「TT」と一致するもの

Chart by STRADA RECORDS 2012.03.06 - ele-king

Shop Chart


1

STING

STING INSIDE-TIMMY REGISFORD & ADAM RIOS REMIXES TIMMY ADAM / WHITE (US) »COMMENT GET MUSIC
昨年度よりTimmy Regisford自身がプレイを重ねてきた話題作が日本先行でヴァイナル・リリース!2003年リリースのアルバム「Sacred Love」のリード・トラック「Inside」をハウス・リミックスした本作、StingのパワフルなヴォーカルとShelter直系のシンセが絡み合う強力なピークタイム・チューン!世界に先駆けて日本先行リリースとなりますので是非この機会をお見逃しなく!

2

STEVIE WONDER

STEVIE WONDER LATELY-TIMMY REGISFORD & ADAM RIOS REMIXES TIMMY ADAM / WHITE (US) »COMMENT GET MUSIC
昨年度よりTimmy Regisford自身がプレイを重ねてきた話題作が日本先行でヴァイナル・リリース!Stevie Wonderの言わずもがなの超名曲「Lately」をハウス・リミックス!パーカッシヴなトラックにメロディアスなピアノ&ヴォーカルが最高で、中盤以降の盛り上がるパートには新たにシンセが加わり、これまた強力なピークタイム・アンセムに仕上がっています!世界に先駆けて日本先行リリースとなりますので是非この機会をお見逃しなく!

3

ACOUSTIC HIGH-END RESEARCH

ACOUSTIC HIGH-END RESEARCH STRADA PROFESSIONAL SOUND EFFECTS RUNNING BACK(GER) »COMMENT GET MUSIC
【500枚限定再プレス!】2005年に当店制作にて超限定リリースしたサウンド・エフェクトの決定版「STRADA PROFESSIONAL SE VOL.1」が2009年にRUNNING BACKからライセンス・リリースされるもおかげさまで即完売。たくさんのwantを頂いておりましたがこのたびジャケット等の仕様を若干変更し、ようやく再プレスしてくれました!雨や風、波、街の雑踏などの環境音に加え、各種シンセ・スィープ音を多数収録!しかもサイレンや笑い声などの一部の周期的な効果音はBPM125に同期する世界初の仕様となっています!SIDE A、Bともに同期用のBPMガイド・クリック音も収録!AME、DERRICK MAY(←ミックスCDにも収録!)、DIXON、QUIET VILLAGE、DPLAY、EFDEMIN、国内ではALEX FROM TOKYOやEMMAらも絶賛!

4

KEN ISHII pres. METROPOLITAN HARMONIC FORMULAS

KEN ISHII pres. METROPOLITAN HARMONIC FORMULAS MUSIC FOR DAYDREAMS EP UNKNOWN(JPN) »COMMENT GET MUSIC
Ken Ishiiのニュー・プロジェクトMetropolitan Harmonic Formulasの限定プロモ12インチが入荷!ナントMr.Fingersのハウス・クラシック「Can you feel it」の良質なカヴァーを収録!オリジナルに忠実なトラックに名門 Impulseからも作品をリリースするジャズ・アーティスト菊地成孔のサックスをフィーチャー!これは見逃せない!

5

DAZZLE DRUMS

DAZZLE DRUMS ROUND MIDNIGHT GREEN PARROT(JPN) »COMMENT GET MUSIC
強力盤!】Dazzle Drumsによる自主レーベル第1弾!Joe Claussellが来日時に東京で3回もプレイ、Danny Krivitが自身のTop10チャートにもランクインさせていたピアノのソロが印象的なジャジー・インスト・ハウスの「Round Midnight」と、Aril Brikha「Groove La Chord」を更にエキセントリックに進化させたようなテック・トラック「Falling Up」をカップリング!

6

MONODELUXE

MONODELUXE CHANGE(feat.JAIDENE VEDA) SOPHISTICADO/SACRED RHYTHM MUSIC(US) »COMMENT GET MUSIC
Sacred Rhythm Musicが配給を手掛けた大注目盤!イタリアのプロデューサーMonodeluxeと、Nick Holder、Rurals、Todd Omotaniらの楽曲でもヴォーカルを務めていた女性シンガーJaidene Vedaによる作品で、ディープで超心地良い女性ヴォーカル・ハウスに仕上がっています!可憐なヴォーカルにピアノのソロやエレピが最高!B面にはオルガン・ソロがメインとなったヴァージョンをカップリング!

7

EDDIE PALMIERI

EDDIE PALMIERI MI CONGO TE LLAMA-SACRED RHYTHM MIX SACRED RHYTHM MUSIC (US) »COMMENT GET MUSIC
【強力盤!】名門Faniaレーベルの音源をJoe Claussellがリミックスした企画盤『Hammock House : Africa Caribe』に収録されていたEddie Palmieriの作品が新たなミックスで12インチ・カット!グルーヴィーなベースにギターのアルペジオやホーン、シンセが絡む極上ラテン・ジャズ・ハウスに仕上がっています!

8

RON TRENT

RON TRENT DEEP DOWN(feat.ROBERT OWENS) FOLIAGE(FR) »COMMENT GET MUSIC
Ron TrentのレーベルFuture Visionから2008年にリリースされていた「Deep Down」が、今回新たにLarry Heardによるリミックスをカップリングし人気レーベルFoliageから登場! Ron Trent、Larry Heard、そしてRobert Owensといった独自の美学&世界観を確立している各人の持ち味が見事にミックスされた大人のヴォーカル・ハウスです!

9

ROXY MUSIC

ROXY MUSIC LOVE IS THE DRUG-TODD TERJE DISCO DUB THE VINYL FACTORY(UK) »COMMENT GET MUSIC
数回入荷したものの全て瞬殺で売り切れたBryan Ferryの限定シングルに引き続き今度はRoxy Musicの限定リミックス盤が登場!グルーヴ感やファンキーさを高めたTodd Terjeによる「Love Is The Drug」、ディープなシンセ系のバレアリック~チルアウト・チューンに仕上がったLindstrom & Prins Thomasによる「Avalon」ともに◎!プライスがお高いですが質の良いアートワーク・ジャケにインナースリーヴまでアートワーク・プリント、さらにやたら重い重量盤仕様(計ってみたら190g!)ということで納得の高品質盤です!

10

QUANTIC & ALICE RUSSELL WITH THE COMBO BARBARO

QUANTIC & ALICE RUSSELL WITH THE COMBO BARBARO LOOK AROUND THE CORNER(10inch) TRU THOUGHTS(UK) »COMMENT GET MUSIC
Tru Thoughtsレーベルを中心にNinja TuneやFreestyleといった個性的なレーベルでの仕事で知られるクリエイターQuanticがBah SambaのヴォーカリストArice Russellとタッグを組んだ注目盤! 4Heroやここ最近のJazzanovaあたりにも通じるアーリー70'sな極上ソウル・サウンド!限定盤なのでお見逃し無く!

fragment - ele-king

 朝からずっと降っている雨が環八を洗浄している。マンションの点検のため、たばこ臭い作業員が部屋に入って、ベランダに出る。車の排気ガスが冷たい風に紛れて部屋の窓から侵入する。僕は大きな音でフラグメントのアルバム『ナロウ・コスモス104』をかけている。音は僕の鼓膜には響いても、横にいる作業員には聴こえないようで、表情ひとつ変えない。
 雨に濡れた道路の上を走る車の音に混じって電子音がなる。フラグメントは、山梨出身のkussyと熊本出身のdeiilのふたりが埼玉の大学で出会って生まれた。DJプレミアとオウテカという北アメリカ大陸で生まれたヒップホップとブリテイン島で生まれたIDMが埼玉の学生の耳を通過して、そして再生された。いろいろなレーベルに音源を送っても返事は来なかったので自分たちでレーベル〈術ノ穴〉を作って、2004年に最初のアナログEP「繋」をリリースする。レーベル名の由来は、「その数日前に見た映画『マルコビッチの穴』とたまたま聞いてた『Art of Noise』のもじりで、『芸術性に欠けてる人たち』ぐらいな意味」だそうだ。それ以来彼らは環ROY、ツジコノリコ、撃鉄などのプロデュースやリミックスを手がけている。『ナロウ・コスモス104』は彼らにとって初めてのインストゥルメンタル・アルバムである。「narrow cosmos 104=狭い宇宙/104号室=術ノ穴事務所ということで僕らが毎日いる空間をタイトルにしました」と、メンバーのkussy君はタイトルの意味を教えてくれた(kussy君とは......まさかクシー君の発明から?)。

 

 三田格情報によれば最近は日本にもフライング・ロータス以降と呼べるようなシーンがあるという話で、新しいトラックメイカーが続々と登場しては面白い作品を出しているようだ。フラグメントはフライング・ロータス以前からやっているので、厳密に言えばその流れには入らないが、『コスモグランマ』ではなく『ロサンジェルス』が自信を持たせたベッドルーム・ミュージックの延長に『ナロウ・コスモス104』を並べることは可能だ。彼らはボーズ・オブ・カナダとも似た茫洋とした夢と同時に平和主義を説いている。アルバムにはリミキサーとして、ogiyy、Geskia、Quarta330の3人が参加しているが、フラグメントの面白さを伝えるのは、"Crossing World"や"Winter Girl"のような、彼ら自身が自分たちのサウンドに夢中になっている曲だ。僕がもしベスト・トラックを選ぶなら、安っぽいピアノが山小屋のなかで板を軋ませながら鳴っているような"Wednesday"。が、しかし彼らは、自分たちの音楽が生活や仕事で疲れている連中の頭を一時期的に気持ちよくさせてあげるだけのもの、たとえば夜の9時に冷蔵庫から取り出すビール、そうしたもの以上であることをこのアルバムで言っている。いや~、いよいよ日本のクラブ・ミュージックが面白くなってきたぞ!
 彼らは3月24日渋谷wombにて、ゲストにShing02、Chim↑Pomを迎えてのイヴェントを主宰する。

Fragment (術ノ穴) - ele-king

アルバム制作中によく聞いてたチャート


1
Four tet - There Is Love In You - Domino

2
Amon Tobin - Isam - Ninja Tune

3
Madegg - Players - 分解系

4
Gang starr - Moment of Truth - Virgin

5
サカナクション - DocumentaLy - Victor

6
mito - DAWNS - Columbia

7
salyu x salyu - s(o)un(d)beams

8
チプルソ - 一人宇宙

9
EeMu - nothing - LHW?

10
Spank Rock - Everything Is Boring and Everyone Is a Fucking Liar - Boysnoize

Chart by JET SET 2012.03.05 - ele-king

Shop Chart


1

RECLOOSE

RECLOOSE MAGIC »COMMENT GET MUSIC
昨年リリースされた「Saturday Night Manifesto E.P.」にてデトロイト・サウンドへの回帰となる傑作を展開したReclooseによる2012年1stシングル。恩師Carl Craigによるエディットも収録され、外し無しの大推薦盤が登場です!!

2

BEASTIE BOYS X MAJOR LAZER

BEASTIE BOYS X MAJOR LAZER DON'T PLAY NO GAME THAT I CAN'T WIN »COMMENT GET MUSIC
なんとMad DecentからBeastiesとMajor Lazerによる電撃コラボ7"が登場です!!

3

SLY & ROBBIE

SLY & ROBBIE BLACKWOOD DUB (PICTURE VINYL) »COMMENT GET MUSIC
尖がったベースにビート、音像にグルーヴ。流石過ぎます。こちらはピクチャー盤仕様!!

4

FRIENDLY FIRES

FRIENDLY FIRES HURTING (CARL CRAIG MIX) »COMMENT GET MUSIC
名門Planet Eからのオフィシャル・12インチ!!オリジナル以上にブリージンでウォームなロマンティック・ディスコ・トラックに仕上がってます。

5

CHRISTIAN NAUJOKS

CHRISTIAN NAUJOKS TRUE LIFE »COMMENT GET MUSIC
音響ミニマル名門Dialが誇るベルリン在住の美麗ミニマリストChristian Naujoks。Michael NymanやJohn Cageにオマージュを捧げた21世紀版ピアノ・ミニマル歴史的傑作を完成です!!

6

DEAN 'SUNSHINE' SMITH

DEAN 'SUNSHINE' SMITH THE SUNSHINE REWORKS# 3 »COMMENT GET MUSIC
大好評頂いた前2作に引き続き、20年のキャリアを誇るDJ/コレクターDean 'Sunshine' Smithによる素晴しいリエディット2タイトルをカップリング。本作も仕上がり抜群です!!

7

F3

F3 LONELY LAND »COMMENT GET MUSIC
イスラエルの3人兄弟、F3によるスウィートな疾走感溢れるシンセ・ディスコ・ブギー。メチャ最高です!!Seahawks、John Talabotによるリミックスも収録!!

8

MOODYMANN

MOODYMANN JASON GROOVE EDITS »COMMENT GET MUSIC
昨年ホワイト盤にてリリースされた「I Got Werk」を荒々しいボトム組で再構築したA-1。KDJ3番Marvin Gayeトリビュートの'94年傑作「Tribute! (To The Soul We Lost)」を艶やかなアトモスフェリック・ディープハウスにアレンジしたA-2を筆頭に、全4楽曲いずれも素晴しいリワークです。

9

V.A.

V.A. TUSK WAX FOUR »COMMENT GET MUSIC
カルトヒットを記録した前3作同様、スタンプ・ラベル/限定プレスにて展開されたUKミステリアス・レーベル"Tusk Wax"から待望のVol.4が新着!!

10

JOSE GONZALEZ

JOSE GONZALEZ CYCLING TRIVIALITES »COMMENT GET MUSIC
チルアウト・アコースティック詩人、Jose Gonzalezの2007年の名曲が、ニュー・ミックスで再び登場。ただ究極に気持ちよい感動に身をゆだねるのみです・・・

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1

JOAQUIN JOE CLAUSSELL

JOAQUIN JOE CLAUSSELL UNOFFICIAL EDITS AND OVERDUBS VERY LIMITED 7" PACKAGE SACRED RHYTHM MUSIC / US / 2012/3/1 »COMMENT GET MUSIC
推薦盤!「UNOFFICIAL EDITS AND OVERDUBS」シリーズからリミテッド7"!レアグルーヴ・クラシックのグレイト・リエディッツ!共に7分越えのDJユース仕様です◎

2

UCND / DJ SHINYA

UCND / DJ SHINYA MORONDAVA / SK.HIGH NNNF / JPN / 2012/2/21 »COMMENT GET MUSIC
SOFTのメンバーUCONとKNDによるライブ・セッション・ユニットUCND(ウコンドウ)待望のスタジオレコーディング音源、そしてその UCNDも幾度となくライブ・セッションを重ねてきた京都発ブラック・ミュージック・パーティー「BUTTER」主宰DJ SHINYAによるラグドなレアグルーヴ・エディットがカップリング7"リリース!

3

VEDOMIR

VEDOMIR VEDOMIR EP SOUND OF SPEED / JPN / 2012/3/1 »COMMENT GET MUSIC
EDDIE C、KERRIER DISTRICT a.k.a. LUKE VIBERTと確かなメンツの好リリースが続いた<SOUND OF SPEED>のアナログ・シリーズに、現行ハウス・シーンの次世代最注目株VAKULAが変名VEDOMIRで登場!

4

QUANTIC & ALICE RUSSELL WITH THE COMBO BARBARO

QUANTIC & ALICE RUSSELL WITH THE COMBO BARBARO LOOK AROUND THE CORNER TRU THOUGHTS / UK / 2012/2/18 »COMMENT GET MUSIC
過去に幾度と無く共演を果たしてきた盟友ALICE RUSSELLのヴォーカルを中心に、コロンビア移住後結成された南米/ラテン系の一流ミュージシャン集団THE COMBO BARBAROによる演奏がバックを固める鉄板布陣で制作された最新アルバム「LOOK AROUND THE CORNER」からタイトル・ナンバーが先行カット!

5

ANDRES

ANDRES NEW FOR U LA VIDA / US / 2012/2/15 »COMMENT GET MUSIC
<KDJ>や<MAHOGANI>を中心としたリリース作品はいずれも即ソールドアウト、内容も言わずもがなのフューチャー・クラシックな傑作を 数多く残してきたデトロイトの至宝=ANDRESが遂にセルフレーベルを立ち上げ、その第1弾をリリース。

6

YA△MA

YA△MA INTO THE LIGHT CLAZY MARKET / JPN / 2012/2/25 »COMMENT GET MUSIC
昨年夏にリリースされた傑作ミックス「BEFORE THE WIND」の超限定USBパッケージに搭載されていたサウダージなレアグルーヴ~ワールド・ミュージックを詰め込んだチルアウト・セットなミックスが多く のご要望により待望のCD(R)リリース!

7

EL NEGRO & ROBBY / ALAYAVIJANA

EL NEGRO & ROBBY / ALAYAVIJANA SPLIT EP CROSSPOINT / JPN / 2012/2/15 »COMMENT GET MUSIC
ワールド~ラテン/ジャズを包括する至高のNYアンダーグラウンド・ミュージック!鬼才KIP HANRAHANプロデュースによる03年作をライセンス・アナログ・リリース!from <CROSSPOINT>

8

V.A.

V.A. MAGIC WAND VOL.4 MAGIC WAND / UK / 2012/2/29 »COMMENT GET MUSIC
「バレアリック」をキーワードに面白良質エディットを展開する好シリーズ!当店人気の<IS IT BALEARIC?>限定オフシュート・レーベル<MAGIC WAND>第4弾!

9

CHUBBIE BOOTS

CHUBBIE BOOTS THE CRACKS ARE STARTING TO SHOW AUDIO PARALLAX / UK / 2012/2/29 »COMMENT GET MUSIC
推薦盤!絶妙なカットアップ/サンプル・チョップ感が素晴らしいスローモー・ブギー/ロービート4トラック!オーストラリアの注目新人クリエイ ターCHUBBIE BOOTSアナログ・デビューEP。

10

GANG COLOURS

GANG COLOURS FANCY RESTAURANT BROWNSWOOD / UK / 2012/2/18 »COMMENT GET MUSIC
メランコリーなエレクトリック・チルアウト・ダウンビーツ推薦盤!JAMES BLAKEに続く次世代ポスト・ダブステップ/エレクトロニカ・シーンの才能GANG COLOURSセカンド・シングル!アンビエント/チルアウト方面へもアプローチ可能な独創的グルーヴ感で展開する絶品フューチャー・ジャズ・ソウル!

Eli Walks - ele-king

 軽薄に「フライング・ロータス以降」といってしまおう。日本でもグリッチ・ホップに手を染める流れが確認できるようになった。あるいは、日本でエレクトロニカというと、繊細さを競い合う「アンビエント風」でなければ線の細いクリック・ハウスが延々と続いたので(もちろん、そういうものは海外にも五万といるけれど、やはり全体的な比率が違う)、だから余計にどっしりとしたビートを構築できるだけで、景色が一変したように感じられたともいえる。しかし、それはそんなに小さなことではない。バンクシーにならって、いまなら1割増しで喜びたい。

 まずは、なんといってもイーライ・ウォークス。カリフォルニア帰りの秀才によるデビュー・アルバム。まるで重戦車が滑らかにのたくるようなビー トは、重い響きと反するようにあっさりと腰の動きを誘い出す。これがとにかく粘っこい。家で聴くようなものじゃないのかもしれないとさえ思えてくる。ついヴォリウムを上げてしまう。メロディも忘れられてはいない。寂しげな旋律もそれほどクリシェには感じられず、基本的には似合っている。荒 廃した世界観のなかにはどこかそれを楽しんでいる雰囲気もあり、曲によってはいつしかユーモラスにも感じられてくる。アンダーグラウンド・レジスタンスを遅くして再生しているような"ヴェルタックス"も同様で、荒廃した風景と、それに拮抗するエネルギーが鬩ぎあうムードは実に臨場感があり、エンディングで転調を繰り返す辺りからどうなるかと思ったら、すぐにフェイド・アウトしてしまったのはちと残念。アルバムも全体に少し短くて物足りない。クロージング・トラックは夢を見......損なったような「アンビエント風」。アルツが手掛けたローランド・P・ヤング(裏アンビエント P71)じゃないけれど、フリクションの『スキン・ディープ』を丸ごとリミックスしたら面白いような。

 昨秋、やはりソロ・デビューを果たしたマコト・カタギリも重量感がある。パーシステンスというハード・ミニマルのユニットを続けてきたことに由来する重さのようで、『デイ・イン・デイ・アウト』ではそれに重ねて多種多様なリズムのヴァリエイションが持ち込まれている(ニュー・スクール・ドラムン・ベースもあるし、ハード・ミニマルもある)。バキバキだった頃のゴス・トラッドがそのままダブステップに突入したようなオープニングから一貫してクールな世界観が構築され、単にストイックなだけでなく、軽 妙に配置されたファニーなSEもあれば、ポスト・クラシカル風の落ち着いたブレイクビーツ......だけは、なぜか唐突に情緒過多で少し違和感があった。小技の効きまくったM4.M8がとにかく素晴らしい。

KENJI IKEDA (NDD TOKYO,ECHOPARK) - ele-king

NDD TOKYO'S SELECT BEST 10 - 2012/0301


1
Jon Gorr - It's No Life - Ppu

2
Yazz - Finetime - Big Life

3
Howard Jones - Hide&Seek - Waner

4
Char - Shinin You,Shinin Day - Canyon

5
Jerry Willams - Easy On Yourself - Ghost Town

6
Lenny Kravits - Thinking Of You(Salsa Version) - Virgin

7
Sergio Mendes - Magic Lady - Warner

8
Jorce Montana - Feeling Good - Tomato

9
Alex&Tr - Time Warp3 - Timewarp

10
Mixed By Steppers - Slow Beat Dub2 - Steppers Records

Chart by Underground Gallery 2012.03.02 - ele-king

Shop Chart


1

PORTER RICKS

PORTER RICKS Biokinetics (Type / 2lp) / »COMMENT GET MUSIC
THOMAS KONER & ANDY MELLWIGによる伝説的ミニマル・ユニットPORTER RICKSが、[Chain Reaction]から1996年にリリースし、今では完全廃盤の為、入手難となっていた、ミニマル・ダブの歴史的名盤「Biokinetics」が、遂にヴァイナル2枚組にて再発! 独ドローン / エレクペリメンタル界の大ベテランTHOMAS KONERと、DUBPLATE & MASTERINGの技師でもあるANDY MELLWIGによる重要ユニットPORTER RICKS が、[Basic Channel]への連鎖反応として設立されたミニマル・ダブのパイオニア的レーベル[Chain Reaction]から、記念すべきアルバム(CD)一作目として1996年にリリースしたダブ・テクノの金字塔が待望の再発。低音の音塊、複雑なエフェクトによる音響工作、グルーヴ、空間性、どれをとってもパーフェクト!これを聞かずにダブテクノは語れない、そんな一枚です。

2

PSYCHEMAGIK

PSYCHEMAGIK Dance Hall Days (Psychemagik / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEYプレイでお馴染みのWANG CHUNG「Dance Hall Days」をPSYCHEMAGIKがリミックス! UKの人気バレアリック・デュオ PSYCHEMAGIK新作は、"DJ HARVEY's Play Classic" として、あまりにも有名な、84年リリースのエレクトロ・ポップ/ロック古典、WANG CHUNG「Dance Hall Days」のリミックス。 同バンドのメンバーJUCK HUSSも参加し、オリジナルのポップな雰囲気はそのままに、PSYCHEMAGIKらしい、バレアリックな要素を注ぎ込んだ渾身のリミックスを披露。楽曲が楽曲なだけに、コレは間違いなく大きな話題を集める事でしょう~!さらにカップリングには、アシッディーなダブ・ディスコ・トラックに、変態的なヴォイス・サンプルを交えた「Beauty & The Bass」を収録。

3

V.A

V.A Vanguard Sound Volume 3 (Vanguard Sound / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
昨年は大きな飛躍の年となったN.Yブルックリンの地下ハウス・レーベル[Plan B]周辺の注目アーティスト達が参加したコンピレーション12インチ! このコンピレーション・シリーズ、第一弾はHAKIM MURPHY主宰[Machine Dreams]から、そして前作の第二弾はDJ SPIDER主宰[Plan B]からと、毎回レーベルを変えながらリリースしていくようで、今回の第三弾は[Vanguard Sound]なる、このコンピレーションの為に設立されたと思われる新レーベルからの登場。アブストラクトにうねるアシッディーなベース・グルーヴでグイグイ引っ張るAMIR ALEXANDER、サイバーに発振するアシッドSEがヤバイCHRIS MITCHELL、ノイズ塗れの超キラーのパーカッシブ・ダブ・テックを披露したDJ SPIDERなど、全曲、お世辞抜きにオススメ!

4

LINDSTROM

LINDSTROM Quiet Place To Live (Smalltown Supersound / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
LINDSTROMの新作を、大御所ロック・アーティスト TODD RUNGRENがリミックス! 良作品が続く [Smalltown Superworld]新作は、同レーベルの看板アーティストとして活躍する、ノルウェーの天才 LINDSTROM。 約4年ぶりとなる最新アルバム「Six Cups of Rebel」からの先行12インチ・カットとなる今作。もちろんオリジナルは当然の如く◎ではあるのですが、それよりも注目すべきなのがB面に収録されたリミックス!!何と手掛けているのは、70年代から活躍を続ける大御所ロック・アーティスト TODD RUNDGRENなんです!自身の長いキャリアにおいても初めて他人の作品をリミックスしているという事なのですが、共に美しいメロディーワークを信条とするこの2人、相性が悪い訳がありませんよね。

5

DELANO SMITH

DELANO SMITH An Odyssey (Sushitech / 3x12inch) / »COMMENT GET MUSIC
デトロイト伝説のDJ、KEN COLLIER最初の弟子の1人として、古くからデトロイトのハ ウス・シーンを支えてきた大ベテランDELANO SMITH、3枚組フルアルバム。 シカゴで生まれ、デトロイトで育ち、Jeff Mills、Eddie Fowlkes、Mike Grantなど を"生徒"に持つ事でも知られる、KEN COLLIERの最初の弟子の1人として、ディスコや ファンクDJとして、70年代後半から活躍する、デトロイトの歴史をする、大ベテラ ンDELANO SMITHが、活動開始から20数年を経て、待望の1stアルバムをリリース!

6

CAGE & AVIARY

CAGE & AVIARY Migration (Smalltown Supersound / 2LP) / »COMMENT GET MUSIC
カルト・レーベル[Dissident]、[Astro Lab]、さらには人気レーベル[Dfa]からも作品を残すロンドンのデュオ CAGE & AVIARY 1stアルバムがPRINS THOMASの[Internasjonal]から!レイドバック感溢れるダビーなギターリフが心地よい、極上バレアリック・チューン A1「Giorgio Carpenter (Director's Cut)」から幕をあけ、2008年に[Astro Lab]、2010年の自身の[The Walls Have Ears]からリリースされたヒット作「Friday The 14th」の未発表ヴァージョン「Part.4」、今では入手困難な、2007年リリースの 1stシングル「Television Train」(後に[Dfa]からもライセンスリリースされました)、ロッキンなワウギターが◎な「Good Eg,Bad Apple」、初期シカゴ~アーリー・ディスコ・ライクな「Migration」など、圧巻の2枚組 全9トラックを収録! 収録作品、そのいずれもが、12インチでリリースされても、不思議ではない、圧倒的な仕上がりです。間違いなく2012年を代表するアルバムとなることでしょう~。DJ HARVEYやPRINS THOMAS、TIM SWENNY、BRENAN GREENらのプレイも確実!ディスコ方面の方は絶対にチェックしておいて下さい。大・大・大推薦!

7

GENE HUNT

GENE HUNT Then & Now Ep (Hotmix Records / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
80年代から活動するシカゴのベテランGENE HUNTの新作12インチ!808 STATEの「Pacefic」ライクなA2、GINO SOCCIO「Dancer」ネタのB2など。 MARCELLO NAPOLETANOを筆頭に、CARL BIASやJOE DRIVEなど、良作をリリースしてきた、SIMONCINOが主催するイタリアの注目プトロ・ハウス・レーベル[Hotmix]の新作は、言わずと知れたシカゴ・レジェンドGENE HUNTによる新作12インチ。 往年の[Relife]レーベル辺りの作品を思わせるような、叩きつけるようなゲットー・シカゴなリズムに、アトモスフェリックなシンセ・シークエンスを走らせたA1、どことなく808 STATEの「Pacefic」に似た透明感と爽快感のあるパッド・シンセが浮遊するA2、定番ディスコ・クラシックGINO SOCCIO「Dancer」を大胆にサンプリングしたB2など、シカゴ節全開の4トラック!流石ベテラン、いぶし銀な1枚です

8

V.A

V.A Love And Money / On The Run (Moton Records Inc. / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
既に IDJUT BOYS、HORSE MEAT DISCOらがプレイ中。DJ HARVEYもリリースを残す UKの老舗リエディットレーベル[Moton]久々の新作!! DJ HARVEYの[Black Cock]と並ぶ、UKの最重要リエディット専科[Moton]久々の新作。今回はレーベル代表 DIESEI & JARVIS、さらには[G.a.m.m]の THE REFLEXが参加した1枚。 まずA面には、HERB ALPHERTの "Loft"/"Deep Space"クラシック「Rotation」に、妖しげな男女混合のヴォイス・サンプルが絡みつく「Love & Money」、B面には [TK Disco]的なトビ感のある、ダヴィーでトロピカル・ムードなパーカッションを鳴らした、ミッド・テンポな女性ヴォーカル・ディスコ「On The Run」を収録。

9

JAMES MASON

JAMES MASON Nightgruv / I Want Your Love (Rush Hour / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
77年にリリースした 自身唯一の作品にしてレアグルーブ史に残る名作「Rhythm Of Life」でもお馴染み、ROY AYERS UBIQUITYの名盤「Lifeline」にギタリストとして参加していた事で知られる JAMES MASONによる、超レア楽曲でもあり、THEO PARRISHが頻繁にプレイする事でもお馴染みのダンス・クラシックス「I Want Your Love」、「Nightgruv」が、アムスの名門[Rushhour]から12インチ復刻! 11分を超えるスローモー・ソウルな「I Want Your Love」、ミニマルなシンセ・リフと、黒いベース・グルーヴが◎な、ディープ・ハウス風サウンド「Nightgruv」、どちらもTHEO PARRISHのプレイする事でもお馴染みの楽曲です。

10

NICHOLAS

NICHOLAS MORNING FACTORY / Looking (X-Master/ 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
イタリアのNICHOLAS、オランダのMORNING FACTORYという、これからのシーンを担って行くであろう注目の新世代ハウサー2組による キラー・ボム!! [No More Hits]、[Quintessentials]、[Dikso]を筆頭に様々なレーベルから作品をリリースし、日に日に注目度の増す、イタリアの NICHOLAS、[2020 Vision]や[Yore]、[Royal Oak]などからリリースを残す、オランダのデュオ MORNING FACTORYが、新レーベル[X-Masters]より新作をリリース。間違いなくダブルA面と言っても過言ではない今作、まずA面に、淡く幻想的なコードや、艶やかな女性ヴォーカルをフィーチャーした、90年代中頃のN.Yディープ・ハウス作品を彷彿とさせるNICHOLAS、B面には力強くグルーヴィーなディープ・ハウスを披露した、MORNING FACTORYの作品を収録。どちらもホント最高です!

Sharon Van Etten - ele-king

 役立たずの男を捨てて旅に出る......これは女が歌うラヴ・ソングのひとつのパターンである。カーリー・サイモンからジョニ・ミッチェルから、ビョークから......、探したら他にもたくさんあるだろう。僕自身はどう考えても役立たずの男に分類されるので、こういう歌には少なからず胸が痛むが、他方では無理もないなとも思う。実際、僕から見ても女に捨てられたほうがいいと思える男はたくさんいる。そこへいくとシャロン・ヴァン・エットンは面倒見がいい。叱咤しながらも見捨てたりはしない。「男性としての痛みに絶えず埋もれているのね/自分で引き受けてごらんなさいよ/それが私が息をつける唯一のやり方」"ケヴィンズ"

 『トランプ(放浪)』はシャロン・ヴァン・エットンの3枚目のアルバムで、ラヴ・ソング集である。去る日曜日の昼下がり、全品半額セールスをやっている下北沢のワルシャワにおいて繰り返しかかっていた。きわめて形式的なフォーク・ロックだが、彼女の優雅な声と打ちひしがれた楽曲、沈んでいく夕日のような叙情は、あの店のあのときの佇まいにぴったり合っていた。柳沢君はいつでも良い音楽を教えてくれる。「解き放つことのできない思い出たちを翻訳して/私たちは誰も間違いを犯す/過去の溜息/続いて欲しいなんて望まない/自分の理性を解放して消し去るのに愛が必要なの?/出来る限り新しい愛が欲しいのよ」"オール・アイ・キャント"

 シャロン・ヴァン・エットンは、USインディ・シーンにおける最高の隠し球だ。彼女のロマンティックなこの愛の伝記に潜む混乱、動揺、あるいは攻撃性のなかに、リズ・フェアやキャット・パワー、P.J.ハーヴェイ(あるいはボン・イヴェール)のような人たちを見いだせるかもしれない......が、ヴァン・エットンは一線を越えることなく、叙情性と平穏さとのバランスを崩さない。ラナ・デル・レイにまんまと踊らされたリスナーの心もさざ波のような歌声で癒してくれるだろう。
 ゲスト・ミュージシャはマット・バリック(ザ・ウォークメン)、トーマス・バートレット (ダヴマン)、ザック・コンドン(ベイルート)、ジェン・ワスナー(ワイ・オーク)......そしてジュリアナ・バーウィック。プロデューサーはアーロン・デスナー(ザ・ナショナル)。良くも悪くも、彼の手堅さが出ている。つまりその音楽は形式的であることから脱しない。そして、たしかにヴァン・エットンの透明な歌声は、このスタイルにハマっている。とくにスローなバラードにおいてその声とメロディは心の隙間に侵入し、我々のなかの孤独と愛しい気持ちの両方を喚起させる。ホープ・サンドヴァルの領域に近づく瞬間もあるのだが、アーロン・デスナーにそのセンスはない。
 しかし、逆にヴァン・エットンとデスナーらしさもよく出ている。彼女は、ラヴ・ソングを社会との地続きで歌いたいという思いを隠さない。「私の周囲で世界が崩壊しているの/私たちに出来ることをしましょうよ/花とか手紙以上の何かが必要だと思うの/自分じゃ何もしないわけじゃないわ/もうこれ以上悩むのは嫌なだけ/それを笑いものにするなんてあまりに酷過ぎるから」"アスク"

 ちなみに1曲目のタイトルは"ワルシャワ"。そうか......。それは......グッとくるよな。まあ、それはともかく『トランプ』は、役立たずの男も思わず押し黙って一点を見つめてしまうような、惜しみない愛のアルバムである。

(((さらうんど))) - ele-king

 聴いていると耳が忙しくなる音楽、というのがある。いち時期流行った言葉を使えば、要は情報量が多い、ということだが、イルリメの場合、エレクトロからヒップホップ、ハードコアまでをも自由に乗りこなすそのアヴァンな音楽性はもとより、躁的ともいえるラップがそのせわしなさを加速させていた。筆者が初めてイルリメの音楽に出会ったころ、ECDとの共作『2PAC』(2005)、あるいは『www.illreme.com』(2004)のせわしなさを前に、思わずたじろいでしまったことを覚えている。それは、ラップ・ミュージックの人力性におけるひとつの達成だったといまでは思う。
 しかし、同作収録の"トリミング"が放った異彩を、私は忘れることはなかった。写真の切出し加工をモチーフに、胸いっぱいの愛を、言葉にも音にも落とし込めないもどかしさを、だからこそ肯定するような、メランコリックなエレクトロ・ポップ。それは紛れもなく、先のディケイドに産み落とされたJ・ポップのひとつのクラシックだった(同曲を『360°SOUNDS』(2010)に再録したイルリメ自身も、相当の感触を得ていたのだろう)。

 そして、おそらくは多くの人と同様に、私が彼に対する認識をほぼ完全にあらためるのは、『二階堂和美のアルバム』(2006)での全面的な楽曲提供、プロデュースであった。そこで、私はイルリメを鴨田潤として、覚え直すことになる。
 とはいえ、表面的なイメージでしか彼のことを知らない私のような人間からすれば、それは、結ばれるはずのない二点が、隠されたたくさんの補助線で知らぬ間に繋がれてしまったような気がして、いまひとつ納得できないのもまた事実であった。が、それが決して大掛かりなトリックではなかったことが、その後、"トリミング"の変奏ともいえる"さよならに飛び乗れ"(2009)、イルリメが変装を忘れて鴨田潤の楽曲を歌ってしまったような"たれそかれ"(2009)、そして、鴨田潤名義での小細工なしの弾き語りアルバム、『』(2011)で少しずつ明かされていくことになる。鴨田は、そこで歌っていた。「思い出のあの場所は今も残っているだろうか/明日、春の風が吹いたら/久しぶりに帰ってみようか」"はるいちばん"

 そんな風にして、やや無軌道に蛇行しながらも、アッパーなヒップホップから、人懐こいポップスの保守本流へとじょじょに旋回していったイルリメは、本作『(((さらうんど)))』において、新たなキャラクターの獲得を果たしている。彼はイルリメとしても、鴨田潤としても振る舞い、過剰なアッパーさも、対極にある無装飾も、結局は1枚のコインなのだと受け入れ、そのギャップを最高のかたちで埋め合わせているのだ。両者のあいだを取り持つのは、端的には80年代のシティ・ポップであり、シンセサイザーであり、山下達郎のロマンティシズムである。K404とCrystalによるエイティーズ・マナーのプロダクションは、決して作りこまれ過ぎることなく、音のニュアンスが読み取れる程度の干渉にとどまり、クリーントーンで鳴るキーボードやシンセサイザーは、透明度の高いアンビエンスを提供している。
 資料なし・目隠しの状態で聴いたとしたら、どの曲も古いアニメ・ソングに思えるほど、言い様によっては馴れ馴れしいまでの親しみを携えている。アルバムのハイライトである高城晶平(cero)との共作"タイムリープでつかまえて"は、時を遡る能力を手に入れ、人生を自由に微調整しながら、だからこそたくさんの人と、そしてかけがえのない"あなた"ともすれ違っていく少女の、二度と訪れることのない夏を描いた『時をかける少女』(細田守監督、2006)に捧げられたかのよう。

 ほかにも、すでに配信・公開済みである、本作の名刺代わり"サマータイマー"、もっとも歌謡テイストの強い"冬の刹那"、暖かいアルバムのムードを引き締めるアンビエント・バラード"Gauge Song"、そして、佐野元春の打ち込みカバー、"ジュジュ"(1989)も最高の仕上がりだ。さらには、いまどき珍しいほどに吟味された(であろう)完璧な曲順からは、3人がこのアルバムにかける思いを想像することができる。
 また、プロモーション用のCDをこの1ヶ月アイフォーンに忍ばせ、日々の生活のなかで繰り返し聴いていたのだが、ふと、すべての曲のすべての歌詞が無理なく聞き取れることに、驚いた。もちろん、イルリメ時の高速ラップでもその滑舌の良さは際立っていたが、とにかくいち音にいち字、メロディに丁寧に言葉を乗せ、ときに軽いビブラートを利かせながら、きわめて中立的な発声で淡々と歌うこの男を、きっとあなたは知らないと思う。その分、リリックの内容は、リスナーが言葉を無意識に追いかけても決してプロダクションの景観が損なわれない、人工的な、一人称の主語に負荷をかけないフィクショナリー・ポップとなった。

 そう、彼ら(((さらうんど)))は、ポップのクラシックスが保証する伝統の半径を一歩も侵していない。全10曲、ランニングタイム40分で駆け抜ける『(((さらうんど)))』は、批判を恐れずいえば、新たなディケイドにおけるポップ・ミュージックとして、なんらスリリングではない。ラディカルさをあらかじめ放棄した、とも言える。それを、居直りや開き直りと切り捨てるのは簡単だ。が、おそらくは彼らが思春期の原体験として持つポップ・ミュージックの残像を、なんとなくいちど、真心でもって直視してみたかった、という気持ちが、私はわからないでもない。
 本作は3月7日にリリースされるが、初めて聴く際、隅々にまで調整が行き届いたある種の潔癖さを前に、なにか警戒してしまう人もいるだろう。が、ポップ・メロディに対するこの実直さは、並大抵ではない。言うなればこれは、ポップスの馴れ合いに対する愛ある警告だ。それは、単なるノスタルジー以上の価値を持つ。気付けば繰り返し聴いてしまうよ。なんの皮肉でもなく、『ミュージック・マガジン』では10点でないとおかしいと思うが、内容的にも、過干渉なメッセージがますます氾濫するいま、こうしたポップスの人工性、虚構性は貴重だ。ますますイルリメのことがわからくなったよ。

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