ドロップアウトの夢......水越真紀氏が書いているように、この国からもうそんなものは死滅しようとしているだろう。ドロップアウトは何かしらの美学やポリシーを伴った選択肢としてではなく、単に目の前にある危機としてそこにある問題になってしまったからだ。もしくはクラブが街から消されている事実からも、多様な生き方をしている人間たちが集まる場所が(とりわけ若い世代から)なるべく隠されようとしている力が働いていることが窺える......「生産的でない」生き方を。
そこで自分がふと思い出しのは、アン・リーがエリオット・ダイバーの回顧録を映画化した『ウッドストックがやってくる!』のことだ。映画があっけらかんとした好作になっていたのは、あの時代の特別さを殊更強調することなく、ひとりのゲイ青年が多様な人びとに触れて自分を少し開放するという(だけの)個人的な成長譚として描いた監督の判断によるものだろうと思う。主人公のエリオット青年は取り立ててイデオロギーに入れ込んでいるようにも見えず、ドラッグ体験やセックスやヒッピーたちとのだらだらしたやり取りを経て素直に自分自身に好きに生きることを許している。
映画のなかで前衛を気取る演劇集団が出てきて、その役者たちが突然全裸になって観客をぎょっとさせるという、まあちょっとした場面があるのだが、いまのザ・フレーミング・リップスがやろうとしているのはこのもっともフレンドリーなヴァージョンだろうと思われる。前作『エンブリオニック』の収録曲の公式ヴィデオで、ファンを募って森のなかで集団で全裸で騒いでいたのはまさにそれ。6時間で1曲の曲を出したのも、自分の血を使ってライヴのポスターを作ったのも、ハロウィンに集団で骸骨に扮して町を練り歩いたのも、ギネスに挑戦するため24時間で8本のライヴを行ったのも、それを言うなら毎回過剰にデコレートされるライヴも......ゼロ年代後半頃からの彼らは、かなり意識的にあらゆる活動を通して「クレイジーなこと」を思いつきで実行しているように見える。ポップの史学で言えばリップスの最重要作はいまも99年の『ザ・ソフト・ブレティン』だが、役割意識からかやや停滞していたゼロ年代前半を経て、現在の彼らの奔放な価値観はアメリカのインディ全土をアメーバ状にだらりと広がり、支持されているようだ。それを証明するのがこのコラボレーション・アルバムだ。
今年のレコード・ストア・デイの目玉企画のひとつでもあったアルバムだが、コラボレイターたちの音楽の最良の部分が生かされているわけでない、ということこそが本作『ザ・フレーミング・リップスと愉快な仲間たち』の価値である。ここで重要であるのは、共演者の音楽ジャンルの幅が広いこと(インディ・フォークからチルウェイヴ、エレクトロニカからノイズ、ヒップホップまで)、そして参加した彼らが音楽的には雑多でも一様にサイケデリアにまどろんでいる、ということだ。
ボン・イヴェールの切ないメロディと声がノイジーなシンセと例によってウェイン・コインのヘロヘロの声でわざわざ台無しにされる"浮遊する灰"はクセになる味わいで、マイ・モーニング・ジャケットのジム・ジェームスが参加した"僕のトリップじゃないよ"ではあまり頭の良くなさそうなハード・ロックが前に出る。酔っ払ったままクラウトロックをやっているような演奏の上でオノ・ヨーコが「やれ! やれ!」とひたすら扇情したかと思えば、"お前、人間か?"と題された曲でニック・ケイヴがバンドのドリーミーにイカれたディストーションとセクシーに絡まってみせる。プレフューズ73の"スーパームーンと尿意"は支離滅裂なボアダムスのようで、ライトニング・ボルトの"アシッドを食らったNASA局員"――これらのタイトルをもちろん僕はわざと邦題で引用している――はアシッド・フォークとハードコアのまとまらない衝突だ。
敢えてベストを挙げるとするならば、リップスならではの甘いメロディがマッチしたネオン・インディアンとの"さらばデヴィッド・ボウイ"だろうか。だがそれも、このファンシーなトリップのコレクションのひとつにすぎず、ここではケシャもエリカ・バドゥもテイム・インパラも、フレーミング・リップスを軸足としながらフラフラと気持ち良さそうにしている。これは音楽作品でありながらも、バンドが言うところの「フリーク・アウト」を丸ごと一枚通して、多様なミュージシャンを巻き込んで実行したパフォーマンスのようなものだ。
ザ・フレーミング・リップスは支持され人気を集めていく過程と矛盾させることなく、進んで逸脱者であることを選んできた。彼らが好んでサイケデリック・カルチャーを参照するとき、そこではもちろん奇を衒っているのだが、このバンドの場合そのことに対する戦略が前に出てくることはない。彼らはウィアードであることをきっと心から謳歌している。「わかるかい? きみの知っている人間はみんな死ぬんだ」と実存についての問いをしていたウェイン・コインはいまや、好きなように生きることを誰よりも体現しようとする。その姿は窮屈な島国に住む若者たちにも、勇気を与えることだろうと僕は思う。
ちなみに、本作は超限定で「共演者の血液サンプルつき」のヴァイナルでも発売された。案の定僕は手に入れることはできなかったが......ジャスティン・ヴァーノンの血が欲しかったのだが......よくそんなこと思いつくな、と。アメリカン・モダン・サイケの人気者はCDが売れない時代も楽しんでいるようだ。
「Fã€ã¨ä¸€è‡´ã™ã‚‹ã‚‚ã®
「セレブ」という言い回しは英語圏だと少しバカにしたニュアンスを含んでいるので、社会に影響力があると認められつつも、そこには様々な留保もつけられている。米フォーブス誌が今年のベスト・セレブに選んだのもジェニファー・ロペスだったし、アンジェリーナ・ジョリーやジョージ・クルーニーがそれほど高すぎない位置にいたのも、彼らの政治活動に対する評価があってのことだろう(3位にジャスティン・ビーバー、8位にケイティ・ペリーw)。そして、100位以内にけっこうな数を占めていたのが右派のディスク・ジョッキーで、なるほど、アメリカにはみのもんたがわんさかいるんだなーと(ボブキャット・ゴールドスウェイト監督『ゴッド・ブレス・アメリカ』に現代のボニー&クライドを気取るふたりがついでのように右派のTV司会者を撃ち殺すシーンがあった)。とはいえ、ラジオの強さは、欧米社会でははよく言われることで、クリア・チャンネル以後の音楽プログラムはともかく、ディスク・ジョッキーの地位が低下したという事実はないらしい。つまり、バグルスは間違っていた! 『ラジオ・スターの悲劇』でもなんでもなかった!(MTVが開局して最初に流した曲もこれでしたが)
バグルスとしてのリリースが絶えてからも(解散はしていない)、アート・オブ・ノイズやイエスのメンバーになるなど、ミュージシャンとしての活動も諦めたわけではなかったトレヴァー・ホーンが31年ぶりに新たなポップ・グループを結成した。元デル・エイミトリのアシュリー・ソーンやロル・クリーム(元10cc)らと組んだプロデューサーズがそれで、それこそ非の打ち所のないポップスのオン・パレードである。どこかにまだ未来が残っているかのような屈託のなさと、それだけで前に進んでいたともいえる80年代を正確に再現した職人仕事。ポーズだけの苦悩や「感性」という言葉で人を差別できた過去があまりにも懐かしく蘇ってくる。50年代のアメリカ映画が極端に明暗を分けていたように、80年代のアンダーグラウンドにはそのすべてを疑う視点が広く偏在していた。しかし、メジャーはどこ吹く風で、ひたすら耳に優しいメロディを量産し、消費することが善だった。それに反発するのではなく、むしろ、アンダーグラウンドに引き入れたとき、レイヴ・カルチャーが急浮上したとも考えられる。だって、ここに再現されているような「屈託のなさ」を拒む理由はなかったから。1986年のクラブ・カルチャーを評して「それはマインドレスだった」という告発が僕の頭から離れたことがない。アンダーグラウンドがいつも正しいとは限らない。いまは......どうなんだろうか。
現在進行形で同じように屈託のないポップ・アルバムをつくれるのは、おそらくエアリアル・ピンクしかいない。彼にはシッツ・アンド・ギグルズのような裏の顔があることも知っているだけに、なおさらその韜晦性と職人ぶりには驚かされる。『フェアウェル・アメリカン・プリミティヴ』改め『メイチュア・テーマ』(邦題表記は『マチュア・シームス』。エアリアルをアリエルと記すなら「メイチュア」を「マチュア」はわかるけど、「テーマ」だけはなぜ「シームス」と原音に忠実になるのか。教えてアエロスミス!)では「ピンク・スライム」のような社会問題も、それこそトレヴァー・ホーンを思わせる甘いメロディにのせて歌われていく(どんな神経なんだ......)。そして、エアリアル・ピンクのバックから独立したゲイリー・ウォーことグレッグ・ダルトンが(サンバーンド・ハンド・オブ・ザ・マンのテイラー・リチャードスンと結成したヒューマン・ティーネイジャーとしてのデビュー作に続いて)リリースしたソロ3作目もポップ・アルバムの歴史に名を連ねようとするスノッブなヴァリエイションである。
前作『ホリブルズ・パレード』がエアリアル・ピンクをそのまま宇宙に連れ出したようなヴァージョンであったことを踏襲しつつ、かなり一本調子だったそれに強弱や変化をつけ、遊園地を駆け回っていくような音世界を構築していく。スピード感あふれるアレンジの連打はエアリアル・ピンクの磁場から飛び出そうともがいているかのようであり、エレクトロのリズムに新境地を見出している部分は〈ノット・ノット・ファン〉との共振も予感させる。ここでもいい意味で屈託のなさが功を奏している。リバーブではなく、単純なエコーが冴えているというか(底辺にはいささかクラウトロックが透けて見える)。ダルトンの屈託のなさは、アメリカにモーグ・シンセサイザーのブームが吹き荒れた60年代にも通じ、トム・ディッセルヴェルトやブルース・ハークがこのところ活発に再発されていることとも符号は合っている。現実逃避するなら、これぐらい遠くまで行ってしまえよということなのだろうか。ズンズンタッタ、ズンズンタッタと機械的に刻まれるベースはとにかく先へ進むことしか考えていない。そう、アメリカのあさってに向かって......(いままでデタラメだったアートワークもようやく内容と一致してきた。クレジットを見てびっくりだったけど!)。
楽しみにはしていたけれど、そのわりに期待はしていなかったフィオナ・アップルの新作『アイドラー・ホイール』がすばらしくてびっくりしている。いまになってフィオナからこれだけの傑作が出てくるなんて、意外。
フィオナがアメリカの新人シンガー・ソングライターとして18歳でデビューしたのが96年。その『タイダル』は、ファーストにして彼女のピークをとらえた傑作だった。当時は、まだ18歳の女の子なのに、こんなに老成したアルバムが作れるなんて! と騒がれていたようで、確かに、苦味走ったハスキー・ヴォイスと、キリキリした痛みに満ちた楽曲というフィオナの個性は、デビュー盤にしてすでに完成していた。ライナーでは「デビュー盤で輪廻の世界を歌ったローラ・ニーロ」に例えられていたのを覚えている。それも含めて、とにかく小娘の音楽とは思えない! というのがフィオナへのおもな賛辞だったはず。
ただ、フィオナはローラのようにはなれなかった。セカンド『ホエン・ザ・ポーン...』での彼女は、歌もソングライティングも腕を上げているのにもかかわらず、アルバム自体はなぜか良質な女性シンガーの佳作といった印象で、『タイダル』の衝撃を超えられなかったし、それから7年後(!)に出た『エクストラオーディナリー・マシーン』にはもはやなんの輝きもなく、そこにあるのは出がらしの味わいだった。アルバムを出すごとにテンションが下がっていくフィオナに一発屋の評価を下すのは、結構的確なのかもしれない。
たぶん、『タイダル』は、18歳という若いフィオナ「だから」作れたアルバムであって、18歳「なのに」作れたアルバムではなかったのではないかと思う。実際、あのアルバムを支配しているのは、いかにも内向的な若者だなあというナイーブな感受性であって、それはいま聴きかえすとヒステリックでさえある。若さゆえの過剰な自意識を歌に昇華するのがフィオナの魅力だったわけだから、その後、坂を転がるようにアルバムがつまらなくなっていったのは、当然と言えば当然だった。大抵の人は、大人になった後も子供の感性を持ち続けられないからだ。肉体や精神の成長が音楽的な面白さに直結しない例は珍しくないが、フィオナを見ているとその典型だと思えてしまって仕方がなかった。
そんなわけで、ファーストに思い入れがあるので楽しみはしていたけれど、いまさらびっくりするような傑作をフィオナが出してくるはずがないという理由で、新作にも大した期待はしていなかった、という冒頭に戻る。しかし、この『アイドラー・ホイール』、なんと彼女の最高傑作に仕上がっていたからびっくり。これはもう、今年いちばんの衝撃的事件(いまのところ)。
ピアノを軸にしたサウンドは従来の路線をひとまず踏襲しているが、とにかく、彼女の声の表現力がものすごいことになっている。ぶっきらぼうに吐き捨てたかと思えば、ひそやかに囁き、ときには切々と搾り出し、感情が高まれば絶叫をかます。その語り口は変幻自在と言ってもいい。それはもちろん彼女の激しいエモーションの表現に他ならないが、いままでのフィオナや他の女性シンガーと明らかに異なる点は、このアルバムでのフィオナは、楽曲やフレーズが求める声の表情を熟知しているところだろう。一部の白人女性シンガー・ソングライターたち、たとえばフィオナがデビューする土壌を作ったアラニス・モリセットなんかが、演奏上の効果など考えずに叫び散らしがちなのに対し、フィオナの感情表現には必然性がある。
例えば、"リグレット"では壮絶なシャウトが響いているが、深々としたピアノ、もたったようなリズムのパーカッションをバックに、囁き、唸り、フレージングを操り、テンションを徐々にクレッシェンドさせながら、クライマックスの絶叫へと楽曲を持っていっている。そこにはクライマックスの絶叫に至るまでの必然性があって、やみくもに咆哮しているわけでは決してない。声にシンクロするかのように、和音を打ち鳴らすごとにニュアンスを変えるピアノもまた、ヴォーカルと一体になっている。"レフト・アローン"ではジャズっぽい演奏に乗って、フィオナはとびきりスウィンギーなパフォーマンスを繰り広げている。ドラムが激しく叩かれるにつれ、フィオナの声にもどんどん高揚感が増し、高音まで昇り詰めると、ほとんど歓喜の叫びのようになる。必死で声を搾り出す"エヴリィ・シングル・ナイト"など、3分33秒がひと筆書きのようで、フレーズに切れ目を感じさせない。その声が伝える感情の豊かさと伸縮自在のフレージングには、ただただ魅了されることしかできない。
フィオナの歌とピアノを中心にして、パーカッションがグルーヴを産んでいるような演奏は、過去のアルバムとそんなに大きな変化はないものの、いままで以上にグッとシンプルにはなっている。そのたっぷりととられたスペースは、フィオナの声が大きく呼吸するために存在している。変幻自在なパーカッションのリズムやビートはめまいがするように多彩だが、それはフィオナの歌を刺激はしても、圧倒してしまうようなことはない。このアルバムは、あくまでフィオナの感情とそれを伝える声のために全てがある。
喉のかすかな震えが彼女の内面を深く映し出し、ビートが躍動したかと思えばフィオナも敏感に反応する。彼女はすべての要素に意味を持たせながら歌う。そして、ひとつひとつのフレーズの動きを自らの心象と直結させることにより、フィオナ特有の心の痛みはますますくっきりと浮き上がるようになった。歌わなければ死んでしまうといわんばかりの切実さは、過去の3枚と比べても明らかに強くなっている。激しい感情表現とはすべての要素が有機的に結びつけられてはじめて可能になるのだということを、いまのフィオナは証明している。だから、このアルバムは、「魂の叫び」と称してのべつ幕なしに絶叫したり、あるいは気取った発声で音楽の輪郭をぼやかしてきた、いままでの多くの歌手へのアンチテーゼとしてさえ機能する。
そしてそれは偉大なソウル・シンガーの数人に通じるところがあって、細かく震える喉は全盛期のニーナ・シモンのようだし、ブルー・アイドということでなら、ダスティ・スプリングフィールドの繊細な語り口を少し思わせるところがある。いまだったらアデルと比較できそうなフィオナではあるけれど、フィオナにはアデルにはなかった深いブルースの感情が滲んでいて、より味わいが濃密だ。この熟れた感覚をフィオナからもらえるとは思っていなかった。7年の間に何があったのかはちょっとわからないが、このアルバムで、彼女は大人のアーティストになったんじゃないか(本人は前作の時点でそう宣言していたが)。大人になるために、たとえ彼女が再び心の傷をグリグリと広げているとしても。
この『アイドラー・ホイール』、いままでとはちがい、歌い手、作曲家としての成熟と、音楽の仕上がりが結びついた最初のアルバムだという意味で、新生フィオナのデビュー盤とも言える。昔のように自意識に埋没するわけではなく、大人の女性として自身の痛みや歓喜を思いきり歌いきったこの新作、個人的にはフィオナのベスト。すばらしい。
Shop Chart
![]() 1 |
Lindstrom - De Javu / No Release
(Smalltown Supersound) /
Lindstromが今年の頭にリリースしたフルアルバム『Six Cups Of Rebel』からのリミックス・カット第2弾作品!アルバム中で最も強烈な存在感を放っていた"Deja Vu"をRub-N-Tugが更なる高みを望むアシッド・ディスコ・ダンサーへと昇華させた卒倒覚悟の衝撃作品!
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|---|---|
![]() 2 |
J Rocc - Minimal Wave Edits Vol.2
(Stones Throw) /
Nyブルックリンのカルト・エレクトロ発掘レーベルMinimal Waveの音源をP.B.W.が監修した、例のコンピ・シリーズから派生したリミックス・シングル第2弾。
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![]() 3 |
Onra - Deep In The Night
(Fool's Gold) /
デジタルでの先行配信で既に盛り上がりを見せていたブツが、UsのFool's Goldより待望の12"リリース! 誰もが待ち望んでいた路線だけにファンならずとも要チェック!
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![]() 4 |
Trinity (Sadat X, Ag & Dj Jab) - Sunshine
(Fat Beats) /
これまに数々のクラシックを残してきたレジェンド=SadatxとA.G.、プロデューサー/DjのDj Jabの三つ巴ユニットがこのTrinity Project! とりあえずタイトル曲がヤバすぎます!
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![]() 5 |
Teengirl Fantasy - Tracer
(R&S) /
脱臼ベース鬼才Actressリミックスを搭載した前12"『Motif』で好調のベルジャン老舗R&Sへと電撃を果たしたレフトフィールド・ポップ・デュオがヘッズも驚愕の強力アルバムを完成です!!
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![]() 6 |
Funkineven & Fatima - Phoneline
(Eglo) /
『Follow You』も当店メガヒットしたスウェーデン出身のソウルSsw、Fatimaと、漆黒のドファンキー鬼才Funkinevenがガッツリ手を組みました! 極上のエレクトロ・フューチャー・ソウル!
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![]() 7 |
Chris Coco - Freedom Street
(Melodica) /
ロンドンのチルアウト職人Chris Cocoによる超絶品アルバム!!ゆったり柔らかいオーガニック・ダブ・サウンドに多彩なヴォーカルをフィーチャー。何もかもトロける特大傑作です!!
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![]() 8 |
Adrian Sherwood - Survival & Resistance
(On-U Sound) /
ソロとしては6年ぶりとなる3作目。ダブ~レゲエを下敷きに、ジャズやブラジル音楽、エレクトロニカの要素も取り込んだ極上のチルアウト・ベース・ミュージックが完成です!
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![]() 9 |
Mala - Cuba Electronic
(Brownswood) /
ダブステップのパイオニアDigital MystikzのMalaが、Gilles Petersonと共にキューバで制作した話題の新作『Mala In Cuba』からの先行12インチ・カット!!
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![]() 10 |
Roland Tings - Milky Way
(100% Silk) /
既に大変な反響を呼んでいる新鋭Roland TingsのデビューEp。100% Silkど真ん中のアーリー~アシッド・ハウス通過ベッドルーム・フロア・サウンド!!
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1983年福島県浪江町生まれ。
2011年から拠点を仙台に移し、DJ YA△MA DJ MONGOOSE DJ CMTなど第一線で活躍するアーティストを招集し仙台CLUBシーンに一石を投じる。2012.8月に祈りを込めたMIX CD [living stone MIX]をTHE BRAVE NEW RECORDS.よりRelease!
DJ KAZUSHI Blog : https://djkazushi.blogspot.jp/
まだまだ現状は何も変わっていない。復興への祈りを込めた10選
![]() 1 |
Miles Davis - In A Silent Way - COLUMBIA |
|---|---|
![]() 2 |
The orb - star 6 & 7 8 9 - BIG LIFE |
![]() 3 |
kinetic - golden girls - R&S RECORDS |
![]() 4 |
The irresistible Force - nepalese bliss(DJ Food remix) - Ninja tune |
![]() 5 |
Global Communication - 9:25 - Dedicated records |
![]() 6 |
Coco / Joe Thomas |
![]() 7 |
From Silence fall into the silent mix / TYCOON TOSH |
![]() 8 |
Orbital - BELFAST - FFRR Records |
![]() 9 |
DR.BUZZARD'S ORIGINAL SAVANNAH BAND - Sunshower - RCA Records |
![]() 10 |
KLF - DOWN TOWN - The Jams the sound of mu(sic) |
8月2日(木曜日)、〈ハウス・オブ・ヴァンズ〉にて、ワッシュド・アウト、チェアリフト、レモネード......というツボをついたラインアップがあった(https://www.brooklynvegan.com/archives/2012/08/washed_out_play_2.html)。
これに行こうかなと思っていた矢先に、〈カメオ・ギャラリー〉で、ジーノ・アンド・オークランダーがプレイすると聞いた。『エレキング』に載ってるローレル・ヘイローも出演するという。これは興味深いと「女性と電子音楽」がテーマのエレキング・ブック『vol.6』を持参した。その『vol.6』をジーノ・アンド・オークランダーのリズに渡すと、興味深そうに自分たちのインタヴューを読み(見て)、共演の日本人アーティストのナオ・キタフチに「なんて書いてあるの?」と質問攻めにする。
会場の〈カメオ・ギャラリー〉は、ラヴィンカップ・カフェの奥にあり、カフェと 会場を行ったり来たりできる。近くに、ラ・サラ(音楽会場)/カンティナ・ロイヤル(レストラン)もあるが、ショーを見にきた人も、食事しに来たお客さんもミックスで出演バンドたちがブースでハング・アウトしているのが見れる。
ローレル・ヘイローは、ショーを通して「男前」な印象だった。長い髪を振り乱し、スニーカーに半パン 、Tシャツというラフな格好で、目の前にある機材をすらすら操る。ネオン色のライトが照らされ、ところどころでスニーカーのラインが蛍光ピンクに光り、妖艶な雰囲気をも醸し出していた。観客がステージ上の彼女ひとりをじーっと凝視している図は少しおかしな感じがしたが、みんな真剣に見入っていた。
それに比べてジーノ・アンド・オークランダーは、見せるライヴだった。インタヴューで「毎回ライヴは違う」とリズが言っていた通り、前回見たときと印象は違った。前回は、初めて見たので、すべてにおいて新しい感じだった。今回は基本の流れと、次に来る物が何となく想像できた。目新しさより、瞬間瞬間に音を作り上げていく、ふたりのやり取りが興味深かった。明確な合図はないのだが、ピンポイントで互いの音を受け止め、横に上に広げていくのは、長年築き上げたチームワークなのだろう。突然登場するリズのフランス語のヴォーカルも音に沿っていて、音楽というより見るアートピースであった。
| Laurel Halo/Xeno & Oaklander@ Cameo 8/2/2012 photos by Daniel Catucci |
次の日金曜日は、「セレブレート・ブルックリン」という毎年夏にプロスペクト・パークで開かれるイヴェントにワイルド・フラッグ、ミッション・オブ・バーマ、テッド・レオを見に行った。会場には簡易シートがあり、その後ろや横の芝生にもシートを引いて、のびのびしている人たちがいる。
今回のショーはフリー(任意で$3の寄付)で、野外だというのに、サウンドも悪くなく、電飾も凝り、プロフェッショナルなカメラが数箇所で動き、後ろからでも、スクリーンで見ることができた。オーディエンスの層がウィリアムスバーグと違って、マナーのある大人で、オールエイジだからか、子供も多かったし、隣に座ったお姉さんもとても爽やかに席を譲ってくれた。
ミッション・オブ・バーマは、経歴が長いだけあり(80年代から活動している)、演奏がタイトで安心して見れた。オーディエンスも年配なのだろう、みんな椅子に大人しく座って見ていた。ワイルド・フラッグがはじまると、どこからともなく人が現れ、椅子のあいだを立っている人が占領した。係員が「スペースを開けて!」と注意していたが、すでにロックしはじめたオーディエンスは言うことを聞くはずがない。私の隣では、子供も踊っていた。

Wild Flag at Prospect Park - photos by Amanda Hatfield@BrooklynVegan
ワイルド・フラッグを見るのは3回目。出てきた瞬間から大きな声援で、彼女たちの人気が伺える。キャリーは黒のトップにタイト・パンツ。メアリーは赤のボーダートップに黒のタイトスカート、レベッカは白黒ボーダーシャツに黒スカート、ジャネットはフロントに光ものがついた黒のドレスと、すでにキャラ分けもできている。
全員女の子で、ステージに華があるし、みんな歌える。コーラスにも熟練を感じる。日本でまだ人気が出ないのは、このど迫力のライヴを見ていないからだと思う。演奏している彼女たちからは目が離せないし、スーパー・バンドと呼ぶに相応しいオーラを放っていた。
| Wild Flag @ Propect Park Band Shell 8/3/2012 photos by Amanda Hatfield@BrooklynVegan |
こういった野外ライヴは、プロスペクトパーク以外にも、ウィリアムスバーグパーク、マカレンパーク、サウスシーポート、ピア84などで毎日のようにやっている(今週のセレブレート・ブルックリンは、元ダムダム・ガールズ、ヴィヴィアン・ガールズなどのフランキー・ローズとリトル・ドラゴン)。ニューヨークでライヴを見たいなら夏はオススメの季節だ。フラッと遊びに行くといろんなミュージシャンにも出会えるし、現実逃避もできる。
行け行け行け行け! の続報である。
先日のニュース欄でとりあげたアニマル・コレクティヴの新曲"トゥデイズ・スーパーナチュラル"にダニー・ペレズの映像がついた模様。行け行け......にあおられて画面を疾走するのはインドネシアのバロンや日本の獅子舞などを思わせる獅子型スーパーナチュラルだ。小型のカートにあしらわれた獅子の頭が、長い布をひきずって砂地を爆走していく。色彩もあざやか、豪快なドライヴ感、やはり新作のメッセージは超エネルギッシュなものでありそうだ。
ダニー・ペレズはアニコレの盟友とも呼べるヴィジュアル・アーティスト。ブラック・ダイスのローディーだったこともある彼は、グッゲンハイム美術館でのインスタレーションほか、サンダンス映画祭で上映されたヴィジュアル作品でもアニマル・コレクティヴとコラボレートしており、彼らの視覚的なイメージのいち側面をささえてきた重要人物である。パンダ・ベアとの作品のほか、さまざまなイヴェントでも活躍し、プリンス・ラマなどアニマル・コレクティヴ周辺人脈とはもちろん、最近のスケジュールではナイト・ジュエルやティーンガール・ファンタジーなどのDJセットにも登場しているようだ。
ちなみにアニマル・コレクティヴのインタヴューは来月発売の紙ele-king vol.7に掲載されるぞっ。
商品情報:
アニマル・コレクティヴ / センティピード・ヘルツ
US(ドミノ)盤 2012.9.4
日本(ホステス)盤 2012.8.29
今週末から東京周辺をボブが駆けめぐる(地方の方は8月30日のdommueをチェック)。9月1日から公開されるボブ・マーリーのドキュメンタリー映画、実に2時間を超える大作『ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド』を記念してのボブ月間のはじまりである。ちなみに監督は、パレスチナ武装組織によるミュンヘン・オリンピック時の「黒い九月」事件を扱った映画『ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実』を撮ったグラスゴー出身のケヴィン・マクドナルド。ある意味では打って付けと言えよう。
1981年5月、ガンのためにこの世を去ったボブ・マーリーは、アフリカ大陸をふくめると世界でもっとも聴かれている音楽家だと言われている。彼の反植民地主義を反映した力強いメッセージ・ソングから美しいラヴァーズ・ロックまで、日本全国には数多くのボブからの影響がいまも存在しているので、これを機にみんなで歌いましょう。おのおのの意味を込めて、せーの、「ウィ・ドン・ニィィィィ・ノー・モー・トラボー」
■8/19(日)
『ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド』公開記念PARTY
Bob Marley songs Day @海の家OASIS
"ボブを歌ってジャマイカに行こう!"
応募締切8/9。メールまたはオアシスカウンターで。
ボブ・マーリー・ソングス・デーは1994年、OASISではじまり、5月のONELOVE JAMAICAFESTIVALの主要企画としても親しまれ、引き継がれている人気イベント。予選通過した一般応募者が、オアシスバンドをバックにボブ・マーリーを歌い、優勝者にはジャマイカ行きのチケットが授与されます。
場所:海の家OASIS 神奈川県三浦郡葉山町森戸海岸
TEL :049-876-3812(期間中のみ)
時間:14:00〜18:00
料金:Music Charge ¥1.000
guiest:南條倖司 & CHAN MIKA
OASIS https://www.oasis-jahnodebeach.jp/
■8/30(木)
@「DOMMUNE」
著名人らが語るボブ・マーリーとLIVE
場所:DOMMUNE(渋谷区東4-6-5 サンライズビルB1F)
時間:19:00〜
進行:Ackky、DJ Hakka-K
GUEST:工藤Big"H"晴康、ランキンタクシー、ICHI-LOW(Caribbean Dandy)and more...
DOMMUNE https://www.dommune.com/
■8/31(金)
「BOB MARLEY/ ROOTS OF LEGEND release party」
"レゲエ"という一つの音楽ジャンルを世界に広めた伝説のカリスマ、ボブ・マーリー。彼の波乱に満ちた人生、その"素顔"を描いた映画『ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド』(ジャマイカ独立50周年記念作品 ボブ・マーリー財団初のオフィシャル・ドキュメンタリー)のリリース・パーティ。レゲエに限らず様々なジャンルからボブ・マーリーの生き様、メッセージに感銘を受けたアーティストが集い彼に因んだパフォーマンスを披露する。ONE LOVE !
場所:eleven(港区西麻布1-10-11 セソーラス西麻布B1/B2)
時間:22:00 open
料金:¥3,000
¥2,500 with flyer
¥1,000 early bird(〜23:30)
LIVE:Hiroshi Fujiwara +INO Hidefumi
工藤Big"H"晴康
NESTA BAND
渡辺俊美(TOKYO No.1 SOUL SET/THE ZOOT16/猪苗代湖ズ) and more...
DJ:PART2STYLE SOUND(1TA-RAW/Ja-ge/TAKASHI-MEN)
SLENGTENGS( 後藤トシユキ/長谷川ケンジ ) and more...
eleven https://go-to-eleven.com/
■9/1(土)
角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、吉祥寺バウスシアター他にて3週限定ロードショー開始!!!!
■9/8(土)
「BOB MARLEY SONG NIGHT」ーボブ・マーリーの歌をみんなで歌おう!ー
15周年を迎えた老舗レゲエ・クラブ"OPEN"のDJたちが、心を込めて選曲します。ボブはもちろん、ピーター・トッシュ、バニー・ウェイラー、リタ・マーリー、ジュディ・モワット......。他のアーティストによるカヴァー、すべて、かけます、かかります。リクエストもOKですよ。
場所:OPEN(新宿区新宿2-5-15-B1 TEL:03−3226−8855)
時間:21:00〜5:00
料金:¥1,000/1drink
出演:工藤Big"H"晴康、絵里奈、レゲリーマン、YU-KO and more!
只今、出演者募集中です。カラオケ、ギターでの弾き語り、アカペラ、なんでもOK!
当日の夜11時までに集合してください。
DJ:Mr.NAKAMURA、TAROU、KATSU、Luv Kiyoshi、工藤Big"H"晴康
■9/15(土)
REGGAEでいいじゃないか!〜THANK YOU BOB MARLY〜
場所:warp(武蔵野市吉祥寺本町1-30-10)
bar Cheeky & warp
時間:warp open 24:00
bar Cheeky open 21:00
料金:warp ¥2,000/door
bar Cheeky door free
LIVE:SPECIAL BAND
selector:工藤 Big"H"晴康、山名 昇、AXEMAN、大石 始、RAS KOUSKE、SHlNIS、Massa Tora I &Ras Issy、8×8、Take Hi-Fi and more...
FOOD:world kitchen BAOBAB
warp https://warp.rinky.info/
■9/21(金)
NEW PORT Presents Luv&Dub Paradise at bar bonobo
"DISCO DEVIL & STREET PLAYER"
場所:bar bonobo(渋谷区神宮前2-23-4)
時間:open/start 22:00
料金:door \1,000
Special Guest:工藤Big"H"晴康 and more...
DJ's:DJ AGEISHI(AHB.pro)
DJ NORI(Smoker/Gallary)
DJ SHO(HOUSE NATION since1985)
Lounge:DJ Hakka-K(Luv&Dub Paradise)
JAHTOME(Ambient Dub Set)and more...
GJ:魔人
bar bonobo https://bonobo.jp/
Luv&Dub Paradise https://www.luvdub.jp/
NEW PORT https://newport1999.com/

『ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド』
9/1(土)より、角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、吉祥寺バウスシアター他にて3週限定ロードショー!
監督:ケヴィン・マクドナルド 『ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実』『ラストキング・オブ・スコットランド』
出演:ボブ・マーリー、リタ・マーリー、ジギー・マーリー、セデラ・マーリー
バニー・ウェイラー、ピーター・トッシュ、リー・ペリー、ジミー・クリフ、クリス・ブラックウェル
エグゼクティブ・プロデューサー:ジギー・マーリー、クリス・ブラックウェル
2012年/アメリカ、イギリス/144分/1998×1080 1:1.85(FLAT)/5.1ch
原題:MARLEY/字幕翻訳:石田泰子/字幕監修:藤川毅
後援:ジャマイカ大使館、ジャマイカ政府観光局
公式HP:https://www.bobmarley-movie.jp
公式facebook:https://www.facebook.com/bobmarley.rootsoflegend
公式twitter:https://twitter.com/Bmarleymovie
配給:角川映画
宣伝:ミラクルヴォイス
〒150-0033 渋谷区猿楽町26-13 グレイス代官山A棟301
TEL:03-6416-3681 FAX:03-6416-3699 E-MAIL:info@miraclevoice.co.jp
![]() The Orb Featuring Lee Scrach Perry present The Orbserver In The Star House COOKING VINYL/ビート |
「if you're thirsty, drink some water(喉が乾いたら水を飲みな)」...... 何をそんなに当たり前のことを。いや、しかしこれは金言、75年以上の人生から来るアドヴァイス(人生訓)なのだ。そろそろ酒の量を減らそう。
アンビエント・ハウスの巨匠、ブラック・アーク伝説の偉人との共同作業は、これまでのジ・オーブのカタログのなかでもとりわけ気を引く1枚となる。なにせアレックス・パターソンとトーマス・フェルマン、そしてリー・ペリー、この3人のコラボレーションなのだ。我々はいま、新しい惑星(star house)からの新しい電波をキャッチするところなのである。
おかしくて、神聖で、心地よい電波だ。ジ・オーブ(アレックス・パターソン、トーマス・フェルマン)というレゲエ好きで知られるエレクトロニック・ミュージックのプロデューサーは、ペリーの酔狂なラップを迎え、彼らのダブワイズを展開している。それは瞑想的というよりも、ダンサブルで、ちょっとファンキーだ。"ポリスとコソ泥"というレゲエ・クラシックのカヴァーも披露しているが、これがまた良い。そして、"リトル・フラッフィ・クラウド"のリフを使った"ゴールデン・クラウド"はなお良い。
コンゴスとサン・アロウとのコラボ作は、暑いこの季節、最初に聴いたとき以上に、あのだらしなさが愛おしくなってきている。ジャマイカのウサイン・ボルト選手とは真逆の、速くない音楽である。チルアウト......、そう、いまやこれは音楽のなしうる大きな役割のひとつとなった。ゆえにダブワイズは新たな空想的なタペストリーを広げているのだろう。
『ジ・オブザーヴァー・イン・ザ・スター・ハウス』もそうだ。肩の力が抜けて、世界に必要な笑いを取り戻し、そしてちょっと楽になる。
ずっと逆立ちをしてるんだよ。75歳の老人が、逆立ちだぜ? 若かったり、身体すごく鍛えてたり、健康食品ばかり食べてたりとかだったら普通だけど、75歳のジャマイカンが逆立ちだなんて、本当に感動的だよ! 心から感動したね!
■いままであなたはいろいろなミュージシャンと共同作業をしてきましたが、あなたにとって今回のアルバムはどのような意味があるものなのか話してもらえますか?
アレックス:これまでの作業と今回の違いは、歌詞の内容だね。ある賢い男が、もっと落ち着いて、もっと水を飲んで、酒は飲むなと世界に語ってるんだ。今回はヴォーカルの内容に繋がりがあるから、それをぶつ切りにして繋げるようなエディットができなかった。いままで俺たちは作品全体に同じヴォーカリストを使ったアルバムを作ったことがないんだ。アルバム全体にここまでヴォーカルが入ったことも、ひとりのヴォーカリストとのコラボだけで一枚のアルバムを作ったこともない。それが今回のアルバムだよ。
■あなたはデビュー時からレゲエに関する知識が豊富なことで有名なプロデューサーでしたよね。音楽的にもダブからの影響を取り入れ、〈ワウ! ミスター・モド〉からもビム・シャーマンを出してました。"ブルー・ルーム"ではマッド・プロフェッサーをリミキサーに起用し、「ハイル・セラシエとマーカス・ガーヴェイの会話」を作ったり、レゲエはあなたのずっと身近な音楽でした。そういうあなたが、リー・ペリーの音楽(1)、アート(2)、人間性(3)、メッセージ性(4)についてどう考えているのか教えてください。
アレックス:とにかく、彼はパイオニア。彼がダブ・ミュージックのアイディアのパイオニアだった頃に、俺は彼の音楽にハマったんだ。70年代半ばだな。ある意味、ダブはそれよりもっと前から存在してたわけだけど、彼はダブの世界の中心のひとりだと思う。彼には、独特の効果があるからね。ヴォーカルがより多くて、ディレイやリヴァーブも多い。リー・スクラッチ・ペリーは、そのサウンドの草分け的存在さ。彼の音楽を好きにならないわけがないよな。
■アートは?
アレックス:超エクスペリメンタルだと思う。彼の作品には、たくさんの二重の意味が含まれているんだ。
■人間性はどうでしょう?
アレックス:彼は本当に優しくて、ジェントルマンなんだ。彼の頭のなかにはつねに課題がある。だからこそ、我々が引きつけられるあの魅惑的な作品を作ることができているんだ。彼の頭のなかはいつも純粋。いつも新しいことに心をオープンにしている。それが、彼が常に素晴らしい作品を作ることができる理由なんだ。
■最後にメッセージ性についてお願いします。
アレックス:宗教的だと思う。彼のメッセージは、彼の魂から来てるからね。彼の魂、心、頭から。彼の信じるものが反映されているんだ。
■リー・ペリーの作品でもっとも好きなアルバムを3枚挙げてください。
アレックス:『スーパー・エイプ』と、ザ・コンゴスの『ハート・オブ・ザ・コンゴス』、あとは......『Lee Perry The Upsetter Meets Scientist - At The Blackheart Studio』その3つだよ。
■好きな理由を聞いてもいいですか?
アレックス:まず『スーパー・エイプ』を選んだのは、俺はカヴァーーが好きだから。あのアルバムのおかげで、ダブの魅力を知ったしね。ザ・コンゴスのは、彼の作品のなかでもベスト・チューンのひとつだと思う。リズミカルで楽しくて、クールなんだ。で、最後の『Lee Perry The Upsetter Meets Scientist - At The Blackheart Studio』は、理由を言う必要はないよな? 誰が聴いても絶対に気に入る作品だろ?
[[SplitPage]]"リトル・フラッフィ・クラウズ"と"似ている"雰囲気を持たせたかったからさ。"同じ"じゃなくてね。だから、まったく同じサンプルじゃなくて、同じ音楽の違う部分を使うことにした。
![]() The Orb Featuring Lee Scrach Perry present The Orbserver In The Star House COOKING VINYL/ビート |
■我々がリー・ペリーから学ぶことがあるとしたら何だと思いますか?
アレックス:この質問は、リー・ペリーにするべきだよ。俺じゃなくてね。でも、俺自身が学んだのは、彼を見てると、年の取り方を学ぶんだ。つねに何かを持続して、つねに変化していく。留まってはいけないんだ。
彼が言ってたよ。レコードをリリースするだけじゃダメ。レコード自体は動かない。だから自分でレコードを流していかなければいけない。CDを流さなければならないんだ。人生も同じ。ひとつのことに足を取られてはいけない。音楽への愛も同じさ。もし人がいまでもセックス・ピストルズを聴いてるなら、俺からすれば、もっとしっかり生きろって言いたいね。セックス・ピストルよりも、もっと多くの音楽がこの世には溢れてるんだから。もちろんセックス・ピストルズは好きだし、素晴らしいバンドってこともわかってる。でも、彼らはただ1枚アルバムを出しただけなんだ。
これは例えばの話であって、決して彼らを批判してるわけじゃない。でもとにかく、動けってこと。つねに進まないと。川の流れのようにね。川も流れが止まれば、汚れていくだけだろ? 音楽も同じさ。音楽も流れを意識しないといけなんだ。変化させていかなきゃ、ただ退屈しておわってしまう。彼を見てると、本当にそう思うよ。彼は75や76歳になっても、つねに新しいことを試し続けて、新しいアイディアを求め続けてる。本当に感銘を受けるよ。音楽面に関しては、ちょっと違うかもしれないけど、ヴォーカルと音楽のバランスを学んだね。ここまでヴォーカルを取り入れた作品は初めてだったから。
■2004年のメキシコのフェスティヴァルで出会ったのが今回のコラボレーションのきっかけだったそうですが、具体的にはどのように進んだのですか?
アレックス:これもよく聞かれる質問なんだけど、どこからがストーリーのはじまりかは正確にはわからないんだよな。彼に初めて会ったのは、2001年だったし。フィンランドの音楽フェスティヴァルで会った。そのあと2003年にもロンドンで会ってるし、そのあともどこかで会ったし。その次が2004年のメキシコかな。
それがきっかけになった理由は、クルーの規模も断然大きくて、本当に楽しかったから。1週間くらいそこにいたから、これまで以上のもっとお互いを知ることができた。で、2年半くらい前にマネージャーと話してて、リー・スクラッチ・ペリーみたいな誰かと一緒に何かやるべきだってことになった。だから彼に連絡をとってみて、一緒に音楽を作ってくれるか訊いてみようってことになったんだ。そしたらオーケーが出たってわけさ。1曲くらい一緒に作れればと思ってたのが、結果的にアルバムを作るまでに発展したんだ。最高だよ。
■ということは、先に提案したのはあなたのほうということですよね?
アレックス:ああ。彼からオファーはこなかったね(笑)!
■リー・ペリーと一緒に仕事をしてみて、あらためて感銘を受けたことがあれば教えてください。
アレックス:なんどもあったさ! 例えば、彼、ずっと逆立ちをしてるんだよ。75歳の老人が、逆立ちだぜ? 若かったり、身体すごく鍛えてたり、健康食品ばかり食べてたりとかだったら普通だけど、75歳のジャマイカンが逆立ちだなんて、本当に感動的だよ! 心から感動したね! ワーオ! って感じ。彼の身体のなかには、すべての平和が漂ってるんだ。彼が愛するすべてのものとコンタクトをとってる。動物でも、鳥でも。そういう姿をみてるのは、ただただ素晴らしかったよ。
■一緒にスタジオに入ってやったんですか?
アレックス:そうだよ。彼と一緒にスタジオに入って、彼がヴォーカルを担当した。彼ヴォーカルを録ったあと、で、俺たちが音楽だけをリミックスしたんだ。リミックスをしたときは、彼と一緒じゃなかったけどね。彼はスイスの家にいたけど、俺たちが作業してたスタジオはベルリンだったから。
■すべては新しく録音したトラックなんでしょうか?
アレックス:すべての曲がリー・スクラッチ・ペリーをフィーチャーしていて、新しいトラックだよ。なにせ彼と会ってからできた曲のほうが多いんだからね。最初はアルバムさえ作る予定じゃなかったんだから。数曲だけ録ろうと思ってたんだけど、彼がスタジオに入ってヴォーカルをやると、彼のおかげで少しヴァーカッションのアイディアを思いついたりもした。スタジオの外で歌いながら木の破片を叩いたりね。
■"ポリスとコソ泥"のカヴァーも新しいんですよね?
アレックス:そうさ。あれはカヴァーだけど、まったく新しい作品。とくにベースラインは全然違う。ヘヴィーなベースラインが鳴り響いてるんだ。
■実質、どのくらいの時間がかかったんでしょうか?
アレックス:全部を合わせると8ヶ月くらいだったと思う。
■それは計画通りの時間だったんですか?
アレックス:どうだろうね......最終的に、7ヶ月の間で、8、9回くらい、家(ロンドン)からベルリンに作業に行って、家に帰って、またベルリンに戻ってっていうのを繰り返した。7ヶ月は、自分たちのなかでは早いと思ってたよ。実際早かったかはわからないけど、とにかく早いなと自分たち自身は感じた。この前アルバムを書くことを決めたと思ったら、もうリリースされるわけだから、やっぱりあっと言う間だったな。しかも、たった2、3日で13曲も新しい曲を書いたわけだからね。
1週間の予定だったリー・ペリーとのレコーディングで、火曜~土曜の5日でヴォーカルを録る予定だったんだけど、火曜、水曜で全部録り終わってしまった。だから急遽、木曜と金曜で新しい曲を書いて、それを土曜にレコーディングした。リー・ペリーと一緒だったのはその5日間だけで、あとは自分たちでミックスしたよ。
■"ゴールデン・クラウド"で、あらためて"リトル・フラッフィ・クラウド"のリフ(スティーヴ・ライヒの曲のサンプル)を使ったのはどんな経緯だったんですか?
アレックス:たしかにまた使いはしたけど、ちゃんと聴けばわかると思うけど、あれは同じリフじゃないよ。同じサウンドであっても、同じスティーヴ・ライヒから書かれていても、ちょっと違うんだ。
"カウンターポイント"(もとネタになっているスティーヴ・ライヒの曲)について知りたければ、ウィキペディアにいってくれ。また彼のサンプルを使ったのは、"リトル・フラッフィ・クラウズ"と"似ている"雰囲気を持たせたかったからさ。"同じ"じゃなくてね。だから、まったく同じサンプルじゃなくて、同じ音楽の違う部分を使うことにした。
じゃないと、ただのカヴァー・ヴァージョンになってしまうだろ? 俺たちはカヴァーを作りたかったんじゃなくて、似たような名前と似たような雰囲気を持った、もうひとつの新しい曲を作りたかったわけだから。今回は彼の名前もちゃんとクレジットで公表してるし、彼に許可を得て使用してる。まったく問題ないよ。
■"ゴールデン・クラウド"とは何かのメタファーですか?
アレックス:メタファーなんかではないさ。"ゴールデン・クラウド"は"ゴールデン・クラウド"。"リトル・フラッフィ・クラウズ"とは全然関係ないし......まず、アルバム全ての曲のタイトルは、その曲の内容がそれについてだからそのタイトルがつれてる。すべての曲がそうさ。"マン・イン・ザ・ムーン"は、その名の通り月にいる男の話だし、自分が書いた曲にタイトルをつけるときに、その歌詞の内容に関係したタイトルにするのはすごくシンプルで当たり前なことだと思わないか? 歌詞の内容に関しては、リー・スクラッチ・ペリーに聞いて欲しいね。
■近年の作品のなかでは、サンプリングやブレイクビートを多用していませんか?
アレックス:これは答えられないね。使ってると言えば何を使ってるかって話になるわけだろ? そういうのは、自分たちが気づけばそれでいい話なんだ。だったらあ、「俺たちはサンプルなんて使わない」って言ったほうがマシなのかもね。いまの世のなか、アプリケーションがこれでもかってほどあるんだし、いろいろなサウンドが溢れてる。もう、サンプリングなんてする必要がないんだよ。「俺たちは、もうサンプリングする必要はない」、単純に、それが答えさ。
いろいろな音楽から"影響"を受けることはあるかもしれない。でも、それをサンプリングする必要性はもうないわけだ。世界なかのたくさんのバンドが、どっちにしろ他のバンドのコピーをやってる。パイオニアのバンドでない限りはね。だから、パイオニアが作ったアルバムは、他より面白くなる。俺たちがどんなサウンドを作ってるかっていうのが重要なんだ。誰の作品を使ってるかなんて、意味のない質問だよ。
このアルバムは、3人のパイオニアによって作られてるんだからね。アルバムをすでに聴いてくれたたくさんの人たちや、過去にリー・スクラッチ・ペリーを一緒に作業したことがある人たちでさえも、これは過去10年のなかのベスト・レコードだと言ってくれたよ。俺たちの作品をサンプルの固まりとしてじゃなく、俺たちの作品として聴いて欲しいね。
■何度か繰り返して聴いて、とても楽天的な印象を持ったのですが、あなた自身はこのアルバムをどう思いますか?
アレックス:夏っぽく暑くて、温かい、デリシャスなアルバムかな。確実にウィンター・レコードではないね(笑)。ビーチで聴くべきアルバムだよ。熱気のあるバーとかでもいいかもね。すべての曲がフィットすると思うよ。誰も持ってないようなレコードを作ったつもりだから、俺たちオーブの昔の曲を聴いたことない人がたまたまこのアルバムのことを知って、気に入ってくれたら最高に嬉しいね。
[[SplitPage]]リーは端っこに座って、7インチのテレビでアフリカ映画を見てたんだ。で、俺が、「リー、その映画の意味わかってるのかい?」(言語がわからないから)って聞いたら、「全然! 何言ってるのか見当もつかないよ! でも最高に素晴らしい!」って言うんだよ(笑)。
![]() The Orb Featuring Lee Scrach Perry present The Orbserver In The Star House COOKING VINYL/ビート |
■今回のアルバム作業を通して、あなたがいちばん嬉しかったことは何ですか?
アレックス:全部だよ。ある部分だけをピックアップして、差を付けることはできない。実質、このアルバムは1週間で作られてるからね。だからまあ、敢えて言うなら、このリー・スクラッチ・ペリーと一緒だった1週間かな。あの1週間は、パーフェクトな瞬間が何回もあったから。今回の作業は、巨大な喜びのジグソーパズルって感じだったよ。
■"ポリスとコソ泥"をカヴァーはどうして生まれたのですか?
アレックス:リーと作品を作ることが決まっていたときに、ロンドンの暴動が起きたんだ。俺の家のすぐそばでね。それで、一緒にレコーディングするときにあの曲をやらないかとリーに頼んだ。そしたら彼からOKが出て、カヴァーを作ることになった。暴動の1ヶ月後にレコーディングしたんだよ。
■それは面白い話ですね(笑)。今回、ベルリンのトーマス・フェルマン、トビアス・フレウンドのふたりはどんな役目をしていたのでしょうか?
アレックス:俺はジャム、トーマスはチーズ、トビアスはピーナッツバターとでも言っておこうか(笑)。肉はナシだな。俺がヴェジタリアンだから。リーもヴェジタリアンだし。で、ときにはサラダもあるっていう役割分担。
リー・スクラッチ・ペリーはヴォーカルを担当してる。彼の声がトーマスと俺が作ったレコードから聴こえてくる。トビアスもヴォーカルを担当した。ヴォーカルを担当したというか、ヴォーカルを整えたといったほうがいいかな。彼はヴォーカルを汚れていない、純粋なままのサウンドに聴こえるようにしてくれた。あと、もうひとりトーマス(トム)がいるんだけど、Tom Thiel(トム・ティール)が俺たちのエンジニアだった。で、俺たちのトーマス(フェルマン)は音楽を作ったってところかな。
■レコーディング中で何か面白いエピソードがあったら教えてください。
アレックス:ある日みんなでディナーを食べてるとき、そこがドイツのけっこう良い雰囲気のレストランで、ナイフとフォークがテーブルにセットしてあって、ジャズが流れてる感じだったんだけど、リーは端っこに座って、7インチのテレビでアフリカ映画を見てたんだ。で、俺が、「リー、その映画の意味わかってるのかい?」(言語がわからないから)って聞いたら、「全然! 何言ってるのか見当もつかないよ! でも最高に素晴らしい!」って言うんだよ(笑)。で、次の日はハリウッド映画を見てた(笑)。おかしいだろ(笑)?
■リー・ペリーの歌っている歌詞で、とくに面白く感じたのはどれでしょう?
アレックス:「酒をいまより控えて、もっとたくさん水を飲め」、このメッセージかな。
■ところで、オーブの新作は準備されているのですか?
アレックス:まだ完成はしてないんだけど、コヴェント・ガーデンのロイヤル・オペラハウスのために曲を書いている。オペラを演出してて、オペラハウスで披露されるんだよ。ちなみに、リー・スクラッチ・ペリーはこれとは全然関係ないからね(笑)。彼のことだから、やろうと思えばオペラもできちゃうのかもしれないけど(笑)。
■はははは、他に何かプロジェクトはありますか?
アレックス:あるよ。実は3つくらい抱えてるんだ。4つとも言えるかもしれないけど、まずは3つだな。ひとつはスクリーン。こないだ〈マリシャス・ダメージ〉からアルバムが出たんだ。それから、HFB(High Frequency Bandwidth)。このプロジェクトでは、京都のピクセルジャンクっていうテレビゲーム会社のために音楽を作ってる。2年前は、このゲームのサウンドトラック・ミュージックで英国アカデミー賞にノミネートされたんだよ。あれはクールだった。自分たちのレーベル、〈プロジェクター・ルーム・レコーズ〉から、ニュー・アルバムの『サイドトラックス』がiTunesでリリースされたばかり。
あとは、ルートマスターズ。俺と女性アーティスト(ニナ・ウォルシュ)とカントリー・コンボを組んで、カントリー・ミュージックをやってる。こっちはまだアルバムは出てないんだけど、EPが出ている。俺たちは超オールド・スクールだから、ヴァイナルのみだけどね。
それに、ティー(Tee)っていうプロジェクトもあるんだ。ミスター・ガウディと俺で、ダブっぽいサウンドを作ってる。ピュアなアンビエント・ミュージックで、ピュアなノー・ビートサウンド。あとは......毎週火曜日にはラジオ番組をやってる。8時~10時まで。そんな感じかな。
■音楽以外で、いまのあなたが興味あることはなんでしょうか?
アレックス:ほとんどは音楽だけど、あるにはあるよ。サッカー。
■いまでもプレイするんですか?
アレックス:いや、もうしないね。昔は学校とか会社でやってたけど。でもどちらかと言えば、バスケのほうがもっとプレイしてたな。若いときはバスケのほうが好きだったんだ。もっとスポーティーだったから。プレイするには最高のスポーツだよ。サッカーは、美しくて素敵なスポーツだと思う。頭を使うんだ。
■いま日本では反原発が盛り上がっていますが、あなたの原発に関する考えを教えてください。
アレックス:こっちでは全然情報がないんだよな。食べ物に放射能が含まれてないといいけど......日本に行ったら、もっと状況がわかるだろうね。この野菜は食べない方がいいとか、大丈夫とか。毎回食事するごとにもやしを食べるといいってきいたけど? あと海藻。日本って、どちらもよく食べるんだよな? 元々体にいいし、放射能対策にもなるなんて素晴らしいよね。日本ではサイドディッシュによく出てくるって聞いたから、君たちは知らずに自分たちの身体を守ってるのかも。「My body is my temple」って言葉があるけど、まさにそうだね(笑)。素晴らしい哲学だよ。
話がずれたけど......とにかく、俺はあまりよくわかってないから、言えるのは、もやしと海藻を食べろってことだね(笑)。原発は、やはり考えないとはいけないと思う。だって、また数年以内に大きな地震が起こるって言われてるんだろ? 太陽フレアも起こるって言われてるよな。それは日本だけじゃなくて俺たちの問題でもある。科学者がそういう情報をちゃんと流して、それを想定した行動をとっていくべきだと思うね。原発に反対することも間違ってないかもしれないけど、原発を無害にする方法も考えるべきかもね。
【LEE 'SCRATCH' PERRY】
生きる伝説=リー'スクラッチ'ペリーの来日公演決定!
2012/10/5 (FRI) 渋谷 O-EAST
OPEN/START 18:00
前売 ¥6,000 (1drink 別途 ¥500)
出演:
LEE 'SCRATCH' PERRY
あらかじめ決められた恋人たちへ
PREPARATION SET
and more!!!
INFO: BEATINK 03-5768-1277 https://www.beatink.com/
【THE ORB JAPAN TOUR 2012】
10.19 FRI @ 大阪 CONPASS
INFORMATION: 06-6243-1666 (CONPASS) https://conpass.jp
10.20 SAT @ 東京 ELEVEN
INFORMATION: 03-5775-6206 (ELEVEN) https://go-to-eleven.com
『アタック・ザ・ブロック』を制作したエドガー・ライトといえばデビュー作にあたる『ショーン・オブ・ザ・デッド』がいまだに金字塔的作品で、このところ強くなっていく一方だったゾンビを極端に弱い存在にしたことがひとつの勝因ではあったといえる。それを、さらに上回るというか、下回る弱さでゾンビを登場させたのがキューバ初のソンビ映画『フアン・オブ・ザ・デッド(邦題『ゾンビ革命』)』で、いくらなんでも弱すぎるというか、これではゾンビがどんどん増えていくのは不自然かも......と思うほどだった(おかげでキューバ音楽とのマッチングはよかったし、海底のシーンはかなりよかった)。また、アメリカとの関係はやはり複雑なんだなーと思う場面が多々あって、アメリカは圧倒的に強いということを示すためにゾンビの頭部がまとめて刈られていくシーンがあり、そのひとつが地面に転がった瞬間は奇妙な間も含めてなかなか印象に残る場面となった。ゾンビの首がちょっとかわいかったんですよね。
頭部マニアなのか、インストラ:メンタルの抽象路線とはやや様変わりしつつ、ジョン・コンヴェックスのファースト・ソロにはまたしてもキャサリン・Wの頭部がデザイン的にシリーズで使われている。アルバム・タイトルは「アイドル」と読ませたいんでしょうか。前半が英語で後半はローマ字? とはいえ、キャサリーン・Wが低い声でボソボソと歌う感じは(なんとなく「エイジ・オブ・ラヴ」なんだけど)アイドルのイメージからは遠くかけ離れていて、ある種のSM的イメージを浮かび上がらせる。つーか、単純に混乱させられる。村上隆の作品を初めて見せられた欧米人の感覚はこうだったかも......しれない。
先行シングル→https://soundcloud.com/surus/jon-convex-fade-convex
抑制の効いたオープニングからアルバムは全体にスキューバやジミー・エドガーとは雰囲気の異なるストロング・スタイルのエレクトロやゴツゴツとしたテクノで占められ、ロスカと同じくケヴィン・サンダースン的なセンスを随所で感じてしまうと同時に、ソロの石野卓球にも近い資質を感じさせる(あるいは、その原型であるジョーイ・ベルトラム=ニュー・ビートとデトロイト・テクノの交点に彼は現れた)。拷問と快楽が紙一重で混在する極端なストイックぶりには、ルーシー以降のコールド・ミニマルや、16ビートを志向しないシンセ-ポップ・リヴァイヴァルがファクトリー・フロアー(やトレヴァー・ジャクスンのミックスCD『メタル・ダンス』)のようにビートを強化してインダストリアルな傾向(=ミニマル・ウェイヴ?)に突進しはじめたこととも共振性はあるだろう(むしろアンディ・ストットやマルセル・デットマンのような生真面目な快楽主義とは、どことなく相容れない?)。太鼓の乱れ打ちを思わせる「ディソレイション(孤独)」がとくにいい出来かな(また、同じインストラ:メンタルからアレックス・グリーンもボッディカ名義でジョイ・オービソンとナイス・コラボレイションを連発中で、ボッディカもエレクトロ主体ながらだいぶ奇妙な方向性を示しているし、すでに9曲はあるわけだから、このタッグのままでなんとかアルバムもやって欲しい限り)。
唐突にダブステップを取り入れたクリスチャン・ヴォーゲルの14作目も結果的にはストロング・スタイルのエレクトロに聴こえる作品を完成。新機軸を取り入れているのに、なぜ『慣性の』というタイトルにしたのかはわからないけれど、スペインのバレエ団のために2枚のアルバム制作していたため(これがいい!)、いわゆるダンス・ミュージックのアルバムとしては5年ぶりとなった。もともと、アブストラクトな感性をあふれんばかりに携えてデビューしてきた人なので、どことなく90年代初頭に戻った感もあり、それが円熟味を増して完成度を高めたと聴くことも可能だろう(スーパー_コライダーも呑み込んで!)。『リスケイト137』で自らのルーツ(=チリ系)を全開にした時もちょっと感動があったけれど、ややこしいリズムの連打にはやはり心が和んでしまう。波をイメージしたらしきエンディングは意外にもガス(マイク・インク)を思わせるアンビエント・タッチ。














