「MAN ON MAN」と一致するもの

Swans - ele-king

 ロックの歴史において、炎に焼かれ灰となり、そこから甦るというフェニックスの神話をこれほどまでに体現したバンドが他にあるだろうか——スワンズをおいて。1998年、バンドは文字通り「死」を迎える。最終作のタイトルは、まぎれもなく『Swans are Dead』。これ以上ない明快さ。「これで本当に終わり」と公言するバンドは数あれど、実際に姿を消す者は稀だった。そして彼らは、本当に消えた。
 1982年の結成以来バンドを率いてきたマイケル・ジラも、当時の活動を肯定的に語ることはなく、2000年代のアメリカにおける新たなフォーク・ムーヴメントのなかで、Angels of Lightやソロ名義でフォーク・ミュージックへと舵を切っていった。だが、スワンズが『The Great Annihilator』(1995)で踏み出したあの時代は、いま振り返っても尋常ではなかった。『Holy Money』(1986)の時期の金槌のような打楽器による暴力的ミニマリズムと同等の強度をもちながらも、そこにはより物語性に富んだ、儀式的なノイズの瞑想が展開されていた。なかでも『Soundtracks for the Blind』(1996)は、音の探求として驚異的な達成を示す作品であり、もっと多くの人に発見されるべきアルバムである。
 スワンズは死んだ——そうマイケル・ジラが宣言したとき、それを疑う理由はどこにもなかった。だが2010年、誰も予想しえなかった再生の瞬間が訪れる。スワンズは再び目を覚ましたのだ。
 復活後最初の作品『My Father Will Guide Me Up a Rope to the Sky』(冗長なタイトルが物語るように)は、たしかな可能性を感じさせながらもやや肩すかしだった。その音楽的へその緒はまだ、Angels of Lightのフォーク的世界にしっかりと繋がれていたからだ。年齢を重ねれば創造性は失われていく——そんな西洋に根づく通念が、作品の背後にちらついていたのも否めない。
 しかし、すべてが変わったのは2012年。『The Seer』のリリースによって、誰も予測できなかった新たな激烈の時代が幕を開けた。ジラは、初期スワンズの打撃的なサウンドを再び受け入れつつ、それをまったく新たな文脈に落とし込んでいった。その音楽は、過去と現在を弧を描くようにつなぎ、バンドの新たな自己像を浮かび上がらせたのだ。スワンズというバンドは、その歩みを時代ごとに明確に区切っていく存在であり、それを決定し、宣言することをジラ自身もまた好んでいる。

 2025年に発表されたスワンズの第17作『Birthing』は、まさに記念碑的な作品であり、またしても「これが最後の〈ビッグ・サウンド〉作品になる」との宣言とともに世に放たれた。極限までの追求を信条とするマイケル・ジラらしく、本作でもその姿勢は貫かれている。全7曲ながら収録時間は2時間近くにおよび、かつて『Soundtracks for the Blind』が「一線」を画したように、『Birthing』もまたひとつの終わり——どれほど決定的な終止符であるかは定かでないにせよ——を示しているかもしれない。
 『Birthing』を語るうえで不可欠なのは、スワンズというバンドがグレン・ブランカの「使徒たち」であるという事実を理解することだ。今日では徐々に記憶から遠ざけられつつあるが、ブランカはスワンズのみならずSonic Youth、さらには80年代NYアヴァン・シーン全体に多大な影響を与えた存在である。
 巨大なノイズ・ギター交響曲の先駆者であったブランカは、10本以上のエレクトリック・ギターとアンプが一斉に耳をつんざく音量で鳴らされ、アコースティック楽器では決して得られないような〈うなり〉や〈幽霊音〉を呼び起こすという音響実験を通じて、演奏者に「強度」のすべてを教え込んだ。その場にはジラも、ソニック・ユースのサーストン・ムーアも身を置いていたのだ。皮肉なのは、ジラがあの「音」に本格的に再び取り組んだのが、それからおよそ20年を経てのことだったという点だ。時間とは、まさに相対的なものなのだ。
 『Birthing』は、メシア的なドローン——ほぼすべての楽曲に通底する、力の限りに引き伸ばされた音のうねり——と、説教師のような呼びかけ(“I am a Tower”)を行き来しながら、氷河のように冷たい音響の炎をひとつに束ねるような、ミニマル・フォークの哀歌を内包している。アンサンブルによる暴力的な歓迎は、リスナーに険しい音の山を登らせるが、アルバムの多くのパートはむしろ内省的で、どこか悲しげで繊細ですらある。
 冒頭の“The Healers”は、全員男性メンバーによるバンドとは思えないほどフェミニンな楽曲であり、浮遊するような音の抱擁が広がっている。その柔らかさは、ラストにかけて続く記念碑的なエクスタシーと鮮やかな対照をなす。この「静から動への振幅」、あるいは個々の楽曲を超えた巨大な音響構造は、まさにグレン・ブランカの手法を思わせるものであり、2時間という時間のなかで幾度となく繰り返される。そのため、本作は個々の楽曲というよりも、一続きの大作として体験されるべきものとなっている。
 最終的に、この構造から逃れることは難しい。ボアダムスのように、かつて同じ道を選んだバンドたちがそうであったように、この形式に祝福された者たちは、たとえ曲が分かれていても、必然的にマントラ的な「ひとつの音」に回帰していく運命にあるのだ。繰り返すことは、神をより深く知ることに通じる。だが、30年以上にわたるヴィジョンを貫いてきたマイケル・ジラは、決して時代を繰り返さない。ゆえに、『Birthing』が何らかの「別れ」を告げる作品であることは間違いない。しかし、いくつかのことを忘れずにいたい。
 まず第一に、スワンズの啓示は常にツアーとともにもたらされるということ。願わくば、読者であるあなたにも彼らのライヴを体験してほしい。彼らは過去に二度、日本に来ている。願いを込めて指を交差させれば、もしかするともう一度──本当に最後の一度──来日してくれるかもしれない。
 第二に、スワンズのフィジカル・リリースは、単なるアルバムではなく「遺産」として設計されているということ。芸術作品として保存されるべきものとして、クオリティに優れた盤を手に入れた者には、その価値は限りなく高い。
 第三に、マイケル・ジラは現在71歳という、なお鮮烈な生命力をもつ人物であるということ。残された時間は、すでに歩んできた道のりより短いかもしれない。完璧ではないかもしれないが、『Birthing』は、そんな彼が世界に贈った驚くべき贈与であり、妥協なき、そして深い愛に満ちたヴィジョンの結晶である。だからこそ、この作品を単にダウンロードして済ませてはいけない。ぜひフィジカルで手に入れ、一生大切にしてほしい。
 「I am the best fucking Fuck that you never will have.(俺はきみがかつて見たことのない最高のクソ野郎)」


There is no band in rock history whose trajectory has reflected the myth of the Phoenix, one destined to burn in fire and then resurrect itself like SWANS. The band literally died in 1997, their “last” album sincerely entitled SWANS ARE DEAD. It doesn`t get any clearer than that. How many bands jump up and down to say never more? And gone they were. Founder Michael Gira didn`t speak positively of his days fronting the band from 1982 while he moved on to folk music in the midst of the American new folk scene of the 2000`s with new band Angels of Light and solo efforts. Still that era, begun with “The Great Annihilator” was formidable intense cinematic music that mirrored in intensity with the Holy Money era of hammer percussion, instead evolved to narrative based ritualistic noisy meditation.”Soundtracks of the Blind” is an incredible achievement in sound that begs to be discovered more.
When he said SWANS was dead, no one had any reason to disbelieve him but come 2010, a rebirth was witnessed. SWANS reawakened. The keenly promising but somewhat underwhelming first release “My Father Will Guide Me Up a Rope to the Sky” with its unnecessary long title was definitely a suggestion of what could be but didn’t go far enough with its umbilical cord still tightly connected to Angels of Light folkdom. The commonly held western belief that the older one gets the less creative one is could be felt in the background. But all changed in 2012 with “The Seer,” officially starting an intense new era no one could have forecast. Gira had embraced again the pummeling sound of the early songs in a new context that drew an arc from their beginnings to their new found self. SWANS is a band of clearly marked eras which Gira is very found of deciding and announcing.
2025`s monumental release “Birthing,” SWANS` 17th release, is no different, attached to yet another announcement that it would be the last “big sound” release. Gira known for pushing to the extreme has definitely done so here. With just 7 tracks, the album is just a hair under 2 hours and may mark another end (how definitively is anyones guess) in the same way that “Soundtracks of the Blind” was a line in the sand.
To properly talk of “Birthing,” it`s vital to comprehend that SWANS are the disciples of Glenn Branca, a name that is progressively being forgotten in time despite his massive influence on SWANS and Sonic Youth and the NYC avant scene of the 80`s. Branca, the first composer of titanic noise guitar symphonies provided a learning ground for musicians (both Gira and Thurston Moore were participating musicians) to soak in the intensity of 10 or more electric guitars with amps strumming simultaneously at earsplitting volumes summoning humming ghost tones impossible with acoustic instruments. It is incredibly ironic that Gira didn`t embrace “that sound” again til 20 years later. Time is indeed relative.
“Birthing” wades between messianic near-power drones (almost every song), preacher callings (“I am a Tower”), minimalist folk dirges which hold all of the flames of glacier sound together. Though the welcoming violence of the ensemble creates stark mountains to climb for the listener, many parts of the album remain meditative, almost mournful and delicate. The beginning “The Healers” is a very feminine song coming from an all male band. That floating aural embrace is directly contrasted with the continuous monumental euphoria of the end. This Branca pattern occurs often through the 2 hours making parts of the total experience at times feel less like individual songs and more like one long work. Ultimately this can`t be escaped as any band that choses this road like the Boredoms for example before them, often repeats themselves in separate songs because the blessing of their formation is christened by a mantra sound. To repeat is to know God better.
Gira, in his 30 plus year vision does not repeat eras so this is definitely a goodbye of some kind but let us keep some things in mind. One, SWANS revelations always come with a tour and I hope you the reader gets to see them. They have come twice to Japan, and if we cross our fingers, maybe they will come one last time. Two, SWANS physical releases are legacy works designed to be art, to be preserved as art. Highly valuable when bought with commendable quality. Three, Michael Gira is a vibrant 71 year old man. There is less ahead than behind so though “Birthing” is not perfect, it is an amazing gift to the world by a man with a vision uncompromising and loving. Do not just download this. Buy a physical copy and keep it forever.
“I am the best fucking Fuck that you never will have”

DJ Haram - ele-king

 ニュージャージー出身で現在はニューヨークのブルックリンを拠点とするアーティスト・DJハラムが、デビューアルバム『Beside Myself』を7月18日に〈Hyperdub〉からリリース。
 共同プロデューサーにオーガスト・ファノンを迎え、ハラムのヒップホップ/ノイズユニット・700 Blissの相方としても知られるムーア・マザーのほか、アーマンド・ハマー(billy woods + ELUCID)、ベイビィ・ムタ、シャ・レイ、Dakn、エジプトのエル・コンテッサ、「ジャージー・クラブ・クイーン」として知られるケイ・ドリズ、トランペッターのアキレス・ナバーロ、ギタリストのアブドゥル・ハキム・ビラルを招いている。

 『Beside Myself』はハラムのルーツである中東圏の音楽を土台にしつつ、そこにジャージー・クラブ、パンク、ノイズといった要素を加え、それらを電子音響的な楽器とサンプリング、タンバリン、シェイカー、ダルブッカ、ヴァイオリンといったエッセンスで補完するような、折衷的な内容となるとのこと。恍惚的なレイヴ・シンセ、壁のような808ベース、うごめくような低音で埋め尽くされた注目作、ぜひともチェックしておきたい。

Artist : DJ Haram
Title:Beside Myself
Release Date:2025.7.18
Label : Hyperdub
Format : Digital / LP / CD / Casette
Pre-Order : https://djharam.bandcamp.com/album/beside-myself

Tracklist:
1. Walking Memory
2. Remaining ft. Dakn & Aquilles Navarro
3. Fishnets ft. Bbymutha & Sha Ray & August Fanon
4. Lifelike ft. Moor Mother & 700 Bliss
5. Voyeur
6. Do u Love me ft. Kayy Drizz
7. Stenography ft. Armand Hammer
8. IDGAF ft. Abdul Hakim Bilal
9. Badass ft. Carmen Nebula
10. Loneliness Epidemic
11. Sahel ft. El Kontessa
12. Distress Tolerance
13. Who Needs Enemies When These Are You Allies?
14. Deep Breath (An Ending)

Lucrecia Dalt - ele-king

 今年1月にまさかのデイヴィッド・シルヴィアンをフィーチャーしたシングル “cosa rara” を発表し、一部で注目を集めていたルクレシア・ダルト。単曲でのコラボかと思いきや、なんとアルバム1枚まるごといっしょにつくっていたようです。高い評価を得た前作『¡ay!』から早3年、共同プロヂュースということで期待の高まるニュー・アルバム『A Danger to Ourselves』は、〈RVNG Intl.〉より9月5日にリリース。現在、新曲 “divina” が公開中です。

前作がThe Wireの年間ベスト1位に輝いたLucrecia Daltのデヴィッド・シルヴィアンを共同プロデューサーに迎えた新作『A Danger to Ourselves』が9/5にリリース決定
先行1stシングル「divina」がMVと共に公開

2022年にリリースした『¡Ay!』が英The Wireで年間ベスト1位を獲得し、MUSIC MAGAZINE誌でもロック(ヨーロッパほか)で年間ベストに選出されるなど注目を集めさらに評価が高まる中、待望の新作アルバム『A Danger to Ourselves』がRVNG Intl.から9月5日にリリース決定。本作はデヴィッド・シルヴィアンを共同プロデューサーに迎え(1曲ゲスト・ヴォーカルも)、フアナ・モリーナやCamille Mandoki等も参加し、集大成であると同時に出発点とも言える作品。本日先行ファースト・シングルとして「divina」がミュージック・ビデオと共に公開。

『A Danger to Ourselves』は、人間関係の複雑さをありのままに描き出した、大胆な作品。近年のアルバムに見られる虚構の物語を削ぎ落とし、本作は真摯な感情の表出を体現している。深く個人的な対話のように響き渡るサウンドの中で、ダルトの歌声は力強く前面に押し出され、豊かなアコースティック・オーケストレーションとプロセッシング、コラージュされたパーカッション・パターン、そして豪華絢爛な共演者たちの力強いサポートが彩りを添えている。

ファースト・シングル「divina」はダルトが創り上げる多面的なサウンド・コレオグラフィーを見せている。その本質は型破りなドゥーワップ・ラブソング。スペイン語と英語が行き交う中、スタッカートのピアノの音とフィンガー・スナップが、カスケードするエレキギターにグルーヴ感を添える。「divina」は、炎、冥界、そして愛の告白といったイメージの中を舞う、まるで割れた鏡のように、反射が現れては消え、曲全体を通して意味が揺らめき、変化していく。

同時に公開されたミュージック・ビデオは、ルクレシアがコンセプトを手掛け、サウスウェスタン出身の映画監督で、2012年のドキュメンタリー映画『ICON EYE』も記憶に新しいTony Loweが監督を務めている。このミュージック・ビデオでは、ルクレシアとマルチディシプリナリー・アーティスト、Lucia Maher-Tatarが共演する。

Lucrecia Dalt New Single “divina” out now

Artist: Lucrecia Dalt
Title: divina
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Format: Digital Single
Listen / Buy: https://orcd.co/ar7rq3r

Lucrecia Dalt – divina [Official Video]
YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=r23tegbbCDw

Featuring Lucrecia Dalt and Lucia Maher-Tatar
Directed by Tony Lowe

Lucrecia Dalt New Album “A Danger to Ourselves”
Available September 5, 2025

Artist: Lucrecia Dalt
Title: A Danger to Ourselves
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Cat#: ARTPL-238
Format: CD / Digital

※日本盤ボーナス・トラック収録予定
※解説・歌詞・対訳付き

Release Date: 2025.09.05
Price(CD): 2,200 yen + tax

2022年にリリースした『¡Ay!』が英『The Wire』で年間ベスト1位を獲得し、MUSIC MAGAZINE誌でもロック(ヨーロッパほか)で年間ベストに選出されるなど一躍注目を集めたコロンビア出身、ドイツはベルリンをベースに活動しているエクスペリメンタル・アーティスト、Lucrecia Daltの待望の新作アルバム。
デヴィッド・シルヴィアンを共同プロデューサーに迎え、フアナ・モリーナやCamille Mandoki等豪華ゲスト陣も参加し、集大成であると同時に出発点とも言える新たな傑作が完成。

コロンビアのペレイラで生まれたルクレシア・ダルトは、音楽愛好家の家庭で育ち、9歳のときにギターを手にするよう勧められた。ダルトはこの創造的な衝動に従い、コンピュータを使った制作に魅了され、土木技師としての急成長のキャリアを捨て、メデジンからバルセロナ、そして最終的にはベルリンへと移り住み、そこで自身の独特で冒険的なサウンドを発展させた。彼女の作品は、RVNGに移籍してから『Anticlines』(2018年)、『No era sólida』(2020年)、そして2022年に発表した特筆すべき画期的なSFボレロ・アルバム『¡Ay!』の3作をリリースし、その過程で、『On Becoming a Guinea Fowl』(2024年)、HBOのシリーズ『The Baby』(2022年)、そして近日公開のサイコホラー『Rabbit Trap』などの映画音楽制作にも活動の幅を広げ、サウンド・インスタレーションやパフォーマンスでは、彼女の光り輝く転調と独特で進化するヴォーカル・アプローチを披露している。

このたびリリースとなる『A Danger to Ourselves」は、ダルトが『¡Ay!』のツアー中の生活や新しい人間関係の形成期に書き留めた断片的な宣言から生まれた。彼女は2024年1月に、これらの親密な断片を音楽的な構成に結晶化させ始め、目的のある曲群を徐々に形にしていった。アルバムのサウンド構成は、コラボレーターのAlex Lázaroが提供するダイナミックなドラム・ループを基盤としており、そのパーカッシヴなバックボーンは、『¡Ay!』と同様、ダルトの重層的なヴォーカルのキャンバスとなった。従来のメロディックな構造に従うのではなく、このアルバムはベース・ライン、リズム、作曲デザインの相互作用によって音楽性を生み出している。大胆なプロダクションの選択と緻密なレコーディング・テクニックによって、声と楽器が新たな深みと輝きをもって調和する、ダルトの妥協のない音の明瞭さへの探求を明らかにしている。

明確に反コンセプチュアルな『A Danger to Ourselves』は、ダルトが音楽そのものに遮るもののない集中を導く詩的な本能であり、楽曲の枠組みを超越するボーカルと、原始的でロマンチックなスリルのきらめく響きを探求している。ダルトの細部への明晰なこだわりは、あらゆる小節に感じられ、献身的な姿勢が同心円を描きながら、個人的なものと霊的なものを統合する場を形成している。直感的な実験から生まれたこのアルバムは、シンプルなジェスチャーと複雑な構成を用いて、スペイン語と英語の間を伸縮自在なサウンドスケープと魅惑的な聴覚コラージュを通して行き来する「divina」のように、彷徨うようなラインを織り成している。

アルバム・タイトルは、デヴィッド・シルヴィアンの歌詞「cosa rara」から生まれたもので、人生の儚さ、愛の揺らぎ、奇跡への憧れを象徴的に映し出している。『A Danger to Ourselves』は、こうした超越的な状態を映し出し、人間の複雑な絡み合い、より啓示的な内面世界へ向かうドーパミン・スパイラルや一般的な経路からの解放への願望を屈折させている。高名なアーティストが多数参加したコラボレーションのコラージュであり、シルヴィアン自身も『A Danger to Ourselves』で共同プロデューサーとミュージシャンの二役を演じた。また、フアナ・モリーナが「the common reader」で共同作曲と演奏を、Camille Mandokiが「caes」でヴォーカルを、Cyrus Campbellがエレクトリック・ベースとアップライト・ベースの基礎を、Eliana Joy が複数のトラックでバッキング・ヴォーカルとストリングス・アレンジを担当している。

『A Danger to Ourselves』の光り輝く深淵において、ダルトは、音の錬金術を通して個人的なものが普遍的なものとなる深遠な変容を演出している。このアルバムは、集大成であると同時に出発点でもあり、彼女のこれまでの実験的な旅が、驚くほど親密でありながら広大なものへと収束する入り口でもある。感情的な啓示が網の目のように張り巡らされており、各曲は、ダルトの歌声が新たなハーモニーの領域を超えて啓示を体現する、脆弱性の的確に示している。従来の境界を超えた直感の生きた記録を創り上げ、音楽が鏡となり窓となる世界へと導いている。

TRACK LIST:

01. cosa rara (ft. david sylvian)
02. amorcito caradura
03. no death no danger
04. caes (ft. camille mandoki)
05. agüita con sal
06. hasta el final
07. divina
08. acéphale
09. mala sangre
10. the common reader (ft. juana molina)
11. stelliformia
12. el exceso según cs
13. covenstead blues

+ボーナス・トラック収録予定

Concept by Lucrecia Dalt
Music by Lucrecia Dalt and Alex Lazaro
Produced by Lucrecia Dalt and David Sylvian
Mixed by David Sylvian
Mastered by Heba Kadry, NYC
Lacquers cut by Josh Bonati *Vinyl only credit
Cover photo by Yuka Fujii
Photo retouching by Louie Perea
Design by Will Work For Good

Lyrics and vocals by Lucrecia Dalt except “cosa rara” by Lucrecia Dalt and David Sylvian; and “the common reader” by Lucrecia Dalt and Juana Molina
Vocals on “the common reader” by Lucrecia Dalt and Juana Molina
Vocals on “caes” by Lucrecia Dalt and Camille Mandoki
Backing vocals on “amorcito caradura”, “no death no danger” and “covenstead blues” by Eliana Joy
Backing vocals and howls on “divina” by Alex Lazaro

All instruments performed by Lucrecia Dalt except:
Percussion by Alex Lazaro
Feedback guitar on “cosa rara” by David Sylvian
Electric guitar solo on “covenstead blues” by David Sylvian
Electric guitar on “stelliformia” by Alex Lazaro
Electric bass and contrabass by Cyrus Campbell except
Electric bass on “mala sangre” by William Fuller
Soprano and tenor saxophone by Chris Jonas
Violin by Carla Kountoupes and Karina Wilson
Cello by Amanda Laborete
Palms and finger snaps by David Sylvian and Alex Lazaro

All instruments and vocals recorded by Lucrecia Dalt except strings recorded by Marc Whitmore and vocals by David Sylvian, Camille Mandoki and Juana Molina by the artists themselves.
String arrangements in “hasta el final” by Lucrecia Dalt and Eliana Joy

dublab.jp - ele-king

 1999年にLAで立ち上がった非営利インターネット・ラジオ局のdublab。2012年にその日本支部として発足したのがdublab.jpだ。LAと深い関わりをもつ彼らが、今年1月に発生した当地の大規模な山火事被災者たちの支援を目的として、チャリティ・コンピレーション・アルバムをリリースする。

 その『dublab.jp presents A Charity Compilation in Aid of the 2025 LA Wildfires -resilience-』は計38曲ものトラックをフィーチャー。岡田拓郎、食品まつり a.k.a. FoodmanやBUSHMIND、Daisuke Tanabe、Albino Sound & Daigos (D.A.N)、SUGAI KEN、優河、Ramza×hotaru、TAMTAM、嶺川貴子、白石隆之などなど、おもに日本の有志たちによる楽曲が収録されている(カール・ストーンも参加)。収益は全額、被災者に寄付されます。この試みが少しでもLAのアーティストやDJ、被害に見舞われた人びとの助けとならんことを願って。

https://dublabjp.bandcamp.com/album/a-charity-compilation-in-aid-of-the-2025-la-wildfires-resilience

Artist : V.A.
Title:dublab.jp presents A Charity Compilation in Aid of the 2025 LA Wildfires -resilience-
Release Date:2025.6.7(予定)
Label : dublab.jp
Format : Digital
Buy : https://dublab.jp/show/resilience/
Tracklist:

1. BLUEVALLEY: own -minimal mix-
2. BUSHMIND: Sunbright
3. Carl Stone: The Fiery Crab
4. Daisuke Tanabe: for the twin (masutomi edition)
5. Dekai Fune|でかい船: K0
6. DJ Dreamboy: Beyond A Dream
7. DJ Pigeon: Echo Chamber Recovery
8. "Dungeoneering -Albino Sound&Daigos(D.A.N)- “: Hua Jiao
9. Endurance: Jonesy
10. Final Drop: ASAKURU
11. Foodman|食品祭り: sunflower
12. Fujimoto Tetsuro: Akashi
13. Kankyo (Yu Arauchi + Hiroki Chiba)|王睘 土竟(荒内佑 + 千葉広樹): Yuku
14. Leakman: When I was 8、I drank orange juice、in LA
15. mamekx: UTOPIA
16. methodd: Adaptive Radiation
17. Metome: Toucan
18. Ramza×hotaru: kagashima,kodomo mikoshi#3
19. RGL: Echoes for the West
20. RLP: Memories
21. Sakura Tsuruta: MB
22. Shöka: Polaris
23. SUGAI KEN: れじりえんす
24. SUISHOU NO FUNE. |水晶の舟: Cherry Appears in a Dream|夢に現れた"チェリー
25. SUNNOVA: 救
26. suzuki keita: contingency
27. Suzuki-33rpm-Masao|鈴木33回転正夫: Yattokame Biscuit
28. Takako Minekawa|嶺川貴子: みんなへ
29. Takayuki Shiraishi|白石隆之: Kōsen-ga
30. Takuro Okada, Aska Mori, Kazuhiko Masumura: Valley
31. TAMTAM|花を一輪 - Hana Wo Ichirin
32. TARO NOHARA: AIR
33. Tidal: Nagi
34. YAMAAN: LAKE
35. yohei: Home For Now
36. Yoshio Ojima & Satsuki Shibano: Germinatio
37. Yosi Horikawa: Second hand
38. Yuga. |優河: 愛を Session at the Hut

Compile and Produce: Yuki Tamai, Hi-Ray, mamekx
Mastering: AZZURRO
Production Management: Yusuke Ono
Advisory: Masaaki Hara
PR Support: Kunihiro Miki
Design: Kohei Nakazawa

2025年1月7日、ロサンゼルスを襲った広範囲かつ長期にわたる山火事は、多くの住民の生活を一変させました。
家を失い、大切なものを奪われた人々の中には、我々のdublabの仲間であるアーティストやDJたちも含まれています。

あれから5ヶ月が経とうとしている現在、日本国内はもちろん、現地でも報道されることは少なくなっていますが、被災者たちの困難な状況は今なお続いています。

それでも、ロサンゼルスのコミュニティは力強く結束し、復興に向けたさまざまな活動を行っています。特にdublabを中心とした音楽コミュニティは、支え合いながら歩みを進めています。

インフラの完全な復旧には莫大な資金と、長期的な支援が必要です。
災害復興は短距離走ではなく、マラソンであるとも例えられます。私たちは今こそ、音楽を通じた持続的なサポートのかたちを考えるべき時だと感じています。

そして、その一環として、私たちはチャリティ・コンピレーションアルバムを制作しました。
このアルバムには、ロサンゼルスの音楽文化に影響を受けてきた日本のクリエイターたちが、リスペクトと共感を込めて参加しています。

驚くほど幅広いサウンドが詰まったこの作品は、ロサンゼルスの多様で豊かな音楽文化そのものであるといえ、その文化に敬意を表し、それを今に繋いでいるコミュニティを、音楽を通して支援していただければ幸いです。

本アルバムの収益は全額、ロサンゼルスのdublabを通じて被災者へ寄付されます。

*ENG

On January 7, 2025, a widespread and prolonged wildfire struck Los Angeles, drastically changing the lives of many residents. Among those who lost their homes and cherished possessions were artists and DJs who are part of our dublab community.

Nearly five months have passed since the disaster. While media coverage has declined both in Japan and locally, the affected individuals continue to face challenging circumstances.

Still, the Los Angeles community remains resilient and united, actively engaging in various recovery efforts. In particular, the music community centered around dublab is moving forward by supporting one another.

Full restoration of infrastructure will require substantial funding and long-term assistance. Disaster recovery is often likened not to a sprint, but to a marathon. We believe now is the time to consider sustainable forms of support through music.

As part of that effort, we have created a charity compilation album. This album features Japanese creators who have been influenced by Los Angeles’ musical culture, participating with deep respect and solidarity.

Packed with an astonishingly wide range of sounds, this project embodies the diverse and rich musical culture of Los Angeles. We hope that through music, you can help support the community that honors and continues this cultural legacy.

All proceeds from this album will be donated to the victims of the wildfire through dublab in Los Angeles.

Rashad Becker - ele-king

 前作『Traditional Music of Notional Species Vol. II』(2016/〈PAN〉)から、じつに9年。現代エクスペリメンタル・ミュージックのマスタリング職人として知られるラシャド・ベッカーが、新作『The Incident』を自身の新レーベル〈Clunk〉から発表した。名エンジニアとしての多忙ぶりから、もはやアーティストとしての新作は望めないのではという見方もあった。実際、アンビエント作家シュテファン・マシューのように、創作活動を停止したエンジニアも少なくない。

 そんな中、自らのスタジオ名を冠したレーベルからの突如のリリースは、われわれリスナーにとって意外性に満ちた出来事だった。2010年代以降の尖端音楽を追ってきた者にとって、ラシャド・ベッカーはもはや “伝説” の部類に属する存在である。2025年にその新作を耳にできるという事実は、僥倖と言うほかない。しかも、そのサウンドは『Vol. II』後半からまるで自然に接続されるかのような連続性を感じさせる。彼はこの9年間、マスタリング業務の傍らでも、音に対する実験と探求を一度も手放さなかったのだ。音の実験とは、断絶ではなく連続なのだという事実を、彼は改めて示してみせた。

 不確定で非反復的な音の運動を主軸とした『Vol. I』(2013/〈PAN〉)、そこに繰り返しのリズムやモチーフが加わった『Vol. II』――そして本作『The Incident』では、再び不定形な音のうねりに、より強固な反復構造が交錯する。結果として現れる音響空間は、デヴィッド・チュードアの電子音楽『Rainforest』と、未知なる民族音楽とが交差するかのような、既視感と未視感がせめぎ合う音の迷宮だ。既知でありながら未知、馴染みがありながら異様、その矛盾を孕んだ連鎖こそが、『The Incident』の鮮烈さの核心である。

 全11曲構成の本作は、4部構成をなしているとされる。レーベル資料によれば、第1部は「情報化時代の終焉」に関する音的考察。ノイズと音が混じり合い、現実が情報によって書き換えられていく様相を音響で描くという。第2部は「言語と場所」が我々の理解に与える影響、第3部では「反響(repercussions)」をテーマに、鈍く増幅された “無関心” の状態を描写。第4部は「群衆によるドキュメンタリー・フィクション作品」を想定しているという。

 こうした主題は極めて抽象的であり、音からそれを読み取るのは難しい。しかし、SNSにおけるフェイク・ニュースや炎上といった現代社会の歪みに対し、ベッカーが問題意識を抱いていることは想像に難くない。彼にとってノイズは、情報の洪水に巻き込まれずに抵抗するためのオルタナティヴなのではないか。逸脱と闘争、そして反復――それらは現代の情報社会における “逃走線” を描く行為として響いてくる。

 以下、楽曲を順に見ていこう。まず1曲目 “Busy Ready What, Corroborators” は、軽快なリズムの反復で幕を開ける。跳ねるような電子音と歪んだノイズが交錯し、自然現象のように複雑で不思議な電子音楽が生成されていく。続く2曲目 “A Supposition Darkly” は、静謐なムードへと転じる。反復される乾いたビートが、あたかも未知の儀式を想起させる。3曲目 “Of Permanent Advent” はより厳粛な雰囲気をたたえ、架空の民族音楽のような趣を帯びる。音の間(ま)が深く、聴き進めるほどに没入感が高まる。

 4曲目 “All You Need To Know About Confusion” では音がさらに抽象化し、ミニマルな響きと微細なノイズがドローン手前の密度を形成。5曲目 “Zero Hour” はそのムードを引き継ぎつつ、中盤からリズミックな要素が加わり、音の輪郭が変容する。6曲目 “L’heure H” は、まるで自然の営みのようなノイズによる音響風景。カラカラと乾いた音が背後で心地よく響く。

 7曲目 “Stunde Null” もまた、乾いたメタリックなサウンドが打ち込まれる実験的な一曲だ。そして8曲目 “Sāʿatu Alṣṣufri” では、中東風の旋律断片がふと浮かび上がる。アルバムのハイライトともいえるこの楽曲は、儀式的ムードと圧倒的な音響空間で聴き手を包み込む。9曲目 “A Puttering Purgation” は、先の情熱的高まりを鎮めるように、再び静謐な音響へと移行する。

 10曲目 “Deadlock” ではアンビエントの要素が前景化し、インダストリアル風味の乾いた響きが漂う。そして、ラストとなる11曲目 “What Really Happened” は、本作最長の18分40秒。内的空間へと深く潜り込むような構成で、まさに「儀式音楽」とも呼ぶべき音の旅路が展開される。

 ラシャド・ベッカーのノイズはときに、現代社会における新たな「儀式」や「祝祭」の音楽として響く。筆者がふと連想したのは、意外にも灰野敬二である。音そのものは異なるが、ノイズを儀式化し、反復によって生成するという構造には、どこか通底するものを感じる。あるいは、〈モナド〉時代の細野晴臣、たとえば『Paradise View』(1985)の乾いたパーカッションや、架空の民族音楽的ムードとも共鳴する瞬間があった(もちろん、これは筆者の妄想にすぎない)。

 いずれにせよ、本作『The Incident』には、「実験音楽の先にある音の儀式」というテーマが刻まれているように思えてならない。ノイズを鳴らし、構築し、揺らぎを与え、反復させ、音楽へと昇華する。そのプロセス自体が、「ここ」でしか起こり得ない “事件=Incident” なのだ。音そのものの儀式化と、空想の民族音楽的リズムの再構築。その二重螺旋構造が生み出す、結晶のような音響作品。それが、『The Incident』なのである。

rural 2025 - ele-king

 独自のバランス感覚で電子音楽にフォーカスした野外フェスを続ける〈rural〉が、去年に引き続き福島・沼尻高原を舞台に7月18日(金)から4日間にわたって開催される。
 国内外から総計39組ものアクトを招聘し、PhewによるライヴやOCCA、YAMARCHY、悪魔の沼などによるDJセット、ローカル・アクトにも通好みの信頼できるアーティストが勢揃い。ミニマルに、グルーヴィに、アブストラクトに、4日間のなかで沼尻高原の豊かな自然のなか、思い思いに素敵な音の旅を楽しめることでしょう。以下、詳細です。

rural 2025
7月18日(金)〜21日(月)
開場: 12:00、開演: 15:00、終演: 18:00
会場:nowhere CAMP, Fukushima (福島県耶麻郡猪苗代町大字蚕養字沼尻山甲2864)

LINE UP :
Akey
Akie
Amelia Holt
Atsushi Maeda
CHIDA & Manfredas - Solo + B2B Set
Cosmo
DJ Healthy
DJ HISUI
DJ KURI
ENA - Live
Erika - Live
Ginger Coven (Erika, Mareena, Resom)
illrinai
Innerworld
Inqapool - Live
Jane Fitz
KABUTO
Konstantin
Lily
Mareena - UNRUSH set
Nao
OCCA
olevv
Oscar Mulero
Phew - Live
Qmico
Resom
SAITO
Santaka + Yuki Nakagawa - Live
Takaaki Itoh & DJ Yazi
teppei
Toner
YAMARCHY
YANNY
YELLOWUHURU
ZUNDOKO DISCO
悪魔の沼 / Akuma No Numa
鏡民 / Kyomi

Ticket Price / チケット料金:
・全日券 / Full Days Entrance Ticket
Category5 / 25,000円 – 4枚以上の購入で1枚につき1,000円割引
25歳以下 / U25 Ticket / 14,000円
東北割 / Tohoku Region Discount / 17,000円

・3日券 / 3Days Ticket(7月19日(土)12:00開場)
Category5 22,000円 – 4枚以上の購入で1枚につき1,000円割引

・駐車場&キャンプチケット / Parking & Camping Ticket
場内駐車券 / On-site Parking Ticket / 7,000円
場外駐車券 / Parking Ticket / 4,000円
キャンプ券 – テント1張り/ Camping Ticket for 1 Tent / 4,000円
オートキャンプ券 – 車1台とテント2張り/ Auto-camp Ticket for 1 car and 2 Tents / 20,000円
└追加の駐車券1台 / Extra 1 Car / 8,500円
└追加のテント券 1張り/ Extra 1 Tent / 5,500円

野外フェスティバル rural 2025 は、去年に引き続き沼尻高原「nowhere CAMP」を舞台に、国内外それぞれの地域におけるテクノ、ハウス、実験音楽、またそれらを横断するシーンで際立った活動を続けるアーティストたちを招いて、7月18日(金)〜21日(月)の4日間の日程で開催をいたします。

前回もご好評頂いた福島県沼尻の温泉地帯に位置する温泉施設が隣接する会場で開催される本イベントには、今年もアウトドアステージとインドアステージにサウンドシステムを設置。海外から13組、国内から26組の総計39組のアーティストを招聘します。

今年はスパニッシュテクノの礎を築き、現行テクノシーンの生きる伝説とも形容される Oscar Mulero、ruralと長年にわたって深い関係性を築いてきた世界有数の稀有なセレクター、Jane Fitz がソロセットで登壇を予定。さらに〈The Bunker NY〉の創設者による特別なオファーによって誕生したスペシャルユニットGinger Coven(Erika、Mareena、Resom)の日本初公演が決定しており、各メンバーによるソロセットも披露されます。

加えて、ジャーマンミニマルの歴史の中で燦然と輝く〈Giegling〉共同創設者である Konstantin や、リトアニアを拠点にラジオDJからキャリアを始めた鬼才でありIvan Smagghe とのDJデュオ Dresden の片割れとして広く知られる Manfredas が 日本を代表するセレクター CHIDA とのB2Bとソロセットで出演。また今回Manfredasは、ドラマーのMarijus Aleksaと組むライブバンド Santakaとしての出演も決定しており、チェリストのYuki Nakagawa(KAKUHAN)とコラボレーションした一夜限りのスペシャルなユニットの演奏が初披露される予定です。

他にも、韓国出身のバイナルDJの Cosmoやニューヨーク拠点の稀有なセレクター Amelia Holt、〈PACIFIC MODE〉を主宰しニューヨークと東京のシーンを繋ぐDJ Healthy、近年益々勢いを増すインドのエレクトロニックミュージックシーンからは Innerworld と注目のグローバルアクトが名を連ねます。

国内シーンからは、日本電子音楽黎明期から現在に至るまで活動を続ける Phew によるライブセット、カルト的な人気を誇る屈指のディガートリオ 悪魔の沼 に加えて、緻密な国産ハードテクノミュージックの代表格であるTakaaki Itohと圧倒的な技術力と信頼で世界の舞台にまで上り詰めたDJ YaziがB2Bセットで登壇。他にもアブストラクトベースミュージックの雄として世界で活躍するENAによるライブセット、世界最高峰の舞台でも認められるミニマルグルーヴの旗手KABUTO、近年世界中の名門クラブ/フェスティバルからの指名も相次ぐ OCCA、YAMARCHY が登場。ZUNDOKO DISCO や Akieら注目のアーティストたちも再びruralに帰還します。他にも多数のそれぞれの地域で信頼の厚いローカルDJたちが登壇を予定しています。

東北の美しい山々と湖に囲まれた沼尻高原は、日本百名山のひとつ安達太良山の麓に位置し、敷地内にある沼尻高原ロッジでは源泉かけ流しの温泉を楽しめるほか、フロアとのアクセスも良い場所で快適にキャンプを楽しんでいただける会場です。去年に引き続きレンタルテントやオートキャンプサイトもご用意しておりますので、キャンプ初心者の方やフェスに身軽に参加したい方はこちらをご利用ください。また会場近くには幾つかの提携宿があり、中ノ沢温泉エリアと会場間はシャトルバスを運行予定。会場へは車で都内から約3時間半程度、渋谷から出発するツアーバスは約4時間で会場へと到着します。

他にも、選りすぐりのフェス飯出店や地元の銘酒、クラフトビールを取り揃え、普段とは違った贅沢な音楽体験を楽しんでもらえるよう準備を進めています。都会の喧騒から離れて、大自然に囲まれた環境で楽しむ電子音楽の祭典で、今年もお会いしましょう。

その他の詳しい情報はruralオフィシャルサイトをご確認ください。

https://ruraljp.com/

interview with Mark Pritchard - ele-king

 リロードに “Peschi” という曲がある。カール・クレイグの影響下で生まれたとおぼしきそれは、直接90年代の音楽ムーヴメントを体験できなかった者にとって、遅れて生まれてしまったことの無念を永久に増幅させつづける、アンビエント風テクノの名曲のひとつだ。ゆえに後世のためにも、同曲が収められたリロード唯一のアルバム『A Collection of Short Stories』(1993)はぜひリイシューされてほしいところだけれど、マーク・プリチャード(とトム・ミドルトン)による豊かな創造性はその後、アンビエントとしてはグローバル・コミュニケイション『76:14』(1994)へと結実し、エレクトロとしてはジェダイ・ナイツの冒険をうながしてもいる。
 なんとか間に合った00年代以降の作品で個人的に気に入っているのは、うなる重低音とヒップホップ・ビートのなか絶妙に抑制された感傷がしぼり出される、ハーモニック313名義の『When Machines Exceed Human Intelligence』(2008)だ。もちろん、フューチャー・ジャズの動きに呼応したトラブルマン(2004)だったり、スティーヴ・スペイセックと組んでグライムやらフットワークやらを消化したアフリカ・ハイテック(2011)、あるいは再度フットワークやジャングルなどに挑んだ2013年の本名名義のシングル・シリーズなどなど、見すごすことのできない仕事はほかにもたくさんあるわけだけれど(ワイリーのプロデュースも忘るるなかれ)、そうしたディスコグラフィからはつねに時代の尖端に敏感なプロデューサーの姿が浮かび上がってくる。大局的に整理するなら、00年代後半から10年代前半にかけての彼はベース・ミュージックのよき理解者として位置づけられよう。
 そんなイメージを大胆に覆したのが前作、すなわち本名名義では初のアルバムとなった『Under the Sun』(2016)だ。極力ビートを排し、フォーキーなムードまで導入した美しくも不穏な同作は彼のキャリアにおけるひとつの転機といえるが、そこに招かれていたゲストのひとりこそトム・ヨークだった。かたやアンダーグラウンドのヴェテラン・エレクトロニック・プロデューサー、かたやアリーナ・ロック・バンドのフロントマン──。大きく立場の異なる両者による全面的なコラボレイションが、今回のアルバム『Tall Tales(ほら話)』である。

 エレクトロを崩したビートが耳をとらえて離さない “A Fake in a Faker’s World” にはじまる新作は、すでに2010年代につくられていたプリチャードによるいくつかのトラックをとっかかりに、ロックダウンのさなか何度もオンライン上でキャッチボールを重ねることで進められていったという。ベースの旋律と天へと召されそうな上モノとの対比が聴きどころの “Bugging Out Again” や、同様にベースラインが耳に残る “Back in the Game” などにはプリチャードの低音へのこだわりがよくあらわれている。チープな電子音やドラムマシンの素朴な反復が楽しめる “Gangsters” から “This Conversation is Missing Your Voice” へといたる流れも見過ごせない。アルバムはヴァラエティに富む一方で、幽玄なシンセ・ワークとヨークの声の存在感、そしてジョナサン・ザワダによる独特のヴィジュアルのおかげで不思議な統一感をまとってもいる。オルガンらしき音が聖性を演出する “The Men Who Dance in Stag’s Heads” ではだいぶ低いヴォーカルが披露されていて、ヨークのファンにとってもまた聴き逃すことのできない1枚といえるだろう。
 とまあそんな具合に、これまで発表してきたどのアルバムとも似ていない作品を完成させたマーク・プリチャード。彼にとって今回のプロジェクトはどのようなものだったのだろうか。

ぼくの普段の生活がロックダウンと似ていて、ここ12年はいつも地下室に閉じこもって自分の世界にいるからさ。だから引きこもるのに慣れていたという意味ではラッキーだった。

現在もお住まいはシドニーですか? 移住して何年目でしょう? もうシドニーが故郷のように感じられるくらいには時が経っていますか?

マーク・プリチャード(Mark Pritchard、以下MP):そうだね、こっちに来てもう20年になるよ。

今回のコラボ・アルバムは、あなたがトム・ヨークから乞われて、デモ・トラックを送ったところからスタートしたそうですね。つまり、もとのデモがつくられた時期は曲によってばらばらということでしょうか?

MP:大まかにここ10年くらいのいろんな時期につくったものだよ。いまtrack by trackをやっていてつくった時期を確認したんだけど、大多数が2016年から18年くらい、あとは19年のものもあって、2012年のものあるという感じだった。

いちばん古いものはいつごろのものでしたか?

MP:“Wandering Genie” と “A Fake in a Faker’s World” がたぶん2012年とか……どうだろう、2014年くらいだったかもしれないけど、とにかく、確認したときにこんなに前だったんだなって思ったよ。

あなたはこれまで幾人ものヴォーカリストやラッパーとコラボレイトしてきました。個人的にはスティーヴ・スペイセックとやったハーモニック313名義の曲 “Falling Away” がお気に入りです。トム・ヨークとは以前もいっしょに “Beautiful People” をつくっていますが、彼はこれまであなたがコラボしてきたほかの歌手やラッパーと、どう異なっていますか?

MP:全員ちがうからなあ。仕事の進め方にしても、雰囲気にしても、感じ方にしてもそれぞれ異なっていて、たとえばスティーヴ・スペイセックの場合、ちなみに彼はぼくと同じ年にオーストラリアに移ってきたんだよ。まったくの偶然だったんだけど。新たな場所で音楽の知り合いがいるっていうのは心強かったね。とにかく多くのすばらしいヴォーカリストと仕事をさせてもらっているっていうのはほんとうにラッキーだと思う。スティーヴのやり方は結構トムと似ているかもしれない。アプローチは違ったけど……スティーヴはスタジオでその場で歌詞を書いて歌ったんだ。一方今回のプロジェクトでのトムは、ぼくがトラックを送って彼がヴォーカルをやって送り返してきて、まあだから同じ場所にいるかいないかっていうちがいだけど。同じ部屋でやることの利点もあるし、でも自分の世界に入って求めるものをじっくり見つけたいひともいるから。ふたりの共通点はファルセットのシンガーである点。あとはふたりともすごく才能豊かで一緒に仕事がやりやすいところ。
 トムの場合は、まずいったん彼がつくってこちらに送ってきて、それから話し合う必要がある場合はZoomで話す感じだったね。当時はロックダウンの最中でしかもべつべつの国にいたから。なにかがうまくいっていないとか、なにが必要なのかとか。まあもしパンデミックがなかったら一緒にスタジオに入っていたかもしれないけど、でもトムは当時も複数のプロジェクトを抱えていたし、それにひとりで集中する時間も必要だからね。ひとによっては、気分がのらないとできないとか、心の準備が必要だとか。まあ千差万別だよ。邪魔されたり話しかけられたりせずに集中してやるほうがいいっていう場合もある。ある特定の状態に入って、ひとと話したり分析したりせず、まずはいったん形にするとかね。トムは間違いなくそのタイプだと思う。というかほとんどのひとがそうなんじゃないかな。ぼく自身もそうだし。一度つくって、そのあとで判断、精査するっていう。ちょっと寝かせたほうがよかったりもするしね。翌日になってあらためて聴いたほうがどれがうまくいってなくてどれがうまくいってるかより明らかになるから。トムは間違いなくそういうやり方を好むと思う。前に彼が言っていたけど、噴出するみたいに出てくるんだっていう、それがたくさん出てきて、そのあとに構成や秩序立てをするんだと。なかにはそのふたつの状態を素早く切り替えられるひともいる。ぼくもそういう創作モードから構成モードにすぐ切り替えられるひとに会ったことがあるけど、それが難しいってひともいるよね。

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トム・ヨークはメロディやリリックを書いて歌うだけでなく、サウンドを足してきたりもしたそうですね。そのプロセスのなかで、予想外で驚いたことやおもしろかったことがあれば教えてください。

MP:“Happy Days” という曲で、彼がピッチを変えて語るようなヴォーカルをやっているんだけど、それが60年代くらいのBBCの女性アナウンサーを思わせる感じで、おそらくペダルかなにかを使ってピッチとフォルマントを変えているんだけど、ほかの箇所ではリズミカルに語っていたり、あれはすごいなと思った。ああいうことをするためには、そのキャラクターにしっかり入り込んで、さらにはもしかしたらぜんぜんダメかもしれないというのを覚悟しなきゃいけないと思うから。ゴミになるかもしれないことを厭わずやるっていう、それってある程度自信がないとできないと思うんだ。
 あとは “The Men Who Dance in Stag’s Heads” と “The White Cliffs” の半分くらいは低い声で歌っていて、それも予想外だった。彼はそういう感じの歌い方をあまりやっていなかったと思うから……もちろんこれまでいろんな音域で歌ってきたけどね。個人的に好きな歌い方だったから嬉しかったんだ。じっさい「こういう歌い方ってそんなにやってないよね」って本人にも伝えたら彼も「いや、前からもっとやりたいと思っていたけど100パーセントの自信がなくて、でも技を見つけたんだ」と言っていて。それがすごくシンプルなトリックで、昔のレコーディングでよく使われたテープのスピードを変えるってやつだったんだけど、ヴォーカルにもほかの楽器でも使われていたもので。それでピッチが上がったり下がったりするっていう。ほんの半音変えることもあれば、もっと大きく変えることもできる。昔のテクニックだけどデジタルでも同じことができるんだよ。いまのツールにはそういう機能も備わっているんだ。

これは『Under the Sun』のあとにつづく作品という位置づけで、ただし今回は全曲ヴォーカルありでひとりのシンガーと組んで、スタイルや楽曲自体は多様だけどひとつの作品としての一体感を出そうとして。

今回、モジュラー・シンセやヴィンテージなアナログ・シンセサイザーが多く使われているそうですね。そうなったのはなぜですか?

MP:トムは最近のモジュラーを使っていて、Eurorackとかそんな感じのやつをかなり揃えていると思うけど、とにかく自分の声やメロディや歌詞に合う音質を追い求めて、おそらく彼は直感的にやっていたと思うし、ときにはエフェクトなしの自然な歌声のほうがいい場合はそのまま歌っていて。そうやっていつもとはちがう声の使い方をするっていうのは楽しむ方法のひとつでもあると思う。当時はザ・スマイルの初のアルバムをつくり終えたばかりで、そっちでヴォーカルをひとしきりやったあとに、また新たに12曲やらなきゃいけなかったわけだから。つまりは、曲に合う音質を探すのと、これまでにない声の使い方をするっていう、そういうチャレンジだったんじゃないかな。あれだけ長く歌ってきて、多くの作品をつくってきて、いかにおもしろがりつづけられるかっていう。それはぼくのシンセサイザーでもおなじことで、自分のものを使ったり、自分が持ってない古いシンセがたくさんあるスタジオに行ってレコーディングしたり、それはやっぱり、これまでとはちがうものをつくろうっていうことで。すごく多機能なやつも持っているけど、たまにはちがうことをやったほうがいい。習慣や手癖でつくるのをやめるっていうね。

パンデミック中に制作がはじまったこのアルバムには、あの時期の閉塞感や不安などがサウンドにあらわれていると思いますか?

MP:自分について言うと、パンデミック前に音楽はぜんぶ書いてあったからあまり影響はなかったと思う。それにぼくの普段の生活がロックダウンと似ていて、ここ12年はいつも地下室に閉じこもって自分の世界にいるからさ。だから引きこもるのに慣れていたという意味ではラッキーだった。家に閉じこもって外出できないのがすごくつらいっていうひともたくさん知っていたからさ。もちろん先行きがわからない不安やウイルスの怖さは感じていたけど、そういう部分でのつらさは比較的なかったんだよ。むしろあの時期にこういう大きめのプロジェクトがあってすごくよかったなと。これがなかったとしても音楽をつくっていただろうけど、あの時期にこのプロジェクトがあったことで目的と焦点が与えられたから。
 歌詞については、トムなら時代に反応するだろうという推測もできるけど、でもいくつかは、それ以前に書かれていてもおかしくないようなものだよね。おそらく彼はつねにアイディアを書き溜めているから、そこから引っ張ってきたのかもしれないし、いずれにしろロックダウンのことだけではないと思うよ。この曲はこういうことだろうなっていうぼくなりの解釈はあって、まあそれが正しいかどうかはわからないけどね。

ヴィジュアル・アーティストのジョナサン・ザワダとあなたはこれまでもコラボレイトを重ねてきました。現在公開されている曲のMVやアートワークは奇妙で不思議な感覚をもたらしますが、この「TALL TALES」のコンセプトはどういう経緯で生まれてきたのでしょうか?

MP:ほんとうに才能があるひとには完全な裁量権をもたせることが最善策だとわかっていたから、そうしたまでなんだ。この業界でよくあるのが「あなたの作品が大好きです。どうぞ好きなようにやってください」って言われて、じっさいやりたいようにやると「前の作品みたいな感じがよかった……」となるやつ。残念ながらよくある話なんだ。でもぼくは実際に好きなようにやってもらってそれをひたすら支持した。最初からそうだったし、『Under the Sun』でもそうで、でもそれはべつに難しいことじゃなかった。彼が送ってくるものはいつも「おお、すばらしい」っていうものだったから。
 それにひとつ学んだことがあって、彼が送ってくる映像で、すごく好きなものと、ピンとこないものがあっても、かならずしもそれを伝える必要はなくて、なぜなら彼のほうがぼくよりもよくわかっているから。じっさい、好きだけどピンと来てなかったやつが、最終的にはほかのよりも好きになっていることがよくあるんだよ。だから最初の印象でそれほど好きじゃなくても伝えなくていい。ほんとうは変える必要がないのに、変えたほうがいいかもしれないと思わせてしまったり、彼の邪魔をしてしまうかもしれないからね。とにかく時を経て互いを信頼するようになったということだと思う。フィードバックを求められれば感想を言うし、まあたいていの場合「最高、すごく好き、それやって」と言うだけだけどね。

「あのアルバムが最高だったから、またああいうのをやってよ」みたいな。「いや、またつくる必要はないだろ」と思う自分もいて。でもだからと言ってもうつくらないとは限らないというか。

あなたが音楽をはじめてから35年くらいは経っているかと思いますが、過去がなつかしくなったり、おなじことをやってみたくなったりしたことは、ぶっちゃけたところ、ありますか?

MP:いや、ないなあ。というかひとそれぞれ「この時代のこれが好き」っていうのがあって、それをもっとやってほしいっていうのは言われるけどね。「あのアルバムが最高だったから、またああいうのをやってよ」みたいな。それにたいしては「いや、もうあのアルバムつくったから、またつくる必要はないだろ」と思う自分もいて。ほかにもやりたいことはたくさんあるしさ。でもだからと言ってもうつくらないとは限らないというか。ただしやる場合は、超力作か、前とは少しちがうアプローチで挑むかのどちらかだと思う。たとえばアンビエント・ミュージックもこれまでさんざんつくってきたから、新たな方法を見つけなくちゃいけない。ふだんからかなりつくっているし、アンビエント曲は意図せず生まれてきたりもするけどね。でも少なくともおなじではないものにしたいし、すでにつくったアルバムをふたたびつくりたいとは思わない。あるいは、つくったことがあるからと言って二度とつくりたくないとはならないけど、しばらくはつくりたくないとは思うよね。とはいえ意図せずできてしまうこともあるわけで……クラブ・トラックをつくろうとしたらアンビエントができちゃったとか、その逆もあるだろうしさ。

これまであなたはかなり多くの名義やグループで活動してきました。音楽スタイルの幅もアンビエントからフットワーク、ジャングルまでじつに多様です。今回の共作は、シャフトやリロード、グローバル・コミュニケイションやリンクなどを含めたあなたのキャリア全体のなかで、どういう位置づけの作品になると思いますか?

MP:まあダンス・ミュージックの要素はないよね。今作は『Under the Sun』よりもドラムの分量が増えて、ぼくにとってはある意味ニューウェイヴ的というか。じつは何曲かで生のドラムを使うことも検討して、でも必要性が感じられなくてやめたけどね。そうだな、これは『Under the Sun』のあとにつづく作品という位置づけで、ただし今回は全曲ヴォーカルありでひとりのシンガーと組んで、スタイルや楽曲自体は多様だけどひとつの作品としての一体感を出そうとして、そこはシンガーがひとりだったから割と出しやすかったと思う。それからジョナサンの映像が作品の別ヴァージョンとしてあって、そこでも全体の印象を与えていて。それから今作は、つくった曲をいじるよりも曲をつくることに比重があった気がするね。これまでもほかのひとの全曲ヴォーカル曲のアルバムはプロデュースしたことがあったけど、自分自身の作品ではやったことがなかったから、いい挑戦だったんじゃないかな。『Under the Sun』とおなじような時期に書いた曲がいくつかあるから、おなじものではないけど、そこからの変化というか。今作のスタイルをうまく言語化する方法が見つからないんだよね。まあクラブ・ミュージックと非クラブ・ミュージックに分けるなら非クラブ・ミュージック(笑)。ひどい説明だけど、それ以上にいい説明が思いつかないんだよ。そして最近はまたクラブ系のものをつくっているんだ。

[おまけ]シドニーのエレクトロニック・ミュージックのシーンのアーティストたちとも交流はあるのでしょうか? チェックしておくべきひとがいたら教えてください。

MP:[インタヴュー後に以下のリストを送ってくれた]
・Straight Arrows(最近オーウェンと彼のスタジオで新しい音楽をつくってる)
・Peter Lenaerts
・Kirkis
・Jack Ladder
Hiatus Kaiyote
・Axi
・Tim Gruchy

MARK PRITCHARD & THOM YORKE
"TALL TALES"

トム・ヨークとマーク・プリチャードによる
コラボレーション・アルバム『TALL TALES』を
ジョナサン・ザワダが手がけた映像とともに
高音質で楽しめる特別上映イベント

5月8日:プレミア上映
5月9日~15日:ロードショー上映

東京 ヒューマントラストシネマ渋谷
大阪 テアトル梅田

会場ではアルバムの先行発売および
スペシャル・グッズの販売も決定!

アルバムは5月9日発売

レディオヘッド、ザ・スマイルのフロントマンであるトム・ヨークと、エレクトロニック・ミュージック界の先駆的プロデューサー、マーク・プリチャードが初のコラボレーション・アルバム『Tall Tales』(5月9日発売) をリリースするのにともない、5月8日より世界各地の映画館で特別上映イベントを開催する。トム・ヨークとマーク・プリチャードによるアルバムと、ジョナサン・ザワダの映像作品を映画館で高音質で体験できる特別な機会となる。
日本では、5月8日にアルバムのリリースに先駆けてプレミア上映を行い、5月9日から5月15日まで連日ロードショー上映が予定されている。
会場となる映画館は、東京がヒューマントラストシネマ渋谷、大阪がテアトル梅田となり、いずれも映画の魅力を最大限引き出すため専用に開発されたカスタムメイドのスピーカーシステムを導入したodessaシアターでの上映となる。
上映会場では、アルバム『Tall Tales』のCDやLPを日本最速で購入できるのに加え、今作のオリジナルデザインのTシャツ、スウェット、トランプ、ポスターがそれぞれ数量限定で販売される。

【Tシャツ / スウェット / トランプ】

Tall Tales Parade Logo T-shirt - Grey Heather (税込¥6,380)

Tall Tales Octopus Logo Sweatshirt - Navy (税込¥11,000)

Tall Tales Playing Cards (税込¥2,860)

Tall Tales Poster (Bird/Lighthouse/Skeleton) (各税込¥2,750)

作品名: TALL TALES
監督:ジョナサン・ザワダ 音楽:トム・ヨーク/マーク・プリチャード
2025年/アメリカ/64分/DCP/字幕なし

日時: プレミア上映:5月8日 (木) / ロードショー上映:5月9日(金)~5月15日(木)

入場料: 2000円均一
※各種割引・招待券・無料券使用不可
※チケット販売のスケジュール等は決まり次第、劇場HPにてお知らせいたします。

場所:
東京 - ヒューマントラストシネマ渋谷・odessaシアター1
〒150-0002東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocotiビル8F

大阪 - テアトル梅田・odessaシネマ1
〒531-6003 大阪府大阪市北区大淀中1-1-88 梅田スカイビルタワーイースト3F

上映イベント詳細: https://www.beatink.com/tall-tales/
問い合わせ先:BEATINK [info@beatink.com]

本作のヴィジュアル面を担当したジョナサン・ザワダは、二人にとって、3人目のメンバーとも言える存在だ。アナログとデジタル技術を融合させた独特のアートワークは、コーチェラ・フェスティバルやデュア・リパ、アヴァランチーズ、ロイクソップ、フルームらとのコラボレーションでも知られている。ザワダは本作の監督、アニメーション、編集を手掛け、圧倒的でハイパーリアルなヴィジュアル体験を生み出した。

この革新的な映像作品は、音楽の進化と並行して数年間かけて制作され、美しい自然とディストピア的な世界観の対比が際立つ作品となった。トム・ヨークの歌詞、マーク・プリチャードの先進的プロダクション、そしてザワダの映像美を通じて、『Tall Tales』は人類の尽きることのない「進歩」への渇望が、いったいどこへ辿り着くのかを問いかける。長い年月をかけて生み出されたこの作品は、まさに今、この時代にこそふさわしい預言的な映画体験となっている。

『Tall Tales』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=8mFe9znS9hI

上映会に来場した方にはジョナサン・ザワダが制作・デザインを手掛けた限定ZINEが配布される。このZINEでは、映画とアルバムに込められたコンセプトやインスピレーションを独自の視点で掘り下げている。今回のイベント発表に合わせて、そのZINEの一部が公開され、『考える人』の彫刻盗難事件 について考察した記事を読むことができる。
※入場者特典のZIENは数量限定、配布方法は決定次第劇場HPでお知らせいたします。

入場者特典:ZINE

近年はソロ作品やザ・スマイルの活動で注目され、昨年は全8公演SOLD OUTとなったジャパンツアーを含むソロ・ツアーも話題を集めたレディオヘッドのトム・ヨーク。重層的な構造でリッチなテクスチャーを持つ本作『Tall Tales』は、トム・ヨークにとって〈Warp〉からの初リリース作品となる。

マーク・プリチャードは、言わずと知れたエレクトロニックミュージックの重鎮であり、リロード (Reload) やリンク (Link)、そしてアンビエントテクノの傑作『76:14』を生んだトム・ミドルトンとのユニット、グローバル・コミュニケーションなどのプロジェクトで知られる。2011年にレディオヘッドの楽曲「Bloom」の2つのリミックスを発表した他、エイフェックス・ツインやデペッシュ・モード、PJ ハーヴェイ、スロウダイヴなどのリミックスも手掛け、多彩なスタイルと多様な名義で活動を展開してきた。

本作では、マーク・プリチャードがシンセサイザーのアーカイブから発掘した古い機材を駆使し、予測不能かつ実験的な音楽を完成させ、トム・ヨークはダークで内省的なストーリーテリングを織り交ぜながら、幽玄かつ壮大なボーカルパフォーマンスを披露している。

トム・ヨークとマーク・プリチャードによる初のコラボレーション・アルバム『Tall Tales』は、5月9日 (金) 世界同時リリース。国内盤CDは、日本限定の特殊パッケージ・高音質UHQCD仕様となり、ボーナストラックが追加収録され、解説書と歌詞対訳が封入される。その他、通常盤LP(ブラック・ヴァイナル)、スペシャル・エディションLP (ブラック・ヴァイナル/36Pブックレット付き/ハードカーバー仕様) 、スペシャル・エディションCD、デジタル/ストリーミングでリリースされる。スペシャル・エディションLPは、数量限定の日本語帯付き仕様 (歌詞対訳・解説書付)でも発売される。さらに、国内盤CDと日本語帯付き仕様盤スペシャル・エディションLPは、Tシャツ付きセットも発売決定。
国内盤CDと国内盤CD+Tシャツを対象にタワーレコードではコースター(デラックス・ジャケットVer)、Amazonではマグネット(デラックス・ジャケットVer)、それ以外のレコードショップではコースター(スタンダード・ジャケットVer)、ディスクユニオンでは全フォーマットを対象にマグネット(スタンダード・ジャケットVer)が先着特典となる。

Amazon 特典:
マグネット(絵柄:デラックス・ジャケットVer)

ディスクユニオン特典:マグネット(絵柄:スタンダード・ジャケットVer)

タワーレコード特典:
コースター(絵柄:デラックス・ジャケットVer)

その他法人特典:
コースター(絵柄:スタンダード・ジャケットVer)

label : Warp Records
artist : Mark Pritchard & Thom Yorke
Title:Tall Tales
release:2025.05.09
商品ページ: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=14797
配信リンク: http://warp.net/talltales
Tracklist:
01. A Fake in a Faker’s World
02. Ice Shelf
03. Bugging Out Again
04. Back in the Game
05. The White Cliffs
06. The Spirit
07. Gangsters
08. This Conversation is Missing Your Voice
09. Tall Tales
10. Happy Days
11. The Men Who Dance in Stag’s Heads
12. Wandering Genie
13. Ice shelf (Original Instrumental) *Bonus track

CD+Tシャツセット

LP+Tシャツセット

国内盤CD

輸入盤CD

限定盤LP

LP

型破りの夜 - ele-king

 今年の2月のことである。Zoh Ambaはニューヨーク、ブルックリンの外れ──場所は〈Owl Music Parlor〉で演奏した。開演前、彼女と目が合った瞬間、なにかに見透かされたような気がして、私は思わず笑ってしまった。彼女は一言の躊躇もなく近づいてきて、「Zoh」と名乗った。短く、はっきりと。
 私は東京の音楽メディアで記事を書いていると告げ、編集者から「ぜひ彼女を見てくるように」と言われたことを伝えた。彼女はふっと笑い、少し首を傾けて言った。「サックスで知ったんだろうね」。その言い方には苛立ちと諦め、そしてある種の共感が同居していた。

 たしかに、彼女はサックス奏者だ。自由奔放で、制御不能で、神懸かりのように音を爆発させる──そんなZoh Ambaを私は想像していた。でもその夜、彼女が抱えていたのは、自分の身の丈ほどもあるアコースティック・ギターだった。楽器は違えど、そこにいたのはやはりZohだった。存在感は変わらない。むしろ、より剥き出しで鋭かった。
 オープニングはJohn Roseboro。バンドはなし。ギター一本と声。〈Owl〉の温かい照明の下で、彼のポスト・ボサノヴァ的なプレイが場をやわらかく包み込んでいく。彼の曲は短くて、静かで、驚くほど美しかった。なかでも“How to Pray”と“80 Summers”は、夜にふっと差し込む灯のようで、気がつけば私は、自分の呼吸が浅くなっているのを感じていた。彼は予定よりずっと長くステージに立ち続けた。ついにマイクに向かって尋ねる。「Zoh、もう来る? それとも、僕がもう少し?」
 Zohがステージに現れると、場の空気は瞬時に変わった。ギター、ベース、ドラム──トリオ編成。Zohはストラップをかけ、ギターの弦を強く弾き、叫ぶように歌った。黒のアイライナー、剃り上げた頭。まるで何かを拒絶するかのように。演奏されたのはすべてオリジナル。つい最近、友人と意見がぶつかったことから生まれた曲もあるという。コードは驚くほど単純で、しかし誠実だった。歌詞は詩のようで、“Give Me A Call”や“Child You’ll See”には、彼女の生き方そのものがにじみ出ていた。
 その夜のZoh Ambaは、アメリカーナの風景をまとっていた。ジョン・フェイヒーを思わせるギター、だがそこにはパンクの残響もある。言葉はまっすぐで、ときに観客にも突き刺さった。演奏の途中、席を立った数人に向かって、彼女は軽やかに皮肉った。「おやすみなさい。一番いいところを聴き逃しますね」

 彼女の歌声はときに外れた。ピッチも怪しい。でもそれは、不思議と心地よかった。侘び寂び、とでも言うべきか。不完全なものが持つ美しさ──それは、いまのアメリカでは失われつつある美学だ。ポップスターたちは、すべてをオートチューンに通し、25人のプロデューサーの手を経て完成品を届ける。2024年の選挙以降、シリコンバレーの影はさらに濃くなり、カルチャーさえも制御下に置かれていく。だがZoh AmbaとJohn Roseboroは、そんな回路を一切拒否していた。オートチューンもエフェクトもない。ただ楽器と声。アンプを少しだけ通して、それだけ。彼らはただ、そのままでここにいた。

 Zohはテネシーの山中で育った。森のなかでサックスを吹いていたという。バンジョーとアコースティック・ギター、アパラチアとスモーキー・マウンテン。彼女のルーツには、アメリカの本当の田舎がある。その風景は、2016年以降、政治的に嘲笑の的となってきた。“赤い州”──トランプ支持層──“アメリカの恥”。Zohの出自は、いまやアメリカでもっとも安全に非難できる対象に重なっている。

 それでも彼女は、その土地の音を否定しない。いや、むしろ正面から受け入れている。サックスを置き、ギターを選んだこと──それはただの音楽的選択ではなく、一種の声明だった。民謡的(フォーキー)な、政治の影をかいくぐるような、素朴で誠実な音。そこには、語られぬ抵抗のニュアンスがあった。演奏は政治的スローガンを掲げることもなかった。だがZohの音楽は、彼女自身のルーツをまっすぐに、誰にも媚びることなく肯定していた。

 そう、これはポスト政治でも無政治でもない。むしろ逆だ。彼女の音楽は、あまりに政治的になりすぎたこの国の風景に、あえて何も語らず立ち向かっていた。それはまるで、すべてを語り尽くした後の沈黙のように、重たく、美しかった。

最後にもう一度、彼女の言葉を──
 「そんな小さな心を抱えないで
  上からの声なんか気にしないで
  彷徨いなさい、子よ、君の住処を
  心がすべてを抱えているのだから」

Zoh Ambaは、どんなジャンルにも収まらない。どんな言葉でも彼女を定義できない。ギターを弾こうが、サックスを吹こうが、それは変わらない。〈Owl Music Parlor〉での夜は、そのことを静かに、しかし強く証明していた。

Outside the Box: An Evening with Zoh Amba on Acoustic Guitar
by Jillian Marshall

Zoh Amba performed at the Owl Music Parlor in Brooklyn, New York this February. The musician and I made eye-contact before the show started, and she immediately introduced herself to me. I told her I write for a music magazine in Tokyo, and that my editor recommended that I see check her out. She shook her head in a mix of what seemed to be frustration and understanding, and said that he must know her from her work on saxophone. She was right, although at The Owl she was playing guitar: an instrument nearly as tall as her. But this isn’t to say that she didn’t have a large presence. From that first interaction to the hug she gave me after the show as I was leaving, I was impressed with her honest, no-nonsense attitude that — yes— has defined her both sound as a free-jazz tenor saxophonist and her work on guitar.
Fellow guitarist John Roseboro opened for her, playing solo without his usual backing jazz combo. His beautiful post-Bossa Nova playing and singing cast a gentle glow over The Owl’s cozy atmosphere, and his original pieces (like the stunningly gorgeous “How to Pray” and “80 Summers”) were like delicious little lullabies. Zoh Amba was set to play forty five minutes later, but after an hour of playing John asked into his microphone: “Zoh, when are you coming on? Should I keep playing?”
When Zoh did come on, the established mood gave way to something more charged. Playing in a trio with a bassist and a drummer, Zoh strummed and picked her acoustic guitar while belting into the microphone with her signature black eye-liner and shaved head. Her set was comprised of all originals, some nearly brand new— like one, she explained, that was inspired by disagreement with a friend from just a few weeks prior. The chords were simple and beautiful, and her lyrics (like on “Give Me A Call” and “Child You’ll See”) were poetic homages to authentic living. Although her sound on guitar that night was very folksy — sounding at times like American roots guitarist John Fahey — it retained an avant-garde, anti-establishment, punk- adjacent sensibility... especially since she playfully heckled a few people who got up to leave in the middle of her performance: “Hey, have a good night, but you’re missing out on the best part!”
Perhaps it’s because of her performance’s rawness. At times, her singing was pitchy and even out of tune, yet it was undeniably pretty in a wabi-sabi sort of way. There’s something refreshing— and perhaps even resistance-coded — about human beings making music with instruments and real, unfiltered voices. This is particularly true in today’s America (and world), where pop stars run everything through auto-tune as per the direction of twenty-five producers in a studio, and the presence of tech oligarchs has looms larger than ever since the 2024 election. But Zoh Amba and her guitar (as well as John Roseboro, for that matter) have no such meddling: no autotune, no production affects, no mediation besides some light amplification. They simply show up, and grace the audience with their pure artistry.
Zoh Amba grew up in the mountains of Tennessee, and is famously quoted as saying that she practiced her tenor saxophone in the woods. The thing about Tennessee— a rural state famous for the Appalachian and Smokey Mountain Ranges, as well as American folk music with its banjos and acoustic guitars— is that it’s also a red (republican-leaning) state. Americans associate red states, particularly since Trump’s first election in 2016 when the US’s political divide became officially cataclysmic, with backwater hicks: bad, racist white people who are responsible for America’s political embarrassments. And as I’ve written before, this is the one group in America it remains entirely politically correct (or perhaps even encouraged) to rip apart.

So Zoh Amba putting down the saxophone and picking up the guitar— something she seemed adamant about defending when we chatted before the show— seems somehow political to me. The music she played at The Owl Music Cafe wasn’t necessarily revolutionary in the way of her free jazz on saxophone. But its simplicity, and the authenticity with which she played, were both stirring and provoking. Although her set didn’t reference contemporary American politics or the ways in which rural America is disenfranchised, her set at The Owl Music Parlor seemed like an expression of her heritage: a celebration of those pre-political, beautiful, natural aspects of American folklore, complicated though Americana may be. Ultimately, her set reminded me of how important it is to remember that government is not representative of people, of heart, of culture. As she sang out on “Child You’ll See”, “To carry around such a little mind / Don’t listen to those folks above, just wander child in your abode / The heart is the center, it holds it all.”
Zoh Amba can’t be put in a box, no matter what she plays. Her show at The Owl Music Parlor was a testament to that.

Actress - ele-king

 アクトレスは2022年以降、キャリア15年目のアーティストとしては意外なほどリリースのペースを加速させている。世のなかの移ろいゆく情勢や経済状況に追いつけず、レーダーから姿を消してしまうアーティストは珍しくない。パンデミックが多くのアーティストが自身のキャリアにおける2〜3年の空白期間を省略するきっかけとなったのだろうか?  あるいは、それはInstagram的で過剰な情報社会への反応なのだろうか? アーティストは、もちろんアーティストとしてあるべきであり、彼らがどのようなキャリアパスや表現のフィールドを選ぶにしても、私たちはその作品をまずは恐れや偏見なく受け止めるべきなのだ。
 インスピレーションや創造性には、経済状況における「量と質の呪い」が関わっている。果たして、「少ないこと」は本当に「より多く」や「より良いマーケティング」に繋がるのか?  頻繁なリリースは編集的フィルターの欠如の表れなのだろうか? もし4年待って34曲入りのアルバムが出たとして、果たして誰かが全曲をちゃんと聴くだろうか? そんな問いの数々に明確な答えはない。
 そうした葛藤の最中に、アクトレスはわずか1ヶ月のあいだに2つの作品をリリースした。「量と質」を比較検証してみよう。

 まずはその1枚、『Grey Interiors』(Smalltown Supersound)。これはActual Objectsとのコラボで「ベルリナーフェストシュピーレのインスタレーション作品として制作された」1トラック構成のアンビエント作品だ。
 2枚目は、『Tranzkript 1』(Modern Obscure Music)という4曲入りのEP。

 アクトレスのアンビエント色が増す最近の作品群は、若かりし頃の彼がレコードでやることを恐れていた領域——すなわち、自らの多様な感情に深く潜り込み、定型的な繰り返しから解放され、トラックに人間味ある呼吸を与える——へと踏み出している。彼のライヴを観たことがある幸運な人ならわかると思うが、最近の彼のアンビエントに対するスタンスは、彼のライヴ・セットに近く、従来の6分以内の楽曲が多いアルバム群はどちらかといえば風景スケッチ的だった。それゆえ、ライヴを体験したことのないファンには、これらの長尺トラックが単なる高慢な実験のように見えるかもしれない。

 『Grey Interiors』は、彼のディスコグラフィーのなかでももっとも尖った作品とは言えないが、2024年の『Дарен Дж. Каннінгем』に続き、確実により冒険的な作品のひとつである。他のアンビエント系アーティストの作品に似た響きを持っているかもしれない。しかし、成長とは、開花して初めて明らかになるものだ。その途中の過程は評価されず、結果だけが見られる——それは実に残念なことだ。
 20分間にわたって『Grey Interiors』は、柔らかく曖昧なシンセの層に支えられながら、浮遊する雲の上へと上昇していく。そこにはアクトレスらしいインダストリアルな美学を象徴する、機械的で独特な緊張感が常に流れている。繰り返される機械音が互いに語り合い、やがて全体の会話そのものへと変化していくなか、突然クラブ・ビートが介入し、ブレイクビーツのような親しみのある感触を呼び起こす。そうしてアンビエントからは脱し、緊張感もやわらぎ、まるでバレエを見ているような感覚に包まれて終わる。

 一方、『Tranzkript 1』は、これまでの作品と同様の音的領域に存在している。各トラックは短く、捻れたアンビエント・メロディがぶつかり合いながら、より簡潔に展開していく。たとえば“Kjj_”や“Guardians”などの曲は、まるで宇宙飛行士が地球を見下ろしながら帰還について考え、カプチーノを飲んでいるようなSF映画を思わせる心地よさがある。『Tranzkript 1』は、巨大な芸術的声明ではないが、深い思索や内省に浸るための心地よい一滴だ。

 長く続くムードのうねりであれ、アヴァンギャルドな短編小説のようにミニマルな音にスポットライトを当てたものであれ、アクトレスが音を通じて聴覚の楽しみに捧げる献身こそが、「質と量の両立は可能である」という議論において彼を勝者たらしめている。そしてそれは、ありがたいことに本当なのだ。


Actress’s pace in releases since 2022 has accelerated much faster than one would expect for an artist 15 years in. Falling off the radar is a common trend with artists sometimes not able to keep up with the progressive and economic state of the evolving world. Was the pandemic an impetus for forgoing the 2 to 3 year hiatus that many artists including himself steer their careers by? Or more of a reaction to our hyper Instagram information culture? Artists should be artists, of course and the course they decide to take in their career trajectory and field of expression should be allowed and accepted without fear or prejudice so that the well of their artistry can overflow.

The pain of inspiration and creativity in the world economy derives from the curse of quantity vs quality. Is less really more and better for marketing? Are frequent releases a sign of lack of an editorial filter? If I wait 4 years for a new album of 34 tracks, does anyone actually listen to all the tracks? Questions upon questions are not easy to answer. In the middle of this ongoing dilemma, Actress has released not one but two releases within one month. So now the quantity vs quality can now be tested.

First is Grey Interiors (Smalltown Supersound), a one track ambient track made “as an installation piece for the Berliner Festspiele” with Actual Objects. The second, a four track ep, Tranzkript 1 (Modern Obscure Music).

Actress’s growing ambient tinged work does what the younger artist was more afraid to do on record ; dig deeper into his many moods, break away from formulaic repetition and let the track breathe more humanly. If you have had the luck to see Actress live, then you know that his current headspace with ambient music is closer to his live set whereas his many albums of cuts, mostly under 6 minutes, are closer to scenic sketches. Those of his fans without the pleasure though may view these longer tracks as just vein experiments.

Grey Interiors isn’t the edgiest Actress album of his discography but it is definitely one of the more adventurous ones following in line with 2024`s Дарен Дж. Каннінгем. It may be reminiscent to other ambient releases by other artists in tenor. But growth isn’t clear until it’s finished flowering. The in between process isn’t valued. Only the result and that is a shame.

In 20 minutes, Grey Interiors ascends above floating clouds supported by soft, amorphous plushy synths continuous under an underlying mechanical distinctive tension typical of Actress`s industrial ethos. Machine repetitions that grow to talk more to each other eventually becoming the total conversation before a club beat interferes with mild breakbeat familiarity. No longer ambient, the remaining edge of anticipation is relieved leaving with a feeling of watching a ballet.

Tranzkript 1 (Modern Obscure Music) exists on more familiar sonic territory along with previous releases. Briefer in track length, more concise with off-kilter ambient melodies colliding into each other like the track Kjj_ or Guardians, which pleasantly reminds me of a sci-fi film where astronauts are above the earth contemplating return while sipping cappuccinos. Tranzkript 1 isn`t a giant artistic statement but rather a pleasant dip into deep thoughts and ruminations.

Whether elongated mood swings or spot light focused on minimal sound a la avant garde short stories, Actress`s dedication to aural enjoyment means he wins the argument of quality / quantity showing thankfully you can have both.

Bruce Springsteen - ele-king

 この度、ブルース・スプリングスティーンの通称「失われたアルバム」がリリースされることになった。アナログでは9枚組、CDとしては7枚組のセットで発売されるこのコレクションは、1983年から2018年のあいだに録音された7枚のフル・アルバム(計82曲)を網羅しているという。
 これらのアルバムは、いちどは録音されたものの最終的にリリースされることがなかった作品で、その多くは90年代に制作された音源になる。スプリングスティーンはパンデミック中にこれら「失われたアルバム」を見直し、「失われた90年代」というこれまでの見解を払拭するためにリリースを決意したと明かしているが、まあなんといっても注目は、あの暗い傑作『ネブラスカ』と『ボーン・イン・ザ・USA』のあいだの試行錯誤が記録された『LA Garage Sessions '83』を筆頭に、1993年の『Streets Of Philadelphia Sessions』、E ストリート・バンドをフィーチャーしたカントリー ・アルバム『Somewhere North Of Nashville』あたりだろうけれど、木津毅のようなコア・ファンには、2019 年のアルバム『Western Stars』への架け橋であった『Twilight Hour』や映画のサウンドトラックとして制作された『Faithless』も聴きたかったに違いない。なにせこれらは当初、アルバム作品として録音されていたものなのだ。(つまり、たんなる未発表の寄せ集めではない)
 ちなみにこのボックスのなかで、アルバムとして考えられていなかった唯一の作品は『Perfect World』だとスプリングスティーンは明かしている。
 『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』は6月27日にソニーよりリリース。また、ボックスから20曲を抜粋したハイライト集『ロスト・アンド・ファウンド:セレクションズ・フロム・ザ・ロスト・アルバムズ』(1CD/2LP)も同時リリースされる。

 今年2025年はBorn To Run 50周年。そして4月には初来日公演から40周年(初日は1985年4月10日代々木オリンピック・プール)を迎えるブルース・スプリングスティーン。その記念すべき年に、遂に1998年に発表された未発表曲集『トラックス』の第二弾が発売されることが決定した。



 6月27日に発売となる『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』には、1983年から2018年までの35年間で、制作されながらもこれまで世に出ることはなかった「完全未発表アルバム」7枚を収録。“失われたアルバム”7枚には全83曲(82曲の未発表トラック+アルバム未収録ヴァージョン1曲)が収められ、それぞれのアルバムごとに特色あるパッケージングが施されている。アーカイヴからのレアな写真、エッセイストのエリック・フラニガンによる“失われたアルバム”各タイトルについてのライナーノーツ、そしてスプリングスティーン本人自らこのプロジェクトの紹介を収録した、100ページにも及ぶ「布装豪華ハードカバー本」とともに、マスターテープを模した超豪華ボックスに収納。内容もパッケージも前代未聞の歴史的コレクターズ・アイテムとなる。超豪華ボックス・セットはファースト・プレスのみ。日本盤は輸入盤国内仕様で2000セット限定。日本版ブックレットには五十嵐正氏によるハードカバー本の完全翻訳と日本版ライナーノーツ、そして三浦久による全曲対訳と訳者ノートを収録。「失われたアルバム」を紐解く充実した内容になる。

https://brucespringsteen.lnk.to/TLATrailerPR

「やりたい時にはいつでも自宅で録音できる環境のおかげで、幅広い様々な音楽的方向性に入り込めた」とスプリングスティーンが説明する「完全未発表アルバム」7枚の内容は、『ネブラスカ』と『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』を繋ぐ重要なリンクとしてローファイ・サウンドを探求した『LAガレージ・セッションズ’83』、グラミー賞、アカデミー賞を受賞、ドラム・ループやシンセサイザーのサウンドに挑戦した『ストリーツ・オブ・フィラデルフィア・セッションズ』、未完の映画のサウンドトラック作品『フェイスレス』、ペダル・スティールを擁する小編成のカントリー・バンド編成の『サムウェア・ノース・オブ・ナッシュヴィル』、国境の物語を豊かに織りなす『イニョー』、オーケストラ主導の20世紀半ばのフィルム・ノワールを彷彿させる『トワイライト・アワーズ』、アリーナにおあつらえ向きなEストリート・テイスト満載の『パーフェクト・ワールド』。この7枚のアルバムは、その音楽の世界を広げてきたスプリングスティーンのキャリアの年表に豊かな章を書き入れ、今まで知られていなかった側面や、ジャンルを超えた多才ぶりも魅せつけてくれる。

 ボックスからの第一弾シングルは「レイン・イン・ザ・リヴァー」。“失われたアルバム”の中の7枚目『パーフェクト・ワールド』に収録されている。
 https://brucespringsteen.lnk.to/RITRPR
 
 スプリングスティーンはアルバムの主題は何かということによって曲を選択していくため、彼自身が気に入っている曲も含め、リリースされずじまいの曲がアルバム何枚分も存在していると言われてきたが、今回遂にその全貌が明らかになる。なぜこの曲が世に出ていなかったのか?と不思議なくらいのクォリティの高い楽曲が詰め込まれ、通常のアーティストの未発表集のようなものとは一線を画す、彼が辿ってきた道をもう一度別の道で辿る、歴史的な作品集といえるだろう。『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』は限定7枚組CDボックス(日本は2000セット限定)、9枚組LPボックス(輸入盤のみ)、デジタル版の各フォーマットで発売される。

 また、未発表ボックス・セットから選りすぐりの20曲を収録したハイライト盤『ロスト・アンド・ファウンド:セレクションズ・フロム・ザ・ロスト・アルバムズ』は1CD(日本盤は高品質BSCD2)、2LP(輸入盤のみ)で同じく6月27日に発売となる。

 『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』は、プロデューサーのジョン・ランダウ監修のもと、プロデューサーのロン・アニエッロとエンジニアのロブ・レブレーと共に、スプリングスティーンがニュージャージー州のスリル・ヒル・レコーディング(自宅スタジオ)にて編集した。

ブルース・スプリングスティーン
『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』
Bruce Springsteen / Tracks II : The Lost Albums

2025年6月27日 (金)発売予定 【2000セット限定】
完全生産限定盤 輸入盤国内仕様(詳細な日本版ブックレット付) 
SICP-31767〜73(7CD超豪華ボックス・セット) 税込:¥35,750 (税抜:¥32,500)
ブルース・スプリングスティーン本人とエリック・フラナガンによるライナーノーツ/布装豪華ハードカバー本封入/英文ブックレット翻訳&日本版ライナーノーツ:五十嵐正/対訳&訳者ノート:三浦久
(*9LP BOX:輸入盤で発売)

<収録曲>
DISC1 : 『LA Garage Sessions ’83/LAガレージ・セッションズ‘83』 
1. Follow That Dream/フォロー・ザット・ドリーム
2. Don’t Back Down On Our Love/ドント・バック・ダウン・オン・アワー・ラヴ
3. Little Girl Like You/リトル・ガール・ライク・ユー
4. Johnny Bye Bye/ジョニー・バイ・バイ
5. Sugarland/シュガーランド
6. Seven Tears/セヴン・ティアーズ
7. Fugitive’s Dream/フュージティヴズ・ドリーム
8. Black Mountain Ballad/ブラック・マウンテン・バラード
9. Jim Deer/ジム・ディアー
10. County Fair/カウンティ・フェア
11. My Hometown/マイ・ホームタウン
12. One Love/ワン・ラヴ
13. Don’t Back Down/ドント・バック・ダウン
14. Richfield Whistle/リッチフィールド・ホイッスル
15. The Klansman/ザ・クランズマン
16. Unsatisfied Heart/アンサティスファイド・ハート
17. Shut Out The Light/シャット・アウト・ザ・ライト
18. Fugitive’s Dream (Ballad)/フュージティヴズ・ドリーム(バラード)

DISC2 : 『Streets of Philadelphia Sessions/ストリーツ・オブ・フィラデルフィア・セッションズ』
1. Blind Spot/ブラインド・スポット
2. Maybe I Don’t Know You/メイビー・アイ・ドント・ノウ・ユー
3. Something In The Well /サムシング・イン・ザ・ウェル
4. Waiting On The End Of The World/ウェイティング・オン・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド
5. The Little Things/ザ・リトル・シングズ
6. We Fell Down/ウィー・フェル・ダウン
7. One Beautiful Morning/ワン・ビューティフル・モーニング
8. Between Heaven and Earth/ビトウィーン・ヘヴン・アンド・アース
9. Secret Garden /シークレット・ガーデン
10. The Farewell Party/ザ・フェアウェル・パーティ

DISC3 : 『Faithless/フェイスレス』
1. The Desert (Instrumental)/ザ・デザート(インストゥルメンタル)
2. Where You Goin’, Where You From/ウェア・ユー・ゴーイン、ウェア・ユー・フロム
3. Faithless/フェイスレス
4. All God’s Children/オール・ゴッズ・チルドレン
5. A Prayer By The River (Instrumental)/ア・プレイヤー・バイ・ザ・リヴァー(インストゥルメンタル)
6. God Sent You/ゴッド・セント・ユー
7. Goin’ To California/ゴーイン・トゥ・カリフォルニア
8. The Western Sea (Instrumental)/ザ・ウェスタン・シー(インストゥルメンタル)
9. My Master’s Hand/マイ・マスターズ・ハンド
10. Let Me Ride/レット・ミー・ライド
11. My Master’s Hand (Theme)/マイ・マスターズ・ハンド(テーマ)

DISC4 : 『Somewhere North of Nashville/サムウェア・ノース・オブ・ナッシュヴィル』
1. Repo Man/リーポ・マン
2. Tiger Rose/タイガー・ローズ
3. Poor Side of Town/プア・サイド・オブ・タウン
4. Delivery Man/デリバリー・マン
5. Under A Big Sky/アンダー・ア・ビッグ・スカイ
6. Detail Man/ディテール・マン
7. Silver Mountain/シルバー・マウンテン
8. Janey Don’t You Lose Heart/ジェイニー・ドント・ユー・ルーズ・ハート
9. You’re Gonna Miss Me When I’m Gone/ユア・ゴナ・ミス・ミー・ウェン・アイム・ゴーン
10. Stand On It/スタンド・オン・イット
11. Blue Highway/ブルー・ハイウェイ
12. Somewhere North of Nashville/サムウェア・ノース・オブ・ナッシュヴィル

DISC5 : 『Inyo/イニョー』
1. Inyo/イニョー
2. Indian Town/インディアン・タウン
3. Adelita/アデリータ
4. The Aztec Dance/ジ・アズテック・ダンス
5. The Lost Charro/ザ・ロスト・チャロ
6. Our Lady of Monroe/アワー・レディー・オブ・モンロー
7. El Jardinero (Upon the Death of Ramona)/エル・ハルディネロ(アポン・ザ・デス・オブ・ラモーナ)
8. One False Move/ワン・フォルス・ムーヴ
9. Ciudad Juarez /シウダー・フアレス
10. When I Build My Beautiful House/ウェン・アイ・ビルド・マイ・ビューティフル・ハウス

DISC6 : 『Twilight Hours/トワイライト・アワーズ』
1. Sunday Love/サンデー・ラヴ
2. Late in the Evening/レイト・イン・ジ・イヴニング
3. Two of Us/トゥー・オブ・アス
4. Lonely Town/ロンリー・タウン
5. September Kisses/セプテンバー・キッシズ
6. Twilight Hours /トワイライト・アワーズ
7. I’ll Stand By You/アイル・スタンド・バイ・ユー
8. High Sierra/ハイ・シエラ
9. Sunliner/サンライナー
10. Another You/アナザー・ユー
11. Dinner at Eight/ディナー・アット・エイト
12. Follow The Sun/フォロー・ザ・サン

DISC7 : 『Perfect World/パーフェクト・ワールド』
1. I’m Not Sleeping/アイム・ノット・スリーピング
2. Idiot’s Delight/イディオッツ・ディライト
3. Another Thin Line/アナザー・シン・ライン
4. The Great Depression/ザ・グレイト・ディプレッション
5. Blind Man/ブラインド・マン
6. Rain In The River/レイン・イン・ザ・リヴァー
7. If I Could Only Be Your Lover/イフ・アイ・クッド・オンリー・ビー・ユア・ラヴァー
8. Cutting Knife/カッティング・ナイフ
9. You Lifted Me Up/ユー・リフテッド・ミー・アップ
10. Perfect World/パーフェクト・ワールド

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前代未聞の未発表超豪華ボックスから選りすぐったハイライト盤
ブルース・スプリングスティーン 『ロスト・アンド・ファウンド:セレクションズ・フロム・ザ・ロスト・アルバムズ』
Bruce Springsteen / Lost and Found: Selections From The Lost Albums
2025年6月27日 (金)発売予定
通常盤(日本プレスBSCD2) SICP-31774 税込:¥2,860 (税抜:¥2,600)
(2LP:輸入盤で発売)

<収録曲>
1 Follow That Dream/フォロー・ザット・ドリーム
2 Seven Tears/セヴン・ティアーズ
3 Unsatisfied Heart/アンサティスファイド・ハート
4 Blind Spot/ブラインド・スポット
5 Something In The Well/サムシング・イン・ザ・ウォール
6 Waiting On The End Of The World/ウェイティング・オン・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド
7 Faithless/フェイスレス
8 God Sent You/ゴッド・セント・ユー
9 Repo Man/リーポ・マン
10 Detail Man/ディテール・マン
11 You’re Gonna Miss Me When I’m Gone/ユア・ゴナ・ミス・ミー・ウェン・アイム・ゴーン
12 The Lost Charro/ザ・ロスト・チャロ
13 Inyo/イニョー
14 Adelita/アデリータ
15 Sunday Love/サンデー・ラヴ
16 High Sierra/ハイ・シエラ
17 Sunliner/サンライナー
18 I’m Not Sleeping/アイム・ノット・スリーピング
19 Rain in the River/レイン・イン・ザ・リヴァー
20 You Lifted Me Up/ユー・リフテッド・ミー・アップ

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