Shop Chart
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LEGOWELT
Sark Island Acid Ep
(L.I.E.S.)
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V.A
In Loving Memory 4:4 | + Special 1
(Styrax)
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V.A
Fouke Le Fitz Waryn Ep
(Crow Castle Cuts)
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ARTIST UNKNOWN
Analogue Solutions 007
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COS/MES & CHIDA
12 Inches For Japan
(ESP Institute)
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LOUI$ - Magic Dance
Pink Footpath
(Blow Records)
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V.A.
Twentyfour Ways
(Smallville)
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V.A
Psychedlic Pernambuco
(Mr. Bongo)
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GLOBAL COMMUNICATION
Back In The Box
(Mix) (Nrk)
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GROOVEBOY
GROOVEBOY EP3
UNKNOWN / US / 2011/7/21
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V.A.
BLACK FEELING VOLUME 2
FREESTYLE / UK / 2011/7/22
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BUILD AN ARK
THE STARS ARE SINGING TOO
DISQUES CORDE / JPN / 2011/7/22
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DR. DUNKS / JUSTIN VANDERVOLGEN
SO GOOD FEELING / VERSIONS
KEEP IT CHEAP / US / 2011/7/11
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アルフレッド・ビーチ・サンダル(以下、ABS)の音楽性を説明するとしたら、とりあえずは、シャムキャッツの夏目知幸による「カリブ海のキャプテン・ビーフハート」というコピー以上に的確なものはないだろう。あるいは、元〈ロウ・ライフ〉の浜田淳が編集人を務める『音盤時代』創刊号に二見裕志が寄せていた、70年代後半から80年代前半にかけて、プログレッシヴ・ロックのアーティストたちが、インプットをそれまでのジャズや現代音楽からワールド・ミュージックに、アウトプットを"重く暗い"ものから"軽く明るい"音楽へ切り替えたことについてのテキスト「トロピカル洞、その陰と陽」がそれを代弁してくれる。曰く、「この距離感、遠い異国のフレーズを自前の楽器で奏でることの快楽と違和感がないまぜになった確信のなさが、ぼくにはとても重要に思える。それはぼくの距離感でもあるからだ。照明や家具、さらにはカーテンの柄を変え、BGMの音楽を変えたところで、ぼくの生活は依然としてきのうのままなのだ」。
ABSは北里彰久のソロ・ユニットで、この『いつかの、カリプソ』がデビュー・フルレンスになる。ちなみに、前身のバンド、モグサ・デルタは、サン・シティ・ガールズが『トラウト・マスク・レプリカ』をカヴァーしているような、ノイジーなローファイ・ファンクだったが、本作では、以前までディストートしていたエキゾティシズムへのこだわりを、よりアコースティックに表現することで、解放的な響きを獲得している。しかし、それは、"本物"に近付くのではなく、むしろ、変態性が露になったという意味で、だが。
ただし、北里とドン・ヴァン・ヴリートが違うのは、バックのマジック・バンドが決して奴隷ではないということだ。それどころか、日々、セッションを繰り返し、複数のユニットを掛け持つ彼等のコミュニケーションの残像は、実に健康的なシーンのようなものさえ浮かび上がらせつつある。メンツを順に紹介すると、まずは、スティール・パンとトランペットでMC.sirafu。インディ・ポップ・シーンの顔役として知られるこの髭面の男は、コンテンポラリー・エキゾチカ・ロック・オーケストラこと"cero"や、NRBQとスライ&ザ・ファミリー・ストーンが合体したような"片想い"、中川理沙とのデュオ"うつくしきひかり"等、そのバイオグラフィーを書き出すだけで、ちょっとしたフェスティヴァルのようだ。次に、ベース、ギター、ピアノで伴瀬朝彦。ハートボイルドだが、チャックを閉め忘れているようなチャーミングさもある"アナホールクラブバンド"を率いる他、前述した"片想い"や、フランク・ザッパの意思を受け継ぐ"ホライズン山下宅配便"等、癖のあるバンドに名前を連ねている。そして、ABSのマス・ポップとでも名付けたくなる複雑なサウンドの要を担うドラムは、フリーフォームなプレイで注目を集めている一樂誉志幸。他にはサックスで遠藤里美、トロンボーンで川松桐子も。ちなみに、レーベルはイベント・スペース〈七針〉が運営する〈鳥獣虫魚〉で、八丁堀のオフィス街の地下にある、この、まるでアジトのような空間は、mmm、王舟、oono yuuki、麓健一といったモダン・アシッド・フォーク・ミュージシャンが出入りするライヴ・ハウス、またはスタジオでもあって、本作の楽曲の多くもここでレコーディングされている。コンクリートの下で、南の国を夢見ながら。
それにしても、ceroの『world record』、アナホールクラブバンドの『泥笛』、ヴィデオテープミュージックの『Summer of Death』......と、この周辺で、屈折したエキゾティシズムがリアリティを持ちつつあるのは、一体、どういうことなのだろうか。とりあえず、この、変拍子に乗せて少年のような声で歌われる、何処かの国のいつかの物語は、放射性物質が降り注ぐプールサイドよりも、節電の要請を無視して、寒いぐらいクーラーをかけた部屋がよく似合うのはたしかである。こんな国に、こんな時代に関わりたくないんだ、とばかりに爆音で鳴らすことにしよう。
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BURNT FRIEDMAN
Zen'Aku
Nonplace
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CHRIS MITCHELL
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Plan B
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ZOOVOX
Zoovox Theme
Lectric Sands
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THE AUTOMATS
Pass Me By
Plimsoll
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PATTI LABELLE
Music Is My Way Of Life
White
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JOHN BELTRAN
Ambient Selections
Delsin
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V.A
Music Institute Pt.3
NDATL Muzik
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元あふりらんぽのピカチュウが、6/11~6/19までニューヨークで4本ライヴを敢行した。5月に光宙★魔呼斗(ピカチュウ&マコト)でアメリカをツアー、その後にニューヨークにやってきた。
今回は共演バンドにあわせて、ドラム・ソロやフォーク・ソロを披露。Gals Forever、Man Forever、Soft Circle、Pika ☆Yuka と、全部で4バンドと共演した。一緒にプレイしたバンドは、みんなピカに共通するヴァイブを持っているバンド。
6/11 @Gutter
初日は、ボーリング場でもあるGutterでドラム・ナイト。女の子のドラマーが集まったギャルズ・フォーエヴァー、オネイダのキッド・ミリオンがやっているマン・フォーエヴァーがピカとコラボレートした。
ギャルズ・フォーエヴァーはピカと3人の女の子ドラマー(トム・トム・マガジンのミンディ、ハード・ニップスのエミ、シンダーズのケリー)からなる。基本、他の3人がビートを刻み、ピカが所々で、びっくりするようなおかずを入れる構成だ。ピカと女子ドラマーのコラボレートは、華やかで動きがあって面白かった。
マン・フォーエヴァーは対照的に、かなりインテンス。ピカとマン・フォーエヴァー(オネイダのキッド、ヤーヤーヤーズのブライアン、トール・ファーのライアン)の4人が、静かにスネア・ドラムに向かい合って座り、ただただ延々とスティックで音を刻み続ける。途中ベースが入り、少し変化をつける。ギャルズ・フォーエヴァーとは対照的なマス的ドラム演奏で、違う面でのドラムの可能性を見せた。
![]() ![]() 6/11(sat) @ Gutter: Drum Night オープニングのドラムナイトは、ピカがNYのガールズ・ドラマーとコラボレートした今回の特別企画、ギャルズ・フォーエヴァー。NYのサイケ・バンドの重臣、オネイダのキッドのドラム・アンサンブル、マン・フォーエヴァーは、今回はカルテットとして,ヤーヤーヤーズのブライアン、トールファーのライアンなど,凄腕ドラマーを起用。そして、NYのガールズ・メタル・ロック・バンド、ハード・ニップスが出演。 |
● Man Forever Quartet (With Brian Chase, Ryan Sawyer)
www.myspace.com/manforeverusa
● PIKA☆ & GALS Forever
www.myspace.com/moonmama2013
● Hard Nips
www.hardnipsbrooklyn
■Gutter: 200 N 14th street, Brooklyn, NY 11211 9pm $7
www.facebook.com/event.php?eid=132388193503159
www.thegutterbrooklyn.com/
6/16 @ pianos
聖なる少女の夜、と命名された夜。ピカはフォーク・ソロのムーン・ママ(Moon♀mama)名義。共演は湯川潮音と元ライツで〈ドラッグ・シティ〉のアーティストでもあるソフィア・カナップ。大阪、東京、ニューヨークを代表するフォーク・ソング、しかも女の子という共通点の彼女たち。この夜は、『ピッチフォーク』の兄弟サイト「Altered zone」からエミリー・フライドランダーがDJとして出演した。
湯川潮音は、ニューヨーク初ライヴで、天使のような透き通る歌声で観客を魅了した。小さい体から、驚くべきパワーを放ち、いちど歌に入ると最後まで止まらない。ソフィアはお似合いのサンドレスで、エフェクターを多用し愛らしいヴォイスを披露。とてもスウィートだった。
Moon♀mamaは、ギター・フォーク・ソロで、ピカの歌声には心に強く感じるものを残した。日本語もあったがどの曲も観客をつかんで話さないパフォーマンスはさすが。
● Moon♀mama(Osaka...PIKA guitar folk solo)
● Sophia Knapp (NY)
www.dragcity.com/artists/sophia-knapp
● Shione Yukawa (Tokyo)
www.yukawashione.com
www.myspace.com/yukawashione
● DJ:Emilie Friedlander (La Big Vic, Altered Zones)
www.myspace.com/labigvic
alteredzones.com
■Pianos: 158 Ludlow Street, New york, NY 10 pm $8
www.facebook.com/event.php?eid=147681128637541
www.pianosnyc.com/
6/17@ union pool
ノースサイド・フェスティヴァル(ハイライトはガイデッド・バイ・ヴォイス)の一部のショーで、共演は、スター・スクリーム、ハード・ニップス、ソフト・サークル。
スター・スクリームは、19歳(!?)のゲーム音楽にインスパイアされた、男の子たち。音的にオーディオ・ドレッグスのE*rockを彷彿させる。ハード・ニップスは、ブルックリン発の日本人女子へヴィー・メタル(!?)・ロック・バンド。このふたつで会場を盛り上げ、元ブラック・ダイスのヒシャムのソロ、ソフト・サークルへ続く。最近はふたり体制らしいが、今回はまったくのソロで、ヒシャムはキーボードをプレイ。その後、ピカのドラム・ソロ、続いて、ふたりのコラボレート。ヒシャムがギターで、ピカがドラム。お互い長く知っているふたりだが、今回初のコラボレートで、ふたりとも、何か新しい面がみえた。
![]() ![]() ![]() 6/17(fri) @ Union pool: NORTHSIDE FESTIVAL #1 ノースサイド・フェスティバルの一部。バッジホルダーを優先。 共演は、元ブラック・ダイスのヒシャム率いるソフト・サークル(1)、ゲーム音楽に深い影響を受けたスター・スクリーム(2)、NYのガールズ・メタル・ロックバンド、ハード・ニップス(3)で,ノースサイド・フェスティヴァルを盛り上げる。 |
● PIKA ☆( ex. afrirampo)
● Soft circle
www.myspace.com/softcircle
● Hard Nips
● Starscream
starscreamband.com
■Union pool : 484 Union Avenue. Brooklyn, NY 11211 8 pm $8
www.facebook.com/event.php?eid=166462670081394
unionpool.blogspot.com
6/19@ coco 66
最後の日もノースサイド・フェスティヴァルの一部。ブラウン・ウィング・オーヴァー・ドライブ、フェアリーヴィジョン、SLZRD WZRD(ライトニング・ボルトのブライアンのベース・ソロ)とチボ・マットの本田ゆかさんとのコラボレートのPIKA☆YUKA(ピカ☆ユカ)。ブラウン・ウィング・オーヴァー・ドライヴは〈Tzadik〉などから作品もリリースしている、アヴァンギャルドでエクスペリメンタルなトリオ。
フェアリー・ビジョンは、窓ごしに化粧する女子、望遠鏡でのぞく男の子がステージにずっといて、後で聞いたら歌詞の内容だった。SLZRD WZRDはライトニング・ボルトのベースのブライアンのソロ・プロジェクトで、女の子がヴォイス担当。ディヴィッド・ボウイを彷彿する衣装、蛍光電波を目と口から発し、シルヴァーの大きな紙を広げ、その上に乗って回り続けたり、クレイジーなパフォーマンスを繰り広げる。光のバランスが恐美しい。
ピカ☆ユカは去年もやっているコラボレート。チボ・マットの再結成もあって、忙しい中参加してくれたゆかさんはキーボードとエフェクター、ピカはドラムとエフェクターを操る。このふたりがコラボレートすると音の遊びもしっくり収まるから面白い。
![]() ![]() ![]() ![]() 6/19 (sun) @ Coco 66: NORTHSIDE FESTIVAL #2 |
● PIKA ☆ Yuka ( ex. afrirampo, Cibo Matto)
www.wbr.com/cibomatto/
chimeramusic.com/ifbyyes.html
● SLZRD WZRD (member of Lightning bolt)
laserbeast.com
● Brown Wing Overdrive
www.myspace.com/brownwingoverdrive
● Fairy vision
■Coco 66: 66 Greenpoint Ave Brooklyn, NY 11222 8 pm $8
www.facebook.com/event.php?eid=213054528716003
www.coco66.com/
www.thelmagazine.com/newyork/NFSchedule2011/Page#sunday
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SPEKTER
PIPE BOMB
SOUND SIGNATURE (US)
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本人は「ポスト・ドゥワップ」と言っているようだし、『ガーディアン』は「ピアノ・ポップ・ウェイヴ」と苦しい名状を与えていて、しかし音を聴くかぎりでは両者が「チルウェイヴ」という言葉を避けているのがありありとうかがわれる。実際のところは『パーソン・ピッチ』から大いに影響を受けたベッドルーム・ポップ。ドゥワップなど50年代のブラック・ミュージックやモータウンといったレトロな音楽スタイルを参照しているが、とろとろとしたリヴァーブをきかせるプロダクションといい、寄せては返すコーラス・ループといい、パンダ・ベア的な方法論と現実逃避的な企図を含んでいて、これをチルウェイヴと呼ばないわけにはいかない。
ケンタッキー育ちの青年ジェイムス・フライリーのプロジェクト、イディオット・グリーのデビュー・フル・アルバム。ジェイムスにはクラシック・ピアノの素養があり、ソロ・ピアノのカセット・テープもリリースしているようだが、彼のメロディ・センスとリズムへの独特の感度が、ピアノ演奏においていかなる効果を生んでいるのか非常に興味がある。メロディとリズム。このシンプルな要素を洗練させることで、彼の音楽は一種の中毒性を生み出しているとさえ思う。
一聴したところモーニング・ベンダースと近い部分を抉っているようにも思われるが、こちらのほうが機能性の高い音である。音として気持ちよく、身体的な効果が期待できる。足し算でも引き算でもない、もともとピースが限られた積み木を、組んだりこわしたりするような、ミニマルな音使い。神経にやさしく、しかしそれだけで頭の働きを麻痺させそうな力を持っている。たとえば"ドント・ゴー・アウト・トゥナイト"のスネアとコーラスが響きあう空白の多い音作り。ベースとキックは渾然一体としていて、スローだがパーカッシヴな心地よさを生み出している。
にぶく、ゆるく、西日のような色彩を感じさせるリヴァービーな音像は、つづく"オール・パックト・アップ"に引き継がれ、発展する。これこそは『パーソン・ピッチ』である。歌ものとしてはフリート・フォクシーズや、フォスターの歌曲などを思わせるアメリカン・フォークロアのスタイルだが、バック・トラックやコーラスのループ、奇妙な残響感、トロピカルでも土俗的でもエキゾチックでもありかつ世界のどこでもないという、あのパンダ・ベアの手つきをすみずみに感じる。
ほどよくまどろんでいると"トラブル・アット・ザ・ダンスホール"のダビーなサイケ・ナンバーがおもむろにはじまる。グロッケンやピアノはオルガンに取って代わられ、ヴォーカル・スタイルもややワイルド、コントラストのついたトラックである。この曲の挿入で作品に奥行きがつく。またサイケデリックなムードがこれを境に色濃くなってもいて、構成も巧みなようだ。しばらく後に出てくる"エフ・オー・イー"のジョナサン・リッチマンを彷彿させるドゥワップもとてもよくて、あのヴィンテージ感に比してリズム・トラックがまったくオートマチックな打ち込み音をはじき出しているのがたまらない。
"ウェルカム・バック"の、安っぽいリズム・パターンもとてもきいている。リズムの有り無し、抜き差し。あってなさそうに思われるリズム感覚が、じつは替えのきかないほど楽曲の中に大きな比重を占めていることを、このいくつかの楽曲が証している。
ラストはベースと4声のコーラスがシンプルに締める。牧歌的なラインと"イン・ザ・サディスト・ガーデン"というタイトルのミスマッチ、そしてアップライトのようなややちゃちな響きのピアノの後奏が奇妙な後味を残す。旧きよきアメリカ......を擬した、いや、鏡映しにした、存在しない世界。イディオット・グリーのレトロ・ポップは、懐古趣味というよりは、このようにリアルを描かないことによって別世界をひらく、そしてそこに浸って帰ってこれなくするためのまじないのようなものだ。
フリート・フォクシーズも、あるいはモーニング・ベンダースやザ・ドラムスなど、活気づくビーチ・ポップ・シーンが触れられない、音楽の闇のようなものに、彼は触れている。そしてそここそがジェイムスの逃避先。やわらかい光を持った、闇のビーチ・ポップ。5回聴けば骨抜きになってしまうはずだ。最後に多くのメディアに倣って、彼ジェイムスがモルモン教徒として育ったことを注記しておくが、筆者にはそれと音との関係についてとくに指摘できる知識はない。
お・前・の 脳みそどこだー!
何を言ってもわからない 笑ってばかりでわからない
あなたの思いはなんですか?
感情 行動 言動 性格
ファッキューファッキュー アイラブユー
はやく 気付いて はやく 見つけて
だけど... 死ね!"NOmiso"
![]() Tadzio /Tadzio Pヴァイン |
「150曲作って死ね」という、今日じつに古風に聞こえる(まるでスポ根だ)言葉をきっかけに誕生した女性ノイズ・ロック・デュオ、タッジオ。ソニック・ユースもメルヴィンズも知らずにプレ・グランジなハードコアや辛口のジャンク・サウンドを鳴らす彼女たちは、結成1年にしてコンボピアノ、ヘア・スタイリスティックス(中原昌也)、狂うクルー、中村達也等と共演し、キュートなルックスに不敵な態度まで加わってスター性も十分、まさにアンファン・テリブルだ。
それぞれを「部長」「リーダー」と呼び合い、ぶらっと並ぶ立ち姿は、ノー・エイジやテレパシーなど、ここ数年のインディ・ロック・シーンにデュオ編成が目立つ傾向と共振するかのようでもある。このことは音楽シーンにとどまらず、広く現在のコミュニケーションの問題としても重要なポイントではないかと思う。3人以上ではなく、ふたりというミニマルなフォーマットがいま持っているリアリティを、本インタヴューでは随所から読み取ることができるだろう。
「150曲作って死ね」という言葉の主は中原昌也氏だが、見方を変えれば、タッジオとは、バンド誕生の時点で150曲という目標=終わりが予定されている時限プロジェクトとも言え、このワイルドなデュオがいったい150曲制作のあいだに何を見、どのように変化を遂げるのかという大掛かりなドキュメンタリーとしても興味深いものがある。
サブカルチャーにおいて音楽の力が衰退しつつある日本の状況に、タッジオの誕生はどのような影響を与え、何を残せるのか。長い旅路の最初の行程を記録するファースト・アルバム「タッジオ」が完成した。
その頃ふたりとも無職だったんですよ。だから時間だけはいっぱいあって、スタジオにもいっぱい入るけど、ぜんぜんおもしろくなくって。
■まず音楽的な背景からお聞きしたいんですが、ニルヴァーナとかソニック・ユースとか、あるいはメルヴィンズ、そういった90年代初頭のUSのインディ・ミュージックが......
リーダー:えへへ、やばいやばい......(部長に向かって)難しいこと言ってるよっ。
野田:直球だねえ。
リーダー:(部長に向かって)がんばろうねっ。
(一同笑)
■いえいえ、あくまで音を聴かせていただいた上で思い浮かんだのが、そういうバンドの名前でして......
リーダー:はい。
■はい。好きな音楽っていうと、どんな感じでしょう。
リーダー:ええと、いま言われたなかだと、ニルヴァーナは知ってます。
部長:ふたりで全然好きなの違うんで......。ハードコアとかも全然詳しくないですし。いろいろ言われるんですけど。
リーダー:ソニック・ユースとかも最近知ったくらいで。リーダーは。
■ええー!? 「好きで好きで仕方ない」ってくらいかと思いました。
部長:全然。私もソニック・ユースは通ってないですし。
リーダー:バンドやりだしてからメルヴィンズとかも知ったんです。メルヴィンズ知らないでバズ・オズボーンの曲ができたんですけど。
■へえー。"シック"とかもすごい重たい音で、ハードコアとかグランジとかを通過せずに、いきなりどうしてそんな音が生まれてきたんだろうって思います。
リーダー:リーダーは、なんか、知り合いとかがハードコアのバンドをやってるのを見てたんですけど。ぜんぜん趣味でやってる人たちの。汚ーい感じの。
■はい。汚ーい感じの。
リーダー:未来のない感じの。
■ははは。
リーダー:とかを見てて、って感じなんですけど。
■へえー。じゃ、日本の知り合いのバンドからの影響なんですね。バンドを組むのは初めてですか?
リーダー:はい。初めてです。
■ギターもドラムも初めてですか?
リーダー:はい。リーダーは初めてです。
部長:ドラムは中学のときに1、2年やってました。
■中学で1、2年やったきりですか。部活動とか?
部長:いえ、バンドです。流行ってたんで、その頃。私が中学くらいの頃ですけど。
■曲は......
部長:コピー・バンドです。
■うーん。それで、初めてバンドを組んで急にあんなノイズが出てくるわけですか? ドラムも手数の多い感じの......
リーダー:バンドやるちょっと前に中原(昌也)さんとかと出会って、そういうノイズを初めて聴いたんですよ、リーダーは。そういう音を出したいって思ったわけでもないんですけど。
野田:中原君のライヴを観て?
リーダー:はい。何回か観ましたね。
■うーん......
リーダー:あ、でもライトニング・ボルト。ライトニング・ボルトのライヴを観てリーダーはいちばんかっこいいと思いました。
■ああ!
リーダー:いままで忘れてた。
■それです! そのコメント拾えてよかった。
リーダー:ははっ!
野田:2年くらい前ですかね。
リーダー:そうですね。中原さんに誘われて行きました。
部長:私は逆に、高校のときから中原さんの音楽を聴いてたので、大人になってからこんなふうに一緒にやったりすることになるなんて思ってなかったです。
■憧れとかあったわけですか。
部長:憧れというか、普通に好きで、家にCDとか持っていたので、変な感じ。すごい変な感じがします。
■あ、では音楽的にタッジオを引っぱっているのは部長さんですか?
部長:引っぱって......?
(一同笑)
■ははは。いえ、では曲ができるときはどんな感じなんでしょう?
部長:ふたりでスタジオ入って、ほんとに、ふたりで話しながらできる感じなんですよ。だからどっちかが作った曲を持ち寄るとかではなくて、どっちが引っぱるとかでもなくて。
■まずスタジオに入るところからはじまるんですね。
リーダー:そう、スタジオに入って、音を出して、いまのいいねって言ってどんどんくっつけてくみたいな。
■なるほど。バンドのきっかけは、学校とかですか?
リーダー:ううん、何かのライヴの打ち上げで出会って、ふつうにそこで、お友だちになって......
部長:で、リーダーがそこでギターを......
リーダー/部長:もらってー。
リーダー:で、なんかやりたいねって言ってたら、部長が昔ドラムをやってたって言ってたのを知って、で、スタジオ入ってみますかみたいな。
部長:最初はなんかコピーとか。
リーダー:そう。そのニルヴァーナとかやってたら、できなくって。
■あら。タッジオでコピーとかやってたんですか。
リーダー/部長:ぷっ(笑)。
部長:あはは。でもコピーとかいっても、全然できてなくって!ふたりとも全然へたくそで、もう「はーっ」ってなってたんですよ。2、3ヶ月くらい。
リーダー:ニルヴァーナとかも全然......
部長:全然できなくてつまんないし(笑)、ニルヴァーナとかやってても。その頃ふたりとも無職だったんですよ。だから時間だけはいっぱいあって、スタジオにもいっぱい入るけど、ぜんぜんおもしろくなくって。それでちょっと(オリジナル曲を)作ってみよっかって。
リーダー:自分たちで作れば間違いがないから、すごい楽しくて。
■ははは。たしかに「あ、ここ間違った」とかいうことがない。全部正解ですね。
リーダー:そう、自由にできる。
部長:自分のレヴェルに合わせて。
■じゃ、けっこう、突然変異的に、そういういろいろな偶然やら事故やらが重なってできてきた音楽なんですね。
野田:中原昌也の音楽を聴いてたっていうのはどのくらいの時期からですか?
部長:暴力温泉芸者とか、トラットリアから出してたのとかです。
野田:ふーん、じゃわりと昔から。
部長:はい。私もともと小山田(圭吾)さんのとか大好きだったので、そこからたどって聴いてたんですけど。
野田:へえ。じゃ部長さんがマニアックなんだ。
部長:マニアック......そうですね(笑)。
リーダー:「部長さん」......(笑)
[[SplitPage]]私から見ても......いくつ離れてるんだっけ? わかんない、けっこう歳が離れてるんですけどこんな感じだし。リーダーには同世代の子とかは「若いわね~」ってふうに見えるんじゃないですかね。
![]() Tadzio /Tadzio Pヴァイン |
■おふたりのお名前、部長さんとリーダーさんだったら、どっちも偉いじゃないですか。
リーダー:そうなんです。だからこういう名前にしたんです。どっちかが嫌だってことは絶対やらないっていう意味で。
部長:どっちも部長、リーダーみたいな感じです。
■はいはい。すごいかっこいい名前ですよね。
リーダー/部長:ははははっ!
リーダー:かっこいいですか?
■はい。すごいしびれました。
部長:あはは! けっこう変えた方がいいって言われるんですけど。
リーダー:こんな褒められたの久しぶり。ていうか初めて褒められた!
■だって、若い、新しい世代の女性アーティストが、「オニ」と「ピカチュウ」(あふりらんぽ)を反復したってだめじゃないですか。そうじゃなくて、「部長」と「リーダー」って、いまいろんな映画やドラマなどが思い浮かぶんですが、2000年代の日本のサブカルチャーが描いてきた、若い人間の新しい関係性を象徴するような、いい名前だと思います。
リーダー:ははは。膨らましていただいてありがとうございます。
■いえいえ、クールな名前ですよ。
リーダー:つけてよかったねー。一生リーダーと部長でいいよ。
■あはは! では作品にお話を戻しまして。私"ノーミソ"とか音も言葉も好きなんですが、意外に歌詞が頭に入ってこないんですよね。ノイズとファンキーなリズムがかっこよくて、どちからと言いうと身体がよろこぶ感じなんですよ。で、タッジオにとって歌詞ってどのくらい大事なんですか?
リーダー:とても......大事?
野田:はははは!
部長:とても大事です! 全部、実話とか思ったことを歌詞にしてるんで。
リーダー:すごい嫌いな、まあ、苦手な方がいまして。
部長:ぷっ(笑)
リーダー:その人に問いかけてる感じなんですよ。ノーミソがほんとどこにあるんだろって思って。
■あ、具体的に顔の見えてる曲なんですね。
部長:これはそうですね。
リーダー:(聴いている人が)いろんな人に当てはめてもいいんですが、それがきっかけですね。
■へええ。歌詞はすっごく大事なんですね?
部長:あははは、歌詞を聴かせたいわけではないんですが......
リーダー:歌詞を書いてるのもすごい楽しい。
部長:うん。
■そうなんですね。詞に、現代の風俗を感じさせるようなものが全然出てこないなと思って。辻でブルースマンが悪魔と契約するシーンを下敷きにしてたり、ビッグマフへの憧れがあったりとか、ピストルズも出てきますし、「ファックユー」と中指を立てるようなポーズを感じさせたり、ちょっと古い世界の言葉でできてますよね。ひとつだけ現代を感じさせるのが"カピバラ"。
リーダー:あ、電車かな?
■電車も出てきますね。カピバラ自体にもいまを感じますが。
野田:何? カピバラって。
■動物ですよ。ゆるキャラです。
リーダー:ほ乳類の中でいちばん歯が強いらしくって......
部長:すごいのほほんとしてるのに、牙だけグワーッ! ってなってるんです。
リーダー:そういう歌ですね。それが神様に勝ったっていう。
■うんうん。それでその"カピバラ"だけがいまっぽいなんて、いまの世界は嫌いなのかな? って思って。
リーダー/部長:えーっ(笑)!!
リーダー:あははは。全部リアルなものですよ。私たちの世界の。
部長:まあ、イライラしてることは多いのかもしれませんけど、べつに嫌いとかではないですね。ふつうですよ。
リーダー:そう。日常で起こったことを歌詞にしてる。
■なんか、友だちとどこそこへ行ったとか、その駅名がでてきたりとかしないなと思いまして。あるいは恋愛をテーマにすることがあっても、現実のディテールにこだわる書き方ではなくて、もっと抽象的というか......
リーダー:抽象的ってなんですか?
■ええと、じゃ、誰かを好きだとして......
リーダー:あ、でもラヴ・ソングはいっぱいあります。
■え? そうですか。
リーダー:1曲めとか3曲めとか。
部長:"ビースト・マスター"は恋愛の曲です。
■あー! "ビースト・マスター"が恋の歌だとすれば、私的に、相手は女の子のように感じられます。
リーダー:なんかかっこいい人でもブスと付き合ってる人とか多くて、でもそれは......
部長:見た目はブスでも中身がきれいな人を好きになるからあいつは素敵よ、みたいな。あたしはきれいだけど、中身はブス、という曲です。
リーダー:でも、片思いの曲なんです。
野田:三角関係の曲なんだ。
リーダー:そうです。三角関係です。ふつうの男女の恋愛の曲です。
■でもその相手の男性よりも、女性に向けてる視線の方が濃くないですか? 深いっていうか。こんなに深い観察が生まれているわけで。
リーダー:はい。
■いま"ノーミソ"の話になりましたけど、"ノーミソ"とかって神様やカリスマのいない世界のことを歌っていると思うんですね。"ベルギー"で言えば「あの子」。神様とかあの子とか、そういう特別な、唯一の存在っていうものがいない場所。で、いるのはカピバラなんです。それが世界だ。って言ってるのかなと思いました。
(一同笑)
■えっと、かけがえのない存在ってあるじゃないですか。それが、ない。というか成立しない世界。いまってインターネットがあればどこにでもつながるし、たいていのものが手に入りますよね。職場とか地域のつながりとかにしたって、昔のような結びつきとかしがらみ、そこにいるのが自分じゃなきゃいけない感覚って薄いですし、他の誰でも原理的には替えがきく。そういうすごく流動性の高い社会なわけですよね。神様も彼女もあの子もいないんだけど、カピバラみたいなゆるキャラだけがはっきり存在してる。鋭い牙を隠し持って......。そんなとこが現代的な感覚だな、と。
(一同笑)
部長:そこまで考えてないです。
リーダー:べつに、神様に頼らなくても、哺乳類=人間だけでやってけるよっていう。クロスロードに行ったら、神様はいなくてカピバラがいたから、あ、自分たちだけでなんとかしろってことねって思った、という。
■タッジオって、まず詞ではなく音が聴こえてくるので、しかもいまっぽい言葉が希薄なので、詞って大事じゃないのかなあって思ってたんですよ。でも違うんですね。
リーダー:はい。うちらがいまっぽくないからそうなんだと思います。
■はぁ。
リーダー:まあ、だからお互いいまっぽくないってだけなんですけどね。ね?
部長:うん。
野田:そういう、「いまっぽくないな」っていう感覚はあるんですか? 普段生活してて。浮いてるとか、同世代と合わないとか。
部長:たぶん、リーダーはあるのかもしれないよね。まわりに大人が多いんで。私から見ても......いくつ離れてるんだっけ? わかんない、けっこう歳が離れてるんですけどこんな感じだし。リーダーには同世代の子とかは「若いわね~」ってふうに見えるんじゃないですかね。
野田:じゃ、リーダーくらいの人たちの典型的な同世代像ってどんな感じなんですか?
リーダー:うーん、リーダーの同世代......?
野田:部長はなんとなくわかるよね。トラットリアとかコーネリアスとか聴いててさ。
リーダー:うーん、同世代、同世代......
■何してたりするんですか? バイトとか?
リーダー:うーん......みんな何してるんだろう。
部長:とくにバンドはじめてからは、同世代の人とかとは遊ばないもんね。
リーダー:もとから友だちいなかったのにもっといなくなっちゃった。
[[SplitPage]]見た目はブスでも中身がきれいな人を好きになるからあいつは素敵よ、みたいな。あたしはきれいだけど、中身はブス、という曲です。
![]() Tadzio /Tadzio Pヴァイン |
■なんか、若い方って保守的だなあと思ったりすることが多いんですよ。それこそ古い音楽を参照したりして、すごくブルージーなギターを弾く女性サイケ・バンドとか。素でレトロ志向な若いバンドがけっこう多い気がして、そういう「いまっぽさ」に対する批評があるのかなって感じるんです。同世代とか見てて、かったるいなとか思いませんか?
部長:そういうのありますね。
リーダー:渋谷歩いててよくね(笑)。
部長:ふたりで歩いてて、悪口しか言わないんですけど(笑)。
リーダー:変なバスとか走ってて。
■あ、バスレベルで駄目ですか(笑)。ツイッターとかは?
リーダー:部長はやってます。
■つかいこなせてる感じありますか? 私ツイッターって全然活用できなくて。
野田:はははは。
部長:ライヴの感想見たりとか、イベントのお知らせ見たりとかって感じですね。
■なんだか、私よりもずっと落ち着いていて、ずっと年上のように感じられてきますね......。音楽以外にハマっているものとかないんですか?
部長:うーん。
■音楽ばっかりですか。レコード屋さんとかは行きます?
部長:レコード屋さんは行きますね。DJをやってたりしたんで。
■あ、そうですね。ジャンル関係なくご覧になります?
部長:いえ、偏ってますね。機械で作った音楽ばっかり聴いています。バンドは全然知らないですね。
■あ、じゃあまさに『エレキング』なんて......
部長:買ってましたね。
野田:さすが!
■なるほどー。どんどんタッジオが見えてきました。私、おふたりは立ち姿もすごくかっこいいなと思うんですが、ここ3年ほど、海外の音楽はとくにそうなんですが、デュオが多いんですよ。こう、ふたり組が、ぶら―っと立ってる写真が多くて、それが妙にかっこよくて説得力があるんです。デュオってミニマルな単位で、まあ、ひとりがいちばんミニマルですが、いま複数人で音楽やろうとすると、ふたりっていうサイズになにか意味やカギがあるんじゃないかなってことを考えさせられるんです。3人以上のバンドってやれると思います?
部長:(小声で)たぶんできない......
リーダー:やりたくないですね。
部長:サポートで入ってもらうとか......
リーダー:そう、ゲストで出てもらうとかはアリだけど......
部長:一緒に曲作ったりとかは無理ですね。
リーダー:うん。めんどくさそう。
■ああ、ふたりのあいだでの緊密な何かがあるわけですね。
リーダー:はい。そう。スタジオ風景とかは誰にも見せられないですね。
(一同笑)
リーダー:悪口しか言ってない。
(一同笑)
リーダー:自画自賛しかしない。
部長:褒めあって曲ができるから、聞かせられません。
リーダー:うん。けなすことはいっさいしない。
■じゃあ、ふたりがいちばん動きやすいサイズなんですね。
部長:増えすぎるとちょっと。
リーダー:ちょっと、ですね。
部長:あんまり団体行動とかも得意じゃないし、3人以上になると支障も出てくるかなあ。
リーダー:そうですね。揉めるからね。
■わりとプライヴェートでも一緒にいるんですか?
部長:はい。よくお茶とかはしてたんですよ。
■その延長でスタジオに入るようになったって感じですか?
リーダー:そう、お茶がスタジオに変わったみたいな。
■先に言った海外のぶらーっとしたデュオもそうなんですが、3人以上ではないリアルがあるんだなって思うんですね。高校のときは部活とかはされてなかったんですか?
リーダー:リーダーはされてないです(笑)。
部長:私はギター部でした。弾けないのに。しかも部長でした!
(一同笑)
部長:弾けないけど仕切るのが好きだったんで仕切ってました。
■でも団体行動は無理......?
リーダー:無理ですね。だから大勢のバンドってすごいと思う。何がどうなってんのか。
■話は変わりますが、資料によるとこのアルバムは一発録りだっていうことなんですが、「せーの」で一気に録っちゃったんですか? いつもライヴやってるみたいな感じで。
リーダー:はい。それを何回かやって録りました。
■へえー。じゃほとんど1日とかですか?
部長:はい。1日だね?
■次いくよ、次いくよって感じで?
部長:録りっぱなしです。頭から最後までずっと録りっぱなしで、それを何回かやって。
リーダー:そう。通して、それを3回くらいやって終わり。
■へえー。それで1セットまるまるじゃなくて、そのなかからいいものをチョイスしているってことですね。
リーダー:そうです。
■そんなところから想像しても、一見ライヴがすごく大事なバンドなのかなって思えるんですが、じつは家で聴いたり、再生されることが大事な音楽なんじゃないかという気もするんです。ライヴをやっているのと曲を作ったり録音したりしているのとどっちが好きですか?
リーダー:どっちも楽しい。どっちも大事なことです。違う種類の楽しさです。
■ライヴも大事なことなんですね。
部長:やっぱり大きい音でやれるっていうのが。反応も見れるし。
■スタジオは、曲作りというか、ふたりでいろいろ言い合っている場所なわけですよね。それに対してライヴは知らない人もいっぱいいるところです。どちらが居心地がいい場所なのかなと思って。
リーダー:居心地がいいのはやっぱりスタジオだよね。
部長:そうだよね。
リーダー:空気もいいし。ライヴ・ハウスは空気悪くて。
■ははは! そうですよね。オーディエンスの方って年代や性別的にはどんな方が多いんですか?
リーダー:おっさんばっかりだよね。
(一同笑)
部長:CD出したばっかりだし、ライヴもまだ10回ちょっとしかやってないので、まだよくわからないですね。客層とかは。もっと若い人にも観てほしい。
■ああ、それはまさにCDになってから、これからという感じですよね。
部長:うんうん。
■しかし、おじさんばっかりなんですか。
部長:とりあえず、出す前までは......
野田:なんでおじさんばっかりなんですか(笑)?
■いや、わかります! 私も思いますよ。ノイズ・ロックをやる若い女性って、おじさんの萌えポイントなんですよ!
(一同笑)
部長:あー、それ誰かも言ってた。
■だから、そういうところにタッジオが取り込まれちゃうと悔しいなと思って。
野田:なんかディスクユニオン(橋元)が言うと説得力あるね。
(一同笑)
■いやー、そうですよほんと。だから、そういうところに取り込まれるのではなくて、音もスタイルもあるわけですから、ぜひとも外にぶつけていっていただきたいなって。若い層に。ただ、若い人が音楽聴いてるのか?って話はありますけどね。
リーダー:ああ、そうねえ。
[[SplitPage]]うん。怖い。渋谷とかにあるやつ怖い。「日本を元気に」とか言って......
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■日本の音楽シーンはどのようにご覧になっていますか?
リーダー:えー......怖い......
(一同笑)
■ははは! 怖いっていうのはなんでしょう?
リーダー:それは......
野田:ねえねえ、ノイズ・ロックの若い女性がおじさんの萌えポイントだっていうのはさ、具体的にはどんなバンド名が挙がるの?
■ええ!? 気になりますか。いや、それこそトーク・ノーマルとかどうですか?
野田:でもあれはさ、若い子から教えてもらったんだよ。
■ああ、そうなんですか?
野田:もっと有名どころで言うと?
■私、日本のアーティストだとよくわからないですが、それこそあふりらんぽとかどうなんでしょう?
A氏:最初はおじさんだったと思いますね。
リーダー:へえー......
野田:ああ、そう?
部長:そうなんだ......
■何でしたっけ、私いますごい大事なことを......。あ、そうです。日本の音楽シーンです! 怖いっていうのは何なんですか?
リーダー:あー、怖い!
■アイドル・ユニットとかはどうですか?
リーダー:あれは、かわいい。
■AKB48とかも好きですか?
部長:好きではないですけど! かわいらしいなとは思います。
■あのなかでむかつく人とかはいないんですか?
部長:むかつく人は......ていうか、全然知らないですね。
リーダー:うん。全然知らない。
■エグザイルとかは?
部長:あれは怖い!
リーダー:うん。怖い。渋谷とかにあるやつ怖い。「日本を元気に」(※渋谷駅前の広告看板)とか言って......
部長:全然元気になれない。
(一同笑)
リーダー:なんか落ち込んじゃう。あれ見ると。
■ああ、わかるなあ......(笑)。
リーダー:だったらスマップとかがいい。
部長:うん。
リーダー:スマップは平和。聴いたことないけど。
部長:写真だけね。
■じゃ、逆に前野健太さんとかはどうですか? ひとりでギター抱えて、活動もごくインディで。
部長:あの人は好きでした。
■あ、そうですか?
部長:かわいくて。
■かわいいですか!
部長:なんか私、なんだっけ、ダックス?(※スペース・シャワー・TVの動画配信サイト)に出たときに、前野健太さんの映像も流れてて、初めて観たんですけど、かわいい。
■ははは! かわいい、と。なんか、前野健太さんが一言で収められちゃいましたね(笑)。
部長:いえ、ちゃんと聴いてないので......
リーダー:リーダー聴いたことない。
■(笑)それこそ、同じ世代くらいの方で、たとえばライヴで一緒になったりする気になるアーティストとかはいないんですか?
リーダー:いないですね。
■ははは!
部長:バンドはあんまりわからないんですよ。DJとかなら。
■神聖かまってちゃんとか、相対性理論とか......
リーダー:も、わかんない。
■わかんないですか。
部長:わかりますよ!
リーダー:わかりますよ。
部長:わかるけど、ちゃんと聴いてない。
リーダー:タイプじゃない。
部長:そう、タイプじゃない。
野田:かまってちゃんと似てるとこあるよね!
部長:ええ!!
リーダー:ええ!!
■うーん、鏡合わせに......ですかね?
リーダー:あんまり聴いたことない。
部長:私は全然だめです、かまってちゃん。
■そうなんですか。
リーダー:対バンしてかっこよかった人か......茶谷(※久土'N'茶谷)さんくらいかなあ?
■やっぱりじゃあ......自分たちが一番かっこいいってこと?
部長:ははは!
リーダー:まあ、そうなっちゃいますね。
(一同笑)
■なっちゃいますね(笑)。なんか、あえて聴かない、というよりは、バリアがある感じ?
リーダー:いや、かっこいいのはかっこいいと思う。つい最近も、なんだっけ? THE GIRL(注:日暮愛葉さんが新たに組んでいるバンド)?
部長:THE GIRLとか、久土'N'茶谷もかっこいいと思ったし。
リーダー:だから、レコ発にも久土'N'茶谷に出てもらうし。
■ああ......
部長:なんか落ち込んできちゃった。
リーダー:なんかへこんできちゃったねえ。
■いえいえ! もうちょっと「怖い」ってあたり掘り下げてお聞きしたいんですが。「怖い」のニュアンスってあるじゃないですか。べつにホラーで怖いわけじゃないですから。
リーダー:なんか、全部おんなじに聴こえる。全部おんなじに聴こえて怖い。
部長:なんか、あれをいいと思って聴いてる人の感覚が怖い。
リーダー:そこで音楽をやったら、私たちの音楽は大丈夫かしらって。
■ああ。じゃ、音楽性というよりは、立っているところ、生きているところがみんなと違うんじゃないかっていう感覚ですかね?
リーダー:変なのがチャートの一位とかになってたら怖いなっていう、「怖い」。
■そういう、ほんとにマスな音楽とおんなじ地平に立ってる感じあります?
部長:別かな。
リーダー:うん。別。
■その自分たちのいる場所でのライバルっていないんですか?
部長:いないかな。
リーダー:うん。いない。
■......やっぱ、かっこいっすね(笑)。
部長:かっこいいっていうか、ほんとに知らないんですよ!
(一同笑)
■あ、でも部長さんはDJとかなら知ってらっしゃるんですよね?
部長:あ、いや、そこは掘り下げなくても......
■いえいえ、聞かせてください。
部長:もともと自分でもやってたので。仙台とかでも。
■日本のDJ。私こそあまりわからないので、教えてください。
部長:仙台でやってたのは、常磐さんとか、二見裕志さんとか、ムードマンとか。
野田:ふーん。
■音的には......?
野田:ディスクノートっていうレコード屋さんあったじゃない、仙台に。なくなっちゃいました?
部長:あるんですけど......ていうか、私、野田さんのDJそこで観てます。
野田:えっ! あ、あのときかあ!......すごいねえ!
(一同笑)
部長:野田さんのDJですよ! でもそういうこと言わないでおいたんですけど、言っちゃった。
野田:えっ、いや......
■(笑)いまテンション上がりましたよね?
野田:いや、だって、すーごい昔ですよ、それ。
部長:中三か、高一かなあ......
■そういうところが、高校の頃のアジトだったんですか?
部長:そうですね。レコード屋さんとかは。
野田:ディスクノートってね、それこそディスクユニオンみたいなとこだよ。
部長:そうですねえ。店の感じとかも......
■あはは、きたないなあ、ごちゃごちゃしてんなあ! みたいな?
野田:ファラオ・サンダースのTシャツを勝手に作って売ってるみたいなね?
■ははは! ディスクユニオンはすごくちゃんとした会社ですよー。ではお話が戻るんですが、これからまた新たなアルバムを作っていく上で、そういったDJ的な素養はフィードバックされてこないんですかね?
部長:フィードバック......されてるのかなあ?
■いえ、次の作品の青写真、ということなんですが......
部長:うーん、フィードバックしようとは思わないし、好きな音楽を持ち込もうとも思わないし、そういうのはまったく別物なんですけど、なんか聴く人によっては、「このリズム、テクノっぽいよね」とか言われたりします。
■ああ! へえ。
部長:だからほんとに別のもので。ぜんぜん知らないことやってるから楽しいのかも。こんなふうに。
■次の展開としては、そういう方向性はないんですかね?
部長:自分からは、ないと思います。勝手に入ってきちゃうってことはあるかもしれないですけど......
[[SplitPage]]なんかみんなすぐ解散とかしちゃうから、それだけはやめろって言われて......。だから、続けるって意味で150。アルバム1枚出して終わりっていう人たちもいるから、そんなんだったた出したくないなっていう感じ。
![]() Tadzio /Tadzio Pヴァイン |
■今回の作品は、1枚目ってこともありますから、これまでの総決算、とりあえずやってきたこと全部出しますってアルバムかなと思ったんですが。
リーダー:総決算?
■総決算といいつつ、結成が2010年でしたっけ?
リーダー:2010年!
部長:そう! まだ1年ちょっとです。
野田:ははは!
部長:まだ総決算は大げさです!
■(笑)あ、そうですね。とりあえず、出しました~って感じですね。
リーダー:そうです。総決算です。
(一同笑)
■(笑)ここまでの時点のものを、まとめたという形のものだと思うんですが、次の作品がまたあるわけじゃないですか。何か見えている画というか、こんな感じの作品になるだろうという予定はあるんですか?
リーダー:ま、曲ができたらまた作る。みたいな感じですかね。
部長:曲をつくっていく、という。
リーダー:うん。どんどんどんどん、いっぱい。
部長:それだけが、目標なので。曲ができて、アルバムができて、みたいな。150曲作るっていう目標があって。
■ああ、そっか。150曲の目標があるんでしたね!
リーダー:はい。そこでもう終わりなんです。
■はい。......えっ、終わり!?
リーダー:そこで終わりです。
部長:中原(昌也)さんから150曲作って死ねって言われたんで。
■はい。
リーダー:だからそこでタッジオは終わりです。
■終わりって......。そういうことですか......それ、言われたこと守ってたら死んじゃうじゃないですか!
リーダー:そうそう、でもタッジオが死んじゃうんです。タッジオ、ダイ。
野田:じゃあさ、150曲作ろうっていうところまではほんとにやるつもりでいるんだ?
リーダー:はい。それが最後っていうこと。
部長:数をいっぱい作りたいですね。わけわかんないのもできるかもしれないけど、とにかくいっぱい。
野田:3枚組のボックス・セットになっちゃうね。
(一同笑)
■ああー! それは刺激的なアイディアじゃないですか。150曲全部入ったやつ!
部長:憧れですね。ボックス・セット!
野田:3枚組じゃ150曲は無理か。
部長:枚数多くしたい。15枚組とか。
リーダー:いいねえ。
野田:でもさ、中原昌也ひとりに言われたからって、なんでそれ守らなきゃいけないんですか?
リーダー:なんか渋谷の焼き鳥屋さんでふたりで食べてたときに言われたんですけど、そんときに言われてすぐスタジオ入ったのがきっかけなんですけど......
部長:なんかみんなすごい後押ししてくれて、中原さんとか。私がドラムやるのも、千住(宗臣)さんに打ち上げで「昔、ドラムやってたんですよねー」って言ったら、「やればいいじゃん、なんでいまやらんの?」みたいに言われて、あ、やっていいんだーみたいに思ったのがきっかけです。
リーダー:すごいまわりが応援してくれる。
■へえー。じゃ、すごい相性でしたね。
野田:え、でもだからさ、中原昌也ひとりに焼き鳥屋でやれって言われたからといってさ......
リーダー:あ、でも言ったんですよ、ちょっと。バンドやってみようかなーみたいな。そしたらなんかもうすごい(中原さんが)興奮しちゃって、ギャー! みたいに言われて。ちょっと、まわりの人が心配するくらい。なんか、隣りのカップルが助けにきたりとか。
(一同笑)
リーダー:傍からみたら、おじさんと若い子がそんな......なんかすごい説教されてるみたいな感じになってて。「やれよ!! やって死ねよ!!」みたいな......
(一同爆笑)
部長:27で死ねって言われたよね。
リーダー:そう。
■このアルバムに入っている以外に何曲もあるんですか?
リーダー:新曲がちょっとあるくらいで、いま13曲ですね。2曲できた。
■じゃほんとにこれで全部、お蔵入りはない方向なんですね!
リーダー:そう。恥ずかしい。20曲くらいあることにしておけばよかった。
野田:いや、しつこくて悪いんですけど、中原昌也のどんなところが好きなんですか?
部長:あんまり深刻なのが好きじゃなくて、なんか中原さんって「なんちゃって」って感じあるじゃないですか。なんか、キャラ、本人自体もそうですけど。そういう音楽がもともと好きなんで、惹かれますね。絵も好きだし。人も好きだし。かわいい。
野田:暴力温泉芸者とヘア・スタイリスティックスとでは、どっちが好きですか?
部長:ええ......そんなに全部を聴き込んでるわけではないんですが......
野田:すごくたくさんあるもんね、中原くんの作品。
部長:どっちってこともないですね......どっちも好きです。最近出してるシリーズとかも。
■150曲というのになにか説得力があったというか、それを守ろうというわけですから。150という数字には何か意味があると思いますか。
リーダー:いや、ないと思います。
野田:きっとそのときたまたま出たんだよ。
(一同笑)
■そんなあやふやな数字にも関わらず守ろうというんだから、すごい信頼関係があるんですね。
リーダー:最初にその話を聞かせたときに言われたから、やけに印象的で。
部長:それを聞いて、量があればなんとかなるだろうって。
リーダー:なんかみんなすぐ解散とかしちゃうから、それだけはやめろって言われて......。だから、続けるって意味で150。アルバム1枚出して終わりっていう人たちもいるから、そんなんだったた出したくないなっていう感じ。
■いまだけじゃなくて、その次出すということが確実に決まってる。ヴィジョンがあるわけではないかもしれないですけど、1回だけじゃない、次もやるという覚悟ですね。そういうのがあるというのは、また古風というか。若い人のバンドには珍しい感じがしますね。
野田:ちなみに、このタッジオっていう名前はどこから......?
リーダー:リーダーが好きなひと。
部長:『ベニスに死す』に出てくる美少年です。
■美少年かあ。
リーダー:リーダーが好きで。
野田:なるほど......古風だねえ。
(一同笑)
■では、まとめになります。いま言っていただいた部分と重なりますが、これからどのように活動していかれるのか、何か野心があればお聞きしたいです。
リーダー:うーん。
部長:うーん。
■ライヴをひたすら続けていく感じでしょうか。
部長:うん、それを続けること。
■じゃ、でっかく、「海外行くぜ!」みたいのはない?
部長:それはもちろん行きます。
リーダー:うん。それはもうライヴをやるっていう予定の中に組み込まれてる感じ。
■シーンをオーガナイズして日本のインディ・ロックを引っぱっていくぞ! というような方向の野心はないですか?
リーダー:いや、それは勝手についてくればいいなって。
部長:やろうと思ってできることではないから。
野田:ていうか、絶対そういうタイプには見えないよね。
(一同笑)
■そういうところがはっきりしてよかったです。野心というか、まあ、自分たちが最高! という。
リーダー:ぷっ。
■そういうところがかっこいいと思います。
A氏:あんまり買い被るらないでくださいね。ほんとにまだ他のバンドと全然対バンしてないから、何にも知らないんですよ。
野田:いや、でも渋谷のディスクユニオンのインディ・コーナーとか行くと、いまの日本のロック・シーン内の断絶っぷりがそのまま凝縮されていて。最新のインディ・ロック=パンダ・ベアの新譜の隣にサニー・デイ・サービスの90年代の高価な中古盤があって、その隣にはスピード・グルー&シンキの2万円のオリジナル盤が売られていたりね、とても同じ音楽ファンとは思えない人が隣同士に並んでいる。
■まさに、そうですね。タッジオのなかにもそういうせめぎ合いというか、すごく混淆としたものを感じますね。
部長:はい。
■だって、「これが好き!」っていうバンドがまわりにないわけですよね?それって、海外の、とくにUSの音楽シーンとかだと考えられないことだと思うんですよ。それこそアニマル・コレクティヴなんかのまわりでは。
部長:アニマル・コレクティヴとか、そういうあたりは私も好きです。ギャング・ギャング・ダンスとか。
■それが日本のバンドでないというところが不幸というか。どうですか、日本の音楽はアニメに勝てると思いますか?
部長:すごい嫌。アニメ。
(一同笑)
部長:嫌。もうー。
■でも、すごい影響力ですよ。レコード屋で働いていてさえ、「若い人は音楽聴くのか?」っていう状況で、では、タッジオの音楽は「けいおん!」に勝てるのでしょうか?
リーダー:ケイオンって?
(一同笑)
部長:よくわかんないけどアニメだよ。
■あ、すみません。私もよくは知らないんです。若い人にすごく支持されているマンガ、アニメです。
リーダー:オタクねー。
部長:そういうこというと「おばちゃんねー」って言われるよ。
リーダー:なんか、オタクもこっちを好きになればいい、ってことでしょ?
■はい、質問の意図としては(笑)。あっちのアタマをぶちのめして......
リーダー:こっちになびかせる。
■そう、こっちになびかせるということはできるんでしょうか? これ、最後の質問ですね。これに答えていただくことで、日本の音楽のひとつの未来をうらないましょう。ということで!
部長:ええー。もう、違う星の人たちみたいに思えちゃって。どうなんですかねー。
リーダー:じゃ、アニメを絞め殺すということで。
部長:うん。アニメを絞め殺す。
(一同笑)
■ははは! じゃ、150曲作ったのちには、
リーダー:のちには。
■世界がひっくり返っているであろうことを期待しまして!
野田:でも、アニメ観たらはまっちゃったりして。
部長:そうかもしれないですね! 偏見かもしれないから。