「Nothing」と一致するもの

Ryan Porter - ele-king

 カマシ・ワシントンやサンダーキャットらが所属するロサンゼルスのジャズ集団ウェスト・コースト・ゲット・ダウンの一員で、カマシのバンドのザ・ネクスト・ステップのメンバーでもあるライアン・ポーター。トロンボーン奏者の彼は昨秋にもミニ・アルバムの『スパングル・ラング・レーン』を出していたが、年が明けて早くも新作『ジ・オプティミスト』をリリースした。『スパングル・ラング・レーン』は幼い娘との遊びの中からアイデアが生まれたもので、子供向けの歌をジャズ・アレンジした一種の企画アルバム的な要素が強く、肩の力を抜いた気軽なセッションという感じであったのだが、『ジ・オプティミスト』は一変して気合十分のセッションで、彼の本領発揮と言うべき演奏が収められている。そうした本気度は、11曲収録してトータル100分ほどの演奏時間、10分を超す長尺曲も多い2枚組CD、アナログ盤では3枚組というパッケージからも汲み取れる。

 ただし、実際のレコーディングは2008年から2009年と10年ほど前に行われたもので、カマシ・ワシントンの両親(カマシの父親はミュージシャンのリッキー・ワシントン)の家にある地下スタジオで録音されている。セッションにはカマシ・ワシントン(テナー・サックス)、マイルズ・モスリー(ベース)、キャメロン・グレイヴス(ピアノ、フェンダー・ローズ)、ブランドン・コールマン(フェンダー・ローズ)、トニー・オースティン(ドラムス)などザ・ネクスト・ステップ、及びウェスト・コースト・ゲット・ダウンの面々が参加しているが、カマシが『ジ・エピック』(2015年)でブレイクする以前の録音で、彼らの年齢も20代半ばから後半といったところ。現在のカマシ周辺のミュージシャンたちが頭角を表わし始めた頃の演奏が収められていると言っていいだろう。演奏にはまだ粗削りな部分も見受けられるが、いろいろとアイデアが湧き出てさまざまなスタイルに挑戦する、そんなミュージシャンとして伸び盛りの時期に彼らがあったことが伺える。当時の彼らは著名なジャズ・ミュージシャンのバンドから、ヒップホップやR&Bアーティストのバック・バンドに呼ばれて生計を立てることが多かったようだが、そうした場では抑えていた本来の彼らがやりたいジャズ、演奏がここに収められていると言える。そうした意欲はこのアルバムの隅々から感じられるし、それがジャズという音楽の持つ熱さとなって表われている。

 今から10年前、2008年秋のアメリカではオバマが大統領選に当選し、翌2009年より初の黒人大統領として執務につく。アメリカの黒人たちはオバマ政権の誕生に沸いており、それは“オバマノミクス”という曲に表われている。ファンファーレ風のホーン・アンサンブルにはポジティヴな力が込められており、オバマの演説の「チェンジ、イエス・ウィ・キャン」を楽曲にしたようなものでもある。そして、そうした姿勢はアルバム・タイトルの「楽観主義者」にも繋がっているのだろう。それから10年、オバマの政策には成功と失敗があり、ノーベル平和賞を受賞する一方で、経済面などでは成果を得られなかったと批判されることがある。現在のトランプ政権はその反動から生まれたが、いろいろな部分で混迷を巻き起こしていることも事実で、たとえば人種差別や女性差別に関して問題がクローズアップされることも多い。そうしたアメリカのこの10年の変遷、10年前と現在との対比が、“オバマノミクス”ひとつとっても見えてくるのではないだろうか。賛美歌を意味する「サーム」からつけられた“ザ・サーミスト”には、彼ら黒人ミュージシャンのゴスペル的な音楽性が見えてくる。演奏はハード・バップ的なスタイルに基づくもので、ライアンたちミュージシャンがしっかりとしたジャズの基本を学んできたことを示している。

 カマシに捧げた“K・ウォッシュ(K-Wash)”は、ジャズ・ボッサ風のアクセントを持つビートにヒップホップのテイストをミックスしており、“ザ・インストゥルメンタル・ヒップホッパー”はヒップホップを意識したようなファンク調のナンバー。このあたりがヒップホップを聴きながら育ったジャズ・ミュージシャンならではと言えるだろう。いくつかカヴァーもやっており、彼らが影響を受けたであろうミュージシャンや楽曲が取り上げられている。フレディ・ハバードの“リトル・サンフラワー”、ジョン・コルトレーンの“インプレッションズ”、キャノンボール・アダレイの“チョコレート・ニューサンス”を演奏しているが、このうち“リトル・サンフラワー”はブラック・フィーリング溢れる怒涛のアフロ・ジャズ・ファンクとなっており、カマシの『ジ・エピック』の世界を先取りしていたような演奏と言える。この“リトル・サンフラワー”には、奴隷制時代の黒人たちが働く農場の風景を象徴するヒマワリが、人種差別の暗喩として登場する。黒人奴隷について歌ったビリー・ホリデイの“奇妙な果実”、黒人労働者たちの労働歌であるキャノンボール・アダレイの“ワーク・ソング”、黒人社会の葬送曲であるアート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズの“モーニン”など、黒人のジャズには暗喩としてこうした表現が見られることがあるのだが、ライアンたちミュージシャンの演奏にもそうした黒人ならではのフィーリングが息衝いている。

KOJOE × ISSUGI - ele-king

 ずっと動き続ける――ラッパーでありシンガーでありトラックメイカーでもあるKOJOEが、昨年リリースしたアルバム『here』から、とくに人気の高かったISSUGIとのコラボ曲“PenDrop”のMVを公開しました。それまでのふたりのイメージを覆し大胆にアニメイションを導入したその映像は、哀愁を誘うトラックとも見事にマッチ、独特の味わいを堪能することができます。また、4月13日に開催されるリリース・パーティの追加情報も解禁され、同時にKOJOEのオフィシャル・サイトもオープンしています。合わせてチェック!

KOJOEの最新作『here』よりISSUGIとのコラボ曲“PenDrop”のMVが公開!
また4/13に開催するリリース・パーティの前売特典も決定し、同時にオフィシャル・サイトもロンチ!

 AKANE、Awichをフィーチャーした先行シングル“BoSS RuN DeM”が大きな話題となり、それに加えて5lack、ISSUGI、BES、OMSBら地域/世代/クルーの枠を越えた多彩なゲストが参加した待望の最新作『here』が各所で話題となっているラッパー、KOJOE! 同作から特に人気の高かったISSUGIとのコラボによる“PenDrop”のミュージック・ビデオが新たに公開! これまでの両者のイメージと異なるアニメーションをフィーチャーした作品に仕上がっている。
 その『here』に参加しているゲスト・アーティストがほぼ全員出演するリリース・パーティがいよいよ4/13(金)に渋谷WWW Xにて開催! 同公演ではMUDとFEBB(R.I.P....)をフィーチャーした“Salud”のillmoreによるリミックス音源収録のCD-Rが前売券購入者特典として配布されることが決定! また、その公演に向けてKOJOEのオフィシャル・ウェブサイトもロンチしている。

KOJOE “PenDrop” feat. ISSUGI (Official Video)
https://youtu.be/vO8C_aiGHrc

Kojoe Official Website :
https://kojoemusic.com


Kojoe " here " Release Tour in Tokyo - Supported by COCALERO -
日程: 2018 年4月13日 (金)
会場 WWW X

[Live]
Kojoe

[Featuring Artists] (A to Z)
5lack
AKANE
Awich
BES
BUPPON
Campanella
DAIA
Daichi Yamamoto
DUSTY HUSKY
ISSUGI
MILES WORD
MUD
OMSB
PETZ
RITTO
SOCKS
YUKSTA-ILL

[DJ / Beat Set]
BudaBrose ( BudaMunk x Fitz Ambrose )
illmore
Olive Oil

OPEN / START:24:15 / 24:15
※本公演では20歳未満の方のご入場は一切お断りさせて頂きます。
年齢確認の為、ご入場の際に全ての方にIDチェックを実施しております。写真付き身分証明証をお持ち下さい。

料金:前売り ¥3,000 / 当日 ¥3,500 (ドリンク代別)
U25チケット ¥2,500 (ドリンク代別) ※枚数限定
※〈U25チケット〉は、25歳以下の方を対象とした割引チケットとなります。ご購入の方は、入場時に顔写真入りの身分証明書をご提示ください。ご提示がない場合は、正規チケット料金の差額をお支払いただきますので、予めご了承ください。

※前売り特典:Kojoe - Salud Feat. MUD & FEBB ( illmore Remix ) 収録CD-R

チケット発売中
e+ / チケットぴあ[P:111-011] / ローソンチケット[L:73906] / WWW店頭

公演詳細ページ:https://www-shibuya.jp/schedule/008824.php


IDM definitive 1958 - 2018 - ele-king

ダンスを契機としながら
ダンスを越える電子音楽
機能性よりも創造性を優先するテクノ
――IDM/エレクトロニカの大カタログ

踊った後に何かが残ってしまう音楽。それが「IDM」と呼ばれるようになった。──本書「序文」より

そもそも、「IDM」および「エレクトロニカ」と呼ばれる音楽とは何なのか? それはハウス・ミュージック以降に生まれた言葉だ。それはダンスを契機としながらダンスを越える電子音楽だ。クラブ仕様としての機能性よりも、楽曲としての創造性を優先するテクノ・ミュージック、エイフェックス・ツインを起爆剤としながら過去と未来に波及する──IDM・エレクトロニカ、世界初の大カタログ登場!!

監修・文:三田格
協力・文:デンシノオト
文:野田努、松村正人、木津毅、小林拓音

*初版のみ電子版へのアクセスキー付き


contents

1 Musique concrète / Synthesizer Music (1958~1965)
2 Sound Effects (1966~1971)
3 Improvisation / Composition (1972~1979)
4 New Wave / Industrial (1980~1989)
5 Braindance (1990~1993)
6 Glitch Electronica (1994~1999)
7 Indietronica & Folktronica (2000~2006)
8 Life and Death of Rave Culture (2007~2013)
9 Now (2014~2018)

Oneohtrix Point Never - ele-king

 時は満ちた。
 昨年の『Good Time』の劇伴や坂本龍一のリミックス、そして3月のデヴィッド・バーン新作への参加を経て、ついにOPNが自身のニュー・アルバム『Age Of』をリリースする。
 最近のコラボ相手を見てもわかるとおり、デビューから10年以上が経ったいまダニエル・ロパティンはその活躍の舞台を上げ、それまでの彼のリスナーとは異なる層にまで訴求する存在になっている。だからこそ、次の一手に関してはいかに紋切り型に陥らないか、いかに手癖に頼らないかというのが肝要になってくるわけだが……公開されているタイトル曲の一部を聴く限り、どうやら『R Plus Seven』とも『Garden Of Delete』とも違う新たな試みが為されているようだ。これは、時代の混沌の中で紡がれた21世紀の電子マニエリスム音楽?
 リリースは5月25日(日本先行発売)。9月には東京での公演も決定している。あなた自身の耳でその変化を確かめよう。

時代の混沌の中で紡がれた21世紀の電子バロック音楽
最新にして圧倒的傑作『AGE OF』完成
即完したニューヨーク2公演に続き、ロンドンと東京公演の開催が決定!

現代を代表する革新的音楽家、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(以下OPN)が、最新アルバム『Age Of』を5月25日(金)に日本先行でリリースすることを発表し、待望の来日公演も決定した。

『Replica』(2011)、『R Plus Seven』(2013)、『Garden of Delete』(2015)と立て続けにその年を代表する作品を世に送り出してきただけでなく、FKAツイッグスとのコラボレーション、アノーニやデヴィッド・バーンのプロデュースに加え、昨年公開の話題映画『グッド・タイム』の劇半でカンヌ映画祭最優秀サウンドトラック賞を受賞するなど、多岐に亘るフィールドで成功を収めているOPNことダニエル・ロパティン。そんな輝かしいキャリアの中でも「ポストモダン・バロック」とでも呼ばれるべき未曽有のポップ・ミュージックが収められた本作は、一つの到達点ともいえる圧倒的な傑作だ。先日公開された、5月にニューヨークで行われる最新コンサート「MYRIAD」のトレーラー映像では、アルバムの冒頭を飾るタイトルトラック“Age Of”の音源を聴くことができる。

Oneohtrix Point Never - MYRIAD
https://opn.lnk.to/MyriadNYC

Video by Daniel Swan and David Rudnick
Directed by Oneohtrix Point Never
Animation by Daniel Swan
Produced by Eliza Ryan
Videography by Jay Sansone
Additional Animation by Nate Boyce
Thrash Rat™ and KINGRAT™ characters by Nate Boyce and Oneohtrix Point Never
Engravings by Francois Desprez, from Les Songes Drolatiques de Pantagruel (1565)
Additional Typography by David Rudnick

大型会場パーク・アベニュー・アーモリー(Park Avenue Armory)で開催されるニューヨーク公演は、発売後72時間で2公演ともにソールドアウト。今回のアルバム発表に合わせ、ロンドン公演(The Barbican)と東京公演(Shibuya O-EAST)の開催が決定! 東京公演の主催者先行は4月5日(木)正午より、BEATINK.COMにてスタートする。
詳細はこちらから:https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=9577

OPN最新アルバム『Age Of』は、日本先行で5月25日(金)リリース! アートワークにはアメリカ現代美術シーンで最も影響力があるヴィジョナリー・アーティストと称されるジム・ショーの作品がフィーチャーされている。国内盤には、ボーナストラックとして、ボイジャー探査機の打ち上げ40年を記念して制作された映像作品「This is A Message From Earth」に提供した「Trance 1」のフルバージョンが初CD化音源として追加収録され、解説書と歌詞対訳を封入。またスペシャル・フォーマットとして数量限定のオリジナルTシャツ付セットの販売も決定。

Jim Shaw
The Great Whatsit, 2017
acrylic on muslin
53 x 48 inches (134.6 x 121.9 cm)
Courtesy of the artist and Metro Pictures, New York


label: Warp Records / Beat Records
artist: Oneohtrix Point Never
title: Age Of

release date: 2018/05/25 FRI ON SALE
国内盤CD BRC-570 定価: ¥2,200+税
国内盤CD+Tシャツ BRC-570T 定価: ¥5,500+税

The Maghreban - ele-king

 北アフリカのモーリタニアからリビアにわたるサハラ砂漠の海岸部をマグレブと呼んでいる。
 ロンドン南西の田舎町でありながらインド系/アフリカ系が多いというギルフォードを拠点とするエジプト系移民の息子、アイマン・ロストムは、この20年近くはヒップホップのビートメイカーとして活動していた。1999年からDr. Zygote名義で作品をリリースしているものの、ほとんどが自主による。2013年には〈Black Acre〉からアルバムも出しており、Discogsでこの作品を調べてみると、エイフェックス・ツインのファンとJディラのファンがチェックしていることに気が付く。この奇妙な組み合わせは、ある意味ではロストムのユニークな音楽性を言い当てているだろう。
 ロストムは数年前からザ・マグレバンの名義を使い、ハウス・ミュージックを作っている。2014年から14枚の12インチをリリースしているが、初期のほとんどがやはり自主レーベルからの作品だ。

 とはいえザ・マグレバン/Dr. Zygoteの音楽は、パリの〈Versatile〉やブリストル〈Black Acre〉といったレーベルの功績によって、数年前からディープな12インチ・リスナーおよびDJのあいだで評判だった。そのサウンドはたびたび“サイケデリック”という言葉で説明されているが、彼の楽曲には音の幻覚性と同時に「わけわかんねー」というある種のファンキーな感覚もある。初めてオリジナル・シカゴ・ハウスを聴いたときの「わけわかんねー」というアレだ。ディスコのわかりやすさとは違った微妙なリズム感。ダンスのために制作されながらも微妙な曲の短さ。独特の音階。気味の悪い音響と大胆な反復。気まぐれで作ったんじゃないかと見紛うような、完成度の高さという言葉からは何万光年も離れているかのような荒さ。
 そして〈R&S〉レーベルはこの才能のアルバム制作に成功して、つい先日『01deas 』がリリースされたというわけだ。

 アルバムには、ロストムが蒐集した何種類ものアフリカの要素、そして父から教えられラアラブの要素が散りばめられているそうだ。ジンバブエのヴォーカリストを迎えてトランスする“Revenge”、全盛期のカール・クレイグのセンスをアフロビートに塗り替えたような“Sham”、この曲はぼくに言わせれば、“バグ・イン・ア・ベースビン”のアフロ・ヴァージョンである。
 ほかにも、アフロなメロディを奏でるギターとURめいたビートの“Mike's Afro”、親指ピアノのウェイトレス“Mbira”、ヒップホップ&ハウスのゲットー・スタイル“Can't Breathe”、どファンキーな“Crime Jazz”やUS西海岸のラッパー、A-F-R-Oをフィーチャーしたヒップホップ・チューンの“Hi Top Remi”、そしてドレクシアを彷彿させる“Mr Brown”などなど。
 ロストムはアフロ・ディアスポリックな自らの音楽をアウトサイダー・ハウスと呼んでいるようだ。ダンス・ミュージックに侵入する部外者たち。素晴らしい。
 

Cassette tape Music and Vintage Boombox - ele-king

 青山キラー通り沿いのキース・ヘリングの壁画も建物の老朽化にともない、壁ごと金沢の美術館に保存されることになったそうですが、その壁と隣接するワタリウム美術館のオン・サンデーズ、地下1Fにて、先月からカセットテープ展を開催しております。
 行ってみると、平日だというのに、老若男女の物好きな人たちが、最近アンダーグラウンド・クラブ・シーンで知らない人はいない存在となってきたレーベル〈MASTERED HISSNOISE〉(https://msnoise.thebase.in/)からの諸作や壁一面のヴィンテージのカセットデッキなどをじーっと見ております。5月13日までやっているので、原宿、表参道、外苑前あたりに起こしの方はぜひ、寄り道して下さい。
 幸いなことに、現在同所では、中原昌也展も開催中です。マイク・ケリーに捧げられた彼のアート作品が展示されており、こちらも見応え充分。店内には、カセットテープに混じって、マイク・ケリーの作品集やデストロイ・オール・モンスターズのジンも販売しており、なんかとても不思議なヴァイブを醸し出しておりました。

Casette tape Music and Vintage Boombox
@on Sundays B1
3/15~5/13

「カセットテープ音楽は音のZINEかもしれない。それは初期衝動とD.I.Y.スピリットのアマルガム」

 青山WATARIUM美術館内B1「on Sundays」にてビンテージカセットプレーヤー、カスタムカセットデッキ、インディーカセットレーベルのポップアップストアが開催。
 アンダーグランドCLUBシーンを中心にリリースし、異業種との様々なコラボを展開する注目のレーベル「MASTERED HISSNOISE」の作品群をはじめ、吉祥寺toosmell records所有の貴重なカセットデッキも放出。また展示期間中しか入手出来ない貴重なカセット作品も出展。
 近年アンダーグランドの最深層で新たなアートフォームとして再び注目されるカセットテープカルチャーに参加する様々なアーティストの作品を是非ご覧になって下さい。

ワタリウム美術館
https://www.watarium.co.jp/
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-7-6
tel:03-3402-3001


こちらが店内の様子です。



こちらは解体中のキース・ヘリングの壁画です。残念です!!!

Autechre - ele-king

 オウテカがふたたび動き出しました。一昨年、5枚組に相当する大作『elseq 1–5』をリリースした彼らですが、今週からロンドンのラジオ局「NTS Radio」に、なんと4度にわたって出演します。その特別番組は明日5日よりスタート、それぞれ2時間のヴォリュームで、日本時間では木曜日深夜24時(金曜0時)から、その後は12日、19日、26日に放送される予定です。いったいどんなライヴを聴かせてくれるのやら。メーリングリストへの登録と放送はこちらから。

April 2018.
5 / 12 / 19 / 26.

17:00-19:00 CET / 16:00-18:00 BST / 11:00-13:00 ET / 10:00-12:00 CT / 08:00-10:00 PT / 23:00-01:00 CST / 00:00-02:00 JST (+1 Day) / 01:00-03:00 AEST (+1 Day)

https://nts.live/autechre

Mount Eerie - ele-king

 映画について書く仕事をしているとレコメンドを訊かれることも多いが、そのとき「重い映画は勘弁してくれ」と加えてくるひとは案外多い。と書くと、映画がある種の気晴らしと捉えられていることに対する愚痴のようだが、そうではなく、映画が語りうるものの力を知っているがゆえにこそ「重い」作品に向き合うことは精神的に容易ではないという含意がそこにはある。この間も子を持つ友人に『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のプロットを簡単に説明すると、「自分はその映画を観られない」と言っていた。「観たくない」ではなく、「観られない」だ。人生における理不尽な悲劇とスクリーンを通して直面できない……という呟きを前に、何を偉そうなことを言えるだろう。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』には「重さ」だけではないユーモアや美があるのだけれど、子を持つ人生を選択した彼を前にして、子を持たない僕は押し黙ることしかできなかった。
 では、重い音楽はどうだろう。誰のためにあるのだろう。妻の死と、その後も続いていく人生に震え続ける自身をドキュメンタリーのように綴ったマウント・イアリの昨年のアルバム『ア・クロウ・ルックト・アット・ミー』は、テーマとしてはもっとも重い部類の作品だった。共感するとも感動するとも簡単に言えない、個人的な悲劇の赤裸々な描写がひたすら続く。弱々しく、いまにも壊れそうなフォーク・ミュージック。同作を2017年における最高のアルバムに選んだタイニー・ミックス・テープスによれば、この作品を愛することはとてもアンビヴァレントな想いを喚起する。つまり、誰かの人生の悲劇に音の震えとともに涙することは、それ自体が傲慢なことなのではないか、と。その答はわたしたちにはわからない。歌い手であるフィル・エルヴラムにもわからない。わからないまま、ひたすら歌に身を任せるしかないという時間がそこには収められていた。

 前作からほぼ1年で発表された『ナウ・オンリー』は、当然のことながら『ア・クロウ・ルックト・アット・ミー』の続きである。エルヴラムは幼い娘を遺して他界した妻ジュヌヴィエーヴ・カストレイに向けて、「僕はきみに歌う」とアコギを小さく鳴らしながら囁くばかりだ。生前のジュヌヴィエーヴと読んだ『タンタン チベットをゆく』を思い出しながら(“Tintin in Tibet”)、ジャック・ケルアックのドキュメンタリーを観ながら(“Distortion”)、あるいはスクリレックスが派手なショウをするフェスティヴァルで「死についての歌を ドラッグをキメた若者たちに向けて歌い」ながら(“Now Only”)。『クロウ』が妻の死から時間が過ぎていく様を順に描いていたのに対し、本作ではより断片的にエルヴラムの心情が浮かび上がるのだが、前作で繰り返していた「死は現実である」という真実にギターのアルペジオとともにうなだれている姿は同様だ。
 だが明確に違う点もある。ほとんどギターと歌による一筆書きだった『クロウ』に対して、ディストーション・ギターやノイズ、ピアノ、ドラムといったバンド・アンサンブルが『ナウ・オンリー』では復活している。復活、というのは、ザ・マイクロフォンズからマウント・イアリへと至るエルヴラムの長いキャリアのなかで見せてきたローファイなサウンド構築がここで再び姿を見せているからだ。90年代にサッドコアと呼ばれた音楽を思い出すひともいるだろう。とりわけタイトル・トラックである“Now Only”ではギター・ポップのような軽やかなバンド演奏すら聴ける。……が、それはあるとき床に手をつくように不協和音とともにフォルムを崩し、力なく鳴らされるばかりのギターのコード弾きと音程を取らずにまくしたてられるエルヴラムの嘆きへと姿を変える。かと思えば、またギター・ポップになり、かと思えばまた崩れ落ちる。この音のあり方は、エルヴラムの引き裂かれる内面をそのまま表しているだろう。妻を想う彼の言葉は何度も詩的な描写へとたどり着こうとするが、次の瞬間、彼自身がそのことを否定する。妻の死を詩や歌にすること、それを共有することの無意味さをエルヴラムはアルバムのなかで何度も何度も噛みしめている。だが、それでも言葉の連続はやがてメロディとなり、重なる音はアンサンブルとなる。その、情景が何度も揺れ動く生々しさにはただ呆然とするしかない。最愛のパートナーを喪った悲しみは僕にはやはりわからない。わからないまま、胸が締めつけられる時間が続いていく。
 ノイジーなギターとともに始まる“Earth”はそのもっとも究極的な一曲だ。オルタナティヴ・ロック調の導入は、やがて単純なコード弾きの連打とエルヴラムの飾らない歌、それに微かに後ろで鳴っているノイズへと姿を変えてゆく。「きみはいま 庭の外で眠りについている」と言った次の瞬間には、「何を言ってるんだ? きみは眠ってなどいやしない/きみにはもはや死んだ身体すらない」と自分の詩的な表現を拒絶する。だがそれでも、曲の後半3分、こぼれ落ちてくるように畳みかけてくるメロディをエルヴラムも聴き手であるわたしたちも押し止めることはできない。そのか細くも美しい音の連なりに、僕はどこかでこれが永遠に続けばいいと願っている。だが、歌はあるときあっけなく終わりを告げる。それ自体が誰かとの別れのように。

 『ナウ・オンリー』を聴くことは、フィル・エルヴラムそのひとの内面の揺らぎをそのまま体験することだ。だがそこには重さだけではない、浮遊するような心地よさがたしかに宿っている。9分以上に渡って人生の意味を問う“Two Paintings By Nikolai Astrup”、前作から引き継いだカラスというモチーフとともに妻の不在にあらためて浸るヘヴィなアシッド・フォークの終曲“Crow pt.2”に至るまで、シーンの片隅でひっそりと歌い続けてきたフィル・エルヴラムの誠実なソングライティングの輝きは消えない。
 多かれ少なかれ、早かれ遅かれ、僕たちは別れや悲劇や――それぞれの人生の重さに向き合わねばならないのだろう。フィル・エルヴラムは歌うたいとして、そのことにただ向き合ったし、これからも向き合っていくに違いない。その歌はセラピーでも自傷行為でもない。わたしたちが人間性と呼ぶものに、そっと触れることだ。

RAINBOW DISCO CLUB 2018 - ele-king

 会場を静岡の東伊豆に移してから4年目。今年も「RAINBOW DISCO CLUB」の時期がやってきました!
 ダンス・ミュージック好きにはたまらないラインナップと、ハンモックカフェ、東伊豆の地元食材など充実のフードコート&バー、さらにキッズエリアも備えた、子供から大人までが一緒に楽しめる空間は、心に残る最高の経験を提供してくれます。

 今年の見どころ1。Four TetとFloating PointsによるB2Bセット。ジャズからテクノを横断する、今日のエレクトロニック・ミュージック・シーンにおける2人のキーマンによるB2Bからは最高のグルーヴが生まれること間違いなし。
 今年の見どころ2。DJ Nobu とJoey AndersonによるB2Bセット。はっきり言って、このふたりがいっしょにやるのはテクノ・ファンにとって夢。いや、ほんと、だってあなた、ジョイ・アンダーソンとDJノブなんだぜ〜。期待しかない!
 今年の見どころ3。Gonno × Masumuraのライヴ。これはやばい。元森は生きているのドラマーの増村和彦とGonnoとのプロジェクトがついに始動。これも期待しかないです! 
 
みんなで最高のGWを送りましょう! ピース。

https://www.rainbowdiscoclub.com
https://www.redbull.com/jp-ja/events/rainbow-disco-club-2018


STRUGGLE FOR PRIDE - ele-king

 彼らはある意味、再開発が加速する東京の申し子だった。街を遊び場とするボヘミアン、まあかなりハードコアなボヘミアンだが、あたかも自由の限界を確かめるような、そのひとつの象徴的なバンドとして、ストラグル・フォー・プライドは21世紀初頭の東京のアンダーグラウンドにおける脅威として存在した。彼らの2006年のファースト・アルバム『YOU BARK WE BITE』のアートワークをよく見て欲しい。

 そしてSFPは復活し、5月23日に12年ぶりのセカンド・アルバムを発表する。タイトルは『WE STRUGGLE FOR ALL OUR PRIDE.』。2枚組BOX仕様、発表されているゲスト陣がすごい。カヒミ・カリィ、中納良恵(EGO-WRAPPIN’)の他、GORE-TEX、NIPPS、FEBB、KNZZ、敵刺、BBH、BUSHMIND、小西康陽、杉村ルイ、 酒井大明(OHAYO MOUNTAIN ROAD)、DRUNK BIRDS、DJ HIGHSCHOOL、ECD……。
 SFPは、ele-kingでもお馴染みのハードコア&ヒップホップのレーベル〈WDsounds〉やサイケデリック・ヒップホップを標榜するブッシュマインドたちの仲間。彼らの音楽は雑食性が強く、パンクでもテクノでもラウンジでもお気に入りのものならなんでも取り入れているわけだが、SFPが新作においていったいどんなサウンドを聴かせてくれるのか注目したい!
  ちなみにDISC2は初のライヴ音源で、ECDのラスト・ステージも収められている。また、発売を記念して、HMV全店でCD+刺繍ポケットT-SHIRTS付セット、ディスクユニオン全店でCD+T-SHIRTS付セットの限定販売あり。


STRUGGLE FOR PRIDE
WE STRUGGLE FOR ALL OUR PRIDE.

WDsounds / AWDR/LR2
詳しくはこちら


 また、長いあいだ入手困難だったファースト・アルバム『YOU BARK WE BITE』も4月25日再発される。こちらには80年代関西ハードコア・シーンの重鎮MOBSの“NO MORE HEROES”のカヴァーも追加で収録。さらにラッパーKNZZも参加、ライナーノーツはヴォーカルの今里が執筆。12年前を知らない若い世代にも、その時代の東京という街で生まれた彼らの圧倒的なノイズコアをぜひ聴いて欲しい。

STRUGGLE FOR PRIDE
YOU BARK WE BITE
cutting edge
https://www.amazon.co.jp/YOU-BARK-BITE-STRUGGLE-PRIDE/dp/B078HCS9G5/

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