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21世紀に入って音楽文化は停滞しているんじゃないかと人に言われるたびに、たとえばこう言う。20世紀では、たとえば山下洋輔や富樫雅彦といった名前を欧米の(ジャズの専門誌ではなく)ポップ・メディアで見かけることはまずなかったと思う。が、今世紀、日本のインプロヴァイザーの名は、たとえばティム・ヘッカーやビヨンセまでを評価するようなポップ・メディアのなかで見つかる。そう、つまり、80年代以降に生まれた人たちの耳にそれらは馴染んでいる。多くの優れた日本の音楽とともに。
もっとも海外が気がつく前からそれらは素晴らしい音楽だったが、いま20代の君にわかりやすく説明すれば坂田明はそうしたひとりだ。今年リリースされた『And That's the Story of Jazz...』はそうしたある種の(そしてある意味では真の意味での)"ワールド・ミュージック"として高い評価を得ている。今週の水曜日、渋谷のWWWに行かないで手はない!
contrarede presents
坂田明&ちかもらち
~ちかもらち空を飛ぶ!東京ーモスクワーヨーロッパー東京~
ちかもらち 空を飛ぶ!最終着陸地点は渋谷WWW!!
山下洋輔、ジム・オルーク、八木美知依と豪華盟友陣をゲストに迎えてまさにスペシャルな一夜!これで何か起きないはずは無い!?
11/9 (WED)
SHIBUYA,WWW(03-5458-7685)
open 18:30 / start 19:30,
adv 3,700yen / door 4,200yen (+1drink)
live : 坂田明&ちかもらち(坂田明、ダーリン・グレイ、クリス・コルサーノ)
Guest : 山下洋輔、ジム・オルーク、八木美知依
『プレイグラウンド』は「うた」にピントをあわせたアルバムだったので音は歌のあとに隊列を組んでつづくように思われた。それは歌を聴かせる音楽であるフォークが多くのひとの気を惹いていたゼロ年代最後の年に出した、山本精一らしい作品であるとも『プレイグラウンド』は思わせたが、淡々と歌いながら、その背後に無数の音楽を背負ってもいた。歌詞には虚無の裂け目があったが、歌の前に音楽の仕掛けは霞んでしまった。おかしないい方だが、歌を聴くのに懸命で音楽が置き去りになっていた。羅針盤が封印されたいま、山本精一の歌は過去になったものとばかり思っていた。なぜだかわからないが。それが不意に現れたものだから歌と同時に音楽全体を聴いていたにもかかわらず、呆然と聴き惚れてしまった。山本精一は巨大な歌を歌うひとだが、その巨大さを支える音楽の細部には巨大さと同じものが横たわっている。聴くほうはワンセンテンスでそれをいいあてられないから、結局は「うた」と「ポップス」が合体した「うたもの」ということで話はまとまりかけるのだが、かつてその代表格だった羅針盤からの時間の隔たりを感じさせる変化が『プレイグラウンド』にはたしかにあった。円熟を感じさせるいっぽうで、2010年代の新しい歌としてのさまざまな可能性が歌の底にうごめいている。
無数の方向性からひとつを選び1枚の作品に仕立てのが『ラプソディア』だろう。このアルバムは『プレイグラウンド』から1年経っている。今回も山本精一(ヴォーカル/ギター/ベース)と千住宗臣(ドラムス/パーカッション)のデュオ体制のシンプルな「うたもの」なのだけど、その顔つきは前作とはまるでちがう。前のアルバムはどちらかといえばフォークだったが、今回はロックである。しかも豪快に歪んだ山本精一のギターを久しぶりに堪能できる。『プレイグラウンド』にもそういった曲はあるにはあったが、ギターはややスパイス的に立場だった。ここではそれがより大ぶりな存在感をみせることで、全体がバンド的な音作りにシフトしている。千住宗臣との掛け合いは一体感を増し、セッション的なグルーヴを終始保持しているが、ギターとドラムを接着するベースの役割は前作以上に重要なものになっている。山本精一は前作のベース演奏をピーター・ペレットのイングランズ・グローリーを引き合いに出して説明したが、『ラプソディア』のベースはパンク的な硬質なものではなく、ファットかつ(やや)ファンキーである。だけでなく、手探りで音をたぐりよせる不安定さが合奏に絶妙なテンションを付加している。"ラプソディア"のハネ具合やヌキ具合はロビー・シェイクスピアもコリン・ムールディングにもマネできない。そう書いて思ったが、米国式フォーク・ロックあるいはサイケデリック・ロックの遺伝子ともに、ブリティッシュ・トラッド、UKロックの影がさすことでこのアルバムの立体感はより強くなっている。この回収不能感は伝統が属性と即断される現在においてはやはり異能のことといわねばならない。もっとも山本精一はただ孤高として別の山のように屹立するのではなく、彼の音楽には次の音楽を示唆するものが潜まされてもいる。これと較べるべきは、山本と同じくヴォーカルとギターとベースとを担当した坂本慎太郎のソロ『幻とのつきあい方』であり、両者の描き出す索漠とした風景は音楽を、音楽を奏でる主体に拮抗させることで歌をつくってきたここ数年から、主体はどうあがいても音に匹敵できないという諦念含みの分裂を前提に置きながら、その間のミゾから目を逸らさないことで、ポップ・ミュージックの折り返し地点を示すものかもしれない。というのは大袈裟だろうか。
現代のサン・ラーを気取るグレゴリー・ショーター・ジュニアの2作目(? 3作目? デビュー・アルバム以前に発売が告知されていた『ダウン・2・アース』が今年になって、ようやく〈ランプ・レコーズ〉からリリースされたので、3作目と数えてもいいし、それがあまりにデモ・テープ的な内容だとしてカウントしなくてもいいし、いっそのこと〈ブレインフィーダー〉からファイルのみでリリースされた『ブラザー・フロム・アナザー・プラネット』や〈リーヴィング〉からのカセット、あるいは初期のCDRも加えて最大で6作目と数えることも可能。面白いのは、そのようにしてリリースの形態がまったく統一されていないことで、『スペースベース・イズ・ザ・プレイス』は初めて2×10インチというフォーマットとなっている)。
LAのビート・メイカーをシリーズで紹介してきた〈オール・シティ〉が新たにはじめたサン・ラーのリコンストラクション・シリーズ「ビュー・オブ・サターン」でもトップを切って話題を集めたこともあり、まずはサン・ラーの代表作『スペース・イズ・ザ・プレイス』をもじったタイトルが期待を煽る。サン・ラー同様、プロジェクトの名義も前作がザ・アフリカン・スペース・プログラムだったものが、ここではザ・アルケビュラン・スペース・プログラムに変更され、サン・ラー気取りにも磨きがかかっている......とはいえ、ラス・Gはまったくのソロ・プロジェクト。発想はあくまでDJカルチャーのそれで、サン・ラーのバックからブラザー・アーことロバート・ノーゼムが突出したり......といったような局面は起こりえない。
パーツを散りばめたようなオープニングから一筋縄では行かず、重いベースや唐突に鳴り始める高音のパーカッションが瞬時にして重力感覚を狂わせる。全体的にロー・ファイかつモンドな曲調が連打され、混沌としながらもどこかで丁寧にリズムを感じさせてくれる......と思ったら、いつの間にかメインのリズムが変化していて、リズムに耳が馴れてくる頃には、奇天烈な音をインサートさせるなど、わざとビートから意識を逸らせようとしているようで、サイケデリックという言葉が正しいのかどうか、ヒップホップをベースとしながらも、なるほどサン・ラーのフィーリングは再現されているといえる。断片に意識を持っていかれ、すぐに全体像を見失うという仕掛けはとにかく巧妙としかいいようがなく、"シリー・アースリングス"や"ディスコ4000"など思いがけず重層的で、トリップ・ミュージックとしての完成度は前作を遥かに上回る(前作でいえば"ビヨンド・ザ・スカイ""スロオオオオオオオオウ・ダアアアアアアアウン"といったトリップ・モードがアルバム全体に拡張されたというところか)。
同じLAでも大幅にジャズを導入したフライング・ロータスよりも、あえてヒップホップの文脈に乗りながらサン・ラーを思わせるのは、やはりモンド=スペース・エイジのセンスによるところが大きいのだろう(少し前にベイ・エリアからデビュー・アルバムをリリースしたペイパー・アッパー・カッツにも似たようなことがいえる。パーカッションを駆使した"GLP"はとてもいい)。とはいえ、展開の妙に意識を傾けすぎたか、どの曲もかなり尺が短く、1曲をもう少し長く聴いていたいというのが正直なところ。それとも、ブラック・ミュージックには往々にしてそういうところがあるし、そのほうがサウンドの迷宮性というものは保てるのだろうか。
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SPACE DIMENSION CONTROLLER
The Pathway To Tiraquon6
[R & S/ 2x12inch] /
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SEAHAWKS & AUTRE NE VEU
Don'S Rainbow
[Ocean Moon / 7inch] /
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COSMIC METAL MOTHER
Time Is Now(Mr.Fingers / Commodity Place Remix)
[Panacustica/ 12inch] /
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DJ YOAV B.
Spacetrips Ep
[Syncrophone / 12inch] /
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ROLAND SEBASTIAN FABER
Gegen Den Strom Ep
[Aube Records/ 12inch] /
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DE-LITE : DESIYA
Wild Times (Mayday Mix) : Coming On Strong
[Black Market/ 12inch] /
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FRANCIS HARRIS
Lostfound (Matthew Herbert Rmx)
[Scissor & Thread/ 12inch] /
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MORNING FACTORY
Sultans Of Swing Ep
[Fina/ 12inch] /
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ASHLEY BEEDLE
Angels / Pinball
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アメリカで活躍する日本のバンドというと、メルト・バナナ、ボアダムス、少年ナイフ、アシッド・マザー・テンプル、灰野敬二、最近では、ボリス......今日は、1993年に結成され、10月29日の土曜日、 今年で、18年目を迎えるメルト・バナナのライブを見にいった。今回は、10月1日から11月29日まで、休みはほとんどなしの、2ヶ月間の怒濤なるツアーだという。オレゴン州から入り、ミッドウエスト、カナダ、東海岸、南部を通り、そして西海岸に入るという経路である。ニューヨークは、ツアーのちょうど中間あたりで、〈サントス・パーティ・ハウス〉というマンハッタンのダウンダウンにある、Andrew WKが経営する会場でおこなわれた。ちなみに共演は、Tera Melos、Unstoppable Death Machines。早めに着いたつもりが、「次がメルト・バナナだよ」と言われる。まだ9時だというのに。
客層は男の子中心で、革ジャン、パンク系が目立ち、ガタイはでかい。ハロウィン・コスチュームな人もいた。CMJのハイライト・ショーに行ったような人は見られない......。
その日のニューヨークでは大雪が降った。10月にしては珍しい、というか私が記憶している限りでは初。サンクス・ギビング・デー辺りを目安に大雪が降るのはよく覚えているが、ハロウィン辺りというのはここ10年記憶にない。異常気象。
それでも、いい感じにお客さんは入っていた。ほとんどどが昔からのコアなファンなのだろう。曲がはじまるごとに、「オーーーー」といううなり声。ちょっと怖かったが、このバンドに対する期待感の大きさだ。 電撃的なキンキン、バリバリ、ヒリヒリしたパンク・ノイズ・サウンド......という表現が適切なのか、とにかく、絶妙なテンポで、曲をどんどん展開していく。ベースは女の子、ドラムは男の子。そしてギターのAgataさん、ヴォーカルのやこさんの4人編成。やこさんは、トレードマークのショートヘア、白の長袖トップにジーンズ、底の高いラバースニーカー。中間にはショート・ソング(たぶん1曲5秒、10秒とか)を8曲連続で披露。野郎の声援にまた力が入る。
セットにヴァラエティがあって楽しいし、それに対応できるヴォーカル力はさすがだ。キャリアの長さを感じさせる貫禄ある演奏で、とくに今回のメンバーのバンド・サウンドはスキがなく、怒涛のように演奏し、曲が終わるたびに、思わず拍手した。
やこさんの拙い英語がある種のヴァーチャル感をだすのか、あのアニメ声で「マーチ(物販)があるよ」などと言われるともう大変。ショーが終わったあとは、階段にながーい行列ができていた(なぜか今日はマーチ・テーブルが階段のいちばん上にあった)。しかもその列はまったく動く様子なし。たぶんひとりひとりと話しているので長くなるのだろう。こんな行列は,少年ナイフのジャパン・ソサエティのショー以来かもしれない。
先述した海外で活躍する日本のバンドは、いちど地位を得たらファンは根強く、ずっと付いて来てくれる。もっともこの傾向は10年選手バンドばかりで(私が知る限り)、残念ながら最近のバンドには見られない。イコール、若い子にそこまで音楽やバンドに対して情熱がないのか、そこまで夢中にサポートしたいバンドに出会ってないのか、単に見逃しているのか、最近のバンドがよくないのか......時代が違うといえばそれまでだけど、ライヴの醍醐味はいつもレコードで聴いているアーティストが目の前でプレイしていて、直接話しが出来る。そのリアリティにある。そうしたライヴの熱さも、今日のマーチに並ぶファンの図を見るとまだまだ捨てたものではないと少し感動した。この感覚を次世代につなぐことができたらもっといいのにね。
実際、最近まわりで人気のあるバンドは、まるっきり新しいことをやっているわけでなく(私が知っているまわりのバンド限定ですいません)、最近見たダム・ダム・ガールズしかり、ターミナル5(!)でのショーが決まったガールズしかり、彼らは古い歌がどれだけ良くて、自分たちが影響を受けて、この曲が存在していることを意識している。いいと思うものを自分が思った通りに表現できるのは素晴らしいことで、それが実際受け入れられている。いまは情報が氾濫していて、どれが本当でどれを信じるべきでさらに自分が何が好きかを惑わせるツールがたくさんある。便利なようで、それがことをややこしくしている。
とまれ。今日、ライヴを見て思ったことは、長く続けられるインディ・バンドには根強いファンがいて、実際、彼らをがっかりさせないライヴを毎回やっている。前回、私が見たとき(たぶん自分が企画した2002年のライトニング・ボルトのジャパン・ツアーでの共演時)と勢い、見た目もまったく変わっていない。さらに18年やっているのだけど色はまったく褪せていない。でもそれがファンの期待を裏切らない......ということなんだろう。素晴らしいことだと思う。今日の時点で、後(ツアーは)40本残ってると、MCで言った。18年間、こんな感じでずっとやっている。繰り返すけど、まわりの大きな男の子たちが「オーーーー」と唸っているのをみると、元気付けられる。夢中になれるものがあるということは、ホントにいいことだと思った。
外は大雪だったが〈サントス・パーティ・ハウス〉は熱気に包まれていた。ショーは終わったけど、ひと息つきたくてドリンクを頼もうとしたら、バーテンダーが先ほどの穏やかな可愛い女の子からゲイのふたりに変わっていた。しかも水着とレオタード! そして、気が付いたら「外に出ろ」と警備員のおじさんに追いやられていた。外に出ると、ずらーっと、また行列(......雪降ってます)。しかも牛や鹿の着ぐるみ、ティンカーベル、魔女、ゾンビ......変なコスチューム。なるほど、ハロウィン・パーティがこのあと開催されるのかー。土曜日の夜、ハロウィン・ウイークエンド、当然当然。パーティー・ハウスですから。
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CANTOMA
NORTH SHORE
LENG / UK / 2011/10/26
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THEO PARRISH / BURNT FRIEDMAN
MEETS MANCINGELANI AND ZINJA HLUNGWANI
HONEST JONS / UK / 2011/10/25
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FRANK EDDIE
LET ME BE THE ONE YOU CALL ON
IMPOTENT FURY / UK / 2011/10/25
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KARTHALA 72
DANA LE COEUR DU FEU
ELECTRIC COWBELL / US / 2011/10/23
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SUN RA
THE MIKE HUCKABY REEL TO REEL EDITS VOL.2
ART YARD / KINDRED SPIRITS / NL / 2011/10/2
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V.A. [PRESENTS BY RECLOOSE & FRANK BOOKER]
HIT IT & QUIT IT RADIO REVUE VOL.1
FINGERTIPS / NZL / 2011/10/18
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![]() Photodisco 言葉の泡 P-Vine |
(フォトディスコとは誰なのかというと、普通の青年である。それはウォッシュト・アウトが普通の青年であるということと変わらない......)。
ついにフォトディスコの公式版デビュー・アルバムがリリースされる。タイトルは『言葉の泡』。年初にいち部の専門店で委託販売され、まったくの無名ながら短期間に異例の枚数を売り切った自主盤『フォトディスコ』から5曲を再ミックスして残し、新録5曲を加えた内容だが、結果的に自主盤からは大きく表情を変えることとなった。筆者は以前「チルウェイヴ」としてフォトディスコを紹介し、レヴューや今作ライナーノーツでも彼らが携える時代的な意味や成果についてマクロな考察を加えている。だが今作後半の数曲は、より狭義のチルウェイヴ――要はウォッシュト・アウトやトロ・イ・モワやネオン・インディアンらが体現する音だ――を意識していることがはっきりとうかがわれるだろう。"ミッドナイト"、"アイ"、"サケ"、"イエス"などローファイでリヴァービーなシンセ・ウェイヴの一連は、トレンドとしてのチルウェイヴと向き合ったトラック群だ。そしてフォトディスコ一流の叙情性が、このムーヴメントの勢いに埋没しない、とてもオリジナルなテクスチャーを生み出している。広義にチルウェイヴであった彼が狭義のチルウェイヴを目指したのはなぜか。インタヴュー中、フォトディスコは「気持ちいい」ということに繰り返し言及している。それはディスコ的な「快楽」ではなく「快適」のニュアンスに近い。「快適さ」を目標に設定する彼が、その最適解としてチルウェイヴを選んだことはおもしろい。時代のなせる業とも言えるだろう。インターネットによってベッドルームが世界に直結するこの時代、多くのベッドルーム・ポッパーたちが自らの部屋と世界との臨界点に、その摩擦を軽減し、快適さを保つため、緩衝材のようにめぐらせた音がまさにチルウェイヴであるから......。
ではフォトディスコの応答に耳をかたむけてみよう。言葉では多くを語らない人柄であるが、以下には飾らず涼やかな、そしてどこか頑固なアーティスト像がたちあがっている。今作について付言すれば、表題曲や"盆踊り"といったエレクトロ・アコースティックな曲が、一般に単調になりがちなチルウェイヴ作品に物語と陰影を与えていることに気づく。地域性の揚棄がチルウェイヴの特徴ではあるが、フォトディスコの音楽に非常に日本的な展開が示されていることも重要だ。ぜひともこの風土に眠る才能たち、そして日本の多くのベッドルームを揺さぶる存在になってもらいたい。
僕、チルウェイヴって何のことか知らなくて。『フォトディスコ』(自主盤)をつくったときにネットとかで「チルウェイヴ」って言われて、それから聴きはじめたんです。
■自主盤の方が完全に廃盤になったということで、どうですか。
フォトディスコ:本当にうれしい限りです。廃盤になるって、まったく思いませんでしたから。400枚作ったので、それを買ってくれた400名の方々と、僕の音楽をプッシュして下さった販売店の方々に感謝しております。
■公式1STとともに自主盤を生かしておく選択肢もあったと思うんですが?
フォトディスコ:いえ、まったく考えなかったですね。
■ははは。どうしてですか?
フォトディスコ:ええと......出していただけるレーベルが決まったときにはもうどんどん新しい曲ができあがってたんです。それで、CD-R(自主盤)の方を買ってくれた人に、その新しい曲を聴いてほしいなって思って。せっかく全国流通になるから、CD-Rのなかからさらにいいものを選んで、新しいものも加えたいなと思いました。
■では、自主盤の方にとくにアルバムとしての崩したくないコンセプトがあったというわけではないんですね。
フォトディスコ:そうですね。CDRの容量700MB、限界まで曲を詰め込んだアルバムです。曲順は、全体通しで聴いて気持ちのよい曲順に心掛けました。
■自主盤から外したものに基準はありますか?
フォトディスコ:僕、チルウェイヴって何のことか知らなくて。『フォトディスコ』(自主盤)をつくったときにネットとかで「チルウェイヴ」って言われて、それから聴きはじめたんです。
■そうなんですよねー。
フォトディスコ:それで、なんとなくわかったので、じゃあ僕のこの自主盤の中でいちばんチルウェイヴなものはなんだろうって考えて5曲選びました。
■私の個人的な感覚だと、よりアコースティックで、よりJポップ的な情緒のあるものが選ばれてるのかなと思ったんですが。でも、わりとはっきりチルウェイヴということを意識したと。
フォトディスコ:意識しましたね。
■やっぱりいま意識せざるを得ないところではありますよね。何から聴きました?
フォトディスコ:トロ・イ・モワです。
■ああそうなんですか。ウォッシュト・アウトからじゃないんですね。トロ・イ・モワの何ですか?
フォトディスコ:ファーストですね。緑のやつです。
■聴いてどうでした?
フォトディスコ:聴いたことのない音楽だなって思いました。
■はは! シンプルな感想ですね。チルウェイヴって、認識としては「シンセ・ポップのリヴァイヴァルの一形態だ」というのが一般的かなと思いますが......新しかったですか。
フォトディスコ:新しかったです。
■はは! 私もそう思います。
フォトディスコ:でも、コンプレッサーをいじればできるな、と思いました。
■自分にもできるな、ってですか(笑)。
フォトディスコ:はい。
■テクニカルな話だと、要はどういうことになるんですか、チルウェイヴって。私いろんなこと書いてますけど、技術的にどうだっていうことは作る側の人間ではないので詳しくわからないんです。こうしたらチルウェイヴになるぜっていう調理法があるわけですか?
フォトディスコ:あります。
■企業秘密ですか?
フォトディスコ:いや、秘密じゃなくてみんな知ってると思います。ちょっと宅録とかやる人でしたら。
■ははあ。
フォトディスコ:僕は感覚でコンプレッサーかけてるんで、あまり専門的なことは言えないのですが、要は、音を押しつぶせばいいんですよ。過剰に。そしたら、音圧出ますが、不自然な感じになります。
■タームが出てくるとなんとなくしか理解できないんですが、素朴に音のことだけを考えると、わりと誰にでも作れるものだってことですね。
フォトディスコ:はい。そう思います。
■もちろん、いま現在はチルウェイヴといってもすごく裾野が広がっていて、スタイルも方法も様々ではあるんですが、ローファイで、もこもこして、リヴァービーで......っていうあたりは基本要素かなとは思います。
フォトディスコ:そうですね。僕は一夜漬けで勉強しました。
■あはは、末恐ろしい。機材的にはどうなんですか?このトピックで引っぱって恐縮なんですが、やっぱりチルウェイヴってことで、そんなにスゴイものは使ってないってシナリオにしたいんですが(笑)。
フォトディスコ:それはもうほんとに、大したことないですね。『サンレコ』(『サウンド&レコーディング・マガジン』)とかだと、ミュージシャンの人がほんとにいい機材ばっか使ってるじゃないですか。ヴィンテージの。こんな機材......いいなあ! って思うんですけど、やっぱり自分にはお金もないですし。いまの環境で作るしかないですね。もしいま『サンレコ』の取材を受けて部屋見せたら、絶句されると思います......。PCもポンコツで、作ってる最中に何回も落ちるし。でも、いまの機材で満足してますね。
■やっぱりそうなんですか。お金があったら増強したい設備って何系のものです?
フォトディスコ:ヴィンテージのコンプレッサーとか......
野田:ははは! やっぱりそこ行くかっていう。でも、最先端の音楽を開拓してる子たちの多くは持たざる者だからね。グライムなんてサンプリング・ソースがユーチューブだったり、プレステだからね!
[[SplitPage]]自分にはお金もないですし。いまの環境で作るしかないですね。もしいま『サンレコ』の取材を受けて部屋見せたら、絶句されると思います......。PCもポンコツで、作ってる最中に何回も落ちるし。でも、いまの機材で満足してますね。
■ユーチューブって持たざる極みですね。では、フォトディスコはガレバンの魔術師、ということで! フォトディスコとしての活動についてお訊きしますが、ほんとにいち度もライヴをすることもなく......
フォトディスコ:はい。
■露出というか、楽曲を発表する場はマイスペのみということになりますか?
フォトディスコ:はい。
■とくに日本だとライヴの有無がそのアーティストの知名度に決定的に関わるように見えるんですが、日本のシーンはわりとどうでもよくて、はじめから世界が視野に入っていたとか......?
フォトディスコ:まったくそれはないですね。
野田:ははは!
■(笑)愚問でしたか。いや、世界のほうが日本より上、という意味ではなくて、日本の主たる音楽シーン――それはメジャー/インディを問わずですけど――に対して疎外感があるのかなと。
フォトディスコ:うーん......
野田:ははは!
■すみません。ちょっと私すべってますね。ええと、あんまりそんなことには頓着していないんですね。
フォトディスコ:僕は......とにかく休みのたびにどんどん音ができるんで、それをどんどんマイスペにアップしていたというだけです。
■とくに多くの人に聴いてもらいたいというようなつもりもなく?
フォトディスコ:そうですね。とりあえず(作った音源が)たまってたまって。
■じゃあマイスペがなかったら、ただ作ってるだけの人ですね。
フォトディスコ:(笑)そうですね。ただ作ってるだけの人ですね。
■でも、その休みのたびに曲を作ってたっていうモチベーションはなんなんでしょう。いつか何かになるという確信みたいなものがあったとかですか?
フォトディスコ:うーん......作るのが大好きで。
■何曲ぐらいになってるんですか?
フォトディスコ:ハードディスクを調べたら......100曲とかはふつうに超えてると思います。
■音楽はいつぐらいから作りはじめたんでしょう?
フォトディスコ:それはもう高校時代ですね。友だちとバンドみたいなことをやってて......思い出作りにMTRを買って。ヤマハのMT400っていう、いちばん安いやつなんですけど。
■どんなバンドですか? そのころはどんなアーティストが好きだったんですか?
フォトディスコ:スーパーカーとか。90年代というのが僕にとってすごく素晴らしい音楽の時代だったので......かっこいいバンドは全部コピーしました。
■そのかっこよさというのは何ですか?
フォトディスコ:飾り気のなさというか、媚ない感じですかね。あと、アルバムごとに違う表情をみせるふところの広さですかね。
■スーパーカーが好きなのは何でですか?
フォトディスコ:僕はデビュー作から聴いてるんですけど、高校の頃、実家がスペース・シャワーTV入ってたんで、それで......"クリーム・ソーダ"が流れた瞬間、「うわ、すげえ、なんだこれ」って。こんなバンドが日本にいて、メジャーでデビューできるんだって思いました。
■デビュー曲ですね。
フォトディスコ:はい、デビュー曲で。あとは"プラネット"とかオアシスみたいだなって。日本とか関係ない感じでかっこよかった。高校くらいから20代前半は僕がいちばん音楽を聴いてたときです。ペイヴメントとかいわゆるUSインディからエモとかもすごく好きだったし、洋楽とか邦楽とかなくて、僕だけじゃなくみんな全部並列で聴けてたときだと思います。
■ああ、本当に音楽が輝かしい時代だったんだというイメージがあります。
フォトディスコ:HMVのホームページははやくから「これを買った人はこれも買っています」というやつがあって、しらみつぶしに見てました。
■では、ウォッシュト・アウトとかとやっぱり似ていますね。彼もヨ・ラ・テンゴとかが好きで、とくにテクノやエレクトロニック・ミュージックとか、ダンス音楽で育った人ではない。インプットがUSインディとかハード・ロックとかふつうのチャート音楽で、それがベッドルームを通って、アウトプットがシンセ・ポップとかエレクトロニックになるんです。
フォトディスコ:まあ、僕も就職失敗してるんで。
■ははは。たしかにそこもウォッシュト・アウトと同じかもしれないですけど、なんでシンセとかになっちゃうんですかね?
フォトディスコ:うーん、なんでですかね。実際はギターの音を加工してる部分も多いんですけどね。
野田:90年代までラップトップ・ミュージックを率先してやってきた人たちっていうのは、クラブ・カルチャー寄りの人たちだったんですよね。それがこの10年で、インディ・ロックをやってた人たちにまで波及したんだなと実感しますね。
■それは本当にそう思いますね。時代が時代ならずっとバンド組んでやってただろう人が、環境が整ってラップトップの方に流れ込んだ......。いまのフォトディスコのひな形になるような音はいつ生まれたんですか?
フォトディスコ:高校の後、映像系の学校に入ったので、そこで、何か映像と合う音が作れないかなと思ったときですかね。
■映像というのは大きいコンセプトだったんですね。フォトディスコってそういうことですか?
フォトディスコ:いや、雰囲気です。単語を足していったら、響きがいいな~と思って。
■映像の道には進まなかったんですね。
フォトディスコ:就職失敗して、田舎に帰って(笑)。
野田:田舎帰ったんだ(笑)。
フォトディスコ:はい。それからバイトしてお金貯めて、上京してきました。
■(笑)お金貯めてわざわざ上京したってことは、それなりに野心があったってことですよね。音楽以外の目的ですか?
フォトディスコ:いや、ミュージシャンになるために。
■ははは。そのわりにぜんぜんガツガツしてないじゃないですか! マイスペに音源アップするだけって(笑)。
野田:それが音にも出てるよねー。
フォトディスコ:なははは......(汗)。
■誰に届いてほしいとか、誰が聴いているとか、リスナー像や顔が思い浮かびますか?
フォトディスコ:うーん......最初のリスナーは僕ですね。僕がよければ、その音はいいんです。
■このへんの人たちに投げようとか、そういうのないですか?
フォトディスコ:やっぱり、作っているときは単純に楽しくて、あんまりそういうことは考えられないですね。
■そうですか。私自身は書くことがけっこう苦痛なタイプで、どうやって誰に伝えたらいいんだろうということばかり考えているので......
フォトディスコ:それはだめですよ。楽しんで書かないと、人に伝わりませんよ。
■ああ、そうですかね......そうですね......
野田:俺なんて、20歳になるまでは日記ばっかり書いてたけどね。
■ええっ。
野田:ノートに。日記の場合はブログと違って人には読まれないことを前提で書くけどね。
■ほんとそういう芯から作り手な人には、羨望がありますよ。では、今回の公式デビュー作となる『言葉の泡』についてですが、これはレーベルもついてミックス等も他の人間が関与するというところで前回とはまた異なった達成感があったのではないかと思うのですが。
フォトディスコ:いえ、まったく同じですね。
野田:はははは!
フォトディスコ:チルウェイヴっていうのはこういうものかっていう勉強があって、それを好きに使って楽しんだというのが今回のアルバムです。
[[SplitPage]]そうですね。ただ作ってるだけの人ですね。作るのが大好きで。ハードディスクを調べたら......100曲とかはふつうに超えてると思います。
![]() Photodisco 言葉の泡 P-Vine |
■制作過程として、前回とはいろいろ異なる部分があったんじゃないですか?
フォトディスコ:はい。ミックスやマスタリングの方もいますし、全然音が変わりました。この前出したやつはもろ宅録なんで、音圧がほんとしょぼくて。基本的には自分の音楽はヘッドホンで聴く音楽だと思うんですが、スピーカーで出したときにやっぱりすごく差が出てしまうので気になってたんです。今回エンジニアの方とやらせてもらって、そのへんをいじってもらったことで、市販されているような、ほんと基準の音圧や音量を手にした感じなんで、けっこうテンション上がりましたね。
■エンジニアの方とのやりとりのなかで、心に残ったことはありますか?よくミックスも解釈だっていいますが。
フォトディスコ:やっぱりミキシングとかは、多少他の人が絡むことで自分が思っていたのと違う音になっちゃって、はじめはそれがすごく嫌だったんです。でも予算内でけっこう時間をかけて直しながら聴いているうちに、ああ、こういうのもアリかなって思えるようになって、自分のなかにないものが許せるようになりました。だから、今回のももちろん自分の作品ですが、自分にないものも入ってます。自分ひとりではできないものにもなってると思います。
野田:僕も訊きたいことがあるんですが、"言葉の泡"ってどういうことですか? どこからきたの? "盆踊り"とかさ、"サケ"とか、どういうところからそんなタイトルが浮かんだのかなって。
フォトディスコ:言葉の泡ですか......うーん、何ですかね......(笑)。やっぱり、言葉っていうのは......普段、いろいろな言葉を話すじゃないですか。それが、消えていく感じがするんですよね......。
■文字通り、消えていく感じがするってことですか?
野田:意味というより音声として?
フォトディスコ:そうですね、なんか.....1日に話す言葉っていっぱいあって......それが聴覚的に泡のようにきこえるっていう感じです。
■"言葉の泡"がいちばんいい曲ですか?
フォトディスコ:作ったときはそうでもなかったんですけど、いろんな人がいいって言ってくれて......僕は"盆踊り"がいちばんいい曲だと思います。
野田:僕も同感です。
■ああ。"盆踊り"はどういうふうにできたんですか?
フォトディスコ:あれは、バイトやめたときに、次の仕事見つけるまでちょっと休もうと思って田舎帰ったことがあったんです。ちょうどそれが夏の終わり頃で、写真が好きなんで実家で写真とか撮ったりしてたら曲が作りたくなったんです。アコギでやりたいなってその時は思いました。
■アコースティックな曲に漢字のタイトルがついてるように見えますが?
フォトディスコ:そうですね。
■え? あ、そうなんですか?......いや、なんか、英語のタイトルのものと日本語のタイトルのもので何か使い分けがあるのかなって思って。
フォトディスコ:ああ、それはありますね。たぶん僕が日本語のタイトルをつける曲は、気持ちがめちゃくちゃこもってますね。
■ははは!
野田:じゃ"サケ"(表記は"SAKE")は?
■ははっ。中間ですか?
フォトディスコ:中間ですね(笑)。マーティン・デニーの"サケロック"みたいな雰囲気の曲を作ろうと思って作りました。あとはジャッキー・チェンの酔拳のイメージもありましたね。ちなみに、ほんとに酒飲みながら作ってました。
■ほんとに酒なんだ(笑)
野田:エレクトロニック・ミュージックって酒飲みながらでも作れるところがいいよね! ところで曲を作るときっていうのは、どういう感情に動かされるの? フォトディスコってなんか......むやみに力んでないっていうか。
フォトディスコ:そうですね......まず、作りたいという感情と、僕も第三者にとっても気持ちのいい音にしたいっていう目的で作っています。
■何にこだわりますか? とくに大事にすることとか。
フォトディスコ:とりあえず中域を出すことです。
■それは......気持ちがいいから?
フォトディスコ:......まろやかになります。
■ははは! まろやかが目的ですか。
フォトディスコ:外歩いてて聴こえてくる音って、いまはすごくキンキンしてますから。聴いててずっと聴ける音楽って、まろやかなものだと思うんです。
■ああ、ずっと聴ける音楽っていうのが大事なんですね。とくに新しく入った曲には、アコギではなしに、チルウェイヴ的な方法で「まろやかさ」が演出されているのかなと思います。新しい曲群ではどれが好きですか?
フォトディスコ:それは"ミッドナイト"ですね。
■ああ、そうですか! "ミッドナイト"いいですね!どうしてですか?
フォトディスコ:気持ちいいからです。
野田:ははは!
■気持ちいいから、っていうのはもう哲学なんですね。
フォトディスコ:気持ちいいのはすごく大事ですね。いちばんです。
野田:『エレキング』のシンセ・ポップの特集でチャートを挙げてもらったときに、「いまのシンセ・ポップにロックを感じる」って書いてあったでしょう? フォトディスコにとってロックっていうのはどういうものなんですか?
フォトディスコ:それは......新しいものを作っていくってことですね。リヴァイヴァルだって言うけど、僕はトロ・イ・モワとか聴いたとき、ほんとに聴いたことないものだって思いました。あとは、ガチガチに決めないっていうことですかね。ヨレがある方が人間味が出るというか、新しいものに柔軟でいられる......
■ではフォトディスコの次の音、ということでお訊きしますが、たとえばもっとしっかりとヴォーカルの入った歌ものとかは作ったりしないんですか?
フォトディスコ:歌ものは......僕、歌に自信がなくて。作ったことはあるんですけどね。
■自分は歌では音以上に人を気持ちよくさせられない、とか感じてたりするんですか?がちっとした日本語詞の曲がないですが、音ではなく詞や言葉で表現したいことってあまりない......?
フォトディスコ:日本語だとほとんど音に乗らなくて。曲の雰囲気を崩さずにやるのは難しいですね。
■やっぱり音ありきですよね。もし無理矢理先に詞だけ作れってことになったら、何か書けますか?その......詞や詩というものを言葉で生む人なのかどうかっていう疑問なんですけど。
フォトディスコ:いや、作れなさそうですね。やってみたこともなくて......。
■もし、がっちり言葉で曲を作れってなったら、何をテーマにします?
フォトディスコ:うーん......年金問題とかですかね......
■(笑)チルウェイヴで年金問題ですか。
フォトディスコ:でも、やるなら日本語ではやりたいと思います。
■今回DJユニットのメタンによる"言葉の泡"リミックスが収録されてますね。すごくゴーストリーな音像で、あの曲をリミックスしたらこうなるか?っていう、とてもユニークなものに仕上がってますけど、あれは「言葉の泡」というより「言葉の霊」って感じで、歌ものとは別の形で言葉を強調したものになっていると思いました。
フォトディスコ:聴いていて、気持ちの良いリミックスです。今回、リミックスを初めてやってもらったんですが、自分の曲が違う曲になって面白かったです。
■ウォッシュト・アウトもネオン・インディアンもトロ・イ・モワもメモリー・テープスも今年セカンド・アルバムを出しましたよね。4様の道を進んでいますけど、フォトディスコの音楽には今作ではまだ出きっていない隠れた芽がいくつもありそうですので、飛躍のセカンドも楽しみに待ちたいと思います。