「IR」と一致するもの

former_airline - ele-king

 former_airlineの新作『Breath of the Machineries』は、まるで機械が夢を見ているかのような音楽である。ノスタルジーと未来が重なり合い、呼吸のように揺らめくサウンドに身を委ねると、リスナーは過去と現在、記憶と想像の狭間を漂うことになる。その体験は、まさに夢そのものだ。

 この音を紡ぐのは、former_airlineこと久保正樹。複数のバンド活動を経たのち、90年代後半からギター、エレクトロニクス、テープを駆使した音響実験に取り組んできた才人である。2000年代後半に「former_airline」としての活動を開始して以来、独自の軌跡を描き続けてきた。またライター/批評家としても活動し、寄稿する文章には鋭い審美眼が宿る。音楽と文筆を並行させる姿勢は、作品をたんなる音響表現にとどめず、批評的実践としても成立させてきた。
 実際、former_airlineの音楽はしばしばJ・G・バラードの小説にも喩えられ、「サイファイ・サイコ・エロチシズム」や「ディストピアン・スナップショット」などと評されてもきた。音は感情を喚起するだけでなく、聴き手に思考や言葉を促す装置としても機能する。その批評性を内包したアプローチは、日本のエクスペリメンタルな音楽シーンにおいても異彩を放っている。
 新作『Breath of the Machineries』は、イアン・F・マーティンが主宰する〈Call And Response Records〉からの久々のリリースだ。ポスト・パンク、クラウトロック、ミニマルウェイヴ、シューゲイズ、ダブ、アシッド・ハウスといった参照点を持ちながらも、模倣や懐古に陥ることなく、サイケデリックな広がりと現代的な緊張感を兼ね備えている。
 同レーベルから2020年にリリースされた前フル・アルバム『Postcards from No Man’s Land』は、パンデミック下の不安を描いた作品だった。その後、自主レーベル〈FALRec〉でのEPを経て、再び〈Call And Response Records〉から発表されたのが本作である。
 5年の歳月を経て、久保の音楽はどう変化したのか。本作のテーマは「機械の息遣い」。録音機材の揺らぎやノイズを積極的に取り込み、90年代のカセット断片をサンプリングすることで、過去と現在を同時に鳴らす音層を築き上げた。
 その核心にあるのは「機械」の扱い方である。久保が注視するのは、テック企業が夢想する未来像ではなく、日常に遍在する機材や装置の微細な挙動だ。マイクの呼吸、テープの歪み、録音機材の振動──それらを音楽へと変換することで濃厚なノスタルジーを喚起する。ただし、それは懐古にとどまらない。冷徹さと優しさのあいだを往還し、記憶と現実の境界を音響へと変換していく。ロックも電子音楽もテクノもアンビエントも痕跡として堆積し、個の記憶に沈殿していく。失われゆく時間そのものが音に変換されていくようだ。安易なテクノロジー批判や甘美なノスタルジーに寄らず、絶妙な均衡を保つ態度がアルバム全体に緊張感をもたらしている。
 本作『Breath of the Machineries』には全12曲を収録。テクノやダブを基盤にしたエレクトロニックなトラック、シューゲイズやドリームポップ的なギター、ポスト・パンク的なソリッドな音が交錯する。象徴的なのが “Yesterday’s World” で、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを想起させつつ、元ザ・ワイアーのブルース・ギルバート的実験性を融合させている。また “Too Drunk to Dub” では鋭利なギターと飛翔する電子音が交差し、ポスト・パンク的な切れ味を提示。意識を引き裂くようでありながら、突き放すようなクールさを同居させている。
 さらに注目すべきはブロードキャスト “Roses Red” のカヴァーだ。トリッシュ・キーナンの死後に発表された未収録曲集『Spell Blanket』(2024)収録のデモ曲を再解釈し、幻想性とメランコリーを帯びた音響空間に組み込んだ。オリジナルの儚さを尊重しながら、former_airlineの文脈へ引き寄せることで、たんなるトリビュートを超えた「記憶の再編成」として提示されている。ポスト・パンク的処理とブロードキャスト的音像が交錯し、記憶と知覚、夢と現実を揺さぶる批評的装置として作用しているのだ。
 制作後、久保は拠点を東京から大阪へ移した。都市のコンクリートが抱える孤独と、移動による距離感が重なり合い、アルバム全体に陰影を与えている。“The Machineries of Joy” には、東京での記憶が逆回転するようなアンビエント感覚が漂う。都市の静寂や孤独、雑踏は、移動という解体と再編を経て、夢と不穏のはざまで揺らめいている。『Breath of the Machineries』は東京という都市へのレクイエムであり、その記憶の集積でもある。
 本作は従来「ディストピアン・スナップショット」と評されてきた作風を受け継ぎつつ、喪失と記憶によって多層的に拡張された作品だ。「記憶と音響の関係」を更新する試みといえるだろう。
 希望と忘却、批評と夢想。その両義性から立ち上がる音響風景は、聴き手に「音楽はいかに記憶を宿すのか」という問いを突きつける。すなわち『Breath of the Machineries』は、音楽が単なる娯楽や記録ではなく、失われゆく時間と来るべき未来を同時に生成する「記憶装置」であることを示している。

 Breath of the Machineries。機械が息をする。その微かなノイズの奥に、過ぎ去った都市の風景を聴き取り、まだ形を持たない希望を見いだすことができる。記憶と忘却、孤独と連帯、夢想と批評。そのすべてが音に溶け込み、やがて聴き手の身体の奥で共鳴をはじめる。その響きは刹那を超えて、永遠の余韻として生き続けるのだ。

RC SUCCESSION - ele-king

 RCサクセションと忌野清志郎がデビュー55周年を迎えます。それを記念したポップ・アップ・ストアが、2005年作の“JUMP”のミュージック・ヴィデオの撮影場所でもある原宿・竹下通りのど真ん中で開催されるとのこと。

 また、あわせて1976年リリースの名盤『シングル・マン』のデラックス・エディションも発売決定、同アルバムをZAKがリマスタリングしたDisc1はもちろん、「Single & Rare Tracks」と題したDisc2には、未発表曲“ぼくの眠るところ”や“恐るべきジェネレーションの違い (Oh,Ya!)”、“甲州街道はもう秋なのさ〜ANOTHER MIX〜”の初収録ヴァージョン、さらには1976年4月25日にtvk「ヤングインパルスにて実施されたスタジオ・ライヴの録音も収録されるそう。

 なお、当日は高橋康浩(著)『忌野清志郎さん』(https://www.ele-king.net/books/011796/)も販売予定です。ほか、詳細は以下にて。

「RCサクセション&忌野清志郎 55th Celebration POP-UP STORE」

期間:2025年10月15日(水)~2025年10月26日(日)
(10月15日(水)・16日(木)・18日(土)・19日(日)は事前予約枠を設けています)
場所:UNIVERSAL MUSIC STORE HARAJUKU 1F・3F
住所:東京都渋谷区神宮前1-20-6(JR山手線「原宿」駅竹下口 徒歩3分)
時間:11:00〜20:00(最終入場19:30)
入場料:入場無料(定員に達した際は入場制限させていただく場合があります)

特設サイト: https://sp.universal-music.co.jp/pop-up/rc-kiyoshiro/
(9月20日(土)正午12:00より、特設サイトにて事前予約・入場方法の詳細を発表、同時に受付を開始します)

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 RCサクセション・忌野清志郎デビュー55周年と、RCサクセションの名盤「シングル・マン」デラックス・エディションの発売を記念して、POP UP STOREを開催します。
忌野清志郎の代表曲「JUMP」(2005年)Music Videoを撮影した原宿・竹下通りのど真ん中での開催が決定しました。

 カメラマンおおくぼひさこ、有賀幹夫によるRCサクセションの迫力満点の写真、忌野清志郎のプライベートスタジオ「ロックン・ロール研究所」をイメージした特設スペース、本人が描いた絵画やイラストの展示、鋤田正義、蜷川実花、佐内正史を始めとした9人の著名カメラマンによる忌野清志郎ポートレイトの共演などなど、ここでしか観られない、体験できない展示が満載。日本のロック史に大きな足跡を残した「KING OF ROCK」RCサクセション・忌野清志郎の姿が直に体験できるPOP UPです。

 また、2Fに常設POP UPスペースを構えるローリング・ストーンズのシンボル「ベロマーク」こと「Lips and Tongue」と忌野清志郎が描いたキャラクター「ヒトハタウサギ」の限定コラボグッズ、RCサクセション・忌野清志郎・THE TIMERSなどのジャケットをモチーフにしたTシャツなど、ここでしか入手できないグッズも満載! この秋見逃せない限定POP UPによォーこそ!


RCサクセション「シングル・マン」デラックス・エディション 10月15日発売!

●発売日:2025年10月15日
●発売形態
2CD 価格:¥4,400(税別) 品番:UPCY-8060/1
・Remastered by ZAK
・「幼児・児童 絵画統覚検査図版」(絵:南大路一)17点・解説・歌詞を含むブックレット
・ライナーノーツ:今井智子、坂井洋輝

2LP 価格:¥6,200(税別) 品番:UPJY-9520/1

・Remastered by ZAK
・LP Disc1:ハーフ・スピード・カッティング by Miles Showell at ABBEY ROAD STUDIOS, LONDON
・LP Disc2:ノーマル・カッティング by Miles Showell at ABBEY ROAD STUDIOS, LONDON
・180g重量盤クリア・ヴァイナル
・「幼児・児童 絵画統覚検査図版」(絵:南大路一)17点・解説・歌詞を含むブックレット
・ライナーノーツ:今井智子、坂井洋輝

<収録曲>

Disc1 :『シングル・マン』2025リマスター

01 ファンからの贈りもの
02 大きな春子ちゃん
03 やさしさ
04 ぼくはぼくの為に
05 レコーディング・マン(のんびりしたり結論急いだり)
06 夜の散歩をしないかね
07 ヒッピーに捧ぐ
08 うわの空
09 冷たくした訳は
10 甲州街道はもう秋なのさ
11 スローバラード

Disc2 : Single & Rare Tracks

01 スローバラード(シングル・バージョン) (1976/1/21 single)
02 やさしさ(シングル・バージョン) (1976/1/21 single)
03 わかってもらえるさ (1976/10/11 single)
04 よごれた顔でこんにちは (1976/10/11 single)
05 恐るべきジェネレーションの違い (Oh,Ya!)  *初収録バージョン
06 甲州街道はもう秋なのさ〜ANOTHER MIX〜 *初収録バージョン

▼ tvk「ヤングインパルス」スタジオ・ライブ 1976/4/25
07 恐るべきジェネレーションの違い (Oh,Ya!)
08 スローバラード
09 夜の散歩をしないかね
10 おはようダーリン
11 ぼくの眠るところ *未発表曲
12 ぼくはぼくの為に

お買い求めは大手CDショップ、ECサイト、UNIVERSAL MUSIC STOREまで
UNIVERSAL MUSIC STORE

Saint Etienne - ele-king

 数ヶ月前、セイント・エティエンヌが次作をラスト・アルバムにすると発表したとき、コラムを書こうと思った。多くのことが書けたかもしれない。本も読んでいたから。
 けれど、止めた。ここは手短に書こう。90年代初頭に登場したイギリスの愛らしい3人組(ボブ・スタンレー、ピート・ウィグス、サラ・クラックネル)は、腕力も自己顕示欲も弱そうな、内気な若者たちに見えたが、その小さな音楽は大きな自信に満ちていた。

  長い道のりだった
  本当に長い道のりだった
  あなたが私の人生に現れたあの日から
  あなたは私の荒れた心をなだめてくれた
  私は疲れていた
  どこで間違えたんだろうと悩んでいた
  でもわかっている
  あなたの瞳にその表情をみたとき
  私にはわかっている
  すべてがうまくいく

  こんなに気持ちいいと思ったことはない
  こんなに強いと思ったこともない
  もう私たちを止めるものは何もない

 その曲“Nothing Can Stop Us(私たちを止めるものは何もない)”——ダスティ・スプリングフィールドのヒット曲を思い切りサンプリングしたあのイントロをいま聴くと、いたたまれなくなる。ぼくたちは──昨日の音源をほじくり返しながら──明日を見ていた。自信があったし、外の世界に出かける準備をしていた。で、じっさいに出かけた。
 ジョン・サヴェージはセイント・エティエンヌの音楽を 「雨の日に(ロンドンの)カムデンタウンでレコードを買いにいくようなものだ」と、デビュー・アルバム『Foxbase Alpha』のライナーノートで喩えている。ウィルソン・ピケットにザ・フォー・トップス、そしてクリスタルズ……イングリッシュネス(英国らしさ)に抗するごとくフランスのサッカー・チームをグループ名とし、レトロなポップスのサンプリングを駆使した初期のセイント・エティエンヌには、同時代の渋谷系との親和性が大いにあった。もっとも、彼らは渋谷系よりもダンス・ミュージックを愛していたと思われる。ドゥーワップはフィリー・ソウルにつながりディスコとハウスへと、もしくはサマー・オブ・ラヴへと連結する。
 そしてぼくたちは、ニール・ヤングなど誰も気にしなかったあの時代、その3拍子のオリジナル曲ではなく、アンドリュー・ウェザオール、あるいはマスターズ・アット・ワークのブレイクビートをもって生まれ変わった“Only Love Can Break Your Heart”に恋をした。「あなたがまだ若く、ひとりきりだった頃/孤独はどんな感じだったんだろう?」とモイラ・ランバート(サラ加入前のヴォーカリスト)は歌う。「でもね、あなたの心を打ち砕くことができるのは愛だけ/最初から知っておくといい」

 愛だけがすべてを成し得る。壁を超越することができるものは愛。デビュー当時、25歳で、『NME』のライターだったセイント・エティエンヌの頭脳=ボブ・スタンレーはポップ・ミュージックのコレクターかつ研究者で、ポップ史の本を2冊上梓している(ポップ・ミュージックはどこから来てどのように展開し、そしてどう衰退したのかという大著である)。
 彼はポップ・ミュージックを愛している。フィル・スペクターやモータウン、ビートルズはもちろんのこと、ロックンロールやパンク、サイケデリックやソフト・ロック、ファンクやヒップホップ、フィリーにディスコ……メタルは愛せなかったようだがその人気の理由を理解しようと努めた。メタルもポップの一部なのだから。補足すれば彼が愛するポップとは、学校や仕事の帰りに地元のレコード店で新しいシングルを買う、そして家に帰ってレコードに針を落とす儀式を生活の中心とし、毎週チャートを見ながら時代の変化をチェックし、音楽雑誌を読みながらいま何がクールなのかを確認する、クラスや職場で同じ趣味の仲間を見つけて会話する……そうした古典的な楽しみ方のなかで聴かれたポップ・ミュージックなのだ。
 そうしたライフ・スタイルは、1990年代後半の、CDを主軸とした音楽産業の欲によって衰退していった、というのがスタンレーの見解だ。1992年のポップをめぐる環境は1952年のそれと本質的にはさほど変わらないかもしれない。しかし、2012年のそれとでは著しく異なっている。プレイリストが乱立し地元のレコ屋もない時代、チャートが売れ数以上の何かを反映しているのだろうか。
 ゼロ年代以降の音楽でも、残滓はある。たとえばエイミー・ワインハウスの“Tears Dry on Their Own”にはマーヴィン・ゲイとタミー・テレルの“Ain’t No Mountain High Enough”がサンプリングされている。その曲“Ain’t No Mountain〜”を書いたモータウンのスタッフは、チャカ・カーンの“I’m Every Woman”も書いているし、初期のソウルのヒット曲も手がけている。ひとつのポップ・ソングには、それがどこから来ているのかを結ぶ回路がしっかりとあって、それは脱構築(意味のゆらぎ/ゆさぶりを)していない。そこにあるのはその音楽へのたしかな愛で、キュレート(ネットを使っての情報収集とその整理)した結果ではないのだ。
 スタンレーはチャート・ミュージックとシングル盤のみに執着しているわけではない。彼がヴェルヴェッツやジョニー・バーネット・トリオ、ザ・スミス、ハウス・ミュージックやサイボトロンを愛するのは、直接チャートに影響したことはないが未来のポップ・ミュージックに重要な手がかりを与えている音楽であるがゆえだ。1990年に始動したセイント・エティエンヌが、当初はハウス・ミュージックへと向かい、その後、フォークからテクノ、ヴェイパーウェイヴ、アンビエントに接近したことは理にかなっている。(1993年、セイント・エティエンヌがエイフェックス・ツインによる耳に優しくないリミックスを2ヴァージョンもフィーチャーしたシングルを、レトロ・ポップなデザインでリリースしたことは愉快だった。渋谷ではすぐ売り切れたが、リミックスのほうが多く聴かれたとは思えない

 さて、そんなわけでイギリスの小さなポップ・グループは、35年にわたる活動に終止符を打つことになった。先日、13枚目のアルバムにして、その最後の作品がリリースされたのである。『International』はセイント・エティエンヌらしい、インディ・ダンス・ポップ/エレクトロ・ポップの万華鏡だ。イレイジャーのヴィンス・クラーク、オービタルのポール・ハートノル、ヘアカット100のニック・ヘイワード、DJのエロール・アルカンといったコントリビューターの人選からもこの作品の特色がうかがえよう。
 そして、この感傷的なアルバムの1曲目は“Glad”——
 
  あなたは通りを見下ろしながら
  「いつか、もっとよくなるはずだ」と自分に言い聞かせている
  けれどあなたが問いかけるすべてのこと
  かつては何より大事に思えたこと
  その答えは、どこからも返ってこない
 
  孤独に打たれているとき
  それはあなたを悲しくしないか
  ひとりきりでいるとき
  それはあなたを悲しくしないか
  けれど、
  太陽の光があなたの目に射し込むとき
  それはあなたを歓ばせないか
  生きていること自体を祝福のように感じさせはしないか
  それでも、
  やはり悲しくはならないか?
 
 エネルギッシュなポップ・ソングで、高揚感があってメロディも力強い。が、なにが“Glad(嬉しい)”だ。これは感情の揺れ動きだろう。感情とは、そう簡単なものではない。
 とはいえ、そう、かつて「私たちを止めるものは何もない」と歌った3人は、泣き言なしで、自らの歴史を自らの意志で止めたのだ。メンバーの誰かが大病を患ったわけではない。ただ、いまはもう、いや、ずっと前から、雨の日にカムデンにレコードを買いに行ったりしない。だから、いまこのとき物語を完結すること、それ自体がメッセージなのだろう。
 “The Go Betweens”という曲では、メタ視点によるこんなフレーズもつづられている。
「あなたのことを想いながら、カフェの隅でくつろいでいる/インターネットで開催予定のロックショーをチェックする/そして、お気に入りのアーティストのチケットを手に入れる/ひょっとしたらこちらも気に入るかもよ——“Sweet Melodies* ” に“Saint Etienne”、“Dancing Heart* ” に“Only Love Can Break Your Heart ”」(*は本作収録曲
 歌詞の面でセイント・エティエンヌの哲学があるとしたら、ラヴソングですべてを表現するということだ。ラヴソングこそがポップ・ミュージックの神髄にある(清志郎やフィッシュマンズと同じだ)。愛とは特定の存在に対する盲目的な服従ではない。広い世界の、すばらしい覗き穴だ。「International」という単語は、日本では「国際的」と自動的に訳されるが、その意味することは「ナショナルに対抗するもの、国境を越えた連帯」だ。シチュアシオニスト・インターナショナル、これを思い出せばいい。
 ポップ・ミュージックが世界に拡散させたのは、盆踊りでもなければポルカでもワルツ、フラメンコでもない。アフリカ起源のダンスだ。エレクトロ、R&B、ドラムンベース、ハウス、ダウンテンポ——アルバムにはいままでのおさらいがあって、過去と現在の断絶を描いているのは最後の曲 “The Last Time” 。
 ありがとう、セイント・エティエンヌ。35年かぁ、さびしいけれど、きみたちは最後まで自分たちを貫き通した。その最後の最後は、こうだ。

  これが最後の最後
  ほんとうに最後の最後
  最後の最後です

  私たちは洗練されて見えるけれど
  あなたが期待していたようなこ洒落た盗賊ではなかったのです

Nobukazu Takemura - ele-king

 竹村延和のニュー・アルバム、『意味のたま(knot of meanings)』が9月26日に〈Thrill Jockey〉からリリースされる。オリジナル・アルバムとしては2014年の『Zeitraum』以来、じつに11年半ぶりとなる(〈Thrill Jockey〉からは22年ぶり)。これまで録りためていた膨大な楽曲群から竹村本人が厳選した曲で構成されており、作曲からプログラミング、演奏、レコーディング、編集まで、すべて竹村がひとりでおこなっているという(ゲスト・ヴォーカリストとして日本人シンガーの doro も参加)。日本盤にはボーナス・トラックが追加され、歌詞を掲載したブックレットも同梱される。
 なお先行配信中の “深海の虹 パート2(deep sea's rainbow part2)” は、もともとは短編アニメ「深海の虹」(鋤柄真希子監督、スキマキ・アニメーション制作、2019年)のサウンドトラックとして制作されたもので、アルバムにはエディットされたヴァージョンが収録される。長年にわたり「Child’s View(子どもの視点)」から創作活動をつづけてきた彼の、最新の成果を堪能したい。

竹村延和(Nobukazu Takemura)
『意味のたま』(knot of meanings)

企画番号:THRILL-JP 62 / HEADZ 271(原盤番号:Thrill 639)

価格(CD):2,300円+税(定価:2,530円)
発売日:2025年9月26日(金) ※ 全世界同時発売
フォーマット:CD / Digital
バーコード:4582561406072

01. 明滅する火花(an ephemeral radiant) 4:19
02. サヴォナローラのまなざし(savonarola's insight) 3:40
03. 眼球生物(ocular creature) 319
04. ネリと森のはなし(neri)  4:06
05. 残像と予兆(afterglow apprehension) 4:04
06. ガルフ(the gulf) 4:17
07. 覆われた文法(veiled grammar) 3:38
08. 模倣の渦(evade the swirling mimicry) 4:34
09. 未規定の生物(the elusive beings) 5:02
10. ラダー・オブ・ミーニング(ladder of meaning) 3:03
11. 鉄の階梯(iron staircase) 4:16
12. シーピング・ルミナス(luminous seeping through the crevices)  3:15
13. インスケイプ(inscape) 4:45
14. 憧憬と霞(a subdued longing and gentle ache) 3:34
15. べスリア(in bethulia) 3:44
16. 深海の虹 パート1(deep sea's rainbow part1) 2:26
17.      パート2(          part2) 3:42
18.      パート3(          part3) 4:09
19. 東の十字路(Kreuzung im Osten) 5:57

total time:76:59

※ track 19…日本盤のみのボーナス・トラック

Shin Sasakubo & Fabiano Do Nascimento - ele-king

 昨年コラボ・アルバムを発表した気鋭のふたり、秩父出身のギタリスト=笹久保伸と、ブラジルのギタリスト=ファビアーノ・ド・ナシメントのコンビによる公演が10月31日に開催される。会場は南青山のBAROOM。アルバム制作を経てふたりはいったいどんな音を響かせるのか──。また、笹久保は10月19日、11月4日、11月8日にも公演を予定。詳しくは下記よりご確認ください。

笹久保 伸&ファビアーノ・ド・ナシメント公演
2025年10月31日(金)
南青山BAROOM
開場18:30
開演19:30

前売¥6,000
当日¥6,500
(要ドリンクオーダー)
予約:
https://baroom.tokyo/events/b46d9a5ffd

日本でも人気の高いブラジリアン・ギタリストのファビアーノ・ド・ナシメントと、南米音楽を中心に世界各地とリンクする、秩父出身ギタリストの笹久保 伸。
昨年のBAROOMでの共演後にレコーディングを開始し、アルバム『Harmônicos』を生み出した。

アルバム制作を経た2人の音楽の交差を、是非ご堪能ください。

Fabiano Do Nascimento|ファビアーノ・ド・ナシメント
リオデジャネイロ生まれ、ロサンゼルス、東京を拠点とするギタリスト、作曲家、編曲家、プロデューサー。ブラジルの伝統に深く根ざしたコンテンポラリーなアーティストであり、アフロサンバやショーロといったブラジルの伝統音楽、ブラジリアン・ジャズやボサノヴァはもとより、LAのジャズやエレクトロニック・ミュージック、アンビエント、ビート・ミュージックなど現在進行形のサウンドも咀嚼した、ファビアーノ独自の音楽性の探求は、リリースを重ねる毎に高い評価を受けている。ライヴにおいても、卓越した演奏技術と、実験的かつ繊細なサウンドで観客を魅了している。

Shin Sasakubo|笹久保 伸
秩父出身のギタリスト。2004年から2008年にかけてペルーに在住し、アンデスの農村で音楽採集調査をしながら演奏活動をおこなう。
ギタリストとしてイタリア、ギリシャ、ブルガリア、キューバ、アルゼンチン、チリ、ボリビア、ペルーでソロ公演。
2025年現在までに43作のアルバムをリリース。

AFTER THE SHOW
BAR SPACE MUSIC SELECTOR:Masaaki Hara 原 雅明

笹久保伸「Echo Botánico」
秩父のギタリスト笹久保伸の通算44作目となるアルバム「Echo Botánico」(植物的響き)
が2025年11月にLPでリリースされる。
2010年代以降笹久保伸は秩父で民俗・文化人類学的な調査を独自におこない、秩父の環境問題などにフォーカスしながら音楽を作り続けてきた。
その過程で芸術や表現といったものに根本的な疑問を抱くようになり表現を捨て記録者というスタンスから制作を続けてきた。
今作は秩父の山や秩父札所の奥の院や不思議な湧水が出る川に籠って弾き続ける中でインスパイアされ生まれた音楽が収録されている。
自然・景色・光・鳥や虫や土や植物への同期や俯瞰を繰り返し、秩父巡礼的な、あるいは秩父幻想音楽として。

一般公式発売日:2025年11月2日
クラファン支援者特典発売日:2025年10月25日
Chichibu 021.
レーベル:Chichibu Label
定価4400円(税込)

ライブ情報

Shin Sasakubo
Echo Botánico
Vol.44 New Album Release Live 2025

2025年10月19日 秩父
秩父札所32番・法性寺・観音堂にて特別奉納演奏
※20名限定
埼玉県秩父郡小鹿野町般若2661
開演:16:00 (演奏は約1時間ほどを予定)
料金:3000円
予約:sasakubox@gmail.com

2025年11月4日 東京
Vol.44 Newアルバム発売記念ライブ
会場:晴れたら空に豆まいて(代官山)
開場18:30
開演19:30
料金 3500円/4000円
(要ドリンクオーダー)
予約:03-5456-8880(晴れ豆)
sasakubox@gmail.com

2025年11月8日 秩父
Newアルバム発売記念「新作レコード・リスニングパーティー」
会場:Esquina 
秩父市熊木町15-2 KMGビル 2F
選曲:原雅明、TETONE、メガネとネイビーと白、Chihiro
時間:17:00
料金:3000円(要ドリンクオーダー)
予約:esquina.kmg@gmail.com (エスキーナ)
sasakubox@gmail.com (笹久保伸)

Peterparker69 - ele-king

あれがあーでこーだったね ‘22に問う どうしたらいいって ──“Hey Phone (feat. Yojiro Noda)”

 2022年ごろの日々に改めて問いたいことは僕にもたくさんある。気づいたらあれから3年以上が経ってしまったし、その間に見るものすべてが目まぐるしく移り変わっていった。JeterとY ohtrixpointneverによるデュオ・Peterparker69が “Hey Phone (feat. Yojiro Noda)” で「どうしたらいい?」と問いかけた3年ほど前の景色は、たとえば以下の動画でアーカイヴされているような、青々しさに満ちたパンデミック渦中の出来事だろうと思う。

 Peterparker69も拠点としていたコレクティヴ〈CHAVURL〉主催のプロム・パーティー〈chavprom2016〉、2022年6月9日。自分もDJとして見切れているこの動画をいま振り返ると、直視しきれない気恥ずかしさこそあれど、たしかに「どうしたらいい?」とつい訊ねてみたくなるポジティヴなエネルギーに満ちていると感じる。このように「隔離への反発」という形で自然発生した、未完成で荒々しく初期衝動的なムーヴメントは一枚岩ではなかったからこそ暫定的に「ハイパーポップ」という箱に振り分けられ、そのまま発展を遂げていった。

 あれから3年。満を持してリリースされたPeterparker69の1stアルバム『yo,』には、タイトル通りラフな挨拶のような軽快さを伴う10曲が収録されている。内容への期待は高まりハードルは上がる一方だったが、彼らはそうした圧にも「yo,」と軽やかに答えてみせた。

 いわゆる「ハイパー」的なムーヴメントを草創期より観測し続けている音楽ライター・namahoge氏によるFNMNLでのインタヴュー記事では、EP「deadpool」のリリースから本作に至るまでの約2年半の変遷について言及されている。文中ではヨーロッパ・ツアーを経て体感した、街全体でレイヴやダンスという概念を自然と共有するような空気感に当てられたことを機とするモードの変化を経た上で原点回帰に至ったことなどが明かされており、gabby start、Tennyson、トゥ・シェルといった若いアーティストたちのラフな態度に背中を押されたことなども語られている。一貫して自然体のままスケールしていくことを目指しているように見える彼らでも、やはり一度は壁に突き当たっていたのだろう(ここ数年、合間合間にふたりと顔を合わせる機会は何度もあったけれど、そうした葛藤までは汲み取れなかった)。

 そんなバック・ストーリーとともにアルバムを聴いてみると、まずTr.1 “music” の視界が一気に開けるような展開にハッとさせられる。ピッチ・ベンドされたJeterのヴォーカル、エレクトロニカ的な質感のハイハットやスネアといったリズム・パーツなどに基づく音像は、2020年代の新しいポップスの雛形のように思える。同曲はアルバムの入口にふさわしい雰囲気を漂わせているが、後に続く “Omatcha”、“skyskysky (feat.Tennyson)” などの楽曲と接続されている感覚は薄い。「アルバム=シームレスな表現」というなんとなくの固定観念は意図的に崩されており、ミックステープ的ともいえるしプレイリストやサジェスト的な雰囲気も感じさせる。

 Tr.4 “Hey Phone (feat.野田洋次郎)” は、Peterparker69が2022年の初作 “Flight To Mumbai” に続き生み出した新たなアンセムと断言してもいいはずだ。前述のインタヴューでも言及されているように、意図せず出来上がった王道のJ-POP的な構成が光る。余談だけれど、この曲をDJでかけている様子をInstagramのストーリーズでシェアするたびに、この手の音楽を聴いていないであろう古い友人たちから「これ、なんて曲?」と訊かれる。そんなことはいままで一切なかったから、やはりこの曲には形容できないマジックを感じてしまう。MVのグロテスクさに面食らった人も少なくないだろうけれど、いい曲はいい曲だ。2020年代のこうしたキッチュな毒気はメインストリームやお茶の間にも確実に回ってきている。

 歌詞の切なさが気になるフューチャー・ガラージ調の “cu”、共作相手のトゥ・シェルがリリース間際にどさくさ紛れでダニエル・ロパティン本人を(Peterparker69自身も知らずのうちに)参加させたという “Magic Power”、UKの盟友・Rosierを迎えたメロディック・ラップの “Monkey See”、未来のゴスペルのような質感のコーラスが光る “new year, still here”、昨年シングル・カットされていた “@location” と続き、最後は真意をなかなか見せないPeterparker69が斜め上の角度から本音を垣間見せた? ようなバラード “love it” でサッと身を引くように終わりを迎える。

 本作『yo,』は全体を通してガラージのリズム・ワークを巧みに分解するようなリズム感が印象的で、これはビートメイカーを担うY ohtrixpointneverのシグネチャー的なサウンドと言える。が、それに対してヴォーカルを担うJeterは、自身の声にさまざまな角度からピッチ・ベンドなどの加工を施し、歌声を「ちょうどいい」サンプル・パックのように扱っている。Peterparker69は単なるラッパーとプロデューサーの関係ではなく、お互いが気の合う部分を都度融合させ、一部は一心同体、その他大半は個であるという、付かず離れずな独特のバランスで成立しているユニットなのだろう。サウンド的にはジャム・シティ『Jam City Presents EFM』などを彷彿とさせる雰囲気もあるけれど、クラブ/レイヴに一時接近したかと思えばサッと身を引いてポップスに軸足を戻すという動きは、クラブ・カルチャーの中心地で育ったジャム・シティにはない、彼ら固有の無国籍な感性から発生しているように思える。

 サウンド・デザインについ興味を惹かれがちだが、本作の魅力はリリックにもある。相変わらず飄々としながらも、そこには葛藤を経て立ち返ったポジティヴさがありありと描写されていて、Jeterによるマンブル・ラップ的なヴォーカルはサブリミナルのように聴き手をエンパワメントしてくれる。

このlifeへ 僕はたいてい変さ、このlifeへ 雑になってごめん、 ──“new year, still here”

あの疾走感とかテンション いつか消えてしまうのか、question
てな思いを、括弧で囲う ──“cu”

 と、歌詞をしっかり眺めなければ伝わってこないこうしたメッセージは、等身大でもファンタジックでもなく、個人的な体験に依存せず、私たちが暮らしを続けるなかで出会うさまざまな出来事へと置換できる。そういえば、本作『yo,』はCD盤が全国展開されている。案外、レコード屋でCDを手にとって、家で歌詞カードを眺めながらじっくり聴き入るのもいいかもしれない。そう考えている間に、彼らはワールド・ツアーへと出掛けてしまった。きっとこの体験を機に、また斜め上から新しいポップスの形を提示してくれるだろうと期待している──また、何年かは待つことになるかもしれないけれど。

interview with Kassa Overall - ele-king

 ジャズとヒップホップの出逢い──こう言ってしまえば簡単だが、これまでの両者の融合や邂逅や衝突とはまったく次元が異るような作品だ。グラミー賞にノミネートされ、ドリス・デューク・アーティスト賞も受賞しているカッサ・オーヴァーオールのニュー・アルバム『CREAM』のことである。これまでもジャズにヒップホップの要素を落としこんできた彼だが、新作では、1枚まるごとヒップホップ・アーティストのカヴァー集となっている。レコーディングはすべて一発録りで、ビギーことノトーリアス・B.I.G.、ウータン・クラン、ドクター・ドレー、ア・トライブ・コールド・クエスト、アウトキャストらの曲がジャズに生まれ変わっているのだ。
 彼の発言を読むとよく分かるのが、遡れば、ジャズとヒップホップは共通の祖先を持っているということ。そして、それらをこじゃれたジャジー・ヒップホップでも、Nujabeseを筆頭とするような系譜とも違う仕方で共存させることができるのだ、ということである。本作は、ジャズをサンプリングしたヒップホップでもないし、ヒップホップのループ感を持ち込んだジャズというわけでもない。ラッパーをフィーチャーしているわけでもないし、耳馴染みが良いスムース・ジャズとも決定的に違う。
 カッサは、例えばビギーのリズムはビバップを代表するマックス・ローチのドラム・ソロから生まれ、そのドラム・ソロ自体は西アフリカのドラム・オーケストラにおけるジャンベ奏者のリズムを源としている、と言う。つまり西アフリカからラッパーに至る一貫した流れがあるのだ、と主張する。なるほど、マックス・ローチがハイチのリズム・マスター=チローロに師事したのは有名な話だ。逝去したラッパーのECDはアフロ・キューバンやラテンのリズムをトラックに使用していたが、チャーリー・パーカーと並ぶビバップの立役者であるディジー・ガレスピーは早くからアフロ・キューバン・ジャズに取り組んでいた。理論的にはカッサのいうことはもっともである。
 だが、理屈でねじ伏せられるからと言って、それが実践にまで及ぶとは限らない。だからこそ、その理屈・理論を実際に作品を通してカッサは証明したかったのではないだろうか。そして、見事に結果を出してみせた。『CREAM』はコラージュやエディットを大胆に施していた前作から一転、編集もオーヴァーダブも一切なしのアルバムに仕上がっている。ジャズ黄金期の空気とヒップホップが染みついた身体から繰り出される未踏のサウンドは、両者の未来を明るく照らし出すだろう。

たんに「ヒップホップとジャズが融合した」アルバムにはしたくなかった。「ヒップホップとジャズの融合」って若干ダサい感じになることがあるからね……中級ホテルのエレベーターで流れている、有名曲のインスト・カヴァー的な(笑)。

アルバム、素晴らしかったです。いま、あなたと同じことをやっているミュージシャンやアルバムは思いつきません。誰かいると思いますか? いたら教えて下さい。

カッサ・オーヴァーオール(Kassa Overall、以下KO):ありがとう! じつは、この新作のライナーノーツを執筆したダン・チャーナスとも同じ話をしたんだよね。ダンはJ・ディラの伝記『Dilla Time: The Life and Afterlife of J Dilla, the Hip-Hop Producer Who Reinvented Rhythm』の著者。「きみが今回やったようなことをすでに実現していたアルバムって他にある?」って聞かれて、正直なところ思い浮かばなかった。たとえば、ジャズをサンプリングしたヒップホップ作品だとか、ヒップホップのようなジャズ作品はある。ヒップホップのブーンバップが聴こえたり、同じコード進行の繰り返しがあったり、ラッパーをフィーチャーしていたり。でも、(『CREAM』のようなアルバムは)他に思い浮かばないなぁ……。俺としては、このアルバムをたんに「ヒップホップとジャズが融合した」アルバムにはしたくなかった。「ヒップホップとジャズの融合」って若干ダサい感じになることがあるからね……中級ホテルのエレベーターで流れている、有名曲のインスト・カヴァー的な(笑)。

アルバムのコンセプトやテーマ、タイトルの由来について教えてください。

KO:仲間たちと一緒に考え、俺たちの活動の本質が伝わるようなタイトルを100個くらい書き出したよ。新作では90年代にも60年代にも戻れるし、一周して未来にも行けるような、「音楽のタイム・トラベル」的なアルバムを目指した。だから、その時空を超えて旅するような概念を表したアルバム・タイトル案をたくさん考えたけど、これが難しくてね。そして、あるとき「CREAM(クリーム)って、抽象的でいいかも?」と思いついた。ウータン・クランの90年代的な要素(=収録曲 “C.R.E.A.M”)も掛けているけど、「cream」っていう言葉自体が、俺たちの目指す60年代の〈ブルーノート〉レコード的なサウンドの質感を表している気がして。それに、「クリーム」って固体ではなく、流動的だよね。その、クリーミーな感じが音楽的にピッタリだと思ったんだ。言葉では説明しづらいけど、たとえ理由がわからなくても聞き心地の良いタイトルのひとつだね。
 このアルバムを制作したきっかけは、グラミー賞公式ホームページのGrammy.com用にグラミー賞にノミネートされた曲から1曲選び、自分たちらしくカヴァーする動画製作を依頼されたことだった。(ディガブル・プラネッツの)“Cool Like Dat” でもよかったけど、最終的には(スヌープ・ドッグ&ファレルの)“Drop It Like It’s Hot” で制作したんだ。これがきっかけで、新しいコードを見つけたり、リズムをチョップアップ(切り刻んだり)して、新たな音楽的要素を足していく試みがマジで楽しくてね(笑)。その後ツアーに出ることになり、試しにステージで演奏したところ、会場が狂ったように沸いた(笑)。オーディエンスに大好評だったからさらに何曲か追加して、ライヴで3~4曲カヴァーするようになると、どこで買えるかよく訊かれるようになった。「(商品として)そもそも存在しないから、買えないよ」と答えていたけどね(笑)。観客から何度も聞かれるってことは、ある種の「チート・コード[編注:PCゲームなどにおける、制作者が意図していない裏技]」みたいなものだよね。新作をオーディエンスが気に入ってくれるかは未知数だけど、レコーディング前に実際にステージ上で演奏できれば、観客側の反応はわかるから。

あなたは『Go Get Ice Cream and Listen to Jazz』の頃から、ジャズのパフォーマンスとヒップホップのプロダクションが合体したアルバムを作っていました。本作はこの路線を突き詰め、アップグレードした結果と言えるのでしょうか? それとも、もっと根本的な変化/進化があったと思いますか?

KO:今回は、これまでとは正反対のアプローチを取った。つまり、ヒップホップ楽曲を起点にアレンジを加え、編集もオーヴァーダブも一切ナシのジャズ・アルバムを制作したんだ。スタジオにミュージシャン全員が集まり、一発録りする手法でね。素材としてヒップホップの曲を使用したけど、ルディ・ヴァン・ゲルダーやマイルス・デイヴィス、アーマッド・ジャマル、ユセフ・ラティーフらを研究し、そのエネルギーに呼応する作品を目指したんだ。

ヒップホップが存在しない世界を俺は知らない。それが社会に深く根付いた時代のはじまりを、俺は生まれたときから体感し、完全に自分の音楽だと感じてきた。

ジャズとヒップホップを組み合わせるのは、ジャンルの折衷であると同時に、ジェネレーションを超える掛け算でもありますよね。ジャズとの出逢い、ヒップホップとの出逢い、それぞれの音楽から初めに受けたインパクトがどのようなもので、いまの自分にどのような影響を与えたのか教えてください。

KO:実家のリヴィング・ルームでレコード・プレーヤーから流れていた音楽に遡るね。俺がかろうじて自分でレコードをかけられるようになったばかりの幼少の頃、(マイルス・デイヴィスの)『Kind of Blue』を聴いたことをいまでも覚えている。ヒップホップより前に、最初に聴いたのは両親のレコード・コレクション……例えば、ボブ・ディランやジミ・ヘンドリックス、それからボブ・マーリーなどのレゲエものだった。幼い頃からボブ・マーリーの歌詞は歌えたね。それから、うちの母が東洋思想に傾倒していたから、タブラ作品や瞑想(メディテーション)用の音楽も聴いていた。
 ヒップホップものとの出会いは、DJジャジー・ジェフ&ザ・フレッシュ・プリンスの『Rock the House』(87年)。ウィル・スミスは、テレビ番組(=『The Fresh Prince of Bel Air』)に出演する前、そして俳優として大ブレイクを果たすまで(の80年代後半頃)は、ヒップホップ界で確固たる地位を築き、ある種の尊敬を集めていた。いまではあの知名度ゆえに嘲笑の的になりがちだけど、俳優として大ブレイクする前は大好きなラッパーのひとりだった。とくに幼少の頃は、他のヒップホップものより聴きやすかったし。他には、パブリック・エネミーの “Fight the Power” やDJクイックを聴いていた。4歳上のうちの兄貴が大ファンだったDJクイックのアルバムを88年頃に父にせがんだのを覚えているよ。俺は82年10月生まれだから、当時は5、6歳だった。DJクイックの作品を聴いていい年齢じゃないよな(苦笑)。アルバムのオープニング・ナンバーのタイトルが “Sweet Black Pxxxx” で[編注:同曲収録のアルバムは『Quik Is the Name』で、1991年のリリース]、テープには(未成年者には相応しくない作品を保護者に伝える)「Parental Advisory」のロゴが入っていたしね(笑)。兄貴に渡す前にうちの親父がテープを通して聴き、俺たちを呼んでこう言ったんだ。「このアルバム、聴いたよ。正直、お前たちに渡すべきじゃないし、子どもが聴くような内容じゃないね。でも、父さんは芸術と自由な表現を信じている。このテープは渡すけど、これはあくまで “芸術作品” ってことを理解してくれ。DJクイックが表現しているのは彼の現実で、オマエたちも真似しろってことじゃない。これはあくまで芸術としての作品。誰でも自分を表現する権利はあるんだ」
 ジャズとヒップホップから受けた影響に関しては、本が一冊書けるくらいだね。まず、ヒップホップについて話そう。俺が誕生した82年の時点でヒップホップは世界を席巻していた。つまり、ヒップホップが存在しない世界を俺は知らない。それが社会に深く根付いた時代のはじまりを、俺は生まれたときから体感し、完全に自分の音楽だと感じてきた。俺がヒップホップを「自分のもの」としているワケじゃないけど、自分はヒップホップを体現しているように感じていた。ヒップホップを嫌ったり、笑い草(ジョーク)にしている奴は、俺のことを笑い草(ジョーク)として扱っているのと同じ。それほど俺にとってヒップホップは重要な存在。ヒップホップを聴いて育った俺は、ヒップホップにある種の正義感のようなものを感じていた。なぜなら、その題材の多くを見ると、疑問の余地のある見解や意見、決断や行動といった複雑な内容が数多く含まれてたから。俺にとって、ヒップホップとは、「順応したり、沈黙することを求めてくるこの世界で必死に生き延びようとする人間の姿を表現している」とつねに感じてきた。ヒップホップの「破壊的」な要素には、ある種の正義感があった。そこには神聖な要素が宿っているように思えたんだ。
 そして今日、それこそが「クリエイティヴィティ(創造性)の美」だと俺は理解している。クリエイティヴィティを単純に「絶対的にポジティヴなクリエイティヴィティ(創造性)のみがいいもので、ネガティヴな作品はすべて悪い」とふたつに分けてしまったら、結局そこで辿り着くのは題材がひとつ(=神様)に絞られるゴスペル音楽のようなものしか残らない。ひとつの題材以外は「間違い」になると、それはマインド・コントロールの領域に陥るようなもので、非常に危険かもしれない。だから、俺はクリエイティヴィティこそが強力だと理解していると同時に、それが当然とは思わないようにしている。というのも、俺の口から発せられる言葉や自分が表現する作品やエネルギーには力があることを知っているから。俺としては、自分自身と他者を正しい方向へ導くためにクリエイティヴィティを使うことに努めている。
 だから、ジャズとヒップホップは俺にとっては同じものなんだ。このふたつは生まれた時代が違うだけで、根底にある精神は同じ。今年の初めの一ヶ月間、俺は皆に「スピリット(精気、精神)が戻ってくる!」って言い続けた。この「スピリット(精気、精神)」っていうのは……ジョン・コルトレーンや2パック、ニーナ・シモン、アリス・コルトレーンといったアーティスト勢を鼓舞したエネルギーのこと。いまこそ、あのエネルギーが戻ってきて、新たな何かを生み出すときがやってきた! と感じているんだ。

1曲のなかに込められた情報量がとても多く、非常に多彩だと感じましたが、これは意図的でしょうか? ジャズもカリプソもクレツマーもボサノヴァの要素もある。こんなアルバム、聴いたことがない!

KO:ありがとう。意図的な部分はいくつかあるね。たとえば、最初のレコーディング・セッションで演奏したア・トライブ・コールド・クエストの “Check the Rhime” でヒップホップのビートを刻んだけど、あの曲以外では、ヒップホップのビートではあえて演奏しないように心がけた。このアルバムにヒップホップのビートが見当たらないのは、原曲がそもそもヒップホップものだから、根本的に(ヒップホップ以外の)別の領域へ辿り着くことを目指したんだ。ヒップホップのビートなんてグルーヴを乗せていけば自動的にカッコよくなるから、簡単すぎるだろ(笑)? 俺としては「もう少しアブストラクトな感じ(=抽象的)にして、リスナーには注意深く聴いて欲しい」と思って。グルーヴに関しては、ただ自分がこれまで受けてきた音楽的インスピレーションから生まれただけ。ひとりの音楽ファンとしての感覚から「ああ、あれを思い出すな!」だとか「これにこれを足したらすごくカッコよくなるかも!」っていうふうにインスピレーションが湧いてくる。そういったアイディアが浮かんだら、いろいろ試してみたんだ。

以前は一度できた曲をライヴで披露してみて、機能しなかったらそこをまた改善したりすることをやっていましたよね。つまり、曲を作る過程でパフォーマンスしていたと思いますが、その方法は今回もやっているのですか? いずれにせよ、その理由も教えてください。

KO:うん。今回もやった。この手法は大好きだけど、楽曲によって違う形で生まれるから全曲ライヴで披露したわけじゃないよ。ライヴ・パフォーマンスから生まれた曲もあれば、スタジオでできあがった曲もある。曲次第だね。今回、ライヴで披露していた楽曲の3、4曲がスタジオに入った途端に驚くほどスムーズかつ簡単にできあがったから、そこからさらに6曲も書いた。スタジオ・レコーディングは2回に分けておこなった。
 だから、ライヴでの観客も音楽制作の過程の一部だね。自分の頭のなかで楽曲案があっても、それを他の誰かと共有したとき、初めてその楽曲案を体験できる気がする。たとえば、それが文章表現の場合でも、自分の考えを世の中に……あるいはたったひとりの相手に発信したときでも、自分の口から出た言葉を聞いた相手の顔を見たとき、相手の反応やエネルギーが伝わってくるよね。観客の前で演奏することは後々役に立つことがあるから、自分の考えに固執しすぎちゃいけない。しっかり(観客の反応にも)注意を払わなきゃいけないよね。

ビギーのリズムはマックス・ローチのドラム・ソロから生まれ、そのドラム・ソロ自体は西アフリカのドラム・オーケストラにおけるジャンベ奏者のリズムを源としている。つまり西アフリカからラッパーに至る一貫した流れがあるんだ。

資料にもあるので、繰り返しになって申し訳ないのですが、ジャズとヒップホップの共通点と相違点を、両方のジャンルにも疎い人に分かりやすく説明するとどうなるでしょうか?

KO:重要なのは、ビートの取り方に関してより「流動的な」タイミングを受け入れることだろうね。もし厳密に固定され……例えば4つ打ちの「ドン・ドン・ドン・ドン」といったリズムが好きなら、難しいかもしれない。あからさまじゃないかもしれないけど、注意深く何度も聴き続けると、リズムの一貫性が聞こえはじめると思う。それは、高層ビルを見る感じではなく、風に揺れる木を見るような感覚だよ。
 「ジャズ」に関して言えば、聴き続けると、次々と新たな発見があり、一生聴き続けられるレコードもある。人生が深まるにつれ、そのアルバムを体験する能力も成長するからね。こういったアルバムは普遍的で時代を超越しているから、赤ん坊からティーンネイジャー、大人、そして老人までのあらゆる層にも訴える何かがある。時代を超えた不滅の栄養素が1枚の作品にたくさん詰まっている。もし複雑に感じても、聴き続ければやがて何かが聞こえはじめるんだ。

共通点についてはいかがでしょうか?

KO:ニック・ペイトン(=トランペット奏者のニコラス・ペイトン)はジャズとヒップホップの共通点について「アフリカン・リズムのDNA」と説明していたね。とくにヒップホップとジャズを注意深く聴くと、それがわかると思う。いまのヒップホップには様々な種類があるけど、たとえばブーンバップについて話すなら……たとえばDJプレミア、ドクター・ドレ、ピート・ロックといったプロデューサーたちが手がけたヒップホップの場合、同じ「リズム言語」が使われている。ちなみに、ラキムはジョン・コルトレーンからフレージングを学んだと語っているね。それから、偉大なサックス奏者のドナルド・ハリソンは、ビギーがマックス・ローチのドラミングに触発されたらしいと話していた。ビギーのリズムはマックス・ローチのドラム・ソロから生まれ、そのドラム・ソロ自体は西アフリカのドラム・オーケストラにおけるジャンベ奏者のリズムを源としている。つまり西アフリカからラッパーに至る一貫した流れがあるんだ。彼らは同じ役割を果たす同一の「リズム言語」を扱っていて、この一貫した流れは極めて明確。ただ、「ジャズ」と呼ばれる黒人音楽には、和声や特定のリズム要素においてやや複雑さが加わる場合が多い。でも、ヒップホップにも複雑さは存在し、ジャズにも簡潔さは存在するから、楽曲によりけりで一律には言えないんだよね。

ヒップホップとジャズの相違点は?

KO:すべてに当てはまる普遍的な答えはないけど、ヒップホップにおいて重要な要素のひとつは、ラッパーがうまくビートに乗れる一貫したリズム・ポケットがあること。一方、ジャズでは、非常に安定したリズムを保ちつつも、抽象的な領域に入り込み、曲のハーモニック・リズムそのものを体感する余地がある。ドラムはより旋律的な役割を担うラッパーに近い存在で、ベーシストは安定したリズムを保つ役割を担う。 ジャズを演奏する際、俺は「一貫したリズム」は好まない。というのも、俺が求めているのはフラクタル、つまり変容するタイミング(ビートの取り方)だから。現代のジャズ・ミュージシャンの多くはその概念すら理解していなかったりする。一貫していないリズムで演奏しはじめると、彼らは居心地悪そうだったりするね。

ジャンルとは暫定的なものであり絶対的なものではない、という信念のようなものが、過去のあなたの発言からはうかがえます。ジャンルが具材だとすると、それが原型をとどめないほどに溶解したスープのようなものを作りたかったのでしょうか?

KO:「溶解したスープ」というのは、スムージーのように「融合された」ものを連想するよね? 『Go Get Ice Cream and Listen to Jazz』、『Animals』、『I Think I'm Good』などの過去作品で俺が「融合」ではなく「コラージュ」という比喩を多用したのは理由がある。「コラージュ」はひとつひとつの存在したパーツを組み合わせることで新たな絵を生み出すから、俺の「コラージュ」はミネストローネ・スープのように具材の個性がそのまま残っているんだ。ひと口食べれば人参や豆、鶏肉、麺だとわかるように(笑)。でも、この新作のアプローチは少し異なる。コラージュというよりは、むしろ溶解したスープに近い。このジャズ・アルバムを制作するためにヒップホップ曲から借用した構成要素が、もはや原型をとどめていないからね。

とりあげた曲に何か基準はありますか? これらの曲に共通点があるとしたらなんでしょう?

KO:厳密な基準はないけど、自分の想い出やノスタルジアを呼び起こし、感情的なインスピレーションを与えてくれる楽曲を選んだ。だから、大半は子どもの頃に聴いていた曲や、初めて聴いたときや自分に与えた影響を覚えている曲ばかりだね。

“Someday My Prince Will Come” や “Take Five” といったジャズのスタンダード・ナンバーを素材としてとりあげた理由を教えてください。

KO:ヒップホップ曲を聴き、その曲にむしろ「絶対に合わないだろう」って質感を想像してジャズ・スタンダード曲を探したんだ。たとえばジュヴィナイルの “Back That Azz Up” はパーティ系クラブ・アンセムだから、「原曲とはまったく違う世界観の美しい曲に変えたらどうだろう」って考えた。そこで思いついたのが “Someday My Prince Will Come” のイントロだった。最初は笑える冗談みたいな感じで曲を作りはじめた。美しい愛のメロディが流れて聴いている人が、「ん……? これ、もしかしたら “Back That Azz Up”!?」って気づく瞬間が笑えると思ってさ(笑)!

カッサ・オーヴァーオール来日情報

2025 10.8 wed., 10.9 thu., 10.10 fri.
BLU NOTE TOKYO
[1st] Open5:00pm Start6:00pm [2nd] Open7:45pm Start8:30pm

メンバー:
カッサ・オーヴァーオール(ヴォーカル、ドラムス、エレクトロニクス)
ベンジ・アロンセ(コンガ、エレクトロニクス)
エミリオ・モデスト(サックス)
マット・ウォン(キーボード)
ジェレマイア・カラブ・エドワーズ(ベース)

https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/kassa-overall/

STEREO RECORDS 20th Anniversary - ele-king

 魅力的なアルバム、『The Silhouette of Us』をリリースしたKotoko Tanakaがバンド・セットでライヴを披露する。ギターはRiki Hidaka(betcover!!)、ドラムは白根賢一(GREAT3 / TESTSET)。当日は、COMPUMAによるDJもあり。

日時:2025.10.10 (金)
開場:19:00 / 開演 19:30
会場:KATA(恵比寿リキッドルーム二階)
出演:LIVE:Kotoko Tanaka -Band set-/ DJ:COMPUMA
前売り/当日 ¥3.500 (+1drink order)
メール予約:info@stereo-records.com
主催 / 企画 / 制作 STEREO RECORDS
問い合わせ先:info@stereo-records.com / (082)-246-7983


Kotoko Tanaka
ソロ・セットとバンド・セットでの音楽活動を行うシンガーソングライター。アパレルブランドへの楽曲提供や歌唱、アルトサックスでのサポート活動も行っている(MirrorMoves、わ、など)。
2019年7インチシングル「The hole as a pond, the eyes from morning (池としての穴、朝より来たる目)」をリリース。2022年に五都市を周るミニツアーを敢行。2024年6月にフル・アルバム『The Silhouette of Us』を発表し同年12月にアナログ・レコードもリリース。バンド・セットにはアルバムでも演奏している、Gt. 日高理樹とDr. 白根賢一(GREAT3、TESTSET)が参加。

Tortoise - ele-king

 去る6月、立川ステージガーデンで催された〈FESTIVAL FRUEZINHO 2025〉にて来日を果たし、みごとなパフォーマンスで観客をわかせたトータス。ひさびさのニュー・アルバム『Touch』が11月5日にリリースされることになった。オリジナル・アルバムとしては2016年の『The Catastrophist』以来、じつに9年ぶり。国内盤にはボーナス・トラックが収録されます。ヴェテランたちが到達した新たな境地に注目しよう。

Tortoise『Touch』
2025.11.5 CD Release

90年代からポストロックの代表格として活躍し、ジャンルを問わず多くのファンをもつインストゥルメンタルバンドのトータスから、9年ぶりの最新作が到着!進化を止めないトータスの2025年現在地を示した傑作が、ボーナストラックを加え国内盤CDでリリース。

シカゴを離れたメンバーもいるトータスが、ポートランドに集ってセッションを行うことから新しいアルバム作りは始まった。「作り終えて、一本の筋が通っていることに気づいた」、「過去の作品と確実に違う何かがある」とジョン・マッケンタイアは語る。その言葉がすべてを表している。トータスは再び、新たなインスピレーションを与える真に包含的な音楽を創出した。 (原 雅明 ringsプロデューサー)

日本限定カラーヴァイナルや限定店舗取扱いのTシャツ付きセットも発売決定!

【リリース情報】
アーティスト名:Tortoise
アルバム名:Touch
発売日:
CD、限定店舗取り扱いCD+T-shirt セット(2025年11月5日)
黒盤LP、日本限定カラー盤LP(2025年11月発売予定)
フォーマット:CD, CD & T-shirt set, LP, Digital
レーベル:rings / International Anthem

CD
品番:RINC140
JAN: 4988044133082
価格: ¥3,300(tax in)

CD & T-shirt set
品番:RIBS140, RIBM140, RIBL140, RIBX140
JAN: 4988044133761, 4988044133778, 4988044133785, 4988044133792
価格: ¥7,700(tax in)

レーベル:rings
オフィシャルURL: http://www.ringstokyo.com/?p=996
販売リンク: https://diskunion.net/indiealt/ct/news/article/0/133281

interview with Mat Schulz & Gosia Płysa - ele-king


Mica Levi & Sinfonietta Cracovia, Tarta Relena and Jana Shostak - Unsound 2024

〈Unsound〉は、2003年、友人と私でクラクフという町の小さなイベントとしてはじまったんだ。実験音楽やエレクトロニック・ミュージックへの私たちの愛情から生まれた情熱のプロジェクトだ。

まず、〈Unsound Festival〉がどのようにして生まれたのか、教えてください。

マット・シュルツ:〈Unsound〉は、2003年、友人と私でクラクフという町の小さなイベントとしてはじまったんだ。実験音楽やエレクトロニック・ミュージックへの私たちの愛情から生まれた情熱のプロジェクトだ。当時、ヨーロッパにはこのようなタイプのフェスティヴァルはほとんどなかった。ましてポーランドにはなにも存在していなかったから。だから、ポーランドと海外のアーティストがともに音楽で実験をすること、新しい音を創造するための場をつくることが、そのアイデアの核心にあったんだ。

ゴシャ・プワィサ:私はボランティアとして〈Unsound〉チームに参加した。当時ジャーナリズムを学んでいたので、PRやコミュニケーションを手伝ったんです。最初はじつにDIY的な取り組みで、多くの人がボランティアとして関わり、楽しみながら活動していました。初期の頃は、クラクフの中世の地下室で開催していたんだけれど、あれは本当に楽しくて、特別な時間だったと感じています。
 私たちが自分たちの団体を設立したのは2008年になってからで、その頃からじょじょにプロフェッショナルな形に発展した。公的資金への申請や国際的なコラボレーションを通じて、このフェスティヴァルは成長しました。2010年には〈Unsound NYC〉がはじまり、〈Unsound〉の国際的な展開において重要な一部となったんです。

ポーランドのクラクフには、どんなシーンがあったのでしょうか?

マット・シュルツ:クラクフは、戦後アヴァンギャルドの第一人者でありポーランドでもっとも有名な作曲家ペンデレツキを輩出した町としても知られている。また、1970年代初頭に設立されたクラクフ音楽アカデミーの電子音楽スタジオもある。それなのに、かつてのクラクフやポーランドには実験音楽やエレクトロニック・ミュージックに関する大きなシーンがほとんど存在していなかった。
 現在の状況は大きく変わっている。ポーランドはこの分野において、ヨーロッパでももっとも興味深い音楽シーンのひとつを持つ国となった。その中心人物の一部は大阪でもパフォーマンスを行っている。〈Unsound〉もこの変化に少しは関わっていると思う。私たちは、ポーランド国内外でこうした文脈を作り出すサポートをしてきた。実際、多くのアーティスト——VTSSのような有名な存在ですら——が、〈Unsound〉で観客として体験したことをきっかけに音楽をはじめる決心をしたと聞いている。

ゴシャ・プワィサ:クラクフには、クラシック音楽やクラシック・ジャズのシーンはちゃんと存在していた。それは現在でも続いています。ところが、国際的な実験音楽アーティストを紹介する場やフェスティヴァルは決して多くなかった。しかしその一方で、コンサートやパーティを企画するインディペンデントなクラブや会場は、現在よりもたしかに多く存在していた。
 それから20年以上が経った現在、クラクフは再開発され、観光地化された街へと変わってしまった。独立系のスペースはもう、ほとんど残っていない。その代わりに観光客向けのホテルやレストラン、バーが数多く立ち並んでいる。もちろん、いまも素晴らしい会場 や劇場やコンサートホール、あるいは私たちが会場として使おうと工夫している場所は存在しているけれど、年々難しくなってきている。これは世界の多くの主要都市に共通する現象ですね。

初期〈Unsound Festival〉は当時のポーランドの政治状況とどんな関係にあったと思いますか?

マット・シュルツ:〈Unsound〉は、いわゆるポーランドの「変革期」から確実に生まれたもの。当時、国や都市は計画経済の共産主義体制から市場経済へと移行していたし、あらゆるものが流動的だった。〈Unsound〉もその一部であって、さまざまなアイデアや音楽に開かれたフェスティヴァルとして、共産主義崩壊後に空き家となった建物——巨大なホテル・フォーラムや廃工場など——に一時的な空間を生み出していました。それから20年経ち、クラクフの再開発が進み、観光地化が進んだことで、こうした空間は見つけにくくなっています。あの頃の街には〈Unsound〉やその音楽と非常に相性の良い「生の荒々しさ」があった。

ゴシャ・プワィサ:〈Unsound〉はポーランドがEUに加盟する前(2005年)に始動した。この年は、ポーランドが大量観光や格安航空旅行に開かれていく重要な転換点だったと思う。これによりポーランドの多くの都市で再開発が進みましたが、一方で人びとがポーランド文化や私たちのフェスティヴァルを体験しやすくもなった。 また、EU加盟と同時に、とくにクラクフをはじめとする多くのポーランドの都市が、文化や大規模なフェスティヴァルを活用して自らをプロモーションすることを決め、国の文化政策が〈Unsound〉のような取り組みを支援するようになった。これにより〈Unsound〉は大きく成長することができました。 ただし、私たちが実験音楽やエレクトロニック・ミュージックを扱っているため、いまでもポーランド国内では政府からの支援を得にくい部分があると感じている。その一方で、ポーランドの関係者は私たちのブランドが国際的に持つ重要性を理解してくれている。だから〈Unsound Osaka〉やその他の海外での取り組みのような活動には支援をしてくれているんだ。

ポーランド国外からのオーディエンスが集まり、ヨーロッパでも有数のイベントのひとつになっていった経緯を教えてください。

マット・シュルツ:〈Unsound〉は移動可能なフェスティヴァルだから、ミンスク、キーウといった旧ソ連の国々やニューヨークなど、さまざまな国や都市で開催されてきた。2010年前後にニューヨークで大規模な〈Unsound〉を開催したことがクラクフにもフィードバックされ、人びとの注目を集めるきっかけになったと思う。同時期には、クラクフ市からの資金支援が増えたことで、多くの突飛なアイデアを実現できるようになった。それが 〈Unsound〉を際立たせたことも事実だよ。例えば、特別に委嘱したプロジェクトや、当時としては珍しかったジャンル横断的なプログラミング——実験音楽とクラブ・ミュージックを同じプログラムに並べるといったこと——を実現させた。また、毎年新しいフェスティヴァル・テーマを設定し、それを中心的な軸とするようになった。2010年のテーマは「Horror: The Pleasure of Fear and Unease」で、聴き手に不安や不快感を与える音楽のあり方を探求するもので、このやり方が大きな注目を集めた。
 〈Unsound〉にとってデザインも重要。毎年新たにデザインが更新されることで、単にフェスティヴァルを宣伝するだけでなく、そのイメージ自体を形成していく役割を担うようになった。これは当時としてはユニークな試みだったと思う。

ゴシャ・プワィサ:〈Unsound〉はプログラム自体を、ひとつの物語を持つ完全な作品として意識的にキュレーションしはじめた最初期のフェスティヴァルのひとつだった。世界的に見ても数少ない試みだった。異なるジャンルを同じ空間で組み合わせて提示したり、ジャンルや地理的な文脈を越境する新しいプロジェクトを立ち上げたりね。こうした独自のプログラムづくりのアプローチに加え、クラクフでのマルチ会場型の開催形式(のちには他の国際的な開催地でも)によって、より幅広い関心を集めることができたと思う。また、私たちは常に国際的なプレスをフェスティヴァルに招き、ゲストやアーティストに特別な体験を提供することを重視してきた。そうした積み重ねが、自然と口コミとして広がっていったのだと思います。
 現在、〈Unsound Kraków〉の観客の約60%はポーランド国外からの来場者。大半はヨーロッパからの来場で、アメリカ、日本、その他の遠方から来るゲストも少なくありません。

音楽面において、エレクトロニック・ミュージック、エクスペリメンタル・ミュージックをキュレートしていますが、音楽面でのコンセプトについて説明してください。

マット・シュルツ:私たちは常に冒険的な音楽に惹かれています。しかも、それが何を意味するかについてあまり制限を設けないようにしている。その結果、フェスティヴァルのプログラムはじつに挑戦的な実験音楽から、オルタナティヴなクラブ・ミュージックまで、多くのジャンルを横断するものとなった。また、常に新鮮なサウンドを探求しているし、エレクトロニックや実験音楽の分野における先駆的なアーティストにもスポットライトを当てるようにしている。私たちはリスクを取ることを好み、オーディエンスもそれを受け入れる準備ができています。〈Unsound〉にはオープンマインドとオープンイヤーで来てもらうのが一番です。既知のものを確認する場というよりも、新しいものを発見するための「フェスティヴァルであり、同時にラボラトリー」と考えてもらえると良いと思います。


Lord Spikeheart - Unsound 2024

ゴシャ・プワィサ:マットがよく説明してくれました。世界中の音楽シーンにおける最新の動きを探し出し、リスキーな組み合わせを実行することこそ、私たちが大好きなことだ。大物の有名ヘッドライナーだけをブッキングするのではない。むしろ未来のスターを発見し、彼らが成長できるプラットフォームを提供したいと考えています。個人的に好きなのは、音楽をパフォーマンスやヴィジュアル・アートとつなげること。最近はラップトップを使ったオーディオ・ヴィジュアルにはちょっと飽きてきているけどね(笑)。

毎回テーマを決めて、ヴィジュアルや建築も重視していますが、こうした発想の背景について教えてください。

マット・シュルツ:先ほども触れましたが、2010年からテーマとキーヴィジュアルを設定している。主にポーランドのアーティストやグラフィックデザイナーと協働しながら制作しているんだ。以前のクラクフでのメイン・ヴィジュアルには出演アーティストの名前が記されていたけれど、その後はヴィジュアル自体が中心となった。特定のアーティストやヘッドライナーではなく「体験」としての〈Unsound〉の全体像を示すものになった。映画のポスターのようなイメージです。
 私たちはこれらのヴィジュアルをPRのギミックではなく、フェスティヴァルを創造のプラットフォームとする一部だと考えている。また、テーマを設定することで、毎年新しい形でプログラムを構成することが可能になった。これは音楽面だけでなく、〈Unsound Kraków〉にとって重要な要素である議論やディスカッションのプログラムにも反映されているよ。

ゴシャ・プワィサ:マットが言う通りです。それに加えて私は、プログラムに合った建築を選ぶこと、ケータリング、会場のインテリアといった要素まで含めて「雰囲気をつくる」ことがとても大切だと感じている。

エレクトロニック・ミュージックのフェスでは〈Sonar Festival〉や〈Dekmantel Festival〉なども有名です。残念なことに〈Sonar Festival〉は、イスラエル・パレスチナ問題への関与で批判され、大規模なボイコット運動にもつながった「Superstruct Entertainment」によって運営されています。〈Unsound Festival〉の独自性はどこにあるとお考えですか?

マット・シュルツ:〈Unsound〉は 「Tone Foundation」という非営利団体によって運営されているけれど、これは商業フェスティヴァルとはまったく異なるモデルです。これは意識的に選んできた方針です。私たちの世界において、音楽と政治は常に結びついている。それは私たちのプログラム、とくにパレスチナを支持するディスカッション・プログラムにも反映されている。そして、その立場は、イスラエルがガザで行っているジェノサイドを目の当たりにするなかで、よりいっそう強固なものとなっている。
 また、ポーランドはウクライナに非常に近く、多くのウクライナ人が戦争によって国外に追われ、ポーランド国内で生活しています。そのため、私たちはロシアによるウクライナ侵攻という問題にも関わっている。ウクライナに対する私たちの視点はポーランドの地理的・歴史的な位置によって形づくられているのです。

ゴシャ・プワィサ:〈Sonar〉のような団体とは異なり、私たちは独立した非営利組織であるため、〈Unsound〉には株主のような存在はいない。つまり、フェスティヴァルの方向性や政治的立場については、ディレクターや理事会として私たち自身が責任を負っている。また、芸術的・実務的な意見や好みはチーム内で異なる部分があっても、ガザで起きているジェノサイドを非難する点においては確実に一致していると言える。私たちは植民地主義的な慣行に積極的に反対してきたし、ポーランドの国境に近く、東欧や中欧にとくに強い影響を及ぼしているロシアによるウクライナ侵攻も非難している。
 私たちは依然として比較的小さな組織であり、財政的に苦労することが多いのもたしかだけれど、しかし、イスラエルの軍事産業に関与する企業からの 〈Unsound Kraków〉へのスポンサーシップの提案を断らざるを得なかった。また、適切なプログラム活動を通じて、パレスチナの闘争の可視性を支援するよう努めてもいる。


Daniel Szwed - Unsound 2024

私たちは常に冒険的な音楽に惹かれています。しかも、それが何を意味するかについてあまり制限を設けないようにしている。その結果、フェスティヴァルのプログラムはじつに挑戦的な実験音楽から、オルタナティヴなクラブ・ミュージックまで、多くのジャンルを横断するものとなった。

いままでやったなかで、とくに思い出深いイベントはなんでしょう?

マット・シュルツ:ひとつのイベントだけを選ぶのは不可能だけれど、正直に言って〈Unsound Osaka〉はもっとも印象に残るもののひとつになりつつある。とくに私たちは日本の音楽や文化の大ファン、素晴らしい日本のパートナーやアーティストとともにここでイベントをつくる機会を得られたことは、本当に夢のようなんだ。
 それ以外では、クラクフで行った〈Unsound Surprise〉が大きな出来事でした。プログラムの半分を事前に発表せず、多くのサプライズ枠を設け、観客は誰が演奏するのかまったくわからない状態だった。無名に近いポーランド人アーティストが登場することもあれば、リッチー・ホウティンが出演することもあった。そして、あの中世の岩塩坑で行われたサプライズ枠のひとつで、本当に Burial が演奏したのかどうか——これは永遠に謎のままです。

ゴシャ・プワィサ:現時点でも大阪は本当に特別なエディションになると感じている。これほど多くの素晴らしいアーティストを日本に迎えることができること、さらに地元のアーティストをこの文脈のなかで紹介できることを大変光栄に思っているよ。

大阪でフェスティヴァルを開催することになった経緯、そして今回のエディションの「テーマ」について教えていただけますか?

マット・シュルツ:私たちは以前からずっと日本で何かをやりたいと考えてきた。マージナル・コンソートや灰野敬二、石橋英子、KAKUHAN、Yosuke Yukimatsuなど、日本の音楽の大ファンだからね。日本と他の地域、とくにポーランドとのあいだでコラボレーションを築けることは、本当に夢のようなことです。
 今回のテーマである「WEB」にはさまざまな意味があるけれど、もっとも基本的なレヴェルでは、2025年にクラクフ、大阪、ニューヨークで展開される一連のイベントを指している。それらはポーランドの画家ヘレナ・ミンギノヴィチのデザインを軸に形づくられています。

ゴシャ・プワィサ:本当に素晴らしいコラボレーションだ。出てきたアイデアをすべて実現するには、あと数回のエディションが必要だと思う。〈Unsound〉の枠組みのもとで、これほど多くの異なる場をつなげることができたのはとても嬉しいことだし、これがすべての人にとって良い形で機能することを願っています。

最後に、今回の〈Unsound Osaka〉の豊富をお願いします。

マット・シュルツ:現時点では、まずは今年のエディションを無事にやり遂げることに集中している。そして、このフェスティヴァルが関わるポーランドと日本のアーティスト双方に新しい観客をもたらしてくれることを願っている。今回の開催を通じて、KAKUHAN と Adam、Ka Baird と FUJIIIIIIIIIIITA、2k88 と Ralph といった新しいコラボレーションのプラットフォームをつくれたことを嬉しく思う。これらのコラボレーションからさらに発展が生まれ、また新しいつながりが生まれていくことを願っています。
また、〈Unsound〉が都市型フェスティヴァルで採用しているマルチジャンル・マルチベニューのアプローチは、日本において必ずしも一般的ではないと認識している。それでも、多くの人びとに楽しんでいただき、新しい発見をしてもらえればと思います。なぜなら、最終的に冒険的な音楽のさまざまなスタイルのあいだには、分断よりもむしろ多くのつながりが存在しているからです。

ゴシャ・プワィサ:私たちは日本に滞在し、その素晴らしい音楽やアートのシーンを発見できることをとても楽しみにしている。なので、これが最初で最後の機会にならないことを願っています。もし私たちが日本語を話せれば、運営のプロセスがもう少し楽になるかもしれないけれど、パートナーの皆さんがとても理解があり、サポートしてくれているので、すべてが順調です。だから、これがさらに発展していくことを願っている。そして次回は、もっと上手に日本語を話せるようになりたいと思います!


¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U - Unsound 2024

Unsound Osaka Official HP : https://unsound.jp/


Unsound Osaka

2025年9月5日 - 2025年9月7日

【Unsound Osaka 第二弾プログラム発表】
来週末、大阪市内複数会場にて開催されるUnsound Osaka
メインプログラムの追加出演者とアフターパーティーの開催が決定!
DJ Sprinkles、mad miran、RP Boo、2K88などの国際的に高く評価されるDJに加え、大阪・日本のアンダーグラウンドシーンを牽引するDJたちが登場します。

この度、VS.(9月5日)、クリエイティブセンター大阪(9月6日)、大槻能楽堂(9月7日) にて展開されるメインプログラムに加え、新たな追加出演者、並びに大阪を代表するクラブとの共同開催によるローカルシーンに焦点を当てたアフターパーティーの開催が決定しました。

【追加プログラム】

9月5日(金)- NOON+CAFE × Unsound Osaka

開催日時:2025年9月5日(金)OPEN / START 23:00
会場:NOON+CAFE(MAP)
エントランス:¥1,500
出演者:
DJ Fulltono
KA4U
mad miran
WÖNDER GIRL

Unsound Osakaの一夜目を飾るアフターパーティーは、梅田中心部に位置し、9月5日(金)に開催されるメインプログラムの会場であるVS.から徒歩圏内のNOON+CAFEで開催されます。オランダのアンダーグラウンドシーンを代表するDJ/プロデューサーのマッド・ミラン(mad miran)が、多様な電子音楽のスタイルを自在に融合させた独自のセットを披露します。さらに、日本におけるフットワーク/ジュークの第一人者として広く知られ、大阪のシーンを牽引するDJ Fulltono、地元から強い信頼を寄せられるKA4U、そして新世代を代表するWÖNDER GIRLが出演。国際的なアーティストとローカルシーンの才能が交わる一夜となります。

【追加プログラム】

9月5日(金)- Socore Factory × Unsound Osaka

開催日時:2025年9月5日(金)OPEN / START 22:00
会場:Socore Factory(MAP)
エントランス:¥2,000
出演者:
DJ Sprinkles
SAITO

9月5日(金)にはNOON+CAFEでのアフターパーティーに加え、南堀江のライブベニューSocore Factoryでもアフターパーティーが開催されます。メインDJを務めるのは、電子音楽界で最も尊敬されるアーティストの一人であり、クラブ情報サイトResident Advisorから「電子音楽界で最も興味深い人物の一人」と評されるDJ Sprinkles。DJ Sprinklesは、Terre Thaemlitz(テーリ・テムリッツ)のディープハウスDJ名義であり、現在は千葉を拠点とすアメリカ出身のプロデューサー、DJです。Thaemlitzはアーティストやライターとしての活動でも知られています。会場では、DJ Sprinklesが4時間に及ぶロングセットを披露。オープニングアクトには、山形を拠点に活動するバイナルDJのSAITO が登場します。

9月6日(土)- Creaitve Center Osaka

公演日時:2025年9月6日(土)OPEN / START: 15:30
会場:クリエイティブセンター大阪(MAP)
チケット:ZAIKOにて販売中
出演者:
Hania Rani presents Chilling Bambino
∈Y∋ & C.O.L.O
2K88 – Live feat. ralph
ralph
Rai Tateishi(Live Processing by Koshiro Hino)
KAKUHAN & Adam Gołębiewski
FUJI|||||||||||TA & Ka Baird
RP Boo & Gary Gwadera
1729 (fka Iryoku)
Hamon
Mongoose

既に発表されている9月6日(土)のクリエイティブセンター大阪でのメインプログラムに、新たな出演者が加わります。BLACK CHAMBERでは1729(fka 威力) がオープニングDJセットを披露。また、屋外スペースでは大阪のDJたちの聖地として知られる Newtone Records のテイクオーバーが行われ、Hamon と Mongoose が出演します。 クリエイティブセンター大阪での出演者ラインナップおよびタイムテーブルは、こちらよりご確認ください。

【追加プログラム】

9月6日(土)- Club Daphnia × Unsound Osaka

開催日時:2025年9月6日(土)OPEN / START 21:00
会場:Club Daphnia(MAP)
エントランス:¥2,000
出演者:
YAMA
ZODIAK
BUCCO
Milky Lylei
KAPI

クリエイティブセンター大阪でのメインプログラム終了後には、徒歩県内のクラブClub Daphniaにてアフターパーティーを開催します。goatやYPYでの活動を通じ国際的に高い評価を得る日野浩志郎がキュレーションを担当。関西圏で活躍する DJのYAMA、ZODIAK、BUCCO に加え、九州出身で大阪を拠点とするライブデュオ Milky Lylei、さらに仙台からのゲストDJ KAPI が出演します。 Unsoundのスピリットを体現し、実験的なサウンドからレフトフィールドなダンスミュージックが展開される一夜となります。

【追加プログラム】

9月6日(土)- Circus Osaka × Unsound

開催日時:2025年9月6日(土)OPEN / START 23:00
会場:Circus Osaka(MAP)
エントランス:¥3,000*
*クリエイティブセンター大阪でのメインプログラム参加者はリストバンド提示で入場無料となります。

出演者:
2K88
ANCHIN
Angie.Light
KΣITO
UKD
RP Boo

9月6日(土)に開催されるClub Daphniaでのアフターパーティーに加え、心斎橋のクラブCircus Osakaでもアフターパーティーが開催されます。クリエイティブセンター大阪でのメインプログラムにライブ出演する2人のアーティストが、DJとして再登場します。1人目はシカゴのフットワークのゴッドファーザーと呼ばれるRP Boo。そして、ポーランドのクラブ音楽シーンを牽引する「PLサウンド」の先駆者として知られるポーランドのプロデューサー兼DJ、2K88です。さらに、フットワークとGQOMを融合させたスタイルで知られるKΣITO、日本のドリルとグライムシーンを代表するDouble ClapperzのUKD、そして大阪の新星アーティストANCHINとAngie.Lightも出演します。本アフターパーティーはCircus Osakaとの共同キュレーションにより開催されます。また、同日クリエイティブセンター大阪で開催されるメインプログラムへの参加者は、リストバンドを提示いただくことで無料でこちらのアフターパーティーをお楽しみいただけます。

【追加プログラム】

9月7日(日)- Compufunk × Unsound Osaka

開催日時:2025年9月7日(日)OPEN / START 20:00
会場:Compufunk(MAP)
エントランス:¥1,000*
*クリエイティブセンター大阪、大槻能楽堂でのメインプログラム参加者はリストバンド提示で入場無料となります。

出演者:
secret lineup

9月7日(日)にメインプログラムが開催される大槻能楽堂から徒歩圏内のレコードストア兼クラブCompunkにて、Unsound Osakaのフィナーレを飾ります。出演者はシークレット。また、クリエイティブセンター大阪、大槻能楽堂で開催されるメインプログラムへの参加者は、リストバンドを提示いただくことで無料でこちらのアフターパーティーをお楽しみいただけます。

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