「P」と一致するもの

蜂工場 - ele-king

あまりにも常軌を逸したフランクの行動、そこに隠された秘密とは──

刊行当初物議を醸した衝撃のゴシック・ミステリー、
ブレット・アンダーソン、ケイヴ・イン、ベン・フロストなど音楽にも多大な影響を与え、
いまや現代英文学の古典にも数えられる傑作が30年のときを経て蘇る

新たに序文を追加し、生前最後の改訂を反映した、本邦初の完全版!

解説:牧眞司/三田格

そこはスコットランドの小さな島。海岸沿いの家では16歳のフランクが、学校にも行かずひっそり父と暮らしていた。彼はある日、精神病院にいるはずの兄エリックが脱走したことを知る。かつてエリックは犬を燃やすなど異常な行動をとっていたのだった。直後にかかってくる電話。「おれだ」「殺してやる!」──

●英『インディペンデント』紙「20世紀を代表する100冊」選出
●英『ガーディアン』紙「誰もが読むべき小説1000冊」選出
●英アマゾン「一生のうちに読むべき100冊」選出

【著者】
イアン・バンクス (Iain Banks)
スコットランドの作家、著述家。1954年生まれ。スターリング大学にて英語学、哲学、心理学を学ぶ。30歳のときに処女作『蜂工場』を刊行、大きな注目を集める。その後もコンスタントに作品を発表し、『フィアサム・エンジン』で英国SF作家協会賞を受賞。ほかにもヒューゴー賞、英国幻想文学大賞などノミネート作品多数。イラク戦争のさいには抗議としてパスポートを裁断して話題に。2013年6月9日、癌のため他界。邦訳された著作に『共鳴』『秘密』『フィアサム・エンジン』(以上、早川書房)『ゲーム・プレイヤー』『エスペデア・ストリート』(以上、角川書店)がある。

【訳者】
野村芳夫 (のむら よしお)
幻の王都、茨城県坂東市にて出生。ミスカトニック大学中退。日本文藝家協会、日本推理作家協会会員。訳書は、ホジスン『〈グレン・キャリグ号〉のボート』(アトリエサード)、クーンツ『ライトニング』(文春文庫)、ハウスマン「人狼」(東京創元社)、グレイ&モレーノ=ガルシア編『FUNGI──菌類小説選集』(Pヴァイン)他、多数。『蜂工場』の本邦初訳も手がけた。


目次

蜂工場

1 生贄の柱
2 蛇公園
3 陣地のなかで
4 爆弾の環
5 花 束
6 髑髏塚
7 スペース・インベーダー
8 蜂工場
9 エリックに起きたこと
10 走る犬
11 放蕩息子
12 おれに起きたこと

著者序文
訳者あとがき
解説1 アモラルにしてイノセントな呪術的神話世界 (牧眞司)
解説2 文化的起爆剤としての『蜂工場』──それがいかに音楽に影響を与えたか (三田格)


表紙・カット:竹上美保子
デザイン:鈴木聖

People Under The Stairs - ele-king

 昨年10月27日、LAのヒップホップ・デュオ、ピープル・アンダー・ザ・ステアーズ(以下、PUTS)のセス・ワンがインスタグラムにて、突如ポストした引退宣言。そして、同時に PUTS のラスト・アルバムとしてアナウンスされたのが、今年2月1日リリースの本作『Sincerely, The P』だ。いまから約10年ほど前になるが、LAの南部、サンペドロというエリアにあるセス・ワンの自宅スタジオでインタヴュー取材をしたり、あるいは彼らのプロモーション・ヴィデオにちょい役で出演させてもらったりと、個人的にも思い入れの深いグループであっただけに、彼らの引退宣言には正直複雑な思いもある。とはいえ、すでに20年以上にわたって活動を続け、本作を含めてフル・アルバムを10枚も発表してきたセス・ワンとダブル・Kの二人が、すべてをやりきったという満足感と疲労感のなかで、ファンのためにもちゃんと引退を宣言し、アーティスト活動を終える決意をしたことも理解できる。

 彼らがファースト・アルバム『The Next Step』をリリースした90年代後半といえば、ジュラシック5のデビューや日本でも人気の高かったリヴィング・レジェンズの活躍、あるいは〈ストーンズ・スロウ〉の初期の盛り上がりなどとも重なり、LAだけではなく、サンフランシスコ/ベイエリアも含めた、カリフォルニア全体のアンダーグランド・シーンに注目が集まりはじめた時期でもあった。日本のヒップホップ・ヘッズからすると、PUTS もそんなシーンのなかのひとつとして捉えられていたが、彼らはクルーのような形で徒党を組むようなタイプでなかったこともあり、実際は少し浮いている存在でもあったという。彼らの初期のアルバムがエレクトロニカなどをメインとしていたサンフランシスコのレーベルである〈オム〉からリリースされていたことも、当時の立ち位置を物語っている。そんななか、彼らはアメリカ国内よりも先に、ヨーロッパなど国外で人気を獲得することに成功。さらに、その後も地道にライヴ活動や作品のリリースを重ね、気がつけば、LAシーンのなかでもベテラン・アーティストとしてリスペクトされる存在となっていった。そんな20年以上の活動の結晶が、このラスト・アルバム『Sincerely, The P』というわけだ。

 デビュー・アルバム『The Next Step』の収録曲である彼らの代表曲“San Francisco Knights”のライヴ音源からスタートする1曲目“Encore”から、タイトなブレイクビーツの“Reach Out”という頭の流れだけで、PUTS ファンは即座に心を掴まれるに違いない。サンプリングをメインにして作られたトラックにセス・ワンとダブル・Kによる絶妙な掛け合いによるラップが乗り、オールドスクールなフレイヴァのなかに、単なるノスタルジーだけではない、純粋なヒップホップ・カルチャーの芯の部分が彼らの楽曲には宿る。前半から中盤にかけて“Reach Out”、“Hard”、“The Red Onion Wrap”、“Streetweeper”、“We Get Around”といった緩急つけた様々なスタイルの曲のなかで披露される、デビュー時から変わらない PUTS のポジティヴなパーティ感。もちろん20年間以上、絶え間なくアップデートし続けた上で、しっかりと2019年のサウンドにもなっているのは言うまでもない。

 アルバム後半につれ、セス・ワンが実の息子に捧げたソロ曲“Letter to My Son”や“Family Ties”といった心の内面へ訴えかける曲が主軸となっていくことで、徐々に終焉感が漂いはじめ、本作が彼らのファイナル・アルバムであることを、いやが上でも意識せざる得なくなってくる。そして、デビュー当時の彼らをサポートしたLAローカルのDJであるロブ・ワンやダスクといった故人へのシャウトアウトも込めた“The Sound of a Memory”でアルバムの幕は閉じられ、彼らは人生の次のタームへ旅立っていく。PUTS の二人がこれまで届けてくれた、素晴らしい作品と思い出に感謝したい。

Shinichiro Watanabe - ele-king

 一昨年『ブレードランナー ブラックアウト2022』でフライング・ロータスとコラボし話題をかっさらったアニメ監督の渡辺信一郎、これまで『カウボーイビバップ』や『サムライチャンプルー』といった名作を送り出し、昨年は〈ブレインフィーダー〉10周年を特集した『別冊ele-king フライング・ロータスとLAビートの革命』にも登場していただいた彼が総監督を務める新作アニメ『キャロル&チューズデイ』が4月より放送されます。AIが音楽を作るようになった時代に、生身のミュージシャンである主人公のふたりが風穴を開けていくという、じつにタイムリーな物語になっているとのこと。詳細は下記をご確認いただきたいですが、無類の音楽好きとしても知られる渡辺監督だけに、主題歌や劇伴にもそうとう力を入れている模様です(音楽はモッキー)。現在、新たなPVが公開中。放送が楽しみです。

キャロル&チューズデイ

総監督:渡辺信一郎、アニメーション制作:ボンズ、キャラクター原案:窪之内英策ら強力なスタッフ陣が挑む
全世界の音楽を愛する人に捧げる、2人の少女が起こした奇跡の物語。

きっと忘れない。
あの、永遠のような一瞬を。
あの、ありきたりな奇跡を。

ボンズ20周年×フライングドッグ10周年記念作品として総監督・渡辺信一郎、キャラクター原案・窪之内英策を迎えアニメ史を塗り替える、全世界に向けた音楽作品
TVアニメ『キャロル&チューズデイ』の制作発表会が都内にて行われ、第2弾キービジュアル、新プロモーション映像及びメインキャスト・主題歌アーティストが発表となった。
主役のキャロルとチューズデイには島袋美由利(キャロル役)、市ノ瀬加那(チューズデイ役)の2人のフレッシュな女性キャストを起用。
また、大塚明夫(ガス役)をはじめ、入野自由(ロディ役)、上坂すみれ(アンジェラ役)、神谷浩史(タオ役)、宮野真守(アーティガン役)といった早々たる顔ぶれが脇を固める。
また、音楽にも強い拘りがある本作は海外アーティストからの楽曲提供が多く、さらに劇中歌及び主題歌は全て外国語で歌唱される。主題歌は全世界オーディションにより選ばれた2人のアーティスト Nai Br.XX(ナイ・ブリックス)、Celeina Ann(セレイナ・アン)がキャロル・チューズデイのWキャストとして曲を歌唱することが発表となった。

4月10日よりフジテレビ「+Ultra」、NETFLIX ほか各局にて2クールでの放送が予定されているTVアニメ『キャロル&チューズデイ』。世界規模で話題を呼んでいる本作に是非ご期待ください。

《キャロル&チューズデイとは?》

ボンズ20周年×フライングドッグ10周年記念作品。
総監督に『サムライチャンプルー』・『カウボーイビバップ』・『アニマトリクス』・『ブレードランナー ブラックアウト2022』ほかを手掛け国内外においてカリスマ的な人気を誇る、渡辺信一郎。
キャラクター原案に、日清食品カップヌードルCM「HUNGRY DAYS 魔女の宅急便篇」、「「HUNGRY DAYS アルプスの少女ハイジ篇」などのキャラクターデザインで人気を博している窪之内英策。
この強力タッグのもと、アニメーション制作は『「COWBOY BEBOP 天国の扉」』・『鋼の錬金術師』・『交響詩篇エウレカセブン』・『僕のヒーローアカデミア』など数多くのヒット作品を世に送り続けるボンズ、物語の主軸となる音楽は『カウボーイビバップ』・『マクロス』シリーズなど数々のヒットアニメーション音楽を作り出すフライングドッグが担当する。
劇中音楽はカナダ出身のアーティスト Mocky が手掛け、主題歌は全世界オーディションによって選出された Nai Br.XX(ナイ・ブリックス)、Celeina Ann(セレイナ・アン)がキャロル・チューズデイのWキャストとして曲を歌唱する。音楽にも強い拘りがある本作は海外アーティストからの楽曲提供が多く、さらに劇中歌及び主題歌は全て外国語で歌唱される。
オープニングテーマ「Kiss Me」は現在、男女問わず絶大な人気を誇る Nulbarich(ナルバリッチ)。エンディングテーマ「Hold Me Now」はオランダを代表するポップの才人・Benny Sings(ベニー・シングス)が担当。

また、劇中ボーカル曲参加コンポーザーとして、ノルウェー出身の音楽プロデューサー・ミュージシャンの Lido、オランダを代表するポップの才人・Benny Sings、エレクトロポップデュオ《The Postal Service》への参加でも知られるUSインディー界の歌姫・JEN WOOD、女性4人によるロックバンド・《赤い公園》でギターを担当する津野米咲、ビヨンセやリアーナ、ジェニファー・ロペスなど超大物アーティストに楽曲を提供している Evan "Kidd" Bogart、現在活動停止中ではあるがロック・ファンにはなじみの深い Keane(キーン)の Tim Rice-Oxley、コーネリアスやファイストなどとのコラボも話題となったノルウェー出身のグループ、Kings of Convenience(キングス・オブ・コンビニエンス)の Eirik Glambek Bøe といったこちらも早々たる面子が音楽で本編を彩る。

2019年4月からのオンエアに向けて本編、音楽ともに絶賛鋭意制作中!
他に類をみない本作品に乞うご期待!!!

《あらすじ》

人類が新たなフロンティア、火星に移り住んでから50年になろうという時代。
多くのカルチャーはAIによって作られ、人はそれを享楽する側となった時代。
ひとりの女の子がいた。
首都、アルバシティでタフに生き抜く彼女は、働きながらミュージシャンを目指していた。いつも、何かが足りないと感じていた。
彼女の名はキャロル。
ひとりの女の子がいた。
地方都市、ハーシェルシティの裕福な家に生まれ、ミュージシャンになりたいと思っていたが、誰にも理解されずにいた。世界でいちばん孤独だと思っていた。
彼女の名はチューズデイ。
ふたりは、偶然出会った。
歌わずにいられなかった。
音を出さずにいられなかった。
ふたりなら、それができる気がした。
ふたりは、こんな時代にほんのささやかな波風を立てるだろう。
そしてそれは、いつしか大きな波へと変わっていく───

《スタッフ・キャスト情報》

[メインスタッフ]
原作:BONES・渡辺信一郎
総監督:渡辺信一郎
監督:堀元宣
キャラクター原案:窪之内英策
キャラクターデザイン:斎藤恒徳
メインアニメーター:伊藤嘉之、紺野直幸
世界観デザイン:ロマン・トマ、ブリュネ・スタニスラス
美術監督:河野羚
色彩設計:垣田由紀子
撮影監督:池上真崇
3DCGディレクター:三宅拓馬
編集:坂本久美子
音楽:Mocky
音響効果:倉橋静男
MIXエンジニア:薮原正史
音楽制作:フライングドッグ
アニメーション制作:ボンズ

[メインキャスト]
キャロル:島袋美由利
チューズデイ:市ノ瀬加那
ガス:大塚明夫
ロディ:入野自由
アンジェラ:上坂すみれ
タオ:神谷浩史
アーティガン:宮野真守

《主題歌情報》

オープニングテーマ「Kiss Me」
作詞・作曲・編曲:Nulbarich
歌:キャロル&チューズデイ (Vo. Nai BrXX & Celeina Ann)

エンディングテーマ「Hold Me Now」
作詞・作曲・編曲:Benny Sings
歌:キャロル&チューズデイ (Vo. Nai BrXX & Celeina Ann)

《放送情報》

2019年4月10日よりフジテレビ「+Ultra」にて毎週水曜日24時55分から放送開始予定
NETFLIX にて4月10日配信開始予定。2話~毎週木曜日配信予定(日本先行)
ほか各局にて放送予定
(関西テレビ/東海テレビ/テレビ西日本/北海道文化放送/BSフジ)

公式HP: https://caroleandtuesday.com/

Courtney Barnett - ele-king

 昨年5月にセカンド・アルバム『Tell Me How You Really Feel』をリリースしたコートニー・バーネット。そのときのインタヴューで「日本にまた行ける日が待ち遠しくて仕方ない」なんて言っていた彼女ですが、なななんと、実現しちゃいました! 来る3月、コートニー・バーネットが東京・名古屋・大阪にやってきます。現在、その来日公演にあわせて2016年のフジロックでのパフォーマンス映像が公開中。これを観て本番を楽しみに待っていましょう(3月9日にはタワレコ渋谷にてサイン会もあるそうですよ~)。

コートニー・バーネット、フジロックフェスティバル’16のライヴ映像を公開! 来日公演は3/8より! 3/9はサイン会実施!

セカンド・アルバムとなる最新作『テル・ミー・ハウ・ユー・リアリー・フィール』を昨年5月にリリースし、3月にジャパン・ツアーを行うコートニー・バーネットが、2016年に出演したフジロックフェスティバルのライヴ映像を公開した。曲は初期の名曲“Avant Gardener”。

■FUJI ROCK FESTIVAL'16 “Avant Gardener”
https://youtu.be/nU6fs5jIlYQ

また来日中の3月9日(土)にはタワーレコード渋谷店にてサイン会を行う。

■サイン会概要

・開催日時:3月9(土)15:00~
・会場:タワーレコード渋谷店 6F
・参加方法:以下の対象商品をご購入のお客様にイベント参加件を配布いたします。
・詳細:https://towershibuya.jp/2019/02/07/130913
(問)タワーレコード渋谷 03-3496-3661

■公演概要
日時/会場

東京
3/8 (Fri) SHIBUYA TSUTAYA O-EAST
open18:00 / start 19:00 ¥6,500 (前売 / 1ドリンク別)
Information: 03-3444-6751 (SMASH)

名古屋
3/10 (sun) Electric Lady Land
open18:00 / start 19:00 ¥6,500 (前売 / 1ドリンク別)
Information: 052-936-6041 (JAILHOUSE)

大阪
3/11 (Mon) UMEDA CLUB QUATTRO
open18:00 / start 19:00 ¥6,500 (前売 / 1ドリンク別)
Information: 06-6535-5569 (SMASH WEST)

チケット発売

東京: e+ (pre:11/16 12:00-19 23:59)・ぴあ(P:131-173) / 英語販売あり・ローソン (L:71252)・岩盤 (ganban.net)
名古屋: e+ (pre:11/16-19)・ぴあ (P:134-665 ) 英語販売あり・ローソン (L:42925)
大阪: e+ (QUATTRO web: 11/17-19, pre:11/17-19)・ぴあ (P:134-638) 英語販売あり・ローソン (L:55208)・会場

お問い合わせ:SMASH 03-3444-6751 smash-jpn.com smash-mobile.com

■コートニー・バーネットまとめ
https://trafficjpn.com/news/cb/

■1stシングル「Nameless, Faceless」(日本語字幕付き)
[smartURL] https://smarturl.it/cb_jpn
[YouTube] https://bit.ly/2Kv613i

■期間限定スペシャル・プライス盤
来日を記念して、オリジナル・アルバム2作(国内盤CD)が期間限定スペシャル・プライスで発売中!

デビュー・アルバム『サムタイムス・アイ・シット・アンド・シンク、サムタイムス・アイ・ジャスト・シット』(期間限定スペシャル・プライス盤)
スペシャル・プライス:1,500円(税抜)/ TRCP-182Z

セカンド・アルバム『テル・ミー・ハウ・ユー・リアリー・フィール』(期間限定スペシャル・プライス盤)
スペシャル・プライス:1,800円(税抜)/ TRCP-230Z

[smartURL] https://smarturl.it/cb_jpn
[amazon] https://smarturl.it/cb_jpn/amazonmusiccddvd
[Tower Records] https://smarturl.it/cb_jpn/tower
[HMV] https://smarturl.it/cb_jpn/hmv
[iTunes/ Apple Music] https://apple.co/2EsIthe
[Spotify] https://spoti.fi/2Hgdoem

■プロフィール

1988年、豪生まれ。2012年、自身のレーベルMilK! Recordsを設立し、デビューEP『I’ve got a friend called Emily Ferris』(2012)をリリース。続くセカンドEP『How To Carve A Carrot Into A Rose』(2013)は、ピッチフォークでベスト・ニュー・トラックを獲得するなど彼女の音楽が一躍世界中に広まった。デビュー・アルバム『サムタイムス・アイ・シット・アンド・シンク、サムタイムス・アイ・ジャスト・シット』(Sometimes I Sit and Think, Sometimes I Just Sit)を2015年3月にリリース。グラミー賞「最優秀新人賞」にノミネート、ブリット・アウォードにて「最優秀インターナショナル女性ソロ・アーティスト賞」を受賞する等、世界的大ブレイクを果たし、名実元にその年を代表する作品となった。2018年5月、全世界待望のセカンド・アルバム『テル・ミー・ハウ・ユー・リアリー・フィール』をリリース。2019年3月、2度目の単独来日公演を東名阪で行う。

https://courtneybarnett.com.au/

Stephen Malkmus - ele-king

 思い返せばペイヴメントも、いわゆるオルタナのくくりで語られることが多かったような気がする。だがスティーヴン・マルクマスの背景はもっと違うところにあるのであって、それがマルクマスの音楽の分類の難しさもとい魅力にもなっていたわけだけれど──ともあれ彼はめでたく新しいアルバムを完成させた。今回はエレクトロニックに寄った内容になっている模様。現在、スーパーオーガニズムのメンバーが手がけたという新曲“Rushing the Acid Frat”のMVが公開されている(スーパーオーガニズム→スピーディ・J→「アシッド」……ってのは深読みしすぎか)。きっとマルクマスの第一声を聞いただけで往年のファンは悶えることだろう。発売は3月15日。

STEPHEN MALKMUS

ペイヴメントでの活躍でも知られるスティーヴン・マルクマス、3月15日に発売を控える最新アルバム『Groove Denied』から新曲をMVとともに公開! スーパーオーガニズムのメンバーが手掛けたポップでサイケなアニメからは目が離せない! 国内盤のみに収録されるボーナストラックも決定!

過去の音楽の単なる焼き直しではなく、これまでの歴史を守りつつ、自分たちのアイデンティティーを保ち、常に楽しみながら制作を続けてきたスティーヴン・マルクマス。昨年発売されたスティーヴン・マルクマス&ザ・ジックスのアルバム『Sparkle Hard』は Pitchfork、Rolling Stone、SPIN などの多数のメディアでアルバム・オブ・ザ・イヤーを獲得している。

〈Matador Records〉から3月15日にリリースされる新作アルバム『Groove Denied』は、スティーヴン・マルクマス曰く「(人々に)受け入れられなかった」作品で、マルクマスならではのエレクトロニック・アルバムに仕上がっている。

80年代のニュー・ウェイヴ・シーンなどの影響を感じさせる同アルバムから今回、新曲“Rushing The Acid Frat”がMVと合わせて公開された。マルクマスは、大学時代の友人との思い出からインスパイアされたという新曲を「スター・ウォーズに出てくるバーのシーンのサウンドトラック」だと表現している。同時に解禁された新曲のアニメMVは、スーパーオーガニズムの映像担当ロバート・ストレンジが手掛け、マルクマスが「トリップ」して幻覚を見ている様子を描いたサイケでポップな仕上がりとなっている。

待望の最新アルバム『Groove Denied』は、3月15日(金)に発売される。国内盤CDにはボーナストラックとして“Funeral Bias”と“Moog Police”の2曲が追加収録され、歌詞対訳と解説書が封入される。現在 iTunes Store でアルバムを予約すると、既に公開されている“Viktor Borgia”と今回公開された“Rushing The Acid Frat”がいち早くダウンロードできる。

Stephen Malkmus - Rushing The Acid Frat
https://youtu.be/LDiqO5VhFPw

Stephen Malkmus – Viktor Borgia
https://youtu.be/YlC8uz47qGo

おかしなポップの世界へと道を外れた心躍る作品 ──Rolling Stone

“Viktor Borgia”は80年代初めのポスト・パンクの影響を受けたシンセの要素が散りばめられ、一風変わった実験のよう ──NPR

たるんだ中年の米国人は、ギターを置いたエリートのロック・ミュージシャンというより、エレクトロニック・ミュージックに浸っている ──Vulture

label: Matador / Beat Records
artist: Stephen Malkmus
title: Groove Denied
cat no.: OLE14333
release date: 2019/03/15 FRI ON SALE

[TRACKLISTING]
01. Belziger Faceplant
02. A Bit Wilder
03. Viktor Borgia
04. Come Get Me
05. Forget Your Place
06. Rushing The Acid Frat
07. Love The Door
08. Bossviscerate
09. Ocean of Revenge
10. Grown Nothing
11. Funeral Bias (Bonus Track For Japan)
12. Moog Police (Bonus Track For Japan)

Mark De Clive-Lowe - ele-king

 1990年代後半からおよそ20年に渡り、ジャズとクラブ・ミュージックの両方の世界をまたにかけた活動をおこなっているマーク・ド・クライヴ・ロウ。彼の名前が最初に知られたのはウェスト・ロンドンのブロークンビーツ・ムーヴメントにおいて、フィル・アッシャー、ディーゴ、ベンベ・セグェといった面々とのコラボからだった。バークリー音楽院卒で既にジャズ・ピアニストとしてアルバムもリリースしていた彼だが、同時に学生時代はヒップホップやR&B、アシッド・ジャズからの影響も受け、ウェスト・ロンドンに移住してからはビートメイカーやDJ/プロデューサー的なスキルも身につけていく。その後アメリカに渡って現在はロサンゼルスを拠点に活動していく中で、ミゲル・アトウッド・ファーガソン、カルロス・ニーニョといったビルド・アン・アークの面々のほか、カマシ・ワシントンサンダーキャットなどのジャズ・ミュージシャンとの交流が生まれていった。大御所のハーヴィー・メイソンのバンド・メンバーに抜擢されるなど(来日公演ではDJクラッシュもフィーチャーしたライヴを披露している)、LAジャズ・シーンの重要なキーボード奏者という側面と、リミキサーとしてハウス・トラックを作るといったDJ/プロデューサーという側面を今も両立させ、また自身のバンドを率いて「チャーチ」というイベントを主催するなど、多面的で精力的な活動をおこなっている。アルバムとしては2014年にイベントから発展した『チャーチ』をリリースしており、ウェスト・ロンドン時代から続くジャズ、ジャズ・ファンク、フュージョンとブロークンビーツ、ヒップホップなどクラブ・サウンドの融合を見せていた。その後はEPやミックステープ、リミックス集などのリリースはあり、LAのクラブのブルー・ホエールでおこなったライヴ盤も出していた。最近でもモッキーの新作に参加していたのだが、自身のアルバムのリリースは久しぶりで、この『ヘリテージ』は『チャーチ』以来5年ぶりのニュー・アルバムとなる。

 マークはもともとニュージーランド出身だが、父親がニュージーランド人、母親が日本人というハーフである。ハイ・スクール時代に横浜で1年ほどホームステイしていたことがあり、知人やミュージシャンの友人も多くて、いまも定期的に日本を訪れてライヴをやっている。『ヘリテージ』はそんなマークが自身の片方のルーツである日本に向き合ったアルバムである。幼いころは母親から“赤とんぼ”など日本の童謡を聴かされて育ち、ホームステイ先はお寺の住職の家で日本の文化にも触れ、日本のジャズ・クラブにも通って板橋文夫、向井繁春、大西順子などを聴いていたというマークだが、これまでの作品の中に日本をテーマにしたものとか、日本的なモチーフを取り入れた作品は特になかった。彼のやっている作品はジャズにしろ、クラブ・サウンドにしろ、ブラック・ミュージックをベースとするものが多かった。そんなマークだが、ロサンゼルスに移住してから改めてアコースティック・ピアノやアコースティックなジャズの演奏に対峙するようになり、それと共に自身のルーツについても考える機会が増えていったようだ。アフリカ音楽をルーツとするブラック・ミュージックやジャズ、ファンクなどは確かにマークの音楽を形成するうえで重要なものとなったけれど、それは彼自身ではないし、あくまで借り物であると。またロサンゼルスではエチオピア音楽も盛んで、彼もトッド・サイモンがやるエチオ・カリというバンドに参加したことがあるが、その活動を通じてエチオピア音楽の音階と日本の伝統音楽の音階が酷似していることに気づき、改めて日本の音楽への興味が再燃していった。そうしたところから2017年に「未来の歴史」というイベントを開催し、そこでは琴、和太鼓、篠笛などの奏者やシンゴ02を交えたパフォーマンスをおこなっている。このイベントが『ヘリテージ』の制作をするにあたっての起点となり、実際にそこでの演目の多くが収録されている。

 参加ミュージシャンは「未来の歴史」にも参加していたカルロス・ニーニョ(パーカッション)、ブランドン・ユージン・オーウェンス(ベース)、タイラナ・エノモト(バイオリン)のほか、レオン・ブリッジスやエスペランザらと共演するジョシュ・ジョンソン(アルト・サックス、フルート)、タリブ・クウェリやモス・デフらと共演するテオドロス・エイブリー(テナー・サックス)、モーゼス・サムニーらと共演するブランドン・コームス(ドラムス)という面々。ブランドン・ユージン・オーウェンスはテラス・マーティンやロバート・グラスパーらと共演し、タイラナ・エノモトは日本人とアメリカ人のハーフである。今回は和楽器奏者こそ入っていないものの、ふたりの木管楽器奏者が尺八や篠笛に通じるような音色を奏でている。2018年6月にブルー・ホエールでおこなったライヴ音源と、同年7月のNRGスタジオでの録音を混ぜ合わせたものが最終的にアルバムにまとめられているが、その2、3ヵ月前にマークは奈良に滞在し、尺八奏者の薮内洋介とワークショップやライヴをおこなっていて、そのときに作られた“ジ・オファーリング”がオープニング曲として収められている。またマークは日本の音楽を理解するために演歌もいろいろと聴いたそうで、ほかに尺八奏者の山本邦山による『銀界』(1974年)は大きなインスピレーションの源となったそうだ(このアルバムはDJクラッシュもサンプリングしていて、その世界観にも影響を与えている和ジャズの名作)。英語表記だが楽曲名のほとんどは日本の言葉によるもので、“ブシドー(武士道)”や宮本武蔵の「二天一流」を由来とする“ニテン-イチ”、京都の南禅寺をモチーフとする“メモリーズ・オブ・ナンゼンジ”といった作品が並び、前述の童謡の“赤とんぼ”も演奏している。とは言っても単に和的なメロディによる演奏、和楽器風の演奏にとどまるのではなく、それらを現代的なジャズという形で自身のオリジナルな表現へと導いていると。西洋人が東洋のエキジティシズムをいたずらに強調した作品ではないし、和のモチーフで手っ取り早く振りかけた真似もの作品でもない。武士道や神社、お寺などがモチーフとなっているように、日本の古来の伝統や精神、宗教観がマークの音楽や制作活動に影響を与え、それが内面から湧き上がった演奏となっている。カマシ・ワシントンのようなスピリチュアル・ジャズとは異なるが、これもまたマークのルーツや人生観が形となったスピリチュアルな音楽と言えるだろう。

マイ・ブックショップ - ele-king

 いつも女性たちの地味な戦いを描いているスペインのイザベル・コイシェによる新作。1959年のイギリス。戦争で夫を失ったフローレンス・グリーン(エミリー・モーティマー)が本屋のない街で小さな本屋をオープンする話。2000年に没したペネロピ・フィッツジェラルドの原作(未訳)を元にサフォーク州ハードボローという架空の港町を舞台とし、原作にあったスピリチュアルな要素はすべて省いての映画化だという。50年代のイギリスの港町というと、どうしてもデヴィッド・リーランド『あなたがいたら 少女リンダ』(87)を思い出してしまうけれど、あのように破天荒で、保守的な人たちと真正面から戦う話ではなく、進んでいるのか進んでいないのかよくわからないテンポで話は進み、その点では初期の作風に戻った感がある(最近、ちょっとハリウッドっぽくなっていたので、ひと安心)。銀行で開店資金を貸してもらえない場面からスタート。それでもなんとか開店にこぎつけるまでが前半のストーリーながら、どういうわけか街の人たちはあまり協力的ではない。街の実力者であるヴィオレット・ガマート夫人(パトリシア・クラークソン)が街に芸術センターをつくろうと画策していて、同じ物件に目をつけていたからだということがだんだんとわかってくる。弁護士が遅々として手続きを進めてくれない一方、少年たちが改装の手伝いをしてくれ、ようやく開店した店には「本は一冊も読まない」という小学生のクリスティーン(オナー・ニーフシー)が店番などで手伝ってくれることに。空っぽの棚に本が並べられ、少しずつ本屋ができていく過程はなかなか心が躍る。そして、本はこの街に様々な変化を引き起こしていくことになる。

 屋敷に引きこもって人前には姿を現さない老人エドモンド・ブランディッシュ(ビル・ナイ)から面白い本があったら送ってくれという手紙が届く。グリーンはレイ・ブラッドベリ『華氏451度』などを選んで送る。ブランディッシュは本のセレクトにいたく感心し、グリーンをディナーに招待し、街で囁かれている彼の身の上話がまったくの嘘で、真実がどうであったかを語り出す。一方、ガマート夫人は書店が順調ににぎわっていることを苦々しく思い、あの手この手で書店をつぶしにかかる。そんな折りにウラジミール・ナボコフ『ロリータ』が英訳され、これを読んだグリーンは、この本を売るべきかどうかブランディッシュに相談し、彼の後押しを得て大量に仕入れることにする。ポルノか文学かという論争を当時のイギリスで引き起こしていた『ロリータ』を見るだけ見ようとして群衆が店に詰めかけ、ガマート夫人は公共の秩序を乱したとして訴えを起こし、ついには……。フローレンス・グリーンは未亡人なので、いわゆるロリータではないけれど、ブランディッシュとの年の差はそれに近いものがある。むしろ年齢的に釣り合うのはガマート夫人の方で、しかし、ブランディッシュとガマート夫人は文化的に共鳴するところがなく、彼女がつくろうとしている芸術センターというのも具体的な説明はなく、おそらく箱物行政でしかないということは大体察しがつく。空っぽの建物だけをつくって満足しようとする地方自治の話は日本でもよく耳にするし、それよりもたった一軒の本屋が街を変えてしまうかもしれないという潜在的な影響力をこの作品は強調し、本は時に爆弾にも等しいことを教えてくれる(次から次へとele-king booksのカタログ数を増やしまくる野田努などはさしずめ現代の爆弾魔に等しい)。

 本屋を舞台にした映画というとノーラ・エフロン『ユー・ガット・メール』か岩井俊二『四月物語』ぐらいしか思い出せないけれど、それらとは違って『マイ・ブックショップ』には政治性が濃厚に塗り込められ、それどころか『マイ・ブックショップ』にはストレートに『華氏451度』が重ね合わされている。トリフォー版の『華氏451度』(66)は文字のない世界を印象付けるためにナレーションが多用されており、『マイ・ブックショップ』でも同じ手法が取られている上に、そのナレーションは『華氏451度』でリンダとクラリスの二役を演じたジュリー・クリスティが担当している。『華氏451度』にはナボコフ『ロリータ』が燃やされるシーンがあり、『マイ・ブックショップ』に並べられた本はあらかた『華氏451度』に出てくる本でもある。また(以下、ネタバレ)ラスト・シーンで本屋を燃やしてしまうのはそのものズバリといってよく、これは一種の思想統制の可能性も示唆している。しかし、本嫌いだったクリスティーンはその後、本屋を開店するまでになり、最後まで観るとフローレンス・グリーンは少なくともひとりには「伝えた」というところが本作の肝となっている。本を読まないと知っててグリーンがあえてクリスティーンに薦めた本はリチャード・ヒューズ『ジャマイカの烈風』という冒険小説で、異質なものの同居をテーマにしているという意味では彼女たちの関係をそのまま表した作品だと言える。『華氏451度』でも『マイ・ブックショップ』でも「本」と言った時に、それが思想書を指すのではなく小説を対象としているところがまた面白いところで、やはりそれは様々な解釈ができることに「読む」価値を置いているからだろう。ブラッドベリはラブクラフトの系譜だと「解釈」したブライアン・オールディーズの説を思い出す。

 アメリカを舞台にしたジョン・クローリー『ブルックリン』(15)やトッド・ヘインズ『キャロル』(15)と同時期の女性像を描いた作品でもあり、80年代につくられることが多かった「理想化された50年代」とは正反対に、50年代の不快な面を引きずり出すという傾向もここには散見できる。そう、『グリース』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の50年代はここにはない。50年代を「政治的に正しく」描くということは抑圧の主体をはっきりさせることであり、カウンター・カルチャーへの道筋をつけるということにもつながっていくのではないだろうか。2018年、ゴヤ賞受賞作。

(『マイ・ブックショップ』予告編)

第一回 - ele-king

 ちょうど日本に、メジャーなサブスクリプション・サービス(AppleMusic)がやってきた2015年のあの時期を起点として、実を言って私はリスナーとしてある種の虚脱状態に陥っていました。かさばるジュエルケースのなかにあるCDという銀盤、ローティーンの頃から人生におけるかなりの労力と時間を賭して収集してきたそれは、今や自分の以外の誰もがアクセスできてしまう〈データ〉に成り下がったのでした(私のような人間にとって、サブスクリプション・サービスというのは初め、そうやって個人が収集してきた〈秘匿〉が暴かれたような気分にさせるものとして現れました)。
 一方で同じ時期、それへの反動として、アナログ媒体たるヴァイナルへの人気がピークを迎えつつあり、かねてより並行してヴァイナルを蒐集していた私も少なからず歩調を合わせようとしてみたりもしたし、一定の愉しさも味わったのでした。また同時に、数々の〈新しい音楽〉がネット空間に出現し、紹介され、日々そういった胎動を感じてもいたし、便宜も受けていました。しかし、どこか拭い難い、虚ろな感覚は蟠ったままでした(たぶん、多かれ少なかれ、それまで所謂〈音楽ファン〉を自認している人たちのなかで、そういう感覚は朧気に共有されていたように思います)。馴染みのお店でレコードを掘っているとき、ネット上で試聴をしながらオンライン・ショップで情報を収集しているとき、ふといいようのない虚脱感に襲われ、店を立ち去る(ページを閉じる)こともしばしばありました。

 自分の音楽的嗜好を研ぎ澄ませて、新しいものを求めて、いち早く手に取りたい、そういった気持がどんどんと霧消していってしまう……。そんな気怠さのなかに居た私ですが、ある時、何気なくブックオフに立ち寄ったことでいっぺんに状況が変わることになりました。
 それは2016年でした。はじめは古本をちょっと物色するつもりだったのだけれど、これといって興味を惹くものもないので、音楽ソフトの行き着く先、いわば〈音楽の墓場〉を眺めてみようかしらというなかば自虐的な気持ちで、ふとCDコーナーを覗いてみたのです。かつては、洋楽CDの掘り出し物をここでよく探したものだな……(いまではこれらのほとんどがサブスクで聴けるのだけど)という感慨に浸りつつも、ほとんど惰性でJ-POPコーナーにも目を移します。すると、80年代なかばのCD黎明期から90年代の全盛期に特徴的なあのジュエルケース背の定形デザイン、メーカーによってフォントやパターンの決まったあの時代のデザインが数多く目に飛び込んできました。白地に黒文字、青丸をあしらったCBSソニーの盤、黒字に黄色文字のフォーライフの盤。一瞬ノスタルジーに襲われながらも、これまで自分がオルナティヴ・ロック等にうつつを抜かしているなかでただひっそりと、ブックオフのJ-POPコーナーや誰かの部屋の棚から、ときが流れていくのを眺めてきたであろうそういうCDたちの存在が、強烈な存在感と共に眼前に現れてきたのでした。
 ありふれているからこそ隠れてきた、アノニマスな、物言わぬ、〈死んだ〉CDの数々。その瞬間、そういうCDたちがどうにもこうにも愛おしくなってしまったのでした。それらは、これまで自分にとって〈見えていなかった〉からこそ、その存在を意識しだすと気になりはじめて仕方がないものでした。しかもこれらのCDは、おそらくサブスク配信されることは今後も到底なさそうに思えます。なぜなら、いわゆる〈音楽ファン〉からその存在を認知されることなく死んでいったものたちだから……。

 折しもその頃は、数年前からネットのアンダーグラウンドで発展を遂げてきVaporwaveが、その傍系ジャンルであるFuture Funkの快進撃に伴い、より広い階層・あるいは他文化へとヴィールス的に浸透していっているときでした。また、ネット空間を超えた階層でも、国内外での大々的な日本産シティポップ再評価がクライマックスを迎えようとしていました。
 そうした状況に触発された部分も少なからずあって、いまやさらに〈その状況の向こう側〉をもとめて定期的にブックオフに通うようになっていた私は、徐々に深い沼にハマっていくことになりました。これより以前、例えばtofubeatsさんのように、予てからそういった世界を掘っていた(年若の)先達の存在を考えるならば遅い参入なのだけれど、私にとっては、商品経済の墓場たるブックオフ280円CDコーナーにこそ、そのときに感じていた鬱積と倦怠を払い除けてくれる〈夢〉があるように感じたのでした。(チャートアクションを得られなかったことで)芸能としてもまったく顧みられず、もちろん音楽批評の俎上に乗ることなど端から無かった、我が邦の、無名のシンガー/ユニット/プロジェクトによるCD……。そういうものに、ほとんど偶然見つかるレアなグルーヴとメロウネスを求めていくことになったのです。当初は誰ともそのことを共有もしなかったし、共有しようとも思わなかったのだけれど、じょじょにそうやって買ったCDが部屋に溜まっていきました。まさか、CDが終わろうとしているときに、CDをたくさん買うことになるなんて。なんだかとても……楽しい。

 そうやってディグを続けていくなかで昨年、ネット上で大きな出会いをすることになります。いつもながら自分が買った謎のCDについての情報をネットに当たっている際、「90年代シティ・ポップ記録簿」というブログを見つけたのでした。これはハタさんという北陸在住のヘビーディガー(といっても私より年若の青年ですが)が2014年から続けてきたブログで、紹介される盤のほとんどが無名の、アノニマスな、埋もれた作品たちでした。ジャケットはもちろん作詞作曲クレジットや試聴音源、そして非常な含蓄を湛えたリビューテキストが蓄積されています。それまでネット上で見かけることのあった既存世代のものとは一線を隠したセンスを嗅ぎ取った私は、過去エントリーまで一気読みして遡り、すっかりこのサイトに魅了されてしまったのでした。
 そうこうしていると、このハタさんが発起人となり、関西のディガー/DJ(彼らも私よりだいぶ年若の青年たち)であるINDGMSKこと台車さんや、thaithefishことタイさんらを中軸として、2018年5月、「light mellow部」というサークルが立ち上げられ、共同ブログを開始したのです。「休日はいつもブックオフの280円コーナーをあさっているシティポップ好きのディガー集団」と自称するそのサークルプロフィールを見て痛く興奮したのは私だけではなかったようで、それまで個別に「休日はいつもブックオフの280円コーナーをあさっていた」ひとりひとり(*)が、みるみる間にネット空間で交流を深めていくことになったのです。

第二回へ続く……

*light mellow部の部員数は現在も増えて続けており、共同レビューブログ運営はもちろん、ele-kingへの投稿でもお馴染みの捨てアカウントさん主宰のネットレーベル〈Local Visions〉とリアルの場でイベントを共催するなど、注目すべき活動を展開中です。

 また、2018年10月、こうした「休日はいつもブックオフの280円コーナーをあさっている」ひとり、佐藤あんこさん(例によって年若…)によってアップされた「後追いガールポップ」というWEBディスクガイドのインパクトも絶大でした。
 佐藤さんがこれまで掘ってきた日本産〈ガールポップ〉作品の数々から、第一弾として一挙129枚がレビュー掲載され、そのテキストクオリティの高さと優れたアーカイブ性で界隈の話題をかっさらい、まさしく2018年のホットトピックとして記憶されることになりました。


天才キンテリ(湯村輝彦)の真骨頂!

お待たせしました! 天才キンテリ(湯村輝彦)の真骨頂! ビーチに溢れる数多の楽しい人物が1年中冬でも狂い咲き! カレンダーが出来上がりました。目を凝らしてよーく見ると、あら、あの人が!? こんな姿で!?

こんなに賑やかで楽しくみんながハッピーなるカレンダーは一家に一枚の必需品です。

平成(2019)の最後となる4月から続・平成(新年号)2020年の3月まで。













闘魂 2019 - ele-king

野田努

 最後の“Weather Report”がまた素晴らしかった。ceroとフィッシュマンズの共通点のひとつは、まあ、そう、あくまでもそのひとつは、リズムの魅力ということなんだろうけれど、「闘魂 2019」という夢の一夜から2日経った現在、ぼくのなかではceroが最後に演奏した“Poly Life Multi Soul”とフィッシュマンズがceroを交えてた最後に演奏した“Weather Report”がミックスされている。ライヴが終わって家に帰ってからこの2曲を聴いてしまったので、ライヴの残響はぼくのなかで都合よくアレンジされ、ミックスされているというわけだ。
 歳を取ると涙もろくなる。数年前に同じくZepp Tokyoで見たフィッシュマンズには泣けてくるばかりだった。が、そのときよりも、ceroが出演した「闘魂 2019」はなごんで見れたような気がする。
 ceroは、軽やかだった。彼らの前向きなヴァイブが伝わる、好感の持てるステージだった。ぼくなりの解釈でいえば、彼らのホワイトヘッド的な哲学(世界のそれぞれがそれぞれの動きで動いている感覚)がうまく具現化されていた。つまり、その感じが素直に入ってくる。とくに“Poly Life Multi Soul”におけるポリリズミックな演奏は、ぼくにはハウス・ミュージックに聴こえたほどで、結局、ceroのライヴ中はずっとカラダを揺らしていた(その間身体に流し込んだビールは3杯、完全にクラブのりだ)。話は逸れるが、ぼくはこのライヴの前日の夜、阿佐ヶ谷のROJIに行って、オシリペンペンズが作ってくれたハイボールを飲んだのだった。
 フィッシュマンズに関しては、三田格の原稿にゆずろう。が、思ったことをいくつか。○誰もが思ったことだろうけれど、バンドの絶対的中心が不在の演奏だというのにここまでリアルというのは奇跡というほかない。佐藤伸治抜きのフィッシュマンズとしてはいままでいちばん良かったと思えるほど。○クラフトワークのライヴではないが、楽曲たちが時間を超越している。すなわち永遠。○原田郁子は素晴らしい。○ceroとはもう一回ぐらいはやってもいいんじゃないだろうか。
 ライヴが終わって外に出ると、お台場のフェイク感満載の風景が目の前に広がる。フェイクな街のフェイクなエリアのフェイクな展示場のなかの、最高に気持ちのいい夜だった。ぼくにとってフィッシュマンズは哲学的なバンドで、ときが経てば経つほど哲学的なバンドになっている。ただ、フィッシュマンズの泥臭いところ、いまひとつスマートになりきれないところがぼくは好きなんだなとあらためて思った。

ーーーーーーーー

三田格

 休憩時間を挟んで後半はフィッシュマンズ。茂木欣一(ドラム)、柏原譲(ベース)、HAKASE-SUN(キーボード)に小嶋謙介(ギター)を加えたオリジナル・メンバーでまずは1曲「あの娘が眠ってる」。作詞・作曲とも小嶋の曲で、シャカシャカとしたギターのストロークがいきなり気持ちよく、ヴォーカルが入ると声が低いのでややずっこける。フィッシュマンズの曲としてはスタンダードな雰囲気を持ってる曲だなと改めて思っていると、パッと手を挙げて小嶋はこれだけで退場。余韻もなく“Oh SLime”へ。自分でも何を考えているんだろうと思うけれど、続いて木暮晋也(ギター)がステージに出てきた時、佐藤伸治が出てきたと思ってしまい、そんなことあるわけなのにひとりで真っ青になってしまった。しかも、たったいま「そんなことあるわけないのに」と思ったばかりなのに、さらに反対側からダーツ関口(ギター)が出てきた時も佐藤伸治だと思ってしまい、完全に頭がおかしくなっている。「ダーツ関口は元スーパーバッド」と心の中で3回ぐらい唱えて動揺を鎮める。「ザ・フィッシュマンズ!」と茂木が叫ぶ。客席が湧く。茂木は「ザ・フィッシュマンズ!」としか言わないのに、それだけで広大な世界観が広がっていくような気がする。それこそ会場全体で空中キャンプに乗り込んだような気分。茂木のMCが上手いとか技があるとかではなく、押し寄せるような期待と幻想が境界線を失い、誰かにコントロールできるような事態ではないのかもしれない。よくわからない。こういうことは佐藤伸治がいた頃にはなかった。佐藤伸治がいた場所が真空のようにして空いてしまったから、むしろ成立する感覚なのではないか。悪く言えば天皇制のようなものかもしれない。中心を失ったはずなのに凝集力があるというのはそういうことではないのだろうか。「ザ・フィッシュマンズ! ザ・フィッシュマンズ!」、ドラムを叩きながら茂木はコールを続け、いつも通りメンバー紹介へなだれ込む。上記のメンバーに加え、ヴォーカルの原田郁子とハナレグミ、そしてZAKの名前がコールされる。インドネシア式に「ホンジ」と「ヴォーカル佐藤」もコールされる。インドネシアでは誰が死んでもその人はどっかに行ってしまうとは考えない。そこにずっといるということになっている。
 8人編成のオープニングは“ナイトクルージング”。ややテンポダウンし、ヴォーカルは茂木。この曲はライヴで聴くとあまり透明感がない。20年前もそうだったけれど、ギャップの方に意識が行きやすく、もうひとつ入り込めない。もしくはもうちょっと後半で聴きたかったなというか。続いて“なんてったの”。ヴォーカルはハナレグミ。キーボードのリフだけで軽く持っていかれ、転調だけでじわっと来てしまう。心に張り巡らしていた鎧がどんどん剥がれていくというか。フィッシュマンズがやっているのは「ありきたりのポップ・ソング」で、だからいいんだろうなと思う。“土曜日の夜”“頼りない天使”“ひこうき”と曲は進む。「ありきたりのポップ・ソング」がそして、気がつくと奇妙なブレイクや間奏に切り替わっていて、ありきたりがありきたりではなくなってしまう瞬間がフィッシュマンズは実に上手い。彼らの曲がレコードだけではなく、こうしてライヴとして再現される必要があるのはそれを体験するためだろうと思えてくる。それは佐藤伸治が生きていた頃とまったく変わらない。“ひこうき”で茂木が「いつでも あの日のまま」と繰り返すたびに「あの日のまま」というのは「佐藤伸治が生きていた頃のまま」という意味に聴こえてしょうがなかった。“ひこうき”はこの日のベストだったんじゃないだろうか。
 ヴォーカルがハナレグミ&原田郁子に変わって“Smilin’ Days, Summer Holiday”。ゴージャスなアレンジと粘っこいグルーヴを叩きつけられて「これしかないのさ」と言われればそうですとしか言いようがない。途中でちょっと演奏がズレたように感じ、その時だけ最初からかかっていたマジックが消えたような気がしたものの、すぐに持ち直す。この曲はいくらでも聴いていられるなと思っていたので、いつも通りにやったと思うけれど、早く終わった気がしてしょうがない。それでも音楽を聴いていてこれだけ満ち足りた気分になったのは久しぶり。生まれてきて良かったなーと思ってしまう。続いて“MELODY”と、前期フィッシュマンズで埋め尽くすのかと思いきや、次は“すばらしくNICE CHOICE”かと思ったら“ゆらめき IN THE AIR”。佐藤伸治にとって生前、最後となった曲である。ヴォーカルはテープ=佐藤伸治。誰が歌っても佐藤伸治が不在だという思いは逆説的に強く感じられてしまうものの、意外にも僕はこの時が最も彼の不在を強く感じてしまった。映像でも流してくれればまだしもだったのかもしれないけれど、テープで佐藤伸治の声を聴くのはとっても悲しかった。そして「夕暮れがやってこない」という歌詞がいつにも増して引っかかった。“Smilin’ Days, Summer Holiday”で「これしかないのさ」と歌われていたはずの「日差しを終わらせるものとしての夕暮れ」を待ち望んでいるようにも聞こえたり。「君が今日も消えてなけりゃいいな」の「君」というのは、この曲をつくった当時、フィッシュマンズから離れると決めたZAKと柏原譲のことなんだろうか。テープで聴く佐藤伸治の声は悲鳴のようだ。それまでの7曲と何もかもが違っていた。この曲を聴いている間は僕はピクリとも動けなかった。
 “いかれたBABY”で元に戻った。辛い気分に背を向けられた。なのに、これがラスト・ナンバー。「フィッシュマンズの代表曲!」と茂木は紹介し、終わってもステージから引き上げるそぶりも見せずにそのままCEROと合体。ヴォーカルの高城昌平とキーボードの角銅真実が呼び込まれ、お互いに選曲が一致したという“JUST THING”へ。23年前に初めてフィッシュマンズにインタヴューした時も茂木は「JUST THINGが、JUST THINGが……」と繰り返していたので、かなり思い入れがあるのだろう。これもややテンポ・ダウンし、ビートはずっしりと重みを増した印象。高城昌平や原田郁子が滑らかに踊る様子を見て、そういえば佐藤伸治はビートに合わせず、ちぐはぐな体の動きをする人だったことに思い当たる。「みんなでポリドールの株を買おう!」とか訳のわからないMCもさることながら、予測がつかなかった佐藤伸治の妙な体の動かし方ももう見られないんだよな。つくづくヘンな男だったよな。そして、茂木は去年からこの企画を温めてきたという経過を話した上で「まだ終わりたくない!」と叫んで“Weather Report”へ。フィッシュマンズでも最もビートフリークな曲で終わりとはかえって酷でしょう! 最後の最後にまたフィジカルを煽るとは! ここまで来るとしかし、ノスタルジーとか現代にも通じるといった考え方さえバカバカしく思えてくる。そのような時間の概念からも自由になれた3時間が終わりを告げた。残ったのは広大な開放感と驚くほど優しい気持ち。帰りの混雑さえ余韻を温めてくれるような気までして。
 この日の功労賞はやはり茂木欣一だろう。彼は一片のエゴも挟まず、佐藤伸治がつくった曲を残すため、ただそれだけのために身を捧げていた。それは痛いほど伝わってきた。あの日、会場にいた誰もが叶わずとも、いつか茂木欣一だけは天国で佐藤伸治に会えたらいいなあ。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632 633 634 635 636 637 638 639 640 641 642 643 644 645 646 647 648 649 650 651 652 653 654 655 656 657 658 659 660 661 662 663 664 665 666 667 668 669 670 671 672 673 674 675 676 677 678 679 680 681 682 683 684 685 686 687 688 689 690 691 692 693 694 695 696 697 698 699 700 701 702 703 704 705 706 707 708 709 710 711 712 713 714 715 716 717 718 719 720 721 722 723 724 725 726 727 728 729 730 731 732 733 734 735 736 737 738 739 740 741 742 743 744 745 746 747 748 749 750 751 752 753 754 755 756 757 758 759 760 761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800 801 802 803 804 805 806 807 808 809 810 811 812 813 814 815 816 817 818 819 820 821 822 823 824 825 826 827 828 829 830 831 832 833 834 835 836 837 838 839 840 841 842 843 844 845 846 847 848 849 850 851 852 853 854 855 856 857 858 859 860 861 862 863 864 865 866 867 868 869 870 871 872 873 874 875 876 877 878 879 880 881 882 883 884 885 886 887 888 889 890 891 892 893 894 895 896 897 898 899 900 901 902 903 904 905 906 907 908 909 910 911 912 913 914 915 916 917 918 919 920 921 922 923 924 925 926 927 928 929 930 931 932 933