Shop Chart
![]() 1 |
![]() 2 |
||||
|---|---|---|---|---|---|
![]() 3 |
![]() 4 |
||||
![]() 5 |
I DON'T CARE
『Ah...Friends』
»COMMENT
|
![]() 6 |
|||
![]() 7 |
![]() 8 |
||||
![]() 9 |
![]() 10 |
![]() 1 |
![]() 2 |
||||
|---|---|---|---|---|---|
![]() 3 |
![]() 4 |
||||
![]() 5 |
I DON'T CARE
『Ah...Friends』
»COMMENT
|
![]() 6 |
|||
![]() 7 |
![]() 8 |
||||
![]() 9 |
![]() 10 |
| ELECTRONIC TRIBE -YEBISU NEW YEAR'S PARTY 2011- | |
|---|---|
| 会場 | THE GARDEN HALL/ROOM |
| 開催日程 | 2010年12月31日(大晦日) - 2011年1月1日(元旦) |
| 時間 | 20:30 OPEN / 21:00 start (ALL NIGHT) |
| 料金 | ¥6,800(前売券/枚数限定)、¥8,000(当日券) |
| 出演者 | DERRICK MAY (Transmat/USA) VJ: |
ところで、入手困難になっていたデリック・メイのベスト盤的2枚組『Innovator』の再プレスが決定しました。解説には、私(野田)が1992年に弘石雅和にリズム・イズ・リズムの曲を録音したカセットテープをプレゼンした話から書きました。それはともかく、まだ聴いてない人は必聴ですよ。
https://shop.beatink.com/shopdetail/023005000001/
ちなみに今回の「ハイテック・ジャパン・ツアー」の日程は以下の通り。私の故郷の静岡でもまわします。日本でもっともずぼらな男に会うためにも、行けたら行こうっと。
HI-TEK-SOUL JAPAN TOUR 2011
DJ: DERRICK MAY (TRANSMAT/DETROIT)
12/31(金)-東京 ELECTRONIC TRIBE @YEBISU GARDEN HALL
www.electronic-tribe.com
1/2(日)-群馬 SPROUT @RAISE
www.s-p-r-o-u-t.com
1/7(金)-静岡 @JAKATA
www.jakata.jp
1/8(土)-大阪 @GRAND CAFE
www.grandcafeosaka.com
この概要を知ったとき、ドラムンベース界隈ではいままでになくまったく新しいコンセプトでリミックス・アルバムが発売される......と、その斬新なアイデア、これに関わっているメンツを見て嬉しく思う反面、ドラムンベースを代表するレーベル〈メタルヘッズ〉から初めてと言っていい、ドラムンベースがほとんど入っていない4つ打ちやダブステップがメインのコンピレーション・アルバムを発表したことで内心複雑な心境に陥った。良い意味でも悪い意味でも。多種多様なエレクトリック・ミュージックのなかにあって90年代、類稀な貪欲性を孕み、全ての音楽性を飲み込んで誕生したUK産のアンダーグラウンド・ミュージック・カルチャー、ドラムンベースが、この20年で下降線を辿り岐路に立たされているのは間違いない事実。とは言え、浮き沈みが激しく、また消えては生まれるクラブ・カルチャーにとって、ある一定のアンダーグラウンドな音楽的価値観を下げずによくここまでシーンを受け継いできたと賞賛すべきだろう。新たな10年代に向けて、共存するのもまたUK特有の雑食性ならではの必然的事変なのだから......。
さて、コミックスは、ボーズ・オブ・カナダやオウテカなどエレクトロニカなバックボーンを持ち、陶酔性と流麗テクノ・ポップを下地とするディープ・ミニマルなインダストリアル感覚を空間的に落としこんだ、言うなれば新感覚ドラムンベースだ。LTJブケムのコズミック志向をさらにテクノよりのミニマリズムへと変え、ディープ・フロー旋風を巻き起こした功労者だ。
肝心の内容も、まったく素晴らしく良い! このメンツにリミックスを依頼すれば当然だが、しかしよくもまあ、これだけの多士済々なメンツにリミックス・オファーを出したと脱帽する。ある意味この戦略は、ドラムンベースに触れていないリスナーにも広くアピールできる可能性を多分に擁している。
その戦略は功を奏し、現在大ヒット中、アナログのEP1では、唯一のドラムンベースを担当したDブリッジのディープ・テックな"Belleview"リミックスからはじまり、ミニマル・ダブステップの雄、2562の別名義、ア・メイド・アップ・サウンドによる"Change"、さらにパンゲアやインストラ:メンタルがポスト・ダブステップ・リミックスを秀逸にリワークしている。
EP2では、旬なテクノ/ミニマル・プロデューサーのリミックスで固められている。まずはベルリン・ミニマル・シーンを代表するマルセル・デットマン、カセム・モッセや〈ホット・フラッシュ〉のシーガなど、各プロデューサーの個性が十二分に発揮されている。
先行リリースされた限定片面プレスの「Be True」のブリアル・リミックスはやはり一押しである。崇高なノイズ・スケープをダブステップと同化させ、緊迫感とインダストリアルな荒廃がリズムを主体としたダンス・ミュージックの概念に一石を投じている。分散化するダブステップにあって、一貫した核を変わらず有し、重苦しいサウンドスケープが幾重にも連なって続いていく......。当時革新的であったこの手法は、いまでもまったく色褪せず異彩を放っている。
ちなみにCD盤にはデトロイトのURがリミックスに参加している。
......とにかく、エレクトリックな『Call To Mind』はこのリミックス盤でまったくの変貌を遂げている。もしお気に召したならオリジナル・トラックと聴きくらべることを推奨する。コミックスがいかに優れたプロデューサーなのかがわかるからだ。
ハッチャと言えばダブステップのオリジネーターであり、ゴッドファザー・オブ・ダブステップ、生みの親的な存在として広く知られている。ドラムンベースで言うゴールディーのような存在で、テクノで言えばジェフ・ミルズのような存在かもしれない。この度、12月18日のカブキ&ジェナGとともに初来日がDBSで決まった。スクリーム、ベンガを見出したというそのレジェンダリーな貫禄のあるプレイは必見だ。
彼のキャリアは、クロイドンの伝説的レコードショップ、〈ビック・アップル〉でバイヤーを務めたところからはじまる。第一次ジャングル/ドラムンベース・ブームが落ち着いた90年代後半からUKガラージのDJとして海賊ラジオ局で活動、ダブステップのルーツともなったダーク・ガラージをいち早く取り入れている。ホースパワー・プロダクション(野田さんが第一回目のダブステップ会議で紹介したレコード)やエルビーなど、クロイドン・プロデューサーを次々と紹介した。まだ10代のキッズだったスクリームやベンガを見出し、そしてサウンドはダブステップへと変異したのだ。
2001年にはじまったパーティ〈FWD>>〉でハッチャはレジデントDJを務める。また、プロデューサーとしても活躍し、「ダブ・エクスプレス」など後の後世に多大な影響をおよぼす作品を送り出す。2004年には〈テンパ〉から初のミックスCDシリーズ『ダブステップ・オールスターズ vol.1』をリリース、その後の2006年の同シリーズの『vol.4』などのリリースを重ね、シーンの核として君臨している。2009年には自分のレーベル〈シン・シティ・レコーディングス〉を立ち上げ、目が離せない人物として活動を続けている。
「ウォーク・アウト」は、新興レーベル〈ワン・ガン・サリュート〉から発表した「ヘンチ」のリリースで名を馳せたロストとの共作。テッキーでダークに仕立てたプロダクションで、オールドスクール・レイブ・サウンドだ。硬質なビートにダークな浮遊的シンセ、ダビーなベースライン、これこそオリジナル・ダブステップの基本姿勢だろう。この辺が彼を「ドン」と呼ばせる所以かもしれない。
DRUM&BASS SESSIONS 2010
DRUM&BASS x DUBSTEP WARZ X'mas Special !!!
Feat. DJ HATCHA / KABUKI & JENNA G
2010.12.18(sat) @ UNIT
open/start 23:30 adv.3,500yen door.4,000yen
先月ラマダンマンを迎え、〈モジュール〉で〈Basement LTD〉が開かれた。これは〈セヴン〉レーベルのオーナー、グレッグ・Gが母国フランスではじめた自身のパーティを日本でリスタートさせたもの。筆者はラマダンマンの後に出演させて頂いた。ポスト・ダブステップを十二分に体感できた素晴らしいパーティで、大盛況に幕を閉じた。予想通りラマダンマンは、無機質なミニマル・ビーツをこれでもかと繋ぎ合わせた。次回開催は、12/10(fri))。〈テクトニック〉からネクスト・ダブステップを予感させるジャック・スパロー(以前のサウンド・パトロールでも紹介)を招いて開催される。アルバム『Circadian』が話題だし、必見だ!
黴
これは、Fの『エナジー・ディストーション』に続いて、レーベルとしては2枚目となるアルバムを控えたヘリクサーの先行シングル。ヘリクサーことケビン・マーティン(ザ・バグの同姓同名ケビン・マーティンとは別人なのでお間違いなく)は、フランス出身で2008年、〈セヴン〉からの「ナルコティック・ダブ/スプリングズ&ワイヤーズ」でデビューしている。2009年にはレーベルを代表する作品「XPダブ」や「コンヴァリューション」を発表、Fと同じく硬質なミニマル・ビートで話題を集めている。そして、ダークでヒプノティックな無機質なトラックに傾倒している。
「アトランティス」は聴けば聴くほど深みにハマッていく。細切れのスペーシーなシンセが揺れている。リズム自体はさほど存在感はない。キックが軽く鳴り響く程度。規則的にリヴァーブをかけたパーカッションがこだまする。
スキューバやラマダンマン、Fなどのミニマル・ダブステップとは感覚が異なる。どちらかと言えば、この空間処理はブリアルに近い。新しくはないが、シャックルトンが彼の音楽性を賞賛しているように、シンプルなのだが奥深い。
「スクリームは、もう過度期なのか?」と、セカンド・アルバムが発表されてそう感じる向きがあったのは、日本でのダブステップ熱がイマイチ乗り切っていないせいもあるだろう。本国UKではいまだ最高級の人気をほこっているし、マグネティック・マンのトラックがかかるや否や大合唱!!! となっている。筆者はドラムンベースの全盛期を知っているが、たしかにその当時の熱気をいまの日本のダブテップ・シーンに当てはめると物足りない感は否めない。インターネットで国際的に蔓延したダブステップだが、日本ではまだまだ感染しきっていない(だから2011年は大いに期待しよう)。
黴
さて、「テンパ・オールスターズ6」だが、ダブステップ界では馴染み深いメンツのなかにドラムンベースの気鋭プロデューサーがふたり参加している。ディープ・ファンクを支柱としているアリックス・ペレズとアイシクルだ。ディープ系を極めた彼らが新たなる視点を定めたダブステップ/ベースラインの矛先は、やはり波長が合うのだろう。違和感なくハマっている。アリックスに至っては、いい意味で期待を裏切るベースライン・ハウス的な4つ打ちを発表しているし。
インストラ:メンタル、Dブリッジ、カリバーなどのドラムンベースのプロデューサーがダブステップのシーンで顔を見せているのは、音楽的な相性が良いからだろう。〈テンパ〉のサウンドは年々進化している......というか、少なからずトレンドを意識した内容に変わりつつあるのは、シーンの活性化が示す良い現われだろう。
このなかでもやはりスクリームは別格だ。『アウト・サイド・ボックス』のようなポップ・フィールド志向を試みたと思えば、今回ではシンプルなポスト・ダブステップの。テンパは今、古き良きオリジネーター・サウンドの原点に立ち返っているのかもしれない。その証拠に....フォースカミング・リリースが、あのホースパワー・プロダクション久々の復活によるサード・アルバムなのだから。
ポール・ローズ(スキューバ)のミニマルが止まらない。リリースを増すごとにベルリン・ミニマル色が増している。しかも、ここのところのリミックスがどれも秀逸とくる。原曲が良いからどう加工してもかっこいい。「ハード・ボイルドVIP」もグルーヴィーな切れがあり、ある展開を施す曲中からのシンセ使いが金属的なスネアと調和してリフレインする。最終的には彼自身の音楽性として上手く纏まっている。とにかくプログラミング・センスが良い。
黴
最近リリースしたスキューバ・リミックス・シリーズも紹介しておこう。「Scuba Remixes Pt.1」は、"Tracers"をスコット・モンテイスことデッドビートによるミニマル・ダブ・リミックスからはじまり、"On Deck"をファルティーDLがエレクトロ・ポップに仕上げている。「Scuba Remixes Pt.2」では、オウン・ミックスによる続編だ。尺が続いていれば先がこうなっていたという具合。"You Got Me(I Got You)"がよりダンサブルなアップテンポになって、"Before(After)"はスローテンポが"その後"の解釈を表している、美しいエレクトロニカなダウンテンポだ。
「Scuba Remixes Pt.3」は〈アップル・ピップス〉からの「Untitled/Digest」で一躍ポスト・ダブステップの新星として躍り出たジョーによるミニマル・ラインをピアノの旋律で妖しくも刺激的に奏でる"So You Think You're Special"、そして叙情的なオリジナルにエレクトリックなシンセを走らせるデッドボーイの"Before (Deadboy Remix)"が収録されている。これらリミックスをディスク2にした2枚組の『トライアングレーション』がリリースされるので、これも要チェックだ!
Jマジック率いる〈インフラレッド〉、久しぶりのシングルがスマッシュ・ヒットとなった。プロトタイプス――ブライトン出身のニックとガービーによるユニットで、彼らの作品は軒並みフロアで爆発的ヒットを飛ばしている。エナジーが迸るトランシー・レイヴ、エピック・サウンドを完璧に操るエレクトリックなフロア志向のビッグ・アーティスト久々の誕生! と嬉しく思いながら、筆者もヘビープレイ中だ。とにかく毎回使っているほど、フロアでのレスポンスも良く、突き抜けた爽快感やドライヴ感がある。そしてエクスタシーに辿り着く、マス・ヒプノシス感もある。筆者はこれを「切なく走る」と表現している。
A面の"カスケイド"はカットラインにリミックスを依頼するなど、ドラムンベースやダブステップ、エレクトロ、ベースラインをまたいで支持されている。〈インフラレッド〉の他に〈ショーグン・オーディオ〉や〈ヴァイパー〉などシーンのトップ・レーベルからもサポートされている。
彼らの良いところは、何と言っても遠慮なく疾走感があるところ。"カスケイド"は親しみやすく、レイヴ・トランシーな、開放感あるヴォーカル・チューンだ。"ニード・ザ・ラヴ"は切ないヴォーカルとエレピが全面的に導入された幻想的なJマジックのヒット曲"クレイジー・ワールド"のアンサー・バック。
ディープ・フローな作品がトレンド化しているいまのシーンにとって、メジャー志向のヒット路線に走るプロデューサーを揶揄する風潮があるのも事実だ。今年、2002年に〈グット・ルッキング〉からのファースト・アルバムでフューチャリスティック・ドラムンベースを打ち出し、2006年自身のレーベル〈720ディグリー〉からのアルバムリリース以来、4年ぶりに発表したブレイムの『ザ・ミュージック』がメジャー路線に偏ったために各メディアから酷評されている。メジャーよりでR&B調のダブステップに走ったのがその原因かもしれない。が、フランジャイルな時期だからこそ、レイヴとともに発展したドラムンベースの変化が面白いように変わっていく。2010年はドラムンベースにとってアンステイブルな年......このことはまた年間評論フラッシュバック2010-ドラムンベースで触れるとして......プロトタイプスは、その壁を打ち崩せる新世代のレイヴ継承者だ!
オランダのドラムンベース・シーンをダークでドラッギーで、危険極まりない荒廃サウンドで包み込むトリオ、それがブラック・サン・エンパイア。2000年に「ボルテージ」でデビュー以来、オランダのドラムンベースのシーンを暗黒ノイズスケープへと変革させ、現在エレクトロ・シーンでも活躍しているノイジアと共に代表格として数々の作品を世に送り出している。『アンデンジャード・スピーシーズ・パート2』以来、レーベルとしては3年ぶりとなるアルバムがこの『ライツ&ワイヤー』だ。
これでもかと言わんばかりの影響力を秘めた暗黒電子音が狂気乱舞するサイバー・サウンドは、まったく変わっていない。......地を這うようなベースライン、彼らのダーク・サウンドの中心には現代のエクスキューショナーじみた残酷性、ブラック・マジックのような危険な陶酔性......もある。マス・クリエーションを必要としてきたドラムンベースの方向性を相反する不適合な感覚が面白い。一貫したサウンド・シンフォニーは、いまだに人気を博している。
今回の共演者も実にシンプルなラインナップで、グリッドロック、ジェイド、SPL、ナイムフォとサウンド、指針をぶらさないよう計られてるようだ。近年の彼らはダブステップにも接近している。サブ・レーベル〈シャドウス・オブ・ザ・エンパイヤー〉を作るほど力を入れている。そして、陰をチラつかせる不穏なマッシブ・ビートを展開するプログラミングは『ライツ&ワイヤー』でも聴くことができる。UKの陽に対する陰とでも言えばいいのか......。
奄美大島で生まれた松村正人がヒッピーにならなかったように、バルバトスで生まれたリアーナは、ラヴァーズ・レゲエが似合う自然派の美少女として彼女を売り出そうとした〈デフ・ジャム〉の期待を裏切るかのように自らの意志でソフト・セルを選び、そして"SOS"で使った。彼女の最初のアルバムの題名が『太陽の音楽(Muisc of The Sun)』だったことを思えば、それは挑戦的な行為だったと言える。ソフト・セルはポスト・パンクの時代に「夜が待ち遠しくてたまらない」と歌った、頽廃的なシンセ・ポップで知られるふたり組で、18才になる彼女は陽光を浴びながらワンピースを翻すことを止め、ハイエナジーが鳴り響く夜のダンスフロアへと向かったのだ。それが「エラエラエラエラ~」と歌った夜の雨の"アンブレラ"の大ヒットへと結実して、さらにセクシャルな"ドント・ストップ・ザ・ミュージック"へと展開する。そう......IDチェックのことを考えれば、『グッド・ガール・ゴーン・バッド』はそれなりに不良のポップだ。
『レイティッド・R』はバランスを崩してまでもポップ・アイコンとしての彼女のイメージをさらにダークに拡張したシンセ・ポップだったが(『NME』は彼女の暗い領域について語る上で、ニコまで持ち出す始末)、5枚目のアルバム『ラウド』は良くも悪くも均整が取れている。『レイティッド・R』のような驚きはないが、『グッド・ガール・ゴーン・バッド』のように全曲シングル・カットできるような、親しみやすい作品だ。
まずは、二木信が喜びそうな主題の"チアーズ(ドリンク・トゥ・ザット)"からはじめるか......。この曲を歌ったおかげで、22才の彼女は「酒を飲むのでしょうか」と質問されているそうだが、アメリカ社会はしかし酒に対して厳しい。日本がゆるすぎるとも言えるが、まあ、リアーナの"チアーズ(乾杯という意味ですね)"はそういう意味では二木的な愛国心を満たしてくれる曲とも言える。
僕がもっとも好きな曲は、ドレイクをフィーチャーした"ホワッツ・マイ・ネーム"ではなく、ラテンのソウルみなぎる"マン・ダウン"だ。レゲエのリズムを思い切り打ち出している曲はセカンド・アルバム以来だが、しかしこの曲における彼女はセクシャルな闘牛士だ。「ラム・ババババム、ラム・ババババム、ラム・ババババム、ラム・ババババム~」、もしこの曲がシングル・カットされたら絶対にゲットしよう。
アルバム1曲目のハイエナジー"S & M"も悪くはない。いまさら彼女のサドマゾ的な展開は驚くには値しない......が、それにしてもカリブ海出身の彼女はユーロダンスが本当に好きだ。僕の想像では、それはカリブ海への多くの先入観(太陽と海)に対する、彼女のいつもながらの牽制である。トランシーなダンス・ナンバー"オンリー・ガール(イン・ザ・ワールド)"もそうだ。これはパリのハウス/エレクトロのプロデューサー、サンディ・ヴィーによる曲だが、今回のアルバムでは"ホワッツ・マイ・ネーム"と並んでキャッチーなポップスとなっている。
バラードの"フェイディング"とアコースティックな"カリフォルニア・キング・ベッド"、ソローなR&B"スキン"も魅力的な曲だ。が、トリニダーディアンのニッキー・ミナージュをフィーチャーした"レイニング・メン"が......M.I.A.を意識したビートの曲とはいえ、さらに良い。もっともアルバムにおける最大の曲はエミネムをフィーチャーした"ラヴ・ザ・ウェイ・ユー・ライ Pt.2"である。エミネムの手の付けられない憤怒は、このよくできたポップ・アルバムにおいて唯一、荒波を立てている。
リアーナは彼女のハードルを越えて、いまのところコンスタントに良いポップ・アルバムを作っている。それは週末のための少々幻覚性のポップである......しかし、ジャケのリアーナはとても22才には見えない。
![]() 1 |
![]() 2 |
THEO PARRISH
Ugly Edit Vol.11
UGLY EDIT / US
»COMMENT GET MUSIC
|
|||
|---|---|---|---|---|---|
![]() 3 |
![]() 4 |
V.A.(BABY FORD,MARGARET DYGAS,FUMIYA TANAKA...)
Superlongevity 5
PERLON / JPN
»COMMENT GET MUSIC
|
|||
![]() 5 |
![]() 6 |
||||
![]() 7 |
![]() 8 |
||||
![]() 9 |
![]() 10 |
![]() 1 |
![]() 2 |
||
|---|---|---|---|
![]() 3 |
![]() 4 |
||
![]() 5 |
![]() 6 |
||
![]() 7 |
![]() 8 |
||
![]() 9 |
![]() 10 |
![]() 1 |
THEO PARRISH
JUST1LOVEBUG
DOPE JAMS / US / 2010/12/7
»COMMENT GET MUSIC
|
![]() 2 |
HOLGER CZUKAY
DREAM AGAIN
CLAREMONT 56 / UK / 2010/12/8
»COMMENT GET MUSIC
|
||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() 3 |
NABOWA
フォーキー FEAT. NAOITO / 凪と宴
MOGIE / JPN / 2010/12/7
»COMMENT GET MUSIC
|
![]() 4 |
THEO PARRISH / ISOUL8 & MARK DE CLIVE-LOWE
STOP BAJON
ARCHIVE / ITA / 2010/12/7
»COMMENT GET MUSIC
|
||||
![]() 5 |
EDDIE C
MIGRATION EP
SOUND OF SPEED / JPN / 2010/11/30
»COMMENT GET MUSIC
|
![]() 6 |
MAXXI & ZEUS
AMERICAN DREAMER / MZ MEDLEY
INTERNATIONAL FEEL / URY / 2010/11/28
»COMMENT GET MUSIC
|
||||
![]() 7 |
EASY STAR ALL STARS
DUBBER SIDE OF THE MOON
EASY STAR / US / 2010/12/9
»COMMENT GET MUSIC
|
![]() 8 |
|||||
![]() 9 |
DJ ROLAND CLARK
RUN RUN RUN
PURPLE TRACKS / CHE / 2010/12/4
»COMMENT GET MUSIC
|
![]() 10 |
OPEN FORAINA WITH JACK QUINONEZ
FALA TANTO
LOVE MONK / SPA / 2010/12/4
»COMMENT GET MUSIC
|
エクシーが「〈ナイト・スラッグス〉! 〈ナイト・スラッグス〉!」とうるさいので、ディプロの編集したダブステップのコンピレーションを紹介しよう。〈ナイト・スラッグス〉のコンピレーションは、若い人にまかせた。あれはやっぱ、週末あっぱらぱ~になって踊りたくて踊りたくて仕方のない若者のいわばゲットー系、新種のハウス・ミュージックでしょう。〈ナイト・スラッグス〉の主宰者のひとり、エルヴィス1990(L-Vis 1990)は〈マッド・ディセント〉からもシングルを出しているし......という強引な展開からはじめよう。
2010年の後半にはジャイルス・ピーターソンの〈ブラウンウッド〉までもが、このシーンを無視することを止めて、ダブステップ/グライムのコンピレーションCDを発表している。ジャジーな連中にも通用するとにらんでの企画だろうけれど、それでは〈マッド・ディセント〉のアプローチはどうかと言えば、オーヴァーグラウンドとアンダーグラウンドのブレンド、ポップと硬派のシャッフル、いかにもディプロらしい企画である。
アルバムはブリストルのジョーカーとジンズによる"リ・アップ"からはじまる。メジャー・レイザー、スクリームやラスコ、ベンガやキャスパ......といったコマーシャルな連中、そしてジェームス・ブレイクやアントールド、ゾンビーやスターキーといったアンダーグラウンドな連中、そして口汚い南部のラッパー、リル・ジョン......などを並列させる。カナダのダブステッパー、DZやストックホルムの女性ダブステッパー、リトル・ジンダーのように、ここ数年の国際的な広がりも見せている。ダブステップというと、暗くアングラな印象を抱いている人がいまだにいることに驚くが(まあ、たしかに今世紀初頭の世界的に暗いムードを反映しているとも言えるのだけれど)、しかしここ2~3年はパーティ・ミュージックとして世界のさまざまな都市に広がっている。ディプロは彼なりの視点を持ってシーンにアクセスしてこの編集盤を選曲しているが、ポイントはまさにそこだ。そしてそれは、彼のこの10年の冒険――バイリ・ファンク、ボルチモア、ダンスホールなどの延長にあることがわかる。
あるいは、メジャー・レイザーのスクリームによるリミックス、UKのドクター・P"スウィート・ショップ"のようなピアノ・ハウスとダブステップのレイヴ的結合、ラスコのキラー・トラック"コックニー・サグ"のパンク的アティチュードなどなど......ディプロから見える多様性をうまく展開している。ジェームス・ブレイクに関しては、〈ヘムロック〉からのデビュー・シングルの"スパーリング・ザ・ハウス"を選んでいる点も気が利いている。
アルバムのクローサーはラスコによるグライミーな歌モノのハウス"ホールド・オン"。2010年に〈マッド・ディセント〉からリリースされたヒット・シングルだ。ダブステップのまさに(日本を除く)インターナショナルな成功を象徴させる1枚である。
前作から4ヶ月というインターバルで届いたシャンテ・アンソニー・フランクリンによる2作目はタイトル通り、相変わらず空を飛んでいる。実に優雅な低空飛行(意味、分かってますよね?)。
ヒップホップの話題作が2010年の前半はドレイクで、後半はニッキー・ミナージュがぶっちぎりだったということは、なかなか興味深く、いわゆるマッチョイズムがシーンの頂点に立たなかったことを意味している。もちろん、グッチ・メインやワカ・フロッカ(磯部くんがレヴュー予定)など、それらが衰えたわけではないし、数ではきっと適わないはずなんだけど、それでも、ブラック・マッチョがその年の顔にならなかったということはヒップホップが誰のものであるかを考えさせる契機にはなりうる。ドレイクの過剰なセンチメンタリズムもさることながら、ミナージュは若い女の子たちに「セックス・アピールは必ずしも人生に必要なものではない」というメッセージを放ち、マッチョイズムとそれを補強するシステムに大きな打撃を加えている。リル・キムが焦りまくってミナージュをディスまくっているのも仕方がないというか、もしかしたらここ何年かで何かが大きく変化する可能性もなくはない(ミナージュに関して詳しくは近刊『ゼロ年代の音楽 ビッチフォーク篇』を参照)。
肩の力が抜け切ったカレンシーの存在感はそのような地図の中にあって、やはりマッチョイズムに対してボディブローを効かせる位置にいる。フラジャイルでどこか幻想的な導入からブルージーで退廃的な曲の数々を聴き進めるうちに、いつの間にか不信感で固まったような静けさへと落ちていく。ヘルツォークが『バッド・ルーテナント』で描いたようなヴィコディン漬けのニュー・オーリンズではなく、それこそ洪水の底に沈んだJ・G・バラードの終末観が似つかわしい。実にクールである。前作よりも格段にスタティックな仕上がり。
「マッチョではない」といえば、ECDが神戸のPOPOとジョイントした『ECDPOPO』もあまりに腰砕けで、いわゆる脱力の極を行っている。トランペット2にオルガンという構成のPOPOがまずは墨絵のようにミニマムで、恐れ入るほど音数が少ない。自己主張のない音というのは日本ではひとつの様式美のようになっているところがあり、何かを伝えようとするのが音楽なんだから、違和感を感じることも少なくはないのだけれど、これにECDのラップがのることで、まったく印象は異なってくる。ヤング・マーブル・ジャイアンツのような空間認識。ECDのラップが留守番電話に残されたメッセージのように必要なことを語り掛けてくる。大事な要件を。コソコソと。......あのバンドを思い出す。思い出さない。忘れよう。忘れない。
"ROCK IN MY POCKET"や"関係ねーっ!"といったお馴染みの曲があからさまな厭世観を剥き出しにし、新たなインパクトとともに僕の体内へと侵入してくる。そして、全8曲が終わっても「メッセージは以上です」とはいってくれない。メッセージはまだほかにもあるらしい。
2010年の2月にアルバム『アイム・ニュー・ヒア(I'm New Here)』で素晴らしい復活を果たした詩人、ギル・スコット・ヘロンだが、来年早々そのリミックス・アルバムのリリースが予定されている。しかも......アルバムをすべてをザ・XXのジェイミー・XXがリミックスするという企画だ。
たしかに『アイム・ニュー・ヒア』は、ブリアルをはじめとするダブステップからの影響を取り入れていた作品だったけれど、それを丸ごとジェイミーが手を加えるとなると話はまた別だ。彼が2010年の来日時にDOMMUNEでプレイしたDJは、現在のUKのダンス・サウンド(ダブステップ、ファンキー、グライム、ウォンキー)を親切に手際よくパッケージしたもので、僕にとっては忘れがたいものだった。
まずは手はじめに"NY・イズ・キリング・ミー"のリミックスが届いている。さあ、聴いてくれ。UKファンキー以降のビートを取り入れたこの音を聴いてしまったら......君はジェイミーのビートとスコット・ヘロンの声から逃れられなくなるだろう。