2000年代後半から現在まで続く80sサウンド・リヴァイヴァルの最大の貢献者であるデイム・ファンクことデイモン・ギャリック・リディック。80sサウンドにもいろいろあるが、彼の場合はモダン・ファンクやシンセ・ブギーで、自身の出生地であるUSカリフォルニア産のサウンド(LAの〈ソーラー・レコード〉などがその典型)がベースとなっている。2009年に〈ストーンズ・スロー〉から『トゥイーチゾーン(Toeachizown)』を発表し、一躍その名を轟かせた彼だが、それ以来となるニュー・アルバム『インヴァイト・ザ・ライト』が発表された。じつに6年ぶりの新作だが、その間もデイム・ファンクにとっては憧れのヒーロー格にあたるスティーヴ・アーリントン(元スレイヴ)とのコラボ・アルバム『ハイアー』(2013年)を発表し、スヌープ・ドッグの変名であるスヌープジラと組んだ7デイズ・オブ・ファンク、コンピューター・ジェイ、Jワンと組んだマスター・ブラズターでの活動や、ほかにもシングルやEP、リミックス、ミックステープ類や過去の作品集などをいろいろと出していたので、制作作業から遠ざかっていたどころか、かなり精力的に動いていた。
こうした作品でも一貫してモダン・ファンクや、それに隣接するGファンク系ヒップホップを聴かせてきたのだが、とくに近年はダフト・パンクやファレルによってディスコ・リヴァイヴァルに火が点き、今年に入ってからもメイヤー・ホーソーンとジェイク・ワンによるタキシードがモロにシンセ・ブギー路線のアルバムを出したりと、改めてデイム・ファンクの功績を再検証する機会が増えてきたように思う。そうしたタイミングもあって、発売前から大きな話題を呼んでいたアルバムだ。〈ソーラー・レコード〉のレオン・シルヴァーズ3世(ファミリー・グループのシルヴァーズのメンバー)がプロデュースした『トゥイーチゾーン』は、ほぼ一人での宅録に近い内容だったが、『インヴァイト・ザ・ライト』はとにかくたくさんのゲスト参加があり、予算も内容も格段にスケール・アップしている。それはすなわち、この6年でデイム・ファンクの評価がいかに高まったかを物語る。そのゲストをあげると、レオン・シルヴァーズ3世と4世の親子、オハイオ・プレイヤーズのジュニー・モリソン、ジョディ・ワトリー(彼女も〈ソーラー〉を代表するグループのシャラマー出身)、そしてスヌープ・ドッグ、コンピューター・ジェイ、ナイト・ジュエルなど過去にコラボをしてきた面々、さらにQティップ、アリエル・ピンク、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフレアと多士済々だ。西海岸勢が占める中で東海岸を代表するMCであるQティップとのコラボ、異種顔合わせの最たる例であるアリエル・ピンクやフレアとのコラボなど、実に興味深いセッションが行われている。
アルバムの楽曲を見ると、フューチャリスティックな“フローティング・オン・エア”、レフトフィールドなエレクトロ“ザ・ハント&マーダー・オブ・ルシファー”のようにさらに進化した姿を見せてくれる曲がありつつも、基本は『トゥイーチゾーン』や『ハイアー』のラインを受け継ぎ、シンセ・ベースによる重低音が貫くモダン・ファンクは相変わらずだ。というか、彼にはこれしかないし、またリスナーもそれ以外のものを望んではいない。古いとか新しいとか、時流や流行などいっさい関係ないし、ゲストに誰が来ようが日和ることもない。ここまで自身の道を貫けるのは潔いし、だからこそ説得力のある音だ。そうした中、ファンキーなサウンドももちろん素晴らしいが、彼の真骨頂は“サムホェア、サムハウ”で聴けるようなメロウなシンセ・ブギーにあると思う。これこそ西海岸の音だし、80sの匂いも残しつつ、いまの時代にもしっかりとフィットする普遍性を備えている。本作はアップにしろスローにしろ、そうしたメロウ・サイドがより洗練された印象で、“O.B.E.”には初期のラリー・ハードが持っていた美的センスと同種のものを感じさせる。そして、そのタイトルどおりスキャットを交えた“スキャッティン”は最高のAORではないだろうか。
TREKKIE TRAXは2012年に日本の若手DJが中心となり発足したインターネッ・トレーベル/クリエイター集団である。これまでのテンプレートに囚われない様々な音楽を世界に向けて発信することを指針とし、全国各地で活動しているトラックメーカーとともに楽曲リリースを行っている。主要メンバーは東京を中心にDJ活動を行っており、ageHa、WOMB、UNIT、asiaなどの日本を代表するクラブで日夜プレイをしている。TREKKIE TRAX CREWとしてはTOYOTA ROCK FESTIVAL 2013を皮切りに日本各地へ遠征を開始。FEED ME、Alizzz、Bobby Tank、Obey City、Elijah&Skilliamとの共演やHYPER DUBの10周年スペシャル・レーベル・ショウケースへの出演も果たす。2014年2月には代官山UNITで盟友 LEF!!! CREW!!!、Hyper Juice とサウンドクラッシュを行う。会場のみならず、後にyoutube上にupされた動画から多くの日本のユースを熱狂の渦へ巻き込んだ。TREKKIE TRAXは2014年末までフリーダウンロードの形式でのリリースが主であったが、2015年より世界最大級の音楽プラットフォームであるiTunes Store・Beatportでの音楽配信、さらにレコードやCDのフィジカルでのニュー・リリース・ラインを開始。さらにリリースと同時に全国ツアー、海外でのアクトを敢行するなど多くの人々に日本の音楽を届けるため、活動の幅を大きく広げている。また国内だけでなく、フィンランドの名門レーベルTOP BILLINとのコラボレーション企画第一弾のコンピレーション「Trekkie Trax Japan Vol.1」が2014年4月にリリース。さらに楽曲はSkrillex主宰レーベルOWSLAの運営するブログ"Nest HQ"、世界最大のEDMポータルサイトである"EDM.com"や"Do Androids Dance"、大手ネットマガジン"Pichfork"や"Thump"で取り上げられ、「Rinse.FM」「BBC Radio 1Xtra」などのラジオ局もプレイされるなど、DJ、楽曲共に国内外で高い評価を得ている。活動はラジオ・パーソナリティまで幅をのばし、m-floのTaku Takahashiが局長を務める日本最大のクラブ・ミュージック・インターネット・ラジオ「Block.fm」にてクルーのSeimei & Taimei、andrewによる「Rewind!!!」が2013年12月よりスタートした。その活躍は今後の日本のユースシーンを牽引するいまもっとも注目すべきレーベル、DJ集団と言える。
ダブステップのパイオニア、DIGITAL MYSTIKZはサウス・ロンドン出身のMALAとCOKIの2人組。ジャングル/ドラム&ベース、ダブ/ルーツ・レゲエ、UKガラージ等の影響下に育った彼らは、独自の重低音ビーツを生み出すべく制作を始め、アンダーグラウンドから胎動したダブステップ・シーンの中核となる。
ミキシングを自在に操り、様々なアプローチで ダンスミュージックを生み出すサウンド・オ リジネイター。03年に1st.アルバム『GOTH-TRAD』を発表。国内、ヨーロッパを中心に海外ツアーを始める。05年には 2nd.アルバム『THE INVERTED PERSPECTIVE』をリリース。また同年"Mad Rave"と称した新たなダンスミュージックへのアプローチを打ち出し、3rd.アルバム『MAD RAVER'S DANCE FLOOR』を発表。06年には自身のパーティー「Back To Chill」を開始する。『MAD RAVER'S~』収録曲"Back To Chill"が本場ロンドンの DUBSTEP シーンで話題となり、07年にUKのレーベル、SKUD BEATから『Back To Chill EP』、MALAが主宰するDEEP MEDi MUSIKから"Cut End/Flags"をリリース。12年2月、DEEP MEDiから待望のニューアルバム『NEW EPOCH』を発表、斬新かつルーツに根差した音楽性に世界が驚愕し、精力的なツアーで各地を席巻している。
マリ共和国クリコロ生まれ。11才よりギターを始め、高校時代より既にレコーディングをするなど学生ミュージシャンとしてキャりアをつむ。緻密で鋭い切れのギターワークが持ち味。音楽大国マリのビックバンド、バマサマ、レイル、両バンドのメンバーとして早くから活躍する。1982年、マリの国営バンドレール・バンドのリード・ギタリストとして抜擢されると、同バンドのリード・シンガーサリフ・ケイタと意気投合。1984年にサリフ・ケイタがパリに拠点を移すと、その2年後の1986年に渡仏。サリフ・ケイタを始め、さまざまなミュージシャンのバックバンドを精力的に務める。1990年にサリフ・ケイタのバックバンドの一員として初来日。ワールドミュージックブームと日本の音楽情報の流通形態に感銘を受け、翌1991年から日本に拠点に移す。1993年にマンディンカを結成。翌1994年からアフリカの民族楽器コラを独学で習得し、それをバンドサウンドのひとつとして取り入れている。1997年1月にバンド名をMAMADOU DOUMBIA with MANDINKAと改め、セカンドアルバム「YAFA」をリリースし、イギリスBBCの年間ベストアルバムに選ばれる。コラを片手に講演活動するなど、多方面で精力的に活動している。








