「S」と一致するもの

Special Talk:OLIVE OIL×K-BOMB - ele-king


OLIVE OIL
ISLAND BAL

BLACK SMOKER

Hip HopExperimental

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OLIVE OILが7月にBLACKSMOKERから発表したソロ・アルバムのタイトル『ISLAND BAL』は、「島の居酒屋」とでも直訳できるだろうか。このOLIVE OILとK-BOMBという盟友同士の対談を読むと、「島の居酒屋」というタイトルがしっくりくるように思えてくる。もちろんOLIVE OIL×POPY OIL兄弟が徳之島出身で、福岡在住である事実とも関係している。

  だが、「島の居酒屋」がしっくりくるのはそれだけではない。OLIVE OIL×POPY OIL兄弟にしろ、K-BOMBにしろ、旅芸人のように全国津々浦々を渡り歩き、各地のありとあらゆる“シマ”での壮絶なライヴと、変態、変人、強者たちとの交流、そして連日の豪快な遊びを通じてセンスと感性と変態性にさらに磨きをかけ、それらを原動力に大量のビートやラップ、映像や絵を、まるでメシを食い、酒を飲み、セックスをし、風呂に入るのと同じような感覚で日夜吐き出していっているようだ。

  『ISLAND BAL』はそういう彼らの交流と日常的実験のレポートだ。それゆえに音と生活の距離がとても近く感じる。ビート集的側面が強いものの、OLIVE OILは、OMSB、K-BOMB、FREEZE、KOJOE、5lackといった、長年親交を深めてきた全国各地のラッパーの既発のヴァースと新たなビートを組み合わせ、再構築することで最新のラップ・ミュージックを作り上げてもいる。また、OLIVEが今年、金沢で出会ったaddginjahzzというグループのラッパー二人をゲストに招いている。

  音と生活の距離が近い、つまりここで聴ける“肉感的なビート”は、本作のライナーで白石裕一朗(AZZURRO)氏が書いている通り、OLIVE OILが2011年からメインの制作機材をNATIVE INSTRUMENTSのMaschineに変えたことも大きく関係しているのだろう。ジャケットのコラージュは、KILLER-BONGとPOPY OILの合作によるものだ。

  さて、長年の付き合いとなるOLIVE OILとK-BOMBだが、おそらくこれほどまとまった分量の対談記事は初公開と思われる。対談とはいえ、この二人の対話である……まずは恒例となる二人の出会いのエピソードから訊いた。POPY OIL、JUBEも同席して行われた、彼らのはちゃめちゃで、ルーディで、時に驚くほど核心をつくトークをお送りしましょう。

福岡の焼き鳥屋では会計の金額がすごいことになってた。──OLIVE OIL

金の使い方もなんか似てるんだよね。無くなるまで金を使い過ぎちゃう感じ。メシ、頼み過ぎちゃう感じとかね。ははっ。──K-BOMB

OLIVEさんとK-BOMBの出会いは?

K-BOMB:当時はCD-Rを売ってる人があんまりいなかった。CD-Rがビジネスとしてまだ成り立たない頃だよ。

OLIVE OIL:たしかにそう。

2000年代初頭から中盤ぐらいですかね。

K-BOMB:オレはCD-Rで作品を大量に作ってた。で、あるときCHU(INNER SCIENCE)からCD-Rを売れる店があるって教えてもらったのがWENODだったんだ。

OLIVE OIL:CD-R売ってたっすね。WENODに売ってもらってた。

K-BOMB:だから、「オレの他にCD-Rとか売るヤツいるのか?」ってWENODに訊いたら、「いますよ」と。それでOLIVEの作品を聴いたらさ、斬新で最新で歌い辛い感じでたまんないと。そのころトラック作ってくれるいい人を探してたところだったから、すぐにでも会いたかった。そうしたら、「来週(東京に)来ますよ」とまた教えられて、すぐに会った。オレ側のニュアンスとしてはそんな感じさ。

それってどれぐらいの時期ですか?

OLIVE OIL:2006年ぐらいですかね。

K-BOMB:どうなんだろうね。もうね、2000年代に入っちゃうと、オレ、わかんなくなっちゃうんだよ。オレのなかじゃあ、新しいことなんだけどさ、でももう10年ぐらい経ってるっていうことだからさ。ちょっと時空が捻じ曲がっちゃってる。季節感を感じないね。でも、そうなのかもしれない。気持ち的には1980年代ぐらいに会ってるような感じだよね。

OLIVE OIL:ははは。

K-BOMB:初めて会ったのはUNITでのライヴかな? いや、違うか?

OLIVE OIL:WENOD(当時店舗は恵比寿にあった)の近くの神社の裏のバーで会った気がする。

K-BOMB:だいたい年数適当のオレだからさ。1989年の夏、ニューヨークで会ったってことだね。

OLIVE OIL:ははははははははっはーはぁ。

福岡でWENODの神長(健二郎)さんも同席して、OLIVE OIL、POPY OIL、THINK TANKが初対面したという話を聞いたことがありますが、違いますか?

(※2007年11月23日にWILD RIDEというイベントがEARLY BELIVERSで開催。THINK TANKが福岡で初ライヴを行っている。OLIVE OIL、RAMB CAMPらも出演)

OLIVE OIL:そうそう。福岡の焼鳥屋で会いました。THINK TANKが初めて福岡でライヴしたときだ。

K-BOMB:えーーーーーー!? まじで? オレはファースト・コンタクトは恵比寿だと思う。恵比寿で仲良くなって、福岡に行ったはず。だってさ、いきなりさ、知らない人とオレがそんな風に飲むってことないんじゃない? それまで人とメシとかたぶん食いに行ったことなかった。OLIVEと初めてぐらいの勢いで行ったんじゃないかな? 芋の水割りもそれまで飲んだことなかった。だからそれぐらい古い関係だし、OLIVEと出会ってオレ自身の芋がもう捻じ曲げられた。

その福岡の焼鳥屋での出会いが壮絶だったらしいと。

K-BOMB:壮絶だよ、常に。

OLIVE OIL:うちらが店に着いたら、小上がりの座敷でTHINK TANKのメンバーみんなが横になって寛いじゃってた。

K-BOMB:オレたちね、すぐ寛いじゃうタイプだから。

たしか神長さんが両者の間を取り持って、その場で意気投合して、途中で神長さんは「もう任せたよ」って先に消えたみたいな話を聞いたことがある。それは恵比寿なのかな。

K-BOMB:意気投合系だね。

OLIVE OIL:うん。福岡の焼き鳥屋では会計の金額がすごいことになってた。

K-BOMB:金の使い方もなんか似てるんだよね。無くなるまで金を使い過ぎちゃう感じ。メシ、頼み過ぎちゃう感じとかね。ははっ。

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それはOLIVEに常にある雰囲気で、OLIVEはいろいろ絡ませていくからさ。民謡とジャズとか、民謡とヒップホップとか。ひねくれてるのさ。──K-BOMB

オリエンタルな雰囲気や日本昔ばなし的な雰囲気を出したかった。──OLIVE OIL

いずれにせよ、WENODがK-BOMBとOLIVE OILをつなげたことは間違いなさそうですね。K-BOMBとTHINK TANKは最初どういう印象でした?

OLIVE OIL:すげぇ恐い。

K-BOMB:まじで? やだな

OLIVE OIL:だって、全員寝てるわけですよ。畳の部屋で。

K-BOMB:畳だと、オレたち寝ちゃうんだよ可愛い感じで。椅子だと、オレたち野菜とか投げ合っちゃうからさ。

OLIVE OIL:あ、思い出した! そのとき、K-BOMBに「EL NINO(OLIVE OIL×FREEZ)やってるでしょ? オレたちは1997年からEL NINOってイベントをやってるからね」って言われた。

はははは。同じ名前だったから対抗してきたんですね(笑)。

K-BOMB:対抗してきたんだよ。

JUBE:その感じは変わってないよね。いまでも気に入った人物に対抗心むき出しのときたまにみるよ。

OLIVEさんとFREEZさんのEL NINOよりも前から、BLACKSMOKERは同じ名前のパーティをやっていると。EL NINOって1997年からやってたんですね?

K-BOMB:そうだね。たしかOrgan Barで毎週火曜日やってた。イカレたことをやってたよね。

OLIVE OIL:まあ、そういう会話からはじまって、「じゃあ乾杯しよう」と。そしたら、K-BOMBが「魔王って酒があるけど、そこには大魔王ってのがある。もっとこっちのほうが悪いんだろ?」って大魔王という酒を選んだのをよく憶えてる。あれウケたな。

K-BOMB:俺、大魔王のせーでその後、寝ながらLIVEした気がする。

JUBE:たしかに

POPY OIL:僕らが当時福岡でやっていたダダイズムっていうイベントの時にいつも迎えに来てくれる後輩の車のなかでは常にTHINK TANKとK-BOMB、BLACKSMOKERの音楽がかかっていた。

OLIVE OIL:自分は1997年にアメリカに行って、2002年に帰国したんだけど、当時、日本にいる変態系の人たちのビートをすげぇ探してた。福岡でその後輩のキョムってヤツに知り合って、その流れでTHINK TANKとか、全部教えてもらった。

ただ、OLIVEさんとK-BOMBで一緒に曲を作るのはそれから少し先ですよね。

OLIVE OIL:K-BOMBから「TRIPLE SIXXX」(CDは2010年発売。アナログ第一弾は2008年)に入ってる曲のアカペラを直でもらったのが最初だと思う。「BPMもわからないから」って言われて、すげぇ困った思い出がある。

K-BOMB:OLIVE OILは「BPMないんじゃないかな?」っていうのあるじゃない。出来そうだなっていう。ビートが揺れてるからさ。揺れてると、BPMが3ぐらい稼げるような気がするんだ。どこの位置にもコンテンツがあるから、リディムが出るっていうかさ。わかるでしょ? 乾いてると的確に叩かなきゃいけないけど、揺れてると的確な部分の幅が広がるっていうね。

OLIVE OIL:「TRIPLE SIXXX」の「Mr.KATO」が最初ですね。

「Mr.KATO」にはFREEZさんも参加してますね。

OLIVE OIL:EL NINOでちょうど作ってる最中とかだったからね。

K-BOMB:だってさ、あの時期は福岡にライヴしに行くと、次の日の昼からさ、CLUB BASEにベニヤ板みたいなの貼って、「さあ、やりましょう」ってRECがはじまるんだ。もう絶対なんだよ。二日酔いで録らされる。オレはその場でビートを聴いて、リリック書いて、2、3曲録ったりしてさ。そうやって作った曲で世のなかに出てない曲とかいっぱいあるわけ。人の家の二段ベッドの上で正座して歌った歌とか出てないんだ。

OLIVEさんの自宅兼スタジオで録ったりはしなかったんですか?

OLIVE OIL:いや。

K-BOMB:家じゃ録らないよ。もうね、ゲトー団地みたいなところがあるわけよ。福岡からちょっと行ったらさ。「オレは人の家は嫌だよ」つってんのに、車に乗って行ったらもうそこだよね。強制的なんだね、いつも。オレ、人の家は嫌だから、しばらく川歩いてたよ。

OLIVE OIL:川、歩いてた(笑)。

K-BOMB:川歩いてたら、子供たちが魚獲ってて、オレもそれに参加して良い気分になったね。

OLIVEさんがK-BOMBをRECに誘うと。

K-BOMB:いや、みんなでオレを騙すんだよ。

OLIVE OIL:たしかそのときはFREEZの計画だった。

K-BOMB:そう。仲良いから、オレのことわかって来ちゃってたんだろうね。この人に「録音しましょう」って言ったら、「絶対行かない」って言われるから、黙って連れていかれる。「おいしいもの食べたくないですか?」「食べたいね」と。そうやって釣り出されてる。完全に拉致られてる。そうしたら、いつの間にか録ってる。

RECするのが習慣っていうか日常的でスピードが速いんですね。

OLIVE OIL:そうっすね。

K-BOMB:CLUB BASEがあったときはあそこで名作はだいたい録ってるよ。

OLIVE OIL:たしかに。全部あそこかGREENHOUSEで録ってる。

CLUB BASEで生まれた作品には例えば何がありますか?

K-BOMB:RAMB CAMPとTHE LEFTYの曲とかもそうだ。

RAMB CAMP / REBEL MUSIC feat. THE LEFTY (K-BOMB, JUBE)

RAMB CAMPのアルバムとかもそうなんですか?

OLIVE OIL:そうそうそう。

K-BOMB:福岡のラッパーはだいたいあそこで録ってたんじゃないか? 自然にエコーかかっちゃってるの、広いからさ。普通のヴォーカル・ブースより明らかにデカくて、何人もブースにいるっていう感じさ。THINK TANKの録り方と似てるよね。喋り声とか入っちゃってる感じで、アカペラとか聴くとおもしろそうだな。「芋の水割りくれる?」みたいな話し声が入っちゃってんだと思うよ。

ふふふ。

K-BOMB:夕方ぐらいから録りはじめて、それでまた飲んで、次の日にライヴやDJやったりして、福岡に何日もいちゃうんだ。だから、だいたい二日目とか三日目から、オレに付き合えなくなってくる人いるけどね。なんかもう、ゲッソリして、胃液の匂いがプンプンするヤツとか。ははははは。三日とか付き合えるヤツ、なかなかいない。POPY OILぐらいだ。OLIVE OILは上手いこと「違うビジネスがあるんで」って会わない時間が長い。

OLIVE OIL:その三日間でZORJIが痩せていく(笑)。

K-BOMB:そうだね。

そういう録音作業の原点というか、はじまりが「TRIPLE SIXXX」の「Mr.KATO」だったと。

OLIVE OIL:そう。

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福岡にはビートメイカーも多い。CRДMとかLAF とかさ。ラッパーだとREIDAMとか。そういう世代が盛り上がってる感じがする。──OLIVE OIL

OLIVEのせーだ。福岡最高なんだっ。──K-BOMB


OLIVE OIL
ISLAND BAL

BLACK SMOKER

Hip HopExperimental

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K-BOMBから見て、OLIVEさんとPOPYさんっていうのはどういう人物ですか?

K-BOMB:オレはこの兄弟と1ヶ月に1回……いやもっと会うときもある。いろんな地方で会うんだ。8月もだいたい一緒にいたりとかするしさ。だからもう家族のよーに過ごしてる。オレは朝早く起きて全員分の洗濯とかしてるよ、OLIVEの家で。風呂も入ってる。

OLIVE OIL:ふふふふふふふ。

K-BOMB:この兄弟はもう天才で、音と映像とアートを兄弟で出来てるっていうのもスゴイけど、普通にワールドクラスのレベルなんだ。だから、近づきたかったっていうのはあるよね。よく解読できないレベルっていうのかな。だいたいオレ、解読できるからさ。だからライバルだし、ファンだし、友人だし、ファミリー的な感じだ。深い感じだと思う。教えてもらうことも多いから。

何を教えてもらうんですか?

K-BOMB:芋の水割りとか音の鳴りとかも教えてもらう。ところで最近、野菜食べてないか?

OLIVE OIL:いや食べてませんよ

ふたりからすると、K-BOMBのファースト・インプレッションは?

OLIVE OIL:そういう人間がいると思わない人物。「そういう人、いるの?!」と驚くような人物だった。

POPY OIL:ライヴでドレッドを片手に持ちながら、片手でパッドを叩いている姿を初めて見て、野生の要素と都会の要素を両方併せ持つ、超越している人物だと感じた。

K-BOMB:オレもこの兄弟に野性的なのもと都会的なものを感じたよね。よく言われがちな“黒い音”とかじゃなくてさ。黒いけど、その黒いとは違うんだ。ポップで、メロディアスで、オレの好みなんだ。

ノイズもあるし、ポップもある。

K-BOMB:あるあるある。質感を感じたよね。

OLIVEさんが海外から帰って来てFREEZさんと会ったときに、日本人離れした野太いラップが出来るラッパーだったから、彼とは一緒にできると確信したというような話をしてくれたことがあります。

OLIVE OIL:そう。オレはエイフェックス・ツインやスクエアプッシャーも好きだったけど、90年代ヒップホップのスタイルをもって、徹底して8、16、24という偶数小節でラップしていくFREEZくんとやることで、ヒップホップのスタイルに自分の音楽を落とし込んでいった。そういう音楽を作っていたときに、今度はK-BOMBがオレの目の前に突如現れた。



K-BOMB:ふふっ。

OLIVE OIL:ラッパーなのに「1小節飛ばしてくれ」とか言われて、「やっべぇなあ」と感じた。

ヒップホップとラップのルールを知りながらそのルールを無視して、それでも王道のラッパーのかっこよさがある。そういうことですか?

OLIVE OIL:そうそう。だから、K-BOMBが3だったり、5だったり、7という奇数小節でラップしていくことに驚いた。

K-BOMB:でもそれはワザとじゃないんだ。同じ歌を同じトラックで歌っても1回目は8だけど、2回目が8とは限らないんだね。ラップを小節数で書いたことがないんだ。それが何なのかオレはまだわからない。感情がこもってくると小節数も変わって来る。感情がこもってなくても変わって来るし、かっこつけても変わって来る。かっこつけながら感情込めても変わって来るしさ。

JUBE:オレが数えたりするからね。でもやっぱり数えられない。4、4、4、1みたいに1が入ってきて、次6とか。挙句に頼りにしてたループはなくなって闇へと誘い込む。お手上げですよ。

K-BOMB:それがわからないんだよ。いいと思うものがそういうBPMだったり、そういう拍子だったりするのかもしれないね。サンプリングする時点でオレはもうそう感じてるよね。これはもう打ち難いっていう、そういうのが大好きだ。ゴールデンループっていうワザがあるからね。

ゴールデンループ?

K-BOMB:何日もそのループをかけっぱなしにしてて厭きないものさ。それがゴールデンループ。やっぱ最高なんだよね。OLIVE OILの聴き方さ。

OLIVE OIL:それは最高。

K-BOMB:名曲っていうのはさ、厭きちゃいけないよな。三日間ぐらいかけてても厭きない。ゴールデンっていうのは裏から入って来たりするものなんだよ。ゴールデンをさらに料理するのってすごい難しくて、ワザとらしくなっちゃたりとかするし、ストレートに行くのは誰しもやる手法なんだ。

『ISLAND BAL』には多彩でユニークなビートがあります。“HENCA”という民謡風の曲なんかもありますね。

K-BOMB:それはOLIVEに常にある雰囲気で、OLIVEはいろいろ絡ませていくからさ。民謡とジャズとか、民謡とヒップホップとか。ひねくれてるのさ。

OLIVE OIL:オリエンタルな雰囲気や日本昔ばなし的な雰囲気を出したかった。

K-BOMB:良いネタが入ったら良い曲が出来るっていうのは当たり前なんだけど、そのネタやモノの処理の仕方で変わってくる。絶対に誰しもが通る道っていうのは360度ぐらいあって、その雰囲気っていうのは誰しもが求めてる。OLIVEはそういうのを散らしてる感じがするけどね。それが技術なんだと思う。音の癖みたいなのを持っててさ。たとえば、だいたいヒップホップのビートメイカーはスネアやキックに重きを置くけど、OLIVEはハットに置いてたりとかさ。

OLIVE OIL:ハット、デカめですね。

K-BOMB:デカいと普通は耳が痛くなる。それが痛くならないとかさ。ちょっとよく聴いてみた方がいい他の人が置いてる重点と全然違うんだ。キックとかもさ、輪郭っていうよりベースに近いようなさ。

うんうん。

K-BOMB:ねぇ。丸い感じの。

OLIVE OIL:ブーン。マルチョーキック 最近食わなくなったけど

K-BOMB:芯っていうよりも周りも持ってる感じだしさ。そこに合うベースっていうのが入ってくる。それはほんとは組み合わせ辛いんだ。

OLIVE OIL:LAでマスタリングしたときに、K-BOMBの曲をスタジオで聴いていたら、TOSHINOBU KUBOTAのエンジニアもやっているアメリカ人が衝撃を受けてて。その様子はミュージック・ヴィデオにも写ってる。

K-BOMB × OLV-OIL / 真夜中のJAZZ

K-BOMB:「真夜中のジャズ」だね。たしかにあのときの彼の動きはTOSHINOBU KUBOTAの曲で踊ってるときとあんまり変わんないかもしれないな。つまり俺はTOSHINOBUなんだ

OLIVE OIL:その場にデリシャス・ヴァイナルのLAJさんも一緒にいて、彼もすげぇ上がっていて、ああいうのが正当な評価だと思う。

K-BOMB:それはビートが良かったから。「真夜中のジャズ」はOLIVEがミュージック・ヴィデオも作ってる。最近、OLIVEはシュールで恐い絵も描くし、いろんなセンスがあるんだ。オレたちの仕事を奪おうとしてるんだ。ふふっ。メシを作るの上手いしさ。そういう凡人離れしてるのはあるよね。

今回のアルバムに参加してるaddginjahzzは誰ですか?

OLIVE OIL:5lack世代ですよね。

K-BOMB:それはやっぱり最高の時期だね。OLIVEは同じ現場でいいと思った人とはやってるね。BIGIz'MAFIAとか名作がもうぞろぞろあるよ。

addginjahzz、ラップの訛りがおもしろいですね。

K-BOMB:このグループ、すごいいいね。声のバランスがいい。

彼らとはどういう出会いだったんですか?

OLIVE OIL:ちょっと前に金沢にライヴしに行ったときに会った。彼らすげぇ喜んでた。「BLACKSOKERから出すアルバムに曲が入っちゃうけど、大丈夫?」って言ったとき、「えええっ?!」って。

K-BOMB:よし、今度みんなで金沢に行こう! OLIVEが作って、光シージャーがかけて、ジャンルを超えてくみたいなパターンいっぱいあるんだ。シージャーがさ、BLACKSOKERの服ばっか着過ぎて、シルエットが俺と一緒みたいなときとかあるからね。

OLIVE OIL:それと福岡に最近Transform(https://transform.website/)って新しいクラブ、バーができた。

K-BOMB:朋晃(ツキツキニッコウ)のところだ。あっこいいよ。どんどんよくなってくるんじゃないかな

OLIVE OIL:福岡にはビートメイカーも多い。CRДMとかLAF とかさ。ラッパーだとREIDAMとか。そういう世代が盛り上がってる感じがする。

K-BOMB:OLIVEのせーだ。福岡最高なんだっ。

今後の話も訊きたいですけど、どうですか?

OLIVE OIL:今後はツアーしたいですね。ライヴをしたい。でもわかんない。もしかしたら作っちゃう可能性も高いから。でもリリースしたり、マスタリング済の音があるから、そういうのを持ってあちこち回るのがいいかもしれない。

K-BOMBはどうですか?

K-BOMB:これからのことはわからないよ。絵の仕事をやんなきゃいけないし、アルバムも作りたいなと思ってるけど、年々CD-Rも出すのが少なくなるぐらい時間がなくなってきちゃってさ。自分の課題がまったくこなせてないから、もっと厳しくしたいね、自分に。

OLIVE OIL:ふふふ。

真面目だ(笑)。

K-BOMB:俺はいつでも真面目さ。。。そろそろ旅行でもしてアルバムつくろーかな。

OLIVE OIL:あーぜひ事務所にもよってください。おいしいもの食べに行きましょう。

K-BOMB:いいね~ おいしいもの食べて……えっ? それって……ふふふ、それは高いよ。

BLACK SMOKER RECORDS PRESENTS
ELNINO

8/29(SAT) at clubasia 23:00-
ACT
KILLER-BONG JUBE BABA YAZI CHEE13 OLIVE OIL
5lack punpee OMSB Hi’spec peepow ROKAPENIS KLEPTOMANIAC
BUN LUVRAW Cocktail Boyz L?K?O VIZZA JOMO LIBERATE TISHIT
and more

Wire - ele-king

 3月だから……5ヵ月前のことか。『ele-king』本誌のUK特集で紹介した「ブロークン・ブリテン以降の30枚」にアメリカのものが1枚、混ざっていました! しまった! 誰も気がついてないのにカミング・アウト! 潔い!(さて、どれでしょう?)
 その時に落としてしまったのがヴィジョン・フォーチューンの4作め。ファッショナブルかつコンセプチュアルな映像にポスト・パンクの演奏が映える3人組(かな? よく知らない)。ポスト・パンクというのは、1977年にパンク・ロックがしっちゃかめっちゃかやっていた頃、その勢いには流されませんと、わざわざクールなリアクションを返したバンド群のことで、ガラージ・ロック回帰やゴシック・ロックなど、例によって音楽性による分類とはほど遠いものの、あからさまなアートへの入れ込みはパンク・ロックに内包されていたモダニズムを拡張させたものとして興味深い動向ではあった。しかも、アカデミズムへの逆照射がないところがアメリカのそれとはちがうというか、イギリスに特有の面白味といえ、その伝統(?)に則り、ヴィジョン・フォーチューンもアート志向全開でありながら、このところアカデミズムの参照が鼻に突き出したアメリカのアンダーグラウンドとは異なる雰囲気を醸し出しているところがいい。もしもマシュー・ハーバートがロック・ミュージックに転向したら……というか。

 『カントリー・ミュージック』は、そして、洗練度が高い。音に隙間が増えてイメージに柔軟性が出てきた。あくまでも即物的でアーティフィシアルな触感は手放さず、実験的な音楽が演出しがちな思わせぶりもない。リズムの楽しみがあるわけでもないし、だからといってだらだらもしていない。ロック・ミュージックが売りにしたがる文句のすべてから遠ざかっている。そのことによってわかるのは、ポスト・パンクの一部はブライアン・イーノが発端になっていたということだろう。意識の拡張や非日常からの帰還を促したブライアン・イーノ(詳しくは『アンビエント・ディフィニティヴ』序文を参照)。イーノを機に音楽はヴァーチュアル・リアリティの道具になったのである(『カントリー・ミュージック』というタイトルがそれこそ『アナザー・グリーン・ワールド』へのアンサーに思えてくる)。

 ブライアン・イーノにもっともコンプレックスを感じていたポスト・パンクといえば、それはワイアーだろう。バンドを離れた個人的な活動を見渡しても、それは明らかだし、多くの人が彼らの代表曲としてあげる「アウトドア・マイナー」がいまとなってはイーノの曲にしか聞こえない。この曲は歌詞がいいのか、フライング・ソーサー・アタックやルナ、ラッシュまでカヴァーしていた(僕は“アイ・アム・ザ・フライ”の方が好きだけどね)。
 何度となく再始動や再結成を繰り返してきたワイアーにとって、どこがターニング・ポイントになるのかもはやさっぱりわからないけれど、ここ最近のトピックといえば、70年代につくっていた未発表曲を始めてレコーディングしたという前作『チェインジ・ビカム・アス』(13)はちょっとした話題ではあった。簡単にいえば全盛期のワイアーが戻ってきたということになるらしく、なるほどパンクじみた演奏はそういった気分を掻き立てたかも しれない。とはいえ、コンセプチュアルな曲は様式性の方が際立ち、個人的にはそれほどノレるものではなかった。それこそどこにもテクノやハウスの痕跡はないにもかかわらず、明らかにそういった時代を通過してきたヴィジョン・フォーチューンに時代性で負けているとしか思えなかった。同じようにダンス・ミュージックを拒否していながらも肌で感じていることはちがうのだろう。音楽には多くの無意識が含まれている。これはミュージシャン本人にはどうしようもない。

 ワイアーの新作『ワイアー』が、しかし、とてもよかった。前作とは対照的に全編を通じて肩の力が抜けていて、自分たちはクールなつもりでも、思わず年寄りじみた叙情性が滲み出し、それがせめぎあうというよりも補完し合いながら優雅にポップ・アルバムとしてこじんまりとまとまっている。それこそ“アウトドア・マイナー”のようにイーノのダミーに徹したような安心感が最後まで崩れない。これは年寄りにしかわからない快楽係数かもしれないし、セイント・ヴィンセントがライヴに飛び入りし、“ドリル”で共演することがむしろ先端だと考える思考回路にも合致しているかもしれない(イギリスではセイント・ヴィンセントは非常に高く評価されている)。歌詞は抽象的で理解できたとは言いませんけれど、使われている単語の数々はやはりマシュー・ハーバートを思わせる。

三人の代表研究者たちは
グーグル天体図を使う
ベツレヘムの飼い葉おけ
それは高評価のアプリ (「ブロギング」国内盤対訳より)
彼らのうちの一人が光ファイバーのエビを産み出し
巨大な欠伸をかろうじて押し隠していた
一人の国粋主義者が死去しマンチェスターで埋葬された(“イン・マンチェスター”同)

 アン・マリー・ウォーターズや『Xファクター』(『The X Factor』)には困ったものだけど、カーラ・デルヴィーニュを筆頭にベネディクト・カンバーバッチ、エマ・ワトソン、キーラ・ナイトレイ、サム・スミス、ワン・ダイレクションと……オーヴァーグラウンドがこれだけ活気づいているんだから、それに対するカウンターが盛り上がってもまったく不思議はなかったわけですね。いや、UK特集では、そう書くべきだったなー(「ブロークン・ブリテン以降の30枚に混ざってしまったアメリカものはレイビットでした。いま、ウエイトレスといえばイギリスだと思うじゃないですか……)。

 関係ないけど、『ボラット』イギリス編。クリケットやケンブリッジがからかわれ、動物愛護のデモで「カザフスタンでは狩りは楽しいで~す」と言って活動家に激しく怒られたりしています。


70年代シティ・ポップ・クロニクル - ele-king


萩原健太
70年代シティ・ポップ・クロニクル

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 70年代のシティ・ポップはなぜ古びないのか……いや、それどころか、ここ2〜3年のあいだ、日本の音楽シーンにおいてもっとも人気のあるジャンルとなっている。それが年を追う毎に輝いているのはなぜか?

 萩原健太の『70年代シティ・ポップ・クロニクル』は、あまたあるシティ・ポップのなかから、まずは永遠のクラシックと呼びうる最重要作の15枚を選び、時代順に並べ、その15枚から派生する作品を挙げて紹介する(関連ディスクを併せると計100枚のアルバムが紹介されている)。
 そして、日本のポップ史上もっとも濃密な5年のあいだにいったい何が起きていたのかを、著者の経験を回想しながら言葉を吟味し、シティ・ポップ・ブームに沸く現代に向けて語る。それは洋楽に多大なる影響を受けながら、しかし、言葉も文化も異なる日本という国でポップ・ミュージックをやることの素晴らしき挑戦の記録でもある。

 たとえば、大瀧詠一というアーティストがいる。最近では彼を語るうえで、その情報量の膨大さや分母論ばかりが先行され、ぶっちゃけ、なんだかすごいんだろうけど、よくわからない、というものが目に付く。
 また、山下達郎を語る上で、「とにかくすごい」ということになっているが、いったい何がどうすごいことをやってきたのかを明解に語っている文章がどこにあるのだろうか。そう、達郎が「パンク」たる所以とは? そもそも、70年代の日本のポップスにおいて、細野晴臣と大瀧詠一が果たした役割とは何なのか? ユーミンの『ミスリム』がなぜ重要なのか……はっぴいえんどのやったことがなぜ日本語ラップにも繫がるのか……
 萩原健太の文章は、そうしたすべての問いに対して明快だ。
 名著『はっぴいえんど伝説』の著者が瑞々しい言葉で綴る「僕とシティ・ポップの70年代」。音楽の価値観が揺れている今日だからこそ、読んでいただきたい。健太さんの文章も良い感じで柔らかく、また心地良いです。

 彼らは〝場〟を共有していた聞き手たちと微妙な目配せを交わしながら、あの時代ならではの誤解や屈折すら味方につけ、少しずつではあったが、マジカルな名盤をひとつ、またひとつと生み出していったのだった。
 ぼくがこれから、つらつらと書き連ねていこうと思っているのは、そんな名盤たちの物語だ。
──萩原健太『70年代シティ・ポップ・クロニクル』
                        まえがきより

湯浅湾20周年ライヴが目前! - ele-king

 久しぶりの湯浅湾のライヴが明後日9日に迫っている。なんと結成20年。この日はカーネーションの直枝政広が演奏に加わるほか、Phewも登場、五木田智央のと塩田正幸によるOL名義でのDJまで楽しめるようだ。五木田氏はこの日販売されるバンドTシャツのグラフィックも手掛けている。これを買うのも大きな楽しみのひとつだ。開催直前、バンドからコメントを寄せていただいた。

■松村正人氏

 湯浅湾は1995年、敗戦から半世紀を記念し、音楽評論家湯浅学さんがたちあげた。当初ふたり組の湯浅バッテリーをなのっていたが編成は3人になり4人になり最大7名までになったが、いまは湯浅学、牧野琢磨、山口元輝と私の4人である。私は湯浅さんが音楽誌で音楽を評するなら自分もエレキをやらなければならないと書いたのを学生のころいち読者として手にとり感銘を受けたが、後年いっしょにやることになるとは思いもよらなかった。NRQの牧野くんも相対性理論の山口くんも、入ったころは学生だったはずだ。メンバーも世代も志向もバラバラな私たちが長らくいっしょにやっているのは思想信条もさることながら、湯浅学という巨大な音楽の入江がその懐に私たちを舫うからだ。

 戦後70年を迎える今年、湯浅湾も結成20年となる。同期にはフー・ファイターズがいる。気づかせくれたのは五木田智央さんである。彼が今年ロスで個展を開いていたとき、ニール・ヤングに会いに行った湯浅さんと湯浅湾の所属レーベルであるboidの樋口さんが会場に立ち寄ったさい、そういえば今年20周年だと気づいた。これがなければ今年のライヴは年末の黒光湯だけではなかったとはいいきれない。ありがたいことである。五木田さんは以前湯浅湾のTシャツにグラフィックを寄せていただいた縁で今回はその旧版と新装版も、幸運な来場者はゲットできる。五木田さんとは、こちらもまた私の畏友である塩田正幸とのOL名義で自作音源によるDJを披露するという。Phewさんはいうまでもない。彼女のここしばらくのソロは全キャリアをみわしても何度目かのピークを迎えているといってもいいすぎではない。また告知がおそくなったが、ツアーを終えたばかりのカーネーションの直枝政広さんも湯浅湾といっしょに演奏してくださる。

 あいにくこの日はひたちなかでフェスをやっているので客を食い合うかもしれないが、私たちはそれぞれのもち場でやるべきことに身を砕くのみだ。新曲も多数用意しております。湯浅さんの創作意欲も絶好調で、ある曲など、歌詞が20番までできた。別の曲を書けばいいのに。あるいはこれもディラン化の一端なのか。
 ともあれ、8月9日日曜日、六本木のSuperDeluxにてお待ちしております。


■湯浅学氏宣伝文(告知フライヤーより)
 気がつけば20年。湯浅バッテリー/湯浅湾がこの世に生まれてそんなにたったのか、と思いながら最近いくつか新曲を作りました。
 この春、五木田智央さんに会ったら、Tシャツ作りましょうよ、というので新しいのと古いのと記念に作ることにしました。
 Phewは空を飛んでいるように素晴らしいです。OLは滅多に見られません聴けません。
 夏の一夜をぜひ我等と。野菜は自家採取を。
(湯浅学/湯浅湾)


■湯浅湾20周年ライヴ Tシャツ新規/再発記念

日時:8月9日(日)開場/開演17:30
会場:六本木 SUPERDELUXE
住所:東京都港区西麻布3-1-25 B1F
出演:湯浅湾、Phew、OL(五木田智央 塩田正幸) ゲスト:直枝政広(カーネーション)
※1ドリンクオーダー制

主催:boid
URL:https://bit.ly/1hgW6jn


DJ BISON Show - ele-king

 DJ BISON (SEMINISHUKEI / FOOT CLUB / THE INVADERS )はダイナミックにチェックするべきDJだ。
 家で遊んでいれば、全く知らない素晴らしい音源からどうでもよい面白い音源まで自分のワードで面白く紹介してくれる。DJでは、なかば未知の領域か大胆に取り出して来たような音源をPLAYしたかと思えば、丁寧にストーリーを繋げていく。
 現在少し更新が止まっているが、BISONが最新のヒップホップを紡ぐ、ばっちりと誰に対しても提出できるミックス日記のような「DJ BISON MIXSHOW」を一度聴いて頂ければ、その魅力の片鱗は伝わるはずだ。
 そんなDJ BISONのMIXと言葉とともにベイエリアの最重要アーティストのひとりを紹介したい。

SHAHEED AKBAR a.k.a "The Jacka" 
8.12.77 ~ 2.2.2015 mob in peace
TEXT : DJ BISON with COTTON DOPE

 ──サンフランシスコ ベイエリアのフッドを代表するラッパー、Dominic“THE Jacka" NEWTONがカリフォルニアのイーストオークランドで殺害される。享年37歳──(2015年2月12日)

 その少し前にASAP YAMSが死んでいる(2015年1月18日 )。国内のメディアはそればかりを取り上げていて、海外のメディアを見に行かないと情報がまるで入ってこなかったように記憶している。
 海を渡ったアメリカでは、all coastで彼の死を偲んでいた。西はE-40,東はCORMEGA、東西のアンダーグラウンドのキングと言えるこのふたりが一早く反応していた。これだけで、どれだけのアーティストから “The Jacka" というラッパーがリスペクトされていたのかが伝わるだろう。
 ベイエリアのヒップホップの偉大なる代表者。
 “The Jacka"
 そんな彼は何者なのか。
 一言で表すならば「ベイエリアのラップヒーロー」だ。

 ──RAP HERO。この言い回しは海外のメディアがJACKAを評する時には必ずと言っていい程でてくる言葉だ──
 その短くはないキャリアのなかでリリースした作品のどれもが高いクウォリティを誇っている。

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●2001: Jacka of the Mob Figaz
●2005: The Jack Artist
●2006: Jack of All Trades
●2008: The Street Album (U.S. R&B #80[7])
●2009: Tear Gas (U.S. #93[8])
●2010: Broad Daylight
●2011: Flight Risk (U.S. R&B #70)
●2011: We Mafia
●2011: The Indictment
●2012: The Verdict
●2012: The Sentence
●2013: The Appeal
●2013: Murder Weapon (TBA)[9]
●2014: What Happened To The World (Street Album)
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 ディスコグラフィーを見ると2010年以降のソロ作品のリリースの多さに驚かされるが、それだけにとどまらず、リリースしているMIXTAPE、客演仕事まで入れると到底数え切れないほどのworks量。そして数に比例して質を落とす事無く“The Jacka " はラップヒーローとして完璧な仕事をこなす。
 哀愁漂うtrackにのせ歌うように囁くように淡々とラップするそのスタイルはベイエリアの空気を東海岸まで運ぶかのようだ。良く 「冬に聞くNYスタイルは最高」という言葉を聞くが、そう思っている人は是非聞いていただきたい。The Jackaはやばい。
 亡くなってなおリリースされ続ける自身の作品、客演作品の数にはおどろかされる。7月にも、Tina - Blanco featuring Messy Marv, Husalah, & The Jackaなんてヴィデオが公開されている。 (https://youtu.be/7PvPe5b-tyQ) 

 現在のヒップホップはフリーダウンロードのミックステープが中心になっている。そのなかで、ギャングスタ・ラップとカテゴリーされるアーティストの作品はi-Tunesでひっそりとリリースされている作品が多く、その作品を知る機会は決して多くはない。
  本物の良質なベイエリアのラップが聴きたかったら“The Jacka"。
 そして、彼がやっていたレーベル〈The Artist Records〉とそれに所属するアーティスト達はどれも素晴らしい作品を現在進行形で作り続けている。
 ベイエリアのシーンをに興味を持ったのであれば、The Jackaとそのフッドの音楽を覗いてみて欲しい。ここにはヒップホップの現在のまた違う姿が存在する。

Vince Staples - ele-king

 トレイヴォン・マーヴィン射殺事件やファーガソン事件など、フレイヴァー・フレイヴの時計はこのところ勢いをつけて逆回転を続けている。時計の針は50年前のロング・ホット・サマーまで戻るのか、それとも150年前の南北戦争まで後退してしまうのか。今年、5月にはやはりフレディ・グレイが警官に射殺され、ストリーミング・サイトからあらゆる音源を引き上げるなどインターネットとの相性の悪さを強調してきたプリンスがデモ隊を応援するために珍しく“ボルティモア”をサウンドクラウドにアップ、当地でのライヴの模様をジェイ・Zのサイト、タイダルからフリーで中継し、グレイの名にちなんで灰色の衣装を着込んだりしていた (プリンスとの共同作業を喜んだジェイ・Zとビヨンセは同時に遺族の元を訪問も)。

 6月にはサウス・カロライナ州にある黒人たちの教会で9人がディラン・ルーフ容疑者(21歳)によって射殺。州境で逮捕されたルーフの車には南部連合の旗が取り付けられてあったために、公共の建物から南軍旗を引き摺り下ろせという声が広がった。この動きに過剰反応を示した元KKKのメンバーがミズーリ州など近隣の州でも黒人たちの教会に火をつけるという騒ぎが相次ぎ(そのうちのひとつは後に自然発火と判明)、サウス・カロライナ 州議会の建物から南部旗が撤去された後も、モダンKKKとアメリカのしばき隊みたいな人たち合わせて2000人余が衝突、5人以上が逮捕されている。その後もサンドラ・ブランド、サミュエル・デュボーズと黒人の射殺事件は全米各地でいまだ途絶えず、いま、アメリカでは「BLACK LIVES MATTER」(黒人たちの命も大事)というプラカードが掲げられることが増えてきた。あるいは「ザ・ブラック・ライヴス・マター」ムーヴメントの発端は アリシア・ガーザ、パトリス・カラーズ、オパル・トメティによって提唱された明確な政治運動で、8月5日現在、23人の死者を対象としたものだともされている(詳しくは→https://en.wikipedia.org/wiki/Black_Lives_Matter

 このような時代のサウンドトラックは明らかにケンドリック・ラマーだろう。クリーヴランドでは6月に警察のいやがらせをテーマとしたラマーの“オールライト”をデモ隊が合唱し、クリス・ロックが監督した『トップ・ファイヴ』のDVD特典の映像を観ると、ラマーの登場が時代の差を表す象徴のように言及されているシーンもあった(「トップ・ファイヴ」という「タイトルは黒人の男たちが集まるとラッパーのベスト5は誰かを言い争うことが多いことからつけられている。同じく特典映像ではティナ・フェイのシット・コム『30ロック』で名を挙げたコメディアン、トレイシー・モーガンが1位にエミネムの名を挙げ、みんなから大ブーイングを受けるシーンもおもしろい。ちなみに同作のエグゼクティヴ・プロデューサーがまたジェイ・Zとカニエ・ウエストだったり)。

 ……と、ここまで書いてきてなんだけど、僕はどうもケンドリック・ラマーのサウンドが苦手である。同じウエスト・サイドでも笑いを忘れたディジタル・アンダーグラウンドにしか聴こえず、あまり長くは楽しめない。趣味の問題なのでディスりたいわけではないし、盛り上がれる人はそれでいいと思うんだけど、代わりに僕の耳に飛び込んできたのは同じカリフォルニアでもヴィンス・ステイプルズ。すでにオッド・フューチャーの準メンバーのように扱われ、「目標は音楽で人々を不快にさせること」という発言が物議を呼んだこともある。そして、昨年、サウンドパトロールで取り上げた「ブルー・スエード」がすでにして片鱗を漂わせていたものの、思ったより早く届けられたデビュー・アルバムではヴァージン・プルーンズを思わせるエソテリックなサウンド・ループがこれでもかと咲き乱れていた。なんとも呪術的な“ノーフ・ノーフ”やトライバルというにはあまりにオドロオドロしい“ドープマン”など、ヒップ・ホップのプロパーじゃないから楽しめるのかなと思うほど、メインストリームでは見当たらないサウンド・プロダクションばかりが並んでいる。闇の中を蠢くような“ブライズ&ビーズ” のベースラインもじつにカッコいい。アルバム全体を少しばかりスクリュードさせたユーチューブのヴァージョンもけっこうハマる。

 英語で書かれたレヴューを読むと、しかし、「アイス・キューブの再来」などと書いている人もいたので、あれ、もしかすると、コンシャスというにはあまりに暴力的ながら、ファーガソン事件のことにも言及してるみたいだし、ケンドリック・ラマーからものスゴく遠いところにいるわけではないのかもしれない。歌詞カードどころか盤には曲名も記載されていないので、よくわからない。調べてみると生い立ちはかなり悲惨。墓場で流れているようなサウンドにはそれなりの理由がべったりと貼り付いているのかも。


jitsumitsu - ele-king

夏、涼しく暗い所で聞きたい曲10選(順不同)

Wavves X Cloud Nothings - ele-king

 数年来のローファイ・ブームの大立役者のひとり、ウェイヴスのネイサン・ウィリアムスと、その盛り上がりが最高潮に達し、シーンが熟した頃合いに現われた3ピース、クラウド・ナッシングスのディラン・バルディ。ネイサン・ウィリアムスがバルディを迎えるかたちで生まれたというこのコラボレーション・アルバムは、なんとなく互いが互いの資材を持ち寄ってセッションした、というようなネガティヴさとは無縁で、そこには「ウェイヴスがディラン・バルディをドライヴさせたらどうなるか?」というような、ほとんどプロデュース意識に近いものを感じる。と思っていると、実際、本作はネイサンによる兄弟ユニット、スウィート・ヴァレーによるプロデュースだとの触れ込みがあった。

 とはいえギミックはなし。ここで展開されているのは両者による順当な足し算と掛け算だけだ。誰もがとくに目新しさはないと判ずるだろうが、しかし同時に、誰もがその日の半分を“ノー・ライフ・フォー・ミー”のなかのワン・フレーズに支配されて過ごすことになるだろう。

 9曲20分強。2分足らずの胸ときめかせるガレージー・ポップ・パンクの列を縫って2本の線が走る。このコラボレーションのメカニズムをもっとも明瞭に示すのは“ハウ・イッツ・ゴナ・ゴー”だろうか。ウェイヴスらしい歪みを加えてノイジーに掻き鳴らされるギター、ポストパンク調に展開されるヴァース、それが途切れたかと思うと、ダークウェイヴ調のシンセが空間を柔らかくゆがめる──ここまではウェイヴス印だ──瞬間、バルディのヴォーカルがなんともナイーヴに入ってくる。ノイズは突如として凪ぎ、4度繰り返される短いフレーズはこの上なく印象的に耳と記憶に残される。頼りないほど優しげな声、そして2小節だけで爆発的に発揮されるそのメロディ感覚……。ネイサンは彼の宝が何であるのか、本当によくわかっている。

 つづく“カム・ダウン”も同じパターンで、コーラス部分にフィーチャーされたバルディがミニマムな小節の中でマックスな働きをみせる。もっともこれは、イントロやコード進行などにクラウド・ナッシングスのキャラクターを感じさせるが、そのよい意味で垢抜けない(本当に、よい意味でしかない!)音を、ネイサンやドラムのブライアン・ヒルがタイトで洗練されたかたちに引き締めている。スラっとしたクラウド・ナッシングスが聴けようとは。

 異色と言えば“アンタイトルドⅡ”だろうか。アルバム全体におけるインタールードのようなもので、スペーシーなアンビエント・トラックだ。大して凝ったものではないが、かつてノー・ファイとかシットゲイズなどと呼ばれた2010年代式ローファイ哲学の先にこんな表出があるかと思えば感慨深い。濁った水に沈殿するゴミや澱のように不透明な、しかしそのようなものを透過してくる光の美しさ、眩しさ──。

 そして、そこからは怒涛のようにバルディのターン。“ナーバス”の切ない疾走感。基本的にはリフレインだけが前半の彼の仕事だったが、ここでは彼を抑制していた手綱が話されてここぞと走り回っている。彼のソングライティング力……というよりはフレージング力、メロディメイカー気質というべきだろうか、その威力を思いきり感じられる曲であり、ここから先はどの曲もぶっちぎる展開。しかしこれだけ彼に全面的に役割を開放するのはこの曲だけかもしれない。

 胸いっぱいのショート・トラックに敬意を表して、印象に残る短文を、と思ったが筆者には無理だった。短く青く激しい嵐が通りすぎたあと、わたしたちの心象からはひととき影送りの空のような鮮烈なイメージが去らないだろう。バルディのワン・フレーズとは、そういう種類のものだ。
 フィジカルのリリースはアナログのみで10月の模様。

弓J (S) - ele-king

Moody Summer 10

笑いのない抵抗なんて - ele-king

 いつもは機材が置かれているところにキッチンが設置された。シンセサイザーの代わりにガスコンロがあった。楽器の代わりにはフライパンや皿が並んでいた。

 2011年9月のライヴはリキッドルーム史上初の、ステージ上で豚肉が料理されたライヴだった。コックが肉に火を通すと、フロアの後ろのほうまでそのにおいはした。それはハーバートのライヴのクライマックスだった。いや、本当のクライマックスは、豚肉料理の盛られた皿をコックから差し出されたとき、ハーバートならびに共演者一同が不味そうな表情をでそれを食べなかったときか……。



 ハーバートのライヴは彼の音楽と同様に、完璧にコンセプチュアルである。ただ演奏するのではない。コンセプトがあり、誰もがやったことのないアイデアが実践される。
 くだんのライヴでは、豚の一生を描いた『ワン・ピッグ』を土台としていた。養豚場で豚が生まれ、そして屠殺されるまでの“音”から生まれたそのアルバムは、ハーバートらしい資本主義への批判精神から来ているものだが、ライヴでは作品の暗い主題はユーモアを持って展開される。2003年の、グローバル資本主義への皮肉を込めた『グッドバイ・スイングタイム』でのライヴもそうだった。

 あのときは〈ブルーノート〉での、ビッグ・バンド・スタイルでのライヴだったが、ハーバートらしさは充分に発揮されていた。演奏中、バンドはブレイクと同時にスーツのポケットから新聞紙を取り出し、「こんなものは真実を伝えていない」とばかりに破り捨て、そしていっせいに音を出す。ショーであり、政治的でもある。2001年のレディオ・ボーイ名義での〈リキッドルーム〉のライヴもそうだった。あのときのハーバートはステージ上でマクドナルドやGAPといったグローバル企業の包装紙などを破ってはその音をマイクで拾い、ループさせながらダンス・ミュージックに仕立て上げた。オーディエンスは笑いながら踊り、しかし終わったときには、我々の日常の一部と化したものたちへの疑問を反芻する。音楽が政治的であるとは、必ずしもお決まりのスローガンを叫ぶことではない。ハーバートのように喜劇的な表現で思考を揺さぶり、そして命令するのではなく、リスナー自身に考えさせるというやり方もある。



 このところ重たい作品が多かったハーバートだが、今年リリースされた『ザ・シェイクス』では久しぶりに彼の“ポップ”な音楽性を披露している。今回の来日は、このアルバムを土台にしたライヴになるのだろう。『ザ・シェイクス』には相変わらず彼の政治的情熱も込められている。イラクやイスラエルで実際に録られた銃弾や爆弾の音も使われているというが、音楽はハウスを基調としたもので、洒落っけのあるものだった。
 そもそも総勢9人体制で、いったいどんなライヴを見せてくれるのか楽しみでならない。二度と同じことはしない。それがハーバートのライヴである。ぼくは、彼のライヴを見て満足しなかったときはいちどもない。どうか見逃さないでほしい。

■2015年8月18日(火)
Hostess Club Presents Herbert
場所:東京・恵比寿リキッドルーム
開場:18:30 open 開演:19:30 start
チケット:
ADV ¥6,000(ドリンク代別途 / オールスタンディング)
イープラス
チケットぴあ:0570-02-9999 / Pコード:270-031
ローソンチケット:0570-084-003 / Lコード:76824
※0570で始まる電話番号は、一部携帯・PHS不可

Hostessオフィシャルサイト:
https://ynos.tv/hostessclub/schedule/20150818.html


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