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interview with KANDYTOWN

interview with KANDYTOWN

颯爽たる、東京ローカル・ヒップホップ集団

──キャンディタウン、インタヴュー

泉智    Dec 12,2016 UP

──2016年のシーンについて

むこうにいるキッズは、常にヤバいものが更新されていくわけじゃないですか。だからあいつらの世代のスターはリル・ウェインやT.I.だし、ビギーや2パックを追う前に小学生くらいから自分の世代のスターが目の前にいるから、別に追う必要がないというか。(GOTTZ)


KANDYTOWN
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■いま日米問わずトラップの時代みたいなところがあるじゃないですか。アメリカだとそれに対してケンドリック・ラマーやアンダーソン・パークといった90年代回帰の流れもある。このまえ、アトランタのリル・ヨッティというトラップのラッパーが、2パックとビギーなんて5曲も知らねえよ、みたいな発言をして、それがちょっとした議論になって…。

Ryohu:ヨッティが「そんなの知らなくてもいいじゃん」って言ったヤツですよね。

JUJU:それにアンダーソン・パークが噛みついたんですよね。

GOTTZ:「知らないことをいばるな」って(笑)。

一同:(笑)

GOTTZ:日本に住んでいても俺らは日本語のラップをそんなに聴かないから。ようはむこう(アメリカ)のものを掘っているじゃないですか。でもむこうにいるキッズは、常にヤバいものが更新されていくわけじゃないですか。だからあいつらの世代のスターはリル・ウェインやT.I.だし、ビギーや2パックを追う前に小学生くらいから自分の世代のスターが目の前にいるから、別に追う必要がないというか。そのナウだけを聴いていたらそうなるんじゃないですか。

■じゃあどちらかというとヨッティ派?(笑)

GOTTZ:いや、俺はもちろんアンダーソン・パークの言っていることもわかりますよ(笑)。

JUJU:kiLLaとか日本の若い子もきっとそうなんですよ。一緒に遊んで2パックの曲とかをかけてても知らなかったりするし、いまの若い子は本当にそうなんだと思う。別になんとも思わないけど、知ってたほうがいいとは思うし「カッコいいのになんで?」と思うだけ(笑)。

GOTTZ:ヨッティのあれは、元々チーフ・キーフが言った言葉に対してなんじゃないですか? あれはチーフ・キーフが最初に「俺はビギーも2パックもほとんど知らねえよ」と言ってたんですよ、たしか。

■まあことさらトラップとヒップホップを対立的にとらえる必要もないとは思うんですが、オーセンティックなヒップホップが過去のブラック・ミュージックから続く歴史性を背負っている部分が強いのに対して、たとえばヨッティなんかは韓国のBIG BANGの大ファンだったり、ネット時代というか、グローバル時代ならではのポスト・モダン的な側面がより強く出てる印象があります。日本だとBCDMGは宇田川を拠点として、トラップもやればブーン・バップもやる、ようは断片化したシーンをきちんと俯瞰する王道的な仕事を意識的にやってる。KANDYTOWNは世田谷ローカルの仲間たちで好き勝手にやってきた部分もあるけれど、言ってみれば昔ながらの東京のインナーシティのヒップホップのクールネスをオーセンティックに継承しているところもあって。

IO:俺とJUJUとDONYがBCDMGに所属してプレイヤーとしてやっていて、ああいうところにキャンディがあるというよりは、どちらかというとキャンディは帰ってくる場所というか。

やっぱり地元から愛されているヤツは間違いないと思うから、そういうところを見て俺もやろうと思ったし……(JUJU)

■日本の同時代のトラップ・アーティストを聴いてフィールすることはありますか?

JUJU:そんなに聴いてるわけじゃないですけど、俺は会ったら喋るし普通に仲いいです。曲を作ろうという話はしますし、YDIZZYとかkiLLa組は「曲聴いてください」といって送ってくるからそういうときは聴きますね。(KANDYTOWNの)みんなが聴くというのは聞いたことないし見たこともないですね。みんなが自発的に誰か他のアーティストの曲をかけてるのはないです。

Neetz:俺は日本語ラップだとKANDYTOWNしか聴いてないです。

一同:(笑)

JUJU:そういう感じなんで、そこに関してはみんなリル・ヨッティって感じですね。

GOTTZ:あ、でもRYUGO ISHIDAの“YRB”(ヤング・リッチ・ボーイ)はけっこう聴いてたけどね。中毒性がある感じ(笑)。

JUJU:まあ別にトラップをそんなに意識して聴かないですね。

IO:ポジティヴなことを言うといろんな色があって、聴く人にとってもいろんな選択肢があるなかで俺らにフィールしたら聴いてくれればいいと思う。ただいまヒップホップ・ブームと言われているじゃないですか? それがブームで終わらないで根づいていければカルチャーになるし、先の世代がラッパーになったらリッチになれるという本当にアメリカみたいな文化になればいいと思うっすね。

■BCDMGのコンピレーションではSWEET WILLIAM さん、唾奇さんとジョインした”SAME AS”が印象に残ってます。オデッセイの“ウィークエンド・ラヴァー”のネタで唾奇さんが「時給700と800」ってぶっちゃける感じのラップを最初にかまして、フックで「fameじゃ満ちないpainとliving」とJUJUさんが応えてて…IOさんが時どき使う「チープ・シャンペン」ってワードじゃないけど、単にきらびやかなだけじゃないKANDYTOWNの魅力が引き出されてる感じがしました。

JUJU:唾奇とかはすごくいいと思うというか、いまの時代だとお金があるように見せがちだと思うんですよ。でもああいう感じで来るじゃないですか。沖縄にライヴをしに行ったときに沖縄の人たちの唾奇に対するプロップスがハンパなくて、みんな歌ってたし「おい! 唾奇ぃ!」みたいな感じになっていて、それがすごくいいなと思ったんですよ。やっぱり地元から愛されているヤツは間違いないと思うから、そういうところを見て俺もやろうと思ったし、なによりIOくんが「唾奇とやるからやろうぜ」と言ってきてくれて、IOくんが言ってるならと思って、一緒にやったんですよ。

IO:唾奇は単純にカッコいいんです。俺のスタイルとは違うけど、俺にないものを持ってるし、やろうと思ってもできないスタイルでやっていて、そこにカッコいいと思う部分がある。だからシンプルに一緒に曲をやってみたいと思いました。

■じゃああのコラボレーションはIOさんから持ち込んだ感じですか?

IO:ですね。

レイジ:あとそうだ。シーンとのつながりで言うと、あまり明かされていないんですけど、意外とSIMI LABと仲いいんですよね。いまはもう影響を受けたりしていないと思うし一緒にやっていないけど、俺から聞きたいんだけど、昔一緒につるんでたときは、オムスとかQNから影響受けたりしたの?

JUJU:俺はラップを始めたときにYUSHIとQNくんが一番近くにいてくれたからね。

レイジ:QNが最初にヤング・ジュジュをプロデュースしようとしてたのも、もう5、6年前だよね。

JUJU:そのときは本当に恵まれていたというか、周りの人がスゲえと言っている2人がいつも遊びに連れて行ってくれて、リリック書けとか一言も言われたことないけど、あの人たちは「やる」となったら15分でビートを作って、10分でリリックを書いて、5分で録って、(そのペースで)1日5曲録るみたいな人たちだったからそれに付いてやっていて、音楽への姿勢はあの2人から影響を受けましたね。フラフラしてるんだけど、レコ屋に入ってビートを選んだら家に帰って作り出すまでがすごく早いというか。「バン!」となったらしっかりやるという感じだったり、当時はすごく影響を受けたと思いますね。

レイジ:ちゃんと盤になった音源で、一番最初に世に出たYOUNG JUJUのラップって“Ghost”だっけ?

JUJU:うーん、IOくんたちともやってた曲があったと思うけど、ちゃんと流通されたのはそうかもしれない。

レイジ:QNのサード・アルバムに入っている曲だよね。そこの繋がりはみんな知らないだろうけどけっこう古いもんね。

Ryohu:意外とね。でも感覚的にはKANDYTOWNと同じというか。

レイジ:そうとう近いし、ずっと一緒にやってたもんね。中山フェスタとか一緒に出てたし。

JUJU:YUSHIの家に泊まるときも、オムスくんがいてIOくんがいてRyohuくんがいてみたいに意味わかんない感じだったもんね。

レイジ:オムスとQNが遊ぶのもYUSHIの家だったしなあ。

■黎明期のその時期、相模原と喜多見のコネクションがあったということですか?

JUJU:SIMI LABのマイスペースかなにかに「ウィード・カット」(YUSHIの別名義。ドカット)って入ってたのを俺が見つけて、「YUSHI、SIMI LAB入ってんだ。名前入ってたよ」と言ったら、「絶対入ってねえ。いまから電話する」と言って電話して「俺入ってねえから!」とずっと言っていたことがあったりしましたね。

レイジ:SIMI LABの結成前からつるんでるんだよね?

Ryohu:いまの感じになる前からだね。

JUJU:QNくんがずっとYUSHIをSIMI LABに入れたがっていて「名前だけでもいいから入ってくれ」と言っているのを俺は見てたけど、YUSHIは「俺はBANKROLLだから無理」みたいなことをずっと言ってましたね。

■それはYUSHIさんはBANKROLLでバンといきたいから、ということで?

レイジ:いや、BANKROLLはもうKANDYTOWN内でバーンと行ってたっす(笑)。

JUJU:俺はBANKROLLを見て好きになっていってラップやったり、周りの同い年のヤツや年下のヤツがBANKROLLを好きになっていった雰囲気がKANDYTOWNの流れとすごく似ている気がしているから、みんな(KANDYTOWNを)好きになるんじゃねえかなとほんのり感じてますね。あのとき俺がヒップホップを好きになっていった感じとこの流れの感覚が近いというか、いまこうやってBAKROLLと曲を出したりしているのがなにかあるといいなと俺は信じてますね。

■聞いていると、なにかヒップホップよりも先に出会いや絆がある感じですね。

Ryohu:そうですね。だから表現がヒップホップだったというだけで、というかそれしかできないということもあるんだけど(笑)。いまさらギターとか弾けないし。

■ニューヨークでもクイーンズとブロンクス、ハーレムとかでそれぞれ色があるじゃないですか。東京もそんな感じになってきたと思います。

JUJU:日本はそれがまだすこしできていない部分があるというか、認め合うことがないというか、出てきた人をどうしても蹴落としちゃうような風潮があるんじゃないかなと感じますね。でもやっぱり下から人は出てくるものだし、それは認めなきゃいけないし、それに勝る色を持ってなければいけないし、人のことをとやかく言うよりも自分の色をしっかり持って、いろんな色があるのがヒップホップなんだということを世間の人がわかってくれれば、もっと面白くなると思いますね。

質問:泉智(2016年12月12日)

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Akira Izumi. Music and Politics.

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