「!K7」と一致するもの

ひらきつづける渋家(シブハウス) - ele-king


今年の注目書『遊びつかれた朝に』。表紙の写真は〈渋家〉内部を撮影したものだ。

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 今年の夏ごろにメールマガジンのサービスもはじまったが、〈渋家〉の活動がいっそう活発になってきているようだ。いまは乱暴に「シェアハウス」と混同されることも少なくなったのではないだろうか。渋谷の一軒家を拠点に現在50人のメンバーが活動するアートプロジェクト、〈渋家(シブハウス)〉。当初はアート・プロジェクトという性質がここまではっきりと打ち出されていたわけではなかったが、広報部などが整えられ、また、発起人である斎藤桂太や現代表のちゃんもも◎、かつての住人や周辺アーティストたちの活躍のステージが広がっていくことに比例するかのように、積極的に社会へ向けた発信・提案を生み出している印象だ。他にほとんど例をみない形態での活動を行っている当事者として、自身らが引き受けるべき役割や、それに対してどう責任をとっていくのかといったことにまで自覚的であるような、ユニークな取り組みが次々と発表されている。

 おそらくはこうしたイヴェントのシリーズも、その一端を示す好例なのではないだろうか。〈渋家アートカンファレンス〉が、12月6日(土)に開催される。

■渋家アートカンファレンス Vol.2
表現の自由と権力、その付き合い方
- Mix well with art and power -

川田淳 (アーティスト) / 塚田有那 (編集者) / 林道郎 (美術評論家) / 藤森純 (弁護士)
2014年12月6日 (土) 19:00 - 22:00

 「渋家アートカンファレンス」は、渋家が、昨年、森美術館による「全国のディスカーシブ・プラットホーム」に選出されたことなどを受け、アートを生み出し発表する場としての機能をより緻密に構成すために企画され、今年3月に東京国立近代美術館美術課長・蔵屋美香、美術評論家・林道郎を招き、「今、私たちを収蔵できますか? - アーティストとアーカイブ -」と題したテーマで第1回が開催された。

 第2回となる今回は、アーティスト・川田淳、編集者・塚田有那、美術評論家・林道郎、弁護士・藤森純というアートにかかわりながらも様々な立場にある方々をゲストに迎え「表現の自由と権力、その付き合い方 - Mix well with art and power - 」と題したテーマで開催される。

 表現規制を思わせるニュースが立て続けに報道され、そのコメントがSNSを賑わせる昨今、一方では、検閲に抗う、新たな表現の形を模索する果敢な展示も行われはじめているが、そういった果敢な展示も、その性質上、一過性のものとなってしまう危険性を孕んでいる。このまま、まさに「忘却の海」になってしまう前に、この状況を批評し、解釈し、そして展開して行く為に、様々な作品の提示の方法、本質、そしてそれぞれの暴力性についてを話し、忘却に抗う場にするという。

 渋家は、渋谷の一軒家を拠点とし、家を24時間365日解放しておくことで新たな関係性を生み出し、自由なコミュニケーションからさまざまなコンテンツ生み出している。現在、約50人が参加しており、メンバーは年齢や職業を問わず、生活や活動も固定されない。現在の代表は、ファッション誌での連載や、モデル、DJのほか、「バンドじゃないもん!」のメンバーとして活動する、ちゃんもも◎。

 近年の主な活動実績としては、日本最大のアート見本市「アートフェア東京 2013」に作品「Owner Change」を2億5千万円で出品、「ニッポンのジレンマ」(NHK) に渋家発起人・斎藤桂太が出演、森美術館「六本木クロッシング展」関連プログラム「全国のディスカーシブ・プラットホーム」選出、「第17 回 文化庁メディア芸術祭」審査委員会推薦作品選出、「平成26年度メディア芸術クリエイター育成支援事業」選出などがある。

 今回のカンファレンスが開催されることで、渋家というプロジェクトからどのようなコンテンツが生み出されるのかにも注目したい。

■申し込み

・事前予約
メールのタイトルを「カンファレンス予約」とし、本文に「氏名 / メールアドレス / 参加人数」を明記したメールを右記のアドレス [ shibuhouseinfo@gmail.com ] までお送りください。24時間以内にこちらから予約確認のメールをお送りいたします。予約をキャンセルされる場合は事前にご連絡ください。

・当日参加について
予約受付を告知していなければ可能です。お気軽にお越しください。予約確認のメールをお送りできないことがありますが、会場の準備などがありますので、お知らせいただけると助かります。ご協力よろしくお願いいたします。

■開催概要

・日時 : 2014年12月6日 (土) 19:00~22:00
      18:30 受付開始・開場
      19:00 カンファレンス開始
      21:00 来場者を交えた質疑応答
・参加費 : 1,000円
・場所 : 渋家 (東京都渋谷区 ※ 住所情報は上記申し込みの返信に記載致します)
・ゲスト : 川田淳 (アーティスト) / 塚田有那 (編集者) / 林道郎 (美術評論家) / 藤森純 (弁護士)
・運営・進行 : 金藤みなみ / 稲葉あみ
・ウェブサイト : https://www.facebook.com/events/389294321226206/

※ 後日、記録小冊子を発行します。それに伴い、当日冊子発行の支援募金を受け付けております。当日、ヴィデオ及び音声等を記録します。前半のみツイ-トキャスティングを導入し、リアルタイム配信をします。

■ゲストプロフィール

川田 淳 (かわだ じゅん)
アーティスト
埼玉県生まれ。2007年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。2006年-2008年 四谷アート・ステュディウム在籍。主な個展に 「ケンナイ」(広島芸術センター / 広島 / 2013年) 、「まなざしの忘却」(22:00画廊 / 東京 / 2012年) 。グループ展に「アラフド アート アニュアル 2014」(旧いますや旅館 / 福島 / 2014年) 、「前橋映像際 2014」(旧安田銀行担保倉庫 / 群馬 / 2014年) 、「Screen 川田淳× 高川和也」(HIGURE 17-15cas / 東京 / 2014年) 、「書を捨てよ、町へ出よう」(黄金町芸術センター高架下スタジオA / 神奈川 / 2013年) 、「ヒロシマ・オー ヒロシマフクシマ」(旧日本銀行広島支店 / 広島 / 2012年) 、「中之条ビエンナーレ 2011」(旧五反田学校 / 群馬 / 2011年) など。

塚田 有那 (つかだ ありな)
編集者
早稲田大学第二文学部卒業。企画、執筆、PR、キュレーションなどを行いながら、領域横断型のプロジェクトに幅広く携わる。2010年、科学を異分野とつなぐプロジェクト「SYNAPSE」を若手研究者と共に始動。2012年から、東京エレクトロン「solaé art gallery project」のアートキュレーターを務める。現在、アジア・クリエイティブ・ネットワークのメンバーとして「ASIAN CREATIVE AWARDS」を主催。

林 道郎 (はやし みちお)
美術評論家
函館生まれ。上智大学国際教養学部教授。1999年 コロンビア大学大学院美術史学科博士号取得。2003年より現職。専門は美術史および美術批評。主な著作に『絵画は二度死ぬ、あるいは死なない』(全7冊、ART TRACEより刊行中) 。「零度の絵画—RRの呟き」(ロバート・ライマン—至福の絵画展、2004年)、「光跡に目を澄まして—宮本隆司論」(宮本隆司写真展、2004年)。共編書に『From Postwar to Postmodern: Art in Japan 1945-1989』(New York: The Museum of Modern Art, 2012) などがある。「アジアのキュビスム」展 (東京国立近代美術館、2005年) には、キュレーターとして参加。

藤森 純 (ふじもり じゅん)
弁護士
東京都生まれ、東京都在住。弁護士法人品川CS法律事務所共同代表。早稲田大学卒。民事事件、刑事事件いずれも手掛けているが、特に力を入れているのは不動産に関係する紛争案件、アート・エンターテインメント法務。クラブとクラブカルチャーを守る会のメンバーとして風営法改正のロビー活動にも携わっている。『クリエイターの渡世術』(共著) 。


このうえなくコミカルで、このうえなくヒップホップな夜 矢野利裕

 ヒップホップの醍醐味のひとつは演劇性にある、とつねづね思っている。エミネムが「Slim Shady」というオルター・エゴを持つように、ラッパーとしての表現は、ある部分においてはキャラクターを仮構することで獲得されている。
僕は、自覚があるかどうかはともかく、しっかりと演劇的に振る舞ってくれるラッパーが好きである。ハードコアな姿勢すらもコントとして捉えるような、強い演劇性を持ったラッパーに惹かれる。田我流を初めて聴いたのは『作品集 JUST』だったが、シリアスで強いメッセージ性を感じさせる一方で、どこかユーモアがあるところがとても気に入った。「墓場のDIGGER」のMVにおける田我流とBig Benは、まるで「B級映画のように」演劇性を発揮していた。さらにその後、「やべ~勢いですげー盛り上がる」のMVが最高だった。

 『死んだらどうなる』が発売される直前、stillichimiyaのライヴを初めて観た。山梨でマキタスポーツ(マキタ学級)とのツーマンだった。同郷ということで企画されたものだったが、音楽性とノベルティ性を高い水準で両立する者同士の対バンがとても楽しみだった。こういう組み合わせは、なかなかないのだ。そのライヴで、「生でどう?」の、あの往年の石橋貴明のような振付を観て、stillichimiyaから目が離せない、と思った。そして、発売された『死んだらどうなる』は、ノベルティ性も音楽性も期待を超えて高かった。けっこう感動した。BOSEとアニが、ザ・ドリフターズのように「ニンニキニキニキ」(“Get Up And Dance”)とラップした20年後、『死んだらどうなる』でstillichimiyaは、“ズンドコ節”のラップ・ヴァージョンを披露した。日本語ラップの側から、コミックソングへしっかりとアンサーをし、コミックソングとしての系譜を紡いだことは、とても重要なことだ。スチャダラパーの面々が『死んだらどうなる』にコメントを寄せていたことは、だから、とても感慨深いことであった。

 長々と書いてしまったが、ようするにstillichimiyaのコント仕立てのステージングが素晴らしかった、ということを言いたいのだ。エンタテイメントとしても素晴らしいし、音楽史的にも素晴らしい。10月5日、渋谷〈WWW〉でおこなわれたツアー・ファイナルは、Big Benが死後の世界に迷い込んだようなオープニング映像(スタジオ石制作)からはじまった。ヒップホップのライヴも、芸能の場所と考えれば、死者と生者が交歓する場所なのかもしれない。やはり、stillichimiyaはひとつの芸人集団なのだ。“うぇるかむ”に続く“Hell Train”のファンキーなトラックで、客も一気に異世界に持ってかれた。僕はほぼ最前列にいたが、冒頭からつづくテンションの高いパフォーマンスに客席は早くも興奮しており、“やべ~勢いですげー盛り上がる”でモッシュが起きた。前半数曲で、すでにへとへとだ。

 それにしても、Mr.麿という才能には惚れ惚れする。とくに、“やべ~勢いですげー盛り上がる”と“竹の子”の曲振りとなる一人コントは出色だった。あれだけ見事に、妄想の女性と踊ることができる人がいるだろうか。軽やかな身のこなし、表情の豊かさ、声のメリハリ――ラッパーというよりも舞台人としての身体性に、本当に目を奪われる。アンコールでは、なんとEXPOの曲まで披露してくれた。同じくアンコールの“莫逆の家族”で響かせた歌声も忘れがたい。
 ライヴが舞台演劇という側面を持つ以上、Mr.麿のような存在の重要性は疑うべくもない。いや、Mr.麿に限らずstillichimiyaは、誰もが舞台人としての魅力に富んでいる。これは、音盤では気づきにくい。Big Benは、ときには黒柳徹子に、ときには猫に扮してコミカルに振る舞う。すらりとしたMMMがラップをはじめると、(おもに女子の)歓声があがり気圧配置が変わる。Young-Gは、DJとラッパーの一人二役を伸び伸びとこなす。そして、田我流の華やかなラップ・スターぶり。この個性溢れる5人が横一列に並んで歌う“ズンドコ節”は、最高にヒップなコミック・ソングであった。ヒップホップに抱え込まれた芸能性が、このうえなく発揮されている。かつてノベルティ・ソングを歌った原田喜照も、だからこそstillichimiyaのライヴに召喚される。そういえば、MC時の、原田をからかうstillichimiyaとstillichimiyaに振り回される原田という構図は、完全にザ・ドリフターズといかりや長介の構図ではないか! 途中、原田の動きにYoung-Gが変な効果音を当てていたが、これも完全にコミック・バンドの文法である。この晩のハイライトは、やはり“土偶サンバ”か。サンバを器用に踊るMr.麿やMMMをわきに、ヒップホップ・ライヴの醍醐味ともいえるコール&レスポンスを煽る田我流。このうえなくコミック・バンドで、このうえなくヒップホップな、stillichimiyaの魅力が凝縮されていたようだった(“土偶サンバ”は事情により2回披露されることになったのだが、これはこれでstillichimiyaのノリがかいま見ることができて可笑しかった)。

 コミカルな面を強調したが、もちろんシリアスな面も変わらず存在している。というより、コミカルな面とシリアスな面を矛盾なく共存させることができるのが、ヒップホップの魅力でありstillichimiyaの魅力なのだ。田我流は、「土偶サンバ」に際して、現在の日本が抱える問題を語り、DIYの重要性を説いていた。たしかに田我流のリリックには、Back To Basic的なメッセージ性を感じる。しかし、一方でMr.麿は、『死んだらどうなる』について「メッセージ性ないからね」と発言している。メッセージ性は聴き手がそれぞれ受け取るとして、たとえば“だっちもねぇこんいっちょし”(原田喜照)から“You Must Learn”(KRS-ONE)まで、どんな内容でも放り込めてしまえるのがヒップホップの良さである。つまり、許容量が大きいのだ。stillichimiyaのライヴは、そんなヒップホップの許容量の大きさを存分に味わわせてくれるライヴだった。コミカルかつシリアス。ライヴ前は、DJ KENSEIによるstillichimiya関連のDJミックスが披露された。KENSEIらしく、アブストラクトなトラックと中毒的なフロウを引き立たせるような、選曲と2枚使いだった。そういえば、stillichimiyaはドープな曲も多いよね。なんせstillichimiyaは、幅広い魅力を持っているのだ。コミカルかつシリアスかつドープな夜で、おおいに満足した。まさか、「死んだらどうなる?」の答えが「土偶になる」だったとはなあ。

文:矢野利裕

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WWWの村祭 二木信

 僕は「生でどう。」ツアーの初っ端のライヴを甲府で観た。そして、stillichimiyaの地元ノリ全開の、歓待の精神にあふれたアフターパーティで遊んで、朝方に温泉まで行って、絶対にツアーファイナルも観てやろうと決めた。stillichimiyaの地元グルーヴが渋谷の〈WWW〉で爆発するところが観たかった。

 ええい、結論から言ってしまうぞ。stillichimiyaのライヴの素晴らしさは、大衆文化と土着パワーの融合によって、身内ノリを破壊力のあるエンターテイメントにまで昇華してしまうところにある。この日のライヴ後、ツイッターをながめていると、彼らのライヴをライムスターやスチャダラパーと比較しているツイートを見かけたが、この両者になくて、stillichimiyaにあるものは、土着のパワーだ。田舎もんの底力だ。この日の序盤に、会場を巻き込んではちゃめちゃな盛り上がりを演出した、お馴染みの“やべ~勢いですげー盛り上がる”は、サウス・ヒップホップだった。とにかく、いなたい。

 いまや日本のラップ界のミュージック・ヴィデオ制作に引っ張りだこの、ライヴでも重要な役割を果たしていた〈スタジオ石〉の映像を例に挙げるまでもなく、じつはセンスがいいのに、彼らのライヴや作品は少しダサくて、マヌケで、いなたい。そして、そこがすごくいい。甲府のライヴのときと同じ、おそろいの黒のスーツに身を包んだ田我流、MMM、YOUNG-G、Mr.麿、BIG BENの5人は、バブル華やかなりしころのブラコン(サングラスをかけたMMMは鈴木雅之にそっくりだ)やドリフ(“ズンドコ節”のラップ・ヴァージョン)、スキャットマン・ジョンの高速スキャットやリック・ジェームスのベースといった、一歩間違えれば(いや、間違えなくても)きわどいネタを土着のパワーでむちゃくちゃに結合させていた。もうなんでもありだ。着物とバンダナというファンキーなファッションで登場した元祖・甲州弁ラッパーの原田喜照との執拗な掛け合いがあり、Mr.麿の恋バナ漫談が会場の笑いと涙を誘う。お客さんはすべてにがっつりついていく。人、人、人で身動きの取れないパンパンの〈WWW〉のフロアは、どこか村祭りのような雰囲気さえあった。

 僕は、stillichimiyaのライヴを観て彼らに接すると、三上寛のインタヴューでの発言を思い出す。「土着のパワーなんですね。というのは音楽っていうのは元々作物ですから。やっぱり土地がないと生まれないんですよ。音楽って大根と同じですよ。それがいちばん顕著なのが声質でしょ。これは田舎の声なんですよ、わたしの声は。ジョンはね、アイリッシュとかケルトとか、あの声なんですよ」。そうだ、音楽は大根だ。いや、山梨県一宮町出身のstillichimiyaは桃だ。この日のアンコールで彼らがここぞとばかりに披露したのは、地元の一宮町について歌った“桃畑”という2009年の曲だった。

 ライヴの冒頭、「きゃあー!」「いえー!」「うおおおおー!」という嬌声や歓声が、5人が舞台に姿をあらわす前からフロアに響き渡る光景を目の当たりにしたときは、「アイドル・グループのコンサートか!?」という錯覚を覚えた。が、“桃畑”を歌う5人を観ながら、stillichimiyaは結成の2004年から何も変わっていないんだなと思った。いや、30人だったオーディエンスが300人になったかもしれない。彼らはアイドルになった。素晴らしいことだ。さらに、素晴らしいのは、快活で、爽快で、純朴な一宮の幼馴染の兄ちゃんたちがそれをやってのけていることだ。“うぇるかむ”ではじまったライヴはいちど“うぇるかむ”で幕を閉じ、最後はサンバのリズムで大団円を迎えたのだった。

うぇるかむ トンネル抜けたなら
うぇるかむ 俺の住んでる町
うぇるかむ お前が来てくれて
うぇるかむ 一緒にいてくれや
うぇるかむ ようこそ というよりも 
うぇるかむ 大空より高く
うぇるかむ 夢をあきらめないで
うぇるかむ むしろ逆に うぇるかむ stillichimiya “うぇるかむ”

文:二木信

KEIHIN (Prowler) - ele-king

2014/11/8

SOUPで体験したRyo君のLIVEが凄すぎたんで、思わず入れてしまいました。
それ以外は割りと最近の音源で選んでみたので、チェックしてみて下さい。
11/14(fri)に千葉muiで新パーティー始めます!
12/27(sat)は故郷GRASSROOTSでOPEN~LASTやります!
https://green.ap.teacup.com/grassrootstribe/

KEIHIN Twitter
https://twitter.com/KEIHIN_

Ecovillage - ele-king

 エコヴィレッジはエミール・ホームストロムとピーター・ヴィクストレームによるスウェーデンのシューゲイズ風味のエレクトロニカ・デュオである。

 彼らのデビュー・アルバム『フェニックス・アステロイド』(2009)は、アメリカのレーベル〈ダーラ〉からリリースされたことでも知られている。このアルバムは、多幸感に満ちたサウンドが魅力的で、海外メディアの評価も高かったと記憶している。同作は、日本のレーベル〈クインス・レコード〉からもリリースされたので聴かれた方も多いのではないか。
 その作風はただしく「00年代的なエレクトロニカ経由のシューゲイズ・サウンド」であった。夢見心地な電子音とギターサウンドが交錯するサイケデリック・エレクトロニカ。そう、ウルリッヒ・シュナウスに代表されるあの音。個人的にはマニュアルあたりも連想した(どうやら二人とも『フェニックス・アステロイド』を絶賛したらしい)。そのトラックは、ありがちな雰囲気ものではなく、しっかりと作り込まれた見事なもので、音楽の制作・構築に対して誠実に向き合っているという印象を持った。

 2011年には、フランスのレーベル〈ベコ・DSL〉から、シングル「ロンダ・デ・サント・ペレ」を配信。2年後の2013年には、イギリスの〈パララックス・サウンド〉からセカンド・アルバム『ウィズ・フラジャイル・ウィングス・ウィ・リーチ・ザ・サン』を配信オンリーでリリースした。
 そして本年2014年、サード・アルバム『ワン・ステップ・アヴァーヴ』がリリースされる。しっかりと作りこまれたポップ・サイケデリックなエレクトロニック・アンビエント・アルバムだ。アンビエント? そう、『ワン・ステップ・アヴァーヴ』は、これまでの彼らのアルバムに比べ、ヴォーカルが大幅に減少し、まるでマニュエル・ゲッチングのエレクトロニカ版とでも形容したい桃源郷の音世界が展開しているのである。この変化に最初こそ驚いたものの、いままでもシューゲイズの霧のむこうにアンビエントな音世界が展開していたのだから、むしろ必然的な進化といえよう。ヴォーカルは音の層の中に溶け込んでいったのだから(声はドローン的な音響となってレイヤーされている)。
 さらに注目すべきは、緻密にしてダイナミックビートのプログラミングである。曲によってはヒップホップ的なブレイク・ビーツ感も醸し出されており、それが楽曲全体にポップネスを与えているようにも思えた。
 緻密なサウンド・メイクはビートだけではない。上モノの太陽の光のようなアンビエンス/アンビエントな層も、太陽のように眩いギター・フレーズも、ビートとともにボトムを支える多彩なベース・ラインも、ひとつひとつがじっくりと旋律や音色が選ばれているように感じた。登山のように山頂を目指して一歩一歩、時間をかけて制作されたアルバムともいえるだろう。

 だからといって堅苦しい音楽ではけっしてない。どの曲も陽光のような心地よさを放つサイケデリック・エレクトロニクス・アンビエント・ミュージックだ。
 1曲め“ユー・ゴッド・ミー”は、マニュエル・ゲッチングからマーク・マクガイアを思わせるミニマル/サイケデリックなギターの音からはじまり、聴き手をこの上ない多幸感へと誘う。やがて深いキックのビートが加わり、トラックは、さらにダイナミックに。上モノはギターに加え、柔らかいシンセ音も鳴り、まるで自然の陽光のような眩さを放つ。
 つづく2曲め“エターナル・サンライズ”は、ブレイク・ビーツ風のビートに、シンセのアンビエンス、エレピのような軽やかな音が重なり耳をくすぐる。3曲め“イット・ウィンド・エンド・イン・テアーズ”では、スローなダウンテンポなトラックが展開され、4曲め“ウィンズ・オブ・ザ・モーニング”では、オールドスクールなシンセベース音に、リヴァーブの効いたキック&スネア、ダイナミック/サイケデリックな電子音が交錯していく。
 以降の楽曲も、ビート、アンビエント、サイケデリック感が交錯し、天国へと上昇するような、もしくは睡眠の底へと潜るような快楽を与えてくれる。そして、ラスト10曲めアンビエント・トラック“モメンツ・オブ・ディヴァイン・ハーモニー”にたどりつく頃には深い安息の中にいるだろう。そして、さらなるリピートへ……。

 このアルバムには、何度も聴きたくなる魅力がある。心地よいエレクトロニクス・アンビエントだからという理由もあるが、何よりも緻密に丁寧に、まるで工芸品を磨き上げるように作られた楽曲群だからではないかと思う。エコヴィレッジは「アルバムを作る」ということに非常に誠実に向き合っている。そのアルバム制作への誠実さは、一曲、一曲すべてに行き届いた細やかな音への気配りに、しっかりと現れているように思える。だからこそ聴き手は、彼らの作り出す音のシェルター(決してネガティブな意味ではない)に安心して入り込んでいけるのではないか。

 エコヴィレッジ。彼らはエレクトロニカ時代の自然主義だ。その「自然」はエレクトロニクスよって生まれた人工的なものかも知れないが、とても安心できる自然=音楽空間なのである。いわばシェルターとしての人工的な自然感覚。私はこれからも何度も本作をリピートするだろう。この天国的な音の横溢を耳に注入し、騒がしい世界から(ひとときの)離脱をするために……。

Sugiurumn - ele-king

 スギウラム、ワイルドで、情熱的な、ベテランDJ……。ハウス、トランス、ロック、ブレイクビート、ミニマル、この男にジャンルがあるとしたら、ダンス・ミュージックってことのみ。踊れるってことがもっとも重要なんだよ。
 スギウラムは、90年代初頭に活躍した日本のインディ・ロック・バンド、エレクトリック・グラス・バルーンのメンバーとしてシーンで頭角をあらわすと、インディ・ダンスのDJとしての活動をおっぱじめて、ずーっとDJであり続けている。ハッピー・マンデイズのベズが彼のトラックで歌ったこともあるし、イビサではパチャのメイン・フロアを沸かせたこともある、京都では24時間ぶっ通しでプレイした。電気グルーヴのリミックスも手がけている。ほんとにいろんなことをやってきた。
 スギウラムが主宰する〈BASS WORKS RECORDINGS〉がレーベル初となるオリジナル・アルバムをリリースする。
 実は〈BASS WORKS RECORDINGS〉は、2013年の4月から、毎週水曜日に新曲をリリースするという、週刊リリースを続けている。この11月、週刊リリースが前人未踏の80週を超えた。配信だからできることだが、しかし、個人でここまでオーガナイズするのは並大抵のことじゃない。
 この1年半のあいだにリリースした楽曲数は250曲以上。アーティスト、リミキサーなどの顔ぶれをみれば、ハウス、テクノ、若手、ベテラン、アンダーグラウンドなどなど、ジャンルや世代を超えて数多くの人たちが参加していることがわかるが、こんなバレアリックな離れ業ができるのもスギウラムだからだろう。

 スギウラムが満を持してレーベル初のオリジナル・アルバムとして、自身の作品『20xx』をリリースする。初のフィジカルCDリリースだ。研ぎ澄まされたテック・ハウス満載で、彼自身がDJブースとダンスフロアから学び取ってきたスピリットの結晶である。この20年、日本のパーティ・シーンをつっぱしてきた男のソウルを聴こうじゃないか!

https://bass-works-recordings.com

SUGIURUMN / Seventy-Seven



SUGIURUMN - 20xx
BASS WORKS RECORDINGS

 先日はele-kingでも合評を掲載! ディアフーフが結成20周年と新作リリースを記念して大ツアーを敢行する。12月2日の代官山〈UNIT〉を皮切りに全国11都市にて13公演。20年経ってもいまだリアルなシーンに緊張感を生み、古びない音と世界観を提示しつづけている彼らは、今回も必ずや記憶に残るライヴを披露してくれるだろう。

 新作『La Isla Bonita』から公開中の“Mirror Monster”MVを再生しながらチェックしよう!




AHAU - ele-king

グラフィックデザイナーです。
今年作業中に聴いていた音楽の中から選んでみました。順不同。

展示スケジュール
下北沢BROWNDOOR 作品常備展示中
11/8 ManMachine@幡ヶ谷FORESTLIMIT 作品展示

Facebook : https://www.facebook.com/AHAUts
ahau shop : https://ahau.thebase.in/


Arca - ele-king

 ジェシー・カンダによる禍々しく、グロテスクなアートワークをじっと見つめながら音に意識を集中する。アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズのファースト・アルバムのジャケットを思い出したのは僕だけではないはずだ。徹底して異物であろうとすること。異物……両性具有あるいは無性であろうとすること。耳から入ってくるきわめて抽象的な音の応酬はやがて、男でも女でもない性が叫ぶ声とすすり泣く声に聞こえてくる。

 『FADER』のインタヴューは、この謎めいたプロデューサーがどういったところからやって来たのかを明らかにしているが、このアレハンドロ・ゲルシという青年の率直さと飾り気のなさにはずいぶん驚かされた。そして僕は、ベネズエラでゲイとして生まれることを想像してみる。たとえば今年、ソチ五輪開催時にロシアにおける同性愛者への弾圧が取り沙汰されたとき僕たちが知ったのは、かの国ではゲイだということが明らかになると暴力を受けて命を落とす可能性さえあるということだった。ベネズエラは……どうなのだろう。はっきりとはわからないがしかし、ゲルシ本人が「ベネズエラの社会ではそれに気づくことすら許されないんだ」と言うのだから、まあそういうことなのだろう。が、「ママがいなくなったら毛布をドレスみたいにし」、「高校の女の子とデートし」、「ゲイをやめたいって祈ってた」という部分はよくわかる。僕はこんなゲイがたくさんいることを……たくさん、日本にもいることを知っている。自分の場合は幸運なことに、海外の音楽やカルチャーに多感な時期に触れる機会があったためにそこで多くの同性愛者たちと「出会っていた」からよかったが、もしそうでなかったらと思うとぞっとする。かつてのゲルシ青年のように、どうかストレートになれますように、と毎日祈っていたのかもしれない……それがどれだけ自分を傷つけることになるかも知らずに。

 アルカがベネズエラで生まれたゲイであったからポスト・インターネット時代の寵児となり得たと言うのは乱暴だが、しかし自分はまったく無関係だとも思わない。僕の友人のゲイには、自分と同じような人間がいることを知ることができたというただ一点において、インターネットに救われたと真顔で言う者もいる。しかしゲルシは「自分のような人間」をただ探すだけに留まらなかった。竹内正太郎による国内盤のライナーノーツによれば、インターネット上のWAVファイルを拾い集めたことがアルカの創造性の萌芽だったそうだが、それはすなわち、ゴミを手に入れ配合し継ぎ接ぎすることによって、自分が生きる世界には存在しなかった、あるいは許されていなかった異物を、グロテスクな何かを生成する行為だったのではないか。そうして、折衷的と呼ぶにはあまりに情報過多なアルカの音楽は「異形」と呼ばれることになる。

 世間からの注目を存分に集めたのちついに世に放たれた『ゼン』は、しかし、ミックス・テープ『&&&&&』よりはるかに、音としてもコンセプトとしても内省的な一枚となった。もちろん、オウテカを聴いていたという彼のIDMからの影響が残るメタリックなトラックもあれば、ポスト・クラシカル的なストリングスが強く印象に残る“ファミリー・ヴァイオレンス”もあるし、先行して公開された“シーヴァリー”にはポップな感触がたしかにある。アルバム全体で言えば相変わらずきわめて断片的で散らかった内容だ。しかしながらたとえばタイトル・トラック“ゼン”の、“シーヴァリー”の、“バレット・チェインド”の、強迫観念的なビートと不穏さには頭を両手で掴んでシェイクされているような気分にもなるが、それと同じくらい……もしかするとそれ以上に、“フェイルド”、“ウーンド”における気が遠くなるほど優美なメロディが訪れる瞬間に引き込まれる。ドラマティックなストリングスとエフェクトのかかったエモーショナルなヴォーカルが聴けるトラックを“ウーンド”、すなわち「傷」と名づけているその衒いのなさに、アルカそのひとの横顔が見えてくるようだ。『ゼン』は、カニエもビョークもFKAツィッグスも意識から消えたところで、複雑怪奇なリズムと半音階と不協和音にまみれながら、アルカただひとりと対峙するアルバムである。

 もしかすると、この音楽の正体不明な佇まいゆえにゲルシの素顔は知りたくなかった、重要でないという向きもあるかもしれない。けれども僕は、アーサー・ラッセルの音楽に勇気をもらったひとりのアーティスト志望のゲイ青年が、ある晩はじめて男とセックスをするというエピソードの「普通さ」こそに胸を打たれる。なぜならば……彼はやがて、自身の内に抱え続けた異物をこしらえ、そして音楽の名のもとにそれを思う存分解放させたのだから。ここにはいびつだが、純粋な官能がある。奇怪でグロテスクで、この世のものとは思えない、エイリアンが作ったような音の蠢き……しかしそれは、僕にはもう、ひどく人間的な感情の揺らめきに聞こえる。

interview with Clark - ele-king


Clark
Clark

Warp/ビート

TechnoElectronica

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 今年はエレクトロニカ/IDMの年だったというひとも少なくないだろう。EDMが席巻し、バカ騒ぎのイメージばかりが目立ってしまったフロアに対するカウンターとしてエレクトロニック・ミュージックの実験主義はいまこそ存在感を増しているし、何と言ってもエイフェックス・ツインさえも復活してしまったのだから。クラークによる7枚めのアルバム、その名も『クラーク』は、そんな年の締めくくりにふさわしい1枚だ。

 クリス・クラークは2001年の『クラレンス・パーク』のデビュー以来、エイフェックス・ツインと度々比較され、その多作ぶりで結果的にエイフェックスの不在を埋めることとなったが、時代はけっしてずっとIDMに味方していたわけではなかった。彼自身はマイペースに、そしてワーカホリックに気の向くままひたすら作曲を続けてきたとの発言を繰り返しているが、しかしながら大胆にハードなテクノ、あるいはエレクトロに転身した『ターニング・ドラゴン』(08)、オーガニックな生演奏をふんだんに取り込んだ『イラデルフィック』(12)など、かなり思い切った変化を見せてきた。いま思うと、その変身と多面性が彼のこの10数年のサヴァイヴのあり方だったのかもしれない。
 本作『クラーク』の特徴をいくつか挙げるとすれば、まずはビートが比較的リニアなものが多くダンサブルであること。序盤はBPMが同じトラックが続く場面もある。次に、これまで彼が辿って来た音楽的変遷がたしかに溶け込んでいること。シンセやピアノ、あるいはストリングスによる多彩な音色使いによって曲ごとのカラーはさまざまで、“アンファーラ”のような勇壮なテクノ・トラックもあれば、“ストレンス・スルー・フラジリティ”のようなピアノ・ハウス、“バンジョー”のような音の隙間で聴かせるユーモラスな電子ファンクもある。ラストの“エヴァーレイン”はほとんどドリーミーなアンビエントだ。そして、ほとんどのトラックで印象的で美しいメロディが奏でられている。
 本作のポイントは、雪を踏みしめる音や雷雨を録音したフィールド・レコーディングであるという。しかし、それらは一聴してわからないほどサウンドに溶け込んでおり、あくまで隠し味としてアルバムのそこここに息を潜めている。この事実が示しているように、ずいぶん複雑で洗練されたやり口で彼のエレクトロニック・ミュージックの実験と冒険はここで編み込まれているのだ。考えてみればキャリアも10年を悠に超えるこのベテランは、その間ずっと作曲ばかりをしてきたのだ。
 この多様な表情が隠されたアルバムのアートワークが彼のセルフ・ポートレイトの黒塗りになっているのは、クラークならではのジョークだと思えばいいだろうか。どこか飄々とした彼のこれまでの歩みが、このセルフ・タイトルの静かな自信へと辿りついたことが何とも感慨深い。

イギリスの田舎にある古い農家のなかで作った。誰もいなくて、村みたいな場所だった。だからその4ヶ月間、曲を書く以外ほとんど何もしなかった。すごく特別な4ヶ月だったよ。本当に孤立していたんだ。

やはり、まずはここから訊かせてください。7作めにして、タイトルを『クラーク』としたのはなぜですか?

クラーク:この質問、みんなから訊かれるんだよ(笑)。たしかかに変だからね。普通だと最初の作品をセルフ・タイトルにするひとのほうが多いからね。今回のアルバムは最初、自分をテストするような作品だったんだ。エレクトロニック・ミュージックにおいて自分がやってきたことをただまとめるだけじゃなくて、もう少し自分のサウンドを表現してみたいと思った。だから自分をテストしてみることにして、4ヶ月かけてこのアルバムを書いたんだ。いままでにそんなことはなくて、いつも何年かかけて書いてきたトラックを集めてアルバムを作ってた。でも、この作品に関しては、4ヶ月かけて最初に何もない状態から書きはじめて完成させたアルバムなんだ。すごく集中していたし、そのエナジーが反映された作品だと思うよ。

■(通訳)その新しい試みは、実際やってみていかがでしたか?

クラーク:どうだろうね。前まではやっぱりコレクションだった分、コラージュって感じであまりトラックが直線上に並んだ感じはしなかったと思う。でもこれは4ヶ月集中して……って、さっきからなぜ「クラーク」ってタイトルにしたかの答えにあまりなってないよね(笑)、ごめん。でもとにかく、そういう理由があって、アルバムを「クラーク」と呼ぶのがすごく自然に感じたんだ。制作の最初の時点からこのアイディアはあって、セルフ・タイトルってすごく大胆だから、正直不安はあった。果たしてじゅうぶん良い作品になるんだろうか、とか、失敗するかもしれない、とか、愚かなアイディアかもしれない、とか。でも最終的にアートワークも含め見てみると、すごく自然に感じたんだ。このアルバムにタイトルは必要ないと思った。すごくいい気分で、いろいろ経験してついてきた自信がこのレコードに反映されていると思っているんだ。作品の内容自体がよければ、タイトルってあまり気にならないだろ? 自分がそう感じることができたってことは、自分がこのアルバムに心地よさを感じることができてるってことなんだと思う。

■(通訳)制作はどこで?

クラーク:イギリスの田舎にある古い農家のなかで作った。誰もいなくて、村みたいな場所だった。だからその4ヶ月間、曲を書く以外ほとんど何もしなかったね(笑)。すごく特別な4ヶ月だったよ。本当に孤立してたんだ。ヒゲも伸びまくって(笑)。実際やってみて、集中できたからすごくよかったよ。

リミックス・アルバムであなたは自分の音楽性を「フィースト」と「ビースト」という、ふたつに大別していました。それをこのアルバムでひとつにしたかったのではないかとわたしは感じたのですが、そういった意図はありましたか?

クラーク:うーん……でもそう感じるのはありだと思う。今回の作品は、ライヴ楽器を一切使っていない生粋のエレクトロニック・アルバムなんだ。シンセと古い機材しか使ってない。『フィースト/ビースト』もそういうアルバムだったし、『クラレンス・パーク』や『エンプティ・ザ・ボーンズ・オブ・ユー』に戻る部分もあると思う。すべてのトラックが俺の昔の作品が持つ何らかの要素を思い起こさせる。でも今回は、それを表現するだけじゃなくて、新しいフォームに作り替えることにフォーカスを置いたんだ。

実際、『フィースト/ビースト』はあなたの全キャリアを振り返る作業となったわけですが、そこで何か発見したことはありますか?

クラーク:何かを発見すると言うより、リミックスはただ好きでやってるんだよね。リミックスはひとの作品だから、その作品は自分にとってそこまで重要じゃないから、良い意味で遊べるんだよ。周りから与えられるプレッシャーも好きだし。だいたい一週間くらい与えられるんだけど、その時間のプレッシャーがあると最高の作品が出来る。「仕上げないと殺すぞ!」みたいなプレッシャーに駆り立てられるんだ(笑)。で、完成したら報酬をもらって、次の作品制作に進む。そのシンプルさが好きなんだよね。

以前から疑問に思っていたのですが、あなたは音楽性をガラッと変化させるときも、ほかの多くのエレクトロニック・ミュージシャンのように、名義を使い分けるようなことはしませんでしたよね。そういったことはまったく考えてこなかったのですか?

クラーク:名義の使い分けはあまり意味がないと思っていて……どんな作品であれ、みんな結局それが同一人物の作品ってわかるわけだし、俺はジャンル・ミュージックは書かないし。ひとによっては、これはテクノのプロジェクト、これはヒップホップのプロジェクト、これはダブステップでこれはトラップ、みたいにプロジェクトをわけて名前を使いわける。でも俺は、なんでそういう風にジャンルにリミットを定めて音楽を作るのかわからないんだ。

とくに前半ですが、本作はビートが一定のものが多く、非常にダンサブルなアルバムとなっています。『イラデルフィック』のときあなたは、「テクノ・ミュージックから少し距離を置きたかった」とおっしゃっていましたが、今回ストレートにテクノ・サウンドを打ち出してきたのはどうしてですか?

クラーク:前に探索していたものに戻って、そこからまた何かを広げていこうと思ったんだ。

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俺はアンディ・ストットが大好きなんだ。彼のニュー・アルバムも良かった。『クラーク』を書いているときに聴いていたとか、それを意識していたわけではないけど、言われてみるとたしかに通じるものはあるかもね。彼のサウンドは、イギリスの北部を思い起こさせるんだ。


Clark
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最近のベルリンのテクノ・シーンに興味はありますか? (以前は少し興味を失ったとおっしゃっていました。)

クラーク:そうでもない(笑)。でも嫌いってわけじゃない。テクノのレコードは買うし、聴くのも好きだよ。でも正直ベルリンのテクノはあまり知らないんだ。俺がハマってるのはシカゴのサウンド。あとイギリスのテクノのほうが好きなんだよね。でもアンチじゃないよ(笑)。

■(通訳)住んでいるのはまだベルリンなんですか?

クラーク:そう。まだアパートはある。でもいつも旅してるから、そんなにはいないけどね。

■(通訳)そろそろ引っ越したいとは思います?

クラーク:まだ決めてないんだ。ベルリンに帰るのは好きなんだよね。でも同時に他の場所を回るのも好きだし……旅をすると、疲れるというよりも逆に元気になるんだ。ペットが飼えないのがデメリットだけど(笑)。おかしなライフスタイルなんだよ。タイムゾーンも違うし、みんなが俺を変人だと思ってる(笑)。俺はずっとそれをやってるからあまり変わってるとは思ってないけどね。

資料にはフィールド・レコーディングで環境音を取り込んだと説明されています。そうした手法を取ろうと思った理由は何でしょうか?

クラーク:自然の音がたくさん入ってる。機械的なエレクトロニック・サウンドにこういった音が入ることによって出来るコントラストが良いと思ってね。風、雪、雨なんかのサウンドが、レコード全体に重なって入ってるんだ。

■(通訳)いつ思いついたんですか?

クラーク:このアルバムは、春にイギリスで作ってたんだけど、冬にリリースされることがわかってたから、冬っぽいレコードにしたいと思ったんだ。冷たいというか……冷たいとはいっても、感情がないってわけじゃないよ。天候や自然のサウンドを入れて、惹きつけられるような、何か雪っぽく、肌寒い、ロマンティックな冬の雰囲気を作りたかった。確実にサマー・レコードではないよね(笑)。

■(通訳)そういったサウンドはベルリンで録ったんですか?

クラーク:ベルリンってめちゃくちゃ寒いんだ。氷が溶けないくらい寒いんだよ。だから、ブーツが氷を踏む音とか、そういう音をレコーディングした。ドラムの下に隠れてるからあまり明確じゃないけどね。あまりにわかりやすいとちょっとつまらないと思ったから、あくまでも背景にあるサウンドとして使いたかったんだ。

録るのにもっとも苦労したのはどんな音ですか?

クラーク:フィールド・レコーディング自体はそんなに難しくないけど、そこから何を実際に使うかを決めるのが苦労だと思う。何時間もかかるんだ。雪の音を2時間聴いて、どの部分が好きかを決める。そこにエフェクトを加えると4時間かかったりもするし。どの音を使うかを決めるプロセスが大変なんだ。レコーディング自体はそんなに大変じゃないけどね。

アルバムは“シップ・イズ・フラッディング(船が浸水する)”の不穏なノイズとオーケストラで幕を開けますが、この不安を呼ぶタイトルは何を示唆しているのでしょうか?

クラーク:この曲を聴いていると、すごくパワフルなイメージが思い浮かぶと思う。それを表しているのがこのタイトルなんだ。遭難した船や、その船に打ち付けられる水。そして船が浮いたり沈んだり。この曲のサウンドにはこのタイトルがピッタリだと思った。サウンドもダークだし、このシンプルなタイトルがそれをよく表してると思ったんだよ。

その曲と、“ゼアズ・ア・ディスタンス・イン・ユー”の後半ではとくにオーケストラの要素が大きく入っていて少し意外に思いました。実際、クラークの音楽にはクラシックや現代音楽からの影響は強くあるのでしょうか?

クラーク:もちろん。いろんな意味でね。伝統的な音楽や楽譜に、自由なことをやるスペースがないのは好きじゃないけど。あれには満足できない。ああいう音楽だと、本来はフィールド・レコーディングのサウンドなんて入れることはできないし許されない。でも同時に、曲作りに関して制約があるのも好きなんだ。バイオリンだけで曲をたくさん書くのは無理だから、どうにかするために知恵をしぼって、いろいろなやり方を試して曲を作らなければいけない。そのチャレンジが好きなんだよね。

“ストレンス・スルー・フラジリティ”は3分に満たない曲ですが、そのなかで美しいピアノ・ハウスが表現されていて引き込まれました。ここで連想されるような、80年代後半から90年代頭にかけての古いハウス・ミュージックはもともとお好きなんですか?

クラーク:俺はもともと強いメロディが好きなんだ。このトラックは、じつはもっとハウスっぽくなるかもしれなかったけど、途中でプロダクションを変えた。曲の半分では激しい雷雨のフィールド・レコーディングが鳴っていて、それがトラックのベースになってる。最初は細くて繊細なサウンドからはじまって、段々と重みのある深いサウンドになっていく。

ラストのビートレスのトラック“エヴァーレイン”はあなたのこれまでのトラックのなかでも、最高に陶酔的なアンビエントになっています。この曲でアルバムを終えようと思ったのはどうしてですか?

クラーク:この曲は20分でレコーディングした曲だ。ワンテイクだった。音楽はたまにそうやって生まれる。変な感じはするけど、どこかで満足ができてるんだ。変えようとも思ったけど、やっぱり何かがしっくり来ていたから変えずにそのまま使うことにした。そんな風にできる作品もあれば、完成までに4ヶ月かかるものもある(笑)。俺にとっては、できあがった時点ですごく結論的な音楽に感じたから最後のトラックにした。うまく説明はできないけど、たくさんのフィーリングが詰まってる作品で、ほかのトラックをあとにもってくるのが非常に難しいトラックだった。だから最後にこのトラックを持ってきた。

一方で、“ソディウム・トリマーズ”にはインダストリアル・テクノめいた圧迫感のあるサウンドが展開されています。最近はレーベル〈モダン・ラヴ〉をはじめとして、インダストリアル・サウンドが目立っていますが、そうしたものに共感はあったのでしょうか。

クラーク:俺はアンディ・ストットが大好きなんだ。彼のニュー・アルバムも良かった。『クラーク』を書いているときに聴いていたとか、それを意識していたわけではないけど、言われてみるとたしかに通じるものはあるかもね。彼のサウンドは、イギリスの北部を思い起こさせる。あのサウンドは好きだね。アンディは好きだけど、〈モダン・ラヴ〉のほかの作品に関してはあまりよく知らないんだ。彼の音楽はほかと違っていて、スローで、ダウンビートで、すごくヘビーだ。俺みたいにメロディックじゃない。そこは違いだと思う。俺はいろいろなタイプの音楽に影響されてるんだけど、もちろん彼の音楽もそのひとつだと思う。

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グリーンランドみたいな寒い気候の場所にも行きたいね。冗談じゃなくて本気だよ。すごく美しいはずだよ。イヌイットとかと生活するような場所に行きたいね。3ヶ月くらいいられたらベストかもね。俺は太陽が嫌いなんだ。脳が溶かされて、決断力が鈍ってしまうからね。だから北極に行きたい。外は寒くて、家のなかで何枚かブランケットを着て……っていうのがいい(笑)。


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本作『クラーク』は、1曲のなかに入っている要素も多く、かなり多様なサウンドや音楽性が聴くことのできるアルバムとなっています。これは意図的なものだったのでしょうか。それとも、結果的にこうなったのでしょうか。

クラーク:自分ではまったく考えてなかったね。多様なサウンドや音楽性を聴くことができるアルバムという認識もない。さっきも言ったように、俺にとってはすべてが一直線に繋がっていて、いろんなジャンルを詰め込んでいるという意識がないんだよ。このアルバムの多くの曲のテンポは同じだし、この箇所はちょっとハウスっぽくしようとか、ここにちょっとダブステップを入れて……とか、俺の頭はそういうふうには機能してないんだ。どんなジャンルが取り込まれているかは、俺じゃなくてジャーナリストが決める。俺は全然ジャンルを意識したり選んだりはしていないからね。ただ音楽を作っているだけなんだ(笑)。

アートワークはセルフ・ポートレイトですよね。しかし顔が真っ黒に塗られている、このアイディアはどこから出てきたものなんでしょうか?

クラーク:『フィースト/ビースト』のアートワークを担当してくれた女性がこのアイディアを思いついたんだ。そのナチュラルなイメージが、このテクノ・レコードに逆に合うと思った。最近のテクノ・レコードの、いかにもテクノっぽい、未来的で人工的なお決まりのアートワークに飽きていたしね。でもこのアートワークはナチュラルでタイムレス。現代だけじゃなくて、どの時代も表現できるイメージだと思ったんだ。

■(通訳)なぜ真っ黒に塗ったんですか?

クラーク:顔を変えたかったら変えられるから(笑)。みんな、自分の好きなものをそこに持ってこれるだろ? 電話番号を乗せたっていいんだよ(笑)。

エイフェックス・ツインが13年ぶりに新作を出したことが大きな話題になっています。あなたは何度も彼と比較されてきたと思うんですが、結果的に〈ワープ〉における彼の不在を埋めてきました。しかしながら実際のところ、エイフェックス・ツインと比較されることはフェアではないと思いますか?

クラーク:俺だけじゃなくて、エイフェックス・ツインと比べられてるアーティストはたくさんいるし、フェアじゃないとまでは思わない。彼は影響力のあるアーティストだしね。俺だけが特別彼と比べられているわけじゃなく、音楽を作らないひとたちだって彼と比べられるんだと思うよ。俺の母親だって(笑)。でも俺はあまり気にしない。みんなが俺と彼を比べても、へえーって思うだけなんだ。

■(通訳)うんざりしたこともないですか?

クラーク:そんなに。本当に、ただ気にしないだけ。俺にとっては意味のない比較だからね。雑音みたいなもので、そういう比較は俺の耳には残らないんだ。

ひとつあなたと彼との違いでわたしが思うのは、あなたはワーカホリックと言えるほど、作曲だけでなくライヴも数多くこなしてますよね。あなたにとってその多忙さ、勤勉さは自然なことなのでしょうか?

クラーク:さっきも少し話したけど、ライヴでいろいろな場所を回ったりっていうのは、俺にとっては普通のこと。たくさんライヴをやることを楽しんでる。アルバムをリリースしてツアーをやらなかったら、作品が完成したと思えないんだよね。ツアーをやることで、みんなのフィードバックや評価を得ることが出来る。ジャーナリストだけじゃなく、全員の反応を知ることができるんだ。泣くひともいれば俺を嫌ってるひともいるし、笑って楽しんでいるひともいる。みんなが前にいるから直接それを見ることができるわけで、インターネットやメディアからそれは得られない。そういった反応を見て、はじめて新しい曲を書きたくなるんだよ。

最近では映像を使ったライヴ・ショウ【phosphor】がありましたが、そこから何かフィードバックはありましたか?

クラーク:みんな気に入ってくれているみたいだし、俺もハマってるんだ。でも、今回のアルバムがどんなショウになるかはわからない。シンプルなライトからだんだん広げていこうとは思ってるんだけどね。

あなたの頭のなかは膨大なアイディアでつねに渦巻いていると思うのですが、その一部をこっそり教えていただけないでしょうか? 「クラーク」として、いま一番やりたいことは何ですか?

クラーク:そうだな……火星に行きたい。あとはグリーンランドみたいな寒い気候の場所にも行きたいね。冗談じゃなくて本気だよ。すごく美しいはずだよ。イヌイットとかと生活するような場所に行きたいね。3ヶ月くらいいられたらベストかもね。俺は太陽が嫌いなんだ。脳が溶かされて、決断力が鈍ってしまうからね。だから北極に行きたい。外は寒くて、家のなかで何枚かブランケットを着て……っていうのがいい(笑)。

■(通訳)何か音楽的なものだとどうですか?(笑)

クラーク:聞きたいのはそれだろうね(笑)。音楽的には、北極で爆発音をレコーディングしたい。最近の機械でもそういうのは作れるのかもしれないけど、本物のサウンドを録音したいんだ。ビルの崩壊とか。そういうデッカいサウンドを一回レコーディングしてみたいんだよね。

今日はありがとうございました!

クラーク:ありがとう! 日本にも行けるといいんだけど。またね。

Burial Hex - ele-king

 ウェブ・レヴュー3度めの登場、久方ぶりのフルレンス・アルバム。え? 何枚めかって? 今年でデビュー10周年、CDRやカセットを含むと過去音源は通算80以上にのぼるブリアル・ヘックスのどれがスタジオ・アルバム仕様なのか、と遡るのを想像するだけでしんどい……。
 これがラスト音源だぜ! といったアナウンスが流れているが、過去に何度か同じことを言われ、騙されているわけで、今回もにわかに信じがたい……が、たしかに内容は最後を締めくくるにふさわしいと、言わざるをえないだろう。

 以前のレヴューでの紹介と重複するのでハショりますが、ブリアル・ヘックス(埋葬された呪い)は地底深くに隠されたある種のエネルギー・サイクルであり、それはヒンドゥー教の宇宙論において循環するとされる4つの時期の最終段階、万物が破滅にいたる終末の状態を表すそうだ。カリ・ユガ(Kali Yuga)である。
 クレイ・ルビー(Cray Ruby)にとってこのプロジェクトが自身の内包するドゥーム・スケープ(終末のヴィジョンとでも形容しようか)の具現化であることは過去十年間揺らがないのだ。ドゥーム/ドローン・メタル、パワー・アンビエントが台頭していたゼロ年代半ばにそのキャリアをスタートさせたブリアル・ヘックスはその後のネオ・サイケ・フォーク・リヴァイヴァルへの流れへと先陣を切りながら、自身が形容するところのホラー・エレクトロニクスという形で、近年〈デスワルツ・レコーディング(Death Waltz Recordings)〉がヴァイナルでの再発をおこなうようなカルト・ホラー・ムーヴィーのサントラから触発されたようなファンタジー性の高いソング・ライティングをおこなってきた。

 本作、ザ・ハイエロファント(The Hierophant)のタイトルは花京院のスタンドでお馴染み? の教皇のタロット・カードである。ステーク・ヘクセン(Sutekh Hexen)のケヴィンによる強烈な牛ジャケ・デザイン。そもそも教皇のカードを星座の牡牛に対応させるのは黄金の夜明け団による解釈であり、さまざまなオカルティズムにディープに精通するクレイによる暗喩がいつもより多めにこのアルバムに収められていることを象徴しているようだ。
 収録される楽曲も過去音源と比較してもダントツでキャッチーである。パワー・エレクトロニクス感は一切鳴りを潜め、同郷のゾラ・ジーザスばりにポップなアプローチを試みたと言っていいだろう。

 ちなみに過去の地元繋がりの両者による以下のコラボレーションは秀逸。)

 ハイエロファントの楽曲は上記のようなブリアル・ヘックスのポップ・センスが全面的にフィーチャーされたアルバムだ。ニューロマな方向にエモ過ぎる展開、じつはけっこう凝っているキャッチーな打ち込みビート、ファンキーな手弾きベース、やり過ぎなほどゴシックなオーケストレーション、そしてわりと全面通してウィスパーしたり唱いあげるクレイ。大聖堂のステンドグラスに降り注ぐ神々しい光と冬山に隠された洞穴でおこなわれる血塗られた儀式が交互にフラッシュバックする初冬に相応しいゴスな一枚。

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