「W K」と一致するもの

はじめての老い - ele-king

還暦を過ぎて見えてきた景色は驚愕の連続。
今日も元気に老いていこう。新感覚・老いをめぐるエッセイ集!

文章の大天才が動き出した! 老いをこんなふうに語ることができるなんて。 ――タナカカツキ

還暦を過ぎて見えてきた景色は発見の連続だった。老眼や集中力の減少といった予測できていた事象から、ブランコが怖くなる・手がカサカサになる・自分の中に内包しているマチズモに気づく・頻尿の話など、思いもよらなかったこと。そして「死」に対する感覚の変化にいたるまで。ゲーム・エンタメ界からアート界まで人気の編集者・伊藤ガビン(61歳)が、自身の体と心に直面する「老い」によるあらゆる変化をつぶさに発見し綴った渾身作!! 人生100年時代、未知なる「老い」への予習として、性差を問わず、同年代からこれから老い道に踏み入れようとしている現役世代におくる、令和版「老い」の入門書。これを読めば老いへの予習は完璧だ!

目次

はじめに

【老いに入りかけた時に感じていること】
老いの初心者として 初めての老眼/見えてきた! 私がキレる老人になるまでの道/こんにちは老害です-老害の側から考える老害-/らくらくホンを買う日を想像する/人間ドックの見え方が変わった話/ただ老いている

【アップデートできる できない?】
服装がずっと同じ問題/等速じいさん/太るのか痩せるのか/四季にように髪の毛を

【じじいのしぐさ、これだったのか】
シーシー問題/ブランコが怖いということ/おじいさんのような動き

【意外と早くきた(逆にまだきてない)】
身長が縮んだ話/ついに眉毛が伸び始めた!/握力の低下にショックを受けた話/未入荷の老い/シモジモの話/見つめたくない滑舌

【センパイから学ぶ】
センパイの話/手が信じられないほどカサカサになるという話/老猫との対話/メモを片手に綾小路きみまろ公演

【老いと時間】
「返納」について考える/老化が開く知覚との扉/[朗報]時間が経つのは年々それほど早くならないのではないか、という話/記憶のサブスク/死んでも驚かれないサイド/「逃げ切る」という考え方

おわりに

[著者プロフィール]
伊藤ガビン
編集者/京都精華大学メディア表現学部教授
1963年神奈川県生まれ。学生時代に(株)アスキーの発行するパソコン誌LOGiNにライター/編集者として参加する。1993年にボストーク社を仲間たちと起業。編集的手法を使い、書籍、雑誌のほか、映像、webサイト、広告キャンペーンのディレクション、展覧会のプロデュース、ゲーム制作などを行う。またデザインチームNNNNYをいすたえこなどと組織し、デザインや映像ディレクションなどを行う。主な仕事に「あたらしいたましい」MV(□□□)のディレクション、Redbull Music Academy 2014のPRキャンペーンのクリエイティブディレクションなどがある。また個人としては、2019年あいちトリエンナーレや、2021年東京ビエンナーレなどにインスタレーション作品を発表するなど、現代美術家としても活動。編著書に、『魔窟ちゃん訪問』(アスペクト)、『パラッパラッパー公式ガイドブック』(ソニー・マガジンズ)など。現在は京都に在住し、京都精華大学の「メディア表現学部」で新しい表現について、研究・指導している。近年のテーマに自身の「老い」があり、国立長寿医療研究センター『あたまとからだを元気にするMCIハンドブック』の編集ディレクション、日本科学未来館の常設展示「老いパーク」に関わるなど活動範囲を広げている。

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lots of hands - ele-king

 レーベルのカラーというのはやはりどこかフットボールのクラブに似たところがあるのかもしれない。移籍があり獲得がありリリースした作品によって歴史とイメージか形作られていく。そんなことをスラッカーなUSオルタナ・ロックを響かせるパックスの1stアルバム『Take the Cake』をレヴューに書いたが、あれから4年弱が経ってもアメリカのレーベル〈Fire Talk〉は自身の価値を証明し続けている。去年、24年の〈Fire Talk〉はフィラデルフィアのマスロック・バンド・パームのメンバーがはじめた破壊的なエレクトロニクス・サウンドに柔らかさのある有機音を重ねたようなカシー・クルトと契約し、〈Stereogum〉のベスト・ニュー・アーティストのリストにも名を連ねたシューゲーズバンド・シャワー・カーテンのアルバムをリリースした。さらにその前年にはロンドンのスローコア・バンド・デスクラッシュの2ndアルバムやマンチェスターのエクスペリメンタルなバンド・マンディ・インディアナをリリースしている。大きな場所で響くような音楽ではないが、誰かの心に確かなトゲを刺すオルタナティヴな音楽を送り出す。メインストリームではなくかといってアンダーグラウンドでもないその中間にある空白地帯、〈Fire Talk〉は少しだけ違ったものを求める人たちの心の隙間を埋めるようなレーベルだ。

 そんな〈Fire Talk〉が 一番新しく契約したのがこのリーズを拠点に活動する 二人組ロッツ・オブ・ハンズだ。最初に〈Fire Talk〉と契約しアルバムをリリースするというニュースを聞いたときには意外に感じだがアルバムを聞いた後ではぴったりではないかと思えてくる。16歳の頃にニューカッスルの学校で知り合ったというビリー・ウッドハウスとエリオット・ドライデンからなるデュオは21歳になったいま、失われていく幼い頃の記憶の断片を集め、現実世界に繋ぎ止めたかのようなアルバムを作り上げた。「君の髪をとかそう/悪夢の中で/僕らは田舎の空気を吸っている」“barnyard” でそう唄われるように、大都市ではない場所の、どこのシーンにも属さないベッドルームの空白地帯にある音楽が心の隙間に入り込む。コラージュを駆使し、オーガニックなフォーク・サウンドと電子的な処理をほどこしたサウンドとを組み合わせたそれはアレックス・Gを思わせる柔らかで優しい音楽として目の前に現れる。牧歌的というにはモダンなサウンド過ぎて、アンダーグラウンドの尖った音楽というには優しすぎる、だからきっとカテゴライズされずに手のひらからこぼれ落ちていってしまう。しかしそれこそがインディ・ミュージックを求める人の心を惹きつけるのだ。

 このアルバムを通して表現されるのは思い出のフィルターに包まれた悲しみや喪失感、そしてそれらを経験し成長していくという感覚だ。エリオット・スミスの香りが漂う “game of zeroes” や “rosie” のような曲でドローンやエフェクトを組み合わせて彼らはそこに隔たる時間と距離とを演出する。シンプルな美しさを持ったアコースティック・ギターと柔らかなヴォーカル・メロディの上に縫い合わせるようにコンピューターで処理された音を重ね空間をゆがめる。まっすぐに染み込むフォークという基本の形から距離を作り出すことで現実感を失わせ、曲の流れを少しだけ異質なものにしていく。それはあたかも時間や空間の概念を無視して結びつく頭の中の記憶や夢の世界の出来事のようで、扉を開けた先の思い出とダイレクトに繋がっているかのような感覚を与えてくれる(現実世界のルールに縛られないそれは当たり前に起こる不思議な出来事だ)。
 あるいは喪失感を表現した “the rain” のサウンド・コラージュのように、処理のできない感情の雨粒が頭の中に染み込んでくるような効果を狙った曲もある。「雨は止まない」「死はただ冷たいだけだから/君は壁に寄りかかって/その音を聞く」霧のように体に触れる不明瞭なヴォーカルと共にちいさな痛みでゆがめられた空間は普遍性を持ち、聞き手の頭の中の思い出と結びついていく。

 時間に対して距離を置くようなロッツ・オブ・ハンズの小さな実験はこのアルバムの中で結実している。それが今までのリモートの形で作ったアルバムでなく、はじめてふたりで同じ空間を共有して作られたもので起こるというのも面白いが、いずれにしても大きな場所ではなくベッドル−ムで作られた小さな音楽が、遠く離れた他の誰かのベッドルームの中に響いていくのだ。曖昧な感覚を曖昧なまま捉えようとする、ロッツ・オブ・ハンズがここで作り上げようとしてのはそんな音楽だ。死や、時間、記憶や感情といったはっきりしないが確かなものの感覚がここにはある。それが大げさではなく、成長する過程において起こった個人的なものとしてさりげなく提示されているのがまた素晴らしい。

Spiral Deluxe - ele-king

 ジェフ・ミルズが率いるスパイラル・デラックスが再始動、7年ぶりとなるセカンド・アルバム『THE LOVE PRETENDER』を発表する。スパイラル・デラックスは、2015年に東京と神戸で開催されたアートフェス「TodaysArt JP」のために発足された、即興演奏の自由な表現と創造性を原動力とするエレクトロニック・ジャズ・カルテット。ジェフに加え、ジェラルド・ミッチェル(Underground Resistance / Los Hermanos)、大野由美子(Buffalo Daughter / Cornelius)、日野 “Jino” 賢二の三者が加わったスーパー・ユニットだ。

 2018年と2019年のジェフ・ミルズ来日時にキーボードのジェラルド・ミッチェルをデトロイトから招聘し、東京のスタジオで2度に渡りレコーディングが実施されていたようで、それが今回のアルバムとなったとのこと(まるでテレパシーのように準備をほとんど要さず、自然で有機的な流れで演奏されたようだ)。

 また、東京でのレコーディング後に、いまは亡きフランスのジャズ・ギタリスト、シルヴァン・リュックがパリにて録音参加しており、ほかにも日本のジャズ・ミュージシャン・TOKU、NY在住のマサ清水も参加しているとのこと。

Artist: SPIRAL DELUXE
Title: THE LOVE PRETENDER
Label: Axis
Format: LP
Release Date: 2025.03

Tracklist
A1. Spiral Deluxe - Society's Man
A2. Spiral Deluxe - The Soloist
B. Spiral Deluxe - Paris Roulette (Long Mix)
C1. Spiral Deluxe - Shapeshifters
C2. Spiral Deluxe - Uptown
D. Spiral Deluxe - The Drive

Recording data:
Recorded on Nov 25/26 2019 at Studio Dede, Tokyo
Sound Engineer: Shunroku Hitani
St-Robo Studio on Nov 5, 2018
Sound Engineer: Zak
Studio Ferber Mix-down on Feb 3 -7. 2019
Sound Engineer: Guilluame Dujardin
Post Enhancement: Steve Kovacs

Mark Pritchard & Thom Yorke - ele-king

 近年はザ・スマイルでの活動や日本を含むツアー、ソロ・リリースなどで話題を集めるトム・ヨークと、90年代初頭よりテクノ、アンビエントからベース・ミュージックまで幅広く手がけ活動を続けている電子音楽家、マーク・プリチャード。ふたりのコラボレーション・シングル “Back In The Game” がサプライズ・リリースされている。

 本作 “Back In The Game” はトム・ヨークのソロ・ツアー《Everything》の初日となるニュージーランド公演で初めて演奏され、その後オーストラリア、日本、シンガポールでも披露された。2016年に〈Warp〉からリリースされたマーク・プリチャードのアルバム『Under The Sun』に収録された “Beautiful People” に続く、2度目のコラボ楽曲だ。

 マーク・プリチャードは本作において、世界初のオーディオ・デジタル・エフェクト機器のひとつである名機「H910ハーモナイザー」を用いてトム・ヨークのヴォーカルにデジタル・エフェクトを加えるなど、伝統と革新を両立するかのような趣向を凝らしているとのこと。

 また、ヴィジュアル・アーティストのジョナサン・ザワダによるMVもリリースに合わせ同時公開されている。ジョナサン・ザワダはアナログとデジタル技術を融合させた多面的なアプローチで知られ、マーク・プリチャードとは10年以上にわたってコラボレーションを続けている。

 はたして今回の両者のコラボレーションはどのような形へと発展していくのだろうか。今後もチェックしておきたい。

Artist: Mark Pritchard & Thom Yorke
Title: Back In The Game
Label: Warp / ビート
Format: Digital
Stream:https://markpritchard.ffm.to/backinthegame
Release Date: 2025.03.26

DJ Python - ele-king

 過去には〈Sustain-Release〉の東京編のサテライト開催を手掛け、2023年には野外レイヴを開催するなど、ニューヨーク/東京発、異なる地のダンス・ミュージックの架け橋を担うパーティー・シリーズ〈PACIFIC MODE〉。2025年からはライヴにフォーカスした新シリーズを開始し、初回となる2月25日(火)にはデンマーク出身、ロンドン拠点のヴィオラ奏者アストリッド・ゾンネと石橋英子を迎えるという。

 そして3月11日(火)に渋谷・WWWで開催されるシリーズ第2弾には、ディープ・ハウスのダイナミクスとラテンのリズムを折衷するかのような多くの顔を持つDJパイソンが、ライヴ・セットで登場。待望の新作リリースを引っ提げ、約2年ぶりの来日となる。迎えるは〈BOILER ROOM TOKYO〉と〈ishinoko〉を股にかけ、ハイパーポップからミニマル、アンビエントまでを枠組みを超越して自在に紡ぐ2000年生まれの音楽家・E.O.U。ほか、追加アクトも予定されているようだ。チケットはLivePocketにて販売中。

 なお、DJパイソンは3月15日(土)に渋谷・ENTERにて開催される同シリーズのクラブ・ナイトにも出演。共演には〈悪魔の沼〉よりDr.Nishimuraが同ヴェニューに初登場するほか、食品まつり a.k.a foodman、suimin、YELLOWUHURU(FLATTOP)、Chanaz(PAL.Sounds)、DJ Healthyといった日本各地の実力者たちを迎える。3月14日(金)には大阪・BAR INCにも出演するようだ。いずれも見逃せない。

PACIFIC MODE
LIVE:DJ Python / E.O.U / and more…

日程:2025年3月11日(火)
会場:渋谷WWW
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
料金:U23:¥2,500 / ADV:¥4,000 / DOOR:¥4,500
チケット:https://t.livepocket.jp/e/pacificmode

※U23チケット:23歳以下の方が対象のチケットになります。当日受付にて年齢の確認出来る写真付きのIDをご提示下さい。ご提示がない場合は通常前売り価格との差額を頂戴いたします。
more infomation:https://www-shibuya.jp/schedule/018753.php

マヒトゥ・ザ・ピーポー - ele-king

 GEZANのフロントマン、マヒトゥ・ザ・ピーポーがソロ・ライヴを行う企画『遠雷 vol.7』を4月2日(水)に渋谷・WWWにて開催する。フライヤーはGEZANメンバーのイーグル・タカがイラストを、石原ロスカルがデザインをそれぞれ手掛けた。同シリーズは全13回を予定しているとのこと。

 第7回目のゲストには、先日およそ6年ぶりとなるアルバム『Chippi Tuyoppi (revision)』を発売したテニスコーツを迎える。さやと植野隆司による結成四半世紀を過ぎたユニットであり、ポップ・センスと実験精神をつねに絶やさず国内外のさまざまなアーティストとコラボレーションしてきた。GEZANやマヒトゥ・ザ・ピーポーとは、ツアーや共作CD『ライブ in ザバン』などを通して長年親交も深い。

 そんな両者が「うた」を紡ぐ、春の一夜。じっくりと耳を澄ませて聴き入りたい日になることだろう。チケットの先行受付もe+にてスタート。

公演タイトル:遠雷 vol.7
出演:マヒトゥ・ザ・ピーポー/テニスコーツ
日時:2025年4月2日(水曜日)開場/開演 18:30/19:30
会場:渋谷WWW
前売券:4,000円(税込・ドリンク代別)
チケットオフィシャル先着先行:https://eplus.jp/enrai/
受付期間:2025年2月12日(水)19:00~2月26日(水)23:59

Soundwalk Collective & Patti Smith - ele-king

 実験音楽やエレクトロニック・ミュージックを軸にこれまでさまざまなイヴェントを開催してきたMODE。昨年のスティル・ハウス・プランツとgoatのライヴもたいへん刺激的な一夜だったので、2025年はいったいどんな公演が控えているのか、気になっていた方も少なくないでしょう。そんなMODEの新たな一手が明らかになっている。驚くなかれ、パティ・スミスが来日します。
 これまでゴダールやナン・ゴールディンといった巨匠たちとコラボレイトを重ねてきた音響芸術集団サウンドウォーク・コレクティヴとの共演で、両者はすでに10年以上にわたり共同制作をつづけてきている。今回はその最新プロジェクト「コレスポンデンス」のお披露目ということで、展覧会とライヴの2形式。前者は東京都現代美術館にて4月26日からスタート、後者は京都(4月29日@ロームシアター京都)と東京(5月3日@新国立劇場)で2公演が催されます。これは即完の予感がひしひし。いますぐ下記詳細を確認しておきたい。

[3月28日追記]
 上記のサウンドウォーク・コレクティヴ×パティ・スミスの東京公演、好評につき完売となっていましたが、追加公演が決定しています。東京公演の前日、5月2日(金)におなじく新国立劇場 オペラパレスにて開催。最速先行販売(先着)はイープラスから。

Cock c'Nell - ele-king

 ここにまた日本のポスト・パンクの名盤がリイシューされました。元めんたんぴんの池田洋一郎とヴォーカリスト野方攝(せつ)が中心となった金沢出身のNew Waveバンド、コクシネルが1981年のEP「ライブ」以来、1986年に〈バルコニー・レコード〉からリリースしたファースト・アルバムがリリースされます。野方攝のヴォーカリゼーションや楽曲の面白さもさることながら、詩人で実験音楽家としていまも活動する工藤冬里も独自のピアノ演奏には引き込まれます。故ヤギヤスオによるオリジナル盤のデザインを再現し、銀を乗せた豪華でクールなジャケット仕様。名盤です。
 

Cock c'Nell
Boys Tree

P-ヴァイン
2月19日発売

Bon Iver - ele-king

 前作『i, i』から早6年。ウィスコンシンのシンガーソングライター、ジャスティン・ヴァーノンによるプロジェクト、あるいはライターの木津毅が心の底から愛しているボン・イヴェールがひさびさにアルバムをリリースする。昨秋発表されたEP「SABLE,」の延長にあたるそれは『SABLE, fABLE(漆黒、寓話)』と題され、ヴァーノンの新たな一歩を刻んだ1枚に仕上がっているようだ。4月11日、おなじみの〈Jagjaguwar〉から発売。新曲 “Everything Is Peaceful Love” が2月14日の24時に公開されるようなので、まずはそれを待機しておきたい。

ボン・イヴェール、6年ぶりとなるニュー・アルバム『SABLE, fABLE(セイブル、フェイブル)』を2025年4月11日、Jagjaguwarよりリリース。

2月14日(日本時間:2月15日 0:00)、シングル/ビデオ「Everything Is Peaceful Love」を公開。

Justin Vernonはページをめくり、Bon Iverの次の章、エピローグを始める。4月11日にJagjaguwarからリリースされる『SABLE, fABLE』は、このプロジェクトにとって6年ぶりのアルバムであり、瑞々しく輝くポップ・ミュージックに乗せたラヴストーリーが収録される。昨年秋にリリースされた3曲入りのEP『SABLE,』EPから始まるこのアルバムは、1人が2人になり、闇がサーモン色の美しさに変わり、悲しみが抑えきれない喜びに変わる、9曲からなる新たなサガ(物語)へとシームレスに展開していく。『SABLE,』が、長い間過去を決定づけていた痛みとの決別という希薄で孤独なものであったのに対し、『fABLE』は、パートナー、新しい思い出、おそらくは家族といった、光と目的と可能性に満ちた活気ある未来を見つめている。
4月11日のリリースに先駆けて、Bon Iverは今年のバレンタインデーに「Everything Is Peaceful Love」で正式に『fABLE』時代に突入する。このシングルは、HBOの『How To with John Wilson』の映像作家、John Wilsonが撮影/編集したミュージック・ビデオとともにリリースされる。
Justin VernonとJim-E Stackによってプロデュースされた『SABLE, fABLE』は、主にウィスコンシン州にあるVernonのApril Baseでレコーディングされた。このアルバムのコンセプトは、2.22.22(2022年2月2日)にStackがDanielle Haimを連れてApril Baseに到着したときに生まれた。雪に覆われた数日間、VernonとHaimの声は「If Only I Could Wait 」で交錯した。このデュエットは、「新しい愛の輝きの外では、自分自身の最高のバージョンになる強さを持っていない」という重要な視点を持ったデュエット曲である。
もし『SABLE,』がプロローグなら、『fABLE』は本である。しかし、ひとつになった『SABLE, fABLE』はアルバムであり、おとぎ話ではない。夢中になること、そしてそれがこれらの曲にもたらす強烈な明晰さ、集中力、正直さ、祝福には、紛れもない癒しがあるのかもしれない。「Everything Is Peaceful Love」は、恋に落ちる相手に出会って幸福感に打ちひしがれる男の肖像である。しかし、『SABLE,』の影はまだ迫っており、リセットして再出発しようと努力しても、古い感情が戻ってくることがある。
寓話のように、各トラックは教訓を植え付ける。『fABLE』は、他者や恋人と関わるときに必要とされる無私のリズム、つまり、より良くなるためのペースを見つけるための忍耐強いコミットメント、そして一体感について歌っている。『i,i』や『22, A Million』でJustin Vernonの声を守っていた、回避的で濃密な音の層はもうない。『SABLE, fABLE』は、真実を剥き出しにしたキャンバスなのだ。
Justin Vernonは2月21日、ピーボディ賞(アメリカのテレビやラジオ、ウェブサイトなどの放送作品に贈られる賞)を受賞した放送作家で、ナショナル・ヒューマニティーズ・メダリスト、そしてニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー作家であるKrista Tippett(The On Being Project)との多方面にわたる対談で、『SABLE, fABLE』についてさらに語る予定だ。ニューヨークのブルックリンで開催されるOn Air Festの最後を飾るこの対談で、2人は音楽、癒し、その他の中心的な問題について語り合う。また、インタビューの音声はKCRWのインターネット・ラジオ放送でライブ・ストリーミングされる。

01. THINGS BEHIND THINGS BEHIND THINGS
02. S P E Y S I D E
03. AWARDS SEASON
04. Short Story
05. Everything Is Peaceful Love
06. Walk Home
07. Day One (feat. Dijon and Flock of Dimes)
08. From
09. I'll Be There
10. If Only I Could Wait (feat. Danielle Haim)
11. There's A Rhythmn
12. Au Revoir

【BON IVER/ボン・イヴェール】
ウィスコンシン州出身のシンガー・ソング・ライター、Justin Vernonのソロ・プロジェクトとして始まったBon Iverは、2008年にデビュー・アルバム『For Emma, Forever Ago』をリリース。世界中の音楽メディア、批評家、アーティストから絶大な指示を獲得した。また、同年のEP『Blood Bank』収録曲「Woods」は、後にKanye Westにサンプリングされ話題となる。2011年のセカンド・アルバム『Bon Iver, Bon Iver』はPitchforkで9.5/10点を獲得し、全米2位/全英4位を記録。2012年には、第54回グラミーでは最優秀新人賞と最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞を受賞した。2016年のサード・アルバム『22, A Millian』は、全米/全英チャートで2位を記録し、世界各国のチャートで軒並み上位にランクイン。2019年には目下の最新作『i,i』をリリースした。その独創的でユニークなアプローチや表現は、作品を出す毎にメインストリームにまで影響を与える。

Music for Black Pigeons - ele-king

 2010年代後半以降、〈ECM〉から多くの作品を発表しているデンマークのジャズ・ギタリスト、ヤコブ・ブロ。さまざまな音楽家とセッションを繰り広げてきた彼を14年間にわたって撮影しつづけたドキュメンタリー映画が公開されることになった。題して『ミュージック・フォー・ブラック・ピジョン ――ジャズが生まれる瞬間――』。監督は、一昨年『ラース・フォン・トリアーの5つの挑戦』が話題となったデンマークの巨匠、ヨルゲン・レス。撮影中に逝去したリー・コニッツやポール・モチアンといった音楽家による最後の演奏も記録されている。さらに、高田みどりも出演しているようです。
 映画は2月28日よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、アップリンク吉祥寺ほかにて、順次全国公開予定。前売り券も発売中です(https://www.major-j.com/cinema_information.php?id=M69113590023)。

[3月4日追記]
急遽イベントが決定しています。主演のジャズ・ギタリスト、ヤコブ・ブロさんとライターの原雅明さんによる上映後トーク・イベントで、下記の2回を予定。ぜひ足をお運びください。

①アップリンク吉祥寺 3月8日(土)13:20~の回
②ヒューマントラストシネマ渋谷 3月9日(日)12:00~の回

[作品概要]
ミュージック・フォー・ブラック・ピジョン ――ジャズが生まれる瞬間――
(原題:Music for Black Pigeons)
監督:ヨルゲン・レス、アンドレアス・コーフォード
字幕:バルーチャ・ハシム
2022年/デンマーク制作/92分/
出演:ヤコブ・ブロ、リー・コニッツ、ポール・モチアン、ビル・フリゼール、高田みどり、マーク・ターナー、ジョー・ロヴァーノ、ジョーイ・バロン、トーマス・モーガン、マンフレート・アイヒャー、他
配給:ディスクユニオン

オフィシャルURL: https://www.musicforblackpigeons.com/
予告編リンク:https://youtu.be/WL1P7Sv6AJM

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