「ZE」と一致するもの

梅雨のサウンドパトロール - ele-king

 オリンピック村で配布されるコンドームの数が尋常じゃないと話題になってるけれど、どうせ東京オリンピックを強行するなら、いっそのこと夜のオリンピックも「OnlyFans」(https://onlyfans.com)で強行配信すれば収益もガーンと上がって、電通ウハウハなんじゃないでしょうか。セクシーな行為や姿を見られたい人が自作映像をアップする「OnlyFans」はディズニー女優のベラ・ソーンが主演作のリサーチ目的でアカウントを開設しただけで1日で1億1000万円も売り上げたというから、運営側が夜のオリンピックもコントロール下に置けば赤字も秒で解消でしょう! ああ、オレはなんて国想いなんだろう……つーか、見せたいバカはきっといる(https://twitter.com/onlyfansjapan_)。そうしたことを踏まえて、梅雨のサウンドパトロールです。

1 Cam Deas & Jung An Tagen / That (yGrid/C#) / Diagonal


https://soundcloud.com/diagonal-records/diag059-3-cam-deas-jung-an


https://presentism.bandcamp.com/track/that-ygrid-c

ケンイシイ “Extra”……かと思った。ロンドンから実験音楽系のキャン・ディーズことキャメロン・ディーズがパウウェルのレーベルに移籍し、オーストリーのステファン・ジャスターと組んだビート・アルバムの3曲目。“Extra” のダンス・ビートをゴムのミリタリー・ドラムに置き換え、全体にソリッドな質感で押し切っている。偶然にも大坂なおみを襲った病気と同じ『プレゼンティズム(Presentisim)』と題されたアルバム全部が様々なアプローチで “Extra” をアップデートさせた集合体のようで、オープニングはFKAトウィッグスの最良の仕事のひとつといえる “Hide” に通じるメキシカン・テイスト。


2 Ghost Warrior / Meet At Infinity / Well Street


https://soundcloud.com/oneseventyldn/premiere-ghost-warrior-meet-at-infinity

ハーフタイムなどドラムンベースの刷新に取り組んできたピーター・イヴァニ(Peter Ivanyi)による7作目のEPからタイトル曲。空間的な音処理に長け、ダークな余韻を残すことにこだわってきた彼が作品の質を落とさず、緊張感をアップさせた感じ。快楽的なんだかストイックなんだか。同EPからは複数のリズム・パターンを駆使した3曲目の “They Live” もいい。ハンガリーから。


3 kincaid / Slow Stumble Home / Banoffee Pies


https://banoffeepiesrecords.bandcamp.com/track/slow-stumble-home


https://soundcloud.com/banoffee-pies/premiere-kincaid-slow-stumble-home

ブリストルのニュー・レーベルからキンケイドとシューティング・ゲームに由来するらしいゼンジゼンツ(Zenzizenz)が2曲ずつ持ち寄ったEP「Single Cell」のオープニング。ロンドンのキンケイドは長らくオーガニック・ハウスをやっているという印象しかなかったけれど、ロックダウン下で取り組んだEP「Pipe Up」でハーフタイムらしき “Thirds” を聴いてから急に興味が湧いたひとり。そして、フィールド・レコーディングを素材に用いた “Slow Stumble Home” でダウンテンポというジャンルに新風を吹き込んできた。素晴らしくてナイス・チルアウト。


4 どんぐりず / マインド魂 / Victor


https://dongurizu.com/news/detail/80

本誌でヒップホップ特集を組んだと聞き、僕がたまにユーチューブでチェックしている群馬の二人組をピックアップしてみました。何を伝えたいのかさっぱりわからないけど、なぜか何度も観て(聴いて)しまう。


5 Kamus / Kult / Céad


https://soundcloud.com/cead_cd/kamus-kult?in=yungkamus/sets/kult

グラスゴーからキャメロン・ギャラガーによるアラビック・テイストのトライバル・ダブステップ。延々と宙吊りにされる快楽。かつてのトラップ趣味や妙な情緒の揺れは消し飛び、カップリングの “Wallace” とともにストイックでヒプノティックなパーカッション・ワークがとにかく素晴らしい。


6 ディノサウロイドの真似 a.k.a Dinosawroid-mane / 210212 / Opal Tapes

松本太のソロ・プロジェクト。カセット・アルバム『AOB』から6曲目。アルバム全体はエキゾチックなトライバル・ドラムやフェイク・ファンクなど、いい意味で懐古的なオルタナティヴ・サウンドみたいですが、“210212” はちょっと毛色が変わっていて、伸びたり縮んだりするスライムを音楽に移し替えたような面白い展開。関西の人なのか、自己紹介がふざけていてよくわからない。ネーミングの由来は→https://twitter.com/dinosawroidmane


7 Poté / Young Lies (feat. Damon Albarn) / OUTLIER


https://potepotepote.bandcamp.com/track/young-lies-feat-damon-albarn

パリ在住のポテによるアフロ・シンセ・ポップのデビュー作から8曲目。アフリカ・イクスプレスやブラカ・ソン・システマのレーベルを経て、ボノボが〈ニンジャ・チューン〉傘下に設立したレーベルから。癖がなくて聞きやすい曲が並ぶなか、ジェイミーXXのソロを思わせる “Young Lies” は重そうな歌詞をしなやかに聞かせていく。


8 miida and The Department - Magic hour

元ネゴトのマスダ・ミズキによるニュー・プロジェクト。渋谷系リヴァイヴァルというのか、さわやかで微妙にアンニュイな感じは懐かしのクレプスキュール・サウンドを思わせる。そこはかとなくダンサブルで、ロッド・ステュワート “I’m Sexy” のベース・ラインを思い出すのはオレだけか。


9 Maara / WWW / UN/TUCK Collective

「孤独なインターネット・インフルエンサー」を自称するマジー・マン(Mazzy Mann)による過去2枚のEPを素材としたリミックス・アルバム『MAARA 2​.​5: X MIXES & REMIXES』の冒頭に置かれた3曲のオリジナルから3曲目。リミックス部分は全部いらなかったという感じで、オリジナル曲では嘆き悲しむようなメロディをゴージャスに歌い上げ、確実にスキル・アップが達成されている。カンザス・シティのクイアーやトランスジェンダー専門のレーベルから。


10 Marjolein Van Der Meer & Big Hands / Kitty Jackson / Blank Mind

アラン・ジョンソンやラックなど秀逸なトラックものを連発してきたダブステップのレーベルがロックダウンを機に製作したアンビエント・アルバム『Comme De Loin』の5曲目。レイジーなウイスパー・ヴォーカルを軸にふわふわと頼りなげに漂う薄明のダウンテンポ。はっきりいって、良かったのはこれ1曲。

New Order - ele-king

 ニュー・オーの昨年のシングル曲“”のリミックス集が8月27日にリリースされる。バーナード・サムナーとスティーヴン・モリス、アーサー・ベイカーによるリミックスやadidas SPEZIALとのコラボレーション曲など全13曲が収録。
 なお、現在アーサー・ベイカー(※エレクトロ・ヒップホップの始祖、NOが1983年の「Confusion」でフィーチャーしたことは有名)でによるリミックスがデジタル配信中。


New Order
Be a Rebel Remixed

Mute/トラフィック
発売日:2021年8月27日(金)

Tracklist
1. Be a Rebel
2. Be a Rebel (Bernard’s Renegade Mix)
3. Be a Rebel (Stephen’s T34 Mix)
4. Be a Rebel (Bernard’s Renegade Instrumental Mix)
5. Be A Rebel (Paul Woolford Remix New Order Edit)
6. Be A Rebel (JakoJako Remix)
7. Be A Rebel (Maceo Plex Remix)
8. Be A Rebel (Melawati Remix)
9. Be A Rebel (Bernard's Outlaw Mix)
10. Be A Rebel (Arthur Baker Remix)
11. Be A Rebel (Mark Reeder's Dirty Devil Remix)
12. Be a Rebel (Edit)
13. Be a Rebel (Renegade Spezial Edit)

[Listen & Pre-Order]
https://smarturl.it/BARremixed


 ちなみに昨年3月に予定されていたジャパン・ツアーは、コロナ禍の影響により延期となり、2022年1月に実施されることとなっている。

■ジャパン・ツアー日程
大阪 2022年 1月24日(月) ZEPP OSAKA BAYSIDE
東京 2022年 1月26日(水) ZEPP HANEDA
東京 2022年 1月28日(金) ZEPP HANEDA
制作・招聘:クリエイティブマン 協力:Traffic
https://www.creativeman.co.jp/event/neworder2020/



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Martin Gore - ele-king

 シカゴ・ハウスやデトロイト・テクノ、そして電気グルーヴなどに多大な影響を与えたシンセポップのスーパー・グループ、デペッシュ・モード。その中心メンバーのマーティ・ゴアが、かなり尖った野心的な作品をリリースする。今年の1月に発表したEP「ザ・サード・チンパンジー」とリミックス集の2枚組だが、これはもうテクノ/エレクトロニカ作品と言ったほうがいいだろう。発売は8月とまだ先の話だが、電子音楽好きにはたまらない内容なので、忘れずにメモっておくことをオススメする。
 ちなみにリミキサーには、サンパウロのテクノDJ、ANNAとWehbba(DMはブラジルでも人気)、ベルリンのBarkerやJakoJako、ドイツからはほかにThe ExalticsやChris Liebing、実験派のRroseやKangding Ray、そしてJlinなどといった、かなりアンダーグラウンドかつ実験的な顔ぶれを揃えている。

マーティン・ゴア (Martin Gore)
ザ・サード・チンパンジー + リミックス (The Third Chimpanzee + Remixed ~ Japan Edition)
Mute/トラフィック
発売日:2021年8月20日(金)
https://trafficjpn.com/news/mgjapan/

Tracklist
CD-1
1. Howler
2. Mandrill
3. Capuchin
4. Vervet
5. Howler’s End

CD-2
1. Howler (ANNA Remix)
2. Mandrill (Barker Remix)
3. Capuchin (Wehbba Remix)
4. Vervet (JakoJako Remix)
5. Howler (The Exaltics Remix)
6. Mandrill (Rrose Remix)
7. Capuchin (Jlin Remix)
8. Vervet (Chris Liebing Remix)
9. Howler (Kangding Ray Remix)
10. Mandrill (MoReVoX remix)

【マーティン・ゴア】
デペッシュ・モード(1980年結成)のオリジナル・メンバー&ソングライター(G/Key)。デペッシュ・モード以外の活動として、ソロ名義『Counterfeit²』(2003年)、また元デペッシュ・モードで現イレイジャーのヴィンス・クラークとのユニットVCMG『SSSS』(2012年)を発売。2015年、ソロ・プロジェクトMG初のアルバム『MG』発売。2001年1月29日、MGとしてEP『ザ・サードマン・チンバンジー』を発売。2020年、デペッシュ・モードはロックの殿堂(Rock & Roll Hall Of Fame)入りを果たした。

Matthew Herbert - ele-king

 2年前、ブレグジットに触発されたビッグ・バンド作品を送り出したマシュー・ハーバート。彼のソロ名義による新たなハウス・アルバム『Musca』が10月22日にリリースされる。レーベルはいつもの〈Accidental〉。
 同作は昨年のロックダウン中に録音されたそうで、これまで一緒にやったことのない8人のヴォーカリストがフィーチャーされているとのこと。
 ハーバート自身のコメントによれば、新型コロナウイルス感染症のみならず、政治的暴力の増加、フェイスブックと親和的なファシズム、白人至上主義、気候変動などがテーマになっているようだ。現在リード・トラック“The Way”が公開中。


METAFIVE - ele-king

 病から恢復した高橋幸宏、どうやら本格的に動き出すようだ。彼と小山田圭吾、砂原良徳、TOWA TEI、ゴンドウトモヒコ、LEO今井という目のくらむ面々から成る METAFIVE が5年振りのセカンド・アルバムをリリースする。タイトルは『METAATEM』で、8月11日発売。
 それに先がけ、7月26日には KT Zepp Yokohama にてライヴも開催されるとのこと。稀代のスーパーグループの新たな一歩に期待しよう。

METAFIVE
5年振りのセカンド・アルバム「METAATEM」発売!そして一夜限りの自主ライヴ開催決定!!
本日より先行チケット受付スタート!!

METAFIVE(高橋幸宏×小山田圭吾×砂原良徳×TOWA TEI×ゴンドウトモヒコ×LEO今井)が5年振りとなる待望のセカンド・アルバムを8月11日に発売する。タイトルは「METAATEM」。2016年に発売されたアルバム「META」に続くオリジナル・アルバムであり、まさに待望のアルバム発売となる。

METAFIVEは、高橋幸宏、小山田圭吾、砂原良徳、TOWA TEI、ゴンドウトモヒコ、LEO今井という、国内外の音楽シーンでそれぞれが特別な立ち位置を築いてきた6人によるスーパーバンド。2014年1月に行われたコンサート「GO LIVE VOL.1 高橋幸宏 with 小山田圭吾×砂原良徳×TOWA TEI×ゴンドウトモヒコ×LEO今井」をきっかけに集結し、2016年1月に1st ALBUM「META」、同年11月にMINI ALBUM「META HALF」をリリースし、初の全国ツアー “WINTER LIVE 2016”を開催した。その後休止状態に入っていたが2020年に再始動の表明をし、7月に「環境と心理」をデジタルリリース。同シングルは、iTunesのオルタナティブチャートで1位を獲得するなど根強い人気を誇る。今作は「環境と心理」を含むフル・アルバムとなる。

またMETAFIVEは、アルバム発売に先駆け、7月26日に一夜限りの自主ライヴを開催。本日よりオフィシャル先行チケット受付をスタート。彼らにとって2016年12月以来のステージであり、期待が高まる。

【METAFIVE 2nd ALBUM「METAATEM」】
タイトル:METAATEM(読み:メタアーテム)
発売日 2021年8月11日
CD品番・価格:CD:WPCL-13260 / 価格¥3,080(税込)
VINYL品番・価格:WPJL-10136/7(アナログ2枚組)/¥4,950(税込)
予約購入URL:https://metafive.lnk.to/metaatem

【METAFIVE “METALIVE 2021”】
日程:2021年7月26日(月)
会場:KT Zepp Yokohama
開場:17:30-
開演:18:30-
チケット代金(全席指定 / Taxi in / 1drink別):
2F SS席 ¥13,500(オリジナル限定アクリルキーホルダー+B2サイズポスター付)
 *SS席は2階の前2列のスペシャルシート
2F S席 ¥11,000(オリジナル限定アクリルキーホルダー付)
2F A席 ¥7,500
1F S席 ¥11,000(オリジナル限定アクリルキーホルダー付)
1F A席 ¥7,500

・〈オフィシャル先行受付〉 5/17(月)17:00〜5/26(水)23:59
ぴあ オフィシャル先行URL : https://w.pia.jp/t/metafive-y/
・一般発売 6/26(土)
・問合せ:HOTSTUFF PROMOTION 03-7520-9999(平日12:00〜15:00) https://www.red-hot.ne.jp

【「環境と心理」MUSIC VIDEO】
https://youtu.be/A3auu-E3srs

【METAFIVE OFFICIAL SNS】
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「ロゴキーホルダーの色は透明ブルーの予定ですが、変更の可能性があります」

Sons Of Kemet - ele-king

 昨年の春に世界中で起こったブラック・ライヴズ・マタ―の抗議活動で、もっとも反響を呼んだ映像のひとつが、イギリスのブリストルで、抗議者たちが17世紀の奴隷貿易商人エドワード・コルストンの像を引き倒し、港へと押して行った光景だった。その行為は一定の政治家から予想通りの非難を受けたが、象徴性は否定できないものだった。数世紀の時を経て、ようやく歴史が大西洋奴隷貿易の立役者たちに追いつこうとしていた。
 詩人のジョシュア・アイデヘンが、サンズ・オブ・ケメットの『ブラック・トゥ・ザ・フューチャー』の扇情的なオープニング・トラックである“フィールド・ニーガス”で、「お前の記念碑をゴロゴロ転がして行く タバコを巻くみたいに/肖像は川に投げ込め 火葬の薪の価値もない」、と激しく非難する。低音で鳴くホルンと自由形式のドラミングに乗せて、アイデヘデンはプランテーション奴隷制の時代から現在に至るまで続いている、耐え難い不正を調査し、正義の怒りを燃やしている──いまでも、黒人の人びとは「マラソンで全力疾走」を強いられていると感じることがあるのだ、と。
 サンズ・オブ・ケメットのリーダー、シャバカ・ハッチングスは、昨年、ガーディアン紙に「歴史は有限だと思われがちだが、常に探究されるべきものだ」と語った。「同じ過ちをくり返さないために、常に挑戦し、時には点火する必要がある」
 これはファイティング・トーク(売り言葉)だ。アイデヘンが“フィールド・ニーガス”を「すべて燃やしてしまえ(Burn it all)」という呼びかけで締めくくり、アルバムの最終曲“ブラック”では、再び苦悩に満ちた訴えをしているが、これは予想されがちな反乱者のサウンドトラックではない。2019年に録音されたセッションをベースとしつつ、ハッチングスがロックダウン中に大幅に手直しをしたサンズ・オブ・ケメットの4作目の本アルバムは、これまででもっとも豊穣で、思索的な作品となっている。ロンドンのジャズ・シーンで最高に熱いライヴ・バンドとしての評判を築いてきたグループではあるが、ここではその炎をやわらげている。
 ハッチングスは、木管楽器、テューバにツイン・ドラムという、ブリティッシュ・カリビアンのディアスポラや、ノッティング・ヒル・カーニヴァルのグルーヴに根差した、特徴的なラインナップは崩していない。ドラマーのトム・スキナーとエディ・ヒックが、各曲で入り組んだリズムの土台を作り、それらが常に内省しているかのようなダイアログが続く一方、ハッチングスはダンスホールMCのような強烈さで観客を煽るようなソロを繰り出す。
 ハッチングスはまた、昨年のアルバム制作時に、各曲に新たなレイヤーを追加している。みずみずしい木管楽器(クラリネット、フルート、オカリナに少々の尺八まで)のオーバーダビングにより、執拗なリズムとの対比が生まれた。これは、リード・シングル“ハッスル/Hustle”のヴィデオに登場する二人のダンサーによるパ・ド・ドゥの中に見られる、内面の葛藤の二面性を象徴する、プッシュ&プル(押し合い、引き合う)にも似ている。音楽が、“マイ・クイーン・イズ・ハリエット・タブマン”(2018年のアルバム『ユア・クイーン・イズ・ア・レプタイル』からの傑作トラック)や、“(2015年の『我々が何をしにここに来たのかを忘れないために/Lest We Forget What We Came Here To Do』より)のような恍惚とした高みに到達することを約束する、音楽が爆発しそうになるいくつかの瞬間があるが、これは対照的なエレメントの導入により、ムードを変えるためのものだ。
 “エンヴィジョン・ユアセルフ・レヴィテーティング” では、ハッチングスの強烈なサクソフォン・ソロがライヴ・ギグの熱気を呼び起こすが、その様子をほろ苦い気分の距離感から眺めているかのような、木管楽器の穏やかさで相殺される。“レット・ザ・サークル・ビー・アンブロークン”の気だるいカリプソの拍子が、終盤ではアート・アンサンブル・オブ・シカゴ風のフリークアウトへと崩れていくと、哀愁を帯びたフルートのリフレインでバランスが保たれる。“イン・リメンブランス・オブ・ゾーズ・フォールン”の緊迫したリズムは、物憂げな短調のメロディーに抑えられているが、ハッチングスは曲が後半になるにつれ、少し熱気を帯びてくるのに抵抗することができない。
 このようなコントラストがアルバムを通してのテーマとなっており、とても意外なことに、頭のなかのどこかで、初期のECMがリリースしたベングト・ベルガーの1981年の傑作、『ビター・フューネラル・ビアー/Bitter Funeral Beer』を思い浮かべるような心持ちになった。また、より実践的なスタイルで制作されたこの作品は、特に多数のゲストを起用した前半で、彼らがこれまでに到達したことのないほど、グライム&ベースの音楽になっている。
 いくつかのヴォーカル曲でのフィーチャーについては、アイデヘンとコジェイ・ラディカル(“ハッスル”)が傑出している一方、“フォー・ザ・カルチャー”でのD Double Eは、ただトリラリー・バンクスとの”Mxrder Dem”のヴァースの焼き直しをしているらしいのにも関わらず、大いに楽しんでいるように聞こえる。その反面、“ピック・アップ・ユア・バーニング・クロス”にフィーチャーされている恐るべき才能のムーア・マザーとエンジェル・バット・ダヴィドの2人は、強力なラインナップの期待に応えることができてはいないようだ。この曲は、このアルバムでは珍しく、余計な積み荷をしない方がよかったと思われるものではあるが、彼らが一同に会してステージに立ったなら、どれほどのことが成し遂げられるのかは想像できる。
 まさに、「すべて燃やしてしまえ(Burn it all)」である。

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Sons of Kemet
Black to the Future

Impulse!

James Hadfield

One of the most resonant images from the Black Lives Matter protests that erupted across the world last spring was the sight of protestors in Bristol, UK toppling a statue of 17th century slave merchant Edward Colston and pushing it into the harbour. While the act drew a predictable denunciation from certain politicians, the symbolism was impossible to deny. It may have taken a few centuries, but history was finally catching up with the architects of the Atlantic slave trade.

“We are rolling your monuments down the street like tobacco / Tossing your effigies into the river / They weren’t even worth a pyre,” declaims poet Joshua Idehen in “Field Negus,” the incendiary opening track for Sons of Kemet’s “Black to the Future.” Over lowing horns and freeform drumming, Idehen works himself into a righteous fury as he surveys the injustices that have endured from the days of slave plantations to the present – how, even now, Black people can feel like they’re being told “to run sprint times in a marathon.”

“People think that history is finite, but it is something that needs to be explored constantly,” Sons of Kemet leader Shabaka Hutchings told The Guardian last year; “it needs to be challenged and sometimes set alight, so we don’t continue to make the same mistakes.”

That’s fighting talk. But while Idehen signs off “Field Negus” with a call to “burn it all” – and returns to deliver an anguished complaint on the album’s final track, “Black” – this isn’t the insurrectionary soundtrack you might have expected. Based on sessions that were recorded in late 2019 but significantly reworked by Hutchings during lockdown, Sons of Kemet’s fourth album is their richest and most contemplative to date. The group may have built a reputation as one of the most combustible live bands on the London jazz scene, but they’ve tempered the fire here.

Hutchings hasn’t messed with the signature lineup of woodwinds, tuba and twin drummers, rooted in the grooves of the British Caribbean diaspora and London’s Notting Hill Carnival. Drummers Tom Skinner and Eddie Hick create an intricate rhythmic bedrock for each tune that seems to be in constant dialogue with itself, while Hutchings still solos with the crowd-hyping intensity of a dancehall MC.

What’s different is the additional layers that he added to each track while working on the album last year, overdubbing lush woodwind arrangements (clarinets, flutes, ocarinas, even some shakuhachi) that provide a counterpoint to the insistent rhythms. It’s like the push-and-pull captured in the video accompanying lead single “Hustle,”[1] in which a pair of dancers perform a pas de deux symbolising the duality of internal struggle[2] . There are points at which the music seems about to explode, promising to reach the ecstatic heights of “My Queen is Harriet Tubman” (the standout track from 2018’s “Your Queen is a Reptile) or “Afrofuturism” (from 2015’s “Lest We Forget What We Came Here To Do”[3] ), only to introduce a contrasting element that shifts the mood.

On “Envision Yourself Levitating,” Hutchings’ emphatic saxophone solo conjures the heat of a live gig, but it’s offset by gentle woodwinds that seem to be viewing the action from a bittersweet distance. When the languid calypso pulse of “Let The Circle Be Unbroken” collapses into an Art Ensemble of Chicago-style freakout towards the end, it’s balanced out by a mournful flute refrain. The urgent rhythms of “In Remembrance Of Those Fallen” are kept in check by a languid minor-key melody, although Hutchings can’t resist dialling up the heat a little in the song’s latter half.

These contrasts are a running theme throughout the album, taking it into a headspace that reminded me, very unexpectedly, of early ECM releases such as Bengt Berger’s 1981 masterpiece, “Bitter Funeral Beer.” At the same time, the more hands-on production style brings it closer than the group have ever come to grime and bass music, especially during the album’s guest-heavy first half.

Among the various vocal features, Idehen and Kojey Radical (on “Hustle”) are standouts, while D Double E sounds like he’s having a ball on “For The Culture,” even if he’s just rehashing his verse from Trillary Banks’ “Mxrder Dem.”[4] On the other hand, “Pick Up Your Burning Cross,” featuring the formidable talents of both Moor Mother and Angel Bat Dawid, fails to deliver on the promise of its powerhouse lineup. It’s one of the rare moments on the album that might have sounded better without the added baggage, though you can only imagine what these musicians might achieve if they were able to share a stage together. “Burn it all,” indeed.

It’s described in text accompanying the video as “the duality present within any struggle to transcend internal limitations.”

Nav Katze - ele-king

 なんと、今年でメジャー・デビュー30周年だという。長らく活動休止状態にあるナーヴ・カッツェ、1984年に山口美和子、飯村直子、古舘詩乃により結成されたこの稀有な日本のバンドの全作品が配信開始、ストリーミングでも解禁されることになった。
 エイフェックス・ツイン、ウルトラマリン、ブラック・ドッグ、グローバル・コミュニケイション、オウテカ、シーフィール、サン・エレクトリック、ジェントル・ピープル、マイク・パラディナス……UKテクノの錚々たる面々とリアルタイムでリンクすることのできた彼女たちの音楽を、ひさしぶりのひとも、初めてのひとも、いま聴こう。発掘音源もあるそうです。

女性ロック・ユニットのオリジネーターともいえるNav Katze(ナーヴ・カッツェ)の全作品が4月21日(水)から、iTunes Store、レコチョクなど主要配信サイト、またLINE MUSIC、Apple Music、Spotifyなど定額制ストリーミングサービスにて配信が開始された。

SWITCHレーベルとビクターエンタテインメントに残した全音源に今回始めて発掘されたライブ音源やアウトテイクスなどのボーナス・トラック音源を加え、Nav Katzeのプロデューサー・エンジニアである杉山勇司がリマスタリングを施して配信される。

Nav Katzeは、山口美和子(ベース・ボーカル)、飯村直子(ギター・ボーカル)、 古舘詩乃(ドラム)の3人で結成され、1986年にSWITCHレーベルからミニ・アルバム(12インチシングル)『NAV KATZE』でデビューした。その後、1991年4月21日にビクターエンタテインメントからアルバム『歓喜』でメジャー・デビューし、以降、1997年に活動休止するまで、シングル3枚、アルバム7枚、リミックス・アルバム2枚の作品を残している。

彼女たちの音楽性は、英国のニューウェーブの影響を受けつつも自由にそのスタイルを変化させ、1994年の『OUT』以降テクノ・アンビエント(エレクトロニカ)の要素も取り入れ、後の先鋭的なロック・バンドが志向するボーダーレスな多様性をいち早く実現していたと言える。

1994年と1997年にはリミックス・アルバム『Never Mind The Distortion』『Never Mind The Distortion II』をリリースし、エイフェックス・ツイン、ジェントル・ピープル、オウテカなどのテクノ/エレクトロニカのリミキサーと共に自らの作品を再構築している。

彼女たちの作品には、個性的なミュージシャンが多数参加している。SWITCHレーベル時代の作品ではプロデューサーに岡田徹(ムーンライダーズ)を迎え、窪田晴男(パール兄弟)、福原まり。ビクターに移籍してからはASA-CHANG、楠均(Qujila、KIRINJI)、遊佐未森、寺谷誠一(URBAN DANCE)、LUNA SEA、藤井麻輝、遠藤遼一(ソフトバレエ)、フィル・マンザネラ、アンディ・マッケイ(ロキシー・ミュージック)、小林“Mimi”泉美など、正にジャンルを超えた多彩なミュージシャン達と共演している。

今年、Nav Katzeはメジャー・デビュー30周年を迎える。2004年に発売された「サウンド&レコーディング・マガジン」2月号付録CDに参加して以来活動を休止しているが、ファン及び関係者の間では彼女たちの活動再開を望む気運が高まっている。

[配信情報]
iTunes Store、レコチョク他、各配信サイト
またLINE MUSIC、Apple Music、Spotifyなど定額制ストリーミングサービスにて4月21日(水)より一斉配信開始。

https://jvcmusic.lnk.to/NavKatze

[各作品について](オリジナル発売日)

① Nav Katze (1986/12/5発売)
SWITCHレーベルからリリースされたデビュー・ミニアルバム。岡田徹プロデュース。福原まりがピアノで参加。
(収録曲)
(1)黒い瞳
(2)病んでるオレンジ
(3)駆け落ち
(4)パヴィリオン

② 夕なぎ (1987/8/21発売)
アルバム『Oyzac』に先行して発売された岡田徹プロデュースのシングル。「夕なぎ」のアレンジで窪田晴男が参加。
(収録曲)
(1)夕なぎ
(2)闇と遊ばないで

③ OyZaC+1 (1987/9/21発売)
シングル『夕なぎ』が収録された岡田徹プロデュースによる初のフルアルバム。ボーナス・トラックとして「金色のクリスマス」収録(1990年2月21日発売 オムニバス・アルバム『ADVENTURES in “Turn To The Pop”』収録)。
(収録曲)
(1)御七夜の夢
(2)夕なぎ
(3)ゆりかご
(4)入浴
(5)愛しあう夜
(6)水のまねき
(7)銀の羽の戦士
(8)螺旋階段
(9)赤い真夏
(10)闇と遊ばないで
【ボーナス・トラック】
(11)金色のクリスマス

④ 歓喜+4 (1991/4/21発売)
SWITCHレーベルからビクターへ移籍したメジャー・デビュー盤。透明かつ繊細なヴォーカル&ハーモニーと鮮烈なギター・サウンドに溢れる意欲作。ボーナス・トラックとして4曲のライブ・バージョンとデモ・トラック収録。
(収録曲)
(1)星のパレード
(2)こわれた世界
(3)瞳は D a i s y
(4)彼 方
(5)椅 子
(6)闇と遊ばないで
(7)P u r e D a y s
(8)V o i c e s - 声 -
(9)太陽の思い出
【ボーナス・トラック】
(10)歓喜SE(1990.12.20/原宿クエストホール)
(11)太陽の思い出(Live 1991.5.10/京都ミューズ)
(12)カーニバル(Live 1990.03.13/渋谷クラブクアトロ)
(13)椅子(デモ)

⑤ 新月 (セレクション) (1991/11/21発売)
  前作『歓喜』の作風を受け継ぎながら、アレンジ面での自由度が増し、民族楽器とともに打ち込みの手法も取り入れた作品。ボーナス・トラックとして3曲のライブ・バージョンを収録。
(収録曲)
(1)Green Eye
(2)ひとりぼっちの空
(3)プリティ・リトル・ゼラニウム
(4)虹のゆりかご
(5)ビルの中で遊んでたら日が暮れなかった
(6)真 夏
(7)草の記憶
(8)七つの夜,七つの夢
(9)海の百合
(10)水の中の月
【ボーナス・トラック】
(11)病んでるオレンジ(アコースティックバージョン)
(Live 1991.5.10/京都Muse Hall)
(12)彼方(Live1991.6.2/香林坊109)
(13)こわれた世界(Live 1991.6.2/香林坊109)
※CD収録曲「遙かなるCross」は配信不可につき未収録

⑥ Frozen Flower (1992/7/21発売)
少年ジャンプに連載されていた「電影少女」OVA挿入歌「メッセージ」「Frozen Flower」が収録されたシングル
(収録曲)
(1)Frozen Flower
(2)メッセージ
(3)メッセージ (インストルメンタル)
(4)Frozen Flower(オリジナル・カラオケ)

⑦ The Last Rose in Summer+3 (1992/9/23発売)
新たなるNav Katzeを感じさせるメジャー・サードアルバム。アコースティックサウンドとエレキサウンドが融合した彼女たちの集大成とも言える作品。ASA-CHANG、楠均、遊佐未森、寺谷誠一、福原まりが参加。3曲のライブ・ヴァージョン、デモ収録。
(収録曲)
(1)海
(2)Frozen Flower
(3)マリリン
(4)不機嫌
(5)アルカディア
(6)子供の名前
(7)光の輪
(8)きらきら
(9)蒼い闇
(10)名残りの薔薇
【ボーナス・トラック】
(11)入浴(ピアノバージョン)(Live 1990.12.20/原宿クエストホール)
(12)水のまねき(ピアノバージョン)(Live 1990.12.20/原宿クエストホール)
(13)光の輪(デモ)

⑧ OUT+2 (1994/3/24発売)
アルバム『うわのそら』と同時に制作され先行発表されたミニ・アルバム。LUNA SEAや藤井麻輝(ソフトバレエ)らが参加。フェミニンな繊細さと過激な音楽性を合わせ持つ作品。「DANCE 2 NOISE」に収録された2曲をボーナス・トラック収録。
(収録曲)
(1)CRAZY DREAM
(2)CRUSTY Song
(3)アラビアの夜
(4)Topaz
(5)Velvet
【ボーナス・トラック】
(6)無邪気な絆 (featuring Maki's Noises)
(7)TAKE ME HOME COUNTRY ROADS

⑨ うわのそら+4 (1994/5/21発売)
ロンドンでレコーディングおよびミックスを行う。Matrix Studioではロキシー・ミュージックのフィル・マンザネラとアンディ・マッケイ、小林“Mimi”泉美を迎え、日本ではソフトバレエの遠藤遼一、LUNA SEAのINORANなどがレコーディングに参加。ゲスト・プレイヤー達の個性とNav Katzeが紡ぐ、新たな世界が表現された秀作。未発表曲「Hundred Worlds」他、1989年渋谷クラブクアトロにて収録された
計4曲のボーナス・トラック収録。
(収録曲)
(1)TV惑星
(2)うわのそら -Nobody Home-
(3)Cherry
(4)Glitter Love
(5)More than a feeling
(6)Ziggy
(7)Wild Horse
(8)まばたき-blinking-
(9)Polyester
(10)Spy
(11)Never Not
(12)Change
【ボーナス・トラック】
(13)Hundred Worlds
(14)入浴(オリジナルバージョン) (Live 1989.05.31/渋谷クラブクアトロ)
(15)黒い瞳(オリジナルバージョン) (Live 1989.05.31/渋谷クラブクアトロ)
(16)駆け落ち(オリジナルバージョン) (Live 1989.05.31/渋谷クラブクアトロ)

⑩ Never Mind The Distortion (1994/9/21発売)
1994年発売された『OUT』と『うわのそら』の2枚のアルバムからのリミックス集。ウルトラマリン、エイフェックス・ツイン、リロード、ブラック・ドッグなどテクノの精鋭たちの手でナーヴ・カッツェを再構築している。
(収録曲)
(1)Nobody Home (Ultramarine Mix)
(2)Ziggy (Aphex Twin Mix #1)
(3)Never Not (Black Dog Mix #1)
(4)Crazy Dream (Retro 313 Future Memory Mix )
(5)Change (Aphex Twin Mix #2)
(6)More than a feeling (Black Dog Mix #2)
(7)Wild Horse (Global Mix Communication)

⑪ Gentle & Elegance+4 (1996/5/22発売)
テクノという手法を大胆に取り入れ制作されたアルバム。オリジナル楽曲と共にオウテカ、シーフィール、サン エレクトリックによる3曲のリミックスを1枚のアルバムとして成立させた。「Happy」「Border」の英語バージョンを含む4曲のボーナス・トラック収録。
(収録曲)
(1)レディ・トゥ・ゴー
(2)ライラック・ムーンライト
(3)タイニー・コグ
(4)ハッピー
(5)ハッピー?(Qunk Mix by Autechre)
(6)タイトロープ
(7)ヘブン・エレクトリック
(8)ヘブン-disjecta-エレクトリック(Seefeel Mix)
(9)ボーダー
(10)ボーダーレス(Sun Electric Mix)
(11)ジェントル&エレガンス
【ボーナス・トラック】
(12)Platinum
(13)Magenta
(14)Happy
(15)Border

⑫ Never Mind The Distortion II (1997/5/21発売)
『Gentle & Elegance』に収録された曲のリミックス集第二弾。 ジェントル・ピープル、シーフィール、ミュー・ジック、サン エレクトリックなど参加。
(収録曲)
(1)Ready to go(Remixed by The Gentle People)
(2)Lilac moon light(Remixed by Disjecta)
(3)Tightrope(Remixed by Disjecta)
(4)Borderless #2(Remixed by Sun Electric)
(5)Tiny cog(Remixed by Disjecta)
(6)Happier・・・(Remixed by Seefeel)
(7)Happy!(Remixed by u-Ziq)
(8)Happy?-qunk mix Dub(Remixed by Autechre)

[プロフィール]
日本のロック・バンド。山口美和子(ベース・ボーカル)、飯村直子(ギター・ボーカル)、 古舘詩乃(ドラム)によって結成。翌年より東京都内を中心に本格的なライブ活動開始。1986年12月、岡田徹(ムーンライダース)プロデュースによる『NAV KATZE』でデビュー。飯村と山口による透明かつ繊細なヴォーカル&ハーモニーと鮮烈なギター・サウンドで人気を博す。1991年にアルバム『歓喜』でビクターからメジャー・デビュー後、古舘が脱退。以降、二人組ユニットとしてロックをベースに、アコースティック、ノイズ、アンビエント、テクノなど、ジャンルの束縛を受けない多様な手法による独自の音楽性を確立。1996年の『Gentle&Elegance』以降、活動中止。女性ロック・ユニットの先駆的存在として、後年、再評価が著しい。

●Nav KatzeオフィシャルHP:https://navkatze.net
●Twitter : https://twitter.com/nav_katze2021

My Bloody Valentine - ele-king

 先日、ストリーミングの解禁とLP&CDのリイシューで大いに話題を集めたマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン。彼らは今度、NTS Radio のキュレイターを務めることになった。同ラジオの10周年を祝う企画で、放送は4月19日。アルカやドップラーエフェクト、ミカ・レヴィやセオ・パリッシュに混じってのキュレイトというのは興味深い。聴き逃し厳禁案件です。


マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン
待望のサブスク解禁が話題沸騰中!
4月19日には NTS Radio にて
特別放送をキュレーション!
5月21日には新装盤CDとLPが再発!

3月31日に、突如『Isn’t Anything』『loveless』『m b v』のアルバム3作、そして4枚のEP作品とレアトラックをまとめた『ep’s 1988-1991 and rare tracks』のストリーミング配信およびダウンロード販売を一挙に解禁したマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン。世界中の音楽ファンが熱狂する中、日本でも Spotify の「バイラルトップ50」の1位となるなど、大きな話題となった。

ストリーミング、CD/LP予約リンク
https://fanlink.to/mbv2021

5月21日には新装盤CDとLPの発売も控える中、英ロンドンの人気ネットラジオ局 NTS Radio の10周年を記念し、スペシャルゲストがキュレーターを務める特別企画『NTS 10』にマイ・ブラッディ・ヴァレンタインが登場することが発表された。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインは、初日となる4月19日(月)の放送でキュレーターを務める。なお、この企画は、世界の食糧資源の統合と分配の改善、食品の浪費の減少、食糧不足に悩む国と地域への協力を目的として創立されたグローバル・フードバンキング・ネットワーク(Global Foodbanking Network)への寄付を募るチャリティ放送となっている。キュレーターにはその他、アルカやミカ・レヴィ、ローリー・アンダーソン、セオ・パリッシュらが名を連ねている。

マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの新装盤CDとLPは5月21日に世界同時リリース!
各作品の発売形態は以下の通り。

Isn't Anything
・国内盤CD(高音質UHQCD仕様/解説書付/リマスター音源)輸入盤CD
・日本語帯付盤デラックス・エディションLP(高品質チップオン・ジャケット式ゲートフォールド・スリーヴ仕様/解説書付/オリジナル1/4インチ・アナログ・テープからマスタリングされた音源を収録/180g重量盤)
・デラックス・エディションLP(高品質チップオン・ジャケット式ゲートフォールド・スリーヴ仕様/オリジナル1/4インチ・アナログ・テープからマスタリングされた音源を収録/180g重量盤)
・スタンダード・エディションLP
・国内盤CD+TシャツセットのTシャツ・デザインには『Feed Me With Your Kiss』EPのアートワークを採用(『m b v』のTシャツセットのデザインとは異なります)

loveless
・国内盤2枚組CD(高音質UHQCD仕様/解説書付/CD1にリマスター音源、CD2には1/2インチ・アナログ・テープからマスタリングされた音源を収録)
・輸入盤2枚組CD
・日本語帯付盤デラックス・エディションLP(高品質チップオン・ジャケット式ゲートフォールド・スリーヴ仕様/解説書付/1/2インチ・アナログ・テープからマスタリングされた音源を収録/180g重量盤)
・デラックス・エディションLP(高品質チップオン・ジャケット式ゲートフォールド・スリーヴ仕様/1/2インチ・アナログ・テープからマスタリングされた音源を収録/180g重量盤)
・スタンダード・エディションLP
・国内盤CD+TシャツセットのTシャツ・デザインには、アルバムのアートワークを採用

m b v
・国内盤CD(高音質UHQCD仕様/解説書付)
・輸入盤CD
・日本語帯付盤デラックス・エディションLP(高品質チップオン・ジャケット式ゲートフォールド・スリーヴ仕様/解説書付/オリジナル1/2インチ・アナログ・テープからマスタリングされた音源を収録/180g重量盤)
・デラックス・エディションLP(高品質チップオン・ジャケット式ゲートフォールド・スリーヴ仕様/オリジナル1/2インチ・アナログ・テープからマスタリングされた音源を収録/180g重量盤)
・スタンダード・エディションLP
・国内盤CD+Tシャツセット用のTシャツ・デザインには『Feed Me With Your Kiss』EPのアートワークを採用(『Isn't Anything』のTシャツセットのデザインとは異なります)
・日本語帯付盤デラックス・エディションLP+Tシャツセット用のTシャツ・デザインには『Glider』EPのアートワークを採用

ep’s 1988-1991 and rare tracks
・国内盤2枚組CD(高音質UHQCD仕様/解説書付/リマスター音源)
・輸入盤2枚組CD
・国内盤CD+TシャツセットのTシャツ・デザインには『You Made Me Realise』EPのアートワークを採用

UHQCD (Ultimate High Quality CD):
CD規格に準拠しており、既存のプレーヤーで再生可能。
新しく開発された製法により、従来の高音質ディスクよりさらに原盤に忠実な音を再現。


label: BEAT RECORDS / DOMINO
artist: My Bloody Valentine
title: Isn't Anything
release date: 2021/05/21 FRI ON SALE

国内盤CD (高音質UHQ仕様 / 帯解説書付き / リマスター音源)
BRC-666 ¥2,300+税
国内盤CD+Tシャツセット:BRC-666T ¥6,800+税

帯付き盤デラックスエディションLP (解説書付き)
BRDWGLP158X
帯付き盤デラックスエディションLP+Tシャツセット
BRDWGLP158XT

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11779


Tシャツセット


帯付きデラックスエディションLP

[CD TRACKLISTING]
01. Soft As Snow (But Warm Inside)
02. Lose My Breath
03. Cupid Come
04. (When You Wake) You’re Still In A Dream
05. No More Sorry
06. All I Need
07. Feed Me With Your Kiss
08. Sueisfine
09. Several Girls Galore
10. You Never Should
11. Nothing Much To Lose
12. I Can See It (But I Can’t Feel It)

[LP TRACKLISTING]
SIDE ONE
01. Soft As Snow (But Warm Inside)
02. Lose My Breath
03. Cupid Come
04. (When You Wake) You’re Still In A Dream
05. No More Sorry
06. All I Need
SIDE TWO
01. Feed Me With Your Kiss
02. Sueisfine
03. Several Girls Galore
04. You Never Should
05. Nothing Much To Lose
06. I Can See It (But I Can’t Feel It)


label: BEAT RECORDS / DOMINO
artist: My Bloody Valentine
title: Loveless
release date: 2021/05/21 FRI ON SALE

国内盤2CD (高音質UHQ仕様 / 帯解説書付き / リマスター音源)
BRC-667 ¥2,500+税
国内盤CD+Tシャツセット:BRC-667T ¥7,000+税

帯付き盤デラックスエディションLP (解説書付き)
BRDWGLP159X
帯付き盤デラックスエディションLP+Tシャツセット
BRDWGLP159XT

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11780


Tシャツセット


帯付きデラックスエディションLP

[CD TRACKLISTING]
CD 1: remastered from original 1630 tape
01. Only Shallow
02. Loomer
03. Touched
04. To Here Knows When
05. When You Sleep
06. I Only Said
07. Come in Alone
08. Sometimes
09. Blown a Wish
10. What You Want
11. Soon
CD 2: mastered from original 1/2 inch analogue tapes
01. Only Shallow
02. Loomer
03. Touched
04. To Here Knows When
05. When You Sleep
06. I Only Said
07. Come in Alone
08. Sometimes
09. Blown a Wish
10. What You Want
11. Soon

[LP TRACKLISTING]
A Side
01. Only Shallow
02. Loomer
03. Touched
04. To Here Knows When
05. When You Sleep
06. I Only Said
B side
01. Come in Alone
02. Sometimes
03. Blown a Wish
04. What You Want
05. Soon


label: BEAT RECORDS / DOMINO
artist: My Bloody Valentine
title: m b v
release date: 2021/05/21 FRI ON SALE

国内盤CD (高音質UHQ仕様 / 帯解説書付き / リマスター音源)
BRC-668 ¥2,300+税
国内盤CD+Tシャツセット:BRC-668T ¥6,800+税

帯付き盤デラックスエディションLP (解説書付き)
BRDWGLP160X
帯付き盤デラックスエディションLP+Tシャツセット
BRDWGLP160XT

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11781


CD Tシャツセット


LP Tシャツセット


帯付きデラックスエディションLP

[CD TRACKLISTING]
01. she found now
02. only tomorrow
03. who sees you
04. is this and yes
05. if i am
06. new you
07. in another way
08. nothing is
09. wonder 2

[LP TRACKLISTING]
side a
01. she found now
02. only tomorrow
03. who sees you
04. is this and yes
side b
01. if i am
02. new you
03. in another way
04. nothing is
05. wonder 2


label: BEAT RECORDS / DOMINO
artist: My Bloody Valentine
title: ep's 1988-1991 and rare tracks
release date: 2021/05/21 FRI ON SALE

国内盤2CD (高音質UHQ仕様 / 帯解説書付き / リマスター音源)
BRC-669 ¥2,500+税
国内盤CD+Tシャツセット:BRC-669T ¥7,000+税

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11782


Tシャツセット

[CD TRACKLISTING]
CD 1
01. you made me realise
02. slow
03. thorn
04. cigarette in your bed
05. drive it all over me
06. feed me with your kiss
07. i believe
08. emptiness inside
09. i need no trust
10. soon
11. glider
12. don’t ask why
13. off your face

CD 2
01. to here knows when
02. swallow
03. honey power
04. moon song
05. instrumental no. 2
06. instrumental no. 1
07. glider (full length version)
08. sugar
09. angel
10. good for you
11. how do you do it

Godspeed You! Black Emperor - ele-king

 巷には、ゴッドスピード・ユー!ブラックエンペラー(GY!BE)はもう必要ないんじゃないかという言い方がある。90年代末に登場したモントリオールのボヘミアンたちのコミュニティから生まれたこのバンドは、『F♯ A♯ ∞ 』(1997)というその10年においてもっとも重要なロック・アルバムと言われている、世界の崩壊を憎しみと悲しみをもって表現した素晴らしく絶望的なその作品によって我々の前に現れた。政府の腐敗、貧困、悲しみ、刑務所、おそろしく暗い未来──、アルバムには押しつぶされた1ペンスが封入されていた。それから彼らは「Slow Riot For New Zero Kanada E.P.」(1999)の裏ジャケで火焔瓶の作り方を解説し、『Yanqui U.X.O.』(2002)のライナーにおいてはエンターテイメント産業と軍需産業との癒着について実名をもって暴き、新自由主義に支配されたディストピアを描写した。こうした彼らの、これまで執拗に訴え、批判し続けた世界は、今日では誰の目にも明かなものとなっている。ゆえにGY!BEは要らないというある種の皮肉だ。

 まあ、それはさておき、CRASSがそうであったように、GY!BEのような政治的なバンドは、評価され、有名になればなるほど際どいところに追い込まれたりもする。CRASSはまあ、極めてアンダーグラウンドな活動だったがゆえにポップ・カルチャーとはそこそこ距離があったけれど、GY!BEのようにその作品の魅力によって世界中に多くのファンを増やし、あるいは『'Allelujah! Don't Bend Ascend』によって、カナダではそれなりに栄誉ある、200人以上のジャーナリストや関係者の投票で決まるベスト・アルバム賞まで獲ってしまうと、世間はざわついてくるものだ。もっともGY!BEは授賞式には姿を見せず、賞金のすべてを刑務所での楽器代と音楽教育のために寄付したが、かつてアーケイド・ファイヤーやファイストも受賞したその賞に選ばれるほどに、GY!BEとは大きな存在であることを世間に知らしめもした。

 だからといってこのバンドは彼らの信念を曲げはしなかったし、日本を除く先進国では、音楽メディアはもちろんのこと文化を扱う有力新聞のほぼすべてが本作を取り上げているように、むしろポップ・カルチャーに混じってこそ彼らの思想と活動は世界中に伝達されたと言えよう。GY!BEは、作風が明るくなったと言われた前作『Luciferian Towers』(2017)では「医療、住居、食料、水の確保を人権として認めること」「侵略の禁止」「国境の廃止」「産獄複合体の完全解体」などを政府に要求し、そして本作『G_d's Pee AT STATE'S END!(国家の終わりにおける神の小便!)』においても「あらゆる形態の帝国主義の廃止」「刑務所の廃止」「富裕層へのそれがなくなるまでの課税」「警察権力の撲滅」などを要求している(これらのマニフェストは彼らのレコードのインナーないしはbandcampの解説欄で確認できる)。

 さて、その1曲目、7枚目のアルバムの冒頭を彼らは大胆不敵なことに、軍が機密使用する周波数を盗み取り、それらのコラージュからはじめている。タイトルに記されている周波数はそのことで、サブタイトルの“Five Eyes All Blind”にある「ファイヴ・アイズ」とは河野太郎が日本の加入を夢見ている、米、英、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド5カ国による機密情報の共有同盟のことだ。なんとも不吉なサウンド・コラージュのなか、闘いの狼煙を上げるかのようなジミ・ヘンドリックスめいたギターがうなりをあげる。そして激しく高揚していく“Job’s Lament”へと繫がっていく。

 おそらくは真性のアナキスト集団であろう彼らはいわゆるリーダー/中心人物を持たない。シンガーも擁さず、政治的なスローガンをがなりたてることもなければ、「ああしろ」「こうしろ」といった強制的なメッセージの発し方もしない。基本的にスローテンポのインストゥルメンタル主体の音楽で、CRASSというよりもシガー・ロスに近い。たとえばGY!BEには、『Lift Your Skinny Fists Like Antennas To Heaven』(2000)、つまり「あなたのか細い拳をあげよ、天国へのアンテナのごとく」というタイトルの作品がある。この絶妙な言い回しが暗示するように、闇雲に暴動を煽ったりはしないが気持ちを高揚させ、駆り立てはする。GY!BEはあたかも、この世界に見切りをつけた人たちが、ではそこから何が引き出せるのかという試みのひとつに思える。そして彼らがいくら憎しみや悲しみを主題にしようとその楽曲は美しいのだ。

 美しさは、GY!BEの場合は共鳴から生まれる。複数の楽器が共鳴し合い、重なり合ったときに高揚感がもたらされる。本作は、曲調やその構成もふくめ、いかにもGY!BEな作品で、長年彼らの音楽と付き合ってきたぼくにはもう特別新鮮な気持ちにはならないのだけれど、GY!BEがこうしていまも同じように活動していること自体に勇気づけられるし、じっさいその音楽のなかにも年季の入った力強さを感じる。そして、最後の曲のタイトルに“我々の側は勝たなければならない”という熱い言葉があるように、『G_d's Pee AT STATE'S END!』はGY!BEに共鳴する人たちへの励ましであり、街を行進するための序曲でもあろう。ちなみに今回の彼らのマニフェストにはこんな言葉がある。「このレコードは終わりを待っている我々すべてについてであり、すべての政治が失敗に終わったいま、はじまりを待っている我々すべてについてである」

MYSTICS - ele-king

 スウェーデンのマーカス・ヘンリクソン、札幌の Kuniyuki Takahashi、そして昨年『ASTRAL DUB WORX』を発表したした東京の J.A.K.A.M. (JUZU a.k.a. MOOCHY) によるコラボ・プロジェクト、MYSTICS がアルバムをリリースする。
 なんでも、「共通する神秘主義的な思考、センスが音楽の中で爆発し、化学変化が起こ」ったそうで、ハウスを基礎にしつつ、尺八や箏、アラビック・ヴァイオリンなどをフィーチャーしたディープな一作に仕上がっているようだ。ダブミックスは内田直之。神秘的な音楽旅行を体験しよう。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151