「S」と一致するもの

interview with LUH - ele-king


Spiritual Songs for Lovers to Sing - LUH
Mute / トラフィック

Indie RockPunk

Tower HMV Amazon

 怒りなどというとあまりに陳腐だ。エラリー・ロバーツの怒っているようなヴォーカルには感情のありったけがある。能面がたったひとつの表情、あのなめらかな稜線の中に喜怒哀楽の無限のスケールを持つのだとすれば、エラリーのそれは千も万もの異なる表情をひとつひとつすべて具現化して結合させたような、異常な激しさと質量をともなった塊。タイタス・アンドロニカスやモデスト・マウスといったバンドを引き合いに出せばいくらかイメージしてもらえるだろうか? 声量の問題ではなしに、それは大きくて膨張的で、そして感動的だ。いや、なぜ感動するのかわからないほどに大きいというべきだろうか……。

 ラーというユニットのファースト・アルバムに注目が寄せられている。理由は音を聴いて納得してもらうよりほかないけれども、なんといってもウー・ライフのフロント・マンによる別プロジェクトであるということへの期待がある。2008年に結成され、わずか4年で解散したUKのロック・バンド、ウー・ライフは、なかなかかつてのような勢いや新しさを生むことの難しいロック・シーンにおいて、勢いや新しさではなく一個のバンドとしての替えがたい存在感によってまさに彗星のようなインパクトを残していった。

怒りや反抗という感情を減耗させることなく表現にかえ、人の心を揺さぶる。彼らについては覆面というテロリスト的な装いも特徴的だったが、「World Unite Lucifer Youth Foundation」というバンド名は連帯のテーマを掲げるものでもあった。フロントのエラリー・ロバ―ツはフガジからザ・KLFにジジェクまでを敬愛しているようだが、そこには彼個人がDCハードコアの政治性やKLFのポップ・フィールドを舞台にした対社会規模のパフォーマンスへの憧れ、共感、そして現行の世界に別の秩序を期待する気持ちを見てとることができるだろう。成熟した思考や表現であったとは言いにくいが、彼らの音には理屈を従わせてしまうほど心に訴える強さがあった。

 バンドを離れたエラリーがそうしたモチベーションを失うことはなかったようだ。以前の彼らを突き動かしたのは10代の若さだったかもしれないが、いまそのエネルギーはひとりになることでより鋭利なものになっている。解散後、彼女であるエボニー・ホールンとともにはじめたこのユニット、ラーのデビュー・アルバム『スピリチュアル・ソングス・フォー・ラヴァーズ・トゥ・シング』にはそのことがよく表れている。プロデューサーに2010年代のインダストリアルやダーク・アンビエントの盛り上がりをビョークの『ヴァルニキュラ』にまでつなげたハクサン・クロークを迎えているところは、ラーの印象をウー・ライフから断ち切り、また、彼らがただのポップ・ユニットではないということを示すに十分だ。クラムス・カジノがサンプリングされ、ヤング・サグやスワンズにインスパイアされたという本作は、そもそものロックやハードコア的なスタイルを逃れることなく、ヒップホップからインダストリアル、果てはEDM的な表現にまで及んでいるけれども、いろんなスタイルをミックスしたというよりは、エラリーが彼にとっての理想や目的に向かって驀進する勢いにさまざまなものが巻き込まれてしまっているという呈をみせている。

 ひとまず今回彼らがテーマとしているものは「神話」──個々の宗教をこえたところで、人の歴史や真理をあらわすもの、というようなニュアンスのようだ──だが、思い浮かべるのは混沌としての神話の世界だ。しかしどんなに激しくさまざまなものが渦巻いていても、エラリーというひととその声や叫びがわれわれの心にもたらすものにブレはない。タイトルでことさら表現しなくとも彼の怒りはいつも愛であったということにわたしたちはあらためて気づかされるだろう。

■LUH / ラー
ユニット名は「Lost Under Heaven」の頭文字に由来。エラリー・ロバーツ(Ellery Roberts)とエボニー・ホールン(Ebony Hoorn)による二人組。エラリー・ロバーツは、元ウー・ライフのフロント・マン。ウー・ライフ末期の2012年に出会い、アムステルダムでともに生活をはじめる。2014年より音楽、アート、写真、フィルムなどの作品を次々と発表、ヴィジュアル面は、主としてエボニー・ホールンが担当している。2016年5月、プロデューサーにザ・ハクサン・クロークを起用したデビュー・アルバム『スピリチュアル・ソングス・フォー・ラヴァーズ・トゥ・シング』をリリース。

ボビー(ハクサン・クローク)との最終的な制作段階で最初に決めたことは、音像的意味での攻撃性にはいっさいの制限をしないこと、要するにそれは、音による懲らしめのようなものだった。

“$ORO”に圧倒されました。エレリーさんの中でR&B、ヒップホップ、ハードコア、インダストリアル、ボディ・ミュージックみたいなものまでが現代風にまとめられていますね。異形のEDMとも呼べそうです。この曲の着想について、それから、もしハクサン・クロークからのアイディアやアドヴァイスなどがあったら教えてください。

エラリー:“$0R0”は、もともとは2013年夏のバンコクで、ピアノで作った曲なんだ。その旅の間にスラヴォイ・ジジェクの『終焉の時代に生きる(原題:Living in the End Times)』を読んでいて、『イーザス』(カニエ・ウェスト)も出たばかりだったから、ある意味、“$0R0”はその二つを融合させたもの。書きたかったのは略奪的な資本主義者——彼らの狂気じみたロジック上では大目に見られ、品格があるとされるようなキャラクターだった。アムステルダムに戻る間に僕がトラックを作ったんだけど、フィリップ・グラス的なオーケストレーションを組み込んで、時代を象徴するような、漆黒に浮かぶクラブ美学のような曲を目指したんだ。
 ボビー(ハクサン・クローク)との最終的な制作段階で最初に決めたことは、音像的意味での攻撃性にはいっさいの制限をしないこと、要するにそれは、音による懲らしめのようなものだった。思うに彼がやってくれたのは、音をいろいろ洗練させてくれたのと、それまではブラシで大きくペイントされたような作品に繊細さをもたらしてくれたことだった。

“ラメント”ではクラムス・カジノがサンプリングされていますね。クラムス・カジノへの共感があるのですか? 彼の音楽や存在をどう思いますか?

エラリー:僕らは彼の音楽のファンで、ここ数年何回かコラボレーションできないかトライしてるんだけどまだ実現できてないんだ。彼にはおもしろいアプローチ、それに美学があると思ってる。

デス・グリップスは、ハードコアとヒップホップに政治的なスタンスを重ねる点では、エレリーさんの影響や理想とされるものに近いのかもしれませんが、彼らの活動スタイルは近づきがたいまでに挑戦的ですよね。彼らを「ポップ」だと思いますか?

エラリー:デス・グリップスはものすごくパワフル、それに文化的な逸材揃いで興味深く、メインストリームにも明らかな影響を及ぼしていくようなとても実験的なものに向かっている。ザック・ヒルは詩のような人生を過ごしていて、10代の頃からずっと大ファン。MC Rideとはちょっとだけど意味のある話をして、彼らの作品から見える力や進路に最大限のリスペクトを感じたよ。

ヤング・サグ、それにスワンズの『エンジェルズ・オブ・ライト』。その二つの間の「揺らぎ」、僕らはそのどこかに存在している。

クラムス・カジノ、デス・グリップス、ハクサン・クローク……あなたがインスパイアされるアーティストは、一見あなたの音楽性と距離があるようにも見えます。まず、あなたはあなたの音楽と彼らをどのように比較していますか? そして、彼らも三者三様だと言えますが、彼らの音楽に共通するものは何だと思いますか?

エラリー:カルチャーが寄せ集めのようになって相当な消費をされている中で、影響というものは無数に存在する。この想像を超えるような状況でLUHが出てきたんだ。同様にインスパイアされたのはヤング・サグ、それにスワンズの『エンジェルズ・オブ・ライト』。その二つの間の「揺らぎ」、僕らはそのどこかに存在している。僕が考える(彼らと僕らの)共通点は、時代背景との関係性で、2016年現在のカルチャーを反映しているということ。レトロフェチではなく、つねに前進的。

コペンハーゲンのシーンにシンパシーはありませんか(アイス・エイジ、ラスト・フォー・ユースなど)? また、ロック・バンドというフォームはロック先進国であった英国においてはまだまだ強い発信力を持っており、やるべきこともあると思いますか?

エラリー:そうだね、とくにマーチング・チャーチには持ってかれたね。シーンに直接つながってはいないけど彼らのコミュニティのセンスには憧れているし、彼らが取り上げている旧約聖書、聖ニコラウスも僕が何年もやろうとはしたけどちゃんとできてないものなんだ。

エラリーさんはフガジからの影響とともにKLFからの影響についても語っておられますね。これはとても興味深いです。このふたつをつなぐものは何だと思いますか?
また、KLFの精神を現代流に受け継ぐとしたら、どんなことをするべきだと思いますか?

エラリー:The KLFの政治性と詩性は、僕たちの生きている極度に見世物じみたこの世の中ではありえないものではなく、はっきりとしたもの。その規模たるや、彼らが活動できていた頃は、いまでは考えられないくらい音楽業界も裕福で、百万枚も作るような楽しさで成功することができた。ぼくがいま知っているアーティストは誰もがやり手で、彼らの政治性がどんなに懐疑的、破壊的であろうと関係なく、資本家の報酬のためにせっせと働いている。すべてはみな沈みゆく船の中だよ。

ジョーゼフ・キャンベルからの影響について教えてもらえますか? 

エラリー:僕らはバックミンスター・フラーとともにジョーゼフ・キャンベルのことも、若者を導きつづけるような豊富な知恵を述べる年長者の感覚で、語ってきた。彼らの考えは適切で、少なくとも彼らの世界と同じく僕らの世界でもそうなんだ。ジョーゼフ・キャンベルの荒地と旅の対話:至上の幸福に従うこと、それは私の人生の考え方に対する根源的な思いだ。

語ることのできるものすべてが神話。その理解を怠り、集中するための時間を欠けさせてしまっているから、僕らのポピュラー・カルチャーは浅くて文化的に不毛な方向へと向いてしまっているんだ。

現在のポップ・ミュージックには神話としての機能が残っていると思いますか?

エラリー:語ることのできるものすべてが神話であって、それは誇張されミステリアスなかたちで文書化されている。その理解を怠り、集中するための時間を欠けさせてしまっているから、僕らのポピュラー・カルチャーは浅くて文化的に不毛な方向へと向いてしまっているんだ。

今作のタイトル『スピリチュアル・ソングス・フォー・ラヴァーズ・トゥ・シング』の中の「スピリチュアル」とは、どういう意味合い、ニュアンスを持っているのでしょうか?

エラリー:僕の理解では、「spiritual」という言葉は、人間の潜在能力、それに物質世界との関係性というアイデアと一致している。経験した中では、科学的合理主義をはるかに超えた生命、その深淵さに気づいたことかな。

今作の“主人公”は誰ですか? 「I」や「We」とはあなたたち以外にどんな人のことでしょうか?

エラリー:思うに僕らのこの小さい星全体には、普遍的と感じられるものが一定数あって、もしかしたらこの星のどの街にも僕のストーリーや願望、感情をわかってくれようとする子が一人はいるかもしれない。それから、典型的な恋人たちの奔放さや、僕たちが出会った瞬間、僕とエボニーが作った独自の世界も……。LUHは僕たちが描いてきたものの一つの印なんだ。

思うに僕らのこの小さい星全体には、普遍的と感じられるものが一定数あって、もしかしたらこの星のどの街にも僕のストーリーや願望、感情をわかってくれようとする子が一人はいるかもしれない。

今回のアルバムでは録音のされ方自体にも何かコンセプトや意味があるように見えます。オセア島という場所について、またそこで集団生活を営んだ意図について教えてください。

エラリー:ボビーが、オセアは完璧に外界とは遮断したかたちで作業ができると提案してくれたんだ。僕とエボニーはそれまでにこのアルバムをいろんなデモから18ヶ月以上かけて練り上げてきていたから、それを仕上げるためにはさらに相当なエネルギーを費やして、すべての楽器やヴォーカルを2週間の強烈なセッションでレコーディングし直した。統一したアイデンティティを生み出しながら、幅広いレンジを持った野心溢れる作品になった。

ラヴ・ソングと呼ばれるものの中であなたが素晴らしいと思っているものを教えてください。

Stay With Me Till Dawn - Judy Tzuke

Never Let Go - Tom Waits

願わくば僕は年老いるまでには、友川カズキやカマロン・デ・ラ・イスラのように誇らしく放浪の身となって生きていきたい。

歌(歌唱/ヴォーカル・スタイル)という点で尊敬する存在、またはおもしろいと感じるひとは誰ですか?

エラリー:願わくば僕は年老いるまでには、友川カズキやカマロン・デ・ラ・イスラのように誇らしく放浪の身となって生きていきたい。生々しく素直な声が素晴らしいと思う。

あなたがたは自分たちの作品がパーソナルなレベルではなく、社会にとって何か作用を及ぼすものであってほしいと思うのでしょうか?
 そうだとすれば、このあと歌っていくべきテーマはどんなものであると考えますか?

エラリー:個人的なことは政治的というけど、僕は社会から生まれてきたから、その(社会の)病の数々も僕自身のもの。僕が書こうと目指してるのは自己変革への欲求を持った、それはすなわち社会変化への力につながるような曲。しかし、その(自己変革までの)旅は各々の個人がするものであって、リーダーとか崇拝対象となるような人物などは過去の危険な障害物でしかない。

いまあなた方から見て興味深い活動をしている存在について、ジャンルにこだわらず教えてください。

エラリー:
Anohni!
Dilly Dally!
Show Me The Body!
Jerusalem in My Heart…!
Ynobe Nrooh!

栗原康 - ele-king

 つい先日リリースされたばかりのビヨンセの新作を聴いていたら、「ベッキー」という単語が耳に飛び込んできて、年明けにこの国を騒がせたスキャンダルのことを思い出してしまった。件の騒動を性差別の観点から捉え、社会的な問題として報じたのは英『ガーディアン』紙だったけれど、恋愛の話題と社会の話題とがきれいに分断されてしまうこの国において、最近の彼女の振る舞いはどう受け止められるのだろうか。
 新作『レモネード』においてビヨンセは、男性社会への憤りと白人社会への怒りとを同時に露わにし、海の向こうで大旋風を巻き起こしている。彼女の新作が面白いのは、「素敵な髪のベッキーに電話したらいいじゃない」と夫であるジェイ・Zの不倫について言及した "Sorry" のような楽曲と、白人警官による黒人への暴力行為に対する異議およびブラック・ライヴズ・マターへの共感を示した "Formation" のような楽曲とが、同じ一つの流れの中に同居しているところだ。このことが示しているのは、恋愛や夫婦の問題も、政治や社会の問題も、それぞれが別個に切り離された全く無関係の独立物なのではなく、どちらも同じ地平の上に横たわっている ものなのだということである。
 それらに共通しているのは、端的に言って、わかりあうということの難しさだ。それは恋愛においては無論のこと、社会的な問題においても要因の一つとなっているように思われる。例えば、いわゆる体制側を擁護するつもりは毛頭ないけれど、白人警官が無抵抗の黒人を容赦なく射殺してしまう心理の一つに、「何をしでかすかわからない」という恐怖があるのではないだろうか。

 ここに紹介する栗原康は、新進気鋭のアナキズム研究者である。もうご存じの方も多いかもしれないが、2013年末に『大杉栄伝――永遠のアナキズム』(夜光社)を出版してからの彼の活躍は目覚ましい。とりわけ昨年は彼にとって飛躍の一年で、2月には『学生に賃金を』(新評論)を、4月には『はたらかないで、たらふく食べたい』(タバブックス)を、8月には『現代暴力論』(角川新書)を立て続けに刊行している。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。それらに続いて刊行されたのが、彼にとって6冊目の著作となる本書、『村に火をつけ、白痴になれ――伊藤野枝伝』(岩波書店)である。
 副題からもわかるように、本書は伊藤野枝という大正時代を駆け抜けた女性アナキストの伝記である。本書では、あるときは貞操を巡って、あるときは堕胎を巡って、またあるときは廃娼を巡って、その度に世間一般の道徳に囚われることなく各々のテーマが孕んでいる根本的な問題をあぶり出し、結婚という「奴隷根性」によって支えられた制度そのものを否定して、最終的には憲兵によって虐殺されてしまう一人の女性の生涯が、様々なエピソードを通して描き出されている(当時内務大臣だった後藤新平や、来日していた哲学者バートランド・ラッセルとの興味深い逸話もある)。
 こう書くと重くて堅苦しい本のように思われるかもしれないが、本書は決してとっつきにくい類の本ではない。例えば、一つ一つのエピソードに「チキショウ」だとか「かわいそうに」だとか「かましたれ」といった著者自身の心緒を表す言葉が挿入されており、その様はまるでスポーツ観戦をしているファンさながらだ。そのような著者の素直な感情表現が、読む者を深く伊藤野枝という一人の女性の人生へと引き込んでいく。
本書では様々な問題が提起されているけれども、その最大の見所は、野枝の恋愛論を「わからない」という観点から捉え返すくだりである。

 愛するふたりは、けっしてひとつになれやしない。どんなに好きでもとめあい、抱きあってセックスをしても、ふたりはぜったいにひとつになれやしない。なぜかというと、ふたりはまったくの別人であるからだ。そんなことをいったら、身もふたもないかもしれないが、いいかえれば、それは異なる個性をもったかけがえのない存在だということでもある。はじめから、相手がどこによろこびをおぼえるのかなんてわからない。自分の感性とはちがうのだ。でも、だからこそ、ひとは心身ともにめいっぱいふれあって、相手にたいしてやさしくしようとおもう。愛するひとに、もっと気持ちよくなってもらいたい。わからない、わからない、でも、でも、と。 〔本書124頁〕

 相手のことがわからないというのは恐怖である。相手のことがわからないがゆえに人は、恋人という契約の締結や、結婚という制度による保障や、家庭という集団の形成に逃げ込んでしまう。そして知らず知らずのうちに、自ら進んで集団の構成員としての役割を果たすようになってしまう。妻だからこうしなければならない、夫だからこうしなければならない、という風に(「警官だからこうしなければならない」というのもそのヴァリエイションの一つだろう)。著者はそれを「奴隷根性」と呼ぶ。それはまさしく資本家と労働者の関係であり、人が人ではなくモノとして扱われるような関係である、と。
 確かに、人と人とは決してわかりあえないのだろう。でも、だからと言って誰かと誰かが「主人と奴隷」のような関係に陥ってしまうのでは、そのどちらも、そしてそれを見ている方も息苦しくなるだけである。ではどうしたらいいのか。見返りや対価を前提とした人間関係とは異なる、有償性に基づかないような人と人との繋がりを作っていくしかない。本書には、そのためのヒントがたくさん散りばめられている。

 もちろん、伊藤野枝とビヨンセとは違う。野枝は今風に言えばビッチだし、ビヨンセはどちらかと言えば優等生だ。けれど彼女たちはどちらも、わかりあうということの困難を抱えながら、恋愛の問題にも社会の問題にも、全力で向き合っている。そういう意味で本書は、ビヨンセの新作に強く胸を打たれた人にこそ、ぜひ手に取ってもらいたい一冊である。


OPNはどこからきたのか? - ele-king

 電子実験音楽家、ひとまずはそう呼ぶとして、もはやその存在をどう位置づけていいかわからないほど鋭く時代と交差するこのプロデューサーについて、興味深いリイシューが3作届けられた。

 ジャネット・ジャクソンにルトスワフスキにナイン・インチ・ネイルズ、ソフィア・コッポラにANOHNIにFKAツイッグス……一つ一つの作品には緻密に詰められたコンセプトがあるものの、コラボもカヴァーも交友も、多彩にして解釈のつけにくい軌跡を描くOPNは、その旧作のカタログにおいてもかなりの整理しづらさを見せている。しかしそれもふくめて『Garden Of Delete』(2015年)――削除のあとに楽園があるのだと言われれば、なんとも居心地悪く笑うしかないが、この感覚はOPNを聴く感覚でもあるだろう。ともあれその複雑さを整理する上で、今回のリイシューは無視できない3枚である。

それでは簡単にそれぞれの内容説明を。

ライナーがどれもすばらしくおもしろいので、お買い上げになるのがよろしいかと思います。

 〈ワープ〉からリリースされ、ワールドワイドな出世作となった2013年の『R Plus Seven』、その同年に制作された『The Fall Into Time』は、初期のエッセンスが抽出されたものとして注目だ。

これは、2009年当時のシングルやライヴ音源などを含めたアンソロジー的内容の5枚組LPボックス作品『Rifts』を構成する1枚であり、コンパクトなアンソロという意味でも、また、純粋にノスタルジックなアンビエント作品を楽しむという意味合いでも、手にしておきたい再発である。

 じつは、その初期集成『Rifts』を構成する5枚のうち、3枚はそれぞれ独立した作品としてすでにリリースされている(『Betrayed In The Octagon』『Zones Without People』『Russian Mind』)。今回は先ほどの『The Fall Into Time』に加え、残りの『Drawn and Quartered』もリリース、これで5枚すべてがバラで買えるかたちとなった。これには“Transmat Memories”といった曲なども収録され、彼のやって来た道がほの見えるとともに、OPNによる「テクノの源流へと遡る旅」(ライナーより)とさえ言えるかもしれない。

 そして、今回の再発の中ではもっとも馴染みの方が多いであろう『Replica』。歯医者で聴こえるの摩擦音にTVゲームにイージーリスニングなど、雑多で儚いマテリアルを幽霊のように拾うプレ・ヴェイパーウェイヴ――いまやOPNの特徴のひとつとしてよく知られるようになった音が生まれた作品だ。

 リイシュー作品一挙3タイトル同時リリースを記念し、特典CDや〈Software〉のエコ・バッグがもらえるスペシャル・キャンペーンも開催される。特典CDの内容は下記をチェック!


Oneohtrix Point Never
The Fall Into Time

Software / ビート

■amazon
https://goo.gl/LjxosM

収録内容
1.Blue Drive
2.The Trouble With Being Born
3.Sand Partina
4.Melancholy Descriptions Of Simple 3D Environments
5.Memory Vague
6.KGB Nights



Oneohtrix Point Never
Drawn and Quartered

Software / ビート

■amazon
https://goo.gl/KIiaMu

収録内容
1.Lovergirls Precinct
2.Ships Without Meaning
3.Terminator Lake
4.Transmat Memories
5.A Pact Between Strangers
6.When I Get Back From New York
7.I Know It's Taking Pictures From Another Plane (Inside Your Sun)




Oneohtrix Point Never
Replica

Software / ビート

■amazon
https://goo.gl/oKcY6F

収録内容
1.Andro
2.Power Of Persuasion
3.Sleep Dealer
4.Remember
5.Replica
6.Nassau
7.Submersible
8.Up
9.Child Soldier
10.Explain


特典CD内容

1.Replica [ft. Limpe Fuchs] (Matmos Edit) (Bonus Track For Japan)
2.Replica [ft. Roger Robinson] (OPN Edit) (Bonus Track For Japan)
3.Remember (Surgeon Remix) (Bonus Track For Japan)
4.Nassau (Richard Youngs Remix) (Bonus Track For Japan)
5.Replica [ft. Roger Robinson] (Falty DL Remix) (Bonus Track For Japan)

Leftfield Groove 3 - ele-king

 クラブに遊びにいき、大音量で延々と紡がれるグルーヴに身を任せていると、時間感覚が麻痺することがある。酩酊と陶酔が増してくる深い時間帯に特有の状態だ。ただ音楽に没頭していると、自分の意志で体を動かしているのかどうかさえ曖昧になり、意識と体が蛇行運転しているかのような気分になる。
 ずっと聴き続けていられるループとでも呼べそうな、展開の少ないミニマルなトラックをそうした酩酊状態で聴くと、暗がりのダンスフロアに轟く反復グルーヴの中に意識が深く浸透していき、数十秒を数分間のように感じることがあるのだ。
 そんなとき、トラックに起こるちょっとした展開が劇的な音楽体験をもたらすことがある。特に派手な展開は必要ない。モノトーンなビートに切れのいいハイハットやクラップが加えられるだけで、黙々と揺れ動く人々で埋め尽くされたフロアから絶叫が上がる、そんな光景を目にしてきた人は少なくないはずだ。そこで今回は前回までの流れをくんだうえで、深い時間に聴くと映えそうな陶酔性溢れる個性的なグルーヴの5曲をピックアップした。

MGUN – NVR (Don't Be Afraid)

うねる低音、大きく間を取ったキック、そして、少し歪んだスネアとハイハットからなる殺伐としたイントロ部を経て、不穏なパッドがじわじわと空間を侵食していくワルい1曲。カウベルの挿入と同時にキックのシーケンスが変化する2分30秒あたりの展開がたまらない。

Unknown Artist - Spirit 1 (Booma Collective)

スザー(Szare)のトラックを音数少なくアレンジしたようなミニマルな1曲。虫の音のように細やかに揺れ動く電子音が輪郭のハッキリとした金属音へ移行していく様子に意識が引きつけられる。シンコペートするビートが厚みを増していく後半部も深い時間に合う。

A Sagittariun - The Naming Of The Names (Elastic Dreams)

中盤に薄っすらとしたパッドを使ったブレイクがあるが、えぐるようなキックとベースで組まれたUKガラージ風ビートは使い勝手がいい。16分刻みのハイハットが音場を縦にも横にも動き回るので、大きな展開がなくても飽きがこない。

A Made Up Sound - I Repeat (Delsin)

これまでに“テイク・ザ・プランジ”など素晴らしい変化球の数々を編み出してきたア・メイド・アップ・サウンドがまたしてもやってくれました。1拍目のキックと最深部に激震する低域を軸にパーカッションフレーズが抜き差しされる中、パッドが全体を包み込んでいくドリーミーなトラック。

ASOK - Side Scrolling (Creme Organization)

ひび割れたシンセのゆるやかな起伏とざらついたドラムマシンによるファンクネスが絡み合うことで生まれる静かな熱狂と退廃的なムード。ハマりにハマりまくったパーティーの終盤ではこんなトラックも映えそうだ。

We are alive - ele-king

 2015年の6月、SNSのアイコンがレインボウに染まってから――全米で同性結婚が合法化されてから――、アメリカにおいて性の多様性を受容することはコモン・センスとしてすっかり定着したのだと思い込んでいた。プライド・パレードで踊る曲はエクソダスを夢想する“ゴー・ウェスト”ではなくて、「自分はこう生きる」と強く宣言するレディ・ガガの“ボーン・ディス・ウェイ”のほうが、まあ時代には合っているんだろうな、と。僕などはむしろLGBTイシューに関してポリティカル・コレクトネスが強くなりすぎているようにも感じられたし、「もっと不謹慎なことをやるひとがいてもいいのに、正しいものばかりじゃなくても……」とこぼしていたぐらいだ。が、それはあまりにも呑気だったと言わざるを得ない……バックラッシュは思ったよりも早くやってきた。

 今年3月には「同性カップルの結婚式などを宗教的な理由で拒むことを認める」とする法律がジョージア州で可決され、大きなニュースとなる。それは著名人や企業の反発もあって知事が拒否権を発動することとなったが、急進したものに対する強い反発のムードが漂ってきているのは事実だ。現在問題となっているノース・カロライナ州で可決された法律「HB2」は出生証明書と同じ性別の公衆トイレの使用を求めるもので、これは明らかにトランスジェンダーの人びとに精神的苦痛を与えるものだ。こういうときに持ち出されるのは必ず子どもで、要するにトランスジェンダーの振りをした人間が子どもに性的虐待をする可能性があると法の賛成派は主張するのだが、セクシュアル・マイノリティ・イシューと性犯罪を安易に結びつけることの差別がそこにあることが見落とされている(あるいは、意図的なのだろうか……)。
 だから、このことに猛反発し、あろうことかノース・カロラナイナ公演をドタキャンしたのがブルース・スプリングスティーンだということは、彼がたんなる大物ミュージシャンでないことを証明するものだった。彼が負っているのはアメリカのロック音楽が目指すべき民主主義であることが、そこでは強調されている。もちろんブライアン・アダムスやパール・ジャム、リンゴ・スターなども公演キャンセルを表明したし、シンディ・ローパーなどは公演を行った上で利益を「HB2」撤廃のために寄付するというやり方を取っている。だがこの件に関しては、明らかにアイコンになっているのはスプリングスティーンだ。彼は「ロック・ショウよりも大切なものがある」と言い、そしてステートメントを発表した
 ひとつ興味深いのは今回キャンセルされたのが、昨年35周年記念でリイシューされた『ザ・リバー』のツアー公演だったことである。アメリカの内部で苦しみとともに生きる人びとを描き、ロックンロールのメロドラマと叙情性を彼らの物語に仮託したその作品がいま、マイノリティたちが生きるための権利運動と結びつくことに何か因縁めいたものを感じるのである。ノース・カロライナ公演のチケットを買ったひとのなかにはたんに『ザ・リバー』を懐かしく思った中高年もたくさんいただろうし、スプリングスティーンの政治的立場に賛同する者ばかりでもなかっただろう。ましてやLGBTイシューに意識的なひとばかりではないはずである。だが、ボスは自分のリスナーをそのことに巻き込むのである。
 それは「怒り」を巡るスプリングスティーンからの問いかけだ。相次ぐコンサートのキャンセルにすでに反発の声も挙がっているそうだが、そうして感情を揺さぶりながら「いまこの国で苦しんでいるのは誰だろうか?」と訴えるのである。僕たちは「We」であることができるだろうか、怒るべきものなのは何か、と。

 日本でLGBTイシューが後れを取っているのは、アウトしている当事者が少ない(社会がカミングアウトを受け入れていない)ということとともに、アライ(支援者)である非当事者の顔も見えにくいからと言われている。だから、ある種のパフォーマンスとして自らの立場を明確にしたスプリングスティーンの姿にはどうしたって――海を超えて、勇気づけられるものがある。コンサートを急遽キャンセルしたときにどれだけの損害が出るか考えると、彼の周りにいるスタッフも含めて負ったリスクは計り知れないだろう。
 いま政治に燃えるアメリカのなかで、決して若くはないミュージシャンもまたその最前線にいること。大統領選がエンターテインメントとして過熱するなか、そのことを見落とさないようにしたいと思う。そして僕は『ザ・リバー』を……いや、『レッキング・ボール』を聴く。そこには「We」からはじまる曲が2曲収められていて、そのタイトルは、「We take care of our own」と「We are alive」である。

Beyoncé - ele-king

それに、わたしと同じようにいつもひとりでいる人間がいつの日か全員、川に集まるのよ。みんなで夕陽が沈むのを眺めるの。そして暗闇のなかでわたしたちはきっと真実を知るのだわ。アリス・ウォーカー『メリディアン』高橋芽香子訳

 ビヨンセは「文化現象になった」と英ガーディアンは報じている。ぼくはジェームス・ブレイクが参加していることがまず嬉しかった。ざまあみろだ。数年前、黒人音楽の専門家からジェームス・ブレイクを評価するなんてわかってないねーというおしかりを受けていたから。なぁんてことを書くと、ここだけリツィートする人が出てくるんだろうなぁ……だが、そんな小さい話ではない。スーパーボールで披露した“Formation”という、黒豹党/blacklivesmatterへの共感を露わにしたあとのアルバムに、英国の内気な白人青年との共作──彼は後半にも出てくるが、ブレイクは本作においてディプロと並んで重要な役割を担っている──を持ってくるところが、すでに作品の大きさが象徴されている。
 ポスト・オバマ・ワールドにおけるひとつの性急な意見として、所詮、黒人と白人を同じ国に住めないというのがあったが、意外なところではエズラ・クーニング(ヴァンパイア・ウィークエンド)やパンダ・ベア、ファーザー・ジョン・ミスティもザ・ウィークエンドも……(ほか大勢)も参加した『レモネード』からは、ビヨンセの音楽的探求心とその成果、異議申し立て、そしてパワフルな、とてつもなくパワフルな理想主義が立ち上がる。

 以下、自分のことを高い棚に上げて書こう。アルバムにはジェイ・Zをはじめとする、昔ながらの男社会への怒りと女性の苦しみが描かれているという。台所で、居間で、旦那の帰りを待っている女性の痛み(ぼくは午前3時の男ではないので、少しほっとしたり)、いつまでも変わらない男社会。映像にはニーナ・シモンの『シルク&ソウル』のジャケが写される。そしてはじまるその曲、“Sandcastles”でのビヨンセの歌は、かくじつに胸をえぐる。
 映像には、南部の美しい風景がたびたび出てくる。『レモネード』は、ビリー・ホリデーからアリス・ウォーカー、あるいは詩人ニッキ・ジョヴァンニにいたるまでの、長い歴史におけるアフリカ系アメリカ人女性たちの抵抗の魂の連続性のなかにある。「女を怒らせたら恐いよ」と、7歳の娘は、この1年ぼくに繰り返し言う。恐い……わかっている。男にとって己の愚かさに直面せざるえないという恐怖もあり、しかもビヨンセはジェイ・Zよりも器の大きいところを見せつけてもいる。『レモネード』はその最後を“Formation”でしめているように、怒っていて、寛大で、諦めていない。恨み節など優に超えるものであり、ポップ・アルバムとしての完成度がとにかく高いのである。
 ここ数年EDMにどっぷりのディプロだが、曲をまとめる腕は錆びていない。彼のプロダクションは重たいテーマの本作において、陽気なリズムで耳を楽しませる。2曲目が“Hold Up”だからこそ、これはすごい作品かもしれないと思えた。エレクトロ・タッチの“Sorry”も来たるべく後半戦に備えてほどよいウォームアップになる。ジャズとカリブ海がミックスされる“Daddy Lessons”は洒落ているし、ベース・ミュージックを咀嚼した“Love Drought”もキャッチーでじつに良い。痛みを和らげるようだ。
 
 “Sandcastles”のあとに続くのがジェームス・ブレイクと一緒に歌う“Forward”だ。次にケンドリック・ラマーをフィーチャーした“Freedom”、そしてディプロの感動的な“All Night”、クロージング・ナンバーの“Formation”へと展開するわけだが、これら後半3曲の力強さには心底しびれる。
 人種問題、女と男、理解し合うことの困難さという一点においては、同じように、ほんとうに困難だ。うわべだけの理想主義なんかでは通用しない。だからいっそうのこと、一緒に居るのは無理なんだという主張も大いに説得力を持つ。そうすれば誰も傷つかなくて済むという現代の日本でも散見するその建設的な考えをどうしたら覆せようか。
 メリディアンは「正しいこと」と「間違っていないこと」の違いが長いことわからなかったとトルマーンに打ち明ける。「正しいこと」とは殺さないこと。「間違っていないこと」とは必要とあれば殺すこと。メリディアンはある日そう確信する。『レモネード』は「間違っていないこと」ではない。
 あら探しをすることもできるだろう。完璧すぎるとか、良い子ちゃんだとか、とくに新しくはないとか、M.I.A.のように「アラブのことは入ってないじゃん」と高をくくることだってできる。だが、ぼくはとてもケチをつける気にはなれない。この音楽が自分の人生にも影響与えることを願う。ぼくは間違っていた。たしかにポップ・ミュージックは趣味によって細分化され、聴き方も産業によって大きく変化している。しかし、ここには変わることのない、寛容で、大胆に時代を切り拓くポップ・ミュージック/ソウル・ミュージックがある。

FORESTLIMIT 6th Anniversary - ele-king

 東京は渋谷区、幡ヶ谷にあるアンダーグラウンド実験スペースForestlimit。質の高い音響システムを用いた音楽イベントだけではなく、ライヴ・ペインティングから古着店の移動販売に至るまで、東京のあらゆる文化の交差点兼発信地として重要な役割を果たしている場所だ。
 今年で6周年を迎えるForestlimitが、海外より豪華なアーティストを招きアニヴァーサリー・パーティを数日に渡って開催する。ピンチが主宰する、〈Tectonic〉から昨年に発表したアルバムが好調の、今回初来日を果たすマンチェスターの若手最重要プレイヤー、Acre(エイカー)。前回の来日公演が記憶に新しい、〈PAN〉のなかでもよりレフトフィールドに属するロンドンのHelm(ヘルム)。どちらも昨今のシーンにおいて無視することはできない存在だ。
 もちろん、東京のローカル・シーンで活躍する1-Drink、CARRE、DJ Soybeans、S-Leeらもプレイ。東京の地下が世界と繋がる瞬間を見届けよう。今週の28日木曜日には、AcreとHelmはForestlimitクルーらと共にDommuneにも出演する予定。

■ACRE (Codes / Tectonic from Manchester)

イングランド北部最大の都市、マンチェスターを拠点に活動するプロデューサー。ピンチ主宰の〈Tectonic〉や〈PAN〉のサブレーベル〈Code〉からのリリースや、マンチェスターを拠点の集団、Project13の創設メンバーとして活動。プロフィール写真のほとんどで顔を隠し、ネットには情報がほとんど上がっていなかったため、謎のプロデューサーとして知られていた。グライム、ジャングル、テクノを横断しつつも、そのどれにも固着しないサウンドは、UKアンダーグラウンドの多面性を反映していると言えるだろう。2015年に〈Tectonic〉よりリリースされたファースト・アルバム『Better Strangers』からは、彼が目指す漆黒の未来音響世界が垣間見られる。最近では、Project13のクルーとはじめたイングランドの人気ネットラジオ番組、NTSでのレギュラー番組が話題を呼んでいる。

■HELM (PAN / Alter from London)

ロンドンを拠点とする電子音楽作家ルーク・ヤンガーによるソロ・プロジェクト。ハードコア・バンド等様々な経歴を経て、2008年にソロ・デビュー以来、フィールド・レコーディング、エレクトロアコースティック、エレクトロニクスを織り交ぜたサンプリングを主体の多種多様なアンビエント/ドローン作品を〈PAN〉を軸に音響/インディ・レーベルから発表。2010年に立ち上げた自身のレーベル〈Alter〉ではHieroglyphic Being、Bass Clef、Basic House、Lumisokeaといったインダストリアル〜ポスト・パンク〜クラブ/ダンス・ミュージックにまで連なった実験的な作品を次々とリリース。ここ数年はよりノイジーでメタリックなインダストリアルな趣へと傾倒し、〈PAN〉からの6枚目となる最新作『Olympic Mess』(2015)ではオリンピックで解体されていく都市部の情景を映し出すような、退廃的な閉塞感と開放感が共存したリズミックなループ・ベースのアンビエント/ドローン作品を発表。昨年にはデンマークのポスト・パンク/ハードコア・バンドIceageのツアーとの帯同を果たし、アートや実験電子音楽シーンの枠を超えインディともクロスオーバーしながらを着実に注目を集めている。

【Acre Japan Tour】

■東京公演
Isn't it? x Forest Limit 6th Anniversary
日時:4月30日 土曜日 23:00-Open/Start
会場:幡ヶ谷Forest Limit
料金:Door 1500yen +1Drink
出演 :
Acre (Codes,Tectonic) from Manchester
1-Drink
THE KLO
TUM(VOID)
S-Lee(Riddim Noir)
DJ Soybeans

info: https://forestlimit.com/fl/?page_id=11019

■大阪公演
-merde-
日時:4.29 FRI Open/Start
会場:Socorefactory 19:00
料金:Door 2500yen
出演:
Acre(Tectonic/PAN×Codes/Project13)
ALUCA(FACTORY)
satinko(Cm3)
YOUNG ANIMAL(merde)
ECIV_TAKIZUMI(merde)

info: https://socorefactory.com

【Helm Japan Tour】

■東京公演
Forest Limit 6th Anniversary
日時:4月29日金曜日 OPEN / START : 18:00
料金:DOOR Only : ¥2,500 + 1D
出演 :
HELM [PAN / from London]
CARRE
CVN
7e
Dirty Dirt

more info : https://forestlimit.com/fl/?page_id=11019

■新潟公演
experimental room #22
日時:4.30 sat OPEN 17:00 / START 17:30
会場:砂丘館 (Sakyu-Kan)
料金:ADV ¥3,000 | DOOR ¥3,500 Ouside Niigata ¥2,500 | FREE Under 18
出演:
HELM [PAN from London]
食品まつり a.k.a foodman
PAL
JACOB

チケット・メール予約 : info@experimentalrooms.com
※件名を「4/30チケット予約」としてお名前とご希望の枚数をご連絡下さい。
more info : https://www.experimentalrooms.com/events/22.html

■大阪公演
BFF #002 HELM Japan Showcase
日時:5.2 mon OPEN : 19:00 START : 19:30
会場:Conpass Osaka
料金:ADV ¥2,800 DOOR¥3,000 Falus Sticker¥2,500
出演 :
HELM [PAN / Alter from London]
bonanzas
行松陽介
Falus

more info : https://birdfriendfalus.tumblr.com/

復刊! 『ロック画報』 - ele-king

 2000年に「はっぴいえんど特集」で創刊となり、2006年の「裸のラリーズ特集」までじつに全25巻を数えて幕を引いた『ロック画報』が、このたび復刊する。
 復刊号の目玉となるのは「はちみつぱい特集」。はっぴいえんど同様、日本のロックのルーツにして、昨今、年長世代からはもちろん、インディ/メジャーを問わず若いアーティストからもふたたびの注目を集める存在だ。編集には小川真一と平澤直孝、そして表紙は本秀康とまさにこの上ないメンバー、詳細は追っての発表となる。

2000年「はっぴいえんど特集」で創刊、2006年の「裸のラリーズ特集」等、全25巻で幕となった『ロック画報』が「はちみつぱい特集」でセンチメンタル通りから蘇ります!

 のちにムーンライダーズを結成する鈴木慶一、かしぶち哲郎、武川雅寛、岡田徹、椎名和夫が在籍し、はっぴいえんどと並んで日本語ロックの先駆的存在として知られるはちみつぱい。
 昨年の鈴木慶一の45周年記念ライヴで蘇り、今年5月にはビルボード・ライブ(東京 / 大阪)で奇跡の“Re:Again”と、その活動はヒートアップ!

 本書はその脅威にして錚々たるメンバーの協力を得て、滋養強壮に富む『ロック画報』ならではの内容となるのはたしか。編集人は小川真一と平澤直孝、そして表紙は本秀康、とこの上ないメンバーで!

■商品情報

タイトル:
『復刊 ロック画報 はつみつぱい特集』

発売日:
2016年7月20日発売予定

価格:
お宝CD付き ¥2,200+税

仕様:
A5判 約200ページ

予定内容:
・(グラビア)はちみつぱい お宝グッズ/秘蔵写真
・はちみつぱいストーリー
・はちみつぱいから見た日本のロック
  羽田から響いた日本語ロックの雄叫び
・全アルバム/シングル・詳細レヴュー
※内容は一部予告なく変更する場合がございます

AHAU - ele-king

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