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Gummihz - Toba le le theme - Claap |
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3 Generations Walking - Slavery Dub - Spiritual Life Music |
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Thomas Fehlmann - DFM - Kompakt |
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The C90's - Shine alight(Flight Facilities Remix) - Unknown |
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Summer Of Love Edit - Everywhere - Psychemagik |
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Soft Meets Pan - Lunar - Cross Point |
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Cantoma - Gambarra(Lexx Remix) - Lang |
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Jephte Guillaune - The Prayer(Acroostic Ver) - Spiritual Life Music |
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John Gazoo - What Happened(Vocal) - Compost Disco |
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Clymax - Musicland - Double Disco |
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SHACKLETON - MAN ON A STRING PART 1 & 2 -WOE TO THE SEPTIC HEART! |
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THE MACHINE - REDHEAD - REKIDS |
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EMMANUEL JAL - KUAR EP - INNERVISIONS |
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DIE VOGEL - BLAUE MOSCHEE - PAMPA |
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SOFT MEETS PAN MESSAGE TO THE SUN EP. - CROSSPOINT |
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BAKO DAGNON - LE GUIDE DE LA REVOLUTION - DISCOGRAPH |
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ALDEBARAN - ALDEBARAN VO.2 - ALDEBARAN |
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MIKE PARKER - VESUVIO TREMOR - GEOPHONE |
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EINFACH - WHITE RABBIT - EINFACH |
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SISTER AUDRAY & THE SHANTI-ITES - FORWARD HOME - FALASHA RECORDINGS |
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RYO KAWAHARA
GOTTA GIVE IT ALL FEAT. GEORG LEVIN
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これまでヴァレンタインとはほとんど無縁な人生を送ってきた、そしてこれからもそのように過ごすつもりだ......が、この「ヴァレンタイン」は気になるね。2011年の注目株のひとり、SBTRKTのヒット・シングルにフィーチャーされたふたりのシンガーによる「ヴァレンタイン」である。すでにシングル発売され話題になっていた曲で、知っている人も少なくないはず。ele-kingからヴァレンタインに無縁なみなさんへのプレゼントということで......。
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![]() Haiiro De Rossi Same Same But Different Slye Records |
ハイイロ・デ・ロッシとタクマ・ザ・グレイトという若き勇敢なふたりのラッパーによる「WE'RE THE SAME ASIAN」はいわばヒップホップ・アゲインスト・レイシズムである。ラップ・ミュージックによる人種差別や排外主義への強烈かつ的確なカウンター・パンチであり、今日の日本において非常に重要な問題を提起している。
彼らが昨年の11月28日にYouTubeにアップした「WE'RE THE SAME ASIAN」はすぐさまYAHOO! ニュースへ飛び火し、YouTubeには彼らにたいするアンサー・ソングがアップされる。「日本のラッパーが中国、韓国との差別解消を訴える」と題されたYAHOO!の記事には200件あまりのコメントがポストされ、炎上する。"活発な議論"というよりも誹謗中傷の嵐と言ったほうが正しいだろう。コメント欄は差別意識や悪意をむき出しにした罵詈雑言で溢れた。
私たちはこのあいだ、領土問題や在日参政権をめぐる問題などで同じような光景に何度も直面している。アジア・カップの日韓戦の奇誠庸(キ・ソンヨン)の猿まねが日本人に対する侮辱だということで日韓のメディア、ネットで賛否両論の議論が展開されている。
問題なのは、ここぞとばかりに便乗して差別意識や狂信的なナショナリズムを煽ろうとする人びとである。こういうときにこそ私たちは冷静になるべきだ。憎悪や不信や偏見を煽り、争いの火を焚きつけようとする同じ国の人びとよりも、平和と相互理解を求める隣国の人びとのほうが自分たちに近いのではないかと疑ってみることも必要ではないだろうか。ごくごく当たり前の話である。
そう、ふたりは"当たり前のこと"を静かにラップしている。彼らはがなり立てない。メランコリックなジャジー・ヒップホップの上で叙情と情緒をコントロールしながら、静かな声明を差し出している。
明確な政治的主張はないが、開かれた社会性があり、多文化主義と平和主義のコンセプトがある。表現が素直過ぎると感じる人がいるかもしれないが、それゆえの力強さがある。
ヒップホップのアーティストがリスクを背負って、政治的に際どいテーマ(人種差別、排外主義)についての議論の場を作ろうとしたことにたいして私たちは応えるべきだろう。ハイイロ・デ・ロッシとタクマ・ザ・グレイトの勇気ある行動を僕はいまどこまでも肯定しよう。ハイイロ・デ・ロッシに話を訊いた。
オレらは右でも左でもないし、そういう思想は持ってない。ただ、普通に普通のことを言っただけなんですよ。普通にヒップホップだと思うことをやった。そしたら、普通じゃない反応が返ってきたから、ここ(日本)は普通じゃないんだって認知できた。
■「WE'RE THE SAME ASIAN」の問題提起はいまの日本でもっともラディカルなもののひとつだと思いました。
ハイイロ・デ・ロッシ:勇気があったのはタクマだけじゃないですか。あいつはハーフで横浜の黄金町っていう町に住んでいる。昔、赤線があった場所です。家族もそうだし、いわゆる日本人以外のエイジアンのコミュニティが近くにある状態で生活している。だから、渋谷であった反中国のデモや朝鮮学校に石が投げられた事件もダイレクトに入ってくる。もし、彼がやってくれるって言わなかったらあの曲は実現しなかった。ハーフだから、リスクもあるじゃないですか。偏見の目で見られるかもしれないし。
■YouTubeのコメントや反応は見てますか?
ハイイロ・デ・ロッシ:あれこそオレらが狙ってたことなんです。あれを起こそうと思ってた。YouTubeのコメント欄だけじゃなくて、『bmr』のウェブ版のニュースに「WE'RE THE SAME ASIAN」のことが掲載されて、YAHOO!にも飛び火しました。そこに中傷コメントが200件ぐらい来て炎上したんです。あの曲を録っている過程もUSTREAMで配信していたんですけど、2時間ぐらいのあいだに300人ぐらいが見ていた。ツイッターでもRTされまくった。そして、次の日にYouTubeにアップしたんです。最初は、USTREAMを見ている人たちとオレたちの曲だった。でも、オレらがYouTubeにアップした時点で、曲が議論の場所に変わる。それがオレらの理想だったんです。最初は悪いコメントが集中したけど、「これがいまの日本なんだよ」っていうのがオレらが言いたかったことなんです。
■なるほど。確信犯としてやったんですね。
ハイイロ・デ・ロッシ:でも、最近のコメントでちょっとずつ擁護のコメントが増えているんです。擁護が増えて来ていて、反対派と賛成派のやり取りがはじまっている。これでコミュニケーションが活字でもできるじゃないですか。
■いわゆる"ネット・ウヨク"の冷静さを欠いたコメントは酷かったね。
ハイイロ・デ・ロッシ:あれが彼らのベスト・パフォーマンスなんですよ。オレらは音楽でベスト・パフォーマンスをしている。彼らも彼らで、あれがベスト・パフォーマンスだから、オレらもそれを受け入れるべきだと思う。一生懸命考えて、彼らはアレですからね。
■相手を傷つけたい一心で書いている感じがするよね。
ハイイロ・デ・ロッシ:そうです。でも、あれで傷つくんだったら、オレはああいうことは表現していない。それなら表現するのを止めたほうがいい。
■素晴らしいね。
ハイイロ・デ・ロッシ:日本人のコンプレックスがすごく問題だと思うんですよ。アジアでいちばんになりたいというのがあからさまに見えるじゃないですか。でも、正直言って、サッカーも韓国のほうが強いし、パク・チソンがなんでスターにならないの? って思う。日本を除外したすべての国から彼はトップ・プレーヤーとして認められていますよ。でも、日本だったら、いいところ中村俊輔と並べられて報道されるぐらいでしょ。それでも日本からすれば妥協じゃないですか。あれほどの選手がアジアから出たことに誇りを持てない。
■show-kというラッパーのアンサー・ソングにもちゃんと返していましたね。
ハイイロ・デ・ロッシ:あそこで逃げたら文系ラッパーって舐められたまんまじゃないですか。右翼だろうが、ギャングスタだろうが、オレはラップだったらやりますよ。
■僕が、中国人や韓国人にたいする排外主義が嫌なのは単純な話で、その考え方が憎悪や不信や偏見を煽っているからなんですよ。
ハイイロ・デ・ロッシ:話していることが国だったり、自分の手のなかにないものですからね。オレらは普通に人に言っている。オレらは右でも左でもないし、そういう思想は持ってない。ただ、普通に普通のことを言っただけなんですよ。普通にヒップホップだと思うことをやった。そしたら、普通じゃない反応が返ってきたから、ここ(日本)は普通じゃないんだって認知できた。それをずっとshow-kさんへのアンサー・ソングでも言っていたんです。けっきょくは人びとじゃないですか。目の前の人が中国人や韓国人だから態度が変わるわけではない。それを変えようとしてきたのが日本じゃないですか。それがオレらにも染み付いているのはわかるから、ぶっちゃけ自衛でやったのもある。「WE'RE THE SAME ASIAN」はオレらがやらなきゃいけないことでもあった。タクマもいて、いまはLAのヤツらもどんどん絡んできているんです。プロジェクト・ブロウド(LAを拠点とするヒップホップ・コレクティヴ)のヤツらにも日系のアメリカ人やいろんなヤツらがいるんですよ。
[[SplitPage]]テレビやYouTubeを観て危険だって感じることもあるけど、オレたちの場合は横浜が近いし、中華街があるじゃないですか。タクマの家はモロその辺りなんですよ。オレはヤツのお母さんとも普通に仲良いし。やっぱり危険は感じていましたよ。だから、オレらに何かできることはねーかって考えた。
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■これまで僕は、ハイイロくんのラップはどちらかと言えば文学性に重きがあると思っていたから、「WE'RE THE SAME ASIAN」のような曲をああいう形で出したことに驚いたんです。タクマくんたちとの出会いが大きかったんですか?
ハイイロ・デ・ロッシ:もともとそういう考えはありましたね。うちの母親が養護学校の先生なんですよ。そういうことを小学校の先生とかは知っているじゃないですか。だから、特別学級の子が運動会で走る横でいっしょに走る役をお願いされたりとかしていた。オレは良いことをしている気も、悪いことしている気もなかった。だから、友だちの親とかに「すごいね」って言われることに違和感があった。その時点で差別的じゃないですか。家庭内で「差別はまじで止めろ」って言われていた。最初は人種とかじゃなくて、障害に関して親から言われたことが大きかったのかもしれない。
■右翼のデモの熱量も凄いじゃないですか。そういう時代の風向きも肌で感じていました?
ハイイロ・デ・ロッシ:やっぱり危険っすもんね。
■テレビを観ると、戦争を煽るような報道が平気であるわけじゃないですか。
ハイイロ・デ・ロッシ:テレビやYouTubeを観て危険だって感じることもあるけど、オレたちの場合は横浜が近いし、中華街があるじゃないですか。タクマの家はモロその辺りなんですよ。オレはヤツのお母さんとも普通に仲良いし。やっぱり危険は感じていましたよ。だから、オレらに何かできることはねーかって考えた。なんだかんだ批判のコメントが目立つけど、評価も注目もされているし、議論もされているから、狙い通りじゃないですか。モス・デフがブラックスターの歌詞で、「なんでオレがハスリングもしてないし、ストリート・ファイトもできないのにストリートからプロップスを得ているかわかるか? それはお前らよりラップができるからだよ」というようなことをラップしているんです。オレが音楽やヒップホップに求めているのはそういうことです。たとえば、右翼が絡んできたとしても、オレはラップが上手いからラップで返す。show-kさんとのビーフに関しても、あれはタクマが出るべきじゃない。ふたりで返すのが筋だけど、あれ以上はあいつ以外も傷つける可能性があるじゃないですか。だから、オレがひとりで出たんです。あそこでダサいラップをしたらおじゃんだったし、リスクがあったぶん、返って来たものも大きかった。
■あそこでタクマくんを出さなかったことを考えると、今回の曲についてかなり慎重に考えていたってことだよね。
ハイイロ・デ・ロッシ:そうですね。そこを考えないで行ったら、ただの喧嘩ですからね。
■なるほど。ハイイロくんのこれまでのキャリアについて少し教えてもらえますか。
ハイイロ・デ・ロッシ:17歳のときにラップをはじめたんですけど、最初は芽が出る雰囲気がゼロでしたね。20歳のときに活動の場所を地元の湘南から都内に移したんです。ノルマを払うしかない状況を一回作ってみた。そこでエクシーと知り合って、エクシー周りのイヴェントに出はじめました。で、1年ぐらいして〈スライ・レコーズ〉に入った。そこからはとんとんと進みました。去年、セカンドを出して、メンタル的にも身体的にも一度湘南に戻っていますね。湘南でやっていた人も上がってきているし、わりとオレの状態も湘南にフィットしています。
■最初に影響を受けた音楽は?
ハイイロ・デ・ロッシ:いちばん最初はコーンやリンプ・ビズキットを聴いていて、そこからエミネムに行きました。で、コモンの『レザレクション』を聴いて、「これもエミネムと同じジャンルの音楽なんだ!」ってことに驚いた。それからいわゆるネイティヴ・タンやソウルクエリアンズ周りを聴くようになった。いわゆる向こうでナードって捉えられているラッパーもアルバムのなかに一曲はバトル・ライムが入っているじゃないですか。そういうところには忠実でいたいですね。
■ハイイロくんのアルバムを聴き直して、〈ロウカス〉にもかなり影響を受けているのかなって感じました。どうですか?
ハイイロ・デ・ロッシ:そこはほんとにありますね。僕自身がモス・デフにむちゃくちゃ影響されている。モス・デフとQ・ティップが大きいですね。モス・デフはブルックリンだけど、ボヘミアニズムがあるじゃないですか。ああいう風にありたいと思います。Q・ティップのJ・ディラを発掘したりする、人を見つける力、プロデューサーの力をすごく尊敬してますね。タクマはタリブ・クウェリの超信者なんですよ。
■ブラックスターじゃん!(笑)
ハイイロ・デ・ロッシ:そうそう(笑)。あいつと出会って、曲を作るミーティングをしようってなったときに、けっきょく車のなかでタリブのアルバムについて10時間ぐらい話したんです。オレらはタリブのラップに関して超研究していますね。とくにラップの拍の取り方ですね。
■タクマ・ザ・グレイトと知り合ったのは去年?
ハイイロ・デ・ロッシ:17歳ぐらいからお互いクラブで見たりして知っていたけど、その頃はみんな尖っているから、タメとは絡みたくないという気持ちがあるじゃないですか。負けたくないというのもあるし。
■湘南はどんな町ですか?
ハイイロ・デ・ロッシ:アレステッド・ディベロップメントとか合いますね(笑)。
■ゆったりとしている?
ハイイロ・デ・ロッシ:そうですね。良いことかはわからないけど、夢を見て育てる場所ですね。
■以前、インタヴューしたときに話していたけど、ギャングスタ系のラップをしようとしていた時期もあったんだよね?
ハイイロ・デ・ロッシ:それがちょうどエミネムを聴いている時期ですね。スリップノットとかも聴いていたから。破壊したかったんですよね。でも、やっぱり違うということに気づいた。
■破壊というのはどういうこと?
ハイイロ・デ・ロッシ:すべてをぶっ壊す音楽をやりたかったんです。そういう時期だったんでしょうね。でも、コモンや〈ロウカス〉を聴くようになって変わりました。バイオレンスやイリーガルさを出しても、けっきょくラップが下手だったら、意味がないと思った。クラックだらけのジャケットにしても、そいつからその匂いがしなかったらおかしいじゃないですか。匂いがいちばん大事だと思います。その時期にジャズもスゲェ聴くようになった。オレにとってジャズは匂いがすごく強かった。
■どんなジャズを聴いていたの?
ハイイロ・デ・ロッシ:マイルス・デイヴィスの『カインド・オブ・ブルー』をいちばん聴きました。あと、『サムシング・エルス』ですね。いわゆる有名盤を聴いていました。マイルスは白人のビル・エヴァンスをバンド・メンバーに入れたことで叩かれたじゃないですか。マイルスの自伝も読みましたけど、「いいプレイをする奴なら、肌の色が緑色の奴でも雇うぜ」って言っている。その気持ちはオレらも持っていますね。ファーストを作っている頃は、ジャズのネタでラップをすれば、オレが思うジャズ・ラップになると思っていたけど、それは違うんじゃないかなって。トラックがどういうトラックでもオレがジャズなラップをしとけばいいと思った。だから、いまはジャズにそこまで固執しなくなりましたね。
■たとえば、ジェイ・Zのラップを音符にすればジャズに置き換えられるという説もあるけど、そういうのも意識している?
ハイイロ・デ・ロッシ:そうですね。レコーディングのとき、歌詞を読みながらラップするじゃないですか。いくつものヴァージョンを録ってみて、どれがいちばんいいのか、その瞬間生まれるものがある。エンジニアとちゃんと話したほうがいいのか、ひとりで高めてブースに入りっぱなしがいいのか。そのモチヴェーションの作り方はいま現在も研究しています。
■ジャズ・バンドを従えてライヴしたいという気持ちなんかもある?
ハイイロ・デ・ロッシ:いずれはやりたいですね。オレが最終的に目指しているのは、日本人がワンマンで〈ブルーノート〉や〈ビルボード〉でやることなんです。武道館とかじゃないんですよ。
[[SplitPage]]ハイイロ・デ・ロッシはこれまでに『TRUE BLUES』と『SAME SAME BUT DIFFERENT』という2枚のアルバムを出している。音楽的に言えば、流麗なジャジー・ヒップホップを基調としている。タクマ・ザ・グレイトは先日、デビュー・アルバム『TAKUMA THE GREAT』をハイイロ・デ・ロッシ主宰のインディペンデント・レーベル〈forte〉から発表したばかりだ。彼は台湾系ジャパニーズとして横浜の黄金町で育ち、LAで活動していた時期もある。日本語、北京語、英語を巧みに織り交ぜながらスムースにフロウするスタイルには特筆すべきオリジナリティがある。タクマ・ザ・グレイトが黄金町についてラップする"Sumeba Miyako"は、私たちを"もうひとつの日本"へと案内してくれる。町の匂いが伝わってくる素晴らしい曲だ。これを聴けば、彼らが「WE'RE THE SAME ASIAN」へと至った背景もわかるだろう。
メッセージ云々を言っているヤツらがなんでやらないのって思いますよ。オレはあの曲を聴いて欲しかったから、何人かのアーティストにオレのフォロワーにも見えるようにツイッターでリプライを飛ばしているんです。でも、なんの返信もない。オレらがこういうことをやっているのを評価して欲しいんじゃなくて、知って欲しいだけなんですよ。
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■ハイイロくんのような音楽主義の人が危機感を持って、ああいう曲を作ったことがまた興味深いね。
ハイイロ・デ・ロッシ:逆に言えば、メッセージ云々を言っているヤツらがなんでやらないのって思いますよ。オレはあの曲を聴いて欲しかったから、何人かのアーティストにオレのフォロワーにも見えるようにツイッターでリプライを飛ばしているんです。でも、なんの返信もない。オレらがこういうことをやっているのを評価して欲しいんじゃなくて、知って欲しいだけなんですよ。
■でも、それだけ中国や韓国をはじめとしたアジアの人種問題は多くの人が積極的に触れたくないことだと思う。ある意味タブー視されていることでもあるから。
ハイイロ・デ・ロッシ:でも、それが臭い物に蓋をしていることじゃないですか。反対意見でもいいから反応が欲しかったですね。シカトはないでしょって。
■それだけハイイロくんとタクマくんが勇敢だったということですよね。
ハイイロ・デ・ロッシ:でも、みんなそういうことを言っていませんか? アメリカでもジャマイカでもアーティストは危険と言われるメッセージを伝えようとしているじゃないですか。だから、レベル・ミュージックじゃないですか。一般の人からしたらリスクがあることをやるから、ウォーリアーと言われたり、アーティストと言われるんでしょ。それをやらないでポップス批判していても何にもならないと思うんですよ。
■ほんとにハイイロくんの言うとおりだと思いますよ。たとえば、ハイイロくんが日本のアーティストやラッパーでメッセージの部分で共感できる人はいますか?
ハイイロ・デ・ロッシ:(長い沈黙)......みんな自分のことを言いたいことを言っているとは思いますけど、主張という意味ではオレよりちょい若いぐらいのビートメイカーが主張していますね。ラッパーだったら、気になるのはL-VOKALですね。
■それはどうして?
ハイイロ・デ・ロッシ:PVを観ると、けっこう際どいですよ。狙いでやっているのかは知らないけど。ほんとに面白いです。
■シミラボは知っていますか?
ハイイロ・デ・ロッシ:音源は聴いています。
■日本であれだけ多様な人種的背景のある人たちが登場してきたことに僕は希望を感じますね。平気で人種差別的なことを言う人たちがいるけど、彼らのような人たちが出てくる複雑な現実がある世のなかで、オレはそんな短絡的に物事を考えられない。
ハイイロ・デ・ロッシ:中国批判しているラッパーがいてもいいと思うし、いなくなれとは思わない。ただ、ラフ・ライダーズのジンっていうチャイニーズ・アメリカンのラッパーがいたじゃないですか。あいつとかラップが超上手いんですよ。あのラップを聴いて、あまりの格の違いを感じないのかなと思う。さっきのマイルスの話じゃないですけど、いっしょに音楽をやる仲間は言葉が通じなくても、ラップが上手ければ上手いほうがいいし、トラックがヤバければヤバイほうがいいじゃないですか。音楽において優れているヤツを探すのは、日本のなかだけより、世界で探したほうがいいと思う。日本人だけでいちばんを決めたところで、海外にはそいつよりヤバいヤツらがゴロゴロいるから。シンゴ02が"400"のなかで、「同じ文化の違う世代よりも違う文化の同じ世代、そういう時代」って言っていたけど、まさにそうだと思う。ずいぶん前にそう言っていたけど、いまはそういう時代だと思う。
■いずれにせよ、ここまで議論になったんだから成功ですよね。
ハイイロ・デ・ロッシ:これで危ないことがなければいちばんいですね。
■それはほんとにそうだね。
ハイイロ・デ・ロッシ:成功したってスゲェ言える出来事があったんです。この前、横浜のクラブに遊びに行ったら話しかけて来てくれた子がいて、彼は中国人のハーフで、お母さんが中国人学校で働いているらしいんです。お母さんにあの曲を聴かせたら、「こういうことを日本人の若い子が言ってくれるのはありがたい」ってことでお礼を伝えに来ましたって言われて。ああ、これだなって。
■いい話だね。
ハイイロ・デ・ロッシ:ビーフ云々はほんとにオプションですね。
■一方で、show-kのような考え方の人もたくさんいるよね。
ハイイロ・デ・ロッシ:多いと思いますよ。しかも、それをスゲェ支持する人もいるわけじゃないですか。
■もちろんそうだね。
ハイイロ・デ・ロッシ:オレは最後のアンサー・ソングで「クリックはプロップスじゃねーからな」ってラップしていますけど、難しいところですよね。彼らみたいなラップが評価される場所もあって、オレらがボロクソになる場所もある。
■そうだね。
ハイイロ・デ・ロッシ:でも、オレは音楽からすべてが出ると思う。匂いとか活動とか発言とかタイミングとか、全部含めて音楽でしか良い悪いは決めさせられない。
■うん。それはハイイロくんがアーティストとして地に足をつけているからですよね。
ハイイロ・デ・ロッシ:そいつらがオレよりラップが上手かったら完全否定はできないですね。そいつらよりヤバいトラックを作って、上手いラップをする自信がいま現在もありますね。でも、クリーンなほうだと思いますよ。右に寄っていたとしても、バイオレンスを持ち込んでいない時点でショーマンシップに則っていると思う。
■愛国心や排外主義を歌うようなラッパーも世のなかに危機を感じて本人たちはレベル・ミュージックをやっているつもりだと思うんですよ。そこが難しいところだと思う。たとえば、政治的な集会なんかでもライヴしているAreiRaise (英霊来世)っていうヒップホップ・グループがいるんだけど、彼らの「8 30」という曲のYouTubeのコメントを見ると、彼らとパブリック・エネミーやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンを比較しているようなコメントがあって、実際そう考えている人たちは多いと思う。でも、AreiRaiseがやっているつもりの"反抗"は圧倒的にマジョリティの論理なんですよ。彼らの音楽は、イメージとしては"反抗的"だけど、主張は生粋の保守の政治家が言う内容をデフォルメしている。それは、少数派の、これまで抑圧されてきた意見でもなんでもない。だから、少なくともカウンター・カルチャーではない。僕はshow-kのラップにも同じものを感じた。過激に見えるけど、よく歌詞を聴くとすごく凡庸な意見なんだよね。
ハイイロ・デ・ロッシ:でも、オレらがやっているのは反抗じゃないですよ。
■反抗じゃない?
ハイイロ・デ・ロッシ:ただ振り回しているだけじゃないから。狙ってカウンターを撃っているから。そうじゃないと当たらないし。
[[SplitPage]]「アシッド、MDMA、コケイン、オプションがなきゃ語れないペイン」って言ってるんです。やるのはいいけど、オプションのためにドラッグをやるんだったら、意味ないですね。オレは精神安定剤で内臓ボロボロになって、いま病院に行っている状態なんです。そこにイリーガルもリーガルも関係ない。ドラッグは武器でもなんでもないし、マイナスにしかならないから、オレは思いっきり切り離したいです。
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■「WE'RE THE SAME ASIAN」は歌詞の内容をめぐって議論できるリアリズムがあるのが素晴らしいと思いましたね。
ハイイロ・デ・ロッシ:抉り方は注意しましたね。わかりやすくするためにラップ的には下手に書いたと思いますよ。音楽的な拍のところなんかを詰めずに当たり前のことを当たり前に言うことだけを考えてやりました。そのぶん、歌詞がシンプルになった。だから、show-kさんから誤解を招いた。「渋谷のデモがテロ」なんて言っていないのに、そういう誤解を招いた。それはオレらの表現の仕方が悪かった。オレらがあの曲を発売しない理由もわかって欲しいですね。あれを500円で売ったら多少の金にはなるじゃないですか。でも、オレはあれを発売する気はない。
■それはなぜ?
ハイイロ・デ・ロッシ:あれは曲じゃないから。あれは議論する場ですから。図書館や会議場を作って、そこで金を取るわけにはいかないじゃないですか。
■でも、自分たちの曲という意識はあるでしょ?
ハイイロ・デ・ロッシ:オレらが蒔いた種ではあるけど、そこから育てるも枯らすも人びと次第ですね。唯一国が潰しに来ない場所ができたんだから。
■主張というより問題提起という気持ちが強い?
ハイイロ・デ・ロッシ:主張できるほどオレらは頭良くないですから。オレらより政治的に理解があるヤツらはいっぱいいるから。
■オレはあの曲には十分主張があると思うけどね。
ハイイロ・デ・ロッシ:オレは人としてラップしたし、タクマはそれにたいして勇気を持って協力してくれた。エンジニアやトラックを作ってくれたヤツもそうだし。
■政治的な曲をお金にするのはうしろめたいという気持ちがある?
ハイイロ・デ・ロッシ:いや、そういうことではないです。形が変わってしまったからです。曲ではなくなってしまったからです。音楽を売るなら売るけど、音楽ではなくなってしまった。
■なるほど。ところで、今年は3枚目のアルバムを出すんですよね?
ハイイロ・デ・ロッシ:12インチを先行で切ります。「グッバイ・キッズ・ヒップホップ」という曲です。いわゆる暴力やドラッグにたいして決別する曲です。
■ドラッグを否定するのはどうして?
ハイイロ・デ・ロッシ:オレは歌詞で、「アシッド、MDMA、コケイン、オプションがなきゃ語れないペイン」って言ってるんです。ドラッグを好きにやるのはいいけど、オプションのためにドラッグをやるんだったら、意味ないですね。オレは精神安定剤で内臓ボロボロになって、いま病院に行っている状態なんです。そこまで行っても「ドラッグやってるぜ」なんて言わない。そこにイリーガルもリーガルも関係ない。ドラッグは武器でもなんでもないし、マイナスにしかならないから、オレは思いっきり切り離したいです。「グッバイ・キッズ・ヒップホップ」といっしょに収録するのが、「ドラッグ・バラード」って曲なんです。それがそのチェーンを切ってくれって曲です。
■これまでとはまた違う、切迫感のあるアルバムになりそうだね。
ハイイロ・デ・ロッシ:3枚目は自分のレーベルですべてやります。追い込まれて、擦り切れそうな状態で作ったから、聴きづらいかもしれません。でも、満員電車に耐えられないとか、そういうヤツらって意外といっぱいいると思うんですよ。電車を降りないとヤバイ状態だけど、終電だよ、どうしようって。次のアルバムはそういうヤツらがあと10分乗って頑張れるようなアルバムにしたい。エミネムの『リカヴァリー』の6曲目から7曲目の流れがあるじゃないですか。いち度ぐちゃぐちゃになってからもオレはやるんだって。オレ、あそこで超泣いたんですよ。オレがどうやって乗り越えたのかっていうことを見せたいですね、次のアルバムでは。
2010年のインディはだいたいチルウェイヴの年だったかどうか、ウォッシュト・アウトもトロ・イ・モアもスモール・ブラックも結局聴き逃したが、レインジャーズの『サバーバン・ツアーズ』をよく聴いた私にはなんともわからない。
あげくのはてに、昨年末『サバーバン~』をリリースした〈Olde English Spelling Bee〉の出したジェイムズ・フェラーロの新作を今年に入って買った。これまでもフェラーロの作品を出してきた〈OESB〉は2008年のテープ・アルバム『ラスト・アメリカン・ヒーロー』を去年LP化している。そこで聴ける塊になった糸がほどけるようなギターのアルペジオとシンセサイザーの音の膜は『E2-E4』の後裔というよりライヒばりのフェイズ・ミュージックをサイケデリックに移すにあたりわざわざボタンを掛けちがえた節がある。私がいま傍点をふった、この「わざわざ」がクセモノであり、フェラーロの芯の部分にあるのは、このアルバムでも明らかである。シリアス・ミュージックとデフォルメあるいはパロディとの線引きを曖昧にしたまま全部を引き連れて行くフェラーロのコラージュ・センスはここでは1曲1曲に向けてはおらず、アルバムのコンセプトを作動させるコンセプト、物理の分野でいう「場」の概念にちかいやり方になっている。
大袈裟に書いてしまったが、ジャケットをよくよくご覧いただければおわりかりの通り、ようはこれ、MTVがモチーフなんです。砂嵐を前にオカッパ頭の男が映ったテレビ画面の左下にはMTVを思わせる「HTV(Hは"Hell"のH)」のロゴがあり、画面の前にはサーモン・ピンクのストラトキャスターが漂い、手前にはリモコンを手に髪にカーラーを巻きペディキュアを乾かす女のうしろ姿をコラージュしている。ご丁寧に一周まわってオシャレといえなくもないスタッズ(鋲打ち)・ベルト風の縁取りまであるそれらの視覚記号はこのアルバムのテーマは「MTVとその時代」だと示しているが、『ナイトドールズ・ウィズ・ヘアスプレイ』の書き割りは80年代消費文化の戯画としての『アメリカン・サイコ』のスノビズムではなく、それを頂点としたヒエラルキーの下部に位置した、オーウェルが『1984年』で予見したディストピアの全体主義をレーガン時代の反共/保守に置き換えた社会風俗としてのポップ・カルチャーであり、作中では81年にバグルスの"ラジオ・スターの悲劇"とともに開局したMTVが好んだニューウェイヴ、エレ・ポップ、ニューロマ、ヘア・メタルをシミュレートした曲を、テレビをザッピングするように執着なく並べていく。「アリエル・ピンク的な」ポップさはたしかにウリだが、それ以上に、90210の同僚であり、マトリックス・メタルズ名義でLAヴァンパイアにジョイントし、アウター・リミッツ・レコーディングス名義では"アイ・ニード・マイ・T.V."と題したシングルを出したサム・メーランことサム・メレンゲの偏愛に感化されたとみるべきかもしれない。「マイTV」を「ユーチューブ」といい換えられる世界にあって、私たちはその気になれば世界の終わりまでPVを見つづけることさえできる。最新のものだけでなく過去のものも。しかし本作はアーカイヴ消費に与してはいない。〈OESB〉の諸作に特徴的なテープ・マスター風の劣化した音色は、このアルバムではアーカイヴ自体の経年変化を印象づける。『サバーバン~』ではそれが、チルアウトと一体になっていた。『ナイトドールズ~』の場合、それはたぶん、動画共有サイトにアップした倍速録画したVHSテープの映像とリンクしている。このふたつにはレトロな音楽への既聴感と、何かがリヴァイヴァルすること対する既視感が二重写しになっている。低予算のスタジオ・セット、DCブランドの逆三角形のシルエット、スプレイでオッ立ったヘアスタイル、マイケルの"スリラー"、シンディ・ローパーの"グーニーズ"、『悪魔のいけにえ』の撮影監督ダニエル・パールが撮ったビーフハートの"アイス・クリーム・フォー・クロウ"、それらのイメージが退色したネオンカラーの洪水のように押し寄せてくる。
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MOODYMANN
PRIVATE COLLECTION 2
UNKNOWN / US / 2011/1/22
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MARTYN & MIKE SLOTT
COLLABS 1
ALL CITY DUBLIN / UK / 2011/1/29
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COATI MUNDI
DANCING FOR THE CABANA CODE IN THE LAND OF BOO-HOO
RONG MUSIC / US / 2011/1/30
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WHISKEY BARONS
BSTRD BOOTS VOL.13
BASTARD BOOTS / US / 2011/1/28
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SOFT ROCKS
DISCO POWER PLAY ALBUM HIGHLIGHTS (PLUS ONE MORE)
SOFT ROCKS / UK / 2011/1/30
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