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Home >  News > 編集部より - ──いまアメリカで起きている抗議デモについて

編集部より

──いまアメリカで起きている抗議デモについて

Jun 02,2020 UP

 周知のように、いまアメリカ全土では、ミネアポリスでジョージ・フロイドが白人の警察官から暴行を受け死亡した事件をきっかけに、人種差別に反対する抗議運動が広がっている。このプロテストを支持する意味で、音楽業界全体が活動休止する「black out Tuseday」が本日起きている。
 まず、エレキング編集部に入って来ている情報を整理しながら、どう考えているかを明らかにしておきたい。コロナ騒ぎが起きる前から、たとえばロサンジェルス在住のニール・オリヴィエラ(デトロイト・エスカレーター・カンパニー名義で知られる)から、すでに冷酷な格差社会が広がっており、いつ暴動が起きてもおかしくないテンションがあるという話は2か月前に聞いていた。また、これはアメリカの他の都市にも言えることだが、黒人が多く住んでいる地区にはスーパーも数少ない上にマクドナルドの方が安上がりなので、どうしても食生活に偏りが出てしまう。結果肥満、高血圧など病気がちになってしまう。(コロナに感染して死亡してしまうケースの多さの一因であろう)
 そもそも、今回引き金となったジョージ・フロイド事件以前にも、たとえば、ジョージア州でジョギングをしていた黒人が近所の白人親子に射殺された事件(父親が元警察官で地元政治家などと懇意だったため、数か月後にヴィデオが発覚してやっと逮捕された)。NYセントラルパークで犬を放し飼いにしていることを黒人に注意された白人女性が(命の危険を感じると)嘘をついて警察を呼んだ事件。マイアミでは自分の子供を殺した母親が黒人2人組に襲われて息子を誘拐されたと嘘をついた事件。ホームレスに渡す物資をトラックで整理していた医者が警察に問いただされて銃をつきつけられた事件などなど、このところ人種差別にまつわる事件が相次いでいた。
 そして、こうした一連の人種差別事件が頻発している背景にトランプ政権があることは疑いようがない(メキシコ人しかり中国人しかり)。彼の人種差別を肯定するかのような公言もあって、このような事態が加速しているように思えるのは我々だけではないだろう。日本でもつい先日クルド人男性が警察の暴力を受けたばかりであり、他人事ではない。
 もっとも、相変わらずニュース番組にも問題がある。ジェフ・ミルズのアクシス・レーベルによれば、抗議デモは広くは平和的なのに、しかしTVは暴力的な場面だけにフォーカスし、反復しているとのこと。また、キング牧師暗殺以来の外出禁止令という言い方も少々大げさであり、コロナウイルスにおける外出禁止の勧告と同じくらいのものだという。まだ、いまのところは。(もし、万が一、トランプが軍隊を出すようなことがあればどうなるかわかったもんじゃない)
 いずれにせよ、いま大きなことが起きている。エレキングとしては現地でこの抗議デモに参加している人物のインタヴューを近々載せようと思っています。ひとりは、ベテランの詩人にして活動家のジェシカ・ケア・ムーア。昨日、彼女がデトロイトのコミュニティでやったスピーチも見たが、まったく暴力的なものではなかった。なるべく早く載せられるようにしますので、しばしお待ち下さい。(野田+小林)

追記:亡くなったジョージ・フロイドは、ビッグ・フロイド名義でDJスクリューの作品に参加していたラッパーでもあった。DJスクリューの「チョップド&スクリュード」という手法は、のちにヴェイパーウェイヴにまで影響を与えることになる。