「IR」と一致するもの

■表紙/ロング・インタヴュー:砂原良徳
──これまでの活動を振り返りつつ、現在の心境および今後の展望を語る
新作『ALL HAZE』が待たれるTESTSET、全メンバー(LEO今井、永井聖一、白根賢一)インタヴュー

■ダブ・ブームのなか、13年ぶりのアルバムを投下するエイドリアン・シャーウッド、特別インタヴュー掲載

■特集:テクノ・ポップの奇妙な世界
“TOKIO(トキオ)” はいったいどこにあるのか?/時代の先をいった〈Yen〉の軌跡/いま再評価される「スケッチ・ショウ」/“テクノ歌謡” の片隅から/後追い世代のテクノ・ポップ考(by 柴田碧)/テクノ・ポップ必聴盤40枚

■第2特集:ハウス・ミュージックの現在地
アンダーグラウンドにおける実験が、いま成熟のときを迎えている。ハウス・ミュージックがみせる新たな展開を追跡──いま聴くべき40枚紹介、ほか
インタヴュー:カオス・イン・ザ・CBD、DJパイソン、Stones Taro、Soshi Takeda

撮影協力:LIQUIDROOM

菊判/160ページ

目次

TESTSETはアンドロイドの夢を見るか──砂原良徳、インタヴュー(by 野田努)
TESTSETへのテレポーテーション──LEO今井+永井聖一+白根賢一、インタヴュー(by 野田努+小林拓音)

エイドリアン・シャーウッド──UKダブに革命を起こし、なおも冒険を好み、サウンドに磨きをかける(野田努)
インタヴュー(by 河村祐介)

特集:“テクノポップ” の奇妙な世界

“TOKIO(トキオ)”はいったいどこにあるのか?──テクノポップの生まれ故郷(イアン・F・マーティン/江口理恵訳)
時代の先をいった〈Yen〉の軌跡(デンシノオト)
いま再評価される「スケッチ・ショウ」について(デンシノオト)
“テクノ歌謡” の片隅から(松本章太郎)
後追い世代のテクノポップ考(柴田碧)
テクノポップは自由を手放したか?(三田格)

ディスク紹介──テクノポップへの道
(イアン・F・マーティン、デンシノオト、三田格)

第2特集:ハウス・ミュージックの現在地

ライトハウス・レコーズ店主、森広康晴に聞くここ5年の傾向と変遷

インタヴュー
カオス・イン・ザ・CBD──ハウス・ミュージックの良き伝統を継承する(by 野田努)
DJパイソン──“ディープ・レゲトン” の先を目指して(by 小林拓音)
Stones Taro──京都から世界へ(by 小林拓音)
Soshi Takeda──ラリー・ハードを愛するニューカマー(by 小林拓音+渡部政浩)

ディスク紹介──2020年代ハウスへの案内
(三田格、猪股恭哉、河村祐介、渡部政浩、DNG、小林拓音)

ハウス・ミュージックの近況報告(猪股恭哉)

VINYL GOES AROUND PRESENTS そこにレコードがあるから 番外編
日本中のアナログレコード・ファンのみなさまへ──VINYLVERSEをご存知ですか?

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Feronia Wennborg & Lucy Duncombe - ele-king

 「声」とは何か。人間的な響きの最たるものとされてきたそれは、はたして今の時代も「肉体」を保証しているのだろうか。フェロニア・ウェンボーグとルーシー・ダンコムによる『Joy, Oh I Missed You』は、その根源的な問いを真正面から突きつける。ここに鳴り響く声は喉から放たれたものか、それともソフトウェアが生成したものか。その判別不能性こそが作品の核心であり、同時に呪文のような反復となる。本作において「声」は、人間でも機械でもない第三の存在として、聴き手に挑発的な問いを放っている。

 フェロニア・ウェンボーグのルーシー・ダンコムのふたりは本作以前から旺盛な活動を展開していたサウンド・アーティストである。まず、フェロニア・ウェンボーグは、パフォーマンスやインスタレーションからサウンド、テキストまで活動領域を広げるサウンドアーティスト/ミュージシャンだ。彼女の作品の根底には、録音とデジタルの変容プロセスにある。そこにおいてウェンボーグは、「親密さ」や「友情」といった関係性の痕跡を丹念に採集し、音とイメージ込むこのだ。加えてコラボレーションを通じて実践を展開している点も重要だ。共同作業を軸に据えることで、ウェンボーグはリスニングやサウンド表現に潜在する社会的可能性、そしてその再想像の力を探り続けているのだ。
 一方、ルーシー・ダンコムはグラスゴーを拠点とするアーティスト/作曲家である。彼女は声に関連するテクノロジーが持つ社会的・技術的遺産の探究に関心を寄せている。彼女は、声のプロセッシング、複製・転写・編集を通じて、声をその自然なパラメータの外側へと拡張し理解する実践を行っている。ダンコムとフェロニア・ウェンボーグとのコラボレーションにはラジオフォニック作品『The 3rd Remove From The Real』などがある。

 本作『Joy, Oh I Missed You』は、そのふたりの新作コラボレーション作品であり、音楽作品だ。リリースしたレーベルは、シャンタル・ミッチェル(Chantal Michelle)、カルメ・ロペス(Carme López)、ミュー・テイト(mu tate)、ザウム(Zaumne)らの実験音楽を発表し、コアなリスナーから支持を集めてきたスロヴァキアの〈Warm Winters Ltd.〉。その驚嘆すべきカタログの中でも『Joy, Oh I Missed You』は際立った実験性を前面に押し出している。ほかの作品が固有の「手法」を探ってきたとすれば(それだけでも十分に凄いことなのだが)、このアルバムは「声の基盤」そのものを揺さぶる試みであり、聴覚の根底を突き崩すように響く。レーベルが国境を越えて国際的なネットワークを築き、インターネット時代のオルタナティブな実験精神を体現してきたことを思えば、ふたりの才能に満ちたサウンドアーティストの最新コラボレーション・アルバムををリリースしたのは自然な流れとも言える。

 『Joy, Oh I Missed You』を簡単に表現すれば「グリッチに彩られたヴァーチャル・オペラ」ということになる。そのうえ即興的に聞こえるその音響の背後には、四年にわたる綿密な探究が積み上げられている。音声合成、チャットボット、AI解析。人間の声を模倣するために設計された技術を、ふたりは「模倣の成功」ではなく「模倣の破綻」として見直す。アクセントの歪み、再現の失敗。その裂け目が声に未知の輝きを与えるのだ。ここで失敗は美学となり、声の本質を裏返す。キム・カスコーンが00年代初頭に唱えた「失敗の美学」を継承しつつ、ロバート・アシュリー『Automatic Writing』やアキラ・ラブレー『Spellewauerynsherde』などの音響詩/サウンドアートとの記憶とも共鳴する。欠陥によって声は光を帯び、亀裂によってのみ人間と機械の境界は震える。
 こうした断絶の肯定は、近代が信じた「純粋な声」を覆し、むしろ断片や誤作動のなかに新たな生命を見いだそうとする系譜に連なる。ここに見られるのは、デジタル以降の表現者が避けて通れない「故障の倫理」であり、完璧さよりもむしろ不完全さにこそ、時代のリアリティを刻もうとする態度である。
 この音響へと行き着いたのは偶然の結果ではない。そもそもダンコムは『Sunset, She Exclaims』(2021/〈Modern Love〉)で、自身の声を幽霊のように再構成し、身体の痕跡を影のように漂わせたし、ウェンボーグもまたサイモン・ウェインズ(Simon Weins)とのユニット=ソフト・ティッシュとして音響を粒子レベルまで解体し音を物質的な断片へと還元してきたのだ。確かに一見異なる方向性を歩んできた二人だが、「声」を不可視の次元へと拡張する衝動は共通していたのだ。両者が交差したことで、本作は単なる技術的実験にとどまらず、声という存在そのものをめぐる哲学的な試みへと変貌したのである。
 声の変容と音の粒子。その交錯によって、声はもはや身体の残響ではなく、生成と変容の「触媒」として立ち上がってくる。声は崩れ、漂い、再び立ち上がる。もはや「人間の声」という単一の定義は存在しない。そうではなく定義不能な多面体として現れる。聴き手は、これまでに触れたことのない声の質感に遭遇することになる。

 各楽曲はその哲学/詩学を鮮明に体現している。例えば3曲目 “Your Lips, Covering Your Teeth” では発音の断片が舌上で留まらず、転がる石のように機械的リズムと交わる。続く4曲目 “Residue” ではビットクラッシュの崩壊音と唇の音が絡み、機械の故障が人間の吐息と同じ親密さを帯びる。ここに生じるのは「機械の親密さ」という逆説的感覚である。5曲目 “Brushed My Hair” では摩擦された声が不意にフルートの音に変質し、楽器と身体の境界をかき乱す。8曲目 “Smell It” では吃音や呻き、ため息が重なり合い、天上の合唱のような非人間的コーラスを形成するだろう。
 アルバムには全14曲が収録されているが、聴き進めるにつれ、声がどの瞬間に人間で、どの瞬間に機械であるのか聴き手は見失うはず。だがその「見失い」こそが本作の核心である。声は主体の所有物ではなくなり、漂流物と化す。あるいは人間と機械が交わる中間地点に幻のように立ち現れる。その錯乱の只中に新たな声の美が宿り、聴くという行為の根拠が問い直される。こうした体験は、単なる音楽鑑賞を超えて、テクノロジーと身体の関係を再考させる社会的契機にもつながっている。カラ・リズ・カヴァーデール(Kara-Lis Coverdale)などの現代的なアンビエント・ワークスにも連なるサウンドといえる。

 『Joy, Oh I Missed You』はマシニックな音の連鎖だが、冷たい実験音楽ではない。断片化された声の残滓からはむしろ感情の痕跡が立ち上がる。人工音声の「不気味の谷」に美は宿り、グリッチ・ノイズは親密さへと反転する。人が機械に語り、機械が人を懐かしむ。その幻聴はアルバム全体を余韻として漂い続けるだろう。「声」とは誰のものか、それは未解決のままだ。だがその未解決性こそが、この作品のもっとも人間的な側面なのかもしれない。

Adrian Sherwood - ele-king

 このアルバムを通しで聴きながら見えてきたヴィジョンはなぜか、鉄道の車窓から眺める、後部へと流れていく風景だった。夏が終わる少し前の午後5時くらいの風景だろうか。ディレイやリヴァーブの尾を引きながら遠ざかって行くスネアやサンプリングされたサウンドと、ライヴ・バンドによる多層的なメロディが私に見せた風景だった。アルバム収録曲の中で特に好きだった曲は “The Well Is Poisoned Dub” “Spirits (Further Education)” “Hiroshima Dub Match” の3曲で、どの曲もアルバム収録曲の中では比較的にミニマルな方の楽曲な気がする。
 “The Well Is Poisoned Dub” はアルバムの3曲目で、前の2曲からの流れで聴くと、その重心の低さが際立ち、豊かなディレイとリヴァーブに包まれ、ソファのクッションの隙間に頭が落ちていくような完璧なストーナーサウンドだった。“Spirits (Further Education)” は収録曲の中では最も都会的なサウンド、冷たく汚れたテラコッタとモルタルで作られた都市のグリッドの残響を思わせるサウンドで、なんともいえない居心地の良さを感じさせてくれる。そこから次曲の “Hiroshima Dub Match” への繋がりも素晴らしく、いつの間にか、このふたつの曲を連続したひとつの作品として聴いていた。曲中で漂っては消えていくサイレンの音が、自宅の窓の外からひっきりなしに聞こえてくる警察のサイレンと同期し、ロンドンと東京という9600km離れた都市を権力構造の元で結びつけた。

 『The Collapse Of Everything』というこのアルバムのタイトルから、私はまず、パレスチナとイスラエルをめぐる国際的なモラルや人道主義など、普遍的であるべきと信じていた価値観の崩壊。国内でも勢いづいている差別主義、排外主義勢力により撒き散らされるヘイトスピーチと陰謀論による、パニック的なモラルハザード。そして陰謀論者以外の誰の目にも明白ながら、都合の良い言い訳を探して見て見ぬふりされている壊滅的な気候危機などを連想し、紙幣を前に不恰好に歪んだ操り人形がデザインされたジャケットのアートワークを見て、その連想はあながち間違いではないかもしれないなと、ひとりごちた。

 シャーウッド曰く「The Collapse Of Everything」という言葉はマーク・スチュワートの残した未発表曲の歌詞の中に隠されていたそうだ。隠されていたというのが、どういう意味で、彼がどうその言葉を発見したのかが気になるが、2年前にこの世を去った偉大なミュージシャンの残したメッセージの断片が、しばしの時を経て蘇ったということだろうか。いまのこの世界の惨状を予言的に言い当てているような気もするが、人類が抱えている問題はずっと変わっていないということなのだろう。

 全体を通してブルース的な要素が感じとれるアルバムではあるが、決して懐古主義的な作品ではなく、未来へ向かうサウンドだということは最後に付け加えておきたい。全てが崩壊してゆく長いアポカリプスの中にあってもシャーウッドは未来へと向かっているように感じた。

アメリカとはいったいどんな国?

トランプ大統領と彼のチームは時代を読んでいた
カウンター・カルチャーに対するカウンター、そしてアメリカ右派における革命とは……?

インタヴュー:渡辺靖、大澤真幸、酒井隆史、三牧聖子、岡本裕一朗、石田健
コラム:イアン・F・マーティン、水越真紀、緊那羅:Desi La、三田格、ジリアン・マーシャル、二木信、土田修、木津毅

*アメリカを知るためのブックガイド付き

▶刊行のお知らせ──ニュースからは見えない、いまアメリカで起きている文化戦争について知ろう

インタヴュー:
・基本をおさらい、アメリカのはじまりから現在トランプがしていることの意味まで ▶渡辺靖
・アメリカを知るために、まずは二つの大きな矛盾に気づこう ▶大澤真幸
・ブラック・カルチャーが超重要な理由 ▶酒井隆史
・直近、ここ半年ほどのアメリカの状況を押さえておこう ▶三牧聖子
・話題の「新反動主義」ってなに? ▶岡本裕一朗
・いま「カウンターエリート」と呼ばれる人たちが出てきている ▶石田健

コラム:
・試しにアメリカから生まれた音楽がいっさいなかった世界を想像してみると…… ▶イアン・F・マーティン
・歴代大統領が掲げたキャッチフレーズからヴォネガットを連想してみる ▶水越真紀
・ケンドリック・ラマーを単純に支持できない理由 ▶緊那羅:Desi La
・数々の映画からアメリカの深層心理を探ってみる ▶三田格
・アメリカでは自分たちが世界の中心だと教えられる ▶ジリアン・マーシャル
・ヒップホップとトランプの親和性はつねにあった、でもそれだけじゃなくて…… ▶二木信
・トランプ的なもののルーツは、じつはヨーロッパにあり? ▶土田修
・アメリカへの複雑な思い、ウィルコの音楽を聴きながら ▶木津毅

菊判/192ページ

目次

序文──もしくは21世紀の文化戦争から(野田努)

■インタヴュー
渡辺靖 アメリカは再び求心力を取り戻すことができるのか──破壊者にして救世主、トランプがもたらした「分断」のゆくえ
石田健 リベラルを敵視する「カウンターエリート」たちが夢見る未来──トランプ政権に影響を与えたピーター・ティールとカーティス・ヤーヴィンの思想
大澤真幸 アメリカという国の特殊性──過剰な宗教性、根強い黒人差別、そして異様なまでの冷戦への情熱
三牧聖子 いまこそ本当のポピュリストが求められている──2025年、アメリカ合衆国の現在地
岡本裕一朗 新反動主義が共感を集めることができた理由──ピーター・ティールやカーティス・ヤーヴィンが登場してきた背景
酒井隆史 カウンター・カルチャーを再構築すること──ブラック・カルチャーからネオリベラリズムをとらえるとアメリカが見えてくる

■コラム
さよならアメリカ、さよなら日本(イアン・F・マーティン/江口理恵訳)
多様性の夢と包摂のパラドックス(水越真紀)
我が魂を引き裂くもの(緊那羅:デジ・ラ/野田努訳)
アメリカは「世界の終わり」を夢見ている(三田格)
国のない女──アメリカでアメリカ人として生まれ育つということは?(ジリアン・マーシャル/江口理恵訳)
ヒップホップの「抵抗」について考える──彼らはただ韻を踏んでいるだけではないのだ(二木信)
「米国第一主義」の源流はヨーロッパにあった?──欧州「極右」勢力の台頭とトランピズム(土田修)
アメリカを巡る曖昧な愛情(木津毅)

アメリカを知るためのブック・ガイド
(野田努、水越真紀、三田格、土田修、木津毅、二木信、小林拓音)

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MC Yallah & Debmaster - ele-king

 日本や世界各地のクラブ・シーンを席巻しているエモ寄りのメロディック・ラップの氾濫からひととき解放されるかのように、ヤラ・ガウデンシア・ムビデ( Yallah Gaudencia Mbidde)、すなわちMCヤラー(MC Yallah)のセルフタイトル新作『Gaudencia』は、Nyege Nyege のサブレーベル〈Hakuna Kulala〉からフランス人プロデューサーのデブマスター(Debmaster)との共作として登場した。これはすでに熱気を帯びた夏にさらにスパイスを振りまく、革新の清新な空気であり、意識を覚醒させるバンガーの数々だ。2023年のブレイク作『Yallah Beibe』が放った生々しいエネルギーと昂揚を継承しつつ、今回のヤラーとデブマスターはさらにいっおう音響的一貫性を獲得している。まるで宿命に導かれた音響的な結婚のごとく、互いが互いを突き動かし、より高みへと刺し合うようにして。
 ケニアに生まれ、ウガンダで育った背景は、言語の仕組みを自在に連結するためのコードをヤラに授けた。彼女はルガンダ語、ルオ語、スワヒリ語、そして時折の英語を切り替えながら、それぞれの言語がもつ力を最大限に引き出し、すべてを猛烈な韻律のなかで機能させている。
 これはマムブル・ラップでも、2分間に40語しか吐き出さないエモ的な歌唱でもない。これはバトルラップ・スタイルだ。週末のニューヨークのバスケットコートに持ち込まれるような、あるいはあらゆるコンテストに投じられるようなものだ。英語を母語とする私にとって、ラッパーの言葉を理解できないことに多少の寂しさはある。だが“Omulinji”のようなトラックでは、そのもどかしさはメロディとフロウに慰められ、魅了される。優れたラッパーは、外部の聴衆が渡れる旋律の橋を築くのだと、そこには単純に示されている。

 アルバムのテンポは冒頭から狂騒的で、ハイプを積み上げていく。冒頭曲“Higher”のシンセサイザーの響きからして、その昂ぶる予感が全身に伝わってくる。トラックメイカーとしてのデブマスター(Debmaster )の手腕は、必要な余白と緊張感を残し、MCヤラにマシンガンのようなケイデンスを浴びせるだけの空間を与えている。そして続く“Kujagana”では夏らしいバウンス感を解放し、どこの都市でも通じるメロディを響かせる。地下鉄のなかで自然と口ずさめるような、記憶に残る旋律だ。
 1曲目以降、このアルバムの大部分はディープでスローなリズムに身を委ねている。現代アフリカのスロービートやアフロビーツと、西洋で人気のグルーヴィなエレクトロニクスとのあいだに心地よく収まり、クラブで多用されるガバの硬質な音を相殺するかのようだ。

 ヤラーにとりわけ惹かれるのは、そのラップのフロウ、歌唱、パフォーマンス・スタイルはもちろんだが、全体的な美学において、セクシュアリティを最優先にしていない点にもある。だいたいこのご時世、裸同然の格好をせず、言葉を発する前から腰をくねらせたりしない女性ラッパーがバズったりすることは困難だろう。実力派のDoechii(https://www.ele-<https://www.ele-/>http://king.net/review/album/011615/)でさえも、注目を集めるため、真っ裸になってヴィデオを制作したほどである。しかし、『Gaudencia』におけるヤラーは、ゲストなしでアルバム全体を牽引する女王の風格を見せつける。13曲すべてにおいてゲストも客演プロデューサーも存在しない。サウンドは一貫しており、メッセージは純粋無垢で、そのゆえに圧倒的な磁力を放っている。そして率直に言えば、リリックを完全に理解できなくとも、ヤラの才能はジェイ・Z級だ。
 願わくは、ヤラーがアメリカのしばしば言語的排外主義に陥りがちなラップ・カルチャーを突破してほしい。現実にはそれが起こるとは思えないが、それでもなお願わずにはいられない。


In a welcome break from the plethora of emo-driven melodic rap taking over the club scenes here in Japan and in many parts of the world, Yallah Gaudencia Mbidde aka MC Yallah`s new self titled work “Gaudencia” with Debmaster on the the Nyege Nyege`s sub-label HAKUNA KULALA, is the fresh air of innovation and mind-awakening bangers necessary to bring spice to an already hot summer.
In a continuation of the raw energy and excitement around her breakthrough 2023 “Yallah Beibe,” Yallah and Debmaster go even further into sonic coherence showing that they were meant to each other, an ordained sonic marriage by fate, each half needling each other toward greater excellence.
Being Kenyan, raised in Uganda showered Yallah with the codes necessary to interconnect with the inner-workings of number languages. Yallah toggles between Luganda, Luo, Kiswahili, and brief moments of English accessing the greatest parts of each language and making them all work in rapid fire cadences.
This isn`t mumble rap or 40 words in a 2 minute emo-sing song, this is battle rap style. The type one would take to the basketball court in New York City on the weekend or any contest. For myself as a native English speaker, there is a little sadness in not being able to understand anything a rapper is saying. But in a track like “Omulinji," my mental frustrations are put to rest with melodies and flows that mesmerize, showing simply the best rappers build melodic bridges outsiders can cross.
The pace of the album from the beginning is manic, hype building. You can feel the anticipation from the opening synths in opening “Higher.” Debmaster`s craft as a track maker leaves space and just enough tension giving MC Yallah tons of air to fire machine gun style cadences. And then allows summer bounce vibes in the following “Kujagana,” easily translatable in any city with melodies, memorable and hummable on any subway.
Beyond the first track, the majority of the album grooves in deep slow rhythms fitting comfortably between modern African slow beat or afrobeats and groove heavy electronics popular in the Western world to offset much of the gabber music played in clubs.
What particulary attracts me to Yallah is her rap flow, singing, performance style or overall aesthetic, not prioritizing sexuality first. It`s difficult now to find viral female rappers that aren`t near naked or gyrating before they even say a word. Even equally as talented Doechii has made video(s) completely butt naked to attract attention. In “Gaudencia” Yallah shows queen status carrying the whole album without any guests. 13 tracks without any guests or even guest producers. The sound is consistent and the message is pure, and by being so, incredibly magnetic. And truth be told, Yallah is Jay Z level talented, even without understanding fully her lyrical content.
It would be my hope that Yallah could break through the often linguistically xenophobic rap culture of America. I don`t see that happening but it is still a hope.

FINALBY(   ) - ele-king

 ∈Y∋(BOREDOMS)を中心とした異次元的なプロジェクト、FINALBY(     )の公演が新宿歌舞伎町のZEROTOKYOにて開催される。すでにFUJI ROCKや大阪・味園ユニバースにて、その圧倒的なライヴを披露したFINALBY(     )の待望の東京でのライヴだ。本公演では、COSMIC LABとFaith PropertyによりZEROTOKYOに常設されたXRヴィジュアル&ライティング・システムを基盤に、音響・映像・照明が完全に連動し、観客を未知なる感覚の領域へいざなう。必見です!

FINALBY(   )
∈Y∋ (BOREDOMS) ∞ COSMIC LAB ∵ KANTA HORIO ∅ TAIKI NIIMI

アンダーグラウンド・ミュージック・シーンで世界的な影響力を持つ『
BOREDOMS』のフロントマンである∈Y∋、空間表現によって認知の拡張を探求するオーディオ・ヴィジュアル表現の追求者COSMIC LAB(C.O.L.O主宰)、音とマシンの関係性を追求するアートエンジニアHORIO KANTA、回路設計から音響合成まで行うプログラマーのNIIMI TAIKI によるユニット。FUJI ROCK FESTIVAL’21での初演はフジロック史上で最も異質なステージと称され、今年3月には香港アートウィーク、そして7月には大阪・味園ユニバースの70年に渡る歴史にピリオドを打つ伝説的な公演を完遂。
※読み方(ファイナルビーエンプティ)


「FINALBY(     )が、未確認超越体験として、再び転生!!!!!!!」
宇川直宏(DOMMUNE)

2025年7月5日…..味園ユニバースは、大阪・千日前での70年の歴史に幕を閉じた。BOREDOMSの∈Y∋とCOSMIC LAB率いるFINALBY(     )は、自らを"おくりびと"と化し、この連綿と続く記憶と痕跡のサイケデリックな文化地層を大気圏の向こうへと見送った。70年の長きにわたる千日前の文化地層を崇め、祀り、XRの魔法を駆使して先鋭な祈りで葬り弔ったこの歴史的法要は、今後の大阪の文化史にとっても大きな意味を持つだろう。心沈める葬列ではなく、心躍る式典を経て、ユニバースは超越的なレクイエムを捧げられ、概念宇宙となった!!!!!!!

そして、2025年10月25日…この時空超越装置が東京・歌舞伎町に突如現出する!!!!! 概念宇宙と化したユニバースは、ネオンに溶けた欲望と情念の密林を突き破り、重力を説き伏せた未確認超越体験として、再び転生するのだ。そう、そこにもここにもあそこにも時空の歪みを切り裂いてFINALBY(     )は立ち現れる!!!!!!! この夜、ZEROTOKYOは、"千日前の記憶" を歌舞伎町という身体に再インストールする。アカシックレコードも、タイムカプセルも、量子コンピューティングも、霊界パノラマも、集合無意識をも飲み込んだ、このXRアセンションを召喚せよ!!!!!!!


「FINALBY(     )は、一つの時代の終わりと始まりを告げる何かとして現れる。」
藪前知子(キュレーター、東京都現代美術館学芸員)

コロナ禍がようやく終わる兆しを見せた夏、FUJI ROCK FESTIVAL ‘21のWHITE STAGEのコアタイムに、FINALBY(     )は唐突な異様さで現れた。そのパフォーマンスは、ヴァーチャルとフィジカルが渾然一体となった強烈な配信映像とともに、この停滞期の最も重要な文化的事件の一つであったといえる。
そして今年の7月、大阪のディープスポット味園ユニバースの最終営業日、私たちは、光と影に彩られた70年間の歴史的空間が、オープンエンドな未来へと引き渡される様を目撃した。
FINALBY(     )は、一つの時代の終わりと始まりを告げる何かとして現れる。その世界では、デバイスオブジェクト自体が意志を持った主体となってオーディエンスに働きかける。
それらは仲介者である∈Y∋と共に、地球の自転がもたらす力の作用を受け、音の渦を生み出しつつひたすら一方向へ回転しつづける。儀式のようにはじまったその空間に身を委ねるうちに、私たちの意識は、(∈Y∋がフジロックでぶん投げた(サ)コーンのように)、高速で遠くに弾き飛ばされる。次は新宿・歌舞伎町から、どこか知らない宇宙の始まりへと。


ZEROTOKYO
東急株式会社、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントによる合弁会社である株式会社TSTエンタテイメントが運営する、ZEROTOKYO / Zepp Shinjuku(TOKYO)。エリア最大級である1500人のキャパシティを持ち、さらに、COSMIC LABとFaith Propertyが構築した最新の映像・照明システムにより、この場所でしか味わえない臨場感あふれる音楽・映像体験を可能としている。多種多様な文化で今や世界にその名を轟かせる新宿・歌舞伎町らしく、様々なジャンルの音楽アーティストを招聘し、ここにしかない音楽ライブ・エンターテイメント・コンテンツを国内外に発信する、東京を体現する新しい施設。

COSMIC LAB
映像作家 C.O.L.Oが主宰するライブ・ヴィジュアル・ラボラトリー。可視と不可視が交わる体験を通じて認知の拡張を探求。∈Y∋(BOREDOMS)とのオーディオ・ヴィジュアルライブやJEFF MILLSと共同制作を務めた舞台芸術作品「THE TRIP」、総勢100名に及ぶ僧侶の声明とヴィジュアルアートが融合した「高野山1200年の光」などの代表作がある。ポストXR(エクスパンデッドリアリティ)に焦点化してフィジカルとヴァーチャルの境界が消失する視覚演出システムを構築し「ZEROTOKYO / Zepp Shinjuku (TOKYO)」へのインストールを手掛けた。


FINALBY(     )オフィシャルサイト:
https://www.finalby.net/

開 催 概 要

名 称:
FINALBY(     ) LIVE in 歌舞伎町EXPANDED
presented by COSMIC LAB & TST Entertainment

会場:
ZEROTOKYO

日程:
2025年10月25日(土)
OPEN 17:30 / START 18:30 / CLOSE 20:30

出演:
FINALBY(     )
∈Y∋ (BOREDOMS) ∞ COSMIC LAB ∵ KANTA HORIO ∅ TAIKI NIIMI

チケット :
EarlyBird 早割入場券 : ¥5,000
発売開始:2025年8月27日(水)〜
※ 規定枚数に達し次第、期間中であっても発売終了となります。

【 一次 一般前売り入場券 】¥6,500
【 U25 前売り入場券 】¥5,000
※EarlyBirdチケットの規定枚数が終了次第、発売開始いたします。
※ それぞれ規定枚数に達し次第、発売終了となります。
--チケットリンク(ZAIKO)-
https://cosmiclab.zaiko.io/e/finalby


主催:
株式会社TSTエンタテイメント
企画:
COSMIC LAB
助成:
公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】
プロジェクトパートナー(AtoZ):
AUGER / 有限会社ボアトロニクス / DOMMUNE株式会社 / FACETASM / 株式会社フェイス・プロパティー
後援:一般社団法人ナイトタイムエコノミー推進協議会
連携:DOMMUNE KABUKICHO / BENTEN 2025 Art Night Kabukicho


イベントオフィシャルサイト:
https://expanded.cosmiclab.jp/
FINALBY(     )オフィシャルサイト:
https://www.finalby.net/


Movie :
FINALBY(     )- FUJIROCK FESTIVAL’21 WHITE STAGE | Digest movie
https://youtu.be/WINPSZHqHG4?si=JxXIC47-lhaRG6a_&t=26

COSMIC LAB
https://www.youtube.com/@CosmicLab

8月のジャズ - ele-king

 今月はベテラン・アーティストの久々の作品から紹介したい。プランキー・ンカビンデことジェイムズ・ブランチは1947年生まれのサックス奏者で、1971年にサンフランシスコでジュジュを結成したことで知られる。アフリカ音楽や民族色の濃いフリー・ジャズを展開し、次第にそれはアフロ・スピリチュアル・ジャズとして認知されるようになる。〈ストラタ・イースト〉で2枚のアルバムをリリースした後、ワンネス・オブ・ジュジュと改名したグループは1975年に名作『African Rhythms』を発表。ワシントンDCでジャズDJ/評論家のジミー・グレイが新レーベル〈ブラック・ファイア〉を創設し、彼に共鳴したプランキーが参加し、第1弾アーティストとなった。続く1976年の『Space Jungle Luv』と共にスピリチュアル・ジャズにソウルやファンクを融合した内容で、後のレア・グルーヴ・ムーヴメントやクラブ・ジャズ・シーンでも再評価が高まった。1980年にはプランキー&ワンネス・オブ・ジュジュ名義で『Make A Change』を発表するが、収録曲の “Every Way But Loose” はラリー・レヴァンによるリミックス12インチがリリースされ、ダンス・ミュージックの世界でも知られることになる。『Make A Change』はディスコやエレクトロ・ファンクの要素も交えていて、そうした具合に当時の音楽の流行を巧みに取り入れる部分もプランキーにはあった。

Plunky & Oneness Of Juju
Made Through Ritual

Strut

 その後は一時のブランクはあったが、『African Rhythms』などが再評価されていることをプランキー自身も認識していて、1996年にワンネス・オブ・ジュジュ再評価の流れで復帰作の『Bush Brothers & Spacer Rangers』を〈ブラック・ファイア〉からリリース。それ以降も地道な活動を続け、自主レーベルの〈N.A.M.Eブランド〉からコンスタントにアルバムをリリースしている。初期は混沌として原初的なジャズをやっていたジュジュだが、ワンネス・オブ・ジュジュになってからは時流に乗ってソウル、ファンク、アフロビート、ディスコ、エレクトロなどを融合し、ある意味で非常に柔軟で自由な気風を持つアーティストとも言える。1990年代は当時のアシッド・ジャズ・ムーヴメントに呼応してラッパーをフィーチャーしたり、その後もR&Bに接近した作品のリリースもある。

 2019年にプランキー&ワンネス名義で『Afroceltic』というアフロビート寄りのアルバムをリリースし、それから6年ぶりの新作が『Made Through Ritual』となる。〈ブラック・ファイア〉の諸作を〈ストラット〉が再発していたこともあり、今回はその〈ストラット〉から〈ブラック・ファイア〉創設50周年を記念してのリリースとなる。ババトゥンデやエカ・エテら往年のメンバーはいないが、シンガーのシャーレイン・グリーンや作家・詩人のロスコー・バーネムズなどが参加している。また、プロデューサーはプランキーの息子のジャマイア・ブランチで、ジミー・グレイの息子のジャマル・グレイも共同プロデュースしている。シャーレイン・グリーンによる瞑想的なヴォーカルが導く “Share This Love” は、『Space Jungle Luv』の頃を彷彿とさせるスペイシーな浮遊感に包まれる。ジャズとアフロやファンクを融合した “In Due Time” や “Made Through Ritual” は、『African Rhythms』の頃のプランキーを再現していて、コズミックな質感のジャズ・ファンクの “Broad Street Strut” は『Make A Change』にあるようなナンバーと言えるが、不思議と古びた感じを抱かせないのはジャマイア・ブランチとジャマル・グレイのプロデュースによるものだろう。ロスコー・バーネムズがポエトリー・ローディングを披露する “Children Of The Drum” はラスト・ポエッツに通じるようなブラック・カルチャー賛歌である。


Dom Salvador, Adrian Younge & Ali Shaheed Muhammad
Jazz Is Dead 24

Jazz Is Dead

 エイドリアン・ヤングとアリ・シャヒード・ムハマッドによる『Jazz Is Dead』シリーズは、伝説的なミュージシャンとのセッションをかれこれ5年ほど続けている。アジムス、マルコス・ヴァーリ、ジョアン・ドナートなどブラジルのミュージシャンとのセッションも多くおこなっていて、2024年にはジョイス、アントニオ・カルロス&ジョカフィ、カルロス・ダフェ、イルドンらとブラジル勢と共演したオムニバスを発表したが、その中のひとりであったドン・サルヴァドールとの共演作が『Jazz Is Dead 24』としてリリースされた。ドン・サルヴァドールは1960年代から活躍するピアニストで、サルヴァドール・トリオやリオ・65・トリオは1960年代半ばに沸騰したジャズ・サンバの名トリオとして伝説的に語り継がれる。1960年代後半からは時代の流れと共にロック、ファンク、ソウルなども取り入れ、アボリサオというサンバ・ファンク寄りのバンドも率いたことがある。また、アメリカに渡って活動していた時期もあり、『My Family』(1976年)というブラジリアン・フュージョンのアルバムもリリースした。

 そんなドン・サルヴァドールも、現在87歳というブラジル音楽界でも最長老に属する年齢となっているが、そんな彼をレコーディングの場に連れ出したというだけでも、『Jazz Is Dead』はとても貴重な企画と言えよう。今回のアルバムは1960年代後半から1970年代前半の時期、アルバムで言えば1969年のファースト・ソロ・アルバムから、アボリサオを率いた1971年の『Som, Sangue E Raça』あたりの時期を念頭に入れた内容である。ドン・サルヴァドール自身による獣の咆哮のような奇妙なスキャット・ヴォーカルが印象的な “Os Ancestrais”、男女コーラスを交えたノヴェラ(サントラ)風の “Nao Podemos o Amar Para”、ソフト・ロックを取り入れたブラジリアン・ソウル “Minha Melanina”、アフロビートに近似したサンバ・ファンク “Eletricidade” など、ドン・サルヴァドールならではの作品集と言える。サイケデリックな風味の “Safíra” は、アマゾン流域で発生した原初的なアフロ・ブラジリアン・サウンドがジャズと結びついたできた作品で、ドン・サルヴァドールのルーツを見せるものだ。


Organic Pulse Ensemble
Oppression Is Nine Tenths Of The Law

RR Gems

 オーガニック・パルス・アンサンブルは、グループ名こそ冠しているものの、実際はグスタフ・ホーネイというスウェーデンのアーティストによる個人プロジェクト。グスタフ・ホーネイはサックス、フルート、トランペット、ギター、キーボード、ドラムス、ベース、パーカッションなどを操るマルチ・ミュージシャンで、それ演奏をマルチ録音することでオーガニック・パルス・アンサンブルは成り立っている。グスタフ・ホーネイはほかにもデュオヤというユニットをやっていて、そちらはジャズ・ファンク系のサウンドであるが、オーガニック・パルス・アンサンブルはモード・ジャズやスピリチュアル・ジャズ系と言えるだろう。2019年からアルバムをリリースしていて、『Oppression Is Nine Tenths Of The Law』は通算7作目となるアルバムだ。

 “Oppression Is Nine Tenths Of The Law” はバンブー・フルートがフィーチャーされた、極めてプリミティヴな趣のスピリチュアル・ジャズ。スウェーデンはクール・ジャズの印象が強いが、実際にはアフリカ音楽に影響を受けたミュージシャンもいるし、民謡を取り入れた作品もいろいろ出ている。ドン・チェリーが長年住みついて活動していたところでもあり、オーガニック・パルス・アンサンブルはそんなドン・チェリーの『Organic Music Society』(1972年)に影響を受けているのだろう。“Peace As A Political Statement” という楽曲も、そんなドン・チェリーの精神性を示すタイトルだ。1960~70年代、アメリカのジャズ・ミュージシャンの中には北欧へ移住する者もいろいろおり、トニー・スコット、サブー・マルティネス、ジョージ・ラッセルなどはスウェーデンを拠点とした。中でジョージ・ラッセルはビッグ・バンドをはじめとした大編成のグループの指揮や作曲・編曲に長けていたが、オーガニック・パルス・アンサンブルにおける多種の楽器のアンサンブルや作曲技法にも目を見張る部分があり、そこにはジョージ・ラッセルの影響も見て取れる。そして、グスタフ・ホーネイはそれをひとりでやっているのが何とも凄い。


Aldorande
Trois

Favorite Recordings

 アルドランドはフランスのグループで、ベーシストのヴァージル・ラファエリをリーダーに、ピアニスト/キーボーディストのフローリアン・ペリシエ、ドラマーのマチュー・エドゥアール、パーカッショニストのエルワン・ロッフェルが集まる。この中でフローリアン・ペリシエは自身のクインテットを率いて数々のアルバムを残すほか、カマラオ・オーケストラというアフロ~ラテン系のバンドや、コトネットというジャズ・ファンク・バンドでも演奏する。ヴァージル・ラファエリもカマラオ・オーケストラのメンバーで、またマシュー・エドゥアルドと共にセテンタというラテン・ファンク・バンドで演奏している。このようにフランス、主にパリのジャズ、ファンク、ラテン・シーンで活躍してきたミュージシャンが集まってアルドランデは結成された。2019年にファースト・アルバム、2021年にはセカンド・アルバムの『Deux』をリリースしているが、彼らの音楽性は1970年代のエレクトリックなジャズ・ファンクをベースに、ファンクやフュージョン、シンセ・ブギーやブロークンビーツなどのエッセンスを交えたものとなっていて、ラテンやアフロ・フレーヴァーに富むリズム・セクションも魅力だ。

 そんなアルドランドの3作目のアルバム『Trois』がリリースされた。メンバーはこれまでゲスト参加してきたギタリストのローレン・ギエも加わり、5人編成となっている。フローリアン・ペリシエはフェンダー・ローズ、エレピ、ミニモーグ、アープ・シンセほか各種キーボードやシンセを用い、これまで以上に重層的な鍵盤サウンドを展開する。“Back To Mother Earth” は重厚な出だしからソリッドなビートが始まり、軽快なブギー・ファンクへと展開する。全体的にブリット・ファンクに通じるナンバーだが、途中のヴィブラフォン・ソロやフェンダー・ローズも印象的で、アジムスやロイ・エアーズなどの影響も感じさせる。“Gulf Of Mexico” はスパニッシュ調のフュージョン・ナンバーで、フローリアンのキーボードがダークでミステリアスなムードを掻き立てる中、途中からジプシー調のコーラスも加わって盛り上げる。疾走感に満ちたリズムは思わず体が動き出すようなものであるが、このあたりはダンス・ミュージックが得意な〈フェイヴァリット・レコーディングス〉の作品らしい。

Simon Frank - ele-king

 Mars89が主宰するレーベル〈Nocturnal Technology〉より、カタログ10枚目を飾る新譜のリリースです。

 カナダに出自を持ち上海を拠点に活動する音楽家・サイモン・フランクによるアルバム『VICTIM OF A NEW AGE』は、ブルボンズ・クオークやフラックスなどの影響下にある9曲入のEBMライクな作品で、レーベル曰く「アウトサイダーポップとダンス、オールドスクールと未来志向が交錯する、ポストパンク・エレクトロ」とのこと。かような矛盾を両立させることであらたな視点を浮かび上がらせるような作風は、まさしく日本の音楽家・Mars89の持つ美学と通ずるところもあり、上海と東京の2都市をつなぐ1枚であることがうかがえる。

 マスタリング・エンジニアにはTorei名義で音楽家としても活動するRei Taguchiが参加、闇夜に立ち現れるアンダーグラウンドの美学をひしひしと感じられつつ、「ニューエイジの犠牲者」という皮肉なタイトルにはかつてレイヴがわれわれに見せてくれた夢のつづきが投影されているような気も。デジタル/カセットともにBandcampにて発売中。

Artist: Simon Frank
Title: VICTIM OF A NEW AGE
Label: Nocturnal Technology
Format: Digital / Casette
Release Date: 2025.8.21
Buy / Stream: https://nocturnaltechnology.bandcamp.com/album/victim-of-a-new-age

Tracklist:

1. Premonition
2. Unmask
3. Cave
4. Attrition
5. Puppetmaster
6. Shopping Mall
7. Pass
8. Classic Cars
9. Victim of a New Age

Composed by Simon Frank
Mastered by Rei Taguchi (Saidera Mastering)

 Mars89主宰のレーベルNocturnal Technologyより、上海を拠点に活動するカナダ出身のプロデューサー、サイモン・フランクによるNew-Wave / EBMスタイルのアルバムVICTIM OF A NEW AGEが登場。ミニマル・シンセのソングブックからそのまま抜け出したような皮肉っぽいボーカルが、アシッドなベースライン、歪んだブレイクビーツ、渦巻くダブ・エコーと組み合わさり、全体を通してオールドスクールでアナログライクな雰囲気を保ちながらも、断固として未来志向なアルバムとなっている。

アーティスト・ステートメント:
2021年の夏に前作のアルバムをリリースしてから数か月後、私はElektron Digitaktのサンプラーを購入した。しばらくの間、かなり限られた機材で音楽を作ってきたので、サンプルや、より直接的でない構造でどう実験できるか試してみたかった。制作には時間がかかった。理由の一つは北京から上海への引っ越しであり、もう一つは2022年の中国での生活がコロナ禍の影響でやや不安定だったからだ。しかし最終的に、新しいサンプラーを使ってブレイクビーツを演奏・加工する方法を習得し、それが新たな可能性を切り開いた。そして、産業音楽やパンクが新しいテクノロジーによってより柔らかくファンキーなものへと変化した2枚のアルバムのことを考えるようになった。Bourbonese Qualkの My Government Is My Soul とFluxの Uncarved Block だ。Bourbonese Qualkのアルバムを初めて聴いたとき、あまりにもアンダーグラウンドな作品なのに、子どもの頃に初めて触れたエレクトロニック・ミュージック——Fatboy SlimやThe Chemical Brothers——を思い起こさせたことに驚いた。私はそれと同じように、奇妙でありながら耳に残り、そして少し素直さを恐れないようなエネルギーを持つ作品を作りたいと思った。
 私は普段、自宅で曲を書き、その後ライブで演奏して、うまくいく部分、そうでない部分、そして即興の中で現れる細かなディテールを確認している。今作の全曲も、ロックのライブハウスやダンスミュージックのクラブで演奏しながら練り上げた。
 キックドラムが4つ打ちのときでも、パーカッション、サンプル、シンセラインを使って、リズムに動きや、見かけ以上の複雑さを与えるように心がけた。よりブレイクビーツ主体やテンポの遅い曲を作る際には、90年代に子どもとして聴いた音楽の曖昧な記憶を思い出していた。それは、前述のメインストリームなアーティストだけでなく、当時父がよく聴いていたBill Laswellのプロジェクトや、最近になって知ったScornやTechno Animalといったアーティストも含まれる。また、スウェーデンの The Flesh-Eating Bugs の2022年のアルバム Melting Pot にも影響を受けた。この作品は、まるでブレイクビーツを用いて作られたノイジーなインディーロックのようだ。「Premonition」は、非常に霧の濃い午後に、自宅近くの明代の墓の周囲を散歩した後に書いたもので、そのゴシックな音はその影響かもしれない。「Pass」については、書き始めたときには意図していなかったが、プロト・ダブステップのような響きがあるところが気に入っている。
 上海は多くの点で北京よりも暮らしやすいが、容赦なく商業主義的でもある。いくつかの歌詞を書くときには、文化が単なる消費の対象にすぎない場所で文化を創るということがどういう意味を持つのかについて考えていた。アルバム制作の終盤にはウィリアム・ギブスンの作品を多く読んでおり、その先見的で(暗い)未来像だけでなく、過去のイメージや観念が私たちをどのように付きまとっているかという彼の描写にも刺激を受けた。振り返ってみると、このテーマは「Victim of a New Age」や「Classic Cars」にも現れていると思う。

アーティストバイオグラフィー
サイモン・フランクはカナダに生まれ、ニューデリーと北京で育ち、現在は上海に在住している。彼は高校生の頃に音楽活動を始め、2008年のオリンピック前後に中国の首都で芽生えたアナーキーなノイズおよび実験的ロックのシーンに参加した。インド古典音楽や自由即興から着想を得た濁ったドローンやループによる実験を経て、彼の音楽は徐々にポストパンク・エレクトロニクスへの独自のアプローチへと進化し、アウトサイダー・ポップと没入型のダンスミュージックが同等の割合で融合するスタイルとなった。ミニマル・シンセのソングブックから抜け出したような皮肉げなボーカルが、腐食性のアシッドハウスのベースライン、重く響くドラムマシン、歪んだブレイクビーツ、渦巻くダブ・エコーの塊、そしてダンスホール特有の低音圧と結びついている。
サイモンは、兄でありGong Gong Gongのメンバーでもあるジョシュ・フランクとのデュオ Hot & Cold、アレックス・チャン・ホンタイとオースティン・ミルンとの Love Theme、そして Love Research Institute といったバンドで活動してきた。自身のイベント・シリーズ XMQ Presents を通じて、John T. Gast、Phuong-Dan、Tolouse Low Trax、First Hate、Yearning Kru といったDJやアーティストを招聘している。

instagram: https://www.instagram.com/sf_xmq/

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Nocturnal Technology
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Terry Riley - ele-king

 強力なアイテムの登場だ。テリー・ライリーが〈コロムビア〉に残した4作品、それらをまとめたボックスセットがリリースされる。60年代に録音された問答無用の『In C』と『A Rainbow in Curved Air』はもちろんのこと、70年のジョン・ケイルとの共作『Church of Anthrax』、そして80年の『Shri Camel』まで網羅した豪華なセット。ブックレットも充実しており、セッション時の写真やオリジナルのライナーノーツ、新たなエッセイに加え、日本仕様盤ではそれらの翻訳と、別途日本語解説もつきます。発売は明日、8月27日。

テリー・ライリーがColumbiaレーベルに録音した名作4題をボックス化

テリー・ライリー
「コロンビア・レコーディングス」

(インC/ア・レインボー・イン・カーヴド・エアー/チャーチ・オブ・アンスラクス/シュリー・キャメル)
TERRY RILEY / THE COLUMBIA RECORDINGS
(In C / A Rainbow in Curved Air / Church of Anthrax / Shri Camel)

■レーベル:SONY CLASSICAL
■品番・価格:SICC-2363-6(2枚組) 定価\6,050(税抜価格¥5,500)
■発売日:2025年8月27日
■形態:4CD/輸入盤国内仕様・初回生産限定盤
■(P) 2025 Sony Classical, a label of Sony Music Entertainment

ミニマル・ミュージックと電子音楽に多大な影響を与え続ける先駆的な作曲家テリー・ライリーの代表作である『インC』をはじめとしたコロンビア・レコード時代のアルバム4作品を収録したボックスセットです。本作は単なる録音の集大成を超え、アヴァンギャルドがメジャーレーベルのスタジオに根を下ろし、ライリーのような先駆的なアーティストが未踏のサウンドの領域を探求する余地を与えられた時代の貴重な記録と言えましょう。彼の魅惑的なエレクトリック・キーボードとサックスの即興演奏から、テープやデジタル・ディレイの先駆的な使用まで、ここにあるすべてのトラックに脈打つ実験精神は、その後の音楽の発展に大きく寄与し、現代音楽の範疇を超えてロックやポップス、現代のテクノにまで伝播しました。
添付されたブックレットの資料的価値も大きく、セッション時の写真やオリジナル・ライナーノーツ、新たに書き下ろされたエッセイを含む貴重な内容となっています(輸入盤日本仕様/欧文ライナー日本語翻訳付き(翻訳:高橋智子)/解説:畠中実)。

【CD1】
テリー・ライリー『インC』
TERRY RILEY / IN C

1 インC In C 41:59

<演奏>
テリー・ライリー:作曲、アンサンブル・リーダー、サクソフォーン
ニューヨーク州立大学バッファロー校、創造・演奏芸術センターのメンバー
録音:1968年4月29日、5月1日、2日 コロンビア30丁目スタジオ(ニューヨーク)

【CD2】
テリー・ライリー『ア・レインボー・イン・カーヴド・エアー』
TERRY RILEY / A RAINBOW IN CURVED AIR

1 ア・レインボー・イン・カーヴド・エアー A Rainbow in Curved Air 18:40
2 ポピー・ノーグッド・アンド・ザ・ファントム・バンド Poppy Nogood and the Phantom Band 21:40
3 ア・レインボー・イン・カーヴド・エアー ラジオ放送用スポット広告(ボーナストラック) Radio Spot: A Rainbow in Curved Air (bonus track). 0:58

<演奏>
テリー・ライリー:エレクトリック・オルガン、エレクトリック・ハープシコード、ロックシコード、ドゥムベック、タンバリン
録音:1969年5月23日、6月3日(1、3)、3月24日、27日、28日(2) コロンビア52丁目スタジオ(ニューヨーク)

【CD3】
ジョン・ケイル&テリー・ライリー『チャーチ・オブ・アンスラクス』
JOHN CALE & TERRY RILEY / CHURCH OF ANTHRAX

1 チャーチ・オブ・アンスラクス Church of Anthrax 9:00
2 ヴェルサイユ宮殿の鏡の回廊 The Hall of Mirrors In the Palace of Versailles 7:55
3 ザ・ソウル・オブ・パトリック・リー The Soul of Patrick Lee 2:47
4 3月15日 Ides of March 11:03
5 庇護された者 The Protégé 2:47

<演奏>
ジョン・ケイル:ベース、ハープシコード、ピアノ、ギター、ヴィオラ、オルガン
テリー・ライリー:ピアノ、オルガン、ソプラノ・サクソフォーン
録音:1970年1月23日、コロンビア30丁目スタジオ(ニューヨーク)

【CD4】
テリー・ライリー『シュリー・キャメル』
TERRY RILEY / SHRI CAMEL

1 三位一体の聖歌 Anthem of the Trinity 9:25
2 天界の峡谷 Celestial Valley 11:32
3 はるかな太古の湖をこえて Across the Lake of the Ancient World 7:26
4 氷の砂漠 Desert of Ice 15:13

<演奏>
テリー・ライリー:エレクトリック・オルガン、コンピューターによって制御されたデジタル・ディレイ
録音:1980年 CBSスタジオ(サンフランシスコ)

その彼方には、魅惑的な静寂が広がっていた……

ジャズの奥深くに広がるサイレンス
かつてない斬新な観点からつづられる未来的なエチュード

新しい音楽の聴き方、そして静と動が完璧に繋がった世界

マイルス、イーノにはじまり、「静寂の次に最も美しい音」のキャッチフレーズで知られるECM、菊地雅章の忘れられたシンセサイザー作品、芦川聡や吉村弘、尾島由郎ら日本の環境音楽の開拓者たち、そして清水靖晃から高田みどりまで

著者入魂、7年ぶりの書き下ろし

四六判変型並製/352ページ

[著者]
原 雅明(はら まさあき)
文筆家、選曲家。レーベルringsのプロデューサーとしてレイ・ハラカミの再発等に携わり、LAのネットラジオ局dublabの日本ブランチの設立に関わる。リスニングや環境音楽に関連する企画、ホテル等の選曲も手掛ける。早稲田大学文化構想学部非常勤講師。著書に『Jazz Thing ジャズという何か』『音楽から解き放たれるために』など。

『アンビエント/ジャズ』刊行に寄せて
──著者・原雅明による「前書きの前書き」をこちらにて公開中

刊行記念イベント開催決定!
・9/23@WPU Shinjuku
・10/13@野口晴哉記念音楽室
→詳細は本ページ下部をご確認ください

聴きながら読む──「アンビエント/ジャズ」プレイリスト公開中

Ambient/Jazz - between Miles Davis and Brian Eno Chapter 1&2

Ambient/Jazz - between Miles Davis and Brian Eno Chapter 3&4

Chapter 1 & 2 (YouTube Music)
https://music.youtube.com/playlist?list=PLwIEk49IRfMR35xvuGibFfpPlj9YORa1a&si=LV-Nsb82ydiGGv2A

Chapter 3 & 4 (YouTube Music)
https://music.youtube.com/playlist?list=PLwIEk49IRfMRRFpcQIW6O2CwFCSzfiZfI&si=21PsB4WMVhMTMw49

目次

intro

第1章 マイルス・デイヴィスのジャズとアンビエント

1 空間の拡張と時間の遅延──第2期クインテットにおける試行錯誤
2 エレクトリック期に試みられたトーン・ポエム/アンビエント
3 アップデートされる80年代以降のマイルス

第2章 ブライアン・イーノのアンビエントとジャズ

1 オブスキュアとギャヴィン・ブライヤーズ
2 アンビエントの誕生
3 アンビエント・シリーズの発展
4 ダニエル・ラノワの『Belladonna』とその後のイーノ

第3章 ECM もう一つのジャズとアンビエント

1 マンフレート・アイヒャーとジャン=リュック・ゴダール
2 多様なるECMの世界

第4章 日本におけるジャズと環境音楽の往還

1 菊地雅章が残した浮遊するサウンドとハーモニー
2 日本の環境音楽の開拓者たち──芦川聡、吉村弘、尾島由郎
3 清水靖晃の「質感」
4 今日まで続く高田みどりの挑戦

outro

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未来屋書店/アシーネ

刊行記念イベント①

dublab.jp presents
Listening Event “AMBIENT / JAZZ”

dublab.jpのファウンダーであり、文筆家、選曲家、レーベルringsのプロデューサーである、原雅明の新刊「アンビエント/ジャズ――マイルス・デイヴィスとブライアン・イーノから始まる音の系譜」の出版を記念したイベントの開催が決定。
ゲストに環境音楽のシーンを牽引し、海外からの再評価も高い尾島由郎氏を招聘し、書籍の本質をトーク&リスニングで解剖。また、「AMBIENT / JAZZ」を各々の解釈で展開させていくDJによるサウンドが空間を演出します。

また、会場では、新刊『アンビエント/ジャズ──マイルス・デイヴィスとブライアン・イーノから始まる音の系譜』をはじめ、本書のコンセプトである「アンビエント/ジャズ」に関連した書籍を揃えたポップアップ・ブックストアも出店します。

ぜひ、皆様の来場をお待ちしております。

会場: WPU Shinjuku
https://hotel.wpu.co/shinjuku/

日時: 2025年9月23日(火祝)
14:00-19:30

入場無料

Talk&Listening:
Masaaki Hara
Yoshio Ojima

DJ:
DJ Emerald
grrrden
JIMA 
mamekx

Support:
ADAM Audio

14:00-15:00 mamekx
15:00-16:00 DJ Emerald
16:00-17:00 JIMA
17:00-18:30 Talk&Listening: Masaaki Hara, Yoshio Ojima
18:30-19:30 grrrden

https://dublab.jp/show/listening-event-jazz-ambient-25-9-23/

刊行記念イベント②

「アンビエント/ジャズ――マイルス・デイヴィスとブライアン・イーノから始まる音の系譜 」出版記念レコード鑑賞会

10.13.2025(mon.祝日)
野口晴哉記念音楽室
open 16.00 start 17.00
¥3000(+1d order制)※Limited 20/reservation only

Masaaki Hara 
Takuro Okada
野口晴哉記念音楽室にて、ele-king booksより刊行された原雅明氏の新著 『アンビエント/ジャズ――マイルス・デイヴィスとブライアン・イーノから始まる音の系譜』 の出版を記念し、リスニング会を開催致します。
セレクターには著者の原氏、そしてレコードコレクターとしても名高い、音楽家・岡田拓郎氏をお招きし、新刊に関連する作品をレコードで聴きながら、お二人の対談を行い、「聴く/聞く」ことを掘り下げる一夜となります。
限定20名、予約制のささやかな会となります。参加ご希望の方は、お名前と人数を明記のうえ、全生新舎instagramのDMにてお申し込みください。

※入場時にIDチェックがあります。
身分証明書をご持参ください。

お詫びと訂正

このたびは『アンビエント/ジャズ』をご購入いただきまして誠にありがとうございます。
同書に誤りがありましたため、謹んで訂正いたしますとともに、
お客様および関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

●59ページ 6行目

誤 『The Complete Bitches Brew Sessions』
正 2003年リリースの『The Complete Jack Johnson Sessions』

●同 9行目

誤 『The Complete Bitches Brew Sessions』
正 『The Complete Jack Johnson Sessions』

●169ページ 注4の7行目

誤 ディオ演奏
正 デュオ演奏

●185ページ 8行目

誤 彼の音作り方から、
正 彼の音の作り方から、

●209ページ 5行目および9行目

誤 「All of My Life」
正 「All My Life」

●218ページ 後ろから4行目

誤 ルアカ・ポップ
正 ルアカ・ボップ

●281ページ 後ろから1行目

誤 「Wind 1,2」
正 「Air 1,2」

●282ページ 1行目

誤 「Wind 3」
正 「Air 3」

●同 3行目

誤 「Wind 4,5」
正 「Air 4,5」

●297ページ 8行目および10行目

誤 吉川
正 吉村

●312ページ 3行目

誤 濱野
正 濱瀬

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