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Jazzanova ×〈Strata〉 - ele-king

 いま、70年代ブラック・ジャズ再評価の波が来ている。〈Black Jazz〉や〈Tribe〉といったスピリチュアル・ジャズ・レーベル作品のリイシューにボックスセット……そして今度は〈Strata〉の番。1969年にデトロイトで設立された〈Strata〉(注意:ギル・スコット=ヘロンなどで有名なNYの〈Strata-East〉ではない)は、セオ・パリッシュやジャイルス・ピーターソンなどからも称賛されているジャズ・ファンク~ソウル・ジャズのレーベルだ。
 その〈Strata〉音源をジャザノヴァがカヴァー、再創造した1枚がリリースされる。題して『ストラタ・レコード:ザ・サウンド・オブ・デトロイト』。4月20日発売。
 ジャザノヴァとは90年代末にベルリンで結成されたDJ/プロデューサー集団で、当時のクラブ・ジャズ~フューチャー・ジャズを代表するグループ。〈Strata〉の名曲たちがどのように生まれ変わるのか──これは楽しみ。

ジャザノヴァ/ストラタ・レコード:ザ・サウンド・オブ・デトロイト

1960年代後半にケニー・コックスによりデトロイトで創立されたインディペンデント・ジャズ・レーベル、〈STRATA〉は1969年~1975年の僅か6年の活動だったにもかかわらず、近年セオ・パリッシュからジャイルス・ピーターソンを筆頭に多くの音楽ファンやレコード・ディガー達から賛美を浴び、伝説的なレーベルとして知られている。

Kon & Amir の片割れで、レコード・ディガー、DJとして有名な DJ Amir が立ち上げた〈180 Proof〉がケニー・コックスの妻、バーバラ・コックスの協力を得て〈STRATA〉の過去カタログを再発するプロジェクトがスタート、そして彼はベルリンでジャザノヴァと出会い、 〈STRATA〉のカタログを使ったアルバム・プロジェクトを発案、ジャザノヴァは同レーベルのカタログ中の傑作11曲を厳選して再構築を試みた。

〈Strata〉のコミュニティーとシンパシーを感じたジャザノヴァは、常に進化を続ける創造性豊かなユニットであり、1995年に志が同じのDJやプロデューサーらからなるオリジナル・ メンバー5名からスタート、彼等はバンド・プロジェクトへと発展しライヴ活動を開始、その流れの中でジャザノヴァとDJアミールが出会ったのは運命であり意気投合した彼等はこの世紀の大プロジェクトを完成へと導いた。

本作は単なるカヴァー・アルバムではなく、彼等が長年培ったDJとしてのリミックス感覚 と、ライヴ・バンドとしての感性を融合させ、現代に蘇らせる事に成功した。例えば、 Lyman Woodard Organization “Creative Musician” は新鮮なアフロビートのテンポのア レンジを盛り込み、同バンドの名曲 “Saturday Night Special” では新らしい解釈の現行ファンクを提案している。同時に元々モータウンのバック・バンドとして活躍したミュージシャンが多数在籍していた〈STRATA〉らしいジャズとソウル・ミュージックのハイブリッドなサウンドはジャザノヴァと出会う事によりモダンでエクレクティックなジャズ・サウンドへと昇華する事に成功した。

ジャザノヴァ ストラタ・レコード:ザ・サウンド・オブ・デトロイト
Jazzanova Strata Records - The Sound of Detroit

TRACKLIST
1. Introduction - Amir Abdullah aka DJ Amir
2. Lost My Love - Jazzanova feat. Sean Haefeli
3. Creative Musicians - Jazzanova feat. Sean Haefeli
4. Joy Road
5. Face at My Window - Jazzanova feat. Sean Haefeli
6. Root In 7-4 Plus - Jazzanova feat. Sean Haefeli
7. Inside Ourselves
8. Beyond The Dream - Jazzanova feat. Sean Haefeli
9. Saturday Night Special
10. Orotunds
11. Scorpio’s Child
12. Loser - Jazzanova feat. Sean Haefeli
13. Creative Musicians (Waajeed Remix) Bonus Track
14. Creative Musicians (Henrik Schwarz Remix) Bonus Track

BBE MUSIC / 180 PROOF / STRATA / OCTAVE-LAB OTLCD2600
税抜定価:¥2,300+税
2022年04月20日(水)
形態:CD

創造的再生が、時代とジャンルを超えた!
JAZZANOVA による STRARA RECORDS の再解釈は、極上の音楽体験を与えてくれる。
DJ感覚とバンド・サウンドとリスニング・ミュージックの理想的なハイブリッドが完成!!
沖野修也(Kyoto Jazz Massive/Kyoto Jazz Sextet)


"As a longtime Jazzanova head I expect nothing less than prime grade A quality musical excellence and this go round is absolutely no different. It comes with a lush maturity, evolved growth & envelope pushing all the while remaining true to their mission of making creative music from their hearts. Go Jazzanova!" - Ahmir 'Questlove’ Thompson
大昔からのジャザノヴァの大ファンとして、彼らからは超一流な品質の音楽の卓越性他ならない完成度を常に期待しており、この新作も全くいつも通り変わりはない、最高品質な作品に仕上がっている。本作にはまた彼らの豊富な成熟ぶり、進化した成長と限界に挑む姿勢が大いに盛り込まれながら、彼らの心の奥底から来ている音楽創造の姿勢に対する使命に忠実であり続けている姿を明確に表している。ジャザノヴァ、頑張れ!
-Ahmir 'Questlove' Thompson(THE ROOTS)

New Acao - ele-king

 日本の高度経済成長期おいて、行楽地として栄えた熱海。当時建てられたそのゴージャスな建造物のいくつかは、昭和の日本を駆り立てた豊かさという夢を反映している。そして、その夢が潰えた今日においては、失われた未来としての異光をはなっているのだった……。昨年11月に宿泊営業を終了した「ニューアカオ館」はその象徴的なホテルだが、歴史的と言えるその場で、PhewやWata Igarashiが出演するパーティが開かれることになった。ほかにUKからはBlack Merlin、Jane Fitzも出演。これはなかなかユニークなエクスペリエンスになりそう。
 お買い得な早割チケットあり。なお、「ニューアカオ館」と同敷地内にあるHOTEL ACAOは現在も営業中のため宿泊も可能。熱海は都内から好アクセスで、温泉もたくさんあるので、パーティ以外の楽しみも見逃せない。

rural presents New Acao
2022年7月16日(土)、17日(日)、18日(月・祝)

会 場:ACAO SPA & RESORT「ニューアカオ館」
出 演:Black Merlin, Jane Fitz, Phew, Wata Igarashi and more

料 金:早割 (Early Bird) 15,000円
4月6日18時 販売開始・限定100枚
前売(ADV) 18,000円

5月11日正午 販売開始
1日券 (Single day Ticket) 12,000円
5月11日正午 販売開始
U25 9,500円

5月11日正午 販売開始
静岡割 15,000円
5月11日正午 販売開始

宿泊(会場内)チケット
価格・数量未定
6月上旬

駐車場チケット
価格・数量未定
6月上旬

当日券 22,000円

オフィシャルサイト:
https://ruraljp.com/

LIBRO - ele-king

 昨秋3年ぶりの新作『なおらい』をリリースしたラッパーの LIBRO。彼のファースト・アルバム『胎動』(1998)は日本ラップのクラシックとして高く評価されている。そんな同作から、ジャジー・ヒップホップの先駆けとも呼べる1曲 “雨降りの月曜” のMVが公開された。
 それに合わせ、『胎動』のアナログ盤も本日リリースされている。メロウな “雨降りの月曜” をはじめ “胎動” や “対話” など、多くの佳曲をヴァイナルで聴く絶好のチャンス。完全限定生産(帯付き)とのことなので、お早めに。 

LIBROが98年にリリースした日本語ラップ・クラシックな名盤『胎動』収録の名曲 "雨降りの月曜" のミュージック・ビデオが公開! また同作のアナログ盤が完全限定プレスで本日リリース!

 日本のヒップホップ・シーン黎明期から活動をスタートさせて97年にラップ、トラックメイク双方を手がけるスタイルでデビュー。2022年にはデビュー25周年を迎えながら今でもマイペースな活動を続け、コンスタントに作品をリリースし続けているLIBRO(リブロ)が98年に発表したファースト・アルバムにして日本語ラップ・クラシックな名盤『胎動』に収録されている名曲 "雨降りの月曜" のミュージック・ビデオが24年の時を経て公開! Diaspora skateboardsのビデオディレクター、小林万里がディレクションを担当している。
 また、その "雨降りの月曜" やタイトル曲 "胎動" を筆頭、"対話" feat. Momoe Shimano a.k.a. MOE’Tなどの名曲を多数収録した『胎動』のアナログ盤が本日リリース! 帯付き/完全限定生産でのリリースとなります。

*LIBRO "雨降りの月曜" (Official Video)
https://youtu.be/yEpKC0wXy4M

[商品情報]
アーティスト:LIBRO
タイトル:胎動
レーベル:P-VINE, Inc.
発売日:2022年4月6日(水)
仕様:LP(帯付仕様/完全限定生産)
品番:PLP-7769
定価:3,850円(税抜3,500円)

[Side A]
1. イントロ
2. 胎動
3. ガイドライン
4. 雨降りの月曜
5. 対話 feat. Momoe Shimano a.k.a. MOE'T
[Side B]
1. リブロ工房
2. Doytena 2000 feat. Ark, KEMUMAKI, DOBINSKI
3. 胎動 Remix (DJ TONK Remix)
4. 対話 Remix feat. Momoe Shimano a.k.a. MOE'T (DJ KIYO Remix)
5. アウトロ

LIBRO 『胎動』
Stream/Download/Purchase:
https://p-vine.lnk.to/NLpyrLNV

Phew / Friday Night Plans - ele-king

 昨年の『New Decade』をはじめ、近年ますます精力的に活動している Phew と、新世代シンガー Friday Night Plans による2マン・ライヴが渋谷 WWW にて5月2日に開催される。ふたりは今回が初の顔合わせ。それぞれ異なるタイプの音楽をやっているように映る2組だけに、いったいどんな化学反応が生み出されるのか、いまから楽しみになるライヴだ。チケットなど詳細は下記をご参照ください。

Phew / Friday Night Plans初となる2マンライブが5月2日(月祝前)WWWにて開催決定!!

PhewとFriday Night Plansの初となる2マンライブが、5月2日(月祝前)WWWにて開催が決定した。

伝説のアート・パンク・バンド、アーント・サリーの創設メンバーであり、現在も精力的にソロ作品をリリース、
声と電子音楽を組み合わせた作品でエレクトロニック・アーティストとしても世界的な評価を得るPhewと、
竹内まりやの「Plastic Love」のカバーが海外で評価されるも、
昨年から「レコードの音質」をテーマに実験的な制作を行い3枚のEPを立て続けにリリース。
新たな音世界を提示し、先日行われた自主企画イベントにてライブ活動を再始動させたFriday Night Plans。
両者初顔合わせとなる貴重な一夜をお見逃しなく。

公演フライヤーは写真を寺沢美遊が撮影し、フライヤーデザインをpooteeが手がけた。
チケットはただ今より一般販売開始!

タイトル:Phew / Friday Night Plans
日程:2022年5月2日(月祝前)
会場:WWW
出演:Phew / Friday Night Plans
時間:OPEN 18:45 / START 19:30
前売:¥3,800 (税込 / オールスタンディング / ドリンク代別)
問合:WWW 03-5458-7685

チケット:
一般発売 / 4月5日(火)19:00~ e+ 【https://eplus.jp/phew-fnp-www/
※本公演は「ライブハウス・ライブホールにおける新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」に基づいた対策を講じ、開催いたします。
チケットのご購入、ご来場の際は「新型コロナウイルス感染拡大予防対策の実施について」を必ずご確認いただき、ご同意の上でチケットのご購入とご来場をお願いいたします。

公演ページ:https://www-shibuya.jp/schedule/014377.php


Phew
伝説のアート・パンク・バンド、アーント・サリーの創設メンバーであり、1979年解散後はソロとして活動を続け、1980年に坂本龍一とのコラボレーション・シングルをリリース、1981年には、コニー・プランク、CANのホルガー・シューカイとヤキ・リーペツァイトと制作した1stソロ・アルバム『Phew』を発売。1992年、MUTEレーベルより発売された3rdアルバム『Our Likeness』は、再びコニー・プランクのスタジオにて、CANのヤキ・リーベツァイト、アインシュテュルツェンデ・ノイバウテンのアレックサンダー・ハッケ、そしてDAFのクリスロ・ハースと制作された。2010年代に入り、声と電子音楽を組み合わせた作品を次々に発売し、エレクトロニック・アーティストとしても世界的評価を高めた。ピッチフォークは「日本のアンダーグラウンド・レジェンド」と評している。また、アナ・ダ・シルヴァ(レインコーツ)、山本精一(ex.ボアダムス)等とのコラボレーション作品も発売。2021年10月、最新ソロ・アルバム『ニュー・ディケイド』はTraffic/Muteより世界発売。


Friday Night Plans
Friday Night Plans(フライデーナイトプランズ)は、東京をベースに活動するボーカルの Masumi を主体とした 音楽プロジェクト。東京都出身で日本人の父とフィリピン人の母を持つ Masumi は、2018年7月から Friday Night Plans の活動を開始し、その楽曲が Spotify や Apple Music を中心に国内外で話題となり、同年12月にリリースした竹内まりやの「Plastic Love」カバーが海外で評価される。2019年11月15日(Fri)にリリースされた 2nd EP「Complex」は、ポジティブで直接的な表現が主流の現代において、土臭い人間の精神世界を詩的に表現しており、ネガティブを否定せずに直視することによって、どこか次の段階を模索するための "今" が描かれているように感じられる。「Complex」からの第1弾先行シングル「All The Dots」はUK版「i-D Magazine」に取り上げられ、第2弾先行シングル「Decoy」は米人気メディア「The FADER」に取り上げられ「BBC RADIO 1Xtra」にて選曲されるなど、海外メディアからも注目されている。12月6日(Fri)にリリースされた 9th 配信 Single「HONDA」はインディーズながら "Honda「VEZEL」CM ソング" に選曲された。2021年1月から「レコードの音質」をテーマに実験的な制作を続けており、2021年4月30日(Fri)に3rd EP「Embers」、8月27日(Fri)に4th EP「When I Get My Playground Back」、2022年1月28日(Fri)に5th EP「In The Rearview」をリリースしている。

Friday Night Plans
https://linktr.ee/FridayNightPlans

Daniel Villarreal - ele-king

 シカゴのオルタナ・ラテン・バンド、ドス・サントスの一員でもあるパナマ出身のドラマー/パーカッショニスト、ダニエル・ ヴィジャレアルが初のソロ・アルバムを発売する。シカゴの新たなキーパーソンになっているという彼のアルバムには、ジェフ・パーカーら当地の面々とLAのミュージシャンたちが参加。ラテンのリズムを活かした極上のグルーヴを堪能したい。

ダニエル・ビジャレアル(Daniel Villarreal)
『パナマ77(Panama77)』

発売日:【CD】2022/5/25

大注目!! シカゴのオルタナ・ラテン・ジャズバンド、Dos Santos(ドス・サントス)のメンバーで知られるパナマ出身ドラマー/パーカッショニスト Daniel Villarreal(ダニエル・ ビジャレアル)が待望のソロアルバムを完成させた。ラテンのリズムに導かれるグルーヴ溢れるサウンドは必聴。日本限定盤ハイレゾMQA対応仕様のCDでリリース!! ジェフ・パーカー参加!!

Recorded in Chicago and Los Angeles featuring:
Daniel Villarreal - drums & percussion,
Elliot Bergman - baritone saxophone & kalimba,
Bardo Martinez - bass guitar & synthesizers,
Jeff Parker - guitar,
Kellen Harrison - bass guitar,
Marta Sofia Honer - violin & viola,
Kyle Davis - rhodes piano & synthesizers,
Anna Butterss - double bass & bass guitar,
Aquiles Navarro - trumpet,
Nathan Karagianis - guitar,
Gordon Walters - bass guitar,
Cole DeGenova - farfisa & hammond organs

ダニエル・ビジャレアルは、現在のシカゴのシーンを支える最重要ドラマー/パーカッショニストだ。パナマ出身で、異色のラテン・バンド、ドス・サントスのメンバーであり、DJでもある。ジェフ・パーカーら、シカゴとLAのミュージシャンたちと共に、ラテンのリズムを掘り下げて最上のグルーヴとドリーミーなサウンドスケープに包まれる、真に融和的な音楽を作り上げた。(原 雅明 rings プロデューサー)

アルバムからの先行曲 “Uncanny (Official Video)” のMVが公開されました!
https://www.youtube.com/watch?v=JNUaLAYPURM

アーティスト:Daniel Villarreal(ダニエル・ビジャレアル)
タイトル:Panama77(パナマ77)
発売日:2022/5/25
価格:2,600円+税
レーベル:rings / International Anthem
品番:RINC87
フォーマット:CD(MQA-CD/ボーナストラック収録予定)

* MQA-CDとは?
通常のCDプレーヤーで再生できるCDでありながら、MQAフォーマット対応機器で再生することにより、元となっているマスター・クオリティの音源により近い音をお楽しみいただけるCDです。

Official HP:https://www.ringstokyo.com/danielvillarreal

HAINO KEIJI & THE HARDY ROCKS - ele-king

 先日不失者の2デイズ・ライヴ情報をお伝えしたばかりだが、また新たなニュースの到着だ。
 2016年、灰野敬二が若手の実力派たちと結成したロック・バンド「HAINO KEIJI & THE HARDY ROCKS」。同バンドで灰野はヴォーカリストに徹し、自身の原点たるロックンロールやR&B、ソウルやジャズを英語で歌い、精力的にライヴをこなしてきた。その音源は昨年、ロンドンの Cafe Oto からデジタルでリリースされているが、きたる5月11日、待望のスタジオ・アルバムがリリースされる。
 また、6月15日には渋谷WWWにて同作のリリース記念ライヴが開催。チケットの販売は明日から。ご購入はお早めに。

灰野敬二率いるリアル・ロック・バンド、HAINO KEIJI & THE HARDY ROCKS待望のスタジオ・アルバム、5/11リリース。6/15に渋谷WWWにてリリース記念ライヴを開催。

これだけがロック。私が言うロックという言語を、古文書の封印が解かれていくように開示する。――灰野敬二

1970年に前衛ロック・バンド、ロスト・アラーフのヴォーカリストとしてデビュー、1978年に不失者を結成、それ以来ソロのほかに滲有無、哀秘謡、Vajra、サンヘドリンなど、多様な形態で活動し、国際的に高い評価を受ける音楽家・灰野敬二。

常に「今」を追求しつづけている灰野が、川口雅巳(Kawaguchi Masami's New Rock Syndicate)をはじめ若手実力派ミュージシャンとともに2016年に結成したロック・バンド、HAINO KEIJI & THE HARDY ROCKSの待望のスタジオ・アルバム。

録音はアナログ・レコーディングで定評のあるGOK SOUNDにて、エンジニアにバンドが絶大な信頼を寄せる近藤祥昭を迎えて行われた。

灰野がヴォーカリストに徹し、自らの原点といえるロックンロール、R&B、ソウル、ジャズ、そして日本の曲も英語で歌うという明確なコンセプトを打ち出し、精力的にライヴ活動を展開、2021年にイギリスのレーベルから配信でライヴ音源がリリースされ好評を得た。

ザ・ローリング・ストーンズ、ザ・ドアーズ、ボブ・ディラン、ザ・フーなどの名曲が、徹底的に解体・再構築され、曲の“本性”がむき出しになった究極のリアル・ロック。その衝撃は世代を問わず幅広いロック・ファンにアピールするでしょう。

6月15日に渋谷WWWにて本作のリリース記念ライヴを開催。リアル・ロックを体感してほしい。

HAINO KEIJI & THE HARDY ROCKS
灰野敬二 HAINO KEIJI vocal, harp
川口雅巳 KAWAGUCHI MASAMI guitar
なるけしんご NARUKE SHINGO bass
片野利彦 KATANO TOSHIHIKO drums

[リリース情報]
アーティスト:HAINO KEIJI & THE HARDY ROCKS
Title: You’re either standing facing me or next to me
タイトル:きみはぼくの めの「前」にいるのか すぐ「隣」にいるのか
レーベル:P-VINE
フォーマット:CD
商品番号:PCD-28048
価格:定価:¥3,080(税抜¥2,800)
発売日:2022年5月11日(水)

収録曲
01. Down To The Bones
02. Blowin' In The Wind
03. Born To Be Wild
04. Summertime Blues
05. Money (That's What I Want)
06. Two Of Us
07. (I Can't Get No) Satisfaction
08. End Of The Night
09. Black Petal
10. Strange Fruit
11. My Generation

フォーマット:LP
商品番号:PLP-7849
価格:定価:¥4,180(税抜¥3,800)
発売日:2022年9月7日(水)
完全限定生産

収録曲
A1 Down To The Bones
A2 Blowin' In The Wind
A3 Born To Be Wild
A4 Summertime Blues
B1 (I Can't Get No) Satisfaction
B2 End Of The Night
B3 Black Petal
B4 Strange Fruit
B5 My Generation

[ライヴ情報]
HAINO KEIJI & THE HARDY ROCKS
出演:HAINO KEIJI & THE HARDY ROCKS
日程:2022年6月15日(水)
会場:渋谷WWW
時間:開場18:30 開演19:30
料金:前売¥4,000(税込/ドリンク代別/全自由)
チケット一般発売:4月2日(土)10:00 e+にて
問い合わせ:WWW 03-5458-7685
https://www-shibuya.jp

灰野敬二が若手実力派ミュージシャンとともに結成したロック・バンド「HAINO KEIJI & THE HARDY ROCKS」。灰野がヴォーカリストに徹し、自らの原点といえるロックンロール、R&B、ソウル、ジャズ、そして日本の曲も英語で歌うという明確なコンセプトを打ち出す。

2021年にはロンドンのCafe Otoからデジタルリリースし好評を博したそのバンドの待望のスタジオ・アルバム「You’re either standing facing me or next to me」が5月11日P-VINEからリリース、リリース記念ライブを6月15日に開催する。

ロックの衝撃がここにある、本当のロックを聴きたい人は、集まれ。

https://www.fushitsusha.com

GONNO & HAL ca - ele-king

 日本を代表するテクノDJのひとり GONNO(4/28には GONNO × MASUMURA として CONTACT でもプレイ)による新作2タイトル『Waft』『Wander Other Worlds』と、菊地晴夏を中心とする新プロジェクト HAL ca によるデビュー作『ANIMA』、計3タイトルが〈813 Records〉からリリースされる。いずれも立体音響技術「360 Reality Audio」を用いた作品とのことで、どんなサウンドに仕上がっているのか、自身の耳で確かめてみてほしい。

GONNO と HAL ca による立体音響作品が 813 Records より3タイトル同時リリース!

ヨーロッパを中心にテクノ/ハウスシーンでも活躍してきたDJ/プロデューサー Gonno 音響作品『Waft』『Wander Other Worlds』と、様々なサウンド・インスタレーションを手がけてきたコンポーザー菊地晴夏を中心とした新プロジェクト HAL ca によるデビュー作『ANIMA』が一挙リリース。

これまでpeechboyやXTALなど国内の気鋭エレクトロニック・アーティストの作品を発表してきたレーベル813が、立体音響技術360 Reality Audio に特化したスタジオ「山麓丸スタジオ」の協力を得て、 新たな音響快感を追求したアンビエント、テクノミュージック作品にアプローチする。

まずGonnoによる2作品は、後日に発表されるEP『Loom』と合わせた立体音響三部作の一環。『Waft』は、ニューエイジ~アンビエントへと接近し新たなイマーシヴ体験を追求した4曲入りEP。そして1トラック20分強の大作シングルとなる『Wander Other Worlds』は、リコーの開発するRICOH PRISMの体験プログラムとして制作された楽曲から発展。同プログラムのビジュアル演出を手掛けた画家、Akiko Nakayamaがアートワークを提供している。

同様にRICOH PRISMのプログラムとして、デジタル・アーティスト村上裕佑のディレクションで制作された同名作品のサウンドトラックでもある、HAL ca『ANIMA』にも注目してほしい。中心人物となる菊地晴夏は、パリのエコールノルマル音楽院の映画音楽作曲科を首席で卒業という才媛。配信作品としては今作がデビュー作となる。HAL caでは今後、空間音響を軸としたプロジェクトとして活動していく。


Gonno / Waft
Label: 813
2022年3月30日発売
※Amazon Music Unlimited、Deezerなど360 Reality Audio対応プラットフォームにて先行リリース。ステレオ版のリリースは4月6日予定。

[収録曲]
1. Warbly FM
2. Nikita
3. 550 Drums
4. A Long Way


Gonno / Wander Other Worlds
Label: 813
2022年3月30日発売
※Amazon Music Unlimited、Deezerなど360 Reality Audio対応プラットフォームにて先行リリース。ステレオ版のリリースは4月6日予定。

[収録曲]
1. Wander Other Worlds


HAL ca / ANIMA
Label: 813
2022年3月30日発売
※Amazon Music Unlimited、Deezerなど360 Reality Audio対応プラットフォームにて先行リリース。ステレオ版のリリースは4月6日予定。

[収録曲]
1. MononooN
2. roTaTe
3. MeMory
4. NoVa

Ryoji Ikeda - ele-king

 昨年の『music for installations vol.1』に続き、新たに池田亮司によるインスタレーション音楽集『vol.2』がリリースされることになった。本人の主宰する〈codex | edition〉から。16枚の作品写真をまとめたカードセット『fragments vol.1』も同時発売。いずれも999部限定とのこと。また、4月16日より開催される弘前れんが倉庫美術館での展示会場では、先行発売も予定されている。詳しくは下記をチェック。

Ryoji Ikeda
music for installations vol.2
fragments vol.1

池田亮司によるインスタレーション作品の音源集第2弾『music for installations vol.2』と、16枚の作品写真をまとめたカードセット『fragments vol.1』 をcodex | editionから同時リリース。
それぞれ限定999部、2022年3月31日(木)からプレオーダー開始。

音そして視覚的要素、物理や数学的なアプローチを用いて人間の知覚能力やテクノロジーの臨界点に挑むような作品を様々な形態で発表し続けているアーティスト/作曲家の池田亮司。『music for installations vol.1』『superposition』に続き、codex | edition から『music for installations vol.2』を2022年4月22日(金)に限定999部でリリースする。先のリリースと同じくCDとブックレットのセットで、ブックレットには収録曲の図版を数多く掲載。

同時に発売する『fragments vol.1』は、池田によって厳選された作品写真を収録した16枚のカードセット。こちらも限定999部で、特製のボックスに封入されている。
セットには世界各地の美術館での作品展示風景や、《test pattern [times square]》や《A [for 100 cars]》といった大規模プロジェクトのインスタレーションビュー
などが含まれている。

また、4月16日(土)から開催する弘前れんが倉庫美術館(青森県弘前市)での池田の大型個展に合わせ、同ミュージアムショップmuseum shop HIROSAKI MOCAにて、一般発売に先がけ展覧会のオープニング日より先行発売を行う。

music for installations vol.2 [cd+booklet](2022.4.22 リリース)
*8トラック収録(全71分)のCDと96ページのブックレットのセット 
*限定999部、エディションナンバー入りカード付き 
*デジタル音源も同日リリース

fragments vol.1 (2022.4.22 リリース)
*特製ボックスに16枚のカード(189 x 124 mm)を封入
*限定999部、エディションナンバー入りラベル付き

【プレオーダー】
3月31日(木) 18時(JST)よりcodex | editionのオンラインショップにてプレオーダー開始

【先行発売】
4月16日(土)より弘前れんが倉庫美術館のミュージアムショップ「museum shop HIROSAKI MOCA」にて先行発売実施

【展覧会情報】
2022年度 展覧会[春夏プログラム]「池田亮司」展
会期:2022年4月16日(土)-8月28日(日)
会場:弘前れんが倉庫美術館(青森県弘前市吉野町2番地1)
https://www.hirosaki-moca.jp

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music for installations vol.2
アーティスト Ryoji Ikeda
タイトル music for installations vol.2
レーベル codex | edition
品番 CD-004
税込価格 5,500円
発売日 2022年4月22日(金)
(デジタル音源も同日リリース予定)

トラックリスト
1. the planck universe [micro] (2015)
2. the planck universe [macro] (2015)
3. point of no return (2018)
4. data.anatomy (2012/2019)
5. supersymmetry [experience] (2014)
6. supersymmetry [experiment] (2014)
7. code-verse (2018)
8. data-verse (2019‒20)
合計収録時間:1:11:46

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fragments vol.1
アーティスト Ryoji Ikeda
タイトル fragments vol.1
レーベル codex | edition
品番 PC-001
税込価格 4,950円
発売日 2022年4月22日(金)

作品リスト
datamatics [prototype‒ver.2.0]
data.tron [8K enhanced version]
data.flux [12 XGA version]
test pattern [100m version]
test pattern [times square]
supersymmetry [experience]
supersymmetry [experiment]
the planck universe [micro]
the planck universe [macro]
the radar [rio de janeiro]
the radar [fondation vasarely]
the radar [shanghai]
A [continuum]
A [for 100 cars]
db

Duppy Gun - ele-king

 サン・アローゲド・ゲングラスを中心としたダンスホール・プロジェクト、ダピー・ガン。その新作が、ブリストルの〈Bokeh Versions〉と東京の〈Riddim Chango Records〉との共同リリースとなった。この異形のダンスホール、要チェックです。

DUPPY GUN X ELEMENT - ANDROMEDA EP

1.Jahbar Darkblood - Love My People
2.Element - Andromeda Riddim
3.I Jahbar Darkblood - Puff It
4.Element - Puff It Riddim
5.G Sudden - Walk Stagger Rum Song
6.King G - Chopping
7.Element - Rum Song Riddim

Produced by Duppy Gun & Element
Mastered by e-mura (Bim One Production)
Artwork by Cameron Stallones
Label: Bokeh Version / Riddim Chango Records

試聴サイト
トレイラー (Youtube)
■ 国内発売日: 2022年4月8 日(金)
12"EPレコード販売

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Sun ArawとM. Geddes Gengrasを中心に、I Jahbarなどジャマイカ在住のMCクルーと結成された異形ダンスホール・コレクティブのDuppy Gunが、日本のプロデューサーElementを迎えた7曲入りのEPがブリストルのレーベルBokeh Versionsと日本のRiddim Chango Recordsの共同でリリースされる。

これまでにSeekers International、 Jay Glass DubsやLow Jack、国内ではMars89や7FOの作品、さらにはTNT Roots、Bush Chemist、Traditionなどの再発を手がけ、オブスキュアなダブレーベルとしてその存在を確立してきたブリストルのカルトレーベルであるBokeh Versionsが日本とロンドンの2拠点から新しいサウンドシステム・ミュージックを提案してきたRiddim Chango Recordsと手を組んだ形になる。
Jahbar, G Sudden, King G, Darkbloodの4人のジャマイカ人MCが吐き出す強度の高いキラーなヴォーカルと、キングストンのダブポエットNazambaとの楽曲も記憶に新しいElementが製作した、SF要素がありながらもいわゆる”テクノ・ダンスホール”とも一線を隠す、オリジナルなリズムトラックが融合した楽曲7曲 (ヴォーカル4曲、インストヴァージョン3曲)を収録した12インチが4月8日リリース!
アートワークはDuppy Gunコレクティブをスタートさせた1人であり、Sun Araw名義でオルタナティブで実験的な作品を残してきたCameron Stallonesが担当している。


Duppy Gun情報
Bokeh Versions情報

シェイン 世界が愛する厄介者のうた - ele-king


© The Gift Film Limited 2020

 ここ数週間、ぼくはジャック・ケルアックについて思いをめぐらせている。去る3月12日が、ビートの王様の生誕100年だったのだ。それでぼくは、不安と期待をもってディーンとサルの物語、つまり『路上』として知られるその小説を40年振りに読んだ。
 じつは数年前から『路上』はいつか読み直そうかなと思っていた。トレイシー・ソーンの自伝『安アパートのディスコクィーン』を出したとき、同書のなかで若きソーンが、ビート世代の登場を宣言したその記念碑的な小説を自分のフェイヴァリットとして何度か挙げていることが気になっていたのだ。なんていうか、つまり、あれはもう女性の描き方に関しては目も当てられないというか……、いや、そうじゃなくてもモノシックでモノ静かで、ソツのない文章やリベラルな道徳心と自己宣伝のSNSで溢れたこの時代、カウンター・カルチャーというものは嘲笑や批判の対象であっても崇拝の的にはならないのが現実だったりする。だからなおのこと、ソーンが自伝のなかでその教典を強調していることが興味深いと思ったのだ。まあ、たしかにケルアックに代表される1950年代のビート・ジェネレーションはカウンター・カルチャーの発火点だった。なんにせよ、それが出発点だった。人生を冒険のように生きて、白人社会を嫌悪し、黒人を賞賛しジャズに熱狂する。それが60年代になるとヒッピーへと展開し、1970年代にはパンクになった。そう、そうなのだ。
 が、しかしそれにしても、このモノシックでモノ静かな時代に、飲んだくれて、ドラッグをやりまくって、おびえながら生きるのではなく生きていることに興奮しながら生きるということは、いったいナンなのか……、50年代のアメリカで萌芽したカウンター・カルチャーは現代ではもう無効なのか……、この大きな問題については6月末売りの紙エレキングにおいて、マシュー・チョジックさんと水越真紀さんの力を借りながら論じてみようと思っている(できるかな?)。
 そんなことを考えていた矢先に、ジュリアン・テンプル監督によるシェイン・マガウアンの評伝映画が日本でも公開されると知った。見るしかないだろう。テンプルは、『ザ・グレイト・ロックンロール・スウィンドル』や『ビギナーズ』、あるいはジョー・ストラマーやグラストンベリー・フェスティヴァルの見事なドキュメンタリー映画で知られるベテランで、この筋では信用できる監督だ。
 
 で、シェイン・マガウアンなのだが、日本でもいまだ根強い人気を誇っているし、彼の若き姿はパンクのドキュメンタリー映画を見ている人にはお馴染みだろう。セックス・ピストルズやザ・クラッシュのライヴの最前列で異様にノリまくっているひとりの若者、見るからにやばそうなパンクス、それが後にザ・ポーグスのヴォーカリストとして世界中に知られることになるシェイン・マガウアンだ。また、シェインは手のつけられない大酒飲みとして、あるいは歯のない男としても知られている。もちろん、彼が作った曲でもっとも有名なのは、あの最高にアップリフティングな“フェアリー・テイル・オブ・ニューヨーク”だ。シェイン・マガウアンとは、クリスマスの夜のニューヨークで、酔っ払って牢屋に入れられた男の話——アイルランド人のカップルの夢と絶望——が歌われている、イギリスでもっとも人気のあるクリスマス・ソングの作者であり、歌手である。


© ANDREW CATLIN

 あの曲の舞台がニューヨークなのは意味がある。19世紀なかばのアイルランドにおける大飢饉によって、数百万人のアイルランド人が職を求めてアメリカに渡った。だからアメリカには本国アイルランドよりも多くのアイルランド人がいる。そうした無名のアイルランド人の、酔っ払うことでしか生きていけないような世知辛い人生を、あの曲は宇宙クラスのおおらかな愛をもって歌い上げている。多くの人たちから愛されて当然だ。

 アイルランドの民謡(フォーク)をパンクのフィルターを通して再現したザ・ポーグスは、素晴らしきアイリッシュ・ディアスポラである。シェインは、幼き日々に過ごしたアイルランド南部の田舎町ティペラリーでの記憶を決して忘れることはなかった。6歳から酒とタバコを続けながらも、だ。ウィスキーと川、動物たちとギネスビール、二日酔いの郵便配達員、子供の飲酒を咎めなかった家族や親戚、カトリック教会、パブと音楽、こうしたものすべてがシェインのなかではアイルランドの誇りだ。一家がロンドンの集合住宅に移住し、母はノイローゼになり、学校ではいじめにあい、マルクスの資本論を読んで無神論に衝撃を受けても、シェインのなかのカトリック的なもの、植民地主義への怒りと愛国心、IRAへのシンパシーが揺るぐことはなかった。


© The Gift Film Limited 2020

 学校は、校内でドラッグを売りさばいて14歳で退学となった。それから、肉体労働などをしながら酒とドラッグを体内に流し込んだ。精神病院に入れられもしたが、退院してから最初にライヴハウスで見たのが、そう、セックス・ピストルズだった。それを機にパンクの使徒となったシェインは、ギグというギグで暴れた。あるギグにおける流血っぷりがNMEの記事になったこともあったが、彼は同時にDIYの精神でファンジンを作ったりしているし、それから音楽もはじめる。

 ジュリアン・テンプルは映画の前半のアイルランド時代を詩情豊かに愛らしく描いている。そして、続くロンドン時代のパンクまでの時間を烈火のステージとして再現している。だが、周知のように、パンクの時代は数年で終わる。シェインは、その次にやってきたファッショナブルなシンセポップのシーンが気にくわなかった。そこには、田舎からやって来た薄汚い酔っ払いの居場所はなかった。しかし同じころ、音楽誌はワールド・ミュージックの紹介にも熱を上げていた。そこでシェインのなかにひとつのアイデアが生まれた。彼にとって身近なワールド・ミュージック、すなわちパブで演奏されているようなアイルランド民謡、これとパンクを合体させるという。

 映画のなかでは、最近の(本国での公開は2020年)シェインがたびたび登場する。車椅子生活を送っている彼は、椅子にもたれかかってジョニー・デップやボビー・ギレスピーを相手に話しているわけだが、その姿からは、長年のアルコールとドラッグ(LSDからヘロインまで)によるダメージを感じないわけにはいかない。廃人のように見えることもある。が、とはいえ、そこには緊張感があり、ときおり鋭い目つきをもって言葉を発するシェインからは、彼の反骨精神と屈強な生命力も感じる。
 ジュリアン・テンプルは、この映画のためにアイルランドの歴史をケルト神話から説明しているが、ザ・ポーグスの音楽を好きになるのにアイルランド人である必要がないように、映画を楽しむのにアイルランドの詳しい政治史を知っておく必要はないかもしれない。いや、IRAに関する知識はあったほうがいいだろう。ケン・ローチの素晴らしい『麦の穂をゆらす風』も見ておくに超したことはない。アイルランドは英国の帝国主義との闘いもあるが、その独立をめぐっての内戦という悲惨な歴史をも持っている。
 ただ、ぼくが映画を見ていて目頭が熱くなってしまったのは、アイルランド史でもなければシェインをなかば聖人化しかねないテンプルの演出によるものでもない。アイルランドの土着性を打ち出したザ・ポーグスの演奏は、たしかになんど聴いたって格好いい。だが、それ以上に、この映画においてはシェインの「人間臭さ」がぼくにはたまらなかった。
 パブで飲んだくれている人生――個人的には大好きな世界ではあるのだが――をロマンティックに語るのは、大人としてまあどうかと思う。二日酔いでまっすぐ歩けず、昼間っから公園のベンチでぶっ倒れているときなど、経験者にはわかる話だが、ほんとうに惨めなものだ。6歳から酒を飲み、どんなに身体が悪くなっても飲み続けているシェインのロックンロールな生き方をことさら賞揚したくもない。また、彼が表現するアイルランドは、それをステレオタイプ化しているかもしれないというリスクも感じなくもない……が、映画を見ている最中はそんなネガティヴな感情はまったく湧かなかった。130分はあっという間だ。惹きつけてやまないのは、音楽ドキュメンタリー映画としてのクオリティの高さだけではない。


© The Gift Film Limited 2020

 たびたび登場し、貴重な証言を話すシェインの妹がシェインの“魂(ソウル)”について語ったとき、ぼくはいろんなことが腑に落ちたような気がした。もしジュリアン・テンプルがシェイン・マガウアンの“魂”を描こうとしたなら、この映画は成功していると言える。たとえば、ザ・ポーグスの音楽は、パブで飲んだくれているうだつのあがらない連中を楽しませるために、はじまっている。なにしろ、その音楽のベースにあるのは民謡なのだ。民謡とは自分個人のためにある音楽ではない。みんなのためにある。内的なものではなく外的なもの、要するに社会的な音楽なのだ。街をほっつき歩いて、夜分ホームレスと一緒に酒を飲みながら連中から聞いた話が歌詞のヒントになっているとシェインが打ち明ける、象徴的なエピソードがある。シェインは、やがて成功し、ロックスターとして祭り上げられても自分を見失わなかったひとりだが、それというのも彼の魂が、そんな安っぽい賛辞など認めなかったのだろう。そんなことよりも彼のなかではパブで飲んでいるときのほうが幸せで、アイルランド人としての誇りのほうが重要なのだ。
 それにしてもシェインは、いくつもの美しい歌詞を書いたものだ。劇中には多くの曲が流れるが、あらためて彼の非凡さを思い知った。音楽ファンにとっては、最後のニック・ケイヴとのデュエットのシーンは最高のプレゼントだが、ジュリアン・テンプルはこの映画を通じて、それ以上にもっと大切ななにかを発しているように思えてならない。それは、アカウントを作って月々の購読料を払って誰かと対話するような世界では決して得られないもので、いま世界から失われようとしている古き良きもの、この日本でいままさにどんどん欠落しつつあるもの、つまりそれは「人間らしいかっこ悪さ」と呼ばれうるものかもしれない。だからスマートには生きられない諸君よ、最後に確実に言えることがある。この映画を見た誰もが、見る前の自分より元気になっていると。
 


© NATIONAL CONCERT HALL, DUBLIN

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