「ele-king」と一致するもの

My Favorite Christmas Songs - ele-king

 2011年も残すところ数週間。先日も街を歩いていたら、レディ・ガガとビヨンセの歌う"クリスマス・ツリー"が流れてました。中古レコード店に入るとこんどはソロモン・バークの渋い"プレゼンツ・フォー・クリスマス"です。コンビニに入れば、ワム!の"ラスト・クリスマス"、セリーヌ・ディオンの"ブルー・クリスマス"、山下達郎の"クリスマス・イブ"......世のなか、ほとんどクリスマスだらけになります。
 独り身の方には、ザ・フォールの"ノー・クリスマス"のような曲もありますし、喧嘩中の方にはラモーンズの有名な"メリー・クリスマ"があります。
 僕はフィル・スペクターの『ア・クリスマス・ギフト・フォー・ユー』がいちばん好きです。あのアルバムは世界でもっとも夢見がちなプロデューサーが作った最高に素敵なファンタジーではないでしょうか(周知のように彼は、ジョン・レノンと小野洋子の"ハッピー・クリスマス"のプロデューサーでもあります)。
 コクトー・ツインズの"フロスティ・ザ・スノーマン"も名曲です。いまどきのチルウェイヴやネオゴシックを追っている若いリスナーにはオススメです。スレイドの"メリー・クリスマス、エヴリボディ"はちょっと上級者向けかもしれません。ジョン・フェイヒィのクリスマス・アルバムはそれと反対の意味で上級者向けですが、クリスマスの曲は来る者を拒まないのが良いところです。フェイヒィの狂ったような技術によるクリスマス・ソングの演奏は、その日がクリスマスであることをも忘れさせるでしょう。
 僕は若い頃は、ザ・ポーグスの"ファーリー・テール・オブ・ニューヨーク"をよく聴いていました。この曲は僕のような賢くない人間にとっては本当に最高のクリスマスのファンタジーです。ぜひ歌詞を読んでみてください。もしもザ・ストリーツがクリスマス・ソングを作っていたら、こんな曲を書いていたでしょう。
 以下、ele-kingによる「30 classic songs」を思いつく限り、ざっと選んでみました。あ、レゲエのクリスマス・カヴァーを忘れてました。たくさんあり過ぎるのですが、僕は〈トロージャン〉から出ているボックスをいつも聴いています。
 高名な音楽評論家の湯浅学さんがクリスマス・ソングの蒐集家で、それだけで2000枚もあるそうです。現在、ライターの方々をはじめ、レーベルの方々、いろんな方々に「My Favourite Christmas Song」についてアンケートしています。お返事が来れば、発表します。お楽しみに!
 なお、読者の方のなかにも、以下のチャート見て、自分の「Favourite Christmas Song」が入ってないじゃないかという方は、ぜひこちらにメールください(ele-king@dommune.com)。お名前(匿名)、アーティスト名/曲名+コメントでお願いします。火曜日(20日)に締め切らせていただきます。



■30 classic songs by ele-king
1. The Ronettes - Sleigh Ride
2. The Pogues - Fairytale of New York
3. The Ramones - Merry Christmas (I Don't Want To Fight Tonight)
4. John & Yoko And The Plastic Ono Band - Happy Xmas (War Is Over)
5. John Fahey - Silent Night, Holy Night
6. Cocteau Twins - Frosty the Snowman
7. Slade - Merry Christmas, Everybody
8. Jackson 5 -Santa Claus is Coming to Town
9. Booker T & the MG's Jingle Bells
10. Yello - Jingle Bells
11. St Etienne feat. Tim Burgess - I Was Born On Christmas Day
12. Manic Street Preachers - Ghost of Christmas
13. James Brown - Go Power At Chirstmas Time
14. Ray Charles - That Spirit of Christmas
15. Wedding Present - No Christmas
16. Donny Hathaway - This Christmas
17. Bright Eyes - Blue Christmas
18. Miles Davis - Blue Christmas
19. The Kinks - Father Christmas
20. The Yeah Yeah Yeahs - All I want for Christmas
21. The Fall - No Xmas for John Quays
22. Johnny Cash - I Heard The Bells On Christmas Day
23. Stevie Wonder - -Christmas Time
24. The Supremes - My Christmas Tree
25. The Beach Boys - Little Saint Nick
26. Duke Ellington - Jingle Bells
27. XTC-Thanks For Christmas
28. Tom Waits & Peter Murphy - Christmas Sucks
29. The Only Ones - Silent Night
30. The Ventures - Christmas Album

●鴨田潤(イルリメ)

Paul McCartney - Wonderful Christmas Time
4年前、MXテレビの「5時に夢中」を見てたらエンディングテーマとしてこの曲が流れ初めて知り、好きになりました。シンセの音色が何というか、家庭的で良いです。

●大久保潤(大甲子園/Filth/メディア総合研究所)

Wizzard - I Wish It Could Be Christmas Everyday
Slade - Merry Christmas, Everybody
Gary Glitter - Another Rock 'n' Roll Christmas
T.Rex - Christmas Bop


一番好きなクリスマスソングは断然少年ナイフの「Space Christmas」だし、先日のライヴ・レポートにも書いたように「Sweet Christmas」も大好きなのだけれど、ちょっと違うのを挙げて見ます。シャッフルと相性がいいのか、グラム・ロックにはいいクリスマスソングが多いのでその中から4曲。ウィザードは定番中の定番ですね。すかんちがやってたカヴァーもよかった(まあコピーですが)。スレイドはサビのシンガロングがライヴだとさぞ大合唱であろうこれまた定番曲。ゲイリー・グリッターはシャッフルではなくロカビリー調なのだけど、軽快にスウィングせずにドタバタしたノリになるのがこの人の味。そしてT.Rexはたしかマーク・ボランの生前にはリリースされなかった曲。「T.Rex'mas」というフレーズも決まった楽しい曲です。

●タバタミツル(ZENI GEVA, ACID MOTHERS TEMPLE, LENINGRAD BLUES MACHINE、e.t.c...)

Caetano Veloso - In The Hot Sun Of A Christmas Day
実は今週の17日〆切りで「きよしこの夜」をソロで録音し、とあるポルトガルのネット・レーベルに送らなアカンのですが、まだ一音も録音していません! パニックなう! ホンマやったらそれを推したいところですが、まだ存在していないものを推す訳にはいきません(笑)。というワケで、「私の好きなクリスマス・ソング」はこれです。ブラジルは南半球で季節が逆ですから、こういうタイトルになったのでしょうね。ロンドン亡命中のアルバムの曲なので、望郷の念もあるのかもしれません。嗚呼、一度でいいから真夏のクリスマスを体験してみたい。サンタの格好でサーフィンしてやる。

●五十嵐慎太郎

James Brown - Funky Christmas(Album)
ワムや山下達郎等は今でも聞きますが、偉大なSOUL of GODの命日でもあるので上記のアルバムを選ばせてもらいました!

●鎌倉慎治

スチャダラパー - Santaful World
クリスマスと聞いて思い出すのはこの曲くらいです。この時期にちょっと聞きたくなって家の棚を探すけど、なかなか見つからないのが恒例で、持ってなかったということに毎年気づかされるのです。

●ひろぽん(某レーベル)

Mariah Carey - All I want for Christmas is You
「Last Christmas」と迷いました。直観的には大嫌いな類の音楽のはずなのに、実際にこの曲を聴くと年の瀬の実感が湧き、師走の中にも幼少のクリスマスの良き思い出と共に平穏と幸福感がナゼか訪れる。

●三田 格

レジデンツ - ダンボ、ザ・クラウン(フー・ラヴド・クリスマス)
これは初めて聴いた時から耳に入り込んで心臓に達してしまいました。レジデンツは「サンタ・ドッグ」を何回もレコーディングし直してるし、何かこだわりがあるとしか思えませんなー。「戦場のメリークリスマス」やシュガーキューブス「バースデイ(クリスマス・リミックス)」も好きですけど。

●西岡由美子(Americo)

飯島愛 - あの娘はハデ好き
聴くたびに泣いてしまう曲です。歌詞はご本人のペンによるもの。この曲が収録されたアルバム『なんてったって飯島愛』はクリスマスをテーマにしたファーストにしてラストアルバム。モータウン歌謡、ボッサ歌謡、モノローグ...愛さんの臆病さと果敢さが入り混じったヴォーカルがかっこいいです。

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●world's end girlfriend (Virgin Babylon Records)

Bing Crosby & David Bowie - Peace on Earth / Little Drummer Boy
1977年、テレビのクリスマス特番でBing Crosby とDavid Bowieが共演し、あまりの評判の良さにシングル化されたもの。唯一無二の声を持つ二人の唄が絡み合う瞬間、互いの個性が打ち消し合うことなく奇跡的に共鳴し神聖な空気に充ちる。

●DJ YOGURT(UPSET REC)

Keith Richards - Run Rudolph Run
Chuck Berryのオリジナルよりキースのカバーの方が好き。PoguesのFairytale Of New Yorkとどちらを挙げるか迷ったけど、Poguesの方は誰かが挙げると思ったし、2011年はキースの読み応えたっぷりの自伝「LIFE」も出たことだし、でキースの78年リリースシングル曲をチョイス。マライアキャリー等が歌っているような典型的なXmas Songに漂う華やかさは嫌いじゃないけど、自宅でPoguesとKeith以外のXmas Songのレコードを聴くことはほとんど無いかも......

●太田真司(Hostess)

R.E.M. - Christmas Griping
今年、惜しまれつつも解散してしまったR.E.M.。僕の青春のバンドです......。実は毎年ファン・クラブ会員向けにクリスマスに彼らのお気に入りのクリスマス・ソングをプレゼントしていたのですが、1991年に初めてオリジナルのクリスマス・ソングを発表したのがこれ。ファンになった当初は、聴く術も無かったのですが、今では進みまくったNET文化のおかげで、過去の貴重な音源を聴くことも簡単に。『Out Of Time』と『Automatic For The People』のリリースの間の、超人気絶頂期だった当時のR.E.M.。そんな彼らが、メンバーの家族やマネージャーも参加させて、かなりリラックスして作りつつも、歌詞は彼ららしい皮肉の効いた楽曲です。
曲はこれ↓ 

●三船宏志(恵比寿リキッドルーム)

TICA - WONDERFUL CHRISTMAS TIME
JINTANA & EMERALDS - Last Christmas

ともに良いカヴァーです。

●シュンタロウ

Big Star - Jesus Christ
ギターフレーズが降らせる雪の中で、アレックス・チルトンが消え入りそうな声で「Jesus Christ was born today.」と歌う。たまんねーっす。アメリカの田舎でひっそりと過ごすクリスマスって感じです。

戸張大輔 - 無題6(ドラム)
日本の感受性豊かなニートのクリスマスです。大学生受けが良さそうです。

The Flaming Lips - Christmas at the Zoo
頭のおかしい奴の最高にハッピーなクリスマスっす。

●WHY SHEEP
「以下、ホワイ・シープの"クリスマス・ソング講座"」

David Sylvian & Ryuichi Sakamoto - Forbidden Colours

つまり「戦メリ」なんだけど、原曲もいいがやっぱりこっちのほうがいい。David Sylvianと教授は本当に良い組み合わせだと思う。この曲は真の意味でのコラボで上に乗せた歌の旋律は全部David Sylvianが作ってるわけで、この単純なコード進行の上にこれだけ豊穣な旋律を乗せていることを聴き取って。

The Three Wise Men (Aka XTC) - Thanks For Christmas

XTCってアンディー・パートリッジのことばっかり語られるけど言ってみれば彼はbeatlesにおけるジョン・レノンであって、旋律を作る才能はコリン・モールディングのほうが格段に上。つまりマッカートニー。

Band Aid - Do They Know Its Christmas
これによって「音楽って本当に世界を変えられるかも?」と思わせてくれた。今となっては音楽やってるどうかもわからない人も参加してるけど。ハイライトはBonoとStingのかけあいでしょうやっぱり。まだ覚えてるけど高校生のときに発売日に茅ヶ崎のレコード屋に開店前かけつけて買った。ちなみに12 inchにのみ収録されたいたExtend Mixは参加アーティストのインタヴューが収録されていて、参加してもいないのにDavid BowieとPaul McCartneyのコメントが入っていた。あいつら大御所すぎて当時は斜陽だったBob Geldofなんか相手にしてなかったんだろうな。後で後悔したことだろう。Bowieは天才に間違いないが偽善者だと思う。参加してないくせにあのコメントはない。

David Bowie - When The Wind Bolws
原爆アニメ映画「風が吹くとき」のタイトルトラック。どうしてクリスマス・ソングとして扱われているかというと、映画の原爆が爆発した日がクリスマスだから。プロデュースはピンク・フロイトのロジャー・ウォーターズ。クラシカルな曲調に声帯ブルブルのBowieのテノールがよく合ってる。311以降1ヵ月はずっとこの曲を聴いてました。映画もお勧め。自分と同じ庶民というのはどれだけ情報統制下にあるのかということを思い知らされる。

David Bowie and Bing Crosby - Little Drummer Boy - Peace On Earth
当時イケイケだったBowieが大御所Bingに対等に挑んでるところはすごいと思う。もともとテレビの企画でやったもので、寸劇の中でやったものが素晴らしい出来なのでレコードになったもの。フル・ヴァージョンはそのドラマセリフもついてます。近所に住んでるBowieがピアノの音が聞こえたというのでBingの家をいきなり訪問したという設定。会話も洒落てます。

John Lennon - Happy Christmas
たぶんこれが20世紀に作られたクリスマス・ソングではナンバーワンなんだろうな。早くこの詩が歌ってるような世界になりますように。それ以上は、この曲については語ることがないというより語りたくない。

Chris Rea - Driving Home For Christmas
名曲とまでは言えないけど、いいよねこういうホームランを狙わない謙虚さ。クリスマス休暇に合わせて家に車を飛ばす中年男の気持ちを歌ってる曲。PVもそれに合わせて作ってた。彼の中ではOn The Beachの次にヒットした曲じゃないかな。

Billy Joel - Nobody Knows But Me
彼の作ったたぶん唯一のクリスマス・ソング。クリスマスに関することは曲中一切言ってないけど。後もう1曲、「She's Right On Time」ってのがあるんだけどこっちはそこそこ。、『n Harmony 2』Iというクリスマス企画盤にのみ収録された曲です。レコードでしか出てないはず。持ってることが自慢。なぜいいかって? billyだから。

The Pogues - Fairytale Of New York
これもタイトルにはクリスマスはないけど詩の内容でクリスマスの情景とわかります。男声女声のかけあいがいい。Irishな感じもいい。

Paul McCartney - Wonderful Christmas Time
ジョン入れたらこれ入れないわけにはいかないよ。名曲であることは間違いない。ジョンと対照的に何の思想もないところがPaulらしくてかえっていいのかも。

Paul McCartney - All Stand Together
これもPaulらしさ全開。名曲とまでは言えないが、全編、オーケストラと動物の鳴き声だけというのはすごい!

The Beatles - Christmas Record (1963-1969)
Beatlesって公式のクリスマス・ソングはないと思うのだけど、これはBeatlesがファンクラブの為に毎年出していた限定レコード。曲というよりコント劇なんだけど、1968のヴァージョンの冒頭は「Christmas Time Is Here Again」という、「All Together Now」に似た曲を披露してます。どの年のか忘れたが皆でべろべろに酔っぱらって「Yesterday」のパロディーやってるのがハイライト!!!

佐野元春 - 聖なる夜に口笛吹いて-Christmas Time in Blue
佐野さん入れないわけにいかないでしょう。やはり元代理店だけあって、マーケッティングを考えすぎてるところは今考えると残念だけど曲は良い曲です。ジョン・レノンへのオマージュです。

山下達郎 - Christmas Eve
なんだかんだ言って、日本人の作った最高のクリスマス・ソングはこれだと思う。途中のコーラルのパートがなかったら違うかもだけど。そういう意味では日本人版のボヘミアン・ラプソディーだ。つまり誰にもカバーできないってこと。

ぷっちモニ - ぴったりしたいX'mas
つんく♂を侮ることなかれ。冒頭の「素敵な人出会いますように!」が「サンタが街にやってくる」の引用であることにどれだけの人が気づいただろう?そしてキャンディーズへのオマージュ。感動はしないが良くできた曲。モー娘はAKB48よりずっとおもしろかった。

ここからはスタンダード・トラック
Wynton Marsalis - O Come All Ye Faithful 神の御子は今宵しも
Wyntonはトランぺッターですが、これはピアノだけ。スタンダードだけど、この曲の一番好きなヴァージョン。一人でイヴを過ごす人はこれを聴いてください。

Little Drummer Boy - Silent Night
Auld Lang Syne /Jimi Hendrix-Silent Night
腐っても鯛。ラリっててもジミヘン!素面で弾いてるわきゃない!!!

Lauryn Hill - Little Drummer Boy
スタンダードのクリスマスソングを自己流に解釈しているという点においてこの曲はいままでで最高でした。時代は過ぎても色あせないアレンジ。そして歌唱法。

Stevie Wonder - Ave Maria (Someday At Christmas)
これは自己流の解釈というよりアフロ・アメリカンにどうしてもなってしまうんだろうけど、シューベルトが聴いたらどう思うんだろうか。僕は子供の頃から聞かされすぎて意味はまったくわからないのにラテン語でソラで歌えますが、スティーヴィーのこれを聴いたときはぶっ飛んだ。素直に負けを認めるしかない?

Eagles - Please Come Home For Christmas
これも名曲。ずっとEaglesのオリジナルと思ってたら違うらしいんだけど、ほとんどオリジナルみたいになっていて、再結成コンサートでイントロが流れた途端オーディエンスが狂喜していた。アメリカ大陸に渡ったクリスマス。切ない曲です。

Why Sheep? / Somewhere At Chrismas
最後に持説を。クリスマス・ソングというのは一人のアーティストが一生に一回だけ作っていいものなんだ。本当に優れたアーティストは2回ぐらいまではやっていいけど。つまりそれだけ満を持して、渾身の一作を作らないといけない。手前味噌でなんですが...自分がいままで作ったメロディーの中でもっとも美しいメロディーだったのでクリスマスソングにしました。Why Sheep?ならではのWorld Musicの果てにあるクリスマス・ソング。レヴィ=ストロースに捧ぐ。次のアルバムの収録予定だけど、クリスマスだけこれを読んでくれた人に限定公開します。
https://soundcloud.com/why-sheep/somewhere-at-christmas/s-r8jFf

(補足)
大切なことを言うのを忘れてました。
いいかい。君がもし敬虔なクリスチャンじゃなくて、恋人もいなくて、家族からも離れてて、クリスマスもイヴも一人っきりですごさなきゃいけないと しても、だからってファック・オフ・クリスマス! なんて思わないでほしいんだ。たとえば日本のバレンタイン・デーが製菓メーカーが都合よくでっちあげた イベントだって話がある。なるほどそうかもしれない。だけどそれがどうだっていうのさ? 便乗して金儲けしたいやつらには今のところはさせておけばいい。
日本のバレンタイン・デーは日本人みたいなシャイな連中がきっかけつけて愛を告白できる日じゃない。クリスマスも同じことなんだ。しかもクリスマ スは恋人限定じゃない! クリスチャンかどうかなんてことは関係ない。ジョンだって誰にも当てはまるように歌ってるじゃない。人間だから、どんなにがん ばっても許せない人がいてもおかしくない。それが人間ってもんだ。
だけど、1年のうち1日だけは全部許す日があってもいいじゃない。次の日からまた憎らしくなるとしてもきっと以前よりなにかが少し変わってるはずなんだ。

●Anchorsong

モグワイ - クリスマス・ステップス" (from "Come On Die Young")
クリスマスの華やかさと一切無縁の男臭さがいいかなと。

●YODA (HORIZON / SLYE RECORDS)

The Kinks - Father Christmas
クリスマスソングといえばパンクの嵐が吹き荒れてた1977年リリースのこの曲、もうすっかり大人になってしまったレイ・デイヴィスが若者にむけたクリスマス・ソング。でもちょっとひねってあるところがキンクスです。この曲はシングルのみの発売でB面のタイトルは『Prince Of The Punks』。

Furyo - Kayashi
そして1998年以降からずーっと12月1日から12月24日までの間でDJがある時にかけているのがこの曲。今はなきAdditiveというレーベルから、多分ドイツの人による戦メリのカバーです。Furyoというアーティスト名もKayashiという曲名もまったく意味不明だったのですが、調べたら映画『戦場のメリークリスマス』の英語タイトルがFuryoでした、これは俘虜ってことですね。なるほど。

●鷲巣功(静岡ロックンロール組合/首都圏河内音頭推進協議会議長/高校の先輩)

 お前、なに今頃こんなことやってんだ。こういうのは10月校了、11月中の発売だぞ。その昔、バッドニューズから「ベスト100クリスマス・レコード」というのを出した事があった。内容はかなり自信があったけど、出来上がったのが12月20日頃で、当然売れなかった。売る期間がなかったのである。FMディレクター時代にも「わたしのトップ・テン」という番組でクリスマス盤の特集を企画した。パイド・パイパー・ハウスの紹介で杉本ユキコという人に来てもらって、奇盤、珍盤ほかを紹介した。確か一位が大瀧詠一の「クリスマス音頭」だったはず。この時、彼女に一緒についてきたのがまだ世に出る前の湯浅学だったと記憶している。
 さて、わたしのはチップマンクス クリスマス・チップマンクス(東芝EMI TOCP-67281)だ。クリスマス物はノヴェルティ・レコード収集の第一段階だ。いろいろと思い出深い物がたくさんあるが、今日はこれにしておこう。この時期になると、シャイ・ライツの「ハヴ・ユーン・シーン・ハー」と「北風の中で」を聞きたくなる、という現象もなぜか起こる。さあ、もう2012年だ。

●二木 信

井上陽水 - お願いはひとつ
「ジキル、ハイドまでがクリスマスプレゼントを買う/野外音楽場の外で/子供達の歌う賛美歌にも賛美されない」 こんなシュールな歌詞を意味もわからず歌いまくってた小学生の頃から、クリスマスになると、この曲が頭の中をループしてウキウキします。この曲が入ってる『LION&PELICAN』は音も歌詞もかなりユニーク。宮沢賢治を皮肉る「ワカンナイ」も面白いし、沢田研二のために作った「背中まで45分」のセルフ・カヴァーなんて極上のアンビエント。カラオケ行きたくなってきた~。

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●ママケーキ(静岡県)

K Foundation - K Cera Cera (War Is Over If You Want It)
エレキングと言えばKLFでしょう!イスラエルのレーベルからシングルが出てて中身はマッシュアップの合唱という謎盤。youtubeでしか聞いたことない

Captain Sensible - One Christmas Catalogue
ニューウェーブの可愛らしいクリスマスソングだけどビデオ見たら意味深だった。ポーグスももちろん好きですが。一昨年くらいにバンプオブ某というバンドが丸パクリしててその元曲とかけ離れたキレイ事っぷりに心底腹が立ちました。

●Photodisco

Darlene Love - All Alone On Christmas
映画『ホーム・アローン2』挿入曲。子供の頃、映画『ホーム・アローン2』を観て知り、毎年この季節になると聴いているクリスマス・ソングです。バブルが愛おしいです。

●田鹿 健太( リトルテンポ、GOMA & The Jungle Rhythm Section )

Omara Portuondo & Chucho Valdes"OMARA & CHUCHO"
今年10月、僕が18年間お供しているラテン歌手、よしろう広石の歌手生活55周年記念コンサートがあった。その時のスペシャルゲストが、ブエナビスタソシアルクラブのディーバ、オマーラポルトゥオンド。この日のためにキューバから駆けつけてくれた。
僕は幸運にも、彼女とは三度目の共演。いつも自由かつグルーヴィ。とてつもなくおおらかでありながら、オチャメで乙女な彼女にいつも感動させられる。この日も、ステージを観たみんなを虜にしたに違いない。
そんな彼女の歌が堪能できる、僕が一番好きなアルバムがこれ。イラケレのリーダー、チューチョのピアノと二人きりで録音されたこの作品。喜び、怒り、哀しみ、出逢い、別れ......。彼女の生きざまがのりうつったかの様な歌を、ぜひ聴いてください!

●松村正人

Roland Kirk - Christmas Song
 このメル・トーメのカヴァー曲は晩年期だけあって、往年のこってりした感じと較べると精彩を欠くが、カークらしい茶目っ気は健在である。二歳で 盲目になって、この二年前に脳溢血よる半身不随から復活した。私はこの時期どうしてもローランド・カークを聴きたくなるのは、その生命力に鼓舞され、たん に黒人音楽としかいいようのない昂揚感が南国うまれには寒すぎる冬をあたたかくするからかも。カークはどれもクリスマスにぴったりだと思うんですけど ねー。

●加藤綾一

GOING STEADY - 銀河鉄道の夜
彼らにとってのクリスマス・ソングと言えば、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』的な敗者のロマンティシズムがむせ返るほど充満している「惑星基地ベオ ウルフ」がそれに当たりますが、でも今回はこちらをセレクト。銀杏BOYZのスロウなヴァージョンも、続編となる「第二章~ジョバンニに伝えよここにいる よと」もすごくいいんですけれども、GOING STEADY時代のこちらのヴァージョンは、コーラス部分で松任谷由実の「守ってあげたい」のメロディをモロになぞっていて、ぐっときます。特にクリスマ スについて歌っているわけではありませんが、間奏のギター・ソロはかのバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」からの引用だったりしますし、(僕はクリスチャ ンという訳ではないですけれども)便乗して、この曲を聴きながら誰かに想いを馳せるというのも悪くないんじゃないかなと思います。あとは仕事帰りに売れ残 りのケーキとビールでも買えれば御の字です。

●沢井陽子

The Music Tapes Covered Louis Armstrong - Is Zat You Santa Claus」
Natalia paruz - HARK! An angel sings
John zorn -ツ黴€ Dreamers Christmas

クリスマスソングは、このあいだのミュージック・テープスのキャロリングで、最後にプレイしていた、面白いサンタ・ソングがあり、それが好きだっ たので、曲名を聞くと、「Is Zat You Santa Claus?」。ルイ・アームストロングのバージョンに影響を受けたらしい。
アメリカにいると、日本ではあまり知らない、本場(?)のクリスマス・ソングがたくさん聞けて楽しい。先日、アザーミュージックというレコード店 に行って、店員に「クリスマス・ソングでオススメある?」と訊いたら、うーん、としばらく考えた後、「シンギングソウでクリスマス・ソングをプレイしてい る素敵なアルバムがあるよ」と言われたので、「もしかしてこのあいだ見た、ミュージック・テープス?」と期待したら、ナタリア・パルズという女の人だっ た。「このクリスマスアルバムは、ほとんどが誰でも知ってるクリスマス・ソングをカバーしている、僕が好きなのは1、2、3番目と......彼女はすごいよ」と 熱っぽく説明してくれた。
今年出たクリスマス関連リリースは、アザーミュージックではジョン・ゾーンの7インチしか見つからなかった。定番だしもうネタがないのかな......。クリスマスだからって、クリスマス・アルバムを出す時代が終わったのかな。

●YYOKKE / ODA / NITES / TSKKA (CUZ ME PAIN)

Nite Jewel - All I Want For Christmas Is You
NITE JEWEL、まさかのマライアをカバー。2010年の暮れには誰もが予想してなかったと思われるこのギャップ感は心踊ります。7インチのみ収録というところが特別感があって更に良いですね。

●NHK'KOYXEN (SKAM/RASTER-NOTON/PAN)

Martin Neukom - Studie 18.9 - (Domizil 2007/2008)
好きなクリスマスソングとか、わからなかったですが......。

●木津 毅

The Flaming Lips - White Christmas
以前年下の女の子に「何歳までサンタクロースを信じてました?」と聞かれたとき、「いまでも信じてるよ!」と元気良く答えたら「ああー」と気の毒そうな顔をされたことがありますが、恰幅のいいヒゲのおじさんが愛を届けにやって来る......と信じたいのは本当です。
そういうわけでクリスマスに(サンタに)オブセッションがある僕は大抵のクリスマス・ソングは好きなのですが、それはザ・フレーミング・リップスの影響かもしれません。彼らほどクリスマスを繰り返しモチーフにしているバンドもいないと思うのですが、それは「サンタクロースを信じる心」と彼らのサイケデリアの哲学がよく似ているからでしょう。彼らならではの頭のネジが数本吹っ飛んだような"ホワイト・クリスマス"はライヴでよく披露されますが、ヘロヘロで感傷的で優しく、あまりにドリーミーで泣きたくなります。フロントマンのウェイン・コインが中心に作った自主制作映画『クリスマス・オン・マーズ』もすごくて、前半はほとんど悪夢のようなバッド・トリップのイメージの連続。でも、そこにこそサンタクロースはやって来るんです! エイリアンですが。
今年も僕はサンタクロースを待つことにします。良いクリスマスを!

●宍戸麻美(Qetic)

戸川純 - 降誕節(84年Yenレーベルコンピ「We Wish You A Merry Christmas」より)
クリスマス・ソングというテーマに意外と苦戦......ということでカバーーソングで考えてみました。正直、John Zorn クリスマスコンピにあるマイク・パットンが唄う"The Christmas Song"と迷ったのですが、やはりここは女性脳で考えて戸川純さんの"降誕節"かなと! クリスマス賛美歌の"荒野の果てに"をカバーしているのですが、イノセントワールド全開な戸川さんの少女声(ボーカル)と途中にはいってくる打ち込みのリズムが単なる賛美歌カバーとは思えない。病みつきになる1曲です!

●金沢俊吾

Vaughn Monroe - Let it snow
ロマンチックで甘く切ないクリスマスのイメージが築かれるのに、クリスマスソングは大きな役割を果たして来た。その中でも、元祖のひとつであり数多くのヴァージョンが存在する"Let it snow"だが、リリックに直接「クリスマス」といったワードは出てくることはない。描かれているのは、雪の降る夜に暖炉を挟んだ男女の甘い駆け引き、それのみだ。
だが、これは僕に取ってクリスマスソング以外の何ものでもない。なぜなら、そのメロディとブラス、そして軽やかと物鬱げの境界線に立ったボーカルが、「ロマンチックで、甘く切ない」クリスマスのイメージを、そっくりそのまま映しているからだ。映画『ダイ・ハード』でパーティーのシーンにこの曲が使われるのも、季節がクリスマスなのだと誰もが一瞬で感じ取ることが出来るからに他ならない。「クリスマス」というリリックや、ベルサウンドなんか無くても、この曲はどんなクリスマスソングよりも強く、僕の脳内にクリスマスのイメージを流し込んでくる。

●野中モモ(Lilmag)

Sparks - Thank God It's Not Christmas
Pet Shop Boys - It doesn't often snow at Christmas


「ポピュラーな日、ポピュラーなやりかた
それは選ばれし者のためのもの
僕や君のためじゃない あきらかにね」(Thank God It's Not Christmas)
35年以上前の曲ですが現在も古びずロマンティックですね!

「クリスマスのメッセージなんてとっくの昔に消え去った
いまじゃショッピングと何がいくらするかの話ばかり
善意もあるけど作り物のお楽しみ、
クリスマス・ナンバーワンがどの曲か
クリスマスに雪なんて滅多に降りゃしない
本来そうあるべきなのに
でも僕はクリスマスに胸が熱くなるのさ
だって君といっしょだから」(It doesn't often snow at Christmas)
イギリスではクリスマスの週のヒット・チャートが、言ってみれば日本における紅白歌合戦のように大きな注目を集めます。賭けの対象になったりして。2000年代半ばからテレビのオーディション番組の優勝者がクリスマス・ナンバーワンを攫う年が続きました。これを阻止すべくレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンがSNSを利用したキャンペーンを張り、2009年に見事"Killing in the Name"をナンバーワンに送り込んだのを記憶しているかたもいらっしゃるのでは。あの年、ペット・ショップ・ボーイズもクリスマスEPをリリースしていたのでした。失われたクリスマスの意義、失われたブリティッシュ・ポップの輝き、でもほらこうして生きているじゃない。残念ながら40位という結果に終わってしまいましたが、俗で安っぽくて貴くて私は大好きです。

●橋元優歩

ベンジャミン・ブリテン作曲『キャロルの祭典』より"ゼア・イズ・ノー・ローズ(There is no rose)"

名演をユーチューブで見つけることができませんでしたが、この曲については少年少女による演奏が好ましいというのが私見です。声変わりする前に歌いたかったクリスマス・ソング。けれどTranseamus/Alleluia/Resmiranda/Pares forma/Gaudeamus/Transeamusというラストのくだりなどは、もし今やるならジェイムス・ブレイク以上に似つかわしいアーティストはいないでしょう! ぜひこの曲にビートを入れてほしいです。

●渡辺健吾

鈴木さえ子 - I Wish It Could Be Christmas Everyday
キリストより1日早く生まれたけど、まぁガキの頃からそのおかげでクリスマスなんてめんどくせぇ! とかしか思えなかった。だから、クリスマス・ソングなんてものも、煩いだけであった。唯一好きで繰り返し聴いたのは、鈴木さえ子のデビュー盤『毎日がクリスマスだったら...』(83)のタイトル曲、「I Wish It Could Be Christmas Everyday」。デビュー当時の鈴木さえ子は素人っぽいキュートな声と宝石箱のなかで遊んでるようなキラキラしたサウンド(当時の夫、鈴木慶一との共作)の融合がとってもフレッシュでファンタスティックだった。アルバム全体を通して偏執的な凝った音作りとポップさのバランスがすばらしいんだけど、少し強迫的なリズムで次々表情変えながらもリリカルさを失わないこの曲は、特にサイコーなんである。去年のクリスマスに、ご本人が「クリスマスの日には世界の戦争も休止するのです。私なりの反戦歌なのです」とツイッターでつぶやいていて、かつて子供なりにこの不思議な歌詞の世界には何が隠されてるんだろうなんて思ってたわけだけど、そういう背景だったのかとかなりびっくり。同時に、リリースからこんなに時間がたってるのに、アーティスト本人からこんな裏話を聞けるなんてインターネットすげぇ! なんて無邪気に喜んでしまいました。

●SUMMIT

山下達郎 - クリスマス・イブ
メロディが好きですね。
色々考えましたがこれが一番です。

●Lil MERCY (PAYBACK BOYS / Los Primos)

CRACKS BROTHERS - BAD SANTA (cracks christmas)
今年の冬はこの曲をもらってから、ずっと聴いてました。あとは知らないってこと。CRACKS "MF" メリークリスマス SHIT。

●安孫子真哉(銀杏BOYZ)
 
浜田雅功と槇原敬之 - チキンライス
しんしんと雪が降り積もる東北のクリスマス。古い木造の一軒家。
不似合いなクリスマスケーキに照り焼きチキン。ブラウン管からドリフ大爆笑。
家族と静かに過ごす。サンタさんに欲しいおもちゃなんか書いた手紙に十円玉をのせて布団に入る。
翌朝、目が覚めるとそこにはおもちゃは無く、赤と白の靴下の形をした箱にお菓子が入ってる。
子供の頃のクリスマスは大体いつもそんな感じ。
相変わらず大人になってもクリスマスは出来るだけ街の喧騒には入らず家で静かに過ごしたい。
そんな時頭の中でふと再生されるBGM。

●チン中村(銀杏BOYZ)
 
the ピーズ - クリスマス
最初に浮かんだのがこの曲でした。
「終電 線路にヒトが落ちる」からはじまるこの曲が僕にとっては
東京のクリスマスにしっくりきます。
なんかギリギリで、やさしいです。

●ハヤカワ(KIRIHITO、高品格、Jajouka)

ARB - ブラッククリスマス
高円寺のレンタルビデオ屋で"さらば相棒"借りて観ようかな...。

●DJ END(B-Lines Delight/Dutty Dub Rockz)
 
RSD - SNOWMAN
クリスマス・ソングを意識する粋な習慣は全くなく悩んだあげく、Bass的にコレを(ソングじゃなくてすいません)。昨年冬にRSD師がおすそ分けしてくれたクリスマス・スペシャル・ダブ! 今年はプレイ出来そうにないですが、いつかこんなトラックをカッコよくプレイしてみたいもんです。

●山田蓉子
 
Zooey Deschanel and Leon Redbone - Baby It's Cold Outside
大好きなおバカ・クリスマス・ムービー「エルフ-サンタの国からやってきた」の中でズーイー・デシャネルがシャワー・ルームで歌っているところに、歌につられて侵入してきたウィル・フェレルが歌をかぶせてきてズーイーちゃんに「出て行けスケベ!」と怒られるシーンで使われてました。ウィル・フェレル作品にしては心温まるヌルいラストは別にして、なかなか笑えるし、ズーイーはかわいいし、「サウンド・オブ・ミュージック」と対極をなす私のお気に入りのクリスマス・ムービーです。サントラではレオン・レッドボーンとの渋さ倍増デュエットで収録されてます。

●Alex from Tokyo (Tokyo Black Star, NYC)
 
Coati Mundi - No more X'mas blues (Rong music)
NYCの伝説バンドKid Creole and the CoconutsのCoati Mundiによる「今年こそはサンタを捕まえていいX'masを迎えるぞう!」的なお笑いクリスマス・ディスコ・ソングです!  2009年のX'masにリリースされてから毎年プレイしている大好きなヒューモラスなパーティX'mas ディスコです。

●Eccy(Slye Records / Milk It)

Jun Kawabata - Equinox
友達が5年前くらいにユニオンでなんとなく買ったこのCD、アーティストの情報も全く分からないし、音も激悪いんですが、個人的な思い出がつまってる曲です。

●YOHEY

Mark Mothersbaugh - Joyeux Mutato
毎年必ず聴いている1枚です。大好きなクリスマス・ソングは他にもたくさんありますが、音色に関してはこのアルバムが一番理想のクリスマス!

New Years Eve Party - ele-king

 年末年始といえばパーティ。都内のいろんな会場では気合いのはいりまくったイヴェントがあるようです。みなさんは2012年をどこで迎えますか? ハシゴする強者もいますよね。リキッドルーム→恵比寿ガーデンホール→明治神宮で初詣というタフな年末年始は若さの特権ですよ。ぜひ、挑戦しましょう。
 以下、恵比寿リキッドルーム、リキッドロフト、そして恵比寿ガーデンホールの年末年始パーティを紹介します。ほかにも渋谷のヴィジョンではデリック・メイ+ジェフ・ミルズなんていう贅沢なパーティもあります。
 迷う必要はありません。自分がいまもっとも好きな音楽が聴けそうな場所に行くべきです。それが最高の年明けです。


■liquidroom presents 2012LIQUID

 東京のカウントダウン・パーティは数あれど、ここまで徹底的に日常から遠く離れたところまで続いて行くパーティはない。そう断言してしまおう。これはカウントダウンにかこつけて開催される"ショーケース・コンサート"ではない。100%混じりっけなしの、1年で特別な日を遊び尽くすための"パーティ"だ。
 大晦日の夜から、その年の初めての太陽が完全にその姿を消す頃までテクノの重いキックがリキッドルームのメインフロアには降り下ろされ続ける。巨大モニターには、宇川直宏をはじめとするVJたちによる映像がスパイスのように明滅する。カウントダウンは前後はもちろん、その年はじめての太陽がしっかりと顔を出す時間になっても、他のダンスフロアを閉め出された遊び足らない人々、もしくはこれから参戦する人々が、初詣へ行く人々をすり抜けてゾンビのように集まってくる。気合いの入ったパーティ・ピープルたちは自分の限界を試すかのように終着地として遊び続ける。試しに通常のパーティが終わるぐらいの明け方に家に帰り、少々の睡眠を取って午後にもう一度来てみるとイイ。おそらく、まだまだパーティは終わることなど微塵も感じさせずに続いているはずだ。もう、新年を祝うのか、どこでなにをしているのかよくわからない、そこまでくると、年をまたいだ狂乱のカウントダウンもはるか昔のことのように思える。もはやそこに日常はない。フロアには、どん欲にその場を楽しもうとする膨大なエネルギーが渦巻いている。それを作り出すテクノのビート。そして2FのLIQUID LOFTでは、今年も宇川直宏のdommuneが仕切る、東京のクラブ・シーンのオールスターたちのプレイも聴くことできるはずだ。もう、どうしようもない。クレイジーにも程がある。
 ほぼまる1日にわたる祝祭のメインフロアを司るのは、石野卓球、田中フミヤ、DJ NOBUのたった3人。さまざまな豪華ゲストが1時間前後で入れ替わり出演するカウントダウン・パーティが主流のなかで、ロングプレイを中心とするこのスタイルは、昨年からDJ NOBUが加わった以外は、新宿歌舞伎町時代の後半から10年以上も続けられている。彼らのプレイは1ヶ月か2ヶ月、東京で過ごせばいつでも聴けるDJたちだ。しかし、ひとびとその場所で鳴らされる彼らのDJを求めて集まってくる。それだけこのパーティは特別で、ある意味で儀式めいた魅力を放っているとも言える。そこに行けば、毎年のように、なぜここまで人を吸い寄せる、ここまでの狂った宴が繰り返されるのかわかるはずだ。(河村祐介)

featuring Artists
Takkyu Ishino
Fumiya Tanaka
DJ NOBU (FUTURE TERROR)

VJ:
DOMMUNE VIDEO SYNDICATE
[宇川直宏+KRAK+DVIDEGIRLS+AKIYOSHI MISHIMA+HEART BOMB]

■LIQUID LOFT x DOMMUNE presents
「HOUSE OF LIQUIDOMMUNE 2012!!!!!!!20HOURS!!!!!!!」
C:O:U:N:T:D:O:W:N & C:O:U:N:T:U:P Special !!!!!!!!!!!!
(※配信はありません)

featuring Artists:
MOODMAN (GODFATHER)
砂原良徳
DJ WADA (Co-Fusion)
NORI (GALLERY)
川辺ヒロシ (TOKYO No.1 SOUL SET)
DJ TASAKA
A.Mochi (Figure)
瀧見憲司 (CRUE-L)
KURUSU (FUTURE TERROR)
HARUKA (FUTURE TERROR)
DJ YAZI (THINKTANK)
TWIN PEAKS
KURI (BLACKFOREST)
RYOSUKE
KABUTO
Shhhhh (NRBKJ / SUNHOUSE)
KEIHIN (ALMADELLA)
COS/MES
根本敬
agraph[※LIVE]
LUVRAW & BTB[※LIVE]
サイプレス上野とロベルト吉野[※LIVE]

SOUND SYSTEM:
DOMMUNE天変地異ZOUNDSYSTEM!!!!!

HOST:
宇川直宏 & DOMMUNE Crew

2011.12.31 - 2012.1.1
at LIQUIDROOM
access→https://www.liquidroom.net/access/
open/start 21:00 *2F LIQUID LOFT start 23:00
door only 4,000yen *2012.1.1 AM5:00~→2,000yen!!

LIQUIDROOM 03-5464-0800
https://www.liquidroom.net/
https://www.liquidroom.net/schedule/liquidloft/
Twitter @LIQUIDROOM
DOMMUNE
https://www.dommune.com/
twitter @DOMMUNE


■ELECTRONIC TRIBE YEBISU NEW YEAR'S PARTY 2012
supported by MONSTER

fearuring
FRANCOIS K. (WAVE MUSIC/DEEP SPACE/USA)
DJ KENTARO (Ninja Tune/JPN)
Y.SUNAHARA (JPN)
RSD a.k.a. ROB SMITH (Smith & Mighty/UK)
ATAK Dance Hall (Keiichiro Shibuya + evala/JPN)
NICK THE RECORD (Life Force/UK)
GOTH-TRAD (DEEP MEDi MUSIK/Back To Chill/JPN)
RIGHTEOUS (Yabe Tadashi & DJ Quietstorm/JPN)
aus (flau/JPN)
TOWA TEI (JPN)
VJ: SO IN THE CLOUD (JPN)、100LDK (JPN)、LIKI (JPN,HKG)

2011.12.31(Sat) - 2012.01.01(Sun) ALL NIGHT
OPEN 20:30 / START 21:00

YEBISU THE GARDEN HALL/ROOM
東京都目黒区三田1-13-2

¥5,800 (前売券)
¥7,000 (当日券)
¥26,500 (グループ券5枚組セット/枚数限定)※
¥48,000 (グループ券10枚組セット/枚数限定)※
※グループ券はclubberia Online Store限定取扱

https://www.electronic-tribe.com

interview with Anchorsong - ele-king


Anchorsong
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 アンカーソングを名乗る吉田雅昭は、ロンドンで暮らしながら音楽を活動をしている日本人青年だ。本サイトでもたまにUKの音楽事情をレポートしてくれている
 同じコスモポリタンの都市でも、ベルリンやニューヨークと違って、ロンドンは日本人が音楽活動しやすい場所ではない。世界でもっともポップ文化を産業としている国でありながら、いろいろあそこは大変だ。アンカーソングは彼の地で4年も地道に活動している。
 この度、アンカーソングはロンドンのレーベル〈トゥルー・ソーツ〉(クァンティックで有名)を契約を交わし、インターナショナル・デビューを果たした。その作品『チャプターズ』が、彼にとっての初めてのアルバムでもある。
 『チャプターズ』は彼の叙情詩だ。トレードマークであるビートの"生演奏"をもとに、ダンサブルな曲からアンビエント調のものまでと起伏に富んだ展開をみせている。高速で飛ばすミニマル・テクノ、ファンキーなダブステップ楽団、深夜の孤独なIDM、メランコリックなダウンテンポ、壮麗なエレクトロニック・ジャズ......などなど。いままでアンカーソングといえば迫力ある生打ち込みのビートでリスナーの目と耳を集めていたものだが、『チャプターズ』ではメロディも光っている。"ビフォア・ジ・アップル・フォールズ"のように官能的なストリングスの音を活かしたメロウな曲も耳に残る。"デイブレイク"のようなグルーヴィーな曲からも平和的な微笑みが見えてくる。
 ばつぐんにキラーな曲がひとつ入っている。それは"プラム・レイン"という曲だ。IDMテクスチャーと彼のスローなビート、そしてジャズのコードと美しいメロディが重なる曲で、しとしとと降る綺麗な雨を想わせる。最高の状態のアズ・ワンの曲とも似ている。
 ロンドンにいるアンカーソングに話を訊いてみよう。

この国には日本のようなはっきりとした四季の移り変わりがない分、"風情"っていう感覚が希薄なんです。メロディやプロダクションも含めて、そういう日本人特有の繊細なニュアンスがこの曲には含まれているんです。

いま、どんな感じで過ごしてますか? ギグはどのくらいの頻度でやっているのでしょう?

吉田:アルバムが海外でリリースされたばかりで、その反響を楽しんでいるところです。海外ではデビュー作ということもあり、僕のことを最近知ったという人が多くて、日本でデビューEPをリリースしたときのフレッシュな気分を感じています。ギグは平均だと月に2、3本ですが、来年2月からはツアーに出る予定です。今はその準備を進めつつ、新曲を書き溜めているところですね。

2011年の吉田くんにとっての最高の思い出を教えてください。

吉田:やっぱりフル・アルバムをワールド・ワイドにリリースできたことですね。活動をはじめた頃から数えると7年近くかかったんですが、自分が本当に作りたいと思っていたものを形に出来たと思うし、それを自分の名刺代わりの1枚として世に送り出すことができたことに、たしかな手応えを感じたので。

今回がインターナショナルなデビュー・アルバムとなるわけですが、吉田くんのなかではやっぱある程度の達成感がありますか? ある意味ではこれをひとつの目標に渡英したわけですよね?

吉田:そうですね。僕は音楽にのめり込み始めた10代の頃から基本的に洋楽ばかり聴いていたので、そういう海外のアーティスト達と同じ土俵で勝負したいという思いが、東京で活動を開始した頃からずっとありました。渡英を決めた時に自分の中でデッドラインを定めて、それまでにワールドワイドに作品をリリースすることが出来なかったら、日本に戻って来ようと決めていたので、何とか達成できて良かったですね。

当然、東北の震災と福島原発事故はロンドンで知ったわけですが......。

吉田:地震のあとしばらくはやっぱり落ち込んでいたし、自分が海外で生活しているということに対してそれまで感じたことのなかったような疑問を抱いたりもしましたが、それが作品の制作に影響を及ぼしたということはないと思います。あの時点で作品がすでにほぼ完成していたというのもありますが、僕はあまり自分の個人的な感情や心情を作品に投影するタイプではないので。とは言え、ある程度は無意識のレベルで作品に現れてしまうものなのかも知れませんけど。

今回〈トゥルー・ソーツ〉と契約するにいっった経緯を教えてください。

吉田:いちばんのきっかけはボノボのサポートを数回に渡って務めたことだと思います。彼はデビュー作を〈トゥルー・ソーツ〉からリリースしていて、いまも親交が深いようなので。それがきっかけで名前を知ってもらって、未発表の曲を聴かせて欲しいと言われて、その時点でほぼ完成していたアルバムをまるごと送ったんです。結果的に内容に手を加えることなく、そのままの形でリリースしてもらえることになったんです。

〈トゥルー・ソーツ〉の音を特徴づけるのは、ソウル・ミュージックやジャズ、ラテンといった音楽からの影響ですが、それまでのアンカー・ソングの音楽性とは開きがあるようにも思いました。自分ではそのあたりどう考えていましたか?

吉田:曲を送った時点では、正直気に入ってもらえるかどうかというのは半信半疑でしたね。レーベルのコンセプトに沿った曲もあるとは思っていたけど、ちょっと違うものも含まれていたので。

実際、音楽性はそれまでとは明確な変化がありましたね。なによりも多様になったし、〈トゥルー・ソーツ〉的な音になっていますが、これは吉田くんがある程度レーベルの方向性に合わせた感じですか? 4曲目の"ダークラム"にしても"プラム・レイン"にしても、コードはジャズからの影響だと思うし、それとも吉田くん自身のなかにジャズやソウルの要素を取り入れた洗練という方向性があったのでしょうか?

吉田:先にも述べた通り、彼らと契約した時点でアルバムはほぼ完成していたので、意図的に彼らのカラーに合う曲作りをしたということはないんです。でもレーベル側がとくに気に入ってくれたのはやっぱり"ダークラム"や"プラム・レイン"といった、ジャズのテイストがある曲でしたね。今回の作品のコンセプトのひとつは「ミニマルであること」なんですが、短いサイクルでのループを組み立てる際に、ポップス的なコード進行を使うとどうしても冗長なものになってしまいがちなので、それに対する打開策のひとつとして、ジャズっぽいそれを導入したというのはありますね。

"プラム・レイン"が本当に美しい曲で、聴いていると綺麗な雨の風景が見えるようです。いま、日本で雨というと原発事故の影響で恐怖があるのですが、"プラム・レイン"は汚染されてない、魅力的な雨を感じます。IDMのテクスチャーと、吉田くんのシンプルなビート、そして素晴らしいメロディがありますね。この曲についてのコメントをください。

吉田:"プラム・レイン"というタイトルは、"梅雨"をもじったものなんです。もちろん実際にはそんな言葉はなくて、駄洒落みたいなものなんですけど。ロンドンで雨模様の日が続く季節に書いた曲で、それが何となく日本の梅雨時の風景を思い起こさせるなって。この国には日本のようなはっきりとした四季の移り変わりがない分、"風情"っていう感覚が希薄なんです。メロディやプロダクションも含めて、そういう日本人特有の繊細なニュアンスがこの曲には含まれているんです。

日本が恋しくなったことはあると思いますが、今回のアルバムにそういう思慕のようなものは出ていると思いますか?

吉田:とくにないと思いますね。この国に来て4年経ちましたけど、いまはまだ日本のことを恋しく思う気持ちよりも、この国のことをもっと知りたいという思いの方が強いですからね。

あるいは、ロンドンで活動しながら吉田くんのなかでも変化があったと思うのですが、どのような影響や、考えの変化があったのかなど、そのあたり、詳しく教えてください。

吉田:もっとも大きな変化は「ライヴ・アクトとしての自分」っていうルーツに立ち戻ったことだと思います。それまでロンドンのアンダーグラウンド・シーンの刺激を吸収して、音楽性の幅を広げることばかり考えていたんですが、ライヴを重ねるうちに、自分が伸ばすべきところはやっぱりそこにあると思うようになったんですよね。レコード契約をとるまでには時間がかかったけど、現場での手応えは常に感じていたので。今回のミニマルというテーマも、僕の基本のセットアップだけでステージで再現できることっていう、ある意味自らに課した制限の中から生まれたものでもあるんです。

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僕自身はよくクラブにも遊びに行くし、見えにくいところでそういうシーンからの影響も反映させてはいるんです。たとえば今回の作品で言うと、ベースラインにサブベース的な、通常のベースよりも主張の少ない音を多用しています。


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ele-kingでのレポートをいつも楽しみにしているのですが、たとえばボノボと一緒にやった話などは、今回のアルバムの音楽性にも通じますよね。彼のようなサウンドは、吉田くんにとっては同士のような感じなんでしょうか? とくに今作におけるストリングス系の音などは、彼らと似たものを感じます。

吉田:昔から好きなアーティストではあったし、競演できて嬉しかったのはたしかですが、自分ではそれほど音楽的に接点を見出しているわけでもないんです。彼の音楽はとてもオーガニックだけど、僕はもう少し棘のある方向性を目指しているので。とは言え、ファン層はやっぱりちょっと被っているみたいですけどね。

ボーナス・トラックの"アムレット"は壮大なメロディが印象的な美しい曲ですね。ボーナストラックにこれを選んだ理由を教えてください。

吉田:個人的にも好きな曲ではあるんですけど、この曲は先に述べた「ミニマル」っていうコンセプトにそぐわなかったんです。でも何かしらの形でリリースしたかったので、ボーナス・トラックという形で収録できて良かったと思っています。

ダブステップのようなハードなダンスの現場というよりも、より大人びたオーディエンスに向けている音楽だなと思ったのですが、そこは意識しましたか? ミュージックホールのような場所でやっていることがけっこう書かれていますし。

吉田:長く楽しめる作品にするということは意識しているので、そういった印象を与えるのかもしれないけど、僕自身はよくクラブにも遊びに行くし、見えにくいところでそういうシーンからの影響も反映させてはいるんです。たとえば今回の作品で言うと、ベースラインにサブベース的な、通常のベースよりも主張の少ない音を多用しています。あとはリッチなダイナミクスを持つ音と、いかにも打ち込みっぽい無機的な音を同居させることなんかもそうですね。"プラム・レイン"なんかがいい例ですが、あの曲はリンスFMのOnemanとか、現場で活躍するDJからもサポートしてもらって、それがとても嬉しかったですね。

一時期グリッチが流行ったことがありましたが、ああいう音を汚すことをまったく取り入れない理由は何でしょうか?

吉田:単純に必要性を感じないからですね。自分ではたまにグリッチーなものも聴いていますが、僕の音楽には必要のない要素かなと。たぶんそれはやっぱりライブを意識した曲作りという部分から来ているんだと思います。ああいう音はやっぱりただ「再生する」ものであって、「演奏する」ものではないと思うんです。

なるほど。ポップということをどのように考えていますか? たとえばクラッシュさんのような人がマグネティック・マンのようなことをやったら、消費されて終わっていたと思うんですよね。アンダーグラウンドだからこそ消費されないで生き延びているといったアーティストはUKにはたくさんいると思います。

吉田:僕はポップなものもけっこう聴いているほうだと思うし、メインストリームの音楽にもそれなりに気を配っているので、とくにネガティヴな印象を持ってはいないですね。やっぱりわかりやすいことというのは、多くのリスナーにとって魅力的な要素だと思うので。とは言え、やっぱりそういうアーティストの息が短いということは事実だと思うし、だからこそクラッシュさんのようなブレない人は長くキャリアを続けられるんだと思います。そういう意味でも、ジェームス・ブレイクが今後どんなルートを辿っていくのかということは、個人的にもとても気になりますね。僕は彼のポップな面もハードコアな側面も両方とも好きなので。

『チャプターズ』というアルバムには、どんなメッセージが込められているのでしょうか?

吉田:各楽曲にこれといったメッセージがあるわけではありませんが、『チャプターズ』とうタイトルは、各楽曲がそれぞれが異なるストーリーを展開しながらも、全体として大きなひとつの流れを作り上げている、そういうニュアンスを含んでいるんです。作品を最初から最後まで通して聴いたときに、短い旅を終えたような印象を持ってもらえるような、そういう自然な流れのある作品にすることを強く意識しました。

ゴス・トラッドのように、日本にいながら国際的な評価を得ているミュージシャンはこのネット社会では、今後も増えていくでしょう。たとえば最近では東京の〈コズ・ミー・ペイン〉というレーベルのジェシー・ルインという若いアーティストは、東京にいながら『ガーディアン』で紹介されています。こうしたデジタル・メディアが距離を縮めた現在においても、ロンドンを拠点とする理由は何でしょうか?

吉田:トクマルシューゴさんなんかもそうですよね。先日彼のロンドン公演に遊びに行って来たんですが、ソールドアウトだったし、とても盛り上がっていました。僕がロンドンに拠点を置く理由は、単純に僕がいち音楽ファンとして、この街のシーンに魅力感じているからですね。やっぱり現場でしか養われない感覚というのは確かにあると思うので。先にも述べた通り、僕は見えにくいながらも、そういう同時代性を感じさせる要素を自分の音楽にも反映させるようにしているので。

ところでUKの暴動についてはどのように思っていますか? いろいろな意見がありますが、吉田くんの意見も聞かせてください。

吉田:報道によってはイギリスの景気の悪さや、保守政権による政策にやり場の無い不満を感じている市民が団結した結果だとされているみたいですが、実際に大きな被害が出たのは貧困層が密集しているいち部の地域だけだし、あれがイギリス国民の大多数の意思によるものではないと思います。ただ騒ぎたい人びとがいて、ひと握りの人たちがそれに便乗したということだと思います。とはいえ、もちろんそういう事態を招いてしまうような風潮がいまのイギリスに漂ってしまっているのは事実だと思います。

ビョークの『バイオフィリア』は吉田くん的にはどうでしたか?

吉田:個人的には期待していたほどの作品ではなかったですね。マルチメディアを駆使するなど、作品のコンセプトには彼女のアーティストとしての野心が反映されているのかもしれないけど、実際のアルバムに収録されている楽曲郡には、かつてのような輝きを感じることが出来なかったので。

最後に2012年の豊富をどうぞ。

吉田:やっぱりたくさんライヴをしたいですね。2月からはヨーロッパとUKを回るツアーに出ます。4月には日本に行く予定で、4月21日、22日にスタジオコーストで開催される〈ソナー・サウンド・トーキョー〉に出演することが決定していて、いまからとても楽しみです。

じゃあ、そのときに会えるのを楽しみにしています。最後に吉田くんにとっての2011年のトップ10アルバムを教えてください。


Top 10 Albums of 2011 by Anchorsong
1. Feist "Metals"
2. Lykke Li" "Wounded Rhymes"
3. James Blake "James Blake"
4. Sandro Perri "Impossibole Spaces"
5. Gang Gang Dance "Eye Contact"
6. Oneohtrix Point Never "Replica"
7. Jay-Z & Knaye West "Watch the Throne"
8. Little Dragon "Ritual Union"
9. Zomby "Dedication"
10. Jens Lekman "An Argument With Myself"

vol.24:ブルックリンに!!!が帰ってきた! - ele-king

 12月10日(sat)から12月14日(wed)まで、!!! (チック・チック・チック)が久しぶりにノース・イースト・コーストをツアーをする。
 ニューヨークは12月11日(sun)@285 kent で、ショーペーパーのベネフィット・ショー。

 10時頃着くとすでに会場の前は人がわんさかいる。ソールド・アウトだそうで、それではと、隣の〈グラスランズ〉を覗くと、元ブラック・キッズのニュー・バンド、ゴスペル・ミュージックが演奏していた。隣が隣だからだろうか、場内はちょっとスカスカしている。
 〈285〉では、ショーペーパーのスタッフたちがドアにいたり、新聞を配ったりと、せっせと仕事をしていた。2週間にいちど発行しているこの新聞、私もずいぶんお世話になっている。トッドPのおかげで、ボランティアもかなり多い。
 オープニング・バンドはフレンズ。彼らは今週4回も(!)ショーがあり(私は先週も見た)、今日は2公演目だ(ミュージック・ホール・オブ・ウィリアムスバーグの後)。感心するほど忙しいバンドだ。
 そして!!!である。まわりをみるとオーディエンスは!!!世代が多い。もうすっかり結婚して落ち着いて、今日は久しぶりにライヴを見に来た......という感じのカップルが際立っているのである
 私は、彼らをサクラメント時代から知っていて(昔のレーベル・コンピレーションに参加、アートワークを担当して貰った)、現在のメンバーで知っているのは、オリジナル・メンバーのニック(vo)、マリオ(g)、ゴーマン(key & electro)のみ。新しいメンバーの3人(アラン、ポール、ラファエル)が一緒にプレイしているのを見るのは実は初めてだった。新曲をテストするという名目のミニツアーだが、久しぶりの彼らのショー、しかも彼らの規模では考えられない小さな会場なので、チケットはソールドアウトして当たり前なのだ。入場料もたった$10(700円)ですよ。ニューヨークはショーペーパーのベネフィット・ショー。トッドPの仕切り。完璧である。

 新バンド体制になっても、ニックのハイテンション、基本のリズム感は変わらない。どこから聴いても!!!節だ。新しい曲をテスト? しかし彼らのオリジナル節が基本にあるのだから、まあ間違いない。さすがに今日はショート・パンツではなかったが、ニックのはっちゃけぶりもあいかわずだ。途中で、「ちょっと頼んで良い? 誰かタオルかしてくれない?」と観客にお願いすると、誰かのスカーフが投げられ、ニックはそれで汗を拭く。そしてそのままスカーフを首に巻き歌い出す。観客のダイブも激しく、前でも後ろでも人がどんどん流れてくる。さらにはニックも運ばれて後ろまで転がってしまった。
 余談だが、ニックは会うたびにライトニング・ボルトのブライアン・Cに顔が似てきている。

 この間のジ・オー・シーズといい!!!といい、そしてライトニング・ボルトといい、ブッキングをしているトッドPといい、再活動しはじめたザ・ラプチャーといい、ひとまわり回ってまたこの世代が盛り上がっている。ブルックリンのこの周辺ではそうなんです!

vol.23:インディのクリスマス・キャロル - ele-king

 ザ・ミュージック・テープスとは、ジュリアン・コースターのひとり遊園地バンドだ。彼は、ニュートラル・ミルク・ホテル、オリヴィア・トレマ・コントロール(エレファント6集団)などさまざまなバンドでも活躍している。
 ジュリアンのライヴは、彼の家に招かれ、手厚くもてなしをされ、体全体がほっこり温まり、お腹いっぱい満足して帰る、というように、とても幸せなひとときを約束してくれる。彼のルーツがジプシーということもあるが、これが彼の本来の姿なのだ。彼自身がすでに遊園地なのである。
 以前にも書いたことがあるが、私がアセンス(エレファント6集団の拠点地)に滞在していた頃、彼とザ・ミュージック・テープスの活動について面白い会話をしたことがある。彼の夢は、ザ・ミュージック・テープスの遊園地(オービタル・ヒューマン・サーカスという)を背負って世界中でパフォーマンスをしたいというものだ。ザ・ミュージック・テープスのパフォーマンスを見た人にはわかるが、ノコギリ、巨大メトロノーム、自動オルガンなど、彼の演奏を手助けするゲストが目白押しする(もちろん本物の人間もいる)。
 そしてホリディ・シーズンになると、「エレファント6のホリディ・サプライズ」(彼らの1stアルバムに入っている曲名でもある)という名を冠してのツアーが、オリヴィア・トレマ・コントロール、エルフ・パワー、ジャービルズ、オブ・モントリオールなどエレファント6のバンド集団がいっせいに集まって毎年のようにおこなわれる。ミュージック・テープスのクリスマス・キャロルもここ何年間の定番になっている。

 ミュージックテープスが、キャロリングして欲しい家にお邪魔して、クリスマス・エンターテイメントをお届けする、いわゆるクリスマス版の移動遊園地である。今年は12月2日のシャーロットからはじまり、アセンス、ラリー、ワシントンDCエリア、フィラデルフィアエリア、NYエリア、NYアップステイト、マサチューセッツ、ロードアイランド、ニューイングランドなどを訪れる。自分の家に、クリスマス・キャロルをデリバリーしてくれるなんて、何よりも嬉しいクリスマス・プレゼントだ。
 キャロリング場所の詳細は、招待を依頼した人にシークレットに知らされる。みんながみんないけるわけではない(人の家なので制限もある)。内緒で、ジュリアン(ミュージックテープス)にニューヨークは、どこに行くのか聞いてみると、リストが送られてきた。場所はブルックリンのみ3箇所。マンハッタンからの依頼もあったらしいが、すでに締め切ったあとだった。
 行ったことのない家に音楽を聴きに行くなんて変な気分だ。私は、ニューヨーク日程の最終(11:30スタート)に参加した。

 場所はブルックリンの下の方、フォトグリーンと呼ばれる地域だ。アドレスの場所に着くと「ミュージック・テープス、この番号に電話して」と張り紙がある。電話するとゲートまでホストが迎えに来てくれた。今日のホストは、プラットインスティチュートに通う男子学生で、この家も学生寮らしい。
 とてもクラシカルな木目調の建物で、螺旋階段、アンティークなエレベーター、地下室、表には庭があり、私が昔、留学していたスポケーンの学生寮を思い出した。1階と2階に生徒が住み、3階は校長先生夫妻が住んでいるという。
 家のなかは、すでに人が集まってホット・トッディ(ウイスキーとレモンティ)を飲んだり、クッキーを焼いていたり、ホーム・パーティになっている。入口でドネーションとして5ドルを払う。「どうやってこのショーを知ったの」といろんな人に訊くと、「ルームメイトが行くから」、「ホストの友だち」、「ミュージック・テープスのファン」......といった具合に、みんなそれぞれだった。まあとにかく私には、若い世代がミュージック・テープスを好きでいることが心強かった。

 11時30分の予定だったが、彼らが到着したのは1時間後、さらにセットアップなどで、はじまったのは午前1時を回っていた。地下の部屋はあっという間に50人ぐらいで埋まっている。ひとつ前のキャロリングに参加していた人もそのままついて来てて、前のショーの様子など話していた。

 ねずみの鐘部隊、歌う雪だるま、電動(?)オルガン、シンギング・ソウ、バンジョー、ツリー、キャンドル、テープレコーダー、色んな物に囲まれて、キャロリングはスタート。ニット帽、赤のセーターのジュリアンが、ここにきてくれた人に感謝の意を込めて語りはじめる。毎年やっているこのキャロリング・ツアーについて、1年のなかでいちばん好きなツアーで、この瞬間がどれだけ大事か、さらには人間という種類、木や自然ついて......。
 シンギング・ソウを手に持ちながら語るジュリアンのひと言ひと言にみんな反応し、笑い、驚いている。ジュリアンが観客とのコミュニケートを大切にし、どれだけ好きでやっているかが伝わってくる。手品師、サーカス、チンドン屋などの要素がすべて入った混合のエンターテイメントだ。
 今日のメンバーはジュリアン、ロビー、イアンの3人。これが現在のミュージック・テープスのメンバーだ。ジュリアンはシンギングソウ、バンジョー、オルガン、歌など中心で、イアンはシンギングソウ、オルガン、バンジョー、テープレコーダー、鈴など、実はもっとも重要な役割をしている。ロビーはホーン隊で、曲に色を添えてくれる。
 曲ごとにパートも人もすべて交代し、ある曲は3人、ふたり、ひとり、さらには、雪だるまとオルガンとの共演だったり、ネズミの鐘部隊が登場したり、アメリカの定番のホリディ・ソングがテープでループされ、それに彼らが音を乗せていったり、ホリディ・ソングを振り付きで歌ったり、音楽のショーというか、「ミュージックテープス」のショーとしか表現できない、完璧なエンターテイメントだった。夢のなかのいるようで、まわりを見てもみんな笑顔だった。

 終わった後、ジュリアンにいくつか質問してみた。

今日は、とっても楽しませてもらいました。日本ではキャロリングという習慣が浸透していないし、私も実際は経験したことがないのですが、今日のショーを見て何となく理解できました。キャロリングについて、少し説明してもらえますか。

ジュリアン:キャロリングは、クリスチャンの伝統行事で、クリスマス前に、教会、路上、家などで歌われてる。クリスマス後や12月前におこなわれるとバッドラックなので、いつもこの時期なんだ。

このキャロリング・ツアーは今年で何回目ですか。私は、2年ぐらい前に、初めてミュージック・テープスがこんなことをやっていると噂にききました。

ジュリアン:6年目だよ。僕らは他にララバイ・ツアーもやってんだ。これならホリディ・シーズン関係なくできるからね。

どのようにこのキャロリング・ショーをお知らせしているのですか。私は、『ブルックリン・ヴィーガン』に載っているのをみたのですが。

ジュリアン:レーベル(マージ・レコード)のウエブ・サイトとか、音楽系の媒体(ピッチフォークなど)。2週間前ぐらいに『ブルックリン・ヴィーガン』に記事が載ったんだけど、そこから招待の依頼数が激増したよ。僕らのレーベルはシャーロットだから、今年はそこからはじめた。

行く都市はどのように決めるのですか。今回はイーストコーストのみのようですが、1日につきいち都市ですか。

ジュリアン:本当はこの時期にヨーロッパにいるはずだったんだけど、キャンセルになって、今回のツアーができることになった。僕はそのほうが嬉しいからいいんだけど(笑)。今年はイースト・コーストのみだけど去年は全米を回って全部で2ヶ月ぐらいかかったよ。すでにクリスマスを過ぎて、クリスマス・キャロリングではなくなちゃったけど(笑)。毎日、家から家へ移動するから、場合によるけど、例えば広い都市、サンフランシスコなどは、オークランドやサンフランシスコと2日やったよ。

もし私の家に招待するなら費用はいくらかかりますか。招待を受ける決め手は。あと泊まるところはどうしているのでしょうか。

ジュリアン:キャロリングで、何処何処に行くとアナウンスをしてから、各地から招待を受け、何件回れるかルートを組んで決めていく。毎日数軒回って、大体最後の場所で泊まって行くよ。カウチで横になったりして、そして朝になったらロードに戻るんだ。費用はドネーションと泊まる場所でOK。

今年のツアーはいかがですか。

ジュリアン:今年は少なくて12日間ぐらい。と言っても12日で1日3回公演するんだから、けっこうな数だよね。レーベルのあるシャーロットからはじまり、アセンスに戻り、イーストコーストというルートだよ。今日の最初の場所は、とても小さなレイル・ロードのアパートで、機材を運ぶときに横になって通らなければならなかったり、蝋燭をあっちの窓やこっちの戸棚などいろんなところに置かなければならなかったり。それぞれのショーは全然違うし、これが毎回違う家に行く醍醐味なんだよね。いつも、どんなショーができるのか楽しみだよ。
 今日の(最後)場所はとてもいいね。地下のスペースが広いし、50人ぐらい入ったんじゃないかな。普通の家はそんなに入らないからね。ホストに聞いたらプラットの寮で、校長先生夫妻が上の階に住んでるとか。あまり大騒ぎできないけどね。


 来年は日本にも来てもらえないでしょうかねー。

関連リンク:https://www.brooklynvegan.com/...

FLOATING POINTS & MARK FARINA - ele-king

 2011年もっともはずれがなかったレーベルとは......〈Tri Angle〉〈Planet Mu〉 そして〈Eglo〉でしょう!
 ダブステップにおけるソウル/ジャズ部門のトップ・レーベル、〈Eglo〉を主宰するフローティング・ポインツが金曜日、DJします。
 そして土曜日は、サンフランシスコの偉大なDJ、マーク・ファリナです。そして同時土曜日の代官山〈UNIT〉では、この10年、安定した人気をほこるロンドンのドラムンベースのレーベル、〈ホスピタル〉からNU:TONE とLOGISTICS がDJプレイ! 忘年会の帰りでもいいし、なんでもいいです。どちらかに行きましょう!

■FLOATING POINTS

2011/12/16(fri) DAIKANYAMA UNIT & SALOON
OPEN/START 23:30
ADV. 2,500yen (limited 150)
DOOR 3,300yen (with flyer 2,800yen)

DJ:FLOATING POINTS (Eglo records)
KAZUMA (PHENOMA/mo'wave/stillecho)
5ive (COS/MES)

SALOON
DJ:INNER SCIENCE
AMETSUB (nothings66)
LIVE:
DAISUKE TANABE

MORE INFORMATION : UNIT 03 5459 8630 www.unit-tokyo.com
YOU MUST BE 20 AND OLDER WITH PHOTO ID

■MARK FARINA

Primitive Inc. 5th Anniversary

2011/12/17(sat)
22:00 open/start
adoor: ¥3,500- / with flyer: ¥3,000-

@eleven
web: https://go-to-eleven.com/

DJ:MARK FARINA (Mushroom Jazz/OM/from San Francisco)
HIROSHI WATANABE a.k.a. KAITO (Kompakt/Klik Records)
DJ YOKU (A Hundred Birds)
DJ ENDO (CONVERGE+/King Street Sounds)

Lounge DJ:MARK FARINA -Mushroom Jazz Set- (Mushroom Jazz/OM/from SanFrancisco)
CALM (Music Conception)
DJ KENSEI (Coffee & Cigarettes Band)
KZA (Force of Nature)
DJ SHIBATA (Thousand Finger/探心音/the oath)

Live: Paint: VIX
Food: KOYO
Host: Niiiyan & NAGOYA
Primitive Inc.
web: https://www.primitive-inc.com
twitter: https://twitter.com/primitive_inc

■NU:TONE + LOGISTICS
DRUM & BASS SESSIONS 2011
"HOSPITAL X'mas"

2011.12.17 (SAT) @ 代官山UNIT
feat. NU:TONE + LOGISTICS (NU:LOGIC)
with: ☆Taku Takahashi
TETSUJI TANAKA
DJ MIYU

vj/laser: SO IN THE HOUSE
saloon: "DOGGY"SACK, Eccy, DJ PRETTYBWOY, Endless,Rolling Maestro
open/start 23:30
adv. \3500 door \4000
info. 03.5459.8630 UNIT
https://www.dbs-tokyo.com

Hessle Audio Japan Tour - ele-king

 シャックルトンの来日が大成功だったというじゃないですか。東京も大阪も、素晴らしいリアクションがあったようです。行った人がみんな「良かった」と言っています。人が入っただけではなく、盛り上がったんです。いよいよ日本のダンスフロアにも、本格的にダブステップ~ベース・ミュージックの火が着いたようですね。
 ダブステップ~ベース・ミュージック系で言えば、2011年、最後の注目パーティはこれです。〈ヘッスル・オーディオ〉です。みなさんが大好きなジェームズ・ブレイクのシングルもアルバムが出るずいぶん前にリリースしています。それもひねりのきいた良い曲ですが、やはり2011年にリリースされたコンピレーション・アルバムが本当に素晴らしい。ポスト・ダブステップにおける最良のレーベル・コンピレーションだと思います。
 まあ、なんにせよいまこのタイミングでラマダンマン(ピアソン・サウンド)というポスト・ダブステップ・シーンにおいてだんとつに人気のあるDJ(M.I.A.のリミックス、レディオヘッドのリミックス、いろいろある)、そしてレーベルの相方であるパンジアがふたり揃って来日すること自体ワクワクする。
 どうか逃さないように!


2011.12.22 Thu Before Holiday

7even Recordings & Basement Ltd. present
Hessle Audio Japan Tour
feat. Pearson Sound aka Ramadanman & Pangaea
at UNIT

OPEN: 23:30
DOOR: 3000yen(adv.) | 3500yen(door)

[UNIT]
-DJ-
Pearson Sound aka Ramadanman
Pangaea
ENA
Greg G
Yusaku Shigeyasu

[SALOON]
-DJ-
Dx
100mado
Audace
A Taut Line
CHAM+i

[SHOP]
DISC SHOP ZERO


「ダブステップ = ハーフステップ」の概念にとらわれないベース・ミュージックが持つ自由な可能性を拡張し続ける「Basement Ltd.」が新天地〈UNIT〉にて5回目の開催を高らかに宣言。ジャンルの壁を飛び越え評価を獲得する最重要レーベル〈Hessle Audio〉のショウケースがここ東京で実現します!
 レーベル・オーナーでもあるふたり、かつてはRamadanmanとして既存の音楽を独自に再構築した鮮烈な作品を世に放ってきたPearson Sound、そしてそのアザーサイドとも言えるエクスペリメンタル感溢れる強烈なプロダクションで知られるPangaeaをフィーチャー!
 彼らを中心に生み出される、UKガラージ、テクノ、ハウス、ジュークなど新旧を問わない数多くの要素を含んだプロダクション、DJスタイルは今まさに聴かれるべきサウンドといっても過言ではない。後に説明不要なまでに評価を得たJames Blakeや、Ricardo Villalobosにヘヴィー・プレイされたJoeなどと言った才能をいち早く発掘するなど、その審美眼には定評がある彼らが魅せる"次なる"サウンドに期待が高まる。

 〈7even Recordings〉からのリリースが高い評価を得たENA、そしてBasement Ltd.のレジデントGreg GとYusaku Shigeyasu、SALOONでは東京のベース・ミュージックを牽引するSoiからDx、「Back to Chill」レジデントである100mado、Diskotopiaのプロデューサー、A Taut Line、レーベル〈Inductive〉から〈Audace〉、そしてディープ・フロウ・ドラムンベース・パーティ「NEON」からCHAM+iが登場、
 さらには確固たる信念のもと良質な音楽・文化を届けているDISC SHOP ZEROをUNIT内に設置し、全方位からマッシヴなベースラインを保証!

https://hessleaudio.com
https://soundcloud.com/hessleaudio

ON-U - ele-king

 UKがほこるダブ・レーベル〈ON-U〉、その30周年を祝祭するパーティが週末の金曜日に渋谷の新しいクラブザ・ヴィジョンで開かれる。
 まだ22歳くらいのエイドリアン・シャーウッドがポスト・パンク時代のロンドンで立ち上げたこのインディ・レーベルが素晴らしいのは、エイドリアンが「ダブ・レゲエ」というコンセプトからまったくズレなかったことである。AOちゃんの記事にも書いたように、雑食性がきわめて高いことがこのレーベルの特徴でもあるが、しかし、世のなかのトレンドがインディ・ロックになろうがヒップホップになろうがテクノになろうが、〈ON-U〉はこの30年間、飽きることなくダブ一筋である。それがゆえにUKにおいて、あるいは国際的にも、〈ON-U〉はもっともリスペクトを集めるインディ・レーベルのひとつとなっている。
 エイドリアン・シャーウッドの久しぶりのDJが聴けるのも嬉しいが、オーディオ・アクティヴの再結成、AO、LIKKLE MAI、クラナカ、ムードマン、内田直之、アルツ、ケンセイ、O.N.Oといった日本勢も頼もしい。ダブステップからオーセンティックなダブまで、あらゆる手を使って低音は揺れるだろう。
 行くべし!


ADRIAN SHERWOOD
"DUB SESSIONS : ON-U SOUND 30th SPECIAL"

出演:
ADRIAN SHERWOOD (ON-U 30th SPECIAL DUB MIX)
AUDIO ACTIVE (live dub mix by ADRIAN SHERWOOD)
AO INOUE
NAOYUKI UCHIDA (featuring guest: LIKKLE MAI)
KURANAKA 1945
MOODMAN
DOUBLE BARREL
NAOYUKI UCHIDA
PART2STYLE SOUND
O.N.O (MACHINE LIVE)
ALTZ
DJ KENSEI

2011.12.9 (Fri)
open / start : 23:00
SOUND MUSEUM VISION
ticket : adv. 3,500yne / door 4,000yen
※二十歳未満の入場不可。IDチェック有り、要写真付きID持参
offical site : beatnik.com/on-u

interview with AO - ele-king

 〈ON-U〉というレーベルは、レゲエに関してオーセンティックな価値観を持っているものの、異種交配/雑食性ということに関しても積極的だった。プリンス・ファー・アイやビム・シャーマンといったオーセンティックなアーティストの作品を出しながら、マーク・スチュワートのメタリックなダブを手がけたかと思えばニューヨークのシュガーヒル・ギャングからはタックヘッドを引き抜いて、他方でエイドリアン・シャーウッドはアインシュテュルツェンデ・ノイバウテンのようなインダストリアル系の仕事もこなしている。最近の日本では〈ブラック・スモーカー〉がそうした混交をいとわない活動しているが、このレーベルは2011年にドライ&ヘビーの新作を出している。


AO INOUE
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 AOは......通称はAOちゃんは、リスナーにはドライ&ヘビーの元MCとして知られている。10年以上も昔の話だが、ストイシズムの極みとも言えるドライ&ヘビーのステージにおいて、AO、そしてLIKKLE MAIといったシンガーは熱のこもったヴェイブレーションを伝えていた。MAIちゃんはソロとしてのキャリアを積んで久しいが、このたびAOは、まるで世間の意表を突くかのように、初めてのソロ・アルバムを発表する。

 その作品『アロー』におけるAOは、10年前に我々がステージで見ている彼ではない。マイクを握らず、彼は電子機材を操作している。アルバムは全曲インストだ。
 『アロー』はベース・ミュージックと括られるかもしれないが、ダブステップではない。収録された何曲かをオーディオ・アクティヴの大村大助がサポートしているように、アルバムは〈ON-U〉直系のハイブリッディなエレクトロニック・ミュージックを展開する。エイドリアン・シャーウッド流の広義のダブ、アンドリュー・ウェザオールのエレクトロ・ファンク、そしてダンスホールやグライム......そうしたものがミックスされている。

 2011年という年は、リトル・テンポやザ・ヘヴィーマナーズといったこの国の異端的なダブ・バンドが素晴らしいアルバムを発表している。ドライ&ヘビーやオーディオ・アクティヴも復活した。こんどはAO......そう、AOちゃんの出番である。

何にも知らないときにですね、インターセプターに入って、ただひたすらテープを聴いて、ビッグ・ユースとかI・ロイとか、カタカナで起こしていくわけですよ。「これ何だろう、英語にしてったらこういう風になるんだ」とか。アクセントも違うし、まず何言ってんのかわかんないし。

今日はAOちゃんのすべてを語ってもらうってことでお願いします。

AO:はははは!

俺、AOちゃんの踊りは何度も見ているんですけど、音楽活動はドライ&ヘビーが最初だったんですか?

AO:その前に、MIGHTY MASSA――長井(政一)さんがやっていたインターセプター(INTERCEPTOR)というバンドがあったんですね。で、当時は下北沢にZOOっていうクラブがありまして、そこのハコバンみたいなバンドだったんです。で、そのバンドが、アグロヴェーターズとかナイニー・ジ・オブザーヴァーとか、ああいうものばかりをカヴァーするようなバンドだったんですね。

カッコいいですね。

AO:メンバーも面白かったんですよね。ドロップスっていう女性だけのスカバンドの人たちがいたりとか。10数人ぐらいのバンドだったんですけど、たまたま僕そこ誘われて。MAIちゃんがコーラスでいたりとか。メイン・ヴォーカルはカルティヴェーター(Cultivator)でも活躍しているラス・ダッシャー(Ras Dasher)。で、僕はまあトースティングで。

その頃からトースティングなんですね。ちなみに何年ですか?

AO:ええっと、何年ですかねえ......ZOOがSLITSになるあたりですね。

じゃ、93年あたりだね。

AO:で、たまたま誘っていただいて、ライヴも何回かやったんですよね。その頃ちょうど秋本(武士)さんが力武(啓一)さんというギタリストといっしょにオーディオ・アクティヴを飛び出たあとにインターセプターに入ってきて、そこから別に独自のセッションがはじまっていって、で、95年ぐらいにドライ&ヘビーになったんですね。そのままドライ&ヘビーに入ってっていう形ですね。

じゃあドライ&ヘビーは最初からメンバーとして?

AO:そうですね。まあ流動的に、少人数で秋本さんと力武さんがドラムマシーン使ってセッションっていう時期もあったので、そのあたりは自然になっていったっていうのはありますね。

じゃあインターセプターが媒介になって?

AO:そうですね。

AOちゃんはじゃあ最初からレゲエだったんですね?

AO:そうですね。音楽活動は初めからレゲエ・バンドだけですね。いままでずっと。

しかしアグロヴェーターズやナイニー・ジ・オブザーヴァーをカヴァーするっていうのは、当時としては、世界的に見ても少なかったでしょうねぇ(笑)。

AO:たぶんそうだったと思いますね(笑)。長井さんもちょうどその頃、サウンドシステムのスピーカーを作りはじめた頃で、月1本ずつ増えてったりとかっていう状況で。でもまあ、イヴェント自体少なかったですし、ましてや内容の濃いものっていうのはなかったですよね。

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何とも言いようがないですけどね、あの頃の感じって(笑)。ガーッっと練習やって、みんなでガーッって飲んで朝まで喋って(笑)。「オラーッ!」ってみんなで帰って(笑)。そういうのの繰り返しでしたね。

なぜレゲエに惹かれたんですか?

AO:レゲエに惹かれたのは......高校ぐらいのときだったと思うんですけども。まあ、初めは黒人音楽が好きだったんです。子供の頃を申しますと、ロバート・ジョンソンをモチーフにした『クロスロード』っていう映画があったりとか、80年代パルコのCMにマハラティーニ&マホテラ・クイーンズが出てたりとか。あと当時『サラフィナ』っていうミュージカル観に行ったりとか。わりと親の影響っていうのもあるんですけど......アパルトヘイトだとか人種問題だとかっていうのも、けっこう積極的に話題に上がるような家だったので、そういうのもあってですね。黒人音楽のソリッドな感じとか、メッセージ性みたいなものっていうのに関心があったんですよ。

生まれはどこですか?

AO:僕は吉祥寺です。

家のなかにブルースのレコードなんかがあるような感じ?

AO:いや、そんなになかったんですよ。レコードって言っても大した量じゃなくて、そのなかにあったのが憂歌団だったりとか(笑)。ロバート・ジョンソンだったりとか、かと思えばアストラッド・ジルベルトだったりとか......まあその当時流行ったものを親が買ったものがあっただけだと思うんですけど。で、中学校のとき同級生で金持ちの奴なんかがみんなハワイやアメリカに旅行してくると、カセットを買って来るんですね。それがオールドスクールのヒップホップだったり、ジェームズ・ブラウンだったりとか。で、そういうの全部まとめて僕ら「ブラック、ブラック」って言って、「ブラック聴こうぜ」って言って、聴いて興奮してたみたいな。高校生ぐらいになってくると、色気もついてくるし、だんだんいろいろと興味が出てきて、「もうちょっと何かこう、生々しいものないかな」と思って、あったのがレゲエだったんですね。自分のなかで勝手に、「黒人音楽のなかで、いちばん真髄だ!」みたいな。リズムがシンプルで......いま思うと、録音がすごくラフだったりそういうのもあると思うんですけど。何かこう、泥臭くてすごくソリッドな感じが。

それ面白いですね。ブラック・ミュージックの文脈からレゲエいくって、僕なんかよりもひと世代上によくあった感覚ですよね。

AO:そうですね。パンクとかニューウェイヴって、ほんとにまったく聴いてないんですよ。

それってAOちゃんの世代では逆に珍しいよ。ちなみに最初に好きになったのは?

AO:ボブ・マーリーとデニス・ブラウンですね。YOU&Iとか貸しレコード屋さんが当時はまだあったんですけど、並んでいるものもそんなに多くはなかったんで、片っ端から聴いて。そのとき、80年代のサウンドじゃなくて古いほうが何か好きだったんですよね、

レゲエに入って、なぜ楽器ではなくトースティングってところから?

AO:友だちと飲み会とかでペラペラペラペラ口真似をしてたんですけど、「AOちゃんインターセプター入んなよ、何かそういうの上手そうだし」って言われて、「じゃあちょっとやってみよう」と(笑)。高校のとき、おちゃらけで学園祭バンドみたいなので歌ったりはしてたんですけど。ほんとに小節の数も数えられないときぐらいに......何にも知らないときにですね、インターセプターに入って、ただひたすらテープを聴いて、ビッグ・ユースとかI・ロイとか、カタカナで起こしていくわけですよ。「これ何だろう、英語にしてったらこういう風になるんだ」とか。

はははは。

AO:自分が将来音楽をやって、しかも歌をやるような人間だとは思ってなかったです、ティーンの頃は。好きで聴いてはいましたけど。

しかしまた、よりによってI・ロイやU・ロイをコピーするっていうのは、すごく至難の業ですよね(笑)。

AO:そうですね、ほんとに。

アクセントも違うし。

AO:アクセントも違うし、まず何言ってんのかわかんないし。それをまず先人たちにいろいろ訊くわけですよね(笑)。「これ何なんですか」とか、あとは歌詞の訳本を買ったりとかですね。まあ何か、いろんな要素があってそうなった、というか。ただ、いつだったか......芝浦にジョニー・クラークとビッグ・ユースが来たんですよね。で、そのときにインターセプターが前座でやってて、友だちに誘われて。何回かZOOで観てたんですけど、レコード買いはじめた自分が「わあ、なんてカッコいいバンドなんだろう、そのものじゃないか」っていうのがあって。そのときにはやっぱ「歌いたいな」と思ったのはたしかですね。

へえー。

AO:入る前にインターセプター観て、ほんと感動しちゃって。すごいカッコいいと思いました。「こういうことやってる人いるんだ」って。だから初めの頃は、そんなに「シンガーになりたい」って感じではなかったと思います。

日本でレゲエに触発されて音楽活動をはじめる人たちってたくさんいるわけですけど、ルーツ系のトースティングやりたいって人はそんなに多くはないじゃない?

AO:そうですねー、でも何かやっぱり、憧れだけで(笑)、「カッコいいと思っちゃったのはしょうがない」っていうのはあって。

インターセプターがあって、そのあとドライ&ヘビーも誕生する。ドライ&ヘビーのライヴのなかで、僕もAOちゃんのステージングを初めて観たんです。ドライ&ヘビーは基本、秋本くんと七尾くんが中心にいたバンドでしたが、AOちゃん自身にとって、ドライ&ヘビーとはどんなバンドでしたか?

AO:自分の20代の人生はすべてドライ&ヘビー、って感じだったですね。あのふたりの圧倒的な影響下にあったので。

AOちゃんは秋本くんたちの何才下なの?

AO:えっと......4つか5つ下じゃないですかね。僕とK(The K)とウッチー(内田直之)が3人同い年なんです。

エイドリアン・シャーウッドが良いことを言ってるよね。あの当時、ドライ&ヘビーほど真面目にルーツ・レゲエを演奏してるバンドは世界のどこを探してもいなかった、みたいなね。音を聴いて誰もそれが日本人だとは思わなかった。それがヨーロッパの連中、とくにドイツの連中にすごく影響を与えて、ダブ・バンドの登場を促したみたいなね。

AO:たしかにあの頃、「絶対に日本人だと思われたくない」、「海外でも通用する音にしたい」とかね、みんなそれぞれのオタク性というか、とにかく根性みたいなものが、ものすごく集結してたと思うんですよね(笑)。みんな無我夢中で、ライヴもないのにスタジオに入ったり、そういう修練の賜物じゃないかなと思いますね。

ドライ&ヘビーはあの当時、国内では賛否両論がありましたよね。「オリジナリティがない」という意見もあった。でも結果を言えば、それで逆に世界に影響を与えてしまったわけですよね。これはすごいことだと思うんだよね。

AO:まあけっこうはっきりしてましたからねー。そこはみんなマニアックな気質の人たちが集まってましたし、若かったし根性もあったから、まあほんと気合みたいなものがあったと思いますね。

当時、AOちゃんは自分個人の活動っていうのは?

AO:ないですね、まったく。もうドライ&ヘビーだけ。

DJもやってなかった?

AO:DJも初期はやってなかったですね。レコードは買い集めてましたけど。ほんとにめったにDJなんかやってなかったですし、クラブ行って踊るようなことはありましたけど。あとはひたすらドライ&ヘビーで週に1回リハやって、リハが終わるとそのまま飲み会やって、っていう(笑)。「ああでもない、こうでもない」って。

あらためて濃いバンドだったんだなって思いますね(笑)。

AO:濃いと思いますよ(笑)。濃いし、太いし(笑)。みんな強烈だったんで。集まってるメンバーのなかにいろんなもの、自分にないものを見出してましたね。内田くんからもいろんなものを学んだし。秋本っちゃんや七尾くんからは芸術的なことやスピリッツ的なことをたたき込まれたし。バンド内では、たぶん音楽的なことは僕がいちばん素人だったんですよね。自分の好きなことだけの知識っていうのももちろんありましたけど、みんながみんないろんな知識を持ち寄って来るんですね。無我夢中でしたね。練習も、週に1回3時間から4時間っていうのは確実にありましたね。吉祥寺のスタジオに入ってやって、で、そのあとに何倍かの長さの飲み会があって(笑)。

ハハハハ! 飲み会は重要ですよね!

AO:初期の頃はなかなかライヴの予定がなくて。それでも何年もスタジオに入ってましたね。95年の頃にいまのメンバーってなってますけど、流動的にはその前からはじまってたわけです。インターセプターの頃から僕は並行して、秋本っちゃんと力武さんとドラムマシンと入ってましたから。そのなかで秋本さんが、例の「七尾(茂大)って奴がいてさあ」ってね。そんな感じでメンバーが固まってきましたね。MAIちゃんもインターセプターやって、同時にドリームレッツ(DREAMLETS)なんかもやってたんですよね。それが「私もやりたい」ってことになって、で、ウッチーは新宿の飲み屋辺りから秋本っちゃんが引き連れてきたんですよ。

ほー。飲み屋(笑)?

AO:どっかで知り合ったって言ってましたよ。「すげーのがいてさあ!」って。「専門学校でPAの勉強、レコーディング・エンジニアの勉強してて、ダブやりたいっていう奴がいてさあ」って。当時、髪の毛フサフサでかわいいウッチーが。

へえー(笑)。

AO:ウッチーとの出会いも衝撃的だったな。彼は同い年で、全然自分にないものを持ってたんで。機材のことだとか。こだわりっていうか、彼のオタク気質みたいなものにすごく共感して(笑)。

なるほどね。

AO:何とも言いようがないですけどね、あの頃の感じって(笑)。ガーッっと練習やって、みんなでガーッって飲んで朝まで喋って(笑)。「オラーッ!」ってみんなで帰って(笑)。そういうのの繰り返しでしたね。

ハハハハ。ほとんど部活だよね(笑)。

AO:そうですね。何かもう、そういうのにいっさい馴染めなかった人種があちこちから集まってきて、初めてそういう部活的なものをやってたんだと思います(笑)。

でも何か、すごくいい話ですよ。

AO:はははは! そうですね(笑)。

だってあの当時、真顔でアグロヴェーターズみたいなバンドをやろうということ自体が、ちょっと音楽知ってる人間からすれば「お前どうかしてるんじゃないか」っていうような話なわけでしょ(笑)。でも、そんなことお構いなしにやってしまうところに自由を感じるんですよね。それこそ〈ON-U〉的というかね。

AO:ああー、そうですねえー。

時代の風を気にせずに、好きなように自由に生きるっていうのが何よりもいいですよ。

AO:同時期にどういうものが流れてたのかなって思うと、逆行はしてたのかなって思いますね(笑)。

90年代初頭って、あのリトル・テンポだって最初はラップ入れたりしていたような時代ですよ。ドライ&ヘビーは逆行してるというか......、というかまあ、流行など気にせず自由にやっていたんでしょうね。

AO:自由、不自由すら意識せずに、夢中になってやってたような気がしますね。好きで、憧れだけだと思います。なぜかアグロヴェーターズとかオブザーヴァーとかウェイラーズとか、レゲエでも当時のレゲエじゃなくて70年代後半のものとか、それ以上に古いものとかに惹かれたっていうのはありましたね。いまみたいにそんなに情報もなかったわけですから。それぞれの人たちの思い込みっていうのも集まってプラスされて、憧れがもっとビルドアップされていたと思うんですよ、それがたまたまルーツだったのかもしれないですけど。もちろ、まわりに流れてる音楽は自分の好みに合わないなっていうのはありましたけどね。

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結局、みんなあそこで人間関係も学んでたと思うんですね。誰がどうってことでもないですし......ただ個人的には、もともとは秋本くんとの繋がりっていうのが大きかったんですよ......僕のなかではドライ&ヘビーっていうのはほぼ秋本くんだったわけです。

いまでも日本の音楽リスナーって真面目というか、思い詰めているというか。たまに読者からメールいただくんですが。

AO:そうなんすか(笑)?

たとえばフィッシュマンズの再評価なんか、人によっては恋愛ぐらいしかもう夢は残されていないんだ、ぐらいの。

AO:おおおおお! マジっすか(笑)。これはもう、僕のような人間は失敗談を語りながら、面白おかしく生きていくしかないですかね(笑)

佐藤伸治さんはアグロヴェイターズも好きだったろうけど。

AO:佐藤伸治さん、僕が昔会社員やってたときお店によく来てたな。

へー。そうなんですかー。

AO:下北沢の洋服屋にいたんですけど。彼のちょっと身内の人が同じ会社に働いてて、晩年にもよくいらっしゃってましたね。僕その頃店で『ワン・パンチ』のデモとかかけてた(笑)。直接話したことはないんですけど。

面白いですね。やっぱ同じ場所ですれ違っているんだね(笑)。同じレゲエに触発された音楽でもぜんぜん出し方が違うもんね。

AO:どう思ったんだろうなー。

それはもう、「レゲエがかかってる」って思ったんじゃない(笑)?

AO:でしょうね(笑)。ああいうの嫌いなのかなと思ったけど。僕はフィッシュマンズは、もっとも苦手とするあたりですけど(笑)。

当時から好き嫌い分かれるバンドだったからね。誰からも好かれるバンドなんていないし。

AO:僕、ミュート・ビートも聴かなかったんで。

えー、ほんと?

AO:はい。若い頃、直接こだまさんにも言っちゃったんですけど(笑)。

「すいません! だけど僕は......」て(笑)?

AO:覚えてらっしゃいましたね、つい最近まで。

ミュート・ビートは僕の世代では神でしたからね。

AO:だから逆に、むしろその正反対を行こうと思ってはじめたのがドラヘビだったんですよね。

ああ、なるほどー。むしろ超えなきゃいけないみたいな感じ?

AO:まあいまとなっては「なるほど!」って思いますけどね。その後いろいろお話しする機会もあって、先人として、いまのこだまさんの雰囲気とか、「すごい」と思いますけどね。

逆にそのくらいの強い気持ちがないと自分たちでやってられないだろうし。

AO:そうですね、みんな迷いはなかったですよね、たぶんね。そのためにいろんなものを犠牲にしましたけど(笑)。さっきも言ったように、初期の頃はライヴの予定もなかったし、リリースの予定ももちろんなかったわけですし、それでもバンドがありましたからね(笑)。

やっぱもう、こういう生き方しても良いんだっていうね。勇気づけられる話だよそれ。

AO:僕がごく幼い頃にブラック・ミュージックを聴いたときに感じたのはそれだったかもしれないですね。ジェームズ・ブラウンでもいいですけど、彼らの生々しい感情表現、単純に「こういうのもアリなんだ」って思っちゃったっていうのはあると思います。「ここまで感情を剥き出しにして表現していいんだ」っていうか。そういうのはあったかもしれないです。実際、そこに憧れてたのかもしれない。社会的なメッセージもすごく重要だったんですけど。

じゃあドライ&ヘビーがセカンド・アルバムの『ワン・パンチ』出してから調子が出てきて、で、『フル・コンタクト』あたりからバンドに亀裂が入るわけでしょう? 

AO:はい、そうですね。

で、中心メンバーの秋本くんが抜けて、そのあと残されるわけじゃないですか。どのような気持ちであの時期を過ごしてたんですか?

AO:あの、これはほんとに、僕が話すっていうのもエラいことになっちゃうと思うんですけど、結局、みんなあそこで人間関係も学んでたと思うんですね。誰がどうってことでもないですし......ただ個人的には、もともとは秋本くんとの繋がりっていうのが大きかったんですよ......僕のなかではドライ&ヘビーっていうのはほぼ秋本くんだったわけです、とくに初期の頃は。圧倒的な影響下にあったわけです。七尾さんもそうなんですけど、秋本くんはすごかったんですね。

秋本くんはサッカーで言うところのFWタイプの人だよね。しかも身体ごと行くっていう感じのね。

AO:彼が辞めることに関しては、僕はあまり話をしてなかったんです。「それはどういうことか?」とか。ただ、それまでの個人的な感情の繋がりとして、「他にやりたいことあるんでしょ?」って言ったら「そうだ」って言ってました。「だったらそれはやるべきだ」って僕は言って。で、その後のバンドの亀裂に関しては、それぞれの立場のいろんな意見がありますから。

そうだよね。言ってることがそれぞれ違うけど、みんな正しいみたいなね。

AO:ただ、すでに海外ツアーも行って、とても熱心に支持してくれるお客さんっていうのも現れてきたときだったので、ドラヘビの意味っていうのが自分のなかでさらにまた大きくなっていたのも事実なんですね。僕は個人的には続けたいとすごく強く思っていたんですね。まあ、内部はほんと大変でしたけどね(笑)。

察します。ひとつの歯車が狂うと大変だよね。

AO:だからたぶん、人間関係の勉強っていうのを同時にそこでみんながしてたんだと思います。

バンドを維持するっていうのは、商売としてとか、どっかで割り切らない限り、難しいよね。ドライ&ヘビーに限らず、それはもうバンドでは起こりうることだからね。

AO:起こりえますね。

で、秋本くんが辞めて、秋本くんなしのドライ&ヘビーで『フロム・クリエイション』が出て、そのあと自然消滅していくわけじゃないですか。

AO:僕はドライ&ヘビーを脱退したのは去年なんですね。まあ七尾さんに「辞めます」と言ったのが去年だったんですね。

じゃあドライ&ヘビー自体は......。

AO:あってないようなものって状態で、休止しているとかなくなったとかって言われたりもしますけど、たしかに曖昧な認識のままでしたね。

2011年は〈ブラック・スモーカー〉から出したしね。

AO:ありましたね。それまでも、たとえば「秋本っちゃんとふたりでやりたい」って七尾さんから電話かかってきたりはしてたんですけど。でもやっぱそのたびに話がこじれたり......(笑)。まあでも、ドラヘビは2007年ぐらいまではライヴやってましたね。MAIちゃんがいない状態でもやってたんですよ。ベースはPATAさんがいて、レコーディングもあったんですよね、2006とか、2007年まで。それはまあ全部お蔵入りになってるんですけどね。

AOちゃんはバンドの窓口になっていたんですか?

AO:マネジメントやブッキングはやりましたね。まあ何となくそうなったんですよ。

そうかそうか......。でもさあ、なんかドラヘビの話聞いていると気持ち良いんだよねー、いつかドラヘビ物語を書きたいですね(笑)。

AO:犬も食わないような話ですよ、実際!

バンドに関わった人たちは、いまでもみんな好きなんだと思うんだよね。心底嫌いだったら、いちいち感情的にならないでしょう。

AO:いや、それはそうだと思いますけど。でもドラヘビに関しては、僕はほんとに責任を感じてますね。ただこうして発言してしまうと、それが政治的な力にもなってしまいますしね。

デリケートな問題だよね。秋本くんには秋本くんのリアリティがあるだろうしね。

AO:それはほんとそうですよ。僕には僕のリアリティもあるし、誰かが全体的にまとめるなんてことは不可能なんでしょうね。でも、何かちょっと申しわけないな、って。そういう気持ちは僕にはありますね。とくにリスナーの方にはね。支えてくれたファンとか。

だからこそのドライ&ヘビーだったのかな、って気もしますけどね。

AO:鬼っ子みたいな。まあ何かこう、お騒がせみたいなところはあったと思うんですけど。

メジャーと契約しているバンドみたいに大人の会話ができるような感じのバンドでもなかっただろうからね(笑)。だからこその演奏だったと思うし。

AO:そうですね。まあ姿勢であるとかグルーヴとか、あのころ体現してたとは思うんで。みんなギリギリまで、限界超えてまでやってたんで、それはやっぱり(笑)。

仕事のほうはどうしてたんですか?

AO:音楽だけでは食えたことないから、いまもバイトやってますよ。ドライ&ヘビーの欧州ツアーに出るまでは......99年だったかな2000年だったかな、それぐらいまでは普通に会社員として働いてましたね。バンドのいろいろなタイミングで職を失ったりってことはあったんですけど、普通に働いてましたね。

音楽との関わりっていうのは本当にドライ&ヘビー一本だったんだね。

AO:そうですね、はい。

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ZETTAI-MUとかデカいかもしれないですね。ドラヘビの初期の頃に、レゲエ以外のイヴェントにけっこう呼ばれてたんで。ほとんどレゲエ以外のイヴェントでしたね、テクノとかジャングルとか。ヒップホップとか。そういうものがけっこうあったかもしれないですね。


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じゃあ、ソロ・アルバムを今回こうして作ることになったいいきさつみたいなものは、どのようなものですか?

AO:えっと......去年、ちょっと個人的なこととかいろいろなことが重なって。ドライ&ヘビー脱退したりとか、その前に2007年に立ち上げたマカファットっていうユニットがあったんですけど、それもうまくいかなくなりまして。で、自分の音楽人生を振り返るタイミングが思いっきりあったんですよね。そのときにドライ&ヘビーも辞める決意っていうのもあって。
 で、自分の過去を振り返ったとき、2003、4年ぐらいに作っていた音源があったんですね。リリースとかまったく関係なく、好きで作っていた打ち込みの音源なんです。お蔵入りにしてたんですよね。大村(大助)さんに借りたハードディスク・レコーダーに入ったものがずっと埃かぶってたんですけど、聴いてみようかなって思って。時間も経っているからけっこう客観的に聴ける。そしたら、思ったよりもいいかもしれないって。
 最初は、その音源を自主で出そうかな、ひとりだけで作ったものとして出してみたいなって思ってたんですよね。そしたら、大村さんとか「いいじゃん」って言ってくれたんですね。それで話が〈ビート〉から出そうってことに進展したんです。

実は僕も最初に聴いたのが大村くんの車のなかだったんだよね。聴いたときは〈ワープ〉か〈ニンジャ・チューン〉の新人かと思って、「誰?」って訊いたら「AOちゃん」って言われて、すごくびっくりした。「AOちゃんって、あのドラヘビでマイク握っていた人?」って(笑)。まさか打ち込みやってるとか思わなかったし。

AO:はははは。打ち込みはもともと2000年初頭からDJをはじめときに自分が好きでかけてるものとかに影響を受けて「俺も打ち込みたいな」とか、「この曲とこの曲のあいだにかける曲を作ってみようかな」とか、そういうぐらいの感じではじめたんです。

DJはいつからはじめたんですか?

AO:DJを本格的にはじめたのは......2002年ぐらいじゃないかなあ。2000年代初頭ぐらいですね。

じゃあ『フロム・クリエイション』の――。

AO:の、前ぐらいですね。友だちのイヴェントに呼ばれるようになって――下北沢でやったり恵比寿でやったり、レゲエのイヴェントだったり、レゲエじゃないイヴェントだったりもしました。ダンス・ミュージックとの出会いってことを言うなら、ZETTAI-MUとかデカいかもしれないですね。ドラヘビの初期の頃に、レゲエ以外のイヴェントにけっこう呼ばれてたんで。ほとんどレゲエ以外のイヴェントでしたね、テクノとかジャングルとか。ヒップホップとか。そういうものがけっこうあったかもしれないですね。

なぜレゲエを作らなかったんですか? レゲエからの影響はもちろん感じるけど、全然別物ですよね。

AO:もろルーツのトラックも実はあるんですけど、今回ちょっと入れてないんです。いわゆるレゲエ風のものっていうのは"Naha"って曲しかないですね。それはまあ、DJやってるときからレゲエのフレイヴァーがある新しいダンス・ミュージックっていうものに惹かれてましたからね。ドライ&ヘビーを通じて〈ON-U〉を知ったり、海外ツアーの体験を通して、「東京にフィットするような、新しいリアリティを感じる音はないかな」っていうのはあったかもしれないですね。単純にレゲエと混ざったダンス・ミュージックが好きだったっていうのもあったんですけど。とくにバイリとかグライムは衝撃でしたね。それまでもニュー・ルーツやラガ・ハウスも聴きかじってはいたんですけれども、さらにもっと自由なものっていうか、そういうものに出会ったような気がしました。新鮮な驚きっていうか、それでだんだん自分でもやってみたくなってきましたね。

でもDJでかけてたのはレゲエでしょう?

AO:初期の頃はけっこう混ざったものをかけてましたね。わざわざ古いラガ・ヒップホップを掘ったりとか。それから〈ワープ〉や〈ニンジャ・チューン〉も聴くようになって、ダンス・ミュージックもどんどん好きになっていきましたね。

AOちゃんがバイリ・ファンキ好きだっていうのは意外だったな。だってアゲアゲじゃないですか、バイリ・ファンキは。

AO:そうですね、ええ。僕けっこうアゲアゲ好きですよ(笑)。昔から(笑)。

僕はAOちゃんの作品聴いて、やっぱ〈ON-U〉っぽいなと思った。あとエレクトロっぽいというか、テクノっぽいなと思ったんですよね。

AO:実は、テクノとハウス・ミュージックの境目もはっきりよくわかってないんですけどねー。でもやっぱり、アンディ・ウェザオールが関わったものは好きでしたね。

ああ、なるほど。トゥー・ローン・スウォーズメンとか?

AO:トゥー・ローンも好きでしたけど、でもどっちかって言うと〈ロッターズ(・ゴルフ・クラブ)〉のほうが好きですね。

『アロー』の1曲目なんかファンクだもんね。

AO:そうですね。あとね、おそらく2000年代初頭にダンスホール・レゲエのジャマイカのヴァージョンばかりをすごく聴いてるときがあって、そのなかにとんでもないトラックがあるんですよね、テクノにもハウスにも聴こえるような、よくわからないような。

へえー。それは面白そうですね。

AO:すごい面白い。ジャマイカので、ついついそういうものにけっこうシンクロしちゃって。グライム、バイリっていうのもあったんですけどね。ただ、テクノに関してはウェザオールですね。それから、いわゆるバレアリックみたいな感じ、いろんなジャンルに精通しいてそれを再構築する感じは大好きですね。ドラムンベースも好きでしたけどね。

『アロー』のBPMはだいたいハウスのBPMですよね。

AO:ああー、そうかもしれないですね、はい。

ダブステップは?

AO:僕は聴きはじめたのがかなり遅いですね。意識的に聴きはじめたのが一昨年ぐらいから。コード9みたいなのが好きですね。

ああ、レゲエやダブが好きな人はあれは好きだよね。

AO:このあいだ出た『ブラック・サン』、あれもすごく良いと思いました。

あれはちょっとダブステップから逸れた感じも出てますよね。

AO:そうですね。やっぱダブステップは3拍目に落ちるスネアだったりとか、僕のなかではワンドロップの延長で聴けるんです。昔、ゴス・トラッドに「ダブステップって何なんですか?」って訊いたら、彼は「いまの向こうのダブ・プレートのカルチャーだ」って答えてくれました。すごく新しい、若い音楽だという印象をずっと持ってましたから、ちょっと気後れして、あんま積極的には聴いてこなかったんですけど、ようやく最近〈ハイパーダブ〉とか聴くようになりました。でも、まだ知らないものばかりですけどね(笑)。

さんざんU・ロイやI・ロイを聴いてたら、もう「ダブはもういいや」とか(笑)。

AO:はははは。でも昔はニュー・ルーツも聴いてましたけどね。

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いま日本の若い子は、逆に現実を知りすぎていて、僕らの若い頃なんかよりはシビアな思いをしてるという気がするんですよね。色気づいた頃にはすでに景気も悪いわけで。これ聴いて「バカやってるな」と思ってもらえたら、嬉しいですけどね(笑)。


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AOちゃんの作品はいわゆるダブステップではないけど、底辺にあるのはダブだなって思うんですよね。さっきも言ったように〈ON-U〉っぽいんです。雑食性が高い。いろんなものが混じってるから、強いてジャンル分けするならベース・ミュージックと言うしかないだろうな、って思ったんですけど。

AO:そうですね。

でも、UKのベース・ミュージックとはぜんぜん違うんですよね。

AO:そうですね、感情表現の延長でしかないのかなって思うんで......。

でもダンス・トラックが多いし、グルーヴィーじゃないですか。

AO:ははは。踊れるってのはいいですよね。踊れる曲にしたいなっていうのはたしかにあったんです。

ベース・ミュージックって、いまや国際的なジャンルでしょ?

AO:ベース・ミュージックの、誰もがそこに参入できるという、そういう自由な雰囲気は感じとってはいたと思うんですよね。そこの土地土地のリアリティでグッとなっていって、それがバーンと広がる瞬間みたいなものっていうのはたぶんレゲエでもあったと思いますし。そういう動きみたいなものっていうのは、UKガラージとかにも感じてましたし。

作品のなかでトースティングを入れなかったっていうのは?

AO:そうですね。というかまったくはじめからインストですね、これは。

1曲目のMCはサンプリング?

AO:あれサンプリングですね。基本、自分の声は入ってないです。口笛は入ってますけどね。ヴォーカル・アルバムにするっていうのはまったく考えてなかったので。インストでやりたかったんです。

いや、誰もがこれ、「まさかAOちゃんってあのAOちゃん?」っていう風に思ったでしょうね(笑)。

AO:そりゃあそうですよね、普通に考えて(笑)。ただ、たとえばダブステップはサウスロンドンとか、ジャングルもロンドンの公団住宅とか、その地域地域の特殊性みたいなものがあるじゃないですか。日本でもそれができないかと思ったんですよね。自分のリアリティを素直に表したインスト作品っていうか。

自分でトラックを作りたいっていう欲望があったんですね。

AO:衝動というかね。7~8年前、ドラヘビがメインって考えると、メインの活動とは関係なくやっていたとはいえ、わざわざサンプラーを買ってシンセを買ってやってるわけですから。

機材を揃えるのって勇気いるよね。僕も20代のときにサンプラーを買ったんだけど、男の36回ローンだったもん(笑)。

AO:はははは。僕もそんなようなもんです。何だろう、音楽が好きだし、もともと機械をいじるのも好きなんです。僕の場合は2000年代の初頭に、MPCも小さくなって、シンセも小型になって、運良くハードディスク・レコーダーも借りられて。いろいろ偶然があったんですね。

やっぱり自信があったでしょ(笑)?

AO:いや、自信はほんとにないんですよ! マジで。

はははは。

AO:ですし、はっきり言って、まわりに止められてましたからね。

「やめてくれ」って? 

AO:そうですよ、ほんとに。「絶対こんなのはやらないほうがいいよ」とか「向いてねえ」とか、いちばん近しい人たちに言われてましたから。

はははは!

AO:聴かせたりすると「拷問だね」って言われて。

それは逆説的な愛情表現でしょう(笑)。

AO:僕はそれをけっこうそれを素直に受け止めてしまって、しかも自分は痛い目見ないと気づかない性格だっていうのも大きくあるんで(笑)。それで、まあ、昨年、それまでの自分を振り返ったときに、「バンド活動と女とドラッグと借金と、他に何がある?」ってね(笑)。それで自分と向き合って、自分の曲を客観的に聴いてみようって。昔自分が作ったものをいま聴くと、何て言うんですか、すごく怖いもの、怖くて暗いものだろう、っていうイメージがあったんですけれども。

自分の作品が?

AO:しっちゃかめっちゃかだろうし、ダメなんだろうなって思ってたんですよね。でも、聴いてみたら「意外と大丈夫かもしれない」って思えたんです。

いや、でもホントに格好いい作品ですよ。ポスト・ダブステップのテクノ感覚みたいなものと近いのかなと僕は思ったんだけど。

AO:基本は感情表現なんです。少しの衝動みたいなものと、心象風景みたいなものを込めているつもりではあるんですけど。何かやっぱり、そういうものがすごく自分にとってはいいんだなと思います。ダンス・ミュージックを聴いてても思うものもありますし。

ちなみにDJはどれくらいの頻度でやってるんですか?

AO:えっと、いまはもうずいぶん少なくなっちゃって、月1回2回ですけど、ピーク時はやっぱ年に100箇所以上やっていましたね。

へえー。

AO:で......沖縄や北海道の方まで。海外はなかったですけども。

何年間ぐらい?

AO:ピークだったのが2、3年間ぐらいですね。それは2003年、2004年、2005年ぐらい。あとは自分で皿をかけて自分で歌うっていう、そういうセットでもけっこう回ってました。だから秋本っちゃんがやめてからのドライ&ヘビーっていうのは個人の課外活動っていうのも盛んな時期であって。

ソロ活動ね。

AO:そうですね。それは積極的にやってきた部分もあったんですよね。ちょっと個人的にも思うところがあって。

そういう風にDJで回った影響っていうのがきっとあるんだろうね。

AO:すごくありますね、それは。いろんな場所で、規模にかかわらず現場で受けた印象、すごい瞬間っていうのがたくさんあったので。北海道でもどこでもいいんですけど。けっこういろんなジャンルのイヴェベント呼んでもらえたんで、何か......そうですね......まあ言葉にうまくできないんですけど(笑)

『アロー(ARROW)』ってタイトルにしたのは何でなんですか?

AO:「矢」っていうのは現状を打破していくとか、一本の意志みたいなものの象徴にしたいなって思ってですね。「三本の矢は折れない」って日本の言い伝えがあるじゃないですか。今年震災と原発事故がありましたよね。それがいま、矢は折れちゃってるような状況だと思いますし。あと、『ブロークン・アロー』って映画にもなったんですけど、アメリカ軍の作戦コードで核兵器がなくなっちゃったときのコード・ネームが「ブロークン・アロー」っていうのがあって。だから矢が折れちゃってるっていうネガティヴなイメージと、それと「これからもう、ほんと何とかしていくしかねえんだよ」っていう状況なので、これはもう希望を込めて、いいかもしれないと。

なるほどね。僕はそこにもうひとつ、ドライ&ヘビー的ながむしゃらさを付け加えたいですけどね。

AO:そうですね。

まあ、ドライ&ヘビーよりソロのほうが自由を感じますけどね。

AO:はははは。レゲエって、ジャマイカ風にやってみたりとか、ラスタにのっとってみたりだとか、ルーツではこれしちゃいけないとか、いろんな道を踏んで行く楽しみ方もあると思うんですけど。そういうのは、まあひと通りけっこうやってきて。今度は自分のなかで生まれたものだけを出したいと思ってこれを作ったわけで。若い世代に言いたいのは「俺みたいな奴でもできるんだぞ」ということですよね。

イギリスのインディ文化なんて「他人からどう思われるか」じゃなくて、「俺でもできるんだぞ」と「俺はこれが好き」の集積だもんね。

AO:そうですね......いま日本の若い子は逆に現実を知りすぎていて、僕らの若い頃なんかよりはシビアな思いをしてるという気がするんですよね。色気づいた頃にはすでに景気も悪いわけで。

こういうときこそジャマイカン・ザムライの出番だね。「俺を見ろ!」的な。これやったらバカと思われるかもしれないけどやっちゃうっていう。

AO:そうですね、ひょっとしたらそうかもしれない。まあ何か、これ聴いて「バカやってるな」と思ってもらえたら、嬉しいですけどね(笑)。

そうだよね、バイリ・ファンキだもんね。

AO:そうですよ!

少年ナイフ - ele-king

 90年代ごろから日本のバンドが海外のインディ・レーベルからリリースされることも増えてきた。しかし実際には多くの場合、日本への輸出をあてこんでのものだという。海外でライヴをやったけど客はほとんど日本人なんて話もよく聞く。そんな中で本当に受け入れられているバンドを見極めようとしたときに、目安になるのがやはりツアーだろう。毎年のように1ヶ月とかそれ以上の海外ツアーに出ているバンドであれば間違いない。
 ちなみに「○○(ソニック・ユースとか)のオープニング・アクトで全米ツアー」みたいなのもあまりアテにならない。日本人と違ってむこうの客は真面目にスタート時間から来たりしないので、前座なんか見てないことが多いのだ。もちろん、別に海外で受けたから偉いというわけでもないとは思うが。
 よく言われる話だが、欧米のライヴハウスは日本のように機材が充実していることもなく、日々の移動距離も日本とは比べ物にならない過酷なものだ。そんななかで年中ツアーをしていればバンドが鍛えられるのも頷ける。アメリカのインディ・バンドなんかのライヴを観ると、上手い下手とは違う部分での地力みたいなものを感じることは多い。

 そんななか、かつて「世界でもっとも有名な日本のバンド」と呼ばれた少年ナイフは現在も精力的に海外ツアーをおこなっている。今年も8月から9月にかけて1ヶ月以上のヨーロッパツアー。そして先日も10月から11月にかけて1ヶ月以上の北米ツアーから戻ってきたところだ。
 そして帰国してすぐに今度は国内でのツアーである。12月2日、東京の新代田FEVERを皮切りに名古屋、大阪の三都市。毎年12月におこなわれる「Space X'mas Tour」の2011年版、というわけだ。ちなみにナイフは7月と12月にこの三都市のツアーをするのが恒例になっている。関東のファンにとっては貴重な機会なのです。このツアーはゲストを迎えることも多いが、今回はワンマンだ。

 FEVERのフロアに流れるストーン・ローゼスの音量が下がると客電が落ち、ナイフによる"We Wish You A Merry Christmas"が流れてメンバーが登場。本日発売のクリスマスカラー(赤と緑)のタオルを掲げている。その日売りたいタオルを持って出てくるというのは矢沢永吉に学んだのだろうか。衣装は昔からおなじみのモンドリアン風ワンピース。意外とメンバーチェンジをしているバンドだが(ディープ・パープルには及ばないがラモーンズくらいには変遷している)、衣装は代々引き継がれているのである。

 ツアータイトルにもなっているラモーンズ~バズコッコス系クリスマスソングの名曲"Space Christmas"でライヴはスタート。三曲目の"Twist Barbie"あたりからフロアも温まってくる。私はいつもは最前列付近で観てるのだが、珍しくちょっとうしろから観ていると、とにかくみんなニコニコしている。年季の入った(元)インディ・キッズみたいな白人のカップルが手をつないで踊ってたりして、会場の雰囲気はハッピーだ。
 おなじみのパンク・ナンバーで会場も盛り上がったところで中盤ではちょっと珍しい昔の曲をやったりするのもワンマンならではの楽しみだ。フェスなんかだと持ち時間も短いし、なかなかそうはいかないからね。"Redd Kross"はLAのあのベテラン・パワー・ポップ・バンドのことを歌った曲で、レッド・クロスの"Shonen Knife"という曲に対するアンサーソング。オリジナル・ベーシスの美智枝さん作のサイケポップ・ナンバー"I Am A Cat"を昨年加入したドラムのえみさんが歌い、オリジナルドラマーの敦子さんが歌っていたビートルズの"Boys"はベースのりつこさんが歌う。珍しく何曲かで直子さんがギターを持ちかえ、リッケンバッカーの美しい響きを聞かせる場面も。

 少年ナイフといえば「脱力系」とかそういうイメージがあると思うのだが(シャッグスのことを「少年ナイフの元祖」なんて書いているブログを見かけたこともある)、いまでは演奏上はそういう側面はほとんどない。現在のリズム隊は非常にタイトで、MCの際に「ツアーで食べ過ぎて、安定感がつきました(笑)」なんて話をしていたが実際のところ安定感があるのは間違っていない。
 2008年加入のりつこさんはバキバキに重い音色と長い髪を振り下ろす派手なヘッドバンギングがやたらと絵になるし、えみさんはズシっとした重量感のあるドラマーである。本編最後の"Economic Crisis""コブラ vs マングース"というメタル系ナンバーの二連発など、歴代メンバーでもっともヘヴィな演奏だろう。とくに後者のスローパートなど、ボリスのファンも納得! というくらいだ(余談だが、えみさんは髪を少し短くしたようで、ライヴEP『We Are Very Happy You Came』のジャケットのこけしみたいで可愛かったです)。

 アンコールでは今年リリースされたラモーンズのカヴァー集『大阪ラモーンズ』から3人それぞれがヴォーカルをとって"ロックンロール・ハイスクール""シーナはパンクロッカー""KKK"の三曲。ナイフのファンならラモーンズが嫌いなはずはないのでもちろん多いに盛り上がる。

 二度目のアンコールは配信でリリースされたばかりの新曲"Sweet Christmas"を披露。ナイフとしては三つ目のクリスマス・ソングで、これがまたラモーンズ・スタイルの名曲なのである。今回の配信リリースには、この曲のアコースティック・ヴァージョン、そしてオープニングSEで使われた"We Wish You A Merry Christmas"も収録。今年のクリスマス・ソングはこれ一択でしょう。どうせなら7インチでほしいと思ったらイギリスではアナログでリリースされているらしいので、現在入稿直前の紙『ele-king vol.4』の仕事がひと段落したら輸入盤屋に探しにいこうと思う(なかなか届かない原稿をジリジリしながら待っていたら、野田編集長からこの原稿を催促するメールが届いたのです)。

 MCでアナウンスされていたが、今年の年末は少年ナイフが初めてスタジオで練習をしてから30年。そして来年の春には初めてのライヴから30年。『大阪ラモーンズ』に続き、来年も30周年企画はいろいろとあるようだ。楽しみですね!

 会場で会った知人は最初は「今日はワンマンだし、長そうですね......」なんて言ってたのだけれど、終演後には満面の笑顔で「最高でしたね! 間違いないっすね!」と大興奮だった。まあ、そういうことだ。悪いこと言わないから機会があれば観に行くといい。ロックの楽しさってのはこういうものですよ。

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