「IR」と一致するもの

時を超えるウェルドン・アーヴィンの魂 - ele-king

 90年代以降のジャズ・シーンにおいて、ある意味マイルス以上の影響力をもつスピリット・マン。その真実を、なぜみんなは語ろうとしないのか。そんな葛藤に悶えながらも2002年、ウェルドン・アーヴィン(キーボード他)は冥土へと旅立ってしまった。それも自死による最期は、おいそれと受け入れられる現実ではない。
 いっぽうで、彼はそもそも死んでいないという精神的な共通認識を世界中のシンパはもっている。彼のなかでもわたしたちのなかでも時間の流れは自死したあの日で止まったのだろうが、それとはべつの時間を前進させる彼の魂は、いまでも多くのひとたちに感動を与えつづけている。
 冒頭にもどれば、それでもわたしたちは彼について議論と呼べるような議論などしてこなかった。おそらくそれは、なにひとつ語っていないに等しい。
 たとえばアーヴィンの名声を決定づける曲 “To Be Young, Gifted And Black”(1969年)は、長年ニーナ・シモンとアレサ・フランクリンが独占してきたようなものだった。ジャズ、ソウル界を代表する黒人女性に取りあげられたことは、それはそれで立派だが、作者が楽曲に込めた念いや意味についてまで、だれもが納得できるほど多くを語られてきたわけではない。
 そもそもニーナが語っていなかった。彼女の自伝『I Put a Spell on You』の第6章に曲名がそのまま冠されているにもかかわらず、アーヴィンの名前はひと言も触れられない。代わりに彼女が初めてうたったとされるプロテスト・ソング “Mississippi Goddam” を中心に紙幅が費やされる。メドガー・エヴァース(公民権運動家)がミシシッピの自宅前で銃殺(1963年)されたことへの抗議として書かれた曲が、この章つまりアーヴィンの曲名のもとに触れられることにいささか戸惑いをおぼえずにはいられない。
 それでもニーナに悪意があるはずもなく、彼女にとってのトップ・プライオリティに、レイシストへの抗議の場の必要性があったのだと考えたい。エヴァースを筆頭に同胞たちの命がつぎつぎと奪われるなか、上げた拳を下ろす理由などなかったのだろう。ただし彼女がその怒りの熱を音楽に転化するまでには、それなりのハードルがあった。
 誤解をしているひともいるかもしれないが、ニーナはある特定の思想を歌に持ち込むことに抵抗していた時期がある。クラシックをルーツにもつ彼女にとって、それはごく自然なこと。プロテスト・ソングへの安易な傾倒は好ましくないという自覚すらあった。その封印を解いたのが “Mississippi Goddam” であり、以降運動への積極的な姿勢をみせながら “To Be Young, Gifted And Black” を発表する。
 もっとも、その機会ですら悲しみの連鎖がもたらしたというのだから皮肉というほかない。それは親愛なる劇作家ロレイン・ハンズベリーの死であった(1965年)。“To Be Young, Gifted And Black” は彼女が生前に書いた戯曲でもあり、オフブロードウェイにて初めて上演された黒人による作品ともなった。時の作家ジェイムズ・ボールドウィンをして、「黒人があれほど劇場の席を埋めた光景はみたことがない」といわしめる。つまり彼女の死は、痛ましさと引き換えにあらたな生命をもたらすものだった。
 ニーナはハンズベリーへの哀惜の念を込め、作詞の依頼をアーヴィンにこう伝えている。「世界中の若き黒人に希望の歌を書いてほしい」。
 アーヴィンはそのあと、ニーナの声が神からの啓示であったかのような体験をしていた。ある日のこと、ガールフレンドを迎えに車を走らせ信号待ちをしていたとき、あふれるほどの言葉が目前に降りてきたという。彼の手は助手席にあったナプキンとマッチ箱をつかむと、すぐさまそこに書きなぐる。まもなくそれはオタマジャクシを連れ立ち、世界中の若者を鼓舞する歌になった。
 いっぽうで、ニーナを中心に語られてきた “To Be Young, Gifted And Black” には、(自伝でもスルーされたように)アーヴィンの視点が欠けていることも否めない。ニーナの言にもあるように、ここでうたわれる「Black」が兄弟姉妹たちに向けられていることは疑いようがないが、同時にアーヴィン自身でもあることは、彼の作品に触れたことがあるならば見透かせないはずがない。生地ハンプトンからNYへ上京したのが22のとき。いくつかの楽団を転々としながらニーナに認められたアーヴィンの人生は、歌詞にもあるように「Your's Is The Quest That's Just Begun(あなたの旅は始まったばかり)」そのものだった。
 べつの歌詞にはこうある。「I Am Haunted By My Youth(わたしは自分の青春に悩む)」「Your Soul's Intact(あなたの汚れなき魂)」。以上の主語をアーヴィンにしたところで違和感はない。彼との初対面にてニーナが抱いた印象がまさにそれだったらしい。おおきな瞳を揺らした青年からは、イノセンスであるゆえのこころの隙間が感じられたという。
 言い得て妙だが、アーヴィンの魅力にそのような「少年性」があるのはまちがいない。彼の純真な一面は、まるでボールドウィンの小説に描かれる黒人少年の愛情に飢えた孤独と相似の関係に映る。マチスモ社会のジャズにあってそれは何の役にも立たないものだが、物語性をもとめる聴き手にしてみれば詩的に輝いてみえただろう。平たくいうならコミュニケーション能力。ロマーン・ヤーコブソンがいうところの交話的機能が働き、多くの共鳴者が生まれた。
 またこれらは、「レアグルーヴとはなにか?」という設問への回答をすみやかに引き出す。レアグルーヴとは80年代初頭のロンドンにて勃興したDJカルチャーだが、その本質にはリスナー主導型のあらたなプラットホームがあったことを見逃してはならない。演奏力の良否よりも、どんな世界観であるかがそこでは優先され、さらにその周囲、隣接文化へと興味対象をひろげながら、“聞こえてくる過去” あらため “過去に聴く未来” を能動的に共有する場として開拓された。
 よって、巧拙に集約されてきたミュージシャンの評価と、作品を支える全体性の評価が一致しないことはままある。マイルスよりもアーヴィン、コルトレーンよりもファラオ(・サンダース)、ジョビンよりもジョイスといったヒエラルキーの逆転がレアグルーヴにおいて生じるのはそのためである。
 マイルスもコルトレーンも偉大であることは論をまたない。彼らの奥義は同業者へ正しく伝授されることを望む。ただし、わたしたちが明日のパンを食べるための手引きになるかはわからない。極論だがそういうことになる。
 作品を通して対話ができる、できた気にさせる親和性こそアーヴィンの魅力であり、生涯をとおして交話的機能を欠かさなかった。生前におこなった筆者のインタヴューでもこんな発言をしている。
「すぐれたアーティストもそうでない者も、いろんな音楽を習得したとたん、つぎのフェーズに入るとそれらの要素を捨ててしまうんだ。わたしはどこまでも積み重ねていった」
 あらたな挑戦をつづけながら、それまでのファンも置いてけぼりにはしない。自主制作の2枚め『Time Capsule』(1973年)が最高だというひともいれば、〈RCA〉レーベルからの第2弾『Spirit Man』(1975年)こそ定番だというひともいる。アーヴィンは彼らの声を聞き、さらに〈RCA〉なら3枚め『Sinbad』(1976年)じゃないかという意見にも耳を傾ける。その柔和な姿勢は「ポップ」のワンワードに置き換えられるが、商業主義にまでシッポを振っていたわけではない。事実、業界を席巻していたディスコ・ブームは彼の信条をおおいに悩ませた。
 またそれらも一因にあるが、アーヴィンのキャリアのうち、前半はその『Sinbad』にていちどは終止符が打たれている。メジャーとの契約が切れた理由は説明するまでもないが、その一部に権利譲渡をめぐって意見の対立があったとも報じられている。そしてそのことが遠因となり、彼は国内の全メジャーとの交渉が断たれるという仕打ちにあう。以来、10年強にもおよぶ(作品上の)空白が語るものとはそれであり、沈黙を破る契機となった『Weldon & The Kats』(1989年)以降も状況の改善はみられなかった。
 それでもマイルス以上の残光を歴史に焼きつけた事実を歪めることはできない。1994年にMASTER WEL名義でラップ・シーンに挑んだのも、すべては交話的機能を手放さなかったからだろう。彼はいまでもそれを手放さずに、だれかと会話をつづけている。

※本日2月15日、ウェルドン・アーヴィンの限定10インチ「Time Capsule ep」発売です。
 https://p-vine.jp/music/p10-6465#.Y-w46HbP2M8
 オリジナルTシャツとのセットは↓こちら。
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CONTENTS
・ジャケット紹介300P以上
・執筆陣の選ぶベストジャケ
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・カセットコラム、など

■収録アーチスト
Eightball & MJG, Three 6 Mafia, Tommy Wright, Playa G, Al Kapone, Skinny Pimp, Mack 10, Murder Inc., DJ Nite, Mac Dre, Too Short, Master P, Big Bur-Na, 他マイナーアーチスト多数

■執筆陣
Lil Ricky a.k.a. Da Mask Baby(D.M.F. Inc./Piranha Soldierz)
Gonzosta-T a.k.a. Da Mask Daddy(D.M.F. Inc.)
BIG-K(Piranha Soldierz)

■構成
Lil Ricky a.k.a. Da Mask Baby(D.M.F. Inc./Piranha Soldierz)

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C.E presents - ele-king

 これまで多くのイベントを仕掛け、東京の夜に彩りを加えてきたファッション・ブランド〈C.E〉。長きにわたるパンデミックの日々を経て、およそ3年半ぶりパーティが開催されることになった。ラインナップは日本からPowder、ドイツよりPLO Man、そしておなじみのウィル・バンクヘッド。ひさびさのC.Eナイトもまた、春に向け新たな夜の光となるに違いない。3月4日は表参道VENTに集合です。

[3月2日追記]
 追加情報です。当日、会場にてTシャツとPLO Manのカセットテープが販売されるとのこと。ぜひなくなる前に。

C.E presents
Powder
PLO Man
Will Bankhead

約3年半ぶりとなるC.Eのパーティが3月4日土曜日にVENTで開催。

洋服ブランドC.E(シーイー)が、2023年3月4日土曜日、表参道に位置するVENTを会場にパーティを開催します。

Skate Thing(スケートシング)がデザイナー、Toby Feltwell(トビー・フェルトウェル)がディレクターを務めるC.Eは、2011年のブランド発足以来、不定期ながら国内外のミュージシャンやDJを招聘しパーティを開催してきました。

本パーティでは、日本からPowder、ドイツよりPLO Man、そしてイギリスからWill Bankheadをゲストに迎えます。

当日、会場ではTシャツとPLO Manのカセットテープを販売します。 ←NEW!!

C.E presents

Powder
PLO Man
Will Bankhead

開催日時:2023年3月4日土曜日11:00 PM
会場:VENT vent-tokyo.net
料金:Door 3,000 Yen / Advance 2,000 Yen
t.livepocket.jp/e/vent_bar_20230304

Over 20's Only. Photo I.D. Required.
20歳未満の方のご入場はお断り致します。年齢確認のため顔写真付きの公的身分証明書をご持参願います。

■Powder
曲がり角の向こうが目に映らないからといって、そこに何も無いわけではない。道中にパッと現れた景色のように、Powderは「突然」その場に居合わせた様に見えるが、少し先の曲がり角にいただけのような存在だ。未だに、わざわざ曲がりくねった道中を選んでいるのか、チラっと見えてはいなくなってしまい、なかなか全部を掴める事は少ないのだが、手がかりもなく行方をくらますわけでもなく、意地悪な道で興味を持つものをふるいにかけたりするわけでもなく、存在と印象を残して、一定の距離を保持しながら少し離れた所を走っている。

2015年ストックホルム “Born Free Records” から楽曲 “Spray” を含むEPのファーストリリースや、ESP Institure “Highly EP” でのデビュー以降、日本をベースにしつつも、積極的に自己更新されない情報の少なさも手伝い、全ての動きを掴みきれていないリスナーの憶測とは平行線に、かと思えば時に期待に答えながら、落ち着きが無いようで一貫した(彼女の楽曲のように)、ジャンルマップに左右されない存在感を保ち、楽曲リリースを重ねる。

PowderのトラックやDJプレイを説明するために、“ミニマルな、浮遊感のある、ファニーな…” と、トラックの印象を表すキーワードを探してしまうと、目新しい言葉が特に思い浮かばないが、連想が尽きる事もない。突き詰めていくと、レフトフィールドなトラックである以外の何物でもないことに気づかされるが、それと同時に奇妙さが突き抜ける事なく、普遍的なダンストラックとしてのバランスを保った、オーセンティックなレフトフィールドさ、とでも形容できる脱構築的な世界感を持っている。時代を即座に感じさせるような記号を含むわけでは無く、散りばめられた仕掛けの組み合わせが綿密ながらシンプルに整理され、新しさ、という事よりも、既聴感の無さ、を追求している様にも思える。

Powderのブッキングは非常にドメスティックで、予測できない。
ハイプロフィールなフェスティバルから、小さな町の特別なギグまですべてのブッキングを自身でこなすが、どこであっても「ダンスフロア」をコントロールするような場に居合わせる一貫性を保っている。…といっても、器用なフロアマスターという印象とも異なり、フロアの集合知とでも呼べる古き良きグルーブを放棄しない、実はストレートなDJでもある。
快楽的なトラックとしての機能をストイックに追求した上で、長い夜の後でのみ訪れるシンプルな感情を喚起する。メッセージや刺激はその空気感の中にのみ漂い、感覚的なものとして各々に必要なだけのパワーを与える。

規模の大小に問わず、Powderの行動を決定づけているのは、
自然さだったり、私的な視点のようだが、拡大を続けるパーソナルなアウトプットが違和感無くフィットするためのギグ以上の受け皿として、自身のレーベル “Thinner Groove”も2019年より始動した。“友人のグルーブを紹介する”このレーベルでは、自身が一番大切にしている小さな、しかし全幅の信頼を置く知られざるコミュニティが少しずつ明かされていく。

TGの最近のリリースとして、5AMによる “Pre Zz” がリリースされた。5AMは長年の友人である5ive, AndryとMoko(=5AM)によるバンドでありグループエフォート、PowderはMokoとして参加し、プロデューサーとしての新しい側面を覗かせている。
text by Franc Rare
http://powd.jp

■PLO Man
PLO manはCC NotやGlobex、INTe*raのメンバーであり、インディペンデント パブリッシング プロジェクトであるACTING PRESS(アクティングプレス)主宰。2015年からACTING PRESSはグローバル化したアンダーグラウンドな音楽の世界において、レコードやテープ、イベントなどを丹念に矛盾なくプロデュースしています。
AP22. we have the technology.
https://youtu.be/KW_8E-3Kvew.

■Will Bankhead
イングランドの音楽レーベル、The Trilogy Tapes(ザ トリロジー テープス)主宰。Mo Waxでメイン ヴィジュアル ディレクターを務めたのち、洋服レーベルであるPARK WALKやANSWERを経て、The Trilogy Tapesを立ち上げる。Honest Jon's Recordsをはじめとする音楽レーベル、Palace Skateboardsなどの洋服ブランドのグラフィックデザインを手がける。
http://www.thetrilogytapes.com

Kazufumi Kodama & Undefined - ele-king

 去る2022年は日本のオルタナティヴな音楽を代表する表現者たちによる見逃せないアルバムが2作リリースされた。ひとつはKazufumi Kodama & Undefinedによる『2 Years / 2 Years in Silence』。もうひとつは、長きにわたる活動を誇るDJのCOMPUMAによる初のアルバム『A View』。いずれも日本でしか生まれえない独自のダブ、アンビエントを追求した作品だ。そんなヴェテラン同士が4月9日、渋谷WWWにて共演を果たす。さらに〈rings〉から原雅明&Funnelも出演。これは行くしかないでしょう。

2022年「静寂」、「眺め」をテーマにアルバムをリリースした、こだま和文 & Undefined、コンピューマの2組がライヴで共演

パンデミック下、幻となってしまった3rd Anniversaryからひささびに、Undefined主宰レーベル〈Newdubhall〉がライヴ・イベントを4月9日(日)17:30より渋谷WWWにて開催する。
『newdubhall in silence』と題された本イベント、出演は2022年にアルバムをリリースした2組のアーティストがライヴで登場する。
まずはダブの「間(ま)」の美学を体現した『2 Years / 2 Years in Silence』をリリースしたKazufumi Kodama & Undefined、そしてDJからソロのアーティスとして新たな一歩となるアルバム『A View』をリリースしたCOMPUMAである(2022年9月30日に同会場で行われたライヴ同様、PA/エンジニアに内田直之、映像に住吉清隆を迎える)。
現代文明において人類が最大の「隔絶」を経験したパンデミックを経て2022年にリリースされたこの2枚のアルバム。
「静寂」と「眺め」、どちらも音楽による「聴覚」からの直接的な体験に対して、どこかその向こう側へとイマジネーションを誘う、そんな言葉をタイトルに携えているアルバムとも言えるのではないだろうか。そのサウンドにしても、全く違ったやりかたで、しかし生活の「間(スペース)」に入り込むようでどこか共通項も感じることができる。
これらの作品がある種の体験へとトランスポートされるライヴでの共演は、静かなる音楽が持つ、そのイマジーネションに対する雄弁さをダイレクトに感じることができる刺激的な機会になるはずだ。
またこの2アーティストに加えて、当日は『2 Years / 2 Years in Silence』をリリースした〈rings〉より、DJとしてレーベル主宰の原雅明、そしてDJ Funnelが2つのライヴのスペースにサウンドを奏でていく。

河村祐介

[概要]
newdubhall in silence
2023.04.09 sun 17:30 at 渋谷WWW
adv:¥4,000 / door:¥4,500
※ドリンク代別 / 全自由

[ラインナップ]
Kazufumi Kodama & Undefined
COMPUMA (音響:内田直之、映像:住吉清隆)
rings (原 雅明 & Funnel)

https://in-silence.newdubhall.com/

出演者プロフィール

Kazufumi Kodama & Undefined
この国のダブのパイオニア、トランペット奏者のこだま和文、そしてサハラ(キーボード/エレクトロニクス)、オオクマ(ドラム)からなる、2人組のダブ・プロジェクト、Undefined。両者は2018年に「New Culture Days」を10インチ・シングルとしてUndefinedのレーベル〈Newdubhall〉からリリース、そして2022年9月オリジナル+アンビエントで構成されたフルアルバム『2 Years / 2 Years in Silence』を〈rings〉よりリリース。 2019年にUndefinedのライブにこだまがゲスト出演したことはあったが、Kazufumi Kodama & Undefined名義でのライブは本イベントが初となる。
https://www.ringstokyo.com/items/Kazufumi-Kodama-%26-Undefined

COMPUMA(音響:内田直之、映像:住吉清隆)
COMPUMA 松永耕一、熊本生まれ。ADS(アステロイド・デザート・ソングス)、スマーフ男組での活動を経て、DJとしては国内外の数多くのアーチストDJ達との共演やサポートを経ながら、日本全国の個性溢れる様々な場所で日々フレッシュでユニークなジャンルを横断したイマジナリーな音楽世界を探求している。自身のプロジェクトSOMETHING ABOUTよりMIXCDの新たな提案を試みたサウンドスケープ・ミックス「SOMETHING IN THE AIR」シリーズ、悪魔の沼での活動などDJミックスを中心にオリジナル楽曲、リミックスなど意欲作も多数。国内外でも精力的に活動の幅を広げている。2022年にはソロ名義初となるアルバム「A View」をリリースした。音と音楽にまつわる様々な空間で幅広く活動している。今回のパフォーマンスも、昨年9月末リリース・ライブ同様に、音響:内田直之、映像:住吉清隆とのセッションへ再びトライする。
https://somethingabout.stores.jp/

rings(原 雅明 & Funnel)
原 雅明がプロデュース、三河 真一朗(DJ Funnel)がコーディネーション&プロモーションを務める音楽レーベル。縁のあったレイ・ハラカミの再発と、ジャズをはじめとした同時代の世界の音楽を紹介している。
https://www.ringstokyo.com/

Ishmael Reed - ele-king

 ジョージ・オーウェルの『1984』といえば、誰からも貶されない小説のひとつだと思っている人も多いだろう。モダンSFの金字塔、左翼のためのディストピア小説、あるいはまた、あれは反共産主義者や新保守主義者にとってはロシア(ソ連)を描いたものだと解釈されてきた。全体主義にビッグ・ブラザー、そして思想警察──まさにスターリズニム、東洋的専制政治そのものじゃないか、というわけだ。しかしながらひとり、その栄えある『1984』の功績を認めつつも、完璧に批判した人がいる。イシュメール・リードは1984年、かいつまんで言えばこう突っ込みをいれたのだ。あのなぁ、あんたらエリート白人にとっては1984が来るべき暗黒郷かもしれないが、私らアメリカの黒人は、かれこれ300年間も1984の世界を生きているんだがね。ぞっとすような全体主義にビッグ・ブラザー、そして思想警察に狙われてな。監視され、個人のプライヴァシーは暴かれ、マルコムXやキング牧師はFBIから自殺を勧められている。オーウェルにはそれを見通す力がなかった。こう言い放ったのである。
 イシュメール・リードはまた、アーサー・C・クラークとスタンリー・キューブリックの不朽の名作『2001年宇宙の旅』についても、彼らにとっての未来にはマイノリティの男性や女性がいないらしいと、40年も前に皮肉っている。アメリカからトランプが大統領として出てきたとき、1972年にリードが『マンボ・ジャンボ』で描いたとおりになったと指摘したのは、英『ガーディアン』だった。同書がいうように「アメリカは、自らのどん欲さをニューフロンティアと呼び、気紛れで、落ち着きがなく、暴力的だ」と。

 ジョージ・クリントンが映画化を望んだどころか、いまでは最高の小説のひとつとみなされ、ペンギン・クラシックス(すなわち歴史的古典)に認定されている『マンボ・ジャンボ』が日本で翻訳されたのは原書が出てから25年後のことだったが、古びていなかったし、予言的でもあった。当時はそれこそ平岡正明が同書に感銘を受けて、さっそく自らの論説に組み込んでいるのだが(『黒い神』を参照されたし)、それもまたよく理解できる話だ。コラージュめいた実験小説とも言えるその物語(寓話)は、ジャズを讃え、ジャズで踊る黒人たちを讃え、早い話「ジャズより他に神はなし」を神話化し、白いアメリカの思い上がった歴史を、黒い世界史をもってコミカルに相対化しているのだ。
 あんな芸当は、よほどの知性とガッツがなければできるものではないのだが、リードは文筆のかたわら、音楽家としても活動している。NY前衛ラテン・ジャズの旗手キップ・ハンラハンのプロデュースによる『Conjure』(1988)は、彼の詩の朗読を交えたアルバムで、長い間、イシュメール・リードの唯一の音楽作品として認知され、そして耳の肥えた連中から評価されていた。なにせこのアルバムは、参加しているミュージシャンの顔ぶれがすごい。アラン・トゥーサン、デイヴィッド・マレイ、スティーヴ・スワロウ、ビリー・ハート、カーラ・ブレイ、アート・リンゼイ、レスター・ボウイ、タジ・マハール……そしてキップ・ハンラハンと。だから、その実力者たちの洒脱な演奏によって評価されたきらいもあり、彼はそれを快く思わなかった。イシュメール・リードだからこそ集まったミュージシャンたちなのだが、この熱血漢ときたら、自分の実力で評価されたわけではないというわけだ。

 私が刑務所に行かなかったのはジャズのおかげだ。ジャズに夢中になりすぎて、悪さをする時間がなかった──これほどジャズを愛するリードが、本格的にジャズ・ピアノを学びはじめたのは60歳を過ぎてからだった。そして80もなかばに迫った昨年、リードは彼自身のピアノ演奏をフィーチャーしたソロ・アルバムを完成させ、発表した。10代前半でギターを覚えた人が20代前半でロック・バンドでデビューする、幼少期よりピアノを習っていた恵まれた人が20代前半でデビューする、こうした話は溢れている。だが、60を過ぎてからピアノを習い、70手前で癌が見つかった小説家が84歳になって正式なデビュー・アルバムをリリースするなんていう話は、なかなか希有ではないだろうか(もうあと数週間で85だ)。
 もっともこうした前情報は、本作を聴くうえで弊害になるおそれがある。作者の特別な物語が幻想を膨らませるだろうし、それが音楽的な成果として表れるとは限らないからだ。が、心配はご無用。それを思えばなおのこと、本作は感動的に思えてくる。つまり、60からジャズ・ピアノを学んだリードにしか作れない作品という意味で、まずは素晴らしいアルバムなのだ。こんな自由な発想は、幼少期からピアノを習っていたら逆に難しいだろう。

 本作『The Hands of Grace』の表題曲は、2021年に発表した戯作のために書いた曲で、アルバムのオープナーはその題材になったジャン=ミシェル・バスキアの名が曲名にある。『Wire』によればその舞台劇は、「NYのアート界を動かしている白人至上主義における資本主義の力学を、独特の痛快さとウィットをもって検証し、バスキアに寄生して利益を得ている人物たち(アンディ・ウォーホルも含む)を特定するもの」だという。落ち目だったウォーホル並びにNYアート界は、商品としてのバスキアをちやほやし、人間としてのバスキアを犠牲にした。じつを言えばリードは、この舞台劇の資金不足を補うために、本作の発売を思い立ったのだった。アルバムに収録された前半は、その戯作「キャビアを愛した奴隷(The Slave Who Loved Caviar)」のために書いた曲が収録されている。
 リードによるピアノの独奏を録音したその前半6曲は、唖然とするほどシンプルで、遊び心がふんだんにある。実験的と言ってもいいだろう。生演奏をそのまま録って、なんの加工もなくそのまま収録しているので、とうぜんミスも、鍵盤を叩く音やリズムを取る足の音なんかもそのまま録音されている。坂本龍一の『12』のように演奏者の呼吸まで聞こえる作品だが、こちらは一本のマイクで録ったのだろう、総じてローファイで、初期シカゴ・ハウスのように粗く、荒々しい。ジャズである。
 解説によればチャールズ・ミンガスの『ミンガス・プレイズ・ピアノ』を意識したようではあるが、あんな流暢な演奏はない。だが、じつに独特な雰囲気が創出されている。最初は、人を食ったようなあまりにも簡素な反復を、テンポが不安定なまま、エラーも込みで展開している。道化てみせながら相手を油断させるかのごとく、アルバムの中盤からはジャズの常套句を時折混ぜつつ、リスナーをいつの間にかこの音楽の虜にする、そんな感じだ。『マンボ・ジャンボ』で描かれた、誰もが踊ってしまう疫病「ジェス・グルー」、この演奏のなかにもそれがリンクしているんじゃないかと、同書を読んでいる人ならアートワークを見て察することだろう。
  “How High the Moon(月はいかほど高いか)” という詩の朗読もある。光沢あるジャズ・ピアノをバックに、曲のなかで月の高度(23万8900マイル)が計算される。その曲から最後までの4曲はほんとうに美しい。とくに最後の2曲は、いまは亡きパートナーと娘に捧げた曲で、アルバムの終わりには、娘ティモシーがリードの留守電に残したのであろう次のヴォイスメッセージで終わっている。「今日、外は綺麗。それだけを言いたかったの(It’s beautiful outside today, and that’s all I wanted to say.)」

 演奏によって語ることの意味を考えた小説家の、怒りと愛、瞑想と躍動、それから微笑みのこもったこのアルバムがリリースされたのは昨年末のことだが、これはもう、まったく予期しなかった嬉しいプレゼントをもらったような気分だ。こうしたソロ演奏主体の作品は、よくよく「親密的」などと評されるが、とてもじゃないけれどこれは「親密的」ではない。ぼくには遠い、ずっとずっと遠いところにある、なんというかある種の憧れだ。『Conjure』の1曲目のタイトルにもなった「ジェス・グルー」とは、そう、ジャズ/ブルース、世界を変えた黒いスピリットの根本原理、西洋的なるものを滅ぼす革命的種子を指している(たぶん)。『マンボ・ジャンボ』がいう。「黒人たちがやることはわけがわからん。で、わかったときには次のことをおっぱじめているんだ」。ちなみにイシュメール・リードについて「マイメン」とラップしたのは、ケンドリック・ラマーも尊敬するトゥパック、曲名は “Still I Rise(それでも俺は立ち上がる)” という。

(2月7日追記)イシュメール・リードに関しては、後藤譲の『黒人音楽史』にも詳しい。興味のある方はチェックして!

TechnoByobu - ele-king

 屏風と言えば狩野派、それはしかし江戸時代までのこと。21世紀の屏風界に新風吹きたるなり。君は「TechnoByobu(テクノ屏風)」を知っているか? それは音楽レーベルでもある〈ユーマ〉がこの度販売する、テクノのアートワークを洋金箔の上に施した屏風。第一弾となる「Electronic Fan Girl」は、アーティストのルー・ビーチ氏が、YMO世界デビュー時のワールドワイド版ファースト・アルバム『Yellow Magic Orchestra』のジャケットとして作成した有名なアートワークを、118年の歴史を持つ歴清社の技術により洋金箔(真鍮箔)の上に施したNFT証明書付き作品です。 
 
■オフィシャルムービー

 「2021年に設立20周年を迎えたユーマはTechnoByobuを同社の20周年記念プロジェクトと位置け、今後も国内外の著名なアーティスト、クリエイターによるアートを、日本の伝統の美および先端技術NFTと融合させ、テクノの精神を体現したアートピースを企画、販売していきます」とのことです。

Number:TB-01
Title:Electronic Fan Girl
Artist:Lou Beach
サイズ:五尺二曲(縦:約1500mm × 横:約1400mm)
重量:約4㎏
NFT証明書:Startrail PORT
価格:880,000円(税込)
販売数量:50隻
2023年3月3日よりWebサイト(https://technobyobu.jp/)にて受注販売を開始
また、販売を記念してTwitterキャンペーンも本日2月3日より行います。
Twitter

■Lou Beach(ルー・ビーチ)
マドンナ、ポリスなどのアルバムアートワークを手掛け、70〜80年代に大活躍したアメリカのコラージュアーティスト。「Electronic Fan Girl(TB-01)」のイラストは、1979年に日本が誇るテクノポップ・バンド、Yellow Magic Orchestra(細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏)のワールドワイド版ファースト・アルバムのジャケットとして描かれた作品です。
世界30か国以上で発売されたこのアルバムは世界各国で熱狂的に愛されましたが、それにはルー・ビーチ氏によるこのイラストレーションも大きく寄与しました。1979年当時、フジヤマ・ゲイシャというイメージだった日本は、同時に、ハイテクやハイファッションの国に変わりつつありました。ルー・ビーチ氏のこのイラストレーションは、そんな伝統と未来が同居する日本の新しいイメージを、YMOの楽曲とともに広めたのです。
2011年、YMOがおよそ30年ぶりのアメリカ・ツアーを行ったとき、このイラストレーションのタトゥーを入れたアメリカ人ファンを目にしてメンバーが驚いたという逸話は有名です。それほど熱狂的に愛されるイラストレーションを纏ったTechnoByobuは、日本のみならずインターナショナルでも熱く愛されるに違いありません。
URL:https://loubeach.com/
Twitter:https://twitter.com/XActo11

■ユーマ株式会社 U/M/A/A Inc. (United Music And Arts)(企画・製作・販売)
国内外の音楽とアート(メディアアート、ファッション、アニメ、ゲーム、マンガ、ガジェット等)をUniteしていく新しいカタチのレコード会社です。クラブ / エレクトロニック・ミュージックからインターネット発ボーカロイド/アニメソング・プロデューサーまで、クオリティー・ミュージックをジャンルレスに展開しています。1970年代末に日本が世界に誇るイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の音楽を生み出したアルファレコードに勤務していた創業者が、YMOのテクノ・ポップの先進性とユニークネスを現代に継承する会社として設立したのがユーマであり、今回その精神を持って企画したのがTechnoByobuとなります。YMOメンバーによるユニット、Sketch Show(2003)、HAS(2004)のヨーロッパ公演や、YMOのトリビュートバンド『Yellow Magic Children #01』(2019)のリリース等、YMOに関連する事業も行っています。

■歴清社(屏風)
https://rekiseisha.com/
広島で118年の歴史を持つ「歴清社」。特許をもつ洋金箔押紙の製造方法は海外でも認められる唯一無二の伝統技術。帝国ホテル、宮内庁、西本願寺はもとより、CHANEL、GUCCIなどの高級ファッションブランドまで、その製造方法により生み出された様々な箔製品のクオリティーは国内のみならず、世界で評価を得ています。

■Startrail PORT(NFT証明書)
https://startrail.io/
TechnoByobuには、NFT(Non-Fungible Token)を活用したアート証明書「Startrail PORT」が実装されています。作品に埋め込まれたチップをスマートフォンで読み込むことでNFT証明書を確認できます。TechnoByobuの一隻一隻には固有のNFT証明書アドレスが割り振られており、作品の真性が保証されるとともに来歴も明らかになり、従来難しかったセキュアな証明書管理や2次取引から作家、ライセンスホルダーへの収益還元等の実験的なエコシステムを創出しま

■立花ハジメ(ロゴデザイン)
このTechnoByobuのロゴは音楽家、アーティストとしてYMOとならび1970年代末からテクノを実践してきた立花ハジメ氏(ソロのほか、プラスチックス、Hmなど)によるものです。立花ハジメ氏は1970年代からグラフィック・デザイナーとしても活躍されていて、これまで多くのグラフィック作品、舞台美術、ロゴ・デザインを手がけています。

■発売記念Twitterキャンペーン開催
発売を記念してTwitterキャンペーンを開催します(2023年2月3日〜2月23日)。
・参加者全員に非売品のTechnoByobu Compact Repli-card (1/8スケール)をプレゼント。
・さらに2/13以降に配送される“TechnoByobu Compact Repri-card“の写真を撮ってツイートしてくれた方の中から優秀賞に選ばれた10名様を、3月3日に都内で開催予定の“TechnoByobuお披露目イベント”へご招待。
<参加方法>
◆2/3〜2/12
1.TechnoByobuのTwitterアカウント(https://twitter.com/TechnoByobu)をフォローし、キャンペーンのツイートをRT
2.ツイートに記載されたリンクよりフォームに回答
◆2/13〜2/23
3.2/13以降に発送される“TechnoByobu Compact Repri-card“の写真を撮って写真にメンション@TechnoByobuを付けてツイート

 

ジャン=リュック・ゴダールの革命 - ele-king

誰よりもかっこよくポップで常に新しく倫理的だった映画作家

『勝手にしやがれ』での鮮烈なデビュー以来、常に映画を革新してきた戦後最大の映画革命家、ジャン=リュック・ゴダールが2022年9月13日、91歳で自らの意志により生涯を閉じました。
ヌーヴェル・ヴァーグの旗手としての華々しい登場以来およそ60年にわたり、大きな存在感を示し続けたこの偉大な映画作家について、フィルモグラフィー紹介とコラム、対談記事でその全貌に迫ります。

対談:浅田彰+菊地成孔
鼎談:阿部和重+佐々木敦+中原昌也
執筆:堀潤之、後藤護、真魚八重子、渡邉大輔、上條葉月、西田博至、児玉美月、山本貴光、細馬宏通

目次

Biography ジャン=リュック・ゴダールの映画的人生 (堀潤之)

対談 浅田彰+菊地成孔「こんなかっこいい人はいない」
鼎談 阿部和重+佐々木敦+中原昌也「もっとも倫理的な映画作家」

Filmography
勝「手」に盗め――帰ってきたカッパライ 『勝手にしやがれ』 (後藤護)
1960—1966 アンナ・カリーナ時代のゴダール (真魚八重子)
1967—1968 映像と音、映画とは何かの探究の時代 (上條葉月)
1969—1972 「めざめよと、われらに呼ばわるオプティカルな声ら」――ジガ・ヴェルトフ集団時代 (西田博至)
1973—1987 ミエヴィルとの共闘――〈ソニマージュ〉の設立と商業映画への帰還 (児玉美月)
1988—1998 1990年代――『映画史』へと至る10年 (山本貴光)
2001—2018 21世紀のゴダール (細馬宏通)

Column
ヌーヴェル・ヴァーグとゴダール (渡邉大輔)
ヌーヴェル・ヴァーグ後のゴダールをめぐる人物たち (渡邉大輔)
ゴダールの〈仲間〉たち (上條葉月)

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* 発売日以降にリンク先を追加予定。

Rainbow Disco Club 2023 - ele-king

 GW中の、4月29日〜5月1日の3日間に渡って静岡県東伊豆クロスカントリーコースにて開催される〈レインボー・ディスコ・クラブ2023〉、今年もまた出演者が豪華過ぎます。まずはジェフ・ミルズ、もう説明不要でしょう。彼のことですから、野外でやるからには選曲もまた考えてくることでしょうし、うん。ほか、エレキング的に注目したいのは、Special RequestとChaos In The CBD。前者は、近年のジャングルにおいてもっともカッコいいプロデューサー、後者は、近年のハウスにジャジーなヴァイブを加味した人気のプロジェクトです。それからもうひとり、現在ロンドンを拠点に活動しているChangsieにも注目でしょう。
 ほかにもDJ NOBやBen UFOのような安定した人気を誇るDJもいるし、RDCの精神的支柱の瀧見憲司もおります。早割とかバスツアーとかいろいろあるので、詳しくはオフィシャルサイトをチェックしましょう。とにかく、これは楽しみですね。

開 催 概 要

名 称:
Rainbow Disco Club 2023

日 時:
2023年4月29日(土)9:00開場/12:00開演~5月1日(月)19:00終演

会 場:
東伊豆クロスカントリーコース特設ステージ(静岡県)

出 演:
DJ / LIVE (A to Z):
Alex Kassian
Antal & Hunee
Ben UFO
Changsie
Chaos In The CBD
Daphni
DJ Nobu x Eris Drew
Jeff Mills
Kamma & Masalo
Kenji Takimi
Kikiorix
Lars Bartkuhn (live)
Little Dead Girl
Monkey Timers
Moxie
Occa
Palms Trax
San Proper
Sisi
Special Request
Yoshinori Hayashi (live)
Yu Su

VISUAL:
Realrockdesign
Colo Müller
Kozee
VJ Manami

LASER & LIGHTING:
Yamachang

オフィシャルサイト:
http://www.rainbowdiscoclub.com

Weldon Irvine - ele-king

 21世紀になって、20世紀にはあまり語られなかった歴史に脚光が当たっている。音楽においても、ときの商業主義やジャーナリズムには乗れなかったものの、それを知るミュージシャンたちからは発見/リスペクトされ続けていた作品やアーティストが広く掘り起こされ、再評価されているのは周知の通りである。
 ウェルドン・アーヴィンの名前を知らない人でも、彼の曲を知らない人はまずいないだろう。もっとも有名な曲のひとつ “I Love You” を大胆にルーピングした曲を、シーンに登場したばかりのセオ・パリッシュは “Black Music” という、最大限のリスペクトを込めたタイトルをもって発表した。それというのも、アーヴィンが作詞し、ニーナ・シモンが歌った超名曲 “To Be Young, Gifted and Black” は公民権運動の公式アンセムとまで呼ばれている曲で、この曲をカヴァーしたアーティストたるや、アリサ・フランクリン、ダニー・ハザーウェイをはじめ、カリブ海からはプリンス・バスター、ボブ・アンディ&マルーシャ・グリフィス、ザ・ヘプトーンズ……、あるいは、エルトン・ジョンまでが手がけているという、つまり、ポップ史および社会運動史においても決定的な曲である。セオはその意味もわかったうえで、アーヴィンの “I Love You” を “Black Music” と呼んだのだろう。
 もっともウェルドン・アーヴィンに関しては、ア・トライブ・コールド・クエストの 人気曲のひとつ、“Award Tour” におけるサンプリング・ソース(We Gettin' Down)としてのほうが有名だろうか。Q-Tipはのちにリリックのなかでもアーヴィンの功績を讃えているが、ほかにアーヴィン崇拝者として知られているラッパーと言えば、コンシャス・ラップの代表格、モス・デフとタリブ・クエリの二人である。アーヴィンは彼らの名作『Black Star』(1998)収録の “Astronomy ” において鍵盤を弾いているばかりか、モス・デフのソロ作 “Umi Says” でもフィーチャーされており、タリブ・クエリも負けじとソロ作“Too Late” でキーボードを弾いてもらっているうえに “Where Do We Go(私たちが行くところ)” という曲の副題を “ウェルドン・アーヴィンに捧ぐ” としている。
 もちろん、ここでマッドリブのことを忘れるわけにはいかないだろう。アーヴィンの死後、彼はイエスタデイズ・ニュー・クインテット名義でトリビュート作『Suite For Weldon Irvine』(2003)を発表、その翌年にはモンク・ヒューズ名義でカヴァー・アルバム『A Tribute To Brother Weldon』までリリースしたほどだった。
 まだまだ例はある。ドラムンベースのファンなら、LTJブケムの〈Good Looking〉からのBig Budのアルバム『Late Night Blues』(2000)でフィーチャーされていることを憶えているだろうし、テクノ・ファンならアズ・ワンことカーク・ディジョージオがそれこそ“I Love You” をカヴァーしていることを思い出して欲しい(東京のクラブでよくかかったなぁ)。また、竹村延和のスピリチュアル・ヴァイブスが1993年の時点でいちはやくアーヴィンの “De Ja Vu” をカヴァーしているのは、もう、さすがというか。
 いずれにせよ、多くの音楽ファンが、どこかでウェルドン・アーヴィンと出会っているはず。映画『サマー・オブ・ソウル』において、ニーナ・シモンが “To Be Young, Gifted and Black” を歌っている最後の感動的な場面も記憶に新しい。
 そう、ウェルドン・アーヴィンこそがニーナ・シモンの黄金期における音楽の重要パートナーだった。とはいえ彼の活動領域は、ジャズ、ファンク、リズム&ブルース、ゴスペルなど広範囲にわたるもので、アーヴィンは生涯を通じて、500曲以上のいろんな楽曲で、演奏、作詞、作曲などに関わっている。
 ソロ・アーティストとしては70年代以降、いくつもの名盤/人気作をリリースしているが、なかでも『Liberated Brother』(1972)、『Time Capsule』(1973)、『In Harmony』(1974)の3枚は、黒人音楽ファンおよびディガーたちからこの時期のジャズ・ファンクの金字塔に認定されている。2002年、なんと銃によって自害してしまったウェルドン・アーヴィンだが、しかし彼の輝かしいレガシーは年々輝きを増し、最近ではイハラカンタロウもカヴァーしたように、新しいリスナーを絶えず呼び込んでもいるのだ。
 
 ブラック・ミュージックにおけるいわば知る人ぞ知る至宝、ウェルドン・アーヴィンの諸作の権利を 〈Pヴァイン〉が遺族から収得した。今後、アーヴィン作品のリイシューをがんがんに展開します。まずは2月15日に、「CAPSULE ep」の10インチ・アナログ盤をリリース(同時期にはTシャツも販売)。どうぞ注目してください。

 
 
 

Yves Tumor - ele-king

 エクスペリメンタルな電子音楽家として〈PAN〉からデビュー、その後〈Warp〉と契約してからは一気にグラム・ロックへと舵を切りその地位を確立したイヴ・トゥモア。パンデミックど真ん中にリリースされた前作から3年、4枚目となるニュー・アルバムが3月17日に発売されることになった。『齧るが喰わぬ主君を讃えろ』なる意味深なタイトルも気になるが、先行シングルとして公開中の “Echolalia” のMVも興味をそそられる映像なのでチェックしておきたい(スウィフトの小説『ガリヴァー旅行記』にインスパイアされたという)。現代のきらびやかなアイコンによる次の一手に期待しよう。

覚醒!!!

異形のロックスター、イヴ・トゥモアが最新アルバム『PRAISE A LORD WHO CHEWS BUT WHICH DOES NOT CONSUME; (OR SIMPLY, HOT BETWEEN WORLDS)』のリリースを発表!

新曲 “ECHOLALIA” 解禁!

国内盤CDとデジタル配信は3月17日!
日本限定カラーのTシャツセットも同時発売!
5月には日本語帯付き限定LPもリリース!

初期には先鋭的な電子音楽作品で独特のアート性と実験性を提示し、〈Warp〉と契約した2018年以降は、グラムロックに接近すると、独自のロック・サウンドを展開しながら大胆に音楽性をスケールアップさせてきたイヴ・トゥモア。いまや次世代のロックスターへと変貌を遂げたイヴ・トゥモアが、キャリア史上最も完成度の高い最新作『Praise A Lord Who Chews But Which Does Not Consume; (Or Simply, Hot Between Worlds)』のリリースを発表! 異形のロック・アイコンとして覚醒したことを確信させる最新作では、ロック、サイケデリア、エレクトロニカを融合させ、ポップミュージックの概念を再構築すると同時に、現代アートとカルチャーの境界線を自由自在に往来する。イヴ・トゥモアの芸術性が頂点に到達したことを証明する名盤となっている。

『齧るが喰わぬ主君を讃えろ』という謎めていて壮大なアルバム・タイトルを冠した本作は、イヴ・トゥモアにとってこれまでで最も私的なステートメントでもあり、暗闇と光、ポップと革新、不協和音と崇高な静寂という相反する要素を織り交ぜながら、多様な精神の旅へとリスナーを導くものである。昨年11月にリリースされたシングル “God is a Circle” を出発点とするアルバムは、一度聴いたら耳から離れない中毒性のあるメロディーと革新的なアレンジに満ち溢れており、あわせて解禁された新曲 “Echolalia” でも、それが見事に証明されている。映像アーティストのジョーダン・ヘミングウェイが監督を務めた “Echolalia” のミュージックビデオは、ガリバー旅行記へのオマージュを込めたコンセプチュアルな映像となっている。

Echolalia (Official Video)
https://youtu.be/Cxk-QeZ6Rus
God Is a Circle (Official Video)
https://youtu.be/dLzFdcNewKU

『Praise A Lord Who Chews But Which Does Not Consume; (Or Simply, Hot Between Worlds)』は、フランク・オーシャン、アーケイド・ファイア、カニエ・ウェストなどラップ/ヒップホップを中心に多方面で活躍するノア・ゴールドスタインをプロデューサーに迎え、ミックスはマイ・ブラッディ・ヴァレンタインやナイン・インチ・ネイルズを手掛けるアラン・モウルダーが担当。イヴ・トゥモアの特徴的なサウンドをさらに増幅させ、抽象的なものに意味を与え、不協和音を調和させることで、現実を希薄化するというイヴ・トゥモアのビジョンを具現化した唯一無二のサウンドが完成した。またコーチェラ・フェスティバルを皮切りに、ワールドツアーを開催することもあわせて発表している。

最新アルバム『Praise A Lord Who Chews But Which Does Not Consume; (Or Simply, Hot Between Worlds)』は、3月17日(金)に国内盤CDとデジタル配信でリリース! 輸入盤CD/LP/カセットテープは5月12日にリリースされ、LPは通常盤(ブラック・ヴァイナル)に加え、限定盤(イエロー・ヴァイナル)、限定盤2LPエディション(ブラック・ヴァイナル)、日本語帯付き仕様盤(イエロー・ヴァイナル/歌詞対訳・解説書付)の4形態で発売される。さらに、国内盤CDと日本語帯付き仕様盤LPは、日本限定カラーのTシャツセットでも発売される。

label: Warp Records
artist: YVES TUMOR
title: Praise A Lord Who Chews But Which Does Not Consume; (Or Simply, Hot Between Worlds)
release (国内盤CD): 2023.03.17
release (輸入盤各種): 2023.05.12

BEATINK.COM (国内盤CD)
BEATINK.COM (輸入盤各種)
BEATINK.COM (限定輸入盤2LP)

tracklist
01. God Is a Circle
02. Lovely Sewer
03. Meteora Blues
04. Interlude
05. Parody
06. Heaven Surrounds Us Like a Hood
07. Operator
08. In Spite of War
09. Echolalia
10. Fear Evil Like Fire
11. Purified By the Fire
12. Ebony Eye

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369