「Nothing」と一致するもの

Earth No Mad From SIMI LAB - ele-king

 先日、〈新代田FEVER〉でシミ・ラボのライヴを観た。PSGやラウ・デフも出演していたそのイヴェントは、彼らが所属するインディペンデント・レーベル、〈サミット〉の企画で、ムードマンのヒップホップ・セットのDJもブッキングされていた。それぞれのライヴももちろん充実していたけれど、ちょうど1年ほど前にPSGとシミ・ラボが出演したイヴェントのときより圧倒的にお客さんが入っていたことに驚いた。会場は満杯だった。熱気が凄かった。しかも、若い! 10代の若者もたくさんいた。ここ1年でこの界隈のシーンの何かが変わりはじめている。みなさん、注目しておいてくださいね!!

 シミ・ラボは神奈川県の相模原を拠点とするヒップホップ・ポッセで、彼らが2009年12月にYouTubeにアップして話題を呼んだ"Walk Man"のPVがすべてのはじまりだった。
 紙版『ele-king vol.2』のシック・チームの原稿でも書いたことだが、ここ最近の日本のヒップホップには多文化主義というコンセプトが浮上して来ていると感じている。いや、主義というほど明確な方向性を持っていないかもしれない。多文化的と言ったほうが正確だろう。最初にそのこと意識したのは、"Walk Man"のPVを観たときだった。彼らの人種的多様性がポスト・ワールド・ミュージック的な音の雑食性に直結しているとはまだ断言できないが、これからどうなるかはわからない。このテーマは今後、日本のヒップホップを考える上で重要になってくるだろう。彼らがお互いを冗談半分に「ニガ!」と呼び合いじゃれあっているのを見たときは、思わず笑ってしまった!
 シミ・ラボについて詳しくは本サイトの彼らのインタヴューを読んで欲しいけれど、ディープライド、マリア、QN、オムスビーツ、ハイスペック、ジュマがいまのところのメイン・メンバーと言っていいだろう。〈FEVER〉にもこの面子で登場していた。

 シミ・ラボのトラックメイカー、アース・ノー・マッドのファースト・ソロ・アルバム『MUD DAY』からいこう。アース・ノー・マッドはシミ・ラボのリーダー、QNのトラックマイカーの名義だ。彼は去年、QNとしてファースト・アルバム『THE SHELL』を〈ファイル〉からリリースしている。
 まず嬉しいのが"Walk Man"が収められているということだ。アース・ノー・マッドには豊富なアイディアがある。彼のプリコラージュの手法はマッドヴィレインを彷彿させる側面があるが、DJスピナやDJプレミアといった90年代の東海岸ヒップホップからの影響も感じさせる。ドゥループ・Eがシャーデーのサンプリングから作ったミックステープのメロウなサウンドと共振しているような"Skit#2"の輝きは、アース・ノー・マッドの才能がまだまだこれから花開く可能性があることを予見している。
 酒を飲んで、遊んで、映画を撮りたいと思い立ち、曲も作る。そして、いつの間にか日が昇ってくる金曜日の夜の何の変哲もない日を描いた"Flower And Money"には、青春の夢がある。「飲んだくれながら何かたくらんでる」("Flower And Money")。ああ、羨ましくなるほど彼らが輝いているように見える。シミ・ラボ&ジュマとクレジットされた"Mudness Lab"は"Walk Man"に続くようなミニマル・ファンクで、この曲には彼らの現在が刻み込まれている。

 どれだけ脱力できるかに黒いグルーヴの肝がある。そういう説がブラック・ミュージックに挑戦するこの国の音楽文化から提唱されたことがある。ファンクのグルーヴを徹底的に理論化するということを多くのミュージシャンやバンドが試みてきた歴史がある。ある時期まで日本語ラップも実のところ理論化の産物だった。
 それがどうだろう。スラックにしろ、パンピーにしろ、シミ・ラボにしろ、最近の若いヒップホップ・アーティストは当然のように理論化など必要としていない。それでも、ゆったり波打つ柔らかいグルーヴを紡ぎ出している。それは彼らの日常が"黒人化"しているということかもしれない。いずれにせよ、いつからか何かが変わったのだ。ムードマンがPSGのライヴを観ながら、「自分がかつてやろうとしていたことを全部やられている」と呟いたのは示唆的だった。

 DJ ハイスペック&J.T.F 『Round Here:MIX TAPE』は『MUD DAY』とは異なる方向性を持っている。ジュマ、QN、オムスビーツによるJ.T.Fの楽曲をDJハイスペックがミックスしたこのミックスCDで、QN、オムスビーツは別名義も使っている。プリミティヴで、チープで、エレクトロの感性があり、ミニマルな骨組みだけのトラックは、しかし、侮ることができないクオリティがある。ここでも週末に何気なく部屋に集まって、「さあ、RECしようか!」という感じで制作した遊びの感覚がパッケージされている。この緩い態度が、彼らのヒップホップイズムを体現しているようだ。下世話で、猥雑で、騒々しく、ひょうきんな彼らのフッド感覚の延長で、この魅力的な音楽は創造されているのだろう。限定生産ということだが、興味を持ったらなんとか手に入れることをおすすめする。

 エレクトロな"ラビリンス"、エキゾチックで呪術的な"キリィ"も面白い。そして、各々のラッパーの声にそれぞれ個性がある。スペース・ファンクな"スター"でギャルの声真似をしながら、延々とくだらないジョークを繰り出し続けるオムスビーツには手を叩いて笑った。「1週間に2回ぐらいアナル洗ってるし〜」だの「高いものならなんでも食える」だの、彼のナスティさには敬意を表したい。「年収1千万ないとウンコでしょ」「ウンコ! ウンコ!」というアホな会話は最高にくだらないが、ここには彼らの鋭い風刺精神もある。
 マリアをフィーチャーしたエレクトロ・ミーツ・ベース・ミュージックな"マイソング トゥ"がもっともこのアルバムを象徴している。リリックにあるように「ダラダラダラダラ......」と続いていくノリがシミ・ラボをこれからも前に進めていくのだろう。そして、"マイソング トゥ"のPVを観て、僕はスチャダラパーの「大人になっても」のPVを思い出したのだった......。

Ricardo Villalobos & Max Loderbauer - ele-king

 リミックス盤がバンバン出ていた90年代中盤から00年代なかばから10年以上経って、音楽産業の状況もリスナーの嗜好も変わったとはいえ、オリジナルの変奏やヴァージョンちがいを聴きたい欲求は潜在的に一定数あるようで、〈グラモフォン〉の音源を縦横に駆使したカール・クレイグとモーリッツ・フォン・オズワルドの『リ・コンポーズド』が話題になったのも記憶にあたらしいが、それももう2年前の話だった。そんなにあたらしくもなかった。それにあのアルバムはクラシック曲を新曲に再構築することに主眼を置いていたので、リミックスというより、申告通り「リ・コンポーズ」だったが、マティアス・アーフマンやジミ・テナーとつづく一連のこのシリーズを聴きくらべると、個々の「再作曲」とリミックスのちがいがしだいに曖昧になる、やっかいなシロモノだったのもまたたしかである。どんな創作であれ主観なしには成り立ち得ないのだから、定義づけは作品の可能性の一端を示すものでしかないとはいえ、90年代の音楽を嚆矢に、創作物があたりまえに高次化する現在、接頭語「re」にはほとんど隠語めいた含意がある。

 『RE: ECM』は、リカルド・ヴィラロボスとマックス・ローダーバウアーが〈ECM〉のカタログから、10人の音楽家の17曲(クリスチャン・ヴァルムーは5曲、アレクサンダー・クナイフェルは4曲と、複数曲選んである)を選び再編したリミックス盤。〈ECM〉はいうまでもなく、マンフレッド・アイヒャーを中心に1969年、マル・ウォルドロンの『フリー・アット・ラスト』とともに産声をあげたドイツの老舗ジャズ・レーベルで、キース・ジャレットでつとに有名だけど、〈ECM〉と聞くとまず、作品名やジャズのイメージより先に静謐で禁欲的なレーベル・カラーを想起される方も多いはず。音数を押さえた彼らしいミニマリズムを〈ECM〉の楽曲とミックスするヴィラロボスと、モーリッツとのトリオで培ったモジュラー・シンセの音色でダブ感を援護射撃するローダーバウアーのコンビネーションもおおむねそのカラーに沿っている。つまり原曲を活かす方向でリミックスをおこなっているのだが、それもそのはず、彼らはリミックス盤制作にあたって、〈ECM〉からマルチ音源を貸与されなかった、と解説にある。『RE: ECM』を、ビート感を押さえた曲やソロ・パートを中心に構成している背景にはそのような事情があった。アイヒャーにとって、リミックス作を〈ECM〉のカタログにうまく収めるための保険だったのだろう。ところがこの制約はアルバムをリミックスというよりDJミックスにちかづけることになる。ここでは原曲の時間と空間が尊重されているのと同じくらい原曲の外にいるリミキサーの異物感が強調されている。ヴィラロボスとローダーバウアーともなると追加エレメントを原曲になじませることに抜かりはない。にしても、〈ECM〉の作品に顕著な静寂と余白はたんに空白ではない。ファンクやレゲエの休符と同じように、そこにはテンションが満ちているし、ドラマのいち部がある。ヴィラロボスたちはそこに割りこんでくる。まきこまれた、といった方が適当だろうか。「こうするよりほかに方法がなかったからね」というつぶやきが聞こえてきそうだが、一方で歴史と格闘するのを楽しんでいるようにも思える。そう考えると、〈ECM〉のクールでスムースな音場にハウス/アンビエントの即物性が浮き彫りになるように思えるから不思議だ。サンプリング〜ループ、リ・コンポーズ、通常の手法であればはこうはならなかったにちがいない。『RE: ECM』はアイヒャーのマスタリングもあって〈ECM〉らしい一枚にしあがっている。けれども荒々しい。どこかオフィシャルブートの質感のある、リミックス......というよりリ-エディット的な『RE: ECM』だと思った。

LV feat. Josh Idehen - ele-king

 ロンドンのアンダーグラウンド・ミュージックは、灰色の空の下の冷たいコンクリートに囲まれた都市生活における陶酔感を表すのがうまい。小学校4年生のとき、友だちと初日の出を見に自転車で海まで行こうと約束したことがあった。午前3時に大通りの交差点で待ち合わせたがいくら待っても友だちは来なかった。その通りにある街灯を見つめながらずいぶん長い時間待っていたら、いつしかその街灯に陶酔していた。それ以来、僕は街灯好きになった。これまでいろんな街灯を見てはうっとりしてきたわけだが、ロンドンのオレンジ色の街灯はとくに好みだ。昨年リリースされたLVのシングル「38」のアートワークには、まさにストリートを照らすそのオレンジの街灯がある。

 LVはロンドンの3人組のダブステップ・プロジェクトで、昨年、立て続けに発表した何枚かの12インチ・シングルによって注目を集めている。ジャーナリストのマーティン・クラーク(別名、ブラックダウン)が主宰する〈キーサウンド〉から発表した「38」をはじめ、〈ハイパーダブ〉からはクオルト330との共作、そしてそのファンキー路線が話題となった南アフリカのOkmalumkoolkatとの共作「ブームスラング」の2枚をリリースしている。また、〈ヘムロック〉からはアントールドとの共作「ビーコン」を出している(リミックスはマウント・キンビー)。
 本作『ルーツ』は、本国ではおよそ3ヶ月ほど前に〈キーサウンド〉からリリースされている(どういうわけか日本ではあまり見かけない)。ジョシュ・アイデヒン(Josh Idehen)は「38」にもフィーチャーされていたMCだが、『ルーツ』にそのシングルとのダブりはなく、収録された12曲すべてが新曲のようだ。

 ダンス・ミュージックにはトレンドがある。UKにおいてそれはビートに表出する。言うまでもなく、ここ3〜4年はブリアル直系の2ステップ・ガラージの発展型(ポスト・ダブステップと呼ばれるもののひとつで、ハウスのBMPで、裏打ちで再現したハウスのようなビート)がトレンドの主流になっている。この心地よさにいちどハマるとなかなか抜けられなくなるもので、個人的にはいまだにその手のビートでなければ快楽を感じられない。パーカッシヴでシャカシャカとした耳障りはデリック・メイの一部の作品とも似ていなくもないが、やはりここは、ジャストなビートではなく裏から追っかけてくるビートによるグルーヴが良いのだ。『ルーツ』を買った理由もそれだ......というかそれだけだ。そして、それだけでも自分には充分な理由となる。ジェームス・ブレイクのアルバムだって、あのベースがなければ好きになれなかった。
 『ルーツ』は、ブリアルの『アントゥルー』をやや軽めにした2ステップ・ガラージのビート、それに絡めたチョップド・ヴォイス、それからファンクのベースラインに特徴を持つ。M.I.A.(ないしはディプロ)のエレクトロ・パーカッションともに似たビートもあり、ダブからの影響もあれば、ダウンテンポもある。他人の耳にごり押しするタイプのビートではないが、多彩である。UKらしい雑食性のある音で、ジョシュ・アイデヒンのラップも初期のマッシヴ・アタックのように甘美かつダウナーな雰囲気を出している。そしてインナースリーヴには、地下道の写真と真夜中の裏通りの街灯の写真がある。手短に言えばブリアル・フォロワーだが、街灯好きにはたまらない1枚である。

interview with DVS1 - ele-king

 Who is DVS1?
 本名ザック・クートレツキー。それは、日本がまだ体験していない、USテクノ最後の刺客。彼のプレイを聴いたことがある日本人はまだ数えるほどしかいないはずだし、名前すらも聞いたことがない人がほとんどだろう。でも彼は新人ではない。なにしろ、彼は15年間に渡ってずっと地元ミネアポリスでアンダーグラウンド・パーティでプレイしてきたDJ。世界が彼のことを知らなかっただけなのだ。
 ベン・クロックのレーベル〈Klockworks〉からのEP、そしてデリック・メイの〈Transmat〉からの『Love Under Pressure』EPのリリースによって注目を集めた彼が、何よりも得意とするのはDJプレイーー 初来日となるFREEDOMMUNE 0〈ZERO〉で、その全貌が明らかになる。
 3度目の〈Berghain〉出演で10時間半のぶっ通しという超人的なプレイでベルリンのテクノ・フリークたちを熱狂させたほんの数日後、穏やかな昼下がりにじっくりと話を聞いたので、彼がどんな人物なのか、少々予習してもらえれば幸いだ。

ミネアポリスでパーティをやってきた先輩たちから、とにかく音にだけは妥協するなということを教わったんだ。ライティングやらデコレーションやら、他のものに手が回らなくても、音さえ良ければパーティは成り立つと。

あなたのことを知っている人はとても少ないので、基本的なところから聞かせて下さい。出身はロシアなんですよね?

DVS1:そう、生まれたのはロシアで2歳のときにアメリカのミネアポリスに引っ越した。その後両親が離婚して、父はニューヨークに移った。だから僕はミネアポリスとニューヨークを行ったり来たりして育ったんだ。16歳から20歳まではニューヨークで高校を卒業したり大学に行ったりして、その後ミネアポリスに戻ってそれからずっと今も居る。
 1996年にミネアポリスでイヴェントを主催するようになった。DJもしていたんだけど、最初はプロモーターとして音楽の世界に関わり出したんだ。僕がミネアポリスやったパーティで「伝説」となっているのは、1997年にハイコ・ラウ、エレクトリック・インディゴ、ニール・ランドストラム、トビアス・シュミットなど......当時まだアメリカでは誰もやってことがない規模の国際的なDJたちをブッキングしたときだった。車で6時間かかるシカゴからでさえ人が来たほどだったよ。だから、僕は「クレイジーなテクノ・パーティを巨大なサウンドシステムを使ってやってる奴」として知られるようになったんだ(笑)。それ以降、年に1回くらいのペースでこういう大規模なイヴェントを企画して、それ以外はもう少し規模の小さいパーティをやっていくようになった。本来なら2000人規模のイヴェントに使うようなサウンドシステムを300人のパーティで使っていたから(笑)、音が凄いという評判になっていた。
 ミネアポリスでパーティをやってきた先輩たちから、とにかく音にだけは妥協するなということを教わったんだ。ライティングやらデコレーションやら、他のものに手が回らなくても、音さえ良ければパーティは成り立つと。そういう環境で育って来たのはとても幸運だったと思う。よくニューヨークのクラブに行くと、音が物足りないと感じた。決して悪くはなかったよ、他の大多数の都市よりは良かったけど、それでもミネアポリスには敵わなかった。これはミッドウエスト(アメリカ中西部)特有のものだったんだ。ニューヨークでもないしロサンゼルスでもない、ちょうど中間でいろんな場所のいいところを取り入れて独自の発展を遂げていた。

その音に対するこだわりの話は非常に興味深いですね。どういう経緯で発展していったんでしょう?クラブ・シーン特有の現象なんでしょうか、それとも他の音楽シーンからの影響とか?

DVS1:とくにエレクトロニック・ミュージックの現場がそうだった。イヴェントやパーティを主宰してきたのは、ほとんどが自分も音楽を作っているかDJをしてる人たちだった。だから音の好みもはっきりしていた。僕はたまたま、幸運にもこうした「音中毒」の人たちのパーティに行っていたから、その経験から自分も同じようにしよう、あるいは彼らのスタンダードに見合うサウンドシステムを用意しよう、と考えた。先人たちに教わったことを自分も実践しただけだよ。

ミネアポリスに限ってそういうパーティがおこなわれていたんですね?

DVS1:90年代のミッドウエストのシーンを知っている人ならみんな言うと思うよ、ミネアポリスはシカゴと比較してもネクスト・レヴェルのことを実現していたって。みんな意外に思うだろうけど。

まったく知らなかったですね......

DVS1:ウッディ・マクブライドは知ってるかな? DJ ESPって言うんだけど......実は僕は個人的に全然好きじゃないんだけど! 一応ミネアポリスのシーンを語る上では外せない人物だから触れておくよ(笑)。彼が最初にミネアポリスを盛り上げたオールドスクールの立役者で、3千人、4千人規模のパーティを主宰してた。彼も先人に倣って、いい音にこだわった。120台のスピーカーを積み上げて「音の壁」を造ったりしてね。そんな環境で聴くと音楽も全然違って聴こえる。身体で音を感じることができる。
 僕にとってはDJや楽曲制作も、「音を感じる」という行為の延長なんだ。ただ耳で聴くというだけではなく。よく、「君の曲はすごくシンプルだよね」と言われるんだけど、言われて気がついたのは、自分が無意識にこういうサウンドシステムで鳴らすことをイメージして作っているということ。だからラジカセで聴いても何がいいのかわからないと思う。でも、巨大なサウンドシステムで鳴らしたときに、意味がわかるはず。

それは非常に興味深いですねぇ......いままで私は、アメリカには大きなテクノ・シーンは存在しなかったと認識してました。

DVS1:存在しなかったよ。だからこそ、僕らはずっと苦労してきた。ドイツみたいにカルチャーとして認められることがなかったから、つねにそれがチャレンジだった。自分たちでやり方を編み出して行かなければならなかったんだ。シカゴでもニューヨークでもない、ミネアポリスという街だから余計にね。だから、決して恵まれた環境ではなかったけど、その分好きなようにやれた。
 パーティやイヴェントはいつもおこなわれていた。ごく自然に。ずっとそういうことをやってきた上の世代がいて、また若い連中がそれを真似してやりはじめて......と自然に受け継がれていた。もちろん調子のいいときと悪いときのサイクルがあるけど、それはどこの街でも同じこと。僕が最初にパーティに行きはじめた頃、ミネアポリスはハウスの街だった。シカゴに傾倒している人が多かったから。そしてほんの少しのテクノ。

ミネアポリスのテクノは全然知らなかったです......

DVS1:僕と他に数人はつねにテクノを推していた。上の世代のハウスの人たちがあまりプレイしなくなったり、他のことをはじめたりするなかで、僕らは地道にテクノをやっていた。妥協せずに、質のいいパーティを週末だけにやるようにしていたんだ。クラブでやるのではなく、自分たちで会場から作っていた。それを続けるうちに、固定客が出来てきた。
 それに興味深いのは......この話は先日も他の人にしていたんだけど、他のジャンルの人たちはそれしか好きじゃないという人が多い。ドラムンベースならドラムンベースだけ、ハウスならハウスだけ、テクノの人たちはすべて好きなんだ。......少なくとも僕の地元のテクノ・ピープルはね! 僕はそこにとても惹かれきた。他の街では違うのかもしれないけど。とくにドイツをはじめとしたヨーロッパではちょっと違いそうだけどね。
 例えば僕もハウスのレコードはたくさん買う。ハウス・ミュージックも大好きだ。僕の仲間のテクノDJたちもハウス好き。だから僕らがパーティをやるときは、オープニングとクロージングにハウスDJをブッキングするんだ。そうやってビルドアップしてピークにテクノをやる。ヨーロッパでは20時間ぶっ通しでテクノやったりするから(笑)、ちょっと違うけどね。テクノ人間の僕でさえもそういうのはあまり好きではないんだ。そればっかりは嫌。僕はテクノを「デザート」にしたい。最高の気分で、満足しているところに、さらに最後の一押しが欲しい、そういう風にテクノをかけたい。アメリカではそうやってきた。テクノがピークで、そこまで昇る過程と、降りて来る過程がある。だからミネアポリスのテクノDJたちはディスコ、ハウス、パンク、インダストリアル......いろんな音楽を評価し楽しんで来た。だから僕らはより幅広い視野と趣向を持っている。少なくとも僕はそう思うし、そういう姿勢を変えないつもりだよ!

[[SplitPage]]

パーティやイヴェントはいつもおこなわれていた。ごく自然に。ずっとそういうことをやってきた上の世代がいて、また若い連中がそれを真似してやりはじめて......と自然に受け継がれていた。もちろん調子のいいときと悪いときのサイクルがあるけど、それはどこの街でも同じこと。

あなたのDJプレイを初めて見たのは〈Berghain〉で昨年6月に行われたベン・クロックの『Berghain 04』リリース・パーティでしたが、本当にお世辞抜きで度肝抜かれました。

DVS1:そう言ってもらえるのは本当にありがたいよ。あの日のセットは、自分ではそれほど満足出来なかった。(日曜)正午からのスタートだったんだけど、あの日はみんな130〜132BPMでプレイしていて、最初は少しテンポを落としたほうがいいと思ったんだ。まだ〈Berghain〉がどういうところかもわかっていなかったしね(笑)。だから少し遅めにプレイしはじめたんだけど、お客さんの反応が鈍いように感じた。だから速くしないといけないな、と思って速くしていったんだ。結局137BPMぐらでプレイしていて、僕はまわりから「すごくいいけど、ちょっと速いよ!」という視線を感じた(笑)。でも続けるうちに、みんなが納得しはじめた。だから結果的には上手く行ったと思うけど。ベンはさぞかし不安だったろうと思うよ。本当はライヴをやって欲しいと言われていたのを断って、僕がDJをやらせてくれと頼んだからだ。彼は僕が今までに3回しかやっていないライブをたまたまミネアポリスで見ただけで、DJプレイを聴いたことがなかったんだよ。でも、「君がそう言うなら信じるよ」と言ってやらせてくれた。

ベンもDJは聴いたことがなかったんですか!

DVS1:一度も。だから凄いリスクを負っていたんだよ(笑)。

恐らくプレイしはじめてお客さんに違和感を感じたのは、単にテンポの問題ではなく、〈Berghain〉のお客さんが聴き慣れているDJとは余りに違うスタイルだったので戸惑ったんじゃないかと思いますよ。これは褒め言葉になるか分かりませんが、とてもアメリカ的なスタイルだと私も感じました。

DVS1:うん、うん。それはいろんな人に言われた。「君みたいなDJは聴いたことがない」とか、「他のDJと同じ曲をプレイしても全然違って聴こえる」と。それはとても有り難い褒め言葉だね。

少なくとも私の目には、あの場にいたベンもマルセル・デットマンも衝撃を受けていたように見えましたよ。「ワオ!」って感じで。

DVS1:そうだといいけどね! でも僕はエゴと自信を混同しないように気をつけてる。自分に自信は持っているけど、過信しないようにしてる。あの日もとても緊張したけど、それは自分の実力に自信がないからではなくて、お客さんにどう受け止められるかわからなかったから。僕はいつも考え過ぎてしまう傾向があるので(笑)。でも2度目に〈Berghain〉で10時間セットをやったときは、満足感を得られた。「よし」という手応えがあったね。いままでの人生で最長のセットだったけど(笑)。それまでは長くても4〜5時間のセットだった。アメリカではそれ以上プレイする機会なんてないから。

ベルリン以外ではほとんどそういう機会はないでしょうね......(笑)。

DVS1:そうだよね、だから僕も自分がああいう超ロングセットで実力を発揮出来るとは知らなかった。何でもやってみないとわからないものだよね。

ちょっと話が逸れてしまいましたが......お聞きしたかったのは、あなたのそのDJスタイルはどのように形成されたかということです。どんなDJの影響を受けてきたんですか? やはり地元の先輩たちから?

DVS1:わからないな。でも、僕はパーティに行きはじめた頃から、ブース脇にかじりついているようなタイプだった。DJを観察するのが好きで、本当に感動したものだよ。DJがEQを操作していく様は......みんなただミックスしているだけじゃなかった、EQが肝だったんだ。先に述べたような、壁のように積み上げられたスピーカーで、ベースをぶち込んだときの迫力といったら! あれほどパワフルなものはない。自分でDJをするようになったのはニューヨークの高校にいたときで、そうだ、日本人のヒップホップDJからターンテーブルをもらったんだった! 名前はもう忘れてしまったけど、寮で同じ部屋だった子がね。ものすごくヘボいターンテーブルだったけど(笑)。自分で安物のミキサーも買って、ただ独学でやりはじめてみた。誰にも教わらずに。その頃、DJをやってる子と友だちになった。年下で未成年だったけど、すでに〈The Limelight〉でプレイしていた。だから彼がやるときによく行って、ずっと観察してたよ。見る度にDJの持つパワーに魅了された。たまたま僕が行ったパーティ、あるいは時代だったのかもしれないけど、僕が知ってるDJはみんな音を操作して動きがあって、突っ立ってる奴なんていなかった。そういうDJを見てきたから、僕も同じようにやろうと思ったんだ。もちろん好きなDJの名前を挙げることも出来るけど、それよりも僕は90年代半ばという時代、そしてミッドウエストというエリアに影響されたと思う。当時は世界中のトップDJがミッドウエストに来てプレイしていた。ロラン・ガルニエ、デイヴ・クラーク......あの頃の彼らは神のようだったよね。もちろんいまでも素晴らしいけど、あの頃は絶頂期だった。それを僕は地元で体験出来た。ロラン・ガルニエのような人でも、僕らの使っていたようなサウンドシステムでプレイすることはほとんどなかったみたいで、「ワオ! 一体これは何だ?」って驚いていたよ。そして最高のプレイをした。恐らく、僕が体験したDJプレイのトップ5に入るセットだったね。ロブ・フッド、(ジェフ・)ミルズ、それにシカゴ・ハウスのレジェンドたちをそういうシステムで聴いていたんだ。当時はハウスとテクノがそれほど分かれていなかったしね、いまみたいに。みんな同じような機材を使って曲を作っていたから、サウンド的にもそれほど違いがなかった。同じ808や909のキックを使っていた。
 ......これで僕が受けてきた影響の説明になっているといいけど!

良くわかりました! でもそれより前に話を戻すと、音楽にはずっと関心があったんですか?それともそうしたクラブ体験がきっかけで音楽にのめり込んだんでしょうか?

DVS1:昔から何かしら音楽には関わってきたね。子供の頃は母親にピアノを習わされていたけど、まあよくあるようにガキの頃は問題ばっかり起こしていたから、いつしかピアノは止めてしまった(笑)。その後1〜2年チェロもやってみたんだけど全然ダメで、それもすぐに止めた(笑)。ピアノはわりと得意だったんだけどね、ずっと弾いていなかったから忘れてしまったけど。いまはまた試行錯誤しているね。でもそんな風に母親はいつも僕に音楽をやらせようとした。とはいえ、父親がDJで母親がバイオリニストの音楽一家で育った、ってわけじゃない(笑)。家族に音楽家はいなかった。でも子供の頃から、ラジオで流れて来る80年代の、シンセ音楽をとても好んで聴いていたね。そこまで選択肢があったわけじゃないけど、ユーリズミクスとかがかかると喜んで聴いていた。そういうビートのある音楽が好きだった。
 よくいろんな人とこの話になるけど、音楽に最初にどう触れるかでその後がだいぶ左右されると思う。最初に行ったイヴェントがダメな音楽ばかりだと、そこからいい音楽を探し当てるのは大変だ。でもラッキーな人は最初から素晴らしい音楽を聴いたり体験出来たりする。僕は後者だった。最初の頃から、いい音楽がかかるいいパーティに連れて行ってもらえた。僕は「ゲートウェイ・ドラッグ(入門麻薬)」って呼んでるんだけど、一部の人はいい音楽に辿り着くためにトランスを通過しないといけない(笑)。僕はそれをやらずに済んだ。最初からピュアで良質なハウス・ミュージックのパーティに触れられたから、とてもラッキーだったね。

[[SplitPage]]

自分で自分を売り込むようなタイプじゃなかった。初対面の人にはDJをしているとは言わなかったし、自分をDVS1だとは名乗らず、(本名の)「ザックです」と言っていた。「いつかプレイさせて下さいよ〜」なんておべっかを使うようなこともしなかった。

以前からミッドウエスト以外の地域でもDJは頻繁にしていたんですか?

DVS1:いや、していない。僕はね、自分は出遅れたと思っていたんだ。例えばデリック・メイや、次の世代のクロード・ヤングといった人たちは、プロデューサーとしてブレイクする前にすでにDJとして有名になっていた。彼らはライヴ・セットなどやっていなかった。DJとして人気が出たんだ。とても腕のいいDJだったからね。でも僕が自分の腕に自信を持てるようになった頃にはテクノは大きくなっていたし、世界中に広まっていたし......それに僕は自分で自分を売り込むようなタイプじゃなかった。初対面の人にはDJをしているとは言わなかったし、自分をDVS1だとは名乗らず、(本名の)「ザックです」と言っていた。「いつかプレイさせて下さいよ〜」なんておべっかを使うようなこともしなかった。......なぜだろうね、とにかくもう遅いと思っていて、ミネアポリスの外にまで自分を売り込む努力をしたことがなかった。だから、ほとんど存在すら知られていなかったんじゃないかな。地元ではそれなりに有名だったけどね。だからミルズやフッドが地元に来たときは、いつも僕が一緒にブッキングされた。
 その次のステップとしてやったことは、自分のクラブをオープンさせることだった。それが自然なことに思えたんだ。アンダーグラウンド・パーティをやり、アフターアワーズをやり、ウエアハウス・パーティをやり......次にやることは自分のクラブを持つことだと思った。自分はここに住み続けるんだし、自分の好きなDJをブッキングして、自分もDJできる場所が欲しかったんだ。音が良くて、使い勝手のいいブースがあって......だから僕は5年かけて自分のクラブをオープンした。でも、もう少し時間をかければ良かったところを焦ってしまったんだな、本来なら一緒に組むべきではない人たちと組んで開店させてしまった。一応2年間は営業したんだけど、やはり上手く行かなかった。いい人生経験にはなったけどね。でも閉店したとき、僕は多額の借金を背負ったし、エネルギーも削がれてしまった。「これからどうしたらいいんだろう」と思ったね。

それはいつの話ですか?

DVS1:閉店して9ヶ月後にベンと出会ったから、オープンしたのが5〜6年前になるね。〈Foundation〉という名前のクラブだった。地下にある古いクラブを改装したスペースで、600人くらいの規模だった。そしてオールドスクール・ヒップホップとエレクトロニック・ミュージックに特化していた。アフリカ・バンバータ、ミックスマスター・マイクからジェフ・ミルズまで。僕はオールドスクール・ヒップホップも大好きなのでね、そういうパーティもやっていた。
 だから閉店直後はかなり落ち込んで、今後どうしていけばいいのかわからなかった。でもとりあえず何かやろうと、店で使っていたサウンドシステムを別の店の〈The Loft〉というスペースに持ち込んで、またパーティをはじめたんだ。〈Shelter〉というパーティで、ひとりのDJが一晩通してプレイするというコンセプトだった。ひとりがオープンからクローズまでのロングセットをプレイするんだ。でも、このアイディアはちょっと行き過ぎていたみたい(笑)。普通だったら1時間から1時間半、よほど特別なゲストだったら2時間というセットタイムだから。しかもDJも誰にでもできることではなく、かなり幅広いレコード・コレクションがないと無理だ。しかも僕はヴァイナル人間だから、ヴァイナルに限定していたし。最初の6ヶ月くらいはまあまあ成り立っていたんだけど、だんだん人も減って、結局それも終わらせることになった。ちなみに最後の回はデリック・メイだったよ。同じ日にドキュメンタリー映画『HI TECH SOUL』のプレビュー上映もした。

おお、あの映画に日本語字幕つけましたよ!

DVS1:そうかい! そう、あれを上映してすぐにデリックがプレイしはじめて5時間のセットをやってもらった。でもその後は、本当にまたどうしていいかわからなくなって、しばらく姿を消していたんだよね。半年くらいかな。そしたら、ライヴをやらないかと声がかかった。でも最後にライヴをやったのはその5年も前のことだった。それが生まれて初めてのライヴだった。「5年振りだし、ぜひやってくれよ」と言われたんだけど、「いや、気がすすまない」と言っていたんだ。そしたら妻が、「やるべきよ。私を信じて、とにかくやってみて」と言った。「少しのあいだ自分のことに集中してみたら、あなたはこれまでずっと他のひとたちのために骨を折ってきたんだから。自分のために時間を使うべきよ」そう言われて、「わかったよ」と引き受けることにした。出演日の6ヶ月前にそう決めて、3ヶ月経ったところで同じ夜にベン・クロックがやって来ることが告知された。ベンは街のクラブでプレイし、僕は別のアンダーグラウンド・パーティに出演することになっていたんだ。
 これ以降の話は、もうすでに他のインタヴューなどで読んでるかもしれないけど、僕はベンが聴きたかったので、自分のライヴ前にクラブに行って、彼のプレイを聴いた。でも挨拶とかはしなくて、ただ客として聴いて自分のパーティに戻ったんだ。そしたら、ベンのプロモーターが彼のプレイ後に、「どうしても聴いてもらいたい人がいる」と言ってベンを僕のパーティに連れて来ようとした。最初はベンも「疲れたからホテルに帰りたい。アフターパーティには興味ない」とか言っていたらしいんだけど(笑)、そのプロモーターが「彼も滅多にやらないライヴだから、ぜひ見て欲しい」と説得して連れてきた。ちょうど僕がはじまったところに。30〜40分のセットだったからとても短かったんだけど、ライヴ後に話をして、「曲のリリースはしてるの?」と聞かれたんだ。「いや、してない」と言ったら、「出したいと思う?」と聞き返されて。「そうだね、そろそろ出してもいいかもね」と言った。
 面白いのは、その1ヶ月ほど前にデトロイトにオーディオ・エンジニアとして仕事をしに行ったことがあった。僕はしばらくそういう仕事もやっていたのでね。モーターショーのイヴェントなどで仕事をしていた。それでオフの時間はデリック・メイと遊んだりしていた。あるとき、彼のスタジオでいろいろ音楽の話をしていたときに、たまたま僕が自分の曲をかけたんだ。そしたら、「何だこれは?」と聞くので、「僕の曲だよ、最近こういうのを作ってみてるんだ」と言うと、「俺にくれ」と言う。「え? なんで?」と聞いたら「俺は〈Transmat〉を再開するんだ」という話で。ほぼ同じタイミングで両方に話を持ちかけられたんだ。でもベンの方が出すのが早くて、半年後には世に出ていた。デリックはそこから1年半かかったんだよね。
 でも、自分は本当に幸運だったと思っている。このデジタル時代にデモやプロモなんて数え切れないほどある。でも僕は自分の最初のレコードを、1枚はベンといういま旬のアーティストのレーベルから出せて、もう1枚はデリックという歴史の生き証人で正統派なアーティストのレーベルから出せた。その両方から出してもらったことで、特殊なポジションに立てたから、より人びとに注目してもらえたと思うんだ。耳を傾けてもらえた。
 僕は若手を批判するつもりはないけど、こうやっていろいろな場所に行ってプレイするようになって、周りの連中がみんな本当に若くてビックリしている。20歳とか21歳とか...... 彼らは彼らで素晴らしいと思うけど、僕は長くやってきた分だけ周りにリスペクトしてもらえていると感じる。いつもヴァイナルを持ち込むし、古いレコードをたくさん持っているし、それなりに経験があるDJだってことはわかってもらえる。世界的には「新人」なのかもしれないけど、僕はずっとこれをやってきたという自負がある。

よくアーティスト同士が「コラボレーション」とかやってるけど、正直僕は恥ずかしくて出来ない。プロダクションのことなんて何もわかってないから(笑)。ただ自分を表現するのに適度なことだけ知っているんだ。

私があなたのプレイを見て最初に思ったことは、「なぜ私はいままでこの人のことを知らなかったんだろう!?」でしたよ(笑)。

DVS1:さっき言った通り、僕自身ももう出遅れたと思っていたくらいだからね。でも遅すぎるなんてことはなかったね、いまがパーフェクトなタイミングだったと思う。テクノはいままた勢いを取り戻している。僕が15年間プレイし続けてきた音楽が、いまいちばんきちんと聴かれていると思う。もし4年前に僕が「発掘」されていたら、そこまで注目されなかったかもしれない。音楽が注目されていなかったから。
 先日も『Groove』誌にインタヴューされたときに、「いまのテクノ・ブームをどう感じていますか?」と聞かれたけど、ブームは何でも去るときが来るからテクノ・ブームも同じように去ると思う、でも僕はこの音楽を愛しているから、ブームかどうかは関係なくプレイし続けるだけだ、と答えた。

昨年の6月が、初のベルリン出演だったんですか?

DVS1:いや、実はオリジナルの〈Tresor〉で10年前にいちどだけプレイしたことがあったよ。「新人ナイト」でね(笑)。97年にハイコ・ラウをミネアポリスに呼んでいた縁で、2000年に友人の結婚式でヨーロッパに来た際に、彼にどこかでプレイできないか聞いたんだ。それで彼が紹介してくれたのが〈Tresor〉だった。水曜日の夜に、3〜4時間のセットをやらせてもらった。あれも素晴らしい体験だったな。満員でね、でももちろん当時は誰も僕が何者かなんて知らなかった。

[[SplitPage]]

よくアーティスト同士が「コラボレーション」とかやってるけど、正直僕は恥ずかしくて出来ない。プロダクションのことなんて何もわかってないから(笑)。ただ自分を表現するのに適度なことだけ知っているんだ。

私があなたのプレイを見て最初に思ったことは、「なぜ私はいままでこの人のことを知らなかったんだろう!?」でしたよ(笑)。

DVS1:さっき言った通り、僕自身ももう出遅れたと思っていたくらいだからね。でも遅すぎるなんてことはなかったね、いまがパーフェクトなタイミングだったと思う。テクノはいままた勢いを取り戻している。僕が15年間プレイし続けてきた音楽が、いまいちばんきちんと聴かれていると思う。もし4年前に僕が「発掘」されていたら、そこまで注目されなかったかもしれない。音楽が注目されていなかったから。
 先日も『Groove』誌にインタヴューされたときに、「いまのテクノ・ブームをどう感じていますか?」と聞かれたけど、ブームは何でも去るときが来るからテクノ・ブームも同じように去ると思う、でも僕はこの音楽を愛しているから、ブームかどうかは関係なくプレイし続けるだけだ、と答えた。

昨年の6月が、初のベルリン出演だったんですか?

DVS1:いや、実はオリジナルの〈Tresor〉で10年前にいちどだけプレイしたことがあったよ。「新人ナイト」でね(笑)。97年にハイコ・ラウをミネアポリスに呼んでいた縁で、2000年に友人の結婚式でヨーロッパに来た際に、彼にどこかでプレイできないか聞いたんだ。それで彼が紹介してくれたのが〈Tresor〉だった。水曜日の夜に、3〜4時間のセットをやらせてもらった。あれも素晴らしい体験だったな。満員でね、でももちろん当時は誰も僕が何者かなんて知らなかった。


デリックが最初に僕にくれたアドヴァイスは、「人は君のことをオリジナルの楽曲で覚える。リミックスが記憶に残ることも稀にあるが、そう多くはない。だから自分のファミリーを作って、そこを基盤として、あまり多くのレーベルから出すな。そうじゃないと、いまの時代すぐに忘れられてしまうぞ」だった。

楽曲制作もずっと取り組んでいたんですか?

DVS1:ずっと取り組んではいたね。でも実験の繰り返しで、曲を完成させるまでに至らなかった。スタジオも構えていたし、一時期はたくさんのアナログ機材も持っていた。でも何度か自分の企画に失敗してすべてを失った。僕は16歳の頃から「自営業」なんでね(笑)、何か大きなプロジェクトをやるときは自分の持ち物を担保に入れなければならなかった。それで成功したこともあるし、何度か失敗して、2度ほどすべてを手放さなければならなかった。機材もね。それほど使っていたわけじゃないから不便はないんだけど、かなりいいアナログ機材を持っていたから、残念は残念だ。いまはReasonを使って曲を作ってる。Reasonと言うとみんなショックを受けるんだけど(笑)。僕の曲はすべてReasonで作った。でもReasonをアナログ機材のように使っていると思う。すべてをMIDIコントローラーで操作しているんだ。僕は数学的な思考で曲は作れないのでね。ループを作って、それに合わせて「ジャム」をして録音するんだ。だからとても自然に曲が出来上がる。「でもドラムマシンみたいな音がする」と言われるけど、ドラムマシンみたいな使い方をしてるということなんだ。

その制作方法はどうやってあみ出したんですか?

DVS1:ボタンを押してるうちに(笑)。よくアーティスト同士が「コラボレーション」とかやってるけど、正直僕は恥ずかしくて出来ない。プロダクションのことなんて何もわかってないから(笑)。ただ自分を表現するのに適度なことだけ知っているんだ。僕はDJすることに関しては精通していると言えるけど、プロダクションに関しては学習中だ。誰にもやり方を教えてもらったことがないから、恥ずかしくて「実は自分でも何をやっているのかよくわかりません」って正直に言えない(笑)。
 でも時折、知識がないことが逆にプラスになっているんじゃないかと思うこともあるよ。知識が限られている分、その限られた中で最大限のことをしようと努力する。たまに「ああ、こんなエフェクトがかけられたらもっといいかもな...」なんて思うこともあるけど、「いや、これはこれでいい」と考え直す。僕はDJとしても、シンプルな音楽を好む。そういうことを忘れて歌を作ったりする人もいるけど、僕はトラックを作りたい。僕はDJだから、そのツールが欲しい。

あなたの曲はすべてDJのために作られていると。

DVS1:ああ、リヴィングルームで聴かれることを想定して作ったことはないね(笑)。もちろんリヴィングで聴きたい人がいたら自由に聴いてもらってかまわないけど! 僕にとってはDJありきの音楽だ。パズルのピース。

いまはかなり制作量も増えてますか?

DVS1:僕の作品としては、〈Klockworks〉、〈Transmat〉、そしてもうひとつ〈Enemy〉というレーベルから出した3枚だけだ。その後、ちょうど膝の手術をして3ヶ月歩けなかったときがあって、暇だし気分も落ち込んでいたので何か気を紛らわそうといろんなリミックスを引き受けた。それはいい勉強になったんだけど、そのときわかったのは、僕は複数のプロジェクトを同時進行できないということ。1曲ずつ片付けていかないとダメなタイプなんだ。リミックスをやると、いつもひとつのヴァージョンに絞れなくてふたつのヴァージョンを作ってしまう。完全に満足できる1曲が作れないんだ。自分ではすごくたくさんリミックスをしてきた気がするのは、実際は5曲なのにすべて2ヴァージョン作っているから10曲になってる(笑)。
 でもいまはリミックスのオファーはすべて断っていて、自分の曲作りに集中したいと思ってる。〈Klockworks〉からの次のリリースはほぼ完成している。実はその1曲のエディットをベンが作って、すでにデトロイトやCLRのポッドキャストでプレイしているんだ。ネット上では「この曲誰か教えて!」と話題になってるから、なかなかいい感触を持ってるよ! 9月くらいまでには出るんじゃないかな。そして12月には自分のレーベルをはじめる。〈Hardwax〉がディストリビュートしてくれることが決まってる。

レーベル名は?

DVS1:〈HUSH〉だ。僕は〈HUSH Productions〉というイヴェント・プロダクションをもう15年やっていて、〈HUSH Studios〉という31部屋あるスタジオも経営していて、さらに〈HUSH Sound〉という音響会社もやっているんだ。ちょうど今年の12月に〈HUSH Productions〉設立15周年になり、僕も35歳になる。だから、それを機にレーベルを立ち上げることにしたんだ。

もちろんリリース第一弾はあなたの作品だと。

DVS1:すべて僕のオリジナル楽曲だ。リミックスは出さない。いま、みんなリミックスをやりすぎだと思うんだ。

みんなたくさんのリミックスをたくさんの違うレーベルから出してますね。

DVS1:そう。デリックが最初に僕にくれたアドヴァイスは、「人は君のことをオリジナルの楽曲で覚える。リミックスが記憶に残ることも稀にあるが、そう多くはない。だから自分のファミリーを作って、そこを基盤として、あまり多くのレーベルから出すな。そうじゃないと、いまの時代すぐに忘れられてしまうぞ」だった。たしかに90年代を振り返ると、ほとんどの人はせいぜい2〜3レーベルからしか出さなかった。でもいまは同じ連中が25の違うレーベルから出して、同じ週に5つのリリースが重なっていたりする。そんなにいろいろやってもみんな消化し切れない。少なくともじっくり楽しんでもらえない。だから僕もその教訓に従って、自分のリリースを絞ろうと思ってる。ヴァイナル・オンリーでね!

今後も拠点はミネアポリスなわけですね。

DVS1:ああ。ヨーロッパには2ヶ月毎くらいのペースで来ているけどね。ありがたいよ。いまはとてもいいポジションにいると思う。

私もそう思います(笑)。

DVS1:とても幸せだよ。僕がよく人に言うのは、「僕はいま電車に乗っている。僕はそこから蹴り落とされるまで、乗り続ける」蹴り落とされたら元の生活に戻るけど、乗れる限りは乗っていこうと思ってるよ(笑)。やはり遅すぎるということはなかったね、いまが完璧なタイミングだ。

参考ミックス
Pacha NYC Podcast https://pachanyc.com/podcast/

最新リリース(リミックス)
Jon Hester/ Shouts In The Dark https://soundcloud.com/edec/

↓こちらも宜しく!
https://go-to-eleven.com/schedule/detail/386/2011/8

TETSUJI TANAKA - ele-king

日本のD&B/DUBSTEPの総本山、11月で15周年を迎えるDBSがビッグカムバック!UKベースミュージック界の頂点DJ ZINC、世界一のターンテーブリストDJ KENTAROを向かえ、世界最高峰のビッグベースセッションズを9/17に開催決定!!もちろんテツジタナカも出演しますので是非!
https://www.dbs-tokyo.com/top.html

DRUM&BASS SESSIONS 15th.Anniversary Countdown!! [1996-2011]
DBS presents "BIG BASS SESSIONS"
feat. DJ ZINC + SCRIPT MC / DJ KENTARO / with: Eccy / Dj P.O.L.Style / DJ MASSIVE
vj/laser: SO IN THE HOUSE
B3/SALOON: TETSUJI TANAKA, DJ MIYU, ENDLESS , ATSUKI (MAMMOTHDUB)
2011. 9.17 (SAT) @ UNIT open/start 23:30
adv.3300yen door 3800yen info. 03.5459.8630 UNIT

日本唯一のドラムンベース専門ラジオ番組"TCY RADIO TOKYO LOCALIZE!!"が8/10より毎週水曜日22時〜24時にてレギュラー・オンエア!!
TCY RADIO TOKYO LOCALIZE!!
DRUM & BASS SHOW BY TETSUJI TANAKA & MC CARDZ
https://www.tcyradio.com
https://mixlr.com/tcyradio
https://twitter.com/TETSUJI_TANAKA

TETSUJI TANAKA DRUM & BASS DJ CHART


1
ATARI TEENAGE RIOT - Black Flags -TAKU RMX

2
T-AK & TOBY - Electric Dejavu - fragrence records dub

3
DANNY WHEELER & THE SUITBOYS aka TAKU TAKAHASHI -Let It Flow

4
CAMO & KROOKED - In The Fall ft FUTUREBOUND & JENNA G - HOSPITAL

5
GENETIC BROS - Everyday Of My Life -VIPER

6
SUB FOCUS - Stomp -RAM

7
NETSKY - The Lotus Symphony - HOSPITAL

8
N-PHECT & FOURWARD - Without Your Touch -FOKUZ

9
PROTOTYPES - Your Future -SHOGUN AUDIO

10
RAZE - Break 4 Love(BLAME RMX) -CHAMPION

SAY IT LOUD! - ele-king

 ユニットに到着したのは3時半だった。すでに何人かの子供たちがDJのビートに反応していた。子供たち......というは本当に子供たちのこと。20年前は、ある特定の世代しかいなかったクラブ・カルチャーも、ここには6歳以下の子供から20代、僕のような40代までと幅広い層がいる。

 脱原発の動きも、この数か月のあいだに大衆運動として根付きつつあるように思える。が、そのいっぽうで、この日に集まった同世代と話ながら「いつまでこの意識を持続できるかがポイントだよね」という言葉がいろんな人から聴かれたように、80年代末の過ちは繰り返したくないという思いも強いようだ。
 でもまあ、しかしですよ......ちょうどこのイヴェントの2日前に渋谷のライトハウス・レコードに入ったらニューヨークからやって来たアレックス・フロム・トーキョーと会って、「日本はどうなってしまうのか心配で......」と気の良いフランス人が言うので、「いやー、日本はどうなるかわからないけど、日本のDJカルチャーの意識の高さは素晴らしいよ。彼らと同時代を生きていることを誇りに思うよ」と言ったばかりだった。いまこの国のDJカルチャーの何人かは勇気をもって意見を言って、社会運動への関心の高さを身をもって示している。
 〈SAY IT LOUD!〉は、テクノDJのタサカとムーチーのふたりを発端にはじまった、要するに「原発問題を考える」パーティだ。クラブのパーティにおいて「考える」ことが矛盾しないのは、そこが「集まる」場所でもあるからで、クラブ・ミュージックのリスナーがいまもっとも関心のある社会問題について意見を述べ合い、意識を共有することは本当に素晴らしいことだと思う。

 オープニングDJのワン・ドリンクが終わると、タサカと岡本俊浩氏の紹介で、環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也氏とメディア・ジャーナリストの津田大介氏との対談がはじまった。このときがもっともフロアが埋まっていたわけだが、対談の内容は現状確認といったところだったが、質疑応答がなかなか熱く、「菅首相は支持すべきか」「廃棄物の処理に関してはどう考えるか」「信用すべき企業は?」「どこのメーカーの家電は買うべきではないか?」などなど、けっこう具体的な質問が途絶えなかった。なかにはアメリカ国債に関する質問する人までいて、まあ、自分のように株なんかには無興味な人間にはどうでもいい話だが、それでも幅広い角度から原発問題への関心が集まっていることが浮き彫りになったことはたしかだ。
 その後は、クボタタケシ、DJケント、そしてタサカへとDJは繋がれて、夜の10時にパーティは終わった。夕方過ぎまでダンスフロアを占拠していたのは子供たちで、その微笑ましい光景を眺めながら大人たちは「原発やめろ」じゃなくて「やめよう」って言ったほうが印象良くない? とか、実際に福島に行った人たちのさまざまな感想(本当はそれはいろんな言葉があった)とか、いろんな話が飛び変わっていた。当たり前の話だが、みんな真剣なのだ。

 8月27日にも渋谷でデモがあり、また9月11日は素人の乱主宰のデモがある。9月19日はでっかいのがあるし......そうしたデモはもちろん重要だが、しかし、今回の〈SAY IT LOUD!〉のように、政治の側から提案されたイヴェントではなく音楽の側からことをおこしていることが我ら音楽ファンにとっては心強いし、より身近に感じることができる。
 〈SAY IT LOUD!〉、ぜひまたやって欲しいし、みんなでこのパーティを盛り上げていけたらと思う。

Matthew Herbert - ele-king

 UKの暴動(riotではなくriotsだ)を見ながらやりきれない気持ちになった。僕は1993年、たまたまロンドンでCJBのデモに参加して、そして暴動に巻き込まれて逃げ回った経験がある。こともあろうかハイドパーク沿いのマクドナルドに逃げてしまったために、まあ、ガラスは投石によってぱりんぱりん割れて、ホントに酷い有様だった。何が起きているのか掴めなかったが、それでもあとから気持ちは高揚した。なぜなら、その暴動には理想があり、政治的な異議申し立てがあった。
 ところが今回の暴動ときたら、BBCを見ていると、そのきっかけとなった警官の射殺に関しても、単なる言いがかりに過ぎないことが警官嫌いの僕にもわかる。また、その後の騒動がたんに暴れたいだけの、たんにモノ欲しさの略奪行為であることもわかる。BBCのレポーターに対して、ある若者は「だって政府が止めないからさー」と言う。「君の家のモノが君がいないあいだに誰かに略奪されたら君はどう思う?」と訊けば「そりゃ怒るよね」......。店で働いていた連中にしてもたまったものではないし、インディ・レーベルの倉庫も被害を受けている。狙われたのは何よりも服屋、それからスポーツウェア・ショップ、ゲームやコンピュータ・ショップ......とかそのあたり。社会への抗議でもないし、人種暴動でもない。

 震災後、しばらくして電車に乗ったとき、女性ファッション誌の中吊り広告に妙な空恐ろしさを覚えたことがある。「この夏はこんな服装で決めたい」などというコピーとともにモデル体型の女がこちらを見ていた。意訳すれば「この夏はこんな服を買え」となる。「買え」「買え」「買え」......と、その空虚なモデルは言っていた。
 あるいはこんなこともある。身内の話で恐縮だが、僕の両親は、テレビ番組の健康番組を盲信するあまり、あれもこれも食べている。野菜と果物を食べなければならない、あれもこれも摂らなければならない。「食え」「食え」「食え」......と言われ続け、食っている。買って、そして食っている。たまにサプリメントまで買わされている。
 これを資本主義的恐怖と呼ばずしてなんと呼ぼう。新しい靴を買わなければならない、新しい服を買わなければならない、スポーツウェア、ゲームにiPad、あるいは洒落た自転車......UKの暴動がこの恐ろしいオブセッションのなかから生まれたことはほぼ間違いない。物欲が暴動(というか略奪)をうながしているのだ。もちろん、まあ、マクロに見れば、嬉々としながら略奪を続ける若者たちも資本主義の犠牲者だと言えるのだが......。

 マシュー・ハーバートは、こうした資本主義的恐怖に警鐘を鳴らし続けているアーティストである。彼はかつて、電子音楽において音を「買うな」と言った。製品の音に満足するな、「自分で作れ」と。彼はそして、彼のクラシックとジャズの知識とハウス・ミュージックへの好奇心と、それから「買った」音ではなく彼自身が「作った音」によって、2001年に最高のアルバムを完成させた。それがこの度、リイシューされる『ボディリー・ファンクションズ』である。
 『ボディリー・ファンクションズ』はすべての電子音を身体に関するモノから採取して作られている。それら彼が「作った音」は、ダニ・シシリアーノの甘美な歌、フィル・パーネルのジャズ・ピアノと混じり合って、エレガントかつ芯のあるエレクトロニック・ミュージックとなった。10周年記念盤には、シングルで発表されたすべてのリミックス・ヴァージョンも収録されている。
 また、『ボディリー・ファンクションズ』の再発と同時に、"ワン"シリーズの最終章、『ワン・ピッグ』がいよいよリリースされる。ハーバートひとりがすべてをやるというコンセプトのこのトリロジー――最初の『ワン・ワン』は彼のシンガー・ソングライター・アルバム、続く『ワン・クラブ』はクラブの音(壁の音や便所の音まで)を採取して作ったテクノ・アルバム、そして今回は「豚の一生」をテーマにした政治的かつ実験的なものとなっている。

 ハーバートが自身のブログで初めて『ワン・ピッグ』についてアナウンスしたのは2009年5月のことだった。「このアルバムは、豚が一生で発せられる音を使って作られる。その豚の誕生の瞬間、生きているあいだ、死を迎える瞬間、そして食用の肉として処理される場にも僕は立ち会う予定だ。その豚の肉はシェフに渡り、そこにはご馳走が用意されるだろう。そのすべてが録音される」と、当時ハーバートはブログで書いているが、一匹の家畜、一匹の"豚の一生"をテーマに音楽を作るといった内容は大きな反響を呼んだ。『ガーディアン』のような新聞が大きく取り上げたばかりか、動物愛護団体のPETAはそれを動物の虐待を素材とした娯楽の制作として抗議したほどだった。

 『ワン・ピッグ』は、いままでのハーバート作品のどれとも違っている。それは採取した音の多くが豚の声であるという点において、音楽作品として異質な響きを有しているのだ。豚の誕生における美しいハーモニーと豚の声、兄弟たちと戯れているのであろう豚の声と彼のエレクトロニックな展開......豚の鳴き声は豊かな音であり、聴く側の精神状態によっては暗示的かもしれない。
 2010年9月のブログでハーバートはこう書いている。「死はこのプロジェクトにとって重要で、もっとも望まないプロセスでありながら僕が理解する豚の一生にとっていちばん強く関連している部分であると感じる」
 アルバムは、豚が殺され、そして調理され、食べられるところまでを描いている。ハーバートは、2005年の『プラット・ドゥ・ジュール』において、我々の食卓がいかに市場原理によって支配されているのかをほのめかした。スーパーマーケットの安さは、そのいっぽうでは個人経営の農家を窮地に追いやっている。1本のスパゲティにも実に怪訝な権力が関わっている。それは我々がこの薄氷を踏むような現代生活を営むうえで、たいした疑問を持たなくなっているところでもある。
 「このアルバムは自分のなかに多くの政治的、文化的、音楽的、道徳的疑問を生み出した」と彼は僕の取材で答えているが、『ワン・ピッグ』は、マシュー・ハーバートらしい問題提起をはらんだ実に興味深い作品だ。まずは何よりも僕は、自分が豚の声をよく知らなかったという事実に気がついた。豚のショウガ焼き定食やカツ丼、カツカレーを頻繁に食べているというのに、僕は豚の味ばかりを知っている。それは"常識"として、とくに疑問を持つべきことではないのだろうか。

Anti-G - ele-king

 諸般の事情で2ケ月遅れの紹介です。梅雨との見境もなく急に暑くなりはじめた頃です。つーか、もう、2ケ月も暑いのか......。暑い......。暑い...。

 反重力という意味なのか(G=グラヴィティ?)、アムステルダムのアフリカ系プロデューサー、ケンリック・コナーによるデビュー・アルバムは、たしかに腰が浮いてしまうようなユーロ・ハウスとUKベースのキメラといえ、洗練されたゲットー・ミュージックのユニークさを伝えてくれる。音数が少なく、非常にシンプルな構成で、アシッドな感覚に訴える面も強い。これは面白い。

 デイヴ・クアムによる詳細なライナーノーツによると、80年代末にオランダのハーグでDJモールティエが回転数を間違えてダンスホールのレコードをプレイし、それをオーディエンスが熱狂的に支持したことが「バブリング」というシーンをスタートさせたという。90年代を通じて移民を中心に拡大したバブリングは特異なカリビアン・ミュージックとしてさまざまなテクを加えながらロンドンのジャングルと同時並行で発展を遂げ、00年代も後半になると、ダッチ・ハウスに人気の座を明け渡す。オランダの移民文化というと、マルチ-カルチャラリズムを拒否したノルウェイの虐殺事件同様、04年にゴッホの甥の孫に相当する映画監督がイスラム過激派に路上で刺殺される事件がオランダ政府による同化政策の失敗を象徴していると報じられていたように(フランスの暴動の予告をなしたともいわれた)、非常な軋轢のなかでその文化を発展させていたことが容易に想像でき、当時のオランダでアフリカ系とラテン系の10代によって発展させられたという事実が、その急進性を物語っているといえる。「インスピレイションがバブリングと出会う」とか「バブリングがトラブルを引き起こす」といったタイトルはそれだけで何をかいわんやである。

 サウンドの隅々から醸し出される歪みや緊張感、そして、独特のユーモアはニューオーリンズでジャズが誕生したときと同じだとはいわないけれど、近いムードを持っているところはある。バブリング・ハウスの担い手としてライナーノーツにはほかにも若いDJたちの名前が列挙され、どちらかといえば洗練されたサウンドに目を付けやすい〈プラネット・ミュー〉の嗜好を考えると、サウンドの背景から考えてもっとブルータルな音楽性をメインに打ち出しているプロデューサーもまだまだ後には控えていることだろう。リリースが進むことを期待したい。

 現在、18歳になったばかりだというコナーは、10代を通じて「バブリング」を全身に浴びて育ったことは間違いない。これにUSヒップホップはもちろん、レゲトンやハウスが縦横に絡み合っているさまはすぐにも聴き取れる。エンディングに向けてヒップホップの色が濃くなっていく以外は、どのサウンドに優劣があるでもなく、見事なハイブリッド・センスだと言わざるを得ない。全体にハイファイでまとめられ、チップチューンのようなファニーさが過激なほど、そのドライさを引き立てている。

 また、イタリアのハウスに深くコミットしたことがある人には、92年に〈ビート・クラブ〉からリリースされたダブル・FMを強く想起させる面があることも伝えておきたい。ダブル・FMの、とりわけ"イリュージョン"で聴くことのできたヒプノティックなトライバル・ドラムが"フリーク・イット・アウト"や"フル・アップ"からはダイレクトに蘇ってくる。ハットの入るタイミングがまったく同じではないかと、かつてのイタリアン・ハウスまで聴き直してしまう夏......であった。

Sly Mongoose - ele-king

 『ミスティック・ダディ』が出た2009年は私の会社員最後の年だったので思い出ぶかい。あれからもう2年経つのかー、と愚にもつかない感慨を嘆息とともにもらしてしまうのも栓ないことだとお許しいただきたい。また、これはさらにどうでもいいことだが、年を重ねるにつれ時間がたつのが早くなるのはどうにかならないものか。気がつけば1日は暮れている。いまは夏であるから日が長いはずなのにそうは思えない。年をとると肉体はリットしていくのに人生はアッチェするのだろうか。この心身二元論の時間の側面における真逆の速度記号は人間は元からポリ(複合)グルーヴをもっているのではないかという妄想をかきたてる。あくまで妄想だが、こう暑いと空想さえ千々に乱れるし、だいいち私はいま、スライ・マングースの『ロング・カラーズ』を聴いている。
 "Wrong Colors(誤った色)"と題したスライ・マングースのアルバムは彼らの通算4作目で、スチャダラパー+ロボ宙とのハロー・ワークスの『ペイ・デイ』、そのあとにリリースした彼らの分岐点ともいえる『ミスティック・ダディ』から数えて2年目にあたる。分かれ目とはなんだったかというと、ダークで複雑な、つまりニューウェイヴとプログレシッヴ・ロックの記号性をグルーヴのフィルターを通し表現した『ミスティック〜』は、ダンス・カルチャーのレフトフィールドにあったスライ・マングースを、形容を付さないオルタナティヴ・ミュージックの領域に引きずり出した点にある。じっさいは引きずり出したのではなく、なるべくしてそうなった。スライ・マングースはジャンルを問わず、出音すべてを彼ら自身の言葉で語る術を体得した。これは頭で考える方法論とちがい、ひとが生まれ言葉をしゃべるようになるのと同じく、自然であり、また成熟するものである。そして、いうまでもないことだが、言葉は環境に左右され、身体に根ざしている。

 スライ・マングースの語法の中心には笹沼位吉のベースがある。ジャストからやや後ノリの笹沼のベースは、その特徴的なヌキサシのセンスも含め、レゲエを礎石とするが、塚本功のギターや松田浩二の鍵盤、富村唯のパーカスは笹沼の音楽性に追従しない。と書くと、悪口かと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではない。私はその絶妙の異化のスタイルがスライ・マングースとスタジオ・ミュージシャン集合体みたいな凡庸なバンドとを分かつ一線だと思う。ジェイムズ・ジェマスンを中心とした〈モータウン〉のハコバン、ファンク・ブラザーズはファンク〜ソウルの礎石ともいえるグループだが、彼らが作ったのはモータウン・サウンドであり、ジャンルではない。ジェマスンのベースはのちに普遍化されたものでしかない(普遍化がどれほど気の遠くなる、たいへんなものであるかはここではふれない)。
 私は音楽的な影響関係をいいたいのではなく、音楽の語り方をいっている。私はあるいはポリリズムとセットでいわれることの多い"訛"という言葉をもっと恣意的に、クセとか雰囲気とか揺らぎとかと同じ意味でもちいたいのかもしれない。だいいちスライ・マングースの訛はポリリズムと直接的には結びつかない。"エージェント・オレンジ"の10+6のリフと、8のドラムが2小節ごとに回帰するパターンはポリリズムの典型だが、この曲ではフェラやフェミのアフロビートに特有のうねりより、シェウン・クティがイーノのプロデュースで作った新作に似たマシナリーなグルーヴ・センスが前に出てきている。ここではリズムの空間性より時間の持続性を優先している......とかいう難しい講釈は抜きにしても、スライ・マングースの訛の一面はおわかりいただけたかと思う。
 ひとかどの訛をもってしまえば、またそれを世間ズレしてなくしてしまわなければ、どのような記号を扱おうとスライ・マングースのものとなる。ユーロ・ロックを参照した前作から、『ロング・カラーズ』ではエスニックをキーワードにサウンドトラック的な音楽遍歴を行っている。2曲目の"フー・マンチュー"(高橋幸宏とは無関係)は無国籍の国籍をもった音世界、 前述の"エージェント・オレンジ"はアップテンポのリフ主体の楽曲だが、この曲では塚本功のウードを思わせるアコースティック・ギターが不穏なサブリミナル効果を担っているし、パーカッションとギターが中心となった"ヤウザ!"の呪術性は『ロング・カラーズ』のカラーのひとつだろう。KUKIのエフェゥティヴなトランペットは音楽を色づけし、初参加となるドラムの繁泉英明と笹沼のリズム隊はバンドをしっかり支えているが、このアルバムではノンビートの曲やパートがこれまで以上に多い。私たちをグルーヴに巻きこむような手法はややうすらぎ、練りこんだ細部とアルバム構成の緩急でリスナーをひきこむ、ひとまわり大きくなった構えがとられている。そこには"サミダレ"でのmmm(ミーマイモー)のフィーチャーもふくまれる。mmmはマリア・ハトや王舟のメンバーで、『ミスティック〜』と同年に出した宇波拓のプロデュースの『パヌー』で注目を集めたシンガー・ソングライターで、スライ・マングースと親交があったとは不勉強ながら知らなかったが、ともあれ、mmmの声質とマングースのトラックは、和物レア・グルーヴをバレアリックな文脈に置き変えたような質感がある。このように、『ロング・カラーズ』の尺はLPに収まるほどコンパクトなのだが音楽の射程は広い。音楽が喚起するイメージの振幅が広いとでもいおうか。当然のことながら、"フロム・ファルス(笑劇)ランド"ではじまる本作の甘くないユーモアが私たちの胸元に突きつけられているのも忘れてはならない。まったく、スライ・マングースは油断ならない。

Chart by Underground Gallery 2011.08.11 - ele-king

Shop Chart


1

JERRY WILLIAMS

JERRY WILLIAMS Ease On Yourself (ghost town) »COMMENT GET MUSIC
DAVID MANCUSO、DJ HARVEY、IDJUT BOYS、PRINS THOMAS、FRANCOIS.Kなど、ここでは紹介しきれない程、沢山のDJ達がプレイしまくっている、話題作が遂に入荷!過去のリリース、そのいずれもが大ヒットを記録したNYの大人気リエディットレーベル[Ghost Town]新作は、既に上記著名DJ陣もビッグサポート中の超・超・超話題作!何と言ってもお勧めは、[Flexx]や[Hands Of Time]、[Sentrall]、[Adult Contemporary]からも作品を残す、カリフォルニアのプロデューサーTHE BEAT BROKERが、ERIC CLAPTONらにも楽曲を提供していた事でも知られる、スワンプ・ロック界の雄 JERRY WILLIAMSの79年リリース作「Gone」に収録されていた「Ease On Yourself」のリミックス A1。オリジナルの情熱的なファンク・ロックな雰囲気はそのままに、サイケデリックな鍵盤やエフェクティブなリフなどを鳴らし、程よく緩いバレアリック感を抽出させた、傑作ダブ・ブギー・ディスコに仕上げています。既に国内外を問わず、色々なDJ陣が各地でプレイしまくっているようですので、聴いた事があるという人も本当に多くいるはず!1stプレス盤は即完売、リプレス待ちの状態だっただけに、買い逃していた人は絶対にこの機会をお見逃し無く!!またカップリングには、同曲のオリジナル B2に加え、同アルバム収録の「Call To Arms」のDENNIS KANEリミックスを収録。オススメ!

2

 JEFF MILLS

JEFF MILLS 2087 (AXIS) »COMMENT GET MUSIC
JEFF MILLS「The Power」に続く、完全限定アルバム「2087」完成!1966年に公開されたクラシックS.F 映画「Cyborg(サイボーグ): 2087」の架空のサウンド・トラックとして制作された今作、繊細で深淵な電子音によって描かれた、神秘的な音風景により、映像的なイメージが喚起されてく、コンセプチャルな作品。

3

 TRY TO FIND ME

TRY TO FIND ME I'm Dancer / Needs Ending (Golf Channel) »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEYのパワープレイが話題となった前作「Get To My Baby-TBD Extension」でお馴染みのTRY TO FIND ME、待望の最新作! NYの鉄板地下レーベル[Golf Channel]新作は、LEE DOUGLASとのTBD名義でも活躍する JUSTIN VANDERVOLGENのリエディットプロジェクト TRY TO FIND ME。今回はSide-Aで、炸裂系のドラムグルーブにエッジの効いた80'sなギタープレイを響かせた、ロッキンディスコ「I'm Dancer」。Side-Bには、メランコリックなメロディー、ソフトな女性ヴォーカルが◎なレイト・ドリーミーなバレアリックディスコ作「Needs Ending」。どちらもそれぞれの場面に応じたキラーチューンになりそうですね〜。

4

VLADISLAV DELAY QUARTET

VLADISLAV DELAY QUARTET Vladislav Delay Quartet (Honest Jon's) »COMMENT GET MUSIC
話題の即興四重奏、VLADISLAV DELAY QUARTETデビューアルバム! ここ最近はMORITZ VON OSWALD TRIOのメンバーとして活動をしてきた、フィンランドのダブテクノ第一人者、VLADISLAV DELAYが、元PAN SONICの奇人MIKA VANIO、アルゼンチン人ミュージシャンのLUCIO CAPECE (ソプラノサックス/バスクラリネット)、"Improvised Music From Japan"のコンピレーションにも参加経歴を持つインプロヴァイザーDEREK SHIRLEY(ベース)を率いて、VLADISLAV DELAY QUARTETを結成! 旧ユーゴスラビア、セルビアのベオグラードにある、元ラジオ局だったというスタジオにて、僅か一週間で録音されたという今作、アコースティックとエレクトロニックが同居した、フリーインプロヴィゼーションを展開。

5

JAMES BLAKE

JAMES BLAKE Order / Pan (Hemlock Recordings) »COMMENT GET MUSIC
ベースの振動の聴け!!出来るだけ爆音でどうぞ...。 少し遅れていましたが、この夏の話題盤、やっと入荷しました!説明不要の若き天才JAMES BLAKEの最新12インチ!これがかなり実験的かつドープでヤバい!!アルバムで魅せたような、ソウルフルなヴォーカルは一切なく、ベースの振動とリズムのみに焦点を当てた、新境地といえる問題作!無駄を徹底的に省き、ベースの鳴りを追求した、とにかくヘビーな一枚!家庭用のオーディオ機材で、どれくらい再生されるのかは、判りませんがが、凄い音がなっています。出来るだけ爆音でどうぞ

6

HEROES OF THE GALLEON TRADE

HEROES OF THE GALLEON TRADE Neptunes Last Stance (Golf Channel) »COMMENT GET MUSIC
限定盤!レーベル買い出来る数少ないレーベルの一つ、UGヘビー・プッシュのN,Yアンダーグラウンド[Golf Channel]新作は、70'sクラウト/サイケロックな1枚。 同レーベル4番に登場していたSEXICANことGALLEON TRADEと、レーベル13番に登場していたGHOST NOTEのCHRIS MUNZOによるユニットHEROES OF THE GALLEON TRADEによる作品。Side-Aでは、泣きのギターリフが印象的なブルージーでフォーキーなアコースティック・サイケ・ロックナンバー「Neptunes's Last Stand」。QUIET VILLAGEや[Whatever We Want]作品、70'sロック方面の方には特にオススメですね〜。Side-Bでは、軽やかなパーカッションを鳴らしたハウストラックに浮遊感のあるスペーシーなコズミックシンセ、ディストーション・ギター、[Flying Dutchman]で知られる 超大御所ジャズ・ヴォーカリストLEON THOMASの歌声、トランペットを交えた コズミック・ハウス作「Winter Island Romance」。どちらも間違いありません!当然、今回も超一押しです!

7

PARRIS MITCHELL

PARRIS MITCHELL Juke Joints Vol.1 (Deep Moves) »COMMENT GET MUSIC
94、5年頃、DERRICK MAYがヘビー・プレイしたカルト・シカゴ・チューンが復刻! うぉー!!これだったんだ!DERRICK MAYが、[Dance Mania]や[Relife]辺りのシカゴ・ハウスを連発していた94、5年頃に、毎回欠かさずプレイしていた、ジャッキン・ハウスが復刻! 94年に[Dance Mania]からリリースされた2枚組「Life In The Underground」から、4曲が抜粋されて復刻!何と言ってもA2に収録されている「Rubber Jazz Band」がイチオシ!ジャジーなウッド・ベースとチープにフランジングするウワ音のみで超ファンキーに攻めるシカゴ・チューン!94、5年頃のDERRICK MAYのDJプレイで、欠かさずプレイされていいました!個人的にも15年以上探していたので、これは本当に嬉しい

8

2000 AND ONE

2000 AND ONE Kreamm (Bang Bang!) »COMMENT GET MUSIC
VILLALOBOSとLUCIANOが"B2B"でプレイしている、TYREE「Video Clash」 のカヴァーがコレです! 既にヨーロッパで話題となっているキラー・チューン![100%Pure]のディスコ・ライン人気レーベル[Bang Bang!]の新作は、ボス2000 & ONE自らが、いろんな意味で強烈な一枚をドロップ!シカゴ・クラシック古典、TYREE「Video Clash」 の、カヴァー?リメイク?リミックス?リエディット?コピー? 笑いが出るくらいに「Video Clash」 なんですが、とにかくカッコイイです! ヴァイナル・オンリーです!

9

PIGON

PIGON Sunrise Industry (Dial) »COMMENT GET MUSIC
両者共にソロ活動が活発化し、各自順調な活躍を魅せていた、EFDEMINとRNDMコンビが久々にPIGON名義で新作をリリース!温度感もテンションも「絶妙」!決して熱くならない、程良い高度感を保ちながら、淡々とビートを刻んでいく「Painting The Tape」、丁寧な音響工作も光る、アトモスフェリックなディープ・テクノの「Sunrise Industry」、拍子木のような音が、巧みに変化そながら転がっていく「Flip_Over Pill」など、全曲完璧!

10

REWARDS

REWARDS Equal Dreams (Dfa) »COMMENT GET MUSIC
BEYONCEの実妹 SOLANGE KNOWLESをフィーチャーした ソウルフルなNu-Disco作!コレ、本当にオススメです! TEST ICICLESの元メンバーとしての活躍でも知られる DEVONTE HYNES新作が NYの名門[Dfa]から登場。何と言ってもオススメは、Side-Aに収録されたタイトル作「Equal Dreams」で、グルーヴィーなブギーファンクグルーブとメランコリックな鍵盤、生っぽいフルートなどが交差するトラックに、ソウルフルな歌声を響かすSOLANGE KNOWLES嬢のヴォーカルが見事にハマる、Nu-Disco〜Deep House方面にかけて幅広くオススメしたい 超大推薦作!!カップリングには、同作のインストと、80年代のシンセポップな雰囲気を感じさせる「Asleep With The Lights On」。是非、チェックしてみて下さい!
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632 633 634 635 636 637 638 639 640 641 642 643 644 645 646 647 648 649 650 651 652 653 654 655 656 657 658 659 660 661 662 663 664 665 666 667 668 669 670 671 672 673 674 675 676 677 678 679 680 681 682 683 684 685 686 687 688 689 690 691 692 693 694 695 696 697 698 699 700 701 702 703 704 705 706 707 708 709 710 711 712 713 714 715 716 717 718 719 720 721 722 723 724 725 726 727 728 729 730 731 732 733 734 735 736 737 738 739 740 741 742 743 744 745 746 747 748 749 750 751 752 753 754 755 756 757 758 759 760 761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800 801 802 803 804 805 806 807 808 809 810 811 812 813 814 815 816 817 818 819 820 821 822 823 824 825 826 827 828 829 830 831 832 833 834 835 836 837 838 839 840 841 842 843 844 845 846 847 848 849 850 851 852 853 854 855 856 857 858 859 860 861 862 863 864 865 866 867 868 869 870 871 872 873 874 875 876 877 878 879 880 881 882 883 884 885 886 887 888 889 890 891 892 893 894 895 896 897 898 899 900 901 902 903 904 905 906 907 908 909 910 911 912 913 914 915 916 917 918 919 920 921 922 923 924 925 926 927 928 929 930 931 932 933 934 935 936 937 938 939 940 941 942 943 944 945 946 947 948 949 950 951 952 953 954 955 956 957 958 959 960 961 962 963 964 965 966 967 968 969 970 971 972 973 974 975 976 977 978 979 980 981 982 983 984 985 986 987 988 989 990 991 992 993 994 995 996 997 998 999 1000 1001 1002 1003 1004 1005 1006 1007 1008 1009 1010 1011 1012 1013 1014 1015 1016 1017 1018 1019 1020 1021 1022 1023 1024 1025 1026 1027 1028 1029 1030 1031 1032 1033 1034 1035 1036 1037