にはまたさらなる刺激を求めていた時代のダンスフロアから逸れることで1989年の多幸感を保存した。他にも同じように逸れていった、彼らと同世代のデトロイト・テクノ・フォロワーのなかで、結局のところもっとも地味な活動を続けているのがプラッドだが、実は1991年には、『NME』あたりがエイフェックス・ツインに次いで騒いでいたのが他でもないブラック・ドッグ・プロダクションズ----のちにプラッドとザ・ブラック・ドッグに分裂する----だった。僕は当時の彼らのスタイル、つまりアンビエント+ブレイクビート+デトロイト・テクノが大好きだったのである。
 
 エドとアンディ......我々は当時、顔が大きくて目が少女マンガみたいにキラキラしているのがアンディ、顔が小さいほうがエド、といった感じでふたりを覚えた。実は彼らを初めて日本に招聘したのは、1995年の『ele-king』である。新宿のリキッドルームだったが、このふたりがふざけてブレイクダンスを踊ったときには笑った。最近ではチルウェイヴをめぐって賛否両論があるように、この時代は踊れないエレクトロニック・ミュージックの代表、〈ワープ〉が提案する『アーティフィシャル・インテリジェンス』系をめぐる議論があった。〈ワープ〉のほうもダンスフロアから逸れたそれを"インテリジェンス"などという言葉を使って表現したものだから、エイフェックス・ツイン、オウテカ、B12、そしてブラック・ドッグ・プロダクションズといった連中は、クラバーからすればなおさらスノッブ極まりなく見えたのだ。当時UKの『フェイス』というスタイル・マガジンは、「なぜ君たちは踊れない電子音楽を作るのだ?」というテーマで、彼らの特集記事を組んだほどである。ゆえに、リキッドルームのバーカウンターの脇で、まるで意表を突くかのようにブレイクダンスを披露するエドとアンディにみんな笑った。彼らもそういう----マントロニクスなどのエレクトロ・ヒップホップから来ている----人たちなのだ。
 
 『シンティリ』----ラテン語で「私はたくさんのきらめき/ひらめきだ」という意味を持つタイトルの8年ぶりのアルバムは、例によってヴァリエーション豊かな作品となった。オープニングの"missing"は電子ピアノの美しい重なりとオリエンタルなメロディが挿入されたビートレスのトラックで、アルバムのなかでもとくに引きの強い曲だ。"eye robot"や"smnl"などは、ベースが謙虚に唸っているプラッド流のダブステップとも言えるんじゃないだろうか。"thank"や"unbank"といった曲はクラウトロックと初期のプラッドのスタイルを繋げているようだ。"tender hooks"はプラッドらしいほろ酔い加減のエレクトロニカで、クラウトロック的なお茶目さを持ったミニマリズムの"talk to us"もあれば、プラッドお得意のエレクトロ・ファンクの"african woods"、そして"craft nine"のような優雅なアンビエントもある。ボーナス・トラックは、オールドスクール・レイヴのビート+アンビエントという、彼らの初期のスタイルを初々しくやっている。
 
 ......と、このように、さりげなく時代のトレンドを取り入れつつ、いろんなことをやっているのは『ノット・フォー・スリー』以降のプラッドのやり方である。控えめな遊び心を持った音楽で、そしてファンにとって嬉しいのは、彼らが1989年から保存し続けている多幸感/ユーフォリアが2011年になっても聴けるということだろう。さすがに20年前のような、音の世界にがっつりハマっていくようなアシッディな感覚はないけれど、ここには後期クラスターのような微笑ましい悦びがある。
 それにしても新世代からはあの時代は「ずっと笑っているだけの生活」に思えるのか......。決してそんなことはなかったのになー!

Meg Baird - ele-king

 メグ・ベアードは、ゼロ年代なかばのデヴェンドラ・バンハートに代表されるネオフォークの動きが脚光を浴びていた頃に注目を集めたフィラデルフィアのサイケデリック・フォーク・ロック・バンド、エスパーズのヴォーカリストだった女性だ。エスパーズにとって売り上げ的にも評判的にももっとも成功したであろう『II』を〈ドラッグ・シティ〉からリリースした翌年の2007年、彼女は最初のソロ・アルバム『ディア・コンパニオン』を同じく〈ドラッグ・シティ〉から出している。『ディア・コンパニオン』は全10曲中8曲がカヴァーというアルバムだったが、ベアードの透明な歌声とアコースティック・ギターの美しいアンサンブルによって、ある意味ではエスパーズ以上に多くの耳を惹きつける作品となった。もっともエスパースは、『ザ・ウィード・トゥリー』といったアルバム名、また"ウィンドウズ・ウィード"や"チルドレン・ストーン"といった曲名が示すように、多かれ少なかれドラッグ・カルチャーに触発されたコミュニティの風情があったので、トラッド・ソング/伝統的なバラードをカヴァーするベアードの素朴な音楽よりも危なっかしいものではあった。
 ところがベアードは、腰まで髪を伸ばした彼女は、全10曲のうち8曲がオリジナルとなった、4年ぶりのセカンド・アルバムとなる『シーズンズ・オン・アース』では、その危なっかしさにそよ風のような叙情を与えている。「ハイでいかれたまま/歩いて外に出た/全部よく考えてみた/誰もあなたに耳を貸さない/わたしにも」"スターズ・クライム・アップ・ザ・ヴァイン"

 ヴァシティ・バニアンのように、時代から置き去りにされたようなこの音楽は、反時代的であるがゆえに異彩を放っていると言えよう。フォーク・ソングというスタイルは、ゼロ年代に複数の若いアーティストによってその価値が再解釈され、そしてインターネットとサンプラーの時代においてその音楽がどこまで意味のあるものなのかを問い続けている。収録曲のたいはんがトラッド・ソングで占めていた『ディア・コンパニオン』と違って、『シーズンズ・オン・アース(地球の季節)』にはベアードの再解釈がはっきりと聴きとれる。それはこの社会の、移ろいゆく季節のなかを生きている部外者たちのさまざまな思いをのせた歌だ。「ベビオン、家に帰って来て/あまりにもよく知っている/あの痛みで倒れないで/あの悪党と金色の一味は/空を変えてしまったけれど/わたしたちをけして放してくれなかった」"ベビオン"
 また、彼女が歌うのは、散り散りになったコミュニティへの切ない思いである。「きみが呼ぶ場所へ/自分の場所だと呼ぶところへ/きみにはわかってる/戻って来るはずのひとたちが/日々は消えてゆく」"ソング・フォー・ネクスト・サマー"

 こうした流浪の文化は、必ずしもアメリカだけのものではない。この狭い東京で長く部外者として暮らしていれば、多くが経験するであろう感覚である。全10曲のうちのカヴァー2曲のひとつ、1970年代に活躍したUKのジャズ・ロック・バンド、マーク・アーモンドの1971年の曲"フレンズ"もコミュニティ文化への深い思いとそのはかなさを歌っている。「友だちがのらくら暮らすのを眺めているのはとても楽しいね/友だちが一日じゅう夢を見ているのを眺めているのは楽しいね/みんないっしょに連れて行けるなら(中略)いつかある日たぶん/ぼくは大きなボートを買って友だちみんなを連れて行くんだ/いつかある日/きっとぼくは島をひとつ買って友だちといっしょに、そう、そこで暮らすんだ」"フレンズ"
 『シーズンズ・オン・アース』は作家個人の日常を主張するものではない、もっと社交的なアルバムだ。閉じることを拒み、外へ開かれていく作品である。もう1曲のカヴァー曲は、ハウス・オブ・ラヴの1990年のセカンド・アルバムから"ビートルズ&ストーンズ"。「僕を見ろよ/17才でいることを誇りに思ってるこの僕を/ポケットに笑顔をしまいこんで/学校を出たばかりの弱虫/でも規則は通用しない/ああ、僕はクラクラしてる/クラクラしてる、クラクラしてる」
 Oh I'm dazed, and I'm dazed, and I'm dazed(ああ、僕はクラクラしてる、クラクラしてる、クラクラしてる)......時代から取り残されたような『シーズンズ・オン・アース』は、リスナーを正しい方向にクラクラさせるだろう。

Chart by STRADA RECORDS 2011.09.14 - ele-king

Shop Chart


1

VA(BJORK/SADE)

VA(BJORK/SADE) NK RMX WHITE(JPN) »COMMENT GET MUSIC
【限定プレス!】Dazzle Drumsによるリエディット作品の中でも特に人気が高かったBjork「Desired Constellation」とSade「I Never Thought I'd See The Day」が初の12インチ・ヴァイナル化!両曲とも絶妙グルーヴ感とトリップ感が同居した傑作エディット!Joe ClaussellやDanny Krivit, DJ Nori,Toshiyuki GotoらトップDJ達もヘヴィー・プレイする絶対見逃せない1枚です!

2

WILLIE COLON & RUBEN BLADES

WILLIE COLON & RUBEN BLADES SIEMBRA-SACRED RHYTHM VERSION SACRED RHYTHM MUSIC (US) »COMMENT GET MUSIC
大ヒットしたMONGO SANTAMARIA「FUNK DOWN」に引き続き、またしても「Hammock House - Africa Caribe」のアナログ、CDのどちらにも収録されていない曲が12インチで限定リリース!

3

GONNO

GONNO ACDISE #2 INTERNATIONAL FEEL(EU) »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEYのLOCUSSOULUS名義やCOYOTEの作品で知られるバレアリック〜ニュー・ディスコ系のトップ・レーベルINTERNATIONAL FEELが新ラインが設立!第一弾はPERC TRAXやMERKURのリリースで知られる東京のテクノ・アーティストGONNOの12インチ!煌めくシンセ・シーケンスにアシッド・ベースが加わりながらじわじわとビルドアップしていく珠玉のバレアリック・エレクトリック・ディスコです!リミキサーにはスウェーデン・ミニマル・シーンよりSKUDGEと同レーベルでHUNGRY GHOSTメンバーとして活躍し、アルバムもリリースしたGATTO FRITTOが起用!TODD TERJE、LAURENT GARNIERらが絶賛サポート中!

4

FUDGE FINGAS

FUDGE FINGAS WHAT WORKS EP(10inch) FIRECRACKER(UK) »COMMENT GET MUSIC
PRIME NUMBERSからのリリースも好評なスコットランドのアーティストFUDGE FINGASが、特殊ジャケやLINKWOODやVAKULAのリリースでマニアのハートを捕らえて離さないFIRECRACKER RECORDINGSからリリース!初期のデトロイト・テクノにも似た無機的なベース・サウンドと柔らかで包みこむようなエモーショナルなシンセ・サウンドが心に染み入る極上のディープ・ハウス!リミキサーにVAKULAが参加、原曲の良さを活かしたビート・ダウン・トラックに仕上げており、全曲オススメの一枚!

5

SCOTT K. vs STEVIE WONDER

SCOTT K. vs STEVIE WONDER AS-BOX EDIT BOXMUSIC (US) »COMMENT GET MUSIC
O'JAYS「I LOVE MUSIC」のエクセレントなリエディットが大ヒットしたSCOTT K.が今度はSTEVIE WONDERの名曲「AS」をリエディット!ハウス化されイントロも長くて非常にプレイしやすい仕上がり!

6

PACIFIC HORIZONS

PACIFIC HORIZONS UNIVERSAL HORIZONS PACIFIC WIZARD FOUNDATION(US) »COMMENT GET MUSIC
【正規再プレス!】DJ HARVEYやTHE REVENGE、RAY MANGらによるプレイで大人気だったこの盤が待望の再プレス!チープな打ち込みトラックにスパニッシュ調のアコースティック・ギターがなんとも哀愁漂うB面が最高!遅めのトラックにサイケデリックなギターソロが印象的なA面もプログレっぽい仕上がりでグッド!しかも今回は新たに用意されたジャケット付き!

7

VA

VA THE GYM 005 THE GYM(GER) »COMMENT GET MUSIC
ドイツの最先端レーベルとしてシーンで注目されているTHE GYMからMY BEST FRIENDで活躍中のBRANDT BRAUER FRICKのSCOTT名義で登場!本名やSCOTT名義ですでに同レーベルの顔となりつつあるだけに本作でも抜群の完成度を誇る楽曲を披露!リズム・マシンやノイズを効果的に使った緊張感溢れるスリリングなシンセ・ジャズ・セッション『SUICIDE BJORN』が圧巻!JAMES BRAUNによるタイトル通りTR-606を使ったミニマル・シンセ・ディスコ『606 'N' ROCK'N' ROLL』をカップリング!

8

YURI SHULGIN

YURI SHULGIN FLOW EP ETHEREAL SOUND(FR) »COMMENT GET MUSIC
MISTANOMISTA名義でのリリースも人気のロシア人アーティストYURI SHULGINがANTON ZAPのETHEREAL SOUNDからYURI SHULGIN名義で登場!ベーシストながら自らピアノ、トランペット、ギター、トランペット等をこなすマルチプレイヤーぶりを本作でも如何なく発揮!MILES DAVISを思わせるジャジーなトランペット・サウンドが印象的な本格的ジャズ・ハウスに仕上がっており、良質な生系ハウスを求めている人は必須の一枚!

9

HERB LF & PETKOVSKI

HERB LF & PETKOVSKI LULLABY FOR RASTKO FARSIDE (GER) »COMMENT GET MUSIC
毎回ハイクオリティー&ハイセンスな楽曲でファンを唸らせるFARSIDEからレーベルの顔とも言えるHERB LFとDJ PETKOとして知られるPETKOVSKIによる12インチが登場!現代音楽的な弦と女性ボイス・サンプルが印象的なテック・ハウスの『BORDEl MUZA』、HAROLD BUDDを思わせるピアノ・サウンドがクールに響き渡る『SECRET GARDEN』はHERB LFリミックスと音響系アンビエント・ジャズなオリジナル・バージョンを収録!

10

GALAXY 2 GALAXY

GALAXY 2 GALAXY HI-TECH JAZZ UNDERGROUND RESISTANCE(US) »COMMENT GET MUSIC
UR最大のヒット曲にしてテクノの枠を超えた歴史的名曲、GALAXY 2 GALAXY名義の『HI-TECH JAZZ』!長い間絶版状態で入手困難な状態が続いていた93年リリースのオリジナル盤が、この度2枚組オリジナルから重要曲抜粋、MAD MIKE本人によるリマスタリングを経て、新ラベルで装いも新たにリイシュー!サックス・ソロが印象的なギャラクティック・テクノ『HI-TECHJAZZ』、JUAN ATKINSも参加している『RETURN OF THE DRAGONS』、フルート・ソロが美しいコズミック・フュージョン・テクノ『STAR SAILING』など珠玉の4曲を収録!全音楽ファンの外せない一枚です!

interview with Martyn - ele-king


Martyn
Ghost People

Brainfeeder/ビート

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 広いダンス・ミュージックの大海原において、ダブステップがまだ孤立していた時代に、何人かの視野の広いDJはテクノとダブステップのクロオーヴァーというファンタジーを現実のものとした。そのひとりにオランダ人のマルテイン・ダイケルス、音楽の世界ではマーティンの名前で知られるDJ/プロデューサーがいる。彼のデビュー・アルバム『グレイト・レングス』(2009年)は、ジャンルの混合を試みていた初期の成果として知られるが、その音楽を特徴づけるのはデトロイト・テクノの叙情性で、なおかつダンスフロアにおける機能性の高さだった。裏打ちを強調したガレージ風のドラム・プログラミングをしてもマーティンのビートの録音はクリアで、ブリアルやコード9よりもテクノのトラックに近い。そして、それがある種の心地よさになっている。デトロイト的な物悲しいコードが重なっても、リズムのドライヴ感が重さを引きずらない。
 『ゴースト・ピープル』は惜しみない絶賛を浴びた前作から2年ぶりのセカンド・アルバムとなる。どんなアルバムになったのか、多くのダンス・ミュージック・リスナーは気になっているだろう。以下のインタヴューで彼が語っているように、よりハウスやテクノとの繋がりが強調されている。しかし重たいベースラインには、ベース・ミュージックのこの10年の特性が活きている。

デトロイト・テクノやシカゴ・ハウスからは、いちばん最初に影響を受けたと言ってもいいくらいさ。そういった音楽は、クラブに行きはじめた本当に最初の頃に出会った音楽だからね。

今年の1月にリリースされた『Fabric 50』も印象的だったのですが、『ゴースト・ピープル』もあなたのダンス・ミュージックへの情熱が凝縮されていると思いました。『グレイト・レングス』の頃よりもさらにダンスに向かっているようです。

マーティン:そうだね。ファースト・アルバムでは自分が作れるだけのいろいろなジャンルやスタイルを見せようとしたけど、アルバムをリリースしたあとにたくさんDJをしたり、ライヴしたりしてダンス・ミュージックの経験を積んだから、今回のアルバムにはそれが反映されてる。ギグをたくさんこなしたっていうのはやっぱ大きいかもね。それがあったから、ダンス・ミュージックの影響がとくに強くでてるんだと思う。セカンド・アルバムのほうが、ファーストよりもハウスやテクノとの繋がりが深いよ。

しかし......なぜ『ゴースト・ピープル』などというタイトルにしたのですか? あなたの盟友2562は『フィーヴァー』でしたよね。ある意味、とてもストレートにダンスへの感情を表した言葉だと思ったのですが、それに対して『ゴースト・ピープル』とは......いったいどんな意味があるんでしょう?

マーティン:このタイトルにはいろんな意味があるんだ。まずそのうちのひとつは、ここ2〜3年フェスやギグで世界を旅して世界中のさまざまなシーンのDJを見てきて、ずっと変な感じがしてたんだ。俺には、彼らが空っぽに見えた。音楽をあまり気に掛けてないっていうか、ハートがないんだよね。ファッションとしてDJをやってるような感じ。そういう人たちを、俺は"ゴースト・ピープル"って呼んでるんだ。彼らは音楽じゃなく、高級ホテルの話やフライトの文句しか話さない。だから俺にとってのゴースト・ピープルは彼らを意味するんだ。

その他は何を意味してるんですか?

マーティン:まず、メインはさっき言ったDJたち。で、もうひとつは、こないだ日系アメリカ人のドキュメンタリー『ミリキタニの猫(The Cats of Mirikitani)』を見たんだけど、そのドキュメンタリーのなかで、第二次世界大戦時に強制収容所にいたある男性が、当時収容所でなくなった人びとをゴースト・ピープルって呼んでたんだ。彼は、亡くなった人びとの精霊を感じるんだ。そのドキュメンタリーも素晴らしかったから、ゴースト・ピープルって言葉はそれにも繋がってるよ。

じゃあ、音楽がよりハードなテクノになっているのとはあまり関係ないですか?

マーティン:俺はそれは考えなかったけど、違うとも言えないよ。解釈はその人次第だからね。今回はトラックから取ったけど、そうじゃないときはあまりタイトルをどこからとったかはあまり言いたくないんだ。受け取る人のイマジネーションを大切にしたいから。でも、よりハードって部分は同感だよ。今回は、サウンドのひとつの面を発掘したかったんだ。前回はいろいろなサウンドにトライしたけど、セカンドでは、ある決まったサウンドをどこまで引き伸ばせるかに挑戦したかったんだよね。

冒頭でのスペースエイプのリーディングは何について喋っているのですか?

マーティン:それはスペースエイプに訊かないとわからないな(笑)......ってのは冗談で(笑)、あれは詩なんだよ。彼に完成間近のアルバムを聴いてもらって、アルバムに何か言葉をくれないかと頼んだら、彼はこのアルバムが持つテクノロジーと感情のコンビネーションっていう部分をいちばん気に入ったらしく、「Love and Machines」っていうタイトルの詩を書いてくれたんだ。俺の音楽は感情的に聴こえるけど、機械で作られてるっていう内容を語ってるんだよ。

フライング・ロータスとは以前からリミックスなどを通して関わりがあたっとはいえ、〈ブレインフィーダー〉からアルバムをリリースするにいたった経緯を教えてください。

マーティン:ファースト・アルバムは自分のレーベルの〈3024〉から出して、それはそれですごくハッピーだったんだけど、同時にすごく大変でもあった......。音楽も全部自分で作って、それが終わったらレーベル・マネージャーになって......って感じで、やらなきゃならないことがたくさんありすぎてね......。それを振り返ったとき、今回はプロモーションやディストリビューション、アートワークなんかはそれぞれプロに任せようと思ったんだ。そうすれば、音楽を作ることに専念できるから。それをフライング・ロータスと話してたら、彼が自分のレーベルからリリースしたいならもちろんそれでいいし、もしそうじゃなかったら、〈ブレインフィーダー〉からリリースしたらどうかと提案してきたんだ。それがきっかけで、〈ブレインフィーダー〉からリリースすることにしたんだよ。そうして良かったと思ってる。みんなプロフェッショナルだし、日本とも繋がってるしね。たくさんの素晴らしい人びとに囲まれて仕事するのは最高だよ。〈ブレインフィーダー〉からリリースしたおかげで、インタヴューもできればライヴにも集中できる。自分のことをする時間がちゃんと確保できるんだ。

あなたのレーベル、〈3024〉はまだありますよね? 次回も〈ブレインフィーダー〉からリリースしたいですか?

マーティン:いまはまだわからないね(笑)。〈3024〉はもちろんまだ存在してるよ。たとえ自分の作品をそこからリリースしないにしても、俺は他のミュージシャンの音楽をリリースするのも好きだから。自分が素晴らしいを思う自分以外の人たちの音楽をリリースして、プロモーションして世に送り出すのが楽しいんだ。レーベルを持ってるとそれができるからね。それって最高だよ。

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アイントホーフェンはアムステルダムやベルギーのゲントに近いから、当時あのあたりにはDJがたくさん住んでた。有名なアメリカのDJたちでさえ、アムステルダムやベルギーを含め、みんなヨーロッパに住んでたんだ。


Martyn
Ghost People

Brainfeeder/ビート

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あなた自身の経歴について訊きたいのですが、生まれはアイントホーフェンですよね? 

マーティン:そうだよ。

アイントホーフェンには、90年代に〈Eevo Lute Muzique〉や〈Djax-Up-Beats〉のような先駆的なダンス・レーベルがありましたよね? 聴いてましたか?

マーティン:もちろんさ。90年代の初めにクラブに行きはじめたんだけど、アイントホーフェンはアムステルダムやベルギーのゲントに近いから、当時あのあたりにはDJがたくさん住んでた。有名なアメリカのDJたちでさえ、アムステルダムやベルギーを含め、みんなヨーロッパに住んでたんだ。彼らがハウスやテクノをクラブでプレイしてたんだけど、そういうDJの多くが〈Eevo Lute Muzique〉や〈Djax-Up-Beats〉から作品をリリースしてたから、そのふたつはとくにビッグだったね。ちょうどクラブに行きはじめたのがこの時期で、俺はまさにそのシーンにいたんだよ。90年代の半ばになると、ドラムンベースを聴くようになって、自分でパーティをオーガナイズしながらクラブのプロモーターになったんだ。それがきっかけでDJもはじめたし、曲も作るようになった。俺のなかのテクノ・サイドは初期のクラブやダンス・シーンから。で、ドラムンベース・サイドは作曲やDJの経験がベースになってるんだ。

〈Eevo Lute〉や〈Djax-Up〉からはどんな影響を受けてますか?

マーティン:とくに〈Eevo Lute 〉のほうからは強い影響を受けてるよ。彼らは〈Djax-Up〉よりももっとデトロイト・ミュージックをリリースしてたからね。カール・クレイグとか。

あなた自身はどのようにして音楽の世界に入ったんですか?

マーティン:最初はプロモーターとして音楽業界に入ったんだ。クラブナイトをブッキングしたり、フライヤーを作ったり配ったり......。10年くらいオーガナイザーをやってたな。そのあいだでDJもやってたから、クラブナイトのウォームアップなんかもやってたよ。ヘッドライナーがプレイするまえに機械をならしたりね。長いことそれをやってたんだけど、そのあと他のクラブでもブッキングするようになって、2000年代に入るとより頻繁にDJするようになってそれから、だんだん自分の曲を作ろうと思いはじめたんだ。

ロッテルダムに移住した理由を教えてください。

マーティン:アイントホーフェンは小さすぎるんだよね(笑)。だからちょっと飽きちゃって、もっと大きな街へ移ろうと思ったんだ。ロッテルダムは交通機関が24時間動いてるから、ギグのあと空港へ行くこともできる。すべてに近いから、移動も便利だったんだ。

ロッテルダムと言えば、かつてはガバで有名でしたが、どんな音楽シーンがありますか?

マーティン:超ビッグなエレクトロ&テクノ・シーンがあるよ。けっこう知られてるくらい大きいんだ。いろんな人がツアーできてるしね。スピーディ・Jとか、アムステルダムの有名なテクノDJもそのシーンに参加してるんだ。ヒップホップも多いよ。オランダ語のヒップホップ。ガバはたしかに昔は有名だったけど、もう違うね。ロッテルダムも大きい街ではあるから、つねにいろんな音楽が飛び交ってるんだ。住んでてすごく楽しい街だったよ。

最初はドラムンベースのDJだったという話ですが、そうなんですか?

マーティン:そうだよ。

初期はマンチェスターやロンドンのレーベルから作品を出していますが、UKには頻繁に行っていたんですか?

マーティン:そうだね。とくに90年代半ばくらいはしょっちゅうイギリスに行ってたな。ドラムンベースがビッグになったときは、かなりの頻度でロンドンに行ってたよ。オランダからあまり遠くないから、ロンドンに行ってレコードを買ったり、クラブナイトに行ったり......。週末に行って、3、4日間滞在するってパターンが多かったかな。ドラムンベース・ナイトの仕事もしてたから、UKから人を呼んだりもしてたんだけど、それでUKの友だちも何人かできたんだ。だから自分の曲を作りはじめたとき、彼らに曲を送るのには困らなかった。彼らはクラブナイトを通してすでに俺と俺の音楽を知ってたからね。受け入れてもらいやすかったんだ。

音楽だけで生活できるようになるまで、どんな仕事をしていましたか?

マーティン:けっこういろいろやってたよ(笑)。大学時代はバイトしてたし。顧客サービスとか、つまんないこともやってた。でも、最初にちゃんとお金を稼ぐようになったのはクラブ経営の仕事。だから、バイト以外の仕事だと、初めから音楽業界に関わってはいたんだ。さっきも言ったけど、プロモーターとか、オーガナイズなんかが最初の仕事だね。

シングル「Red 7 / Get Down」もそうでしたが、『グレイト・レングス』はどちらかと言えばデトロイティッシュな美しさを持った作品で、デトロイト・テクノやシカゴ・ハウスへの愛情を感じたのですが、そのあたりの影響について教えてもらえますか?

マーティン:デトロイト・テクノやシカゴ・ハウスからは、いちばん最初に影響を受けたと言ってもいいくらいさ。そういった音楽は、クラブに行きはじめた本当に最初の頃に出会った音楽だからね。人って、若い頃がもっとも影響を受けやすいだろ? まさにクラブに行きはじめたときにハウスやデトロイト・テクノがビッグだったから、そういう音楽がまるでウイルスみたいに俺のなかに入って来たんだ(笑)。レコードを買いはじめたときも、テクノやハウスのレコードを買ってた。俺にとっては、そういった音楽が最初のダンス・ミュージックなんだ。だから、多かれ少なかれ俺の音楽がそれっぽく聴こえるんだと思うよ。

デトロイトのアンダーグラウンド・レジスタンスのメンバー、DJデックスとはどのように知り合ったんですか?

マーティン:アンダーグラウンド・レジスタンスを通じてさ。彼に会ったのは...そうとう前だな。自分の音楽を作ったとき、音源をデトロイトのアンダーグラウンド・レジスタンスに送ったんだけど、何でかはわからないけどそのときDJデックスがたまたまそれを聴いて気に入ってくれたんだ。で、俺も彼の音楽が大好きだったから、彼にリミックスを頼んで、そこから交流がはじまった。で、アメリカに引っ越してから直接会うようになったんだ。いま彼はLAに住んでるから、LAに行くときは彼に会うんだ。

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自分の音楽を作ったとき、音源をデトロイトのアンダーグラウンド・レジスタンスに送ったんだけど、何でかはわからないけどそのときDJデックスがたまたまそれを聴いて気に入ってくれたんだ。で、俺も彼の音楽が大好きだったから、彼にリミックスを頼んで、そこから交流がはじまった。


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ダブステップ、ポスト・ダブステップというタームであなたの音楽は語られることが多いと思いますが、そのことについてはどうでしょう?

マーティン:あまり気にしないよ(笑)。俺はただ、自分スタイルの音楽を作ってるだけ。人はそのスタイルをジャンル分けしたり、名前をつけたがるけど、そういうのって俺にはあまり重要なことじゃないんだ。自分の音楽は自分の音楽。それだけさ。ダブステップとかポスト・ダブステップとか、そういう名前は考えない。興味がないんだよね。アイディアを思いついたら、それを形にするのみ。それがクラブでプレイできるような曲ってだけさ。

ダブステップやポスト・ダブステップが嫌いってわけではないんですよね?聴くのは好きだったりするんですか?

マーティン:うーん。実は、俺はいまだに何がダブステップで何がポスト・ダブステップなのかわかってないんだよね(笑)。ただ、いままであった何かの名前が変わっただけのような気がする。1、2ヶ月後にはまた違う名前で呼ばれてるかもしれないよ。ダブステップってものをあまり意識したことがないね。俺はただ、自分が好きな音楽をきくだけ。好きか嫌いか、良いか悪いか、気にするのはそこだけだよ。ジャンルは関係ないんだ。ジャンルを意識すれば、ルールに縛られることになるからね。たとえばダブステップならベースラインがあって、1分間に140のビートがないといけないとかさ。そういうルールが存在してしまうと、音楽はつまらなくなってしまうと思うんだ。

ダブステップに関して言えば、あなたのなかでもっとも大きな影響は何だったんでしょうか?黴�と聞こうと思ったのですが(笑)

マーティン:ドラムンベースを聴いてたときにちょっと影響を受けてるかもね。コード9やブリアルがすごく新鮮に感じたんだ。俺にとっては、新しいサウンドだった。それがダブステップと呼ばれてるとも知らなかったけど、とにかく俺は彼らのサウンドが好きだったんだ。面白いと思ったし、インスピレーションを感じたよ。彼らのあとはあまり好きだと思えるアーティストはでてこなかったけどね。俺が好きだと思うのは、コード9とブリアル、それにデジタル・ミスティックスの3つだけだな。

ここ数年、ダブステップはメインストリームとの接触を持つほどポピュラーになりましたよね。こうした展開についてはあなたはどのように考えていますか?

マーティン:もっとレイヴっぽい音楽になってきたと思う。アメリカの若者のあいだではとくにビッグだよ。みんなドラッグをやりながらダブステップを聴くんだ。だから、そういうシーンに俺の音楽の居場所はないんだよね。いまのダブステップ・シーンは、5年前のそれとは違うから。そういうのをダブステップと呼ぶことさえ難しいよね。

『Fabric 50』の展開に驚いたんですよね。ハドソン・モホークではじまり、ジョイ・オービソンのポスト・ダブステップやロスカのファンキー、ゾンビーやアクトレスといったレフトフィールドな連中、あるいはデトロイトのDJボーンやロンドンのインディ・ロック・バンドのディタッチメントを挟みながらドリアン・コンセプトで絞めるという多様な選曲と構成が素晴らしいと思ったんですが、あなた自身は自分の音楽的なアイデンティティについてどのように考えていますか?

マーティン:うーん...どうだろう? よくわからないけど、自分がプレイしたいと思う音楽、好きだと思う音楽のすべてがアイデンティティじゃないかな。たしかに俺の音楽のスタイルは多様だけど......たとえば、2時間聴いたら10のスタイルを聴くことができるとするよね? でもそれを終わりまで聴くと、その10個のスタイルがひとつのセットになってることがわかると思うんだ。たくさんのスタイルが、ひとつのスタイルとして凝縮されてるのさ。それが俺のサウンドだと思う。そのなかでもあえてメインを言うなら、ダンス、ベース、シカゴとデトロイトの音楽の3つかな。その3つがスタイルの軸だね。

その3つが軸になるのは、あなたがさっき言っていたように、若い頃に聴いていた音楽だから?

マーティン:そうそう。若いときの方が影響されやすいからね。吸収もするし、体に染み付くのさ。小さいときに親が聴いてた音楽だってそう。そういう音楽は、生きてるあいだじゅう自分がずっと聴くことになる音楽になると思うんだ。

実際、あなたの作品は、ハウスやテクノのDJたちから支持されています。そのことについてはどう思いますか?

マーティン:最高だね! 素直にエンジョイしてるよ。自分でレコードを作ると、それがいろんな人びとの手に渡る。たくさんのDJがいろんな場所でそれをプレイしてくれてるのを聴くのは本当に嬉しいんだ。例えばジャイルス・ピーターソンはジャズやハウスのセットでそれをプレイするけど、DJデックスはハード・テクノのセットでプレイする。いろいろな人たちが、それぞれ違う場で俺の作品をプレイしてくれてるっていうのがいちばん素晴らしい部分だと思う。音楽は、そういった人たちの手によって旅をするんだから。それが自分の音楽作品を作る事の醍醐味でもあると思ってるんだ。

あなた自身が好きなDJって、誰がいますか?

マーティン:そうだなぁ...俺が好きなのは、いつだってサプライズをくれるDJ。サプライズが大事なんだ。知ってる音楽だけじゃダメなんだよ。人は常に新しい音楽を求めてるんだからね。それをやってくれるのは......Kode9、d-Bridge、Floating Points、それにMarcel Dettmann、Ben Klockだな。彼らは俺のお気に入りだよ。

ここ数年でシーンは急激に変化していると感じますか? もしそう感じているとしたら、具体的にどのように変化しているのでしょうか?

マーティン:たぶんそうだとは思うけど......。やっぱり、自分がファースト・アルバムを作ったときと、いま現在の音楽シーンは全然違うからね。とくにUKでは、テクノやハウスが前より断然ビッグになったと思う。前はダブステップとかベースライン・スタイルが流行ってたのに、いまはみんな、もっとハウスやテクノに影響されてるなと感じるんだ。それが、俺が感じる大きな違いだね。

ポスト・ダブステップと呼ばれるようなシーンの拡大がありますよね。ピアソン・サウンドやアントールドみたいな人たちが台頭したり、ジェームス・ブレイクが大ヒットしたり......、こうした状況をどのように受け止めていますか?

マーティン:面白いとまでは思わないね。そういうのをやってると、音楽が新しいものを何ももたらさなくなってしまうから。ルールに縛られた音楽から、新しいものは産まれないんだ。ルールをなくすことが、オリジナルの作品を作るポイント。良い音楽か悪い音楽か、好きか嫌いかだけを考えとけばいいんだよ。別にジェームズ・ブレイクが流行ってるのはいいと思うけど、彼は彼。彼がポスト・ダブステップだと思ったことはないね。彼の音楽は、それよりもすごくパーソナルだと思うよ。

ここ2、3年の、ヨーロッパのダンス・カルチャーの盛り上がりはすごいものがありますが、あなた自身、その理由をどのように分析していますか?

マーティン:たぶん......ヨーロッパの文化がもともとそうだからじゃないかな。60年代も70年代も、80年代も90年代も、ヨーロッパの人びとはいつだって週末に出かけてダンスするのが好きだから。それがノーマルなんだよ。アメリカに住んでるから、その違いを感じるんだ。ここの人たちは、ダンスしに行くというより、ロック・バンドを聴きに行くんだよね。コンサートには行くけど、ヨーロッパほどクラブには行かないと思う。クラブの雰囲気も違うしね。もちろん大きい都市にはクラブ・シーンもあるけど、小さい街の人びとは、ラジオを聴いてそれを聴きにバンドを見に行くんだ。だから、ヨーロッパに関しては、それが昔からの文化だと思うんだ。わからないけど、それは自然なことなんだよ。ヨーロッパは、そもそもエレクトロが盛んっていうので有名だしね。

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もっとレイヴっぽい音楽になってきたと思う。アメリカの若者のあいだではとくにビッグだよ。みんなドラッグをやりながらダブステップを聴くんだ。だから、そういうシーンに俺の音楽の居場所はないんだよね。いまのダブステップ・シーンは、5年前のそれとは違うから。


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結婚を機にアメリカのワシントンDCに越しましたが、そのことであなた自身、作品や活動においてどのような変化があったのでしょう?

マーティン:そうだなぁ......アメリカの文化って、やっぱり違うんだ。最初越して来たときにインスパイアされたのは、この国の人びとが超ハードに働くってこと。仕事に100%の力を注ぐんだ。ヨーロッパのプロデューサーたちはもっとリラックスしてて、それが失敗したとしても他になにかやればいいと思ってるから別に気にしないんだけど、アメリカは違う。みんな、自分がやりたいと思うことでお金を稼ぎたいっていう意思があるから、それで成功するしかオプションがないんだ。だから、みんな必死になるんだよ。他の何かに頼ったりはせず、100%それだけでやっていこうとする。それに失敗すると生活ができなくなるから、みんなのモチベーションがかなり高いんだ。しかもポジティヴだしね。俺がインスパイアされたのはそこ。メキシコからの移民の姿もそうだよ。彼らは毎日本当に一生懸命働いて、そのうえ仕事が終わると夜間学校に通う人たちだっているんだ。だからいまは、自分も彼らと同じ姿勢で音楽作りに挑んでる。2倍の力を出す。それが今回俺がやったこと。だからこそ、いまの位置にいると思うんだ。

あなたにとってアメリカはオランダよりも住みやすいですか?

マーティン:住みやすいとまでは言わないかな。ヨーロッパも、ギグなんかで帰るとやっぱり楽しいと思うしね。でも、アメリカに帰ると、俺が住んでる場所はあまり都会じゃないから、静かでリラックスできるんだ。俺にとってはそれがパーフェクトなんだよね。いつも忙しくてバタバタしてるから......。アメリカに戻ってくればスペースもスタジオもあるし、誰にも邪魔されずゆっくりとできるんだ。

アメリカでも、ヨーロッパと同じようにあなたの音楽は受け入れられていますか?

マーティン:大きな都市ではイエスだね。ニューヨークとかシカゴ、LAやサンフランシスコなんかでは、俺の音楽を知ってるって人びとはいるよ。友だちもいるしね。でも小さい街では全然知られてない。そもそもみんなダンス・ミュージックをあまり知らないから、俺の音楽は完全に新しいんだ。でも同時に、みんな心がオープンだから、そのときその音楽を気に入れば、その場で受け入れてもらえるってのはあるね。

『ゴースト・ピープル』はアメリカでの経験も反映されているわけですよね? たとえばアメリカでのDJの機会が増えたとか、そういったことが反映されていますか?

マーティン:いや、そうでもないね。ファースト・アルバムのほうが、もっとアメリカでの経験が反映されてるよ。ファーストは、まさに引っ越したばかりのときに作ったから、まだ自分のなかでアメリカが新しくて、刺激的だったんだ。今回はそれよりも、ツアーの旅路での経験のほうが強く反映されてる。フェスとかクラブとか、滞在先のホテルとかね。

アルバムの話に戻りますが、最後の"We Are You In The Future"は圧倒的な曲ですね。とてもドラマティックな構成をもった8分以上の曲ですが、この曲についてコメントお願いします。

マーティン:うーん......このアルバムを作ってたとき、昔のレイヴ・ミュージックをたくさん聴いてたんだ。90年代初めのハウスやテクノをね。だから、このトラックはそういった音楽から影響されてる。ブレイクビーツとか、最初の頃のレイヴだね。レトロにならないようにしながらも、昔のレイヴを参照にした曲なんだ。ここまで長いトラックに挑戦したのは、この曲が初めてなんだ。ラストをスペシャルなものにしたかっらから、今回それをやってみることにしたんだよ。最高のエンディングにふさわしい、大作を作りたかったんだ。このトラックは、俺自身のお気に入りでもあるよ。

最後に、今後の計画などありましたら、教えてください。

マーティン:あまり決めてないけど、とりあえずはライヴ! いまはそれだけさ。DJとはまた違うから、楽しんでるよ。

DJとライヴ、どっちが好きですか(笑)?

マーティン:DJはもう15年もやってるから、自分にとってナチュラルというか、当たり前のことなんだけど、ライヴはまだ自分にとって新しいから、いまだにエキサイティングなんだ。だからいまは......ライヴをエンジョイしてるかな(笑)。どっちもそれぞれ違う理由で好きだけどね。

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